JP3966117B2 - 画像処理装置、画像符号化装置および画像印刷装置ならびにそれらの方法 - Google Patents
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Description
本発明は画像の圧縮技術に関するものであり、特に多値画像から閾値処理で生成した限定階調画像を圧縮する装置に関するものである。
【0001】
【従来の技術】
主に出力デバイスなどの制限から、多値画像を2値画像に変換することがある。この変換を2値化と呼ぶが、2値化には画質を向上させるために組織的ディザ、ブルーノイズマスク、誤差拡散など、多くの技術がある。これらの技術のうち、組織的ディザやブルーノイズマスクのように画素位置毎に閾値を決め、対応する画素値と閾値の大小関係によって2値の0/1を決定するような処理を、以下では特に独立決定法による2値化と呼ぶ。また独立決定法による2値化では閾値のセットを行列で表現することが多いが、これを以下では閾値行列と呼ぶ。閾値行列は一般に矩形だが、方式によってその大きさは異なり、特にブルーノイズマスクでは百画素単位の閾値行列を採用することもある。
【0002】
一般に2値化処理に入力される多値画素と出力する2値画素には、1対1または1対多の関係がある。1対多の場合には多値画素1つにつき複数の閾値が対応し、この閾値の個数分だけ2値画素を生成することになる。1対1の場合をディザ、1対多の場合を濃度パターンと分類することもできるようだが、ここではまとめてディザまたは2値化と呼ぶ。
【0003】
ところで画像データは一般にデータ量が膨大になるので、通信、蓄積などを行う際には圧縮してデータ量を削減することが多い。圧縮を行うための符号化技術には、いくつもの手法が存在する。大別すれば、復号したときに入力を完全に再現する可逆方式と、何らかの損失を伴う非可逆方式がある。これらの圧縮手法を、以下では符号化と称する。
【0004】
上述したような2値化画像用の符号化としては、JBIG(Joint Bi−level Images experts Group)で制定した符号化技術(以下、単にJBIGという)などが存在する。しかしJBIGでは符号化時に参照する画素の範囲を制限しているため、独立決定法による2値化において閾値行列を大きくとった場合、圧縮率が悪化するという問題がある。
【0005】
以下、この問題を解決しようとする従来技術である特開平7−231390号公報を従来例として説明する。なお、以下では、これからちょうど符号化しようとする画素を注目画素と定義する。
【0006】
従来例は2値化後の画像から多値画像を予測することにより、圧縮率を向上しようとする技術である。図14は従来例の符号化装置の構成例である。この従来例の説明においては、本発明の説明の趣旨に沿うように用語を一部変更しているが、その本質に関わるものではない。図中、10は画像入力部、11はテンプレート部、12は予測状態算出部、13はマルコフ確率推定部、14は算術符号構成部、41は符号出力部、110は入力画像データ、111はテンプレート画像データ、112は予測状態データ、113は推定確率データ、140は符号データである。
【0007】
図14の各部について説明する。図14の画像符号化装置は以下の構成よりなる。画像入力部10は外部から2値画像を受け取り、入力画像データ110としてテンプレート部11および算術符号構成部14へ送出する。テンプレート部11は注目画素から予め指定された位置関係にある画素値を、テンプレート画像データとして予測状態算出部12へ送出する。予測状態算出部12は注目画素の画素値を予測し、注目画素の閾値との距離を予測状態データ112として、マルコフ確率推定部13へ送出する。マルコフ確率推定部13は予測状態データ112によって条件付けされた確率推定を行い、推定確率データ113として算術符号構成部14へ送出する。算術符号構成部14は注目画素値を推定確率データ113に基づいて算術符号化し、符号データ140として符号出力部40へ送出する。符号出力部40は外部に符号データ140を出力する。
【0008】
以上の構成に基づいた従来例の動作について説明する。図15は従来例の画像符号化装置の動作を示すフローチャートである。以下、図15を用いて従来例の動作について説明する。S10では画像入力部10において外部から画像を入力する。S51ではテンプレート部11において予め定められたテンプレートの切り出しを行う。S52では予測状態算出部12において予測状態の算出を行う。S53ではマルコフ確率推定部13においてマルコフ確率の推定を行う。S54では算術符号構成部14において、S10で入力した画像に対してS53で算出した推定確率を用いて算術符号化を行う。S41では符号出力部41においてS54で生成した符号を外部に出力する。
【0009】
以上の動作の中で、予測状態算出部12における注目画素値の予測は、テンプレートの画素パターンとそれぞれに対応する閾値から算出する。具体的には注目画素の画素値と閾値の関係から予め画素値パターンを生成しておき、この画素値パターンと実際のテンプレートとして得られたパターンを比較し、もっとも近いパターンに対応する画素値を予測値とする。
【0010】
次に従来例の問題点について述べる。従来例は閾値行列に基づいて注目画素値を推定するので、圧縮率が閾値行列の大きさに依存しづらくなる。しかしこの推定方法は周辺画素を利用するので、エッジなどの局所的かつ急峻な画素値変化に追従することができない。この結果、地図や文字文書などのエッジが多発する画像で圧縮率が悪化することが懸念される。
【0011】
また従来例では1画素毎に予測状態の算出を行う必要がある。一般に2値の出力デバイスは、インクジェットプリンタや印刷機のごとく高解像度化する傾向があり、同じ紙サイズでも画素数が増大する。この増大した画素毎に予測状態を算出するのでは処理負荷が重くなりすぎ、少なくとも高速出力の用途では適用が難しい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上で述べてきたように従来例の問題点として、(1)原理的に圧縮率の画像種別に対する依存性が懸念されること、(2)処理負荷が多大なことがあげられる。
【0013】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたもので、独立決定法による限定階調化が予定されている多値画像を、小規模かつ簡単な構成で、効果的に圧縮する画像処理技術および画像符号化技術を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面によれば、上述の目的を達成するために、階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理する画像処理装置において、画像を入力する画像入力手段と、所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照手段と、上記画像入力手段により入力した画像データに対して、上記閾値参照手段により参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更手段と、上記画素値変更手段で得られた変更画像データを出力する画像出力手段とを具備し、上記画素値変更手段は上記閾値データを越えない範囲で、後段に接続される画像符号化装置での圧縮率が向上するように画素値を変更することを特徴とするものである。
【0015】
この構成においては、限定階調化(例えば2値化)を行う前に符号化を行うので自己相関性を失うことがなく、しかも、後段の限定階調化に支障が出ない範囲で符号化を最適化するように画素値を変更して、高い圧縮率を実現できる。
【0016】
この場合、閾値データを越えない範囲で画素値が変更される。すなわち、閾値データが規定する閾値レベルをまたいで画素値が変更しないようにする。
【0017】
本発明の第1の側面に従う画像処理装置において、上記画素値変更手段は上記入力画像データを予測する予測手段と、上記予測手段による予測結果と上記閾値データに基づいて、上記入力画像データを変更する画素値選択手段とを具備し、上記画素値選択手段は上記閾値データを越えない範囲で、上記予測データが注目画素値と等しくなるよう注目画素値を変更するようにしてもよい。
【0018】
また、本発明の第1の側面に従う画像処理装置において、上記画素値変更手段は上記画像データを予測する少なくとも2つ以上の予測手段と、上記複数の予測手段による予測結果と上記画像データの、連続する一致回数を計数するラン計数手段と、上記ラン計数手段で計数した一致ランデータをもとに上記画像データおよび上記予測結果から画素値を選択する選択手段とを具備し、上記ラン計数手段は上記閾値データを越えない範囲で上記予測結果と上記画像データが一致とみなし、上記選択手段はもっとも長い一致ランを持つ予測結果を選択するようにしてもよい。
【0019】
また、上述の画像処理装置において、上記画素値変更手段は上記変更画像データに加えて処理の中間データを出力し、続く画像符号化装置で上記中間データを利用できるようにするようにしてもよい。
【0020】
