JP6175737B2 - 印刷媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザープリンタ等、トナーを熱により定着する印刷装置で使用される印刷媒体に関するものである。
現在、印刷装置として、インクジェットプリンタやレーザープリンタが広く普及している。このうち、レーザープリンタは高速印刷が可能であるため、多くの企業や商店等で使用されている。
例えば企業の営業所や販売店等では、レーザープリンタで印刷媒体に商品等の内容を印刷し、その印刷された印刷媒体を窓ガラスや店舗内の壁等に貼り付けておくことにより、当該商品等を顧客に紹介することが行われている。印刷媒体として一般の普通紙を用いた場合には、その印刷媒体を通常の接着テープや両面テープ等で貼り付けることになる。しかし、紙の媒体は水や埃に弱いという問題がある。そこで、最近では、印刷された印刷媒体に対して、その両面をラミネートフィルムで熱圧着する加工、いわゆるパウチ加工を施すことにより、印刷媒体の表面を保護し、水濡れや汚れに強くすることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。また、普通紙の代わりに、フィルム材で構成される印刷媒体を用いて、レーザープリンタで印刷を行えば、この印刷媒体にパウチ加工は行わなくもよい。
特開平11−245296号公報
ところで、フィルム材で構成された印刷媒体の中には、インクジェットプリンタで使用される印刷媒体であって、一方の面に印刷が可能で、他方の面を被貼付物に接着剤により貼り付けることができるものがある。かかる印刷媒体を用いてレーザープリンタで印刷すると、トナーを定着させるときに、熱により印刷媒体が変形し、平面性を保つことができなくなり、したがって定着性が悪く、発色が悪くなるという問題がある。しかも、このような印刷媒体には、被貼付物に貼り付けるための接着剤が予め付けられているので、トナーを定着させるときの熱で接着剤が溶け、紙詰まりの原因となる。また、上述したフィルム材で構成される印刷媒体又はパウチ加工を施した印刷媒体を通常の接着テープや両面テープで被貼付物に貼り付ける場合、その印刷媒体を剥がすと、被貼付物には、接着テープや両面テープに使われている糊の剥がし痕が残ってしまうという問題がある。
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、一方の面に印刷が可能で、他方の面を被貼付物に貼り付けることができ、トナーを熱により定着する印刷装置で使用される印刷媒体であって、平面性及び発色性の向上を図ることができ、しかも、強力な粘着力を有し、剥がし痕の残らない印刷媒体を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するための本発明は、一方の面に印刷が可能で、他方の面を被貼付物に貼り付けることができる印刷媒体であって、ポリオレフィン樹脂で作製された基材フィルムと、基材フィルムの下面に接着された、粘着性を有する粘着フィルムと、粘着フィルムの表面に貼り付けられた剥離フィルムと、基材フィルムの上面に接着された上層フィルムと、上層フィルムの表面に形成されたトナー定着層と、を備え、粘着フィルムがエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂で作製され、剥離フィルム及び上層フィルムがポリエチレンテレフタレート樹脂で作製されており、剥離フィルムの厚さが38〜75μm、上層フィルムの厚さが12〜38μmであり、全体の厚さが大きくても240μmであることを特徴とするものである。
本発明の印刷媒体では、剥離フィルム及び上層フィルムとして耐熱性に優れたポリエチレンテレフタレート樹脂製のものを用い、剥離フィルムと上層フィルムとで基材フィルム及び粘着フィルムを挟み込んでいる。このため、本発明の印刷媒体はトナー定着時の熱に十分対応することができるので、レーザープリンタ等、トナーを熱により定着する印刷装置における印刷媒体として用いることができる。特に、剥離フィルム及び上層フィルムとして同じ材料を用いたことにより、本発明の印刷媒体の上面側と下面側とで熱膨張率が同じであるので、レーザープリンタ等による印刷を行っても、本発明の印刷媒体は平面性を維持することができる。また、剥離フィルムの厚さを38〜75μm、上層フィルムの厚さを12〜38μmとし、全体の厚さを大きくても240μmとしたことにより、本発明の印刷媒体は、耐熱性のみならず、優れた発色性を有する。