JP3960306B2 - イオントラップ装置 - Google Patents

イオントラップ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3960306B2
JP3960306B2 JP2003424970A JP2003424970A JP3960306B2 JP 3960306 B2 JP3960306 B2 JP 3960306B2 JP 2003424970 A JP2003424970 A JP 2003424970A JP 2003424970 A JP2003424970 A JP 2003424970A JP 3960306 B2 JP3960306 B2 JP 3960306B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
end cap
voltage
ion trap
ions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003424970A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005183280A (ja
Inventor
栄三 河藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2003424970A priority Critical patent/JP3960306B2/ja
Priority to US11/014,792 priority patent/US6977374B2/en
Publication of JP2005183280A publication Critical patent/JP2005183280A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3960306B2 publication Critical patent/JP3960306B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/42Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
    • H01J49/4205Device types
    • H01J49/424Three-dimensional ion traps, i.e. comprising end-cap and ring electrodes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Description

本発明は、イオントラップ装置に関する。より詳細には、イオントラップ質量分析装置や、イオントラップをイオン源として利用する飛行時間質量分析装置などに関する。
イオントラップ装置の多くは、三次元四重極イオントラップと呼ばれるイオン蓄積装置で、回転双曲面形状を有するリング電極と、その両側に配置されたエンドキャップ電極とにより構成される。通常、リング電極に高周波電圧を印加することにより、前記電極群に囲まれた内部の空間(イオン捕捉空間)に四重極電場を発生させてイオンを閉じ込める。捕捉されたイオンは、質量/電荷比に応じて運動状態が異なるため、これを利用することによってイオン種の選別や分解などの操作が行われる。
イオントラップ装置は、それ自体が質量分析装置として機能するものもあるが、他の分析装置へイオンを供給するためのイオン発生装置として使用される場合もある。例えば、非特許文献1には、三次元四重極イオントラップを飛行時間質量分析器の前段に配して、全体として多段の質量分析を行う装置が提案されている。この装置では、四重極イオントラップで多段の質量分析を行った後に、高分解能の飛行時間質量分析器を用いて質量スペクトルを形成することができる。
このように、イオントラップ装置を、飛行時間質量分析器などの他の分析器の前段に配してイオンの分析を逐次処理することで、新たな特徴を生かした装置が生み出されている。しかし、イオントラップ装置から他の分析器にイオンを移送する際に、イオントラップ装置の動作パラメータが、次段の分析器の性能に影響を及ぼすことがある。例えば、イオンを捕捉するためにリング電極に印加されている高周波電圧によって、次段の分析器に移送する際のイオンの初期エネルギーが変化してしまうことがある。また、イオンの排出のためにエンドキャップ電極に印加された高電圧が、リング電極にスパイク状の電圧パルスを発生させて、イオンの初期エネルギーが変化してしまうこともある。