また、上述の画像処理装置において、上記画像入力手段で入力された画像に対して、想定する出力機器の非線型性を補正する補正手段を設け、上記補正手段の補正結果に対して上記画素値変更手段は画素値変更処理を行うようにしてもよい。この場合に、トーン補正等を行う場合でも問題なく対処できる。トーン補正の前に画素値を変更すると画質劣化を招来する場合がある。
【0021】
この構成において、上記補正手段の補正処理は週、日などの一定期間毎に調整し直すようにしてもよい。また、上記補正手段の補正処理は出力の実効レンジに合わせて画素値レンジを狭くするようにしてもよい。
【0022】
また、上述の画像処理装置において、上記画像入力手段で入力された画像に対して、想定する出力機器の変動による補正を吸収するための保護域を設定する保護域参照手段を設け、上記画素値変更手段は上記保護域参照手段によって提示される保護域に対しては画素値変更処理を行わないようにしてもよい。この場合、後段でトーン補正を行っても、画質劣化を招来するような不適切な画素値変更を回避することができる。
【0023】
また、本発明の第2の側面によれば、階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理する画像処理装置において、画像を入力する画像入力手段と、所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照手段と、上記画像入力手段により入力した画像データに対して、上記閾値参照手段により参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更手段と、上記画素値変更手段で得られた変更画像データを出力する画像出力手段とを具備することを特徴とする。
【0024】
この構成においては、例えば、予測符号化処理が最適になるように画素値を変更することができる。
【0025】
また、本発明の第3の側面によれば、上述の目的を達成するために、階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理する画像符号化装置において、画像を入力する画像入力手段と、所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照手段と、上記画像入力手段により入力した画像データに対して、上記閾値参照手段により参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更手段と、上記画素値変更手段で得られた変更画像データを符号化する画像符号化手段と、上記画像符号化手段で得られる符号化データを出力する符号出力手段とを具備し、上記画素値変更手段は上記閾値データを越えない範囲で、上記画像符号化手段における圧縮率が向上するように画素値を変更することを特徴とする。
【0026】
この構成においても、限定階調化を行う前に符号化を行うので自己相関性を失うことがなく、しかも、後段の限定階調化に支障が出ない範囲で符号化を最適化するように画素値を変更して、高い圧縮率を実現できる。
【0027】
また、本発明の第4の側面によれば、上述の目的を達成するために、階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理する画像符号化装置において、画像を入力する画像入力手段と、所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照手段と、上記画像入力手段により入力した画像データに対して、上記閾値参照手段により参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更手段と、上記画素値変更手段で得られた変更画像データを符号化する画像符号化手段と、上記画像符号化手段で得られる符号化データを出力する符号出力手段とを具備し、上記画像符号化手段は上記画素値変更手段が出力する変更画像データに加え、中間データを参照することで符号化処理の一部を省略できるようにすることを特徴とするものである。
【0028】
この構成においては、画素値変更に伴い得られる中間データを流用して符号化処理を簡略化できる。
【0029】
上述の画像処理装置および画像符号化装置において、上記中間データは、例えば、上記画素値変更手段が具備する予測手段の予測結果である。
【0030】
また、本発明の第5の側面によれば、画像印刷装置において、画像を入力する画像入力手段と、所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照手段と、上記画像入力手段により入力した画像データに対して、上記閾値参照手段により参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更手段と、上記画素値変更手段で得られた変更画像データを所定の方法で符号化する画像符号化手段と、上記画像符号化手段で得られる符号データに対して上記画像符号化手段で行う符号化処理の逆変換である復号処理を行う画像復号手段と、上記閾値参照手段により参照した閾値データをもとに上記画像復号手段の復号結果を限定階調化化する限定階調化手段と、上記限定階調化手段で得られる2値画像を印刷する画像印刷手段とを具備し、上記画素値変更手段と上記限定階調化手段で参照する閾値は同一のものであることを特徴とするものである。
【0031】
この構成においても、限定階調化を行う前に符号化を行うので自己相関性を失うことがなく、しかも、後段の限定階調化に支障が出ない範囲で符号化を最適化するように画素値を変更して、高い圧縮率を実現できる。
【0032】
上述の画像符号化装置または画像印刷装置において、上記画像符号化は、例えば、予測符号化である。
【0033】
また、上述の画像符号化装置または画像印刷装置において、上記画像符号化は上記予測結果と上記変更画像データとの誤差を算出する誤差算出手段と、上記誤差をエントロピー符号化する符号化手段とを具備するものでよい。
【0034】
また、上述の画像符号化装置または画像印刷装置において、上記誤差算出手段における算出処理は、例えば、減算、クリッピング付きの減算、排他的論理和のいずれかである。
【0035】
また、上述の画像符号化装置または画像印刷装置において、上記符号化手段におけるエントロピー符号化処理は、例えば、Huffman符号化、算術符号化、LZ符号化、ブロックソーティング符号化、Golomb符号化のいずれかまたはその組み合わせである。
【0036】
また、上述の画像処理装置、画像符号化装置または画像印刷装置において、上記閾値参照手段で行う閾値参照処理は、例えば、上記画像入力手段または上記画像復号手段と同期をとるか、または閾値参照結果をスキャン順にストリーム状にして出力するものである。
【0037】
また、上述の画像処理装置、画像符号化装置または画像印刷装置において、上記画素値変更手段で行う画素値変更処理は、後で適用される符号化方式にあわせて処理を変更するものであってよい。
【0038】
また、上述の画像処理装置、画像符号化装置または画像印刷装置において、上記画素値変更手段で行う画素値変更処理は、例えば、ローバスフィルタによる高域成分除去、直前画素値での置き換え、所定の予測式による予測値での置き換え、既出現画素値での置き換え、連続する既出現画素値のパターンでの置き換え、既出現の周辺画素と注目画素の組み合わせによる置き換え、先読みした画素値での置き換え、先読みした画素が所定の予測式で予測できるようにする画素値での置き換え、先読みした画素値が連続する既出現画素値のパターンとなるような画素値への置き換え、先読みした画素値が既出現の周辺画素と注目画素の組み合わせになるような画素値への置き換え、のいずれかまたはそれらの組み合わせで行う。
【0039】
また、上述の画像処理装置、画像符号化装置または画像印刷装置において、上記画素値変更手段で行う画素値変更処理は、例えば、置き換え候補となる候補値と上記入力画像データの画素値が、上記閾値参照手段で参照する閾値で閾値処理した場合に同一の値になる場合は注目画素値を上記候補値で置き換え、そうでない場合はそのままにするものである。
【0040】
また、上述の画像処理装置、画像符号化装置または画像印刷装置において、上記画素値変更手段で行う画素値変更処理は、例えば、上記候補値で置き換えられないときには、上記閾値データを越えない範囲で最も上記候補値に近い値で置き換えるものである。
【0041】
また、上述の画像処理装置、画像符号化装置または画像印刷装置において、上記画素値変更手段で行う画素値変更処理は、例えば、注目画素値を上記候補値で置き換えられないときでも、上記閾値処理の結果が許容範囲の誤差に収まる場合には注目画素値を上記候補値で置き換えるものである。
【0042】
なお、本発明の上述の側面および本発明の他の側面は、特許請求の範囲に記載され、以下、実施例を用いて詳細に説明される。
【0043】
また、本発明は、装置またはシステムとして実現できるのみでなく、方法の形態でも実現可能であり、少なくともその一部をコンピュータプログラムとして実現できることももちろんである。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例の具体的な説明の前に、本発明の基本的な原理について述べる。まず画像の一般的な性質を整理する。
