JP6183014B2 - 高収率なキシリレンジアミンの回収方法 - Google Patents

高収率なキシリレンジアミンの回収方法 Download PDF

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Description

本発明はフタロニトリル(以下、PNと記すことがある。)類を水素化してキシリレンジアミン(以下、XDAと記すことがある。)類を製造するに際し、従来廃棄されていた蒸留塔底の高沸点成分よりXDAを回収する方法に関するものである。
一般にXDAは、PNの水素化反応によって得られる反応生成液より、公知の蒸留方法を用いて回収されている。PNの水素化反応液中には、XDAより低沸点および高沸点の化合物が含まれているため、これらの化合物を除去するために蒸留を行う。
例えば特許文献1では、シアノベンジルアミン含量が低く、高品質のXDAを工業的に有利に製造する方法を記載している。粗XDAの蒸留を、圧力1〜10kPa、塔底温度100〜185℃で行うことで、ガスクロマトグラフィー純度99質量%以上のXDAを得ている。
特許文献2では、蒸留塔の凝縮器に不活性ガスを供給することで、アンモニア含量が少なく高品質なXDAを製造する方法を記載している。
アミン類、特にXDA等のベンジルアミンは熱により変性されやすく、容易に脱アンモニア反応が起こって分解し、純度が低下すると同時に着色、着臭等の劣化を引き起こすことが知られている。特許文献2では、凝縮器に不活性ガスを供給し、塔頂圧を53kPa以下、凝縮器出口液温度を110℃以下とすることで、アンモニア含量が少ない高品質なXDAを製造する方法を記載している。塔底温度はXDAの分解およびアンモニアの発生を抑えるため、180℃以下としている。
特許文献3では、側方排出部を有する蒸留塔にて粗XDAの蒸留を行うことで、純粋なXDAを製造する方法を記載している。蒸留塔の側方排出部からXDAを排出し、かつ蒸留塔の塔底生成物を付加的な蒸発濃縮工程でさらに蒸発濃縮する。この蒸発濃縮工程の凝縮液を、側方排出部を有する蒸留塔へ返送することで、高純度なXDAを高収率で製造できることを見出している。
塔底温度はXDAの分解を抑えるため、側方排出部を有する蒸留塔では185℃以下である。蒸発濃縮工程ではそれ以上の温度でも良いとされるが、同じ温度がより良いとされている。また蒸発濃縮工程では、滞留時間はなるべく短く、圧力は側方排出部より低くすることでXDAの分解を出来る限り低く維持している。
これらの方法では、XDAの分解を防ぐため塔底温度を185℃以下としている。高純度のXDAを得る精製法としては有効であるが、蒸留終了後、XDAの重縮合により生成した高沸点成分が塔底に残ってしまい、XDAの損失となっている。特許文献3では、付加的な蒸発濃縮工程でさらに蒸発濃縮し収率の向上を試みているが、その効果は明らかではない。
特開2007−332135号公報 特開2002−88032号公報 特表2009−525303号公報
本発明の目的は、PN類の水素化により得られた反応生成液を蒸留しXDA類を回収するに際し、XDA類の重縮合により生成する高沸点成分に由来する、蒸留塔底におけるXDA類の損失を解決する効果的な方法を提供することにある。
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、PN類の水素化により得られた反応生成液を蒸留した後、蒸留塔底に残った高沸点成分はXDA類の重縮合物が多く含まれており、該重縮合物を別途加熱分解する事により、XDA類を生成出来ることを見出し、本発明に到達した。即ち本発明は、以下の[1]〜[5]に示す製造方法に関する。
[1]フタロニトリル類の水素化により得られた反応生成液を蒸留してキシリレンジアミン類を回収した後、蒸留塔底の高沸点成分を加熱して再度キシリレンジアミン類を生成させる工程を含むことを特徴とする、高い回収率のキシリレンジアミン類の製造方法である。
[2]加熱の際の圧力が1kPa以下である、[1]に記載のキシリレンジアミン類の製造方法。
[3]加熱の際の温度が180−250℃である、[1]又は[2]に記載のキシリレンジアミン類の製造方法。
[4]フタロニトリル類がイソフタロニトリル、テレフタロニトリル又はこれらの混合物である[1]から[3]いずれかに記載のキシリレンジアミン類の製造方法。
[5]キシリレンジアミン類がメタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物である[1]から[3]いずれかに記載のキシリレンジアミン類の製造方法。
