JP6178539B2 - 偏光素子、および、偏光板 - Google Patents

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Description

本発明は、ヨウ素とアゾ化合物よりなる偏光素子、および偏光板に関するものである。
偏光素子は一般に、二色性色素であるヨウ素又は二色性染料をポリビニルアルコール樹脂フィルムに吸着配向させることにより製造されている。この偏光素子の少なくとも片面に接着剤層を介してトリアセチルセルロースなどからなる保護フィルムを貼合して偏光板とされ、液晶表示装置などに用いられる。二色性色素としてヨウ素を用いた偏光板はヨウ素系偏光板と呼ばれ、一方、二色性色素として二色性染料を用いた偏光板は染料系偏光板と呼ばれる。これらのうち染料系偏光板は、高耐熱性、高湿熱耐久性、高安定性を有し、また、配合による色の選択性が高いという特徴である一方で、ヨウ素系偏光板に比べ同じ偏光度を有する偏光板を比較すると透過率が低い、すなわち、コントラストが低い問題点があった。そのため高い耐久性を維持し、色の選択性が多様であって、より高い透過率で、高い偏光特性を有することが望まれている。しかしながら、そういった色の選択性が多様である染料系偏光板であっても、これまでの偏光素子は吸収軸に対し平行に設置して白色を示すと黄色味を呈する偏光素子であった。平行に設置した際の黄色味を改善するため、平行に設置した際の黄色味を抑えた偏光板を作製すると、偏光素子は吸収軸に対して直交軸に設置して場合に黒色が青色に呈色する問題があった。無彩色な偏光板のためには、平行位と直交位において、共に各波長の依存性がなく、一定の透過率であることが必要であるが、そういった偏光板を得ることが、これまでは出来ていなかった。
そういった平行位と直交位で色が異なる理由としては、二色性色素を偏光素子に用いたとしても、平行位と直交位で同じ波長依存性を示さず、つまりは、二色性が一定でなく、かつ、は各波長の透過率が一定でないことに起因する。
ここで、ヨウ素系偏光板における各波長依存性について説明する。ポリビニルアルコール(以下、PVAと省略)を基材として二色性色素としてヨウ素を用いた場合には、一般的に、480nmと600nmを中心とした吸収を有する。480nmの吸収は、ポリヨウ素I とPVAの錯体、600nmの吸収はポリヨウ素I とPVAとの錯体に起因すると言われている。各波長に基づく偏光度は、ポリヨウ素I とPVAとの錯体の方が、ポリヨウ素I とPVAの錯体に基づく偏光度の方が高い。このことは、つまり各波長の直交位で透過率を一定にしようとすると、平行位で480nmに対して600nmの方が透過率は高く、平行位で黄色く着色する現象が起こってしまっていた。逆に、平行位で透過率を一定にしようとすると、直交位で480nmに対して600nmの方が透過率は低いため、直交位で青色に着色してしまっていた。さらには、主に視感度の高い550nmに基づく吸収がないために、色の制御が難しい。つまりは、各波長の偏光度(二色比)が一定でないために、波長依存性が生じてしまっていた。このことは、ヨウ素系偏光板でなくても、二色性を有するアゾ化合物においても、波長依存性が平行位と直交位で異なることは同様であり、一般的に、平行位と直交位で同じ色相を示す色素はない。
これまでに一般的な二色性を有するアゾ化合物の種類によっては、平行位で黄色、直交位で青色を示すなど、直交位と平行位で波長依存性が全く異なるアゾ化合物も存在する。また、偏光を有することからも分かるように、直交位と平行位では、人に与える明暗の感度も異なることから、仮に、その色補正をするにも、感度に適した色補正が必要であった。各波長の透過率が平行位および直交位の、それぞれにおいて、ほぼ一定の透過率でないと達成しえず、具体的には一定の値で各波長の透過率依存性がない状態でなければならない。ましてや、偏光素子または偏光板にて、その一定の透過率依存性を、平行位と直交位で同時に満たさなければならず、さらには高透過率、かつ、高コントラストを有しているということは、各波長の偏光度(二色比)が一定でなければならない。アゾ化合物 1種を偏光素子に応用した場合だけでも、直交位と平行位で波長依存性が異なるにも関わらず、しかも、配合するということは、1種ずつの平行位と直交位の透過率と二色比の関係を精密に制御し、かつ、偏光度が高くなければ、本願の無彩色偏光板は達成しえない。このことから無彩色偏光板を得ることは非常に難しく、単に色の三原色を適用すれば達成しうるものではない。平行位と直交位を一定に制御するということは、各波長の偏光度も同じでなければならず、非常に困難を極める。
よって、偏光素子として、白色を表示時に無彩色の白色を示し、黒色表示時に無彩色の黒色を示す偏光板が求められていたが、これまでに単体透過率35%以上で、白色を表示時に無彩色の白色を示し、黒色表示時に無彩色の黒色を示す偏光素子、または、偏光板は難しかった。
特許第4281261号 特許第3357803号
機能性色素の応用第1刷発行版,(株)CMC出版, 入江正浩監修,p98〜100
偏光板の色相を改善する方法としては、特許文献1または特許文献2のような技術が開示されている。特許文献1では、ニュートラル係数を算出し、絶対値が0乃至3である偏光板を開示しているが、実施例から分かるように、ニュートラル係数(NP)が低くても、JIS Z 8729から求められる平行位の色相だけでもa*値が−2乃至−1、かつ、b*値が2.5乃至4.0であることから、色としては白表現時に黄緑色を呈していることが分かる。また、直交位の色相はa*値が0乃至1ではあるが、b*値が−1.5乃至−4.0であることから、青色を呈している偏光板になってしまっていた。特許文献2では、410nm乃至750nmの透過率において、平均値の±30%以内し、ヨウ素に加えて、直接染料、反応染料、または酸性染料を添加して調整してなる偏光素子を開示しているが、単体透過率、つまりは、偏光素子を1枚のみを用いて測定した時の色をUCS色空間におけるa値、b値で絶対値2以内にして得られた偏光素子であって、偏光板を2枚用いて白表示時(平行にした場合)、および、黒表示時(直交にした場合)の色相を同時にa値とb値を2以内を表現するもではなく、直交位と平行位で無彩色が表現できるものではなかった。また、実施例を見ればわかるように、その単体透過率は、実施例1で31.95%、実施例2で31.41%であり、透過率が低いため、高透過率かつ高コントラストを求められる分野、特に、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンスなどの分野では、より高透過率、高偏光度において十分ではなかった。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討の結果、その平行位と直交位のそれぞれにおいて、透過率を一定にし、波長依存性を無くし、さらに各波長の平行位と直交位の偏光度(二色比)を一定にさせ、高い偏光度を有し、高い透過率であっても、その関係を維持するためには、特定のアゾ化合物の配合によってのみ達成しうることを新規に見出し、結果的に、高コントラストを可能とし、高透過率であって高い偏光度と、平行位と直交位で共に無彩色性を発現しうる偏光素子を開発するに至った。すなわち、ヨウ素と、および、特定のアゾ化合物が含有した基材であって、JIS Z 8729に従って求められるa*値、および、b*値において、単体透過率測定時のa*値、およびb*値が絶対値として1以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して平行にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して直交にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であることを特徴とする単体透過率が35%乃至45%の偏光素子は、高い透過率を有しながらも、偏光素子の吸収軸を平行に設置した際に無彩色の白色を表現でき、かつ、偏光素子の吸収軸を直交に設置した際に無彩色の黒色を表現できることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1) ヨウ素と、アゾ化合物が含有した基材よりなる偏光素子であって、
前記アゾ化合物が、a)式(1)で示されるアゾ化合物および式(2)で示されるアゾ化合物の組み合わせ;または、b)式(1)で示されるアゾ化合物および式(3)で示されるアゾ化合物で示される化合物、その塩、またはその遷移金属錯体の組み合わせであって、
JIS Z 8729に従って求められるa*値、および、b*値において、単体透過率測定時のa*値、およびb*値が絶対値として1以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して平行にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して直交にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であり、単体透過率が35%乃至45%であることを特徴とする該偏光素子;
Figure 0006178539
(Aは置換基を有するフェニル基、またはナフチル基を示し、RまたはRは各々独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基、又はスルホ基を有する低級アルコキシ基を示し、Xは置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ基、置換基を有してもよいアミノベンゾイルアミノ基、置換基を有してもよいフェニルアミノ基、置換基を有してもよいフェニルアゾ基を示す。)
