JP6180752B2 - センサ装置 - Google Patents
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Description
V2=Vcm1−Vh1/2−Voh1/2
V3=Vcm1+G・Vh1/2+G・Voh1/2+G・Voa1
V4=Vcm1−G・Vh1/2−G・Voh1/2+G・Voa2
V5=VO=V6+Voa3
V6=V4
容量1804に充電される電圧VC1は次のようになる。
第二フェーズφ2では、スイッチ1806がオフし、ホール素子1801とスイッチ回路1802は第二検出状態T2になる。検出電圧設定回路1815は、スイッチ1809がオンし、1810xと1810zがオフしており、出力端子には抵抗1811〜1814の直列接続の分圧点の一つである電圧Vrが基準電圧Vref1として供給される。従って、容量1808にはVc2=V6−Vref1=V6−Vrが充電される。第二フェーズφ2では、各ノードの電圧は次のようになる。
V2=Vcm2+Vh2/2−Voh2/2
V3=Vcm2−G・Vh2/2+G・Voh2/2+G・Voa1
V4=Vcm2+G・Vh2/2−G・Voh2/2+G・Voa2
容量1804には式(a)で示すVC1が保持されているので、ノードV5の電圧は次のようになる。
また、V6=V4から、容量1808に充電される電圧VC2は次のようになる。
さらに、第三フェーズφ3では、スイッチ1807とスイッチ1809がオフし、スイッチ1810xまたは1810zがオンする。ここではスイッチ1810xがオンしたとする。基準電圧Vref1は、抵抗1811〜1814の直列接続の分圧点の一つである電圧Vrxになる。容量1808には式(c)で示すVC2が保持されているので、ノードV6の電圧は次のようになる。
最終的に、式(b)で表される電圧V5と式(d)で表される電圧V6が比較器1805において比較され、出力端子VOからハイレベルまたはローレベルが出力される。比較器1805の入力オフセット電圧Voa3を考慮すると、比較器1805で比較される電圧は次のようになる。
ここで、素子オフセット電圧Voh1とVoh2は概等しい値を示すので相殺される。また、式(e)には、差動増幅器1803の入力オフセット電圧Voa1、Voa2、比較器1805の入力オフセット電圧Voa3が含まれておらず、これらオフセット電圧が相殺されていることが示されている。従って、第三フェーズφ3で比較器1804において、信号成分G(Vh1+Vh2)と検出電圧設定回路1815で決まる基準電圧成分(Vr−Vrx)が比較される。以上により、誤差要因となるホール素子のオフセット電圧成分、差動増幅器と比較器のオフセット電圧成分の影響が取り除かれ、ばらつきの少ない高精度な出力の磁気センサを実現することができる。
センサ素子に印加される物理量の強度に応じて論理出力を行うセンサ装置であって、
前記センサ素子の第一の端子対および第二の端子対が接続され、電源が供給される端子対と物理量の強度に応じた信号電圧を出力する端子対とを切り替え制御し、前記センサ素子の端子対から入力された第一の信号電圧と第二の信号電圧を出力するスイッチ回路と、
第一の基準電圧と第二の基準電圧を出力する検出電圧設定回路と、
第一の入力端子対と第二の入力端子対と出力端子を有し、
前記第一の入力端子対の第一の入力端子は、前記出力端子と第一のスイッチを介して接続され、かつ第一の容量を介して前記第一の信号電圧に基づく電圧が入力され、
前記第一の入力端子対の第二の入力端子は、前記第二の信号電圧に基づく電圧または前記第二の基準電圧が入力され、
前記第二の入力端子対の第一の入力端子は、前記第一の基準電圧が入力され、
前記第二の入力端子対の第二の入力端子は、前記第二の基準電圧または前記第二の信号電圧に基づく電圧が入力される、第一の増幅器と、を備え、
前記スイッチ回路は、
前記センサ素子の前記第一端子対に電源を供給し、前記第二端子対から前記信号電圧を出力する第一検出状態と、
前記センサ素子の前記第二端子対に電源を供給し、前記第一端子対から前記信号電圧を出力する第二検出状態と、
を切り替える機能を有し、
前記第一の増幅器は、1回の前記第一検出状態と1回の前記第二検出状態によって、前記論理出力を行うことを特徴とするセンサ装置。
図1は、本発明の第1の実施形態の磁気センサ装置の回路図である。第1の実施形態の磁気センサ装置は、磁電変換素子であるホール素子1と、スイッチ回路2と、差動増幅器3と、増幅器4と、容量C1と、スイッチS1と、検出電圧設定回路5を備える。検出電圧設定回路5は基準電圧回路ref1および基準電圧回路ref2で構成される。
ホール素子1は、第一端子対A―Cと第二端子対B―Dとを備える。
スイッチ回路2は、ホール素子1の各端子A、B、CおよびDと接続される4つの入力端子と、第一出力端子及び第二出力端子を有する。
容量C1は、2つの端子を有し、一方の端子は差動増幅器3の第一出力端子V3に接続され、もう一方の端子は増幅器4の第一差動入力対の第一入力端子V5に接続される。
スイッチ回路2は、ホール素子1の第一端子対A―Cに電源電圧を入力し第二端子対B―Dから信号電圧を出力する第一検出状態と、第二端子対B―Dに電源電圧を入力し第一端子対A―Cから信号電圧を出力する第二検出状態とを切り替える機能を有する。
ホール素子1は磁界強度(または磁束密度)に応じた信号電圧を出力すると共に、誤差差成分であるオフセット電圧を出力する。
V3−V4=G×(V1−V2)・・・(1)
