JP2005162621A - キシリレンジアミンの製造方法 - Google Patents

キシリレンジアミンの製造方法 Download PDF

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【課題】ジシアノベンゼンの接触水素還元や、フタルアルデヒドの還元的水素化反応において副生するキシリレンジアミン縮合物を効率良くキシリレンジアミンに変換する方法を提供する。
【解決手段】キシリレンジアミン縮合物を、ニッケル、コバルト、鉄、銅、ルテニウム、パラジウムおよびロジウムから選ばれる少なくとも一種の金属を含有する触媒(縮合物分解用触媒)の存在下、アンモニアおよび水素と反応させることを特徴とするキシリレンジアミンの製造方法。
【選択図】 無

Description

本発明はキシリレンジアミン縮合物を原料としキシリレンジアミンを製造する方法に関する。キシリレンジアミンは、樹脂硬化剤、ナイロン、ポリウレタン、ゴム薬品、紙加工剤、繊維処理剤など幅広い工業分野で使用されている。
ジシアノベンゼンの接触水素還元やフタルアルデヒドの還元的アミノ化反応によってキシリレンジアミンを製造する際、2個のアミノメチル基(−CH−NH)から、アンモニア1分子を失って縮合した形の二級アミン結合およびアンモニア1分子と水素1分子を失って縮合したシッフ結合(−CH=NH−)を有するキシリレンジアミン縮合物が生成し、この生成は避ける事ができないことが知られている(特許文献1参照)。
かかるキシリレンジアミン縮合物の利用方法として、キシリレンジアミン縮合物を酸素、アンモニア含有ガスと特定の酸化物触媒(V、Cr、Moからなる1元または2元系触媒)と接触させてキシリレンジアミン原料であるイソおよび/またはテレフタロニトリルを製造し再利用する方法(特許文献2参照)、あるいはキシリレンジアミン縮合物を加水分解し、フタルアルデヒド、キシリレンジアミンを得る方法(非特許文献1参照)等が報告されているが、いずれの技術においてもキシリレンジアミン縮合物をより有用な物質に、または効率良く変換できているとはいい難い。
特公昭45−8414号公報 特公昭57−26669号公報 工業化学誌74巻、6号、1273〜1275頁、1971年
ジシアノベンゼンの接触水素還元や、フタルアルデヒドの還元的水素化反応において副生するキシリレンジアミン縮合物を効率良くキシリレンジアミンに変換する方法を提供することである。
本発明者らはキシリレンジアミン縮合物の有効な利用方法について鋭意研究した結果、キシリレンジアミン縮合物をアンモニアおよび水素の存在下、特定の触媒と接触させることでキシリレンジアミン縮合物からキシリレンジアミンを効率良く得ることが可能であり、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、一般式(1)で表される化合物(キシリレンジアミン縮合物)を、ニッケル、コバルト、鉄、銅、ルテニウム、パラジウムおよびロジウムから選ばれる少なくとも一種の金属を含有する触媒(縮合物分解用触媒)の存在下、アンモニアおよび水素と反応させることを特徴とするキシリレンジアミンの製造方法である。

〔式中Aは−CH−NH−CH−(二級アミノ型結合)、−CH=N−CH−(シッフ塩基型結合)および−CH(NH)−NH−CH−(α−アミノ二級アミノ型結合)から選択され、化合物1分子中でこれらの結合が混在してもよい。nは1〜9の整数を表す。またフェニレン基はメタ体および/またはパラ体である。〕
本発明によれば、ジシアノベンゼン水素化などによるキシリレンジアミン製造に際して副生が避けられないキシリレンジアミン縮合物から有価物であるキシリレンジアミンを得ることが可能となる。特に本発明によれば、ジシアノベンゼンの水素化によりキシリレンジアミンを製造する際に、副生したキシリレンジアミン縮合物から比較的簡便な設備によってキシリレンジアミンを回収することが可能となる。
以下、本発明を具体的に説明する。本発明において原料として使用するキシリレンジアミン縮合物とは、下記一般式(1)で表される化合物であり、これらの化合物は単独あるいは混合物のいずれでも使用できる。