Figure 0006178539
(式中、A、Aはそれぞれ独立に、置換基を有するフェニル基、またはナフチル基を示し、当該置換基の少なくとも1つが水素原子、スルホ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基を有する低級アルコキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アミノ基、又は置換アミノ基であり、 、R は各々独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基、又はスルホ基を有する低級アルコキシ基を示す。)
Figure 0006178539
(式中、Aはニトロ基もしくはアミノ基を示し、Rは水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基、又はスルホ基を有する低級アルコキシ基を示し、Xは置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいフェニルアミノ基を示す。)
(2)偏光度が99%以上であることを特徴とする(1)に記載の偏光素子;
(3)偏光素子の吸収軸方向に対して、絶対偏光光の振動方向が直交方向の偏光光を照射した際の各波長の透過率について、550nm乃至600nmの平均透過率と400nm乃至460との差が4%以内であって、かつ、600乃至670nmの平均透過率が550乃至600nmの平均透過率との差が3%以内であって、さらに、基材偏光素子の吸収軸方向に対して、絶対偏光光の振動方向が平行方向の偏光光を照射した際の各波長の透過率について、550nm乃至600nmの平均透過率と400nm乃至460との差が1%以内であって、かつ、600乃至670nmの平均透過率が550乃至600nmの平均透過率との差が1%以内であることを特徴とする(1)または(2)に記載の偏光素子;
(4)基材が、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムによりなることを特徴とする(1)乃至(3)に記載の偏光素子;および
(5)(1)乃至(4)に記載の偏光素子の少なくとも片面に支持体フィルムを設けてなる偏光板;
(6)(1)乃至(4)に記載の偏光素子または(5)に偏光板を用いた液晶表示装置
に関する。
本発明の偏光素子は、高い透過率を有しながらも、偏光素子の吸収軸を平行に設置した際に無彩色の白色を表現でき、かつ、偏光素子の吸収軸を直交に設置した際に無彩色の黒色を表現できるに至る。
本発明では、ヨウ素と、および、特定のアゾ化合物よりなる二色性染料が含有した基材よりなる偏光素子であって、JIS Z 8729に従って求められるa*値、および、b*値において、単体透過率測定時のa*値、およびb*値が絶対値として1以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して平行にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して直交にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であることを特徴とする単体透過率が35%乃至45%の偏光素子であることを特徴とする。JIS Z 8729に定められる物体色の表示方法とは、国際照明委員会(略称−CIE)が定める物体色の表示方法に相当する。単体透過率とは、偏光素子に自然光を当てた際に、その1枚(単体)の透過率を測定した際の透過率を示し、その素子が無彩色であるためには、その単体透過率を測定した際の色相がa*値(以下、a*-sと示す)、およびb*値(以下、a*-sと示す)が絶対値として1以内であることを必要とする。また、自然光を入射した際に、基材2枚を吸収軸方向に対して平行にして測定して得られるa*値(以下、a*−pと示す)、および、b*値(以下、b*−pと示す)が絶対値として2以内であって、かつ、自然光を入射した際に、基材2枚を吸収軸方向に対して直交にして測定して得られるa*値(以下、a*−cと示す)、および、b*値(以下、b*−cと示す)が絶対値として2以内であることにより、平行位において無彩色を表現できる偏光板を実現できる。より好ましくは、a*−pおよびb*−pの絶対値が1.5以内であって、かつ、a*−cおよびb*−cの絶対値が1.5以内であることが良く、さらに好ましくは、a*−pおよびb*−pの絶対値が1.0以内であって、かつ、a*−cおよびb*−cの絶対値が1.0以内であることが良い。a*−p、および、b*−pの絶対値として、絶対値として0.5の差があるだけでも、人の感度として色の違いが感じることができるため、a*およびb*を制御することは非常に重要である。特に、a*−p、および、b*−pの絶対値として、単体、平行位、および直交位のそれぞれが1以内であれば、ほぼ色を白色時、ならびに、黒色時に、色が呈色していることは、ほぼ確認できない程、良好な偏光素子になる。
偏光素子の性能としては、透過率が高く、かつ、偏光度も高いものが求められる。単体透過率が35%であれば表示装置に用いても、明るさを表現できるが、好ましくは38%以上、より好ましくは39%以上、さらに好ましくは40%以上であることが良い。偏光度としては、99%以上あれば表示装置としては偏光機能を表現できるが、より高コントラストな偏光板が求められており、より好ましくは99.9%以上、より好ましくは99.95%以上である偏光素子が求められている。
JIS Z 8729に従って求められるa*値、および、b*値において、単体透過率測定時のa*値、およびb*値が絶対値として1以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して平行にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して直交にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であることを特徴とする単体透過率が35%以上の偏光素子にするためには、基材に、ヨウ素と、後述する特定の組み合わせのアゾ化合物を含有させることによって実現できる。ヨウ素を含有させる場合には、ヨウ素だけでは溶媒に溶けにくく、基材に含浸させにくい場合があるため、ヨウ化カリウム、ヨウ化銅、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カルシウムなどのヨウ化物、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウムなどの塩化物と用いることが一般的である。
基材とは、親水性高分子よりなる材料を製膜したものであって、ヨウ素、または、非特許文献1に記載の種々のアゾ化合物を含有しえるものである。親水性高分子は特に限定しないが、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、アミロース系樹脂、デンプン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸塩系樹脂などがある。2色性色素を含有させる場合、加工性、染色性、および、架橋性などからポリビニルアルコール系樹脂、および、その誘導体よりなる樹脂が最も好ましい。それらの樹脂をフィルム形状として、本発明の染料、および、その配合物を含有させ、延伸等の配向処理を適用することによって、偏光素子、または偏光板を作製できる。
本発明の偏光素子は、a)式(1)で示されるアゾ化合物および式(2)で示されるアゾ化合物の組み合わせ;または、b)式(1)で示されるアゾ化合物および式(3)で示されるアゾ化合物で示される化合物、その塩、またはその遷移金属錯体の組み合わせ、とヨウ素とを基材に含浸させて作製することができる。以下、式(1)〜式(3)で示されるアゾ化合物について説明する。
Figure 0006178539
式(1)中、Aは置換基を有するフェニル基、またはナフチル基を示し、RまたはRは各々独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基、又はスルホ基を有する低級アルコキシ基を示し、Xは置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ基、置換基を有してもよいアミノベンゾイルアミノ基、置換基を有してもよいフェニルアミノ基、又は置換基を有してもよいフェニルアゾ基を示す。Xは、好ましくは、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ基、又は置換基を有してもよいフェニルアミノ基であり、より好ましくは、Xが置換基を有してもよいフェニルアミノ基であることが良く、さらに好ましくは、Aが置換基を有するフェニル基であることが、より高偏光度な本願の偏光素子ができるため好ましい。なお、本願の低級アルキル基、低級アルコキシ基の低級とは炭素数が1乃至3であることを示す。