となる。ここに、Gは増幅率であり、各端子V1〜V4の電圧をそれぞれV1〜V4とした。このような差動増幅器3の機能は、例えば図2に示すような回路構成で実現することができる。
図2の差動増幅器3は、差動増幅器31、32と抵抗R11、R12、R13を備えている。差動増幅器3は、第一入力端子V1が差動増幅器31の非反転入力端子に接続され、第二入力端子V2が差動増幅器32の非反転入力端子に接続され、第一出力端子V3が差動増幅器31の出力端子に接続され、第二出力端子V4が差動増幅器32の出力端子に接続される。抵抗R11、R12、R13は、第一出力端子V3と第二出力端子V4の間に直列に接続され、R11とR12の接続点V1’は差動増幅器31の反転入力端子に接続され、R12とR13の接続点V2’は差動増幅器32の反転入力端子に接続される。
差動増幅器31は非反転増幅器として動作し、反転入力端子に接続した接続点V1’が非反転入力端子に接続したV1に概等しくなるように動作する。また、差動増幅器32は非反転増幅器として動作し、反転入力端子に接続した接続点V2’が非反転入力端子に接続したV2に概等しくなるように動作する。また、抵抗R11、R12、R13に流れる電流は等しいので、次の式を得る。
(V2−V4)/R13=(V1−V2)/R12・・・(3)
式(2)と式(3)から、V3およびV4を計算すると次のようになる。
V4=−(R13/R12+1/2)×(V1−V2)+(V1+V2)/2・・・(5)
式(4)と式(5)の右辺の抵抗を含む括弧の項をそれぞれ増幅率G1、G2とし
G1=R11/R12+1/2・・・(6)
G2=R13/R12+1/2・・・(7)
とおくと、式(4)と式(5)は次のようになる。
V4=−G2×(V1−V2)+(V1+V2)/2・・・(9)
式(8)と式(9)からV3−V4を計算すると次のようになる。
ここで、増幅率Gを
G=G1+G2・・・(11)
とおくと、式(10)は
V3−V4=G×(V1−V2)・・・(12)
となり、式(1)と同じ結果を得る。すなわち、図2に示した回路例は、2つの入力電圧の差を増幅し、2つの出力電圧の差として出力する機能を有している。また、図2に示した回路例は、このような計装アンプ構成とすることにより、入力における同相ノイズの影響を抑制することが可能となる。なお、式(11)および(6)、(7)から
G=(R11+R12+R13)/R12・・・(13)
となるから、増幅率Gは抵抗R11、R12、R13によって任意に設定可能である。
増幅器4は、一対の入力電圧の差を増幅した値と、もう一対の入力電圧の差を増幅した値と、の和を出力する機能を有する。この増幅機能を概念的に表した図を図3に示す。
図3の増幅器4は、差動増幅器41、42と加算器43を有し、以下のように接続されて構成される。増幅器4の第一差動入力対の第一入力端子V5が差動増幅器41の反転入力端子に接続され、第一差動入力対の第二入力端子V6が差動増幅器41の非反転入力端子に接続され、第二差動入力対の第一入力端子V7が差動増幅器42の反転入力端子に接続され、第二差動入力対の第二入力端子V8が差動増幅器42の非反転入力端子に接続される。差動増幅器41の出力と差動増幅器42の出力は加算器43の入力にそれぞれ接続され、加算器43の出力が増幅器4の出力端子VOに接続される。
差動増幅器41は2つの入力端子V5とV6の電圧の差を増幅して加算器43に入力し、差動増幅器42は2つの入力端子V7とV8の電圧の差を増幅して加算器43に入力する。加算器43は差動増幅器41と差動増幅器42の出力の和を出力する。この増幅機能を式で表すと
VO=A1×(V6−V5)+A2×(V8−V7)・・・(14)
となる。ここにA1およびA2はそれぞれ差動増幅器41および42の増幅率である。また、各端子V5〜V8およびVOの電圧をそれぞれV5〜V8およびVOとした。
スイッチS1がオンしている状態では、VOとV5は概等しい電圧になるから、VOは式(14)から次のように表される。
説明の便宜上、増幅率A1およびA2は十分に大きいとすると、次式を得る。
すなわち増幅器4は、スイッチS1がオンしている状態では、出力端子VOと、第一差動入力対の第一入力端子V5を介した差動増幅器41の反転入力端子が電気的に接続されており、フィードバックループが形成され、出力電圧VOは入力電圧V6に追従するだけでなく、入力V8とV7の電圧の差分を増幅率A2とA1の比で増幅した電圧との和をも出力する、一種のボルテージフォロワのような動作をする。
VO=A1×{(V6−V5)+(A2/A1)×(V8−V7)}・・・(17)
であるから、すなわち増幅器4は、スイッチS1がオフしている状態では、V6とV5の差分の電圧と、V8とV7の差分を増幅率A1とA2の比で増幅した電圧と、の和の電圧を、十分に大きな増幅率A1で増幅して、ハイレベル信号(一般に正の電源電圧レベル)またはローレベル信号(一般に負の電源電圧レベル、またはGNDレベル)を出力端子VOに出力する比較動作を行う。
検出動作の一周期は、フェーズφFとフェーズφCの2つのフェーズからなる。スイッチS1は、図4のスイッチ制御信号により制御され、フェーズφFでオンし、フェーズφCでオフする。また、スイッチ回路2およびホール素子1もスイッチ制御信号により制御され、フェーズφFで第一検出状態T1、フェーズφCで第二検出状態T2とする。各フェーズでの図1の磁気センサ装置の動作の概略を説明すると、フェーズφFは、ホール素子1の素子信号電圧と素子オフセット電圧および差動増幅器3と増幅器4のオフセット電圧を容量C1に記憶するフェーズであり、フェーズφCは、フェーズφFでのオフセット成分を相殺しつつ、磁界強度に応じた信号電圧と、検出電圧との比較を行うフェーズである。以下に詳細に説明する。
