JP6174283B1 - 電子写真用媒体、電子写真用媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属光沢の曇りを減らしつつ、金属光沢面に印刷したトナーを剥がれにくくすることが可能な電子写真用媒体の技術を提供する。【解決手段】電子写真用媒体10において、基材と、基材に接着された樹脂フィルム16と、樹脂フィルム16の基材と反対側に積層された金属層18と、金属層18の樹脂フィルム16と反対側に設けられた金属被覆部20と、を備え、金属被覆部20は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びポリエステルウレタン系樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも1つの選択樹脂が塗布されることにより形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、金属調光沢を有する電子写真用媒体およびその製造方法に関する。
小ロット化の要請に伴い、電子写真の原理を用いたオンデマンドプリンタの需要が増えている。電子写真は、例えば感光ドラムの潜像に付着したトナーを印刷媒体に転写して定着させるプロセスによって実現される。したがって、この印刷媒体としてはこの電子写真のプロセスに対応可能なものが用いられる。例えば特許文献1には、基紙に水溶性接着材と、金属層と、ポリアミド樹脂を順に積層してなる電子写真用基材が記載されている。
特許第5941233号公報
本発明者らは電子写真用媒体について以下の認識を得た。
金属光沢を有する電子写真用媒体として、紙シート上に金属層と、透明樹脂層と、トナー受容層と、をこの順で積層する構成が考えられる。この構成では、金属層の表面に比較的厚い樹脂層が積層されることで、樹脂層の屈折や濁りの影響を受けやすく、金属光沢が曇ることが懸念される。また、金属光沢面に印刷されたトナーが比較的容易に剥がれ、印刷耐久性が不足する課題があることが判明した。このことから、本発明者らは、金属光沢を有する電子写真用媒体について金属光沢の曇りを減らしつつ、金属光沢面に印刷されたトナーの印刷耐久性を向上する観点で改善する余地があることを認識した。
本発明の目的は、このような課題に鑑みてなされたもので、金属光沢を有する電子写真用媒体において、金属光沢の曇りを減らしつつ、金属光沢面に印刷されたトナーの印刷耐久性を改善することが可能な電子写真用媒体の技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の電子写真用媒体は、金属光沢を有する電子写真用媒体であって、基材と、基材に接着された樹脂フィルムと、樹脂フィルムの基材と反対側に積層された金属層と、金属層の樹脂フィルムと反対側に設けられた金属被覆部と、を備える。金属被覆部は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びポリエステルウレタン系樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも1つの選択樹脂が塗布されることにより形成されている。
この態様によると、塗布された選択樹脂から形成される金属被覆部によって金属層を覆うことができる。
本発明の別の態様もまた、電子写真用媒体である。この電子写真用媒体は、金属光沢を有する電子写真用媒体であって、紙製の基材と、一方の面にアルミニウム膜が気相成長され、他方の面が基材に接着されたポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムと、アルミニウム膜のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムと反対側に塗布された第1ポリエステルウレタン樹脂と、第1ポリエステルウレタン樹脂のアルミニウム膜と反対側に塗布された第2ポリエステルウレタン樹脂と、を備える。第2ポリエステルウレタン樹脂の平均ガラス転移温度は、第1ポリエステルウレタン樹脂の平均ガラス転移温度より低く設定される。
本発明のさらに別の態様は、電子写真用媒体の製造方法である。この方法は、金属光沢を有する電子写真用媒体の製造方法であって、紙製の基材と、一方の面に金属層が気相成長された樹脂フィルムと、を準備することと、樹脂フィルムの他方の面に基材を接着することと、金属層に第1ポリエステルウレタン樹脂を塗布することと、金属層に塗布された第1ポリエステルウレタン樹脂の外側に第2ポリエステルウレタン樹脂を塗布することと、塗布された第2ポリエステルウレタン樹脂に加熱した気体を吹き付けることと、を含む。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、金属光沢を有する電子写真用媒体において、金属光沢の曇りを減らしつつ、金属光沢面に印刷されたトナーの印刷耐久性を改善することが可能な電子写真用媒体の技術を提供することができる。
第1実施形態に係る電子写真用媒体を示す平面図である。 第1実施形態に係る電子写真用媒体を示す断面図である。 第1実施形態に係る電子写真用媒体の製造工程を説明する説明図である。 第2実施形態に係る電子写真用媒体を示す平面図である。 第2実施形態に係る電子写真用媒体を示す断面図である。 第2実施形態に係る電子写真用媒体の製造工程を説明する説明図である。
