JP6182996B2 - 搬送装置及び搬送ローター - Google Patents
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Description
例えば、特開2007−45597号公報(特許文献1)や特表2000−501174号公報(特許文献2)には、パーツフィーダーによって供給され、搬送ローターのキャビティに振り込まれたチップ部品を、搬送ローターの裏面に配置される搬送ベースに設けられた吸引溝を介して、キャビティに吸引保持するチップ部品搬送装置が開示されている。
この発明の請求項2にかかる搬送装置においては、前記吸引力弱化機構は、搬送対象物を収容できないサイズの補助の凹部である、請求項1に記載の搬送装置である。
この発明の請求項3にかかる搬送装置においては、前記吸引力弱化機構は、搬送対象物の幅又は奥行き又は高さより短い幅の補助の凹部である、請求項2に記載の搬送装置である。
この発明の請求項4にかかる搬送装置においては、前記キャビティ部と前記吸引力弱化機構を構成する凹部とを併せた最大の寸法は、前記ワークの最大の寸法よりも大きい、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の搬送装置である。
この発明の請求項5にかかる搬送装置は、前記搬送ローターの第2の主面側に配置され、前記キャビティ部を覆うとともに吸引機構を備えた第2の搬送ベースと、前記搬送ローターの第2の主面に、前記キャビティ部と連通し、前記第1の搬送ベース及び第2の搬送ベースに備えられた吸引機構と連結する吸引溝と、をさらに備え、前記吸引力弱化機構を構成する凹部は、前記第2の搬送ベースに設けられた吸引機構と連結する、請求項2又は3に記載の搬送装置である。
この発明の請求項6にかかる搬送装置においては、前記吸引溝は、前記吸引力弱化機構を構成する凹部と同じ形状である、請求項5に記載の搬送装置である。
この発明の請求項7にかかる搬送ローターは、第1の主面から第2の主面に亘って貫通するキャビティ部を有し、第1の主面及び第2の主面に、前記キャビティ部に連通する凹部が形成され、一方の凹部は、ワークがキャビティ部に正しく収容されないときに、該ワークを吸引する吸引力を弱化させる吸引力弱化機構になるように形成された、搬送ローターである。
この発明の請求項8にかかる搬送ローターにおいては、前記一方の凹部は、搬送対象物を収容できないサイズの補助の凹部である、請求項7に記載の搬送ローターである。
この発明の請求項9にかかる搬送ローターにおいては、前記一方の凹部は、搬送対象物の幅又は奥行き又は高さより短い幅の補助の凹部である、請求項8に記載の搬送ローターである。
この発明の請求項10にかかる搬送ローターにおいては、前記キャビティ部と前記一方の凹部とを併せた最大の寸法は、前記ワークの最大の寸法よりも大きい、請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の搬送ローターである。
請求項2ないし請求項4の発明によれば、キャビティ部にワークがどのような向きに供給されたとしても、確実に真空漏れの経路を作ることができる。
請求項5の発明によれば、吸引力弱化機構を構成する吸引溝を、ワークの反対面を保持する吸引機構を構成する吸引溝として利用できる。そして、ワークを両面から、吸引機構によって吸引できるので、ワークを反対面に搬送したり、ワークの反対面を検査したりできる。
請求項6の発明によれば、吸引機構に連通した吸引溝と吸引力弱化機構を構成する吸引溝を吸引機構に連通させた吸引溝との間において、ワークの両面における吸引力を調整しやすい。
請求項7の発明によれば、姿勢不良なワークをキャビティ部で保持できないように、真空が漏れる経路を設けられているので、姿勢不良のワークは落下しやすくなる。姿勢不良なワークを無くすことで、ワークのダメージや搬送ローターの摩耗を抑え、設備の安定性を向上させることができる。
請求項8ないし請求項10の発明によれば、キャビティ部にワークがどのような向きに供給されたとしても、確実に真空漏れの経路を作ることができる。
本実施の形態では、ベースプレート12は、設置スペースにおいて鉛直方向に延びるように立設されている。
ベースプレート12は、鉛直方向から傾斜されていてもよく、またベースプレート12は、水平方向に延びるように配置されていてもよい。
