JP5317875B2 - 再生粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製紙スラッジを主原料として再生粒子を得る再生粒子の製造方法に関するものである。
紙パルプ工場の各種工程から排出される製紙スラッジは、無機充填剤や無機顔料粒子をかなりの割合で含み、これらの製紙スラッジは、回収され、流動床炉やストーカー炉などの焼却炉で製紙スラッジ中の有機物を燃焼して製紙スラッジの減容化を図るとともに、エネルギーとして回収している。
しかしながら、製紙スラッジには、多量の無機物が含有されているため、燃焼しても多量の焼却灰(無機物)が残り、減容化にも限度がある。そこで、この焼却灰をセメント原料の助剤として活用することや、土壌改良材として活用すること等の努力もなされている。しかしながら、これらセメント原料の助剤や、土壌改良材としての焼却灰の使用量はわずかなものであり、結局、大部分の焼却灰は埋立て処分されているのが実情である。
したがって、焼却によって熱エネルギーとして回収するだけでなく、製紙スラッジ中の無機物を製紙用填料、顔料、プラスチック用充填剤等として再利用することが、製紙業界において古紙利用率の向上とともに環境問題に関わる重要な改善課題となっている。
しかしながら、製紙スラッジの焼却灰には燃焼されずに残った有機物がカーボンとして含まれるため白色度が低く、あるいは、無機物の焼結が進み、粒子径が不揃いで大きくなっており、そのままの状態では製紙用の填料や塗工用顔料、プラスチック用の充填剤等として使用するのに適さない。
そこで、製紙スラッジの焼却灰を好適な製紙用材料に転化することを目的として、既に様々な方法が提案されている。
例えば、製紙スラッジの燃焼処理前に炭化処理を行なう方法として、製紙スラッジを350〜700℃程度で炭化した後、650〜800℃で燃焼処理する方法(特許文献1)、製紙スラッジを低酸素条件下(好ましくは無酸素条件下)600℃未満の温度で炭化処理した後、600〜800℃で燃焼処理する方法(特許文献2)、製紙スラッジを400〜700℃で有機分を炭化し、炭化物を粉砕した後、650〜700℃で有機分を燃焼させる方法(特許文献3)、製紙スラッジを貧酸素状況下1000℃以下で炭化処理した後、450〜1000℃で燃焼処理する方法(特許文献4)、製紙スラッジを貧酸素雰囲気下、400〜700℃で炭化した後、650℃以上で2段階の燃焼処理を行う方法(特許文献5)、製紙スラッジを1基のキルン内で200℃から徐々に昇温して乾燥させ、600℃で炭化させた後に更に昇温して850℃で燃焼処理する方法(特許文献6)などが提案されている。
また、製紙スラッジを炭化処理せずに特定条件での燃焼処理を行なう方法として、製紙スラッジを2段階で燃焼処理を行い、その第1段階の燃焼温度を750℃以下、第2段階の燃焼温度を800℃未満とすることにより、製紙用原材料に由来して製紙スラッジ中に含まれる炭酸カルシウムの熱分解を50%未満に抑える方法(特許文献7)、製紙スラッジの中の脱墨スラッジ分を1次燃焼工程がサイクロン炉を用いて700℃以下、燃焼時間10秒以内で燃焼処理し、次いで2次燃焼工程が700℃以下で燃焼処理する方法(特許文献8)、製紙スラッジを800℃で焼却した焼却灰を、500〜1100℃で再度燃焼する方法(特許文献9)などが提案されている。
さらに、以上の方法はすべて製紙スラッジを乾式酸化(いわゆる燃焼)するものであるが、乾式酸化と湿式酸化とを組み合せてスラッジ焼却灰とする方法として、製紙スラッジを200〜800℃で湿式酸化処理した後に800〜1100℃乾式酸化処理したり、逆に、乾式酸化処理後に湿式酸化処理したりする方法(特許文献10)も提案されている。
このほか、過剰空気雰囲気下、スラッジ温度650℃以下でスラッジ中の易燃焼性有機成分を燃焼除去する一次燃焼工程と、過剰空気雰囲気下、スラッジ温度700〜850℃でスラッジ中の難燃焼性有機成分を燃焼除去する二次燃焼工程との少なくとも2段階の燃焼工程を経ることで、製紙スラッジを効率的に、白色度が高く高品位のスラッジ焼却灰を得る技術(特許文献11)も開示されている。
しかしながら、これらの特許文献に記載の方法は、次のような問題を有している。
すなわち、これらの特許文献においては、原料とする製紙スラッジが、抄紙工程でワイヤーを通過して流出したもの、パルプ化工程での洗浄過程で発生した固形分を含む排水から回収したもの、排水処理工程において、沈殿あるいは浮上などを利用した固形分分離装置によりその固形分を分離、回収したもの、古紙処理工程で除去されたもの等の各種スラッジが混在したものである点である。
これらの製紙スラッジのうち、例えば、抄紙工程でワイヤーを通過して流出したものは、紙力剤等が混入しており、また、抄紙工程における抄造物の変動によって品質に変動が生じる。また、排水処理工程から回収した製紙スラッジには凝集剤が混入するほか、工場全体の抄造物、生産量の変動、あるいは生産設備の工程内洗浄などにより大きな変動が生じる。パルプ化工程での洗浄過程から生じる製紙スラッジにおいては、チップ水分やパルプ製造条件で変動が生じるほか、さまざまな填料、顔料とすることができない物質が混入し、品質変動が生じる。したがって、全ての製紙スラッジを無選別に用いようとすると、製紙用の填料や塗工用顔料としての品質が大きく低下し、しかも品質の変動が極めて大きく、不安定なものとなる。結果、従来の方法で得られる再生粒子は、製紙用の填料や塗工用顔料、プラスチック用の充填剤等として使用するには品質が適さず、品質安定性に欠けるものであった。
そこで、本発明者らは、特許文献12において、紙パルプを製造する古紙処理設備の脱墨工程においてパルプ繊維から分離された脱墨フロスを主原料として、この主原料を脱水、乾燥、燃焼及び粉砕工程を経て、再生粒子を得る再生粒子の製造方法であって、前記乾燥と燃焼工程が、前記脱水後の原料の乾燥と燃焼を一連で行う先の第1燃焼炉と第1燃焼炉にて燃焼された脱墨フロスを再度燃焼する、後の第2燃焼炉を有する、少なくとも2段階の燃焼工程を有し、その後に粉砕し、再生粒子を得る操作をする再生粒子の製造方法を提案した。また、その具体的な内容として、第1燃焼炉(内熱キルン炉)内の酸素濃度が0.2%〜20%となるように、500℃〜650℃の熱風を吹き込み、第2燃焼炉では、内熱キルン炉からの燃焼物を、550℃〜750℃の温度で燃焼する形態も開示した。
その後、本件発明者等は、この脱墨フロスを主原料として用いた再生粒子の製造方法で得た知見をもとに検討を重ねた結果、脱墨フロスと比べて、様々な工程から排出されたスラッジが混在する製紙スラッジは、再生粒子の原料となる微細な無機微粒子を含有するほか、古紙パルプとして利用が困難な微細繊維や塗工紙に多用される有機高分子であるラテックス、印刷により付与されたインキ成分を多く含むため、燃焼処理においては製紙スラッジそのものが自ら燃焼(酸化)してしまうことを知見した。したがって、製紙スラッジ一般を原料として、当該特許文献12で提案した方法を採用すると、熱風による加熱処理以上の発熱が生じ、原料の過剰燃焼を引き起こす問題が生じる。
そして、過剰な燃焼は、次記の問題を招く。
(1)高温燃焼により原料が黄変化し白色度の低下を招く。(2)原料の溶融によりゲーレナイト等の硬質物質(例えば、特許文献13参照。)を生じやすくなり、抄紙設備でのワイヤー摩耗度が上昇する。(3)原料の溶融による凝集体を形成するため、後の微粉砕工程において粉砕エネルギーの増加、処理効率が低下する。(4)原料の表面が高温に晒されて溶融されるため、原料内部まで燃焼反応(酸化反応)が進まず、有機物(カーボン)が残留する。結果として白色度の低下を招く。
特許第4153411号公報 特許第3563707号公報 特開2001‐262002号公報 特開2002‐308619号公報 特許第4105564号公報 特開2004‐176209号公報 特開平10‐029818号公報 特許第3831719号 特開平11‐310732号公報 特開2001−026727号公報 特開2008−207173号公報 特開2008‐127704号公報 特開2008‐190049号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、特に製紙用の填料又は塗工用顔料として必要な特性を備えた再生粒子を、安定して得ることができる再生粒子の製造方法を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
製紙スラッジを主原料とする被処理物を、脱水、熱処理及び粉砕して、再生粒子を製造する方法であって、
前記熱処理の工程は、前記被処理物中の有機成分を熱処理する有機成分熱処理工程と、この有機成分熱処理工程後の被処理物を燃焼する燃焼工程と、を有し、
