JP5608380B2 - 再生粒子の製造方法及び再生粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、再生粒子の製造方法及び再生粒子に関するものである。より詳しくは、製紙スラッジを主原料とする被処理物を、脱水及び熱処理して再生粒子を製造する方法及びこの方法によって製造された再生粒子に関するものである。
紙パルプ工場の各種工程から排出される製紙スラッジは、回収後、流動床炉やストーカー炉等の燃焼炉で含有有機物を燃焼して減容化を図るとともに、熱エネルギーを回収している。しかしながら、製紙スラッジは、無機充填剤や無機顔料等の無機物を多量に含有しているため、燃焼しても多量の燃焼灰(無機物)が残り、減容化にも限度がある。
そこで、この燃焼灰をセメント原料の助剤として活用することや、土壌改良材として活用すること等の努力もなされている。しかしながら、これらセメント原料の助剤や、土壌改良材としての燃焼灰の使用量はわずかなものであり、結局、大部分の燃焼灰は埋立て処分されているのが実情である。
そこで、燃焼によって熱エネルギーを回収するだけでなく、無機物を製紙用の填料や顔料、プラスチック用の充填剤等として再利用することが、製紙業界においては、古紙利用率の向上とともに環境問題に関わる重要な改善課題となっている。しかしながら、製紙スラッジの燃焼灰は、燃焼されずに残った有機物がカーボンとして含まれるため白色度が低く、また、無機物の焼結が進み粒子径が不揃いで大きくなっているため、そのままの状態では製紙用の填料や顔料、プラスチック用の充填剤等として使用するのに適さない。
そこで、製紙スラッジの燃焼灰を好適な製紙用材料に転化することを目的として、様々な方法が提案されている。
例えば、製紙スラッジの燃焼処理前に炭化処理を行なう方法として、製紙スラッジを350℃〜700℃程度で炭化した後、650℃〜800℃で燃焼処理する方法(特許文献1参照)、製紙スラッジを低酸素条件下(好ましくは無酸素条件下)600℃未満の温度で炭化処理した後、600℃〜800℃で燃焼処理する方法(特許文献2参照)、製紙スラッジを400℃〜700℃で有機物を炭化し、炭化物を粉砕した後、650℃〜700℃で有機物を燃焼する方法(特許文献3参照)、製紙スラッジを貧酸素状況下1000℃以下で炭化処理した後、450℃〜1000℃で燃焼処理する方法(特許文献4参照)、製紙スラッジを貧酸素雰囲気下400℃〜700℃で炭化した後、650℃以上で2段階の燃焼処理を行う方法(特許文献5参照)、製紙スラッジを1基のキルン内で200℃から徐々に昇温して乾燥させ、600℃で炭化させた後に更に昇温して850℃で燃焼処理する方法(特許文献6参照)などが提案されている。
また、製紙スラッジを炭化処理せず特定条件で燃焼処理を行なう方法として、製紙スラッジを2段階で燃焼処理を行い、その第1段階の燃焼温度を750℃以下、第2段階の燃焼温度を800℃未満とすることにより、製紙用原材料に由来して製紙スラッジ中に含まれる炭酸カルシウムの熱分解を50%未満に抑える方法(特許文献7参照)、製紙スラッジ中の脱墨スラッジ分を1次燃焼工程ではサイクロン炉を用いて700℃以下、燃焼時間10秒以内で燃焼処理し、次いで2次燃焼工程では700℃以下で燃焼処理する方法(特許文献8参照)、製紙スラッジを800℃で燃焼した燃焼灰を、500℃〜1100℃で再度燃焼する方法(特許文献9参照)などが提案されている。
さらに、以上の方法は、全て製紙スラッジを乾式酸化(いわゆる燃焼)するものであるが、乾式酸化と湿式酸化とを組み合せて製紙スラッジを処理する方法として、製紙スラッジを200℃〜800℃で湿式酸化処理した後に、800〜1100℃で乾式酸化処理したり、逆に、乾式酸化処理後に湿式酸化処理したりする方法(特許文献10参照)も提案されている。
このほか、過剰空気雰囲気下、燃焼温度650℃以下で製紙スラッジ中の易燃焼性有機物を燃焼除去する一次燃焼工程と、過剰空気雰囲気下、燃焼温度700℃〜850℃で製紙スラッジ中の難燃焼性有機物を燃焼除去する二次燃焼工程との2段階の燃焼工程を経ることで、製紙スラッジを効率的に処理し、白色度が高く高品位の燃焼灰を得る方法(特許文献11参照)も提案されている。
しかしながら、これらの特許文献に記載の方法は、次のような問題を有している。
すなわち、これらの特許文献においては、原料とする製紙スラッジが、抄紙工程でワイヤーを通過して流出したもの、パルプ化工程での洗浄過程で発生した固形分を含む排水から回収したもの、排水処理工程において、沈殿あるいは浮上などを利用した固形分分離装置によりその固形分を分離、回収したもの、古紙処理工程で除去されたもの等の各種スラッジが混在したものである点である。これらの製紙スラッジのうち、例えば、抄紙工程でワイヤーを通過して流出したものは、紙力剤等が混入しており、また、抄紙工程における抄造物の変動によって品質に変動が生じる。また、排水処理工程から回収した製紙スラッジには凝集剤が混入するほか、工場全体の抄造物、生産量の変動、あるいは生産設備の工程内洗浄などにより大きな変動が生じる。パルプ化工程での洗浄過程から生じる製紙スラッジにおいては、チップ水分やパルプ製造条件で変動が生じるほか、さまざまな填料、顔料とすることができない物質が混入し、品質変動が生じる。したがって、全ての製紙スラッジを無選別に用いようとすると、製紙用填料や塗工用顔料としての品質が大きく低下し、しかも品質の変動が極めて大きく、不安定なものとなる。結果、従来の方法で得られる再生粒子は、製紙用の填料や顔料、プラスチック用の充填剤等として使用するには品質が適さず、品質安定性に欠けるものであった。
そこで、本発明者らは、特許文献12において、古紙パルプを製造する古紙処理設備の脱墨工程においてパルプ繊維から分離された脱墨フロスを主原料として、この主原料を脱水、乾燥、燃焼及び粉砕工程を経て、再生粒子を得る再生粒子の製造方法であって、前記乾燥と燃焼工程が、前記脱水後の原料の乾燥と燃焼を一連で行う先の熱処理工程とこの熱処理工程にて熱処理された脱墨フロスを再度熱処理する後の熱処理工程とを有し、その後に粉砕し、再生粒子を得る再生粒子の製造方法を提案した。また、その具体的な内容として、先の熱処理炉(内熱キルン炉)内の酸素濃度が0.2%〜20%となるように、500℃〜650℃の熱風を吹き込み、後の熱処理炉では、内熱キルン炉からの燃焼物を、550℃〜750℃の温度で燃焼する形態を開示した。
しかしながら、その後、本発明者等は、この脱墨フロスを主原料として用いた再生粒子の製造方法で得た知見をもとに検討を重ねた結果、脱墨フロスと比べて、様々な工程から排出されたスラッジが混在する製紙スラッジは、再生粒子の原料となる微細な無機微粒子を含有するほか、古紙パルプとして利用が困難な微細繊維や塗工紙に多用される有機高分子であるラテックス、印刷により付与されたインキ成分を多く含むため、燃焼処理においては製紙スラッジそのものが自ら燃焼(酸化)してしまうことを知見した。したがって、製紙スラッジ一般を原料として、特許文献12で提案した方法を採用すると、熱風による加熱処理以上の発熱が生じ、原料の過剰燃焼を引き起こす問題が生じ得る。
そして、過剰な燃焼は、次記の問題を招く。
(1)高温燃焼により原料が黄変化し白色度の低下を招く。(2)原料の溶融によりゲーレナイト等の硬質物質(例えば、特許文献13参照。)を生じやすくなり、抄紙設備でのワイヤー摩耗度が上昇する。(3)原料の溶融による凝集体を形成するため、後の微粉砕工程において粉砕エネルギーの増加、処理効率が低下する。(4)原料の表面が高温に晒されて溶融されるため、原料内部まで燃焼反応(酸化反応)が進まず、有機物(カーボン)が残留する。結果として白色度の低下を招く。
特許第4153411号公報 特許第3563707号公報 特開2001‐262002号公報 特開2002‐308619号公報 特許第4105564号公報 特開2004‐176209号公報 特開平10‐029818号公報 特許第3831719号公報 特開平11‐310732号公報 特開2001‐026727号公報 特開2008‐207173号公報 特開2008‐127704号公報 特開2008‐190049号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、特に製紙用填料又は塗工用顔料として必要な特性を備えた再生粒子を、安定して得ることができる再生粒子の製造方法及び再生粒子を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
製紙スラッジを主原料とする被処理物を、脱水及び熱処理して再生粒子を製造する方法であって、
前記熱処理を、前記脱水後の被処理物を乾燥する乾燥工程と、この乾燥工程で乾燥された被処理物を熱処理する第1の熱処理工程と、この第1の熱処理工程で熱処理された被処理物を前記第1の熱処理温度を超える温度で熱処理する第2の熱処理工程と、この第2の熱処理工程で熱処理された被処理物を前記第2の熱処理温度を超える温度で熱処理する第3の熱処理工程と、を含む少なくとも4工程に分けて行う、
ことを特徴とする再生粒子の製造方法。
〔請求項2記載の発明〕
前記被処理物の水分率が30〜60%となるように前記脱水を行い、