第1の搬送ベース14は、本実施の形態では、円板状のプレートであるが、角板状等の他の形状を有していてもよい。
第1の搬送ベース14は、ベースプレート12に対して固定されている。
第1の搬送ベース14の一方主面は、チップ部品100をスライドさせて搬送するための搬送面14aとして用いられる。搬送面14aは、平滑な面で構成される。
搬送ローター16は、円板状の形状を有する。搬送ローター16は、例えば金属もしくは合成樹脂などの硬質材料からなる。
搬送ローター16は、中心軸18の周りに回転し得るように配置されており、該中心軸18が、第1の搬送ベース14を貫通するようにして駆動装置20に連結されている。駆動装置20により、搬送ローター16は、時計回りに回転移動されるように構成されている。
すなわち、搬送ローター16が、相対的に第1の搬送ベース14の搬送面14aに対して移動されるように構成されておりさえすればよい。
搬送ローター16は、円盤状に形成され、その中心点に対して同心円状に複数のキャビティ部22が形成される。キャビティ部22は、搬送ローター16の両主面を貫通するようにして、四角形状に形成される。なお、図4においては、キャビティ部22は、円形に並べられた1列のみを示してあるが、実際には、図1に示すように、同心円状に複数列のキャビティ部22が形成される。
キャビティ部22は、ワークとしてのチップ形電子部品が嵌挿される収納部を構成している。
搬送ローター16は、鉛直方向から傾斜するように配置されていると、チップ部品100をキャビティ部22に収容しやすい。
搬送ローター16は、鉛直方向に沿うように設置されると、表面と裏面のどちらが開放された場合も同じ状態になるため、キャビティ部22からチップ部品100が落ちにくい。
キャビティ部22は、第1の主面16a及び第2の主面16bと直交ないしは交差する面であって、チップ部品100の外周面に対向する面を備える。
キャビティ部22の第2の主面16bにおける挿入口は、チップ部品100が入り込み得る大きさの開口を形成されている。
第1の主面16aとは、第1の搬送ベース14側の面であり、第2の主面16bとは、チップ部品100の投入側の面であって、キャビティ部22におけるチップ部品100の挿入口側の面である。
本実施の形態では、この複数のキャビティ部22は、周方向に2列形成されている。
もっとも、複数のキャビティ部22からなる列の数は、特に限定されず、1列、あるいは3列以上の形態で、複数のキャビティ部22が配置されてもよい。
このようなチップ部品100の例としては、たとえばチップ型コンデンサなどがあるが、それに限られず、チップ型の部品であれば何でもよい。
又、第1の吸引溝40は、キャビティ部22の深さ方向(すなわちチップ部品100の搬送方向と交差ないしは直交する方向)において、キャビティ部22の内周面側の開口が、チップ部品100の最も小さい寸法より面と隣り合う面又は背中合わせの面の高さ(H)又は奥行き(D)又は幅(W)より小さい寸法を有し、そのチップ部品100の面によって塞がれる面積を有している。
キャビティ部22の洞内は、第1の吸引溝40から吸引して吸引機構により真空を発生させ、キャビティ部22内の負圧状態を保っている。
キャビティ部22内を真空状態にする吸引機構は、第1の吸引溝40によって構成される。
補助の凹部は、チップ部品100がキャビティ部22に正しく収容されないときに、凹部の周辺において、正しく収容されないチップ部品100を吸引する(吸引機構によりキャビティ部22内を負圧化させる)吸引力を弱化させる吸引力弱化機構を構成する。
吸引力弱化機構を構成する補助の凹部の周辺は、大気開放状態となり、キャビティ部22内の真空度が低下するようにされた、真空漏れ発生部により構成されている。
第2の吸引溝42は、キャビティ部22の周縁に向けて開口した、平面視U字形の竪穴であり、第1の吸引溝40が形成された第1の主面16aとは反対側の第2の主面16bの側であって、略々同一の位置に形成されている。
第2の吸引溝42は、搬送ローター16の搬送面50a側において、キャビティ部22に連なる。第2の吸引溝42は、同心円状に配列されたキャビティ部22の外周側において、それぞれのキャビティ部22の前記第1の吸引溝40とは反対側(チップ部品100の挿入口側)に形成される。