【0045】
一般に、独立決定法による2値化で生成した2値画像を、そのまま符号化するのは難しい。画像符号化で頻繁に利用する自己相関性が2値化によって失われるためである。特にブルーノイズマスクのような拡散系のスクリーンでこの傾向が顕著である。失われた自己相関性は何らかのかたちで本来の多値画像に戻さない限り、回復しない。従って2値画像を符号化する場合、原画の多値画像には自己相関性があっただろうにもかかわらず、自己相関性を利用することは難しい。
【0046】
ただし2値化には圧縮率を向上する働きもある。まず階調数が減るので、もととなる画像データ量自体が小さくなる。また写真やスキャン画像のような、いわゆる自然画像に含まれるノイズ成分を抑制する効果もある。ただし拡散系のスクリーンは2値画像自体がノイズ的性質を持つので、この効果はあまりない。
【0047】
従来例では2値化結果と閾値から原画の多値の画素値を推定することで、自己相関性を部分的にだが復元している。すなわち注目画素がテンプレート画素の推定値に近いことを仮定した画像符号化を適用することで、圧縮率の向上を図っている。この手法だと自己相関性を利用できる代わり、既に述べたような問題点が発生する。
【0048】
次に本発明の原理を述べる。本発明では2値化を符号化復号処理の後段に置くことを前提とする。こうすると符号化処理を多値画像上で行うので、自己相関性を失うことはない。しかし、これだけだと上述した2値化の圧縮率向上効果を得ることができない。そこで2値化を前提とした画素値の量子化処理を符号化復号処理の前段で行う。
【0049】
ここでいう画素値の量子化処理について説明する。2値画像が局所的に再現できる階調には当然限りがある。図3は多値1画素を2値4画素で表現する例の概念図である。ここでいう多値を8bitとすると、入力1画素で256階調を表現できるのに対して、2値4画素ではすべて白からすべて黒まで5段階の階調しか表現することができない。図3では仮に対応する4つの閾値を32,96,160,224としたが、この閾値の中間(以下、閾値レンジという)で階調変化があったとしても、出力としては違いを認識できない。つまり独立決定法による2値化は多値(この場合は5値)の量子化処理だともいえる。上で述べた2値化が持つ圧縮率の向上効果は、この量子化の効果による。
【0050】
そこで本発明ではこの量子化処理だけを符号化処理の前段に移動する。上の説明で明らかなように、あとで2値化することがわかっていれば、この量子化処理がどこにあろうと最終的な2値画像には影響がない。そこで本発明では符号化処理の前段において、上述の閾値レンジ内で画素値を符号化処理に都合の良いように変更することにより、2値化による圧縮率向上効果を実現する。
【0051】
本発明では符号化に自己相関性を利用することができる上に、2値化による圧縮率向上効果を加えることができるので、高い圧縮率が期待できる。さらに各処理は多値画像の1画素毎に行うので、処理時間は入力解像度のみに依存する。これは処理負荷が軽いことを意味しており、高解像度かつ高速度の出力デバイスにも適用しやすい。
【0052】
また、以上では簡単のため2値化に限定して説明してきたが、閾値処理結果を多値とする2値以上の限定階調化でも同じように本発明を適用することができる。図3では入力1画素に2値出力4画素の例を説明したが、これは入力1画素に5値出力1画素であっても閾値レンジとしてはまったく同じことになり、本発明をそのまま適用することができる。この例からも本発明が2値以上の限定階調化にわたって有効であることは明らかである。以下、説明を簡単にするために2値化と呼ぶが、2値以上への拡張も容易に可能である。
【0053】
本発明の具体的な例については実施例において説明する。以下、本発明の実施例として、
【0054】
(1)画像処理装置として実施する例
(2)一般的な予測符号化に適用する例
(3)一般的な予測符号化と融合する例
(4)特定の予測符号化に適用する例
(5)画像出力システムとして実施する例
(6)トーン調整の必要な画像出力装置と組み合わせて実施する例
の6つについて述べる。
【0055】
[第1の実施例]
本発明の第1の実施例として、まず画素値を変更する部分だけを画像処理装置として独立に実施する例を述べる。以下、本発明の第1の実施例の具体的な説明を行う。
【0056】
図1は第1の実施例における画像処理装置を示すブロック図である。図中、図14と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。図中、20は閾値参照部、30は画素値変更部、40は画像出力部、120は閾値データ、130は変更画像データである。
【0057】
図1の各部について説明する。閾値参照部20は本実施例の後段で行われる2値化で使用する閾値行列から、入力画像データ110の注目画素に対応する閾値を閾値データ120として画素値変更部30へ送出する。画素値変更部30は閾値データ120に基づき、予め定めれらた手法で入力画像データ110の注目画素値を変更し、変更画像データ130として画像出力部40へ送出する。画像出力部40は外部に対し、変更画像データ130の出力処理を行う。
【0058】
以上の構成に基づいて本発明の第1の実施例の動作について説明する。図3は第1の実施例における画像処理動作を示すフローチャートである。図中、図15と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。ただし若干異なる部分については説明を加える。
【0059】
図3を用いて本発明の第1の実施例における画像処理を説明する。S20で画素値変更処理を行う。S40では画像出力部において、変更画像データ130の出力を行う。S50では未処理部分があればS10へ、すべて処理が完了すれば処理全体を終了する。
【0060】
以上の動作の中で、閾値参照部20における閾値データ120の生成について説明する。まず閾値参照部20において参照すべき閾値行列は、本実施例で出力する変更画像データ130に最終的に施される2値化処理と一致している必要がある。
【0061】
また閾値参照部20では画像入力部10における注目画素の画素位置から、最終的に施される2値化処理において注目画素に対応する閾値を選択する必要がある。これを実現するのに画像入力部10と閾値参照部20を直接同期させるようにしてもよいし、画像サイズから閾値参照部20で閾値をスキャン順にストリーム状にして出力し、画素値変更部30で同期をとるようにしてもよい。その他、どのような実装形態をとるにせよ、画素値変更部30に入力する入力画素と参照閾値が、最終的な2値化時の組み合わせと一致すれば問題ない。図4は4x3の閾値行列の例と、これを繰り返し適用する場合について、ストリーム状に展開した閾値データ120の例である。
【0062】
次に画素値変更部30における画素値変更処理について説明する。本処理の目的は上述した閾値レンジの範囲内で、後段の画像符号化に都合よいように画素値を変更することである。
【0063】
閾値レンジについては既に説明したので、閾値レンジの例示のみ行う。例えば図3の2値化の場合、入力画素値が12であれば、閾値と画素値が等しかったときの処理でバリエーションがあるが、例えば閾値レンジは0から31となる。また入力画素値が80であれば、例えば閾値レンジは32から95となる。
【0064】
次に画像符号化に都合の良い画素値とは何かということについて説明する。一般に画像符号化は入力画像に対して仮定を行う。これをモデリングとか、ソースコーディングなどといい、画素値の連続性・局所性や周波数特性を仮定するのが一般的である。前出のJBIGは注目画素値が周辺画素値パターンに依存するというマルコフモデルを立てているし、画像符号化標準JPEG(Joint Photographic Experts Group)では周波数特性の低域集中性を仮定している。また可逆の画像符号化標準であるJPEG−LSをはじめとするいわゆる予測符号化や、ランレングスコーダなどは画素値の連続性を利用する。
【0065】
画像符号化の圧縮率を決める要因の1つは、それぞれの符号化方式が置く仮定に対する入力画像の適合性にある。例えば高周波成分の少ない写真画像はJPEGで圧縮しやすいが、逆に高周波成分の多い文字文書画像はJPEGでは圧縮しづらい。
【0066】
そこで結論としては、画素値変更部30における画素値変更処理は、後段に置く画像符号化が使う仮定に適合しやすくなるよう、画素値を変更すれば良い。JPEGの例でいえば、例えばローパスフィルタなどで高周波成分を除去してやれば、圧縮率を向上することができる。もちろんこのとき、閾値レンジを外れるような画素値の変更を行ってはならない。従って、ローパスフィルタをかけた後に閾値レンジ内に強制的に戻すとか、閾値レンジを越えるようなときはフィルタの係数を調整するとか、何らかの方法で閾値レンジ内に収めることが必要である。
【0067】
