JP4173150B2 - 倒立型揮散装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体製剤を収容し、当該液体製剤に含まれた例えば、芳香剤、消臭剤、等の有効成分を室内等の空間に安定的且つ均一に十分量揮散および拡散させることができる倒立型揮散装置に関する。
従来の倒立型揮散装置の一例を図18に示す(例えば、特許文献1参照)。図18に示されるように、倒立型揮散装置50は、液体芳香剤収納容器51と、ガイド部54と、芳香皿52と、を備えている。液体芳香剤収納容器51は、その先端に液排出口部53が一体成形されている。
倒立型揮散装置50では、芳香皿52の皿部55内に配置された揮散用部材56に液排出口部53が接触するように、液排出口部53を下向きにして倒立させた液体芳香剤収納容器51がガイド部54に挿入される。
液排出口部53が、芳香皿52上に配置された揮散用部材56に接触することにより、液体芳香剤収納容器51に収容された液体芳香液57が液排出口部53を通って揮散用部材56に移行する。毛細管現象により揮散用部材56全体に液体芳香剤57が行き渡ると毛細管現象が生じなくなり、液体芳香剤収納容器51からの液体芳香剤57の供給は停止する。
揮散用部材56に染み込んだ液体芳香剤57が経時により芳香窓58,58…から揮散すると再び毛細管現象により液体芳香剤57が揮散用部材56に供給され、液体芳香剤収納容器51内の液体芳香剤57が無くなるまでこの動作が繰り返される。
次に、従来の倒立型揮散装置の他の一例を図19に示す(例えば、特許文献2参照)。図19に示されるように、倒立型揮散装置70は、その容器本体71内に液体芳香剤72が収容され、容器本体71の口部73の先端部に含浸材74が設けられている。受皿75の内部に含浸体76が配置されており、受皿75の外側には支持部材77が取付けられている。支持部材77は、含浸材74を含浸体76に接触させるように容器本体71を倒立状態に支持するものであり、受皿75の外周への支持環78と容器本体71の支持環79とを有している。倒立型揮散装置70では、含浸材74が含浸体76に接触することにより、容器本体71内の液体芳香剤72が毛細管現象により含浸材74を伝わり含浸体76に移行する。
特開平08−107928号公報 実開昭61−194536号公報
一般的に、倒立型揮散装置においては、液体製剤を収容する貯留容器内上部のヘッドスペース内の気体が、倒立型揮散装置を取り巻く環境の温度上昇により膨張すると、貯留容器内部の液体製剤が芯を通じて下容器に過剰に出液されることがある。このため、揮散体の液保持能力を超えた液量は、下容器に溜まってしまう。そして、下容器に液体製剤が溜まったままで倒立型揮散装置が動かされると、下容器の揮散孔から液体製剤が漏れ出し、液体製剤が無駄になるばかりか、床面等を汚染してしまうという問題がある。また、温度上昇による過剰出液量は、ヘッドスペース体積が大きいほど多くなるため、容量の大きい貯留容器で倒立型揮散装置を採用することは困難である。
このような事情を考慮すると、上記特許文献1に開示された倒立型揮散装置では、芳香皿52上に配置された揮散用部材56の液保持能力を超えて芳香皿52に液体芳香液57が溜まったままで倒立型揮散装置50が動かされると、芳香窓58から液体芳香液57が漏れ出して床面等を汚染してしまう可能性が高い。
同様に、上記特許文献2に開示された倒立型揮散装置でも、含浸体76の液保持能力を超えて受皿75に液が溜まったままで倒立型揮散装置70が動かされると、受皿75から液体芳香液72が漏れ出して床面等を汚染してしまう可能性が高い。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、収容した液体製剤を無駄なく使い切ることができる倒立型揮散装置を提供することにある。
前述した目的を達成するため、本発明に係る倒立型揮散装置は、下記(1)、(2)および(3)を特徴としている。
(1)液体製剤を収容した貯留容器と、
前記貯留容器の下部に組み付けられた下容器と、
前記貯留容器の下部と前記下容器との間に挟まれるように前記下容器に収納され、前記貯留容器中の液体製剤が供給される揮散体と、
を備えた倒立型揮散装置であって、
前記下容器に、前記揮散体の下方に配置される液溜り室が形成され、
前記揮散体が、前記液溜り室に溜まった液体製剤を前記揮散体へ戻す吸液部を有すること。
(2)上記(1)の倒立型揮散装置であって、前記吸液部が、前記揮散体に一体成形され、前記液溜り室に向けて突出するように配置されていること。
(3)上記(1)の倒立型揮散装置であって、前記吸液部が、前記揮散体に別体に形成され、当該揮散体から前記液溜り室に向けて配置されていること。
