〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態に係るポイント付与システムについて説明する。本実施形態に係るポイント付与システムは、このシステムを利用する店舗(本実施形態では、レストラン)にN人(1人または複数人)で訪れた顧客に対し、N人(すなわち、来店人数)分のポイントを付与するシステムである。
本実施形態について詳細に説明する前に、本発明に係る特典付与システムはポイント付与システムに限定されないことを予め述べておく。例えば、本発明は、クーポン付与システムとしても、マイレージ付与システムや電子マネー付与システムといった企業貨幣を付与するシステムとしても実施できる。また、ポイント付与システムを利用する店舗として、レストランを例に挙げたが、来店したN人で部屋を占有するカラオケボックス店、来店したN人でボーリングのレーンを占有するボーリング場等、様々な業種の店舗でポイント付与システムを利用できる。
以下、本実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、一人または複数人で来店した顧客のことを単に「N人」とも呼称する。
図1の(a)は、本実施形態に係るポイント付与システムの全体構成を示している。また、図1の(b)は、レストランに訪れた各グループが占有しているテーブルの様子を模式的に示している。
図1の(a)に示すように、本実施形態に係るポイント付与システムは、端末(カードリーダ内蔵端末100)、ポイント管理サーバ200および座席管理サーバ300を含んでいる。また、端末100は図1の(b)に示すようにレストランの各テーブルに設置されており、席についた各人は、テーブルに設置された端末100に自身のICカードを近接させることで来店ポイントを獲得することができる。なお、本実施形態(および以降の各実施形態)では、端末はカードリーダを内蔵しているが、カードリーダは端末に外付けされていてもよい。
以下、ポイント付与システムを構成する各装置の構成について図2〜図4を参照しながら以下に説明する。図2は、ポイント付与システムを構成する各装置の要部構成を示したブロック図である。
まず、座席管理サーバ300の構成について図2および図3を参照しながら説明する。図3は、座席管理サーバ300が管理している店舗情報データベースのテーブル群を例示した図である。
(座席管理サーバ300)
座席管理サーバ300は、店舗に関する情報を管理するサーバであり、主に、1人でまたは一緒に来店した顧客の来店人数、その顧客が使用するテーブル、そのテーブルに設置されている端末(クライアント)等に関する情報を管理する。
図2に示すように、座席管理サーバ300は、店舗情報管理部310、端末情報管理部320、来客人数設定受付部330、記憶部340、および、通信インタフェース350を備えている。
(店舗情報管理部310)
店舗情報管理部310は、店舗に関する情報(本実施形態では、店舗ID、テーブル番号、座席数を管理する図3の(a)の店舗情報テーブル)を管理する。なお、店舗IDおよび座席数の管理は必須ではない。例えば、本実施形態は、チェーン店での利用を想定した実施形態であるために店舗IDを管理する店舗情報管理部310を設けているが、単独店舗で本発明を利用する場合、店舗IDの管理は必要ない。
(端末情報管理部320)
端末情報管理部320は、端末に関する情報(本実施形態では、店舗ID、テーブル番号、端末IDを管理する図3の(b)の端末情報テーブル)を管理する。すなわち、端末情報管理部320は、どの店舗のどのテーブルにどの端末が設置されているかを示す情報を管理する。
(来客人数設定受付部330)
来客人数設定受付部330は、レストランの店員による、来店した顧客を案内するテーブルのテーブル番号、来店日時、および、来店人数の設定を受け付ける。
具体的には、来客人数設定受付部330は、レストランの店員が店員用の端末を用いてテーブル番号、来店日時および来店人数を入力すると、端末情報テーブルを参照して、そのレストランの店舗IDと入力されたテーブル番号とに対応する端末IDを特定する。来客人数設定受付部330は、特定した端末ID(端末識別値)、入力された来店日時、および、入力された来店人数を含む情報を、新規レコードとして、図3の(c)の来店情報テーブルに追加する。
また、来客人数設定受付部330は、店員の操作に基づいて、来店情報テーブルの既存のレコードを変更するようになっている。これに関し、店員が来客人数等を入力するタイミングは、顧客の来店時であってもよいし、顧客が予約の電話を入れた時であってもよいが、後者の場合には、店員は、顧客の来店時点で、必要に応じて、その顧客に対応するレコードを変更する操作を行うことになる。
例えば、実際の来店日時が予約時に顧客が店員に告げた来店日時が異なる場合、または、実際の来店人数が予約時に顧客が店員に告げた来店人数と異なる場合、店員は、来店情報テーブルのその顧客に対応するレコードを変更する操作を行う。
(記憶部340)
記憶部340は、前述のデータベースのテーブル群が保存されている記録媒体(ハードディスク等)である。
(通信インタフェース350)
通信インタフェース350は、外部の装置と通信を行うためのネットワークインタフェースである。
次に、ポイント管理サーバ200の構成について図2および図4を参照しながら説明する。図4は、ポイント管理サーバ200が管理している顧客情報データベースのテーブル群を例示した図である。
(ポイント管理サーバ200)
ポイント管理サーバ200は、店舗に会員登録した顧客に関する情報を管理するサーバである。
図2に示すように、ポイント管理サーバ200は、カード情報管理部210、顧客情報管理部220、ポイント管理部230、記憶部240、および、通信インタフェース250を備えている。
カード情報管理部210は、これまでにポイント管理サーバ200に登録済の全カードのカードID(カード識別値)を含むテーブル(図4の(a)のカード情報テーブル)を管理する。
顧客情報管理部220は、会員登録した各個人について、該個人の顧客ID、該個人に固有の顧客名、該個人が所有している登録済カードのカードID等の情報(図4の(b)の顧客情報テーブルのうちの一部の情報)を管理する。
ポイント管理部230は、会員登録した各個人の保有ポイント(図4の(b)の顧客情報テーブルのうちの一部の情報)を管理する。ポイント管理部230は、端末100に内蔵されたカードリーダに所有するカードを接触させた個人に来店ポイントを付与する。具体的には、ポイント管理部230は、当該個人の保有ポイントを当該個人がカードをカードリーダに接触させた回数に相当するポイントだけ増加させる。
なお、図4の(b)には示していないが、顧客情報テーブルの各レコードには、そのレコードに対応する個人が保有する各カードについてそのカードに付与されている現ポイント数を示す情報が含まれている。そして、ポイント管理部230は、カードがカードリーダに触れた回数に相当するポイントだけ当該カードの現ポイント数を増加させるようになっている。
(記憶部240)
記憶部240は、前述のデータベースのテーブル群が保存されている記録媒体(ハードディスク等)である。