本発明者らは、電子写真用媒体に金属光沢を与えて新しい需要を創出するべく、電子写真用の印刷媒体について研究し、以下のような認識を得た。
金属光沢を有する電子写真用媒体として、紙シート上に金属層と、樹脂フィルムと、をこの順で積層する第1の構成が考えられる。第1の構成では、金属層の表面に比較的厚い樹脂フィルムが積層されるため、樹脂フィルムの屈折や濁りなどの影響により、金属光沢の純度が低下することが考えられる。また、樹脂フィルムの経年変化により透明度が低下して余計な発色をする懸念もある。このように、樹脂フィルムにより金属光沢が低下するから、樹脂フィルムとして透明度が高く且つ経年変化の少ないものを使用することとなり、使用できる樹脂フィルムの範囲が限定される問題がある。これらから、本発明者らは樹脂フィルムによる金属光沢への影響を抑制する観点で課題があることを認識した。
そこで、本発明者らは、金属層の表層に樹脂フィルムを設けないことで、樹脂フィルムによる金属光沢への影響を抑制できることを見出した。例えば、紙シート上に樹脂フィルムと、金属層と、をこの順で積層する第2の構成が考えられる。紙シートと樹脂フィルムとは必須ではないが、金属層を支持するベースの一例として適している。第2の構成によれば、金属光沢に樹脂フィルムの影響を受けにくい特徴を有する。
次に、本発明者らは、第2の構成であっても、金属層に直接印刷されたトナーは剥がれやすく耐久性が不足するとの課題を見出した。そこで、本発明者らは、金属層の表層に金属被覆材を薄く塗布する第3の構成を案出した。まず、金属被覆材として一般的である塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(第1の試料)について検討した。第1の試料では、テープピーリングテストおよびコインスクラッチテストにおいてトナーが容易に剥がれ、所望のトナーの印刷耐久性は得られず、また、表面が白く濁って所望の金属光沢は得られないことが判明した。次に、第3の構成において、金属被覆材としてニトロセルロース系樹脂(第2の試料)について検討した。第2の試料でも、第1の試料と同様に、印刷耐久性および金属光沢について所望の特性は得られなかった。
第1および第2の試料の検討から、トナーは金属被覆材との界面で剥がれやすいことが判明した。この原因は、第1および第2の試料では金属被覆材とトナーとの相性が悪いために耐久性が不足すると考えられる。この解析から、本発明者らは、トナーにはポリエステルやアクリルなどの樹脂が用いられており、これらの樹脂と相性がよい材料を用いることで耐久性を改善することができるとの示唆を得た。
そこで、本発明者らは、トナーとの相性を改善するため、第1の試料に別の樹脂をブレンドする構成を案出し、第1の試料にポリエステル樹脂やアクリル樹脂を10%、20%、30%の比率でそれぞれブレンドした複数種類の第3の試料群を検討した。第3の試料群では、耐久性について若干改善される傾向が見られた。しかし、第3の試料群では、表面が白く濁る現象は改善されなかった。そこで、本発明者らは、第3の試料群から見出された知見に基づいて、単独またはブレンドした百数十種類の樹脂について研究および試作を重ねた。これにより、第4の試料群として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂の各樹脂を用いることによって、所望の耐久性が得られることを見出した。また、金属光沢も改善され、実用的なレベルを実現した。
さらに、本発明者らは、樹脂の透明度がより高く、電子写真のプロセス中の加熱により白化しにくいことを目標に研究および試作を重ね、第5の試料としてポリエステルウレタン樹脂を用いることによって、所望の耐久性が得られ、電子写真のプロセス中の加熱による白化を一層抑制できることを見出した。
後述する各実施形態は、このような研究に基づいて案出されたものであり、以下にその詳細な構成を説明する。
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態、変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
以下、XYZ直交座標系をもとに説明する。X軸方向は水平な左右方向に対応し、Y軸方向は水平な前後方向に対応し、Z軸方向は鉛直な上下方向に対応する。Y軸方向およびZ軸方向はそれぞれX軸方向に直交する。X軸方向は左方向あるいは右方向と、Y軸方向は前方向あるいは後方向と、Z軸方向は上方向あるいは下方向と表記することがある。
[第1実施形態]
本発明に係る第1実施形態は電子写真用媒体である。図1は、第1実施形態に係る電子写真用媒体10を示す平面図である。図1は内部構造を示すために一部を破断して示す。図2は、電子写真用媒体10の断面図である。図2は、理解を容易にするため、各層の厚み寸法を実際の比率と異なる比率で示している。電子写真用媒体10は、金属調の光沢を有し、電子写真プロセスを備えたプリンタ装置による印刷に適した印刷媒体である。
