JP6172260B2 - イオントラップ分析計及びイオントラップ質量分析方法 - Google Patents

イオントラップ分析計及びイオントラップ質量分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、イオントラップを用いてイオンを質量分析する技術に関し、特に補助励起電場で最適化されたイオントラップ分析計に関する。
現代の質量スペクトル技術の重要な部分として、Paulが1953年に三次元四重極イオントラップ技術を発明した後、イオントラップ及び関連する質量スペクトル技術は、長時間に大量の検出しようとするイオンを捕捉して、短時間内に追放して集中効果を発生するという特性により、微量物質の定性的および定量的検出、断片解離スペクトルに基づく物質構造情報の検出、及び他の高解像度パルス式イオン質量分析計としてのイオン流調整装置などに広く応用される。イオントラップ装置自身の発展の歴史について、そのうちの最も重要な発明として、ダイポール共鳴補助励起モードの導入は、イオントラップ質量分析計の質量分解性能の向上に対して決定的役割を果たす。該方法は、もとのイオントラップ捕捉電場にダイポール電場成分を重ね合わせることによりイオン出射の際の指向性を向上させ、更にイオン固有移動周波数における全体移動周波数、即ち持続移動周波数と励起電場周波数の共鳴により、質量の不安定性スキャン過程において短時間内に目標イオンの運動幅を急速に増加し、出射遅延及びそれによる中性分子とのランダム衝突を減少し、従来の高周波のみで電場内イオンの安定条件を捕捉する境界追放モードに対して、同時に大幅にイオンの追放効率と質量分解能を向上させる。該方法は既に現在のイオントラップ類商用分析装置に必要な基礎技術になる。
ダイポール共鳴励起モードが正式に商業化計装用途に導入されることは1980年代末から始まり、図1aに示すように、1988年、Finnigan会社のSykaなどは米国の特許において1つの環状電極101と一対のエンドキャップ電極102,103を含む三次元回転イオントラップに対して、環状電極101に高周波電圧V104を加えて径方向Rと軸方向Zという2つの次元にイオンを捕捉する四重極場を発生することができ、更に2つのエンドキャップの間にダイポール交流電圧V105を加えてイオンを励起するとともに、イオンを選択的に排出し、質量スキャンの目的を達成することを提案する。該電圧は、イオンを該交流電圧の印加方向、即ちZ方向にその運動幅を励起する手段として、イオントラップ内の中性の他の分子と衝突して断片化を発生してその断片イオンを取得してもよい。その前に、ダイポール励起モードは、既にイオントラップの分析可能な質量電荷比の範囲を拡張するためのものとして提案されている。ダイポール励起モードで、イオンの出射の際の要求するbeta値、即ちその持続移動周波数の両倍と捕捉高周波電圧の周波数との比は1よりも小さくしてもよいので、同じ質量電荷比のイオンは該モードでイオントラップを追放する際のいわゆるqパラメータも小さい。電圧スキャンモードで、小さいqパラメータの対応のイオン捕捉電圧も小さいので、同様の高周波振幅のスキャンパラメータで、より大きい質量電荷比スキャン範囲を取得することができる。
三次元イオントラップの貯蔵容量に対する改良として、更に二次元リニアイオントラップを提案し、このようなイオントラップ構造はまだ高周波電圧を捕捉電圧とし、図1bに示すように、それはXとY方向の両対の主電極11,12を有し、その上に高周波電源14により互いに逆相である駆動高周波電圧14.1,14.2を印加し、径方向の捕捉電場を形成する。イオンは常にZ軸に沿って一端から導入されて、該電場でXとY軸の両対の電極の間の線形領域に閉じ込められる。イオンの軸方向の捕捉は、高電位を印加する端子電極構造、又は該主電極を軸方向に沿って複数のセクションに分割し、セクションの間に直流捕捉バイアス電圧を印加することにより実現する。二次元リニアイオントラップのダイポール共鳴励起モードは、常にイオントラップのX方向に更にダイポール励起電圧を重ね合わせることにより実現し、該電圧は、一般的にその発生電源15が結合変圧器13によりX方向側の主電極11.1全体に重ね合わせられ、他側の主電極11.2に主電極11.1と逆相のダイポール励起電圧を重ね合わせ、このようにイオンはその質量に応じて選択的に共鳴励起されることができ、更にX方向の電極におけるスリット13から出射され、X方向の電極側に取り付けられたイオン検出器で検出され、質量スキャンを実現する。
共鳴ダイポール励起モードは四重極高周波イオントラップに適用するだけでなく、静電場を用いてイオンを捕捉する四重極イオントラップ、例えば四重極静電場と静磁界を用いて共にイオンを捕捉するペニングイオントラップ、及び最近に商業化されて、四重極対数場を用いてイオンを捕捉するレールイオントラップにも適用する。これらの異なるイオントラップの共通の特徴は、イオンの励起又は追放方向Xには、イオンが受けた該方向捕捉電位成分関数V(x)=Ax2、即ち該方向に四重極場、又は調和ポテンシャル井戸関数と称し、イオンが該方向で運動する持続周波数は共鳴振幅と関係がない。このため、該方向に周波数が特定なイオントラップ持続周波数と一致する励起交流電場を付加することにより、イオンが運動幅の共鳴励起過程を発生するようにする。
各種の四重極イオントラップのイオン出射過程について、穴の付近の辺縁場を引き出すことがイオン出射の時間同一性に悪影響を及ばす。常に、このような影響は負高次場で表すことができる。即ちトラップ内空間擬ポテンシャルの調和関数級数展開がΣAnRe(x+yi)nで表される場合、n値が高い際(例えばn>5)のAn項は負値であり、xはイオン追放方向であり、yは該追放方向の直交方向である。該展開式において、A2項は四重極場成分であり、An項は2n極場成分である。理想的な四重極イオントラップについて、追放方向での調和関数展開はA2項のみを含み、このため、該方向イオン捕捉電位場V(x)は本質に四重極電場V(x)=A2x2である。排出口の存在がイオン排出方向での高周波捕捉電極の構造欠落と見なすことができるので、イオン追放方向にイオンは負高次場によるイオン運動への影響を受けて、同種の質量電荷比のイオンの出射同時性の損害を引き起こす。このような損害の最も重要な原因は、イオンの振幅が大きくなる際、負高次場の存在によりイオンが受けた回復力を調和ポテンシャル井戸よりも低くして、その共鳴周波数が赤方偏移を発生し、イオンの運動が共鳴離調を発生する。
数年来、主に不断に捕捉電場の電場形状を改善することによりイオントラップの作動性能を改良する。このような捕捉電場の電場形状を改変する最も直接的な方法はイオントラップ閉じ込め電極の境界構造を補正することであり、これらの方法は追放方向の閉じ込め電極をイオン出口に相対的に突出させるもので、例えば河藤は米国6087658号特許に提案した技術案、及び追放方向の閉じ込め電極の間隔をその理想的な四重極境界条件に対して外へ間隔を伸張する方法。
捕捉電場の改良は、従来の閉じ込め電極を複数の個別電極部分に切り替え、更にこれらの電極部分に異なる振幅の捕捉電圧を付加することにより実現してもよい。三次元イオントラップについて、米国5468958号特許において、発明者は複数の環状電極構造を設計し、図2aに示すように、複数の環状電極に異なる割合の高周波捕捉電圧を印加し、分圧コンデンサネットワークによって高周波電圧の割合を調整し、実験過程において、必要に応じて電場形状を最適化することができる。類似的に、リニアイオントラップについて、中国特許CN1585081において、丁伝凡はプリント回路基板で囲まれたリニアイオントラップを設計し、該構造は、図2bに示すように、複数の個別の調整可能な電極ストリップパターンを備え、分圧コンデンサ-抵抗ネットワークを採用してこれらの電極パターンの間の捕捉高周波電圧と捕捉直流電圧を調整する。類似な方法、例えば李剛強などの米国特許US7755040に示すように、図2cに示す軸方向四重極場静電イオントラップを構築してもよい。
なお、補正電極を付加することにより捕捉電場に対する調整を実現してもよく、例えば米国7279681号特許には1つの補正電極がエンドキャップ電極に嵌め合われ、補正電極における電圧振幅を調整することにより追放穴の付近の小さな範囲に電場形状を最適化することが提案されている。類似的に米国6608303号特許には排出口に付加した補正電極の高周波電圧位相を変更して、排出穴の付近の電場欠陥を最適化することが提案されている。