前記有機成分熱処理工程は、前記脱水後の被処理物を、酸素濃度20%以下の雰囲気下において200℃以上、300℃未満の熱処理温度で熱処理する工程であり、
前記燃焼工程は、前記有機成分熱処理後の被処理物を、300℃以上、500℃未満の燃焼温度で燃焼する第1燃焼工程と、この第1燃焼工程後の被処理物を再燃焼する第2燃焼工程と、を含む、少なくとも2段階の燃焼工程を有する、
ことを特徴とする再生粒子の製造方法。
〔請求項2記載の発明〕
前記有機成分熱処理工程では、本体が横置きで中心軸周りに回転するキルン炉を用いて、前記被処理物の発熱量が20〜70%減少するように熱処理し、
前記第1燃焼工程では、本体が横置きで中心軸周りに回転するキルン炉を用いて、前記被処理物を燃焼する、
請求項1記載の再生粒子の製造方法。
〔請求項3記載の発明〕
前記第2燃焼工程は、前記第1燃焼工程後の被処理物を、550℃以上、780℃以下の燃焼温度で燃焼する工程である、
請求項1又は請求項2記載の再生粒子の製造方法。
本発明によれば、特に製紙用の填料又は塗工用顔料として必要な特性を備えた再生粒子を、安定して得ることができる再生粒子の製造方法となる。
製造設備の概要図である。 第2燃焼炉の概要図で、(a)は縦断面図、(b)は内面の展開図である。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。
〔本発明の位置付け等〕
例えば、製紙用スラッジを燃焼する場合、当該製紙用スラッジに含有される有機成分は、その出所の違いや製紙工場内での抄造品種、定期修理や生産変動などにより多様に変化し、その品質変動が製紙スラッジの熱量変動を招き、燃焼温度の変動、燃焼時間の変動を来たし、最終的に得られる燃焼物(再生粒子)の品質、特に性状が一定でなく、燃焼物の白色度もバラツキが生じる問題を生じていることが知見された。
そこで、本発明者らは、製紙スラッジの熱量変動を所定の範囲に調整し、燃焼温度の変動、燃焼時間の変動を生じさせないで、品質の安定した再生粒子を得る手段について検討を重ね、燃焼工程の前段に、製紙スラッジ中の有機成分を熱処理(好ましくは、酸素濃度0.2〜20%雰囲気下、熱処理温度200℃〜300℃未満で熱処理)する有機成分熱処理工程を設けるとともに、製紙スラッジを300℃〜500℃未満の燃焼温度で燃焼(好ましくは、酸素濃度0.2〜20%雰囲気下で燃焼)する第1燃焼工程と、この第1燃焼工程後の製紙スラッジを再燃焼する第2燃焼工程と、を含む、少なくとも2段階の燃焼工程を設けることで、品質の安定した再生粒子を製造できることを見出し、本発明を完成させたものである。
また、有機成分熱処理工程では、本体が横置きで中心軸周りに回転するキルン炉を用いて、製紙スラッジの発熱量が、有機成分熱処理工程入口におけるのと比べて20%〜70%低減するように熱処理し、第1燃焼工程では、本体が横置きで中心軸周りに回転するキルン炉を用いて、製紙スラッジを燃焼するとより好適であり、いわゆる硬質物質であるCa2Al2SiO7(ゲーレナイト)及びCaAl2Si28(アノーサイト)の合計含有量を2.0質量%以下にすると特に好適であることを知見した。
(有機成分熱処理工程)
製紙スラッジは、各種有機成分(有機物)を含有し、この有機物のなかには、紙由来の、220℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(アクリル系物質)、320℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(セルロース)、420℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(スチレン系物質)が含まれ、出発原料の種類や量により変動幅が大きいものの、およそ1000〜2000cal/gの発熱量を有する。従来の再生粒子の製造方法においては、これら有機分を、燃焼工程(酸化工程)において、他の有機分と一緒に燃焼(酸化)させて除去する方策が取られていた。
本発明者らは、以上の各有機物が上記温度の近傍で発熱量のピークをもつ発熱量が高い物質であること、200℃〜300℃未満で熱分解される有機分を燃焼させる際に発火・過剰燃焼が生じ、燃焼制御に困難を伴い、白色度の低下のみならず、Ca2Al2SiO7及びCaAl2Si28からなる硬質物質の生成をまねくことを見出し、燃焼工程の前段で、所定の高発熱量成分を製紙スラッジ中から、熱処理により予め除去することが製紙用の填料又は塗工用顔料として必要な特性を備えた再生粒子を、安定して製造することができることを見出した。
更なる好適な熱処理条件として、製紙スラッジの発熱量の減少率が20〜70%に成る様に熱処理除去することで過剰燃焼を抑え、第1燃焼工程や第2燃焼工程での過燃焼による硬質物質の生成を2.0質量%以下に抑えることができ、特に製紙用の填料又は塗工用顔料として必要な特性を備えた再生粒子を、安定して製造することができることを見出している。
有機成分熱処理工程において用いることができる装置には、特に限定がなく、例えば、直接加熱型ロータリーキルン、間接加熱型ロータリーキルン、気流乾燥機、流動層乾燥機、振動流動乾燥機、回転・通気回転乾燥機(サイクロン)などを用いることができる。これら装置の熱源として、燃焼工程の排熱を使用し、エネルギーコストを低減することが可能である。ただし、熱効率や操業の容易性の点で、直接加熱型ロータリーキルンが好適に採用される。より詳細には、本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉が好適に用いられる。
また、第1燃焼炉と同様の、本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉を用い、原料排出口側から200〜300℃未満の熱風を吹き込むこと(向流方式)もできるが、当該内熱キルン炉一端の原料供給口から原料を供給するとともに、同原料供給口側から200〜300℃未満の熱風を吹き込む(並流方式)のが好ましい。並流方式によると、水分を多く含む原料中の乾燥を促進すると共に、他端に向けて低温化する温度勾配を設ける事が可能になり、過剰な熱処理を来たすことなく、原料中の200℃〜300℃未満で熱分解・揮発蒸散する有機成分をガス化し、このガスを含むガス成分を原料排出口側に設けた排気手段で排出し、もって高発熱量成分を製紙スラッジから分離・除去できる。
熱処理温度は、気流乾燥機や回転・通気回転乾燥機のような熱風を利用して熱処理させる装置においては、製紙スラッジ中に含まれる、例えば、約7300cal/gの高発熱量成分であるアクリル系化合物を、効率良く熱処理除去するために、熱風温度を200〜300℃未満とすることが好ましく、220〜280℃とすることが、第1燃焼工程や第2燃焼工程での過燃焼によるCa2Al2SiO7及びCaAl2Si28からなる硬質物質の生成を2.0質量%以下に抑えることができ、特に製紙用の填料又は塗工用顔料として必要な特性を備えた再生粒子を、安定して製造することができるためより好ましい。熱風温度が300℃以上であると、スチレン成分の熱処理が生じ熱処理工程での発火問題や、次工程である第1燃焼工程での燃焼エネルギーが増加する問題や、過燃焼の問題、カーボン等の難燃焼物の生成をまねく問題が生じる。
有機成分熱処理工程においては、次工程である第1燃焼工程での緩慢な低温燃焼及び燃焼効率を向上させるために、製紙スラッジを細かく解すことが好ましく、好適には、熱処理工程の前段で、撹拌機や機械式ロール等により強制的に有機成分熱処理前の製紙スラッジを解し、好適には数ミリから40mmを超える不揃いな脱水後の原料を3〜10mmとして有機成分熱処理工程、更には第1燃焼工程に供給することが好ましい。更には、有機成分熱処理工程後に撹拌機や機械式ロール等により強制的に原料を3〜10mmに揃えることが好ましい。
有機成分熱処理工程における熱処理は、製紙スラッジの発熱量が、有機成分熱処理工程入口におけるのと比べて20%以上低減するように行うのが好ましく、20〜70%低減するように行うのがより好ましい。20%未満の低減では、製紙スラッジ中に高発熱量成分であるアクリル系化合物が残留し、次工程である第1燃焼工程で燃焼温度の変動をきたすおそれがある。他方、70%を超えて低減させることは、製紙スラッジ中のスチレン成分の熱分解をきたし、熱処理工程にて発火、過燃焼を引き起こすおそれがある。
(燃焼工程)