電子写真用媒体10は、ベースシート12上に、接着層14と、樹脂フィルム16と、金属層18と、金属被覆部20と、がこの順に積層されている。ベースシート12は、電子写真用媒体10を支持するための層材である。ベースシート12は、公知の多様な素材から形成することができる。第1実施形態のベースシート12は、パルプ材料から製造される紙製のシートから形成される。紙製のシートは、水分を適度に含むことで、電子写真用媒体10の帯電を抑制し、余分なトナーの付着を低減することができる。ベースシート12としては、例えば80g/平方メートル〜400g/平方メートルの範囲の紙製のシートを使用することができる。ベースシート12は、白色または有色で、無地または模様付きであってもよい。
接着層14は、樹脂フィルム16をベースシート12に貼り合わせるための層材であり、例えば接着材からなる層である。接着層14は、公知の多様な接着材料から形成することができる。接着層14が水溶性の接着材で形成される場合は、分解性が良好である点で好ましい。接着層14が非水溶性の接着材で形成される場合は、耐水性が良好である点で好ましい。第1実施形態の接着層14は、アクリル系の接着材から形成される。一例として、樹脂フィルム16上に接着層14となる接着材を塗布し、その上にベースシート12を積層して圧着するようにしてもよい。接着層14が薄すぎると剥がれ易くなる。接着層14が厚すぎると印刷媒体としての柔軟性が低下して、紙詰まりの原因となり得る。これらの観点から、接着層14の厚さは、一例として、1μm〜5μmの範囲であってもよい。この範囲では、剥がれ強度や紙詰まりについて実用レベルを実現できる。
樹脂フィルム16は、金属層18を支持するための層材であり、例えば蒸着など、金属を気相成長させるためのベースフィルムである。樹脂フィルム16は、公知の多様な素材から形成することができる。一例として、第1実施形態の樹脂フィルム16は、ポリエチレンテレフタレート製のフィルムから形成される。樹脂フィルム16が厚すぎると、樹脂フィルムの剛性が高くなるため、ベースシートに貼り付けた状態で印刷を行うと、その過程での加熱により強いカールが発生し、紙詰まりを生じるおそれがある。樹脂フィルム16が薄すぎると、強度が低くなるため、ベースシートに貼り付ける過程で破損するおそれがある。これらの観点から、樹脂フィルム16の厚みは、例えば4μm〜32μmの範囲、好ましくは8μm〜25μmの範囲であってもよい。この範囲では、紙詰まりや製造過程での破損について実用レベルを実現できる。第1実施形態の樹脂フィルム16の厚みは10μm〜14μmの範囲にしている。樹脂フィルム16は、無色または有色であってもよい。樹脂フィルム16は、透明、半透明または非透明であってもよい。特に、金属層18の平坦性を確保する観点から、樹脂フィルム16は、高輝度で平滑性が良いことが望ましい。
金属層18は、金属調の光沢を呈するための層材であり、例えば薄膜である。金属層18は、公知の多様な素材から形成することができるが、第1実施形態では、金属材料から形成される。一例として、金属層18は、アルミ箔などの金属箔であってもよい。第1実施形態では、金属層18は、樹脂フィルム16上に蒸着などによって気相成長させたアルミニウム膜である。金属層18が薄すぎると、透けて透光性が高くなり金属調の光沢にムラを生じるおそれがある。金属層18が厚すぎると、柔軟性が低下してプリント装置の中で紙詰まりを生じるおそれがある。また、厚く形成するためには、蒸着工程の時間が長くなり、生産性が低下する。これらの観点から、金属層18の厚さは、例えば20nm〜80nmの範囲で、好ましくは30nm〜60nmの範囲であってもよい。この範囲では、紙詰まりおよび光沢ムラにおいて、実用レベルを実現しうる。第1実施形態の金属層18の厚さは40nm〜50nmの範囲にしている。
金属被覆部20は、金属層18の表面に被覆される層材であり、例えば塗膜である。金属被覆部20は、例えば金属層18の酸化を抑制し、金属層18を保護する。金属被覆部20は金属層18から剥がれにくく、経年変化が少ないことが望ましい。そこで、金属被覆部20は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びポリエステルウレタン系樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも1つの選択樹脂が塗布されて形成される。一例として、第1実施形態に係る金属被覆部20は、主成分としてポリエステルウレタン樹脂を含む実質的に透明な樹脂から形成されている。特に、第1実施形態に係る金属被覆部20では、金属被覆部20におけるポリエステルウレタン樹脂のモル含有率は、例えば70%〜100%の範囲、好ましくは80%〜100%の範囲に設定されてもよい。
金属被覆部20が薄すぎると、ピンホールが発生しやすくなり、その部分で金属層18が露出し、プリント品質が低下する。金属被覆部20が厚すぎると、金属光沢が鈍化してプリント品質が低下する。これらの観点から、一例として、金属被覆部20は、樹脂の固体重量で、1g/平方メートルから5g/平方メートルの範囲、好ましくは2g/平方メートルから3g/平方メートルの範囲で形成することができる。この範囲では実用レベルのプリント品質を実現しうる。この場合の金属被覆部20の平均厚みは、計算上で2μm程度であり、樹脂フィルム16の厚みの例えば1/3から1/10程度に薄くすることができる。