前記補助の凹部は、第2の主面16bにおけるチップ部品100の搬送方向に沿う幅で、搬送対象物たるチップ部品100の幅(W)寸法又は奥行き(D)寸法又は高さ(H)寸法より小さい幅(第2の主面16bにおける幅)の真空漏れ溝部である。
第2の吸引溝42の幅(W2)寸法は、チップ部品100の幅(W)寸法より小さく、又、第2の吸引溝42の長さ(L2)寸法は、チップ部品100の奥行き(D)寸法より小さい。
あるいは、第2の吸引溝42の幅(W2)寸法は、チップ部品100の幅(W)寸法より小さく、又、第2の吸引溝42の幅(W2)寸法は、チップ部品100の高さ(H)寸法より小さい。
前記キャビティ部22と前記吸引力弱化機構を構成する凹部である第2の吸引溝42とを併せた最大の寸法は、前記チップ部品100の最大の寸法よりも大きい。
キャビティ部22の挿入口に対してチップ部品100の幅と高さで構成された面が対向するような姿勢の場合、そのままキャビティ部22に嵌挿されるが、それ以外の姿勢の場合、第2の吸引溝42がないと、キャビティ部22の挿入口をチップ部品100が塞いでしまい、真空吸着により搬送ロータ16の外表面に貼り付いてしまう。しかし、チップ部品100の最も大きな面積である幅と奥行きで構成される面の面積より、キャビティ部22の挿入口と、それに連通する第2の吸引溝42の開口部分を併せた面積が大きい場合、があるため、キャビティ部22の挿入口もしくは、第2の吸引溝42の開口部から確実に真空漏れを起こすことにより搬送ロータ16の主面より落下させることができる。またキャビティ部22の挿入口の中で最も長い辺(L1)とそれと同様な方向に続く第2の吸引溝42の開口部の辺(L2)とを合わせた寸法が、チップ部品100の最も大きい寸法より長くても、キャビティ部22もしくは第2の吸引溝42を同時に塞ぐことなく、キャビティ部22もしくは第2の吸引溝42より真空漏れをさせることができる。
したがって、チップ部品100がキャビティ部22の挿入口の周辺に載置されたときに、キャビティ部22の挿入口と第2の吸引溝42の第2の主面16b側の開口部分とを完全に塞がない面積および形状であることが必要である。
ここに、補助の凹部の面の広さ(面積)は、第2の主面16bにおける第2の吸引溝42のキャビティ部22に連通する空間の直線又は空間曲線(直線の部分又は曲線の部分)と第2の吸引溝42を形成する線分とによって囲まれた空間の広さをいう。
補助の凹部は、チップ部品100の一部分がキャビティ部22の挿入口より入り込んだときに、チップ部品100の入り込んだ部分によって第2の吸引溝42を塞がないような面積を備える。
補助の凹部は、第2の主面16b側の第2の吸引溝42の開口部分又はチップ部品100の搬送方向と直交又は交差する方向におけるキャビティ部22の周面側の開口部分を、キャビティ部22の挿入口より入り込んだチップ部品100の一部分によって塞がれない形状であり、面積を備える。
一方、キャビティ部22内に正しい姿勢で収容されないチップ部品100は、第1の吸引溝40を塞ぐことはなく、且つ、第2の吸引溝42を塞ぐこともない。
そのために。第2の吸引溝42により、真空漏れが発生して、搬送ローター16の第1の主面上に載った状態のまま移送されるか、搬送ローター16の第2の主面16b上から落下する。
姿勢不良のチップ部品100をかき取るスキージ(図示せず)が引っかかることがない。
凸部ではないので、チップ部品100が引っかかって供給時のチップ部品100の流れが悪くなることがない。また、チップ部品100を供給するパーツフィーダーと搬送ローター16間にチップ部品100が引っかかってチップ部品100を供給しにくくなることがない。
チップ部品搬送装置10を測定機として用いる場合にも、凸部が測定端子に接触し、測定端子とチップ部品100との接触を阻害することで発生する、接触不良を起こす可能性がない。
チップ部品搬送装置10で搬送されるチップ部品100は、搬送途中に設けられた第1チップ部品検査機構26及び第2チップ部品検査機構28まで搬送され、複数の特性が測定される。
この第1の吸引用溝部30は、第1の搬送ベース14上に配置されている搬送ローター16のキャビティ部22の一部に後述の第1の吸引溝40及び吸引溝(図示せず)を介して連ねられるように、複数のキャビティ部22の間の間隔より広い間隔をおいて、設けられている。同心円上に2ないし4本の第1の吸引用溝部30が設けられているのは、複数のキャビティ部22が周方向に2ないし4列整列配置されていることによる。