この脱水後の被処理物を、粒子径50mm以上の割合が30〜70%の状態で前記乾燥工程に供給し、
前記乾燥工程において粒子径50mm以上の被処理物が存在しなくなるように、かつ前記被処理物の平均粒子径が1〜7mmとなるように、前記乾燥工程において制御する、
請求項1記載の再生粒子の製造方法。
〔請求項3記載の発明〕
前記第1の熱処理を被処理物の温度が240〜350℃となるように行い、
前記第2の熱処理を被処理物の温度が360〜400℃となるように行い、
前記第3の熱処理を被処理物の温度が550〜780℃となるように行う、
請求項1又は請求項2記載の再生粒子の製造方法。
本発明によれば、特に製紙用填料又は塗工用顔料として必要な特性を備えた再生粒子を、安定して得ることができる再生粒子の製造方法及び再生粒子となる。
再生粒子の製造設備フロー図である。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。
〔本発明の位置付け等〕
例えば、製紙用スラッジを燃焼する場合、当該製紙用スラッジに含有される有機物は、出所の違いや製紙工場内での抄造品種、定期修理や生産変動などにより多様に変化し、その品質変動が製紙スラッジの熱量変動を招き、燃焼温度の変動、燃焼時間の変動を来たし、最終的に得られる燃焼物(再生粒子)の品質、特に性状が一定でなく、燃焼物の白色度が不均一となる。
そこで、本発明者らは、製紙スラッジの熱量変動を所定の範囲に調整し、燃焼温度の変動、燃焼時間の変動を生じさせないで、品質の安定した再生粒子を得る手段について検討を重ね、製紙スラッジを主原料とする被処理物を、脱水及び熱処理、適宜粉砕して再生粒子を製造するにあたり、「前記熱処理を、前記脱水後の被処理物を乾燥する乾燥工程と、この乾燥工程で乾燥された被処理物を熱処理する第1の熱処理工程と、この第1の熱処理工程で熱処理された被処理物を前記第1の熱処理温度を超える温度で熱処理する第2の熱処理工程と、この第2の熱処理工程で熱処理された被処理物を前記第2の熱処理温度を超える温度で熱処理する第3の熱処理工程と、を含む少なくとも4工程に分けて行う」ことで、品質が均一化した再生粒子を安定的に製造できることを見出し、本発明を完成させたものである。
乾燥工程での乾燥方法に特に制限はないが、脱水後の被処理物を熱気流に同伴させて乾燥する方式(以下、単に「気流乾燥方式」ともいう。)、撹拌乾燥法、流動層乾燥法等のように、材料を動かしながら熱風や伝熱面と良く接触する乾燥方法が好ましく用いられる。特に、気流乾燥方式とすると、乾燥に伴って被処理物が解れるため、後段で行う熱処理が均一かつ確実に行われ、品質が均一化した再生粒子を安定的に製造できるようになり、好ましい。
この点、乾燥に先立って後段の熱処理に好適な状態となるまで被処理物を均一に解すのは、現実的には困難である。また、乾燥に先立って被処理物を解すのであれば、脱水率を高めておく必要があるが、脱水率を高めると被処理物が高圧縮化され、被処理物の乾燥効率が部分的に低下するおそれがあり、乾燥処理の不均一化、ひいては製品の不均一化をまねくおそれがある。他方、乾燥後に被処理物を解すのでは、不均一な状態にある被処理物を乾燥することになるため、乾燥が均一に行われなくなり、熱処理も均一に行われなくなる。結果、品質が均一化した再生粒子を安定的に製造できなくなる。
一方、本発明において、後段の熱処理を複数の工程に分ける利点は、以下のとおりである。
製紙スラッジは、各種有機物(有機成分)を含有し、この有機物のなかには、紙由来の220℃近傍で発熱量のピークをもつアクリル系有機物、320℃近傍で発熱量のピークをもつセルロース、420℃近傍で発熱量のピークをもつスチレン系有機分が含まれ、古紙等の出発原料の種類や量により変動幅が大きいものの、例えば、1000〜2000cal/gの発熱量を有する。従来の再生粒子の製造方法においては、これらの有機分を、燃焼工程(酸化工程)において、他の有機分と一緒に燃焼(酸化)させて除去する方策が取られていた。しかしながら、本発明者等は、以上の各有機物が上記温度の近傍で発熱量のピークをもつ発熱量が高い物質であること、200〜300℃で熱分解される有機分を燃焼させる際に発火・過燃焼が生じ、燃焼制御が困難となり、白色度の低下のみならず、ゲーレナイトやアノーサイトからなる硬質物質の生成をまねくことを見出し、まず、第1の熱処理工程において、所定の高発熱量成分(アクリル系有機物及びセルロース)を被処理物中から、熱処理除去することで、過燃焼を抑え、硬質物質の生成を抑制できることを見出した。
また、第1の熱処理工程と第2に熱処理工程とを別々に設ける利点は、従来の再生粒子の製造方法においては、被処理物中の微細繊維や有機高分子であるラテックス、印刷により付与されたインキ成分等を効率よく燃焼させるために、水分率を40%未満に脱水及び乾燥させ、高温で熱処理する方法を採用していた。しかしながら、本発明の製造方法においては、上記したように第1の熱処理工程において被処理物中の200〜300℃で熱分解・揮発蒸散する有機物をガス化してしまうため、第2の熱処理工程においては、安定的に熱処理を進行させることができ、被処理物の過燃焼や微粉化が抑制される。また、第1の熱処理工程と第2の熱処理工程とを分け、第1の熱処理工程において被処理物に含まれるアクリル系有機物及びセルロースを熱分解ガス化し、第2の熱処理工程において被処理物に含まれるスチレン系有機物を熱分解ガス化することで、得られる再生粒子の品質安定化、白色度向上に対する寄与が大きく、均一かつ安定的に再生粒子を得ることができる。このようにして、第3の熱処理工程においては、被処理物中の残カーボン等を含む有機物を、効率良く熱処理除去することができ、また、過燃焼によって生じる硬質物質の生成を抑えることができる。さらに、セルロースの熱分解ガスの発火温度はスチレンの熱分解温度を下回るため、第1の熱処理工程においてセルロースを熱分解除去してしまい、スチレンは第2の熱処理工程において熱分解するのが好適であり、ここにも第1の熱処理工程と第2に熱処理工程とを別々に設ける利点が存在する。
ところで、本発明においては、乾燥工程を除く各熱処理工程において、キルン炉を用いるのが好適である。この理由は、次のとおりである。
従来から慣用的に用いられてきた熱処理炉は、ストーカー炉(固定床)、流動床炉、サイクロン炉、キルン炉の4種に大別でき、本発明者等は、それぞれの熱処理炉で再生粒子の製造の検討を重ねたところ、次記の事項が明らかとなった。
ストーカー炉(固定床)は、脱墨フロス等の製紙スラッジの燃焼度合い調整が困難であり、再生粒子が不均一となるうえに、灰分の多い脱墨フロスの熱処理では、火格子間のクリアランスから落塵を生じる。火格子を通し被処理物の下から空気を吹き上げ、燃焼させるため、炭酸カルシウムなどが飛灰となり排ガスとともに排ガス設備へ送られ、歩留りの低下が問題となる。ストーカ(階段状)を、所定幅で被処理物を通過させながら熱処理するため、撹拌が不十分で幅方向で熱処理にバラツキが発生する。
流動床炉は、炉内において珪砂等の粒子状の流動媒体を使用するため、珪砂等が被処理物中に混入し、品質の低下をまねく問題や、均一な撹拌ができないとの問題を有する。硅砂等を流動層に混合して熱処理させた後、硅砂等と被処理物とを分離し、硅砂等は炉内へ戻し被処理物のみを取り出すが、被処理物も硅砂等と同程度の粒径であるため分離が困難である。被処理物を硅砂等と浮遊した状態で熱処理させるため、熱処理の度合い調整が困難であり、品質のばらつきが発生する。硬度の高い珪砂等との摩擦、衝突により被処理物が微粉化され飛灰となって系外へ排出され歩留りが低下する。
サイクロン炉は、被処理物が炉内を一瞬で通過するため、被処理物中の有機物を十分に熱処理することができず、白色度の低下に繋がる。また、風送によるため、細かい粒子がサイクロンで分離されず、排ガスと一緒に排ガス処理工程に回るため歩留りが低下する。
以上の諸問題について鋭意検討を重ねた結果、本発明の乾燥工程を除く熱処理工程においては、内熱又は外熱キルン炉が好適な熱処理手段として選択された。
〔本発明の形態例〕
次に、本発明の実施の形態を、再生粒子の製造設備フローの一部構成例を示した図1を主に参照しながら説明する。なお、本製造設備には、各種センサーが備わっており、被処理物10や設備状態の確認、処理速度の制御等を行うことができる。
(被処理物)
本形態の被処理物10は、製紙スラッジを主成分(50質量%以上)とする。当該製紙スラッジは、例えば、パルプ等の繊維成分、澱粉や合成樹脂接着剤等の有機物、添料や塗工用顔料等の無機物などが利用されずに廃水中へ移行したもの、パルプ化工程等で発生するリグニンや微細繊維、古紙由来の填料や印刷インキ、生物廃水処理工程から生じる余剰汚泥などからなる。また、例えば、古紙パルプ製造工程において印刷インキ等を除去する脱墨工程や製紙用原料を回収して洗浄する洗浄工程に由来する固形成分等を含有していてもよい。
ただし、古紙パルプ製造工程においては、安定した品質の古紙パルプを連続的に生産するために、選定、選別を行った一定品質の古紙を使用する。そのため、古紙パルプ製造工程に持ち込まれる無機物の種類や比率、量等は、基本的に一定になる。しかも、本形態の再生粒子の製造方法において未燃率の変動要因となるビニールやフィルム等のプラスチック類が、古紙中に含まれていても、これらは脱墨フロスが生成される脱墨工程に至る前段階の例えば、パルパーやスクリーン、クリーナー等で除去される。したがって、工場排水工程や製紙原料調成工程等の他の工程で発生する製紙スラッジと比べて、脱墨フロスは、極めて安定した品質の再生粒子を製造するための被処理物10の好適な原料となる。