他の例では、例えばランレングスコーダを後段に使う場合は、閾値レンジ内であれば直前の画素値と同じ画素値に変更する。このとき逆に次の画素値を先読みして、その先の画素値にあわせるような変更をしても構わないし、これらを組み合わせてより高度な処理をしても構わない。また予測符号化の例では、ランレングスコーダの例のような処理も効果的だが、符号化で使用する予測処理がより正確な予測になるように画素値を変更しても良い。なお予測符号化の一例については別の実施例として説明する。
【0068】
またLZのようにシンボルの反復性を利用する符号化を後段に使う場合は、より反復するシンボルが多くなり、かつ長く連続するように画素値を変更すれば良い。マルコフ符号化やブロックソーティング符号化が後段にくる場合は、周辺画素と注目画素の組み合わせが特定の組み合わせに集中するように画素値を調整すれば良い。この他いちいち説明しないが、どのような符号化を持ってくるにしても、基本的にはその符号化がおく仮定に沿うように処理を定義すれば良いのであり、それは符号化がきまれば容易に設定可能である。そしてこれらの処理によって、2値化がもたらす圧縮率向上効果と同程度の効果が多値画像上で実現できることになる。
【0069】
以上で説明したように、本発明の第1の実施例によれば独立決定法による2値化画像の符号化における前処理として、ごく高速かつ軽い処理負荷で、自己相似性などの多値画像の性質と階調削減などの2値画像の性質とのいずれも画像に反映できるので、後段の符号化の圧縮率をより向上することができる。
【0070】
[第2の実施例]
本発明の第2の実施例として、本発明を予測符号化に適用する画像処理装置の例について説明する。
【0071】
以下、本発明の第2の実施例の具体的な説明を行う。図5は本発明の第2の実施例における画像処理装置を示すブロック図である。図中、図14、図1と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。301は予測部、302は画素値選択部、303は予測画素値データである。
【0072】
図5の各部について説明する。予測部301は入力画像データ110に対して、所定の予測処理を行い、その結果を予測画素値データ303として画素値選択部302へ送出する。画素値選択部302は入力画像データ110、予測画素値データ303、閾値データ120の各データを参照し、画素値を選択して出力画像データ130として画像出力部40へ送出する。
【0073】
次に本発明の第2の実施例の動作について説明する。図2および図6は第2の実施例における画像処理動作を示すフローチャートである。図中、図15と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。ただし若干異なる部分については説明を加える。
【0074】
以下、図2および図6を用いて本発明の第2の実施例の画像処理動作を説明する。図2については本発明の第1の実施例ですでに説明しているので説明を省略し、図2におけるS30について図6を用いて説明する。S31では予測部301において、予測処理を行う。S32では入力画像データ110の注目画素値と予測画素値データ303が、閾値データ120で与えられる閾値において同一閾値レンジに収まっているかどうかを判定する。そしてその結果、収まっていればS33へ、そうでなければS34へ進む。S33では画素値選択部302において予測値を選択する。S34では画素値選択部302において入力画像データ110の注目画素値を選択する。
【0075】
以上の動作の中で、予測部301における予測処理は、既に処理済の画素値から注目画素値を予測する処理であるが、詳細は予測符号化として公知の技術なのでこの説明を省略する。一例としてJPEGのSpatial方式として制定されている可逆の予測符号化では、注目画素の直左画素をA、直上画素をB、左上画素をCとした場合、以下の予測式のうちの1つを選択的に使用する。
【0076】
【数1】
X=A (1)
X=B (2)
X=C (3)
X=A+B−C (4)
X=A+((B−C)/2) (5)
X=B+((A−C)/2) (6)
X=(A+B)/2 (7)
【0077】
次に画素値選択部302における画素値選択処理について説明する。一般的な予測符号化では予測値と実際の注目画素値を比較し、その差分、いわゆる予測誤差をエントロピー符号化する。このとき後段のエントロピー符号化は、予測誤差の分布が0を中心とする上に凸の分布になることを想定して設計されていることが多い。つまり、予測誤差が0に近いほど、最終的な圧縮率を向上することができる。
【0078】
従って圧縮率を高めるためには画像入力データ110の注目画素値を予測画素値データ303に近づければよい。このとき注目画素値と予測画素値が閾値データ120で定義される同一の閾値レンジに入っている場合に制限すれば、最終的な2値画像で画質劣化を生じなくすることができる。
【0079】
ここでの目的は、注目画素値の閾値レンジを越えることなく、予測処理の誤差を小さくするように画素値を調整することである。従って上で説明した動作は、一例に過ぎないことは明らかである。以下にいくつか他の例を示す。
【0080】
例えばS34で入力画素値を選択する代わりに、予測値を注目画素値の閾値レンジでクリッピングしてもよい。こうすればS33とS34をまとめることができるので、S32が必要なくなる。
【0081】
また、S32の判定を両隣もしくは近隣の閾値レンジまで広げても良い。この場合、画質劣化が避け得ないが、最小の画質劣化でより高い圧縮率を期待することができる。
【0082】
また、図6の動作では予測値に近くなるように注目画素値を調整したが、逆に次の画素で予測値と画素値が近くなるように、注目画素値を調整しても良い。さらにこれを図6の動作と組み合わせ、S34の代わりにいま述べたような調整をしても良い。もちろんこの逆にいま述べた調整を試みてから、S32の動作を行っても良い。もちろん、このような組み合わせは以上で述べてきた各例の間で自由に構成することもできる。
【0083】
このように本発明の第2の実施例においては多くのバリエーションが考えられるが、その各個は上述した動作原理から明らかに類推可能なので、ここでは説明を省略する。
【0084】
以上で説明したように、本発明の第2の実施例によれば予測符号化前提とした上で、自己相似性などの多値画像の性質と階調削減などの2値画像の性質とのいずれも画像に反映できるので、後段の符号化の圧縮率をより向上することができる。
【0085】
[実施例3]
本発明の第3の実施例として、第2の実施例同様の予測符号化により予測値と予測誤差と生成し、これら予測値と予測誤差とを符号化する画像符号化装置の例について説明する。
【0086】
以下、本発明の第3の実施例の具体的な説明を行う。図7は本発明の第3の実施例における画像符号化装置を示すブロック図である。図中、図14、図1、図5と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。ただし若干異なる部分については説明を追加する。411は誤差算出部、412は符号化部、413は予測誤差データである。
【0087】
図5の各部について説明する。予測部301は予測画素値データ303を画素値選択部302とともに誤差算出部411へも送出する点で第1の実施例と異なる。誤差算出部411は変更画像データ130と予測画素値データ303から所定の方法で予測誤差を算出し、予測誤差データ413として符号化部412へ送出する。符号化部412は所定の方法で予測誤差データ413にエントロピー符号化を行い、符号データ140として符号出力部41へ送出する。
【0088】
次に本発明の第3の実施例の動作についてだが、これは符号化処理を除いて第2の実施例と同様であり、第2の実施例の動作説明から容易に類推可能であるので省略する。
【0089】
以上の動作の中で、誤差算出部411における誤差算出処理は、予測符号化として一般に公知の技術なのでこの説明を省略する。前出のJPEG Spatial方式をはじめとして、一般には実際の注目画素値から予測値を減算するが、バリエーションもありえる。例えば減算の順序が逆であってもいいし、画像の種別によっては排他的論理和をとったりしてもよい。
【0090】
また、予測誤差値を画素値のレンジでクリッピングしてもよい。これについては若干説明を加える。いま画素値のレンジが[0,255]だったとする。ここで注目画素値が20、予測値が30だったとすると、予測誤差値は20−30=−10となる。ここでいうクリッピングとはこの場合、予測誤差値に256を加減算して[0,255]のレンジに収めることをいう。従って予測誤差−10は−10+256=246として算出される。これに対しては復号時に改めてクリッピングすることで、正値を得ることができる。つまり復号時には予測誤差246と予測値30が知れるので、注目画素値は246+30=276となるが、これをクリッピングすればもとの画素値20が得られる。このようなクリッピングは符号シンボルを減少させる働きがあるので、結果的に圧縮率を向上することができる。
【0091】
また、符号化部412における符号化処理は一般的なエントロピー符号化を指す。例えばHuffman符号化、算術符号化、LZ符号化、ブロックソーティング符号化、Golomb符号化などを始めとして多くの例がある。これらはすべて公知の技術なので説明は省略する。