〔式中Aは−CH−NH−CH−(二級アミノ型結合)、−CH=N−CH−(シッフ塩基型結合)および−CH(NH)−NH−CH−(α−アミノ二級アミノ型結合)から選択され、化合物1分子中でこれらの結合が混在してもよい。nは1〜9の整数を表す。またフェニレン基はメタ体および/またはパラ体である。〕
一般式(1)で表される化合物(キシリレンジアミン縮合物)は、ジシアノベンゼンの接触水素還元やフタルアルデヒドの還元的アミノ化反応によりメタあるいはパラキシレリンジアミンを製造する際に、副生成物として得られるベンゼン環を複数有するポリアミン類である。本発明で用いる原料は、一般式(2)で表わされる化合物を含有するものがより好ましく、原料に含まれるキシリレンジアミン縮合物が一般式(2)で表わされる化合物のみであることが特に好ましい。

〔式中Bは−CH−NH−CH−(二級アミノ型結合)、−CH=N−CH−(シッフ塩基型結合)および−CH(NH)−NH−CH−(α−アミノ二級アミノ型結合)から選択され、化合物1分子中でこれらの結合が混在してもよい。但し、Bの少なくとも1つは、−CH=N−CH−または−CH(NH)−NH−CH−である。nは1〜9の整数を表す。またフェニレン基はメタ体および/またはパラ体である。〕
また、キシリレンジアミン縮合物を原料として使用する際には、メタキシレンジアミンやパラキシレンジアミンが混在してもよい。更に本発明では、キシリレンジアミン縮合物が、ジシアノベンゼンをジシアノベンゼン水素化用触媒の存在下、液相で接触水素化した際の反応液中に含まれるものであってもよい。
本発明においてはキシリレンジアミン縮合物をアンモニアおよび水素の存在下、キシリレンジアミン縮合物分解用触媒と接触反応させてキシリレンジアミンを得る。
キシリレンジアミン縮合物分解反応は、気相、液相のどちらでも実施可能であるが液相条件下で行うことが好ましい。液相反応の場合、反応に供する液相はキシリレンジアミン縮合物および液状のアンモニアからなり、さらに必要に応じて縮合物分解条件下で安定な種々の溶媒を使用することもできる。具体的にはトルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の炭化水素系溶媒、キシリレンジアミンやビス(アミノメチル)シクロヘキサン等のアミン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の低級脂肪族アミド系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。またこれらの溶媒から2種類以上を選択して併用してもよい。
キシリレンジアミン縮合物分解反応における好ましいアンモニアの使用量は、キシリレンジアミン縮合物1重量部に対して1〜5000重量部、より好ましくは5〜5000重量部である。
キシリレンジアミン縮合物の分解反応に用いられる水素は反応に関与しない不純物、例えばメタン、窒素等を含んでいても良いが、不純物濃度が高いと必要な水素分圧を確保するために反応全圧を高める必要があり工業的に不利となるため、水素濃度は50mol%以上が好ましい。分解反応の反応圧力は0〜30MPaG、好ましくは1〜20MPaGである。
本発明におけるキシリレンジアミン縮合物分解用触媒は、活性金属成分としてニッケル、コバルト、鉄、銅、パラジウム、ルテニウムおよびロジウムからなる群より選ばれた一種以上の金属を含有する触媒が好ましく、中でもニッケルおよび/またはコバルト含有触媒が好適に用いられ、ニッケル含有触媒が特に好ましい。また、触媒の形態はラネー触媒のようなスポンジメタルの形態、または担持および非坦持金属触媒のいずれの形態でも使用できる。担持触媒の場合、使用される担体としては、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等が挙げられる。触媒には必要に応じてLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Ca、Ba、Ti、Cr、Zn、Mn、Mg、Ga、Ge、Nb、Ir、Pt、Bi、Al、Si、In、Sr、CeおよびMoからなる群より選ばれた一種以上の成分を添加することができる。
キシリレンジアミン縮合物分解反応の反応温度は60〜250℃の範囲から選ばれ、好ましくは80〜200℃の範囲である。特に、液相反応の場合は80〜180℃が好ましい。反応温度が60℃より低いとキシリレンジアミン縮合物分解反応が十分に進行せず、反応温度が250℃より高いと好ましくない副反応が増加する。
キシリレンジアミン縮合物分解反応の形式は固定床、懸濁床のいずれも可能であり、また回分式、連続式の何れの方式も可能であるが、固定床連続流通式が簡便であり好ましい。