各電圧の末尾のφFは、フェーズφFにおける電圧である事を示す。これ以降では、他の電圧、またフェーズφCについても同様に表記する。
容量C1には電圧V3と電圧V5の差分ΔVC1φFが充電される。
上式に式(18)を代入すると、次式を得る。
ここで、V6=V4となるように接続され、また、増幅器4の第二差動入力対の第一入力端子V7には基準電圧回路ref1の正極が接続され、第二差動入力対の第二入力端子V8には基準電圧回路ref2の正極が接続されているから、各基準電圧回路の正極の電圧をそれぞれ、Vref1、Vref2とすると、式(20)は次式で表される。
また、式(12)から
V3φF−V4φF=G×(V1φF−V2φF)・・・(22)
であるから、これを式(21)に代入すると次のようになる。
すなわち、容量C1には、V1とV2の差分を増幅率Gで増幅した電圧と、Vref2とVref1の差分を増幅率A2とA1の比で増幅した電圧と、の差の電圧が充電される。
V5φC=V3φC−ΔVC1φF・・・(24)
また、増幅器4の出力は、式(17)から次式のようになる。
前述のとおり、V6=V4となるように接続され、また、増幅器4の第二差動入力対の第一入力端子V7には基準電圧回路ref1の正極が接続され、第二差動入力対の第二入力端子V8には基準電圧回路ref2の正極が接続されているから、式(25)は、
VOφC=A1×{(V4φC−V5φC)+(A2/A1)×(Vref2φC−Vref1φC)}・・・(26)
となる。これに式(24)を代入すると、次のようになる。
上式に式(21)に示した容量C1に充電されている電圧ΔVC1φFを代入して整理すると次式を得る。
式(28)を分かりやすくするために、差動増幅器3を経由して増幅器4に供給される電圧成分をΔVsig、基準電圧設定回路から増幅器4に供給される電圧成分をΔVrefとおくと、式(28)は次のように表せる。
ここに、
ΔVsig=−{(V3φC−V4φC)−(V3φF−V4φF)}・・・(30)
ΔVref=(Vref2φC−Vref1φC)−(Vref2φF−Vref1φF)・・・(31)
である。すなわち、差動増幅器3から供給される電圧成分ΔVsigと、検出電圧設定回路5から供給される電圧成分ΔVrefを増幅率A2とA1の比で増幅した電圧とを比較した結果が、最終的に増幅器4の出力端子VOからハイレベル信号またはローレベル信号として出力されることになる。
V3φC−V4φC=G×(V1φC−V2φC)・・・(32)
であるから、上式(32)と式(22)を式(30)に代入すると
ΔVsig=−G×{(V1φC−V2φC)−(V1φF−V2φF)}・・・(33)
を得る。
ホール素子1の素子同相電圧をVcm、素子信号電圧をVh、オフセット電圧をVohとし、差動増幅器3の入力オフセット電圧を第一入力端子V1においてVoa1、第二入力端子V2においてVoa2、増幅器4の入力オフセット電圧を第一差動入力対の第二入力端子V6においてVoa3、第二差動入力対の第二入力端子V8においてVoa4とする。
V2φF=Vcm1−Vh1/2−Voh1/2・・・(35)
V1φC=Vcm2−Vh2/2+Voh2/2・・・(36)
V2φC=Vcm2+Vh2/2−Voh2/2・・・(37)
ここで、ホール素子1の素子同相電圧Vcm、素子信号電圧Vh、オフセット電圧Vohの末尾に付した“1”または“2”は、それぞれホール素子1およびスイッチ回路2の検出状態がそれぞれ第一検出状態T1または第二検出状態T2での値であることを示す。式(35)から式(37)により、各フェーズで差動増幅器3に入力される電圧は次のようになる。
V1φC−V2φC=−Vh2+Voh2・・・(39)
また、差動増幅器3の差動出力V3−V4は、式(12)のV1、V2にそれぞれ入力オフセット電圧Voa1およびVoa2を考慮して、以下のように表される。
従って差動増幅器3の出力には、入力電圧の差分V1−V2だけでなく、入力オフセット電圧の差分Voa1−Voa2も増幅率G倍されて出力される。式(40)から、各フェーズにおける差動増幅器3の差動出力V3−V4は次のようになる。
V3φC−V4φC=G×(V1φC−V2φC)+G×(Voa1φC−Voa2φC)・・・(42)
式(41)、(42)に式(38)、(39)を代入すると次式を得る。
V3φC−V4φC=G×(−Vh2+Voh2)+G×(Voa1φC−Voa2φC)・・・(44)
また、フェーズφFにおける端子V5の電圧は、増幅器4の入力オフセット電圧を考慮すると、式(18)から次のようになる。
式(45)をもとに、前述の式(19)から式(21)までの導出と同様に導出を行うと、フェーズφFで容量C1に充電される電圧ΔVC1φFは、次のようになる。
一方、フェーズφCにおける増幅器4の出力VOは、増幅器4の入力オフセット電圧を考慮すると、式(25)から次のようになる。
式(47)をもとに、前述の式(26)から式(28)までの導出と同様に導出を行うと、フェーズφCにおける増幅器4の出力VOは次のようになる。
式(30)で示した差動増幅器3から供給される電圧成分ΔVsigと、式(31)で示した検出電圧設定回路5から供給される電圧成分ΔVrefを用いて式(48)を表すと次のようになる。