以下では、第1燃焼工程において内熱キルン炉を、第2燃焼工程において外熱キルン炉を選択した場合を説明するが、燃焼工程においては、これらのキルン炉以外の公知の燃焼装置を使用することができる。例えば、流動床炉、ストーカー炉、サイクロン炉、半乾留・負圧燃焼式炉等の公知の装置を用いることができる。ただし、本発明においては、先の第1燃焼を内熱で行い、後の第2燃焼を外熱で行う2段階以上の燃焼を行うことが可能な公知の燃焼炉を使用するのが好適である。また、外熱第2燃焼炉としては、重油等を熱源にした間接加熱方式の燃焼炉等の公知の燃焼装置を採用すると好適である。
第1燃焼工程において好適に用いることができる内熱キルン炉によれば、緩慢な低温燃焼を行うことができ、供給口から排出口に至るまで、緩やかかつ安定的に燃焼が進行し、燃焼物(被処理物)の過燃焼や微粉化が抑制される。
従来の第1燃焼工程においては、前述した特許文献等にも記載されているように、原料中の微細繊維や塗工紙に多用される有機高分子であるラテックス、印刷により付与されたインキ成分等を効率よく燃焼させるために、水分率を40%未満に脱水乾燥させ、高温で燃焼させる方法を採用していた。しかしながら、本発明者等は、第1燃焼工程においては300℃〜500℃未満の従来に比して低温で熱処理することにより、原料に含有されるセルロース等の有機物が燃焼ガス化し、この燃焼ガスを燃焼(酸化)させることで、得られる再生粒子の品質安定化、白色度向上に対する寄与が大きいことを見出した。つまり、少なくとも2段階の燃焼を行うことで、均一かつ安定的に再生粒子を得ることができる。
第2燃焼工程において好適に用いることができる外熱キルン炉によれば、その端部から燃焼物を所定の滞留時間をもって、他端部の排出口から排出でき、また、外熱により燃焼物に均一な熱が加わるので、燃焼が均一なものとなり、燃焼のバラツキが生じない。さらに、キルン炉内壁の回転による摩擦によって燃焼物が緩やかに撹拌されるため、微粉化を生じにくい。その結果、最終的な燃焼物の品質及び性状が安定したものとなる。
なお、この第2燃焼工程において好適に用いることができる外熱キルン炉は、キルン炉の外側に加熱設備を設けた構成となるため、キルン炉の構造が複雑になるとともに、燃焼物を間接的に乾燥、燃焼させるゆえに多量の熱源が必要になる。したがって、有機成分熱処理工程後の好適な大きさである3mm〜10mmの原料の燃焼(第1燃焼)に外熱キルン炉を使用した場合には、燃焼効率が低くなり、生産性が悪く、温度の制御が困難になる場合がある。
他方、内熱キルン炉を第2燃焼工程において使用した場合は、残カーボンを燃焼するにおいて、炉内温度の調整に多量の希釈空気が必要であり、また、多量の空気を投入しないと燃焼熱を内熱キルン炉内に均一に伝えることが困難であり、更に炉内温度の変動を抑えることが困難であるため、燃焼物の過燃焼や燃焼ムラが生じやすい問題を生じる。しかも、通常加熱に使用される重油バーナーからの重油燃焼残カーボンやイオウ酸化物等による汚染が発生し、白色度の低下やバラツキが生じ、得られる燃焼物の品質の均一化が困難な問題が生じる。
第1燃焼工程や第2燃焼工程において、好適な燃焼炉として用いられる内熱又は外熱キルン炉は、内部耐火物を円周状(円筒状)ではなく、六角形状や八角形状とすること、原料の供給口や排出口を軸方向端縁部側が先細となる円錐台形状とすることもでき、これらの形状によると燃焼物を滑らすことなく持ち上げて撹拌することができる。
この点、簡便にこの撹拌を実現するためには、内部耐火物等を円筒状とし、燃焼物撹拌用のリフターを設けることによってもよい。ただし、内部耐火物等の(内)表面積が広がって熱効率が向上すること、燃焼温度の勾配を設け易いことから、前述供給口及び排出口が異形、すなわち円錐台状とされたキルン炉を直列的に組み合わせて構成するのが好ましい。この形態によると、原料の均一な燃焼と、品質の均一化を図るうえで好適である。なお、キルン炉を直列的に組み合わせる場合、各キルン炉が同一のものであってもよいが、例えば、軸方向の長さが異なる複数のキルン炉を組み合わせて用いることもできる。このようにキルン炉を適宜組み合わせることにより、原料をより均一に燃焼することができるようになり、結果、燃焼物をより均質化することができるようになる。以上のことは、本形態においては、第1燃焼工程にて、温度勾配を設けながら、低温でじっくりと原料全体を燃焼することとも関係すると考えられる。
ここで、本発明者らが好適な再生粒子を得るにあたり、注力した燃焼炉の選択について説明する。
従来から慣用的に用いられてきた燃焼炉は、ストーカー炉(固定床)、流動床炉、サイクロン炉、キルン炉の4種に大別でき、本発明者らは、それぞれの燃焼炉で再生粒子の製造の検討を重ねたところ、次記の事項が明らかとなった。
ストーカー炉(固定床)は、脱墨フロス等の製紙スラッジの燃焼度合い調整が困難であり、燃焼物が不均一となるうえに、灰分の多い脱墨フロスの燃焼では、火格子間のクリアランスから落塵を生じる。火格子を通し燃焼物の下から空気を吹上げ燃焼させるため、炭酸カルシウムなどが飛灰となり排ガスとともに排ガス設備へ送られ、歩留りの低下が問題となる。ストーカ(階段状)を、所定幅で燃焼物を通過させながら燃焼するため、撹拌が不十分で幅方向で燃焼にバラツキが発生する。
流動床炉は、炉内において珪砂等の粒子状の流動媒体を使用するため、珪砂等が燃焼物中に混入し、品質の低下をまねく問題や。均一な撹拌ができないとの問題を有する。硅砂等を流動層に混合して燃焼させた後、硅砂等と燃焼物とを分離し、硅砂等は燃焼炉へ戻し燃焼物のみを取り出すが、燃焼物も硅砂等と同程度の粒径であるため分離が困難である。燃焼物を硅砂等と浮遊した状態で燃焼させるため、燃焼の度合い調整が困難であり、品質のばらつきが発生する。硬度の高い珪砂等との摩擦、衝突により燃焼物が微粉化され飛灰となって系外へ排出され歩留りが低下する。
サイクロン炉は、炉内を一瞬で通過するため燃焼物中の固定炭素を十分に燃焼できず白色度の低下に繋がる。また、風送により細かい粒子はサイクロンで分離されず排ガスと一緒に排ガス処理工程に回るため歩留りが低下する。
以上の諸問題について鋭意検討を重ねた結果、有機成分熱処理工程においては、原料の供給方向と同じ方向に熱風を供給する(並流方式)キルン炉が、燃焼工程においては、原料排出口側から熱風を供給する(向流方式)キルン炉が好適な熱処理手段、燃焼手段として選択され、更に後述するように、先の第1燃焼工程において内熱キルンが、後の第2燃焼工程において外熱キルンが好適な燃焼手段として選択される。
〔本形態の概要〕
次に、本発明の実施の形態の一例を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では、被処理物の主原料(50質量%以上)として製紙スラッジを用いた。
本形態の再生粒子の製造設備フローは、脱水工程、有機成分熱処理工程、燃焼工程、粉砕工程を有するが、さらに、被処理物(原料)の凝集工程、造粒工程や、各工程間に分級工程等を設けてもよい。
図1に、再生粒子の製造設備フローの一部構成例(有機成分熱処理工程、第1の燃焼工程及び第2の燃焼工程を含む設備例)を示した。本設備には、各種センサーが備わっており、被処理物や設備の状態、処理速度のコントロール等を行っている。本形態に用いる被処理物(原料10)は、スクリーンにおいて、水分率を90〜97%に脱水した後、例えばスクリュープレスに送り、さらに30〜50%の水分率に脱水することが好適である。
かかる脱水後の原料10は、望ましくは、粉砕機(又は解砕機)により40mm以下、好適には3〜10mmの粒子径に粉砕しておく。かかる原料10が貯槽12から切り出されて、熱処理炉たる本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉42に装入機41により装入される。内熱キルン炉42の出口(排出口)側には排ガスチャンバーと排出チャンバーとを兼ねるチャンバー42Cが設けられている。原料供給口側に設けられた、熱風発生炉43からの熱風が内熱キルン炉42の供給口側から吹き込まれ、装入機41によって装入され、内熱キルン炉42の回転に伴って排出口側に順次移送される原料10の熱処理を行うようになっている(並流方式)。
ここで内熱キルン炉42内に吹き込む熱風は、酸素濃度が0.2〜20%、好適には5〜17%となるようにするのが望ましい。また、炉内温度は、200℃〜300℃未満、より望ましくは220℃〜280℃未満、特に240℃〜260℃が望ましい。熱風は、バーナー43Aが備わる熱風発生炉43から吹き込まれる。
チャンバー42Cからは、熱処理に供した排ガスとともに、熱処理により生じた揮発ガスが排出され、これらのガスは、好適には後述する第1燃焼炉14のバーナー20Aの助燃ガスとして用いられる。
内熱キルン炉42内において熱処理した原料は、本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉である第1燃焼炉14に装入される。この第1燃焼炉14に装入される燃焼物の粒径は、直径又は長径において5mm以下が好適である。