【0092】
本発明の第2の実施例では本発明の後段に独立した画像符号化装置を設けることを想定したので、画像符号化装置で改めて予測処理を行うことが必要となる。これに対して本発明の第3の実施例においては、画素値変更部30において変更画像データ130とともに予測画素値データ303を出力するように構成したので、予測処理は予測部301だけで行うことができるようになる。
【0093】
なお、以上は予測符号化を例にとって説明したが、本発明の第3の実施例の特徴は画素値変更部30と後段の画像符号化との共通処理を共有化する点が特徴である。この点を生かせば、他の画像圧縮手法にも同じ方法が適用可能である。例えば変換符号化を仮定すれば、変換処理を共有すればよいし、またランレングス符号化を仮定すれば、ランのカウンタが共有可能である。これ以上例示はしないが、多くの符号化に本発明の第3の実施例の変形が適用可能なことは自明であって、本発明の第3の実施例が予測符号化に限定されることはない。
【0094】
以上で説明したように、本発明の第3の実施例によれば、画素値変更と画像符号化と融合して実施することにより、本発明のより効率的な実施を行うことができる。
【0095】
[第4の実施例]
本発明の第4の実施例として、本発明を特開2000−350215号公報に開示された予測符号化に適用する例について説明する。この符号化は複数の予測部を備えることを特徴とし、特に人工的な画像の圧縮を効果的に行うことができる技術である。
【0096】
以下、本発明の第4の実施例の具体的な説明を行う。図8は本発明の第4の実施例における画像処理装置を示すブロック図である。図中、図14、図1、図5および図7と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。図中、304は第1予測部、306は第2予測部、306はラン計数部、307は選択部、308、309は予測画素値データ310はランデータである。
【0097】
図8の各部について説明する。第1予測部304、第2予測部305はそれぞれ、入力画像データ110に対して所定の予測処理を行い、予測画素値データ308、309としてラン計数部306へへ送出する。ラン計数部306は入力画像データ110と閾値データ120をもとに、予測画素値データ308、309のそれぞれが注目画素値と同じ閾値レンジに入っているかを判定し、入っていればその連続回数を計数し、この計数結果をランデータ310として選択部307へ送出する。選択部307はランデータ110にもとづいて、入力画像データ110、予測画素値データ308、309のいずれかを変更画像データ130として画像出力部40へ送出する。
【0098】
次に本発明の第4の実施例の動作について説明する。図2および図9は第4の実施例における画像処理動作を示すフローチャートである。図中、図15、図6と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。ただし若干異なる部分については説明を加える。
【0099】
以下、図2および図9を用いて本発明の第4の実施例の画像処理動作を説明する。図2については本発明の第1の実施例ですでに説明しているので説明を省略し、図2におけるS30について図9を用いて説明する。S311では第1予測部304および第2予測部305において、それぞれ所定の方法で注目画素値の予測を行う。S321ではラン計数部306において、予測画素値データ308が入力画像データ110と同じ閾値レンジに入っていればS322へ、そうでなければS323へ進む。S322ではラン計数部306において、第1予測部304のランを加算する。S323ではラン計数部306において、第1予測部304のランを終了する。S324ではラン計数部306において、予測画素値データ309が入力画像データ110と同じ閾値レンジに入っていればS325へ、そうでなければS326へ進む。S325ではラン計数部306において、第2予測部305のランを加算する。S326ではラン計数部306において、第2予測部305のランを終了する。S327ではラン計数部306において、加算中のランがなくなればS328へ、まだあればS30を終了する。S328ではラン計数部306において、直前まで計数していたランがあればS331へ、そうでなければS34へ進む。S331では選択部331において、最大ラン長を示した予測部の予測値列を変更画像データ130として送出する。S329ではラン計数部306において、全ての予測値が閾値レンジ外であればS34へ、そうでなければS330へ進む。S330ではラン計数部306において、予測値が閾値レンジ内に入った予測部のランを1とし、それ以外の予測部のランを終了する。
【0100】
以上の動作の中でS311における予測処理は特開2000−350215にあるように、周辺画素値による予測が例としてあげられる。もちろん、例えば上述の(1)〜(7)式で示したような算出式によるものであってもよい。
【0101】
また、S331における予測値の出力では、ラン長分だけ該当する予測器の予測値を出力する。これは予測値の履歴をどこかにバッファリングしていても良いし、画像をラン長だけ遡って予測し直すような構成でも良い。
【0102】
また、以上の動作例は本発明の第2の実施例の動作説明同様、画素値の調整についての一例を示したに過ぎない。本発明の第2の実施例の動作の説明で例示したように多くのバリエーションがあるが、それらは上記の説明より類推可能なので、ここで改めて説明することはしない。
【0103】
また、本発明の第2の実施例と第3の実施例の関係と同様、この第4の実施例についても画像符号化装置と融合することで処理の簡易化を図ることができる。これについてはこれまでの説明から容易に類推可能なので、説明を省略する。
【0104】
特開2000−350215号公報の技術は可逆符号化なので、情報量の多い自然画像の圧縮率が低下することがある。しかし自然画像については、本発明の動作原理でもある2値化による圧縮率向上が効果的に働く。結局、特開2000−350215号公報の技術と本発明が相補的に働くので、画像種別を問わず高い圧縮率が期待できる。
【0105】
本発明の第4の実施例の効果を確認するために、模擬実験を行った結果を示す。図10はこの結果である。この実験では入力1画素に対して4x4個の拡散系の閾値を適用するような2値化を想定し、比較対照としてJBIGによる実験を行った。この結果から本発明の効果は明らかである。
【0106】
以上で説明したように、本発明の第4の実施例では複数の予測器を備えた画像符号化に適用するよう構成するので、画像種別によらず圧縮率が高くなるような画像を出力することができる。
【0107】
[第5の実施例]
本発明の第5の実施例として、本発明を画像出力システムとして実施する例について説明する。
【0108】
以下、第5の実施例の具体的な説明を行う。図11は本発明の第5の実施例における画像印字装置のブロック図である。図中、図14、図1、図5、図7および図8と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。ただし若干異なる部分については説明を追加する。42は画像符号化部、43は画像蓄積部、44は画像復号部、50は2値化部、60は画像印刷部、131は2値画像データである。
【0109】
図11の各部について説明する。閾値参照部20は画素値変更部30に加え、2値化部50に対しても閾値データ120を送出する。画像符号化部42は所定の方法で変更画像データ130を符号化し、符号データ140として画像蓄積部43へ送出する。画像蓄積部43は符号データ140を蓄積する。画像復号部44は画像符号化部42で行う符号化の逆処理である復号処理を符号データ140に対して行い、変更画像データ130として2値化部50へ送出する。2値化部50は閾値参照部20から送出される閾値データ120に基づき、変更画像データ130を2値化し、2値画像データ131として画像印刷部60へ送出する。画像印刷部は2値デバイスで2値画像データ131の印刷を行う。
【0110】
動作については他の実施例の説明などから明らかなので、説明を省略する。
【0111】
以上の動作において、閾値参照部20が提供する閾値データ120は画素値変更部30においては入力画像データ110に、また2値化部50においては変更画像データ130に同期して、同じ画素には同じ閾値を適用するように動作する必要がある。参照するデータが同一であれば、見かけ上閾値参照部20が別々に実装されていてもよい。
【0112】
また、本発明の第5の実施例はごく基本的な画像出力システムについて述べたものであって、高画質化や高機能化などのために、途中に別の処理が入っても構わない。
【0113】
また、本発明の第3の実施例のごとく、画素値変更部30と画像符号化部42の一部を共有しても構わない。さらにこれを画像復号部44と共有することも可能である。これらについては他の説明から明らかなため、説明を省略する。
【0114】
また、画像蓄積部43に代えて、あるいは、画像蓄積部43とともに、通信媒体を配置するようにしてもよい。
【0115】