すなわち、一方の第1の吸引用溝部30は、複数のキャビティ部22からなる2ないし4列の内、外側の列の径方向外側に位置しており、他方の第1の吸引用溝部30は、キャビティ部22の小さな径の列の径方向外側に位置されている。
そして、外側の列のキャビティ部22に、第1の吸引溝40を介して、第1の吸引用溝部30が接続されており、内側の列のキャビティ部22には、第1の吸引溝40により、内側の第1の吸引用溝部30が接続される。
第1の吸引用溝部30の適宜な距離をおいて離れた2箇所に、吸引孔32が形成される。吸引孔32は、たとえば真空ポンプなどの真空発生源に連結される。
第1の吸引用溝部30は、図6及び図7に示すように、真空発生源などとともに吸引機構を構成する。
第1の吸引溝40は、第1の吸引用溝部30とともに吸引機構を構成する。
従って、チップ部品100は、第1の吸引用溝部30から真空発生源により吸引することによって、その負圧によりキャビティ部22内において正しい位置に保持される。
一方、正しい姿勢でキャビティ部22内に吸引されないチップ部品100は、キャビティ部22の挿入口付近に存在しても、大気開放部たる第2の吸引溝42によって真空漏れ発生を起こして、キャビティ部22に吸引保持されることなくキャビティ部22から離れて、搬送ローター16の第2の主面16b上を転動するか、落下してしまう。
開放部34は、第1の搬送ベース14の外周縁より中心軸18側に向けて、平面視略扇形に開口するように、第1の搬送ベース14の一部を穿たれて形成されている。
開放部34は、第2チップ部品検査機構28で検査できる長さ及び幅を備える。
開放部34は、搬送ローター16の回転方向において、チップ部品供給部24及び第1チップ部品検査機構26より下流側に形成されている。
第2の搬送ベース50は、搬送ローター16の回転方向であって周方向にのびて複数個のキャビティ部22を覆う長さと、搬送ローター16の径方向にのびて複数列のキャビティ部22を覆う幅とを備える、平面視扇形の板状体である。
第1の搬送ベース14と第2の搬送ベース50とは、前記開放部34の受け渡し入り口側端36及び/又はキャビティ部22の受け渡し出口側端38の領域において、前記搬送ローター16の一方の面に対して垂直方向から視て、一部が重なる重なり部分を有する。この重なり部分は、第1の搬送ベース14から第2の搬送ベース50へチップ部品100を受け渡す、受け渡し部60を構成する。ここに、垂直方向とは、重力の方向ではなく、第1の搬送ベース14の搬送面14a又は第2の搬送ベース50の搬送面50aに略直交するか交差する方向をいう。
受け渡し部60は、搬送ローター16のキャビティ部22に収容されて搬送されるチップ部品100を、搬送ローター16の回転に伴い、上流側の第1の搬送ベース14から下流側の第2の搬送ベース50に受け渡す機能を備え、又、上流側の第2の搬送ベース50から下流側の第1の搬送ベース14に受け渡す機能を備える。第1の搬送ベース14の第1の吸引用溝部30と後述する第2の搬送ベース50の第2の吸引用溝部80とは、受け渡し部60において重なり部分を有しないが、第1の吸引用溝部30の下流側端と第2の吸引用溝部80の上流側端とは上下方向において同一位置にある。
第1の搬送ベース14の第1の吸引用溝部30と第2の搬送ベース50の第2の吸引用溝部80とが一部重なるところがあるので、チップ部品100を落とさず、うまくチップ部品100をスライドさせて、チップ部品100の受け渡しができる。
第1の受け渡し部62と第2の受け渡し部64とは、それぞれ適宜な間隔をおいた平行な面で構成される。
この実施の形態においては、第1の受け渡し部62は、チップ部品100を第2の搬送ベース50側に渡す、渡し口を構成し、第2の受け渡し部64は、チップ部品100を第1の搬送ベース14から受け取る、受け取り口を構成する。
受け渡し部60は、第1の搬送ベース14の前記第1の受け渡し部62より下流側(受け渡し出口側端38の近傍)であって、開放部34に臨む第3の受け渡し部66と第2の搬送ベース50の下流側(受け渡し出口側端38の近傍)の第4の受け渡し部68とを含む。
第3の受け渡し部66と第4の受け渡し部68とは、それぞれ適宜な間隔をおいた平行な面で構成される。