しかしながら、以上の全ての電場補正技術において、すべて電圧を精確に制御可能な捕捉高圧電源により調整する必要がある。このような高圧電源は一般的に言う高周波(RF)共振電源であってもよいし、デジタルイオントラップが採用する高周波スイッチング電源であってもよいし、又は、静電イオントラップに対して、更に直流電源であってもよい。いずれの場合にも、付加した高圧電源が計器の複雑性を増加する。特にこれらの高圧電源が個別に調整することを希望すると、その回路がいずれもより複雑になる。
上記従来の技術と異なり、本発明は、励起電圧で形成された励起電場に対して電場形状補正を行い、その主な方法は、交流励起電圧の付加範囲を制限することにより、交流励起電圧を排出口方向の閉じ込め電極の排出口の付近部分に主に付加することを目的とする。該方向の他の電極部分に対して、該交流励起電圧と同位相の共鳴励起電圧信号を付加しないため、この励起電圧の振幅はイオン排出口の付近に急速に増強し、イオンの運動幅が既に十分に大きくなるイオンはイオントラップの排出口に近接する際、直接に加速して共鳴出射し、排出口の付近の負高次場の共鳴離調による運動幅の低減によりランダムな出射遅延を発生することがないので、本発明技術を用いるイオントラップ質量分析計の質量分解性能を向上させる。
従来の技術に対して、本発明の利点は、励起電圧に必要な電圧振幅は一般的に低く(一般的に50ボルトよりも低く、常に10ボルトよりも低い)、数千ボルトの捕捉高周波電圧に対して、その振幅調整は直接に中高速デジタルアナログコンバータにより発生することができ、更に中速演算増幅器集積回路とボルテージフォロワ回路の増幅により実現する。高圧捕捉電圧の調整と比べて、高圧増幅回路及び各種の部材が高圧の下で非線形による電圧調整全体の回路及びデバッギングの複雑性を減少し、エネルギー消費から相対的に有利であることである。
本発明のイオントラップ分析計は複数の閉じ込め電極と、イオントラップとして使用される前記複数の閉じ込め電極によって取り囲まれたイオン捕捉空間を備え、前記複数の閉じ込め電極のうちの少なくとも1つの閉じ込め電極に捕捉電圧を印加して、前記イオントラップに捕捉電場を発生し、前記イオン捕捉空間の境界に少なくとも1つのイオン排出口が設置され、前記イオン排出口はイオン排出方向を決定し、前記イオン排出口と同じ側にある閉じ込め電極は前記イオン排出方向に対して垂直な方向に位置する複数の電極部分に分割され、前記捕捉電場を発生する時間中における少なくとも一部の時間帯内に、前記複数の電極部分に同位相の交流捕捉電圧、もしくは直流捕捉電圧を重ね合わせることで、前記イオン排出方向に基本的に二次性である捕捉電場を形成し、前記複数の電極部分の中で、前記イオン排出口に最も近い第1電極部分に振幅が前記捕捉電圧の絶対値の最大値よりも小さいか又は等しい交流電圧信号を重ね合わせて、共鳴励起によりイオンの運動範囲が選択され、前記複数の電極部分のうちの前記第1電極部分以外の第2電極部分に前記交流電圧信号と同位相の電圧信号を印加しない。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、前記第1電極部分に前記交流捕捉電圧を重ね合わせ、前記第2電極部分に前記交流捕捉電圧と同位相の捕捉電圧を重ね合わせる。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、前記イオン排出口方向における前記複数の電極部分において、前記第2電極部分における少なくとも1つの電極に前記交流電圧信号と逆相となる交流電圧信号を重ね合わせる。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、更に、電源を有し、前記電源は、前記第1電極部分の基本的に対向する方向に、且つ前記イオン排出口の反対側に位置するもう1つの閉じ込め電極に前記交流電圧信号と逆相の交流電圧信号を印加して、前記イオン排出口の正方向および逆方向にダイポール交流励起電場を発生する。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、更に電源を有し、前記電源は前記第1電極部分に基本的に対向する方向に、且つ前記イオン排出口の反対側に位置するもう1つの閉じ込め電極に前記交流電圧信号と同位相の交流電圧信号を印加して、前記イオン排出口の正方向と逆方向に四重極交流励起電場を発生する。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、前記イオントラップ分析計は前記捕捉電場が二次元四重極捕捉電場であるリニアイオントラップである。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、前記イオン排出口は、前記二次元四重極捕捉電場に垂直する軸線方向での排出溝を備える。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、前記イオン排出口は、前記二次元四重極捕捉電場の軸線方向の少なくとも一方にイオン排出スロットを備える。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、前記イオントラップ分析計は、前記捕捉電場が一次元二次捕捉電場である静電イオントラップである。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、前記イオントラップ分析計は、前記捕捉電場が回転四重極電場である三次元イオントラップである。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、更に共通電源ユニットを備え、前記共通電源ユニットは前記イオン排出口方向での前記第1電極部分と前記第2電極部分に共通電圧信号を印加する。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、前記共通電源ユニットは電圧減衰器を更に備え、前記電圧減衰器は前記第2電極部分に印加する前記共通電圧信号を直流基準レベルに対して減衰する。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、前記捕捉電圧は1Hz〜100MHzのデジタル電圧である。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、前記交流電圧信号は、非単一周波数の個々に分離した電圧信号又は連続的な周波数の電圧信号の組み合わせ電圧信号である。
更に、本発明のイオントラップ分析計について、前記イオン排出口に挿入された電場を維持又は調整するための電極を更に備え、前記電場維持調整電極は前記イオン排出方向に位置するが、前記捕捉空間の境界内、つまり、前記複数の電極部分には位置せず、前記電場維持調整電極のみに前記交流電圧信号を印加する。
本発明のイオントラップ質量分析方法は、前記イオントラップ内に発生したイオン又はイオントラップの外から注入したイオンを前記イオントラップ内に捕捉するイオンを捕捉するステップと、前記イオントラップ内の電場をイオン排出方向で基本的に二次性である捕捉電場に維持又は調整する前記イオントラップ内の電場を維持又は調整するステップと、イオン排出口に最も近い第1電極部分に交流電圧信号を印加し、また、イオンを共鳴励起させ、イオンの運動範囲を選択するため、前記イオン排出口の方向で交流励起電場を発生させるが、前記イオン排出口に最も近い電極部分以外の第2電極部分には前記交流電圧信号と同位相の交流電圧信号を印加しない交流電圧信号を印加するステップと、前記捕捉電場の1つの強度又は前記捕捉電場と前記交流励起電場の強度又は周波数をスキャンして、捕捉されたイオンが全体的に移動する周波数、即ち前記イオン排出口方向にイオンの持続的運動周波数を変化させ、前記持続的運動周波数をイオンの質量電荷比の大きさに従って順次に前記イオン排出口方向における前記交流励起電場の周波数と一致させて、質量スペクトル信号を取得するイオン運動の周波数を調整するステップと、を含む。
更に、本発明のイオントラップ質量スペクトル分析方法について、前記第2電極部分における少なくとも1つの電極に前記交流電圧信号と逆相の交流電圧信号を印加する。
本発明のイオン開裂方法は、イオントラップ内に発生したイオン又は前記イオントラップ外から注入されたイオンを前記イオントラップ内に捕捉するイオンを捕捉するステップと、前記イオントラップ内の電場を前記イオン排出方向で基本的に二次性である捕捉電場に維持又は調整する前記イオントラップ内の電場を維持又は調整するステップと、イオン排出口に最も近い第1電極部分に交流電圧信号を印加し、イオンを共鳴振動させ、イオンの運動範囲を選択するため、前記イオン排出口の方向に交流励起電場を発生し、前記イオン排出口に最も近い電極部分以外の第2電極部分に、位相が前記交流電圧信号の位相と異なり、且つ振幅が前記交流電圧信号よりも大きい交流電圧信号を印加する交流電圧信号を印加するステップと、前記捕捉電場と交流励起電場の強度と周波数を制御することにより、一定の質量電荷比範囲内にあるイオンの前記イオン排出口方向での運動成分の周波数を該方向での前記交流励起電場の複数の周波数のうちの少なくとも1つの周波数と一致させて、前記イオンが前記イオントラップに導入する気体分子と衝突し、それにより、開裂を行う開裂ステップと、を含む。
