JP6175914B2 - 印刷装置、印刷方法、および画像処理装置 - Google Patents

印刷装置、印刷方法、および画像処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像データを用いて画像を処理する技術および画像を印刷する技術に関する。
多階調の画像データを、階調数の少ないドットデータにより印刷するハーフトーン処理としては、階調数変換をした場合の濃度誤差を周辺の画素に配分する誤差拡散法や、分散性のよい閾値配置がなされたディザマスクを用いてドットデータを生成する組織的ディザ法などが知られている。ブルーノイズ特性を付与されたディザマスクを用いたり、ベイヤー型ディザマスクを用いたりする場合、ドット配置の分散性は良好なものとなり、階調変化が比較的小さいデータが2次元的な広がりを持っている画像の再現性に優れる。また、こうした組織的ディザ法は、ディザマスクにおける閾値の配置に特定の特性を与えることで、ドットの形成を制御できるという利点がある。
例えば、下記特許文献1に示す手法は、双方向印字を行なう場合の往動時のドット形成の判断に用いるディザマスクと、復動時のドット形成の判断に用いるディザマスクとを独立に作成し、それぞれにブルーノイズ特性を付与することで、双方印字位置のドット形成位置のズレに対して画質低下の少ない印刷を可能としている。
特開2007−15359号公報 特許第3360391公報 特開2011ー66594号公報 特開2007ー166622号公報
しかしながら、組織的ディザ法であっても、ディザマスクを用いてドットデータを生成する手法では、低濃度データで描画された細線など、線画の再現が不安定になるという課題があった。低濃度データの細線は、適当な間隔でドットを配置して表現することになるが、細線の画像データにブルーノイズマスクを適用すると、ドット間隔が等間隔にならず、部分的にドット間隔が大きく開いて、線が分断されるという現象が生じる。他方、ベイヤー型ディザなど規則的なパターンを持っているディザマスクを適用すると、線画の角度と位置により、ドット間隔が大きく変化するという現象が見られる。特に、ディザマスクにおいて規則的に配置された低い閾値に対応する画素位置を線が通らない場合には、線に対応するドットがほとんど形成されず、線が消失してしまうという問題を生じる。こうした課題は、特に線画中心のCADデータの再現において顕著なものとなる。
他方、誤差拡散法を用いた場合には、特許文献2に示されているように、閾値の値を画像データに応じた値に調整したり、誤差拡散の範囲を適正化することで、線画に対して、比較的良好なドット列を得ることが可能になる。そこで、細線再現性の低下が問題となる低階調域では誤差拡散法を適用し、ドット形成位置のズレによる画質低下等が問題となる中高階調域では特許文献1等のディザ法を適用するという手法が考えられる。上記特許文献3は、こうした異なるハーフトーン手法をスムーズに切り換える方法を実現したものである。この手法は、非常に有効ではあるが、誤差拡散の利点とディザ法の利点を同じ階調領域で両立することはできないという課題があった。特に誤差拡散法からディザ法への切り換えがなされる階調域では、一方または両方の利点が不十分になるだけでなく、両手法の干渉によるドット分散性の乱れにより、粒状性が低下することがあるという課題を生じることがあった。
従来、種々のハーフトーン手法が提案されているものの、上述のように、ドットデータに種々の特性を付与しうる組織的ディザ法の利点を生かしつつ、細線を安定に再現する手法は見いだされていない。また、従来の画像処理や印刷においては、装置の小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれてもいた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態として、画像データに基づいて画像を印刷する印刷装置が提供される。この印刷装置は、画像データを入力する入力部と、画像データを誤差拡散法により処理して、ドットの形成の有無を表すドットデータを生成するハーフトーン処理部と、生成されたドットデータを用いて、前記画像の印刷を行なう印刷部とを備えることができる。ここで、ハーフトーン処理部は、ディザマスクに配列された第1の閾値と前記入力された画像データとを比較する比較器と、該比較の結果により、前記誤差拡散法において用いる第2の閾値を、互いに値の異なる低位閾値または高位閾値のいずれか一方に設定するものとし、前記画像データが前記第1の閾値を上回っていると判断された場合には、前記低位閾値を、少なくとも低階調域において、前記画像データの階調範囲より小さな値に設定する閾値設定部と、前記画像データに前記誤差拡散法による誤差の配分済みの補正データと前記設定された低位閾値または高位閾値とを比較することにより、前記ドットデータを生成すると共に、前記ドットデータの生成の結果生じた階調誤差の周辺の画素への配分を計算する誤差拡散部とを備えるものとして良い。
係る印刷装置は、低位閾値として、少なくとも低階調域において、画像データの階調範囲より小さな値に設定されているので、画像データが第1の閾値を上回っていると判断された場合には、第1の閾値での判断結果が、そのまま誤差拡散の結果となる可能性が極めて高くなる。このため、
(A)ディザマスクに配列された第1の閾値を用いた判断によって必要十分なドットが発生している場合には、例えば高位閾値に通常の誤差拡散で用いる閾値に近い値を設定していても、誤差拡散法での判断で余分にドットを発生させることが稀となり、ほぼディザ互換の出力が得られること、
(B)ディザマスクに配列された第1の閾値を用いた判断で発生されるドットが不十分な場合には、誤差拡散法が前面に出て、それを補う形でドットを発生させること、
が実現される。(B)のケースは、主に細線やエッジで生じる。ディザ法で低階調の細線を再現すると、課題の項で説明したように、必要以上にドット間隔が空いて線画分断されるケースが生じる。本発明ではこのようなドット発生が不足している部分においては、細線再現性に優れた誤差拡散法が働いで、適切な間隔でドットを発生させる。このため、この形態の印刷装置によれば、細線などの再現性に優れながら、他の画像に関してはディザマスクの特性を生かした画像を再現することができる。
(2)こうした印刷装置において、前記画像データは、少なくともnビット(nは4以上の整数)の階調範囲を有する0以上の値であり、少なくとも低階調域の所定の範囲において、前記低位閾値は0未満の値であり、前記高位閾値は、前記階調範囲内の値であるものとしても良い。
(3)こうした印刷装置において、前記所定の範囲は、前記階調範囲に対して、低域側の少なくとも13/256〜26/256の範囲の一部を含む低階調域であるものとしても良い。細線の再現が問題になるのは、こうした低階調域だからである。なお、階調値範囲に対して13/256といった表記は、階調範囲が複数ビットにより表現されており、例えばこれを0〜255の256階調として表現した場合に、階調値を最大階調値で割った値が13/256という意味である。画像データが16ビット(0〜4095)で表現されていれば、16/256以下の範囲は、0〜255の範囲に相当する。以下、本明細書では、画像データが何ビットの表現であるかを問わないために、係る表記を用いる。