熱処理された原料10は、第1燃焼炉14の一方側から装入機15により装入される。第1燃焼炉14の一方側には排ガスチャンバー16が、他方側には排出チャンバー18が設けられている。排出チャンバー18を貫通して、熱風発生炉20からの熱風が第1燃焼炉14の他方側から吹き込まれ、前記一方側から装入され、第1燃焼炉14の回転に伴って前記他方側に順次移送される原料10の燃焼を行うようになっている。
ここで、第1燃焼炉14内に吹き込む熱風は、酸素濃度が0.2%〜20%となるようにするのが望ましい。また、炉内温度は、300℃〜500℃未満、より望ましくは400℃〜500℃未満、特に400℃〜450℃が望ましい。熱風は、バーナー20Aが備わる熱風発生炉20から吹き込まれる。
排ガスチャンバー16からは、燃焼に供した排ガスが再燃焼室22に送り込まれる。排ガス中に含まれる燃焼物の微粉末は、排ガスチャンバー16の下部から排出され、再利用される。排ガスは、再燃焼室22でバーナーにより再燃焼が行われ、予冷器24により予冷された後、熱交換器26を通し、誘引ファン28により煙突30から排出される。ここで、熱交換器26は外気を昇温し、この昇温された外気は、熱風発生炉20に送られ、第1燃焼炉14に吹き込まれる熱風の用に供せられ、排ガスチャンバー16からの排ガスの熱を回収するようにしてある。排ガスの処理は、排ガス中に含まれる有害物質の除去に有効である。
第1燃焼炉14において燃焼された燃焼物は、本体が横置きで中心軸周りに回転する外熱キルン炉である第2燃焼炉32に装入される。この装入される燃焼物の粒径としては、10mm以下が好適である。第2燃焼炉32の熱源としては、第2燃焼炉32内の温度コントロールが容易で長手方向の温度制御が容易な電気による調整が好適であり、したがって、電気ヒーターにより間接的に第1燃焼炉14から得られる燃焼物を再び燃焼させる外熱式の第2燃焼炉32であることが望ましい。
第2燃焼炉32においては、酸素濃度を調整する空気あるいは酸素の供給機構(図示せず)にて酸素濃度が5%〜20%、望ましくは10%〜20%、特に望ましくは10%〜15%となるように再燃焼するのが望ましい。燃焼温度は、550℃〜780℃、望ましくは600℃〜750℃である。また、第2燃焼炉32内での滞留時間(燃焼時間)は60分以上、より好適には60分〜240分、特には90分〜150分、最適には120分〜150分が、残カーボンを完全に燃焼させるに望ましい。
燃焼が終了した燃焼物は、冷却機34により冷却された後、振動篩機などの粒径選別機36により選別され、湿式粉砕機等を用いた粉砕工程で目的の粒子径に調整された燃焼物(再生粒子)が燃焼品サイロ38に一時貯留され、顔料や填料の用途先に仕向けられる。
なお、以上では、製紙スラッジを例示したが、比較的品質が安定している脱墨フロスなど、出所が明確な製紙スラッジを原料として用いる場合も、本件発明を効果的に採用できる。
〔本形態の詳細・応用例等〕
以上、本形態の概要を説明したが、その詳細及び応用例などを以下に説明する。
(原料)
本形態においては、製紙スラッジを主成分とする被処理物を原料とするところ、当該製紙スラッジは、パルプの如き繊維成分、澱粉や合成樹脂接着剤を主とする有機物、塗工紙用顔料の如き無機物などが利用されずに廃水中へ移行したものと、パルプ化工程などで発生するリグニンや微細繊維、古紙由来の製紙用填料や印刷インキ、生物廃水処理工程から生じる余剰汚泥などからなり、古紙パルプ製造工程において印刷インキなどを除去する脱墨工程や製紙用材料を回収して洗浄する洗浄工程に由来する固形成分等を含有していてもよい。
なお、古紙パルプ製造工程では、安定した品質の古紙パルプを連続的に生産する目的から、使用する古紙の選定、選別を行い、一定品質の古紙を使用する。そのため、古紙パルプ製造工程に持ち込まれる無機物の種類やその比率、量が基本的に一定になる。しかも、再生粒子の製造方法において未燃物の変動要因となるビニールやフィルムなどのプラスチック類が古紙中に含まれていた場合においても、これらの異物は脱墨フロスを得る脱墨工程に至る前段階で除去することができる。したがって、脱墨フロスは、工場排水工程や製紙原料調成工程等、他の工程で発生する製紙スラッジと比べ、極めて安定した品質の再生粒子を製造するため、より好適な原料となる。
(脱水工程)
被処理物(原料)の脱水においては、公知の脱水手段を適宜使用できる。本形態における一例では、被処理物は、脱水手段たる例えばスクリーンによって、当該被処理物から水を分離して脱水する。ただし、スクリーンにおいて、被処理物を水分率が90〜97%となるまで脱水し、この脱水物を、例えばスクリュープレスに送り、このスクリュープレスにおいて更に30〜50%の水分率となるまで脱水することが好適である。
脱水後の原料の水分率が50%を超えると、熱処理工程での熱処理温度の低下を招き、加熱のためのエネルギーロスが多大になるとともに、原料の熱処理ムラが生じやすくなり均一な熱処理を進めがたくなる。さらに、排出される排ガス中の水分が多くなり、当該熱処理により生成する220℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(アクリル系物質)、320℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(セルロース)等を、キルンの助燃に利用する等の有効利用が図れなくなる問題を有する。他方、脱水後の原料の水分率が30%未満と低いと、製紙スラッジの熱処理が過剰に促進しやすく、発火による過剰燃焼の原因となる。
このように原料の脱水を多段工程で行い急激な脱水を避けると、無機物の流出が抑制でき原料のフロックが硬くなりすぎるおそれがない。本脱水工程においては、原料を凝集させる凝集剤等の脱水効率を向上させる助剤を添加しても良いが、凝集剤には、鉄分を含まないものを使用することが好ましい。鉄分が含有されると、鉄分の酸化により再生粒子の白色度を下げる問題を引き起こす。
原料の脱水工程は、他の工程に隣接することが生産効率の面で好ましいが、予め古紙パルプ製造工程に隣接して設備を設け、脱水を行った物を搬送することも可能であり、トラックやベルトコンベア等の搬送手段によって定量供給機まで搬送し、この定量供給機から熱処理工程に供給する。
かかる脱水後の原料10は、熱処理炉42に供給する操作において、望ましくは、粉砕機(又は解砕機)により平均粒子径40mm以下の粒子径に揃えることが好ましく、より好ましくは平均粒子径が3mm〜30mm、さらに好ましくは平均粒子径が3mm〜10mmの範囲に成るように調整することが好ましく、好適には粒子径が50mm以下の割合が、70質量%以上に成るように粉砕しておくことがより好ましい。原料の粒子径は均一であることが好ましいところ、平均粒子径が3mm未満では過燃焼になりやすく、他方、40mmを超える平均粒子径では、原料芯部まで均一に熱処理を図ることが困難な問題を有する。
なお、平均粒子径と粒子径の割合は、JIS Z 8801‐2:2000に基づき、金属製の板ふるいを用いて測定した値である。
(有機成分熱処理工程)
原料10が貯槽12から切り出されて、有機成分熱処理工程に供給され、乾燥や熱分解等の熱処理をされる。有機成分熱処理工程では、本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉方式が好適に採用され、原料10が内熱キルン炉42の一方側から装入機43により装入される。内熱キルン炉42での加熱は、熱風発生炉43にて生成された熱風を内熱キルン炉42の供給口側から、原料10の流れに沿うように送り込むことにより行っているが(並流方式)、熱風を内熱キルン炉42の排出口側から、原料10の流れに反するように送り込むことにより行うこと(向流方式)もできる。
本形態において、内熱キルン炉42の他方側には排ガスチャンバーと排出チャンバーとを兼ねるチャンバー42Cが設けられている。熱風は、内熱キルン炉42の一方側から吹き込まれ、当該一方側から装入されて内熱キルン炉42の回転に伴って前記他方側に順次移送される原料10の熱処理を行うようになっている。
有機成分熱処理工程においては、脱水物10を、本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉42によって熱処理することにより、供給口から排出口に至るまでに、脱水物10に含まれる紙等に由来する、220℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(アクリル系物質)、320℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(セルロース)等を熱分解、揮発させ原料10から除去する役割を有し、原料10中から除去することで、次工程である第1燃焼工程での燃焼制御を容易にし、白色度低下の原因になる炭化物や過焼によるCa2Al2SiO7及びCaAl2Si28からなる硬質物質の生成を抑制することができる。