また、被処理物10中に鉄分が含まれていると、当該鉄分の酸化により得られる再生粒子の白色度が低下するおそれがあるため、当該鉄分はあらかじめ選択的に取り除くのが好ましい。さらに、各工程に用いる装置は、鉄以外の素材で設計、ライニングし、摩滅等によって鉄分が系内に混入するのを防止するとともに、各装置内等に磁石等の高磁性体を設置しておき、選択的に鉄分を除去するのが好ましい。
(脱水工程)
被処理物10は、例えば、公知の脱水装置を用いて、脱水する。本形態においては、被処理物10を、例えば、スクリーンによって水分率65〜90%まで脱水し、次いで、スクリュープレスによって水分率30〜60%まで、好ましくは30〜50%まで、より好ましくは35〜45%まで脱水する。
ここで水分率は、定温乾燥機を用い、乾燥機内に試料(被処理物)を静置し、約105℃で6時間以上保持することで重量変動を認めなくなった時点を乾燥後重量とし、下記式にて乾燥前後の重量測定結果より算出した値である。
水分率(%)=(乾燥前重量−乾燥後重量)÷乾燥前重量×100
脱水後の被処理物10の水分率が60%を超えると、乾燥装置60における乾燥のためのエネルギーロスが大きくなる。しかも、乾燥装置60における乾燥温度の変動が大きくなるため、乾燥ムラが生じるおそれがある。さらに、乾燥が十分に進む前に被処理物10が乾燥装置60から排出されてしまうため、被処理物10が十分に解れないおそれや、第1の熱処理炉42におけるエネルギーロスの原因、熱処理変動の原因などとなるおそれがある。
他方、脱水後の被処理物10の水分率が30%未満となるまで脱水をすると、被処理物10が高圧縮により、いわば固まった状態となるため、乾燥装置60において被処理物10が解れないおそれがある。
また、本形態のように被処理物10の脱水を多段で行い、急激な脱水を避けると、無機物の流出を抑制することができ、しかも、被処理物10のフロックが硬くなり過ぎるのを抑制することができる。
本脱水工程においては、被処理物10を凝集させる凝集剤等の助剤を添加し、脱水効率の向上を図ることもできる。ただし、助剤としては、鉄分を含まないものを使用するのが好ましい。鉄分を含むと、当該鉄分の酸化により、得られる再生粒子の白色度が低下するおそれがある。
本脱水工程の装置は、他の工程の装置に隣接して設けると生産効率の面で好ましいが、古紙パルプ製造工程の装置等に隣接して設け、脱水した被処理物10をトラックやベルトコンベア等の搬送手段によって搬送し、貯槽12や乾燥装置60に供給することもできる。
(解し工程)
脱水後の被処理物10は、貯槽12から切り出し、乾燥工程に送り、乾燥することができる。ただし、この乾燥をするに先立って、例えば、撹拌機や機械式ロール等によって、粒子径50mm以上の割合が、30〜70質量%となるように、好ましくは40〜70質量%となるように、より好ましくは50〜70質量%となるように解して(ほぐして)おくと好適である。
ここで「粒子径50mm以上の割合」は、被処理物全体の重量を100とした場合に、目穴50mmの篩を通過しなかった試料の重量割合である。この測定に際しては、JIS Z 8801‐2:2000に基づき、金属製の板ふるいを用いる。
乾燥する際の被処理物10には、大きな粒子径の被処理物が存在しない方が好ましく、具体的には粒子径50mm以上の割合が70質量%以下であるのが好ましい。もっとも、本形態においては、乾燥工程においてロータリーキルン等を用いず、気流乾燥装置60を用いるため、被処理物10を過度に解す必要はなく、粒子径50mm以上の割合が30質量%未満となるまで解さなくとも、十分に均質な製品を得ることができる。
なお、被処理物10が、脱水後において既に「粒子径50mm以上の割合が70質量%以下」となっている場合は、解し工程を省略することもできる。この場合は、脱水後の被処理物10を、そのままの状態で「粒子径50mm以上の割合が70%以下」の被処理物10として、乾燥工程に送ることができる。
(乾燥工程)
脱水後の被処理物10は、適宜解す等した後、乾燥工程に備わる乾燥装置60に供給する。乾燥方法に特に制限はないが、撹拌乾燥法、流動層乾燥法、気流乾燥法等のように、材料を動かしながら熱風や伝熱面と良く接触する乾燥方法が好ましく用いられ、特に気流乾燥法が好ましく用いられる。本形態においては、この乾燥装置60として、被処理物10を熱気流に同伴させて乾燥する「気流乾燥装置」を用いて詳説する。気流乾燥装置を用いると、被処理物10が、乾燥されるのと同時に、圧縮力が加えられることなく大きな分散力(被処理物10を分散させる力)のもとで均一に解されるため、後段で行う熱処理(特に第1の熱処理)が均一かつ確実に行われるようになり、品質が均一化した再生粒子を安定的に製造することができるようになる。
乾燥装置(気流乾燥装置)60としては、被処理物10を熱気流に同伴させて乾燥することができる適宜の装置を用いることができ、例えば、新日本海重工業社製の商品名:クダケラ等の公知の装置のほか、これらを改良した気流乾燥装置等も用いることができる。
本形態の乾燥装置60は、貯槽12から脱水後の被処理物10が供給されるととともに、バーナー47Aが備わる熱風発生炉47から熱風が吹き込まれ、この吹き込まれた熱風によって生じる熱気流に供給された被処理物10が同伴するように構成されている。したがって、例えば、熱風の温度や流量、流速等を調節して熱気流を制御することにより、被処理物10の乾燥状態や解れ状態を調節することができる。
この熱気流の制御は、乾燥工程において粒子径50mm以上の被処理物10が存在しなくなるように、かつ被処理物10の平均粒子径が1〜7mmとなるように、好ましくは1〜5mmとなるように、より好ましくは1〜3mmとなるように行うと好適である。
ここで、被処理物10の「平均粒子径」は、目穴の異なる篩で篩い分けを行い、各篩い分けを行った被処理物の質量を測定し、この測定値の合計値が全体の50質量%に相当する段階における篩の目穴の大きさであり、JIS Z 8801‐2:2000に基づき、金属製の板ふるいを用いて測定した値である。なお、被処理物10の「粒子径50mm以上の割合」は、前述したとおりである。
被処理物10の平均粒子径が1mm未満であると、第1の熱処理において過剰な熱処理が生じ易くなる。他方、被処理物10の平均粒子径が7mmを超え、あるいは粒子径50mm以上の被処理物10が存在すると、被処理物10を表面部から芯部まで均一に熱処理するのが困難になる。
本形態において、熱気流の温度は、特に限定されるものではないが、熱風発生炉47からの熱風の温度を200〜600℃とし、かつ乾燥装置60からの排ガスの温度が500℃以下となるように制御するのが好ましく、熱風発生炉47からの熱風の温度を300〜500℃とし、かつ乾燥装置60からの排ガスの温度が400℃以下となるように制御するのがより好ましく、熱風発生炉47からの熱風の温度を300〜400℃とし、かつ乾燥装置60からの排ガスの温度が300℃以下となるように制御するのが特に好ましい。
この形態によると、わずか1〜3秒で被処理物10の水分率が、好ましくは0〜5%になるまで、より好ましくは0〜3%になるまで、特に好ましくは0〜1%になるまで乾燥することができる。しかも、この乾燥は、熱気流によって被処理物10が解されながら行われるため、被処理物10全体にわたって均一な水分率である。加えて、被処理物10は、水分が蒸発した次の瞬間には乾燥装置60から排出されているため、意図しない有機物の熱分解・燃焼等の熱処理が生じるおそれもない。
(第1の熱処理工程)
乾燥後の被処理物10は、第1の熱処理工程に送られ、乾燥や熱分解等の熱処理をされる。
第1の熱処理工程においては、被処理物10が装入機41によって第1の熱処理炉42に装入される。この第1の熱処理炉42としては、公知の熱処理炉を使用することができ、例えば、流動床炉、ストーカー炉、サイクロン炉、半乾留・負圧燃焼式炉等を用いることができる。
しかしながら、本形態の第1の熱処理炉42は、炉本体が横置きで中心軸周りに回転する外熱キルン炉である。この第1の熱処理炉42としては、外熱キルン炉に変えて内熱キルン炉や、内熱及び外熱の併用キルン炉を用いることも可能であるが、本形態のように外熱キルン炉を用いるのが好ましい。第1の熱処理工程において、脱水後の被処理物10を直ちに熱処理する場合は、被処理物10の乾燥(水分の蒸発)という観点から、熱効率のよい内熱キルン炉にも大きな利点がある。しかしながら、本形態においては、第1の熱処理に先立って被処理物10を乾燥するため、熱処理温度を確実に制御することができる外熱キルン炉の方が好適である。
また、第1の熱処理工程において、脱水後の被処理物10を直ちに熱処理する場合は、第1の熱処理工程において、被処理物10の乾燥と有機物の熱分解という異質な熱処理を連続的に行うことになるため、温度制御が複雑になる。しかしながら、本形態のように、第1の熱処理に先立って被処理物10が乾燥されていると、第1の熱処理工程においては、有機物の熱分解のみを行えば足りるため、複雑な温度制御が必要とならない。