この実施の形態においては、第4の受け渡し部68は、チップ部品100を第2の搬送ベース50側から再び第1の搬送ベース14側に渡す、渡し口を構成し、第3の受け渡し部66は、チップ部品100を第2の搬送ベース50側から受け取る、受け取り口を構成する。
ワーク飛び出し規制部70は、第1の搬送ベース14及び/又は第2の搬送ベース50の端の搬送ローター16に向き合う面が搬送ローター16から離れるような、傾斜部分、凹み部分あるいは段差部分からなる。
また、ワーク飛び出し規制部70は、傾斜によって、チップ部品100の受け渡し時に、チップ部品100が受け手側の第2の搬送ベース50及び第1の搬送ベース14に当たるのを防ぐことができる。
第1の搬送ベース14の受け渡し部60は、一定の高さの平滑な搬送面14aより漸次搬送ローター16から離れる面を有しており、搬送ローター16のキャビティ部22に収容されたチップ部品100は、キャビティ部22内で滑り落ちて傾斜あるいは凹み面に接し合う。
そして、チップ部品100は、第1の搬送ベース14とは反対側の搬送ローター16の主面から飛び出していた一部が、キャビティ部22内に引っ込み、飛び出した部分がキャビティ部22内に収容される。
搬送ローター16の回転に伴い、第2の搬送ベース50側に渡されたチップ部品100は、チップ部品100を受け取った第2の搬送ベース50の搬送面50aの表面をスライドして搬送される。
第2の搬送ベース50は、下流側の受け渡し部60に至る前においては、一定の高さの搬送面50aを有しており、搬送ローター16のキャビティ部22に収容されたチップ部品100は、第2の搬送ベース50側の一部が搬送面50aに接し合い、それとは反対側の一部が第2の搬送ベース50とは反対側に飛び出した状態で、搬送ローター16を摺動させる。
第2の搬送ベース50の受け渡し部60は、一定の高さの平滑な搬送面50aにより漸次搬送ローター16から離れる面を有しており、搬送ローター16のキャビティ部22に収容されたチップ部品100は、第2の吸引溝42及び第2の吸引用溝部80によって真空吸引されて、第2の搬送ベース50側に引っ張られる。
そして、チップ部品100は、第2の搬送ベース50とは反対側の搬送ローター16の主面から飛び出していた一部が、キャビティ部22内に引っ込み、飛び出した部分がキャビティ部22内に収容される。
チップ部品100は、キャビティ部22内に収容されて第1の搬送ベース14の受け渡し部60側において搬送ローター16の表面より飛び出した部分が無い状態で、再び第1の搬送ベース14の受け渡し部60に渡される。
チップ部品100は、搬送ローター16の回転に伴い、受け取った第1の搬送ベース14の搬送面14aの表面をスライドして、搬送される。
第2の受け渡し部64は、チップ部品100の移送方向に沿って漸次その高さが低くなる、すなわちその厚さが薄くなって搬送ローター16より離れる傾斜面ないし凹み面をもって構成されるワーク飛び出し規制部70を有する。
第3の受け渡し部66は、チップ部品100の移動方向に沿って漸次その高さが高くなる、すなわちその厚さが薄くなって搬送ローター16より離れる傾斜面ないし凹み面をもって構成されるワーク飛び出し規制部70を有する。
第4の受け渡し部68は、チップ部品100の移動方向に沿って漸次その高さが高くなる、すなわちその厚さが薄くなって搬送ローター16より離れる傾斜面ないし凹み面をもって構成されるワーク飛び出し規制部70を有する。
第2の搬送ベース50の搬送面50aは、搬送ローター16の第2の主面16bと平行に形成された、平滑な面である。
この第2の吸引用溝部80は、第2の搬送ベース50上に配置されている搬送ローター16のキャビティ部22の一部に後述の第2の吸引溝42及び吸引溝(図示せず)を介して連ねられるように、複数のキャビティ部22の間の間隔より広い間隔をおいて、設けられている。同心円上に2ないし4本の第2の吸引用溝部80が設けられているのは、複数のキャビティ部22が周方向に2ないし4列整列配置されていることによる。
すなわち、一方の第2の吸引用溝部80は、複数のキャビティ部22からなる2ないし4列の内、外側の列の径方向外側に位置しており、他方の第2の吸引用溝部80は、キャビティ部22の小さな径の列の径方向外側に位置されている。