上記(1)に記載した構成の倒立型揮散装置では、揮散体に貯留容器からの液体製剤が染み込み、当該揮散体が飽和状態になってその液保持能力を超えると、その越えた分の量の液体製剤が液溜り室に一旦収容される。また、液溜り室に収容された液体製剤は吸液部により揮散体に戻すことが可能である。従って、液溜り室に収容された液体製剤は、揮散体に戻されるため、液溜り室に溜まったままになることがない。それ故、上記(1)に記載した構成の倒立型揮散装置によれば、液体製剤が漏れ出すことが防止され、液体製剤を無駄なく使い切ることができる。
また、上記(2)に記載した構成の倒立型揮散装置によれば、液溜り室に収容されている液体製剤を効率良く揮散体に戻すことができる。また、吸液部が揮散体の製造時に揮散体と一体成形されるので、生産性の向上を図ることができる。
また、上記(3)に記載した構成の倒立型揮散装置によれば、液溜り室に収容されている液体製剤を効率良く揮散体に戻すことができる。ここで、揮散体に別体に形成された吸液部が、揮散体よりも吸液性のある材料で作製されたものであれば、液溜り室に収容されている液体製剤を更に効率良く揮散体に戻すことができる。
本発明の倒立型揮散装置によれば、揮散体の液保持能力を超えたとしても液体製剤が液溜り室に一時的に溜められ、また液体製剤を液溜り室に溜まったままにすることなく液体製剤を揮散体に戻して有効的に使うことができ、よって液体製剤を無駄なく使い切ることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る倒立型揮散装置の一実施形態を示す外観斜視図、図2は図1に示す倒立型揮散装置の縦断面図、そして図3は図1に示す倒立型揮散装置に用いられる揮散体の単体平面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態である倒立型揮散装置10は、貯留容器であるボトル11と、下容器12と、を備えており、その本体が台座に乗った卵の形に形成されている。
ボトル11は、倒立型揮散装置10の本体の卵形部分の上半部を形成しており、内部に液体製剤13が収容され、倒立状態で下容器12に組み付けられている。
ボトル11は、その壁面を液体が実質的に通過することはない。ボトル11を形成する材料としては、液体製剤13が漏れないものであれば、プラスチック、紙、金属、セラミック、ガラス、等の1種以上を用いることができる。また、ボトル11を形成する際には、上記材料と共に、色素、紫外線吸収剤(遮断材)を混ぜたり、模様を付したり、蓄光材、光散乱材、ラメ等を入れたりしてもよい。
液体製剤13が含有する有効成分(芳香成分、消臭成分等を含む)としては、例えば、緑茶抽出エキス(例えば、カテキン、タンニン、ポリフェノール等)、グレープフルーツエキス、柿抽出エキス、シソ抽出エキス、マッシュルームエキス、竹抽出エキス、シャンピニオンエキス、納豆抽出エキス、除虫菊エキス等の植物抽出エキス(この他にも、例えば、ツバキ、バラ、キク、マツ、スギ、オオバコ、等から得られるエキス)、ハッカオイル、ペパーミントオイル、ユーカリオイル、ティーツリーオイル、ラベンダーオイル、ローズマリーオイル、ベルガモットオイル、ボアドローズ、薄荷オイル、リセアキュベバ、マジョラムオイル、スペアミントオイル、α−ピネン、青葉アルコール、青葉アルデヒド、ゲラニオール、サビネン、リナロール、テルピネオール、ラズベリーケトン、クミンアルデヒド、ヒノキチオール、シトロネロール、シトロネラール、1,8−シネオール、ボルネオール、α−カジオール、L−メントール、チモール、シトラール、バニリン、ベンズアルデヒド、安息香酸、カンファー、リナリルアセテート、イグサ、ヒノキ、シトロネラ、シトラール、レモン、レモングラス、オレンジ等の植物精油、これらを含む消臭剤(例えば、商品名「スーパーピュリエール」(松下電工社製)、商品名「フレッシュシライマツ」(白井松新薬社製)、商品名「スメラル」(環境科学開発社製)、商品名「パンシル」(リリース科学社製))、この他、合成香料、調合香料、メタクリル酸ラウリル、メチル化サイクロデキストリン等が挙げられる。また、液体製剤13にはフィトンチッドを用いることもできる。このフィトンチッドとしては次の各種樹木の葉、花、根、材より得られるものが挙げられる。例えば、ネズコ、ヒノキ、ニオイヒバ、アスナロ、チャボヒバ、ハイビャクシン、サワラ、ヒノキアスナロ、ネズミサシ、カイヅカイブキ、オキナワハイネズ、エンピツジャクシン等のヒノキ科、トドマツ、エゾマツ、シラベ、ハイマツ、アカエゾマツ、トウヒ、モミ、ツガ、ストローブマツ、アオトウヒ、ヒマラヤスギ、カラマツ、ダイオウショウ、イヌカラマツ、アカマツ等のマツ科、イチョウ等のイチョウ科、イヌマキ等のイヌマキ科、スギ、コウヤマキ、コウヨウザン等のスギ科、カヤ、キャラボク、イチイ等のイチイ科、クスノキ、タブノキ、ヤブニッケイ、シロダモ、シロモジ等のクスノキ科、ノリウツギ等のユキノシタ科、ミヤマシキミ、サンショウ等のミカン科、シキミ等のシキミ科、アセビ等のツツジ科、クヌギ、シラカシ、スダジイ等のブナ科、等が挙げられる。