内熱キルン炉42に吹き込む熱風は、酸素濃度0.2%〜20%が好ましく、より好ましくは1%〜17%、最も好ましくは7%〜15%となるようにする。酸素濃度は、原料中に含まれる紙等に由来する、220℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(アクリル系物質)、320℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(セルロース)等の熱処理に際して消費されるため、熱処理の状況により酸素濃度に変動を生じる。酸素濃度が過度に低いと、十分な熱処理を図ることが困難である。
熱処理炉42内の酸素濃度は、原料10の熱処理に際して消費され低下するが、熱処理させるための熱風発生炉43により、空気などの酸素含有ガスを送風し、あるいは排気することで、酸素濃度を維持、調節可能であり、さらに酸素含有ガスを送風し、あるいは排気することで、熱分解した有機物からなるガスの排出と、熱処理炉42内の温度とを細かく調節可能になり、原料10をムラなく万遍に熱処理することができる。
内熱キルン炉42の炉内温度としては、200℃〜300℃未満、特に220℃〜280℃未満、更には240℃〜260℃が望ましい。
内熱キルン炉42の炉内温度が300℃を超えると、420℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(スチレン系物質)等の有機物の熱分解が生じるため、過燃焼を引き起こす問題が生じる。
内熱キルン炉42においては、原料10に含まれる紙等に由来する、220℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(アクリル系物質)、320℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(セルロース)等を低温で熱処理し、原料10から除去させるため、次工程である第1燃焼炉14や第2燃焼炉32において、有機成分熱処理工程において残留する、420℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(スチレン系物質)等の有機物を緩やかに燃焼させる役割を持たせることが可能になり、燃焼しがたい残カーボンの生成を抑えることができる。200℃未満と過度に温度が低いと、紙等に由来する上記各有機物の熱処理が不十分であり、他方、過度に温度が高いと、420℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(スチレン系物質)等の有機物の燃焼(酸化)が生じ、燃焼除去困難なカーボンが生成し易くなる。熱風は、バーナー43Aが備わる熱風発生炉43から吹き込まれる。
チャンバー42Cからは、乾燥に供した排ガスが排出され、含有する熱処理ガスの有効利用として、次工程である第1燃焼工程にて用いられるバーナー20Aの助燃料として供される。
前述したように製紙スラッジは、各種有機成分(有機物)を含有し、この有機物のなかには、紙由来の、220℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(アクリル系物質)、320℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(セルロース)、420℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(スチレン系物質)等が含まれ、出発原料の種類や量により変動幅が大きいものの、およそ1000〜2000cal/gの発熱量を有する。
従来の再生粒子の製造方法においては、これら有機分を、燃焼工程(酸化工程)において、他の有機分と一緒に燃焼(酸化)させて除去する方策が取られていたため、前記各種有機成分に起因する過燃焼により、安定した燃焼処理が困難になりCa2Al2SiO7及びCaAl2Si28からなる硬質物質の発生や、白色度低下を招く問題が生じる。
本件発明者らの知見では、有機成分熱処理工程にておよそ1000〜2000cal/gの発熱量を有する製紙スラッジを、熱処理により20〜70%の減少率になるように、より好適には発熱量が1000cal/g未満になるように熱処理することにより、Ca2Al2SiO7及びCaAl2Si28の合計含有量を2.0質量%以下とすることができる。
(第1燃焼工程)
熱処理された被処理物は、第1燃焼炉14に供給される。第1燃焼炉14は本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉方式からなり、被処理物が内熱キルン炉14の一方側から装入機15により装入される。内熱キルン炉14の加熱は、熱風発生炉20にて生成された熱風を内熱キルン炉14の排出口側から、被処理物の流れと向流するように送り込まれることにより行われる。
内熱キルン炉14の一方側には、排ガスチャンバー16が、他方側には排出チャンバー18が設けられている。排出チャンバー18を貫通して、熱風が内熱キルン炉14の他方側から吹き込まれ、前記一方側から装入され、内熱キルン炉14の回転に伴って前記他方側に順次移送される被処理物の燃焼を行うようになっている。
本工程においては、被処理物を、本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉14によって燃焼することにより、供給口から排出口に至るまでに、420℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(スチレン系物質)等の燃焼が緩慢に行われ、燃焼物の微粉化が抑制され、凝集体の形成、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する被処理物の燃焼度合いの制御と粒揃えを安定的に行うことができる。
ここで、内熱キルン炉14内に吹き込む熱風は、酸素濃度0.2%〜20%が好ましく、より好ましくは1%〜17%、特に好ましくは7%〜15%である。
内熱キルン炉14内の酸素は、被処理物の燃焼(酸化)により消費されるため、燃焼の状況により酸素濃度に変動を生じる。酸素濃度が過度に低いと、十分な燃焼を図ることが困難である。内熱キルン炉14内の酸素は、被処理物の燃焼等によって消費され低下するが、被処理物を燃焼させるための熱風発生炉20より、空気などの酸素含有ガスを送風し、あるいは排気することで、酸素濃度を維持、調節可能であり、さらに酸素含有ガスを送風し、あるいは排気することで、第1燃焼炉14内の温度を細かく調節可能であり、被処理物をムラなく万遍に燃焼することができる。
第1燃焼炉14の炉内温度は、300℃〜500℃未満、特に400℃〜500℃未満、更には400℃〜450℃が望ましい。第1燃焼炉14においては、420℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(スチレン系物質)等の熱分解と、燃焼しがたい残カーボンの生成を抑える目的から燃焼温度300℃〜500℃未満の温度範囲で燃焼することが好ましい。
本形態においては、前記有機成分熱処理工程を経ることで、第1燃焼炉14内の過燃焼原因となる各種有機成分(有機物)、例えば、紙由来の、220℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(アクリル系物質)、320℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(セルロース)を予め除去し、被処理物の発熱量が熱処理により20〜70%減少されるよう、より好適には発熱量が1000cal/g未満になるように熱処理することにより、Ca2Al2SiO7及びCaAl2Si28の合計含有量を2.0質量%以下とすることが可能になる。
第1燃焼炉14の燃焼温度が過度に低いと、420℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(スチレン系物質)等の燃焼が不十分であり、過度に燃焼温度が高いと過燃焼が生じ、難燃性のカーボンが生成し易くなる。特に、熱風の温度が500℃以上の場合は、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する燃焼物の粒揃えが進行するよりも早く燃焼が局部的に進むため、粒子表面と内部の未燃率の差を少なく均一にすることが困難になる。熱風は、バーナー20Aが備わる熱風発生炉20から吹き込まれる。
