JP7068884B2 - 変性パルプの製造方法 - Google Patents
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(1)変性パルプの入口濃度が0.1~1.0重量%、出口濃度が2.0~4.0重量%となるように脱水を行う第1脱水工程と、前記変性パルプの入口濃度が2.0~4.0重量%、出口濃度が10~14重量%となるように脱水を行う第2脱水工程とを有する変性パルプの製造方法。
本発明において、変性パルプは、セルロース原料に対して各種の化学変性を行うことで得られる。化学変性の種類としては、酸化(カルボキシル化)、カルボキシメチル化、リン酸エステル化等のエステル化、シランカップリング、フッ素化、カチオン化等が挙げられる。中でも、酸化(カルボキシル化)、カルボキシメチル化、カチオン化、エステル化が好ましく、酸化(カルボキシル化)、カルボキシメチル化がより好ましい。
本発明において、セルロース原料とは、セルロースを主体とした様々な形態の材料をいい、パルプ(晒又は未晒木材パルプ、晒又は未晒非木材パルプ、精製リンター、ジュート、マニラ麻、ケナフ等の草本由来のパルプなど)、酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等の天然セルロース、セルロースを銅アンモニア溶液、モルホリン誘導体等の何らかの溶媒に溶解した後に紡糸された再生セルロース、及び上記セルロース原料に加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル等の機械的処理等をすることによってセルロースを解重合した微細セルロースなどが例示される。
(酸化)
本発明において、セルロース原料の酸化(カルボキシル化)は公知の方法を用いて行うことができ、特に限定されるものではないが、セルロース繊維の絶乾重量に対して、カルボキシル基の量が0.5mmol/g~3.0mmol/gになるように調整することが好ましい。
本発明において、セルロース原料をカルボキシメチル化してカルボキシメチル化パルプを得る方法としては公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではないが、セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル基置換度が0.01~0.50となるように調整することが好ましい。その一例として次のような製造方法を挙げることができるが、従来公知の方法で合成してもよく、市販品を使用してもよい。セルロースを発底原料にし、溶媒に3~20重量倍の水及び/又は低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、N-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N-ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等の単独、又は2種以上の混合媒体を使用する。なお、低級アルコールの混合割合は、60~95重量%である。マーセル化剤としては、発底原料の無水グルコース残基当たり0.5~20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用する。発底原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0~70℃、好ましくは10~60℃、かつ反応時間15分~8時間、好ましくは30分~7時間、マーセル化処理を行う。その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05~10.0倍モル添加し、反応温度30~90℃、好ましくは40~80℃、かつ反応時間30分~10時間、好ましくは1時間~4時間、エーテル化反応を行う。
本発明において、セルロース原料のカチオン化は公知の方法を用いて行うことができ、カチオン化により例えば、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム、これらアンモニウム、ホスホニウムまたはスルホニウムを有する基をセルロース分子に有することができるが、アンモニウムを有する基が好ましく、特に、四級アンモニウムを含む基が好ましい。具体的なカチオン化の方法としては、特に限定されるものではないが、一例として、セルロース原料にグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムハイドライト又はそのハロヒドリン型などのカチオン化剤と触媒である水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を水及び/又は炭素数1~4のアルコールの存在下で反応させることによって、四級アンモニウムを含む基を有する、カチオン変性されたパルプを得ることができる。
セルロース原料をエステル化して、エステル化パルプを得る方法は、特に限定されないが例えば、セルロース原料に対し化合物Aを反応させる方法が挙げられる。化合物Aについては後述する。
本発明の変性パルプの内、カルボキシル基を有する酸化パルプ、カルボキシメチル基を有するカルボキシメチル化パルプ、及びリン酸基を有するリン酸エステル化パルプは、これらにAg、Au、Pt、Pd、Cu及びZnの群から選ばれる1種以上の金属粒子を担持させた、金属担持パルプであっても良い。金属担持パルプは、酸化パルプ、カルボキシメチル化パルプ、及びリン酸エステル化パルプに、金属化合物水溶液を接触させ、これら変性パルプにそれぞれ導入されたカルボキシル基、カルボキシメチル基、リン酸基と金属化合物とを結合させることによって得ることができる。
上記のようにして得られた変性パルプの水分散液は、異物の除去を簡単に行うことができる観点から、濃度が0.1~1.0重量%、好ましくは0.5~1.0重量%に調整されている。なお、本発明において、変性パルプの水分散液の濃度は固形分濃度を示している。また、変性パルプが金属担持パルプである場合は、変性パルプの水分散液の濃度は、金属を含むパルプの固形分濃度である。
第2脱水工程では、第1脱水工程において出口濃度2.0~4.0重量%、好ましくは3.0~4.0重量%まで脱水された変性パルプの水分散液を、脱水装置を用いて10~14重量%、好ましくは10~13重量%となるように脱水する工程である。即ち、第2脱水工程においては、変性パルプの入口濃度が2.0~4.0重量%、好ましくは3.0~4.0重量%であり、出口濃度が10~14重量%、好ましくは10~13重量%である。
(第1脱水工程および第2脱水工程)
酸化パルプに金属担持することにより得られた金属担持パルプ(パルプ1gあたりの金属担持量:10~50mgの範囲で操業)の0.5重量%水分散液を、ロータリースクリーン(製品名:ロータリースクリーン、富国工業株式会社製)を用いて3.5重量%となるまで脱水を行った(第1脱水工程)。次に、3.5重量%の金属担持パルプの水分散液を、スクリュープレス(製品名:FKCスクリュープレス、富国工業株式会社製)を用いて11.8重量%となるまで脱水を行った(第2脱水工程)。
得られた11.8重量%の金属担持パルプを水で1.2重量%まで薄めて、合計で2000mLとした。得られた試料を標準離解機(JIS P 8220-1に規定されるもの)に投入し、3000rpmで16分40秒間回転させることにより、累積50000回転させた。この試料について、0.2mm2以上の未離解片(JIS P8208に規定される夾雑物測定図表と対比した)個数を目視で計数した。結果を表1に示す。
第2脱水工程において、表1に示す濃度まで脱水を行ったこと以外は、実施例1と同様に脱水を行った。また、実施例1と同様に、試料を作製し、標準離解機を用いて回転させた後に、0.2mm2以上の未離解片の個数を計数した。結果を表1に示す。
Claims (3)
- 変性パルプの入口濃度が0.1~1.0重量%、出口濃度が2.0~4.0重量%となるように脱水を行う第1脱水工程と、
前記変性パルプの入口濃度が2.0~4.0重量%、出口濃度が10~14重量%となるように脱水を行う第2脱水工程とを有する変性パルプの製造方法であって、
前記変性パルプは、金属担持させた変性パルプである変性パルプの製造方法。 - 前記第1脱水工程においては、ロータリースクリーンを使用して脱水を行い、前記第2脱水工程においては、スクリュープレスを使用して脱水を行う請求項1に記載の変性パルプの製造方法。
- 前記金属担持させた変性パルプは、パルプ1gあたりの金属担持量が10~50mgの範囲である請求項1又は2記載の変性パルプの製造方法。
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