JP6173663B2 - 無機粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低いエネルギーコストでの白色度の高い無機粒子の簡便かつ安定な製造方法、及び上記製造方法により得られる白色度の高い無機粒子に関する。
従来、製紙工場にて発生する製紙スラッジは、産業廃棄物とみなされ、埋め立てや焼却処分の対象と考えられてきた。しかし、製紙スラッジ中には、回収できれば再度製紙原料として利用可能な無機成分が多く含まれ、現在、これらの有効利用や再利用、特に製紙スラッジからの無機粒子の製造が大きな注目を集めている。
そのような無機粒子の製造方法として、例えば製紙スラッジの燃焼処理に先立って炭化処理を行う方法(特許第4153411号公報、特許第3563707号公報、特開2002−308619号公報及び特開2010−194486号公報参照)、燃焼処理に用いる装置や燃焼温度、燃焼時間等を詳細に特定する方法(特許第3831719号公報、特開平11−310732号公報及び特開2008−207173号公報参照)等が開発されている。しかしながら、これらの方法は複雑で、品質を安定させることが難しい。
また、原料となる製紙スラッジの由来(出所)は様々であり、無機粒子の品質を安定させるには困難を伴う。このため、製紙スラッジの主原料を脱墨スラッジに限定した技術も開発されている(特開2008−127704号公報参照)。しかしながら、この方法は品質を安定させることができるものの、製造方法が複雑になる。
さらに、得られた無機粒子の硬質化、白色度の低化の問題、スラリー化した際の増粘、固化の問題に着目し、粉砕方法を詳細に特定すると共に、二酸化炭素を吹き込む方法(特開2002−356629号公報参照)、二酸化炭素の吹き込み方を詳細に特定する方法(特開2009−292666号公報参照)等も開発されている。しかしながら、これらの方法は、スラリー化した際の増粘、固化の問題を改善するという点では優れるものの、製造方法が複雑である。
他方、これらの問題を解決するための方法として、新聞古紙脱墨スラッジを原料とすること、好ましくは含有する炭酸カルシウムを80質量%以上熱分解させる手段を用いる無機粒子の製造方法が開発されている(特開2012−097368号公報参照)。しかしながら、炭酸カルシウムを80質量%以上熱分解する手段は、多量の熱エネルギーを必要とし、高温処理に伴う熱溶融状硬質物質の生成や無機粒子中に封じ込められた有機物のカーボンブラック化による黒色異物が生じ、硬質物質と黒色異物の低減化が求められている。特に、填料又は顔料のような製紙用材料として無機粒子を使用するには、無機粒子には柔軟な性状とより高い白色度が求められる。
従って、これら従来の製造方法は、一定の技術的効果が認められるものの、低いエネルギーコストで白色度の高い無機粒子を簡便かつ安定に製造するという観点からは、必ずしも満足のいくものではない。
特許第4153411号公報 特許第3563707号公報 特開2002−308619号公報 特開2010−194486号公報 特許第3831719号公報 特開平11−310732号公報 特開2008−207173号公報 特開2008−127704号公報 特開2002−356629号公報 特開2009−292666号公報 特開2012−097368号公報
本発明は、これらの不都合に鑑みてなされたものであり、低いエネルギーコストでの白色度の高い無機粒子の簡便かつ安定な製造方法及び白色度の高い無機粒子の提供を目的とする。
発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、原料として新聞古紙脱墨スラッジを主成分とする製紙スラッジを使用し、比較的穏やかな雰囲気下で燃焼工程及び焼成工程を行うことで、低いエネルギーコストで白色度の高い無機粒子を簡便かつ安定に製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
その結果、上記課題を解決するためになされた発明は、
原料として新聞古紙脱墨スラッジを主成分とする製紙スラッジを使用し、脱水工程、燃焼工程及び焼成工程を含む無機粒子の製造方法であって、
上記燃焼工程において、酸素含有ガスの供給及び5容量%以上10容量%以下の酸素濃度の排気ガスの排出により燃焼物を得、そして
上記焼成工程において、上記製紙スラッジ中に含まれる炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの分解率が50質量%未満となるよう焼成物を得ることを特徴とする無機粒子の製造方法である。
当該製造方法によれば、その原料として、炭酸カルシウム含量が多く、そしてカオリン含量の少ない新聞古紙脱墨スラッジを主成分とする製紙スラッジを使用するため、炭酸カルシウムとカオリンに由来するセメント状物質(異物)の生成を低減し、得られる無機粒子の硬質化及び白色度の低化を抑制することができる。
また、新聞古紙脱墨スラッジは、原料となる新聞の灰分率が比較的低いこと、新聞インキ由来の油脂成分が含まれること等から、高カロリーであり、また比較的低い燃焼温度で自燃し易い。このため、当該製造方法は、新聞古紙脱墨スラッジを主成分とする製紙スラッジを出発原料として用いることで、燃焼に多量の熱エネルギーを必要とせず、自燃と所定酸素濃度の排気ガスの排出により燃焼工程を比較的穏やかな温度下で行うことができ、炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの分解率を50質量%未満に抑えることが可能になる。さらに、高温での燃焼に伴う硬質物質の生成、未燃分や黒色異物の無機粒子中への封じ込めを低減することもできる。
燃焼工程においても、炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの分解が起こり、排気ガス中の二酸化炭素濃度が上がり、酸素濃度が低下する。しかしながら、5容量%以上10容量%以下の酸素濃度の排気ガスを燃焼炉外へ排出することで、この工程での過剰な上記分解を抑制しつつ、上述のような比較的穏やかな条件下で燃焼を行うことができる。また、排気ガスを好ましくは乾燥工程や二酸化炭素吹込工程に再利用することができ、製造コストを低減することもできる。ここでいう酸素濃度は、自動酸素濃度測定装置(堀場製作所社製、製品名ENDA−5250)にて各測定域からサンプリングした測定試料の酸素濃度を測定した値である。