さらに、これらの葉油、材油である、4−テルピネオール、α−ピネン、リモネン、サビネン、γ−テルピネン、エレモール、α−テルピニルアセテート、cis−ツヨン、フェンコン、ボルニルアセテート、カンフェン、β−フェランドレン、ゲラニルアセテート、ゲルマクレンD、β−エレメン、(+)−カンファー、カリオフィレン、1,8−シネオール、α−テルピネオール、δ−カジネン、β−オイデスモール、α−ムロレン、クリプトメリオール、クリプトメリジオール、テルピネオール、δ−カジノール、T−ムーロロール、ツヨプセン、セドロール、ウィドロール、カルバクロール、ヒノキチオール、サフロール、リナロール、セドレン、フィロクダデン、α−カジネン、フェンケン、ボルネオール、ネズコン、β−ピネン、ミルセン、ツヤ酸メチルエステル、ツヤ酸、α−ツヤプリシン、ゲルマクレン等が挙げられる。そして、上記有効成分は、所望の効果を得るために1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その具体的な効果としては、芳香、消臭、除菌、抗菌、防カビ、防腐、殺菌、殺虫、殺卵、産卵阻害、追い出し、精神安定、鎮痛、清涼、抗ヒスタミン作用、抗アレルギー症、抗耳鼻咽喉諸症、抗睡眠時無呼吸症候群、眠気覚まし、ダイエット等が挙げられ、有効成分は上記した効果を複数兼ね備えていることもある。
液体製剤13中の有効成分の含有量は、液体製剤13の全重量に対して、一般的に0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。液体製剤13は、その他、添加剤として、硬化油、グリセリンまたはその誘導体、脂肪酸またはその誘導体、アルコール、多価アルコールまたはこれらの誘導体、界面活性剤(例えば、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、等)、色素(例えば、タール色素、ベンガラ色素、天然色素、等)、防腐剤(例えば、メチルパラベン、フェノキシエタノール、塩化ベンゼトニウム、有機窒素硫黄ハロゲン系化合物、PCMX、TBZ、等)、消泡剤(例えば、シリコーン樹脂、等)等を含有することもできる。これらその他の添加剤の液体製剤13中での含有量は、一般的に10重量%以下である。液体製剤13は、更に、キレート剤、粘度調整剤、比重調整剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、等を含有してもよい。液体製剤13は、上記各成分を、水、アルコール、有機溶媒、等を用いて適宜調整することができる。更に、液体製剤13は、必要に応じて、防虫成分、殺虫成分、忌避成分、殺菌成分(抗菌成分)、等を含有してもよい。なお、液体製剤13中の有効成分の含有量は、本発明を達成できるものであれば任意であり、特に制限されない。
(液体製剤13の処方例)
有効成分 0.1〜10重量%(好ましくは0.1〜5重量%)
界面活性剤 0.1〜20重量%(好ましくは0.5〜10重量%)
防腐剤 0〜1重量%(好ましくは0〜0.5重量%)
消泡剤 0〜1重量%(好ましくは0〜0.1重量%)
溶剤 適量(好ましくはエタノール20〜40%含有水溶液)
合計 100重量%
尚、上記の処方例中において、好ましいとして記載した範囲で調製されたものは、消防法における危険物適用除外の対象とすることができる。さらに、溶剤中のエタノール含量を減らすなどして、引火点を61℃以上とすることで海上輸送上の引火性液体危険物に該当しないものにもでき、保管上、輸送上においてメリットを得ることができる。
上記の各成分は、本明細書に記載のものから選択して用いられる。
下容器12は、倒立型揮散装置10の本体の卵形部分の下半部および台座を形成している。下容器12は、その下端部に形成された台14によって支持されるように構成されており、その側部の全周に複数の揮散用開口部15が形成されている。複数の揮散用開口部15のうち下容器12の側部の前面と背面に設けられたものは、花園を模した形状になっている。
