JP2007306513A - 画像データの圧縮方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画質を維持しつつ高い圧縮率で圧縮すること。
【解決手段】画像データを所定の領域ごとに区画し、各領域における画素の濃度に関する代表値を求める第1のステップ(#22)と、各領域について、当該領域の代表値および補間ルールを適用して当該領域に含まれる各画素の濃度を求める第2のステップ(#23)と、画像データおよび画像データを擬似階調化する際に用いるディザパターンを用いて、第2のステップで求めた各画素の濃度に基づいて得られる画像の再現性の良否を検査する第3のステップ(#24)と、第3のステップの検査により再現性が良となった領域について、第1のステップで求めた代表値に基づいて符号化を行う第4のステップ(#26)とを有してなる。
【選択図】図5

Description

本発明は、階調性を有する画像データの圧縮方法および装置に関する。
一般に、コンピュータとプリンタなどから構成されるプリントシステムが用いられている。このようなプリントシステムにおいては、プリントすべき画像データに対して、擬似階調化(ディザ処理)などの画像処理をコンピュータ側で行い、プリンタ側ではコンピュータから送信される画像データに対して特別な処理を行うことなく、そのまま出力して用紙にプリントするという方式がある。
従来、この方式に使用されるプリンタとしてラスタプリンタが知られている。ラスタプリンタは、プリンタ側で特別な画像処理を行わないため、小規模なハードウェアを用いて安価に実現できる。しかし、その反面、そのまま用紙にプリント可能な画像データをプリンタに送信するため、送信するデータ量が大きくなってしまうという欠点がある。また、近年の高画質化への要請から画像データがますます大きくなり、その結果、プリンタに送信するデータ量がさらに大きくなってしまう。そのため、コンピュータからプリンタへの画像データの送信に多くの時間を要することとなる。
この問題を解消するために、コンピュータ側において画像データを圧縮する必要がある。しかし、圧縮のための処理が複雑であった場合には、圧縮処理自体に時間を要してしまう。さらに、展開処理まで複雑になってしまうことで展開処理にも時間を要してしまう場合がある。そうすると、プリンタ側において展開処理のためのハードウェアの規模が大きくなり、コストがかかってしまう。
したがって、安価なプリンタの使用を可能とし、全体として処理を高速に行えるプリントシステムを実現するために、圧縮時の処理が軽く、小規模なハードウェアで展開でき、かつ高い圧縮率を実現できる圧縮技術が望まれる。
ところで、多階調の画像データをプリンタでプリントするには、多くの場合、その画像データを擬似階調化しなければならない。擬似階調化の方法として、ディザ法が従来からよく知られている。ディザ法では、ディザパターンを用い、ディザパターンの各しきい値と画像データの各画素の値とを比較して2値化または多値化する。
ディザパターンに着目した圧縮技術として、特許文献1に開示された方法がある。特許文献1に示された方法によると、2値化された画像データを所定の大きさのブロックに分割する。任意の画像ブロックに含まれるドットの個数に対応する基準パターンと当該画像ブロックとの比較を行い、画像ブロックと基準パターンとが一致した場合は基準パターンを示す符号を割当て、そうでない場合は比較結果を符号化する。
また、2値化された画像データのための圧縮技術として、ITU(国際電気通信連合)−T勧告により採用が認められたJBIG方式が知られている。
また、ディザパターンにより擬似階調化された画像データを圧縮する方法が特許文献2に開示されている。特許文献2に記載の方法によると、各画素についての画素値がしきい値と比較され、これによって画素ごとにレンジが求められる。
特開平6−152986 USP6201614
しかし、上に述べた特許文献1の方法では、指定した画像ブロックと基準パターンが一致した場合に、基準パターンを符号化するため、基準パターンの符号の分だけ送信するデータ量が増大してしまう。さらに、画像データは、変化するのでブロック内で全ての画素が一致することは少なく、その場合は差分データを送信するのでデータ量がますます増大してしまう。
これに対して、JBIG方式では、圧縮処理が比較的軽く、コンピュータ上でも高速に圧縮処理を行うことができる。しかし、JBIG方式によると、LZS方式またはLZW方式などの他の方式に比べて圧縮率があまり高くなく、特に中間調のデータが増えた場合に圧縮率が低下する。
また、特許文献2の方法では、画素ごとに値を決定するので、それだけでは情報量が減らない。したがって、情報量を減らすためには別途圧縮する手段が必要である。
いずれにしても、従来においては、階調画像をプリンタに転送する場合に、擬似階調化された画像データを圧縮して転送するか、または擬似階調化される前の階調画像を圧縮して転送している。前者の擬似階調画像を圧縮する場合には、擬似階調画像成分を含んだデータを統計処理するため処理が複雑であり、抽出できる画像成分が限られることがある。後者の階調画像を圧縮する場合には、後で行われる擬似階調化によって失われてしまう成分までをも含めて送ることになるので、圧縮率と画質の両立が困難である。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、階調画像をプリンタに転送する場合などにおいて、画像データを圧縮したときに圧縮された画像の画質が維持されているか否かをチェックすることによって、画質を維持しつつ高い圧縮率で圧縮することのできる画像データの圧縮方法および装置を提供することを目的とする。
本発明に係る圧縮方法は、階調性を有する画像データの圧縮方法であって、前記画像データを所定の領域ごとに区画し、各領域における画素の濃度に関する代表値を求める第1のステップと、各領域について、当該領域の代表値および補間ルールを適用して当該領域に含まれる各画素の濃度を求める第2のステップと、前記画像データおよび前記画像データを擬似階調化する際に用いるディザパターンを用いて、前記第2のステップで求めた各画素の濃度に基づいて得られる画像の再現性の良否を検査する第3のステップと、前記第3のステップの検査により再現性が良となった領域について、前記第1のステップで求めた代表値に基づいて符号化を行う第4のステップとを有してなる。
好ましくは、前記各画素の濃度に基づいて得られる画像は、前記各画素の濃度に基づく仮想階調画像を前記ディザパターンを用いて擬似階調化して得られる擬似階調画像である。また、前記代表値は、当該領域内における特定の画素の濃度値、または当該領域内における複数の画素の濃度値の中間値、または当該領域内の特定の画素を含むその周辺の画素の濃度値の中間値である。また、前記代表値は、前記ディザパターンのしきい値が前記画像データの濃度値よりも大きい場合のしきい値の最小値Kと、前記ディザパターンのしきい値が前記画像データの濃度値よりも小さい場合のしきい値の最大値Jとの間の値である。
補間ルールとして、当該領域に含まれる各画素の濃度値が当該領域の代表値に等しいとする処理、当該領域の代表値および当該領域に隣接する1つまたは複数の領域の代表値を用いて、当該領域に含まれる各画素の濃度を補間により得る処理などを用いることが可能である。
また、本発明に係る圧縮方法は、階調性を有する画像データの圧縮方法であって、前記画像データを所定の領域ごとに区画し、各領域における画素の濃度に関する代表値を求める第1のステップと、各領域について、当該領域の代表値および補間ルールを適用して当該領域に含まれる各画素の濃度を求める第2のステップと、ディザパターンを用いて前記画像データを擬似階調化した場合に得られるドットの配列パターンである第1ドットパターンと前記第2のステップで求めた各画素の濃度を当該ディザパターンを用いて擬似階調化した場合に得られるドットの配列パターンである第2ドットパターンとを比較して当該第1ドットパターンと当該第2ドットパターンとの違いを示す値である不一致値を求め、当該不一致値と所定の判断基準値とに基づいて、圧縮データの生成に前記第1のステップで求めた代表値を用いるか否かを領域ごとに決定する第3のステップと、前記圧縮データの生成に代表値を用いると決定された領域については当該領域の代表値を用いて当該圧縮データの生成のための処理を行う第4のステップと、を有してなる。
本発明に係る装置は、前記画像データを所定の領域ごとに区画し、各領域における画素の濃度に関する代表値を求める第1の手段と、各領域について、当該領域の代表値および補間ルールを適用して当該領域に含まれる各画素の濃度を求める第2の手段と、前記画像データおよび前記画像データを擬似階調化する際に用いるディザパターンを用いて、前記第2の手段で求めた各画素の濃度に基づいて得られる画像の再現性の良否を検査する第3の手段と、前記第3の手段の検査により再現性が良となった領域について、前記第1の手段で求めた代表値に基づいて符号化を行う第4の手段とを有してなる。
また、本発明に係る圧縮方法は、階調性を有する画像データの圧縮方法であって、前記画像データを所定の領域ごとに区画し、各領域における画素の濃度に関する代表値を求める第1のステップと、各領域について、当該領域の代表値および補間ルールを適用して当該領域に含まれる各画素の濃度を求める第2のステップと、ディザパターンを用いて前記画像データを擬似階調化した場合に得られるドットの配列パターンである第1ドットパターンと前記第2のステップで求めた各画素の濃度を当該ディザパターンを用いて擬似階調化した場合に得られるドットの配列パターンである第2ドットパターンとを比較して当該第1ドットパターンと当該第2ドットパターンとの違いを示す値である不一致値を求め、当該不一致値に基づいて判断基準値を決定する第3のステップと、前記不一致値と前記判断基準値とに基づいて、圧縮データの生成に前記第1のステップで求めた代表値を用いるか否かを領域ごとに決定する第4のステップと、前記圧縮データの生成に代表値を用いると決定された領域については当該領域の代表値を用いて当該圧縮データの生成のための処理を行う第5のステップと、を有してなる。
また、本発明に係る圧縮方法は、階調性を有する画像データの圧縮データを生成するための画像データ圧縮方法であって、前記画像データを所定の領域ごとに区画し、前記画像データの特徴を抽出するためのモデル化処理を行うことによって、前記領域ごとに当該画像データからモデル化データを生成し、閾値に基づいて前記モデル化データからデータを間引く間引処理によって生成される間引済データのデータ量を試算し、当該データ量が所定の目標データ量以下になるような、そのような閾値である間引閾値を求め、求めた前記間引閾値に基づいて前記間引処理を実行することによって前記間引済データを生成し、生成した前記間引済データを前記圧縮データとして出力し、前記モデル化処理において、前記領域の一つである注目領域に着目した場合に、当該注目領域の代表値を決定し、当該注目領域の代表値および補間ルールを適用して当該注目領域に含まれる各画素の濃度である補間濃度を求め、ディザパターンを用いて前記補間濃度を擬似階調化した場合に得られる当該注目領域についてのドットパターンである再現ドットパターンと、当該注目領域における前記画像データを当該ディザパターンで擬似階調化した場合に得られるドットパターンである擬似階調画像ドットパターンとを比較し、前記再現ドットパターンと前記擬似階調画像ドットパターンとが同じであった場合には当該注目領域の代表値を求めることができる前記モデル化データを生成し、当該再現ドットパターンと当該擬似階調画像ドットパターンとが同じでなかった場合には一致したドットの個数である一致ドット数または一致しなかったドットの個数である不一致ドット数、当該注目領域の代表値、および当該擬似階調画像ドットパターンを求めることができる前記モデル化データを生成し、前記間引処理において、前記注目領域に着目した場合に、前記モデル化データによって求めることができる前記一致ドット数または前記不一致ドット数と前記間引閾値との比較に基づいて、前記間引済データの生成に当該モデル化データによって求めることができる代表値を求めるための前記代表値導出値を用いるかまたは当該モデル化データによって求めることができる前記擬似階調画像ドットパターンを用いるかを決定し、前記間引済データの生成に前記代表値導出値を用いると決定した場合は当該代表値導出値を用いて当該注目領域の間引済データを生成し、前記間引済データの生成に前記擬似階調画像ドットパターンを用いると決定した場合は当該擬似階調画像ドットパターンを用いて当該注目領域の当該間引済データを生成する。
本発明によると、階調画像をプリンタに転送する場合などにおいて、画像データを圧縮したときに圧縮された画像の画質が維持されているか否かをチェックすることによって、画質を維持しつつ高い圧縮率で圧縮することが可能となる。
〔システム全体の構成〕
図1は本発明に係る画像データの圧縮方法を適用したプリントシステム1の全体構成を示す図、図2はプリントシステム1における画像データの概略の流れを示すフローチャートである。
なお、以下において、「画像データ」「階調画像データ」「擬似階調画像データ」などについて、「データ」を省略し、「画像」「階調画像」「擬似階調画像」などと記載することがある。
図1において、プリントシステム1は、コンピュータ本体11、ディスプレイ12、プリンタ13、キーボード14、およびマウス15などから構成される。
コンピュータ本体11は、外部から入力された画像データまたは内部で生成した画像データ(原画像データ)などを圧縮してプリンタ13に転送する。画像データFDは、例えばRGBまたはCMY各色256階調の階調画像データである。