本発明によれば、粗XDA類を精製しXDA類を得る際、蒸留終了後、塔底に残った高沸点成分を別途加熱分解する事によりXDA類を更に生成させ、XDA類の回収率を上げることを可能とし、工業的に非常に意義が大きい。
本発明は、PN類の水素化により得られた反応生成液を蒸留してXDA類を回収した後、蒸留塔底液を加熱してXDA類を再生させることを特徴とする、高回収率なXDA類の製造方法である。
PN類の水素化は、溶融PN類を反応器に供給し、触媒の存在下、溶媒と混合させてXDA類を得る方法であれば特に限定されず、例えば、特許文献1に記載されている方法で行うことが出来る。フタロニトリル類としては、イソフタロニトリル(以下、IPNと記す)やテレフタロニトリル(以下、TPNと記す)が挙げられる。XDA類としては、メタキシリレンジアミン(以下、MXDAと記す)、パラキシリレンジアミン(以下、PXDAと記す)及びこれらの混合物が挙げられる。混合物の場合、IPNとTPNの比率に特に制限はない。これらのMXDAやPXDAは、それぞれIPNやTPNの水素化によって得られる。
溶媒としては、液体アンモニアまたは液体アンモニアと有機溶剤とを含む混合溶媒が用いることが出来る。有機溶剤としては、PN類を溶解する低沸点の芳香族炭化水素や飽和脂肪族炭化水素が好ましく、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン類、メシチレン、プソイドキュメン、ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
PN類に対する液体アンモニアの量は等質量以上とする事が好ましい。液体アンモニアと有機溶剤を含む混合溶媒では、有機溶剤の比率を高くする事で反応圧力を低下させる事ができるが、液体アンモニアが少なすぎる場合には好ましくない副反応が生じ、反応収率が低下する場合がある。液体アンモニアまたは該混合溶媒の量はPN類に対して副生物の生成を防ぎ、反応収率の向上の観点から、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
水素化反応は、回分式でも連続式でも可能である。槽型反応器に触媒を入れ完全混合型でも可能であるが、工業的には管状反応器を用い、成形された触媒を固定床とし、原料溶液と水素ガスを反応器上部から並列で供給する潅液タイプの連続反応器を用いる方法が簡便である。
触媒としては、公知の担持金属触媒、非担持金属触媒、ラネー触媒、貴金属触媒等を使用できる。特に、ニッケル、コバルト又はパラジウムを含有する触媒が好ましい。
触媒の使用量は触媒の種類や反応条件によって異なる。回分式で行う場合は、原料のPN類の初期仕込み量100重量部に対し、0.2〜100重量部が好ましい。固定床式で行う場合は、原料PN類の供給速度1重量部/時間に対し、0.2〜7,000重量部/時間が好ましい。水素化処理の処理温度は40〜150℃、水素分圧は4.0〜15.0MPaが好ましい。
水素化溶液からのアンモニアの除去方法は、特に限定はないが、落圧による方法、窒素ガス等の不活性ガスを流して除去する方法などが挙げられる。溶媒に液体アンモニアと有機溶剤との混合液を用いた場合には、液体アンモニアの除去は前述の方法により、有機溶剤の除去は蒸留によって行う。
水素化により得た反応液は蒸留により精製を行う。また、塔底液は別途加熱を行うため次の蒸留工程に供給される。
反応液の蒸留には、充填塔、棚段塔、フラッシュドラム等の蒸留装置が使用可能であり、回分式または連続式にて、好ましくは減圧下にて実施される。蒸留塔の操作圧力は1〜10kPaが好ましく、蒸留塔底部の温度は100〜185℃が好ましい。蒸留で分離される低沸点成分は、XDA類より沸点が低い、キシレン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、溶媒などが挙げられる。本蒸留により純度99質量%以上のXDA類が得られる。
XDA類を回収後の塔底液はXDA類の重縮合により生成する高沸点成分が含まれており、該高沸点成分を加熱することにより、XDA類を再生することが出来る。加熱の際は、蒸留塔を用いて行う事が出来る。蒸留塔はXDA類の回収に用いたものを利用しても良い。加熱時の蒸留塔圧力は1kPa以下であることが好ましい。更には0.8kPa以下が好ましい。塔圧が1kPaより高いと塔底温度が高くなり、分解以上に高沸点成分の重縮合が促進し、粘度が上昇するため取り扱いが困難になる。