(通信インタフェース250)
通信インタフェース250は、外部の装置と通信を行うためのネットワークインタフェースである。
次に、カードリーダ内蔵端末100の構成について図2を参照しながら説明する。
(カードリーダ内蔵端末100)
端末100は、N人で来店した顧客が使用するテーブルに設置されている端末であり、来店ポイントの付与を所望する顧客により使用される。
図2に示すように、端末100は、表示制御部110、タッチパネル式ディスプレイ120、タッチ操作検出部130、顧客情報登録処理部140、カードリーダ部150、カード処理部160、記憶部170、および、通信インタフェース180を備えている。
(表示制御部110)
表示制御部110は、タッチパネル式ディスプレイ120に各種画面を表示する。
(タッチパネル式ディスプレイ120)
タッチパネル式ディスプレイ120は、入力デバイスとしても機能するディスプレイである。
(タッチ操作検出部130)
タッチ操作検出部130は、タッチパネル式ディスプレイ120におけるタッチ操作を検出する。
(顧客情報登録処理部140)
顧客情報登録処理部140は、店舗への会員登録を所望する個人が入力した顧客情報をポイント管理サーバ200に登録する処理を行う。
(カードリーダ部150)
カードリーダ部150は、顧客が接触させたカードからカードIDを読み出すカードリーダである。
(カード処理部160)
カード処理部160は、カードリーダ部150が読み出したカードIDをポイント管理サーバ200に送信する。
(記憶部170)
記憶部170は、表示制御部110がディスプレイ120に表示する各種画面のデータが保存されている記録媒体(ハードディスク等)である。
(通信インタフェース180)
通信インタフェース180は、ポイント管理サーバ200と通信を行うためのネットワークインタフェースである。
以上、ポイント付与システムを構成する各装置の構成について説明した。
(ポイント付与システムのポイント付与動作)
次に、ポイント付与システムのポイント付与動作について図5〜図8を参照しながら説明する。なお、上記ポイント付与動作の開始直前において、記憶部340には図3のテーブル群が保存されており、記憶部240には図4のテーブル群が保存されているものとする。
図5は、来店した顧客の来店人数および来店日時を店員が入力してからのポイント付与システムのポイント付与動作を示すフローチャートのステップS1〜S11、S21を示す図である。図6は、上記フローチャートのステップS12〜S20を示す図である。図7は、上記ポイント付与動作中に端末100に表示される様々な画面を例示した図である。図8は、上記ポイント付与動作中における顧客情報データベースの更新内容を示した図である。
顧客が案内されるテーブルに設置された端末100の表示制御部110は、最初に、図5および図6に示すように初期画面(図7の(a)に示した初期画面)をタッチパネル式ディスプレイ120に表示する(ステップS1)。
ステップS1の後、カードリーダ部150は、ポイントの付与を所望する個人が所有するICカードの近接を待ち受ける(ステップS2)。
カードリーダ部150がICカードの近接を検知すると(ステップS2においてYES)、カードリーダ部150は、ICカードからカードIDを読み出してカード処理部160に供給する。なお、以下では、直近のステップS2でカードIDが読み出されたICカードを「対象カード」とも称する。
カードIDが供給されたカード処理部160は、上記顧客の来店以降にポイントが付与されたICカードが何枚目になったかを確認する。なお、カード処理部160は、ポイントが付与されたICカードの枚数を自らカウントすることで上記の確認を行ってもよいし、ポイント管理サーバ200に問い合わせることで上記の確認を行ってもよい。後者の場合、ポイント管理部230は、後述の新規発行ポイントテーブルを参照することで、ポイントが付与されたICカードの枚数を確認してもよい。
その後、カード処理部160(特許請求の範囲の「特典付与端末が備える付与手段」に対応)は、ポイントが付与されたICカードがN枚目(来店人数と等しい枚数)を超えたか否かを判定する(ステップS3)。N枚目を超えていないと判定した場合には(ステップS3にてNO)ステップS4に進み、N枚目を超えたと判定した場合には(ステップS3にてYES)ステップS8に進む。ステップS8以降の処理については後述する。なお、ステップS3にて、カード処理部160は、上記の判定をポイント管理サーバ200に依頼してもよい。この場合、ポイント管理部230(特許請求の範囲の「特典付与サーバが備える付与手段」に対応)が、後述の新規発行ポイントテーブルを参照することで、上記の判定を行い、判定結果をカード処理部160に通知してもよい。
ステップS4にて、カード処理部160は、対象カードが新規のICカード(すなわち、カードIDがポイント管理サーバ200に登録されていないICカード)であるか否かを判定する。
具体的には、カード処理部160は、対象カードのカードIDをポイント管理サーバ200に送信することで、対象カードが新規のICカードであるか否かをポイント管理サーバ200に問い合わせる。対象カードのカードIDを受信したポイント管理サーバ200のカード情報管理部210は、当該カードIDがカード情報テーブルに登録されているか否かを判定する。カード情報管理部210は、当該カードIDがカード情報テーブルに登録されていると判定した場合には、対象カードが新規のICカードではない旨をカード処理部160に通知する。一方、カード情報管理部210は、当該カードIDがカード情報テーブルに登録されていないと判定した場合には、対象カードが新規のICカードである旨をカード処理部160に通知する。
ステップS4において、新規のカードではないと判定された場合にはステップS11に進み、新規のカードではあると判定された場合にはステップS5に進む。
ステップS5において、カード処理部160からの要求に基づき、表示制御部110は、図7の(c)に示した顧客情報登録画面をディスプレイ120に表示する。表示制御部110は、図7の(c)の「登録」ボタンまたは「中止」ボタンへのタッチをタッチ操作検出部130が検出するまで顧客情報登録画面を表示し続ける。
「登録」ボタンへのタッチが検出されると(ステップS6にてYES)、顧客情報登録処理部140は、50音キーボードを用いてタッチ入力された会員登録希望者の名称を対象カードのカードIDとともにポイント管理サーバ200に送信する(ステップS7)。これらのデータを受信したポイント管理サーバ200では、カード情報管理部210が当該カードIDをカード情報テーブルに登録し、顧客情報管理部220が、会員登録希望者の名称、カードID等の情報を含む新規レコードを顧客情報テーブルに登録する。例えば、対象カードのカードIDが今回初めて会員になった「やまだ」さんの所有するカードのカードID「6F6BB916」である場合、カード情報テーブルは図8の(e)に示すように更新される。以上のステップS7の後、ステップS11に進む。
一方、「中止」ボタンへのタッチが検出されると(ステップS6にてYES)、ステップS21に進む。