本発明によれば、同位相の交流電圧の付加領域範囲を制限することにより、該交流電圧信号による共鳴励起交流電場の配向性を増強する。
ここで、常に前記排出口に最も近い電極部分に、イオン運動範囲を共鳴励起するための、振幅が前記捕捉電圧の絶対値の最大値の10%よりも小さいか又は等しい交流電圧信号を重ね合わせる。
ここで、排出口電極の両側電極を導電体構造で、トラップ外の、イオン出射を遮断しない位置に接続すると、実際には1つの電極である。
本発明によれば、該閉じ込め電極群の排出口部分以外の他の少なくとも一部の電極に前記の排出口電極部分に重ね合わせられた共鳴励起交流電圧信号と逆相の交流電圧信号を付加することにより、更に該交流電圧信号による共鳴励起交流電場の配向性を増強することに用いられる。
本発明において、「排出口方向の閉じ込め電極」の範囲とは、イオンの排出方向に向かって、少なくとも一部がトラップにおけるイオン捕捉領域を中心とし、前記排出口の出射線両側への正負30度範囲内にあり、グランド電位を含む捕捉電圧を付加する実体電極であり、「排出口電極部分」とは、「排出口方向の閉じ込め電極」の各部分において、排出口の中央に最も近接する個別電極部分を指し、前記排出口の部分以外の「他の電極」とは、「排出口方向の閉じ込め電極」における「排出口電極部分」以外の他の部分を指し、「反対方向」とは、関する特定な実体に対して、前記イオントラップ装置の近似幾何中心又は中軸線を通過する逆相延長線方向を指す。「基本的に反対する方向」とは、「反対方向」に対して偏差が10度未満の角度範囲を指す。
本発明によれば、該イオントラップ分析計はデジタルイオントラップモードで駆動されて、捕捉電圧は周波数が1Hz〜100MHzの間にあるデジタル電圧であってよい、ことによって、非常に広い捕捉イオン質量電荷比の作動範囲を取得する。
本発明によれば、排出口の電極領域の付近に付加した交流励起電圧は非単一周波数の離散又は連続的な周波数の組み合わせ信号であってよく、同時に複数の異なる質量電荷比のイオンを励起又は追放し、又は1つの質量電荷比範囲内のイオンを全て励起又は追放することに用いられる。この上に該範囲内の幾つかの特定な質量電荷比のイオンを保留し、他のイオンを追放してもよい。
更に、本発明の技術案は更に背景技術に既知の捕捉電場を調整する従来の技術と組み合わせて、例えば前記排出口方向の閉じ込め電極の少なくとも一部を排出方向に垂直する少なくとも1つの方向で複数の部分に分けられてよい。各部分の間に異なる振幅の直流と高周波捕捉電圧を付加して、多重にイオンを捕捉することを実現するとともにより複雑なイオン分析過程を実現することに用いられる。
更に、本発明の技術案は特別な設計を更に含み、該設計には、該イオントラップのイオン排出方向が所在する直線に位置するとともに、イオントラップの排出口に位置する、閉じ込め電極構造の構成部分としての場調整電極を備え、前記交流励起電圧はただ該場調整電極部分のみに付加されて、他の閉じ込め電極構造に付加されない。このような設計は閉じ込め電極システム部分の駆動回路を簡素化することができる。
本発明によれば、共鳴励起過程を用いて目標分析イオンを断片化する際、目標イオンをイオントラップから流出し難くなるようにさせ、始終に大きい振幅を保持する。
本発明の該イオン断片化方法において、成功の鍵は、主に排出口閉じ込め電極部分以外の他の電極部分に、排出口閉じ込め電極部分に付加した励起電圧の位相と異なってより大きい振幅の補助励起電圧を付加して、元の排出口励起電圧を切り替えて、主励起電圧信号としてイオンを励起することである。このため、目標イオン群の運動モードには排出口が所在する平面又は軸の付近に沿って運動するイオンは少なくなり、それにより、イオンが排出口から逸脱することによる損失を減少し、解離過程の全体的効率を向上させる。
以下、図面を参照しながら、本発明の各特徴を実現する全体的な構造を記述する。提供された図面及び関連する記述は本発明の実施例を説明することに用いられるが、本発明に限定されたものではない。
図1aは従来の技術における三次元イオントラップにおいて通常の共鳴励起モードを実現する原理構造図を示す。 図1bは従来の技術における二次元リニアイオントラップにおいて通常の共鳴励起モードを実現する原理構造図を示す。 図2aは従来の技術における多環三次元四重極イオントラップにおいて閉じ込め電極を複数の電極に分割し、異なる捕捉電圧を配分する方法を採用する構造図を示す。 図2bは従来の技術における平面プリント回路に基づく二次元リニアイオントラップにおいて閉じ込め電極を複数の電極に分割し、異なる捕捉電圧を配分する方法を採用する構造図を示す。 図2cは従来の技術における準二次電場静電イオントラップにおいて閉じ込め電極を複数の電極に分割し、異なる捕捉電圧を配分する方法を採用する構造図を示す。 図3は本発明の実施例において排出口部分電極のみに交流励起電圧を付加する方法を採用するイオントラップの回路構造図を示す。 図4は本発明の実施例において排出口部分電極に交流励起電圧付加し、該方向に同位相の捕捉交流電圧を印加する捕捉電極群の他の電極に該交流励起信号と逆相の電圧信号を付加する方法を採用するイオントラップの回路構造図を示す。 図5は従来の技術に従来の励起電圧印加方法を採用する場合、及び本発明の実施例に図3、図4に示す部分電極に励起電圧を印加する方法を採用する場合の、イオン追放率及び質量分解の差異を示す。 図6は本発明の実施例のリニアイオントラップの軸方向閉じ込め電極出口部分及び側辺電極に異なる位相励起電圧信号を印加する方法を採用する質量分析計装置の回路構造図を示す。 図7は本発明のもう1つの実施例の準二次場静電イオントラップにおける電極出口の異なる部分に異なる位相励起電圧信号を印加する方法を採用する質量分析計装置の回路構造図を示す。 図8は本発明のもう1つの実施例の回転三次元高周波イオントラップにおけるエンドキャップ電極の異なる部分に異なる位相励起電圧信号を印加する方法を採用する質量分析計装置の方法、及び排出口方向閉じ込め電極の各部分電極に公共電源及び交流グランドレベルに対する電圧減衰器により、同時に捕捉電圧と励起電圧を設定する調整方法の回路構成例を示す。 図9aは本発明のもう1つの実施例の平面多環イオントラップにおいて、前記排出口方向閉じ込め電極の少なくとも一部を排出方向に垂直する少なくとも1つの方向で複数の部分に分けられ、各部分の間に異なる振幅の直流と高周波捕捉電圧を付加することができ、同時に出口の付近部分の閉じ込め電極と他の閉じ込め電極に近隣する部分に逆位相励起電圧を印加する方法を採用する回路構造図を示す。 図9bは本発明のもう1つの実施例の多段の二次元リニアイオントラップにおいて、前記排出口方向閉じ込め電極の少なくとも一部を排出方向に垂直する少なくとも1つの方向で複数の部分に分けられ、各部分の間に異なる振幅の直流と高周波捕捉電圧を付加することができ、同時に出口の付近部分の閉じ込め電極と他の閉じ込め電極に近隣する部分に逆位相励起電圧を印加する方法を採用する回路構造図を示す。 図10は本発明の実施例のデジタルイオントラップの矩形スイッチ電圧で駆動する方法を採用して、励起電圧のみをイオン排出方向で確立された、イオントラップ開口に最も近い場調整電極のみに付加することを実現する回路構成例を示す。 図11は本発明の実施例に公共電源及び直流基準レベルに対する電圧減衰器を採用して、各閉じ込め電極捕捉電圧及び励起電圧を設定し、同時に閉じ込め電極の排出口以外の他の部分に付加した逆相励起電圧を用いて、イオンの励起解離過程における逸脱損失を減少する回路原理図を示す。
以下、図面を合わせて本発明の実施形態を詳しく説明し、同じ部分に同じ番号を標記し、重複説明を省略する。
更に本発明を説明する前に、本発明に関する従来の技術、即ち閉じ込め電極を複数の電極に分割し、異なる捕捉電圧を配分して形成したイオントラップを簡単に記述する。