本形態において、第1の熱処理炉42は、例えば、搬送方向に向かって非常に緩やかな下り勾配を有し、この下り勾配と炉本体の回転とにより、炉本体内の被処理物10が重力作用で搬送方向へ徐々に移送されるようになっている。
炉本体の材質は、特に限定されず、例えば、ステンレス、チタン等の耐熱性及び耐腐食性を有する金属製とすることができる。
本形態の第1の熱処理炉42においては、炉本体の外表面上に、例えば、電気ヒーター等からなる外熱ジャケット44が設けられている。この外熱ジャケット44による加熱により、炉本体の内表面上に堆積した被処理物10が間接的に加熱される(外熱方式)。また、外熱ジャケット44は、炉本体の軸方向に関して適宜の数に分割し、分割された外熱ジャケットを各別に加熱することができるようにするとより好適なものとなる。
このように外熱ジャケット44を適宜の数に分割し、各別に加熱することができる外熱方式とすると、炉本体内において変化する被処理物10の性状等に応じて熱処理温度を確実に制御することができ、被処理物10の好適な熱処理を行うことができる。
本形態においては、前述したように熱処理工程を少なくとも4工程に分けることとの関係において、炉本体外表面の温度が、260〜450℃となるように加熱するのが好ましく、280〜400℃となるように加熱するのがより好ましく、300〜400℃となるように加熱するのが特に好ましい。炉本体外表面の温度が260℃を下回ると、被処理物10中のアクリル系有機物及びセルロースを十分に熱処理(熱分解等)することができなくなるおそれがある。他方、炉本体外表面の温度が450℃を上回ると、被処理物10の過剰な熱処理が行われてしまうおそれがある。
なお、炉本体内表面の温度は、炉本体外表面の温度と連動しており、炉本体外表面の温度と実質的に同一の温度になる。他方、炉本体内の温度は、上記炉本体外表面の温度制御を行うことにより、多くの領域において好ましくは240〜350℃、より好ましくは270〜350℃、特に好ましくは280〜350℃に調節される。なお、被処理物10の温度も炉本体内の温度と実質的に同一になるものと推定される。
ところで、以上のように第1の熱処理炉42は、外熱方式とするのが好ましいが、内熱方式とすることも可能であり、内熱方式とする場合は、図1中に二点鎖線で示すように、バーナー43Aが備わる熱風発生炉43から酸素含有ガスたる熱風を、供給口42Aを通して炉本体内に吹き込む(供給する)のが好ましい。当該熱風によって、供給口42Aから供給され、炉本体の回転に伴って排出口42B側に順次移送される被処理物10の熱処理が行われる(並流方式)。この際、第1の熱処理炉42内のガス(排ガス)は、排出口42Bを通して排出される。
このように熱風の供給方式を並流方式にすると、相対的に低温の状態にある被処理物10を直ちにアクリル系有機物やセルロース等の熱分解に好適な温度まで昇温することができる。しかも、他端(排出口側)に向けて低温化する温度勾配が生じるため、被処理物10の過剰な熱処理が防止される。ただし、この温度勾配の制御は、前述外熱方式による方が好ましい。
なお、第1の熱処理炉42を前述外熱方式とする場合においても、炉本体内に酸素含有ガスを吹き込むことができる。この酸素含有ガスの吹き込みは、例えば、バーナー43Aを作動させずに、熱風発生炉43を利用して行うことができ、加熱しない点を除いて熱風を吹き込む場合と同様とすることができる。そこで、以下の炉本体内の酸素濃度制御については、内熱方式の場合(熱風を吹き込む場合)を例に説明する。
第1の熱処理炉42においては、熱風の酸素濃度を5.0〜20.0%、好ましくは6.0〜18.0%、より好ましくは7.0〜18.0%に調節しつつ、排ガスの酸素濃度が0.1〜20.0%、好ましくは1.0〜17.0%、より好ましくは3.0〜15.0%となるように管理すると好適である。この酸素濃度の調節・管理は、第1の熱処理炉42を外熱方式とする場合も同様である。
ここで、酸素濃度は、自動酸素濃度測定装置(型番:ENDA‐5250、堀場製作所製)にて各測定域からサンプリングした測定試料の酸素濃度を測定した値である。
被処理物10の過剰な熱処理の防止という観点から、低酸素濃度であるのが好ましく、熱風の酸素濃度を20.0%以下に調節し、かつ排ガスの酸素濃度も20.0%以下となるように管理するのがより好ましい。他方、熱風の酸素濃度が5.0%未満、あるいは排ガスの酸素濃度が0.1%未満であると、アクリル系有機物やセルロース等の熱処理が充分に進まず、発熱量の減少率を所定の範囲に調整することが困難となるおそれや、熱分解ガスの発火(燃焼)が生じているおそれがある。
炉本体内の酸素濃度は、アクリル系有機物やセルロース等の熱処理に際して酸素消費され、変動を生じるため、本形態のように、熱風の酸素濃度の調節及び排ガスの酸素濃度の管理によるのが好適である。ただし、このような調節及び管理を行うことにより、炉本体内の多くの領域において酸素濃度が、内熱方式及び外熱方式のいずれにおいても、通常0.1〜20.0%、好ましくは1.0〜17.0%、より好ましくは4.0〜15.0%に調節される。
内熱方式とする場合、第1の熱処理炉42においては、熱風の温度を300〜420℃、好ましくは350〜410℃、より好ましくは360〜400℃に調節しつつ、排ガスの温度が250〜370℃、好ましくは300〜360℃、より好ましくは310〜350℃となるように管理すると好適である。
ここで、排ガスの温度は、排ガスの煙道に設置した熱電対にて温度を実測した値である。また、熱風の温度は、熱風発生炉43において熱電対にて温度を実測した値である。
熱風の温度が300℃以上で、かつ排ガスの温度が250℃以上であると、被処理物10中のアクリル系有機物及びセルロースの熱分解・揮発が確実に行われる。また、アクリル系有機物及びセルロースの熱分解・揮発が確実に行われることで、第2の熱処理炉14及び第3の熱処理炉32における熱処理制御が容易となり、白色度低下の原因となる炭化物の生成や、過燃焼による硬質物質の生成を抑制することができる。さらに、アクリル系有機物及びセルロースの熱分解・揮発が確実に行われることで、第2の熱処理炉14や第3の熱処理炉32において、スチレン系有機物や残カーボン等の有機物を緩やかに熱処理することができ、残カーボンの生成を抑制することができる。
もっとも、熱風の温度が420℃を超え、あるいは排ガスの温度が370℃を超えると、熱分解ガスが発火するおそれがあり、また、第2の熱処理炉14における熱処理エネルギーが増加し、さらに、難燃性カーボンが生成し易くなり、製紙用の添料や顔料等として必要な特性を備えた再生粒子を安定して得ることができなくなるおそれがある。なお、第1の熱処理工程の前段に乾燥工程を設けない場合においては、本熱処理工程において被処理物10を乾燥させるために、熱処理温度をより高く設定する必要があり、以上のようなリスクを伴うことになる。
炉本体内の温度は、温度勾配を有し、一様ではないため、本形態のように、熱風の温度の調節及び排ガスの温度の管理によるのが好適である。ただし、このような調節及び管理を行うことにより、炉本体内の多くの領域において温度が、通常250〜370℃、好ましくは300〜360℃、より好ましくは310〜350℃に調節される。なお、炉本体内の温度は、炉本体内に設置した熱電対にて実測した値である。また、被処理物10の温度も炉本体内の温度と実質的に同一になるものと推定される。
第1の熱処理炉42においては、第1の熱処理炉42が外熱方式である内熱方式であるかにかかわらず、被処理物10の発熱量が20〜90%減少するように、好ましくは50〜80%減少するように、より好ましくは50〜70%減少するように熱処理するのが好ましい。
発熱量の減少率が90%以下であると、過剰な熱処理が抑えられ、硬質物質の生成が好ましくは1.5質量%以下に抑制される。この点、90%を超える発熱量の減少は、被処理物10中のスチレン系有機物までもが熱分解していることを意味し、したがって炉本体内がセルロース等の熱分解ガスが発火しうる状態(つまり、高温状態)になっていることを意味する。他方、発熱量の減少率が20%未満であると、被処理物10中の高発熱量成分であるアクリル系有機物が残留し、第2の熱処理炉14における熱処理温度の変動が大きなものとなるおそれがある。
ここで、発熱量の減少率は、第1の熱処理炉42に供給される被処理物10の発熱量と、第1の熱処理炉42から排出される被処理物10の発熱量とを比較した値である。この発熱量は、熱量計(燃研式デジタル熱量計、吉田製作所製)を用いて測定した値である。
特に第1の熱処理炉42において、アクリル系有機物、セルロースを除去し、発熱量を20〜90%減少するとともに、発熱量が1000cal/g未満、好ましくは300〜400cal/gとなるように熱処理することにより、第2の熱処理炉14における炉本体内温度の変動幅を10〜40℃の範囲に抑制し易くなり、得られる再生粒子を均質化するに有用である。この点、当該炉本体内温度の変動幅が40℃を超えると、得られる再生粒子が硬い・柔らかい等のばらつきや白色度のばらつきを有するものとなるおそれがある。他方、当該炉本体内温度の変動幅を10℃未満にまで抑制するのは、現実的ではない。