本発明で使用するキシリレンジアミン縮合物は、ジシアノベンゼンを、ジシアノベンゼン水素化用触媒(水素化用触媒)の存在下、液相で水素と反応させることによって生成したものでもよい。ここで、ジシアノベンゼンは、目的とするキシリレンジアミンの種類に応じて、メタ体(イソフタロニトリル)やパラ体(テレフタロニトリル)を適宜選択できる。ジシアノベンゼンの水素化反応により得られたキシリレンジアミン縮合物を含有する反応液は、そのまま、あるいは必要に応じて分離操作を施した後、キシリレンジアミン縮合物分解反応に供することができる。
ジシアノベンゼン水素化反応は、液相条件下で行い、その際、反応溶媒を用いることが好ましい。反応溶媒としては水素化反応条件下で安定な種々の溶媒を使用することができる。具体的にはトルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の低級脂肪族アミド系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、アンモニア等が挙げられる。またこれらの溶媒から2種類以上を選択して併用してもよい。アンモニアを用いることで収率を高めることができるため、溶媒の一部にアンモニアを選択するのが好ましい。溶媒の使用量はジシアノベンゼン1重量部に対して1〜99重量部の範囲、好ましくは1.5〜99重量部である。
ジシアノベンゼンの水素化反応に用いられる水素は反応に関与しない不純物、例えばメタン、窒素等を含んでいても良いが、不純物濃度が高いと必要な水素分圧を確保するために反応全圧を高める必要があり工業的に不利となるため、水素濃度は50mol%以上が好ましい。水素化反応の反応圧力は0〜30MPaG、好ましくは1〜20MPaGである。
ジシアノベンゼンの水素化反応に用いられる触媒としては公知の担持および非担持金属触媒、ラネー触媒等の水素化触媒が使用できるが、活性金属成分としてニッケル、コバルト、鉄、パラジウム、ルテニウムおよびロジウムからなる群より選ばれた一種以上の金属を含有する触媒が好ましく、中でもニッケルおよび/またはコバルト含有触媒が好適に用いられ、ニッケル含有触媒が特に好ましい。担持触媒の場合使用される担体としては、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等が挙げられる。触媒には必要に応じてLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Ca、Ba、Ti、Cu、Cr、Zn、Mn、Mg、Ga、Ge、Nb、Ir、Pt、Bi、Al、Si、In、Sr、CeおよびMoからなる群より選ばれた一種以上の成分を添加することができる。
ジシアノベンゼンの水素化反応に用いられる触媒としてキシリレンジアミン縮合物分解用触媒と同一の触媒を選択することも可能である。
また、本発明においては、水素化反応に際し、反応促進や収率向上等の目的で添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物やアルコラート等が挙げられ、具体的には水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
ジシアノベンゼン水素化反応の形式は固定床、懸濁床のいずれも可能であり、また回分式、連続式の何れの方式も可能であるが、固定床連続流通式が簡便であり好ましい。
本発明の製造方法は、以下の(a)および(b)の2工程を含むものでもよい。
(a)ジシアノベンゼンをアンモニアおよび水素化用触媒の存在下、液相で水素と反応させてキシリレンジアミンおよびキシリレンジアミン縮合物を生成させる工程
(b)工程(a)で得られた反応液からキシリレンジアミン縮合物とアンモニアを分離することなくそのまま水素の存在下、液相で縮合物分解用触媒と接触させてキシリレンジアミン縮合物からキシリレンジアミンを製造する工程
この態様によればジシアノベンゼン水素化反応で副生したキシリレンジアミン縮合物を一旦キシリレンジアミンやジシアノベンゼン水素化時に用いた溶媒などから分離した後にキシリレンジアミン縮合物分解反応に供するのに比較して、簡便な設備でキシリレンジアミン縮合物分解反応を実施することができ、工業的に有利である。
工程(a)においては、ジシアノベンゼン水素化反応を十分に進行させておくのが好ましい。工程(b)に未反応のジシアノベンゼンが供給されると好ましくない副反応によりジシアノベンゼンからキシリレンジアミンへの収率が低下する場合がある。工程(a)においては、ジシアノベンゼンの転化率が95mol%以上、好ましくは99mol%以上となるまでジシアノベンゼン水素化反応を進行させるのが好ましい。
工程(a)と工程(b)の実施の形態は種々考えられ、たとえば以下(1)〜(3)に示すような形態が例示される。
(1)懸濁床回分式反応においてジシアノベンゼン水素化用触媒の存在下ジシアノベンゼン水素化反応を進行させ(工程(a))、さらにそのまま反応器にキシリレンジアミン縮合物分解用触媒を投入し、キシリレンジアミン縮合物分解反応を行う(工程(b))形態。