従来、常に1つのセットの閉じ込め電極で1つの囲まれた空間を定義して1つのイオントラップ捕捉空間を記述するが、これらの閉じ込め電極は、幾つかの図1aに示すような回転対称な環状電極101とエンドキャップ電極102,103であってよいし、図1bに示すような複数の軸方向に沿って延長する柱面電極対、例えば11,12などであってもよい。図1aに示す三次元イオントラップに対して、軸は、これらの回転対称な電極の回転軸106であり、図1bに示す二次元リニアイオントラップに対して、いわゆる「柱面」とは、該イオン光学構造の中軸定直線(ここで、Z軸線と定義する)に平行するとともに、1つの準線に沿って移動する直線で形成された曲面であり、上記構造の電極システム内に一定の時間内に一定の質量電荷比のイオンが必要とする制限条件を満たす電場を形成すれば、本発明に検討するイオントラップ電極の幾何構造の1つに属することができる。
イオントラップはイオン貯蔵装置のみとする場合、上記少なくとも一部の閉じ込め電極に直流捕捉電圧と交流捕捉電圧を含む多種の形式の捕捉電圧を印加することによりイオンを貯蔵することができ、常に、この際、イオントラップに印加する捕捉電圧は常に直流レベル又は単一周波数の交流電圧のみであり、イオントラップに更に他の周波数の交流電圧を重ね合わせてイオンを捕捉する必要がない。しかし、イオントラップを質量分析計として作動する際、常にイオンを上記捕捉電極構造からその質量電荷比に従って順次に排出して質量スペクトルを取得する必要がある。このため、もとの完全な捕捉電極表面に複数の排出口を開口する必要がある。以前の発明において、1つの完全な閉じ込め電極構造を複数の個別の電極構造の組み合わせで代替することを開示する。例えば、図2aに示す多環三次元四重極イオントラップ構造、及び図2bに示す平面プリント回路に基づく二次元リニアイオントラップ構造がある。これらのイオン捕捉構造も高周波貯蔵部材に限定されたものではない。例えば、図2cは、どのように分圧抵抗ネットワーク213によりZ軸に沿う二次静電ポテンシャル井戸を含む静電イオントラップ構造を実現するかを示す。イオンをこれらのイオントラップ装置に導入することは各種の異なる捕捉の技術案を採用してよいが、四重極場でイオンを貯蔵することに限定されない。しかし、これらの装置は質量分析計とする際、イオンを捕捉する過程中の少なくとも1つの時間帯内に更に少なくとも一部のイオントラップ閉じ込め電極にイオン運動幅を変化させる励起又は選別電圧を印加し、捕捉されたイオンはこの時間帯内にその質量電荷比によって異なる捕捉安定性を出現する必要がある。特に共鳴励起モードの場合、常に貯蔵電場の静ポテンシャル井戸又は擬ポテンシャルトラップがある追放方向で基本的な二次場分布を呈するようにしなければならない、即ち追放方向、例えばX方向での電位は基本的に二次場分布V(x)=Ax2+o(xn)を満たし、そのうち、o(xn)は残余の高次場成分であり、常にその割合が総場の電位貢献の20%よりも小さく、且つ、この方向に、選定した質量電荷比イオンの移動周波数と同じ又は整数比倍で、分周関係である交流励起電圧及びその誘導電場を重ね合わせることにより、イオンを励起する。そうでなければ、共鳴励起過程には、イオンの振動ポテンシャル井戸は大幅に調和ポテンシャル井戸からずれて振幅周波数共鳴条件を満たし難く、同一の質量電荷比のイオン出射の遅延を引き起こし、それにより、該モードの質量分解に影響する。これらの作動時間帯の目的によって、常にこれらの質量スペクトル機能を有する作動時間帯を共鳴スキャン出射段階、質量選択隔離段階又はイオン励起、解離段階などと称する。通常、励起電圧は大幅にイオンの捕捉特性を変更すべきではないので、その振幅は通常比較的低い。一般的な場合には、イオントラップの閉じ込め電極に重ね合わせられた、共鳴励起信号としての交流電圧は、通常、その電圧振幅極値の絶対値がトラップに印加する捕捉電圧極値の絶対値の10%よりも小さい。
従来の技術において、単一電極であろうと、組み合わせ電極構造であろうと、共鳴励起に必要な交流電圧は、同位相の形式で、イオン追放と同側方向での同一周波数且つ同位相の交流捕捉電圧又は直流捕捉電圧が印加された閉じ込め電極群の全ての構成部分に付加される。例えば、図2aに示す従来の技術には、各個別電極に必要な捕捉電圧源204は高周波コンデンサネットワーク211により各個別閉じ込め電極群の図2aに示すエンドキャップ電極群202,203などに付加され、このような場合に、励起電圧205は結合変圧器215により正負という2つの相に分けられた後、同一の分圧ネットワーク211により伝達されたものであるので、励起電圧205が同相で排出口付近の閉じ込め電極部分、例えば(202.1,203.1)、及び該方向閉じ込め電極群の他の部分、例えば(202.2,203.2)に結合されることを避けることができない。リニアイオントラップの場合について、図2bに示すように、イオン追放方向閉じ込め電極群214を例として、逆相捕捉高周波源は204.1,204.2に対して抵抗容量ネットワーク212により該閉じ込め電極の各部分例えば214.1,214.2などを付加し、同様に、励起電圧205も変圧器215を通過した後、同一の分圧ネットワーク212により伝達されたものであるので、励起電圧205が同相で排出口付近の閉じ込め電極部分例えば214.1、及び該方向閉じ込め電極群の他の部分例えば214.2に結合されることを避けることができない。
同様に、図2cに示す二次軸方向場静電イオントラップについて、その捕捉電圧源204.1,204.2のいずれも分圧抵抗ネットワーク213により各円環状電極に配分され、円環の内外円筒バイアス電位は電圧源204.3で提供される。円環状電極群の間の電位分布は下の図面に示す二次曲線217を満たす際、外部イオン源216からトラップ内に注入されたイオンは貯蔵されることができる。初回にイオンを注入する際の運動エネルギーの消耗問題について、該トラップの基礎バイアス電位曲線218を変動することにより実現することができる。トラップ内に捕捉されたイオンを共鳴出射する必要がある際、二相差動オペアンプ回路219により円環状電極群配列の左右両側にそれぞれ励起電圧205の一組の位相が互いに反対する増幅交流励起信号を付加し、イオンを二重円筒構造の両端から出射する。これらの公共電圧は最終にコンデンサにより交流ノード、例えば220に接続され、二重円筒電極構造における各側出口付近の全て円環状電極群のいずれも同位相の励起電圧が付加されるようになる。
本発明が提出する装置及び技術案は上記のこれらの捕捉電圧配分関係とイオン共鳴励起に用いられる励起電圧配分関係をアンロックし、このようなイオントラップの質量分析性能を更に改善する目的を達成する。
第1実施例
本発明は、先に、二次元リニアイオントラップ構造により、どのように閉じ込め電極排出口が所在する部分のみに交流電圧を付加することによりイオン運動幅の共鳴励起過程を実現するとともに、該交流電圧信号による共鳴励起交流電場の配向性を増強することを説明する。
本発明の第1実施例の技術案は、図3に示すリニアイオントラップの断面図での駆動回路接続図に示すように、従来の技術案に類似するように、該設計案において、イオントラップ側向排出口200に位置する制限電極214は、イオン出射方向の垂直方向に沿ってイオン排出口に位置する中間サブ電極214.1及び該中間サブ電極の両側に位置する電極214.2に分けられる。これらの閉じ込め電極のいずれも同一の高周波電圧源204により同位相の捕捉高周波電圧が付加される。しかし、図2aに示す従来の技術と異なり、該技術案において、交流励起電圧源205、及び結合変圧器215により発生した交流励起を付加した捕捉電圧は、閉じ込め電極群214に印加される際、中間サブ電極214.1のみに該励起電圧信号を付加する。電極群214.2での捕捉電圧信号は直接に結合変圧器215の前に由来し、高周波電圧源204.1からバンドパスコンデンサ-抵抗結合回路212で直接に提供されたものであり、励起電圧源205からの交流励起電圧信号を含まない。
このように、イオンが共鳴励起過程中に排出口200の付近に運動する際、本来、該部分の捕捉電場欠陥による高次電場効果により、引き起こした捕捉されたイオンの出射方向と非出射方向の運動結合は、従来の技術案において両側辺電極214.2に付加された交流励起信号により共鳴励起されて、振幅の増加に従って次第に増強することがない。このように、上記のイオン運動結合効果により、引き起こしたイオンが次第に排出追放主方向が所在する平面から偏移する運動傾向は、従来の技術案に対して効果的に弱くなり、それにより、より多い分析すべきイオンを順調に排出口200からイオントラップ質量分析計に排出して検出することができ、質量スペクトル計器の検出極限性能を向上させる。