式(49)に用いたΔVsigは、式(30)に式(43)、式(44)を代入して
ΔVsig=G×{(Vh1+Vh2)+(Voh1−Voh2)−(Voa1φC−Voa1φF)−(Voa2φF−Voa2φC)}・・・(50)
と求められる。
ΔVsig=G×(Vh1+Vh2)・・・(52)
また、式(51)中のΔVrefは式(31)で表されている。従って、ホール素子1の第一検出状態T1と第二検出状態T2における素子信号電圧をVhの和を差動増幅器3の増幅率Gで増幅した電圧成分ΔVsigと、検出電圧設定回路5から供給される電圧成分ΔVrefを増幅率A2とA1の比で増幅した電圧と、を比較した結果が、最終的に増幅器4の出力端子VOからハイレベル信号またはローレベル信号として出力されることになる。
図5は、検出電圧設定回路5の一例である。
接続点VnとVnxの電圧は、VDDおよびVSSを抵抗R53、R52、R51で分圧した電圧であるから
Vn=R51/(R51+R52+R53)×(VDD−VSS)・・・(53)
Vnx=(R51+R52)/(R51+R52+R53)×(VDD−VSS)・・・(54)
となる。電圧VnおよびVnxは、抵抗R51、R52、R53により任意に設定可能である。
ここで、図5に示す検出電圧設定回路5の各スイッチは図6に示すタイミングチャートのスイッチ制御信号で制御されるとする。
スイッチS1は、前述のとおり、スイッチ制御信号により制御され、フェーズφFでオンし、フェーズφCでオフする。また、スイッチS51とS51xはスイッチ制御信号により制御され、スイッチS51はフェーズφFでもフェーズφCでもオンし、スイッチS51xはフェーズφFでもフェーズφCでもオフする。また、スイッチS52とS52xはスイッチ制御信号により制御され、スイッチS52はフェーズφFでオンし、フェーズφCでオフする。スイッチS52xはフェーズφFでオフし、フェーズφCでオンする。
Vref1φC=Vn
Vref2φF=Vn
Vref2φC=Vnx
上式および式(31)から
ΔVref=(Vnx−Vn)・・・(55)
となる。従って、増幅器4でホール素子1からの信号成分と比較されるΔVrefは任意に設定可能な電圧Vn、Vnxの差分で与えられる。前述のとおり、本発明の磁気センサ装置では、任意に基準電圧を設定することが可能であり、すなわち、検出する磁界強度を任意に設定することができる。
図7にスイッチ制御信号のタイミングチャートの一例を示す。図6に示すタイミングチャートとの違いは、スイッチS51がφFでオフ、φCでオンし、スイッチS51xがφFでオン、φCでオフする点である。このように各スイッチが制御されると、各フェーズにおける基準電圧Vref1、Vref2は次のようになる。
Vref1φC=Vn
Vref2φF=Vn
Vref2φC=Vnx
上式および式(31)から
ΔVref=2×(Vnx−Vn)・・・(56)
となる。従って、図6のタイミングチャートで得られたΔVrefの電圧の2倍の電圧が得られる。すなわち、抵抗R51、R52、R53の値が一意に決まり、接続点VnおよびVnxの電圧が一意に決まった状態において、スイッチS51、S51x、S52、S52xのオンとオフの制御を切り替える事により、検出する磁界強度を切り替えることが可能である。
このようにスイッチが制御されると、各フェーズにおける基準電圧Vref1、Vref2は次のようになる。
Vref1φC=Vnx
Vref2φF=Vn
Vref2φC=Vn
上式および式(31)から
ΔVref=−(Vnx−Vn)・・・(57)
となる。従って、図6のタイミングチャートで得られたΔVrefの電圧と正負が逆の電圧が得られる。ここで、一般的なホール素子の特性から、ホール素子1の出力端子対に出力される素子信号電圧Vhの符号は、S極とN極で逆転する。すなわち、増幅器4に入力される信号成分は、S極とN極を検知する場合で符号が逆転する。従って、検出電圧設定回路5で設定する検出電圧についても、符号が逆の検出電圧が必要となる。図8のタイミングチャートの場合では、図6のタイミングチャートの場合と符号が逆のΔVrefが得られており、上記要件を満たしている。すなわち、フェーズφFとフェーズφCでオンおよびオフするスイッチを切り替えて、ΔVrefの符号を逆転させることにより、S極とN極を分別して検出する事が可能である。
図9は、検出電圧設定回路5の一例である。図5との違いは、抵抗R54、スイッチS51z、S52zを追加した点であり、追加要素は以下のように接続されて構成される。抵抗R54は、図5の電源電圧端子VDDと抵抗R53の間に直列に接続される。R53とR54の接続点をVnzとする。スイッチS51z、S52zは2つの端子を有し、スイッチ制御信号(図示しない)により、オンまたはオフが制御される。スイッチS51zの一方の端子は接続点Vnzに接続され、もう一方の端子は基準電圧回路ref1の正極に接続される。スイッチS52zの一方の端子は接続点Vnzに接続され、もう一方の端子は基準電圧回路ref2の正極に接続される。追加された要素以外の接続は図5と同様である。
接続点VnとVnxとVnzの電圧は、VDDおよびVSSを抵抗R54、R53、R52、R51で分圧した電圧であるから、
Vn =R51/(R51+R52+R53+R54)×(VDD−VSS)・・・(58)
Vnx=(R51+R52)/(R51+R52+R53+R54)×(VDD−VSS)・・・(59)
Vnz=(R51+R52+R53)/(R51+R52+R53+R54)×(VDD−VSS)・・・(60)