式(1)において、Aは具体的に、置換基を有するフェニル基を表す場合、Aにおけるフェニル基上の置換基としては、スルホ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基を有する低級アルコキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アミノ基、又は置換アミノ基が挙げられる。Aは、置換基として、スルホ基を少なくとも1つ有することが好ましい。また、置換基を二つ以上有する場合は、その置換基の1つがスルホ基又はカルボキシ基、好ましくはスルホ基であり、その他の置換基としては、スルホ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基を有する低級アルコキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アミノ基、又は置換アミノ基が好ましい。上記スルホ基を有する低級アルコキシ基としては、直鎖アルコキシが好ましく、スルホ基の置換位置はアルコキシ基末端が好ましく、より好ましくは3−スルホプロポキシ基、4−スルホブトキシ基である。上記の置換アミノ基としてはアセチルアミノ基等を挙げることができる。上記その他の置換基の中では、スルホ基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基がより好ましい。Aにおけるフェニル基上の置換基数は1または2が好ましく、置換位置については特に限定はしないが、2−位と4−位の組合せが好ましい。Aが置換基を有するナフチル基を示す場合、Aで表されるナフチル基における置換基としては、水素原子を含まず、スルホ基、ヒドロキシ基、アミノ基、置換 アミノ基、ニトロ基、置換アミド基、又はスルホ基を有する炭素数1〜5のアルコキシ基が挙げられ、スルホ基、ヒドロキシ基又はスルホ基を有する炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。Aで表されるナフチル基における置換基としては、スルホ基を少なくとも1つ有することが好ましい。Aで表されるナフチル基が置換基を2つ以上有する場合、その置換基の1つがスルホ基であり、その他の置換基が、スルホ基、ヒドロキシ基、及び、スルホ基を有する炭素数1〜5の アルコキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。スルホ基を有する炭素数1乃至5のアルコキシ基としては、スルホ基を有する炭素数 1〜5の直鎖アルコキシ基が好ましく、スルホ基をアルコキシ基の末端に有する炭素数1〜5の直鎖アルコキシ基がより好ましく、3−スルホプロポキシ基又は 4−スルホブトキシ基が更に好ましい。Aで表されるナフチル基としては、2又は3個のスルホ基で置換されたナフチル基、又は、ヒドロキシ基、3−スルホプロポキシ基及び4−スルホブトキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基と1又は2個のスルホ基で置換されたナフチル基が好ましく、2又は3個のスルホ基で置換されたナフチル基、又 は、3−スルホプロポキシ基とスルホ基で置換されたナフチル基がより好ましい。また、場合により、ジスルホナフチル基又はトリスルホナフチル基が更に好ましく、トリスルホナフチル基が最も好ましい。ナフタレン環上の、これらの置換基の好ましい置換位置は、置換基が2つの場合、1位と3位であり、置換基が3つの場合、1位、3位及び6位である。該ナフチル基におけるアゾ基の置換位置は、2位が好ましい。
は具体的に、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ基、置換基を有してもよいアミノベンゾイルアミノ基、置換基を有してもよいフェニルアミノ基、又は置換基を有してもよいフェニルアゾ基を示す。Xは置換基を有してもよく、例えばベンゾイルアミノ基、フェニルアミノ基、又はフェニルアゾ基の場合、その置換基としては低級アルキル基、低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基又は置換アミノ基が好ましく、置換アミノ基としてはアセチルアミノ基等を挙げることができる。Xが置換基を有してもよいフェニルアミノ基である場合、その置換基は、メチル基、メトキシ基、アミノ基、置換アミノ基、好ましくはアセチルアミノ基、又はスルホ基が好ましく、メチル基、メトキシ基又はアミノ基がより好ましい。フェニル基上の該置換基の数及び置換位置は、特に限定されない。通常置換基の数は0〜2が好ましく、水素以外の置換基が存在する場合、少なくとも1つの置換基が、アミノ基への結合位置に対して、p−位に存在することが好ましい。置換基を有してもよいフェニルアミノ基としては、例えば、フェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基、4−メトキシフェニルアミノ基、4−アミノ フェニルアミノ基、4−アミノ−2−スルホフェニルアミノ基、4−アミノ−3−スルホフェニルアミノ基、4−スルホメチルアミノフェニルアミノ基又は4− カルボキシエチルアミノフェニルアミノ基等が挙げられる。これらの中では、非置換のフェニルアミノ基及びp−メトキシフェニルアミノ基がより好ましい。 Xが置換基を有してもよいベンゾイルアミノ基である場合、その置換基としてはアミノ基、アセチルアミノ基に例示される置換アミノ基であり、ヒドロキシ基が好ましく、より好ましくはアミノ基及びアセチルアミノ基に例示される置換アミノ基であり、更に好ましくはアミノ基である。フェニル基上の該置換基の数は通常0乃至1であり、及び、置換位置は特に限定されないが、水素原子以外の置換基が存在する場合は、p−位が好ましい。Xがベンゾイルアミノ基の場合、置換基は水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基又は置換アミノ基を示し、水素原子、アミノ基又はアセチルアミノ基に例示される置換アミノ基が好ましい。置換基の位置としてはp−位が好ましい。該ベンゾイルアミノ基としては例えば、ベンゾイルアミノ基、4−アミノベンゾイルアミノ基、4−ヒドロキシベンゾイル アミノ基又は4−(3−カルボキシ−1−オキソプロピルアミノ)ベンゾイルアミノ基、4−(2−カルボメトキシ−1−オキソエチルアミノ)ベンゾイルアミ ノ基、等が挙げられる。該ベンゾイルアミノ基の中ではアミノベンゾイルアミノ基がより好ましい。Xが置換基を有してもよいフェニルアゾ基である場合、その置換基としては、ヒドロキシ基、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、アミノ基、又は置換アミノ基を挙げることが出来、ヒドロキシ基、アミノ基、メチル基、メトキシ基又はカルボキシ基が好ましく、ヒドロキシ基がより好ましい。置換基の数は通常は0〜3個であり、好ましくは1〜2個である。フェニルアゾ基としては例えば、2−メチルフェニルアゾ基、3−メチルフェニルアゾ基、2、5−ジメチルフェニルアゾ基、3−メトキシフェニルアゾ基、2−メトキシ−5−メチルフェニルアゾ基、2、5−ジメトキシフェニルアゾ基、4−アミノフェニルアゾ基、4−ヒドロキシフェニルアゾ基又は4−カルボキシエチルアミノフェニルアゾ基等が挙げられるが、4−アミノフェニルアゾ基、4−ヒドロキシフェニルアゾ基又は4−カルボキシエチルアミノフェニルアゾ基であることが好ましい。
次に、式(2)について説明する。
Figure 0006178539
式(2)中、A、Aはそれぞれ独立に、置換基を有するフェニル基、またはナフチル基を示し、当該置換基の少なくとも1つが水素原子、スルホ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基を有する低級アルコキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アミノ基、又は置換アミノ基であり、 、R は各々独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基、又はスルホ基を有する低級アルコキシ基を示す。好ましくは、A、Aが各々独立にナフチル基であり、より好ましくはA及びAがいずれもスルホ基を有するナフチル基であり、さらに好ましくは、 、R が各々独立に低級アルコキシル基であることが、より高偏光度な本願の偏光素子ができるため好ましい。
次に、式(3)について説明する。
Figure 0006178539
式(3)中、Aはニトロ基もしくはアミノ基を示し、Rは水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基、又はスルホ基を有する低級アルコキシ基を示し、Xは置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいフェニルアミノ基を示す。好ましくは、Aがニトロ基であることが良く、さらに好ましくは、Rが低級アルコキシル基であることが、より高偏光度な本願の偏光素子ができるため好ましい。またさらに、式(3)のアゾ化合物は、塩又は錯体の形態であることができ、特に、銅等の金属と錯形成した遷移金属錯体であることが、より高性能化のためには好ましい。