更に、本発明では、被貼付物に貼り付けるための粘着層として、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂製の粘着フィルムを用いたことにより、本発明の印刷媒体を強力な粘着力で被貼付物に貼り付けることができると共に、接着剤で印刷媒体を被貼付物に接着するのではないので、貼り付けた印刷媒体を被貼付物から剥がすときに剥がし痕が残ることもない。加えて、本発明の印刷媒体は樹脂製のものであるので、耐水性があり、雨等に濡れてもやぶれてしまうことはなく、しかも、粘着フィルムに水をかけても、その粘着力が低下することはない。したがって、本発明の印刷媒体は、屋外で使用しても、その性能を長時間維持することができる。
また、本発明に係る印刷媒体において、基材フィルムと粘着フィルムは紫外線吸収剤を含む接着性複合素材を用いて接着されていることが望ましい。これにより、本発明の印刷媒体を例えば屋外で使用する場合等に、紫外線による粘着フィルムの劣化を防止することができ、長時間粘着性能を維持することができる。
更に、本発明に係る印刷媒体において、基材フィルムは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂及び高密度ポリエチレン樹脂のうちのいずれかの樹脂で作製された第一フィルムと、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂及び高密度ポリエチレン樹脂のうちのいずれかの樹脂で作製された第二フィルムとの二層構造になっていることが望ましい。これにより、基材フィルム及び粘着フィルムとして、既存の三層構造のものを用いることができるので、かかる既存の製品を利用して本発明の印刷媒体を容易に製造することができる。
本発明に係る印刷媒体は、剥離フィルム及び上層フィルムとして耐熱性に優れたポリエチレンテレフタレート樹脂製のものを用い、剥離フィルムと上層フィルムとで基材フィルム及び粘着フィルムを挟み込んでいるので、レーザープリンタ等、トナーを熱により定着する印刷装置における印刷媒体として用いることができる。また、剥離フィルムの厚さを38〜75μm、上層フィルムの厚さを12〜38μmとし、全体の厚さを大きくても240μmとしたことにより、本発明の印刷媒体は、耐熱性のみならず、優れた発色性を有する。更に、被貼付物に貼り付けるための粘着層として、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂製の粘着フィルムを用いているので、本発明の印刷媒体を強力な粘着力で被貼付物に貼り付けることができると共に、その貼り付けた印刷媒体を被貼付物から剥がすときに剥がし痕が残ることもない。
図1は本発明の一実施形態である印刷媒体の構造を説明するための模式図である。 図2はJFタックライト原反の構造を説明するための模式図である。
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である印刷媒体の構造を説明するための模式図である。
本実施形態の印刷媒体は、一方の面に印刷が可能で、他方の面を所定の被貼付物に貼り付けることができるものである。特に、この印刷媒体はレーザープリンタでの印刷用のものである。かかる印刷媒体10は、図1に示すように、基材フィルム11と、粘着フィルム21と、剥離フィルム31と、上層フィルム41と、トナー定着層51とを備える。
基材フィルム11はポリオレフィン樹脂(polyolefin)で作製されている。本実施形態では、この基材フィルム11として、ポリエチレン樹脂(polyethylene:PE)で作製された第一フィルム11aと、ポリプロピレン樹脂(polypropylene:PP)で作製された第二フィルム11bとの二層構造になっているものを用いている。
基材フィルム11の下面、すなわち第二フィルム11bの下面には、粘着フィルム21が接着されている。この粘着フィルム21は、粘着性及び接着性を有する樹脂で作製されている。ここでは、粘着フィルム21の材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(ethylene vinyl acetate copolymer:EVA)を用いている。このEVAは、タイル、平滑な金属、ガラス、鏡等に対する強力な粘着力を有し、しかも、剥がした時に剥がし痕が残らないという特徴を備えている。