以上で説明したように、本発明の第5の実施例によれば本発明を適用した画像出力システムを構築でき、符号化時により効率的な符号を得ることが可能となる。
【0116】
[第6の実施例]
本発明の第6の実施例として、トーン制御の必要な出力機器と組み合わせて実施する例について説明する。
【0117】
まず本実施例の原理について説明する。出力機器の中にはデバイスの特性に依存したトーンの補正が必要なものがある。ここでいうデバイスの特性とは、いわゆるガンマ補正のようにデバイスの非線型性に関するものと、デバイスの状態変動に関するものがある。例えばゼログラフィプリンタなどではこの両方の特性を吸収するために、デバイスへの出力段でトーン補正をかけることが多い。
【0118】
このようなトーン補正はその性質上、一般にはデバイスの直前で行われる。一方、本発明の第5の実施例で見たように、本発明はその前段で実施されることが多い。この場合、本発明の適用上の問題が発生する。
【0119】
既に説明したように本発明では後段の2値化処理を仮定して画素値を変更するので、2値化結果としては可逆の圧縮が実現できた。しかし後段でトーン補正が入ると、後段で行われる2値化処理は本発明で仮定したものと異なってくる。例えば全ての画素値を+20するようなトーン補正が後段でかかるとすると、トーン補正後の閾値Thはトーン補正前の画素値でいうと(Th−20)に相当する。従って本発明の画素値変更処理ではこの変動を見越しておく必要がある。図12はそのような状況の説明図である。
【0120】
画素値変更処理でこの変動を見越すための具体的な対策としては、本発明の入力段でトーン補正を行ってしまえば良い。このときの構成については後述する。このような構成をとることにより、デバイスの非線形性に起因する固定的なトーン補正は吸収することができる。
【0121】
しかしデバイスの状態変動の補正は動的であるため、入力段ではその補正自体が未知であり、上のような対策がとれないことがある。そのような変動の対策としては、2値化処理の閾値の前後に保護域を設けることで対処する。この保護域の画素値では画素値変更処理を無効にすることにより、変動を吸収できるようになる。
【0122】
具体的に説明しよう。例えば閾値をTh1,Th2,Th3とし、Th1+20=Th2,Th2+20=Th3の関係があるものとする。本発明では画素値(Th2−1)を(Th1+1)などに変更しても構わない。このとき画素値を+3するようなトーン補正が必要となったとすると、画素値(Th2−1)は(Th2−1)+3=(Th2+2)となって閾値Th2を越えるが、もしこれを(Th1+1)に画素値変更していたとすると(Th1+4)は閾値Th2を越えることができない。これが本実施例で解決しようとしている点である。
【0123】
本実施例では例えば[ThN−5,ThN+5]を保護域とする。ここでNは1,2,3のいずれかである。画素値変更部30はこの保護域内に入った画素値を変更しない。これにより、上の例でいえば(Th2−1)は(Th2−1)として保護されるので、トーン補正によって閾値Th2を越えることが保証できる。この[ThN−5,ThN+5]を保護域とする例では、±5のトーン補正であれば本発明による2値画像の可逆性を保証できる。
【0124】
以上で述べた2つの対策、すなわちトーン補正を入力段でかける対策と閾値前後に保護域を設ける対策は組み合わせて実施しても良い。このとき例えば日毎の補正は入力段のトーン補正で行い、ページ毎の補正は保護域で吸収するといったように組み合わせても良い。
【0125】
また説明では簡単のため保護域を[ThN−5,ThN+5]というようにしたが、保護域は対称でなくても構わないし、また閾値毎に保護域のレンジが異なっていても構わない。
【0126】
また、入力段でトーン補正をかける場合、一般には実効のダイナミックレンジが低下する。それは例えば入力では異なるレベルを出力では同じレベルとすることで、非線型変換を実現するからである。このときいわゆるトーン補正だと、この狭まったレンジを[0,255]に分布させるが、本発明の場合は実効レベルのダイナミックレンジで表現するのがより好ましい。
【0127】
例えばトーン補正によって実効レベルが256から240に減少するとしよう。一般のトーン補正では値を2つ飛ばしなどにして[0,255]レンジに分布させる。しかし本発明ではこのレンジを[0,239]で表現することが好ましい。これにより理論的な情報量が減るので、圧縮効果を大きくすることができる。ただし後段で[0,255]レンジに膨らませるなど、デバイスに渡す前またはデバイス内でなんらかの補正処理が必要となる。
【0128】
図13は以上説明した原理による、本発明の第6の実施例における画像処理装置を示すブロック図である。図中、図1と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。70は固定補正部、71は変同値参照部、150は補正画像データ、151は保護域データである。
【0129】
図13の各部について説明する。固定補正部70は後段のデバイスで必要となる、固定的なトーン補正を入力画像データ110に対して行い、補正画像データ150として画素値変更部30へ送出する。保護域参照部71は予め設定された保護域を保護域データ151として画素値変更部30へ提示する。画素値変更部30は閾値データ120に基づいて入力画像データ110の画素値を変更するが、この画素値が保護域データ150で提示された保護域に含まれる場合は変更を行わない。
【0130】
動作については他の実施例の説明などから明らかなので、説明を省略する。ここでは以上で説明した2つの対策を同時に実施した構成を例示したが、いずれかの対策を単独で行っても構わない。また、固定補正部70や保護域参照部71が、SNMP等により出力機器からトーン補正に関連する情報を受け取って固定的なトーン補正や保護域を更新するようにしてもよい。
【0131】
以上で説明したように、本発明の第6の実施例によればトーンの補正が必要なデバイスに対しても本発明を適用することが可能となる。
【0132】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、限定階調化、特に2値化を前提とする画像を対象とした画像処理装置において、後段の圧縮率を向上するための画像処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の画像処理装置を示す構成図である。
【図2】 本発明の第1の実施例の画像処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の第1の実施例の画像処理装置における多値画像と2値画像の関係を説明する説明図である。
【図4】 本発明の第1の実施例の画像処理装置における閾値データを説明する説明図である。
【図5】 本発明の第2の実施例の画像処理装置の構成を示す構成図である。
【図6】 本発明の第2の実施例の画像処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の第3の実施例の画像符号化装置の構成を示す構成図である。
【図8】 本発明の第4の実施例の画像処理装置の構成を示す構成図である。
【図9】 本発明の第4の実施例の画像処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の第4の実施例の画像処理装置の実験結果の一例を示す図である。
【図11】 本発明の第5の実施例の画像印刷装置の構成を示す構成図である。
【図12】 本発明の画像処理の第6の実施例における閾値の変動について説明する説明図である。
【図13】 本発明の画像処理の第6の実施例を示す構成図である。
【図14】 従来例の画像符号化装置を示す構成図である。
【図15】 従来例の画像符号化装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 画像入力部
11 テンプレート部
12 予測状態算出部
13 マルコフ確率推定部
14 算術符号構成部
20 閾値参照部
30 画素値変更部
40 画像出力部
41 符号出力部
42 画像符号化部
43 画像蓄積部
44 画像復号部
50 2値化部
60 画像印刷部
70 固定補正部
71 変同値参照部
110 入力画像データ
111 テンプレート画像データ
112 予測状態データ
113 推定確率データ
120 閾値データ
130 変更画像データ
131 2値画像データ
140 符号データ
150 補正画像データ
151 保護域データ
301 予測部
302 画素値選択部
303 予測画素値データ
304 第1予測部
306 第2予測部
306 ラン計数部
307 選択部
308、309 予測画素値データ
310 ランデータ
411 誤差算出部
412 符号化部
413 予測誤差データ
Claims (35)
- 階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理する画像処理装置において、
画像を入力する画像入力手段と、
所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照手段と、