第1の熱処理炉42においては、被処理物10の未燃率が13〜30質量%となるように、好ましくは14〜26質量%となるように、より好ましくは15〜23質量%となるように熱処理を行うと好適である。
ここで、未燃率は、約600℃に温度調整した電気炉で,2時間燃焼した際の減量割合を測定した値である。
未燃率が30質量%以下となるように熱処理を行うことにより、第2の熱処理炉14における熱処理を緩慢に行うことができるようになる。もっとも、未燃率が13質量%未満となるまで熱処理を行うと、第1の熱処理炉42におけるエネルギーコストが高くなる。
第1の熱処理炉42においては、被処理物10の滞留時間を30〜120分、好ましくは45〜105分、より好ましくは60〜90分とすると好適である。滞留時間を30分以上とすることにより、被処理物10に含まれるアクリル系有機物、セルロースが緩慢に熱分解され、残カーボンの生成が抑制される。この点、滞留時間を30分未満とすると、十分な熱処理が行われず、残カーボンの割合が多くなる。他方、滞留時間が120分を超えると、過剰な熱処理によって難燃性カーボンが生成され、得られる再生粒子の白色度が低下し、あるいは硬質物質が増加するおそれがある。
ここで、滞留時間は、色で識別できる金属片を供給口42Aから炉本体内に投入し、排出口42Bから排出されるまでの実測時間である。
(第2の熱処理工程)
第1の熱処理炉42において熱処理した被処理物10は、第2の熱処理工程に送られ、熱分解や燃焼等の熱処理をされる。
被処理物10は、この第2の熱処理工程に送るに先立って、平均粒子径を1〜7mm、好ましくは1〜5mm、より好ましくは1〜3mmに調節しておくと好適である。ただし、本形態においては、第1の熱処理工程に先立って乾燥工程を設けており、この乾燥工程において被処理物10が解れるように構成されている。したがって、被処理物10の平均粒子径は、通常上記の範囲内にあり、本粒子径の調節を省略することができる。
第2の熱処理工程においては、被処理物10が第2の熱処理炉14に装入される。この第2の熱処理炉14としては、公知の熱処理炉を使用することができ、例えば、流動床炉、ストーカー炉、サイクロン炉、半乾留・負圧燃焼式炉等を用いることができる。しかしながら、本形態の第2の熱処理炉14は、炉本体が横置きで中心軸周りに回転する外熱キルン炉である。この第2の熱処理炉14としては、外熱キルン炉に変えて内熱キルン炉を用いることや、内熱及び外熱の併用キルン炉を用いることも可能であるが、本形態では、外熱キルン炉を用いるのが好ましい。
この第2の熱処理炉14も、例えば、搬送方向に向かって非常に緩やかな下り勾配を有し、この下り勾配と炉本体の回転とにより、炉本体内の被処理物10が重力作用で搬送方向へ徐々に移送されるようになっている。
炉本体の材質は、特に限定されず、例えば、ステンレス、チタン等の耐熱性及び耐腐食性を有する金属製とすることができる。
また、本工程において用いる第2の熱処理炉14は、本形態のように第1の熱処理炉42と同形状のものを用いることもできるが、例えば、軸方向の長さが異なるキルン炉を用いて、被処理物10の滞留時間を異なるものとすることなどもできる。
本形態の第2の熱処理炉14においては、炉本体の外表面上に、例えば、電気ヒーター等からなる外熱ジャケット15が設けられている。この外熱ジャケット15による加熱により、炉本体の内表面上に堆積した被処理物10が間接的に加熱される(外熱方式)。また、外熱ジャケット15は、炉本体の軸方向に関して適宜の数に分割し、分割された外熱ジャケットを各別に加熱することができるようにするとより好適なものとなる。
このように外熱ジャケット15を適宜の数に分割し、各別に加熱することができる外熱方式とすると、炉本体内において変化する被処理物10の性状等に応じて熱処理温度を確実に制御することができ、被処理物10の好適な熱処理を行うことができる。
本形態においては、前述したように熱処理工程を少なくとも4工程に分けることとの関係において、炉本体外表面の温度が、360〜550℃となるように加熱するのが好ましく、360〜500℃となるように加熱するのがより好ましく、400〜500℃となるように加熱するのが特に好ましい。炉本体外表面の温度が360℃を下回ると、被処理物10中のスチレン系有機物を十分に熱処理(熱分解等)することができなくなるおそれがある。他方、炉本体外表面の温度が550℃を上回ると、被処理物10の過剰な熱処理が行われてしまうおそれがある。
なお、炉本体内表面の温度は、炉本体外表面の温度と連動しており、炉本体外表面の温度と実質的に同一の温度になる。他方、炉本体内の温度は、上記炉本体外表面の温度制御を行うことにより、多くの領域において好ましくは360〜400℃に調節される。なお、被処理物10の温度も炉本体内の温度と実質的に同一になるものと推定される。
ところで、以上のように第2の熱処理炉14は、外熱方式とするのが好ましいが、内熱方式とすることも可能であり、内熱方式とする場合は、図1中に二点鎖線で示すように、バーナー46Aが備わる熱風発生炉46から酸素含有ガスたる熱風を、供給口14Aを通して炉本体内に吹き込む(供給する)のが好ましい。当該熱風によって、供給口14Aから供給され、炉本体の回転に伴って排出口14B側に順次移送される被処理物10の熱処理が行われる(並流方式)。この際、第2の熱処理炉14内のガス(排ガス)は、排出口14Bを通して排出される。
このように熱風の供給方式を並流方式にすると、相対的に低温の状態にある被処理物10を直ちにスチレン系有機物等の熱分解に好適な温度まで昇温することができる。しかも、他端(排出口側)に向けて低温化する温度勾配が生じるため、被処理物10の過剰な熱処理が防止される。ただし、この温度勾配の制御は、前述外熱方式による方が好ましい。
また、第1の熱処理炉42が並流方式とされている場合等においては、第2の熱処理炉14を、排出口14Bを通して炉本体内に熱風を吹き込み、炉本体内の排ガスは供給口14Aを通して排出する向流方式とするのも好ましい形態である。この形態によると、第1の熱処理炉42からの排ガスを通す配管と、第2の熱処理炉14からの排ガスを通す配管とを、例えば1つにまとめることなどができ、配管処理が容易となる。
さらに、第1の熱処理炉42と第2の熱処理炉14とを連接し、熱風発生炉43からの熱風が第1の熱処理炉42を介し、供給口14Aを通して炉本体内に吹き込まれる(供給される)とともに、バーナー46Aが備わる熱風発生炉46からの酸素含有ガスたる熱風を、供給口14Aを通して炉本体内に吹き込む(供給する)こともできる。これらの熱風によって、供給口14Aから供給され、炉本体の回転に伴って排出口14B側に順次移送される被処理物10の熱処理が行われる(並流方式)。
なお、第2の熱処理炉14を前述外熱方式とする場合においても、炉本体内に酸素含有ガスを吹き込むことができる。この酸素含有ガスの吹き込みは、例えば、バーナー46Aを作動させずに、熱風発生炉46を利用して行うことができ、加熱しない点を除いて熱風を吹き込む場合と同様とすることができる。そこで、以下の炉本体内の酸素濃度制御については、内熱方式の場合(熱風を吹き込む場合)を例に説明する。
第2の熱処理炉14においては、熱風の酸素濃度を5.0〜20.0%、好ましくは6.0〜18.0%、より好ましくは7.0〜18.0%に調節しつつ、排ガスの酸素濃度が0.1〜20.0%、好ましくは1.0〜17.0%、より好ましくは3.0〜15.0%となるように管理すると好適である。この酸素濃度の調節・管理は、第2の熱処理炉14を外熱方式とする場合も同様である。
ここで、酸素濃度は、自動酸素濃度測定装置(型番:ENDA‐5250、堀場製作所製)にて各測定域からサンプリングした測定試料の酸素濃度を測定した値である。
被処理物10の過剰な熱処理の防止という観点から、低酸素濃度であるのが好ましく、熱風の酸素濃度を20.0%以下に調節し、かつ排ガスの酸素濃度も20.0%以下となるように管理するのがより好ましい。もっとも、熱風の酸素濃度が5.0%未満、あるいは排ガスの酸素濃度が0.1%未満であると、スチレン系有機物等の熱処理が充分に進まず、発熱量の減少率を所定の範囲に調整するのが困難で白色化が進まないおそれがあり、また、熱分解ガスの発火(燃焼)が生じているおそれがある。他方、熱風(酸素含有ガス)や排ガスの酸素濃度が高すぎると、圧縮空気及びその付加設備が必要になると共に、エネルギーコストが上昇し、また、被処理物10の燃焼や硬質化が進むおそれがある。
第1の熱処理炉42を経て供給される熱風(酸素含有ガス)の酸素濃度は、被処理物10の熱処理状態等に応じて変化し、また、炉本体内の酸素濃度自体も、スチレン系有機物等の熱処理に際して酸素消費され、変動を生じる。したがって、本形態のように、熱風の酸素濃度の調節及び排ガスの酸素濃度の管理によるのが好適である。ただし、このような調節及び管理を行うことにより、炉本体内の多くの領域において酸素濃度が、内熱方式及び外熱方式のいずれにおいても、通常0.1〜20.0%、好ましくは1.0〜17.0%、より好ましくは4.0〜15.0%に調節される。
内熱方式とする場合、第2の熱処理炉14においては、熱風の温度を350〜550℃、好ましくは380〜550℃、より好ましくは400〜500℃に調節しつつ、排ガスの温度が300〜500℃、好ましくは330〜500℃、より好ましくは350〜450℃となるように管理すると好適である。