すなわち、図2において、コンピュータ本体11において、対象となる階調画像について(#11)、圧縮を行って圧縮データを生成し(#12)、圧縮データをプリンタ13に転送する(#13)。プリンタ13において、圧縮データを復元し、それを擬似階調化し、印刷する(#14)。このように、プリンタ13においては、通常、圧縮データを復元した後、擬似階調化を行って2値画像または多値画像に変換してから印刷する。ステップ#12での圧縮方法として、本実施形態では以下に説明する代表値を用いる圧縮方法(代表値圧縮方法)を説明するが、種々の性質を有したパラメータを代表値として用いることにより、他の圧縮方法、例えばJPEGなどの離散コサイン変換による圧縮方法を適用することも可能である。
本実施形態において、画像データFDの圧縮は次の手順で行われる。
(1) 画像データFDを所定の領域(ブロック)ごとに区画し、各領域における画素の濃度に関する代表値を求める(第1のステップ)。なお、代表値を「a」または「AP」で表すことがある。
(2) 各領域について、当該領域の代表値および補間ルールを適用して当該領域に含まれる各画素の濃度を求める(第2のステップ)。
(3) 画像データFD、および画像データFDを擬似階調化する際に用いるディザパターンDPを用いて、第2のステップで求めた各画素の濃度に基づいて得られる画像の再現性の良否を検査する(第3のステップ)。
(4) 第3のステップの検査により再現性が良となった領域について、第1のステップで求めた代表値に基づいて符号化を行う(第4のステップ)。
ところで、擬似階調化は、ハーフトーン化と呼称されることもある。擬似階調化された画像は、擬似階調画像、ハーフトーン画像などという。擬似階調化として、2値化または4値化などの多値化を行う。本実施形態においては、ディザパターンDPを用いて、必要な擬似階調画像を生成することのできる代表値aを求める。代表値aを求め、これを階調画像に代えて用いることにより、大幅なデータ圧縮が実現される。求めた代表値aは、さらに種々の手法により符号化される。符号化により圧縮した圧縮データD2は、プリンタ13に送信される。プリンタ13は、受信した圧縮データD2について、代表値aを求めるために用いたディザパターンDPなどを参照して2値画像または多値画像(ハーフトーン画像)を復元し、用紙などにプリントアウトする。
本実施形態において、圧縮処理に際しては、擬似階調画像をディザパターン情報成分と画像情報成分とに分離する。そして、画像情報成分のみを取り出し、ハフマン法による符号化処理を行って圧縮データD2とする。ディザパターン情報成分は圧縮データD2に含めない。因みに、従来においては、ディザパターン情報成分と画像情報成分の両方をまとめて圧縮処理を行っていた。
すなわち、擬似階調化の処理を解析した結果、擬似階調化によって、主に中間調では解像度成分は失われてしまう。失われてしまうデータまでは必要がないので省略することができる。実際に600dpiの画像データを擬似階調化した場合に、中間調の多くの部分では、実際にはその10分の1(60dpi)程度の解像度の再現しかなされていない。もしこの部分の解像度を10分の1に落とすことができれば、画像データは100分の1にすることができる。しかし、単純に解像度を10分の1にしてしまっては画質が低下してしまう。解像度を下げても画質が低下しない部分と低下する部分とを区別して、必要に応じて解像度を落とすことができれば、画質を落とすことなく、必要な情報量を大幅に減らすことができる。解像度を落とさなかった部分については、1)擬似階調化後の画像データを送る、2)解像度を落とした画像との差分データを送る、3)前回より解像度を上げて再トライする、のいずれかを選択する。文字などコントラストが高い画像が混在する場合には1)の方法を、主に階調画像を扱う場合には2)の方法をとる方がよい圧縮が得られる。
プリンタ13での印刷に必要な擬似階調画像を得るためには、解像度を落とした部分については画像データをディザパターンDPによって擬似階調化すればよい。解像度を落とさなかった部分については、それぞれ圧縮処理と逆の操作を行うことで擬似階調画像を得る。
本実施形態では、その圧縮処理の過程において、区画された領域のうちの1つの領域である注目領域について、仮の代表値を定める。定めた仮の代表値またはそれと当該注目領域に隣接する1つまたは複数の領域の代表値とを用い予め定められた補間ルールにしたがって当該注目領域における各画素の濃度を補間して求める。ディザパターンを用いて擬似階調化を行った場合に当該注目領域における擬似階調画像が再現される場合は、その仮の代表値を当該注目領域の真の代表値aとして決定する。再現されない場合は、所定のルールに従って代表値を決定する。例えば、最も再現性の良い場合の仮の代表値を求めてそれを真の代表値aとして決定する。
代表値aが決定された領域に隣接する領域を次の注目領域とし、注目領域を順次移動させて全ての領域について代表値aを決定する。最初に注目領域とした領域については、既に代表値aの決定された領域が存在しないので、その注目領域における周辺部または端部、特に頂点部に位置する画素の濃度値などを考慮して代表値aを決定すればよい。
さて、第1のステップでの代表値(仮の代表値)の求め方として、種々の手法があるが、その例を次に示す。
(1) 当該領域内における特定の画素の濃度値を代表値とする。
(2) 当該領域内における複数の画素の濃度値の中間値を代表値とする。この場合に、平均値、加重平均値、2乗平均値などを用いてもよい。また、特異点を除いた値について平均などを求めてもよい。
(3) 当該領域内の特定の画素を含むその周辺の画素の濃度値の中間値を代表値とする。
(4) ディザパターンのしきい値が画像データFDの濃度値よりも大きい場合のしきい値の最小値KとディザパターンDPのしきい値が画像データFDの濃度値よりも小さい場合のしきい値の最大値Jとの間の値を代表値とする。
また、第2のステップで、代表値を用いて領域内の各画素の濃度を求める。その際に用いる補間ルールHRとして、種々のルールまたは処理があるが、その例を次に示す。
(1) 当該領域に含まれる各画素の濃度値が当該領域の代表値に等しいとする。
(2) 当該領域の代表値および当該領域に隣接する1つまたは複数の領域の代表値を用いて、当該領域に含まれる各画素の濃度を補間する。
(3) 当該領域の代表値および注目領域に隣接する2つの領域のそれぞれの代表値の合計3つの代表値で定義される平面によって各画素の濃度を補間する。
(4) 当該領域の代表値および当該領域に隣接する3つの領域のそれぞれの代表値の合計4つの代表値で定義される曲面(ねじれ面)によって各画素の濃度を補間する。
(5) 当該領域の代表値および当該領域に隣接する複数の領域のそれぞれの代表値で定義されるスプライン曲面によって各画素の濃度を補間する(スプライン補間)。また、スプライン補間に代えて多項式補間とする。
これらの補間ルールHRを示す際に、それぞれの番号を符号に追加して、例えば「補間ルールHR1」などと表すことがある。
補間ルールHRを表現する方法として、文章で記述する他、補間式、補間テーブルなどで表現する方法などがある。なお、補間ルールHRは、圧縮処理や復元処理の前提として予め共通に定めておいてもよく、また、原画像データの種類などに応じて異なる補間ルールHRを適用して圧縮処理を行い、圧縮処理に用いた補間ルールHRを復元処理を行う側に通知するようにしてもよい。補間ルールHRは、具体的には、例えば補間ルールを実行する処理回路やプログラムまたは変換テーブルなどによって実現可能である。
また、第3のステップで、画像の再現性の良否を検査(チェック)するが、その際に、例えば、画像データFDについてのディザパターンDPによる擬似階調画像D1と、領域内の各画素の濃度に基づく仮想階調画像をディザパターンDPを用いて擬似階調化して得られる擬似階調画像D1Kとを比較し、両者の誤差が所定の誤差範囲内であるか否かを判断する。
そのような誤差範囲として、例えば、両擬似階調画像の間で一致していない画素の総画素数に対する割合、または一致していない画素の個数(不一致ドット数)などを判断のしきい値として用いる。そして、例えば、画像データFDが文字画像データである場合の誤差範囲を、画像データFDが写真画像データである場合の誤差範囲よりも小さく設定する。例えば、一致していない画素の総画素数に対する割合のしきい値とし、写真画像の場合に15%程度から50%程度の範囲から、文字画像の場合に5%程度から15%程度の範囲から、それぞれ選定する。なお、両擬似階調画像が完全に一致する必要がある場合、つまり誤差を許さない場合には、しきい値を「0」とすればよい。反対に、圧縮率を上げる必要がある場合は、しきい値を大きな値に設定すればよい。
因みに、写真画像の場合では、100dpi程度の解像度があれば写真として見ることができるが、文字画像の場合では、文字の端部のはねやはらいなどがあり、ドットが少しでも欠けると別の文字に見える場合がある。そのため、写真よりも文字の方が解像度に対する要求が厳しいのである。
なお、擬似階調化に際して、文字領域または画像領域など、領域の種類に応じて複数のディザパターンを切り替えて用いることがある。
また、第4のステップで、再現性が良であった領域については求めた代表値に基づいて符号化を行う。再現性が否となった領域については、他のデータ、例えば当該領域の画像データFDに基づいて符号化を行う。
符号化を行う場合に、代表値をそのまま符号化してもよいが、これに代えて、例えば、隣り合う領域間の代表値の差分情報を求め、求めた差分情報を符号化することによって圧縮データD2を得る。これによって圧縮率をさらに向上させることができる。
このように、コンピュータ本体11において、各領域について求めた代表値を用いた場合に、元の画像データFDの再現性が良好である場合には、その代表値を用いて圧縮データD2を生成し、再現性が良好でない場合には、代表値を用いることなく、再現性の良好な画像データを用いて圧縮データD2を生成する。これによって、画質を落とすことなく、プリンタ13に送信すべきデータ量を減少させることができる。
図1に戻って、コンピュータ本体11は、得られた圧縮データD2をプリンタ13に送信する。コンピュータ本体11は、また、ディザパターンに関する情報、およびハフマン法による復元(復号)のためのテーブルであるデコード表DCを、プリンタ13に予め送信する。各領域における各画素の濃度を補間して求めるための上に述べた補間ルールHRについても、必要に応じてプリンタ13に予め送信する。
プリンタ13では、コンピュータ本体11から送信された圧縮データD2から、各領域の代表値aを取得し、予め定められた補間ルールHRにしたがって、当該注目領域における各画素の濃度を補間して求め、これによって仮想階調画像を得て、この仮想階調画像に対して、ディザパターンを用いて擬似階調化を行って擬似階調画像D1を復元する。
コンピュータ本体11として、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、その他の種々のコンピュータが用いられ、プリンタ13として、ラスタプリンタ、GDIプリンタ、その他の種々のプリンタが用いられる。
〔第一の実施例〕
次に、第一の実施例におけるコンピュータ本体11の圧縮処理について説明する。なお、本実施例は、「特許請求の範囲」における「請求項1」から「請求項21」までの発明に対応する。以下、「特許請求の範囲」を省略し、単に「請求項」と記載する。
図3はコンピュータ本体11の機能的な構成を示すブロック図、図4はプリンタ13の機能的な構成を示すブロック図、図5はコンピュータ本体11の圧縮処理の概略を示すフローチャート、図6はコンピュータ本体11の圧縮データ作成部の機能を示すブロック図、図7は区画された領域TLを説明するための図、図8は領域TLとディザパターンDPの例を示す図、図9は各領域TLにおける代表値aの位置の例を示す図、図10は代表値の求め方を説明するための図である。なお、画像データは2次元であり、各領域TLも2次元としているが、図10においては説明の簡便化のために1次元の領域TLを模式的に示した。
図3に示すように、コンピュータ本体11は、画像データベース150、ディザパターン記憶部160、および圧縮データ作成部100などから構成される。
画像データベース150は、階調性を有した多数の画像データ(原画像データ)FD1、FD2、…FDnを保持する。画像データFD1〜nの全部または一部を「画像データFD」と記載することがある。なお、画像データFDの多くはカラー画像であり、その場合に、1つの画像データFDが、C(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色の画像データによって構成される。画像データFDは、例えば、スキャナ、デジタルカメラ、その他外部から入力し、または内部で編集したり生成することによって得られる。
ディザパターン記憶部160は、複数種類のディザパターンDP11〜13、DP21〜23、DP31〜33、DP41〜43を保持する。これらの全部または一部を「ディザパターンDP」と記載することがある。
ディザパターンDPは、C、M、Y、Kの各色について、文字領域用ディザパターンDP11、21、31、41、画像領域用ディザパターンDP12、22、32、42、およびチャート領域用ディザパターンDP13、23、33、43などがそれぞれ設けられている。
圧縮データ作成部100は、上に説明したステップ1〜4を実行する。以下、圧縮データ作成部100の機能および処理を図5〜10を参照して説明する。
〔領域の区画〕
図5および図6において、まず、画像データFDを所定の領域TLごとに区画(ブロック化)する(#21)。領域TLは、例えば図7に示すように、96個(6×16個)の画素TPからなる矩形の領域である。図7の例では、画像データFDの全体の領域が、左上から右方へ順に、領域TL11、TL12、TL13、…というように、次の行についてTL21、TL22、TL23、…というように、TLmnまで、それぞれブロックに区画されている。