電子写真用媒体10において、金属光沢面に印刷されたトナーの印刷耐久性を改善する観点から、金属被覆部20の金属層18に対する密着性を得ることと、トナーの金属被覆部20に対する密着性を得ることと、を両立させることが望ましい。そこで、金属被覆部20を形成する樹脂についてガラス転移温度を徐々に変化させて密着性を検討した。ガラス転移温度が比較的高い樹脂では、金属被覆部20の金属層18に対する密着性は改善され、トナーの金属被覆部20に対する密着性は低下する傾向が観察された。また、ガラス転移温度が比較的低い樹脂では、トナーの金属被覆部20に対する密着性は改善され、金属被覆部20の金属層18に対する密着性は低下する傾向が観察された。また、この場合、金属被覆部20への傷付きが増える傾向が観察された。この知見に対応して、第1実施形態の金属被覆部20は、特性の異なる複数の樹脂を含むようにしている。特に、金属被覆部20は、それぞれガラス転移温度が異なる複数の樹脂を含んでいる。
一例として、金属被覆部20は、ポリエステルウレタン樹脂である第1樹脂20bと、第1樹脂20bよりガラス転移温度が低いポリエステルウレタン樹脂である第2樹脂20cと、を所定の質量比で含んでもよい。ガラス転移温度が低い第2樹脂20cを含むことでトナーの金属被覆部20への密着性が向上し、ガラス転移温度が相対的に高い第1樹脂20bを含むことで金属被覆部20の金属層18への密着性が向上するとともに、金属被覆部20への傷付きを改善できる。したがって、第1樹脂20bと第2樹脂20cの質量比を調整することにより、所望の印刷耐久性を得ることができる。第1樹脂20bと第2樹脂20cの質量比は、金属層18への密着性およびトナーの密着性において所望のレベルを実現する観点から実験により決定することができる。一例として、第1樹脂20bと第2樹脂20cの質量比は、例えば1:20〜20:1の範囲であってもよく、好ましくは1:10〜10:1の範囲、より好ましくは1:5〜5:1の範囲に設定してもよい。一例として、第1樹脂20bと第2樹脂20cのガラス転移温度の差は、10deg〜100degの範囲であってもよく、好ましくは20deg〜60degの範囲、より好ましくは20deg〜40degの範囲に設定してもよい。
金属被覆部20は公知の多様なプロセスにより形成することができる。第1実施形態の金属被覆部20は、溶媒に溶かした樹脂を金属層18の表面に塗布することによって形成している。一例として、金属被覆部20は、溶媒に溶かした樹脂をグラビアロールの表面の凹凸に付着させて、金属層18に転写し、例えば80℃〜120℃の加熱気体で乾燥させて形成することができる。したがって、金属被覆部20を形成する樹脂は、溶媒可溶性を備えることが望ましい。金属被覆部20を形成する樹脂の溶媒としては、公知の多様な溶媒を用いることができる。第1実施形態の溶媒は、例えばメチルエチルケトンとトルエンを所定の割合で含んでおり、樹脂を良好に分散させることができる。メチルエチルケトンとトルエンの割合は塗工液の特性が所望のレベルを実現する観点から実験により決定することができる。
金属被覆部20は、イソシアネート化合物やメラミン化合物などの公知の硬化剤を含むことで、所望の硬度特性を得ることができる。金属被覆部20は、硬化剤を実質的に非含有にすることで、硬化剤に起因する金属被覆部20の硬度の経年変化を緩和することができる。
次に、第1実施形態に係る電子写真用媒体10の製造方法40について説明する。製造方法40は、一例として製造工程S100を含むことによって実現することができる。図3は電子写真用媒体10の製造工程S100を説明する工程図である。
(1)一方の面に金属層18が積層された樹脂フィルム16と、紙製のベースシート12と、を準備する(工程S102)。例えば、樹脂フィルム16およびベースシート12は、長尺のワークを巻き取ったロール状態であってもよい。
(2)樹脂フィルム16の他方の面に接着材を塗布する(工程S104)。例えば、接着材を付着させたグラビアロールを樹脂フィルム16に接触させながら回転させることによって、樹脂フィルム16に接着材を転写してもよい。
(3)樹脂フィルム16の接着材を塗布した面に紙製のベースシート12を重ねて貼り合わせる(工程S106)。例えば、樹脂フィルム16およびベースシート12を回転する二段ローラの間を通すことによって加圧してもよい。
(4)溶媒に所定の質量比で第1樹脂20bと第2樹脂20cとを溶かし、第1樹脂溶液を製造する(工程S108)。
(5)ベースシート12を貼り付けた樹脂フィルム16の金属層18に第1樹脂溶液を塗布する(工程S110)。例えば、回転させたグラビアロールに第1樹脂溶液を付着させて、樹脂フィルム16の金属層18の表面に転写するようにしてもよい。
(6)金属層18に塗布した第1樹脂溶液を加熱硬化させる(工程S112)。具体的には、金属層18に塗布した第1樹脂溶液に、例えば80℃〜120℃の加熱気体を吹き付けて溶媒を揮発させる。この工程により、第1樹脂20b、第2樹脂20cを金属層18に密着させる。