ここで、排ガスの温度は、排ガスの煙道に設置した熱電対にて温度を実測した値である。また、熱風の温度は、熱風発生炉46において熱電対にて温度を実測した値である。
熱風の温度が350℃以上で、かつ排ガスの温度が300℃以上であると、被処理物10中のスチレン系有機物の熱分解・揮発が確実に行われる。また、スチレン系有機物の熱分解・揮発が確実に行われることで、第3の熱処理炉32における熱処理制御が容易となり、白色度低下の原因となる炭化物の生成や、過燃焼による硬質物質の生成を抑制することができる。さらに、スチレン系有機物の熱分解・揮発が確実に行われることで、第3の熱処理炉32において、残カーボン等の有機物を緩やかに燃焼することができ、残カーボンの生成を抑制することができる。他方、熱風の温度が550℃以下で、かつ排ガスの温度が500℃以下であると、本工程における残カーボンの生成を抑制することができるほか、有機物の熱処理が緩慢に行われ、被処理物10の微粉化が抑制され、また、凝集体を形成し、あるいは硬い・柔らかい等のさまざまな性質を有する被処理物10の熱処理度合いや粒揃えを容易に、かつ安定的に制御することができる。この点、熱風の温度が550℃を超え、あるいは排ガスの温度が500℃を超えると、被処理物10の粒揃えが進行するよりも早くに燃焼が局部的に進むため、粒子表面と芯部との未燃率の差を少なく均一にすることが困難になる。
第1の熱処理炉42を経て供給される熱風の温度は、被処理物10の熱処理状態等に応じて変化し、また、炉本体内の温度自体も、温度勾配を有し、一様ではないため、本形態のように、熱風の温度の調節及び排ガスの温度の管理によるのが好適である。ただし、このような調節及び管理を行うことにより、炉本体内の多くの領域において温度が、通常300〜500℃に、好ましくは330〜500℃に、より好ましくは350〜450℃に調節される。なお、炉本体内の温度は、炉本体内に設置した熱電対にて実測した値である。また、被処理物10の温度も炉本体内の温度と実質的に同一になるものと推定される。
第2の熱処理炉14から排出された排ガスは、図1中に二点鎖線で示すように、再燃焼室22においてバーナー等により再燃焼し、予冷器24において予冷した後、熱交換器26を通し、誘引ファン28によって煙突30から排出することができる。ここで、熱交換器26は、外気を昇温し、この昇温した外気を、例えば、第1の熱処理炉42に吹き込まれる熱風の用に供し、排ガスの熱回収を図ることもできる。このような排ガスの処理は、排ガス中に含まれる有害物質の除去にも有効である。
第2の熱処理炉14においては、被処理物10の滞留時間を30〜120分、好ましくは40〜100分、より好ましくは40〜80分とすると好適である。滞留時間を30分以上とすることにより、被処理物10に含まれるスチレン等由来の有機物が緩慢に熱処理され、残カーボンの生成が抑制される。この点、滞留時間を30分未満とすると、十分な熱処理が行われず、残カーボンの割合が多くなる。他方、滞留時間が120分を超えると、過剰な熱処理によって難燃性カーボンが生成され、得られる再生粒子の白色度が低下し、あるいは硬質物質が増加するおそれがある。
第2の熱処理炉14においては、第2の熱処理炉14が外熱方式である内熱方式であるかにかかわらず、被処理物10の未燃率が2〜20質量%となるように、好ましくは5〜17質量%となるように、より好ましくは7〜12質量%となるように熱処理を行うと好適である。
ここで、未燃率は、約600℃に温度調整した電気炉で,2時間燃焼した際の減量割合を測定した値である。
未燃率が20質量%以下となるように熱処理を行うことにより、第3の熱処理炉32における熱処理(燃焼)を短時間で効率よく行うことができるようになり、得られる再生粒子の白色度を70%以上、好ましくは80%以上の高白色度とすることができる。もっとも、未燃率が2質量%未満となるまで熱処理を行うと、第2の熱処理炉14におけるエネルギーコストが高くなり、また、得られる再生粒子の白色度が低下し、あるいは硬度が高くなるなど、再生粒子の品質低下につながるおそれがある。
(第3の熱処理工程)
第2の熱処理炉14において熱処理した被処理物10は、第3の熱処理工程に送られ、熱分解や燃焼等の熱処理をされる。
被処理物10は、この第3の熱処理工程に送るに先立って、平均粒子径を5mm以下、好ましくは1〜4mm、より好ましくは1〜3mmに調節しておくと好適である。平均粒子径が1mm未満であると、第3の熱処理炉32において被処理物10が過燃焼するおそれがある。他方、平均粒子径が5mmを超えると、残カーボンの熱処理(燃焼)が困難となり、芯部まで燃焼が進まず、得られる再生粒子の白色度が低下するおそれがある。
また、この被処理物10の粒揃えは、粒子径1〜5mmの割合が、70質量%以上となるように、好ましくは75〜95質量%となるように、より好ましくは80〜95質量%となるように行うと好適である。
ただし、本形態においては、第1の熱処理工程に先立って乾燥工程を設けており、この乾燥工程において被処理物10が解れるように構成されている。したがって、被処理物10の平均粒子径や粒揃えは、各熱処理工程を経ることにより、通常上記の範囲内となり、本平均粒子径や粒揃えの調節を省略することができる。
第3の熱処理工程においては、被処理物10が装入機31から第3の熱処理炉32に装入される。この第3の熱処理炉32としては、公知の熱処理炉を使用することができ、例えば、流動床炉、ストーカー炉、サイクロン炉、半乾留・負圧燃焼式炉等を用いることができる。しかしながら、本形態の第3の熱処理炉32は、炉本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉である。
ただし、この第3の熱処理炉32としては、第1の熱処理炉42や第2の熱処理炉14と同様に、外熱ジャケットを有する外熱キルン炉を使用することもできる。外熱ジャケットは、長手方向(搬送方向、炉本体の軸方向)の温度制御が容易な電気ヒーター形式とすると好適である。
長手方向の温度制御が容易であると、任意に温度勾配を設けることができ、被処理物10を所定の時間、所定の温度に保持することができるため、被処理物10中の残留有機分や、残カーボンを限りなくゼロに近づけることができる。また、外熱キルン炉による場合は、被処理物10を所定の滞留時間をもって燃焼(熱処理)することができ、しかも外熱により被処理物10に間接的に均一な熱が加わるので、燃焼が均一なものとなり、燃焼のバラツキが生じない。さらに、炉内表面の回転による摩擦によって被処理物10が緩やかに撹拌されるため、微粉化を生じにくい。結果、最終的な再生粒子の品質及び性状が安定したものとなる。
もっとも、外熱キルン炉は、被処理物10を間接的に熱処理するものであり、熱処理効率は内熱キルン炉に及ばない。したがって、熱処理温度を相対的に高温とする第3の熱処理工程においては、熱処理効率や生産性の観点から、本形態のように、内熱キルン炉を用いる方が好ましい。
第3の燃焼炉32においては、炉本体の内壁に設けたリフターによって被処理物10の搬送を制御し、もって被処理物10を緩慢に熱処理(燃焼)することにより、得られる再生粒子の均質化を図ることもできる。この炉本体の内壁に設けるリフターは特に限定されるものではないが、被処理物10の供給口32A側から排出口32B側に向けて、軸心に対して例えば45〜70°の傾斜角を有する複数の螺旋状リフター及び軸心と平行な複数の平行リフターをこの順で設けるのが好ましい。
この形態によると、被処理物10が、まず、螺旋状リフターにて適切な速度で搬送されつつ、持ち上げられて落下し、この落下する間に熱分解ガス(可燃焼ガス)と効率的に接触する。また、被処理物10は、続いて平行リフターにて持ち上げられて落下する動作を繰り返し、この落下を繰り返す間に可燃焼ガスと効率的に接触する。したがって、熱交換効率が極めてよい。特に、螺旋状リフターにて平行リフターに送り込まれる被処理物10の量が制御されるため、平行リフターにおける被処理物10の持ち上げ及び落下が適切に行われ、被処理物10の熱処理(燃焼)が均一かつ効率的に行われる。螺旋状リフターや平行リフターは、例えば、耐熱性を有し、伝熱効率が高いステンレス鋼板等の金属製とすると好適である。
第3の熱処理炉32の炉本体内には、例えば、被処理物10の供給口32Aを通して、バーナー45Aが備わる熱風発生炉45から酸素含有ガスたる熱風を吹き込む(供給する)。当該熱風によって、供給口32Aから供給され、炉本体の回転に伴って排出口32B側に順次移送される被処理物10の熱処理が行われる(並流方式)。また、第3の熱処理炉32内のガス(排ガス)は、例えば、排出口32Bを通して(通り抜けて)排出される。
ただし、当該熱風は被処理物10の排出口32Bを通して吹き込み、第3の熱処理炉32内のガス(排ガス)は供給口32Aを通して(通り抜けて)排出する向流方式とするのも好ましい形態である。
向流方式とすると、排ガス中の煤塵が被処理物10中に混入し、得られる再生粒子の品質が低下するのを確実に防止することができる。すなわち、供給された被処理物10中の残カーボンは直ちに燃焼されるため、向流方式とすると、残カーボンの燃焼に伴って発生する煤塵は、被処理物10の供給口32A側から排ガスとともに速やかに炉本体外に排出されることになり、被処理物10に混入するのが防止される。