図8(a)には、この領域TLの画像データFDを図8(b)に示すディザパターンDPによって擬似階調化して得られる擬似階調画像のドットの配列パターン(ドットパターン)が示されている。
図8において、領域TLの黒の画素が、ドットが打たれた画素である。画像データFDの各画素の濃度値が、図8(b)に示すディザパターンDPの対応する画素の閾値以上であったときに、その画素にドットが打たれる。つまり、濃度値が大きいほど濃度が高いものとして扱う。なお、図8の例では、領域TLのサイズがディザパターンDPのサイズと同じとなるように区画した例を示したが、これらのサイズが互いに異なってもよい。
〔代表値の求め方〕
次に、各領域における代表値aを求める(#22)。本実施例では、各領域TLにおける端部(頂点部)に位置する画素の濃度値(画素値)を代表値aとする。
すなわち、図9において、画像データFDの一部について、各領域TLにおける代表値aの位置である代表値位置APが示されている。各領域TLmnの代表値位置APmnは、それぞれの領域TLmnにおける右下端に位置する。画像データFDの領域外においても、領域TLと同様な区画を行ったと仮定した場合のそれぞれの右下端に代表値位置APがある。なお、代表値aの値を代表値位置を示す符号である「APmn」で代用して示すことがある。
図10において、擬似階調画像D1,D1Kについて、それぞれ5つの画素TPからなる1次元の領域TL1,2,3…が示されている。ここでは、擬似階調画像D1,D1Kは2値画像であるとする。それぞれの画素TPは、2値であるため、白または黒で示されている。例えば領域TL1では、各画素TPの値は、白、白、白、黒、黒である。
なお、擬似階調画像D1は、図に示す画像データ(原画像データ)FDを、同じく図に示すディザパターンDPを用いて2値化処理を行うことにより得られたものである(#24B)。つまり、画像データFDがディザパターンDPのしきい値以下であれば「白」、しきい値を越えれば「黒」となる。
まず、最初の代表値AP0を決める。最初の代表値AP0は、画像データFDの領域外であるので、どのような値でもとり得るが、領域TL1の左端の画素TPの濃度値(ハーフトーンデータ)、ディザパターンDPのしきい値などに対応して適当な値とする。
次に、領域TL1の代表値AP1を決める。代表値AP1は、領域TL1における端部に位置する画素の濃度値とする。以降の領域TL2,3…についても、端部の画素の濃度値を各領域TLの代表値AP2,3…とする。
そして、各領域TLについて、当該領域の代表値APおよび補間ルールHRを適用して当該領域に含まれる各画素の濃度を求める(#23)。ここでは、補間ルールHRとして、直線補間を行うこととしている。つまり、隣合う2つの代表値APを直線LAで結ぶことによって、各画素の濃度値を求める。図10において白丸で示した位置が各画素の濃度値である。なお、各画素の濃度値からなる仮想階調画像は、これを連続的に表した場合には直線LAそれ自体となる。したがって、仮想階調画像を「LA」で示すことがある。
求めた各画素の濃度値からなる各仮想階調画像LAに対して、ディザパターンDPを用いて擬似階調化することによって、図10に示す擬似階調画像D1Kが得られる(#24A)。なお、この擬似階調画像D1Kは、代表値APに基づいて再構成されたものであるので、「再構成画像」ということがある。
そして、再構成画像である擬似階調画像D1Kの再現性の良否を検査する(#24)。再現性の良否は、擬似階調画像D1と再構成画像D1Kとを比較することによって行う(#24C)。両者の誤差が所定の誤差範囲内であれば良とし、所定の誤差範囲を越えていれば否とする(#25)。
図10において、領域TL1および領域TL2については、両者は完全に一致しており、再現性に問題はなく、良である。しかし、領域TL3については、1番目と3番目の画素TPの値が互いに逆となっており、誤差は2画素である。
この場合に、誤差「2」が所定の誤差範囲内であれば、これを許容して再現性は良であるとする。誤差「2」が所定の誤差範囲を越えていれば、再現性は否であるとする。所定の誤差範囲は、上に説明したように種々設定することができるが、例えば誤差範囲が「15」%に設定されている場合には、5画素中2画素の誤差は40%であるので、「否」と判断される。
なお、再現性の良否の検査のために、擬似階調画像D1と再構成画像D1Kとの誤差を求めたが、これ以外の種々の方法を採用することが可能である。例えば、代表値APから求めた各画素の値(濃度値)と原画像データFDの画素の値とを比較して、両者がディザパターンDPのしきい値に対して同じ側にあるか反対側にあるかをチェックしてもよい。つまり、両者がディザパターンDPのしきい値に対して同じ側にあれば、いずれを用いても擬似階調化した後の画像は同じになるが、両者がしきい値に対して反対側にある場合には誤差となるので、反対側にある画素の個数をチェックすることによって再現性の良否を判断できる。
再現性が良である場合に、求めた代表値APに基づいて符号化を行う(#26)。符号化の処理においては、入力されるデータ、つまり、代表値APの差分、ドット数の差分、および属性コードなどを、ハフマン法によって符号化する。ハフマン法による圧縮は、信号の頻度分布が大きく変化しない対象に対して非常に有効である。
再現性が否である場合には、代表値APに代えて、他の処理を行った画像データを用いて符号化を行う(#27)。例えば、領域TLの画像データFDそれ自体を用いる。
なお、代表値APは画像の濃度に関係する値であるので、隣接する領域との間で関連が深く、近隣の領域においては代表値APが互いに接近している。つまり、近隣の領域では濃度の差分が小さく、そのため代表値APの差が小さい、という性質がある。したがって、ある領域TLの代表値APについて、その直前に求めた領域TLの代表値APとの差をとると、多くの場合に差が「0」となり、差の統計的な頻度の偏りが大きくなる。つまり、代表値APそれ自体に代えて、代表値APの差分を用いることにより、ハフマン法の符号化において高い圧縮率で圧縮することが可能となる。逆に言えば、差分ができるだけ0に近くなるように、そのような代表値aを可能な範囲で選択することが望ましい。
代表値APの変化が大きいと判断された領域TLでは、代表値APの差分のほかに、プリンタ13側で分かるように切り替え信号を出力する。その後、その領域TLの画像データFDを出力する。画像データFDをそのまま出力してもよいが、符号化したときの圧縮率を稼ぐため、補間によって得られた画素値と原画像の画素値との差分を符号化する。原画像が写真画像である場合は、近隣領域の差分が小さい場合が多くなるので、符号化によって圧縮することができる。原画像が文字混在画像であるような場合は、その領域の擬似階調画像、または原画像データそれ自体を符号化した方がよい結果が得られる。
画像データFDの全ての領域TLについて、上に述べた処理を繰り返す(#28)。
〔復元処理〕
次に、プリンタ13における復元処理について説明する。
図4において、プリンタ13は、ディザパターン記憶部360、データ復元部300、デコード表記憶部370、およびラインバッファ380などから構成される。
ディザパターン記憶部360は、コンピュータ本体11のディザパターン記憶部160に記憶されているディザパターンDPと同様のものを保持している。このディザパターンDPは、コンピュータ本体11から予め送信されたものであるが、同じディザパターンDPを適当なメモリに格納したものを予めプリンタ13に内蔵しておいてもよい。
デコード表記憶部370は、コンピュータ11から送信されたデコード表DCを格納する。
データ復元部300は、所定のディザパターンDP、デコード表DC、および補間ルールHRを参照して、コンピュータ11から受信した圧縮データD2を復元し、ドットパターンを再現する。なお、データ復元部300には、圧縮データ作成部100で用いる補間ルールHRと同じ補間ルールHRが、それを実行する処理回路やプログラムなどとして設けられている。
ラインバッファ380では、データ復元部300より送られた2値画像データが一時的に格納される。ラインバッファ380に格納された2値画像データは、例えば6行分ごとに出力され、用紙にプリントアウトされる。
〔圧縮処理および復元処理の他の例〕
次に、圧縮処理の他の例および復元処理について、図11および図12のフローチャートによって説明する。
図11は圧縮処理の他の例の概略を示すフローチャート、図12は復元処理の例の概略を示すフローチャートである。
図11において、領域TLごとに区画された画像データFDについて(#51)、各領域の代表値APを求める(#52)。代表値APから各画素の濃度を求める(#53)。仮想階調画像を擬似階調化した値と画像データFDを擬似階調化した値とが一致するか否かを判断する(#54)。一致しない場合には、カウンタをインクリメントする(#55)。これらを領域内の全ての画素について繰り返す(#56)。
カウンタの値が所定の値(この例では「2」)以下であれば(#57でイエス)、代表値APの差分を符号化して出力する(#58)。カウンタの値が所定の値を越えていれば、代表値APの差分を符号化して出力し(#59)、切り換え符号を出力し(#60)、領域内の画像データFDを符号化して出力する(#61)。これらを画像データFDの全ての領域について繰り返す(#62)。
図12において、圧縮データを受信すると(#71)、切り替え符号があるか否かをチェックし(#72)、ある場合には、領域内の画像データFDを復号化して出力する(#77)。切り替え符号がない場合には、代表値APを復号化し(#73)、代表値APから各画素の濃度値を算出し(#74)、それをディザパターンDPのしきい値と比較して2値化する(#75)。領域内の全ての画素について繰り返し、擬似階調画像を生成して出力する(#76)。これらを画像データFDの全ての領域について繰り返す(#78)。
〔擬似階調画像が多値である場合〕
上の例では、擬似階調画像が2値である場合について説明した。この圧縮方法(代表値圧縮方法)は、擬似階調画像が多値である場合にも同様に適用することができる。
次に、擬似階調画像が4値の画像データである場合について説明する。この場合においても2値の画像データを圧縮する場合と基本的には同じである。したがって、上での説明および図面は、ここでもほぼ同様に適用することができる。ここでは主な相違点についてのみ説明する。なお、説明の簡便化のために、領域TLが1次元の領域であるとする。
図13は4値の画像データ(4値画像データ)の代表値の求め方を説明するための図、図14は4値画像データD5を説明するための図である。
ここでの相違点は、4値では、それぞれの画素に3つのしきい値があり、擬似階調画像D5の画素がそれぞれ4つの値(階調値)をとり得るという点である。代表値APを補間して得た画素値と、元の画像データFDの画素値とが、それぞれの画素位置におけるしきい値で区切られた同じ側にあるか否か、同じ側にない場合にはその画素数がいくらかをカウントして判断する。
図14に示すように、4値の場合には、各状態「0」「1」「2」「3」に対応して、例えばプリンタのレーザの発光時間を制御(パルス幅制御)することによって、画素の濃度を4段階に変化させることができる。このように、これらの状態「0」「1」「2」「3」は、階調値に対応している。
すなわち、状態「0」では、レーザが発光せず、その画素は「白」となる。状態「1」では、レーザ光は画素幅の約3分の1の時間だけ発光し、画素の約3分の1の領域が「黒」となる。同様に、状態「2」または「3」では、それぞれ、レーザ光は画素幅の約3分の2または約3分の3の時間だけ発光し、画素の約3分の2の領域または全体が「黒」となる。つまり、状態の値に対応して4階調の濃度が得られる。4階調を表す4つの状態は、2ビットで表すことができる。したがって、8ビットによって、4階調の画素を4個表すことができる。
なお、レーザの発光時間、それによって打たれるドットの大きさ、および、それをマクロ的に見た濃度について、これらの相互関係は複雑であり、上に述べた例は説明のための単なる例である。
ディザパターンDPのしきい値は、0〜255の範囲の値であり、各画素に対して3つのしきい値が設定されている。各画素において、3つのしきい値に対して、低い順に、「1」「2」「3」のインデックス(番号)がそれぞれ与えられている。インデックスが「1」である最も低いしきい値よりも小さい濃度の画像データFDは、状態「0」となる。インデックス「1」のしきい値とインデックス「2」のしきい値との間の濃度の画像データFDは、状態「1」となる。インデックス「2」のしきい値とインデックス「3」のしきい値との間の濃度の画像データFDは、状態「2」となる。インデックスが「3」である最も高いしきい値よりも大きい濃度の画像データFDは、状態「3」となる。通常、画素が異なれば、同じインデックスに対するしきい値も異なる。なお、図14において、画像データFDに対応して仮想階調画像LAが示されている。
図13において、まず、最初の代表値AP0を決める。次に、領域TL1の代表値AP1を決める。代表値AP1は、領域TL1における端部に位置する4番目の画素の濃度値とする。補間ルールHRが直線補間であるとして、隣合う2つの代表値AP0,AP1から各画素の濃度値を補間により求める。図13において白丸で示した位置が各画素の濃度値である。
図13に示す例では、各画素の濃度値は、領域TL1内の全ての画素について、ディザパターンDPのしきい値に対して画像データFDと同じ側にある。したがって、誤差は0であり、つまり再現性は良好であり、領域TL1内の画像データFDを代表値APで置き換えることができる。
〔領域内の画素値が代表値に等しいとした補間ルール〕
上に述べた例では、各領域内の画素値を、複数の代表値APを用いて補間により求めた。次に、領域内の各画素の濃度値が当該領域の代表値APに等しいとする補間ルールHR1を適用した例について説明する。
