JP6178086B2 - 土嚢用袋体 - Google Patents
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Description
また、吊りベルトをクレーンのフックに引掛け、クレーンで吊り上げると、過度な荷重により、吊りベルトの縫着部の糸が切れる場合がある。その結果、吊りベルトが土嚢から離脱して、土嚢の表面に沿って滑る、いわゆる「滑り現象」が生じる。そうすると、吊り上げ状態の土嚢がバランスを崩して落下する危険もある。
このとき、被覆材の長手方向の長さが、縫着部の長手方向の長さの1.1〜2.0倍であると、縫着部の機械的な破断をより防止することが可能となる。
このとき、被覆材の幅が、縫着部における吊りベルトの幅の1.5〜4.0倍である場合、縫着部と同時に被覆材が破断することが防止される。
ここで、中詰め材としては、公知のものが用いられ、例えば、土砂や石材等が挙げられる。
図1に示すように、本実施形態に係る土嚢用袋体10は、基布袋体1と、該基布袋体1を吊るための帯状の吊りベルト2と、を備える。
ここで、基布袋体1の材質としては、特に限定されないが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド等が用いられる。
これらの中でも、基布袋体1の材質は、耐久性及びリサイクルのし易さの観点から、ポリプロピレンであることが好ましい。
なお、紫外線反射剤としては、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロム、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられ、紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート系、ヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系等の吸収剤が挙げられる。
引張り強度が240N/cm未満であると、引張り強度が上記範囲内にある場合と比較して、多段積みした場合の上載荷重に耐えられず、基布袋体1が破れる恐れがある。
また、JIS−A1218に準じた透水性が1.0×10−2cm/s以上であることが好ましい。
透水性が1.0×10−2cm/s未満であると、透水性が上記範囲内にある場合と比較して、高含水比の中詰め材に対して、早急に水を排出できない恐れがある。
図2の(a)に示すように、土嚢用袋体10において、吊りベルト2は、基布袋体1の底部1bで直交し、底部1bから立ち上がるように、基布袋体1の側面と吊りベルト2の縫着部2aとが部分的に縫着されている(図1参照)。
なお、本実施形態に係る土嚢用袋体10においては、基布袋体1の底部1bにおいても、吊りベルト2の縫着部2aと部分的に縫着されている。すなわち、基布袋体1の底部1bは、四隅が吊りベルト2の縫着部2aと縫着されており、それ以外の吊りベルト2の非縫着部2cとは縫着されていない。
また、基布袋体1の側面も同様に、吊りベルト2の縫着部2aと縫着されており、それ以外の吊りベルト2の非縫着部2cとは縫着されていない(図1参照)。
このとき、取っ手部2bの略中央には、吊り部5が形成されている。すなわち、中詰め材が充填された土嚢用袋体10は、取っ手部2bの吊り部5を吊り上げることにより、縫着部2aを介して土嚢用袋体10が吊り上げられることになる。
また、吊り部5が取っ手部の略中央に取り付けられていることから、吊り搬送の際、フックが常に取っ手部の略中央に取り付けられることになるので、偏荷重による土嚢用袋体の破損を防止できる。
また、エンドレスのループ状の吊りベルト2が底部1bを通って、取っ手部2bとなるように配置されているので、取っ手部2bを吊り上げる際には、基布袋体1全体が吊りベルト2によって持ち上げられることになる。このため、縫着部2aの糸への荷重が軽減され、縫着部2aが基布袋体からより剥がれ難くなる。
さらに、中詰め材が投入された土嚢を吊り上げた場合に、基布袋体1は周囲から内方へ向けて吊りベルト2による押圧作用が有効に働くので、土嚢を吊り上げたときの安定性が増し、より安全且つ確実に搬送することが可能となる。
なお、基布袋体1は4本の吊りベルト2で吊られることになるので、本実施形態に係る土嚢用袋体10は、いわゆる4本吊りの土嚢用袋体となる。
また、吊りベルト2の材質としては、特に限定されないが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド等が用いられる。
これらの中でも、吊りベルト2の材質は、耐久性及びリサイクルのし易さの観点から、ポリプロピレンであることが好ましい。
なお、紫外線反射剤及び紫外線吸収剤としては、上述したものと同じものが用いられる。
引張り強度が30kN/本未満であると、引張り強度が上記範囲内にある場合と比較して、中詰め材が充填された土嚢用袋体を吊り上げる際に、吊りベルトが破損する恐れがある。
土嚢用袋体10は、縫着部2aを覆うように被覆材7を設けることにより、縫着部2aへの紫外線の到達が抑制される。これにより、紫外線劣化に基づく、縫着部の破断を防止することができる。