そして、外側の列のキャビティ部22に、第2の吸引溝42を介して、第2の吸引用溝部80が接続されており、内側の列のキャビティ部22には、第2の吸引溝42により、内側の第2の吸引用溝部80が接続される。
第2の吸引用溝部80には、吸引孔82が形成される。吸引孔82は、たとえば真空ポンプなどの真空発生源に連結される。
第2の吸引用溝部80は、図6に示すように、真空発生源などとともに吸引機構を構成する。
第2の吸引溝42は、第2の吸引用溝部80とともに、吸引機構を構成する。
従って、チップ部品100は、第2の吸引用溝部80から真空発生源により吸引することによって、その負圧によりキャビティ部22内において正しい位置に保持される。
チップ部品100が、図12及び図13のチップ部品100aのように、キャビティ部22に嵌挿され、第1の吸引溝40を塞ぐが、第2の吸引溝42を塞がず、第2の吸引溝42からわずかな真空漏れをする。
正規の姿勢でチップ部品100が挿入される場合には、チップ部品100の最も小さな面がキャビティ部22の底に向かう状態で嵌挿される。
チップ部品100が姿勢不良でキャビティ部22の挿入口周辺に載置されている場合として、図12及び図13に示すような次の場合がある。
チップ部品100が、図12及び図13のチップ部品100bのように、キャビティ部22に嵌挿されないで、第2の吸引溝42を塞がず、第2の吸引溝42から真空漏れをする。
チップ部品100が、図12及び図13のチップ部品100cのように、チップ部品100の一部分がキャビティ部22の挿入口より入り込み、第2の吸引溝42を塞がず、第2の吸引溝42から真空漏れをする。
また、チップ部品100を吸引することにより、キャビティ部22内においてチップ部品100の位置を固定することができる。引いては、検査アルゴリズムの簡略化による処理時間の短縮化を図ることができる。
第1の搬送ベース14側の第1の吸引溝40と第2の搬送ベース50側の第2の吸引溝42とによって、チップ部品100を両面から吸引されると、チップ部品100が安定しなくなるおそれがあるため、第1の搬送ベース14側の第1の吸引溝40と第2の搬送ベース50側の第2の吸引溝42とが重ならない方がよい。
また、図11に示すように、第1の搬送ベース14に設けられた第1の吸引用溝部30と第2の搬送ベース50に設けられた第2の吸引用溝部80は、前記搬送ローター16の表面(回転方向)に対して垂直方向から視たときに、重なっている場合には、渡す側の吸引力に比べて、受け取る側の吸引力を強くするとよい。
第1チップ部品検査機構26は、開放部34より上流側において、搬送ローター16のキャビティ部22に収納されて移送されるチップ部品100の上側及びその近傍を撮像するために、設けられる。
第2チップ部品検査機構28は、開放部34において、第2の搬送ベース50側から搬送ローター16のキャビティ部22に収納されて移送されるチップ部品100を撮像するために、設けられる。
通常、第1の搬送ベース14の一部をガラスなどの透過性部材を用いることで、第2チップ部品検査機構28により、チップ部品100の裏面を検査することになるが、第1の搬送ベース14から第2の搬送ベース50へチップ部品を移し変える機構のため、ガラスが介在せず、ガラスの傷や汚れ等による検査精度の低下が無く、メンテナンスをするための時間などの短縮が図れる。
なお、第2チップ部品検査機構28のカメラ撮像の際に照明をあてるので、開放部34は広くする必要がある。
したがって、キャビティ部22からチップ部品100の一部が突出することになるので、第2チップ部品検査機構28のカメラのレンズのピントがチップ部品100の外面とキャビティ部22の淵でずらすことが可能となり、チップ部品100の外形の検出が容易になり、第2チップ部品検査機構28による検査精度が向上する。
両面からチップ部品100を扱えるため、搬送とともに検査を行う際に、チップ部品100の両面の検査を行うことができる。
ワーク飛び出し規制部70は、チップ部品100の移し替え時にチップ部品100に対するダメージを低減させる。
第1の搬送ベース14と第2の搬送ベース50とは、チップ部品100を両面から保持し、また、吸引により安定してチップ部品100のキャビティ部22からの頭出し方向を変える事で、ワーク飛び出し規制部70との組み合わせにより、チップ部品のダメージ低減を確実にすることができる。
I チップ部品供給部24のホッパーにチップ部品100を入れる。