アゾ化合物としては、本願の性能を損なわない程度に、色の補正としてアゾ化合物を添加しても良い。特に、二色性の高いものが好ましい。例えば、非特許文献1に示されるようなアゾ化合物、シー.アイ.ダイレクト.イエロー12、シー.アイ.ダイレクト.イエロー28、シー.アイ.ダイレクト.イエロー44、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ26、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ107、シー.アイ.ダイレクト.レッド2、シー.アイ.ダイレクト.レッド31、シー.アイ.ダイレクト.レッド79、シー.アイ.ダイレクト.レッド81、シー.アイ.ダイレクト.レッド247、シー.アイ.ダイレクト.グリーン80、シー.アイ.ダイレクト.グリーン59、及び特公昭64−5623号、特開平3−12606号、特開2001−33627号公報、特開2002−296417号公報及び特開昭60−156759号公報に記載されたアゾ化合物等が挙げられる。特に、トリスアゾ構造にフェニルJ酸を有するアゾ化合物が好適に用いることができ、特に、特開平3−12606号に記載されるアゾ化合物を、本発明の式(1)〜(3)のアゾ化合物とともに偏光素子に用いることは、より好適であり、さらにトリスアゾ構造にフェニルJ酸を有する特開平3−12606号のアゾ化合物に記載されるアゾ化合物と、本発明のヨウ素と式(1)のアゾ化合物と式(3)のアゾ化合物とともに偏光素子に用いることは、特に好適である。これらのアゾ化合物は遊離酸の他、アルカリ金属塩(例えばNa塩、K塩、Li塩)、アンモニウム塩、又はアミン類の塩として用いることができる。ただし、アゾ化合物はこれらに限定されず公知の二色性を有するアゾ化合物を用いることが出来る。アゾ化合物は、遊離酸、その塩、またはその銅錯塩染料であることで、特に、光学特性が向上される。このアゾ化合物は、1種のみで用いても良いし、他のアゾ化合物と配合して用いても良く、配合は限定されない。こういったアゾ化合物である色素を用いて、偏光素子の透過率を調整することによって、JIS Z 8729に従って求められるa*値、および、b*値において、単体透過率測定時のa*値、およびb*値が絶対値として1以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して平行にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して直交にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であることを特徴とする単体透過率が35%乃至45%の偏光素子を実現できる。
JIS Z 8729に従って求められるa*値、および、b*値において、単体透過率測定時のa*値、およびb*値が絶対値として1以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して平行にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して直交にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であることを特徴とする単体透過率が35%以上の偏光素子を得るためには、その各波長の透過率を、制御することによって容易に実現できる。制御方法としては、基材(偏光素子)の吸収軸方向に対して、ほぼ100%の偏光光(以下、絶対偏光光)の振動方向が直交方向の偏光光を照射した際の各波長の透過率について、550nm乃至600nmの平均透過率と400nm乃至460との差が4%以内であって、かつ、600乃至670nmの平均透過率が550乃至600nmの平均透過率との差が3%以内に制御し、さらに、基材偏光素子の吸収軸方向に対して、絶対偏光光の振動方向が平行方向の偏光光を照射した際の各波長の透過率について、550nm乃至600nmの平均透過率と400nm乃至460との差が1%以内であって、かつ、600乃至670nmの平均透過率が550乃至600nmの平均透過率との差が1%以内に調整することによって、容易に実現できる。
さらに好ましくは、絶対偏光光の振動方向が直交方向の偏光光を照射した際の各波長の透過率について、550nm乃至600nmの平均透過率と400nm乃至460との差が3.5%以内であって、かつ、600乃至670nmの平均透過率が550乃至600nmの平均透過率との差が2.5%以内に制御することが良く、さらに好ましくは、絶対偏光光の振動方向が直交方向の偏光光を照射した際の各波長の透過率について、550nm乃至600nmの平均透過率と400nm乃至460との差が3.0%以内であって、かつ、600乃至670nmの平均透過率が550乃至600nmの平均透過率との差が2.0%以内に制御することが良い。
式(1)で示されるアゾ化合物を得る方法としては、特開2003−215338、特開平9−302250、特許第3881175号などに記載されている方法で作製できるが、これらに限定されるものではない。式(1)で示されるアゾ化合物の具体例としては、例えばC.I.Direct Red81、C.I.Direct Red117、C.I.Direct Red127、特許第3881175に記載の式(2)のアゾ化合物、特許第4033443号に記載の式(1)などに記載の染料が挙げられる。
式(2)で示されるアゾ化合物を得る方法としては、例えば、WO2012/165223に記載の方法で得ることが出来るが、これらに限定されるものではない。
式(3)で示されるアゾ化合物を得る方法としては、例えば、特開昭60−156759号、特開平2−61988号、特願2011−197600に記載の方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(1)で表されるアゾ化合物のより具体的な例として、以下の化合物例1−1〜1−15を示す(なお、いずれも遊離酸の形式で示す)。
[化合物例1−1]
Figure 0006178539
[化合物例1−2]
Figure 0006178539
[化合物例1−3]
Figure 0006178539
[化合物例1−4]
Figure 0006178539
[化合物例1−5]
Figure 0006178539
[化合物例1−6]
Figure 0006178539
[化合物例1−7]
Figure 0006178539
[化合物例1−8]
Figure 0006178539
[化合物例1−9]
Figure 0006178539
[化合物例1−10]
Figure 0006178539
[化合物例1−11]
Figure 0006178539
[化合物例1−12]
Figure 0006178539
[化合物例1−13]
Figure 0006178539
[化合物例1−14]
Figure 0006178539
[化合物例1−15]
Figure 0006178539
次に、式(2)で表されるアゾ化合物のより具体的な例として、以下の化合物例2−1〜2−5を示す(いずれも遊離酸の形式で示す)。
[化合物例2−1]
Figure 0006178539
[化合物例2−2]
Figure 0006178539
[化合物例2−3]
Figure 0006178539
[化合物例2−4]
Figure 0006178539
[化合物例2−5]
Figure 0006178539
さらに、式(3)で表されるアゾ化合物のより具体的な例として、以下の化合物例3−1〜3−14を示す(いずれも遊離酸の形式で示す)
[化合物例3−1]
Figure 0006178539
[化合物例3−2]
Figure 0006178539
[化合物例3−3]
Figure 0006178539
[化合物例3−4]
Figure 0006178539
[化合物例−5]
Figure 0006178539
[化合物例3−6]
Figure 0006178539
[化合物例3−7]
Figure 0006178539
[化合物例3−8]
Figure 0006178539
[化合物例3−9]
Figure 0006178539
[化合物例3−10]
Figure 0006178539
[化合物例3−11]
Figure 0006178539
[化合物例3−12]
Figure 0006178539
[化合物例3−13]
Figure 0006178539
[化合物例3−14]
Figure 0006178539
以下、基材として、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを例にして、具体的な偏光素子の作製方法を説明する。ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法で作製することができる。製造方法として、例えば、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得ることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニル及びこれと共重合可能な他の単量体の共重合体などが例示される。酢酸ビニルに共重合する他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類などが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度であり、好ましくは95モル%以上が好ましい。このポリビニルアルコール系樹脂は、さらに変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性したポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用できる。またポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、粘度平均重合度を意味し、当該技術分野において周知の手法によって求めることができる。は、通常1,000〜10,000程度、好ましくは重合度1,500〜6,000程度である。
かかるポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。この場合、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムには可塑剤としてグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、低分子量ポリエチレングリコールなどが含有していていても良い。可塑剤量は5〜20wt%であり、好ましくは8〜15wt%が良い。ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムの膜厚は特に限定されないが、例えば、5μm〜150μm程度、好ましくは10μm〜100μm程度が好ましい。
以上により得られた原反フィルムには、次に膨潤工程が施される。膨潤処理は20〜50℃の溶液に30秒〜10分間浸漬させることによって処理が適用される。溶液は水が好ましい。延伸倍率は1.00〜1.50倍で調整することが良く、好ましくは1.10〜1.35倍が良い。偏光素膜を作製する時間を短縮する場合には、色素の染色処理時にも膨潤するので膨潤処理を省略しても良い。
膨潤工程とは20〜50℃の溶液にポリビニルアルコール樹脂フィルムを30秒〜10分間浸漬させることによって行われる。溶液は水が好ましい。偏光素子を製造する時間を短縮する場合には、色素の染色処理時にも膨潤するので膨潤工程を省略することもできる。
膨潤工程の後に、染色工程が施される。染色工程では、ヨウ素、および、式(1)〜式(3)で示されるアゾ化合物を用いて染色することが出来る。ヨウ素とは、ヨウ素がポリビニルアルコール系樹脂フィルムに含浸出来れば良く、含浸させる方法としては、ヨウ素、ヨウ化物を水に溶解させて含浸させる方法が良い。ヨウ化物とは、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化コバルト、ヨウ化亜鉛などが用いることが出来るが、ここで示したヨウ化物に限定されない。ヨウ素濃度は0.0001wt%〜0.5wt%、好ましくは0.001wt%〜0.4wt%が良く、ヨウ化物濃度は0.0001wt%〜8wt%で用いるのが好ましい。非特許文献1に記載されている染料や、式(1)〜式(3)で示されるアゾ化合物を、染色工程でポリビニルアルコールフィルムに色素を吸着させることができる。染色工程は、色素をポリビニルアルコールフィルムに吸着させる方法であれば、特に限定されないが、例えば、染色工程はポリビニルアルコール樹脂フィルムを二色性染料を含有した溶液に浸漬させることによって行われる。この工程での溶液温度は、5〜60℃が好ましく、20〜50℃がより好ましく、35〜50℃が特に好ましい。溶液に浸漬する時間は適度に調節できるが、30秒〜20分で調節するのが好ましく、1〜10分がより好ましい。染色方法は、該溶液に浸漬することが好ましいが、ポリビニルアルコール樹脂フィルムに該溶液を塗布することによって行うことも出来る。二色性染料を含有した溶液は、染色助剤として、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、無水硫酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなどを含有することが出来る。それらの含有量は、染料の染色性による時間、温度によって任意の濃度で調整できるが、それぞれの含有量としては、0〜5重量%が好ましく、0.1〜2重量%がより好ましい。ヨウ素とアゾ化合物を含有させる順番としては、同時に処理しても構わないが、ヨウ素を含有させた後にアゾ化合物を含有させる染色方法か、より好ましくは、アゾ化合物を含有させた後に、ヨウ素を含有させる方法の方が、染色液の管理や生産性などの観点から好ましい。アゾ化合物は、これは遊離酸として用いられるほか、当該化合物の塩でも良い。そのような塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、及びカリウム塩などのアルカリ金属塩、或いは、アンモニウム塩やアルキルアミン塩などの有機塩として用いることも出来る。好ましくは、ナトリウム塩である。
染色工程後、次の工程に入る前に洗浄工程(以降洗浄工程1という)を行うことが出来る。染浄工程1とは、染色工程でポリビニルアルコール樹脂フィルムの表面に付着した染料溶媒を洗浄する工程である。洗浄工程1を行うことによって、次に処理する液中に染料が移行するのを抑制することができる。洗浄工程1では、一般的には水が用いられる。洗浄方法は、該溶液に浸漬することが好ましいが、該溶液をポリビニルアルコール樹脂フィルムに塗布することによって洗浄することも出来る。洗浄の時間は、特に限定されないが、好ましくは1〜300秒、より好ましくは1〜60秒である。洗浄工程1での溶媒の温度は、親水性高分子が溶解しない温度であることが必要となる。一般的には5〜40℃で洗浄処理される。ただし、洗浄工程1の工程がなくとも、性能には問題は出ないため、本工程は省略することもできる。
染色工程又は洗浄工程1の後、架橋剤及び/又は耐水化剤を含有させる工程を行うことが出来る。架橋剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂又はホウ酸アンモニウムなどのホウ素化合物、グリオキザール又はグルタルアルデヒドなどの多価アルデヒド、ビウレット型、イソシアヌレート型又はブロック型などの多価イソシアネート系化合物、チタニウムオキシサルフェイトなどのチタニウム系化合物などを用いることができるが、他にもエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリアミドエピクロルヒドリンなどを用いることができる。耐水化剤としては、過酸化コハク酸、過硫酸アンモニウム、過塩素酸カルシウム、ベンゾインエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、塩化アンモニウム又は塩化マグネシウムなどが挙げられるが、好ましくはホウ酸が用いられる。以上に示された少なくとも1種以上の架橋剤及び/又は耐水化剤を用いて架橋剤及び/又は耐水化剤を含有させる工程を行う。その際の溶媒としては、水が好ましいが限定されるものではない。架橋剤及び/又は耐水化剤を含有させる工程での溶媒中の架橋剤及び/又は耐水化剤の含有濃度は、ホウ酸を例にして示すと溶媒に対して濃度0.1〜6.0重量%が好ましく、1.0〜4.0重量%がより好ましい。この工程での溶媒温度は、5〜70℃が好ましく、5〜50℃がより好ましい。ポリビニルアルコール樹脂フィルムに架橋剤及び/又は耐水化剤を含有させる方法は、該溶液に浸漬することが好ましいが、該溶液をポリビニルアルコール樹脂フィルムに塗布又は塗工してもよい。この工程での処理時間は30秒〜6分が好ましく、1〜5分がより好ましい。ただし、架橋剤及び/又は耐水化剤を含有させることが必須でなく、時間を短縮したい場合には、架橋処理又は耐水化処理が不必要な場合には、この処理工程を省略してもよい。
染色工程、洗浄工程1、または架橋剤及び/又は耐水化剤を含有させる工程を行った後に、延伸工程を行う。延伸工程とは、ポリビニルアルコールフィルムを1軸に延伸する工程である。延伸方法は湿式延伸法又は乾式延伸法のどちらでも良く、延伸倍率は3倍以上延伸されていることで本発明は達成しうる。延伸倍率は、3倍以上、好ましくは5倍乃至7倍に延伸されていることが良い。
乾式延伸法の場合には、延伸加熱媒体が空気媒体の場合には、空気媒体の温度は常温〜180℃で延伸するのが好ましい。また、湿度は20〜95%RHの雰囲気中で処理するのが好ましい。加熱方法としては、例えば、ロール間ゾーン延伸法、ロール加熱延伸法、圧延伸法、赤外線加熱延伸法などが挙げられるが、その延伸方法は限定されるものではない。延伸工程は1段で延伸することもできるが、2段以上の多段延伸により行うことも出来る。
湿式延伸法の場合には、水、水溶性有機溶剤、又はその混合溶液中で延伸する。架橋剤及び/又は耐水化剤を含有した溶液中に浸漬しながら延伸処理を行うことが好ましい。架橋剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂又はホウ酸アンモニウムなどのホウ素化合物、グリオキザール又はグルタルアルデヒドなどの多価アルデヒド、ビウレット型、イソシアヌレート型又はブロック型などの多価イソシアネート系化合物、チタニウムオキシサルフェイトなどのチタニウム系化合物などを用いることができるが、他にもエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリアミドエピクロルヒドリンなどを用いることができる。耐水化剤としては、過酸化コハク酸、過硫酸アンモニウム、過塩素酸カルシウム、ベンゾインエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、塩化アンモニウム又は塩化マグネシウムなどが挙げられる。以上に示された少なくとも1種以上の架橋剤及び/又は耐水化剤を含有した溶液中で延伸を行う。架橋剤はホウ酸が好ましい。延伸工程での架橋剤及び/又は耐水化剤の濃度は、例えば、0.5〜15重量%が好ましく、2.0〜8.0重量%がより好ましい。延伸倍率は2〜8倍が好ましく、5〜7倍がより好ましい。延伸温度は40〜60℃で処理することが好ましく、45〜58℃がより好ましい。延伸時間は通常30秒〜20分であるが、2〜5分がより好ましい。湿式延伸工程は1段で延伸することができるが、2段以上の多段延伸により行うこともできる。