図15は領域内の画素値が代表値に等しいとした補間ルールHR1を説明するための図、図16は圧縮処理の他の例の概略を示すフローチャート、図17は復元処理の他の例の概略を示すフローチャートである。
図15において、擬似階調画像D1,D1Kについて、それぞれ5つの画素TPからなる1次元の領域TL1,2,3…が示されている。ここでは、擬似階調画像D1,D1Kは2値画像であるとする。
まず、最初の領域TL1について、そこに含まれる画素TPの濃度値は代表値AP1に等しい。したがって、領域TL1における仮想階調画像LB1は水平な直線となる。同様に、2、3番目の領域TL2、3についても、それぞれの仮想階調画像LB2,3は水平な直線となる。これらの仮想階調画像LB1,2,3を、ディザパターンDPを用いて擬似階調化すると、擬似階調画像D1Kが得られる。
図15において、領域TL1および領域TL2については、両者は完全に一致しており、再現性に問題はなく、良である。しかし、領域TL3については、1番目と3番目の画素TPの値が互いに逆となっており、誤差は2画素である。
このように、補間ルールHR1を適用した場合には、実質的な補間計算は行わないので、他の補間ルールHRの場合と比較すると計算量は最も少ない。また、領域TL3のように、代表値APを用いると画質が低下する領域TLにおいては、代表値APを出力する必要がない。つまり、後で示す図16のフローチャートのステップ#116を省略してもよい。
図16において、領域TLごとに区画された画像データFDについて(#101)、各領域の代表値APを求める(#102)。代表値APから各画素の濃度を求める(#103)。仮想階調画像を擬似階調化した値と画像データFDを擬似階調化した値とが一致するか否かを判断する(#104)。一致しない場合には、カウンタをインクリメントする(#105)。これらを領域内の全ての画素について繰り返す(#106)。
カウンタの値が所定の値N以下であり(#107でイエス)、代表値差分が0であれば(#108でイエス)、連続回数を示す変数nを1つ加算する(#109)。変数nの値が「ndz」になった場合に(#110でイエス)、代表値差分「0」がndz回続いたことを示す連続信号を符号化して出力し(#111)、変数nを「0」に初期化する(#112)。
ステップ#108でノーの場合、つまり代表値差分が0でない場合には、代表値差分「0」をそれまでの回数分つまりn回符号化して出力し(#113)、変数nを「0」に初期化し(#114)、代表値差分を出力する(#115)。
ステップ#107でノーの場合、つまりカウンタの値が所定の値Nを越えている場合には、代表値差分を符号化して出力し(#116)、切り換え符号を出力し(#117)、領域内の画像データFDを符号化して出力する(#118)。これらを画像データFDの全ての領域について繰り返す(#119)。
図17において、圧縮データを受信すると(#131)、切り替え符号があるか否かをチェックし(#132)、ある場合には、領域内の画像データFDを復号化して出力する(#143)。切り替え符号がない場合には、連続信号があるか否かをチェックし(#133)、ある場合には、代表値差分から代表値APを復号化し(#138)、代表値APから各画素の濃度値を算出し(#139)、それをディザパターンDPのしきい値と比較して2値化する(#140)。領域内の全ての画素について繰り返し(#141)、且つndz回繰り返す(#142)。
連続信号がない場合には(#133でノー)、代表値差分から代表値APを復号化し(#134)、代表値APから各画素の濃度値を算出し(#135)、それをディザパターンDPのしきい値と比較して2値化する(#136)。領域内の全ての画素について繰り返す(#137)。これらを画像データFDの全ての領域について繰り返す(#144)。
なお、上に示した図16および図17のフローチャートでは、代表値APの差分が「0」となった場合の回数をカウントし、それを符号化した。このようにすると、代表値APの差分「0」の状態が連続して現れる場合が多いので、さらに圧縮率を高めることができる。
〔代表値の求め方の他の例〕
図18は代表値の求め方の他の例を説明するための図である。
図18において、まず、最初の領域TL1の代表値AP1を決める。ディザパターンのしきい値が画像データFDの濃度値よりも大きい場合のしきい値の最小値K1、および、ディザパターンDPのしきい値が画像データFDの濃度値よりも小さい場合のしきい値の最大値J1を求める。そして、最小値Kと最大値Jとの間から代表値AP1を選定する。つまり、次の(1)式、
J≦AP≦K …(1)
の条件を満たす代表値APを求める。このように、代表値APのとり得る範囲(代表値範囲)は最大値Jから最小値Kの間である。図18には、代表値範囲に入る代表値AP1の例が水平な直線APL1で示されている。
2番目の領域TL2については、最小値Kの方が最大値Jよりも小さいため、上の(1)式を満たす代表値APは存在しない。したがってこの場合は、適当な値を仮に代表値AP2とする。仮に定めた代表値AP2によって得られる擬似階調画像D1Kが、元の画像データFDによる擬似階調画像D1に対して所定の誤差範囲に入っていれば、この代表値AP2を用いる。しかし、若干の画質の低下は生じる可能性がある。誤差範囲に入っていなければ、他のデータ、例えば画像データFDそれ自体を用いる。
3番目の領域TL3については、上の(1)式を満たす代表値AP3が存在するので、そのような適当な代表値AP3を決める。
この方法で代表値APを求めた場合には、復号に際しても補間ルールHR1を用いればよい。なお、この方法によると、代表値APを決定する際に画質の低下があるか否かの判断も同時に行うことができるので好都合である。
本実施形態において、擬似階調化として2値化および4値化を行ったが、3値化、8値化、16値化など、種々の値の多値化を行うことも可能である。各領域における代表値位置は、上に述べた以外の位置、例えば領域の中央、領域の他の頂点などとすることも可能である。
〔第二の実施例〕
図19は第二の実施例の圧縮処理を説明するためのフローチャート、図20は第二の実施例の圧縮処理の概略を示すフローチャートである。
次に第二の実施例について説明する。なお、本実施例は、「請求項22」から「請求項32」までの発明に対応する。
本実施例では、図19に示すように、図5におけるステップ#21から#24に対応する処理を、まず、区画した全ての領域TLについて行う(#161から#165)。そして、再現性の良否の判断に用いる誤差範囲(間引閾値MH)を決定し(#166)、図5のステップ#25から#28に対応する処理を全ての領域TLについて行う(#167から#170)。
本実施例においては、画像データFDを、それの圧縮データD2のデータ量(サイズ)が所定の目標データ量GL内で且つその目標データ量GLに近いデータ量になるように圧縮する。そのような圧縮を実現するために、図19のステップ#161からステップ#164までの処理において、画像データFDの特徴を抽出する。一般に、圧縮に際して圧縮対象のデータの特徴を抽出することを「モデル化」と言う。従って、ここでは、ステップ#161からステップ#164までの処理を特に「モデル化処理」と呼ぶことにする。
また、ステップ#167からステップ#170までの処理では、再現性の良否を判断し、良であると判断された場合に代表値を用いて圧縮データD2を生成する。これによってデータ量が削減される。すなわち、代表値が用いられることによって画像に含まれていた情報が間引かれる。従って、ここでは、ステップ#167からステップ#170までの処理を特に「間引処理」と呼ぶことにする。さらに、この間引処理において再現性の良否の判断に用いられる誤差範囲のことを「間引閾値MH」と呼ぶことにする。これによって、本実施例の処理を図20に示すように簡略化して表すことができる。
図21は第二の実施例におけるプリントシステム1の機能的構成の例を示す図である。次に図21を参照して第二の実施例におけるプリントシステム1の機能的構成について説明する。
コンピュータ本体11には、図21に示す画像データ保存部301、ディザパターン保存部302、目標データ量保存部304、符号表保存部305、領域区画部307、モデル化データ生成部308、間引閾値決定部309、間引処理部310、符号化部311、および圧縮画像データ送信部312などの機能が設けられている。
プリンタ13には、圧縮画像データ保存部401、ディザパターン保存部402、符号表保存部404、圧縮画像データ受信部405、復号部406、および画像データ復元部407などの機能が設けられている。
図21において、画像データ保存部301は、階調性を有する画像データFDを保存する。
ディザパターン保存部302および402は、画像データFDの擬似階調化に用いられるディザパターンDPを保存する。
目標データ量保存部304は、目標データ量GLを保存する。目標データ量GLとしては、プリンタ13のメモリ容量よりも小さい値が予め設定されている。
符号表保存部305および404は、図25に示すような符号表FT1を保存する。これらの符号表FTについては、後に詳しく説明する。
圧縮画像データ保存部401は、コンピュータ本体11から送信されて来る圧縮データD2を保存する。
ユーザから印刷の指令が与えられると、コンピュータ本体11の領域区画部307は、圧縮処理の対象となる画像データFDを画像データ保存部301から取得し、それを多数の小さな領域(ブロック)に区画する。本実施例では、区画された領域を「区画領域TL」と記載する。また、各区画領域TLについて行われる処理を、一つの区画領域TLに着目して説明する場合がある。その場合、着目する区画領域TLを「注目領域TL」と記載することがある。
モデル化データ生成部308は、モデル化処理を行うことにより、画像データFDからモデル化データMDを生成する。すなわち、画像データFDをモデル化データMDに変換する。このモデル化処理は、区画領域TLごとに実行され、各領域TL1、TL2、TL3、…について、それぞれモデル化データMD1、MD2、MD3、…が生成される。以下、これらをまとめて「モデル化データMD」と記載することがある。他のデータなどについても同様である。
間引閾値決定部309は、モデル化データMDおよび目標データ量保存部304に保存されている目標データ量GLに基づいて間引閾値MHを決定する。係る決定は、例えば以下のようにして行われる。
まず、間引処理によって最もデータが間引かれない(最高画質)間引閾値MHを用いた場合の圧縮データD2のデータ量を試算する。試算したデータ量が目標データ量GLよりも小さかった場合は、その間引閾値MHを実際の間引処理に用いる間引閾値MHとして決定する。
試算したデータ量が目標データ量GL以上であった場合は、間引閾値MHの値をさらに大きくした場合における圧縮データD2のデータ量を試算する。そして、試算したデータ量が目標データ量よりも小さくなるような、そのような間引閾値MHを求め、その間引閾値MHを実際の間引処理に用いる間引閾値MHとして決定する。
間引処理部310は、間引閾値決定部309が決定した間引閾値MHとモデル化データMDとを用いて間引処理を行い、間引済データEDを生成する。すなわち、モデル化データMDを間引済データEDに変換する。
符号化部311は、間引済データEDを符号化することによって圧縮データD2を生成する。すなわち、間引済データEDを圧縮データD2に変換する。
圧縮画像データ送信部110は、圧縮データD2を、間引処理部310における間引処理に用いられた間引閾値MHとともにプリンタ13に送信する。
プリンタ13の圧縮画像データ受信部204は、コンピュータ本体11から送信されてくる圧縮データD2および間引閾値MHを受信し、圧縮画像データ保存部401に保存する。
復号部406は、圧縮画像データ保存部401に保存された圧縮データD2を取得する。取得した圧縮データD2を符号表保存部404に保存されている符号表FT1を用いて復号する。
画像データ復元部407は、復号部406によって復号されたデータから擬似階調画像データD1を生成する。これに際して、必要に応じて、圧縮画像データ保存部401に保存された間引閾値MHおよびディザパターン保存部402に保存されているディザパターンを用いる。
以下、本実施例の処理を「モデル化処理」、「間引処理」、「符号化処理」、および「間引閾値決定処理」などの項目に分けて説明する。
〔モデル化処理〕
図22は領域TLとディザパターンDPの例を示す図、図23は再現ドットパターンの例を示す図、図24は第二の実施例におけるモデル化データMDの例を示す図である。
モデル化処理では、モデル化を行うことによって、画像データFDの特徴を示すモデル化データMDを生成する。それに際して、まず、圧縮の対象となる画像データFDを領域TLごとに区画する(請求項22および23の「第1のステップ」に対応)。
本実施例においては、領域TLを図22(a)に示すような64画素(8×8画素)のサイズとする。図22(a)には、この領域TLの画像データFDを図22(b)に示すディザパターンDPによって擬似階調化して得られる擬似階調画像のドットの配列パターン(ドットパターン)であるが示されている。以下、擬似階調画像のドットパターンを「擬似階調画像ドットパターン」と記載することがある。
図22において、領域TLの黒の画素が、ドットが打たれた画素である。画像データFDの各画素の濃度値が、図22(b)に示すディザパターンDPの対応する画素の閾値以上であったときに、その画素にドットが打たれる。つまり、濃度値が大きいほど濃度が高いものとして扱う。なお、図22の例では、領域TLのサイズがディザパターンDPのサイズと同じとなるように区画した例を示したが、これらのサイズが互いに異なってもよい。
次に、区画領域TLの代表値を決定する。本実施例では、区画領域TLの代表値として、その区画領域TLに含まれるドットの個数を用いる。従って、図22(a)の例では、代表値は「10」となる。