(4)こうした印刷装置において、前記低階調域以外では、前記低位閾値および前記高位閾値は、それぞれ、前記画像データに応じた値として設定され、前記画像データが、前記階調範囲に対して、少なくとも192/256以上の範囲では、前記低位閾値と高域側階調値は、同じ値に設定されるものとしてもよい。かかる印刷装置では、階調値192/255以上ではほぼ誤差拡散互換の特性を実現することができる。
(5)こうした印刷装置において、前記誤差拡散部は、前記比較器による前記比較の結果、前記画像データが第1の閾値を上回っていると判断された場合には、低位閾値の設定と前記比較とを行なわず、前記ドットを形成するものとして前記ドットデータを生成するものとしても良い。
かかる印刷装置は、画像データの階調位置が第1の閾値を上回っていれば、ドットが形成されるため、ディザマスクの持つ特性に従った位置にドットが形成される。その際、ディザマスクの閾値との関係で、例えば細線に対応するドットが十分に形成されない時には、誤差拡散法によりドットが形成されることになる。このため、画像の種類を判断することなく、線画と自然画像とに対応して、ドットを適切に形成することが可能となる。
(6)本発明の他の形態として、画像データに基づいて画像を印刷する印刷方法が提供される。この印刷方法は、前記画像データを入力し、誤差拡散法によるハーフトーン処理を行なって、前記画像データからドットの形成の有無を表すドットデータを生成する際、ディザマスクに配列された第1の閾値と前記画像データとを比較することにより、前記誤差拡散法において用いる第2の閾値を互いに値の異なる低位閾値または高位閾値のいずれか一方に設定するものとし、前記画像データが前記第1の閾値を上回っていると判断された場合には、前記低位閾値を、少なくとも低階調域において、前記画像データの階調範囲より小さな値に設定し、前記画像データに前記誤差拡散法による誤差の配分済みの補正データと前記設定された低位閾値または高位閾値と比較することにより、前記ドットデータを生成すると共に、前記ドットデータの生成の結果生じた階調誤差の周辺の画素への配分を計算し、前記生成されたドットデータを用いて、前記画像の印刷を行なう。
係る印刷方法によれば、低位閾値として、少なくとも低階調域において、画像データの階調範囲より小さな値に設定されているので、画像データが第1の閾値を上回っていると判断された場合には、第1の閾値での判断結果が、そのまま誤差拡散の結果となる可能性が極めて高くなる。従って、(1)の印刷装置と同様、適切ドットを形成することができる。
(7)また、本発明の更に他の形態として、所定の画像を表す画像データを処理してドットの形成の有無を表すドットデータを生成する画像処理装置が提供される。この画像処理装置は、前記画像データを入力する入力部と、前記画像データを誤差拡散法により処理して、ドットの形成の有無を表すドットデータを生成するハーフトーン処理部と、を備え、前記ハーフトーン処理部は、ディザマスクに配列された第1の閾値と前記入力された画像データとを比較する比較器と、前記比較の結果により、前記誤差拡散法において用いる第2の閾値を、互いに値の異なる低位閾値または高位閾値のいずれか一方に設定するものとし、前記画像データが前記第1の閾値を上回っていると判断された場合には、前記低位閾値を、少なくとも低階調域において、前記画像データの階調範囲より小さな値に設定する閾値設定部と、前記画像データに前記誤差拡散法による誤差の配分済みの補正データと前記設定された低位閾値または高位閾値とを比較することにより、前記ドットデータを生成すると共に、前記ドットデータの生成の結果生じた階調誤差の周辺の画素への配分を計算する誤差拡散部とを備える。
かかる画像処理装置は、低位閾値として、少なくとも低階調域において、画像データの階調範囲より小さな値に設定されているので、画像データが第1の閾値を上回っていると判断された場合には、第1の閾値での判断結果が、そのまま誤差拡散の結果となる可能性が極めて高くなる。このため、画像データを適切に処理して、ドットデータを生成することができる。
(8)本発明の他の形態として、画像データを入力して印刷用のドットデータを生成する画像データ処理装置が提供される。この画像データ処理装置は、複数の閾値を格納したディザマスクの各閾値との比較によりドット形成の有無を仮に定めた仮のドットデータを生成する第1のハーフトーン処理部と、前記仮のドットデータがドットを形成するとの判断結果を示している場合には、そのままドットを形成するものと判断し、前記仮のドットデータがドットを形成しないとの判断結果を示している場合には、前記画像データに誤差拡散法を適用して、ドットの形成の有無を判断する第2のハーフトーン処理部とを備える。
この画像データ処理装置は、画像データが第1の閾値を上回っていると判断された場合には、ディザマスクを用いた第1のハーフトーン処理部での判断結果が、そのまま誤差拡散の結果となり、画像データが第1の閾値を上回っていない場合には、誤差拡散法を適用してドット形成の有無を判断することができる。従って、ディザ法でのドット形成の有無の判断が、結果的にドットの不足を招く場合には、誤差拡散法によりドットが補われるようにドットデータが生成される。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行なうことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、印刷装置や画像データ処理装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、印刷装置の製造方法や印刷装置の制御方法、その制御方法を実現するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
実施例の画像処理装置を示す概略構成図。 プリンター20における印刷処理の流れを示すフローチャート。 第1実施形態におけるハーフトーン処理を例示するフローチャート。 実施態様で用いるディザマスク61を例示する説明図。 実施態様で用いるディザマスク61が備えるノイズ特性を例示する説明図。 第1実施形態における高域側閾値THe_Hと低域側閾値THe_Lと注目画素データDnとの関係を示すグラフ。 誤差拡散範囲の一例を示す説明図。 第1実施形態を適用した場合の細線の表示の一例を示す説明図。 第2実施形態の誤差拡散処理における閾値と注目画素データDnとの関係を示すグラフ。 第3実施形態の誤差拡散処理における閾値と注目画素データDnとの関係を示すグラフ。 第4実施形態におけるハーフトーン処理を例示するフローチャート。 第5実施形態におけるハーフトーン処理を例示するフローチャート。
A.第1実施形態:
本発明の第1実施形態について説明する。
A−1.装置構成:
図1は、本発明の印刷装置の第1実施形態としてのプリンター20の概略構成図である。プリンター20は、双方向印刷を行なうシリアル式インクジェットプリンタであり、図示するように、プリンター20は、紙送りモータ74によって印刷媒体Pを搬送する機構と、キャリッジモータ70によってキャリッジ80をプラテン75の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ80に搭載された印刷ヘッド90を駆動してインクの吐出及びドット形成を行なう機構と、これらの紙送りモータ74,キャリッジモータ70,印刷ヘッド90及び操作パネル99との信号のやり取りを司る制御ユニット30とから構成されている。
キャリッジ80をプラテン75の軸方向に往復動させる機構は、プラテン75の軸と平行に架設され、キャリッジ80を摺動可能に保持する摺動軸73と、キャリッジモータ70との間に無端の駆動ベルト71を張設するプーリ72等から構成されている。