となる。電圧Vn、Vnx、Vnzは、抵抗R51、R52、R53、R54により任意に設定可能である。
増幅器4は、定電流回路I1と、NMOSトランジスタM43、M44A、M44B、M45A、M46A、M45B、M46Bと、PMOSトランジスタM41、M42を有し、次のように接続されて構成される。定電流回路I1の一方は電源電圧端子VDDに接続され、もう一方はNMOSトランジスタM43のドレインおよびゲートに接続される。この接続点をVBNとする。VBNはNMOSトランジスタM44aのゲートとNMOSトランジスタM44bのゲートに接続される。NMOSトランジスタM43、M44A、M44Bのソースはグランド端子VSSに接続される。NMOSトランジスタM45AとM46AのソースはM44Aのドレインに接続され、NMOSトランジスタM45BとM46BのソースはM44Bのドレインに接続される。NMOSトランジスタM45AとM45BのドレインはPMOSトランジスタM41のドレインに接続される。この接続点をVAとする。NMOSトランジスタM46AとM46BのドレインはPMOSトランジスタM42のドレインに接続される。この接続点は、増幅器4の出力端子VOに接続される。PMOSトランジスタM41とM42のゲートは接続点VAに接続され、ソースは電源電圧端子VDDに接続される。NMOSトランジスタM45A、M46Aのゲートは、それぞれ第一差動入力対の第二入力端子V6、第一入力端子V5に接続され、NMOSトランジスタM45B、M46Bのゲートは、それぞれ第二差動入力対の第二入力端子V8、第一入力端子V7に接続される。
定電流回路I1は、定電流を発生しNMOSトランジスタM43に供給する。NMOSトランジスタM43、M44A、M44Bはカレントミラー回路を構成しており、NMOSトランジスタM44A、M44Bのドレイン‐ソース間には、M43のドレイン‐ソース間に流れる電流に基づいた電流が流れる。NMOSトランジスタM44A、M45A、M46A、PMOSトランジスタM41、M42からなる5つのトランジスタは、差動増幅器を構成しており、第一差動入力対を構成するNMOSトランジスタM45A、M46Aのゲート電圧の差、すなわち、第一差動入力対の第二入力端子V6と第一差動入力対の第一入力端子V5の電圧差を増幅して、出力端子VOに出力するように動作する。この増幅率をA1とする。ここで、カレントミラー回路構成および差動増幅器構成の動作については、CMOSアナログ回路の文献等にて詳細に記載されており、ここでは詳細な説明は割愛する。また、NMOSトランジスタM44B、M45B、M46B、PMOSトランジスタM41、M42からなる5つのトランジスタも、差動増幅器を構成しており、第二差動入力対を構成するNMOSトランジスタM45B、M46Bのゲート電圧の差、すなわち、第二差動入力対の第二入力端子V8と第二差動入力対の第一入力端子V7の電圧差を増幅して、出力端子VOに出力するように動作する。この増幅率をA2とする。また、第一差動入力対を構成するNMOSトランジスタM45Aのドレインと第二差動入力対を構成するNMOSトランジスタM45Bのドレインが接続点VAにてPMOSトランジスタM41のドレインに接続され、第一差動入力対を構成するNMOSトランジスタM46Aのドレインと第二差動入力対を構成するNMOSトランジスタM46Bのドレインが出力端子VOにてPMOSトランジスタM42のドレインに接続されていることにより、この接続点VAおよび出力端子VOにて、第一差動入力対と第二差動入力対の各差動入力対で増幅された電圧が加算されるように動作する。これらの動作を式で表すと、
VO=A1×(V6−V5)+A2×(V8−V7)・・・(61)
となる。すなわち、式(14)と同等の動作を行う。
G=(R11+R12)/R12・・・(62)
となるが、本発明の趣旨である高精度かつ高速な磁気検出という点から逸脱するものではない。
また、図4または図6または図7または図8のタイミングチャートにおいて、ある検出周期Tでは、S極の検知を行うように各スイッチを制御し、別の検出周期TではN極の検知を行うように各スイッチを制御しても良い。
また、前述の説明では、フェーズφFのときに第一検出状態T1、フェーズφCのときに第二検出状態T2としたが、これとは逆にフェーズφCのときに第一検出状態T1、フェーズφFのときに第二検出状態T2としてもよい。
図12は、本発明の第2の実施形態の磁気センサ装置の回路図である。図1に示した第1の実施形態との違いは、増幅器4Bと容量C1BとスイッチS1Bを追加し、追加した要素との区別を明示するために増幅器4と容量C1とスイッチS1に記号Aを付した点、および検出電圧設定回路5において、基準電圧回路ref1Bおよび基準電圧回路ref2Bを追加し、追加した要素との区別を明示するために基準電圧回路ref1と基準電圧回路ref2に記号Aを付した点である。また各端子についても区別のために符号AおよびBを付している。追加した要素は次のように構成および接続される。
上式中のΔVsigA、ΔVrefAは式(50)、(31)から次のように表される。
ΔVrefA=(Vref2AφC−Vref1AφC)−(Vref2AφF−Vref1AφF)・・・(65)
ここで、前述と同様に、各項には追加した要素との区別を明示するための記号Aを付している。
V2φC=Vcm1−Vh1/2−Voh1/2・・・(67)
V1φF=Vcm2−Vh2/2+Voh2/2・・・(68)