本実施形態では、基材フィルム11及び粘着フィルム21として、NOPAR International GmbH社製の印刷媒体「JFタックライト(Jet Folio Tacklite)」の原反を利用する。ここで、JFタックライト自体は、主にインクジェットプリンタで使用される片面印刷用紙である。図2はJFタックライト原反の構造を説明するための模式図である。このJFタックライト原反100は、図2に示すように、第一フィルム11aと、第二フィルム11bと、粘着フィルム21との三層構造になっている。そして、第一フィルム11aと第二フィルム11b、第二フィルム11bと粘着フィルム21はそれぞれ、紫外線吸収剤を含有する接着性複合素材81,82を用いて接着されている。また、JFタックライト原反100の厚さは約120μmである。
また、粘着フィルム21の表面には、剥離フィルム31が貼り付けられている。剥離フィルム31は、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)で作製されている。印刷媒体10を被貼付物に貼り付ける際に剥離フィルム31が剥がされる。そして、粘着フィルム21の粘着力を利用して印刷媒体10が被貼付物に貼り付けられる。すなわち、粘着フィルム21の表面が、被貼付物に貼り付ける貼付面となる。
一方、基材フィルム11の上面、すなわち第一フィルム11aの上面には、上層フィルム41が接着されている。この上層フィルム41は、剥離フィルム31と同様に、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)で作製されている。また、上層フィルム41と第一フィルム11aは、アクリル系の接着性複合素材83を用いて接着されている。具体的に、この接着性複合素材83の厚さは約15μmである。尚、基材フィルム11と上層フィルム41とを接着する接着性複合素材83としては、紫外線吸収剤を含有するものを用いてもよい。
また、上層フィルム41の表面にはトナー定着層51が形成されている。このトナー定着層51の表面が印刷面となる。トナー定着層51は、ウレタン系の材料で作製されている。本実施形態では、トナー定着層51の厚さを約3μmとしている。一般に、トナー定着層51の厚さを厚くすればするほどトナーの定着性が良くなる。
本実施形態の印刷媒体10はレーザープリンタでの印刷用のものであるので、トナー定着時の熱に対応できる程度の耐熱性を備えることが要求される。通常、トナー定着時には被印刷物に約180℃の熱が加わる。PEの融点は約120℃、PPの融点は約165℃であるので、JFタックライト自体はレーザープリンタでの印刷用の媒体として用いるのに適さない。これに対し、本実施形態の印刷媒体10では、JFタックライト原反100の上面にPET製の上層フィルム41を設けると共に、JFタックライト原反100の下面にPET製の剥離フィルム31を設けている。PETの融点は約265℃であり、PETがJFタックライト原反100をトナー定着時の熱から保護することができるので、本実施形態の印刷媒体10は、耐熱性に優れ、トナー定着時の熱に十分対応することができる。
このように、JFタックライト原反100の上面にPET製の上層フィルム41を設けると共に、JFタックライト原反100の下面にPET製の剥離フィルム31を設けたことにより、本実施形態の印刷媒体10は優れた耐熱性を備えている。当然、上層フィルム41及び剥離フィルム31の厚さを厚くすればするほど、印刷媒体10の耐熱性が向上する。しかし、上層フィルム41及び剥離フィルム31の厚さが厚くなれば、トナーの定着性が低下し、発色が悪くなってしまう。これは、上層フィルム41及び剥離フィルム31の厚さが厚くなると、トナー定着時の熱が印刷媒体10にうまく伝わらず、印刷媒体10の温度が十分上昇しないためであると考えられる。実際、印刷媒体10自体の厚さを薄くすればするほど、発色性が良くなる。したがって、上層フィルム41の厚さと剥離フィルム31の厚さとをどのようにすれば、耐熱性のみならず、優れた発色性を備える印刷媒体10を得ることができるのかを検討する必要がある。
本発明者等は、市販のPETフィルムを用いて様々な厚みを持つ印刷媒体を作製し、レーザープリンタでそれら印刷媒体に印刷を行うことにより、印刷媒体の耐熱性能と発色性能とを調べる試験を行った。具体的に、市販のPETフィルムとしては、厚さが12μm、25μm、38μm、75μm、100μmであるものを用いた。そして、かかる市販のPETフィルムを上層フィルム41、剥離フィルム31として、厚みの異なる多数の印刷媒体を作製した。ここで、JFタックライト原反100及びトナー定着層51としては上述したものを用いた。