また、当該製造方法は、排気ガスの酸素濃度を上記範囲とすることで、炭化を抑制しつつ製紙スラッジ中に含まれる有機成分の酸化(燃焼)を進めながら、焼成工程において炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの分解率が50質量%未満となるよう燃焼物を焼成させる。これにより、当該製造方法は、過剰な炭酸カルシウムの分解を抑制し、二酸化炭素吹込工程の負担を軽減することができる。また、当該製造方法は、従来問題とされていたスラリー化工程時のスラリーの増粘、固化等の問題を低減することもできる。その結果、当該製造方法は低いエネルギーコストで白色度の高い無機粒子を簡便かつ安定に製造することができる。
上記燃焼工程において、燃焼温度は600℃より低いことが好ましい。製紙スラッジ中の有機成分ごとの燃焼に伴う揮発速度は同一でなく複数の成分が含有されるので、一部の成分が着火温度に達すると着火する場合があり、その火が排気ガスに同伴して飛び火し、その飛び火個所で部分的な着火燃焼が生じ、表面部分のみが高温となり、内部は低温のままで燃焼ムラが生じる。その結果、例えば上記内部成分が分解されないまま、残留し、最終的に得られる製品において白色度が低いものとなる等の難点がある。この原因をさらに追求したところ、製紙スラッジの燃焼過程では約200℃以上500℃未満の温度範囲内において、典型的に3つの発熱ピークがみられる(時として4つの場合がある)。そして、約600℃から炭酸カルシウムの分解が生じ、吸熱反応により発熱特性は急激な低下傾向を示すため酸素含有ガスの温度を上記の範囲とすることで、燃焼工程時の温度条件をより穏やかにすることができる。
上記燃焼工程において、上記脱水工程後の脱水物を上記酸素含有ガスの流通方向と逆方向に移動させつつ燃焼させることが好ましい。乾燥物を上記のような方向に燃焼炉内を移動させることで、乾燥物の燃焼をさらにより均一かつ連続的に行うことができる。また、燃焼物に付着した異物を風力で排気ガス中に取り除くこともできる。
上記燃焼工程において、燃焼炉として回転キルン炉を使用することが好ましい。燃焼炉を回転キルン炉とすることで、この場合も、乾燥物の燃焼をより均一かつ連続的に行うことができる。
上記焼成工程において、焼成温度は680℃以上750℃以下であることが好ましい。焼成工程での炭酸カルシウムの分解をより抑制することができる。
上記焼成工程において、焼成炉として回転キルン炉を使用することが好ましい。燃焼物の焼成をより均一かつ連続的に行うことができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
上記製造方法により得られる無機粒子であって、
カルシウム系化合物含量が、カルシウムの酸化物換算で70質量%以上であることを特徴とする無機粒子である。上記無機粒子は白色度が高い。
本発明によれば、低いエネルギーコストで白色度の高い無機粒子を簡便かつ安定に製造することができる。従って、従来産業廃棄物として処理されていたような製紙スラッジを好適に再利用することができる。
図1は本発明に係る製造方法の工程表を示す。
以下、本発明に係る無機粒子の製造方法、及び上記製造方法により得られる無機粒子を詳説する。
<無機粒子の製造方法>
本発明の無機粒子の製造方法は、少なくとも、脱水工程、燃焼工程及び焼成工程を含む。燃焼工程及び焼成工程以外のその他の工程は、特に限定されず、公知の方法に従って行うことができる。以下、使用する原料、各工程及び生成物について説明する。
<製紙スラッジ(新聞古紙脱墨スラッジ)>
本発明では、原料として新聞古紙脱墨スラッジを主成分とする製紙スラッジを使用する。「製紙スラッジ」とは、脱墨処理のような製紙製造工程でパルプ繊維から分離されるスラッジをいう。「新聞古紙脱墨スラッジ」とは、新聞脱墨パルプ(NDIP)の製造工程で、脱墨処理の際にパルプ繊維から分離されるスラッジをいい、雑誌脱墨パルプ(MDIP)等のその他のスラッジは極力含まないことが好ましい。
「新聞古紙脱墨スラッジを主成分とする製紙スラッジ」とは、製紙スラッジ中の新聞古紙脱墨スラッジ含量(固形分質量基準)が、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上であることをいう。製紙スラッジ中の新聞古紙脱墨スラッジ以外の原料としては、特に限定されず、例えば新聞脱墨スラッジ以外のその他の製紙スラッジを挙げることができる。具体的には、工場排水や製紙原料調成工程等の他の工程で発生するスラッジや、雑誌脱墨スラッジ等のその他の脱墨スラッジを挙げることができる。
雑誌脱墨スラッジの原料(古紙)主体は塗工紙で、炭酸カルシウムとカオリンを多く含む。このため、原料として雑誌脱墨スラッジを使用すると、異物としてセメント状物質が生成し易くなる。よって、製紙スラッジの原料として雑誌脱墨スラッジの使用を控え、新聞脱墨スラッジを主成分として使用することが好ましい。また、所望の効果に影響を与えない限り、新聞古紙脱墨スラッジの脱水性や造粒性を向上するため凝集剤のような少量の薬品等を含むこともできる。
近年、新聞用紙を製造する際の抄紙が中性抄紙化していることから、新聞古紙脱墨スラッジ中の炭酸カルシウム含量は相対的に多く、カオリン含量は相対的に少なくなる傾向がある。炭酸カルシウムの比率が70質量%を超え、カオリンの比率が30質量%未満で推移するようにもなっている。このため、製紙スラッジの主原料を新聞古紙脱墨スラッジとすれば、炭酸カルシウム由来の酸化カルシウム及びカオリンから生成するセメント状の物質の量が減り、得られる無機粒子の硬質化、白色度の低化の問題や、スラリー化した際に増粘、固化する問題を改善させ易い。よって、製紙スラッジ中の酸化物換算におけるカルシウム含有割合(固形分質量基準)は、通常60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。他方、製紙スラッジ中のカオリン量(固形分質量基準)は、通常40質量%未満、好ましくは30質量%未満、より好ましくは20質量%未満とすることで、硬質なメタカオリンの生成を抑制することができる。