区画領域TLの代表値が求まると、次に、その代表値および所定の補間ルールを適用してその区画領域TLに含まれる各画素の濃度を求めることによって仮想階調画像を生成する(請求項22および23の「第2のステップ」に対応)。
本実施例においては、注目領域TLに着目した場合に、代表値を用いて注目領域TLに含まれる画素の濃度値の仮想的な平均値(仮想平均値)を求める。そして、注目領域TLの濃度値が均一にその仮想平均値であるとした場合の画像を注目領域TLの仮想階調画像とする。
ところで、本実施例では、区画領域TLのサイズは64画素(8×8画素)である。この場合、ドットの個数(代表値)は、画像データFDが64階調であった場合におけるその区画領域TLの濃度値の平均値と考えることができる。従って、代表値を256/64倍することによって得られる値を、画像データFDを256階調とした場合のその区画領域TLの濃度値の仮想平均値とみなすことができる。
例えば注目領域TLの代表値が「10」であった場合、
10×256/64=36
となり、仮想平均値は「36」となる。
再現ドットパターンは、注目領域TLの濃度値が均一に上述の仮想平均値であると仮定した場合における注目領域TLの各濃度値を、ディザパターンDPによって擬似階調化することによって求められる。つまり、仮想平均値とディザパターンDPの各画素の濃度値とを比較し、仮想平均値の方が大きい画素にドットを打った場合に再現されるドットパターンが再現ドットパターンとなる。上の例を用いて仮想平均値が「36」であるとすると、図22(b)のディザパターンDPによって図23に示すような再現ドットパターンが求められる。
再現ドットパターンを求める処理と並行してまたは前後して注目領域TLについての画像データFDをディザパターンDPで擬似階調化し、擬似階調画像ドットパターンを求める。そして、求めた再現ドットパターンと擬似階調画像ドットパターンとを比較する。両者が同じであった場合は、注目領域TLの代表値を示すモデル化データMDを生成する。
再現ドットパターンと擬似階調画像ドットパターンとが同じでなかった場合は一致しなかったドットの個数である不一致ドット数、注目領域TLの代表値、および注目領域TLの擬似階調画像ドットパターンを示すモデル化データMDを生成する。
図22(a)の例では、区画領域TLの擬似階調画像ドットパターンの代表値は「10」である。この代表値と、図22(b)のディザパターンとを用いて再現ドットパターンを求めると、既に説明したとおり図23のようになる。従って、この場合は、擬似階調画像ドットパターンと再現ドットパターンとは同じではなく、その不一致ドット数は「1」となる。
全ての区画領域TLについて以上のような処理を行い、各区画領域TLのモデル化データMDを生成する。なお、モデル化データMDに代表値の代わりに、代表値を求めるための他の値を含めるようにしてもよい。例えば、直前に処理される区画領域TLの代表値との差分を用いる。
次に、本実施例におけるモデル化データMDについて図24を参照して説明する。なお、ここでは、代表値、擬似階調画像ドットパターン、および不一致ドット数を、それぞれ、「代表値AP」、「擬似階調画像ドットパターンAR」、および「不一致ドット数AN」と記載する。
図24には、区画領域TL1、TL2、TL3、…について生成されたモデル化データMDおよびそのモデル化データMDの要素である各値のデータ量(ビット数)が示される。再現ドットパターンと擬似階調画像ドットパターンARとが一致した区画領域TL(区画領域TL1、TL2、およびTL3など)については、モデル化データMDとして代表値APのみが示される。
また、両者が一致しなかった区画領域TL(区画領域TL4など)については、一致しなった旨を示すフラグである切替フラグAF(図24においては、「F」)、代表値AP、擬似階調画像ドットパターンAR(図24においては、「D」)、および不一致ドット数ANが示される。以下、再現ドットパターンと擬似階調画像ドットパターンARとが一致した区画領域TLを「一致区画領域TLx」と記載し、両者が一致しなかった区画領域TLを「不一致区画領域TLy」と記載することがある。
擬似階調画像ドットパターンARは、例えば、ドットが打たれている画素の値を「1」、打たれていない画素の値を「0」として、その区画領域TLの左上端から順に走査して求める。
モデル化データMDに示される各値のデータ量は、図24の「ビット数」の行に示される。図22のような64画素の区画領域TLにおいて代表値APが取りうる値0から64であり、合計65個(7ビット)である。これに切替フラグAFを加えて66個とし、代表値APおよび切替フラグAFを7ビットで表すことにする。
擬似階調画像ドットパターンARについては、1画素のドットを1ビットで表すことができるので、一つの区画領域TL(64画素)につき64ビットで表すことができる。
不一致ドット数導出値の取りうる値の個数は、図22のような64画素の区画領域TLにおいては64個であり、6ビットで表すことができる。
なお、区画領域TLの擬似階調画像ドットパターンARは、上記のようにして代表値APを用いて再現できる場合が多い。ある程度の不一致ドット数を許容すると、そのような区画領域TLはされに多くなる。従って、多くの区画領域TLについて64ビットのデータ量が7ビットのデータ量に減らされることになり、モデル化処理の時点でも多くのデータ量が削減されることになる。
また、本実施例では、このモデル化処理において、画像データFDからモデル化データMDを生成しながら、モデル化データMDの生成が完了した画像データFDを、圧縮の対象としてそれを読み込んだ先のメモリ領域などから順次削除していく。すなわち、画像データFDをモデル化データMDに変換する処理を行う。
〔間引処理〕
間引処理においては、間引閾値MHに基づいてモデル化データMDからデータを間引く処理を行う。ここにおいて、間引閾値MHは、間引処理による画質の劣化をどの程度まで許容するかを示す値である。本実施例では、不一致ドット数を画質の劣化の指標として用いる。従って、この間引処理では、注目領域TLに着目した場合に、モデル化データMDに含まれる不一致ドット数と間引閾値MHとの比較に基づいて、間引済データEDの生成に代表値を用いるかまたは擬似階調画像ドットパターンを用いるかを決定し、決定した方を用いて間引済データEDを生成する。なお、この間引閾値MHは、間引処理に先立って決定される。この決定方法については、「〔間引閾値決定処理〕」において後で詳しく説明する。
このような処理を行なうに際して、一つの区画領域TLについてのモデル化データMDを読み込む。読み込んだモデル化データMDに切替フラグが示されている場合は、そのモデル化データMDは、不一致区画領域TLyについてのモデル化データMDであることを意味する。この場合、そのモデル化データMDに示される不一致ドット数と間引閾値MHとを比較する。
不一致ドット数が間引閾値MH以下であれば、そのモデル化データMDに示される代表値を用いて間引済データEDを生成する(請求項22および23の「第4のステップ」および「第5のステップ」に対応する)。
不一致ドット数が間引閾値MHより大きければ、そのモデル化データMDに示される擬似階調画像ドットパターンおよび切替フラグを用いて間引済データEDを生成する。
モデル化データMDに切替フラグが示されていない場合は、そのモデル化データMDは、一致区画領域TLxについてのモデル化データMDであることを意味する。この場合は、そのモデル化データMDに示される代表値を用いて間引済データEDを生成する。
以上のような間引処理によって、モデル化データMDからさらに多くのデータ量が削減される。
また、この間引処理においても、モデル化処理と同様にして、間引済データEDを、モデル化データMDから変換することによって生成する。
〔符号化処理〕
図25は代表値差分についての符号表FT1の例を示す図、図26は循環整数を説明するための図である。
符号化処理においては、生成された間引済データEDを符号化することによって圧縮データD2を生成する。つまり、間引済データEDに示される代表値および擬似階調画像ドットパターンについての符号化を行う。代表値については、まずその代表値を求めるための代表値導出値を求め、それを符合化する。本実施例においては、この代表値導出値として、注目領域TLに着目した場合のその注目領域TLの代表値とその直前の区画領域TLの代表値との差分(代表値差分)を用いる。直前の区画領域TLについての間引済データEDに代表値が示されていない場合は、その代表値が「0」であったものとして差分を求める。すなわち、この場合の差分は注目領域LTの代表値そのものとなる。なお、直前の区画領域TLは、モデル化の際に注目領域TLの直前に読み込まれる領域(つまり、隣接する左側の領域)であってもよいし、注目領域TLの直前に符号化などの処理がなされる領域であってもよい。
ところで、本実施例では、代表値差分を表すために、図26に示す循環整数による方法を用いる。ここで、この循環整数について簡単に説明する。
図26には、循環整数による方法を説明するためのサークルJSが示される。ある数Aの位置を基準点とし、これとある数Bとの差分Cを求めるには、サークルJSの中の数Aの位置から数Bに相当する位置数分左方向にサークルJSを回転させ、基準点の位置に止まった数値を差分Cとする。例えば、「5」と「3」の差分は、サークルJSの「5」の位置を基準点とし、サークルJSを3つ左方向に回転させた場合にその基準点の位置に来る「2」が答である。他の例では、「0」と「8」の差分は、サークルJSの「0」の位置を基準点とし、サークルJSを8つ左方向に回転させた場合にその基準点の位置に来る「1」が答である。このようにして、差分が0〜8の範囲内の整数値として得られる。
また、ある数Bに差分Cを加算することによってある数Aが求まる。この場合は、サークルJSの数Bの位置を基準点とし、差分Cに相当する位置数分右方向にサークルJSを回転させた場合に基準点の位置に来る数値を数Aとする。このように、数Bと差分Cとから数Aを完全に復元することができる。
代表値の最大値は「64」であるので、代表値差分の範囲は、通常「−64」から「64」となる。これを上記のような方法を用いることにより、「−32」から「32」の範囲で表すことができるようになる。本実施例では、このようにして求めた「−32」から「32」までの代表値差分を、図25に示す符号表FT1によって符号化する。
図25において、符号表FT1には、「代表値差分」、「符号」、および「付加ビット数」の項目が含まれる。「代表値差分」には、符号化の対象となる代表値差分が1つ以上示される。「符号」には、対応する行の代表値差分に割り当てられる符号の前半部分が示される。「付加ビット数」には、対応する行の代表値差分に割り当てられる符号の後半部分のビット数が示される。
符号表FT1の3行目を例にあげると、各代表値差分「−3」、「−2」、「2」、および「3」には、符号の先頭の3ビットに「011」の符号が割り当てられる。さらに、「付加ビット数」に示される2ビットの符号が後半に付加される。ここでは、小さな値の差分値から順に小さな値の符号が割り当てられるようにする。すなわち、各代表値差分「−3」、「−2」、「2」、および「3」に、それぞれ、「01100」、「01101」、「01110」、および「01111」の符号を割り当てる。モデル化処理において説明した切替フラグには、代表値符号化表の最後の行の符号が割り当てられる。以上のような符号化によって、代表値差分は、2〜9ビットで表現される。
ところで、代表値は画像の濃度に関係する値であるので、近隣(近辺)の区画領域TL間での関連が深く、そのような区画領域TL同士の代表値は互いに接近している。つまり、近隣の区画領域TLでは濃度の差分が小さく、そのため代表値の差が小さい、という性質がある。従って、ある区画領域TLの代表値について、その直前に求めた区画領域TLの代表値との差をとると、多くの場合に差が「0」となる。従って、多くの場合において代表値差分を2ビットで表現できるようになる。全体としては、平均4ビット程度の符号長となる。代表値は、最大値が64であり、もともと6ビットのデータ量であるので、この符号化によって一つの区画領域TLにつき平均1ビット程度データ量が削減されたことになる。
また、近隣の区画領域TL同士の代表値の差は統計的な出現頻度の偏りが大きくなるので、符号化の手段としてハフマン法を用いることも非常に有効である。
擬似階調画像ドットパターンについては、所定の符合化法によって符号化を行う。本実施形態においては、区画領域TLの行ごとにその行に示されるドットパターンを符号化する。これによって、一つの区画領域TLの擬似階調画像ドットパターンが、平均30ビット程度の符号長で表現される。64画素の擬似階調画像ドットパターンのデータ量は64ビットであるので、これによって平均30ビット程度データ量が削減されたことになる。
なお、ここでは、代表値差分を符号化する場合の例を示したが、代表値をそのまま符号化するようにしてもよい。
また、この符合化処理においても、モデル化処理と同様にして、圧縮データD2を、間引済データEDから変換することによって生成する。
〔間引閾値決定〕
モデル化処理によって生成されたモデル化データMDを用いて間引閾値MHを決定する。すなわち、間引閾値MHに基づいてモデル化データMDからデータを間引く間引処理を経て生成される圧縮データD2全体のデータ量を試算し、そのデータ量が目標データ量GL未満になるような、そのような間引閾値MHを求め、それを間引閾値MHとして決定する(請求項22および23の「第3のステップ」に対応)。
ところで、一致区画領域TLxは、その擬似階調画像ドットパターン(64ビット)を代表値(7ビット)を用いて表現することによってデータ量を大幅に削減できる。