このことに加え、吊りベルト2をクレーンのフックに引掛け、クレーンで吊り上げた状態とした場合、クレーンの横揺れが生じても、被覆材7により、縫着部2aにかかる負荷が軽減される。すなわち、縫着部2aが外方に剥がれることが被覆材7により防止される。これにより、縫着部2aの機械的な破断も抑制することが可能となる。
図3の(b)に示すように、被覆材7を有さない土嚢用袋体11においては、土嚢用袋体11の吊りベルトをクレーンのフックに引掛け、クレーンで吊り上げた状態とした場合、仮に縫着部2aが破断すると、吊りベルトが土嚢の表面に沿って滑るいわゆる「滑り現象」が生じ、吊り上げ状態の土嚢がバランスを崩して落下する危険がある。
それに対し、図3の(a)に示すように、被覆材7を有する本発明の土嚢用袋体10は、仮に縫着部2aが破断しても、被覆材7が吊りベルト2を覆うように縫着されているので、吊りベルト2の位置が基布袋体10の側面に沿って横方向に大きくずれずに土嚢を吊り上げることができる。このように、被覆材7は、この「滑り現象」を確実に防止する機能を有するものである。
図4に示すように、被覆材7は、矩形状となっており、基布袋体1の側面の縫着部2aを十分覆うように、基布袋体1に側面に取り付けられる。
このとき、被覆材7は、縫着部を保護する意味で或いは強度の観点から、その両端部が吊りベルト2の両側に沿うようにして縫われることが好ましい。
また、被覆材7の長手方向の長さH2は、縫着部2aの長手方向の長さH1の1.1〜2.0倍であることが好ましく、1.1〜1.3倍であることがより好ましい。
これらの中でも、被覆材7の材質は、耐久性及びリサイクルのし易さの観点から、ポリプロピレンであることが好ましい。
なお、紫外線反射剤及び紫外線吸収剤としては、上述したものと同じものが用いられる。
また、吊りベルト2は、基布袋体1の底部1bで直交し、底部1bから立ち上がるように、基布袋体1の側面に沿って取り付けられているが、この構造に限定されない。
図5は、本実施形態に係る土嚢用袋体の吊り部を示す部分拡大図である。
図5に示すように、吊り部5は、一定の幅を有する帯状の取っ手部2bを長手方向に沿って折り返して縫着することにより形成されていてもよい。この場合、吊り部5は、他の取っ手部2bよりも強度が優れるものとなる。
また、吊り部5は、補強布6により被覆されていてもよい。この場合、吊り部5の強度がより向上する。
これらの中でも、補強布6の材質は、耐久性及びリサイクルのし易さの観点から、ポリプロピレンであることが好ましい。
なお、紫外線反射剤及び紫外線吸収剤としては、上述したものと同じものが用いられる。
具体的には、土嚢用袋体10の吊りベルト2に対して、結束ベルトを、例えば「本結び」や「ふた結び」で結び付けることによって連結が行われる。
土嚢用袋体10を連結させることにより、背面土圧や背面水圧による土嚢の転倒及び前方への滑動をより十分に防止することが可能となる。
1b・・・底部
2・・・吊りベルト
2a・・・縫着部
2b・・・取っ手部
2c・・・非縫着部
5・・・吊り部
6・・・補強布
7・・・被覆材
10・・・土嚢用袋体
Claims (7)
- 土嚢に用いられる土嚢用袋体であって、
基布袋体と、
該基布袋体を吊るための帯状の吊りベルトと、
を備え、
前記吊りベルトが、前記基布袋体の側面に縫着された少なくとも一対の縫着部と、前記基布袋体に縫着されない非縫着部とを有し、
前記縫着部を覆うように、縦が横よりも長い矩形状の被覆材が前記吊りベルトの両側に沿うように該被覆材の両端部で前記基布袋体にそれぞれ縫着されており、
前記被覆材の横方向の幅が、前記縫着部における吊りベルトの幅の1.5〜4.0倍であり、
前記被覆材の縦方向の長さが、前記縫着部の長手方向の長さの1.1〜2.0倍であり、
前記被覆材には紫外線反射剤又は紫外線吸収剤が付与されている土嚢用袋体。 - 前記吊りベルトが、ループ状となっており、且つ、一対の前記縫着部を架橋する取っ手部を更に有し、
前記取っ手部の中央には、クレーンのフックを取り付けるための吊り部が形成されている請求項1記載の土嚢用袋体。 - 前記吊り部が、一定の幅を有する帯状の前記取っ手部を長手方向に沿って折り返して縫着することにより形成されている請求項2記載の土嚢用袋体。
- 前記吊り部が、補強布により被覆されている請求項3記載の土嚢用袋体。
- 前記補強布が、前記基布袋体及び前記吊りベルトとは異なる色で着色されている請求項4記載の土嚢用袋体。
- 前記基布袋体がポリプロピレンからなり、
該基布袋体のJIS−L1096に準じた引張強度が240N/cm以上であり、且つJIS−A1218に準じた透水性が1.0×10−2cm/s以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の土嚢用袋体。 - 前記吊りベルトが4本吊りとなっており、
該吊りベルトのJIS−L1096に準じた引張強度が30kN/本以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の土嚢用袋体。
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