JP6183869B2 - マンホールの更新方法及びマンホールの新設方法 - Google Patents
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このマンホールは長年使用していると、自動車のタイヤからの繰り返し垂直荷重・車の走行に伴う大きな振動荷重・地震・土圧・水圧・水の凍結等によって、その直壁に亀裂が発生して、強度が大きく低下したり水洩れを生起するようになり、マンホールの寿命を短縮していた。
マンホールに水洩れがあれば、雨水・地下水等がマンホール内に流入し、下水道の水量が増えて処理負担を増大させるので、マンホールの水洩れは少なくすることが要請されている。
しかし、この更新工事では上方のマンホール蓋・斜壁ブロック・蓋支持リング等の部材の自重及び車等からの外部荷重・振動はこの直壁と筒体に荷重されることとなり、筒体の肉厚は薄いのでやはり外部荷重は旧直壁に作用することとなり、既設直壁に大部分の荷重がかかり、マンホールの寿命を長く延長することが難しいものであった。
(1)ステップを撤去した地中の既設直壁の内側にステップを内面に取付けた樹脂製の筒体を嵌装し、既設直壁の上端より低い位置の外周地盤に砂利を敷いた支持基礎を設け、既設直壁上に上から順にマンホール蓋と蓋支持リングと斜壁ブロックを配置するとともに、斜壁ブロックの下部外周に設けた下方突部を前記支持基礎の上面に接地させてマンホール蓋・蓋支持リング及び斜壁ブロックからの垂直荷重を前記支持基礎で支持し、しかも斜壁ブロックの下部の下面と既設直壁上端及び前記筒体の上端との間で圧縮されて挟まれた状態に水膨張性ゴムを間装して水密状に保持した、マンホールの更新方法
(2)ステップを撤去した地中の既設直壁の内側にステップを内面に取付けた樹脂製の筒体を筒体上端が既設直壁の上端より高く突出するように嵌装し、前記筒体の上端より低い位置の外周地盤に砂利を敷いた支持基礎を設け、既設直壁上に上から順にマンホール蓋と蓋支持リングと底盤ブロックを配置するとともに、前記底盤ブロックの外周に設けた下方突部を前記支持基礎の上面に接地させてマンホール蓋・蓋支持リング及び底盤ブロックからの垂直荷重を前記支持基礎で支持し、筒体上端と底盤ブロック下面との間に水膨張性ゴムを間装させ、しかも筒体外壁と既設直壁の上端面と支持基礎と底盤ブロックの下面と下方突部の内側壁面とで囲まれる空間に土を充填させて水密性を保持した、マンホールの更新方法
(3)既設直壁の内壁と嵌装した筒体の外壁との間の間隙にセメント系裏込材を圧入して、両者を間隙なく接合して強度と水密性を高めた、前記(1)又は(2)記載のマンホールの更新方法
(4)ステップを取付けていない新設の地中の直壁の内側に内面にステップを取付けた樹脂製の筒体を嵌装し、前記直壁の上端より低い位置の外周地盤に砂利を敷いた支持基礎を設け、前記直壁上に上から順にマンホール蓋と蓋支持リングと斜壁ブロックを配置するとともに、斜壁ブロックの下部外周に設けた下方突部を前記支持基礎の上面に接地させてマンホール蓋・蓋支持リング及び斜壁ブロックからの垂直荷重を前記支持基礎で支持し、しかも斜壁ブロックの下部の下面と前記直壁上端及び前記筒体の上端との間で圧縮されて挟まれた状態に水膨張性ゴムを間装して水密状に保持した、マンホールの新設方法
(5)ステップを取付けていない新設の地中の直壁の内側にステップを内面に取付けた樹脂製の筒体を筒体上端が前記直壁の上端より高く突出するように嵌装し、前記筒体の上端より低い位置の外周地盤に砂利を敷いた支持基礎を設け、前記直壁上に上から順にマンホール蓋と蓋支持リングと底盤ブロックを配置するとともに、前記底盤ブロックの外周に設けた下方突部を前記支持基礎の上面に接地させてマンホール蓋・蓋支持リング及び底盤ブロックからの垂直荷重を前記支持基礎で支持し、筒体上端と底盤ブロック下面との間に水膨張性ゴムを間装させ、しかも筒体外壁と前記直壁の上端面と支持基礎と底盤ブロックの下面と下方突部の内側壁とで囲まれる空間に土を充填させて水密性を保持した、マンホールの新設方法
(6)直壁の内壁と嵌装した筒体の外壁との間の間隙にセメント系裏込材を圧入して、両者を間隙なく接合して強度と水密性を高めた、前記(4)又は(5)記載のマンホールの新設方法
にある。
これによって、直壁のこれ以上の劣化の進行を停止又は遅らせる。
又、直壁とその内側の筒体と斜壁ブロックの下部壁面との間には水膨張性ゴムを介在させることによって水洩れを防止でき、又直壁の亀裂等からの水の進入はその内側の筒体によって遮断される。