排ガスチャンバー16からは、燃焼に供した排ガスが再燃焼室22に送り込まれる。微粉末は、排ガスチャンバー16の下部から排出され、再び原料に配合され再利用される。排ガスは、再燃焼室22でバーナーにより再燃焼され、予冷器24により予冷された後、熱交換器26を通り、誘引ファン28により煙突30から排出される。ここで、熱交換器26は外気を昇温し、この昇温した外気は熱風発生炉20に送られ、内熱キルン炉14に吹き込まれる熱風の用に供せられ、排ガスチャンバー16からの排ガスの熱を回収するようにしてある。
第1燃焼炉14は、被処理物に含有される燃焼容易な有機物を緩慢に燃焼させ、残カーボンの生成を抑制するため、好適には前記条件で30〜90分の滞留時間(燃焼時間)で燃焼させることが好ましい。より好ましくは40〜80分が有機物の燃焼と生産効率の面で好ましい。最も好ましくは、50分〜70分の範囲が恒常的な品質を確保するために好ましい。燃焼時間が30分未満では、十分な燃焼が行われず残カーボンの割合が多くなる。燃焼時間が90分を超えると、原料の過燃焼による難燃性のカーボンが生じ、得られる再生粒子の白色度低下や硬質物質の増加が問題となる。
特に、次工程の第2燃焼工程内に供給する燃焼物の未燃率を2〜20質量%に燃焼することが好ましく、より好ましくは未燃率を5〜17質量%、特に好ましくは未燃率を7〜12質量%にすることが望ましい。未燃率を2〜20質量%にすることで、第2燃焼工程での燃焼を短時間に効率よく行うことができるとともに、外熱炉における安定した加熱により、硬度が低く白色度が80%以上、少なくとも70%以上の高白色度の燃焼物を得ることができる。未燃率が2質量%未満では、第1燃焼炉14におけるエネルギーコストが高いものとなるとともに、燃焼物の硬度が比較的高くなっている場合があり、第2燃焼炉32出口における白色度の低下等の品質低下を来たす場合がある。
第1燃焼工程においては、前段工程の有機成分熱処理において、第1燃焼炉14内の過燃焼原因となる各種有機成分(有機物)を、例えば、紙由来の、220℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(アクリル系物質)、320℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(セルロース)を、予め除去しており、原料の発熱量が当該熱処理により20〜70%減少するように、より好適には発熱量が1000cal/g未満になるように熱処理していることから、第1燃焼炉14出口近傍の燃焼温度変動が10℃から40℃の変動幅となるように運転することができ、得られる再生粒子の品質の均一化に寄与することができる。当該変動幅が40℃を超えると、硬い・柔らかい等のばらつきや、見た目の白色度のばらつきが大きく、填料、顔料として使用し難いものとなる。他方、燃焼温度幅を10℃未満に抑えることは、設備規模に依存する面があるものの、操業上困難であり、現実的ではない。
(第2燃焼工程)
内熱キルン炉14において燃焼した燃焼物は、移送流路を通して、本体が横置きで中心軸周りに回転する外熱ジャケット31を有する第2燃焼炉にあたる外熱キルン炉32に装入される。
この第2燃焼炉32では、燃焼物を外熱で加温しながらキルン炉内壁に設けたリフターにより、燃焼物の燃焼炉内での搬送を制御し、緩慢に燃焼させることで、さらに均一に未燃分を燃焼する。
第2燃焼炉32における燃焼においては、残カーボン(600℃以上)や、第1燃焼炉14で燃焼しきれなかった残留有機物、例えば、スチレン‐アクリル(410℃)、スチレン(480℃)を燃焼させるため、第1燃焼炉14において供給される原料の粒子径よりも小さい粒子径に調整された燃焼物を用いることが好ましい。第1燃焼工程後の燃焼物の粒揃えは、平均粒子径が10mm以下となるように調整するのが好ましく、平均粒子径が1mm〜8mmとなるように調整するのがより好ましく、平均粒子径が1mm〜5mmとなるように調整するのが特に好ましい。第2燃焼炉32入口での平均粒子径が1mm未満では、過燃焼の危惧があり、他方、平均粒子径が10mmを超えると、残カーボンの燃焼が困難であり、芯部まで燃焼が進まず得られる再生粒子の白色度が低下する問題を引き起こす。
第2燃焼炉32での安定生産を確保するためには、平均粒子径が1mm〜8mmの燃焼物が70%以上に成るように粒子径を調整することが好ましい。この範囲であると、得られる再生粒子の品質を均一にするという観点における実用化可能性に有益である。さらに、分級をこの時点、すなわち乾燥後に行うと、小径な粒子の燃焼物を確実に除去することができ、また、処理効率も向上する。
外熱キルン炉32での外熱源としては、外熱キルン炉32内の温度コントロールが容易で長手方向の温度制御が容易な電気加熱方式の電気炉が好適であり、したがって、電気ヒーターによる外熱キルン炉32であることが望ましい。外熱に電気を使用することにより、温度の調整を細かくかつ内部の温度が均一となるようにコントロールすることができ、凝集体の形成、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する被処理物の燃焼度合いの制御や粒揃えを安定的に行うことができる。
さらに電気炉は、電気ヒーターを炉の流れ方向に複数設けることで、任意に温度勾配を設けることが可能であると共に、燃焼物の温度を一定時間、一定温度に保持することが可能であり、第1燃焼炉14を経た燃焼物中の残留有機分、特に残カーボンを第2燃焼炉32で限りなくゼロに近づけることができ、低いワイヤー摩耗度で、高白色度の再生粒子を得ることができる。
外熱キルン炉32においては、酸素濃度が5%〜20%、より好ましくは10%〜20%、特に好ましくは10%〜15%となるようにする。外熱キルン炉32内の酸素濃度が5%未満では、燃焼困難な残カーボンの燃焼が進まない問題を生じる。
酸素濃度は、第2燃焼炉32に、適宜の手段により酸素又は空気を投入するに際して、この投入量をコントロールによって調節することができる。
第2燃焼工程においては、前記有機成分熱処理工程を経ていることで、更には被処理物の発熱量が20〜70%減少するように熱処理されていることで、特に第1燃焼炉14内での過燃焼原因となる各種有機成分(有機物)、例えば、紙由来の、220℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(アクリル系物質)、320℃近傍で発熱量のピークをもつ有機分(セルロース)が除去されているため、第1燃焼工程においては300℃以上、500℃未満の低温焼成が可能になっていることで、残存有機物の燃焼に高温、長時間を必要とせず、好ましくは550℃〜780℃、より好ましくは600℃〜750℃の燃焼により、残カーボンの発生、硬質物質の生成を招くことなく、Ca2Al2SiO7及びCaAl2Si28の合計含有量を2.0質量%以下とすることができる。
第2燃焼炉32では先に述べたように第1燃焼炉14で燃焼しきれなかった残留有機物、特に残カーボンを燃焼させる必要があるため、第1燃焼炉14よりも高温で燃焼させることが好ましい。燃焼温度が550℃未満では、十分に残留有機物の燃焼を図ることが困難であり、燃焼温度が780℃を超える場合は、粒子が硬くなる問題が生じる。
また、滞留時間(燃焼時間)は60分以上、より好適には60分〜240分、特には90分〜150分、最適には120分〜150分が望ましい。特に残カーボンは、高温で、緩慢に燃焼させる必要があり、滞留時間が60分未満では、残カーボンの燃焼には短時間で不十分であり、240分を超えると、硬質物質が生成するおそれがある。さらに、燃焼物の安定生産を行うにおいて滞留時間を60分以上、過燃焼の防止、生産性の確保のため滞留時間を240分以下で燃焼させることが好適である。
外熱キルン炉32から排出される燃焼物の平均粒子径としては、10mm以下、より望ましくは平均粒子径1mm〜8mm、特に好ましくは平均粒子径1mm〜4mmに調整することが好適である。
燃焼が終了した再生粒子は好適には凝集体であり、冷却機34により冷却された後、振動篩機などの粒径選別機36により目的の粒子径のものが燃焼品サイロ38に一時貯留され、顔料や填料の用途先に仕向けられる。
なお、以上では、製紙スラッジ一般を被処理物の主原料として用いた場合を例示したが、比較的品質が安定している脱墨処理工程で発生する脱墨フロス等の出所が明確な製紙スラッジのみを被処理物とすることもできる。
(粉砕工程)