上記画像入力手段により入力した画像データに対して、上記閾値参照手段により参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更手段と、
上記画素値変更手段で得られた変更画像データを出力する画像出力手段とを具備し、
上記画素値変更手段は上記閾値データを越えない範囲で、後段に接続される画像符号化装置での圧縮率が向上するように画素値を変更することを特徴とする画像処理装置。 - 上記画素値変更手段は上記入力画像データを予測する予測手段と、上記予測手段による予測結果と上記閾値データとに基づいて上記入力画像データを変更する画素値選択手段とを具備し、
上記画素値選択手段は上記閾値データを越えない範囲で、上記予測データが注目画素値と等しくなるよう注目画素値を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 上記画素値変更手段は、上記画像データを予測する少なくとも2つ以上の予測手段と、上記複数の予測手段による予測結果と上記画像データの、連続する一致回数を計数するラン計数手段と、上記ラン計数手段で計数した一致ランデータをもとに上記画像データおよび上記予測結果から画素値を選択する選択手段とを具備し、
上記ラン計数手段は上記閾値データを越えない範囲で上記予測結果と上記画像データが一致とみなし、上記選択手段はもっとも長い一致ランを持つ予測結果を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 上記画素値変更手段は上記変更画像データに加えて処理の中間データを出力し、続く画像符号化装置で上記中間データを利用できるようにすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
- 上記中間データは上記画素値変更手段が具備する予測手段の予測結果であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 上記画像入力手段で入力された画像に対して、想定する出力機器の非線型性を補正する補正手段を具備し、
上記画素値変更手段は、上記補正手段の補正結果に対して画素値変更処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 上記補正手段の補正処理は週、日などの一定期間毎に調整し直すことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 上記補正手段の補正処理は出力の実効レンジに合わせて画素値レンジを狭くすることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 上記画像入力手段で入力された画像に対して、想定する出力機器の変動による補正を吸収するための保護域を設定する保護域参照手段を具備し、
上記画素値変更手段は上記保護域参照手段によって提示される保護域に対しては画素値変更処理を行わないようにすることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理する画像符号化装置において、
画像を入力する画像入力手段と、
所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照手段と、
上記画像入力手段により入力した画像データに対して、上記閾値参照手段により参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更手段と、
上記画素値変更手段で得られた変更画像データを符号化する画像符号化手段と、
上記画像符号化手段で得られる符号化データを出力する符号出力手段とを具備し、
上記画素値変更手段は上記閾値データを越えない範囲で、上記画像符号化手段における圧縮率が向上するように画素値を変更することを特徴とする画像符号化装置。 - 階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理する画像符号化装置において、
画像を入力する画像入力手段と、
所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照手段と、
上記画像入力手段により入力した画像データに対して、上記閾値参照手段により参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更手段と、
上記画素値変更手段で得られた変更画像データを符号化する画像符号化手段と、
上記画像符号化手段で得られる符号化データを出力する符号出力手段とを具備し、
上記画像符号化手段は上記画素値変更手段が出力する変更画像データに加え、中間データを参照することで符号化処理の一部を省略できるようにすることを特徴とする画像符号化装置。 - 上記中間データは上記画素値変更手段が具備する予測手段の予測結果であることを特徴とする請求項11に記載の画像符号化装置。
- 上記画像符号化は予測符号化であることを特徴とする請求項11または12に記載の画像符号化装置および画像印刷装置。
- 上記画像符号化は上記予測結果と上記変更画像データとの誤差を算出する誤差算出手段と、上記誤差をエントロピー符号化する符号化手段とを具備することを特徴とする請求項13に記載の画像符号化装置。
- 上記誤差算出手段における算出処理は、減算、クリッピング付きの減算、排他的論理和のいずれかであることを特徴とする請求項14に記載の画像符号化装置。
- 上記符号化手段におけるエントロピー符号化処理は、Huffman符号化、算術符号化、LZ符号化、ブロックソーティング符号化、Golomb符号化のいずれかまたはその組み合わせであることを特徴とする請求項14または15に記載の画像符号化装置および画像印刷装置。
- 上記閾値参照手段で行う閾値参照処理は、上記画像入力手段と同期をとるか、または閾値参照結果をスキャン順にストリーム状にして出力することを特徴とする請求項10〜16のいずれかに記載の画像符号化装置。
- 上記画素値変更手段で行う画素値変更処理は、後で適用される符号化方式にあわせて処理を変更することを特徴とする請求項10〜17のいずれかに記載の画像符号化装置。
- 上記画素値変更手段で行う画素値変更処理は、ローバスフィルタによる高域成分除去、直前画素値での置き換え、所定の予測式による予測値での置き換え、既出現画素値での置き換え、連続する既出現画素値のパターンでの置き換え、既出現の周辺画素と注目画素の組み合わせによる置き換え、先読みした画素値での置き換え、先読みした画素が所定の予測式で予測できるようにする画素値での置き換え、先読みした画素値が連続する既出現画素値のパターンとなるような画素値への置き換え、先読みした画素値が既出現の周辺画素と注目画素の組み合わせになるような画素値への置き換え、のいずれかまたはそれらの組み合わせで行うことを特徴とする請求項10〜18のいずれかに記載の画像符号化装置。
- 上記画素値変更手段で行う画素値変更処理は、置き換え候補となる候補値と上記入力画像データの画素値が、上記閾値参照手段で参照する閾値で閾値処理した場合に同一の値になる場合は注目画素値を上記候補値で置き換え、そうでない場合はそのままにすることを特徴とする請求項10〜19のいずれかに記載の画像符号化装置。
- 上記画素値変更手段で行う画素値変更処理は、上記候補値で置き換えられないときには、上記閾値データを越えない範囲で最も上記候補値に近い値で置き換えることを特徴とする請求項10〜20のいずれかに記載の画像符号化装置。
- 上記画素値変更手段で行う画素値変更処理は、注目画素値を上記候補値で置き換えられないときでも、上記閾値処理の結果が許容範囲の誤差に収まる場合には注目画素値を上記候補値で置き換えることを特徴とする請求項10〜20のいずれかに記載の画像符号化装置。
- 画像を入力する画像入力手段と、
所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照手段と、
上記画像入力手段により入力した画像データに対して、上記閾値参照手段により参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更手段と、
上記画素値変更手段で得られた変更画像データを所定の方法で符号化する画像符号化手段と、
上記画像符号化手段で得られる符号データに対して上記画像符号化手段で行う符号化処理の逆変換である復号処理を行う画像復号手段と、
上記閾値参照手段により参照した閾値データをもとに上記画像復号手段の復号結果を限定階調化する限定階調化手段と、
上記限定階調化手段で得られる限定階調画像を印刷する画像印刷手段とを具備し、
上記画素値変更手段と上記限定階調化手段で参照する閾値は同一のものであることを特徴とする画像印刷装置。 - 上記閾値参照手段で行う閾値参照処理は、上記画像入力手段または上記画像復号手段と同期をとるか、または閾値参照結果をスキャン順にストリーム状にして出力することを特徴とする請求項23に記載の画像印刷装置。
- 階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理する画像処理装置において、