キャリッジ80には、カラーインクとして、シアンインクC、マゼンタインクM、イエロインクY、ブラックインクK、ライトシアンインクLc、ライトマゼンタインクLmをそれぞれ収容したカラーインク用のインクカートリッジ82〜87が搭載される。キャリッジ80の下部の印刷ヘッド90には、上述の各色のカラーインクに対応するノズル列が形成されている。キャリッジ80にこれらのインクカートリッジ82〜87を上方から装着すると、各カートリッジから印刷ヘッド90へのインクの供給が可能となる。
制御ユニット30は、CPU40や、ROM51、RAM52、EEPROM60がバスで相互に接続されて構成されている。制御ユニット30は、ROM51やEEPROM60に記憶されたプログラムをRAM52に展開し、実行することにより、プリンター20の動作全般を制御するほか、入力部41、ハーフトーン処理部42、印刷部46としても機能する。ハーフトーン処理部42の機能は、比較部43、誤差拡散部44としての機能を含んでいる。これらの機能部の詳細については、図2、図3のフローチャートを参照して、後述する。
EEPROM60には、ディザマスク61と、誤差拡散閾値テーブル62とが記憶されている。ディザマスク61は、後述するハーフトーン処理において用いるものであり、図4に一部を例示するように、横(主走査方向)256×縦(副走査方向)64の大きさを有する。このディザマスク61は、第1の閾値に相当する複数の閾値THn_dが配列されたものである。第1の閾値THn_d(以下、単に閾値THn_dとも呼ぶ)は、本実施形態では、1〜255までの値をとる。各閾値THn_dは、この閾値との比較により形成されるドットの空間周波数が、いわゆるブルーノイズ特性となるように配置されている。
図5は、こうしたディザマスク61が備えるノイズ特性を例示する説明図である。図には、ブルーノイズ特性およびグリーンノイズ特性を有するディザマスクの各画素に設定されている閾値の空間周波数特性を概念的に例示した。ディザマスクにおけるブルーノイズ特性は、1周期の長さが2画素付近の高い周波数領域に最も大きな周波数成分を有するものとなっている。これは、高周波領域において感度が低いという人間の視覚特性を考慮して、高周波領域に最も大きな周波数成分が発生するように閾値の格納位置が調整されていることを意味する。こうしたブルーノイズ特性を備えたディザマスクを用いてドットを発生させると、ドットの分散性に優れた画像が得られる。
図5には、さらに、グリーンノイズ特性を破線の曲線として例示している。図示されているように、グリーンノイズ特性は、ブリーノイズ特性よりやや低周波側に最も大きな周波数成分を有するもので、画素サイズが十分に小さければグリーンノイズ特性でも粒状感の感じられない良好な画像が得られる。ディザマスク61は、こうしたブルーノイズ特性やグリーンノイズ特性などの所定の空間周波数特性を有する物とされている。
更に、本実施形態においては、ディザマスク61は、所定のドット形成特性を有している。すなわち、双方向印刷におけるキャリッジ80の往動で形成されるドット群のドットパターンと、復動で形成されるドット群のドットパターンと、これらを併せた全体のドット群のドットパターンいずれもが、ブルーノイズ特性を有している。かかる技術は、例えば、特許文献1や特開2007−15359号公報に記載されている。なお、ディザマスク61は、上述の往復動ごとのグループに代えて、または、これに加えて、キャリッジ80の複数回の主走査のうちのいずれの主走査でドットが形成されるかを示す主走査グループごとに、ブルーノイズ特性を備えるものであってもよい。
なお、ドットの空間周波数が、ブルーノイズ特性やグリーンノイズ特性を有する場合には、形成されるドットは分散性が良好なものとなる。あるいは、複数のグループの各々に属する画素に設定されているディザマスクの閾値の空間周波数分布の各々と、印刷画像の空間周波数分布とが相互に正の相関係数を有すること、望ましくは、0.7以上の相関係数を有する場合にもドットの分散性が良好であると判断することができる。
EEPROM60に記憶された誤差拡散閾値テーブル62は、誤差拡散法におけるドットのON/OFFの判断に用いる第2の閾値が記憶されたテーブルである。本実施形態では、第2の閾値は、値の異なる低位閾値THe_Lと高位閾値THe_Hとを含む。第2の閾値の値と役割については、後で詳述する。
制御ユニット30には、メモリカードスロット98が接続されており、メモリカードスロット98に挿入したメモリカードMCから画像データORGを読み込んで入力することができる。本実施例においては、メモリカードMCから入力する画像データORGは、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色の色成分からなるデータである。
以上のようなハードウェア構成を有するプリンター20は、キャリッジモータ70を駆動することによって、印刷ヘッド90を印刷媒体Pに対して主走査方向に往復動させ、また、紙送りモータ74を駆動することによって、印刷媒体Pを副走査方向に移動させる。制御ユニット30は、キャリッジ80が往復動する動き(主走査)や、印刷媒体の紙送りの動き(副走査)に合わせて、印刷データに基づいて適切なタイミングでノズルを駆動することにより、印刷媒体P上の適切な位置に適切な色のインクドットを形成する。こうすることによって、プリンター20は、印刷媒体P上にメモリカードMCから入力したカラー画像を印刷することが可能となっている。
A−2.印刷処理:
プリンター20における印刷処理について説明する。図2は、プリンター20における印刷処理の流れを示すフローチャートである。ここでの印刷処理は、ユーザが操作パネル99等を用いて、メモリカードMCに記憶された所定の画像の印刷指示操作を行なうことで開始される。印刷処理を開始すると、CPU40は、まず、入力部41の処理として、メモリカードスロット98を介してメモリカードMCから印刷対象であるRGB形式の画像データORGを読み込んで入力する(ステップS110)。
画像データORGを入力すると、CPU40は、EEPROM60に記憶されたルックアップテーブル(図示せず)を参照して、画像データORGについて、RGB形式をCMYKLcLm形式に色変換する(ステップS120)。
色変換処理を行なうと、CPU40は、ハーフトーン処理部42の処理として、画像データを各色のドットのON/OFFを画素毎に定めたドットデータに変換するハーフトーン処理を行なう(ステップS130)。ここでのハーフトーン処理の詳細については後述する。なお、本明細書では、「ハーフトーン処理」は、ドットのON/OFFの2値化処理に限らず、大小ドットや大中小ドットなどのON/OFFなど、多値化処理を含んだ階調数変換(低減)処理一般を意味している。また、ステップS130に供する画像データは、解像度変換処理やスムージング処理などの画像処理が施されたものであってもよい。
ハーフトーン処理を行なうと、CPU40は、プリンター20のノズル配置や紙送り量などに合わせて、1回の主走査単位で印画するドットパターンデータに並び替えるインターレース処理を行なう(ステップS150)。インターレース処理を行なうと、CPU40は、印刷部46の処理として、印刷ヘッド90、キャリッジモータ70、モータ74等を駆動させて、印刷を実行する(ステップS160)。
A−3.ハーフトーン処理の詳細:
上述したハーフトーン処理(ステップS130)の詳細について図3を用いて説明する。図示するように、この処理が開始されると、CPU40は、まず、ステップS120で色変換処理が行なわれた画像データについて、注目画素位置の座標データn(x,y)と、注目画素データDnとを取得する(ステップS131)。注目画素位置は、画像の原点(左上)からスタートし、以下の処理が繰り返される毎に、主走査方向(x方向)に1画素ずつ移動する。注目画素位置が画像の主走査方向右端に至ると、副走査方向(y方向)に1つ移動し、再度x方向左端から主走査方向に移動する。以下の説明では、注目画素位置の座標データをn(x,y)として表すものとするが、注目画素位置を示す添え字として用いるときは、直接(x,y)として表記する。
注目画素位置の座標データn(x,y)と注目画素データDnとを取得すると、CPU40は、比較部43の処理として、仮ディザ処理を行なう(ステップS132)。ここでの仮ディザ処理とは、注目画素データDnの階調値と、EEPROM60に記憶されたディザマスク61を構成する複数の閾値のうちの、注目画素の座標(x,y)に対応する第1の閾値THn_dの値との大小関係を比較する処理である。この処理は、形式的には、通常行なわれるディザ法によるドットのON/OFF判断の処理と同一の処理である。実質的には、通常のディザ法では、注目画素データDnの階調値が第1の閾値THn_dの値以上である場合には、ドットをONにすると判断し、注目画素データDnの階調値が閾値THn_dの値未満である場合には、ドットをOFFにすると判断するが、本実施例の仮ディザ処理は、後述する誤差拡散法によってドットのON/OFFを決定するための前処理、具体的には、誤差拡散法の閾値を決定するための処理である点が相違している。
仮ディザ処理の結果、注目画素データDnの階調値が閾値THn_dの値以上であれば(ステップS132:YES)、誤差拡散法に用いる第2の閾値THeを低位閾値THe_Lに設定する(ステップS133)。一方、注目画素データDnの階調値が閾値THn_dの値未満であれば(ステップS132:NO)、誤差拡散法に用いる第2の閾値THeを高位閾値THe_Hに設定する(ステップS134)。このように、本実施例においては、誤差拡散法に用いる第2の閾値THe(以下、単に閾値THeとも呼ぶ)を仮ディザ処理の結果に基づいて変化させる構成としている。かかる閾値THeの設定は、EEPROM60に記憶された誤差拡散閾値テーブル62を参照して行なわれる。
誤差拡散閾値テーブル62の一例をグラフとして図6に示す。図示するように、誤差拡散閾値テーブル62では、注目画素データDn(ここでは0〜255)と、低位閾値THe_L及び高位閾値THe_Hとが、それぞれ対応付けられている。図6に示す例では、高位閾値THe_Hは、注目画素データDnの階調値が0の場合に30程度の値をとり、階調値が0から大きくなるに従って大きくなり、最終的には、階調値が255の場合に値240程度となる。低位閾値THe_Lは、注目画素データDnの階調値の大きさによらず、着目画素データの階調範囲(0〜255)の下限である値0より小さな値である−100に固定されている。CPU40は、誤差拡散閾値テーブル62を参照して、高位閾値THe_Hまたは低位閾値THe_Lを取得し、ステップS133またはS134での設定に用いている。本実施例では、誤差拡散閾値テーブル62を参照することにより、階調値に応じた高位閾値THe_H及び低位閾値THe_Lを設定する構成としたが、関数により求めてもよい。
上述した図3のステップS137またはS138において、誤差拡散閾値テーブル62を参照して閾値THeを設定すると、CPU40は、注目画素データDnの階調値に、別途用意した誤差バッファに記憶された拡散誤差Ednを加算する(ステップS135)。拡散誤差Ednは、後述するステップS139において算出されるものであり、その内容は後述する。
注目画素データDnの階調値に拡散誤差Ednを加算すると、CPU40は、拡散誤差Ednを加算した注目画素データDnの階調値(以下、補正データとも呼ぶ)と、ステップS133またはステップS134で設定した閾値THeとを比較する(ステップS136)。その結果、補正データ(Dn+Edn)が閾値THe以上であれば(ステップS136:YES)、注目画素のドットをON(ドットを形成する)に決定し(ステップS137)、拡散誤差Ednを加算した注目画素データDnの階調値が閾値THe未満であれば(ステップS136:NO)、注目画素のドットをOFF(ドットを形成しない)に決定する(ステップS138)。
ドットのON/OFFを決定すると、CPU40は、2値化誤差Enと拡散誤差Ednとを算出する(ステップS139)。2値化誤差Enとは、補正データとドットのON/OFF結果実現される階調値RSLT(ここでは値255または0)との差分である。数式で表せば、次式(1)として表される。
En={Dn(x,y)+Edn(x,y)}−RSLT(255 or 0) … (1)
一般にドットが形成されなければ2値化誤差Enは正の値になり、ドットが形成されれば2値化誤差は負の値となる。
この結果、以下に説明する誤差拡散の処理により、2値化の処理によってドットが形成されればその周辺の画素ではドットが形成されにくくなり、ドットが形成されなければその周辺の画素ではドットが形成されやすくなる。誤差拡散は、以下の式(2)により拡散誤差Ednを求めて、着目画素において発生した誤差を周辺の画素の配分する処理である。配分された誤差は累積され、上記ステップS135において注目画素データDnの階調値に加算される。本実施形態では、図7に示したように、2値化誤差Enを、ドットのON/OFFが未決定の周辺画素である4つの画素配分している。即ち、注目画素の右隣の画素に対して7/16、左下の画素に対して3/16、下の画素に対して5/16、右下の画素に対して1/16の割合で、拡散誤差Ednとして配分するものとした。こうして算出された拡散誤差Ednは、RAM52に用意された誤差バッファに格納される。
Edn(x+1,Y )=Edn(x+1,y )+En×(7/16)
Edn(x−1,Y+1)=Edn(x−1,y+1)+En×(3/16)
Edn(x ,Y+1)=Edn(x ,y+1)+En×(5/16)
Edn(x+1,Y+1)=Edn(x+1,y+1)+En×(1/16)
… (2)
かかるステップS135〜S139の処理は、誤差拡散法によるハーフトーン処理であり、誤差拡散部44の処理として実行される。誤差拡散法については、周知の技術であるため、詳細な説明は省略するが、各画像データの量子化誤差を周囲の画像データに所定の配分比率で加算しながら、各画像データと所定の閾値とを比較して各画像データを量子化する手法である。上述の例では、ステップS135〜S139は、ドットのON/OFFのみを決定する2値化処理としたが、大ドット及び小ドットのON/OFFを決定するなど、多値化処理を行なってもよい。
2値化誤差En及び拡散誤差Ednを算出すると、CPU40は、全ての画素についての上記の処理が完了したかを判断し(ステップS140)、全画素についての処理が終了するまで、注目画素位置(x,y)をインクリメントしつつ、上記ステップS131〜S139の処理を繰り返す。こうして、ステップS130のハーフトーン処理は終了する。