図2に示すように、ボトル11は、下端部寄りの外周部に、下容器12に形成された係止突起16に嵌め付けられる係合部17が形成されている。また、ボトル11の下端部には、開口部18が形成されており、この開口部18が、吸液芯19を装着した中栓20によって閉塞されている。尚、ボトル11の下端部には、倒立型揮散装置10の使用前に吸液芯19を密封するために、図2中に仮想線で示されるキャップ21が螺合される。中栓20には、各種の材質を用いることができる。例えば、金属、プラスチック等である。金属を用いる場合はパッキン等を用いて、漏れを防ぐ必要がある。また、プラスチック製であれば、基本的にどのような樹脂であってもよく、基本的には経済性、使用性から考えて、ポリエチレンが好ましく、このポリエチレンは特に限定されるものではないが、直鎖状低密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、の単体またはこれらの混合物であっても良い。また、混合割合は任意である。また、必要に応じて可塑剤が添加される。これは生産性を高める為である。
吸液芯19は液体製剤13を吸液する吸液部材である。吸液芯19を形成する材料としては、無機材料および有機材料のいずれでもよいが、好ましくは樹脂であり、具体的にはポリエチレンテレフタレート(以下、PETともいう。)、アクリル樹脂(以下、PAともいう。)、ポリプロピレン、ポリエチレンの1種あるいは2種以上を挙げることができる。特に、吸液芯19としては、気液の交換ができる特性を有するものがよい。ここで、気液の交換ができる特性を有する吸液芯とは、ボトル11内の液体製剤13が吸液芯内部に浸透してボトル11外部に排出されるとともに、ボトル11外部から空気等の気体が吸液芯内部に浸透してボトル11内部で吸液芯外部に排出される特性を有する吸液芯のことを意味する。気液の交換ができる特性を有する吸液芯は、多孔性材料であることが好ましく、例えば、PETまたはPAを用いた多孔性材料であることが好ましい。また、気液の交換ができる特性を有する吸液芯の空隙率、断面の大きさ、等は、ボトル11内部の液体製剤13の量、液体製剤13の粘度、等の諸条件により適宜設定することが好ましい。気液の交換ができる特性を有する吸液芯を吸液芯19として用いる場合は、その吸液芯19が通常空隙率20%以上を有することが好ましく、より好ましくは空隙率20〜80%、更に好ましくは空隙率30〜80%を有することが好ましい。なお、吸液芯19の芯径は、2〜15mmで、特に4〜12mmが好ましい。また、吸液芯19の長さは、10〜30mmで、特に10〜20mmが好ましい。
下容器12には、吸液芯19に対向する位置に揮散体22が組み付けられており、揮散体22の下方に液溜り室23が形成されている。
揮散体22は、基部24と、揮散部25,25,25,25と、吸液部26と、を一体成形、即ち、同一材料で一体的に形成したものである。揮散体22は、ボトル11の下端部(即ち、吸液芯19)と下容器12との間に挟まれるように下容器12に収納され、吸液芯19を介してボトル11から液体製剤13の供給を受ける。
基部24は、四角形の板形状に形成されており、その上面に吸液芯19の下端面が面接触する。吸液芯19が上面に接触することにより、吸液芯19を通じて液体製剤13が移行され、液体製剤13を揮散部25,25,25,25から揮散させる。
揮散部25,25,25,25は、基部24の4個の端縁から斜め上方に向け、揮散用開口部15の近傍まで延長する。
吸液部26は、基部24における隣り合う2個の端縁の間において、予め定められた幅寸法を有するように切られ、基部24の下面から液溜り室23に向けて突出するように折り曲げられている。吸液部26は、液溜り室23に収容された液体製剤13を揮散体22に戻す機能を有する。
揮散体22としては、液体製剤13を保持でき且つ液体製剤13の有効成分を揮散させることができるものであればいずれの材質のものでも使用でき、具体的には、樹脂、パルプ、等といった有機材料、ガラス繊維、ガラス粉、等といった無機材料、等からなる多孔性材料を用いることができる。特に好ましい揮散体22の材料としては、パルプ、不織布、等が挙げられる。また、揮散体22は、複数の材料からなっていてもよい。例えば、揮散体22は、パルプを主原料としバインダーで接着させたものであって、表面の強度および保形性の向上のために表裏面にティッシュ状のパルプ材、不織布、等を張った構成とすることが好ましい。また、揮散体22に予め所定量の液体製剤13を保持させておくことで、使用開始時に開封と同時に、保持された液体製剤13の有効成分が揮散する効果を得られるようにしてもよい。揮散体22の厚みは、2〜12mmが好ましく、特に5〜10mmがより好ましい。また、揮散体22には、緑茶粉や活性炭粉、コーヒー豆粉等の消臭機能や抗菌機能を有する成分を混合、付着させたものを使用してもよい。さらに、有効成分や添加剤を所望の担体に含有、保持させた受容体(可溶性や難溶性)を揮散体22に保持させ、供給された液体製剤13により受容体を徐々に溶解させるようにしてもよい。なお、揮散体22には、吸液能が大きな、親水性及び親油性の少なくとも一方を有するポリマー粉、ポリマー繊維等を使用してもよい。この場合、本発明を達成できる範囲で液溜り室23を最小化又は省略化することができる。