以下、ステップS8以降の処理について説明する。
前述のように、ステップS3にて、ポイントが付与されたICカードがN枚目を超えたと判定された場合(ステップS3にてYES)、ステップS8に進む。
ステップS8において、カード処理部160からの要求に基づき、表示制御部110は、図7の(b)に示した確認画面をディスプレイ120に表示する。表示制御部110は、図7の(b)の「登録」ボタンまたは「中止」ボタンへのタッチをタッチ操作検出部130が検出するまで確認画面を表示し続ける。
ここで、「中止」ボタンへのタッチが検出されると(ステップS9にてNO)、ステップS21に進む。一方「登録」ボタンへのタッチが検出されると(ステップS9にてYES)、カード処理部160は、1人分の来店ポイント(1ポイント)を減算するポイント減算処理を行う(ステップS10)。
具体的には、カード処理部160は、上記顧客のうちの特定の個人に付与した1人分の来店ポイントを減算するよう、ポイント管理サーバ200に要求する。なお、上記特定の個人(以下、「ポイント減算対象者」とも称する)は、来店してから最初に来店ポイントの付与を受けた者であってもよいし、来店してから最後に来店ポイントの付与を受けた者であってもよし、来店ポイントの付与を受けた者の中からランダムで選択されてもよい。また、ポイント減算対象者の選択は、カード処理部160が行ってもよいし、ポイント管理部230が行ってもよい。
そして、要求を受けたポイント管理サーバ200のポイント管理部230は、ポイント減算対象者がポイントの付与を受けたカードから、1人分の来店ポイントを減算する。結果として、顧客情報テーブルのポイント減算対象者に対応するレコードは、当該カードに対応する現ポイント数と当該対象者の保有ポイントとがそれぞれ1だけ減るように更新されることになる。
ステップS10の後、ステップS11に進む。
ステップS11において、カード処理部160は、1人分の来店ポイント(1ポイント)を加算するポイント加算処理を行う(ステップS10)。
具体的には、カード処理部160(特許請求の範囲の「特典付与端末が備える付与手段」に対応)は、対象カードのカードIDをサーバ200に送信し、対象カード(対象カードの所有者)に1人分の来店ポイントを付与するようサーバ200に要求する。
そして、要求を受けたポイント管理サーバ200のポイント管理部230(特許請求の範囲の「特典付与サーバが備える付与手段」に対応)は、対象カード(対象カードの所有者)に1人分の来店ポイントを付与する。すなわち、顧客情報テーブルの対象カードの所有者に対応するレコードは、対象カードに対応する現ポイント数と当該所有者の保有ポイントとがそれぞれ1だけ増えるように更新されることになる。また、顧客情報テーブルの更新と同時に、ポイント管理部230は、図8の(d)の新規発行ポイントテーブルに新規レコードを追加することになる。
例えば、来店前に5ポイントを保有していた「スズキ」さんが最初にカードをカードリーダに近接させてポイントの付与を受けた場合、顧客情報テーブルはその一部分が図8の(a)のように更新され、新規発行ポイントテーブルは図8の(b)に示すように更新される。そして、今回初めて会員になった「やまだ」さんが「スズキ」さんに続いてカードをカードリーダに近接させてポイントの付与を受けた場合、顧客情報テーブルは図8の(c)のように更新され、新規発行ポイントテーブルは図8の(d)に示すように更新される。
以上のステップS11の後、ステップS12に進む。
ステップS12において、カード処理部160は、対象カードの現ポイントが所定のポイント(本実施形態では10ポイント)になったか否かを判定する。
そして、ステップS12て対象カードの現ポイントが10ポイントになったと判定した場合にはステップS13に進み、ステップS12て対象カードの現ポイントが10ポイントになっていないと判定した場合にはステップS14に進む。なお、ステップS12では、対象カードの現ポイントではなく、対象カードの所有者の保有ポイントが所定のポイントになったか否かを判定してもよい。そして、その判定結果に基づいて、ステップS13またはステップS14に進んでもよい。
ステップS13では、カード処理部160からの要求に基づき、表示制御部110は、図7の(d)に示した画面をディスプレイ120に表示する。表示制御部110は、図7の(d)の「確認」ボタンまたは「カード追加」ボタンへのタッチをタッチ操作検出部130が検出するまで確認画面を表示し続ける。
一方、ステップS14では、カード処理部160からの要求に基づき、表示制御部110は、図7の(e)に示した画面をディスプレイ120に表示する。表示制御部110は、図7の(e)の「確認」ボタンまたは「カード追加」ボタンへのタッチをタッチ操作検出部130が検出するまで確認画面を表示し続ける。
ステップS13またはステップS14の後に「確認」ボタンへのタッチが検出されると(ステップS15にてNO)ステップS21に進む。一方、ステップS13またはステップS14の後に「カード追加」ボタンへのタッチが検出されると(ステップS15にてYES)、ステップS16に進む。
ステップS16では、表示制御部110は、図7の(f)に示した画面をディスプレイ120に表示する。表示制御部110は、図7の(e)の「中止」ボタンへのタッチをタッチ操作検出部130が検出する(ステップS18にてYES)か、あるいは、カードリーダ部150が新規のカードの近接を検出する(ステップS17にてYES)まで、図7の(f)に示した画面を表示し続ける。タッチ操作検出部130が「中止」ボタンへのタッチを検出した場合、ステップS21に進む。
一方、カードリーダ部150が新規のカードの近接を検出した場合、カード処理部160は、当該カードのカードIDをポイント管理サーバ200に送信し、当該カードIDを顧客情報テーブルに登録するようポイント管理サーバ200に要求する。要求を受けたポイント管理サーバ200では、カード情報管理部210が当該カードIDをカード情報テーブルに登録し、顧客情報管理部220が、顧客管理テーブルの当該カードの所有者に対応するレコードに当該カードIDを登録する。ポイント管理サーバ200は、要求された処理を完了した旨を端末100に通知する。
通知を受けた端末100の表示制御部110は、図7の(g)に示した画面をディスプレイ120に表示する(ステップS19)。表示制御部110は、図7の(g)の「登録する」ボタンまたは「登録しない」ボタンへのタッチをタッチ操作検出部130が検出するまで図7の(g)に示した画面を表示し続ける。
ステップS19の後に「登録する」ボタンへのタッチが検出されると(ステップS20にてYES)ステップS16に戻る。一方、ステップS19の後に「登録しない」ボタンへのタッチが検出されると(ステップS20にてNO)、ステップS21に進む。
ステップS21にて、表示制御部110は、初期画面を表示してから(すなわち、顧客の来店した時から)所定の時間(例えば、3時間)を経過したか否かを判定する。所定の時間を経過していないと判定していないと判定された場合には、ステップS1に戻る。一方、所定の時間を経過したと判定された場合には、表示制御部110はディスプレイ120への表示処理を終了し、カード処理部160はカードリーダ部150を無効化する。これにより、ポイント付与システム100は、上記顧客に最大N人分の来店ポイントを付与するポイント付与動作を終了する。