試験の結果は次の通りである。上層フィルム41の厚さが50μm以上である印刷媒体や剥離フィルム31の厚さが100μmである印刷媒体では発色があまり良くなかった。また、剥離フィルム31の厚さが12μm又は25μmである印刷媒体では、印刷媒体がトナー定着時の熱に負けてしまい、反りや踊りの現象が生じた。更に、全体の厚さが240μmよりも厚い印刷媒体は、使用したレーザープリンタの規格に合わず、このレーザープリンタ内で紙詰まりを起こした。一方、これら以外の印刷媒体、すなわち、上層フィルム41の厚さが12μm、25μm、38μm、剥離フィルム31の厚さが38μm、50μm、75μmであって、全体の厚さが240μm以下である印刷媒体は、良好な発色性を示し、耐熱性にも問題がなかった。このうち、上層フィルム41の厚さが25μm、剥離フィルム31の厚さが50μmであって、全体の厚さが大きくても240μmである印刷媒体は、発色性及び耐熱性に極めて優れていた。したがって、この試験の結果から、上層フィルム41の厚さを12〜38μm、剥離フィルム31の厚さを38〜75μmとし、全体の厚さを大きくても240μmとすることにより、耐熱性及び発色性に優れた印刷媒体が得られることが判明した。
尚、本実施形態では、上層フィルム41と剥離フィルム31とを同じ材料(PET)で作製しているが、上層フィルム41と剥離フィルム31とを異なる材料で作製することは許されない。上層フィルム41と剥離フィルム31とを異なる材料で作製すると、熱膨張率の違いにより、印刷後の印刷媒体に反り等が生じてしまい、印刷媒体の平面性が維持できないからである。これに対し、本実施形態の印刷媒体10では、上層フィルム41及び剥離フィルム31として同じ材料を用いているため、印刷媒体の上面側と下面側とで熱膨張率が同じであるので、レーザープリンタによる印刷を行っても、印刷媒体10は平面性を維持することができる。
次に、本実施形態の印刷媒体10の作製方法を説明する。
予め、JFタックライト原反100と、厚さ25μmのPETフィルムと、厚さ50μmのPETフィルムとを用意しておく。まず、JFタックライト原反100における粘着フィルム21の表面に厚さ50μmのPETフィルムを貼り付ける。この貼り付け作業は、例えば既存のフィルム貼付装置を利用して行うことができる。この貼り付けられた厚さ50μmのPETフィルムが剥離フィルム31となる。次に、厚さ25μmのPETフィルムの片面に所定の接着性複合素材83を塗布し、その接着性複合素材83を介して厚さ25μmのPETフィルムをJFタックライト原反100における第一フィルム11aの表面に接着する。この接着作業は、例えば既存のドライラミネート装置を利用して行うことができる。この接着された厚さ25μmのPETフィルムが上層フィルム41となる。最後に、上層フィルム41の表面にトナー定着層51を塗布することにより、印刷媒体10が得られる。このように、既存のJFタックライト原反100を利用することにより、本実施形態の印刷媒体10を容易に製造することができる。
次に、本実施形態の印刷媒体10の具体的な使用方法を説明する。ここでは、印刷媒体10に広告内容を印刷し、その印刷した印刷媒体10を広告ポスターとして使用する場合を考える。
この場合、まず、レーザープリンタを用いて、本実施形態の印刷媒体10に所定の広告内容を印刷する。上述したように、この印刷媒体10は優れた発色性を有するので、高品質の印刷結果が得られる。次に、剥離フィルム31を印刷媒体10から剥がして取り除く。そして、その印刷媒体10を、粘着フィルム21を介して、例えば店舗の外側から窓ガラスに貼り付ける。粘着フィルム21の粘着力は強力であるので、印刷媒体10は窓ガラスにしっかりと固定される。
特に、このように印刷媒体10を屋外で使用する場合には、雨や紫外線が印刷媒体に及ぼす影響が問題となる。しかしながら、本実施形態の印刷媒体10は樹脂製のものであるので、耐水性があり、雨等に濡れてもやぶれてしまうことはない。しかも、粘着フィルム21に長時間水をかけても、その粘着力が低下することはない。また、基材フィルム11と粘着フィルム21を、紫外線吸収剤を含む接着性複合素材81,82を用いて接着しているので、紫外線による粘着フィルム21の劣化を防止することができる。したがって、本実施形態の印刷媒体10は、屋外で使用しても、その性能を長時間維持することができる。尚、粘着フィルム21の材料としてEVAを用いているので、印刷媒体10を窓ガラスから剥がしても、窓ガラスには剥がし痕が残ることはない。