かかるハーフトーン処理の原理について、以下に説明する。上述したように、ステップS132〜S134の処理においては、注目画素データDnの階調値が閾値THn_dの値以上であれば、誤差拡散法に用いる閾値THeは、低位閾値THe_Lに設定され、注目画素データDnの階調値が閾値THn_dの値未満であれば、閾値THeは、高位閾値THe_Hに設定される。
ここで、低位閾値THe_Lは、注目画素データDnの階調値に拠らず−100という負の値に設定されている。従って、ステップS132において、仮に注目画素データDnが第1の閾値THn_d未満であれば、ステップS136での判断は、高い確率、ほぼ100%に近い確率で、Dn+Edn≧THe_Lが成り立つことになり、ドットがON(ドットが形成される)という判断結果となる。しかも、本実施形態では、高位閾値THe_Hは、特許文献2に示された理想的な閾値に近い値に設定されている。このため、仮ディザの処理よりドットを形成しないと判断した場合であっても、周辺の画素からの誤差の累積が正の値となっていれば、ステップS136での判断が「YES」となり、ドットが形成されることが生じ得る。
この点を更に詳細に説明する。図8は、細線の形成について説明する説明図である。図8の(A)は、元の画像データとして、垂直から僅かに傾いた線分SLが引かれている場合を示している。図の(A)において、太い枠線で囲った範囲が細い線分SLが通っている画素である。これに対して、ディザマスク61を適用した仮ディザの結果は、ディザマスク61の対応する各閾値THn_dが(B)に示すような値を持っていると仮定すると、同図(C)のようになる。仮ディザの処理に際して、線分SLによる各画素の階調値は、各画素を線分が通る割合に応じて決定した。従って、各画素毎の線分により階調値は、線分が画素に対して占める割合により異なるが、およそ値50〜130の範囲であると仮定した。この仮ディザの結果をドットのON/OFFに反映すると、線分SLに対応して、ドットがONになると判定されるのは、同図(C)のようになる。ディザマスク61の閾値が22の画素だけで、ドットがONと判断されている。本実施形態では、仮ディザの結果により、第2の閾値THeを用いた誤差拡散処理が行なわれるため、仮ディザの結果がOFF(ドットが形成されない)であっても、着目画素データDnの値に応じた高位閾値THe_Hと比較して、ドットの形成がなされることになる。同図(D)に示した結果では、第1の閾値THn_dが、値58、127、136の画素でも、誤差拡散処理により、ドットが形成されると判断されている。
つまり、ディザ法により細線が表示されなかったり途切れ対するという問題は生じにくくなる。このとき、図3に示したハーフトーン処理は、処理している対象が線図であるか写真画像のような自然画像であるかといった判断は一切していない。従って、仮に線図の領域からそのまま自然画像の領域に移行したり、自然画像の中に線画が存在したりしても、同じハーフトーン処理(図3)を実施するだけで、線画の領域では、ディザ法により処理で失われることのあるドットを誤差拡散法により補って線画を適切に表示し、かつ自然画像の領域では、ディザ法により、ディザマスク61が有する特性(例えばブルーノイズ特性)によるドットを発生させることができる。このため、自然画像であっても、双方向印字での粒状性を含む画質を十二分に保持することができる。
また、本実施形態では、誤差拡散法の際に用いる閾値(高位閾値THe_H)として、図6に示すように、着目画素データの階調値に応じて増加する値を用いているため、特許文献2に記載されているように、尾引などの現象を生じることがない。更に、図7に示した誤差拡散範囲を、着目画素データの階調値に応じて切り替える処理を行なえば、更に画質の向上が期待できる。拡散範囲を切替ながら誤差拡散を行なう手法は、公知の技術であるため、詳しい説明は省略するが、入力階調値と2値化結果の組み合わせに応じて誤差拡散範囲を切り替えると、低階調値でドットONになった時のみ広い範囲に誤差拡散することで、低階調領域の粒状性を改善し、ドットの非所望な連続、いわゆるワームの発生を抑制することができる。
高階調側でのディザ法的要素のメリットとしては、例えば、ドット着弾位置のずれによる画質劣化を抑制できる点が挙げられる。このメリットは、ディザマスク61の上述した所定のドット形成特性に起因するものである。なお、高階調領域では、ディザ法によってドットデータを生成しても、インクのにじみによって印刷画質の粒状性が目立ちにくく、粒状性が問題となることはない。
B.第2実施形態:
次に本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態のプリンター20は、第1実施形態と同一のハードウェア構成を備え、同一の印刷処理(図2)、同一のハーフトーン処理(図3)を実行する。第2実施形態のプリンター20が第1実施形態と異なるのは、第2の閾値THeの値である。図9は、第2実施形態において用いられる第2の閾値THeを示すグラフである。図示するように、第2実施形態における第2の閾値THeは、第1実施形態と比べて、着目画素データの階調に対する高位閾値THe_Hの値が異なっている。低位閾値THe_Lは、第1実施形態と同様に、負の値である−100に設定されている。
第2実施形態では、第1実施形態と同様の処理なされるが、高位閾値THe_Hが図示するように、着目画素データDnの階調値が96以下では、第1実施形態より小さな値に設定され、他方着目画素データの階調値が128以上では、第1実施形態より大きな値に設定され、階調値210以上では、最大値255に設定される。この結果、図3に示したハーフトーン処理において、ステップS136での判断は、低階調域では「YES」となりやすくなり、ドットがより形成されやすくなる。また中高階調域では、ステップS136での判断は「NO」となりやすく、ドットがより形成されにくくなる。この結果、線分を良好に再現できるだけでなく、エッヂを強調することができる。しかも線分やエッヂの存在する領域以外では、ほぼディザマスク61の特性を反映したドット形成が可能となる。
C.第3実施形態:
次に本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態のプリンター20は、第1実施形態と同一のハードウェア構成を備え、同一の印刷処理(図2)、同一のハーフトーン処理(図3)を実行する。第3実施形態のプリンター20が第1実施形態と異なるのは、第2の閾値THeの値である。図10は、第3実施形態において用いられる第2の閾値THeを示すグラフである。図示するように、第3実施形態における第2の閾値THeは、第1実施形態と比べて、着目画素データの階調に対する高位閾値THe_Hの値は第1実施形態と同一であるのに対して、低位閾値THe_Lが、第1実施形態とは異なっている。第3実施形態における低位閾値THe_Lは、図示するように、着目画素データDnが階調値16以下では、第1実施形態と同様に、負の値である−100に設定されているものの、階調値16以上では漸増し、階調値192以上では、高位閾値THe_Hと同じ値となる。