なお、座席管理サーバ300は、顧客の来店日時から上記所定の時間を経過すると、来店情報テーブルの当該顧客に対応するレコードを削除する。また、ポイント管理サーバ200は、顧客の来店日時から上記所定の時間を経過すると、当該顧客に対応する新規発行ポイントテーブルを削除する。
また、本実施形態に係るポイント付与システムは、2台のサーバ(座席管理サーバ300およびポイント管理サーバ200)を用いて構成されているが、座席管理サーバ300としてもポイント管理サーバ200としても機能する1台のサーバを用いてポイント付与システムを構成してもよい。
また、本実施形態(および実施形態2、3、5)に係るポイント付与システムは、ステップS2においてカードリーダ部150がICカードではなくFelica(登録商標)に対応した携帯電話の近接を検知した場合に、ステップS3以降の工程を実行するように構成されていてもよい。この場合、カードIDの代わりに、例えば、携帯電話の個体識別番号(個体識別値)が使用される。
(サーバの利点)
上記のように構成されたサーバは、店舗の各テーブルに設置されたカードリーダ内蔵端末100との通信できる。
このサーバは、N人で来店した顧客の来店人数の設定を受け付ける来客人数設定受付部330を備えている。来客人数設定受付部330は、設定を受け付けると、来店情報テーブルの新規レコードを記憶部340に記録する。この新規レコードは、上記N人が占有するテーブルに設置された端末100の端末識別データと上記来店人数との関連付けを示すレコードである。
そして、このサーバは、端末100に内蔵のカードリーダ部150がカードから読み取ったカードIDをその端末100から取得した場合に、該カードを所有する個人に1人分の特典を付与するポイント管理部230を備えている。
ポイント管理部230は、上記新規レコードにおいて端末100の端末IDと関連付けられた来店人数を超える人数分の特典を上記顧客に付与しないように構成されている。
したがって、このサーバは、N人で来店した顧客にN人分の特典を付与する店舗に関し、そのような店舗が利用するのに適していると言える。
なお、2台のサーバ(座席管理サーバ300およびポイント管理サーバ200)からなるシステムにも、同様の利点があることは言うまでもない。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図9〜図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
最初に本実施形態に係るポイント付与システムの構成について説明する。
図9の(a)は、本実施形態に係るポイント付与システムの全体構成を示している。また、図9の(b)は、レストランに訪れた各グループが占有しているテーブルの様子を模式的に示している。また、図10は、ポイント付与システムを構成する各装置の要部構成を示したブロック図である。
図9に示すように、本実施形態に係るポイント付与システムは、座席管理サーバ300に代えて座席管理サーバ300”を含み、さらに、予約受付用ウェブサーバ400を含んでいる点が、実施形態1に係るポイント付与システムと異なっている。したがって、端末100およびポイント管理サーバ200の構成についての説明は省略する。
最初に予約受付用ウェブサーバ400の構成について説明する。
(予約受付用ウェブサーバ400)
予約受付用ウェブサーバ400は、レストラン予約サイトを運営するために用いられている予約受付用WEBサイトである。このWEBサイトにアクセスした者は、このWEBサイトを通じてレストランに予約を入れることができる。予約受付用ウェブサーバ400は、通信インタフェース410、予約情報管理部420および記憶部430を備えている。
(通信インタフェース410)
通信インタフェース410は、予約受付用WEBサイトにアクセスしたコンピュータとの間で通信を行うためのネットワークインタフェースである。
(予約情報管理部420)
予約情報管理部420は、上記コンピュータからのリクエストを受け付けると、予約受付用のWEBページを構成するデータを上記コンピュータに送信する。また、予約情報管理部420は、予約画面(予約受付用のWEBページ)を通じて入力された予約情報を記憶部430に記録する。
(記憶部430)
記憶部430は、予約受付用のWEBページを構成する画像データ、HTMLデータ等が保存されている記録媒体(ハードディスク等)である。
次に座席管理サーバ300”の構成について説明する。
(座席管理サーバ300”)
図10に示すように、座席管理サーバ300”は、来客人数設定受付部330に代えて来客情報管理部335を備えている点のみが、座席管理サーバ300と異なっている。座席管理サーバ300”の構成の説明としては来客情報管理部335の説明のみを行う。
(来客情報管理部335)
来客情報管理部335は、予約受付用ウェブサーバ400が管理している顧客の予約情報を参照し、当該顧客の予約情報を用いて、来店情報テーブルに当該顧客に対応する新規レコードを作成する。
以上、本実施形態に係るポイント付与システムの構成について説明した。
(予約受付用ウェブサーバ400の予約受付処理について)
次に、予約受付用ウェブサーバ400の予約受付処理について図11を参照しながら説明する。図11の(a)は、本実施形態に係るポイント付与システムに含まれる予約受付用WEBサーバを用いて運営されているレストラン予約サイトにアクセスした端末に表示される予約画面を示している。図11の(b)および(c)は、それぞれ、(a)の予約画面を通じて顧客が予約を行うことで予約情報データベースのテーブルに追加される新規レコードの一例である。
顧客が予約受付用のWEBページにアクセスすると、顧客のコンピュータには、予約画面が表示される。顧客は予約に必要な情報を入力すると、予約画面は図11の(a)に例示したような状態になる。
この状態で顧客が「登録」ボタンを押すと、入力された情報は、ウェブサーバ400に送信される。ウェブサーバ400の予約情報管理部420は、受信した情報(予約情報)を予約情報データベースのテーブルの新規レコードとして記憶部430に記録する。例えば、顧客が図11の(a)に示した情報を入力した場合には、予約情報管理部420は、図11の(c)のレコードを記録する。
なお、レストラン予約サイトは、各店舗の各時間帯における各テーブルの空き状況を管理するように構成されていてもよい。そして、予約情報管理部420は、顧客に入力された店舗名、来店日時および来店人数の情報に基づいて、来店したその顧客が使用するテーブルおよび端末IDを自動的に決定してもよい。この場合、予約情報管理部420は、例えば、図11の(b)のレコードを記録することになる。
(顧客来店時に座席管理サーバ300”が行う処理について)
次に、レストラン予約サイトを通じて予約を入れた顧客が来店した時に座席管理サーバ300”が行う処理について図12を参照しながら説明する。