よって、本発明によれば水洩れがなくなり、又既設直壁の劣化の進行を停止又は遅らせて、マンホールの寿命を長く延長できるようにできた。
又、本発明に使用する斜壁ブロック,蓋支持リング,新設の直壁は工場で品質よく製造されたコンクリートブロックがマンホール現場まで運送されて設置されるものである。
この場合の作業手順として、まず下水道の暗渠上に新設のステップのない直壁を構築し、内側にステップを取付けた筒体を嵌装し、必要に応じて直壁と筒体との間にセメント系裏込材を流し込んで接合し、その後直壁の外周に土・裏込材を埋め戻して地盤を構築するとともに直壁の外周に構築された地盤の一部に砂利等の支持基礎を設け、これに上方の斜壁ブロック又は底盤ブロックの下部外周に設けた下方突部を載置し、又水膨張性ゴムを間装すれば既設のマンホールの更新構造と同じようになり、新設でも長寿命化できる作用効果の構造となる。
図1〜3に示す実施例1は、土被りが1.8mのマンホールの更新した構造の例である。既設直壁は200mm厚みであり、又筒体として16mmRCP管を使用した。
図中、G1は実施例1のマンホールの更新構造、1は200mm厚みの既設のコンクリート製の既設直壁、2は更新の為のコンクリート製斜壁ブロック、2aは斜壁ブロック2の下部外周に設けた下方突部、2bは斜壁ブロック2の上方開口、3はガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂からなる内・外面のFRP層と不飽和ポリエステル樹脂と硅砂からなる樹脂モルタル層により構成された強化プラスチック複合管であるエスロンRCP(登録商標)を使用した16mm厚みの筒体、3aは同筒体3の内側に取付けたステップ、4は斜壁ブロック2の上方開口2bの開口縁上に設置される蓋支持リング、5はマンホール蓋、6は下水道の暗渠、7はマンホール蓋5周辺路表層を形成する円形履工板、8は地盤、9は舗装路盤、10は既設直壁1の外周の地盤の環状穴部に砂利を150mm厚みに充填した環状の支持基礎である。11は筒体3の外面と既設直壁1の内壁との間に流し込んだセメント系裏込材であり、12は斜壁ブロック2の下面と既設直壁1の上端及び筒体3の上端の隙間に間装されたハイドロタイト(登録商標)を使った水膨張性ゴムである。
(a)まず、既設マンホールの外周地盤・道路の舗装路盤9を掘削し、既設の蓋支持リング・既設の斜壁ブロックを撤去し、又既設直壁1の上部外周も掘削する。
(b)既設直壁1の内側にあるステップ・内副管等を撤去し、その内壁を清掃し、その脆弱部を撤去し、又鉄筋の防錆処理を行う。
(c)筒体3の流入出管の位置割り出しを行って、管接続できるように現場で筒体3を加工整形する。
(d)筒体3の内側にステップ3aを取付けて既設直壁1内に嵌装する。
(e)既設直壁1の底部及び筒体3の開口部に裏込材が漏れないように粘土モルタルでシールする。
(f)上記シール部が硬化したらセメント系裏込材を既設直壁1と筒体3との間に流し込んで、既設直壁1と筒体3との間の間隙及び既設直壁の亀裂に裏込材11を注入して硬化して両者の接合・ステップ3aの固定及び水洩れの修復をする。
(g)既設直壁1の上部外周の地盤8に150mm深さの環状穴部を掘削し、これに砂利を充填して環状の支持基礎10を設ける。
(h)水膨張性ゴム12を既設直壁1の上端1aと筒体3の上端に仮固定して、次に本発明の図2,図1に示す新しい斜壁ブロック2を既設直壁1の上方から載置する。そのとき、斜壁ブロック2の下部外周の下方突部2aが支持基礎10上に荷重するように設置する。このとき、水膨張性ゴム12には斜壁ブロック2の下面と既設直壁1の上端・筒体3の上端との間で軽く圧縮されて水膨張性ゴム12は挟まれて固定される。尚、この水膨張性ゴムは雨水等と接触して膨張して、隙間の発生をなくして水密状にシールする。
(i)この斜壁ブロック2の上方に蓋支持リング4,マンホール蓋5を取付ける。
(j)既設直壁1の外周に必要な裏込材及び土を埋め戻し、又上方の欠落した舗装路盤9を修復し、円形履工板7を設置して作業完了する。
上記の作業手順は必要に応じて順番を変えること、及び平行作業を行うこともできる。
更に、既設直壁1の亀裂に裏込材が進入することで直壁自体の強度も回復する。
この理由により、本実施例1の更新構造G1では既設直壁1に作用する荷重・振動は大巾に低減し、更新後の既設直壁1の劣化は停止するか遅くなって、マンホールの寿命を大巾に長くできる。