II チップ部品100は、チップ部品供給部24のフィーダーを通って、搬送ローター16のキャビティ部22に振り込まれる。このとき、図4及び図6に示すように、外部電極104が搬送ローター16の厚み方向に配置されるようにして、チップ部品100がキャビティ部22に振り込まれる。キャビティ部22に振り込まれたチップ部品100は、第1の搬送ベース14の第1の吸引用溝部30、吸引孔32及び搬送ローター16の第1の吸引溝40を介して、キャビティ部22内に吸引保持される。したがって、チップ部品100は、第1の吸引溝40が形成された側、つまりキャビティ部22の洞内の一定の位置に図15のチップ部品100eのように、保持される。
III チップ部品100が保持された状態で搬送ローター16が回転することにより、チップ部品100が円形軌道を描きながら搬送される。
搬送ローター16は、たとえば、周方向に、隣接するキャビティ部22の間隔で間歇回転することにより、第1チップ部品検査機構26のある領域でチップ部品100が一時停止する。
そして、第1チップ部品検査機構26によって、チップ部品100の特性が測定される。
また、チップ部品100は、表面撮像部、すなわち第1チップ部品検査機構26により、チップ部品100の片側の端面の外観検査を行う。
IV 搬送ローター16の回転に伴い、チップ部品100は、第1の搬送ベース14の第1の受け渡し部62から第2の搬送ベース50の第2の受け渡し部64に受け渡される。
V 搬送ローター16の回転に伴い、チップ部品100は、開放部34に至り、裏面撮像部たる第2チップ部品検査機構28により、IIIで撮影した端面とは反対側のチップ部品100の端面の撮像及び検査を行う。
VI 第2チップ部品検査機構28で特性が測定されたチップ部品100は、搬送ローター16の回転によって、チップ部品取出し部90まで搬送される。
チップ部品取出し部90では、噴出孔92から圧縮空気を噴出することにより、チップ部品100がキャビティ部22から飛び出し、ホース94で所定の場所に集められる。
このとき、チップ部品100の特性の測定結果により、搬送ローター16の周方向において、圧縮空気を噴出するキャビティ部22の位置が選択される。
そして、選択された位置において、噴出孔92からキャビティ部22内のチップ部品100に向かって圧縮空気供給源から圧縮空気を噴出させることにより、たとえば良品と不良品とに分類されて、チップ部品100が取り出される。
なお、噴出孔92から圧縮空気を噴出するときにも、第1の吸引溝40には真空発生源によって吸引がかけられている。
第2の吸引溝42は、キャビティ部22のチップ部品100の挿入口に連続して形成されないで、キャビティ部22の洞内の中間の高さ位置に穿設され、搬送ローター16の中を屈曲ないしはわん曲して搬送ローター16の第2の主面16bに開口してもよい。
又、第2の吸引溝42は、搬送ローター16の第2の主面16b側ではなく、それに隣接する面に形成され、第1の吸引溝40も同様に、搬送ローター16の第2の主面16b側ではなく、それに隣接する面に形成されてもよい。
チップ部品100は、キャビティ部22に嵌挿しないで、第1の吸引溝40を塞ぐことなく、第2の吸引溝42も塞ぐことがないような形状の場合には、第2の吸引溝42から真空漏れをしないので、その形状のチップ部品100は、搬送するに適しない。
チップ部品100は、キャビティ部22に部分的に嵌挿するのみで、第1の吸引溝40を塞ぐことなく、又、第2の吸引溝42を塞ぐこともない形状の場合には、第2の吸引溝42から真空漏れをすることがあっても、第1チップ部品検査機構26及び第2チップ部品検査機構28による検査に適しないので、その形状のチップ部品100は、搬送するに適しない。
チップ部品100は、図14のチップ部品100eのように、キャビティ部22に嵌挿して、第1の吸引溝40を塞ぐことなく、且つ第2の吸引溝42を塞ぐ形状の場合には、第2の吸引溝42から真空漏れをしないので、又、第1チップ部品検査機構26及び第2チップ部品検査機構28による検査に適しないので、その形状のチップ部品100は、搬送するに適しない。
そのため、異なる大きさや形状のチップ部品100を搬送する際には、キャビティ部22、第1の吸引溝40及び第2の吸引溝42の位置及び大きさを変えた搬送ローター16に変更される。この搬送ローター16においては、チップ部品100の大きさや形状に合わせてキャビティ部22の大きさや形状が設定される。