図12の(a)および(c)は、予約を行った顧客がレストランに来店した際に店員が店舗の端末を用いて確認する予約情報画面を例示した図である。図12の(b)は、店員が、来店した顧客の来店人数および来店日時が予約情報と整合していることを確認した後における、来店情報テーブルの当該顧客に関するレコードの一例である。
予約を行った顧客が来店し、予約時に入力した代表者名を店員に伝えると、店員は、店員用の端末を用いてウェブサーバ400にアクセスし、代表者名を検索語として当該顧客の予約情報を検索する。検索が完了すると、記憶部430に保存されている当該顧客の予約情報が店員用の端末に表示される。
店員は、来店した顧客の来店人数および来店日時が予約情報と整合しているか否かを確認する。なお、図12の(c)は来店した顧客が使用するテーブル番号を入力した直後の予約情報画面を例示している。そして、店員は、来店人数および来店日時が予約情報と整合していることを確認した場合、「承認」ボタンを押す。一方、店員は、来店人数および/または来店日時が予約情報と整合していない場合、「変更」ボタンを押して来店日時および/または来店人数を修正した上で、「承認」ボタンを押す。
「承認」ボタンが押されると、来客情報管理部335は、「承認」ボタンが押されたときに店員用の端末に表示されている情報に基づいて当該顧客の来店情報を作成し、来店情報を来店情報テーブルの新規レコードとして記憶部340に記録する。
なお、前述のようにレストラン予約サイトが各店舗の各時間帯における各テーブルの空き状況を管理するように構成されている場合、顧客の予約情報の検索直後に図12の(c)に示すような予約情報が表示され、店員は、必要に応じて、テーブル番号を修正できる。また、店員用の端末は、店員がテーブル番号を修正できるように構成されていることが望ましいが、図12の(a)のように店員がテーブル番号を修正できないように構成されていてもよい。
以上、レストラン予約サイトを通じて予約を入れた顧客の来店時に座席管理サーバ300”が行う処理について説明した。
なお、本実施形態のポイント付与システムにおけるポイント付与動作は、実施形態1のポイント付与システムにおけるポイント付与動作と全く同じであるため、説明を省略する。
また、本実施形態に係るポイント付与システムは、3台のサーバ(ウェブサーバ400、および、座席管理サーバ300”およびポイント管理サーバ200)を用いて構成されているが、ウェブサーバ400としても座席管理サーバ300”としてもポイント管理サーバ200としても機能する1台のサーバを用いてポイント付与システムを構成してもよい。
〔実施形態3〕
本発明のさらに別の実施形態について、図13〜図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
最初に本実施形態に係るポイント付与システムの構成について説明する。
図13の(a)は、本実施形態に係るポイント付与システムの全体構成を示している。また、図13の(b)は、レストランに訪れた各グループが占有しているテーブルの様子を模式的に示している。図14は、ポイント付与システムを構成する各装置の要部構成を示したブロック図である。図15は、カードリーダ内蔵端末に表示される来店人数設定画面を例示した図である。
図13の(a)に示すように、本実施形態に係るポイント付与システムは、カードリーダ内蔵端末100’、ポイント管理サーバ200’および座席管理サーバ300’を含んでいる。また、端末100’は図13の(b)に示すようにレストランの各テーブルに設置されており、席についた各人は、テーブルに設置された端末100’に自身のICカードを近接させることで来店ポイントを獲得することができる。
なお、本実施形態はチェーン店ではなく単独店舗での利用を前提とした実施形態であるため、座席管理サーバ300’は、店舗情報を管理しないようになっている。
端末100’の構成について説明する。
(カードリーダ内蔵端末100’)
図14に示すように、端末100’は、表示制御部110、タッチパネル式ディスプレイ120、タッチ操作検出部130、顧客情報登録処理部140、カードリーダ部150、カード処理部160、記憶部170、および、通信インタフェース180に加えて、来客人数登録処理部190を備えている。実施形態1で説明したので、来客人数登録処理部190以外の部材については説明を省略し、来客人数登録処理部190について説明する。
(来客人数登録処理部190)
来客人数登録処理部190は、タッチ操作検出部130が店員のみが知っている所定の操作を検出するのを待ち受ける。所定の操作が成されると、来客人数登録処理部190は、表示制御部110に対して、図15に示す来店人数設定画面をディスプレイ120に表示するよう指示する。
来客人数登録処理部190は、顧客の来店時に来店人数設定画面を通じて店員が入力した来店人数を示す情報を端末100’の端末IDとともにポイント管理サーバ200’に送信する。
次に、ポイント管理サーバ200’の構成について説明する。
(ポイント管理サーバ200’)
図14に示すように、ポイント管理サーバ200’は、カード情報管理部210、顧客情報管理部220、ポイント管理部230’、記憶部240、および、通信インタフェース250を備えている。実施形態1で説明したので、ポイント管理部230’以外の部材については説明を省略し、ポイント管理部230’について説明する。
(ポイント管理部230’)
ポイント管理部230’は、ポイント管理部230と同様に処理を行う。
さらに、ポイント管理部230’は、来店情報テーブルを管理する。具体的には、ポイント管理部230’は、サーバ200’が端末100’から端末IDおよび来店人数を示す情報を受信すると、端末ID、来店人数および来店日時を、来店情報テーブルの新規レコードとして記憶部240に記録する。なお、ポイント管理部230’は、サーバ200’が端末IDおよび来店人数を受信した日時を顧客の来店日時として記録するようになっている。
次に、座席管理サーバ300’の構成について説明する。
(座席管理サーバ300’)
図14に示すように、座席管理サーバ300’は、端末情報管理部320’、記憶部340、および、通信インタフェース350を備えている。実施形態1で説明したので、端末情報管理部320’以外の部材については説明を省略し、端末情報管理部320’について説明する。
(端末情報管理部320’)
端末情報管理部320’は、テーブル番号および端末IDをフィールドとして含む端末情報テーブルを管理する。
以上、本実施形態に係るポイント付与システムの構成について説明した。
なお、本実施形態のポイント付与システムにおけるポイント付与動作は、実施形態1のポイント付与システムにおけるポイント付与動作と全く同じであるため、説明を省略する。
また、本実施形態に係るポイント付与システムは、2台のサーバ(座席管理サーバ300’およびポイント管理サーバ200’)を用いて構成されているが、ウェブサーバ400としても座席管理サーバ300’としてもポイント管理サーバ200’としても機能する1台のサーバを用いてポイント付与システムを構成してもよい。
また、本実施形態においても、端末100’の代わりに、カードリーダが外付けされた端末を用いてもよい。