加熱の際の蒸留塔底温度は180〜250℃であることが好ましい。更には200〜240℃であることが好ましい。塔底温度が250℃以上になると、分解以上に高沸点成分の重縮合が促進し、粘度が上昇するため取り扱いが困難になる。塔底液の粘度が100℃において100mPa・sを超えると、ポンプ等での送液時に取り扱いが困難となることからも、塔底液温度は250℃以下とすることが好ましい。一方、塔底温度が低いと高沸点成分が十分分解されずXDA類の回収が不十分となるため、180℃以上とすることが好ましい。
加熱時の塔底の液滞留時間は0.5〜4時間が好ましく、1〜3.5時間がより好ましい。この範囲より液滞留時間が長いと、高沸点成分の重縮合が促進し、粘度が上昇するため取り扱いが困難になる。また、この範囲より液滞留時間が短いと高沸点成分が十分分解されず、XDA類の回収が不十分となる。
次に本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれら以下の実施例のみによって限定されるものではない。
実施例1
内容量200mlの管状縦型水素化反応器に、市販の担持ニッケル触媒(Ni含量50%)を50ml充填し、水素流通下250℃で還元して活性化させた。この触媒を水素還元した。その後、イソフタロニトリル(東京化成工業製)を8.5wt%含む液体アンモニア溶液を40g/hの速度で反応管上方から供給し、反応圧力8.0MPaで70ml/minの水素ガスを圧入しながら、70℃で水素化処理を連続的に行った。
水素化溶液を気液分離器に経由させ、気相部よりアンモニアを常温、常圧になるまで落圧・除去し、さらに窒素ガスを流して残存するアンモニアを除去する操作を行った後、液相部を受器に抜き出し、反応液を得た。
反応液を蒸留塔底に仕込み、単蒸留にて低沸点成分を除去した。蒸留装置は回分式装置を用い、真空ポンプにより減圧して一定圧力5.3kPaに保ち、外部加熱により塔底液の加熱を行い、塔底温度172℃となった時点で蒸留終了とした。生成液598gの組成はMXDA 92.0%、高沸点成分8.0%であった。
更に、仕込み液として、上記で得られた生成液を用い蒸留を実施した。蒸留装置は回分式装置を用い、充填物に50mmφ×50mmスルザーラボパッキング(住友重機工業製)4個を用いた。真空ポンプにより減圧して一定圧力0.8kPaに保ち、外部加熱により塔底液の加熱を行い、蒸留を実施した。蒸留終了時の塔底温度は170℃、総加熱時間は3時間であった。塔底に残った塔底液の粘度は、100℃において5mPa・sであった。
留出液および塔底液は、重量測定およびガスクロマトグラフィーにて組成分析を行った。
重量収支は、仕込み液598g(MXDA 92.0%、高沸点成分8.0%)に対し、留出液495g(MXDA 99.7%、低沸点成分0.3%)と塔底液97.5g(MXDA38.1%、高沸点成分61.9%)を合わせて、99.0%であった。MXDA収支は、仕込み液中550gに対し、留出液中493gと塔底液中37.1gを合わせて、96.4%であった。留分としてのMXDA回収率は、仕込み液中550gに対し、留出液中493gであり、89.6%であった。
更に、仕込み液として、上記で得られた塔底液97.5g(MXDA38.1%、高沸点成分61.9%)を用い、真空ポンプにより減圧して一定圧力0.8kPaに保ち、外部加熱により塔底液の加熱を行い、加熱分解を実施した。
加熱分解終了時の塔底温度は210℃、総加熱時間は3時間30分であった。塔底に残った塔底液の粘度は、100℃において84mPa・sであった。
重量収支は、仕込み液97.5g(MXDA38.1%、高沸点成分61.9%)に対し、留出液30.3g(MXDA98.0%、低沸点成分2.0%)と塔底液66.6g(MXDA27.1%、高沸点成分72.9%)を合わせて、99.4%であった。MXDA収支は、仕込み液中37.1gに対し、留出液中29.7gと塔底液中18.0gを合わせて129%であり、MXDA収率が100%を超えた。
留分としてのMXDA回収率は、仕込み液中37.1gに対し、留出液中29.7gと、79.9%であった。比較例1と合わせた留分としてのMXDA回収率は、仕込み液中550gに対し、留出液中523gと、95.0%であった。下記の比較例1に比べ、MXDAを5.4%多く回収できた。
実施例2
水素化反応原料液の組成を、イソフタロニトリルを5.8w%、テレフタロニトリル(東京化成工業製)を2.7w%含む液体アンモニア溶液とした以外は実施例1と同様な方法で、水素化反応、及び、単蒸留を実施した。単蒸留実施後の生成液の組成は、XDA 86.0%、高沸点成分14.0%、MXDA/PXDA=68/32であった。