(7)金属被覆部20が形成された電子写真用媒体のワークを、所望のサイズに切断する(工程S114)。切断することによって電子写真用媒体10が完成する。
なお、製造工程S100は一例であり、他の工程を追加したり、一部の工程を削除・変更したり、工程の順序を入れ替えたりしてもよい。
このように形成された第1実施形態の電子写真用媒体10によれば、実用的な印刷耐久性と、所望の金属光沢が実現されることが確認された。
次に、このように形成された第1実施形態に係る電子写真用媒体10の作用・効果を説明する。
第1実施形態に係る電子写真用媒体10は、金属光沢を有する電子写真用媒体であって、基材であるベースシート12と、ベースシート12に接着された樹脂フィルム16と、樹脂フィルム16のベースシート12と反対側に積層された金属層18と、金属層18の樹脂フィルム16と反対側に設けられた金属被覆部20と、を備え、金属被覆部20は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びポリエステルウレタン系樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも1つの選択樹脂が塗布されることにより形成されている。この構成によれば、金属層18が樹脂フィルム16のベースシート12と反対側に設けられているので、樹脂フィルム16による金属層18の金属光沢への影響を軽減し、金属層18に金属被覆部20を被覆しているので、金属光沢面に印刷されたトナーの印刷耐久性を改善することができる。
第1実施形態に係る電子写真用媒体10では、金属被覆部20は、それぞれガラス転移温度が異なる複数の樹脂を含む。この構成によれば、例えば、ガラス転移温度が相対的に高く金属層18との密着性に優れた第1樹脂20bと、第1樹脂20bよりもガラス転移温度が低くトナーの密着性が良好な第2樹脂20cと、を含むことができるので、金属光沢面に印刷されたトナーの印刷耐久性を一層改善することができる。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係る電子写真用媒体50について説明する。
図4は、第2実施形態に係る電子写真用媒体50を示す平面図である。図4は内部構造を示すために一部を破断して示す。図5は、電子写真用媒体50の断面図である。図5は、理解を容易にするため、各層の厚み寸法を実際の比率と異なる比率で示している。電子写真用媒体50は、金属調の光沢を有し、電子写真プロセスを備えたプリンタ装置による印刷に適した印刷媒体である。
第2実施形態に係る電子写真用媒体50は、第1実施形態に係る電子写真用媒体10に対して、金属被覆部20の金属層18と反対側(印刷面側)に樹脂被覆部52が積層される点で異なり他の構成は同様である。特に、電子写真用媒体50は、ベースシート12上に、接着層14と、樹脂フィルム16と、金属層18と、金属被覆部20と、樹脂被覆部52と、がこの順に積層されている。ベースシート12と、接着層14と、樹脂フィルム16と、金属層18と、金属被覆部20と、は第1実施形態と同様である。したがって、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
例えば、グラビアロールを用いて第1樹脂溶液を塗布すると、グラビアロールの表面に形成されたグラビアパターンのメッシュに対応した凹凸が、加熱乾燥後の金属被覆部20の凹凸として残存する。金属被覆部20に大きな凹凸があると、凹部分と凸部分とで光の屈折や反射が異なることで複屈折に似た現象を生じ、電子写真用媒体の金属光沢の色調を変化させ、印刷品質が低下することが判明した。色調変化の一例としては、電子写真媒体の金属光沢が淡い虹色などの擬色を呈する現象がある。特に、グラビアパターンのメッシュを粗くした場合に、金属被覆部20の凹凸が大きくなり、金属光沢の色調が顕著に変化することが判明した。凹凸を小さくするために、グラビアパターンのメッシュを細かくすることが考えられる。この場合、第1樹脂溶液の塗布量が少なくなり、所望の厚さの金属被覆部20を形成できず、ピンホールなど塗布ムラの影響が大きくなる。つまり、印刷品質の向上と塗布ムラの影響の抑制とは二律背反の関係にあることが判明した。このような課題はグラビアロールを用いた塗布方法に限らず他の塗布方法についても生じうる。
この課題に対応して、第2実施形態に係る電子写真用媒体50は、樹脂被覆部52を備える。樹脂被覆部52は、金属被覆部20の金属層18と反対側に被覆される層材であり、例えば塗膜である。樹脂被覆部52は、例えば金属被覆部20の表側を覆って電子写真用媒体の金属光沢面の凹凸を覆うことができる。樹脂被覆部52を設けることにより、その分、金属被覆部20の塗布量を減らすように、グラビアパターンのメッシュを微細化することが可能になる。このメッシュを微細化することによって、金属被覆部20の凹凸が小さくなり、電子写真用媒体の金属光沢の不要な色調変化を抑制することができる。
樹脂被覆部52を形成する樹脂の塗布量を、金属被覆部20を形成する樹脂の塗布量より少なくしてもよい。例えば、樹脂被覆部52を形成する樹脂を塗布するグラビアパターンのメッシュを、金属被覆部20を形成する樹脂を塗布するグラビアパターンのメッシュより細かくしてもよい。このようにメッシュを細かくすることにより、金属光沢面である樹脂被覆部52の表面の凹凸を一層小さくすることができる。