画像を入力する画像入力手段と、
所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照手段と、
上記画像入力手段により入力した画像データに対して、上記閾値参照手段により参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更手段と、
上記画素値変更手段で得られた変更画像データを出力する画像出力手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 画像と閾値を入力し、上記画像の画素値が上記閾値を越えない範囲で、上記画像の画素値を想定する画像符号化の都合の良い画素値に変更し、上記変更結果を出力することを特徴とする画像処理方法。
- 画像と閾値を入力し、上記画像の画素値が上記閾値を越えない範囲での画素値変更を許容した画像符号化を行い、上記符号化結果を出力することを特徴とする画像符号化方法。
- 階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理する画像処理方法において、
画像を入力する画像入力ステップと、
所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照ステップと、
上記画像入力ステップにおいて入力した画像データに対して、上記閾値参照ステップにおいて参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更ステップと、
上記画素値変更ステップで得られた変更画像データを出力する画像出力ステップとを具備し、
上記画素値変更ステップは上記閾値データを越えない範囲で、後段に接続される画像符号化装置での圧縮率が向上するように画素値を変更することを特徴とする画像処理方法。 - 階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理する画像符号化方法において、
画像を入力する画像入力ステップと、
所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照ステップと、
上記画像入力ステップにおいて入力した画像データに対して、上記閾値参照ステップにおいて参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更ステップと、
上記画素値変更ステップで得られた変更画像データを符号化する画像符号化ステップと、
上記画像符号化ステップで得られる符号化データを出力する符号出力ステップとを具備し、
上記画素値変更ステップは上記閾値データを越えない範囲で、上記画像符号化ステップにおける圧縮率が向上するように画素値を変更することを特徴とする画像符号化方法。 - 階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理する画像符号化方法において、
画像を入力する画像入力ステップと、
所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照ステップと、
上記画像入力ステップにおいて入力した画像データに対して、上記閾値参照ステップにおいて参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更ステップと、
上記画素値変更ステップにおいて得られた変更画像データを符号化する画像符号化ステップと、
上記画像符号化ステップにおいて得られる符号化データを出力する符号出力ステップとを具備し、
上記画像符号化ステップは上記画素値変更ステップにおいて出力される変更画像データに加え、中間データを参照することで符号化処理の一部を省略できるようにすることを特徴とする画像符号化方法。 - 画像を入力する画像入力ステップと、
所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照ステップと、
上記画像入力ステップにおいて入力した画像データに対して、上記閾値参照ステップにおいて参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更ステップと、
上記画素値変更ステップで得られた変更画像データを所定の方法で符号化する画像符号化ステップと、
上記画像符号化ステップで得られる符号データに対して上記画像符号化ステップで行う符号化処理の逆変換である復号処理を行う画像復号ステップと、
上記閾値参照ステップにおいて参照した閾値データをもとに上記画像復号ステップの復号結果を限定階調化する限定階調化ステップと、
上記限定階調化ステップで得られる限定階調画像を印刷する画像印刷ステップとを具備し、
上記画素値変更ステップで参照する閾値と上記限定階調化ステップで参照する閾値は同一のものであることを特徴とする画像印刷方法。 - 階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理するためにコンピュータで実行される画像処理用コンピュータプログラムにおいて、
画像を入力する画像入力ステップと、
所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照ステップと、
上記画像入力ステップにおいて入力した画像データに対して、上記閾値参照ステップにおいて参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更ステップと、
上記画素値変更ステップで得られた変更画像データを出力する画像出力ステップとをコンピュータに実行させるために用いられ、
上記画素値変更ステップは上記閾値データを越えない範囲で、後段に接続される画像符号化装置での圧縮率が向上するように画素値を変更することを特徴とする画像処理用コンピュータプログラム。 - 階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理するためにコンピュータで実行される画像符号化用コンピュータプログラムにおいて、
画像を入力する画像入力ステップと、
所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照ステップと、
上記画像入力ステップにおいて入力した画像データに対して、上記閾値参照ステップにおいて参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更ステップと、
上記画素値変更ステップで得られた変更画像データを符号化する画像符号化ステップと、
上記画像符号化ステップで得られる符号化データを出力する符号出力ステップとをコンピュータに実行させるために用いられ、
上記画素値変更ステップは上記閾値データを越えない範囲で、上記画像符号化ステップにおける圧縮率が向上するように画素値を変更することを特徴とする画像符号化用コンピュータプログラム。 - 階調数削減処理により限定階調画像に変換することが予定されている多値画像を処理するためにコンピュータで実行される画像符号化用コンピュータプログラムにおいて、
画像を入力する画像入力ステップと、
所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照ステップと、
上記画像入力ステップにおいて入力した画像データに対して、上記閾値参照ステップにおいて参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更ステップと、
上記画素値変更ステップにおいて得られた変更画像データを符号化する画像符号化ステップと、
上記画像符号化ステップにおいて得られる符号化データを出力する符号出力ステップとをコンピュータに実行させるために用いられ、
上記画像符号化ステップは上記画素値変更ステップにおいて出力される変更画像データに加え、中間データを参照することで符号化処理の一部を省略できるようにすることを特徴とする画像符号化用コンピュータプログラム。 - 画像を入力する画像入力ステップと、
所定の2値以上の限定階調化用閾値データを参照する閾値参照ステップと、
上記画像入力ステップにおいて入力した画像データに対して、上記閾値参照ステップにおいて参照した閾値データをもとに所定の画素値変更処理を行う画素値変更ステップと、
上記画素値変更ステップで得られた変更画像データを所定の方法で符号化する画像符号化ステップと、
上記画像符号化ステップで得られる符号データに対して上記画像符号化ステップで行う符号化処理の逆変換である復号処理を行う画像復号ステップと、
上記閾値参照ステップにおいて参照した閾値データをもとに上記画像復号ステップの復号結果を限定階調化する限定階調化ステップと、
上記限定階調化ステップで得られる限定階調画像を印刷する画像印刷ステップとをコンピュータに実行させるために用いられ、
上記画素値変更ステップで参照する閾値と上記限定階調化ステップで参照する閾値は同一のものであることを特徴とする画像印刷用コンピュータプログラム。
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