なお、第3の熱処理炉32を外熱方式とする場合においても、炉本体内に酸素含有ガスを吹き込むことができる。この酸素含有ガスの吹き込みは、例えば、バーナー45Aを作動させずに、熱風発生炉45を利用して行うことができ、加熱しない点を除いて熱風を吹き込む場合と同様とすることができる。そこで、以下の炉本体内の酸素濃度制御については、内熱方式の場合(熱風を吹き込む場合)を例に説明する。
第3の熱処理炉32においては、熱風の酸素濃度を5.0〜20.0%、好ましくは6.0〜18.0%、より好ましくは7.0〜18.0%に調節しつつ、排ガスの酸素濃度が0.1〜20.0%、好ましくは1.0〜17.0%、より好ましくは3.0〜15.0%となるように管理すると好適である。この酸素濃度の調節・管理は、第3の熱処理炉32を外熱方式とする場合も同様である。
ここで、酸素濃度は、自動酸素濃度測定装置(型番:ENDA‐5250、堀場製作所製)にて各測定域からサンプリングした測定試料の酸素濃度を測定した値である。
被処理物10の過剰な熱処理の防止という観点から、低酸素濃度であるのが好ましく、熱風(酸素含有ガス)及び排ガスの酸素濃度が低くなるように管理するのがより好ましい。もっとも、熱風(酸素含有ガス)や排ガスの酸素濃度が低すぎると、残カーボンや残留有機物の熱処理が充分に進まず、また、白色化が進まないおそれがある。他方、熱風(酸素含有ガス)や排ガスの酸素濃度が高すぎると、圧縮空気及びその付加設備が必要になると共に、エネルギーコストが上昇し、また、被処理物10の燃焼や硬質化が進むおそれがある。また、排ガスの酸素濃度を高くするためには、過剰の空気を炉本体内に吹き込む必要があり、炉内温度の低下や炉内温度制御が困難になる等の問題を生じるおそれがある。
炉本体内の酸素濃度は、残カーボンや残留有機物の熱処理に際して酸素消費され変動を生じるため、本形態のように、熱風(酸素含有ガス)の酸素濃度の調節及び排ガスの酸素濃度の管理によるのが好適である。ただし、このような調節及び管理を行うことにより、炉本体内の多くの領域において酸素濃度が、内熱方式及び外熱方式のいずれにおいても、通常0.1〜20.0%、好ましくは1.0〜17.0%、より好ましくは4.0〜15.0%に調節される。
第3の熱処理炉32を内熱方式とする場合は、熱風の温度を550〜780℃、好ましくは600〜750℃、より好ましくは650〜720℃に調節しつつ、排ガスの温度が550〜780℃、好ましくは600〜750℃、より好ましくは650〜720℃となるように管理すると好適である。
ここで、排ガスの温度は、排ガスの煙道に設置した熱電対にて温度を実測した値である。また、熱風の温度は、熱風発生炉45において熱電対にて温度を実測した値である。
熱風の温度が550℃以上で、かつ排ガスの温度も550℃以上であると、被処理物10中の残カーボンや残留有機物の熱処理が確実に行われる。他方、熱風の温度が780℃以下で、かつ排ガスの温度も780℃以下であると、残カーボンの生成を抑制することができるほか、有機物の熱処理が緩慢に行われ、被処理物10の微粉化が抑制され、また、凝集体を形成し、あるいは硬い・柔らかい等のさまざまな性質を有する被処理物10の熱処理度合いや粒揃えを容易に、かつ安定的に制御することができる。この点、熱風の温度が780℃を超え、あるいは排ガスの温度が780℃を超えると、被処理物10の粒揃えが進行するよりも早くに燃焼が局部的に進むため、粒子表面と芯部との未燃率の差を少なく均一にすることが困難になる。しかも、得られた再生粒子をスラリー化したときに、固まるおそれがある。
炉本体内の温度は、温度勾配を有し、一様ではないため、本形態のように、熱風の温度の調節及び排ガスの温度の管理によるのが好適である。ただし、このような調節及び管理を行うことにより、炉本体内の多くの領域において温度が、上記調節・管理と同様、つまり、通常550〜780℃、好ましくは600〜750℃、より好ましくは650〜720℃に調節される。なお、炉本体内の温度は、炉本体内に設置した熱電対にて実測した値である。
一方、第3の熱処理炉32を外熱方式とする場合は、炉本体外表面の温度が550〜780℃、好ましくは600〜750℃、より好ましくは650〜720℃となるように外熱ジャケット等の温度を制御すると好適である。炉本体外表面の温度が550℃以上であると、残カーボンや、第2の熱処理炉14で燃焼しきれなかったスチレン‐アクリルやスチレン等の残留有機物を確実に燃焼することができる。
なお、炉本体内表面の温度は、炉本体外表面の温度と連動しており、炉本体外表面の温度と実質的に同一の温度になる。他方、炉本体内の温度や被処理物10の温度は、上記炉本体外表面の温度制御を行うことにより、炉本体外表面や内表面の温度と実質的に同一の温度になると推定される。
第3の熱処理炉32においては、被処理物10の滞留時間を60〜240分、好ましくは90〜150分、より好ましくは120〜150分とすると好適である。滞留時間を60分以上とすることにより、被処理物10に含まれる残留有機物や残カーボンが確実に燃焼され、また、再生粒子を安定して生産することができるようになる。他方、滞留時間が240分を超えると、過燃焼によって難燃性カーボンが生成され、得られる再生粒子の白色度が低下し、あるいは硬質物質が増加するおそれがある。
この点、第1の熱処理炉42において被処理物10の発熱量が20〜90%減少し、アクリル系有機物及びセルロースが熱分解するように熱処理され、また、第2の熱処理炉14において被処理物10のスチレン系有機物が熱分解するように熱処理されていると、第3の熱処理炉32における被処理物10の滞留時間を短くすることができ、過燃焼、白色度の低下、硬質物質の増加等のリスクを低減することができる。
(硬質物質)
被処理物10の主成分となる製紙スラッジは、製紙用に供される填料や顔料としての炭酸カルシウム、カオリン、タルク、抄紙助剤としての硫酸アルミニウム等の無機物を多く含み、示差熱熱重量分析(TG/DTA6200)とX線回折(RAD2X)とによる燃焼物の分析から、被処理物10を熱処理するに際しては、例えば、炭酸カルシウム(CaCO)は600〜750℃にて質量減少し、硬質かつ水溶性の酸化カルシウム(CaO)に変化し、クレー(AlSi(OH))は500℃前後で脱水により質量減少し、メタカオリンとなり、1000℃前後の高温では硬質なムライト(AlSi13)に変化することが知見された。また、タルク(MgSi10(OH))は900℃前後で質量減少し、エンスタタイト(MgSiO)に変化することも知見された。一方、X線回折(RAD2X)による燃焼物の分析から、燃焼物中にCaAlSiO(ゲーレナイト)、CaAlSi(アノーサイト)の存在が確認された。
また、製紙用に供される填料や顔料と比べ、ゲーレナイトやアノーサイトは極めて硬質(硬質物質)であり、微量の存在で、製紙用具の摩耗・毀損や抄紙系内の汚れが生じ、塗工用顔料として使用した場合には、ドクター等の塗工設備の摩耗・毀損、ストリークの発生要因となることも知見された。
この点、従来、ゲーレナイトやアノーサイトは、900℃を超える高温での熱処理において生成されるものと予想されていたが、本発明者等の検討において、ゲーレナイトやアノーサイトの生成は熱処理温度が500℃前後でも生じ、熱処理温度の上昇に応じて生成量が増大することが見出された。
また、製紙スラッジ中の酸化物換算によるカルシウムの含有量が増えると、アノーサイトは減少し、ゲーレナイトは増える傾向を示すことも知見された。アノーサイトは、炭酸カルシウムの過燃焼により生じる酸化カルシウムとカオリンとの混合燃焼により生成され易く、したがって、上記各種熱処理工程においては、25〜800℃における示差熱熱重量分析において、重量減量割合が5%(TG)以上となるように熱処理を行い、酸化カルシウムの生成自体を可及的に抑制するのが好ましい。
また、水酸化カルシウムは、酸化カルシウムよりも一段とアノーサイトを生成し易いため、上記被処理物10の脱水率(水分率)や、各種熱処理における酸素濃度は、厳格に調節するのが好ましい。
また、本発明者等は、シリカがゲーレナイトやアノーサイトの生成を助長することを知見した。したがって、被処理物10は、可及的にシリカ分含有量を低減しておくのが好ましく、例えば、新聞古紙や新聞抄紙系白水の使用を抑え、比較的低融点のゲーレナイトやアノーサイトの生成を抑制するのが好ましく、得られた再生粒子をシリカ被覆するのがより好ましい。
(付帯工程)
第3の熱処理炉32から排出された被処理物10は、平均粒子径15.0μm以下、好ましくは0.1〜10.0μm、より好ましくは1.0〜5.0μmとなるように粉砕等して調節すると好適である。
ここで粉砕後の平均粒子径は、粉砕後の被処理物スラリーをレーザー回折方式の粒度分布径(型番:SA−LD−2200、島津製作所製)を用いて測定した体積平均粒子径(D50)である。
この被処理物10の粉砕方法は特に限定されるものではなく、例えば、ジェットミルや高速回転式ミル等の乾式粉砕機、アトライター、サンドグラインダー、ボールミル等の湿式粉砕機などを用いることができる。