また、新聞脱墨パルプの製造では、安定した品質の新聞脱墨パルプを連続的に得るために、選別を行った一定品質の新聞が原料とされる傾向があり、新聞古紙脱墨スラッジの成分も安定する傾向がある。従って、新聞古紙脱墨スラッジを主原料とすれば、無機粒子の品質を安定させることができる。
さらに、新聞古紙脱墨スラッジは、原料となる新聞の灰分率が比較的低いこと、新聞インキに油脂成分が含まれること等から、自燃する程の発熱量、通常1600cal/g以上の発熱量を有する。従って、自燃を促すことで製紙スラッジを燃焼するために使用する重油等の燃料を減らすことができる。
<脱水工程>
脱水工程では、製紙スラッジを脱水して脱水物を得ることができる。この工程を行うことで、製紙スラッジ中の過剰な水分を除去し、燃焼工程を効率的に行うことができる。
脱水物中の水分率は、特に限定されず、通常30質量%以上60質量%以下、好ましくは30質量%以上50質量%以下、より好ましくは35質量%以上45質量%以下である。水分の上限が60質量%より高いと、燃焼工程での負荷が大きくなることがある。他方、水分の下限が30質量%より低いと、廃液への無機粒子の流出が大きくなり、得られる無機粒子の歩留りが低くなるとともに、排水処理負荷が大きくなる問題がある。
脱水工程で使用する設備としては、特に限定されず、例えば遠心脱水機、ロータリースクリーン、スクリュープレスやフィルタープレスのような、公知の濾過機、遠心分離機、脱水機や圧搾機を挙げることができる。
脱水工程は1段階で行ってよく、多段階で行ってもよい。脱水工程を多段階で行うと、急激な脱水を回避し、また無機粒子の流出を抑制できることがある。さらに、急激な脱水による脱水物の硬化を抑制でき、製紙スラッジの易燃焼性と安定した自燃性を得ることもできる。
<破砕工程>
本発明の製造方法は、任意に、脱水工程後、上記脱水物を破砕する破砕工程を含むこともできる。この工程を行うことで、脱水物をより均等に小粒径に破砕し、粒径を一定に保つことで燃焼工程をより効率的に行うことができる。なお、均等に小粒径に破砕し、粒径を一定に保つことで破砕工程前後の脱水物中の水分率は略同一となる。
破砕後の脱水物の平均粒子径は、特に限定されず、通常2.5mm以上12.5mm以下、好ましくは2.5mm以上7.0mm以下、より好ましくは2.5mm以上4.0mm以下である。平均粒子径の上限が12.5mmより高いと、以下の工程での加熱が均一に行えないことがある。他方、平均粒子径の下限が2.5mmより低いと、以下の工程での加熱が過剰となることがある。ここで破砕後の脱水物の「平均粒子径」は、目穴の異なる篩で篩い分けを行い、各篩い分けを行った試料(含水物)の質量を測定し、この測定値の合計値が全体の50質量%に相当する段階における篩の目穴の大きさであり、JIS Z 8801−2:2000に基づき、金属製の板ふるいを用いて測定した値である。
破砕方法としては、特に限定されず、公知の方法を挙げることができる。一例を挙げれば、脱水物(含水物)が通過する筒体と、この筒体内で回転する網材とを有する破砕機が使用できる。また、破砕方法としては、上記網材を回転させて筒体内を通過中の含水物を網材の表面に衝突させることで破砕を行うことができる。
<燃焼工程>
脱水物、或いは破砕又は乾燥後の脱水物は、燃焼工程に送られ、次いでこれらを燃焼させる。水分を含んだ脱水物は、燃焼工程で乾燥と燃焼とを行う。燃焼工程の前工程として独立した乾燥工程を設けてもよい。
燃焼工程では、酸素含有ガスを燃焼炉内へ供給し、そして5容量%以上10容量%以下の酸素濃度の排気ガスを上記燃焼炉外へ排出させて燃焼物を得る。本発明では、出発原料として新聞古紙脱墨スラッジを主成分とする製紙スラッジを使用するため、その相乗効果で従来の方法と比べてより穏やかな温度条件及び雰囲気下でこの工程を行うことができ、その結果、白色度が高く硬質物質の少ない高品質な無機粒子を製造することができる。
具体的には、この工程では、酸素含有ガスを燃焼炉内へ供給することで、燃焼炉内の製紙スラッジに由来する乾燥物を燃焼させ、その結果、所望の燃焼物(燃焼灰)を得ることができる。酸素含有ガスとしては、特に限定されず、例えば高温空気が挙げられる。また、酸素含有ガス中の酸素濃度は、燃焼手段であるバーナーにより消費され低下する傾向が生じるが、排気ガス中の酸素濃度において、5容量%以上10容量%以下、好ましくは6容量%以上9容量%以下となるように燃焼処理することで、炭酸カルシウムの分解を抑えながら燃焼処理を図ることができる。
排気ガス中の酸素濃度の上限が10容量%より高いと、過剰の酸素供給は過剰な燃焼を招き硬質物質の生成と、炭酸カルシウムの分解を促す問題が生じる。また、炉内の原料がガスと共に系外に排出され、生産効率が低下することがある。新聞古紙脱墨スラッジの過度の燃焼が生じ、硬質物質と黒色異物の生成が生じ易くなる。他方、排ガス中の酸素濃度の上限が5容量%より低いと、燃焼が不十分となり、有機物が炭化して酸化が進まない問題が生じる。また、不完全燃焼により一酸化炭素の濃度が増加し、排気ガスは二酸化炭素吹込工程で使用できないことがある。
また、酸素含有ガスの温度は、好ましくは600℃以下、より好ましくは400℃以上500℃以下である。温度の上限が600℃より高いと、炭酸カルシウムが過剰に分解してしまうことがある。他方、温度の下限が400℃より低いと、製紙スラッジの性状によっては、自燃が損なわれるとともに燃焼が不十分となることがある。なお、酸素含有ガスの温度は、燃焼炉内の酸素含有ガス入口にて熱電対を用いて測定される温度をいう。
上記範囲の酸素濃度の排気ガスを燃焼炉外へ排出することで、排気ガスを好ましくは乾燥工程や二酸化炭素吹込工程に再利用することができ、その結果、製造コストの低減を図ることができる。また、従来問題となっていた過剰の炭酸カルシウムの分解を抑制し、その結果、二酸化炭素吹込工程の負担を軽減させることができる。さらに、酸化カルシウムの発生に伴う、スラリー化した際の溶液の増粘、固化を抑制することができる。