樹脂被覆部52と金属被覆部20の境界における不要な屈折や変形を抑制する観点から、樹脂被覆部52の屈折率や膨張率などの物性は金属被覆部20と同等であることが望ましい。そこで、樹脂被覆部52は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びポリエステルウレタン系樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも1つの選択樹脂が塗布されて形成される。一例として、第2実施形態に係る樹脂被覆部52は、主成分としてポリエステルウレタン樹脂を含む実質的に透明な樹脂から形成されている。特に、第2実施形態に係る樹脂被覆部52では、樹脂被覆部52におけるポリエステルウレタン樹脂のモル含有率が、例えば70%〜100%の範囲、好ましくは80%〜100%の範囲に設定されてもよい。樹脂被覆部52は、金属被覆部20を形成する樹脂と同じ樹脂から形成されてもよいが、第2実施形態では、金属被覆部20を形成する樹脂と特性が異なる樹脂から形成されている。
一例として、樹脂被覆部52を形成する樹脂は、金属被覆部20を形成する樹脂より柔らかい樹脂から選択されてもよい。このように硬さの差を実現するために、樹脂被覆部52を形成する樹脂の平均ガラス転移温度は、金属被覆部20を形成する樹脂の平均ガラス転移温度より低く設定される。平均ガラス転移温度は、単一の樹脂の場合ではその樹脂のガラス転移温度であり、複数の樹脂を配合した樹脂の場合では、それぞれの樹脂のガラス転移温度とその質量比の積の総和として定義することができる。一例として、樹脂被覆部52を形成する樹脂と、金属被覆部20を形成する樹脂のガラス転移温度の差は、10deg〜100degの範囲であってもよく、好ましくは20deg〜60degの範囲、より好ましくは20deg〜40degの範囲に設定してもよい。
例えば、金属被覆部20はガラス転移温度の相対的に高い単一の樹脂を主に含み、樹脂被覆部52はガラス転移温度が相対的に低い単一の樹脂を主に含むようにしてもよい。第2実施形態の樹脂被覆部52は、金属被覆部20と異なる質量比の第1樹脂20bと第2樹脂20cとを含んでいる。樹脂被覆部52では、ガラス転移温度が低い第2樹脂20cの質量比を金属被覆部20の場合より高くして、金属被覆部20では、ガラス転移温度が高い第1樹脂20bの質量比を樹脂被覆部52の場合より高くしてもよい。この場合、樹脂被覆部52の平均ガラス転移温度は、金属被覆部20の平均ガラス転移温度より低くなる。特に、金属被覆部20は、第1樹脂20bを第2樹脂20cより高い質量比で含み、樹脂被覆部52は、第2樹脂20cを第1樹脂20bより高い質量比で含んでもよい。一例として、金属被覆部20では、第1樹脂20bと第2樹脂20cの質量比を10:1〜2:1の範囲に設定し、樹脂被覆部52では、第1樹脂20bと第2樹脂20cの質量比を1:2〜1:10の範囲に設定してもよい。
樹脂被覆部52の厚みは、所望の印刷品質を確保する観点から実験により決定することができる。一例として、樹脂被覆部52は、樹脂の固体重量で、1g/平方メートルから5g/平方メートルの範囲、好ましくは2g/平方メートルから3g/平方メートルの範囲にすることができる。この範囲では実用レベルのプリント品質を実現しうる。
次に、第2実施形態に係る電子写真用媒体50の製造方法60について説明する。製造方法60は、一例として製造工程S120を含むことによって実現することができる。図6は電子写真用媒体50の製造工程S120を説明する工程図である。製造工程S100と同一または同等の工程には、同一の符号を付す。製造工程S120は、工程S102と、工程S104と、工程S106と、工程S108と、工程S110と、工程S132と、工程S134と、工程S136と、工程S114と、を含む。この工程において、工程S102と、工程S104と、工程S106と、工程S108と、工程S110と、工程S114と、は製造工程S100と同様であり重複する説明を省略する。
(1)溶媒に所定の質量比の第1樹脂20bと第2樹脂20cとを分散させ、第2樹脂溶液を製造する(工程S132)。
(2)工程S110で塗布され第1樹脂溶液の上に第2樹脂溶液を塗布する(工程S134)。例えば、回転させた別のグラビアロールに第2樹脂溶液を付着させて、既塗布の第1樹脂溶液の外側に転写するようにしてもよい。
(3)塗布された第1樹脂溶液および第2樹脂溶液を加熱して硬化させる(工程S136)。工程S112と同様に、塗布された第1樹脂溶液および第2樹脂溶液に、例えば80℃〜120℃の加熱気体を吹き付けて溶媒を揮発させる。この工程により、金属層18に金属被覆部20を密着させるとともに、金属被覆部20に樹脂被覆部52を密着させる。
(4)金属被覆部20と樹脂被覆部52とが形成された電子写真用媒体のワークを、所望のサイズに切断することによって電子写真用媒体50が完成する(工程S114)。
なお、製造工程S120は一例であり、他の工程を追加したり、一部の工程を削除・変更したり、工程の順序を入れ替えたりしてもよい。
