JP7192736B2 - リニアイオントラップ及びその操作方法 - Google Patents
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Description
中心軸を挟んで対向配置された、それぞれが開口を有する2本の第1ロッド状電極と、
前記中心軸を挟んで、前記2本の第1ロッド状電極が対向する方向とは別の方向に対向配置された2本の第2ロッド状電極と、
前記2本の第1ロッド状電極及び前記2本の第2ロッド状電極の両端面の外側にそれぞれ配置された、一対の端部電極と、
前記2本の第2ロッド状電極のそれぞれにイオン捕捉用の高周波電圧を印加する高周波電圧印加部と、
前記2本の第1ロッド状電極に共鳴励起用電圧を印加する励起用電圧印加部と、
前記高周波電圧印加部及び前記励起用電圧印加部を制御する制御部と
を有するリニアイオントラップである。
前記リニアイオントラップの内部空間にイオンを捕捉するときは、前記2本の第2ロッド状電極のそれぞれに、捕捉対象のイオンの質量電荷比に対応する所定の周波数の高周波電圧を印加し、
前記リニアイオントラップの内部空間に捕捉されたイオンを排出するときは、前記2本の第2ロッド状電極のそれぞれに前記高周波電圧を印加しつつ、前記2本の第1ロッド状電極に共鳴励起用電圧を印加する、リニアイオントラップの操作方法である。
図1は本実施形態のイオントラップ型質量分析装置の概略的の構成図、図2は図1中のリニアイオントラップの概略的な構成図である。本実施形態のイオントラップ型質量分析装置は、目的試料をイオン化するイオン化部1と、イオンを質量電荷比m/zに応じて分離するリニアイオントラップ2と、イオン検出部3と、主電源部4と、補助電源部5と、タイミング信号発生部6と、制御部7と、データ処理部8と、を備える。
イオン化部1において、レーザ照射部11からレーザ光が出射され、サンプルSに照射される。レーザ光の照射によりサンプルSのマトリックスは急速に加熱され、目的成分を伴って気化し、イオン化される。発生したイオンはイオン輸送系13に含まれるイオンレンズにより形成される静電場によって集束され、導入口21aを経てロッド状電極21、22、23、24で囲まれる内部空間に導入される。このとき、ロッド状電極21及びロッド状電極22には互いに逆極性の直流電圧が印加され、ロッド状電極23、24には電圧が印加されていない。また、端部電極25、26は接地電位に維持されている(図4A参照)。
例えば、上記の実施形態では、リニアイオントラップ2内にイオンが導入されて所定時間t1が経過した時点で、所定周波数の矩形波高電圧をロッド状電極23、24に印加したが、図4Cに示すように、予め所定周波数の矩形波高電圧をロッド状電極23、24に印加しておき、時間t1が経過した時点で、ロッド状電極23、24に印加する矩形波高電圧の電圧値を低下させても良い。このようにすることで、リニアイオントラップ2の内部空間にイオンが導入されやすくなる。
上述した例示的な実施形態が以下の態様の具体例であることは、当業者には明らかである。
中心軸を挟んで対向配置された、それぞれが開口を有する2本の第1ロッド状電極と、
前記中心軸を挟んで、前記2本の第1ロッド状電極が対向する方向とは別の方向に対向配置された2本の第2ロッド状電極と、
前記2本の第1ロッド状電極及び前記2本の第2ロッド状電極の両端面の外側にそれぞれ配置された、一対の端部電極と、
前記2本の第2ロッド状電極のそれぞれにイオン捕捉用の高周波電圧を印加する高周波電圧印加部と、
前記2本の第1ロッド状電極に共鳴励起用電圧を印加する励起用電圧印加部と、
前記高周波電圧印加部及び前記励起用電圧印加部を制御する制御部と
を有する。
前記制御部は、
前記2本の第1ロッド状電極と、前記2本の第2ロッド状電極と、前記一対の端部電極とで囲まれた空間に所定の質量電荷比を有するイオンを捕捉するときは、そのイオンの質量電荷比に応じた周波数を有する高周波電圧が前記2本の第2ロッド状電極のそれぞれに印加されるように前記高周波電圧印加部を制御し、
前記空間に捕捉されているイオンを排出するときは、前記高周波電圧印加部による前記2本の第2ロッド状電極に対する高周波電圧の印加動作を継続しつつ、共鳴励起用電圧が前記2本の第1ロッド状電極に印加されるように前記励起用電圧印加部を制御する。
前記イオン捕捉用の高周波電圧が矩形波電圧であり、
前記共鳴励起用電圧が、前記イオン捕捉用の高周波電圧を所定の分周比で分周した該高周波電圧よりも低電圧である矩形波電圧である。
前記高周波電圧印加部が、直流電圧を発生する第1電圧源と、該第1電圧源とは異なる直流電圧を発生する第2電圧源と、前記第1電圧源から出力される直流電圧をオン・オフする第1スイッチング部と、前記第2電圧源から出力される直流電圧をオン・オフする第2スイッチング部とを含み、前記第1スイッチング部及び前記第2スイッチング部を交互にオン・オフすることによって矩形波電圧を生成するものである。