排気ガスの温度は、好ましくは800℃以下、より好ましくは640℃以上780℃以下、さらにより好ましくは680℃以上740℃以下である。排気ガスの温度を上記の範囲とすることで、燃焼工程時の燃焼温度がより穏やかとなり、その結果、炭酸カルシウムの分解をより低く抑えることができる。温度の上限が800℃より高いと、炭酸カルシウムが過剰に分解することがある。他方、温度の下限が640℃より低いと、燃焼が不十分となることがある。なお、排気ガスの温度は燃焼炉内の排気ガス出口にて熱電対を用いて測定される温度をいう。
内熱キルンを採用した場合、継続運転により内壁が蓄熱され、原料が300℃以上の温度となり易く、バーナーによる熱の供給を停止しても、製紙スラッジを燃焼させることが可能になり、さらに低いエネルギーコストで製造することができる。
また、製紙スラッジ中に含まれる炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの分解率が30質量%以下、好ましくは26質量%以下となるように、乾燥物を燃焼できることもある。分解率を上記の範囲とすることで、燃焼による硬質物質の発生を抑え、有機成分を穏やかに燃焼させることができる。
燃焼工程において、脱水工程後の脱水物、破砕物、乾燥物等を移動させつつ燃焼させることが好ましい。この場合、これらを混練するように移動させることで燃焼をより均一かつ連続的に行うことができ、より白色度の高い無機粒子を得ることができる。ここで、「移動」とは、特に限定されず、例えば移送等により燃焼炉内部を動くことをいう。一例を挙げれば、脱水物を燃焼炉外側から燃焼炉内側へ、そして燃焼炉内側から燃焼炉外側へリフター等の移動手段により連続的に移送させることをいう。また、移動手段としては、特に限定されず、例えばリフター、フィーダー、スクリューフィーダーやコンベアのような公知の手段を挙げることができる。
また、燃焼工程において、脱水工程後の脱水物等を酸素含有ガスの流通方向と逆方向に移動させつつ燃焼させることが好ましい。これらを上記のような方向に燃焼炉内を移動させることで、これらの燃焼をさらにより均一かつ連続的に行うことができ、その結果、さらにより白色度の高い無機粒子を製造することができる。また、黒色異物のような浮遊性異物は風力で排気ガス中に取り込まれ、排気ガスと共に燃焼炉外へ取り除かれ、その結果、無機粒子の白色度を高めることもできる。
燃焼工程で使用する設備としては、特に限定されず、例えばストーカー炉、流動床炉、サイクロン炉、回転キルン炉、筒型熱処理炉、スクリューキルン炉、タワーキルン炉、負圧式燃焼炉や炭化炉のような公知の燃焼炉を挙げることができ、燃焼炉として回転キルン炉が好ましい。この場合、乾燥物の燃焼をより均一かつ連続的により行うことができる。また、上述のような乾燥物の移動を容易に行うこともできる。
また、回転キルン炉としては、特に限定されず、例えば縦型回転式キルン炉、横型回転式キルン炉等の公知の回転キルン炉を挙げることができ、横型回転式キルン炉が好ましい。この場合、破砕工程後の破砕物や乾燥物の燃焼をさらにより均一かつ連続的に行うことができる。
同様に、例えば内燃式回転キルン炉及び外燃式回転キルン炉のいずれも挙げることができるが、内燃式回転キルン炉が好ましい。この場合、燃焼炉の酸素消費の調整が容易となり、製紙スラッジに由来する乾燥物の自燃を直接調整することができる。また、製紙スラッジ中に含まれる有機成分の燃焼をより穏やかに行うことができる。さらに、燃焼を詳細に制御する必要もなく、熱効率にも優れる。他方、酸素含有ガスの供給と排気ガスの排出を効率よく行うこともできる。このような設備は加熱ジャケットのような部材を備えていてもよい。
また、上記のような原料を使用することで燃焼工程を穏やかな温度条件下で行うことができる。具体的には、燃焼工程時の燃焼温度は、通常600℃より低く、好ましくは300℃以上500℃以下である。
特に、本発明における好適な燃焼工程においては、上記燃焼温度の範囲において第1から第3の燃焼処理を用い、第1の熱処理において、所定の高発熱量成分(アクリル系有機物及びセルロース)を製紙スラッジから熱処理除去し、もって過燃焼を抑え、硬質物質の生成を抑制する。また、第1の熱処理において製紙スラッジに含まれるアクリル系有機物及びセルロースを熱分解ガス化し、第2の熱処理おいて製紙スラッジに残留するスチレン系有機物を熱分解ガス化することで、得られる再生粒子の品質安定化、白色度向上に対する寄与が大きく、均一かつ安定的に再生粒子を得ることができる。そして、第3の熱処理においては、製紙スラッジに含まれる残カーボン等を含む有機物が、効率良く熱処理除去され、また、過燃焼によって生じる硬質物質の生成が抑えられる。なお、セルロースの熱分解ガスの発火温度はスチレンの熱分解温度を下回るため、第1の熱処理においてセルロースを熱分解除去してしまい、スチレンは第2の熱処理において熱分解するのが好適である。
燃焼温度の上限が600℃以上であると、過剰燃焼に陥り炭酸カルシウムの過度の熱分解による酸化カルシウムの生成が促進されると共に燃料が過剰に必要となり、製造コストを上昇させることがある。また、製紙スラッジが自燃を開始するだけの熱量があれば十分でもある。さらに、ゲーレナイトと呼ばれる硬質焼結物の発生が顕在化し、製紙機械設備を摩耗させることがある。他方、燃焼温度の下限が300℃より低いと、燃焼が不十分となることがある。なお、本発明における燃焼温度及び焼成温度は、外熱式の回転キルン炉においては公知の非接触放射温度計により、燃焼炉の外郭を測定することにより得られる温度を指し、内熱式の回転キルン炉では熱電対を用いることにより得られる内燃式キルン炉内部の温度をいう。また、内熱式キルン炉の燃焼温度は供給ガスと共に加熱空気等を燃焼炉内に供給することにより調整してもよく、外熱式キルン炉では、外部加熱設備の発生温度調節により調整することができる。