更に、仕込み液として、上記で得られた生成液を用い蒸留を実施した。蒸留終了時の塔底温度は175℃、総加熱時間は4時間であった。塔底に残った塔底液の粘度は、100℃において13mPa・sであった。
重量収支は、仕込み液610g(XDA 86.0%、高沸点成分14.0%、MXDA/PXDA=68/32)に対し、留出液454g(XDA 99.3%、低沸点成分0.7%、MXDA/PXDA=68/32)と塔底液149g(XDA41.3%、高沸点成分58.7%、MXDA/PXDA=68/32)を合わせて、98.8%であった。XDA収支は、仕込み液中525gに対し、留出液中450gと塔底液中61.5gを合わせて、97.6%であった。留分としてのXDA回収率は、仕込み液中525gに対し、留出液中450gであり、85.8%であった。
更に、仕込み液として、上記で得られた塔底液149g(XDA41.3%、高沸点成分58.7%、MXDA/PXDA =68/32)を用い、真空ポンプにより減圧して一定圧力0.8kPaに保ち、外部加熱により塔底液の加熱を行い、加熱分解を実施した。加熱分解終了時の塔底温度は221℃、総加熱時間は3時間10分であった。塔底に残った塔底液の粘度は、100℃において93mPa・sであった。
重量収支は、仕込み液149g(XDA41.3%、高沸点成分58.7%、MXDA/PXDA =68/32)に対し、留出液63.7g(XDA94.7%、低沸点成分5.3%、MXDA/PXDA =66/34)と塔底液82.4g(XDA17.4%、高沸点成分82.6%、MXDA/PXDA =60/40)を合わせて、98.1%であった。XDA収支は、仕込み液中61.5gに対し、留出液中60.3gと塔底液中14.3gを合わせて121%であり、実施例1と同様にXDA収率が100%を超えた。仕込み液の高沸点成分にはXDAの重縮合物が多く含まれており、これらを熱処理することでXDAを生成したことが分かった。
留分としてのXDA回収率は、仕込み液中61.5gに対し、留出液中60.3gと、98.1%であった。比較例2と合わせた留分としてのXDA回収率は、仕込み液中525gに対し、留出液中511gと、97.3%であった。下記の比較例2に比べ、XDAを11.5%多く回収できた。
実施例3
水素化反応原料液の組成を、イソフタロニトリル5.7w%、テレフタロニトリル2.8含む液体アンモニア溶液とした以外は実施例1と同様な方法で、水素化反応、及び、単蒸留を実施した。単蒸留実施後の生成液の組成は、XDA 88.0%、高沸点成分12.0%、MXDA/PXDA=67/33であった。
更に、仕込み液として、上記で得られた生成液を用い蒸留を実施した。蒸留終了時の塔底温度は172℃、総加熱時間は6時間であった。塔底に残った塔底液の粘度は、100℃において13mPa・sであった。
重量収支は、仕込み液655g(XDA88.0%、高沸点成分12.0%、MXDA/PXDA=67/33)に対し、留出液527g(XDA99.6%、低沸点成分0.4%、MXDA/PXDA=67/33) と塔底液120g(XDA27.5%、高沸点成分72.5%、MXDA/PXDA =67/33) を合わせて、98.8%であった。XDA収支は、仕込み液中576gに対し、留出液中525gと塔底液中33.0gを合わせて、96.8%であった。留分としてのXDA回収率は、仕込み液中576gに対し、留出液中525gと、91.1%であった。
更に、仕込み液として、上記で得られた塔底液120g (XDA27.5%、高沸点成分72.5%、MXDA/PXDA =67/33)を用い、真空ポンプにより減圧して一定圧力0.8kPaに保ち、外部加熱により塔底液の加熱を行い、加熱分解を実施した。加熱分解終了時の塔底温度は240℃、総加熱時間は2時間30分であった。塔底に残った塔底液の粘度は、100℃において99mPa・sであった。
重量収支は、仕込み液120g(XDA27.5%、高沸点成分72.5%、MXDA/PXDA =67/33)に対し、留出液31.2g(XDA97.8%、低沸点成分2.2%、MXDA/PXDA =65/35)と塔底液87.6g(XDA13.1%、高沸点成分86.9%、MXDA/PXDA =57/43)を合わせて、99.0%であった。XDA収支は、仕込み液中33.0gに対し、留出液中30.5gと塔底液中11.5gを合わせて127%であり、実施例1と同様にMXDA収率が100%を超えた。
