JP6176155B2 - 車体用パネル組立体 - Google Patents
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Description
この成形シール材によれば、パネル部材に油が付着していても油面粘着層を粘着させて固定することができる。また、油面粘着層とメルト層の間にナイロン層が介在していることで、油面接着層に対してメルト層が滑ってずれることがなく、パネル部材に対するメルト層の配置が安定する。そのため、封止位置が安定するとともに、より確実に第1のパネル部品の端面を被覆することができる。
前記第1のシール材は、前記付属部材で覆われていない部分にまで延設されて前記第2のシール材と重なっていることを特徴とする。
請求項7の発明は、パネル部材と付属部材とを備えており、前記パネル部材は、継ぎ合わせられた第1のパネル部品と第2のパネル部品とを備え、前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品の継ぎ目部では、前記第1のパネル部品の裏側に前記第2のパネル部品が重ね合わせられて接合されており、前記付属部材が、前記パネル部材の表側に組み付けられて、該付属部材により前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品の継ぎ目部の一部分が覆われている車体用パネル組立体であって、前記パネル部材は、前記付属部材で覆われている部分では、前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品の継ぎ目部が第1のシール材で封止されており、常温でシート状を成す第1のシール材が前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品との間に配された状態で加熱され、溶融して前記継ぎ目部を封止するとともに前記第1のパネル部品の端面を被覆しており、前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品との間に配される前記常温でシート状を成す第1のシール材は、シート状の成形シール材を構成しており、前記成形シール材は、前記第1のシール材からなり加熱により溶融するメルト層と、ナイロンからなるナイロン層と、油の付着したパネル部品に粘着することのできる油面粘着層と、がこの順で積層されていることを特徴とする。
本発明の車体用パネル組立体について、図1〜8を参照しながら、具体的な実施形態を示して説明する。この実施形態は、側面後ろ側の乗降口をスライドドアで開閉するミニバンタイプの自動車において、外側面を構成するサイドアウタパネル組立体11に、本発明を適用した一実施形態である。なお、各図において示す前・後・内・外の方向は、車体の前方・後方・内方・外方を示す。
先ず、プレス加工工程では、鋼板をプレス加工することにより、第1のパネル部品31と第2のパネル部品41とをそれぞれ成形する。
接合工程では、プレス加工工程で得られた第1のパネル部品31と第2のパネル部品41とをスポット溶接にて接合し、サイドアウタパネル21を作成する。このとき、図6、7に示されるように、シール材用間隙27に成形シール材53が介在した状態で第1のパネル部品31とシール材用間隙27とが接合される。成形シール材53は、予め第2のパネル部品41に対して油面粘着層55(図8参照)を粘着させて固定する。図7に示されるように、成形シール材53の厚みtは、シール材用間隙27の厚みTよりも大きい。そのため、第1のパネル部品31と第2のパネル部品41とを接合すると、第1のパネル部品31と第2のパネル部品41の剛性によって、成形シール材53が厚み方向に圧縮された状態でシール材用間隙27に収められる。このとき、成形シール材53は、圧縮後の厚みが、元の厚みの1/2〜1/3程度とされるのが望ましい。
レール組み付け工程では、図6に二点鎖線で示されるように、接合工程で作成したサイドアウタパネル21に対し、レール91を組み付け、サイドアウタパネル組立体11を組立てる。
防錆塗装工程では、レール91を備えたサイドアウタパネル組立体11に、電着塗装にて防錆塗装を施す。電着塗装による防錆塗装は、先ず、防錆塗料浴中にサイドアウタパネル組立体11を浸漬し、これを電極として電流を流すことで、サイドアウタパネル組立体11の表面に防錆塗料の膜を形成する。次いで、焼付炉の中で、170〜190℃程度で加熱してサイドアウタパネル組立体11に塗料を焼付ける。このときの加熱により、成形シール材53のメルト層59を構成する第1のシール材51が溶融する。第1のシール材51は、シール材用間隙27にて圧縮されているため、溶融して流動性を得るとシール材用間隙27から食み出し、傾斜面45に沿ってサイドアウタパネル21の表面21a側に盛り上がる。それにより、第1のシール材51によって、第1のパネル部品31と第2のパネル部品41の隙間が封止された状態で第1のパネル部品31の端面35が被覆される。このとき、加熱によりナイロン層57が溶融し、メルト層59と油面粘着層55とを接着する作用を奏する。