〔実施形態4〕
本発明のさらに別の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態では、顧客にポイントを付与するために、サーバを利用せずに、カードリーダ内蔵端末(特許請求の範囲の「特典付与端末」に対応)のみを用いる。また、本実施形態では、ポイントの付与の対象となるカードとして、ポイント情報を格納するためのメモリを備えたICカード(Felica(登録商標)対応カード等)を想定している。また、本実施形態では、ポイントの付与の対象として、ポイント情報を格納するためのメモリを備えた携帯電話(スマートフォン等)も想定している。
本実施形態の端末は、実施形態3の端末100’と同様に、表示制御部110、タッチパネル式ディスプレイ120、タッチ操作検出部130、カードリーダ部150、カード処理部160、記憶部170、および、通信インタフェース180を備えている。
これに加えて、本実施形態の端末は、来店人数管理部およびポイント付与処理部を備えている。
来店人数管理部は、来客人数登録処理部190と同様に、タッチ操作検出部130が店員のみが知っている所定の操作を検出するのを待ち受ける。所定の操作が成されると、来店人数管理部は、表示制御部110に対して、図15に示す来店人数設定画面をディスプレイ120に表示するよう指示する。
来店人数管理部(特許請求の範囲の「特典付与端末が備える入力受付手段および店人数記録手段」に対応)は、顧客の来店時に来店人数設定画面を通じて店員が入力した来店人数(N人)を示す情報を、顧客の来店時以降に1人分の来店ポイントを付与した回数(すなわち、0回)を示す情報、および、来店日時とともに記憶部170に記録する。
ポイント付与処理部(特許請求の範囲の「特典付与端末が備える付与手段」に対応)は、ポイントの付与を所望する個人が所有するICカードまたは携帯電話に来店ポイントを付与するための処理を行う。
(端末によるポイント付与動作)
まず、店員が来店人数を入力した端末(顧客が案内されるテーブルに設置されている端末)の表示制御部110は、初期画面をディスプレイ120に表示する。
その後、カードリーダ部150は、ポイントの付与を所望する個人が所有するICカードまたは携帯電話(以下、これらを「対象デバイス」と総称する)の近接を待ち受ける。
カードリーダ部150が対象デバイスの近接を検知すると、カード処理部160は、対象デバイスにポイントを付与するための処理を行う。具体的には、カード処理部160は、更新後のポイント情報が示すポイントが更新前のポイント情報が示すポイントよりも1人分の来店ポイントの分だけ多くなるように、対象デバイスのメモリ内のポイント情報を更新する。
そして、カード処理部160は、記憶部170の上記回数を示す情報を、更新後の当該情報が示す回数が更新前の当該情報が示す回数よりも「1」大きくなるように更新する。
その後、カード処理部160は、以下の(A)または(B)のいずれかの命題が真になったか否かを判定する。
(A)初期画面を表示してから(すなわち、記憶部170に記録されている来店日時から)所定の時間(例えば、3時間)を経過した。
(B)1人分の来店ポイントを付与した回数がN回になった。
上記のいずれの命題も真になっていないと判定された場合、カードリーダ部150は、継続して新たな対象デバイスの近接を待ち受ける。一方、上記のいずれかの命題が真になったと判定された場合、表示制御部110はディスプレイ120への表示処理を終了し、カード処理部160はカードリーダ150を無効化する。これにより、本実施形態に係る端末は、N人で来店した顧客に最大N人分の来店ポイントを付与するポイント付与動作を終了する。
なお、本実施形態に係る端末は、ICカードおよび携帯電話の両方に来店ポイントを付与するように構成されているが、携帯電話のみにポイントを付与し、ICカードには来店ポイントを付与しないように構成されていてもよい。
例えば、本実施形態に係る端末は、来店ポイントの付与を受けるためのアプリケーションがインストールされた携帯電話のみに来店ポイントを付与するように構成されていてもよい。
また、本実施形態においても、カードリーダ内蔵端末の代わりに、カードリーダが外付けされた端末を用いてもよい。
〔実施形態5〕
実施形態1では、ポイント付与システムは、会員登録した個人毎に複数のカード(カードID)の登録を受け付けるように構成されていた。本実施形態に係るポイント付与システムは、会員登録した個人毎に、たかだか1つのカード(カードID)の登録のみを受け付けるように構成されている点で、実施形態1に係るポイント付与システムと異なっている。
本実施形態に係るポイント付与システムは、複数のカードを所持している個人に対し、1回の来店につき2ポイント以上の来店ポイントを獲得させることを望まない店舗での利用が想定される。
すなわち、本実施形態に係るポイント付与システムを利用する店舗は、例えば、来店ポイントの獲得に興味のない別の2人とともに来店した者が、来店人数分(3人分)のポイントを獲得することを防ぐことができる。
なお、会員登録した個人毎に、たかだか1つのカード(カードID)の登録のみを受け付けるように構成されている点のみが実施形態2に係るポイント付与システムと異なっているポイント付与システムも本発明に含まれる。また、たかだか1つのカード(カードID)の登録のみを受け付けるように構成されている点のみが実施形態3に係るポイント付与システムと異なっているポイント付与システムも本発明に含まれる。
〔実施形態6〕
実施形態1〜5では、端末100がレストランの各テーブルに設置されており、席についた各人は、テーブルに設置された端末100に自身のICカードを近接させることで来店ポイントを獲得することができる。
実施形態1〜5と異なり、本実施形態では、顧客が来店ポイントを獲得するために使用するカードリーダ内蔵端末が、レジ端末(POSレジ)の傍に設置されている。そして、N人で来店した各人は、会計の際に自身のICカードを近接させることで来店ポイントを獲得することができる。
以下、本実施形態について具体的に説明する。
N人でレストランに来店した顧客が注文を行うと、店員は、注文入力端末を用いて顧客の注文、顧客の来店人数等をポイント管理サーバに登録する。これにより、ポイント管理サーバの記憶部には、顧客の注文の内容、顧客の来店人数、合計金額、顧客が使用するテーブルのテーブル番号、および、顧客の注文に対応する伝票番号が互いに関連付けて記録される。なお、ポイント管理サーバは、注文番号および伝票番号の一方を記録しなくともよい。店員は、顧客の注文をサーバに登録した後に、注文の内容に応じた伝票を顧客に渡す。
顧客は、食事を終えると会計のためにレジ端末の場所に向かい、伝票を店員に渡す。店員が会計のために伝票に記載された伝票番号またはテーブル番号をレジ端末に入力すると、レジ端末は、入力された番号(伝票番号またはテーブル番号)をポイント管理サーバに送信する。
ポイント管理サーバのポイント管理部(付与手段)は、受信した番号(識別データ)に基づいて顧客の来店人数を特定し、特定した来店人数を示す情報をカードリーダ内蔵端末に送信する。