本形態の再生粒子の製造方法においては、必要に応じて、さらに公知の分散・粉砕工程を設けることができ、適宜必要な粒子径に微細粒化することで、塗工用の顔料、内添用の填料としてより好適に使用できる再生粒子とすることができる。一例では、燃焼後、得られた粒子は、ジェットミルや高速回転式ミル等の乾式粉砕機、あるいは、アトライター、サンドグラインダー、ボールミル等の湿式粉砕機を用いて粉砕する。
本形態の再生粒子の填料、顔料用途等への好適な粒子径は、平均粒子径0.1μm〜10μmである。粉砕工程後における再生粒子の粒子径は、粒径分布測定装置(レーザー方式のマイクロトラック粒径分析計:日機装製)により測定した体積平均粒子径である。
(第2燃焼炉のリフター)
先に採用理由と共に述べたように、第2次燃焼炉32内の内壁に、その一端側から他端側に向けて、螺旋状リフター及び/又は軸心と平行な平行リフターを配設することで、被処理物の均一な燃焼と、品質の均一化を図ることができる。
そして、特に、被処理物の装入側から排出側に向けて、螺旋状リフター、軸心と平行な平行リフターの順で配設するのが望ましい。この構成によると、装入側から投入された被処理物が、まず螺旋状リフターにて他端側に向けて適正量ずつ送り込まれながら持ち上げられて落下する間に、被処理物に起因する有機成分がガス化し発生する燃焼ガス(可燃焼ガス)と効率的に接触し、さらに引き続いて平行リフターにて持ち上げられて落下する動作を繰り返すことで燃焼ガス(可燃焼ガス)と効率的に接触するため、熱交換効率よく被処理物を燃焼させることができる。特に、螺旋状リフターにて平行リフターに送り込まれる被処理物の量がコントロールされることで、平行リフター部分における内容物の持ち上げ・落下が適正に行われ、被処理物の燃焼を均一かつ効率的に行うことができる。また、耐火物の損傷の恐れがないことから、焼成物の純度の低下がなく、その生産能力も向上できる。また、螺旋状リフターと平行リフターとを、例えば耐熱性を有するステンレス鋼板などの金属製とすると、比較的温度が低いので高価な耐熱材料を用いなくても十分に耐久性と強度を確保できるとともに、耐火物製のリフターなどに比して伝熱効率が高いので、一層熱効率を向上することができる。
本形態例を図2によって説明すると、被燃焼物は、図2では、第2燃焼炉32の一端側(右側)から装入され、回転駆動手段(図示せず)にて回転駆動可能に構成され、他端側から排出される。
第2燃焼炉32は、円筒状の外筐32Aの内面に耐火キャスタブルや耐火レンガから成る耐火壁32Bを内張りして構成されている。第2燃焼炉32の耐火壁32Bの内面には、装入側において、第2燃焼炉32の軸心に対して45°〜70°の傾斜角で傾斜した複数条(図示例では8条)の螺旋状リフター4が等間隔に突設され、さらにこの螺旋条リフター4の配設領域の他端側に、第2燃焼炉32の軸心と平行な適宜の長さの平行リフター5Aが周方向に等間隔置きに複数(図示例では8つ)かつ軸心方向に複数列(図示例では8列)千鳥状に配列して突設されている。
また、平行リフター5Aは、図示の左側の排出部(図示せず)に向かって連続的に形成されている。この場合、装入側では低温であるので、ステンレス鋼板などの耐熱性と耐腐食性のある金属板にて形成するのが望ましく、排出部側では高温となるので、排出部側の平行リフター5Aは耐火物製とすることができる。
本形態では、螺旋状リフター4はその長手方向に適当間隔おきに配設した取付ブラケット6に固定されて配設されている。また、各平行リフター5Aは、それぞれの取付ブラケット5Bに固定されて配設されている。なお、必要ならば、螺旋状リフターまたは平行リフターの一方のみを設けることでもよい。
(付帯工程)
本製造設備において、より品質の安定化を求めるためには、再生粒子の粒子径を、各工程で均一に揃えるための分級を行うことが好ましく、粗大や微小粒子を前工程にフィードバックすることでより品質の安定化を図ることができる。
また、有機成分熱処理工程の前段階において、脱水処理を行った被処理物を造粒することが好ましく、さらには、造粒物の粒子径を均一に揃えるための分級を行うことがより好ましく、粗大や微小の造粒粒子を前工程にフィードバックすることでより品質の安定化を図ることができる。造粒においては、公知の造粒設備を使用でき、回転式、撹拌式、押出し式等の設備が好適である。
(その他)
本製造方法の原料としては、再生粒子の原料と成り得るもの以外は予め除去しておくことが好ましく、例えば古紙パルプ製造工程の脱墨工程に至る前段階のパルパーやスクリーン、クリーナー等で砂、プラスチック異物、金属等を除去することが、除去効率の面で好ましい。特に鉄分の混入は、鉄分が酸化により微粒子の白色度低下の起因物質になるため、鉄分の混入を避け、選択的に取り除くことが推奨され、各工程を鉄以外の素材で設計またはライニングし、摩滅等により鉄分が系内に混入することを防止するとともに、乾燥・分級設備内等に磁石等の高磁性体を設置し選択的に鉄分を除去することが好ましい。
〔再生粒子〕
本形態の再生粒子の製造方法による再生粒子は、X線マイクロアナライザーによる微細粒子の元素分析において、カルシウム、シリカ及びアルミニウムの比率が酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合で含むことが好ましく、より好ましくは、40〜82:9〜30:9〜30の質量割合、さらに好ましくは、60〜82:9〜20:9〜20の割合である。カルシウム、シリカ及びアルミニウムを酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合で含ませることで、比重が軽く、過度の水溶液吸収が抑えられるため、脱水工程のおける脱水性が良好である。
この割合に調整するための方法としては、製紙スラッジにおける原料構成を調整することが本筋ではあるが、有機成分熱処理工程、第1燃焼工程、第2燃焼工程において、出所が明確な塗工フロスや調成工程フロスをスプレー等で工程内に含有させる手段や、焼却炉スクラバー石灰を含有させる手段にて調整することも可能である。例えば、製紙スラッジを主原料に、再生粒子中のカルシウムの調整には、中性抄紙系の排水スラッジや、塗工紙製造工程の排水スラッジを用い、シリカの調整には、不透明度向上剤としてホワイトカーボンが多量添加されている新聞用紙製造系の排水スラッジを、アルミニウムの調整には酸性抄紙系等の硫酸バンドの使用がある抄紙系の排水スラッジや、クレーの使用の多い上質紙抄造工程における排水スラッジを用いることができる。
また、本製造方法で得られる再生粒子は、本形態に基づいて製紙スラッジを、熱処理し、例えば第1燃焼工程、第2燃焼工程にて燃焼制御することで、より正確にカルシウム成分の酸化の進行を抑制し、Ca2Al2SiO7及びCaAl2Si28の合計含有量を2.0質量%以下とすることができる。
ところで、製紙スラッジ中には、製紙用に供される填料や顔料としての、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、抄紙助剤として硫酸アルミニウム等の無機物を多く含み、示差熱熱重量分析(TG/DTA6200)とX線回折(RAD2X)による、燃焼後の再生粒子の分析から、被処理物を燃焼させる際に、例えば、炭酸カルシウム(CaCO3)は、600〜750℃にて重量減少し、硬質かつ水溶性の酸化カルシウム(CaO)に変化し、クレー(Al2Si25(OH)4)は、500℃前後で脱水により重量減少し、メタカオリンとなり、1000℃前後の高温では硬質なムライト(Al2Si213)に変化することが知見された。また、タルク(Mg3Si410(OH)2)は、900℃前後で重量減少し、エンスタタイト(MgSiO3)に変化することが知見された、
さらにX線回折(RAD2X)による燃焼後の再生粒子の分析から、再生粒子中にCa2Al2SiO7(ゲーレナイト)、CaAl2Si28(アノーサイト)の存在が確認された。この点、製紙用に供される填料や顔料と比べ、Ca2Al2SiO7(ゲーレナイト)、CaAl2Si28(アノーサイト)は極めて硬質(硬質物質)であり、微量の生成で、製紙用具の摩耗・毀損や抄紙系内の汚れが生じ、塗工用顔料として使用した場合は、ドクター等の塗工設備の摩耗・毀損、ストリークの発生要因となる根源であることが知見された。
従来、Ca2Al2SiO7(ゲーレナイト)、CaAl2Si28(アノーサイト)は、900℃を超える高温において生成されるものと予想されていたが、本発明者等の検討において、Ca2Al2SiO7(ゲーレナイト)、CaAl2Si28(アノーサイト)の生成は燃焼温度が500℃前後から生じ、温度の上昇に応じて生成量が増大することが見出された。更に、製紙スラッジ中の酸化物換算におけるカルシウムの含有量が増えると、CaAl2Si28(アノーサイト)は減少し、Ca2Al2SiO7(ゲーレナイト)は増える傾向を示すことも知見した。