そのため、油面粘着層55に対してメルト層59が滑ってずれることがなく、メルト層59は、第2のパネル部品41に対する固定位置にて溶融する。そのため、第1のパネル部品31と第2のパネル部品41の隙間の封止位置がばらつきにくく、確実に封止される。また、第1のパネル部品31の端面35が確実に被覆される。なお、溶融した第1のシール材51を第1のパネル部品31の端面35の方へ案内する傾斜面45が、本発明の案内面に相当する。焼付炉での加熱後、第1のシール材51は冷えて固化する。これにより、サイドアウタパネル21の継ぎ目部25のうち、レール91により覆われている部分25aを含む、レール91により覆われていない部分25bの一方の端部25cから他方の端部25cに至る位置までの範囲において、第1のシール材51により第1のパネル部品31と第2のパネル部品41との隙間が埋められるとともに、第1のパネル部品31の端面35が被覆される。
洗浄工程では、防錆塗装が施されたサイドアウタパネル組立体11を洗浄し、付着している防錆油や潤滑油等を取り除く。
第2のシール材塗布工程では、洗浄されたサイドアウタパネル組立体11に対し、ペースト状の第2のシール材61を塗布する。第2のシール材61は、サイドアウタパネル21の継ぎ目部25のレール91により覆われていない部分25bに対して、一方の端部25cから他方の端部25cに至るまで一続きで塗布され、その両端部25cでは、第1のシール材51の上に重ねて塗布される。第2のシール材61は、例えば、シール材塗布用のガンなどを用いて塗布することができる。
カラー塗装工程では、第2のシール材塗布工程にて第2のシール材61が塗布されたサイドアウタパネル組立体11に、電着塗装にてカラー塗装を施す。電着塗装によるカラー塗装は、先ず、カラー塗料浴中にサイドアウタパネル組立体11を浸漬し、これを電極として電流を流すことで、サイドアウタパネル組立体11の表面にカラー塗料の膜を形成する。次いで、焼付炉の中で、170〜190℃程度で加熱してサイドアウタパネル組立体11に塗料を焼付ける。このときの加熱により、第2のシール材61が硬化する。第2のシール材61により、レール91により覆われていない部分25bにおいて、第1のパネル部品31と第2のパネル部品41との隙間が埋められるとともに、第1のパネル部品31の端面35が被覆される。
本実施形態は、図9に示されるように、上記実施形態1のサイドアウタパネル組立体11において、第1のパネル部品31のレール91に隠れる末端(開口縁部)33aの形状のみを変更した実施形態である。継ぎ目部25のレール91に覆われる部分25aにおいて、第1のパネル部品31と第2のパネル部品41との間には、敢えてシール材用間隙27が形成されている。本実施形態では、第1のパネル部品31の末端33aは、第2のパネル部品41に近づく方へ曲がっている。ただし、第1のパネル部品31の末端33aは第2のパネル部品41には接触しておらず、第1のパネル部品31の末端33aにてシール材用間隙27は開放されている。
21 サイドアウタパネル
25 継目部
27 シール材用間隙
31 第1のパネル部品
35 端面
41 第2のパネル部品
43 凹部
45 傾斜面(案内面)
51 第1のシール材
53 成形シール材
55 油面粘着層
57 ナイロン層
59 メルト層
61 第2のシール材
91 レール
Claims (7)
- パネル部材と付属部材とを備えており、前記パネル部材は、継ぎ合わせられた第1のパネル部品と第2のパネル部品とを備え、前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品の継ぎ目部では、前記第1のパネル部品の裏側に前記第2のパネル部品が重ね合わせられて接合されており、前記付属部材が、前記パネル部材の表側に組み付けられて、該付属部材により前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品の継ぎ目部の一部分が覆われている車体用パネル組立体であって、
前記付属部材により覆われている前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品の継ぎ目部は、前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品とが直接重ね合わされている部分と、前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品とが間隙を介して重ね合わされている部分とがあり、
前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品との間の前記間隙に第1のシール材が配される構成であり、常温でシート状を成す第1のシール材が前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品との間に配された状態で加熱され、溶融して前記継ぎ目部を封止するとともに前記第1のパネル部品の端面を被覆していることを特徴とする車体用パネル組立体。 - 請求項1に記載の車体用パネル組立体であって、