四重極イオントラップと飛行時間質量分析器とを組み合わせた装置を例に説明する。イオンが捕捉されている状態では、リング電極に印加されている高周波電圧によってイオンは常に運動を続けている。イオンを飛行時間質量分析器へと排出する時には、イオントラップの各電極にイオン引き出しに適した電圧をそれぞれ印加してイオンを飛行時間質量分析器へ向けて加速する。具体的には、特許文献1に開示されているように、イオン排出時にリング電極を0Vにし、さらに、二つのエンドキャップ電極にはそれぞれ+6kVと-10kVの電圧を印加して、正イオンを-10kVを印加したエンドキャップ電極に向けて加速し、その電極の中央部に開けられた開口部から飛行時間質量分析器へと排出する。
特許文献2には、イオントラップからのイオンの排出に先立ち、高周波電圧を減少させる方法、すなわち高周波電圧を停止させて、リング電極を0Vにする方法が記述されている。
また、特許文献3には、高周波電圧を停止させるのに要する時間を短縮する方法が開示されている。これらの手法を用いれば、イオン排出時のリング電極の電圧を、排出前の高周波電圧の大きさによらずに、0Vにすることができるため、飛行時間質量分析器へ向けて加速されるイオンの初期エネルギーを変化させてしまうことがない。すなわち、エンドキャップ電極に高電圧を印加してイオンを加速する前に、リング電極と二つのエンドキャップ電極の電圧を、一旦すべて0Vにすることができるため、イオン捕捉時のイオントラップの動作パラメータからの影響をなくすことができる。
一方、エンドキャップ電極に高電圧を印加した際には、リング電極にスパイク状の電圧パルスが発生し、飛行時間質量分析器へ排出されるイオンの初期エネルギーが変化してしまう。このため、飛行時間がイオンの質量/電荷比の平方根に比例せず、質量/電荷比の複雑な関数になってしまうため、飛行時間スペクトルの質量軸の正確な校正ができなくなってしまうことになる。
米国特許第6,380,666号公報 米国特許第6,483,244号公報 日本特許出願第2003-402065号 M. G. Qian and D. M. Lubman, Analytical Chemistry, vol.67, No.7, 1995, p.234A
先行例において、イオン排出直前の各電極の電圧を0Vにそろえることは可能となっているが、イオン排出用の高電圧の印加に伴うリング電極の電圧の変動については解決されていない。
通常の四重極イオントラップにおいては、リング電極を中心にして、二つのエンドキャップ電極が対称になるように製作される。この理由の一つに、イオントラップ内部で、質量/電荷比に基づいたイオンの選別や、イオンの振動を励起して解離させる等の手法を用いて、MS/MSと呼ばれる質量分析手法を実行する際に、二つのエンドキャップ電極に印加する電圧波形の振幅を符号は別にして等しくできるという実用面での簡便性が挙げられる。
また、電極の表面形状を、四重極電場の等電位面のどれかに一致するように選べば、理論上は正しいイオン捕捉用の四重極電場を発生することはできる。しかし、異なる形状の電極を加工する際、製作誤差に起因する非対称性が発生しやすく、また電極端部で発生する電場の乱れの大きさも異なるため、イオン捕捉用の四重極電場に重畳する多重極電場の発生量が増加し、イオンの分離や解離の性能を劣化させてしまう可能性が有る。
リング電極に対して対称に製作されたエンドキャップ電極では、各エンドキャップ電極との間に形成される静電容量も等しくなるため、各エンドキャップ電極に、先行例で見られる+6kVと-10kVのように、大きさの異なる電圧を印加した場合には、リング電極に異なる大きさの電荷が誘起されることになり、リング電極の電圧が0Vから変化してしまう。この電圧は、先行例に見られる手法によって減衰させることはできるが、減衰にマイクロ秒程度の時間を要するため、リング電極にスパイク状の電圧パルスを発生することになる。
このように、イオンが加速されてイオントラップから放出される過程において、リング電極の電圧が変化するため、イオントラップ内部に形成されるイオン加速用の電場は、時間と共に変化することになる。質量/電荷比の小さいイオンは、早く加速されてイオントラップから放出されるが、質量/電荷比の大きいイオンは、より長い加速時間を要するため、イオン加速用の電場はより大きく変化している。このため、質量/電荷比の異なるイオンは、異なる電場で加速されることになり、イオントラップから放出された後のエネルギーに違いが生じてしまう。したがって、リング電極に発生するスパイク状の電圧パルスによって、飛行時間質量分析器へ排出されるイオンの初期エネルギーは変化し、飛行時間は理論どおりにイオンの質量/電荷比の平方根に比例はせず、質量/電荷比の複雑な関数になり、飛行時間スペクトルの質量軸の正確な校正ができなくなる。