この粉砕を行った被処理物10は、好適には凝集体であり、冷却機34において冷却した後、振動篩機等の粒径選別機36により選別をし、再生粒子としてサイロ38に一時貯留し、適宜添料や顔料等の用途先に仕向ける。
(その他)
以上の第1から第3の熱処理工程において、好適な熱処理炉として用いられる内熱又は外熱キルン炉は、内壁を構成する耐火物を円周状(円筒状)ではなく、六角形状や八角形状とすることもでき、これらの形状によると被処理物10を滑らすことなく持ち上げて撹拌することができる。ただし、簡便に被処理物10の撹拌を実現するためには、耐火物等を円筒状とし、前述したようなリフターを設けるのが好ましい。
〔再生粒子〕
本形態の再生粒子の製造方法によって得られる再生粒子は、X線マイクロアナライザーによる微細粒子の元素分析において、カルシウム、シリカ及びアルミニウムの比率が酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合、好ましくは40〜82:9〜30:9〜30の質量割合、より好ましくは60〜82:9〜20:9〜20の割合とされていると好適である。カルシウム、シリカ及びアルミニウムの比率が酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合とされていると、比重が軽く、過度の水溶液吸収が抑制されるため、脱水性が良好である。
このカルシウム、シリカ及びアルミニウムの質量割合を調節する方法としては、被処理物10の原料構成を調節することが本筋ではあるが、第1の熱処理工程や、第2の熱処理工程、第3の熱処理工程において、出所が明確な塗工フロスや調成工程フロスをスプレー等で添加し、あるいは焼却炉スクラバー石灰を添加して、調節することもできる。例えば、カルシウムの調節には、中性抄紙系の排水スラッジや塗工紙製造工程の排水スラッジを用い、シリカの調節には、不透明度向上剤としてホワイトカーボンが多量に添加されている新聞用紙製造系の排水スラッジを用い、アルミニウムの調節には酸性抄紙系の硫酸バンドの使用がある抄紙系の排水スラッジや、クレーの使用量が多い上質紙抄造工程における排水スラッジを用いることができる。
ところで、被処理物10の原材料ともいえる古紙は、近年の中性抄紙化、ビジュアル化の進展にともなう印刷見栄えの良い塗工紙使用量の増加にともない、填料・顔料としての炭酸カルシウムの使用量増加により、製紙スラッジ中の炭酸カルシウムの含有量増加につながり、結果としてゲーレナイトやアノーサイトの生成量増加に繋がるため、再生粒子に含有されるゲーレナイトやアノーサイト、いわゆる硬質物質の含有量をできる限り減少させる必要が大きくなっている。したがって、硬質物質の含有量を減らすことができる上記再生粒子の製造方法は、極めて有用であり、この製造方法によって製造された本形態の再生粒子は、ゲーレナイト及びアノーサイトの合計含有量が1.5質量%以下、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下とされている。
ここで、ゲーレナイト及びアノーサイトの合計含有量は、下記の方法によって測定した値である。
(測定方法)
X線回析法(理学電気製、RAD2X)によって測定する。測定条件は、Cu‐Kα‐湾曲モノクロメーター:40KV‐40mA、発散スリット:1mm、SS:1mm、RS:0.3mm、走査速度:0.8度/分、走査範囲:2シータ=7〜85度、サンプリング:0.02度とする。
次に、本発明の実施例及び比較例を説明する。
製紙スラッジ一般、脱墨フロス又は排水汚泥からなる被処理物を、脱水、熱処理及び湿式粉砕して再生粒子を製造した。各工程における処理条件は、表1〜4に示した。なお、装置形式の「気流乾燥」とは、試料(脱水後の被処理物)を熱気流に同伴させて乾燥することができる装置を用いた場合を意味し、具体的には気流乾燥装置(型番:クダケラ、新日本海重工業社製)を使用した。また、炉形式の「回転乾燥」及び「キルン」とは、本体が横置きで中心軸周りに回転する横型回転キルン炉(ロータリーキルン炉)を用いた場合を意味する。さらに、湿式粉砕工程においては、セラミックボールミルを用いた。なお、特に断りのない限り、下記の測定方法、評価方法等は、本明細書全体にわたって同様である。
Figure 0005608380
Figure 0005608380
Figure 0005608380
Figure 0005608380
以上のようにして得られた再生粒子について、その品質を調べ、結果を表5に示した。
Figure 0005608380
ここで、本実施例における測定手段、各評価方法は、次の通りである。
(水分率)
定温乾燥機内に試料を静置し、約105℃で6時間以上保持することで重量変動を認めなくなった時点を乾燥後重量とし、下記式により水分率を算出した。
水分率(%)=(乾燥前重量−乾燥後重量)÷乾燥前重量×100
(平均粒子径)
目穴の異なる篩で篩い分けを行い、各篩い分けを行った被処理物の質量を測定し、この測定値の合計値が全体の50質量%に相当する段階における篩の目穴の大きさであり、JIS Z 8801‐2:2000に基づき、金属製の板ふるいを用いて測定した値である。
(粒子径50mm以上の割合)
試料全体の重量を100とした場合に、目穴50mmの篩を通過しなかった試料の重量割合である。この測定に際しては、JIS Z 8801‐2:2000に基づき、金属製の板ふるいを用いた。
(酸素濃度)
自動酸素濃度測定装置(型番:ENDA‐5250、堀場製作所製)にて各測定域からサンプリングした試料の酸素濃度の測定値である。
(温度)
各領域(炉本体の外表面、熱風(バーナー)、排ガス(煙道)、炉本体内等)の温度を、熱電対にて実測した値である。
(滞留時間)
色で識別できる金属片を炉本体内に投入し、当該金属片が被処理物の排出口から排出されるまでの時間を実測した値である。
(発熱量減少率)
熱量計(燃研式デジタル熱量計、吉田製作所製)を用いて、熱処理前の試料と熱処理後の試料との発熱量を測定し、減少割合から算出した値である。
(未燃率)
電気マッフル炉をあらかじめ600℃に昇温後、ルツボに試料を入れ、約2時間で完全燃焼させ、燃焼前後の質量変化から算出した値である。
(硬質物質)
得られた各再生粒子に含まれるゲーレナイト及びアノーサイトの合計質量を、X線回析法(理学電気製:RAD2X)によって測定した値である。測定条件は、Cu‐Kα‐湾曲モノクロメーター:40KV‐40mA、発散スリット:1mm、SS:1mm、RS:0.3mm、走査速度:0.8度/分、走査範囲:2シータ=7〜85度、サンプリング:0.02度とした。
((ワイヤー)摩耗度)
得られた各再生粒子について、プラスチックワイヤー摩耗度計(日本フィルコン製、3時間)を用い、スラリー濃度2重量%で測定した値である。
(分散性)
粉砕後の再生粒子スラリー(60%濃度)について、B型粘度計を用いてローター回転数6rpmでの粘度を測定した値である。なお、粘度(mPa・s)が低いほど分散性が良好であると判定した。
(安定性)
得られた各再生粒子の白色度及び平均粒子径について変動割合を測定し、変動が少ない順にランクを付け、上位8位までを◎、9〜17位を〇、18〜30位を△、それ以下を×とした。
本発明は、製紙スラッジを主原料とする被処理物を、脱水及び熱処理して再生粒子を製造する方法及びこの方法によって製造された再生粒子として、適用可能である。
10…原料、12…貯槽、14…第2の熱処理炉、15,44…外熱ジャケット、22…再燃焼室、24…予冷器、26…熱交換器、28…誘引ファン、30…煙突、32…第3の燃焼炉、34…冷却機、36…粒径選別機、38…サイロ、42…第1の熱処理炉、43,45,46,47…熱風発生炉、60…乾燥装置。

Claims (2)

  1. 製紙スラッジを主原料とする被処理物を、脱水及び熱処理して再生粒子を製造する方法であって、
    前記熱処理を、前記脱水後の被処理物を乾燥する乾燥工程と、この乾燥工程で乾燥された被処理物を熱処理する第1の熱処理工程と、この第1の熱処理工程で熱処理された被処理物を前記第1の熱処理温度を超える温度で熱処理する第2の熱処理工程と、この第2の熱処理工程で熱処理された被処理物を前記第2の熱処理温度を超える温度で熱処理する第3の熱処理工程と、を含む少なくとも4工程に分けて行い、
    前記脱水が、前記被処理物の水分率が30〜60%となるように行われ、
    この脱水後の被処理物を、粒子径50mm以上の割合が30〜70%の状態となるよう解し、この解した被処理物を前記乾燥工程に供給し、
    前記乾燥工程において粒子径50mm以上の粒子が存在せずかつ平均粒子径が1〜7mmである被処理物を得て、この被処理物を前記第1の熱処理工程に供給する
    ことを特徴とする再生粒子の製造方法。
  2. 前記第1の熱処理を被処理物の温度が240〜350℃となるように行い、
    前記第2の熱処理を被処理物の温度が360〜400℃となるように行い、
    前記第3の熱処理を被処理物の温度が550〜780℃となるように行う、
    請求項1記載の再生粒子の製造方法。
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