前記シート状を成す第1のシール材は、前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品と間に圧縮されて配されることを特徴とする車体用パネル組立体。 - 請求項1又は請求項2に記載の車体用パネル組立体であって、
前記第2のパネル部品には、溶融した前記第1のシール材を前記第1のパネル部品の端面の方へ案内する案内面が形成されていることを特徴とする車体用パネル組立体。 - 請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の車体用パネル組立体であって、
前記パネル部材は、前記付属部材で覆われていない部分では、該パネル部材の表側から塗布された第2のシール材により、前記第1のパネル部品の端面が被覆された状態で前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品との継ぎ目部が封止されており、
前記第1のシール材は、前記付属部材で覆われていない部分にまで延設されて前記第2のシール材と重なっていることを特徴とする車体用パネル組立体。 - 請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の車体用パネル組立体であって、
前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品との間に配される前記常温でシート状を成す第1のシール材は、シート状の成形シール材を構成しており、
前記成形シール材は、前記第1のシール材からなり加熱により溶融するメルト層と、ナイロンからなるナイロン層と、油の付着したパネル部品に粘着することのできる油面粘着層と、がこの順で積層されていることを特徴とする車体用パネル組立体。 - パネル部材と付属部材とを備えており、前記パネル部材は、継ぎ合わせられた第1のパネル部品と第2のパネル部品とを備え、前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品の継ぎ目部では、前記第1のパネル部品の裏側に前記第2のパネル部品が重ね合わせられて接合されており、前記付属部材が、前記パネル部材の表側に組み付けられて、該付属部材により前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品の継ぎ目部の一部分が覆われている車体用パネル組立体であって、
前記パネル部材は、前記付属部材で覆われている部分では、前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品の継ぎ目部が第1のシール材で封止されており、常温でシート状を成す第1のシール材が前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品との間に配された状態で加熱され、溶融して前記継ぎ目部を封止するとともに前記第1のパネル部品の端面を被覆しており、
さらに、前記パネル部材は、前記付属部材で覆われていない部分では、該パネル部材の表側から塗布された第2のシール材により、前記第1のパネル部品の端面が被覆された状態で前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品との継ぎ目部が封止されており、
前記第1のシール材は、前記付属部材で覆われていない部分にまで延設されて前記第2のシール材と重なっていることを特徴とする車体用パネル組立体。 - パネル部材と付属部材とを備えており、前記パネル部材は、継ぎ合わせられた第1のパネル部品と第2のパネル部品とを備え、前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品の継ぎ目部では、前記第1のパネル部品の裏側に前記第2のパネル部品が重ね合わせられて接合されており、前記付属部材が、前記パネル部材の表側に組み付けられて、該付属部材により前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品の継ぎ目部の一部分が覆われている車体用パネル組立体であって、
前記パネル部材は、前記付属部材で覆われている部分では、前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品の継ぎ目部が第1のシール材で封止されており、常温でシート状を成す第1のシール材が前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品との間に配された状態で加熱され、溶融して前記継ぎ目部を封止するとともに前記第1のパネル部品の端面を被覆しており、
前記第1のパネル部品と前記第2のパネル部品との間に配される前記常温でシート状を成す第1のシール材は、シート状の成形シール材を構成しており、
前記成形シール材は、前記第1のシール材からなり加熱により溶融するメルト層と、ナイロンからなるナイロン層と、油の付着したパネル部品に粘着することのできる油面粘着層と、がこの順で積層されていることを特徴とする車体用パネル組立体。
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