液溜り室23は、有底であって上部が開放されており、開放された上部に揮散体22が組み付けられている。液溜り室23は、揮散体22にボトル11からの液体製剤13が染み込み、揮散体22が飽和状態になってその液保持能力を超えたときに、その越えた分の量の液体製剤13を一旦収容する機能を有する。それ故、吸液部26の先端部は、液溜り室23に溜まった液体製剤13を全て無駄なく吸液するために、液溜り室23の底板27に当接するように配置されることが好ましい。また、液溜り室23は、その容積とほぼ同サイズの吸液部26又は延長部26a(図16参照)に替えるようにしてもよい。この場合、液体製剤13を揮散体22に戻す吸液部を省略することができる。
図3に示すように、揮散体22は、基部24の4個の端縁から斜め上方に向けて突出した揮散部25,25,25,25が四枚の花びら状に形成されている。揮散体22は、例えば四角形の板状材料に切り込みを入れるだけで、基部24と、揮散部25,25,25,25と、吸液部26と、が形成される。そのため、吸液部26は、揮散体22を製造するときに同時に作製できるので、生産性の向上を図ることができる。また、吸液部26は、基部24と一体成形されているため、液溜り室23に収容されている液体製剤13を効率良く揮散体22に戻すことができる。
このような倒立型揮散装置10では、ボトル11に蓄えられた液体製剤13が、吸液芯19に含浸され、次いで揮散体22に含浸されることにより、ボトル11から定量的に出液される。そして、揮散体22の揮散部25,25,25,25から、揮散用開口部15を通じて、液体製剤13の有効成分を含んだ空気が外部に拡散される。そして、温度上昇により、ボトル11内上部のヘッドスペース内の気体が膨張すると、ボトル11内部の液体製剤13が吸液芯19を通じて揮散体22に過剰に供給されることがある。その際、揮散体22が飽和状態になってその液保持能力を超えると、その越えた分の量の液体製剤13が液溜り室23に一旦収容される。そして、液溜り室23に収容された液体製剤13は、毛細管現象によって吸液部26により揮散体22に戻される。従って、液溜り室23に収容された液体製剤13は、揮散体22に戻されるため、液溜り室23に溜まったままになることがない。それ故、倒立型揮散装置10によれば、液体製剤13が漏れ出すことが防止され、液体製剤13を無駄なく使い切ることができる。
勿論、液体製剤13が漏れないようにするために、揮散用開口部15を無くすようにしたり、或いは揮散用開口部15を極端に小さい開口面積にしたりすることも考えられるが、揮散用開口部15の開口面積は、揮散量に大きく影響を及ぼすため、例えば揮散用開口部15の開口面積を小さくした場合、揮散量が少なくなり、香りの強度や香りの持続性が悪化して好ましくない。また、液体製剤13が漏れないようにするために、下容器12の液体製剤13が供給される部分の容積を大きくすることも考えられるが、そうすると、倒立型揮散装置10全体のデザインがアンバランスになり、意匠上で好ましくなくなって見
た目が悪くなるばかりか、容積の増大に伴って揮散体の体積も大きくしなければならなくなって価格面で不利となる。なお、揮散用開口部15には、その開口面積を調整する調整手段を設けるようにしてもよい。また、揮散用開口部15の具体的な開口面積は、10〜60cmがよく、特に30〜50cmが好ましい。
以上、説明したように、本発明に係る一実施形態である倒立型揮散装置10によれば、揮散体22の液保持能力を超えたとしても液体製剤13が液溜り室23に一時的に溜められ、また液体製剤13を液溜り室23に溜まったままにすることなく液体製剤13を揮散体22に戻して有効的に使うことができ、よって液体製剤13を無駄なく使い切ることができる。
(第1変形例)
次に、図4を参照して、倒立型揮散装置10の第1変形例について説明する。
図4に示すように、第1変形例は、揮散体22に別体に形成された吸液部28を備えており、吸液部28が揮散体22から液溜り室23に向けて配置されている。揮散体22に別体に形成された吸液部28は、吸液芯19と同様の棒形状に形成されており、上端部が、揮散体22の基部24の下面に挿着され、下端部が、液溜り室23に溜まった液体製剤13を全て無駄なく吸液するために、液溜り室23の底板27に当接するように配置されている。
本変形例では、吸液部28が、揮散体22と同一の材料で作製されていてもよいし、吸液芯19と同様の材質で作製されてもよいし、揮散体22よりも吸液性のある材料で作製されていてもよい。吸液部28が、揮散体22よりも吸液性のある材料で作製されていれば、液溜り室23に収容されている液体製剤13を更に効率良く揮散体22に戻すことができる。
(第2変形例)