該技術案に対する1つの改良として、図4に示すように、励起電圧源205からの交流励起電圧信号が付加されない直接捕捉高周波電圧源204.1の出力信号を両側辺捕捉電極214.2に付加しなくて、励起電圧の結合変圧器215の逆相端から出力した交流電圧源205が直接出力した逆相交流電圧を付加した捕捉電圧信号を、側辺捕捉電極214.2に付加し、このように、排出口部の捕捉電場欠陥による高次電場効果により発生した出射方向と非出射方向の運動結合で引き起こしたイオンが排出追放の主方向が所在する平面から偏移する運動傾向は、両側辺電極214.2に付加した逆相交流励起信号の共鳴励起により更に弱くなり、励起電圧源205は最終にトラップ内に励起した交流電場の配向性を更に増強し、それにより、質量スペクトル計器の検出性能をより良く向上させる。
なお、模式図において、イオン排出口に最も近い中間サブ電極214.1構造はイオン排出口の両側の2つの個別電極構造からなるが、実際に製造する際、常に排出口電極の両側の電極体を導電体構造で両端又はトラップ外などのイオン出射を遮断しない位置に一体に接続して、実際には1つの完全な電極になる。同様に、両側の辺電極214.2もこの方法で完全な電極で実現することができる。
同時に、本技術案において採用した、励起電圧がイオントラップ内における付加範囲を制限して、交流励起電場の配向性を向上させる手段は、またイオントラップ質量分析計の分解能を向上させることに用いることができ、図5(a)-(c)には、従来の技術に応用されたダイポール励起技術案と本発明における図3、図4に示す2種の励起技術案の直線イオントラップ分解能の比較を表示する。該実施例において、該質量分析計をX,Y(図面に示す)という2つの垂直方向のいずれでも同じ条件で出射可能なイオン流質量セレクターとすることを可能にするために、該イオントラップは、通常質量分解を向上させるために行った単一方向の電極対距離の伸張をしなく、対称設計によっては、該イオントラップの内部ポテンシャル分解の高次場の展開ΣAnRe(x+yi)nのうち、四重極場成分A2は98%であり、残りの28極場以下の多極場成分重みはいずれも<0.5%である。該イオントラップ場の半径は5mmであり、高い作動気圧9x10-2Paの下で、図5の左に示す従来の励起電圧の配置方案を採用する場合、排出口部のn>14の極高次負多極場成分作用により、イオンがこの位置に運動する際、共鳴離調により運動幅が再び小さくなる現象を引き起こすことがある。このように一部のイオンの遅延出射を引き起こし、質量スペクトルピークに分解能の損失及びテーリング現象を出現する。図面に示すように、質量数503Thのイオンと502Thのイオンは底部の分離を実現することができないので、503Thイオンに対する選択されたイオンのクロマトグラフ定量において、502Thのイオンは偽信号として503Thイオンの定量を干渉して、結果の偏差を引き起こす可能性がある。
図5bに示すように、本技術案を採用した後、同相励起電圧が中央電極のみに付加されたので、配向性が増加する。イオンが排出口に運動した後、更に排出口に近接する箇所に同相励起電圧の閉じ込め電極を付加したので、トラップの中央にある場合に対して、イオンが受けた励起電場強度は急速に増強し、このため、もともとはこの領域に共鳴離調による遅延出射を発生すべきであるが、励起電圧の局部増強による強制出射により避けるようになり、それにより、質量分解を向上させる。図5cに示すように、更に側辺電極に逆相励起電圧を付加する場合について、このような励起電場強度の局域増強現象は更に向上し、より多くのイオンは離調による遅延出射を避けることができ、それにより、分解能が大幅に向上する。同じ捕捉電圧条件において、質量数の差が更に小さいイオンも基本的な底部分離を実現することができ、この特徴は分解能M/ΔMで表示することができる。分解能の向上から分かるように、本技術案を採用した後、イオントラップ質量スペクトル装置の化学的ノイズに対する遮蔽能力を増強する望みがある。
なお、図5cにおいて、励起電場の対称及び完全性を改善するために、イオントラップの追放口方向に本発明に記載した励起電圧の付加領域を制限する方法を使用することができるだけでなく、更に追放口電極の反対方向に、追放口電極部分と逆相の交流励起電圧を付加してもよく、このようにイオントラップ内の該交流電圧で構成された励起電場は完全なダイポール励起電場を形成する。このため、トラップの中心部分に基本的に調和振動するイオンも、持続的に基本的な励起電場強度を受けて次第に共鳴出射して、出射したイオンは排出口部の高次場領域に進入する前により良く同期することができる。このため、より良い質量分解能を取得することができる。
必ず説明すべきのは、該方法はダイポール励起過程に適用するだけでなく、四重極励起過程に適用してもよく、イオントラップ内に四重極励起電場を発生する方法は、追放方向が所在する一対の対向の電極の間に同位相の交流励起電圧を付加し、このように、追放方向の垂直方向には、トラップ中心瞬時電圧に対する逆相交流励起電圧成分を発生し、それにより、組み合わせて四重極励起電場を形成することである。四重極励起電場は二次性を有するので、その基本的な特性は、イオントラップ中心から離れるほど、イオンが受ける四重極励起作用が強くなり、このため、四重極励起過程そのものを使用しさえすればイオンを出射する際に排出口の付近に強制出射を引き起こすことができる。本方法は、同相四重極励起電圧の付加領域を出射口の付近に制限することができ、更にこのような高振幅イオンに対する励起効果を増強することもできる。それにより、同様に四重極励起質量選択性でイオンを追放する分解性能を向上させる。
なお、注意に値することは、本発明に励起電場配向性を向上させる方法は、排出口が径方向にある径方向共鳴励起でのイオン追放方式以外、リニアイオントラップの他の作動モード、例えば図6に示す軸方向質量選択追放過程に拡張してもよい。通常、軸方向選択追放過程において、高周波電源64は四重極ロッド型に類似するイオントラップ径方向閉じ込め電極対61と62に逆相の高周波電圧64.1と64.2を付加し、イオンがトラップ内の径方向で二次擬ポテンシャル場により捕捉されるようにする。綱状エンドキャップ電極67に交流電圧信号が付加される。エンドキャップ部のロッド端電極の欠陥により、イオンは、辺縁場における軸方向と径方向の電場の交差高次項により軸方向と径方向の運動の結合を発生し、端面に円錐状に類似する擬ポテンシャルトラップ反射面を発生し、イオンは、トラップ内において移動周波数とエンドキャップ電極に付加した励起周波数共鳴により次第に増加する場合、最終に該擬ポテンシャルの等ポテンシャル面の径方向半径が大きい位置から追放される。
しかし、該擬ポテンシャル面の位相特性により、このような軸方向イオンの出射方式に対して、イオンが該過程においてエンドキャップ綱状電極の中央から出射する状況を保証することができない。このような場合には、出射イオンが非常に高い径方向振幅を要求しないので、この際、追放されたイオンは最も効果的に選択して共鳴励起されたイオンではない可能性があり、追放イオンの質量選択性を保証し難いことを引き起こす。同時に、高速スキャンの場合について、質量電荷比が近接するイオンは同一回にエンドキャップの付近に運動する際に近い径方向振幅を有するので、同時に出射する可能性があり、それにより、軸方向出射方式の最大スキャン速度は径方向出射方式よりも低くする。
本方法を採用して逆相の一対の駆動信号を励起交流電源65、結合変圧器63により径方向に分離する二つの部分に付加した後、エンドキャップ捕捉直流電源66の作用により、先に、エンドキャップ部に円錐状の遮断直流ポテンシャル井戸面600を形成し、イオンは励起交流電源の出力周波数と共鳴しない際、該ポテンシャル井戸面600で直接に反発されるので、出射することができなくなり、イオンは励起交流電源の出力周波数と共鳴する際、辺縁場作用の運動幅励起により該ポテンシャル井戸面600内に侵入することができ、低い捕捉ポテンシャル井戸を受けることに相当し、図面における「-」符号領域に示すように、最終に外環の綱状電極67.2から質量選択的に追放されることができる。
前文に記載した低径方向振幅イオンには出現可能なランダム出射過程について、中心逆相励起電圧の駆動方式を採用したので、該直流ポテンシャル井戸領域内に0励起振幅面6001で隔てた2つの相互逆相の励起駆動領域を出現する。イオンが中軸付近に沿って強制振動して追放される際に、その軸方向振幅の増大に従って、逆相の交流励起領域に進入する。このように、イオンの軸方向振幅は逆相励起電場の作用で抑制され、それにより、追放されなくなり、付加的な抑制ポテンシャルを受けることに相当し、図面において「+」符号領域で表示する。その径方向振幅が十分な大きさに達した後しか、付近の同相励起領域のみを有する環状綱状エンドキャップ電極67.2から追放されることができない。このように上記の類似の質量電荷比を有するイオンが軸に沿って追放される状況を避ける。リニアイオントラップの分析性能を向上させる。