本実施形態の印刷媒体では、剥離フィルム及び上層フィルムとして耐熱性に優れたPET製のものを用い、剥離フィルムと上層フィルムとで基材フィルム及び粘着フィルムを挟み込んでいる。このため、印刷媒体はトナー定着時の熱に十分対応することができるので、レーザープリンタにおける印刷用の媒体として用いることができる。特に、剥離フィルム及び上層フィルムとして同じ材料を用いたことにより、印刷媒体の上面側と下面側とで熱膨張率が同じであるので、レーザープリンタによる印刷を行っても、印刷媒体は平面性を維持することができる。また、剥離フィルムの厚さを38〜75μm、上層フィルムの厚さを12〜38μmとし、全体の厚さを大きくても240μmとしたことにより、印刷媒体は、耐熱性のみならず、優れた発色性を有する。
また、本実施形態の印刷媒体では、被貼付物に貼り付けるための粘着層として、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂製の粘着フィルムを用いたことにより、印刷媒体は強力な粘着力で被貼付物に貼り付けることができると共に、接着剤で印刷媒体を被貼付物に接着するのではないので、貼り付けた印刷媒体を被貼付物から剥がすときに剥がし痕が残ることもない。
また、本実施形態の印刷媒体は樹脂製のものであるので、耐水性があり、水に濡れてもやぶれてしまうことはなく、しかも、粘着フィルムに水をかけても、その粘着力が低下することはない。さらに、基材フィルムと粘着フィルムを紫外線吸収剤を含む接着性複合素材を用いて接着しているので、印刷媒体を例えば屋外で使用する場合等に、紫外線による粘着フィルムの劣化を防止することができ、長時間粘着性能を維持することができる。したがって、本実施形態の印刷媒体は、屋外で使用しても、その性能を長時間維持することができる。
更に、本実施形態の印刷媒体では、基材フィルムは、PEで作製された第一フィルムと、PPで作製された第二フィルムとの二層構造になっており、基材フィルム及び粘着フィルムとして、既存の三層構造のもの(JFタックライト原反)を用いているので、かかる既存の製品を利用して印刷媒体を容易に製造することができる。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、基材フィルム及び粘着フィルムとして厚さ120μmの既存のJFタックライト原反を利用する場合について説明したが、120μmより薄い厚さのJFタックライト原反を利用してもよい。また、基材フィルム及び粘着フィルムとしては必ずしもJFタックライト原反を利用する必要はない。JFタックライト原反を利用しない場合には、基材フィルムと粘着フィルムとを個別に作製することになるが、これらフィルムの厚さを調整して、基材フィルム及び粘着フィルムの全体の厚さを120μmよりも薄くすることが可能である。これにより、印刷媒体全体の厚さも薄くすることができるので、発色性の更なる向上を図ることができる。
また、上記の実施形態では、剥離フィルム及び上層フィルムの材料としてPETを用いた場合について説明したが、剥離フィルム及び上層フィルムの材料としては、PET以外の耐熱性に優れた樹脂を用いるようにしてもよい。但し、製造コストを下げるという観点からは、PETを用いることが望ましい。
また、上記の実施形態では、基材フィルムが、上側に配置された第一フィルムと、下側に配置された第二フィルムとの二層構造になっており、第一フィルムをPEで作製し、第二フィルムをPPで作製した場合について説明したが、例えば、第一フィルムをPEで作製し、第二フィルムを高密度ポリエチレン樹脂(high density polyethylene:HDPE)で作製してもよい。一般に、第一フィルム及び第二フィルムの材料はそれぞれ、PE、PP、HDPEの中から自由に選択することができる。したがって、基材フィルムとしては、上述したものの他に、PPで作製された第一フィルムとPEで作製された第二フィルムとの二層構造のもの、PPで作製された第一フィルムとHDPEで作製された第二フィルムとの二層構造のもの、HDPEで作製された第一フィルムとPEで作製された第二フィルムとの二層構造のもの、或いは、HDPEで作製された第一フィルムとPPで作製された第二フィルムとの二層構造のものを用いることができる。また、基材フィルムとしては、PEで作製された第一フィルムとPEで作製された第二フィルムとの二層構造のもの、PPで作製された第一フィルムとPPで作製された第二フィルムとの二層構造のもの、或いは、HDPEで作製された第一フィルムとHDPEで作製された第二フィルムとの二層構造のものを用いてもよい。これら各種の基材フィルムと粘着フィルムとからなる原反も、NOPAR International GmbH社によって作製されている。