V2φF=Vcm2+Vh2/2−Voh2/2・・・(69)
回路構成Bの動作は回路構成Aと同様であり、上式(66)〜(69)をもとに、前述の式(38)から式(50)までの導出と同様に導出を行うと、フェーズφCにおける増幅器4Bの出力は、次のように表される。
上式中のΔVsigB、ΔVrefBは次式で表される。
ΔVrefB=(Vref2BφC−Vref1BφC)−(Vref2BφF−Vref1BφF)・・・(72)
ここで、A1BおよびA2Bは増幅器4Bを構成する差動増幅器41および42の増幅率であり、Voa3BおよびVoa4Bは増幅器4Bの第一差動対の第二入力端子V6Bおよび第二差動対の第二入力端子V8Bにおける入力オフセット電圧である。
図14は、検出電圧設定回路5の一例である。図5に示した検出電圧設定回路5との違いは、スイッチS51B、S51Bx、S52B、S52Bxを追加し、追加した要素との区別を明示するためにスイッチS51、S51x、S52、S52xに記号Aを付した点である。また基準電圧回路ref1、基準電圧回路ref2の正極についても追加した要素との区別のために符号Aを付している。追加した要素は次のように構成および接続される。
図15にスイッチ制御信号のタイミングチャートの一例を示す。図6に示すタイミングチャートとの違いは、スイッチS1B,S51B,S52Bの制御信号を追記し、スイッチS1、S51、S52の制御信号に記号Aを付した点である。
Vref1AφC=Vn
Vref2AφF=Vn
Vref2AφC=Vnx
上式および式(65)から
ΔVrefA=(Vnx−Vn)・・・(73)
一方、S1BはフェーズφFでオン、フェーズφCでオフ、スイッチS52BはフェーズφFでもフェーズφCでもオン、スイッチS52BxはフェーズφFでもフェーズφCでもオフ、スイッチS51BはフェーズφFでオン、フェーズφCでオフ、スイッチS51BxはフェーズφFでオフ、フェーズφCでオンするように制御される。なお、図6のタイミングチャートにおける説明と同じ理由により、スイッチS51B、S51Bxが切り替わるタイミングはスイッチS1Bが切り替わるタイミングよりも遅れるように誇張して図示している。また、スイッチS1Bがオンする際には、スイッチS1BがオンするタイミングとスイッチS51BおよびS51Bxが切り替わるタイミングが同じでもよく、また、逆にS51BおよびS51Bxが切り替わるタイミングの方が早くてもよい点も図6のタイミングチャートにおける説明と同様である。
以上のように各スイッチが制御されるので、各フェーズにおける基準電圧Vref1B、Vref2Bは、次のようになる。
Vref1BφC=Vnx
Vref2BφF=Vn
Vref2BφC=Vn
上式および式(72)から
ΔVrefB=−(Vnx−Vn)・・・(74)
となり、式(73)に示すΔVrefAの電圧と正負が逆の電圧になる。ここで、式(64)に示すΔVsigAと、式(71)に示すΔVsigBに含まれるホール素子1の素子信号電圧Vhの項に着目すると、正負の符号が逆であるから、結果的に回路構成Aも回路構成Bも、同一極性の磁界を検出していることになる。例えば、回路構成AがS極を検知している場合は回路構成BもS極を検知していることになり、回路構成AがN極を検知している場合は回路構成BもN極を検知していることになる。すなわち、回路構成Aの比較結果はフェーズφCである第二検出状態T2のときに出力され、回路構成Bの比較結果はフェーズφCである第一検出状態T1のときに出力されるため、図1に示した第1の実施形態の磁気センサ装置と比較して2倍の高速化が可能となる。本発明の第2の実施形態の磁気センサ装置の利点については、最小限の回路追加にて高速化が実現できることを前述したが、検出電圧設定回路5についても同様であり、スイッチを追加することで高速化が可能となる利点を有する。
図16にスイッチ制御信号のタイミングチャートの一例を示す。図15に示すタイミングチャートとの違いは、スイッチS52BはフェーズφFでオン、フェーズφCでオフ、スイッチS52BxはフェーズφFでオフ、フェーズφCでオン、スイッチS51BはフェーズφFでもフェーズφCでもオン、スイッチS51BxはフェーズφFでもフェーズφCでもオフするように制御される点である。その他のスイッチについては、図15に示すタイミングチャートと同様に各スイッチが制御される。
Vref1BφF=Vn
Vref1BφC=Vn
Vref2BφF=Vn
Vref2BφC=Vnx
上式および式(72)から
ΔVrefB=(VnX−Vn)・・・(75)
となり、一方ΔVrefAについては式(73)に示すΔVrefAと同じ電圧が得られるから、ΔΔVrefBとΔVrefAは正負の符号が同じ電圧となる。図15での説明と同様に、式(64)に示すΔVsigAと、式(71)に示すΔVsigBに含まれるホール素子1の素子信号電圧Vhの項に着目すると、正負の符号が逆であるから、図16に示すタイミングチャートの場合には、回路構成Aと回路構成Bとで別の極性の磁界を検出していることになる。例えば、回路構成AがS極を検知している場合には回路構成BはN極を検知していることになり、回路構成AがN極を検知している場合には回路構成BはS極を検知していることになる。従って、第1の実施形態の磁気センサ装置でS極とN極の磁界の検知を行う場合と比較して、2倍の高速化が可能となる。