製紙スラッジを熱量解析(TG/DTA)すると、200℃以上300℃未満、300℃以上400℃未満、400℃以上500℃未満で燃焼する大きく3種類の成分がある。特に300℃以上400℃未満で燃焼する成分の比率が大きい。このことから、300℃以上400℃未満の成分を燃焼特に自燃させれば、その燃焼後の温度は400℃以上500℃未満で燃焼する成分を燃焼させるのに必要な温度まで上昇し、多量の燃料を使用してバーナー温度(燃焼温度)を高める必要がない。他方、バーナー温度が300℃未満となると、300℃以上400℃未満で燃焼する成分の燃焼が不十分となることがある。
燃焼工程で得られる燃焼物中の未燃率が、好ましくは4質量%以上12質量%以下、より好ましくは6質量%以上9質量%以下となるように、原料の投入量や燃焼時間が調整してもよい。未燃率の上限が12質量%より高いと、燃焼が不十分となり、無機粒子の白色度が低下することがある。他方、未燃率の下限が4質量%より低いと、炭酸カルシウムの熱分解が過剰となり、スラリー化工程で増燃や固化を引き起こし、白色度を低下させることがある。
この工程の燃焼時間は、特に限定されず、通常5分以上10時間以下、好ましくは1時間以上8時間以下である。燃焼時間の上限が10時間より長いと、炭酸カルシウムの熱分解が過剰となることがある。他方、燃焼時間の下限が5分より短いと、燃焼が不十分となることがある。
燃焼工程における設備内の破砕工程後の破砕物や乾燥物の充填率は、特に限定されず、通常5容量%以上70容量%以下、好ましくは10容量%以上60容量%以下である。充填率の上限が70容量%より高いと、燃焼が均一に行えないことがある。他方、充填率の下限が5容量%より低いと、製造コストが上昇することがある。
<焼成工程>
焼成工程において、製紙スラッジ中に含まれる炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの分解率が、50質量%未満、好ましくは20質量%以上45質量%以下、より好ましくは20質量%以上30質量%以下となるように、燃焼工程後の燃焼物を焼成させて焼成物を得ることができる。焼成工程を設けることで、燃焼物を十分に焼成させることができ、その結果、白色度のより高い無機粒子を製造することができる。分解率の上限が50質量%以上であると、低いエネルギーコストで白色度の高い無機粒子を簡便かつ安定に製造することはできない。他方、分解率の下限が20質量%より低いと、焼成が不十分となることがある。
焼成工程で使用する設備としては、特に限定されず、乾燥工程や燃焼工程の場合と同様に、公知の設備を挙げることができる。乾燥工程、燃焼工程及び焼成工程は、同一の設備で行ってもよく、異なった設備で行ってもよい。これらの工程を同一の設備で行うと、製造コストを下げられることがある。焼成工程におけるその他の工程条件は、上述のような燃焼工程の工程条件を適宜変更して使用することもできる。
ここで、焼成炉としては燃焼工程と同様に回転キルン炉が好ましい。燃焼工程で得られた燃焼物を、回転キルンの回転速度、供給する酸素含有ガスの温度、酸素濃度等の調整により炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの分解率が50質量%未満となるように制御しながら、焼成をより容易に行うことができる。
また、焼成炉は、燃焼炉の場合と同様に、内燃式であってよく、外燃式であってもよいが、燃焼物をより均一かつ安定に加熱することができるため、内燃式が好ましい。この場合、加熱方法としては、特に限定されず、公知の方法が挙げられ、例えば酸素含有ガスを焼成炉内へ供給し、そして排気ガスを上記焼成炉外へ排出させることが挙げられる。この場合、燃焼工程と同様に、酸素含有ガスの流通方向と逆方向に移動させつつ燃焼させることが好ましい。炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの分解率が50質量%未満となるように制御しながら、焼成をより容易に行うことができる。
焼成温度は、好ましくは680℃以上750℃以下、より好ましくは690℃以上730℃以下、さらにより好ましくは700℃以上730℃以下である。焼成温度の上限が750℃より高いと、炭酸カルシウムの分解率が高くなり、その結果、スラリー化工程で得られるスラリーは増粘することがある。他方、焼成温度の下限が680℃より低いと、焼成が不十分となり、所望の白色度を得ることができないことがある。また、焼成温度が上記の範囲内の場合に、炭酸カルシウムの分解が生じるものの、その分解率を50質量%より低く抑えることができ、その結果、スラリー化工程での増粘や固化を抑制できる傾向がある。
焼成工程の一例を挙げれば、炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの分解率が50質量%未満となるよう焼成物を得る手段として、酸素含有ガスの供給及び5容量%以上10容量%以下の酸素濃度の排気ガスの排出を行う燃焼工程、次いで行う焼成工程を一連の設備とすることでも白色度のより高い無機粒子を製造することができる。
焼成工程の焼成時間は、通常5分以上10時間以下、好ましくは1時間以上8時間以下である。焼成時間の上限が10時間より長いと、炭酸カルシウムの熱分解が過剰となることがある。他方、焼成時間の下限が5分より短いと、焼成が不十分となることがある。また、焼成工程においても排気ガスが生じることもあるが、この工程で得られた排気ガスも乾燥工程や二酸化炭素吹込工程で再利用できることもある。
<スラリー化工程>
スラリー化工程では、燃焼物を水中に分散させてスラリーを得ることができる。この工程を行うことで、燃焼物に含まれる酸化カルシウムを水中に分散させて水酸化カルシウム溶液を得、二酸化炭素吹込工程をより効率的に行うことができる。上記のような燃焼工程及び焼成工程を経て得られた焼成物は炭酸カルシウムの分解率が少なく、異物の混入量も少ないため、従来問題となっていたスラリーの増粘、固化の問題を解消することができ、乳濁色のスラリーが得られる。
スラリー用の溶媒としては、特に限定されず、通常水を挙げることができる。また、所望の無機粒子を得ることができる限り、水は、アルコールのような水溶性有機溶媒や、電解質、分散剤等のその他の成分を少量含んでいてもよい。