次に、図5を参照して、倒立型揮散装置10の第2変形例について説明する。
図5に示すように、第2変形例は、ボトル11の下端部に、注射針状管(先端針状細管)30が形成された中栓29を備えている。中栓29は、ボトル11の開口部18の外周面に螺合されている。中栓29の中央部から下方に向けて突出した注射針状管30の先端部は、揮散体22の基部24の上面に突き刺さっている。注射針状管30は、円筒形状であって、側部に多数の穴31が形成されているため、ボトル11に蓄えられた液体製剤13が、円筒形状の内部および穴31から出液して揮散体22に含浸されることにより、ボトル11から定量的に出液される。尚、ボトル11がガス透過性材料で作製されるもの(揮散性を促進させうるもの)であれば、その透過性を調整することで、あえて注射針状管30に穴31を設ける必要はない。また、ガス透過性材料を用いる代わりに、ボトル11に内圧調整手段、例えば、空気抜きを設けてもよい。
本変形例では、吸液芯を用いることなく、中栓29に形成された注射針状管30を用いて液体製剤13を揮散体22に供給することができるので、その供給量を調整しやすい。
(第3変形例)
次に、図6および図7を参照して、倒立型揮散装置10の第3変形例について説明する
。第3変形例は、ボトル11の下端部に、中栓・蓋兼用部材31を用いている。中栓・蓋兼用部材31は、図6に示されるようにボトル11の開口部18に内嵌される有天状の第1筒部32と、第1筒部32よりも内径の大きい第2筒部33と、を一体に備えている。そして、ボトル11の開口部18の内周面には、開口部18の内側と開口部18の外側とを連通させるための連通溝34が形成されている。中栓・蓋兼用部材31は、図6に示されるように倒立型揮散装置10の使用時に、第1筒部32をボトル11の開口部18に内嵌させることにより、ボトル11に蓄えられた液体製剤13が、連通溝34から第2筒部33の外周面上を流れて揮散体22に含浸され、ボトル11から定量的に出液される。尚、連通溝34は、必ずしも形成する必要はなく、連通溝34が形成されなくても、開口部18に内嵌された第1筒部32と開口部18の内周面との間の僅かな隙間から液体製剤13が揮散体22へ供給できるように構成すればよい。
図7示すように、第3変形例では、倒立型揮散装置10の不使用時に、中栓・蓋兼用部材31の第2筒部33をボトル11の開口部18に外嵌螺合させる。これにより、ボトル11の開口部18を閉塞することができる。
第3変形例では、第2変形例と同様に、吸液芯を用いることなく、液体製剤13を揮散体22に供給することができるので、簡単な構造であって、コストを低減することができる。
(第4変形例)
次に、図8および図9を参照して、倒立型揮散装置10の第4変形例について説明する。第4変形例は、揮散体22の下側に、揮散体22とは別体に形成された円環状の吸液部35が組み付けられている。吸液部35は液溜り室23の深さよりもわずかに大きい高さに形成されており、また、吸液部35の中央部には、液溜り室23内において底壁27の中央部から凸設された位置決め軸36を挿通される軸孔37が形成されている。吸液部35は、揮散体22と同一の材料で作製されても良いし、吸液芯19と同様の材料で作製されても良いし、揮散体22よりも吸液性のある材料で作製されてもよい。
組み付けに際しては、軸孔37に液溜り室23の位置決め軸36を挿通されながら、吸液部35は液溜り室23内に配置され、その上部に揮散体22が組み付けられる。吸液部35は、液溜り室23の深さよりもわずかに大きい高さに形成されているので、軸方向の一方の端面を底壁27に、そして他方の端面を揮散体22の基部24の下面にそれぞれ面接触させた状態に組み付けられる。
第4変形例では、図9に示すように、吸液部35が、その端面を揮散体22の基部24の下面に広範囲にわたって面接触させており、吸収した液体製剤13を効率良く揮散体22に供給する。これにより、液溜り室23に一時的に溜まった液体製剤13を、液溜り室23に溜まったままにすることなく、吸液部35を介して液体製剤13を揮散体22に戻して有効に使うことができる。
また、基部24から下方に突出する舌片形状の吸液部を有する揮散体22と比べて、突出した吸液部がないので、揮散体22の詰め替え時等における組み付けに要領を必要とせずに、組み付けを容易に行うことができる。
(第5変形例)
次に、図10および図11を参照して、倒立型揮散装置10の第5変形例について説明する。第5変形例は、基部24の下面から液溜り室23に向けて突出するように折り曲げられる吸液部26を折り曲げられた状態にて保持する帯板状の補助部材38を備えており、補助部材38は揮散体22の基部24の上面に装着される。補助部材38の一方の端部には、液溜まり室23に向けて屈曲して延設され、吸液部26を押圧する押圧部40が形成されており、また他方の端部には、揮散体22の基部24の縁部に係合する略J字形のフック部39が形成されている。また、補助部材38の長手方向略中央部には取り外し用の紐41が設けられている。