不一致区画領域TLyについては、その擬似階調画像ドットパターンを表現するために代表値を用いることで画質が劣化する。しかし、区画領域TLは十分に小さな領域であるためそのような劣化はあまり目立たない。このような理由から、再現ドットパターンと擬似階調画像ドットパターンとの不一致をある程度許容することによって擬似階調画像ドットパターンを代表値を用いて表現したとしても、十分に画質を保つことができる。すなわち、不一致区画領域TLyについても、多少の画質の劣化を許容すれば、代表値を用いてデータ量を大幅に削減できる。
間引閾値MHを決定するにあたっては、圧縮データD2のデータ量を試算することによってそのデータ量が目標データ量GLよりも小さくなるようするために許容すべき不一致ドット数を求め、それを間引閾値MHとして決定する。
図27は統計データTKの例を示す図である。次に、統計データTKを用いて圧縮データD2のデータ量を試算する方法について説明する。
まず、間引済データEDのデータ量を試算する。これに際して、初めに、間引閾値MHを「0」として間引済データEDを生成した場合のデータ量を試算する。
図24の例によると、一致区画領域TLxのモデル化データMDのデータ量は7ビットである。一致区画領域TLxについては、モデル化データMDに示される代表値が間引済データEDにそのまま用いられるのでデータ量は7ビットのままである。この場合、間引済データEDは、符号化処理によってデータ量はさらに4ビット程度に減少する。
不一致区画領域TLyのモデル化データMDのデータ量は84ビット(7+7+64+6ビット)である。不一致区画領域TLyについては、不一致ドット数が間引閾値MH以下である場合には、間引済データEDの生成に代表値が用いられる。従って、この場合の符号化処理の後のデータ量は、一致区画領域TLxと同様に4ビット程度となる。
また、不一致ドット数が間引閾値MHより大きい場合には、間引済データEDの生成に切替フラグ(7ビット)および擬似階調画像ドットパターン(64ビット)が用いられる。従って、間引済データEDは71ビットのデータ量となり、さらに符号化処理によって33ビット〔擬似階調画像ドットパターンのデータ量(30ビット程度)+切替フラグのデータ量(3ビット)〕程度になる。
間引閾値MHとして「0」を用いた場合は、不一致ドット数は必ず間引閾値MHよりも大きくなるので、不一致区画領域TLyについては、圧縮データD2のデータ量は33ビット程度となる。不一致区画領域TLxについては、既に説明したとおり、圧縮データD2のデータ量は4ビット程度である。従って、全ての区画領域TLについての圧縮データD2の合計のデータ量は、
一致区画領域TLxの個数 × 4 + 不一致区画領域TLyの個数 × 33
……(2)
の式によって試算できる。
これら一致区画領域TLxおよび不一致区画領域TLyの個数は、モデル化処理と合わせて統計データを作成しておくことによって簡単に知ることができる。この統計データについては、後に詳しく説明する。
このようにして試算されたデータ量が目標データ量GLよりも小さかった場合は、間引閾値MHを「0」に決定する。反対に、目標データ量GLよりも大きかった場合は、さらに大きな値の間引閾値MHで間引処理を行った場合における圧縮データD2のデータ量を試算する。
そのようなデータ量を試算するにあたって、まず、間引閾値MHを大きくすることによってどれだけのデータ量が削減されるのかを求める。間引閾値MHを大きくすると、それによって不一致ドット数が間引閾値MHよりも小さくなった不一致区画領域TLyについての間引済データEDの生成に擬似階調画像ドットパターンに替えて代表値が採用されるようになる。そのような不一致区画領域TLyの個数を「N」とすると、
N ×(33−4)……(3)
の式によって、間引閾値MHを大きくすることによって削減できるデータ量を求めることができる。不一致ドット数に対する不一致区画領域TLyの個数を知るためには、モデル化処理の段階において図27に示すような統計データを求めておく必要がある。
図27において、各行には、不一致ドット数に対応する不一致区画領域TLyの個数が「領域数」として示されている。このような統計データTKは、モデル化処理にいおて処理の対象となった区画領域TLの不一致ドット数を求めたときにその不一致ドット数についての領域数を1つカウントアップする。そのような処理を全ての区画領域TLに対して行う。
図27の例によれば、不一致ドット数が「0」であった区画領域TLが21781個、「1」であった区画領域TLが9720個、「2」であった区画領域TLが4413個、擬似階調画像データFGに含まれていたことになる。
間引閾値MHを大きくした場合の圧縮データD2のデータ量は、間引閾値MHを「0」として試算した圧縮データD2のデータ量から(3)式によって求められるデータ量を引くことによって試算できる。そして、試算されたデータ量が目標データ量GL以下となる場合の間引閾値MHの値が、実際の間引処理に用いられる間引閾値MHとして決定される。
図28は間引閾値MHと圧縮データD2のデータ量との関係を示す図である。
本実施例においては、図25に示す符号化表を用いて代表値差分の符号化を行った場合の符号長の平均が4ビット程度であるとして圧縮データD2の合計のデータ量を試算し、それによって間引閾値MHを決定した。これを図28に示すようなグラフを用いることによって求めるようにしてもよい。
図28(a)には、符号の出現頻度、符号の符号長(ビット長)、および間引閾値MHと圧縮データD2のデータ量との関係を表すグラフである曲線C1および曲線C2が示される。曲線C1は、擬似階調画像ドットパターンと再現ドットパターンとの不一致を許容しない場合に対応する。曲線C2は、両者の不一致を許容する場合に対応する。また、このグラフのy軸には符号長と出現頻度との積が示される。x軸には間引閾値MHが示される。
ここにおいて、曲線C1、直線L1、x軸、およびy軸によって囲まれる領域の面積S1は間引閾値MHを「0」とした場合の圧縮データD2のデータ量となる。
間引閾値MHを大きくすると、圧縮データD2のデータ量は、図28(b)において斜線で示される領域の面積S2の値に変化する。
従って、面積S2が目標データ量GL未満となるような直線L2を求めることによって、その直線L2とx軸との交点の値x1を、求めるべき間引閾値MHとすることができる。
〔展開処理〕
展開処理においては、まず、符号表FT1に基づいて圧縮データD2を復号することによって間引済データEDを復元する。
その間引済データEDから各区画領域TLの擬似階調画像データD1を復元するにあたって、注目領域TLに着目した場合に、注目領域TLについての間引済データEDに切替フラグが含まれている場合は、その間引済データEDから擬似階調画像ドットパターンを抽出し、それを注目領域TLのドットパターンとする。
注目領域TLについての間引済データEDに切替フラグが含まれていない場合は、その間引済データEDから代表値差分を抽出し、それによって注目領域TLの代表値を求める。圧縮データD2に係る擬似階調画像データD1を生成する際の擬似階調化に使用されるディザパターンと求めた代表値とを用いて注目領域TLのドットパターンを生成する。なお、ディザパターンは、展開処理が行われるプリンタ13のメモリなどに予め保存しておいてもよいし、圧縮データD2とともにそれに対応するディザパターンがコンピュータ本体11から送信されるようにしてもよい。
注目領域TLの代表値は、注目領域TLの直前の区画領域TLの代表値とこの代表値差分との和をとることによって求めることができる。なお、直前の区画領域TLのドットパターンの復元に代表値が用いられなかった、すなわち間引済データEDに含まれる擬似階調画像ドットパターンによってドットパターンが復元された場合は、その区画領域TLの代表値は、「0」であったものとして計算する。従って、この場合、注目領域TLの代表値は、代表値差分そのものとなる。なお、間引処理の際に、不一致ドット数が間引閾値MH以下であると判定された区画領域TLについては、その区画領域TLのドットパターンが代表値によって近似的に復元される。
以上のような処理を全ての区画領域TLに対して行うことにより、擬似階調画像データD1全体のドットパターンを生成する。
〔フローチャートによる説明〕
図29はモデル化処理の流れを説明するためのフローチャート、図30は間引閾値決定処理の流れを説明するためのフローチャート、図31は間引処理の流れを説明するためのフローチャート、図32は第二の実施例における展開の処理の流れを説明するためのフローチャートである。次に、図29のフローチャートを参照して、本実施例におけるモデル化処理の流れについて説明する。
図29において、まず、圧縮対象の画像データFDを擬似階調化する際に用いるディザパターンDPを読み込む(#401)。圧縮する画像データFDを所定の領域ごとに区画する(#402)。モデル化処理を行う区画領域TLを読み込む(#403)。ステップ#401で読み込んだディザパターンDPを用いて生成される区画領域TLの擬似階調画像ドットパターンのドットの個数を数え、その個数をその区画領域TLの代表値として決定する(#404)。決定した代表値および所定の補間ルールを適用して仮想階調画像を生成し、ステップ#401で読み込んだディザパターンDPを用いてその仮想階調画像を擬似階調化することでその区画領域TLのドットパターンを再現する(#405)。
再現したドットパターンとその区画領域TLの擬似階調画像ドットパターンとを比較し両者が一致した場合は(#406で「一致」)、ステップ#404で決定した代表値をこの区画領域TLのモデル化データMDとして保存する(#407)。不一致ドット数が「0」である区画領域TLの個数を1つ追加するように統計データTKを更新する(#408)。
再現したドットパターンとその区画領域TLの擬似階調画像ドットパターンとが一致しなかった場合は(#406で「不一致」)、一致しなかったドットの個数である不一致ドット数を数える(#409)。さらに、ステップ#404で求めた代表値、ステップ#407で求めた不一致ドット数、この区画領域TLにおける擬似階調画像ドットパターン、および切替フラグをこの区画領域TLのモデル化データMDとして保存する(#410)。ステップ#408で算出した不一致ドット数である区画領域TLの個数を1つ追加するように統計データTKを更新する(#408)。
まだモデル化処理を行なっていない区画領域TLがある場合は(#411で「No」)、そのような区画領域TLについてステップ#403以降の処理を繰り返す。
全ての区画領域TLについてモデル化処理が完了した場合は(#411で「Yes」)、モデル化処理を終了する。
次に、図30のフローチャートを参照して、本実施例における間引閾値決定処理の流れについて説明する。
図30において、目標データ量GLを読み込む(#421)。モデル化処理において生成したモデル化データMDから、間引閾値MHを「0」とした場合における圧縮データD2の合計のデータ量を試算する(#422)。
試算したデータ量が目標データ量GLよりも小さかった場合は(#423で「Yes」)、間引閾値MHを「0」に決定する(#424)。
試算したデータ量が目標データ量GL以上であった場合は(#423で「No」)、統計データTKを参照し(#425)、間引閾値MHを1つ増やした場合における圧縮データD2を試算する(#426)。
試算したデータ量が目標データ量GLよりも小さかった場合は(#427で「Yes」)、試算に用いた間引閾値MHを実際の間引処理に用いる間引閾値MHとして決定する(#428)。
ステップ#426で試算したデータ量が目標データ量GL以上であった場合は(#427で「No」)、ステップ#425以降の処理を繰り返す。
次に、図31のフローチャートを参照して、本実施例における間引処理の流れについて説明する。なお、ここでは、この間引処理の中で符号化を行なうものとする。
図31において、一領域分のモデル化データMDを読み込む(#441)。そのモデル化データMDに切替フラグが示されていない場合は(#442で「No」)、そのモデル化データMDに示される代表値を符号化すると決定する(#443)。さらに、その代表値と直前に処理された区画領域TLの代表値との差分値を求め、それを符号化する(#444)。
ステップ#441においてモデル化データMDに切替フラグが示されている場合は(#442で「Yes」)、そのモデル化データMDに示される不一致ドット数と間引閾値MHとを比較する(#445)。
不一致ドット数が間引閾値MH以下である場合は(#445で「Yes」)、ステップ#443以降の処理を行なう。
不一致ドット数が間引閾値MHより大きい場合は(#445で「No」)、モデル化データMDに示される擬似階調画像ドットパターンを符号化すると決定する(#446)。擬似階調画像ドットパターンおよび切替フラグを符号化する(#447および#448)。
まだ間引済処理を行なっていない区画領域TLがある場合は(#449で「No」)、そのような区画領域TLについてステップ#441以降の処理を繰り返す。
全ての区画領域TLについて間引処理が完了した場合は(#449で「Yes」)、処理を終了する。
このようにして生成された圧縮データD2は、コンピュータ本体11からプリンタ13に送信され、プリンタ13で展開される。
次に、図32のフローチャートを参照して、本実施例における展開の処理の流れについて説明する。
展開処理において、まず、圧縮データD2を符号表FT1に基づいて復号し、間引済データEDを復元する(#461)。間引済データEDに切替フラグが含まれている区画領域TLについては(#462で「Yes」)、その間引済データEDに含まれる擬似階調ドットパターンを用いて擬似階調画像データD1を復元する(#463)。
間引済データEDに切替フラグが含まれていない区画領域TLについては(#462で「No」)、その間引済データEDに含まれる代表値導出値から代表値を求め、その代表値とディザパターンDPとを用いて擬似階調画像データD1を復元しまたは近似的に復元する(#464)。