第3実施形態では、第1,第2実施形態と同様の処理なされるが、低位閾値THe_Lが上記のように設定されている結果、図3に示したハーフトーン処理において、階調値16以下ではほぼディザ互換でありながら線分の表現ができ、かつ階調値192以上ではほぼ誤差拡散互換の特性を実現することができる。また、本実施形態では、階調値の低い領域、つまりハイライト端近辺がディザ互換になるため、ブルーノイズ特性を備えたディザマスク61を用いることにより、ハイライト部分の分散性を十分に確保することができる。通常の誤差拡散は、ハイライト部のドット分散性に課題があり、これを改善するためにハイライト部のみ大きなサイズの誤差拡散マスクを用いる等の複雑な対応を取る必要があるが、本実施形態ではそのような対応をとる必要がない。また、ディザ法にベイヤー型ディザなと、規則パターンを持つディザを用いると、ドットが視認されやすい低階調領域は、ドットが目立たない規則パターンディザによりドットを発生させ、ドットが視認されにくい中高階調領域では、解像度や階調再現性で最も優れていると言ってよい誤差拡散法に切り替わるハーフトーン処理を実現することができる。
本実施形態では、仮ディザによりONと判断されるドットと、最終的に形成されるドットとの比率を、低位閾値THe_Lの値により制御することができる。仮ディザの結果が最終的なドットの形成結果と一致するONドットの比率が、所望の比率よりも小さい場合は、低位閾値THe_Lの値を小さくし、逆に所望の比率よりも大きい場合は、低位閾値THe_Lの値を大きくして、実際のハーフトーン処理を行ない、これを繰り返すことにより、低位閾値THe_Lの値を徐々に収束させて、所望の発生率が得られる低位閾値THe_Lの値を求めることができる。
D.第4実施形態:
次に本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態のプリンター20は、第1実施形態と同一のハードウェア構成を備え、同一の印刷処理(図2)を実行する。第4実施形態のプリンター20が第1実施形態と異なるのは、そのハーフトーン処理である。第4実施形態のプリンター20が実行するハーフトーン処理を図11に示した。第4実施形態のプリンター20が実行するハーフトーン処理は、第1実施形態と比べて、以下に説明するステップS431,S432のみ異なり、他のステップS433ないしS440は、第1実施形態のステップS133ないしS140と同一である。
第4実施形態では、ハーフトーン処理を開始すると、まずCPU40は、注目画素位置の座標データn(x,y)と、注目画素データDnとを取得し、注目画素データDnの階調値に所定の係数αdr(0<αdr≦1)を乗算した値Dn′を求める処理を行なう(ステップS431)。こうして算出されたデータは、注目画素データDnの階調値に関連する階調値であることから、関連データDn’(Dn’=Dn×αdr)ともいう。本実施例では、係数α=0.9とした。
関連データDn’を算出すると、CPU40は、比較部43の処理として、仮ディザ処理を行なう(ステップS432)。図3に示したステップS132の仮ディザ処理との違いは、注目画素データDnの階調値と、ディザマスク61の閾値THn_dとを比較する代わりに、関連データDn’と閾値THn_dとを比較する点である。
その結果、関連データDn’が閾値THn_dの値以上であれば(ステップS432:YES)、誤差拡散法に用いる閾値THeを低位閾値THe_Lに設定する(ステップS433)。一方、関連データDn’が閾値THn_dの値未満であれば(ステップS432:NO)、誤差拡散法に用いる閾値THeを高位閾値THe_Hに設定する(ステップS434)。以降の誤差拡散法の処理(ステップS435〜S439)は、第1実施例と同様であるため、説明を省略する。なお、誤差拡散法のドットのON/OFF判断は、関連データDn’ではなく、注目画素データDnの階調値を用いて行なう。
本実施形態では、係数αdr=0.9としているので、仮ディザの判断によりドットを発生すると判断する割合が、第1実施形態などの通常の判断の90%に抑えられる。この結果、不足する10%は誤差拡散法での判断(ステップS436)で発生させることになる。このようにすれば、ディザによる判断で発生させるドットと、それを補完する形で誤差拡散法による判断で発生させるドットとの比率を、任意に設定することができる。
係数αdrは、0から1.0の間で任意に設定できるので、ディザによる判断で発生するドットと誤差拡散法による判断で発生するドットとの合計を適正に設定することが可能である。例えば、係数αdr=1とすると、第1実施形態と同一となるが、この場合には、ディザによる判断で発生するドットにプラスする形で誤差拡散法によるドットが発生する。従って、この場合には、本来の画像の濃度と比べると、若干多めにドットが形成される場合がある。これに対して、第4実施例のように、係数αdrを0.9のように、1.0より若干小さな値にすると、仮ディザの判断により発生するドットがやや少なくなっているので、足りない分を必要十分なだけ誤差拡散法による判断で発生させることができる。トータルで発生するドットにより表現される階調を、元の画像の階調に、より一致させることが可能となる。
更に、この係数αdrを、着目画素データDnの関数にすれば、画像の階調値に応じて、ディザにより発生されるドットの割合を任意の比率に設定することも可能である。係数αdrのデフォルト値を1としておき、ドットの発生が割合が高いと判断される階調値があれば、着目画素データのその階調付近で、係数αdrを、少し小さくすれば、ドット発生の割合をより均一にすることができる。なお、階調値に応じて係数αdrを変化させる場合には、漸増・漸減させて、ドット発生の割合が滑らかに変化するようにすれば、一層好ましい。
E.第5実施形態:
次に本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態のプリンター20は、第1実施形態と同一のハードウェア構成を備え、同一の印刷処理(図2)を実行する。第5実施形態のプリンター20が第1実施形態と異なるのは、そのハーフトーン処理である。第5実施形態のプリンター20が実行するハーフトーン処理を図12に示した。第5実施形態のプリンター20が実行するハーフトーン処理は、第1実施形態と比べて、各ステップの処理はほぼ同一であるものの、処理の順序が異なる。図12において、図3と同一の処理は、ステップの下2桁を同一とした。
第5実施形態では、ハーフトーン処理を開始すると、まずCPU40は、注目画素位置の座標データn(x,y)と、注目画素データDnとを取得する(ステップS531)。続いて、CPU40は、注目画素データDnの階調値に、別途用意した誤差バッファに記憶された拡散誤差Ednを加算する(ステップS535)。拡散誤差Ednは、後述するステップS539において算出されるものである。注目画素データDnの階調値に拡散誤差Ednを加算した値は、他の実施形態と同様、補正データとも呼ぶ。
続いて、比較部43の処理として、第1実施形態と同様、仮ディザ処理を行なう(ステップS532)。仮ディザ処理とは、注目画素データDnの階調値と、EEPROM60に記憶されたディザマスク61を構成する複数の閾値のうちの、注目画素の座標(x,y)に対応する第1の閾値THn_dの値との大小関係を比較する処理である。
仮ディザ処理の結果、注目画素データDnの階調値が閾値THn_dの値未満であれば(ステップS532:NO)、誤差拡散法に用いる第2の閾値THeを高位閾値THe_Hに設定する(ステップS534)。続いて、CPU40は、ステップS535で求めた補正データと、閾値THeとを比較する(ステップS536)。その結果、補正データ(Dn+Edn)が閾値THe以上であれば(ステップS536:YES)、注目画素のドットをON(ドットを形成する)に決定し(ステップS537)、補正データの階調値が閾値THe未満であれば(ステップS536:NO)、注目画素のドットをOFF(ドットを形成しない)に決定する(ステップS538)。