(2)懸濁床または固定床連続流通式反応において2基の反応器を使用し、ジシアノベンゼン水素化用触媒を充填した1基目の反応器でジシアノベンゼン水素化反応を進行させ(工程(a))、さらにキシリレンジアミン縮合物分解用触媒を充填した2基目の反応器に導いてキシリレンジアミン縮合物分解反応を進行させる(工程(b))形態。
(3)固定床連続流通式反応において1基の反応器内にジシアノベンゼン水素化用触媒とキシリレンジアミン縮合物分解用触媒の両方を充填し、ジシアノベンゼン水素化反応を進行させる領域(工程(a))と、この領域のあとにキシリレンジアミン縮合物分解反応を進行させる領域(工程(b))を設ける形態。
次に実施例により本発明を更に具体的に説明する。但し本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
<参考例(触媒調製)>
硝酸ニッケル6水和物Ni(NO・6HO 305.0g、硝酸銅3水和物Cu(NO・3HO 6.5gおよび硝酸クロム9水和物Cr(NO・9HO 7.1gを40℃の純水1kgに溶解し、さらに珪藻土29.6gをこの水溶液に懸濁させながら40℃で撹拌した。この溶液に、炭酸ナトリウムNaCO 128.6gを40℃の純水1kgに溶解した水溶液をよく撹拌しながら注加して沈殿スラリーを調製した。このスラリーを80℃まで昇温し、30分同温度で保持した。こうして得られた沈殿スラリーを濾過洗浄し、沈殿物を得た。この沈殿物を110℃で15h乾燥し、380℃で18時間空気雰囲気下で焼成した。この焼成粉に3重量%相当のグラファイトを混合し、3.0mmφ×2.5mmに打錠成形した。この成型品を水素気流中400℃で還元した。還元後の成型品を希薄酸素ガス(酸素/窒素=1/99(体積比))流通下、室温〜40℃以下の温度で15h酸化処理して安定化させた。さらに成形品を破砕して12〜28meshに粒度を揃えた破砕触媒を得た。これを触媒Aとした。
<実施例1>
反応器として内径10mm管状反応管に触媒層を有する固定床反応器を使用し、反応管に触媒Aを5g充填した(充填高さ65mm)。触媒を水素気流下200℃で還元して活性化させた後、メタキシリレンジアミン(MXDAと称す)、キシレンジアミン縮合物(HEと称す)、メタキシレン(MXと称す)、アンモニア(NHと称す)の混合液で、組成がMXDA:HE:MX:NH=1.0:2.0:8.5:88.5(重量比)である原料液を、40g/hの速度で反応管上方から供給し、反応圧力12MPaGで20Nl/hの水素ガスを反応管上方から圧入して反応温度100℃に設定して反応を行った。反応器出口から採取した反応液を分析したところ、MXDA収率(仕込みHE基準)が10.8wt%であった。
<実施例2>
反応温度120℃に設定する以外は実施例1とおなじ方法で反応を実施した。反応器出口から採取した反応液を分析したところ、MXDA収率が15.6wt%であった。
<実施例3>
実施例1で使用した内径10mm管反応管二機を縦に接続したものを用いて、二節の触媒層を有する固定床反応器とした。反応温度制御用のヒーターをそれぞれの節ごとに設置し、二節の反応温度を独立して操作できるようにした。触媒Aを、上節の反応管に10g、下節の反応管に5gを充填した(充填高さはそれぞれ上節130mm、下節65mm)。触媒を水素気流下200℃で還元して活性化させた後、イソフタロニトリル(IPNと称す)、メタキシレン(MXと称す)、アンモニア(NHと称す)の混合液で、組成がIPN:MX:NH=8.5:8.5:83(重量比)である水素化原料を、40g/hの速度で反応管上部から圧入して上節の反応温度を80℃、下節の反応温度90℃に設定して水素化反応を行った。上節出口、および下節出口から採取した反応液を分析したところ、上節出口におけるMXDA収率(IPN基準)は93.1mol%、キシリレンジアミン縮合物の収率(IPN基準)は6.9mol%であった。下節ではキシリレンジアミン縮合物の分解反応の進行が認められ、下節でのキシリレンジアミン縮合物を基準としたMXDA収率は9.5wt%であった。(下節出口におけるIPNを基準とするMXDA収率は93.7mol%であり、キシリレンジアミン縮合物収率は6.3mol%であった。)
<実施例4>
上節の反応温度を80℃とし、下節の反応温度を110℃に設定する以外は実施例3と同じ方法で水素化反応を実施した。上節出口、および下節出口から採取した反応液を分析したところ、上節出口におけるMXDA収率(IPN基準)は93.2mol%、キシリレンジアミン縮合物の収率(IPN基準)は6.8mol%であった。下節ではキシリレンジアミン縮合物の分解反応の進行が認められ、下節でのキシリレンジアミン縮合物を基準としたMXDA収率は19.1wt%であった。(下節出口におけるIPNを基準とするMXDA収率は94.5mol%であり、キシリレンジアミン縮合物収率は5.5mol%であった。)
本発明で得られるキシリレンジアミンは、樹脂硬化剤、ナイロン、ポリウレタン、ゴム薬品、紙加工剤、繊維処理剤など幅広い工業分野で使用できる。