スラリー中の焼成物の濃度は、通常2質量%以上25質量%以下、好ましくは3質量%以上20質量%以下、より好ましくは5質量%以上15質量%以下である。濃度の上限が25質量%より高いと、スラリーの粘度が高くなり、その結果、炭酸化反応を十分に行うことができないことがある。他方、濃度の下限が2質量%より低いと、炭酸化効率の低下や、炭酸化後の脱水効率の低下等により、工程効率が低下することがある。
<粉砕工程>
本発明の製造方法は、任意に、スラリー化工程後に、スラリー中の焼成物を粉砕する粉砕工程を経て微粒子化させてもよい。粉砕物の平均粒子径は、通常0.5μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上8μm以下、より好ましくは1μm以上4μm以下である。平均粒子径の上限が10μmより高いと、製紙用の填料又は顔料として用いるに当たり紙粉の発生や異物として紙表面の平坦性を損なう問題が生じることがある。他方、平均粒子径の下限が0.5μmより低いと、粒子同士が凝集しブロードな粒子径分布を示したり、抄紙系内で流失し歩留りが低下する問題、粉砕のために過大なエネルギーが必要になる問題が生じることがある。ここでいう平均粒子径は、レーザー回折方式の粒度分布径(島津製作所社製、製品名SA−LD−2200)を用いて測定した体積平均粒子径(D50)である。
粉砕方法としては、特に限定されず、例えばスラリーにセリエミキサー等で撹拌を加えることが挙げられる。また、分散剤を添加してもよい。
スラリーの粘度は、雰囲気温度20℃、ローター回転数60rpmの条件下において、通常100mPa・s以上1100mPa・s以下、好ましくは250mPa・s以上1050mPa・s以下である。粘度の上限が1100mPa・sより高いと、ポンプでの移送が困難となることがある。他方、粘度の下限を100mPa・sより低くすると濃度が低いため、生産効率の低下に繋がる。
<二酸化炭素吹込工程>
二酸化炭素吹込工程では、スラリー中に二酸化炭素を吹き込んで、酸化カルシウムやそれに由来する水酸化カルシウムから炭酸カルシウムを得(炭酸化処理)、そして無機粒子中の炭酸カルシウム含量を増加させることで、白色度の高い高品質な無機粒子を得ることができる。また、スラリー中の粗粒子が少量のメタカオリンや含水珪酸マグネシウムを含む場合であっても、酸化カルシウムやそれに由来する水酸化カルシウムから得られる炭酸カルシウムがその表面に付着や被覆することができ、この観点からも、白色度の高い高品質な無機粒子を得ることができる。
二酸化炭素吹込方法としては、特に限定されず、公知の方法を挙げることができる。一例を挙げれば、輸送管路を通して反応容器内の散気器に二酸化炭素含有ガスを導き、反応容器内に収容したスラリー中に各散気器群から微細気泡を発生させて行うことができる。また、散気器群上に設けた撹拌羽根でスラリーを撹拌してもよい。
二酸化炭素吹込工程で使用する二酸化炭素も、特に限定されず、例えば市販の二酸化炭素ガスや二酸化炭素を含む混合ガスを挙げることができる。本工程では、燃焼工程の排気ガスを使用することが好適である。排気ガス中の二酸化炭素の濃度は、通常5容量%以上20容量%以下、炭酸化反応を促進させる目的から、好ましくは8容量%以上20容量%以下、より好ましくは10容量%以上20容量%以下である。燃焼工程の能力として濃度の上限が20容量%より高いガスを得ることができない傾向がある。20%以上の二酸化炭素濃度を得るためには設備を別途設ける設備投資が必要になり、燃焼工程で所望の燃焼物を得ることができないことがある。他方、濃度の下限が5容量%より低いと、二酸化炭素吹込工程で炭酸カルシウムが十分に析出しないことがあるとともに、反応完了までに長時間を要し、粒子径を所望の範囲にコントロールできないことがある。本発明においては、焼却工程で得られる排気ガスは二酸化炭素を多く含むため、燃焼工程で得られた排気ガスを乾燥工程や二酸化炭素吹込工程で再利用もできる。また、固体の二酸化炭素としてドライアイスを併用もできる。
上記炭酸化反応の完了は、スラリー溶液のpHの低下で確認することもできる。具体的には、二酸化炭素の吹込みを終えた炭酸化反応終了時点のスラリーのpHを反応後pHとすると、反応後pHは、通常6.8以上7.8以下、好ましくは6.9以上7.7以下である。
他方、炭酸化反応を終えた後、pH9.0以上で1時間あたりのpH変動数値が0.5以下となった時点のpHを製品pHとすると、製品pHは、通常9.3以上10.3以下、好ましくは9.4以上10.2以下である。
スラリーの粘度は、雰囲気温度20℃、ローター回転数60rpmの条件下において、通常10mPa・s以上200mPa・s以下、好ましくは10mPa・s以上100mPa・s以下である。粘度の上限が200mPa・sより高いと、ポンプでの移送が困難となる、スクリーンを通過し難くなり目詰りが生じることがある。他方、粘度の下限が10mPa・sより低いと、濃度が低いため、生産効率の低下に繋がる。
次いで、得られた無機粒子を回収し、溶解度の高い異物を溶液中に除きつつ、所望の無機粒子を選択的に回収する。回収は、特に限定されず、通常公知の方法を組み合わせて行うことができる。一例を挙げれば、回収は、上記脱水工程と同様に、スラリーを脱水することにより行うことができる。また、回収後、無機粒子を再分散させたり、粉砕させてもよい。
<その他>
各工程における温度、圧力、時間や設備のようなその他の工程条件は、特に限定されず、使用原料等に従って適宜設定される。また、各工程の段階数も、特に限定されず、1段階で行ってもよく、多段階で行ってもよい。他方、原料や生成物の定量、定性は、NMR、IR、元素分析、マススペクトル等の公知の方法に従って行うことができる。
<無機粒子>