図17は、検出電圧設定回路5の一例である。図14との違いは、抵抗R54、スイッチS52Az、S51Az、S52Bz、S51Bzを追加した点であり、追加要素は以下のように接続されて構成される。抵抗R54、R53、R52、R51からなる接続は、図9における接続と同様であり、各接続点Vn、Vnx、Vnzの電圧は、式(58)、式(59)、式(60)で与えられ、任意に調整可能である。スイッチS52Az、S51Az、S52Bz、S51Bzは2つの端子を有し、スイッチ制御信号(図示しない)により、オンまたはオフが制御される。スイッチS52Azの一方の端子は接続点Vnzに接続され、もう一方の端子は基準電圧回路ref2Aの正極に接続される。スイッチS51Azの一方の端子は接続点Vnzに接続され、もう一方の端子は基準電圧回路ref1Aの正極に接続される。スイッチS52Bzの一方の端子は接続点Vnzに接続され、もう一方の端子は基準電圧回路ref2Bの正極に接続される。スイッチS51Bzの一方の端子は接続点Vnzに接続され、もう一方の端子は基準電圧回路ref1Bの正極に接続される。追加された要素以外の接続は図14と同様である。
スイッチS51A、S51Ax、S51Azは、スイッチS51AがオンしているときはS51AxとS51Azの両方ともオフし、スイッチS51AがオフしているときはS51AxかS51Azのどちらか一方がオンし、もう片方はオフするように制御される。スイッチS52A、S52Ax、S52Azも同様に、スイッチS52AがオンしているときはS52AxとS52Azの両方ともオフし、スイッチS52AがオフしているときはS52AxかS52Azのどちらか一方がオンし、もう片方はオフするように制御される。さらに、スイッチS51B、S51Bx、S51Bzも同様に、スイッチS51BがオンしているときはS51BxとS51Bzの両方ともオフし、スイッチS51BがオフしているときはS51BxかS51Bzのどちらか一方がオンし、もう片方はオフするように制御される。さらに、スイッチS52B、S52Bx、S52Bzも同様に、スイッチS52BがオンしているときはS52BxとS52Bzの両方ともオフし、スイッチS5BAがオフしているときはS52BxかS52Bzのどちらか一方がオンし、もう片方はオフするように制御される。
図20は、本発明の第3の実施形態の磁気センサ装置の回路図である。図1に示した第1の実施形態との違いは、容量C2とスイッチS2を追加した点、および検出電圧設定回路5において、基準電圧回路ref0を追加した点である。追加した要素は次のように構成および接続される。
容量C2は、2つの端子を有し、一方の端子は差動増幅器3の第二出力端子V4に接続され、もう一方の端子は増幅器4の第一差動入力対の第二入力端子V6に接続される。
また、容量C2には電圧V4と電圧V6の差分ΔVC2φFが充電され、フェーズφFにおいてはV6=Vref0であるから、次式を得る。
一方、フェーズφCでは、スイッチS2はオフするように制御される。容量C2にはΔVC2φFが充電されているので、電圧V6は次式で表される。
増幅器4の出力VOは式(25)と同様に表される。式(25)から式(26)の導出においては、V6はV6=V4ではなく式(78)で与えられ、
VOφC=A1×{(V4φC−ΔVC2φF−V5φC)+(A2/A1)×(Vref2φC−Vref1φC)}・・・(79)
となる。電圧V5は式(24)と同様に表されるから、上式に式(24)を代入して整理すると、次のようになる。
上式と第1の実施形態の説明における式(27)と比較すると、上式では−A1×ΔVC2φFの項が追加されている。さらに、上式(80)に、式(76)に示した容量C1に充電されている電圧ΔVC1φFと式(77)に示した容量C2に充電されている電圧ΔVC2φFを代入して整理すると次式を得る。
上式(81)には、Vref0の項は含まれていない。これは、容量C1に充電されている電圧ΔVC1φFと、容量C2に充電されている電圧ΔVC2φFの両方にVref0φFの項が含まれており、ΔVC1φFとΔVC2φFの差分を計算した際にVref0の項が相殺されたためである。また上式(81)は、第1の実施形態の説明における式(28)と全く同じ式である。ことのことは、本実施形態の磁気センサ装置が、Vref0の電圧が如何なる値でも、第1の実施形態の磁気センサ装置と同等の高精度かつ高速な磁気検出機能を有することを示している。実際の回路においては、ホール素子1の特性やオフセット電圧、また差動増幅器3のオフセット電圧等の影響により、差動増幅器3の第二出力端子V4の電圧が増幅器4の同相入力電圧範囲を逸脱した場合には、高精度かつ高速な磁気検出を正常に行えない可能性がある。本実施形態の磁気センサ装置では、基準電圧回路ref0の正極の電圧Vref0を増幅器4の同相入力電圧範囲内になるように選択することで、第1の実施形態の磁気センサ装置が有する利点を損なうことなく、高精度かつ高速な磁気検出が可能であるという利点を有する。別の表現をすると、増幅器4に要求される広い同相入力電圧範囲を著しく緩和できるという利点を有しているといえる。
以上により、本発明の第3の実施形態の磁気センサ装置の動作を説明し、第1の実施形態の磁気センサ装置と同様に、高精度かつ高速な磁気検出を実現できることを示した。
図23は、本発明の第4の実施形態の磁気センサ装置の回路図である。図12に示した第2の実施形態との違いは、容量C2Aと容量C2B、スイッチS2AとスイッチS2Bを追加した点、および検出電圧設定回路5において、基準電圧回路ref0Aと基準電圧回路ref0Bを追加した点である。追加した要素は次のように構成および接続される。