このように、搬送ローター16を変えることによって、複数の種類のチップ部品100に対応することができる。
この場合、第1の搬送ベース214も、搬送ベルト216の内側に接する円環状に形成される。第1の搬送ベース214は、開放部234が形成される。開放部234の領域において、第2の搬送ベース250が形成される。
搬送ベルト216には、複数のキャビティ部222が形成され、このキャビティ部222にチップ部品100が吸引保持される。搬送ベルト216には、キャビティ部222に連通する第2の吸引溝242が形成されている。
そして、第1の搬送ベース214の周囲に搬送ベルト216を周回させることによって、チップ部品100が搬送される。
12 ベースプレート
12a 一方面
14,214 第1の搬送ベース
14a,50a 搬送面
16 搬送ローター
16a 第1の主面
16b 第2の主面
18 中心軸
20 駆動装置
22,222 キャビティ部
24 チップ部品供給部
26 第1チップ部品検査機構
28 第2チップ部品検査機構
30 第1の吸引用溝部
32,82 吸引孔
34 開放部
36 入り口側端
38 出口側端
40 第1の吸引溝
42,242 第2の吸引溝
50,250 第2の搬送ベース
60 受け渡し部
62 第1の受け渡し部
64 第2の受け渡し部
66 第3の受け渡し部
68 第4の受け渡し部
70 ワーク飛び出し規制部
80 第2の吸引用溝部
90 チップ部品取出し部
92 噴出孔
94 ホース
100 チップ部品
102 基体
104 外部電極
216 搬送ベルト
Claims (10)
- 第1の主面から第2の主面に亘って貫通するキャビティ部を有する搬送ローターと、
前記搬送ローターの第1の主面側に配置され、前記キャビティ部を覆うとともにキャビティ部内を負圧化させる吸引機構を備えた第1の搬送ベースと、
を有する搬送装置であって、
前記搬送ローターの第2の主面及び/又はそれに隣り合う面に、前記キャビティ部に連通する吸引力弱化機構を有し、
吸引力弱化機構は、搬送されるワークがキャビティ部に正しく収容されないときに、前記吸引力弱化機構を形成された領域における吸引力を弱化させることを特徴とする、搬送装置。 - 前記吸引力弱化機構は、搬送対象物を収容できないサイズの補助の凹部である、請求項1に記載の搬送装置。
- 前記吸引力弱化機構は、搬送対象物の幅又は奥行き又は高さより短い幅の補助の凹部である、請求項2に記載の搬送装置。
- 前記キャビティ部と前記吸引力弱化機構を構成する凹部とを併せた最大の寸法は、前記ワークの最大の寸法よりも大きい、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の搬送装置。
- 前記搬送ローターの第2の主面側に配置され、前記キャビティ部を覆うとともに吸引機構を備えた第2の搬送ベースと、
前記搬送ローターの第2の主面に、前記キャビティ部と連通し、前記第1の搬送ベース及び第2の搬送ベースに備えられた吸引機構と連結する吸引溝と、をさらに備え、
前記吸引力弱化機構を構成する凹部は、前記第2の搬送ベースに設けられた吸引機構と連結する、請求項2又は3に記載の搬送装置。 - 前記吸引溝は、前記吸引力弱化機構を構成する凹部と同じ形状である、請求項5に記載の搬送装置。
- 第1の主面から第2の主面に亘って貫通するキャビティ部を有し、
第1の主面及び第2の主面に、前記キャビティ部に連通する凹部が形成され、
一方の凹部は、ワークがキャビティ部に正しく収容されないときに、該ワークを吸引する吸引力を弱化させる吸引力弱化機構になるように形成された、搬送ローター。 - 前記一方の凹部は、搬送対象物を収容できないサイズの補助の凹部である、請求項7に記載の搬送ローター。
- 前記一方の凹部は、搬送対象物の幅又は奥行き又は高さより短い幅の補助の凹部である、請求項8に記載の搬送ローター。
- 前記キャビティ部と前記一方の凹部とを併せた最大の寸法は、前記ワークの最大の寸法よりも大きい、請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の搬送ローター。
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