この実施例2では、既設直壁26の上端は低い位置にあるので、実施例1の筒体3の同じ素材の筒体27を上方に延ばして底盤ブロック20の下面まで上方にもってきて、この間に水膨張性ゴム28を間装することで水洩れ・水の流入を阻止し、又荷重・振動が下方の筒体27に伝わるのを低減している。
上記実施例1,2は既設のマンホールの更新構造であるが、新設のマンホールの構造として同じ構造にすることで、強度補強と長寿命化を可能にできる。
G2 実施例2の更新構造
1 既設直壁
1a 直壁の上端
2 斜壁ブロック
2a 下方突部
2b 上方開口
3 筒体
3a ステップ
4 蓋支持リング
5 マンホール蓋
6 下水道の暗渠
7 円形履工板
8 地盤
9 舗装路盤
10 支持基礎
11 裏込材
12 水膨張性ゴム
20 底盤ブロック
20a 下方突部
20b 上方開口
21 支持基礎
24 蓋支持リング
25 マンホール蓋
26 既設直壁
26a 下方突起
27 筒体
28 水膨張性ゴム
29 裏込材
30 路床材
Claims (6)
- ステップを撤去した地中の既設直壁の内側にステップを内面に取付けた樹脂製の筒体を嵌装し、既設直壁の上端より低い位置の外周地盤に砂利を敷いた支持基礎を設け、既設直壁上に上から順にマンホール蓋と蓋支持リングと斜壁ブロックを配置するとともに、斜壁ブロックの下部外周に設けた下方突部を前記支持基礎の上面に接地させてマンホール蓋・蓋支持リング及び斜壁ブロックからの垂直荷重を前記支持基礎で支持し、しかも斜壁ブロックの下部の下面と既設直壁上端及び前記筒体の上端との間で圧縮されて挟まれた状態に水膨張性ゴムを間装して水密状に保持した、マンホールの更新方法。
- ステップを撤去した地中の既設直壁の内側にステップを内面に取付けた樹脂製の筒体を筒体上端が既設直壁の上端より高く突出するように嵌装し、前記筒体の上端より低い位置の外周地盤に砂利を敷いた支持基礎を設け、既設直壁上に上から順にマンホール蓋と蓋支持リングと底盤ブロックを配置するとともに、前記底盤ブロックの外周に設けた下方突部を前記支持基礎の上面に接地させてマンホール蓋・蓋支持リング及び底盤ブロックからの垂直荷重を前記支持基礎で支持し、筒体上端と底盤ブロック下面との間に水膨張性ゴムを間装させ、しかも筒体外壁と既設直壁の上端面と支持基礎と底盤ブロックの下面と下方突部の内側壁面とで囲まれる空間に土を充填させて水密性を保持した、マンホールの更新方法。
- 既設直壁の内壁と嵌装した筒体の外壁との間の間隙にセメント系裏込材を圧入して、両者を間隙なく接合して強度と水密性を高めた、請求項1又は2記載のマンホールの更新方法。
- ステップを取付けていない新設の地中の直壁の内側に内面にステップを取付けた樹脂製の筒体を嵌装し、前記直壁の上端より低い位置の外周地盤に砂利を敷いた支持基礎を設け、前記直壁上に上から順にマンホール蓋と蓋支持リングと斜壁ブロックを配置するとともに、斜壁ブロックの下部外周に設けた下方突部を前記支持基礎の上面に接地させてマンホール蓋・蓋支持リング及び斜壁ブロックからの垂直荷重を前記支持基礎で支持し、しかも斜壁ブロックの下部の下面と前記直壁上端及び前記筒体の上端との間で圧縮されて挟まれた状態に水膨張性ゴムを間装して水密状に保持した、マンホールの新設方法。
- ステップを取付けていない新設の地中の直壁の内側にステップを内面に取付けた樹脂製の筒体を筒体上端が前記直壁の上端より高く突出するように嵌装し、前記筒体の上端より低い位置の外周地盤に砂利を敷いた支持基礎を設け、前記直壁上に上から順にマンホール蓋と蓋支持リングと底盤ブロックを配置するとともに、前記底盤ブロックの外周に設けた下方突部を前記支持基礎の上面に接地させてマンホール蓋・蓋支持リング及び底盤ブロックからの垂直荷重を前記支持基礎で支持し、筒体上端と底盤ブロック下面との間に水膨張性ゴムを間装させ、しかも筒体外壁と前記直壁の上端面と支持基礎と底盤ブロックの下面と下方突部の内側壁とで囲まれる空間に土を充填させて水密性を保持した、マンホールの新設方法。
- 直壁の内壁と嵌装した筒体の外壁との間の間隙にセメント系裏込材を圧入して、両者を間隙なく接合して強度と水密性を高めた、請求項4又は5記載のマンホールの新設方法。
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