保持部材38は、吸液部26と反対側の基部24の縁部にフック部39を係合させて揮散体22に装着され、押圧部40により吸液部26を下方(即ち、液溜り室23)に向けて押圧し、吸液部26を折れ曲がった状態にて保持している。
補助部材38を装着された揮散体22は、液溜り室23の上部において下容器12の所定位置に組み付けられる。このとき、図11に示すように、下容器12の内面には、揮散体22を組み付けられた状態において補助部材38の長手方向両端部に対応する箇所に、位置決めの目安となる一対の突起42が設けられており、揮散体22は、補助部材38と一対の突起42とが一直線に整列するように配置され、下容器12に組み付けられる。これにより、組み付けの際に揮散体22の方向性を視認可能として揮散体22の組み付けを容易としている。
そして、揮散体22が下容器12に組み付けられた後、補助部材38の紐41が揮散体22の上方に向けて引張られ、補助部材38が揮散体22の基部24から取り外される。これにより、揮散体22は、吸液部26を液溜り室23内に向けて下方に折り曲げられたままで下容器12に組み付けられる。そして、補助部材38が取り外された後に、下容器12にボトル11が組み付けられる。
第5変形例では、補助部材38により揮散体22の吸液部26を液溜り室23内に向けた状態に保持しながら揮散体22の組み付けを行えるので、吸液部26を液溜り室23にスムースに且つ確実に入れ込むことができる。また、補助部材38を一対の突起42に合わせることにより揮散体22の位置決めができる。これにより、揮散体22の下容器12への組み付けに要領を必要とせず、容易に行うことができる。
(第6変形例)
次に、図12および図13を参照して、倒立型揮散装置10の第6変形例について説明する。第6変形例は、基部24の下面から液溜り室23に向けて突出するように折り曲げられる吸液部26に紐43の一端が固定されている。そして、紐43の他端は、揮散体22の基部24の下側を通り、吸液部26とは反対側の基部24の縁部を貫通して揮散体22の上方へ引き出されている。紐43が揮散体22の上方に向けて引張られることにより、吸液部26は、基部24の下面から液溜り室23に向けて突出するように下方に折り曲げられる。
紐43を装着された揮散体22の組み付けに際しては、紐43が揮散体22の上方に引張られて吸液部26が下方に折り曲げられた状態で、揮散体22が液溜り部23の上部の所定位置に組み付けられる。これにより、揮散体22は、吸液部26を液溜り室23内に向けて下方に折り曲げられたまま下容器12に組み付けられる。尚、紐43と該紐43を貫通させている基部24の貫通孔との間に摩擦が作用して紐43が引き戻されることはなく、吸液部26は折り曲げられた状態において保持される。
第6変形例では、紐43により揮散体22の吸液部26を液溜り室23内に向けて下方に折り曲げた状態に保持しながら揮散体22の組み付けを行えるので、吸液部26を液溜り室23にスムースに且つ確実に入れ込むことができる。これにより、揮散体22の下容器12への組み付けに要領を必要とせず、容易に行うことができる。
(第7変形例)
次に、図14および図15を参照して、倒立型揮散装置10の第7変形例について説明する。第7変形例は、揮散体22の基部24の下面から液溜り室23に向けて突出するように折り曲げられた吸液部26が4個設けられている。
4個の吸液部26は、基部24の4個の端縁のうち隣り合う2個の端縁の間のそれぞれにおいて、予め定められた幅寸法を有するように切られ、基部24の下面から液溜り室23に向けて突出するように折り曲げられている。
第7変形例では、揮散体22に、基部24の端縁の数(基部24の4個の端縁のうち隣り合う2個の端縁の間の数)に応じた複数個の吸液部26が形成されているので、1個の吸液部26を有するものと比べて、液溜り室23に一時的に溜まった液体製剤13の吸収効率に優れる。そして、4個の吸液部26により、液溜り室23に一時的に溜まった液体製剤13を液溜り室23に溜まったままにすることなく、液体製剤13を揮散体22に戻して有効に使うことができる。
(第8変形例)
次に、図16および図17を参照して、倒立型揮散装置10の第8変形例について説明する。第8変形例は、揮散体22の基部24の下面から液溜り室23に向けて突出するように折り曲げられた吸液部26が1個設けられている。この吸液部26は、基部24から延設された延長部26aと、該延長部の先端に吸液板26bが一体に設けられている。