第2実施例
以上のように、二次元リニアイオントラップ構造は二次場イオントラップの1つの特別な例であり、他の内部のある方向の二次場ポテンシャル井戸を有し、イオンにトラップ内に周波数が近似的に特定された高調波振動をさせるイオントラップ質量分析装置は、いずれも共鳴励起モードを使用することができ、且つ本方法に記載の同位相交流励起電圧の付加電圧を限定する方法で、交流励起電場の配向特性を向上又は制限する。
例えば図2cに示す静電イオントラップは、分圧抵抗ネットワーク213により軸線に電位線217で示す二次曲線ポテンシャル井戸を形成することができる。源216で発生した、イオントラップに注入されたイオンは該ポテンシャル井戸で捕捉された後、一対の双方向差動駆動信号を出力する増幅器219で、励起電圧V205を両端子電極の接続点220に付加し、トラップ内の軸方向に分布するダイポール励起電場を発生する。
本発明の方法で該励起電圧の分布範囲を制限した後、図7に示すように、同相と逆相の電圧をそれぞれ両端子電極の接続点220と相対的に中部に近接する電極接続点2201に付加することができ、トラップの円筒形貯蔵空間の内部において、接続点220と2201の間の環状電極の被覆部分に逆相の励起電場を形成する。このように静電イオントラップはイオンミラー電流を測定する段階が終わった後、イオンが中央部分に戻る際、該励起電圧V205で再び励起されて高振幅を取得し、それにより、またミラー電流を検出することができる。端部逆相励起領域の存在が、上記実施例における軸方向励起の原理に関する記述と同様に、貯蔵されたイオンは励起して出射されることがなくてもよいので、多回に繰り返してイオンミラー電流を測定することができ、毎回のイオン分析過程における損失を低減することができる。通常、この過程については、使用する励起電圧V205は連続的なブロードバンドの交流励起信号であってよく、広い質量範囲におけるイオンのいずれも対応の共鳴励起周波数を見つけて、その振幅を拡大することができる。
第3実施例
以上に記載の同位相交流励起電圧の電圧付加領域を限定することにより、交流励起電場の配向特性を向上又は制限する分析方法は、従来の三次元イオントラップに適用してもよい。図8に示すように、スイッチ2111によりイオントラップ排出口電極202.1と203.1以外の環状補助電極202.2,203.2に付加した付加励起電圧を、源としての励起電圧V205の出力とは同位相と逆位相の二種の選択で任意に変更することができる。該技術案において、逆相励起電圧を出力する作動方式に対して、コンデンサ分圧ネットワーク211で形成された高周波電圧減衰器により、環状補助電極202.2,203.2に付加した励起電圧V205に交流グランドレベルに対する減衰をさせることもでき、このようにエンドキャップ電圧の両方向で異なる減衰電圧比を付加することにより、逆相励起モードを採用して高効率で質量選択的にイオンを追放する際、主捕捉高周波電場に非対称の正六極高周波場成分を導入することにより、イオンをあるエンドキャップ、例えば202から出射させ、検出器の需要を減少し、質量スペクトル計器全体の構造を簡素化する。
完全なタンデム質量スペクトル分析方式に対して、質量選択共鳴出射過程を除いて、更に共鳴励起により質量範囲におけるイオン振幅を選択する必要があり、選択したイオンに対してトラップ内に環境センター気体と衝突することにより解離し、この過程において、イオンが排出口からイオントラップを離れることを希望しない。だから、質量スペクトル分析方法における複数の過程において、異なる過程には逆相励起方式と従来の共鳴励起方式を交互に使用することができる。イオンの貯蔵、冷却及び励起解離過程に対して、捕捉電圧を減衰することなく、イオントラップ内の中心電場を更に完璧な四重極場に近接させることができ、逆相励起方法を採用して追放励起電場の配向性を向上させることはない。それにより、親イオンと発生可能な子イオンが排出口から離れにくく、イオンの損失を減少する。質量選択イオンを共鳴して励起出射させる過程には、捕捉電圧を減衰することができ、イオントラップ内における中心電場に相対的な正多極場成分、例えば六極場成分A3,八極場成分A4などを導入し、且つ逆相励起方式を採用して追放励起電場の配向性を向上させる。それにより、質量電荷比を測定しようとするイオンを急速で効率的に排出口から離れ、イオンの検出率と得られた質量スペクトルの質量分解能を向上させる。
第4実施例
以上に記載の励起電圧範囲を限定する方法は、1つの連通貯蔵領域のみを有するイオントラップ装置に適用するだけでなく、複数のイオン貯蔵領域を有するイオントラップ質量分析装置に適用してもよい。便利に説明するために、同時に中心と外側にイオン貯蔵領域を有する特別な装置を採用して説明する。これらの技術案の共通特徴は、排出口方向の閉じ込め電極の少なくとも一部を排出方向に垂直する少なくとも1つの方向で複数の部分に分けられることである。各部分の間に異なる振幅の直流と高周波捕捉電圧を付加することができ、多重捕捉イオンの実現及びより複雑なイオン分析過程の実現に用いられる。
図9aに平面多環イオントラップを示し、2つの閉じ込め電極群91と92を備え、且つ排出方向に垂直する方向、即ちディスクの径方向に複数の電極帯91.1〜91.7と92.1〜92.7に分けられ、高周波電源94.1が出力した高周波捕捉電圧を直接に中間の排出穴付きのディスク電極部分91.1と92.1に付加し、更に分圧減衰器により交流グランドレベルに対して減衰するとともにその隣接側の非排出口部分91.2,92.2に付加し、従来の技術と異なり、上下ディスクの間に付加した励起電圧は91.1、91.2と92.1、92.2の間にいずれも逆相であるので、それが発生した交流励起電場の配向特性を向上させるとともに、該部分貯蔵領域が質量分析計とされる際の質量スペクトル性能を改善する。同様に、高周波電源94.2で出力した高周波捕捉電圧は直接に環状排出溝が設置された環状捕捉電極帯91.5とその対電極92.5に付加され、さらに分圧減衰器によりその隣接側の非排出口部分91.4,91.6と92.4,92.6に付加され、同様に上下ディスクの間に付加した励起電圧は91.5、92.5とその両側のストリップ帯91.4,91.6と92.4,92.6の間にいずれも逆相である。このように、環状貯蔵領域が質量分析計とされる際の質量スペクトル性能をも向上させる。
捕捉電圧が調整される際、これらの異なるイオン貯蔵領域の間にイオン交換過程を発生することができる。このような過程は、図9bに示す多段二次元リニアイオントラップにおいてより簡単的に実現することができる。従来の特許文献において、リニアイオントラップを前後に三段に分けて、中間段の辺縁場による共鳴周波数偏移を改善することに用いられる。本方法において、追放方向閉じ込め電極対11を追放方向の垂直方向、例えば中軸が所在する方向に沿って111,112,113のような三段に分けて、更に追放口方向で、それらを追放口付近部分、例えば111.3,112.3,113.3と追放口離れ部分111.1,112.1,113.1の両組に分けて、両組の間に異なる交流励起電圧位相を付加する。例えば一方の組111.3,112.3,113.3と励起交流電源15が同相で、他方の組111.1,112.1,113.1が電源15と逆相であり、同時に該逆相励起電圧は更に追放口側と対向する電極、例えば111.2などに付加され、それにより、全体に追放方向で良い配向性を有する励起電場を形成する。各段の貯蔵空間の直流バイアスはバイアス直流電源組116.1,116.2,116.3などにより付加することができる。図面において回路関係を表すために、111と113の両端にある他の端子電極構造を表示しない。実際な作動において、例えば116.1と116.3において+10Vの直流バイアスを付加し、116.2に-10Vの直流バイアスを付加し、即ち116.2に高電荷状態の正親イオンを貯蔵することができ、116.1と116.3に電荷の転移解離に用いられる負イオンを導入して貯蔵する。貯蔵した親イオンを電荷転移解離する必要がある時に、116.1,116.2と116.3に付加した直流バイアスを0Vに統一し、このように、異なる貯蔵領域における正負イオンが混合を発生することができ、それにより、電荷転移過程を引き起こし、親イオンを断片化させる。タンデム質量スペクトルを取得する必要がある際、116.1と116.3の出力電圧を再び+10Vに回復することができ、このように前に記載の逆相励起電場で質量スキャン過程における追放特性を改善して、高質量のスペクトルを取得することができる。