Claims (11)

  1. 一般式(1)で表される化合物(キシリレンジアミン縮合物)を、ニッケル、コバルト、鉄、銅、ルテニウム、パラジウムおよびロジウムから選ばれる少なくとも一種の金属を含有する触媒(縮合物分解用触媒)の存在下、アンモニアおよび水素と反応させることを特徴とするキシリレンジアミンの製造方法。

    〔式中Aは−CH−NH−CH−(二級アミノ型結合)、−CH=N−CH−(シッフ塩基型結合)および−CH(NH)−NH−CH−(α−アミノ二級アミノ型結合)から選択され、化合物1分子中でこれらの結合が混在してもよい。nは1〜9の整数を表す。またフェニレン基はメタ体および/またはパラ体である。〕
  2. 縮合物分解用触媒が、ニッケルおよび/またはコバルト含有触媒である請求項1に記載のキシリレンジアミンの製造方法。
  3. 縮合物分解用触媒が、ニッケル含有触媒である請求項1に記載のキシリレンジアミンの製造方法。
  4. 縮合物分解反応を液相で行うことを特徴とする請求項1に記載のキシリレンジアミンの製造方法。
  5. 縮合物分解反応温度が80〜200℃である請求項1に記載のキシレンジアミンの製造方法。
  6. キシリレンジアミン縮合物1重量部に対するアンモニアの量が1〜5000重量部であることを特徴とする請求項1に記載のキシリレンジアミンの製造方法。
  7. キシリレンジアミン縮合物が、ジシアノベンゼンを、ジシアノベンゼン水素化用触媒(水素化用触媒)の存在下、液相で水素と反応させることによって生成したものであることを特徴とする請求項1に記載のキシリレンジアミンの製造方法。
  8. 以下の(a)および(b)の工程を含むことを特徴とする、請求項7に記載のキシリレンジアミンの製造方法。
    (a)ジシアノベンゼンをアンモニアおよび水素化用触媒の存在下、液相で水素と反応させてキシリレンジアミンおよびキシリレンジアミン縮合物を生成させる工程
    (b)工程(a)で得られた反応液からキシリレンジアミン縮合物とアンモニアを分離することなくそのまま水素の存在下、液相で縮合物分解用触媒と接触させてキシリレンジアミン縮合物からキシリレンジアミンを製造する工程
  9. 工程(a)におけるジシアノベンゼンの転化率が95mol%以上であることを特徴とする請求項8に記載のキシリレンジアミンの製造方法。
  10. 水素化用触媒が、ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウムおよびパラジウムから選ばれる少なくとも一種の金属を含有する触媒である請求項7に記載のキシリレンジアミンの製造方法。
  11. 水素化用触媒が、ニッケルおよび/またはコバルト含有触媒である請求項7に記載のキシリレンジアミンの製造方法。
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