中心軸を挟んで対向配置された、それぞれが開口を有する2本の第1ロッド状電極と、前記中心軸を挟んで、前記2本の第1ロッド状電極が対向する方向とは別の方向に対向配置された2本の第2ロッド状電極と、前記2本の第1ロッド状電極及び前記2本の第2ロッド状電極の両端面の外側にそれぞれ配置された、一対の端部電極とを有するリニアイオントラップを操作する方法であって、
前記リニアイオントラップの内部空間にイオンを捕捉するときは、前記2本の第2ロッド状電極のそれぞれに、捕捉対象のイオンの質量電荷比に対応する所定の周波数の高周波電圧を印加し、
前記リニアイオントラップの内部空間に捕捉されたイオンを排出するときは、前記2本の第2ロッド状電極のそれぞれに前記高周波電圧を印加しつつ、前記2本の第1ロッド状電極に共鳴励起用電圧を印加する。
11…レーザ照射部
12…サンプルプレート
13…イオン輸送系
2…リニアイオントラップ
21…ロッド状電極
21a…導入口
22…ロッド状電極
22a…排出口
23…ロッド状電極
24…ロッド状電極
25…端部電極
3…イオン検出部
31…コンバージョンダイノード
32…二次電子増倍管
4…主電源部
41…第1電圧源
42…第2電圧源
43…第1スイッチング素子
44…第2スイッチング素子
5…補助電源部
6…タイミング信号発生部
7…制御部
8…データ処理部
Claims (5)
- 中心軸を挟んで対向配置された、それぞれが開口を有する2本の第1ロッド状電極と、
前記中心軸を挟んで、前記2本の第1ロッド状電極が対向する方向とは別の方向に対向配置された2本の第2ロッド状電極と、
前記2本の第1ロッド状電極及び前記2本の第2ロッド状電極の両端面の外側にそれぞれ配置された、一対の端部電極と、
前記2本の第2ロッド状電極のそれぞれにイオン捕捉用の高周波電圧を印加する高周波電圧印加部と、
前記2本の第1ロッド状電極に共鳴励起用電圧を印加する励起用電圧印加部と、
前記高周波電圧印加部及び前記励起用電圧印加部を制御する制御部と
を有するリニアイオントラップ。 - 前記制御部は、
前記2本の第1ロッド状電極と、前記2本の第2ロッド状電極と、前記一対の端部電極とで囲まれた空間に所定の質量電荷比を有するイオンを捕捉するときは、そのイオンの質量電荷比に応じた周波数を有する高周波電圧が前記2本の第2ロッド状電極のそれぞれに印加されるように前記高周波電圧印加部を制御し、
前記空間に捕捉されているイオンを排出するときは、前記高周波電圧印加部による前記2本の第2ロッド状電極に対する高周波電圧の印加動作を継続しつつ、共鳴励起用電圧が前記2本の第1ロッド状電極に印加されるように前記励起用電圧印加部を制御する、請求項1に記載のリニアイオントラップ。 - 前記イオン捕捉用の高周波電圧が矩形波電圧であり、
前記共鳴励起用電圧が、前記イオン捕捉用の高周波電圧を所定の分周比で分周した該高周波電圧よりも低電圧である矩形波電圧である、請求項1又は2に記載のリニアイオントラップ。 - 前記高周波電圧印加部が、直流電圧を発生する第1電圧源と、該第1電圧源とは異なる直流電圧を発生する第2電圧源と、前記第1電圧源から出力される直流電圧をオン・オフする第1スイッチング部と、前記第2電圧源から出力される直流電圧をオン・オフする第2スイッチング部とを含み、前記第1スイッチング部及び前記第2スイッチング部を交互にオン・オフすることによって矩形波電圧を生成するものである、請求項3に記載のリニアイオントラップ。
- 中心軸を挟んで対向配置された、それぞれが開口を有する2本の第1ロッド状電極と、前記中心軸を挟んで、前記2本の第1ロッド状電極が対向する方向とは別の方向に対向配置された2本の第2ロッド状電極と、前記2本の第1ロッド状電極及び前記2本の第2ロッド状電極の両端面の外側にそれぞれ配置された、一対の端部電極とを有するリニアイオントラップを操作する方法であって、
前記リニアイオントラップの内部空間にイオンを捕捉するときは、前記2本の第2ロッド状電極のそれぞれに、捕捉対象のイオンの質量電荷比に対応する所定の周波数の高周波電圧を印加し、
前記リニアイオントラップの内部空間に捕捉されたイオンを排出するときは、前記2本の第2ロッド状電極のそれぞれに前記高周波電圧を印加しつつ、前記2本の第1ロッド状電極に共鳴励起用電圧を印加する、リニアイオントラップの操作方法。
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JP2019182973A JP7192736B2 (ja) | 2019-10-03 | 2019-10-03 | リニアイオントラップ及びその操作方法 |
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豊田健二,占部伸二,冷却イオンの量子状態制御,光学,2002年,32巻4号,pp.245-252 |
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