延伸工程を行った後には、フィルム表面に架橋剤及び/又は耐水化剤の析出、又は異物が付着することがあるため、フィルム表面を洗浄する洗浄工程(以降洗浄工程2という)を行うことができる。洗浄時間は1秒〜5分が好ましい。洗浄方法は洗浄溶液に浸漬することが好ましいが、溶液をポリビニルアルコール樹脂フィルムに塗布又は塗工によって洗浄することができる。1段で洗浄処理することもできるし、2段以上の多段処理をすることもできる。洗浄工程の溶液温度は、特に限定されないが通常5〜50℃、好ましくは10〜40℃である。
ここまでの処理工程で用いる溶媒として、例えば、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール又はトリメチロールプロパン等のアルコール類、エチレンジアミン又はジエチレントリアミン等のアミン類などの溶媒が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、1種以上のこれら溶媒の混合物を用いることもできる。最も好ましい溶媒は水である。
延伸工程又は洗浄工程2の後には、フィルムの乾燥工程を行う。乾燥処理は、自然乾燥により行うことができるが、より乾燥効率を高めるためにはロールによる圧縮やエアーナイフ、又は吸水ロール等によって表面の水分除去を行うことができ、及び/又は送風乾燥を行うこともできる。乾燥処理温度としては、20〜100℃で乾燥処理することが好ましく、60〜100℃で乾燥処理することがより好ましい。乾燥処理時間は30秒〜20分を適用できるが、5〜10分であることが好ましい。
以上の方法で、ヨウ素と式(1)〜式(3)で示されるアゾ化合物よりなる二色性染料を含有する基材よりなる偏光素子であって、JIS Z 8729に従って求められるa*値、および、b*値において、単体透過率測定時のa*値、およびb*値が絶対値として1以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して平行にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して直交にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であることを特徴とする単体透過率が35%乃至45%の偏光素子を得ることが出来る。
得られた偏光素子の片面、又は両面に透明保護層を設けることによって偏光板とする。透明保護層はポリマーによる塗布層として、又はフィルムのラミネート層として設けることができる。透明保護層を形成する透明ポリマー又はフィルムとしては、機械的強度が高く、熱安定性が良好な透明ポリマー又はフィルムが好ましい。透明保護層として用いる物質として、例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなセルロースアセテート樹脂又はそのフィルム、アクリル樹脂又はそのフィルム、ポリ塩化ビニル樹脂又はそのフィルム、ナイロン樹脂またはそのフィルム、ポリエステル樹脂又はそのフィルム、ポリアリレート樹脂又はそのフィルム、ノルボルネンのような環状オレフィンをモノマーとする環状ポリオレフィン樹脂又はそのフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン骨格を有するポリオレフィン又はその共重合体、主鎖又は側鎖がイミド及び/又はアミドの樹脂又はポリマー又はそのフィルムなどが挙げられる。また、透明保護層として、液晶性を有する樹脂又はそのフィルムを設けることもできる。保護フィルムの厚みは、例えば、0.5μm〜200μm程度である。その中の同種又は異種の樹脂又はフィルムを片面、もしくは両面に1層以上設けることによって偏光板を作製する。
上記、透明保護層を偏光素子と貼り合わせるためには接着剤が必要となる。接着剤としては特に限定されないが、ポリビニルアルコール接着剤が好ましい。ポリビニルアルコール接着剤として、例えば、ゴーセノールNH−26(日本合成社製)、エクセバールRS−2117(クラレ社製)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。接着剤には、架橋剤及び/又は耐水化剤を添加することができる。ポリビニルアルコール接着剤には、無水マレイン酸−イソブチレン共重合体を用いるが、必要により架橋剤を混合させた接着剤を用いることができる。無水マレイン酸−イソブチレン共重合体として、例えば、イソバン#18(クラレ社製)、イソバン#04(クラレ社製)、アンモニア変性イソバン#104(クラレ社製)、アンモニア変性イソバン#110(クラレ社製)、イミド化イソバン#304(クラレ社製)、イミド化イソバン#310(クラレ社製)などが挙げられる。その際の架橋剤には水溶性多価エポキシ化合物を用いることができる。水溶性多価エポキシ化合物とは、例えば、デナコールEX−521(ナガセケムテック社製)、テトラッド−C(三井ガス化学社製)などが挙げられる。また、ポリビニルアルコール樹脂以外の接着剤として、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系といった公知の接着剤を用いることも出来る。また、接着剤の接着力の向上、または耐水性の向上を目的として、亜鉛化合物、塩化物、ヨウ化物等の添加物を同時に0.1〜10重量%程度の濃度で含有させることもできる。添加物についても限定されるものではない。透明保護層を接着剤で貼り合せた後、適した温度で乾燥もしくは熱処理することによって偏光板を得る。
得られた偏光板は場合によって、例えば液晶、有機エレクトロルミネッセンス等の表示装置に貼り合わせる場合、後に非露出面となる保護層またはフィルムの表面に視野角改善及び/又はコントラスト改善のための各種機能性層、輝度向上性を有する層またはフィルムを設けることもできる。偏光板を、これらのフィルムや表示装置に貼り合せるには粘着剤を用いるのが好ましい。
この偏光板は、もう一方の表面、すなわち、保護層又はフィルムの露出面に、反射防止層や防眩層、ハードコート層など、公知の各種機能性層を有していてもよい。この各種機能性を有する層を作製するには塗工方法が好ましいが、その機能を有するフィルムを接着剤又は粘着剤を介して貼合せることもできる。また、各種機能性層とは、位相差を制御する層又はフィルムとすることができる。
以上の方法で、JIS Z 8729に従って求められるa*値、および、b*値において、単体透過率測定時のa*値、およびb*値が絶対値として1以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して平行にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して直交にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であることを特徴とする単体透過率が35%乃至45%の偏光素子、および、偏光板を得ることが出来る。本発明の偏光素子または偏光板を用いた液晶表示装置は信頼性が高い、長期的に高コントラストで、かつ、高い色再現性を有する液晶表示装置になる。
こうして得られた本発明の偏光素子または偏光板は、必要に応じて保護層又は機能層及び支持体等を設け、液晶プロジェクター、電卓、時計、ノートパソコン、ワープロ、液晶テレビ、偏光レンズ、偏光メガネ、カーナビゲーション、及び屋内外の計測器や表示器等に使用される。特に、反射型液晶表示装置、半透過液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス等では有効な偏光素子、または、偏光板として利用される。
本発明の偏光板の適用方法として、支持体付偏光板として使用しても良い。支持体は偏光板を貼付するため、平面部を有しているものが好ましく、また光学用途であるため、ガラス成形品が好ましい。ガラス成形品としては、例えばガラス板、レンズ、プリズム(例えば三角プリズム、キュービックプリズム)等があげられる。レンズに偏光板を貼付したものは液晶プロジェクターにおいて偏光板付のコンデンサレンズとして利用し得る。また、プリズムに偏光板を貼付したものは液晶プロジェクターにおいて偏光板付きの偏光ビームスプリッタや偏光板付ダイクロイックプリズムとして使用し得る。また、液晶セルに貼付してもよい。ガラスの材質としては、例えばソーダガラス、ホウ珪酸ガラス、水晶よりなる無機基盤、サファイヤよりなる無機基盤等の無機系のガラスやアクリル、ポリカーボネート等の有機系のプラスチック板があげられるが無機系のガラスが好ましい。ガラス板の厚さや大きさは所望のサイズでよい。また、ガラス付き偏光板には、単板光透過率をより向上させるために、そのガラス面又は偏光板面の一方もしくは双方の面にAR層を設けることが好ましい。こういった支持体に、例えば支持体平面部に透明な接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面に本発明の偏光板を貼付する。また、偏光板に透明な接着(粘着)剤を塗布し、ついでこの塗布面に支持体を貼付してもよい。ここで使用する接着(粘着)剤は、例えばアクリル酸エステル系のものが好ましい。尚、この偏光板を楕円偏光板として使用する場合、位相差板側を支持体側に貼付するのが通常であるが、偏光板側をガラス成形品に貼付してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例に示す透過率の評価は以下のようにして行った。