本発明に係る無機粒子は、原料として新聞古紙脱墨スラッジを主成分とする製紙スラッジを使用し、上述のような製造工程を経て製造されるため、従来の多種多様な成分が混在する製紙スラッジを原料とする場合と異なり、得られる無機粒子は異物の混入量は少ないものとなる。具体的には、本発明によれば、無機粒子中のカルシウム系化合物は、カルシウムの酸化物換算で、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上である。「無機粒子」は、二酸化炭素吹込工程後スラリー中より回収される粒子を意味する。「カルシウム系化合物」は、炭酸カルシウムのみならず、炭酸化未反応の酸化カルシウムや水酸化カルシウム等の少量のその他の成分もコンタミとして含む場合がある。
無機粒子の白色度は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上90%以下である。このことは無機粒子の白度が高いことを示す。よって無機粒子はより高いレベルの白度が求められる用途で好適に使用することができる。
無機粒子の平均粒子径は、好ましくは1μm以上12μm以下、より好ましくは1.5μm以上10μm以下、さらにより好ましくは2μm以上6μm以下である。平均粒子径の上限が12μmより高いと、製紙用の填料又は顔料として用いるに当たり紙粉の発生や異物として紙表面の平坦性を損なう問題が生じることがある。他方、平均粒子径の下限が1.0μmより低いと、粒子同士が凝集しブロードな粒子径分布を占めたり、抄紙系内で流失し歩留りが低下する問題が生じることがある。ここでいう平均粒子径は、レーザー回折方式の粒度分布径(島津製作所社製、製品名SA−LD−2200)を用いて測定した体積平均粒子径(D50)である。
無機粒子の吸油度は、JIS K 5101法に準拠して、好ましくは30mL/100g以上100mL/100g以下、より好ましくは50mL/100g以上100mL/100g以下、さらにより好ましくは60mL/100g以上100mL/100g以下である。このことは無機粒子が優れた吸油性を有することを示す。
無機粒子の摩耗度は、好ましくは70mg以上150mg以下、より好ましくは75mg以上145mg以下である。このことは無機粒子が優れた磨耗性を有することを示す。
よって、本発明に係る無機粒子は、填料又は顔料のような製紙用材料として好適に使用することができる。また、本発明に係る無機粒子は、その主成分として、炭酸カルシウムと、焼成カオリンによく似た性質を示すカオリンに由来する非晶質成分とを好適な割合で含む。このため、無機粒子は、それらの特性である白色度(不透明度)、平滑性、吸油性、撥水性(乾燥性)等にも優れる。
本発明によれば、上述のように低いエネルギーコストで白色度の高い無機粒子を簡便かつ安定に製造することができる。従って、従来産業廃棄物として処理されていたような製紙スラッジを好適に再利用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<製紙スラッジ中のカルシウムの含有割合>
JIS P 8251に準拠して、試料を灰化した残渣をX線マイクロアナライザー(堀場製作所社製、製品名E−MAX・S−2150)を用い、元素分析をして得た酸化物換算におけるカルシウムの含有割合値である。
<水分率>
定温乾燥機内に試料を静置し、約105℃で6時間以上保持することで質量変動を認めなくなった時点を乾燥後質量とし、下記式により得た値である。
水分率(%)=(乾燥前質量−乾燥後質量)/乾燥前質量×100
<破砕物の平均粒子径>
目穴の異なる篩で篩い分けを行い、各篩い分けを行った試料の質量を測定した。平均粒子径は、この測定値の合計値が全体の50質量%に相当する段階における篩の目穴の大きさであり、JIS Z 8801−2:2000に基づき金属製の板ふるいを用いて測定した値である。
<工程温度>
工程設備内の温度を、熱電対等を用いて測定した値である。
<炭酸カルシウムの分解率>
炭酸カルシウムの分解率は、試料を測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、製品名TG/DTA6200)を用い、測定条件を(1)昇温速度 20℃/分(25℃以上1050℃以下)、(2)供給ガス 空気(酸素濃度約5容量%)、(3)供給ガス流量約48mL/分で求めた値である。
<酸素濃度>
設備本体内の酸素濃度を、自動酸素濃度測定装置(堀場製作所社製、製品名ENDA−5250)を用いて測定した値である。
<未燃率>
電気マッフル炉を予め600℃に昇温後、ルツボに試料を入れ約3時間で完全燃焼させ、燃焼前後の重量変化から未燃分を算出した値である。
<充填率>
設備内部を目視により観察し、充填率を測定した値である。
<粉砕物及び無機粒子の平均粒子径>
レーザー回折方式の粒度分布径(島津製作所社製、製品名SA−LD−2200)を用いて体積平均粒子径(D50)を測定した値である。
<粘度>
雰囲気温度20℃、ローター回転数60rpmの条件下において、B型粘度計(東機産業社製、製品名TVM−10M)を用いて測定した値である。なお、粘度(mPa・s)が低いほど分散性は良好であると判断される。
<スラリーの外観>
スラリーの外観を目視により観察し、増粘、固化等の有無を判定した。
<二酸化炭素濃度>
二酸化炭素濃度を、自動二酸化炭素濃度測定装置(テックジャム社、商品名TESTO−535)を用いて測定した値である。
<pH>
pH(反応後pH及び製品pH)を、自動pH測定装置(横河電機社製、製品名PH450G)を用いて測定した値である。
<白色度>
色差計(東京電色社製、製品名SP−80)を用い、粉体試料を乳鉢で磨り潰し、ガラスセルに詰めて測定した値である。
<吸油度>
JIS K 5101の練り合わせ法に準拠して測定した。即ち、105℃以上110℃以下で2時間乾燥した試料2gをガラス板に取り、精製アマニ油(酸価4以下のもの)をビュレットから少量ずつ試料の中央に滴下し、その都度ヘラで練り合わせた。この滴下及び練り合わせを繰り返し、全体が初めて1本の棒状にまとまったときを終点とし、この時点における精製アマニ油の滴下量を求め、次の式によって算出した値である。
吸油度=[アマニ油量(mL)×100]/試料(g)
<(ワイヤー)摩耗度>
プラスチックワイヤー摩耗度(日本フィルコン社製、製品名:ワイヤー摩耗度試験機、3時間)、スラリー濃度2重量%で測定した値である。