一方、エンドキャップ電圧に印加される電圧は、およそ数十ナノ秒程度の間に完了する。このため、エンドキャップ電極の電圧変化が始まってから完了するまでの間に、全てのイオンはほとんどその位置を変えない。このため、もしもリング電圧を0Vからずれないようにできれば、質量/電荷比の異なる全てのイオンは、等しい加速エネルギーを得ることができ、飛行時間は、理論どおりにイオンの質量/電荷比の平方根に比例することになる。したがって、飛行時間スペクトルの質量軸の正確な校正を行うためには、イオンをイオントラップから放出する際に、エンドキャップ電極に大きさの異なる高電圧を印加した際にも、リング電極にスパイク状の電圧パルスを発生しないようにすることが必要である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その手段として、次のようなイオントラップ装置を提供する。すなわち、リング電極と、その両側にエンドキャップ電極を備えたイオントラップ装置において、前記エンドキャップ電極に電圧を印加して電極群に囲まれた空間に捕捉されたイオンを排出する際に、前記リング電極の電圧変動を防止するように、前記リング電極と前記各エンドキャップ電極間の静電容量を調整する調整手段を設けたことを特徴とする。
さらに、リング電極とエンドキャップ電極間の静電容量の調整手段が、リング電極とエンドキャップ電極間に接続されたコンデンサであることを特徴とする。
あるいは、リング電極とエンドキャップ電極間の静電容量の調整手段が、電極の形状の変化により実現されている、ことを特徴とする。
さらに、上記イオントラップ装置において、リング電極とエンドキャップ電極間の静電容量が、エンドキャップ電極に印加される電圧の大きさに反比例するように調整されている、ことを特徴とする。
本発明においては、イオントラップからのイオンの放出において、エンドキャップ電極に高電圧を印加した際に、リング電極に電圧変動が発生するのを防ぎ、質量/電荷比の異なるイオンを同一のエネルギーに加速する。これにより、イオントラップから放出されたイオンを利用する分析器の性能が、イオンの捕捉に用いる高周波電圧などのイオントラップの動作パラメータによる影響を受けるのを防ぐことができる。
図1はイオントラップを構成する三つの電極と、各電極に電圧を印加する電圧源を簡略に表示したものである。イオンを蓄積する際には、リング電極11には高周波電圧が印加されており、両側のエンドキャップ電極12,13は、通常グランド電位(0V)に近い値に保たれている。イオンを放出する前には、特許文献2や特許文献3に開示されている手法などを用いて、高周波電圧を停止して、リング電極11をグランド電位に切り替える。この後、エンドキャップ電極12,13のそれぞれに、例えば+6kVと-10kVの電圧を印加して、イオンを加速し、エンドキャップ電極13の開口部13aから放出する。リング電極11と各エンドキャップ電極12,13との間の静電容量を、それぞれ仮に10pFであるとすると、高電圧を印加した際に、各エンドキャップ電極12,13によってリング電極11に誘起される電荷は、それぞれ60nCと-100nCになり、差し引き-40nCの電荷がリング電極11に誘起されることになる。仮に、リング電極11の全容量を100pFとすると、リング電極11の電圧は、エンドキャップ電極12,13に高電圧を印加する前には0Vであったのに対して、およそ-400Vに変化する。特許文献2や特許文献3に開示されている手法などを用いていれば、このリング電極11に誘起された電圧も、数マイクロ秒程度で0Vに減衰する。しかし、イオンの放出に要する時間に比べて、無視できるほど短くはない。このため、小さい電圧、すなわち+6kVを印加するエンドキャップ電極12と、リング電極11との間に、コンデンサ60を接続する。このコンデンサ60により、+6kVを印加するエンドキャップ電極12によってリング電極11に誘起される電荷を+40nC増加させることにより、全体として、リング電極11へ電荷が誘起されるのを防ぐことができる。したがって、リング電極11の電圧は、エンドキャップ電極12,13への高電圧の印加の影響を受けずに常にグランド電位(0V)のままであり、質量/電荷比の異なるイオンもすべて等しいエネルギーで、イオントラップから放出される。このため、飛行時間分析器の性能を劣化させることなく、イオンの放出が可能となる。