このように形成された第2実施形態の電子写真用媒体50によれば、実用的な印刷耐久性と、所望の金属光沢が実現されることが確認された。
次に、このように形成された第2実施形態の電子写真用媒体50の作用・効果を説明する。電子写真用媒体50は、電子写真用媒体10と同様の作用・効果を奏しうるとともに、以下の作用・効果を奏する。
第2実施形態の電子写真用媒体50では、金属被覆部20の金属層18と反対側に設けられた樹脂被覆部52をさらに備え、樹脂被覆部52は、前述した選択樹脂が塗布されて形成されており、樹脂被覆部52を形成する樹脂の平均ガラス転移温度は、金属被覆部20を形成する樹脂の平均ガラス転移温度より低く設定される。この構成によれば、樹脂被覆部52を設けることにより、金属被覆部20の樹脂量を少なくすることができ、より細かいメッシュのグラビアロールを使って塗布することができる。これにより、金属被覆部20の凹凸を小さく抑えることができ、凹凸による金属光沢の色調変化を抑制することができる。また、金属被覆部20の平均ガラス転移温度が相対的に高いため、金属被覆部20の金属層18への密着性を改善することができる。また、樹脂被覆部52の平均ガラス転移温度が相対的に低いため、トナーの樹脂被覆部52への密着性を改善することができる。金属被覆部20と樹脂被覆部52の平均ガラス転移温度を別々に設定することができるので、それぞれの密着性を改善することができ、金属光沢面に印刷されたトナーの印刷耐久性を一層改善することができる。
第2実施形態の電子写真用媒体50では、樹脂被覆部52を形成する樹脂の平均ガラス転移温度と、金属被覆部20を形成する樹脂の平均ガラス転移温度の差は20deg以上に設定される。この構成によれば、平均ガラス転移温度の差が小さい場合と比較して、トナーの樹脂被覆部52への密着性と金属被覆部20の金属層18への密着性とのバランスが改善され、トナーの印刷耐久性をより改善することができる。また、樹脂被覆部52への傷付きを減らすことができる。
第2実施形態の電子写真用媒体50は、金属光沢を有する電子写真用媒体であって、紙製の基材と、一方の面にアルミニウム膜が気相成長され、他方の面が基材に接着されたポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムと、アルミニウム膜のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムと反対側に塗布された第1ポリエステルウレタン樹脂と、第1ポリエステルウレタン樹脂のアルミニウム膜と反対側に塗布された第2ポリエステルウレタン樹脂と、を備え、第2ポリエステルウレタン樹脂の平均ガラス転移温度は第1ポリエステルウレタン樹脂の平均ガラス転移温度より低く設定される。この構成によれば、第1および第2ポリエステルウレタン樹脂の被覆部を含むことにより、所望の印刷耐久性を得ることができる。また、第1および第2ポリエステルウレタン樹脂の被覆部を含むことにより、電子写真のプロセス中の加熱による樹脂の白化を一層抑制して、より品質の高い金属光沢を得ることができる。
第2実施形態に係る電子写真用媒体の製造方法60は、金属光沢を有する電子写真用媒体の製造方法であって、紙製の基材であるベースシート12と、一方の面に金属層18が気相成長された樹脂フィルム16と、を準備することと、樹脂フィルム16の他方の面にベースシート12を接着することと、金属層18に第1ポリエステルウレタン樹脂を塗布することと、金属層18に塗布された第1ポリエステルウレタン樹脂に第2ポリエステルウレタン樹脂を塗布することと、塗布された第2ポリエステルウレタン樹脂に加熱した気体を吹き付けることと、を含む。この構成によれば、第1および第2ポリエステルウレタン樹脂が塗布されることにより、所望の印刷耐久性を得ることができる。また、第1および第2ポリエステルウレタン樹脂が塗布されることにより、電子写真のプロセス中の加熱による樹脂の白化を一層抑制して、より品質の高い金属光沢を得ることができる。第1ポリエステルウレタン樹脂の外側に第2ポリエステルウレタン樹脂が塗布されることにより、それぞれの塗布量を少なくして、樹脂層の凹凸を減らし、この凹凸に起因する電子写真用媒体の金属光沢の色調変化を緩和することができる。
以上、本発明をいくつかの実施形態をもとに説明した。これらの実施形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求の範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
以下、変形例について説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
(第1変形例)
第1および第2実施形態では、金属層18が蒸着されたアルミニウムである例について説明したが、これに限られない。金属層18は、アルミニウムに代えて、銅、プラチナ、金など金属光沢を生じる別の素材から形成されてもよい。それぞれの素材が有する風合いの金属光沢を生じさせることができる。また、金属層18は、複数の素材から形成されてもよい。それぞれの素材の風合いを重ねたような金属光沢を生じさせることができる。金属層18は、蒸着に代えてスパッタリング、メッキ、CVDなどの製法によって形成されてもよい。