偏光素子、または、偏光板を1枚で測定した際の各波長の透過率を透過率Tsとし、2枚の偏光素子、または、偏光板を、その吸収軸方向が同一となるように重ねた場合の各波長の透過率を平行位透過率Tpとし、2枚の偏光板をその吸収軸が直交するように重ねた場合の各波長の透過率を直交位透過率Tc、C光源2°視野 色度関数により視感度補正された単体透過率をYs、視感度補正された平行透過率をYp、視感度補正された直交透過率をYcとして分光光度計〔日立製作所社製“U−4100”〕を用いて、5nm間隔で測定し、その測定値を用いて算出されたものを、偏光素子または偏光板の色相については、JIS Z8729(色の表示方法 L*、a*、b*表示系およびL*、u*、v*表色系)によりに示される表色系にて、色相のa*およびb*を分光光度計U−4100にて測定し、その測定値を用いた。ここでいう直交位の色相とは2枚の偏光板をそれぞれ吸収軸が直交するように重ねた状態で測定されたこと時に呈色する色相を意味し、平行位の色相とは2枚の偏光板をそれぞれ吸収軸が直交するように重ねた状態で測定されたこと時に呈色する色相を意味する。L*、a*、b*表色系ではa*、b*のそれぞれがゼロに近いほど色相がニュートラル色を示すことを表している。一般的にa*値がプラスになると赤味を示し、マイナスになると緑色を示すし、b*がプラスになると黄味を示し、マイナスになると青味を示す。
偏光度Pyは、視感度補正された平行位透過率Yp、及び、視感度補正された直交位透過率Ycから、下記式により求めた。
Figure 0006178539
さらに、絶対偏光光を照射時の透過率は、分光光度計〔日立製作所社製“U−4100”〕を用いて測定した。透過率を測定するにあたり、光の出射側に、JIS Z 8729(C光源2°視野)に基づき視感度補正後の透過率43%で偏光度99.99%のヨウ素系偏光板(ポラテクノ社製 SKN−18043P)を絶対偏光板として設置し、絶対偏光光を測定試料に入射出来るようにした。絶対偏光光を入射時における本願の偏光素子の平行位と直交位の透過率を測定した。SKN−18043Pの保護層は紫外線吸収能のないトリアセチルセルロースであるものであった。
本発明の偏光板の吸収軸と、絶対偏光板の吸収軸とを平行にして、絶対偏光光を入射した時に測定して得られた各波長の絶対平行透過率をKy、本発明の偏光板の吸収軸と、絶対偏光板の吸収軸とを直交にして、絶対偏光光を入射した時に測定して得られた各波長の絶対直交透過率をKzとし、各波長のKy、および、Kzを測定した。
上記式(1)で示されるアゾ化合物および上記式(2)で示されるアゾ化合物の組み合わせを用いて本発明の偏光素子を作製した結果を、実施例1〜4に示す。
実施例1
ケン化度99%以上の平均重合度2400のポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製 VF−PS)を45℃の温水に2分浸漬し、膨潤処理を適用し延伸倍率を1.30倍とした。膨潤処理したフィルムを、水1500重量部、トリポリリン酸ナトリウム 1.5重量部、式(1)の構造を有するC.I.Direct Red 81 0.1重量部、式(2)の構造を有するWO2012/165223 合成2に示される染料 0.85重量部、を45℃に調整した水溶液に3分30秒浸漬し、得られたフィルムをホウ酸(Societa chimica lardrello s.p.a社製) 28.6g/l、沃素(純正化学社製) 0.25g/l,ヨウ化カリウム(純正化学社製) 17.7g/l、ヨウ化アンモニウム(純正化学社製)1.0g/lを含有した水溶液により30℃で2分浸漬してヨウ素、ヨウ化物を含有させ染色させた。その染色して得られたフィルムを、5.0倍に延伸しながらホウ酸30.0g/l含有した50℃の水溶液中で5分間の延伸処理を行った。そのホウ酸処理して得られたフィルムの緊張状態を保ちつつ、ヨウ化カリウム 20g/lに調整した水溶液で30℃に保ちつつ20秒間処理を行った。処理して得られたフィルムを70℃で9分間乾燥処理を行い、本発明の偏光素子を得た。
実施例2
実施例1に記載のC.I.Direct Red 81 0.1重量部を式(1)の構造を有する特許第2003−215338 合成例1に記載のアゾ化合物 0.07重量部に変えたこと以外は同様に偏光素子を作製して測定試料とした。
実施例3
実施例2において、アゾ化合物をポリビニルアルコールフィルムに含有させる時間を3分30秒から3分00秒とし、ホウ酸(Societa chimica lardrello s.p.a社製) 28.6g/l、沃素(純正化学社製) 0.25g/l,ヨウ化カリウム(純正化学社製)17.7g/l、ヨウ化アンモニウム(純正化学社製) 1.0g/lを含有した水溶液により30℃で1分30秒浸漬してヨウ素、ヨウ化物を含有させ染色した以外は同様にして偏光素子を作製して測定試料とした。
実施例4
実施例2において、アゾ化合物をポリビニルアルコールフィルムに含有させるアゾ化合物として、式(1)の構造を有する特許第2003−215338 合成例1に記載のアゾ化合物 0.07重量部と、式(2)の構造を有するWO2012/165223 合成2に示される染料 0.85重量部と共に、トリスアゾ構造にフェニルJ酸を有する特開平3−12606号 実施例1に記載のアゾ化合物 0.08重量部を加えた以外は同様にして偏光素子を作製して測定試料とした。
比較例1
特開2008−065222 比較例1の処方に従い二色性染料を含まないヨウ素系偏光素子を作製した以外は、実施例1と同様にして測定試料とした。
比較例2
特開平11−218611 実施例1の方法に従い二色性染料のみの偏光素子を作製した以外は、実施例1と同様に偏光素子を作製して測定試料とした。
比較例3
特許 第4162334 実施例3の方法に従い二色性染料のみの染料系偏光素子を作製した以外は、実施例1と同様に偏光素子を作製して測定試料とした。
比較例4
特許 第4360100 実施例1の方法に従い二色性染料のみの染料系偏光素子を作製した以外は、実施例1と同様に偏光素子を作製して測定試料とした。
実施例1乃至4、比較例1乃至4におけるYs、ρ、a*-s,b*-s,a*−p,b*−p,a*−c,b*−cの測定結果を表1に示す。
Figure 0006178539
表2には、実施例1乃至4、および、比較例1乃至4の絶対偏光光を入射時の400nm乃至460nmの平均透過率、550nm乃至600nmの平均透過率、600nm乃至670nmの平均透過率、および、400nm乃至460nmの平均透過率と550nm乃至600nmの平均透過率の差の絶対値、550nm乃至600nmの平均透過率、600nm乃至670nmの平均透過率の差の絶対値を示す。
Figure 0006178539
また、乾燥して得られた偏光素子をアルカリ処理したトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム社製 TD−80U)を透明保護層として、ポリビニルアルコール系接着剤を用いてラミネートして偏光板にしても、その偏光素子の各光学特性は変わらなかった。このことからも、その偏光素子を用いて得られる偏光板も、同様に、同等の性能を有することが分かった。
次に、上記式(1)で示されるアゾ化合物および上記式(3)で示されるアゾ化合物の組み合わせを用いて本発明の偏光素子を作製した結果を、実施例5〜9に示す。
実施例5
ケン化度99%以上の平均重合度2400のポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製 VF−PS)を45℃の温水に2分浸漬し、膨潤処理を適用し延伸倍率を1.30倍とした。膨潤処理したフィルムを、水1500重量部、トリポリリン酸ナトリウム 1.5重量部、式(1)の構造を有するC.I.Direct Red 81 0.1重量部、式(3)の構造を有する特公平2−61988号 実施例3に示されるに示される染料 0.135重量部を45℃に調整した水溶液に3分30秒浸漬し、得られたフィルムをホウ酸(Societa chimica lardrello s.p.a社製) 28.6g/l、沃素(純正化学社製) 0.25g/l, ヨウ化カリウム(純正化学社製) 17.7g/l、ヨウ化アンモニウム(純正化学社製) 1.0g/lを含有した水溶液により30℃で2分浸漬してヨウ素、ヨウ化物を含有させ染色させた。その染色して得られたフィルムを、5.0倍に延伸しながらホウ酸30.0g/l含有した50℃の水溶液中で5分間の延伸処理を行った。そのホウ酸処理して得られたフィルムの緊張状態を保ちつつ、ヨウ化カリウム 20g/lに調整した水溶液で30℃に保ちつつ20秒間処理を行った。処理して得られたフィルムを70℃で9分間乾燥処理を行い、本発明の偏光素子を得た。乾燥して得られた偏光素子をアルカリ処理したトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム社製 TD−80U)をポリビニルアルコール系接着剤を用いてラミネートして偏光板を得た。得られた偏光板40mm×40mmにカットし、粘着剤PTR−3000(日本化薬社製)を介して1mmのガラス板と貼り合わせて測定試料とした。
実施例6