来店人数を示す情報を受信したカードリーダ内蔵端末は、図5のフローチャートに従った動作を開始する。これにより、N人で来店した顧客は、来店人数に相当する来店ポイントを獲得することができる。換言すれば、ポイント管理部は、レジ端末に入力された番号(伝票番号またはテーブル番号)をレジ端末から取得するまでは、該番号に対応する顧客に来店ポイントを付与しないように構成されていると言える。
なお、レジ端末は、会計が完了したタイミングで、カードリーダ内蔵端末のカードリーダを無効化してもよい。
以上のように、ポイント管理サーバは、来店中の多数の顧客の中からあるテーブルの顧客を特定するために使用可能な伝票番号またはテーブル番号を該顧客の来店人数と関連付けて記録してもよい。なお、テーブル番号は、店舗内に設けられた複数のスペースのうちの該顧客が利用するスペースの識別値の一例に過ぎない。例えば、本実施形態に係るポイント付与システムを利用する店舗がカラオケボックスである場合には、テーブル番号に代えて部屋番号が使用される。また、例えば、本実施形態に係るポイント付与システムを利用する店舗がボーリング場である場合には、テーブル番号に代えてレーン番号が使用される。
また、伝票番号は、顧客による店舗の利用毎に一意な識別値の一例に過ぎない。例えば、店員は、注文入力端末を用いて、顧客の注文および来店人数に加えて該顧客をテーブルに案内した時刻(顧客による店舗の利用毎に一意な識別値)をポイント管理サーバに登録してもよい。そして、店員が会計のために伝票に記載された該時刻をレジ端末に入力した場合に、レジ端末は、入力された時刻を示す情報をポイント管理サーバに送信してもよい。ポイント管理サーバは、受信した情報に基づいて顧客の来店人数を特定し、特定した来店人数を示す情報をカードリーダ内蔵端末に送信してもよい。
〔実施形態7〕
座席管理サーバ(300、300’、300”)、ポイント管理サーバ(200、200’)、端末(100、100’)、および、実施形態4に係る端末に関し、各装置の制御ブロック(特に、来店人数設定受付部330、ポイント管理部(230、230’)、顧客情報登録処理部140、カード処理部160、来店人数管理部、およびポイント付与処理部)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、各装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
(付記事項1)
実施形態1〜3、5、6では、ステップS8において、カード処理部160からの要求に基づいて、表示制御部110は、図16の(a)の上側の画面を表示してもよい。そして、「登録」ボタンへのタッチが検出されると、ステップS10の前に、表示制御部110が、図16の(a)の下側の画面を表示してもよい。そして、カード処理部160は、当該画面を通じて顧客が指定したカードの所有者をポイント減算対象者として決定してもよい。
また、実施形態1〜3、5、6では、ステップS8において、カード処理部160からの要求に基づいて、表示制御部110は、図16の(b)の画面を表示してもよい。そして、カード処理部160は、ポイント管理サーバに対し、端末を利用している顧客に対応する新規発行ポイントテーブルを削除するよう指示してもよい。同時に、カード処理部160は、ポイント管理サーバに対し、顧客情報テーブルの該当レコード(端末を用いてポイントの付与を受けた各個人のレコード)を来店前の状態に戻すように指示してもよい。
また、実施形態1〜3、5、6では、ステップS8において、カード処理部160からの要求に基づいて、表示制御部110は、図16の(c)の画面を表示してもよい。この場合、端末は、「店員呼び出し」ボタンへのタッチが検出されると、店員を読み出すための公知の任意の処理を行うことになる。そして、呼び出された店員は、顧客の人数を確認し、当該端末または店員用の端末を用いて、来店情報テーブルの当該顧客に対応するレコードを修正することになる。
また、実施形態1〜3、5、6に係る端末は、N回目のステップS11を終えると、ステップS21には進まずに、図16の(d)の画面を表示してもよい。そして、端末は、「確認」ボタンへのタッチを検出すると、表示制御部110はディスプレイ120への表示処理を終了し、カード処理部160はカードリーダ150を無効化してもよい。そして、このタイミングで、座席管理サーバは来店情報テーブルの対象レコードを削除し、ポイント管理サーバは、対象新規発行ポイントテーブルを削除してもよい。
(付記事項2)
図5および図6のフローチャートのポイント付与動作(顧客にポイントを付与するための動作)を終了させるタイミングは、当該顧客がPOSレジで精算を行うタイミングであってもよい。すなわち、POSレジが各端末との間で通信可能になっており、精算中の店員の操作に基づいて、POSレジが、当該顧客が使用した端末にポイント付与動作の終了指示を送信してもよい。
(その他の付記事項)
実施形態1〜3、5で利用される端末ID(顧客が使用している端末の端末ID)は、伝票番号およびテーブル番号と同様に、来店中の多数の顧客の中からあるテーブルの顧客を特定するために使用可能な識別データであると言える。端末情報テーブルを参照すれば、顧客が使用している端末の端末IDから該顧客が使用しているテーブルのテーブル番号がわかるからである。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る特典付与サーバは、店舗(レストラン、カラオケボックス)に設置された端末(端末10)との通信が可能な特典付与サーバにおいて、N人(N:1以上)で来店した顧客の来店人数の設定を受け付ける設定受付手段(来店人数設定受付部330)と、上記顧客の特定に使用可能な識別データ(端末ID、テーブル番号、伝票番号)と関連付けて上記来店人数を示す来店データを記憶部(記憶部340)に記録する来店人数記録手段(来店人数設定受付部330)と、上記端末に内蔵又は外付けされた読み取り部(カードリーダ部150)がカードから読み取ったカード識別値(カードID)を該端末から取得した場合に、該カードを所有する個人に1人分の特典(来店ポイント)を付与する付与手段(ポイント管理部230)とを備え、上記付与手段は、上記端末の端末識別値と関連付けて記録された来店データ(顧客情報テーブルの「来店人数」)が示す来店人数を超える人数分の特典を上記顧客に付与しないように構成されている。
上記の構成によれば、上記特典付与サーバには、N人で来店した顧客にN人分の特典を付与する店舗に関し、そのような店舗が利用するのに適しているという利点がある。
本発明の態様2に係る特典付与サーバでは、上記態様1において、上記端末が上記店舗の各スペース(テーブル、部屋)に設置されており、上記来店人数記録手段が上記来店データと関連付けて記録する識別データは、上記N人が利用するスペースに設置されている端末の識別値(端末ID)であってもよい。
本発明の態様3に係る特典付与サーバでは、上記態様1において、上記来店人数記録手段が上記来店データと関連付けて記録する識別データが、上記店舗内に設けられた複数のスペースのうちの上記N人が利用するスペースの識別値(テーブル番号)であり、上記付与手段は、上記店舗の店員により入力された該識別値を取得するように構成されており、上記付与手段は、上記顧客の特定に使用可能な該識別値を取得するまでは該顧客に特典を付与しないように構成されていてもよい。