他方、ステップS532の仮ディザの判断において、注目画素データDnの階調値が閾値THn_dの値以上であれば(ステップS532:YES)、補正データ(Dn+Edn)が閾値THe以上である場合(ステップS536:YES)と同様、ドットをONに決定する(ステップS537)。
こうしてドットのON/OFFを決定すると、CPU40は、2値化誤差Enと拡散誤差Ednとを算出する(ステップS539)。2値化誤差Enおよび拡散誤差Ednの算出は、第1実施形態で詳しく説明したので、ここでの説明は省略する。
2値化誤差En及び拡散誤差Ednを算出すると、CPU40は、全ての画素についての上記の処理が完了したかを判断し(ステップS540)、全画素についての処理が終了するまで、注目画素位置(x,y)をインクリメントしつつ、上記ステップS531〜S539の処理を繰り返す。
以上説明した第5実施形態によれば、仮ディザの処理により、着目画素データDnがディザ閾値THn_d以上であれば、誤差拡散による判断を待たずにドットを形成する。従って、仮ディザの結果がONであれば、必ずドットが形成されることになる。これは、低位閾値THe_Lとしてマイナスの大きな値、例えばマイナス無限大の値を設定したのと同じことに相当する。このため、仮ディザの判断結果により、低位閾値THe_Lの値を、階調値の範囲の下限値より小さな値にした場合と同様の処理結果を得ることができ、第1実施形態とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
以上、第1ないし第5実施形態を用いて説明したように、本実施形態のプリンター20によれば、基本はディザ法でありながら、ディザ法によるドット発生が不十分となる細線やエッジ部では、足りないドットが誤差拡散法によって補なわれるという効果を奏する。しかも細線やエッジかどうかの領域判定なしで、領域に応じて自動的に処理が切り替わったかのようにふるまうハーフトーン処理方法を実現することができる。また、同一の階調値において、ディザ法の利点と線画再現性に優れた誤差拡散法の利点とを両立できるため、線画再現が主要課題の低階調領域に適した誤差拡散法から、着弾位置ずれによる粒状性劣化が主要課題の中高階調領域に適したディザ法に、どの階調域でどの程度切り替えるかを、試行錯誤によって決定する必要がない。従って、両手法の切り替え領域において、各手法の効果が低下したり、粒状性が劣化するといった不具合を避けることができる。
F.変形例:
F−1.変形例1:
上記の実施形態では、着目画素データDnが階調値16以下の場合の低位閾値THe_Lの値を−100としたが、更に小さな値、例えば−1000などの値としても良い。この値は、ディザにより発生されるドットと誤差拡散により発生されるドットの割合が所望の値となるように、実験的に定めても良い。なお、低位閾値THe_Lの値は、ハーフトーン処理される画像の階調範囲の下限未満であればよく、上記の−100といった値は、着目画素データDnが8ビット表現で0〜255の値をとると解釈した場合の値の例示である。ハーフトーン処理される画像の階調範囲が、他の表現形式を取る場合であれば、その表現形式における階調範囲の下限値未満の値とすれば良い。
F−2.変形例2:
以上の実施形態では、ディザマスクとして、誤差拡散と特性が似ているブルーノイズマスクを用いたが、ベイヤー型ディザなどの、規則パターンを持つドット分散型の組織的ディザを用いてもよい。この場合は、「線が消失する場合がある。」というベイヤー型ディザ最大の課題が解決できる。また、網点ディザや、グリーンノイズマスクなどのドット集中型ディザを用いても、網点ピッチで線がとぎれとぎれになる、などの問題が解消できて有用である。2次元的な広がりを持つ通常部はベイヤーや網点、グリーンノイズマスクなどのディザパターンでありながら、細線部では誤差拡散法が働いて、細線が消失したり分断されたりせずに再現できるハーフトーンが実現できるからである。
F−3.変形例3:
第4実施形態において、着目画素データDnに乗算する係数αdrを、着目画素データDnの関数にする際、ルックアップテーブルを参照して、係数αdrを求めるものとしても良い。こうすれば、係数αdrを自由に設定することができる。画像の階調値に応じて変えるだけでなく、画像の種類(線画か自然画像か等)を判断して変更するようにしても良い。インク色毎に、係数αdrを設定するものとしても良い。こうすれば、カラー印刷において、インク毎に、ディザにより発生するドットと誤差拡散により発生するドットとの比率を変更することができる。更に、インク滴が大中小など複数種類発生できるプリンターにおいて、階調値から各種類のドットの発生率をルックアップテーブルなどにより求めてからハーフトーン処理する構成を採用した場合、ドットの種類毎に、係数αdrを設定するものとしても良い。
F−4.変形例4:
誤差拡散法の適用に際して、誤差拡散範囲を、着目画素データDnによって適宜変更するだけでなく、例えば仮ディザの判断結果によって変更しても良い。あるいは、ドットが形成されるとされた場合の結果値RSLTを、仮ディザの判断結果によって変更するものとしても良い。仮ディザの判断結果によって、ドットONと判断された場合に、ドットが形成されるとされる場合の結果値RSLTを255より大きな値にすれば、配分される拡散誤差が大きくなり、周辺でのドットの発生が抑制され、トータルでのドット数が過剰になることを防ぐことができる。
F−5.変形例5:
上記実施形態では、印刷装置として、シリアルタイプのインクジェトプリンター20を用いたが、他の形式のプリンタ−、例えばラインプリンター、レーザープリンターのようなページプリンターなどとして実現しても良い。また、カラープリンターに限られず、モノクロ印刷の用プリンターとして実現しても良い。更に、インクジェットタイプに限られず、熱昇華型プリンターやドットインパクト型など、種々のタイプのプリンターにも適用可能である。
また、画像処理のみを行なう画像処理装置に適用することも差し支えない。図3、図11、図12などに例示したハーフトーン処理は、コンピューターで実行される専用のアプリケーションプログラムとして実現しても良いし、RiPなど専用の装置において実施しても良い。あるいは、コンピュータとプリンターとを接続して用いるものとし、プリンタードライバ内で画像処理の一部または全部を実行するものとして良い。更には、ネットワーク上に、こうした画像処理を行なう専用のサーバを置き、他のコンピューターやプリンターからの要求に応じて、画像データを処理する形態で運用しても差し支えない。
F−6.変形例6:
上記第1ないし第3実施形態では、低位閾値THe_Lは、少なくとも低階調値では、階調値の範囲(0〜256)より小さな値、ここではマイナスの値とした。図6、図9に示した例では、全階調値に対して−100程度の値に設定されている。また、図10に示した例では、注目画素データDnが20/256以下では、−100とされている。変形例6では、低位閾値THe_Lを、注目画素データDnに対して、次のように設定した。
[1]注目画素データDnが値0の場合には、0以外の任意の値とする。
[2]注目画素データDnが値1/256〜4/256の場合には、図6の高位閾値THe_Hと同じ値とする。
[3]注目画素データDnが値5/256以上では、図6、図9または図10の低位閾値THe_Lと同じ値とする。