例えば、センサ素子と増幅器の間に差動増幅器を接続した場合について説明したが、例えばセンサ素子の信号の電圧が高い場合には、差動増幅器を備えなくてもよい。
また例えば、増幅器4は、第一差動入力対の第二入力端子V6に差動増幅器3の第二出力端子V4が接続され、第二差動入力対の第二入力端子V8は基準電圧回路ref2の正極に接続されているが、この接続を逆にしても同様の動作及び効果を得ることが出来る。
また、本発明の磁気センサ装置は、交番検知用途に使用しても同様の効果を得ることが出来る。
また、センサ素子について磁電変換素子を用いて説明したが、加速度や圧力などに応じて電圧を出力するセンサ素子を用いることも可能である。
2 スイッチ回路
3、31、32、41、42 差動増幅器
4、4A、4B 増幅器
43 加算器
5 検出電圧設定回路
I1 定電流回路
Claims (8)
- センサ素子に印加される物理量の強度に応じて論理出力を行うセンサ装置であって、
前記センサ素子の第一の端子対および第二の端子対が接続され、電源が供給される端子対と物理量の強度に応じた信号電圧を出力する端子対とを切り替え制御し、前記センサ素子の端子対から入力された第一の信号電圧と第二の信号電圧を出力するスイッチ回路と、
第一の基準電圧と第二の基準電圧を出力する検出電圧設定回路と、
第一の入力端子対と第二の入力端子対と出力端子を有し、
前記第一の入力端子対の第一の入力端子は、前記出力端子と第一のスイッチを介して接続され、かつ第一の容量を介して前記第一の信号電圧に基づく電圧が入力され、
前記第一の入力端子対の第二の入力端子は、前記第二の信号電圧に基づく電圧または前記第二の基準電圧が入力され、
前記第二の入力端子対の第一の入力端子は、前記第一の基準電圧が入力され、
前記第二の入力端子対の第二の入力端子は、前記第一の入力端子対の第二の入力端子に前記第二の信号電圧に基づく電圧が入力される場合は前記第二の基準電圧が入力され、前記第一の入力端子対の第二の入力端子に前記第二の基準電圧が入力される場合は前記第二の信号電圧に基づく電圧が入力される、第一の増幅器と、を備え、
前記スイッチ回路は、前記センサ素子の前記第一端子対に電源を供給し、前記第二端子対から前記第一の信号電圧を出力する第一検出状態と、前記センサ素子の前記第二端子対に電源を供給し、前記第一端子対から前記第二の信号電圧を出力する第二検出状態と、を切り替える機能を有し、
前記検出電圧設定回路は、前記第一検出状態のときに前記第一の基準電圧を出力し、前記第二検出状態のときに前記第二の基準電圧を出力し、
前記第一のスイッチは、前記第一検出状態のときにオンし、前記第二検出状態のときにオフし、
前記第一の増幅器は、1回の前記第一検出状態と1回の前記第二検出状態によって、前記第一の信号電圧と前記第二の信号電圧との差と、前記第一の基準電圧と前記第二の基準電圧との差と、を比較することによって前記論理出力を行うことを特徴とするセンサ装置。 - 前記センサ装置は、
さらに第三の基準電圧と第四の基準電圧を出力するように構成された前記検出電圧設定回路と、
第一の入力端子対と第二の入力端子対と出力端子を有し、
該第一の入力端子対の第一の入力端子は、該出力端子と第二のスイッチを介して接続され、かつ第二の容量を介して前記第一の信号電圧に基づく電圧が入力され、
該第一の入力端子対の第二の入力端子は、前記第二の信号電圧に基づく電圧または前記第四の基準電圧が入力され、
該第二の入力端子対の第一の入力端子は、前記第三の基準電圧が入力され、
該第二の入力端子対の第二の入力端子は、前記第四の基準電圧または前記第二の信号電圧に基づく電圧が入力される、第二の増幅器と、を備え、
前記第一のスイッチと前記第二のスイッチは排他的にオンオフすることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。 - 前記第一の増幅器の第一の入力端子対の第二の入力端子は、第二の容量を介して前記第二の信号電圧に基づく電圧が入力され、かつ第二のスイッチを介して任意の電圧供給源と接続された、ことを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
- 前記第一の増幅器の第一の入力端子対の第二の入力端子は、第三の容量を介して前記第二の信号電圧に基づく電圧が入力され、かつ第三のスイッチを介して任意の電圧供給源と接続され、
前記第二の増幅器の第一の入力端子対の第二の入力端子は、第四の容量を介して前記第二の信号電圧に基づく電圧が入力され、かつ第四のスイッチを介して任意の電圧供給源と接続された、ことを特徴とする請求項2に記載のセンサ装置。 - 前記検出電圧設定回路は、電源端子と接地端子の間に直列に接続された複数の抵抗で構成され、各分圧点から前記基準電圧を出力する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。
- 前記スイッチ回路の二つの出力端子が各々接続される二つの入力端子と、前記信号電圧を増幅した結果を出力する二つの出力端子と、を有する差動増幅器を、
さらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。 - 前記物理量は、磁気である請求項1または2に記載のセンサ装置。
- 前記物理量は、圧力である請求項1または2に記載のセンサ装置。
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