また、上記の実施形態では、基材フィルムが、PEで作製された第一フィルムと、PPで作製された第二フィルムとの二層構造になっている場合について説明したが、基材フィルムは、単層構造、三層以上の多層の構造になっていてもよい。
更に、上記の実施形態では、印刷媒体をレーザープリンタで使用する場合について説明したが、本発明の印刷媒体は、一般に、トナーを転写し、その転写したトナーを熱で定着させることにより印刷や複写を行う装置で使用することができる。
以上説明したように、本発明の印刷媒体は、剥離フィルム及び上層フィルムとして耐熱性に優れたポリエチレンテレフタレート樹脂製のものを用い、剥離フィルムと上層フィルムとで基材フィルム及び粘着フィルムを挟み込んでいるので、レーザープリンタ等、トナーを熱により定着する印刷装置における印刷媒体として用いることができる。また、剥離フィルムの厚さを38〜75μm、上層フィルムの厚さを12〜38μmとし、全体の厚さを大きくても240μmとしたことにより、本発明の印刷媒体は、耐熱性のみならず、優れた発色性を有する。更に、被貼付物に貼り付けるための粘着層として、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂製の粘着フィルムを用いているので、本発明の印刷媒体を強力な粘着力で被貼付物に貼り付けることができると共に、その貼り付けた印刷媒体を被貼付物から剥がすときに剥がし痕が残ることもない。したがって、本発明の印刷媒体は、例えば、自動車の車体、浴室やトイレのタイル、構造物の平滑な金属面、ガラス、鏡等に貼り付けて使用するのに好適である。
10 印刷媒体
11 基材フィルム
11a 第一フィルム
11b 第二フィルム
21 粘着フィルム
31 剥離フィルム
41 上層フィルム
51 トナー定着層
81,82,83 接着性複合素材
100 JFタックライト原反

Claims (3)

  1. 一方の面に印刷が可能で、他方の面を被貼付物に貼り付けることができる印刷媒体であって、
    ポリオレフィン樹脂で作製された基材フィルムと、
    前記基材フィルムの下面に接着された、粘着性を有する粘着フィルムと、
    前記粘着フィルムの表面に貼り付けられた剥離フィルムと、
    前記基材フィルムの上面に接着された上層フィルムと、
    前記上層フィルムの表面に形成されたトナー定着層と、
    を備え、
    前記粘着フィルムがエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂で作製され、前記剥離フィルム及び前記上層フィルムがポリエチレンテレフタレート樹脂で作製されており、
    前記剥離フィルムの厚さが38〜75μm、前記上層フィルムの厚さが12〜38μmであり、全体の厚さが大きくても240μmであり、
    前記剥離フィルムが前記粘着フィルムに貼り付けられた状態のまま前記トナー定着層に印刷を行った後に、前記剥離フィルムを剥がして取り除き、前記粘着フィルムの粘着力を利用して前記被貼付物に貼り付けられることを特徴とする印刷媒体。
  2. 前記基材フィルムと前記粘着フィルムは紫外線吸収剤を含む接着性複合素材を用いて接着されていることを特徴とする請求項1記載の印刷媒体。
  3. 前記基材フィルムは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂及び高密度ポリエチレン樹脂のうちのいずれかの樹脂で作製された第一フィルムと、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂及び高密度ポリエチレン樹脂のうちのいずれかの樹脂で作製された第二フィルムとの二層構造になっていることを特徴とする請求項1又は2記載の印刷媒体。
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