第5実施例
もう1つの質量スキャン過程性能を改善する方法は、いわゆる電場維持調整電極を導入することである。明確かつ簡単に説明するために、図10は電場維持調整電極リニアイオントラップを含む中間段を示し、前、後段又は前後エンドキャップを省略する。追放方向とその垂直方向の両対の主電極1001と1002はそれぞれ互いに逆相の駆動高周波電圧を印加し、径方向捕捉電場を形成する。
本発明におけるイオントラップ質量分析計の分析質量電荷比範囲を改善するために、本実施例において、デジタル方形波で直線イオントラップを駆動する。イオントラップの駆動電圧がデジタル化方形波である場合、その駆動捕捉方形波電源1004は高圧直流電源対1004.0、スイッチ対1004.1と1004.2を回路で接続してなる。
高圧直流電源対1004.0は同時に電圧が+Vである高圧信号と電圧が-Vである高圧信号を出力する。且つ相互に逆相のスイッチ対1004.1と1004.2が外部回路の制御で順番に逆相遮断/閉合して二つの互いに逆相で、電圧零-ピーク値がVである方形波電圧を発生し、分析するイオン又は帯電イオンの質量電荷比の範囲に応じて、該方形波電圧の周波数は100MHz〜1Hzの間に調整することができる。
本実施例において、イオン追放方向で2つの排出溝1001.0を有し、分電極1001.2に設置された排出溝に電場維持調整電極1001.3を設置する。質量スペクトルの分析過程において、該電場維持調整電極での電圧は、その近隣する分電極1001.2での高周波数電圧V1aの1つの割合電圧(割合が0であってよい)と1つの直流電圧VDCの重ね合わせであるように設置され、即ち、
Vfae=cV1a + VDC 0≦c≦1であり、
電場維持調整電極1001.3の形状は取り付けを便利になるためのものであり、その具体的な形状を限定しない。
通常、直線イオントラップに対して、一般的にバンドパス変圧器により交流励起電圧1005を高圧捕捉電圧が付加された直線イオントラップの閉じ込め電極、例えば1001.1,1001.2に結合する必要があり、そうでなければ、50%の高周波電場強度を損失する。結合変圧器の導入は回路の複雑性を増加する。
しかし、本実施例において、割合パラメータcが0である特別な状況に対して、1つの結合コンデンサのみを用いて励起交流電圧を高抵抗場調整電極バイアス電源1006の出力端に直接結合することができ、他のイオン追放方向での閉じ込め電極部分、例えば1001.1,1001.2に励起交流電圧信号を付加しなく、この際、1005出力電源の設計は元の電流出力型から電圧出力型に変更することができ、大幅に該電源の複雑性を低下し、それにその電力消費を低減する。
一般的に、この際、電場維持調整電極と近隣柱面電極は捕捉空間の一側に基本的に同一平面にあり、VDCとV1aピーク値の割合は0〜5%にすべきである。普通の順方向質量選択スキャン過程において、電場維持調整電極の直流電圧が高いので、一部の左側から出射(壁に当たる)可能な正イオンはより多く場調整電極で反射し戻す可能性があり、このようにより多いイオンは右側X電極方向の排出溝へ出射され、イオン単方向排出の効率を増加する。
親イオンの隔離過程において、該電場維持調整電極に他の閉じ込め電極よりも低い電圧バイアスを付加することができ、この際、他の除く必要がある質量電荷比範囲における正イオンの出射に対して、各イオンの出射イベントに対して、イオンの出射方向は電場維持調整電極に向かう可能性がより大きくなるので、これらの不純物イオンの検出器に対する干渉を減少することができ、それに残留物のトラップ内の他の部分及び検出器での累積による後級質量スペクトル分析過程におけるバックグラウンド電流の短期増加効果を減少し、後級質量分析過程の相対感度を向上させる。この過程において、前記交流励起電圧は非単一周波数の離散又は連続的な周波数の組み合わせ信号であり、所定の質量電荷比又は質量電荷比範囲のイオンを排出することに用いられる。更に、周波数ギャップを有する連続的な周波数の組み合わせ信号を用いてイオンを励起することができ、ある質量電荷比範囲内の一部の特定質量電荷比のイオンを保留して、他のイオンを追放することに用いられる。
なお、電場維持調整電極の直流バイアスを調整することにより、イオントラップの内部に高次直流多極場成分を発生してもよい、又は1つの低い周波数、例えば100Hz〜20KHzで、該直流バイアス電圧に周期的な変化を発生させでもよい、これらのいずれも直流励起現象を発生させて、一部の特定質量電荷比範囲内のイオンを保留して、それを効果的に励起解離することができる。
第6実施例
以上の実施例に記載の質量分析計の実施例はいずれも同一のイオントラップ質量分析方法に帰属することができる。該方法は以下のステップを含む。
先ず、イオントラップ類の質量分析装置に対して、先に直流又は高周波捕捉電圧、更には磁場などを印加する方法でトラップ内に発生した又はトラップ外から注入したイオンをイオントラップ内に捕捉する。
そして、質量分析過程において、前記分析方法は特定質量電荷比イオンの固有励起周波数を使用するので、この分析過程において、イオントラップ内の電場を、排出口が所在する方向に二次性を呈する捕捉電場に保持又は変更して、イオンの該方向での運動形式が、高調波ポテンシャル井戸内に類似する単一周波数を主とする振動運動を呈するようにする必要がある。
共鳴励起際のイオン追放特性を向上させるために、先ず、排出口付近の閉じ込め電極部分と他の閉じ込め電極部分の間に交流励起電圧を重ね合わせ、通常、高周波イオントラップに対して、該励起電圧の周波数は1KHz〜2MHzの間にあるとともに、捕捉高周波電圧の周波数よりも低くする。このように、排出口の方向で交流励起電場を印加することができる。排出口方向の他の非排出口閉じ込め電極部分に、位相が該交流励起電圧と同じ交流電圧を付加しない。このように、該励起電圧が付加された閉じ込め電極の空間範囲を制限することにより、該交流励起電場の配向性を向上させる。
その後、前記捕捉電場の強度又は捕捉電場と交流励起電場の強度又は周波数をスキャンすることができ、捕捉されたイオンの排出口方向での全体移動周波数、即ち持続周波数を変更し、それを質量電荷比の大きさに従って順次に該方向での交流励起電場の周波数と一致させ、それにより、効率的に排出口から共鳴出射するとともに他の運動方向での結合運動を減少し、検出器で識別しやすい質量スペクトル信号を取得する。
このような方法において、更に、排出口方向に付加した閉じ込め電極群における排出口付近部分以外の少なくとも一部の他の電極構造部分に、図8における分圧コンデンサ電圧減衰器211、又は図11に示す抵抗容量電圧減衰器212などにより、該前記閉じ込め電極排出口部分の共鳴励起交流電圧信号と逆相の交流電圧信号を付加してもよい。このように、反方向交流電圧で発生した反方向励起電圧領域により、更に該励起交流電場の配向性を向上させることができ、それにより、該方法の質量分解能を向上させる。なお、抵抗容量減衰器で励起電圧を減衰する場合に、減衰器の基準レベルVTはグラウンドレベルであってもよいし、所定の直流基準レベルであってもよく、このように、励起交流電場に直流偏移成分を重ね合わせることができ、イオンの出射に寄与する。
最後に説明する必要があるのは、逆に該技術案を用いて、共鳴励起過程で目標分析イオンを断片化する際、目標イオンがイオントラップから流出し難くなるようにして、始終に1つの大きい振幅を保持してもよい。該方法を実現する装置は、図11に示すように、更に、
トラップ内に発生するか又はトラップ外から注入したイオンをイオントラップ内に捕捉するステップと、
イオントラップ内の電場を、排出口が所在する方向に四重極捕捉電場に保持又は変更するステップと、を含む。
該方法の鍵は、該捕捉電場を実現した後、図11に示す回路を用いて、互いに反方向である両組の励起交流電圧源205.1と205.2を採用して、イオントラップ排出口付近の閉じ込め電極部分、例えば214.1と他の閉じ込め電極部分216.1の間に、反方向の交流励起電圧を重ね合わせ、排出口の方向で交流励起電場を印加し、同時に排出口方向の他の非排出口の閉じ込め電極部分、例えば214.2に、位相が対応の該交流励起電圧と異なる交流電圧を付加することである。通常、主励起電圧は中間電極214.1の電圧に対応し、この際、励起電場の排出口方向に沿う追放配向性は改善されたものであり、しかし、交流電圧源205.2の出力振幅が交流電源源205.1の出力振幅よりもはるかに大きく、例えば205.1の出力振幅の2倍以上を超える際、ポテンシャル等電位線2100の極性に示すように、イオントラップの中心部分におけるダイポール励起電場の極性方向は変換を発生する。この際、一次及び二次励起電圧の地位をリバースし、排出口付近の電極に付加された同相励起電位は実質的に逆相の阻止電位に変換し、直接に追放方向に沿って運動すること、及び共鳴増幅するイオンの運動幅の増加を抑制する。このように、前記捕捉電場と交流励起電場の強度と周波数の組み合わせを制御することにより、一定の質量電荷比範囲内のイオンの排出口方向での運動成分の周波数が該方向で交流励起電場の周波数成分の1つと一致させ、それにより、長期に一定の二次場座標範囲2101内に該方向での目標質量電荷比範囲内のイオンの振幅と平均運動エネルギーを増大して、それを該イオントラップに導入した衝突気体分子と衝突させて解離して、断片イオンを取得する。