延長部26aは、基部24の4個の端縁のうち隣り合う2個の端縁の間で、予め定められた幅寸法を有するように切られ、基部24の下面から液溜り室23に向けて突出するように折り曲げられ、液溜り室23の底面付近でさらに折り曲げられる。また、吸液板26bは、延長部26a先端に設けられた平板状のもので、延長部26a先端が折り曲げられることで、液溜り室23底面に配置される。
第8変形例では、揮散体22の基部24から延設された吸液板26bが形成されているので、上記図3で示した実施形態に比べてより大きな揮散面積を確保することができ、また液溜り室23に一時的に溜まった液体製剤13の吸収効率が一層向上して、液体製剤13を効率良く揮散体22に戻して有効に使うことができる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態及び第1〜第8変形例を組み合わせた形態とするなど、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、吸液芯19の上端部にガス吸着剤(例えば、活性炭、ゼオライト、等)が封入されたガス透過性容器を嵌着させてもよい。そうすれば、ボトル11内の内圧を調整することができる。このため、倒立型揮散装置10を陳列、保管する際に液漏れが生じることを防止することができる。また、ボトル11の上部に凹みを設けてもよい。そうすれば、包装、保管および充填時に倒立型揮散装置10の起立性を向上させることができる。
また、揮散体22の吸液芯19と面接触する面を液拡散シートで覆ってもよい。そうすれば、液体製剤13が液拡散シートによって揮散体22に均一に拡散され、また、液体製剤13が短時間に広い面積に拡がるので香立ち速度を向上させることができる。
また、揮散体22の揮散部25は、四枚の花びら形状に限らず、星や、動植物を模った形状や、意匠性を持った形状、その他の物品の形状に成形してもよい。また、吸液部26は、基部24、揮散部25のいずれから突出、形成されたものでもよく、第7変形例で示した4個の吸液部の他にも必要に応じて複数設けてもよい。更に、揮散体22の揮散部25に揮散孔を複数設けることで、揮散効率を向上させることができる。
本発明に係る倒立型揮散装置の一実施形態を示す外観斜視図である。 図1に示した倒立型揮散装置の縦断面図である。 図1に示した倒立型揮散装置に用いられる揮散体の単体平面図である。 図1に示した倒立型揮散装置の第1変形例の縦断面図である。 図1に示した倒立型揮散装置の第2変形例の縦断面図である。 図1に示した倒立型揮散装置の第3変形例の使用時における縦断面図である。 図1に示した倒立型揮散装置の第3変形例の不使用時における縦断面図である。 図1に示した倒立型揮散装置の第4変形例の縦断面図である。 図8に示した倒立型揮散装置に用いられる揮散体の単体平面図である。 図1に示した倒立型揮散装置の第5変形例の縦断面図である。 図10に示した倒立型揮散装置に用いられる揮散体の単体平面図である。 図1に示した倒立型揮散装置の第6変形例の縦断面図である。 図12に示した倒立型揮散装置に用いられる揮散体の単体平面図である。 図1に示した倒立型揮散装置の第7変形例の縦断面図である。 図14に示した倒立型揮散装置に用いられる揮散体の単体平面図である。 図1に示した倒立型揮散装置の第8変形例の縦断面図である。 図16に示した倒立型揮散装置に用いられる揮散体の単体平面図である。 特許文献1に開示された倒立型揮散装置の断面図である。 特許文献2に開示された倒立型揮散装置の外観図である。
符号の説明
10 倒立型揮散装置
11 ボトル(貯留容器)
12 下容器
13 液体製剤
22 揮散体
23 液溜り室
26,28,35 吸液部

Claims (3)

  1. 液体製剤を収容した貯留容器と、
    前記貯留容器の下部に組み付けられた下容器と、
    前記貯留容器の下部と前記下容器との間に挟まれるように前記下容器に収納され、前記貯留容器中の液体製剤が供給される揮散体と、
    を備えた倒立型揮散装置であって、
    前記下容器に、前記揮散体の下方に配置される液溜り室が形成され、
    前記揮散体が、前記液溜り室に溜まった液体製剤を前記揮散体へ戻す吸液部を有することを特徴とする倒立型揮散装置。
  2. 前記吸液部が、前記揮散体に一体成形され、前記液溜り室に向けて突出するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載した倒立型揮散装置。
  3. 前記吸液部が、前記揮散体に別体に形成され、当該揮散体から前記液溜り室に向けて配置されていることを特徴とする請求項1に記載した倒立型揮散装置。
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