全ての区画領域TLについての擬似階調画像データD1の復元が完了していない場合は(#465で「No」)、ステップ#462以降の処理を繰り返す。
全ての区画領域TLについての擬似階調画像データD1の復元が完了した場合は(#465で「Yes」)、処理を終了する。この後、プリンタ13は、復元されたまたは近似的に復元された擬似階調画像データD1に基づいて印刷を実行する。
なお、上記のフローチャートにおいて、図29のステップ#402が請求項22および23の「第1のステップ」に対応し、図29のステップ#405が「第2のステップ」に対応し、図30のステップ#428が「第3のステップ」に対応し、図31のステップ#443が「第4のステップ」に対応し、図31のステップ#444が「第5のステップ」に対応する。
本実施例によれば、データ量が、モデル化処理において1/2から1/10程度に削減され、間引処理において1/10から1/200程度に削減される。間引処理において削減されるデータ量は、間引閾値MHによって調整される。そして、圧縮対象の画像データFDは、目標データ量GL未満で且つそれに近いデータ量となるように圧縮される。これによって、圧縮後のデータ量が目標データ量GL未満となる場合の最良の画質を確保でき、圧縮性能が保たれる。
ところで、従来の画像データの圧縮方法では、圧縮後のデータ量が目標データ量よりも小さくなるようにするために、最適な圧縮パラメータ(間引閾値MH)を求めるための試験的な圧縮処理を行う。または、データ量が目標データ量よりも小さくなるまで、適宜圧縮パラメータを変更しながら圧縮と展開を繰り返す。いずれにしても、このような従来の方法では、圧縮処理の過程で生成されるデータおよび元の画像データの双方を保持するためのメモリ領域を確保する必要がある。
しかし、本実施例によれば、モデル化データMDに基づいてデータ量が試算され、それによって間引閾値MHが決定される。また、最終的に生成すべき圧縮データD2は、モデル化データMDから間引済データEDを経て生成される。従って、モデル化データMDを保持するだけで、目標データ量GL内にデータ量を抑える圧縮処理を実現でき、従来のように余分にメモリ領域を確保する必要がない。しかも、多くの場合において、モデル化データMDのデータ量は画像データFDまたは擬似階調画像データD1よりもかなり小さくなる。これらのような理由から、圧縮処理で必要とするメモリ領域を、従来よりも大幅に削減できる。
さらに、モデル化処理から間引処理を経て圧縮データD2が生成される過程で、保持すべきデータ量が、処理が進むにつれて小さくなっていく。従って、メモリ領域を節約する上でさらに好ましい。
また、間引閾値MHは、圧縮データD2のデータ量を試算することによって即座に求められる。このデータ量は、簡単な計算処理によって試算される。従って、本実施例の圧縮方法を用いれば、従来よりも高速に処理することができる。
また、本実施例においては、間引処理の時点でも十分な圧縮率を得ることができるので、符号化処理を省いても圧縮後のデータ量を目標データ量GL未満に抑えることは可能である。このように、符号化処理を省いて、モデル化処理および間引処理の2段階の圧縮とすることでさらに処理効率を上げることもできる。
本実施例においては、間引処理によって最もデータが間引かれない場合の間引閾値MHを初めに用いて圧縮データD2のデータ量を試算した。そして、そこから間引閾値MHの値を段階的に増やしていき、試算したデータ量が目標データ量GL未満となるような間引閾値MHを求めた。これを、ある程度の画質劣化を許容する間引閾値MHを初めに用いるようにし、そこから間引閾値MHを段階的に増やしていくようにしてもよい。こうすることによって、圧縮データD2のデータ量が目標データ量GL未満となる間引閾値MHをより早く見つけることができるようになり、処理時間を短くすることができる。目標データ量GLが低めに設定されている場合には特に有効である。
本実施例の間引処理においては、間引閾値MHに基づいて、必要な情報とそうでないものとを判断して取捨選択することによりデータ量を削減した。従って、このような処理を「取捨選択処理」と呼ぶことができる。そのような処理に使用される間引閾値MHを「判断基準値」と呼ぶことができる。
また、間引閾値決定処理においては、間引閾値MHを決定することによって、圧縮による画質の劣化をどの程度許容するのか、すなわちどの程度の精度で画像データが復元されるのかを決定する。従って、このような処理を「精度決定処理」と呼ぶことができる。
本実施例では、モデル化データMDなどの各データが生成される際に、生成の元となったデータをメモリ領域から破棄するようにした。しかし、メモリ容量が大きく、空きのメモリ領域を十分に確保できる場合は、破棄しないようにしてよい。
本実施例では、圧縮データD2のデータ量を試算することによって間引閾値MHを求める場合の例を示した。これを、間引済データEDのデータ量を試算することによって求めるようにしてもよい。
本実施例においては、説明を簡単にするために、モデル化処理、間引処理、および符号化処理というように圧縮処理を段階的に分けて説明した。これを、本発明の趣旨に沿って、適宜、各処理の内容を変更しまたは統合することが可能である。
また、本実例においてモデル化データMDなどの各種データは、画像データFD全体に対して生成されたデータを示す場合あれば、区画領域TLに対応する個々の部分のデータを示す場合もある。
本実施形態では、画像データFDに対して区画領域TL単位に各処理を行うようにした。これを、区画領域TLを一行分連ねた領域であるバンド単位に行うようにしてもよい。このように、区画領域TL単位またはバンド単位に処理を施すので、プリンタ13においては、バンド単位の印刷についての処理であるバンド処理が可能となる。
また、本実施形態の圧縮処理をプリンタ13において行うようにしてもよい。こうすることで、例えば、コピー機能を有する機種においては、コピーの際に読み取った原稿のデータに本実施形態の圧縮方法を適用することができるようになる。
その他、コンピュータ本体11、プリンタ13、およびプリントシステム1の全体または各部の構成、機能、個数、ビット数、データ量の試算方法、処理の内容または順序などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、ラスタプリンタやGDIプリンタなどを含んだプリントシステムにおいて、階調画像データを圧縮してプリンタに転送するための圧縮方法として利用可能である。
本発明に係るプリントシステムの全体構成を示す図である。 プリントシステムにおける画像データの流れを示すフローチャートである。 コンピュータ本体の機能的な構成を示すブロック図である。 プリンタの機能的な構成を示すブロック図である。 コンピュータ本体の圧縮処理の概略を示すフローチャートである。 コンピュータ本体の圧縮データ作成部の機能を示すブロック図である。 区画された領域を説明するための図である。 領域とディザパターンの例を示す図である。 各領域における代表値の位置の例を示す図である。 代表値の求め方を説明するための図である。 圧縮処理の他の例の概略を示すフローチャートである。 復元処理の例の概略を示すフローチャートである。 4値画像データの代表値の求め方を説明するための図である。 4値画像データを説明するための図である。 画素値が代表値に等しい補間ルールを説明するための図である。 圧縮処理の他の例の概略を示すフローチャートである。 復元処理の他の例の概略を示すフローチャートである。 代表値の求め方の他の例を説明するための図である。 第二の実施例の圧縮処理を説明するためのフローチャートである。 第二の実施例の圧縮処理の概略を示すフローチャートである。 第二の実施例におけるプリントシステムの機能的構成の例を示す図である。 領域TLとディザパターンの例を示す図である。 再現ドットパターンの例を示す図である。 第二の実施例におけるモデル化データの例を示す図である。 代表値差分についての符号表の例を示す図である。 循環整数を説明するための図である。 統計データの例を示す図である。 間引閾値と圧縮データのデータ量との関係を示す図である。 モデル化処理の流れを説明するためのフローチャートである。 間引閾値決定処理の流れを説明するためのフローチャートである。 間引処理の流れを説明するためのフローチャートである。 第二の実施例における展開の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 プリントシステム
11 コンピュータ本体(画像データの圧縮装置、画像データ圧縮装置)
13 プリンタ(画像データ圧縮装置)
100 圧縮データ作成部
300 データ復元部
#22 第1の手段
#23 第2の手段
#24 第3の手段
#26 第4の手段
FD 画像データ(階調画像データ)
D1 2値画像データ(擬似階調画像)
D1K 擬似階調画像
D2 圧縮データ
D5 4値画像データ(擬似階調画像)
DP ディザパターン
LA 直線(仮想階調画像)
LB 直線(仮想階調画像)
TL 領域(注目領域)
a 代表値
AP 代表値
HR 補間ルール
307 領域区画部(区画手段)
308 モデル化データ生成部(モデル化手段)
309 間引閾値決定部(間引閾値決定手段)
310 間引処理部(間引手段)
311 符合化部(圧縮データ生成手段)
312 圧縮画像データ送信部(データ出力手段)
AN 不一致ドット数(不一致値)
AR 擬似階調画像ドットパターン(第一ドットパターン)
D1 擬似階調画像データ(画像データ)
ED 間引済データ
GL 目標データ量
MD モデル化データ
MH 間引閾値(判断基準値)

Claims (32)

  1. 階調性を有する画像データの圧縮方法であって、
    前記画像データを所定の領域ごとに区画し、各領域における画素の濃度に関する代表値を求める第1のステップと、
    各領域について、当該領域の代表値および補間ルールを適用して当該領域に含まれる各画素の濃度を求める第2のステップと、
    前記画像データおよび前記画像データを擬似階調化する際に用いるディザパターンを用いて、前記第2のステップで求めた各画素の濃度に基づいて得られる画像の再現性の良否を検査する第3のステップと、
    前記第3のステップの検査により再現性が良となった領域について、前記第1のステップで求めた代表値に基づいて符号化を行う第4のステップと、
    を有してなることを特徴とする画像データの圧縮方法。
  2. 前記各画素の濃度に基づいて得られる画像は、前記各画素の濃度に基づく仮想階調画像である、
    請求項1記載の画像データの圧縮方法。
  3. 前記各画素の濃度に基づいて得られる画像は、前記各画素の濃度に基づく仮想階調画像を前記ディザパターンを用いて擬似階調化して得られる擬似階調画像である、
    請求項1記載の画像データの圧縮方法。
  4. 前記代表値は、当該領域内における特定の画素の濃度値である、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の画像データの圧縮方法。
  5. 前記代表値は、当該領域内における複数の画素の濃度値の中間値である、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の画像データの圧縮方法。
  6. 前記代表値は、当該領域内の特定の画素を含むその周辺の画素の濃度値の中間値である、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の画像データの圧縮方法。
  7. 前記代表値は、前記ディザパターンのしきい値が前記画像データの濃度値よりも大きい場合のしきい値の最小値Kと、前記ディザパターンのしきい値が前記画像データの濃度値よりも小さい場合のしきい値の最大値Jとの間の値である、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の画像データの圧縮方法。
  8. 前記補間ルールは、当該領域に含まれる各画素の濃度値が当該領域の代表値に等しいとする処理である、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の画像データの圧縮方法。
  9. 前記補間ルールは、当該領域の代表値および当該領域に隣接する1つまたは複数の領域の代表値を用いて、当該領域に含まれる各画素の濃度を補間により得る処理である、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の画像データの圧縮方法。
  10. 前記補間は、直線補間である、
    請求項9記載の画像データの圧縮方法。
  11. 前記補間は、スプライン補間である、
    請求項9記載の画像データの圧縮方法。
  12. 隣り合う領域間の代表値の差分情報を求め、求めた差分情報を符号化することによって圧縮する、
    請求項1ないし11のいずれかに記載の画像データの圧縮方法。
  13. 前記第3のステップの検査により再現性が否となった領域については、当該領域の前記画像データに基づいて符号化を行う、
    請求項1ないし12のいずれかに記載の画像データの圧縮方法。
  14. 前記第3のステップにおいて、前記再現性の良否を検査する際に、前記画像データが文字画像データである場合の誤差範囲を、前記画像データが写真画像データである場合の誤差範囲よりも小さく設定する、
    請求項1ないし13のいずれかに記載の画像データの圧縮方法。
  15. 階調性を有する画像データの圧縮装置であって、
    前記画像データを所定の領域ごとに区画し、各領域における画素の濃度に関する代表値を求める第1の手段と、
    各領域について、当該領域の代表値および補間ルールを適用して当該領域に含まれる各画素の濃度を求める第2の手段と、
    前記画像データおよび前記画像データを擬似階調化する際に用いるディザパターンを用いて、前記第2の手段で求めた各画素の濃度に基づいて得られる画像の再現性の良否を検査する第3の手段と、