<カルシウム系化合物含量>
元素分析装置(X線マイクロアナライザー(日立製作所/堀場製作所社製、製品名E−MAX・S−3400N))を用いて当該燃焼物に含まれる各種元素の酸化物換算質量割合から求めた値である。
実施例1
(製紙スラッジ(原料))
新聞古紙脱墨工程において、浮遊選別法(フローテーション法)によって新聞古紙パルプから浮上分離除去された泡沫状の脱墨浮選廃液に、凝集剤(ハイモ社製、製品名:MX2101)を添加して廃液中の固形分を凝集させ、原料として酸化カルシウム換算でカルシウム含有割合80質量%の製紙スラッジを得た。
(脱水工程)
次いで、原料をロータリースクリーン(富国工業社製)及びスクリュープレス(北凌製作所社製)に順次通液して水分率40質量%の脱水物を回収した。
(破砕工程)
次いで、破砕機を用いて脱水物を破砕し、平均粒子径3.0mmの破砕後の脱水物を得た。
(燃焼工程)
次いで、造粒後の乾燥物を、内燃式回転キルン炉(アクトリー社製)を用いて、燃焼温度450℃、燃焼時間4時間、充填率40容量%で燃焼させた。この燃焼工程では、乾燥物を、ホッパを用いて200kg/時間の供給速度で原料投入口から供給し、原料供給手段であるスクリューフィーダーによって回転胴の原料供給口に送り込み、回転胴内を移動させて燃焼させた。燃焼の際、乾燥物を酸素含有ガスの供給、排気ガスの排出方向とは逆方向に燃焼炉内を移動させながら、酸素含有ガスを燃焼炉内へ供給し、731℃、酸素濃度6.9容量%の排気ガスを燃焼炉外へ排出させた。製紙スラッジ中に含まれる炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの分解率は24質量%であり、燃焼物中の未燃率は7質量%であった。
(焼成工程)
次いで、燃焼物を、回転式キルン炉(アクトリー社製)を用いて、焼成温度720℃、焼成時間3時間で焼成させた。焼成工程後、製紙スラッジ中に含まれる炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの分解率は35質量%であった。
(スラリー化工程)
次いで、燃焼物を水と混合し、次いでこれらをミキサー(アイリッヒ社製)を用いて分散させて、濃度20質量%スラリーの外観について、増粘、固化等は確認されなかった。
(粉砕工程)
次いで、燃焼物のスラリーをビーズミル式湿式粉砕機(アイリッヒ社製)を用いて粉砕し、平均粒子径2.5μmの燃焼物を得た。粘度100mPa・sのスラリーであった。
(二酸化炭素吹込工程)
次いで、濃度15容量%の二酸化炭素を含む排気ガスを得られたスラリーに導入し(反応後pH7.0、製品pH9.4)、酸化物換算でのカルシウム含有割合79質量%の目的とする無機粒子を回収した。
実施例2から実施例16、比較例1から比較例3及び参考例
実施例2から実施例16、比較例1から比較例3及び参考例は、原料及び工程条件を表1から表4のように変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。
実施例2から実施例16、比較例1から比較例3及び参考例の製造方法の製造工程を、使用した原料及び生成物と共に表1から表4に示す。
Figure 0006173663
Figure 0006173663
Figure 0006173663
Figure 0006173663
表1から表4より実施例で得られた無機粒子は、比較例や参考例のものと比べて白色度が高いことが分かる。また、実施例は比較例に比べて低いエネルギーコストでの簡便かつ安定な製造方法であることも分かる。よって、本発明によれば、上述のように低いエネルギーコストで白色度の高い無機粒子を簡便かつ安定に製造することができる。
従って、本発明によれば、従来産業廃棄物として処理されていたような製紙スラッジを好適に再利用することができる。特に、無機粒子を填料又は顔料のような製紙用材料として好適に使用することができる。
S 製紙スラッジ
R 無機粒子

Claims (7)

  1. 原料として酸化物換算による炭酸カルシウムの含有量が60質量%以上の新聞古紙脱墨スラッジを主成分とする製紙スラッジを使用し、脱水工程、燃焼工程及び焼成工程を含む無機粒子の製造方法であって、
    上記燃焼工程において、酸素含有ガスの供給及び5容量%以上10容量%以下の酸素濃度の排気ガスの排出を伴う300℃以上500℃以下の新聞インキ由来の油脂成分の自燃による燃焼により燃焼物を得、
    上記焼成工程において、上記製紙スラッジ中に含まれる炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの分解率が50質量%未満となるよう上記燃焼物から焼成物を得ることを特徴とする無機粒子の製造方法。
  2. 上記燃焼工程において、燃焼温度が300℃以上450℃以下である請求項1に記載の無機粒子の製造方法。
  3. 上記燃焼工程において、上記脱水工程後の脱水物を上記酸素含有ガスの流通方向と逆方向に移動させつつ燃焼させる請求項1又は請求項2に記載の無機粒子の製造方法。
  4. 上記燃焼工程において、燃焼炉として回転キルン炉を使用する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の無機粒子の製造方法。
  5. 上記焼成工程において、焼成温度が680℃以上750℃以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無機粒子の製造方法。
  6. 上記焼成工程において、焼成炉として回転キルン炉を使用する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の無機粒子の製造方法。
  7. 得られる無機粒子のカルシウム系化合物含量が、カルシウムの酸化物換算で70質量%以上である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無機粒子の製造方法。
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