このモードの成功の鍵は、主に排出口閉じ込め電極部分以外の他の電極部分に排出口閉じ込め電極部分に付加した励起電圧の位相と異なる補助励起電圧を付加することによりイオンを励起することであるため、目標イオン群の運動モードにおいて排出口が所在する平面又は軸の付近に沿って運動するイオンを減少するので、イオンが排出口から逸脱することによる損失を減少し、解離過程の全体的効率を向上させることである。
以上には、励起交流電圧の付加範囲を制限して、イオン運動を変更して実現する改良のイオントラップ質量分析部材及びその機能の部分のみを提供する。実際には、イオントラップの作動原理を了解する当業者であれば、それを利用して更に発揮することができる。また、以上の実施例において、排出口方向に捕捉電圧を付加する閉じ込め電極は、通常、排出口の付近領域とその外の領域に従って両部分に分けられ、実際的には、複数の部分に分けられる構造を採用して、その中の少なくとも一部の電極のみに励起交流電圧付加範囲に対する制限を実現してもよい。同様に、本発明のイオントラップ質量分析装置の設計考えは、簡単な組み合わせ及び一部の電極アセンブリの再利用によって単一イオントラップ装置から形成された多質量分析チャンネル配列に適用することもできる。電場維持調整電極の使用に対して、区分的に辺縁電場形状を調整してもよい。電場維持調整電極の位置は、イオントラップ質量分析計ユニットにおける1つの部分に位置すれば結構であり、二次場に存在可能な垂直方向で全体質量分析計の構造に延伸する必要がない。複数の電場維持調整電極である方向のイオン励起を実現してもよいし、複数の方向での方向選択のイオンの励起を実現してもよい。なお、本発明における二次場を含むイオントラップ又はイオン貯蔵構造は一定の理想的な二次電場構造、例えば二次元四重極場、三次元回転四重極場、二次対数場などに限定されなく、一定の起伏、曲げ又はラジアンを有するとともに基本的な質量スペクトル分析機能の不均一性に影響しない準二次電場構造であってもよく、共鳴励起出射又は共鳴励起解離を使用する際準二次電場特徴を有すればよい。例えば単一回の反射式飛行時間質量分析計の反射器領域、又は多回反射式飛行時間の全部領域又は一部領域、又は磁気サイクロトロン共鳴装置において、これらの領域に二次場作用の下での多周期イオンの往復運動を実現するとともに、本発明の請求項における内容により共鳴振幅励起を実現するイオン分析方法は、いずれも本発明の範囲に属する。なお、本発明の装置方法を、他の質量スペクトル及び他の分析方法と共用して発生した装置と分析方法も、本発明の範囲に属すべきである。

Claims (11)

  1. イオントラップ分析計であって、
    複数の閉じ込め電極と、イオントラップとして使用される前記複数の閉じ込め電極によって取り囲まれたイオン捕捉空間を備え、前記イオン捕捉空間では、前記複数の閉じ込め電極のうちの少なくとも1つの閉じ込め電極に捕捉電圧を印加して、前記イオントラップに捕捉電場を発生し、
    前記イオン捕捉空間の境界に少なくとも1つのイオン排出口が設置され、前記イオン排出口はイオン排出方向を決定し、前記イオン排出口と同じ側にある閉じ込め電極は前記イオン排出方向に対して垂直な方向に位置する複数の電極部分に分割され、
    前記捕捉電場を発生する時間中における少なくとも一部の時間帯内に、前記複数の電極部分に同位相の交流捕捉電圧、もしくは直流捕捉電圧を重ね合わせることで、前記イオン排出方向に基本的に二次性の捕捉電場を形成し、
    前記複数の電極部分の中で、前記イオン排出口に最も近い第1電極部分に振幅が前記捕捉電圧の絶対値の最大値よりも小さいか又は等しい交流電圧信号を重ね合わせて、共鳴励起によりイオンの運動範囲が選択され、前記複数の電極部分のうちの前記第1電極部分以外の第2電極部分に前記交流電圧信号と同位相の電圧信号を印加しないが、前記イオン排出口方向における前記複数の電極部分において、前記第2電極部分における少なくとも1つの電極に前記交流電圧信号と逆相の交流電圧信号を重ね合わせることを特徴とするイオントラップ分析計。
  2. 前記第1電極部分に前記交流捕捉電圧を重ね合わせ、前記第2電極部分に前記交流捕捉電圧と同位相の捕捉電圧を重ね合わせることを特徴とする請求項1に記載のイオントラップ分析計。
  3. 更に、電源を有し、前記電源は、前記第1電極部分とは基本的に反対する方向に、且つ前記イオン排出口の反対側に位置するもう1つの捕捉電極に前記交流電圧信号と逆相の交流電圧信号を印加して、前記イオン排出口の正方向および逆方向にダイポール交流励起電場を発生することを特徴とする請求項1に記載のイオントラップ分析計。
  4. 更に、電源を有し、前記電源は前記第1電極部分とは基本的に反対する方向に、且つ前記イオン排出口の反対側に位置するもう1つの捕捉電極に前記交流電圧信号と同位相の交流電圧信号を印加して、前記イオン排出口の正方向および逆方向に四重極交流励起電場を発生することを特徴とする請求項1に記載のイオントラップ分析計。
  5. 前記のイオントラップ分析計は、前記捕捉電場が二次元四重極捕捉電場であるリニアイオントラップであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のイオントラップ分析計。
  6. 前記イオン排出口は、前記二次元四重極捕捉電場に垂直する軸線方向での排出溝を備えることを特徴とする請求項に記載のリニアイオントラップ分析計。
  7. 前記イオン排出口は、前記二次元四重極捕捉電場の軸線方向の少なくとも一方に、イオン排出スロットを備えることを特徴とする請求項に記載のリニアイオントラップ分析計。
  8. 前記イオントラップ分析計は、前記捕捉電場が一次元二次捕捉電場である静電イオントラップであることを特徴とする請求項に記載のイオントラップ分析計。
  9. 前記イオントラップ分析計は、前記捕捉電場が回転四重極電場である三次元イオントラップであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のイオントラップ分析計。
  10. 前記交流電圧信号は、非単一周波数の個々に分離した電圧信号又は連続的な周波数の電圧信号の組み合わせ電圧信号であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のイオントラップ分析計。
  11. イオントラップ質量分析方法であって、
    前記イオントラップ内に発生したイオン又はイオントラップの外から注入したイオンを前記イオントラップ内に捕捉する、イオンを捕捉するステップと、
    前記イオントラップ内の電場をイオン排出方向で基本的に二次性である電場に維持又は調整する、前記イオントラップ内の電場を維持又は調整するステップと、
    イオン排出口に最も近い第1電極部分に交流電圧信号を印加し、また、イオンを共鳴励起させ、イオンの運動範囲を選択するため、前記イオン排出口の方向で交流励起電場を発生させるが、前記イオン排出口に最も近い電極部分以外の第2電極部分には前記交流電圧信号と同位相の交流電圧信号を印加しないが、前記第2電極部分における少なくとも1つの電極に前記交流電圧信号と逆相の交流電圧信号を印加する、交流電圧信号を印加するステップと、
    捕捉電場の1つの強度又は前記捕捉電場および前記交流励起電場の強度又は周波数をスキャンして、前記捕捉されたイオンが全体的に移動する周波数、即ち前記イオン排出口方向にイオンの持続的運動周波数を変化させ、前記持続的運動周波数をイオンの質量電荷比の大きさに従って順次に前記イオン排出口方向における前記交流励起電場の周波数と一致させて、質量スペクトル信号を取得する、イオン運動の周波数を調整するステップと、
    を含むことを特徴とするイオントラップ質量分析方法。
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