(第2変形例)
第1および第2実施形態では、ベースシート12が無地である例について説明したが、これに限られない。ベースシート12は背景となる模様が形成されていてもよい。金属層18を透ける程度の厚さに設定することにより、ベースシート12の模様に重ね合わされた金属光沢を生じさせることができる。この模様は、例えばイラスト、図形、記号、文字などを含んでもよい。この模様は、印刷や透かしによって形成されてもよい。
(第3変形例)
第1および第2実施形態では、金属被覆部20が2種類のポリエステルウレタン樹脂を含む例について説明したが、これに限られない。金属被覆部20は単一または3種類以上の樹脂を含むようにしてもよい。
(第4変形例)
第2実施形態では、樹脂被覆部52が2種類のポリエステルウレタン樹脂を含む例について説明したが、これに限られない。樹脂被覆部52は単一または3種類以上の樹脂を含むようにしてもよい。
上述した各変形例は、第1および第2実施形態と共通する構成を備えることで同様の作用・効果を生じうる。
説明に使用した図面では、部材の関係を明瞭にするために一部の部材にハッチングを施しているが、当該ハッチングはこれらの部材の素材や材質を制限するものではない。
10・・電子写真用媒体、 12・・ベースシート、 14・・接着層、 16・・樹脂フィルム、 18・・金属層、 20・・金属被覆部、 20b・・第1樹脂、 20c・・第2樹脂、 40・・製造方法、 50・・電子写真用媒体、 52・・樹脂被覆部。

Claims (6)

  1. 金属光沢を有する電子写真用媒体であって、
    紙製の基材と、
    一方の面にアルミニウム膜が気相成長され、他方の面が前記基材に接着されたポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムと、
    前記アルミニウム膜の前記ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムと反対側に塗布された第1ポリエステルウレタン樹脂と、
    前記第1ポリエステルウレタン樹脂の前記アルミニウム膜と反対側に塗布された第2ポリエステルウレタン樹脂と、
    を備え、
    前記第2ポリエステルウレタン樹脂の平均ガラス転移温度は、前記第1ポリエステルウレタン樹脂の平均ガラス転移温度より低く設定され、
    前記第1ポリエステルウレタン樹脂および前記第2ポリエステルウレタン樹脂は実質的に透明な樹脂であることを特徴とする電子写真用媒体。
  2. 前記第2ポリエステルウレタン樹脂の平均ガラス転移温度と、前記第1ポリエステルウレタン樹脂の平均ガラス転移温度の差は20deg以上に設定されることを特徴とする請求項に記載の電子写真用媒体。
  3. 前記第2ポリエステルウレタン樹脂の塗布量は、前記第1ポリエステルウレタン樹脂の塗布量より少なく設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用媒体。
  4. 前記第1ポリエステルウレタン樹脂および前記第2ポリエステルウレタン樹脂それぞれは、ポリエステルウレタン樹脂である第1樹脂と、前記第1樹脂よりガラス転移温度が低いポリエステルウレタン樹脂である第2樹脂と、を含んでおり、
    前記第1ポリエステルウレタン樹脂は、前記第1樹脂を前記第2樹脂より高い質量比で含み、
    前記第2ポリエステルウレタン樹脂は、前記第2樹脂を前記第1樹脂より高い質量比で含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子写真用媒体。
  5. 前記第1ポリエステルウレタン樹脂は、その固体重量が1g/平方メートルから5g/平方メートルの範囲で形成され、
    前記第2ポリエステルウレタン樹脂は、その固体重量が1g/平方メートルから5g/平方メートルの範囲で形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子写真用媒体。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の電子写真用媒体の製造方法であって、
    紙製の基材と、一方の面にアルミニウム膜が気相成長されたポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムと、を準備することと、
    前記ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの他方の面に前記基材を接着することと、
    前記アルミニウム膜に第1ポリエステルウレタン樹脂を塗布することと、
    前記アルミニウム膜に塗布された前記第1ポリエステルウレタン樹脂の外側に第2ポリエステルウレタン樹脂を塗布することと、
    塗布された前記第2ポリエステルウレタン樹脂に加熱した気体を吹き付けることと、
    を含むことを特徴とする電子写真用媒体の製造方法。
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