本発明の態様4に係る特典付与サーバでは、上記態様1において、上記来店人数記録手段が上記来店データと関連付けて記録する識別データは、上記顧客による上記店舗の利用毎に一意な識別値(伝票番号)であり、上記付与手段は、上記店舗の店員により入力された該識別値を取得するように構成されており、上記付与手段は、上記顧客の特定に使用可能な該識別値を取得するまでは該顧客に特典を付与しないように構成されていてもよい。
本発明の態様5に係る特典付与サーバは、上記態様1から4のいずれかの態様において、上記店舗に来店した各個人について、該個人に固有の個人データ(顧客情報テーブルの「顧客名」)の登録を受け付ける登録受付手段(顧客情報管理部230)と、上記個人に固有の個人データを、該個人に付与済の特典の総量を示す特典データ(顧客情報テーブルの「保有ポイント」)と、該個人が所有するカードから読み取られたカード識別値とに関連付けて記憶部(記憶部240)に記録する個人情報記録手段(顧客情報管理部220)とを更に備え、上記付与手段は、カードを所有する個人に1人分の特典を付与するために、該カードから読み取られたカード識別値と関連付けて記録されている特典データを、該特典データが示す付与済の特典の総量が上記1人分の特典に相当する量だけ増加するように更新してもよい。
本発明の態様6に係る特典付与サーバは、上記態様5において、上記個人情報記録手段が、上記個人毎に、上記カード識別値をただ1つ記録するように構成されていてもよい。
来店した顧客に特典を付与するサービスを提供する店舗の中には、複数人で来店した顧客に関し、複数のカードを所持する特定の個人が来店した複数人分の特典をまとめて獲得することを望まない店舗も存在すると想定される。
上記の構成によれば、上記特典付与サーバは、複数のカードを所持している個人に対し、上記店舗の想定に反して、1回の来店で複数人分の特典を獲得させること防ぐことができる。
本発明の態様7に係る特典付与サーバは、上記態様5において、上記個人情報記録手段が、上記個人毎に、該個人が所有する複数枚のカードからカード識別値が読み取られた場合に読み取られた各カード識別値を記録するように構成されていてもよい。
本発明の態様8に係る特典付与サーバは、上記態様1から7のいずれかの態様において、上記付与手段が上記1人分の特典を付与した回数が上記来店人数であるN回を超えたか否かを判定する判定手段(ポイント管理部230)をさらに備え、上記付与手段は、上記判定手段による判定結果に基づいて、上記1人分の特典を付与するか否かを決定してもよい。
本発明の態様9に係る特典付与サーバは、上記態様1から7のいずれかの態様において、上記読み取り部がカード識別値を読み取った回数が上記来店人数であるNを超えたか否かを判定する判定手段(ポイント管理部230)を更に備え、上記付与手段は、上記回数がNを超えたと判定した場合にも、直近でカード識別値が読み取られたカードを所有する個人に1人分の特典を付与するように構成されており、上記回数がNを超えたと判定した場合に、上記N人のうちのいずれかが保有する特典を1人分の特典に相当する量だけキャンセルするキャンセル手段(ポイント管理部230)を更に備えていてもよい。
本発明の態様10に係る特典付与サーバは、上記態様1から9のいずれかの態様において、上記付与手段は、上記読み取り部によりカードから読み取られたカード識別値を上記端末から取得した場合に該カードを所有する個人に1人分の特典を付与するのに代えて、上記端末に内蔵または外付けされた読み取り部が携帯電話から読み取った個体識別値を該端末から取得した場合に該携帯電話を所有する個人に1人分の特典を付与するように構成されていてもよい。
本発明の態様11に係る特典付与システムは、サーバと、クライアントと、を含む特典付与システムであって、上記サーバは上記態様1から態様10のいずれかの態様の特典付与サーバであり、上記クライアントは上記端末であってもよい。
本発明の態様12に係る特典付与システムは、複数のサーバ(サーバ200およびサーバ300)を含む特典付与システムであって、態様1から態様10に記載の特典付与サーバが備える各手段について、該手段を上記複数のサーバのうちのいずれかのサーバが備えていてもよい。
上記の各構成によれば、本発明の態様11および態様12に係る特典付与システムには、本発明の態様1に係る特典付与サーバと同様の利点がある。
本発明の態様13に係る特典付与端末は、店舗にN人(N:1以上)で来店した顧客により操作される特典付与端末であって、上記顧客の来店人数の入力を受け付ける入力受付手段(来店人数管理部)と、上記来店人数を示す来店データを記憶部に記録する来店人数記録手段(来店人数管理部)と、上記特典付与端末に内蔵又は外付けされた読み取り部により上記N人のうちのいずれかが所有するカードが読み取られた場合に、該カードに1人分の特典を付与する付与手段(ポイント付与処理部)とを備え、上記付与手段は、上記記憶部に記録されている上記来店データを参照することで、上記来店人数を超える人数分の特典を上記顧客に付与しないように構成されている。
上記の構成によれば、上記特典付与端末には、本発明の態様1に係る特典付与サーバと同様の利点がある。
本発明の態様14に係る特典付与端末は、上記態様14において、上記付与手段が、上記読み取り部によりカードが読み取られた場合に該カードに1人分の特典を付与するのに代えて、上記端末に内蔵または外付けされた読み取り部が携帯電話から読み取った個体識別値を該端末から取得した場合に該携帯電話に1人分の特典を付与するように構成されていてもよい。
本発明の態様15に係る特典付与方法は、端末、上記端末との間で通信可能なサーバ、および、上記端末と上記サーバとを含むシステムのいずれかにおける特典付与方法であって、店舗にN人(N:1以上)で来店した顧客の来店人数の設定を受け付ける設定受付工程と、上記来店人数を示す来店データを記憶部に記録する来店人数記録工程と、上記端末に内蔵又は外付けされた読み取り部により上記N人のうちのいずれかが所有するカードが読み取られた場合に、該カードに1人分の特典を付与する付与工程とを含み、上記付与工程では、上記記憶部に記録されている上記来店データを参照することで、上記来店人数を超える人数分の特典を上記顧客に付与しないようになっていてもよい。
上記の構成によれば、上記特典付与方法には、本発明の態様1に係る特典付与サーバと同様の利点がある。
本発明の各態様に係る特典付与サーバは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記特典付与サーバが備える各手段として動作させることにより上記特典付与サーバをコンピュータにて実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。また、本発明の各態様に係る特典付与端末に関しても同様のことが言える。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。