本形態の原料となる古紙は、近年の中性抄紙化、ビジュアル化の進展にともない、印刷見栄えの良い塗工紙使用量の増加にともない、填料・顔料としての炭酸カルシウムの使用量増により、製紙スラッジ中の炭酸カルシウムの含有量増につながり、結果としてCa2Al2SiO7(ゲーレナイト)、CaAl2Si28(アノーサイト)の生成量増に繋がるため、再生粒子に含有されるCa2Al2SiO7(ゲーレナイト)、CaAl2Si28(アノーサイト)、いわゆる硬質物質の含有量をできる限り減少させることが必要である。
硬質物質の生成を減少させるには、上述した形態に基づき、有機成分熱処理工程では、本体が横置きで中心軸周りに回転するキルン炉を用いて、前記製紙スラッジを主成分とする被処理物の発熱量が20〜70%減少するように熱処理し、この熱処理後の被処理物を、300℃以上、500℃未満の燃焼温度で燃焼する第1燃焼工程と、この第1燃焼工程後の被処理物を再燃焼する第2燃焼工程と、を含む、少なくとも2段階の燃焼工程を経ることで、Ca2Al2SiO7及びCaAl2Si28の合計含有量を2.0質量%以下とすることができ、各工程の温度、酸素濃度、時間等を適宜調節することで硬質物質の生成をより減少させることができる。
特にCaAl2Si28(アノーサイト)は、酸化カルシウムとカオリンの混合燃焼により生じやすく、製紙スラッジ中に含有される炭酸カルシウムの過燃焼により生じる酸化カルシウムと同様に製紙スラッジ中に含有されるカオリンとの反応生成により容易にアノーサイト物質を生じるため、前述本形態の好適な燃焼手段により、再生粒子凝集体の、25℃から800℃における示差熱熱重量分析において、重量減量割合が5%(TG)以上となるように燃焼させることとし、酸化カルシウムの生成をできる限り抑えるのが好ましい。特に酸化カルシウムよりも水酸化カルシウムの方が、CaAl2Si28(アノーサイト)を生じさせやすいため、原料の脱水度合い(水分率)、燃焼炉中の酸素濃度を適切に調整するとよい。
また、製紙スラッジ中に含有されるシリカ分の存在が、Ca2Al2SiO7(ゲーレナイト)、CaAl2Si28(アノーサイト)の生成を助長することを本発明者等は知見した。したがって、極力シリカ分含有量を低減させること、例えば新聞古紙や新聞抄紙系の白水使用を抑えることで、比較的低融点のCa2Al2SiO7(ゲーレナイト)、CaAl2Si28(アノーサイト)の生成を抑えることができ、好適には、再生粒子凝集体を形成後にシリカ被覆を行うことが、効果的である。
本形態における好適な再生粒子凝集体の形成においては、凝集体の形成に低融点鉱物たるCa2Al2SiO7(ゲーレナイト)、CaAl2Si28(アノーサイト)が、明瞭ではないものの膠的な効果を有しているとも考えられる。
Ca2Al2SiO7及びCaAl2Si28の含有量は、X線回析分析(XRD)にて測定可能であり、硬質物質としてのCa2Al2SiO7(ゲーレナイト)及びCaAl2Si28(アノーサイト)の合計含有量が2.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下の再生粒子凝集体が好適である。Ca2Al2SiO7(ゲーレナイト)及びCaAl2Si28(アノーサイト)の合計含有量が2.0質量%を超えると、再生粒子凝集体の製造工程においては、設備の摩耗や粉砕効率・生産性を落とす原因になり、製紙用填料や塗工用の顔料として使用した場合、製紙用具の摩耗・毀損や、抄紙系内の汚れが生じ、塗工用顔料として使用した場合は、ドクター等の塗工設備の摩耗・毀損、ストリークの発生要因となる。
なお、Ca2Al2SiO7(ゲーレナイト)及びCaAl2Si28(アノーサイト)の合計含有量は、下記の方法によって測定した値である。
(測定方法)
X線回析法(理学電気製、RAD2X)によって測定する。測定条件は、Cu‐Kα‐湾曲モノクロメーター:40KV‐40mA、発散スリット:1mm、SS:1mm、RS:0.3mm、走査速度:0.8度/分、走査範囲:2シータ=7〜85度、サンプリング:0.02度とする。
次に、本発明の再生粒子の製造方法を、以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
被処理物(原料)として、製紙スラッジ一般又は脱墨フロスを用い、表1及び表2に示す条件にて脱水工程、有機成分熱処理工程、並びに、第1燃焼工程及び第2燃焼工程を順次経て、湿式粉砕処理を施し、再生粒子を得た。有機成分熱処理工程において用いた内熱キルンは、本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉であり、この内熱キルン炉一端の原料供給口から、製紙スラッジ又は脱墨フロス(原料)を供給するとともに熱風を吹き込む並流方式を採用した。また、第1燃焼工程において用いた内熱又は外熱キルンは、本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱又は外熱キルン炉である。さらに、第2燃焼工程において用いた内熱又は外熱キルン炉は、本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱又は外熱キルン炉であり、この外熱キルン炉としては、特に内部に平行リフターを有する外熱電気方式のキルン炉を採用した。湿式粉砕処理は、セラミックボールミルを用いて行った。
Figure 0005317875
Figure 0005317875
以上のようにして得られた再生粒子について、その品質を調べ、結果を表3に示した。
Figure 0005317875
表1〜3における各種測定条件、評価方法等は、次に示すとおりである。
(未燃率)
電気マッフル炉を予め600℃に昇温後、ルツボに試料(被処理物)を入れ約3時間で完全燃焼させ、燃焼前後の重量変化から未燃率を算出した。
(摩耗度(ワイヤー摩耗度))
得られた再生粒子を、湿式粉砕機にて体積平均粒子径が5μm±1の範囲に成る様に粉砕し、プラスチックワイヤー摩耗度計(日本フィルコン製 3時間)を用い、スラリー濃度2重量%で測定した。
(硬質物質)
得られた再生粒子に含まれるCa2Al2SiO7及びCaAl2Si28の合計質量を、X線回析法(理学電気製 RAD2X)によって、測定した。測定条件は、Cu‐Kα‐湾曲モノクロメーター:40KV‐40mA、発散スリット:1mm、SS:1mm、RS:0.3mm、走査速度:0.8度/分、走査範囲:2シータ=7〜85度、サンプリング:0.02度とした。
(安定性)
得られた再生粒子の白色度、粒子径の各項目について、変動程度を測定し、変動が少ない順にランク付けを行い、上位5位までを◎、6位から18位までを〇、19位から29位を△、それ以下を×とした。
(見た目)
目視で再生粒子の色を比較判断し、白色、薄灰色、灰色、暗灰色、黒色に区分した。
本発明は、製紙スラッジを主原料として再生粒子を得る再生粒子の製造方法として、適用可能である。
10…原料、12…貯槽、14…第1燃焼炉(内熱キルン炉)、20…熱風発生炉、22…再燃焼室、26…熱交換器、28…誘引ファン、30…煙突、31…外熱ジャケット、32…第2燃焼炉(外熱キルン炉)、34…冷却機、36…粒径選別機、42…熱処理炉(内熱キルン炉)、43…熱風発生炉。

Claims (3)

  1. 製紙スラッジを主原料とする被処理物を、脱水、熱処理及び粉砕して、再生粒子を製造する方法であって、
    前記熱処理の工程は、前記被処理物中の有機成分を熱処理する有機成分熱処理工程と、この有機成分熱処理工程後の被処理物を燃焼する燃焼工程と、を有し、
    前記有機成分熱処理工程は、前記脱水後の被処理物を、酸素濃度20%以下の雰囲気下において200℃以上、300℃未満の熱処理温度で熱処理する工程であり、
    前記燃焼工程は、前記有機成分熱処理後の被処理物を、300℃以上、500℃未満の燃焼温度で燃焼する第1燃焼工程と、この第1燃焼工程後の被処理物を再燃焼する第2燃焼工程と、を含む、少なくとも2段階の燃焼工程を有する、
    ことを特徴とする再生粒子の製造方法。
  2. 前記有機成分熱処理工程では、本体が横置きで中心軸周りに回転するキルン炉を用いて、前記被処理物の発熱量が20〜70%減少するように熱処理し、
    前記第1燃焼工程では、本体が横置きで中心軸周りに回転するキルン炉を用いて、前記被処理物を燃焼する、
    請求項1記載の再生粒子の製造方法。
  3. 前記第2燃焼工程は、前記第1燃焼工程後の被処理物を、550℃以上、780℃以下の燃焼温度で燃焼する工程である、
    請求項1又は請求項2記載の再生粒子の製造方法。
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