+6kVを印加するエンドキャップ電極12とリング電極11との間に接続されるコンデンサ60の容量値は、この例においては+40nCの電荷を誘起する必要があるために、6.67pFが適当である。したがって、リング電極11と各エンドキャップ電極12,13との間の容量値は、それぞれ16.67pFと10pFとなり、各エンドキャップ電極12,13に印加する電圧の大きさ(本例では6kVと10kV)とは反比例の関係になる。
ただし、このコンデンサの容量値については、実際の電極間の静電容量や、イオン放出時にエンドキャップ電極に印加する高電圧の値によって異なるため、リング電極に電荷が誘起されて電圧変動を生じないように、使用する装置に応じて適当な容量値を選定する必要がある。
図1に示した例においては、リング電極11に誘起される電荷を調整するためにコンデンサ60を追加したが、イオントラップ内部の電界に影響を及ぼさないようにすれば、図2に示すように、片側のエンドキャップ電極12’とリング電極11との間に余分の静電容量を発生するように電極の形状を変形して、リング電極11に誘起される電荷量を制御することも可能である。
以下、本発明の一実施例であるイオントラップ装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図3は、イオントラップ10をイオン蓄積装置として用いた質量分析装置の要部の構成図である。イオントラップ10は、一つのリング電極31と二つの対向するエンドキャップ電極32,33により構成されている。リング電極31には高周波駆動源41によって励起された高周波電圧が印加され、一対のエンドキャップ電極32,33との間に形成される四重極電場によってイオン捕捉空間14を形成し、そこにイオンを捕捉する。エンドキャップ電極32,33にはそれぞれエンドキャップ電圧発生器15,16が接続されており、各分析ステップに応じて適当な電圧をエンドキャップ電極32,33に印加する。
例えばMALDI(Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization)イオン源20で発生させたイオンをイオントラップ10へ導入する時には、入射するイオンのエネルギーを減衰させるための電圧が印加される。また、飛行時間質量分析器30(TOFMS, Time Of Flight Mass Spectrometer)により質量分析を行う場合には、イオン捕捉空間14からイオンを加速して飛行時間分析器30へと放出するようにエンドキャップ電極32,33に電圧が印加される。さらにまた、イオントラップ10内部でイオンの選別や解離を行わせる場合には、イオン捕捉空間14に、高周波電圧により生成されたイオン捕捉用四重極電場に重畳して、イオンの選別や励起に用いるための電場を生成するべく電圧が印加される。
リング電極31に高周波電圧を印加するためのリング電圧発生器40の一部として、リング電極31にはコイル42が接続されており、基本的にはこのコイル42と、リング電極31とエンドキャップ電極32,33との間の静電容量とで、LC共振器を形成している。エンドキャップ電極32とリング電極31との間には、さらにコンデンサ60が接続されており、この容量も前記静電容量に含まれる。厳密にいうと、それら電極31,32,33間の静電容量のみならず、高周波電圧の電圧モニタ回路(図示せず)や同調回路43、スイッチ46,47の容量、配線などの容量の総和とコイル42のインダクタンスとで共振周波数が決定される。
LC共振器の駆動方法にはトランスを用いたものなど、各種の方式が存在するが、ここではコイル42の一端を直接高周波駆動源41で駆動する方法を採用している。高周波駆動源41の駆動電圧の周波数は500kHzに固定されており、同調回路43を調整することにより、LC共振器の共振周波数を500kHz近傍に合わせ、共振による増幅を行って高周波電圧を発生させる。本実施例では、同調回路43には真空可変コンデンサを使用し、その容量を変化させることにより同調を達成している。もちろん、これ以外にも、例えばフェライトコア等を用いてコイル42のインダクタンスを変化させることにより同調を達成する構成としてもよい。
リング電極31には、さらにスイッチ46,47と抵抗48,49を介して高電圧電源44,45が図3のように接続されている。これらは、イオントラップ10へのイオン導入時の高周波電圧の急速な立ち上げや、イオントラップ10からのイオン放出時の高周波電圧の停止に利用されている。ただし、イオン放出時に高周波電圧を停止しようとしても、実際には高周波電圧は瞬時に停止することはなく、所定の時定数で指数関数的に減衰していく。