このように、注目画素データDnが値1/256〜4/256の場合には、図6の高位閾値THe_Hと同じ値に低位閾値THe_Lを設定すると、この階調範囲では、ディザ法によるドット形成の不足を補うように誤差拡散により積極的にドットを形成する、という上記各実施形態による作用効果は生じにくくなる。しかしながら、注目画素データDnが値0〜4/256といったドットがまばらにしか形成されない階調範囲では、もともと線としてきちんと再現する必要性が低く、また双方向印画時の着弾位置ずれによる粒状性劣化の影響が小さい。従って、こうした階調範囲では、低位閾値THe_Lをマイナスの値としなくても、この階調範囲以外では本発明の作用効果を十分に発揮させることができ、好適である。なお、元々形成されるドットが少ないので、このように、低位閾値THe_Lを切り替えても、その影響は目立たない。
上記[1]〜[3]の設定を行なう各階調値(1/256,4/256,5/256)は、これに限られない。何れの値で低位閾値THe_Lの値の設定を変更するかは、適切に、例えば実験的に定めれば良い。細線再現性やエッヂ強調の効果をどの程度の階調範囲で得たいかにより設定すれば良い。また、[1]の場合、つまり注目画素データDnが値0の場合には、仮ディザの判断でドットをONにすべきとの判断がなされることはないから、図6の高位閾値THe_Hと同じ値としても良い。適切な値を選択すれば、誤差拡散法によりドット形成の判断がなされることになる。[2]において設定される低位閾値THe_Lの値は、図6の高位閾値THe_Hより低い値であっても良い。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行なうことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
20…プリンター
30…制御ユニット
40…CPU
41…入力部
42…ハーフトーン処理部
43…比較部
44…誤差拡散部
46…印刷部
51…ROM
52…RAM
60…EEPROM
61…ディザマスク
62…誤差拡散閾値テーブル
70…キャリッジモータ
71…駆動ベルト
72…プーリ
73…摺動軸
74…紙送りモータ
75…プラテン
80…キャリッジ
82〜87…インクカートリッジ
90…印刷ヘッド
98…メモリカードスロット
99…操作パネル
P…印刷媒体
MC…メモリカード

Claims (7)

  1. 画像データに基づいて画像を印刷する印刷装置であって、
    前記画像データを入力する入力部と、
    前記画像データを誤差拡散法により処理して、ドットの形成の有無を表すドットデータを生成するハーフトーン処理部と、
    前記生成されたドットデータを用いて、前記画像の印刷を行なう印刷部と
    を備え、
    前記ハーフトーン処理部は、
    ディザマスクに配列された第1の閾値と前記入力された画像データとを比較する比較器と、
    該比較の結果により、前記誤差拡散法において用いる第2の閾値を、互いに値の異なる低位閾値または高位閾値のいずれか一方に設定するものとし、前記画像データが前記第1の閾値を上回っていると判断された場合には、前記低位閾値を、少なくとも低階調域において、前記画像データの階調範囲より小さな値に設定する閾値設定部と、
    前記画像データに前記誤差拡散法による誤差の配分済みの補正データと前記設定された低位閾値または高位閾値とを比較することにより、前記ドットデータを生成すると共に、前記ドットデータの生成の結果生じた階調誤差の周辺の画素への配分を計算する誤差拡散部と
    を備える印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記画像データは、少なくともnビット(nは4以上の整数)の階調範囲を有する0以上の値であり、
    少なくとも低階調域の所定の範囲において、前記低位閾値は0未満の値であり、
    前記高位閾値は、前記階調範囲内の値である
    印刷装置。
  3. 請求項2記載の印刷装置であって、
    前記所定の範囲は、前記階調範囲に対して、低域側の少なくとも13/256〜26/256の範囲の一部を含む低階調域である
    印刷装置。
  4. 請求項2または請求項3記載の印刷装置であって、
    前記低階調域以外では、前記低位閾値および前記高位閾値は、それぞれ、前記画像データに応じた値として設定され、前記画像データが、前記階調範囲に対して、少なくとも192/256以上の範囲では、前記低位閾値と高位閾値は、同じ値に設定される
    印刷装置。
  5. 画像データに基づいてコンピュータによって画像を印刷する印刷方法であって、
    前記画像データを入力し、
    前記コンピュータが、誤差拡散法によるハーフトーン処理を行なって、前記画像データからドットの形成の有無を表すドットデータを生成する際、
    前記コンピュータは、ディザマスクに配列された第1の閾値と前記画像データとを比較することにより、前記誤差拡散法において用いる第2の閾値を互いに値の異なる低位閾値または高位閾値のいずれか一方に設定するものとし、前記画像データが前記第1の閾値を上回っていると判断された場合には、前記低位閾値を、少なくとも低階調域において、前記画像データの階調範囲より小さな値に設定し、
    前記コンピュータは、前記画像データに前記誤差拡散法による誤差の配分済みの補正データと前記設定された低位閾値または高位閾値とを比較することにより、前記ドットデータを生成すると共に、前記ドットデータの生成の結果生じた階調誤差の周辺の画素への配分を計算し、
    前記生成されたドットデータを用いて、前記画像の印刷を行なう
    印刷方法。
  6. 所定の画像を表す画像データを処理してドットの形成の有無を表すドットデータを生成する画像処理装置であって、
    前記画像データを入力する入力部と、
    前記画像データを誤差拡散法により処理して、ドットの形成の有無を表すドットデータを生成するハーフトーン処理部と、
    を備え、
    前記ハーフトーン処理部は、
    ディザマスクに配列された第1の閾値と前記入力された画像データとを比較する比較器と、
    前記比較の結果により、前記誤差拡散法において用いる第2の閾値を、互いに値の異なる低位閾値または高位閾値のいずれか一方に設定するものとし、前記画像データが前記第1の閾値を上回っていると判断された場合には、前記低位閾値を、少なくとも低階調域において、前記画像データの階調範囲より小さな値に設定する閾値設定部と、
    前記画像データに前記誤差拡散法による誤差の配分済みの補正データと前記設定された低位閾値または高位閾値とを比較することにより、前記ドットデータを生成すると共に、前記ドットデータの生成の結果生じた階調誤差の周辺の画素への配分を計算する誤差拡散部と
    を備える画像処理装置。
  7. 画像データを入力して印刷用のドットデータを生成する画像データ処理装置であって、
    複数の閾値を格納したディザマスクの各閾値との比較によりドット形成の有無を仮に定めた仮のドットデータを生成する第1のハーフトーン処理部と、
    前記仮のドットデータがドットを形成するとの判断結果を示している場合には、そのままドットを形成するものと判断し、前記仮のドットデータがドットを形成しないとの判断結果を示している場合には、前記画像データに誤差拡散法を適用して、ドットの形成の有無を判断する第2のハーフトーン処理部と
    を備えた画像データ処理装置。
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