実施例5に記載のC.I.Direct Red 81 0.1重量部を式(1)の構造を有する特許第2003−215338 合成例1に記載のアゾ化合物 0.07重量部に変えたこと以外は同様に偏光素子、および、偏光板を作製して測定試料とした。
実施例7
実施例6において、アゾ化合物をポリビニルアルコールフィルムに含有させる時間を3分30秒から3分00秒とし、ホウ酸(Societa chimica lardrello s.p.a社製) 28.6g/l、沃素(純正化学社製) 0.25g/l, ヨウ化カリウム(純正化学社製) 17.7g/l、ヨウ化アンモニウム(純正化学社製) 1.0g/lを含有した水溶液により30℃で1分30秒浸漬してヨウ素、ヨウ化物を含有させ染色した以外は同様にして偏光素子、および、偏光板を作製して測定試料とした。
実施例8
実施例6において、アゾ化合物をポリビニルアルコールフィルムに含有させるアゾ化合物として、式(1)の構造を有する特許第2003−215338 合成例1に記載のアゾ化合物 0.07重量部と、式(3)の構造を有する特公平2−61988号 実施例3に示されるに示される染料 0.135重量部と共に、特開平3−12606号 実施例1に記載のアゾ化合物 0.08重量部を加えた以外は同様にして偏光素子、および、偏光板を作製して測定試料とした。
実施例9
実施例6で用いた式(3)の構造を有する特公平2−61988号 実施例3に示されるに示される染料 0.135重量部を、式(3)の構造を有する特公昭60−156759号 実施例24に記載のアゾ化合物 0.155重量部に変えたこと以外は同様に偏光素子、および、偏光板を作製して測定試料とした。
比較例5〜8
上記比較例1〜4で作成した偏光素子を用いて、上記実施例5と同様に偏光板を作製して測定試料とした。
実施例5乃至9、比較例5乃至8におけるYs、ρ、a*-s, b*-s, a*−p, b*−p, a*−c, b*−cの測定結果を表3に示す。
Figure 0006178539
表4には、実施例5乃至9、および、比較例5乃至8の絶対偏光光を入射時の400nm乃至460nmの平均透過率、550nm乃至600nmの平均透過率、600nm乃至670nmの平均透過率、および、400nm乃至460nmの平均透過率と550nm乃至600nmの平均透過率の差の絶対値、550nm乃至600nmの平均透過率、600nm乃至670nmの平均透過率の差の絶対値を示す。
Figure 0006178539
表1に示した実施例1乃至4および比較例1乃至4、表3に示した実施例5乃至9および比較例5〜8におけるYs、ρ、a*-s,b*-s,a*−p,b*−p,a*−c,b*−cの測定結果を見て分かるように、本発明の偏光板は、JIS Z 8729に定めるa*値、および、b*値において、単体透過率測定時のa*値、およびb*値が絶対値として1以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して平行にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して直交にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であることを特徴とする単体透過率が35%乃至45%の偏光素子、または、偏光板を得ることによって、平行位の白表示、ならびに、直交位の黒表示時のぞれぞれの場合において、無彩色な白、および、黒を示していることが分かる。410nm乃至750nmの平均透過率についても、本発明の偏光素子及び偏光板は、従来技術である特許第3357803号(特許文献2)の実施例1または2に記載の約31乃至32%の偏光板よりも高い透過率を有していることが分かる。また、平均透過率が40%を超えると、L値(L*)も70を超えることから、かなり良好な偏光素子が得られている。色媒体の色相が±1.0以内、かつ、L*が65を超えることによって、品質の良い紙のような白を実現できると言われているが、L*が70になることによって、高品質な紙のような白、言わゆるペーパーホワイトを実現しうる偏光板が得られた。
また、表2及び表4に示すように、各波長の透過率を比較すると、実施例1〜9の偏光素子及び偏光板は、基材偏光素子の吸収軸方向に対して絶対偏光光の振動方向が直交方向の偏光光を照射した際の各波長の透過率について、550nm乃至600nmの平均透過率と400nm乃至460との差が4%以内であって、かつ、600乃至670nmの平均透過率が550乃至600nmの平均透過率との差が3%以内であって、さらに、基材偏光素子の吸収軸方向に対して、絶対偏光光の振動方向が平行方向の偏光光を照射した際の各波長の透過率について、550nm乃至600nmの平均透過率と400nm乃至460との差が1%以内であって、かつ、600乃至670nmの平均透過率が550乃至600nmの平均透過率との差が1%以内に調整されている偏光素子であることが分かる。かかる偏光素子を用いて得られた偏光板は、高い透過率を有しながらも、偏光素子の吸収軸を平行に設置した際に無彩色の白色を表現でき、かつ、偏光素子の吸収軸を直交に設置した際に無彩色の黒色を表現できる。したがって、本発明の偏光素子または偏光板を用いた液晶表示装置は、高輝度、高コントラストなだけでなく、信頼性が高い、長期的に高コントラストで、かつ、高い色再現性を有する液晶表示装置になる。

Claims (6)

  1. ヨウ素と、アゾ化合物を含有した基材よりなる偏光素子であって、
    前記アゾ化合物が、a)式(1)で示されるアゾ化合物および式(2)で示されるアゾ化合物の組み合わせ;または、b)式(1)で示されるアゾ化合物および式(3)で示されるアゾ化合物で示される化合物、その塩、またはその遷移金属錯体の組み合わせであって、
    JIS Z 8729に従って求められるa*値、および、b*値において、単体透過率測定時のa*値、およびb*値が絶対値として1以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して平行にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であって、該基材2枚を吸収軸方向に対して直交にして測定して得られるa*値、およびb*値が絶対値として2以内であり、
    単体透過率が35%乃至45%であることを特徴とする該偏光素子。
    Figure 0006178539
    (Aは置換基を有するフェニル基、またはナフチル基を示し、RまたはRは各々独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基、又はスルホ基を有する低級アルコキシ基を示し、Xは置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ基、置換基を有してもよいアミノベンゾイルアミノ基、置換基を有してもよいフェニルアミノ基、置換基を有してもよいフェニルアゾ基を示す。)
    Figure 0006178539
    (式中、A、Aはそれぞれ独立に、置換基を有するフェニル基、またはナフチル基を示し、当該置換基の少なくとも1つが水素原子、スルホ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基を有する低級アルコキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アミノ基、又は置換アミノ基であり、 7 、R 8 は各々独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基、又はスルホ基を有する低級アルコキシ基を示す。)
    Figure 0006178539
    (式中、Aはニトロ基もしくはアミノ基を示し、Rは水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、スルホ基、又はスルホ基を有する低級アルコキシ基を示し、Xは置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいフェニルアミノ基を示す。)
  2. 偏光度が99%以上であることを特徴とする請求項1に記載の偏光素子。
  3. 偏光素子の吸収軸方向に対して、絶対偏光光の振動方向が直交方向の偏光光を照射した際の各波長の透過率について、550nm乃至600nmの平均透過率と400nm乃至460との差が4%以内であって、かつ、600乃至670nmの平均透過率が550乃至600nmの平均透過率との差が3%以内であって、
    さらに、偏光素子の吸収軸方向に対して、絶対偏光光の振動方向が平行方向の偏光光を照射した際の各波長の透過率について、550nm乃至600nmの平均透過率と400nm乃至460との差が1%以内であって、かつ、600乃至670nmの平均透過率が550乃至600nmの平均透過率との差が1%以内であることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光素子。
  4. 基材が、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムによりなることを特徴とする請求項1乃至3に記載の偏光素子。
  5. 請求項1乃至4に記載の偏光素子の少なくとも片面に透明保護層を設けてなる偏光板。
  6. 請求項1乃至4に記載の偏光素子または請求項5に記載の偏光板を用いた液晶表示装置。
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