留分としてのXDA回収率は、仕込み液中33.0gに対し、留出液中30.5gと、92.5%であった。比較例3と合わせた留分としてのXDA回収率は、仕込み液中576gに対し、留出液中556gと、96.4%であった。下記の比較例3に比べて、XDAを5.3%多く回収できた。
比較例
比較例1
イソフタロニトリル(東京化成工業製) 8.5wt%含む液体アンモニア溶液を実施例1と同様な方法で、水素化反応、及び、単蒸留を実施した。更に、仕込み液として、得られた生成液598g(MXDA 92.0%、高沸点成分8.0%)を用い蒸留を実施した。
蒸留終了時の塔底温度は170℃、総加熱時間は3時間であった。塔底に残った塔底液の粘度は、100℃において5mPa・sであった。
重量収支は、仕込み液598g(MXDA 92.0%、高沸点成分8.0%)に対し、留出液495g(MXDA 99.7%、低沸点成分0.3%)と塔底液97.5g(MXDA38.1%、高沸点成分61.9%)を合わせて、99.0%であった。MXDA収支は、仕込み液中550gに対し、留出液中493gと塔底液中37.1gを合わせて、96.4%であった。留分としてのMXDA回収率は、仕込み液中550gに対し、留出液中493gであり、89.6%であった。
比較例2
イソフタロニトリル(東京化成工業製) 5.8w%、テレフタロニトリル(東京化成工業製) 2.7w%含む液体アンモニア溶液を実施例2と同様な方法で、水素化反応、及び、単蒸留を実施した。更に、仕込み液として、得られた生成液610g(XDA 86.0%、高沸点成分14.0%、MXDA/PXDA=68/32)を用い蒸留を実施した。
蒸留終了時の塔底温度は175℃、総加熱時間は4時間であった。塔底に残った塔底液の粘度は、100℃において13mPa・sであった。
重量収支は、仕込み液610g(XDA 86.0%、高沸点成分14.0%、MXDA/PXDA=68/32)に対し、留出液454g(XDA 99.3%、低沸点成分0.7%、MXDA/PXDA=68/32)と塔底液149g(XDA41.3%、高沸点成分58.7%、MXDA/PXDA=68/32)を合わせて、98.8%であった。XDA収支は、仕込み液中525gに対し、留出液中450gと塔底液中61.5gを合わせて、97.6%であった。
留分としてのXDA回収率は、仕込み液中525gに対し、留出液中450gであり、85.8%であった。
比較例3
イソフタロニトリル(東京化成工業製) 5.7w%、テレフタロニトリル(東京化成工業製) 2.8w%含む液体アンモニア溶液を実施例3と同様な方法で、水素化反応、及び、単蒸留を実施した。更に、仕込み液として、得られた生成液655g(XDA88.0%、高沸点成分12.0%、MXDA/PXDA=67/33) を用い、比較例1と同様な方法で蒸留を実施した。
蒸留終了時の塔底温度は172℃、総加熱時間は6時間であった。塔底に残った塔底液の粘度は、100℃において13mPa・sであった。
重量収支は、仕込み液655g(XDA88.0%、高沸点成分12.0%、MXDA/PXDA=67/33)に対し、留出液527g(XDA99.6%、低沸点成分0.4%、MXDA/PXDA=67/33) と塔底液120g(XDA27.5%、高沸点成分72.5%、MXDA/PXDA =67/33) を合わせて、98.8%であった。XDA収支は、仕込み液中576gに対し、留出液中525gと塔底液中33.0gを合わせて、96.8%であった。
留分としてのXDA回収率は、仕込み液中576gに対し、留出液中525gと、91.1%であった。
本発明は、樹脂硬化剤、ナイロン、ポリウレタン、ゴム薬品、紙加工剤、繊維処理剤など幅広い工業分野で有効である。

Claims (3)

  1. フタロニトリル類を水素化して得られた反応生成液を蒸留してキシリレンジアミン類を回収した後、蒸留塔底液を加熱してキシリレンジアミン類を再生させる工程を含み、
    前記加熱の際の圧力が1kPa以下、温度が200〜250℃である、キシリレンジアミン類の製造方法。
  2. フタロニトリル類がイソフタロニトリル、テレフタロニトリル又はこれらの混合物である請求項1記載のキシリレンジアミン類の製造方法。
  3. キシリレンジアミン類がメタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物である請求項1又は2に記載のキシリレンジアミン類の製造方法。
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