    前記第3の手段の検査により再現性が良となった領域について、前記第1の手段で求めた代表値に基づいて符号化を行う第4の手段と、
    を有してなることを特徴とする画像データの圧縮装置。
  16. 前記第4の手段は、前記第3の手段の検査により再現性が否となった領域については、当該領域の前記画像データに基づいて符号化を行う、
    請求項15記載の画像データの圧縮装置。
  17. 階調性を有する画像データの圧縮方法であって、
    前記画像データを所定の領域ごとに区画し、各領域における画素の濃度に関する代表値を求める第1のステップと、
    各領域について、当該領域の代表値および補間ルールを適用して当該領域に含まれる各画素の濃度を求める第2のステップと、
    ディザパターンを用いて前記画像データを擬似階調化した場合に得られるドットの配列パターンである第1ドットパターンと前記第2のステップで求めた各画素の濃度を当該ディザパターンを用いて擬似階調化した場合に得られるドットの配列パターンである第2ドットパターンとを比較して当該第1ドットパターンと当該第2ドットパターンとの違いを示す値である不一致値を求め、当該不一致値と所定の判断基準値とに基づいて、圧縮データの生成に前記第1のステップで求めた代表値を用いるか否かを決定する第3のステップと、
    前記圧縮データの生成に代表値を用いると決定した場合は、代表値を用いて当該圧縮データの生成のための処理を行う第4のステップと、
    を有してなることを特徴とする画像データ圧縮方法。
  18. 階調性を有する画像データの圧縮方法であって、
    前記画像データを所定の領域ごとに区画し、各領域における画素の濃度に関する代表値を求める第1のステップと、
    各領域について、当該領域の代表値および補間ルールを適用して当該領域に含まれる各画素の濃度を求める第2のステップと、
    ディザパターンを用いて前記画像データを擬似階調化した場合に得られるドットの配列パターンである第1ドットパターンと前記第2のステップで求めた各画素の濃度を当該ディザパターンを用いて擬似階調化した場合に得られるドットの配列パターンである第2ドットパターンとを比較して当該第1ドットパターンと当該第2ドットパターンとの違いを示す値である不一致値を求め、当該不一致値と所定の判断基準値とに基づいて、圧縮データの生成に前記第1のステップで求めた代表値を用いるか否かを領域ごとに決定する第3のステップと、
    前記圧縮データの生成に代表値を用いると決定された領域については当該領域の代表値を用いて当該圧縮データの生成のための処理を行う第4のステップと、
    を有してなることを特徴とする画像データ圧縮方法。
  19. 前記圧縮データの生成に代表値を用いないと前記第3のステップで決定した場合は、前記第4のステップにおいて、前記第1ドットパターンを用いて当該圧縮データの生成のための処理を行う、
    請求項17または18に記載の画像データ圧縮方法。
  20. 前記第3のステップにおいて、前記不一致値が所定の判断基準値より小さい場合に、前記圧縮データの生成に前記第1のステップで求めた代表値を用いると決定する、
    請求項17ないし19のいずれかに記載の画像データ圧縮方法。
  21. 前記第4のステップにおいて、前記第1ドットパターンまたは代表値を符号化することによって前記圧縮データを生成するための処理を行なう、
    請求項17ないし20のいずれかに記載の画像データ圧縮方法。
  22. 階調性を有する画像データの圧縮方法であって、
    前記画像データを所定の領域ごとに区画し、各領域における画素の濃度に関する代表値を求める第1のステップと、
    各領域について、当該領域の代表値および補間ルールを適用して当該領域に含まれる各画素の濃度を求める第2のステップと、
    ディザパターンを用いて前記画像データを擬似階調化した場合に得られるドットの配列パターンである第1ドットパターンと前記第2のステップで求めた各画素の濃度を当該ディザパターンを用いて擬似階調化した場合に得られるドットの配列パターンである第2ドットパターンとを比較して当該第1ドットパターンと当該第2ドットパターンとの違いを示す値である不一致値を求め、当該不一致値に基づいて判断基準値を決定する第3のステップと、
    前記不一致値と前記判断基準値とに基づいて、圧縮データの生成に前記第1のステップで求めた代表値を用いるか否かを決定する第4のステップと、
    前記圧縮データの生成に代表値を用いると決定した場合は、代表値を用いて当該圧縮データの生成のための処理を行う第5のステップと、
    を有してなることを特徴とする画像データ圧縮方法。
  23. 階調性を有する画像データの圧縮方法であって、
    前記画像データを所定の領域ごとに区画し、各領域における画素の濃度に関する代表値を求める第1のステップと、
    各領域について、当該領域の代表値および補間ルールを適用して当該領域に含まれる各画素の濃度を求める第2のステップと、
    ディザパターンを用いて前記画像データを擬似階調化した場合に得られるドットの配列パターンである第1ドットパターンと前記第2のステップで求めた各画素の濃度を当該ディザパターンを用いて擬似階調化した場合に得られるドットの配列パターンである第2ドットパターンとを比較して当該第1ドットパターンと当該第2ドットパターンとの違いを示す値である不一致値を求め、当該不一致値に基づいて判断基準値を決定する第3のステップと、
    前記不一致値と前記判断基準値とに基づいて、圧縮データの生成に前記第1のステップで求めた代表値を用いるか否かを領域ごとに決定する第4のステップと、
    前記圧縮データの生成に代表値を用いると決定された領域については当該領域の代表値を用いて当該圧縮データの生成のための処理を行う第5のステップと、
    を有してなることを特徴とする画像データ圧縮方法。
  24. 階調性を有する画像データの圧縮データを生成するための画像データ圧縮方法であって、
    前記画像データを所定の領域ごとに区画し、
    前記画像データの特徴を抽出するためのモデル化処理を行うことによって、前記領域ごとに当該画像データからモデル化データを生成し、
    閾値に基づいて前記モデル化データからデータを間引く間引処理によって生成される間引済データのデータ量を試算し、当該データ量が所定の目標データ量以下になるような、そのような閾値である間引閾値を求め、
    求めた前記間引閾値に基づいて前記間引処理を実行することによって前記間引済データを生成し、
    生成した前記間引済データを前記圧縮データとして出力し、
    前記モデル化処理において、
    前記領域の一つである注目領域に着目した場合に、
    当該注目領域の代表値を決定し、
    当該注目領域の代表値および補間ルールを適用して当該注目領域に含まれる各画素の濃度である補間濃度を求め、
    ディザパターンを用いて前記補間濃度を擬似階調化した場合に得られる当該注目領域についてのドットパターンである再現ドットパターンと、当該注目領域における前記画像データを当該ディザパターンで擬似階調化した場合に得られるドットパターンである擬似階調画像ドットパターンとを比較し、
    前記再現ドットパターンと前記擬似階調画像ドットパターンとが同じであった場合には当該注目領域の代表値を求めることができる前記モデル化データを生成し、当該再現ドットパターンと当該擬似階調画像ドットパターンとが同じでなかった場合には一致したドットの個数である一致ドット数または一致しなかったドットの個数である不一致ドット数、当該注目領域の代表値、および当該擬似階調画像ドットパターンを求めることができる前記モデル化データを生成し、
    前記間引処理において、
    前記注目領域に着目した場合に、
    前記モデル化データによって求めることができる前記一致ドット数または前記不一致ドット数と前記間引閾値との比較に基づいて、前記間引済データの生成に当該モデル化データによって求めることができる代表値を求めるための前記代表値導出値を用いるかまたは当該モデル化データによって求めることができる前記擬似階調画像ドットパターンを用いるかを決定し、
    前記間引済データの生成に前記代表値導出値を用いると決定した場合は当該代表値導出値を用いて当該注目領域の間引済データを生成し、前記間引済データの生成に前記擬似階調画像ドットパターンを用いると決定した場合は当該擬似階調画像ドットパターンを用いて当該注目領域の当該間引済データを生成する、
    ことを特徴とする画像データ圧縮方法。
  25. 前記注目領域の代表値として、当該注目領域についての前記擬似階調画像ドットパターンに示されるドットの個数を用いる、
    請求項24記載の画像データ圧縮方法。
  26. 前記注目領域の代表値として、当該注目領域に対応する部分の前記画像データの各画素の濃度と当該注目領域に対応する部分の前記ディザパターンの各画素の濃度とをそれぞれ比較して当該画像データの各画素の濃度が小さい場合に予め用意されたパターン領域にドットを打った場合に、当該パターン領域内において打たれたドットに対応する当該ディザパターンの画素の濃度の最小値Jと打たれなかったドットに対応する当該ディザパターンの画素の濃度の最大値Kとの間で
    J≧a≧K
    の条件を満たす値aを用いる、
    請求項24記載の画像データ圧縮方法。
  27. 前記注目領域の代表値として、隣り合う前記領域の代表値との差分が最小となる値を用いる、
    請求項26記載の画像データ圧縮方法。
  28. 前記注目領域の仮の代表値および当該注目領域に隣接する1つまたは複数の前記領域の代表値を用いて予め定められた補間ルールにしたがって当該注目領域における各画素の濃度を補間して求めさらに前記ディザパターンを用いて擬似階調化を行った場合に得られるドットパターンが前記ディザパターンを用いて当該注目領域における前記画像データを擬似階調化した場合に得られるドットパターンと一致する場合には、当該仮の代表値を当該注目領域の代表値として決定する、
    請求項24記載の画像データ圧縮方法。
  29. 前記注目領域の前記代表値導出値として、当該注目領域の代表値を用いる、
    請求項24記載の画像データ圧縮方法。
  30. 前記注目領域の前記代表値導出値として、当該注目領域の代表値と当該注目領域の直前の前記領域の代表値との差分を用いる、
    請求項24記載の画像データ圧縮方法。
  31. 前記間引処理において、
    前記モデル化データによって求めることができる前記不一致ドット数が前記間引閾値より大きい場合は前記間引済データの生成に前記擬似階調画像ドットパターンを用いると決定し、当該不一致ドット数が当該間引閾値より小さい場合は当該間引済データの生成に前記代表値導出値を用いると決定する、
    請求項24記載の画像データ圧縮方法。
  32. 階調性を有する画像データの圧縮データを生成する画像データ圧縮装置であって、
    前記画像データを所定の領域ごとに区画する区画手段と、
    前記画像データの特徴を抽出するためのモデル化処理を行うことによって、前記領域ごとに当該画像データからモデル化データを生成するモデル化手段と、
    閾値に基づいて前記モデル化データからデータを間引く間引処理によって生成される間引済データのデータ量を試算し、当該データ量が所定の目標データ量以下になるような、そのような閾値である間引閾値を求める間引閾値決定手段と、
    求めた前記間引閾値に基づいて前記間引処理を実行することによって前記間引済データを生成する間引手段と、
    生成した前記間引済データを前記圧縮データとして出力する圧縮データ出力手段とを有し、
    前記モデル化手段は、
    前記領域の一つである注目領域に着目した場合に、
    当該注目領域の代表値を決定し、
    当該注目領域の代表値および補間ルールを適用して当該注目領域に含まれる各画素の濃度である補間濃度を求め、
    ディザパターンを用いて前記補間濃度を擬似階調化した場合に得られる当該注目領域についてのドットパターンである再現ドットパターンと、当該注目領域における前記画像データを当該ディザパターンで擬似階調化した場合に得られるドットパターンである擬似階調画像ドットパターンとを比較し、
    前記再現ドットパターンと前記擬似階調画像ドットパターンとが同じであった場合には当該注目領域の代表値を求めることができる前記モデル化データを生成し、当該再現ドットパターンと当該擬似階調画像ドットパターンとが同じでなかった場合には一致したドットの個数である一致ドット数または一致しなかったドットの個数である不一致ドット数、当該注目領域の代表値、および当該擬似階調画像ドットパターンを求めることができる前記モデル化データを生成し、
    前記間引手段は、
    前記注目領域に着目した場合に、
    前記モデル化データによって求めることができる前記一致ドット数または前記不一致ドット数と前記間引閾値との比較に基づいて、前記間引済データの生成に当該モデル化データによって求めることができる代表値を求めるための前記代表値導出値を用いるかまたは当該モデル化データによって求めることができる前記擬似階調画像ドットパターンを用いるかを決定し、
    前記間引済データの生成に前記代表値導出値を用いると決定した場合は当該代表値導出値を用いて当該注目領域の間引済データを生成し、前記間引済データの生成に前記擬似階調画像ドットパターンを用いると決定した場合は当該擬似階調画像ドットパターンを用いて当該注目領域の当該間引済データを生成する、
    ことを特徴とする画像データ圧縮装置。
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