分析の過程において、イオンがイオン捕捉空間14に導入され、イオンの選別や励起、解離などの必要な処理を行った後に、イオンの放出を行う。このとき、リング電極11には、分析対象とするイオンの質量範囲に応じて、適当な大きさの高周波電圧が印加されている。そこで、スイッチ46,47を同時に接続(ON)状態に切り替えると同時に、高周波駆動源41の出力を0Vにする。この操作により、リング電極31は抵抗48,49を介して高電圧電源44,45に接続され、スイッチ46,47の切り替え以前に印加されていた高周波電圧は、指数関数的に減衰する。次に、高周波電圧が充分に減衰したタイミングにおいて、エンドキャップ電圧発生器15,16から、エンドキャップ電極32,33に、イオン引出し用の高電圧を印加し、エンドキャップ電極33の開口部33aから飛行時間質量分析器30へとイオンを加速して引き出す。本実施例では、スイッチ46,47の切り替えからおよそ3μs後に、エンドキャップに高電圧を印加してイオンの引出しを行っている。制御部50は上記のような各種の分析を実行するために、リング電圧発生器40やエンドキャップ電圧発生器15,16の動作を制御する。
本実施例においては、コンデンサ60の静電容量を7.5pFとし、イオン放出時のエンドキャップ電極32,33の電圧をそれぞれ+5.54kV,-10kVとしている。これにより、エンドキャップ電圧発生器15,16からエンドキャップ電極32,33に高電圧を印加してイオンの放出を行う際に、リング電極31に生じるスパイク状の電圧を、ピーク値で5V以下に抑えることができる。
このように、リング電極31の電圧変動が大幅に減少されたため、特に質量/電荷比の小さなイオンの放出エネルギーへ与える影響を小さくすることができ、飛行時間質量分析器30で得られるスペクトルにおいて、分解能や感度を改善することができた。
上記の一実施例においては、リング電極31とエンドキャップ電極32との間にコンデンサ60が接続されているが、図2に示されているように、コンデンサを接続する替わりに、電極の形状を変形して電極間の静電容量を変化させることによって、イオン放出時のリング電極の電圧変動を抑制するように調整してもかまわない。
あるいは、電極の形状の変形と、コンデンサの接続を併用しても同様の効果が得られることは明らかである。
上記実施例や説明においては、説明のために回路内の一部をグランドに接続していたが、イオントラップ10内部の四重極電場の発生と、スイッチ46,47を切り替えることによって高周波電圧を減衰させ、さらに電極間にイオン引出し用の電界を発生することができるかぎり、回路内のどの部分がグランドに接続されていても、あるいは、グランド電位に固定されていなくてもかまわない。
また、上記実施例においては、高周波駆動源41が直接コイル42に接続されていたが、コイルの駆動方法は、例えばトランス結合によるものでもかまわない。
本発明の動作原理を説明するための、イオントラップの要部の構成図である。 本発明の機能を実現するために、イオントラップの電極の形状を変形した場合の構成図である。 本発明の一実施例である、イオントラップをイオン蓄積装置として用いた質量分析装置の要部の構成図である。
符号の説明
10…イオントラップ
11,31…リング電極
12,12',13,32,33…エンドキャップ電極
13a,33a…開口部
14…イオン捕捉空間
15,16…エンドキャップ電圧発生器
20…イオン源
30…飛行時間質量分析器
40…リング電圧発生器
41…高周波駆動源
42…コイル
43…同調回路
44,45…高電圧電源
46,47…スイッチ
48,49…抵抗
50…制御部
60…コンデンサ

Claims (5)

  1. リング電極と、その両側にエンドキャップ電極を備えたイオントラップ装置において、
    前記エンドキャップ電極に電圧を印加して電極群に囲まれた空間に捕捉されたイオンを排出する際に、前記リング電極の電圧変動を防止するように、
    前記リング電極と各エンドキャップ電極間の静電容量を調整する調整手段を設けた、ことを特徴とするイオントラップ装置。
  2. 調整手段が、前記リング電極と前記エンドキャップ電極間に接続されたコンデンサである、ことを特徴とする請求項1記載のイオントラップ装置。
  3. 調整手段が、電極の形状の変化により実現されている、ことを特徴とする請求項1記載のイオントラップ装置。
  4. 請求項1乃至3に記載のイオントラップ装置において、
    前記リング電極と前記各エンドキャップ電極間の静電容量が、前記エンドキャップ電極に印加される電圧の大きさに反比例するように調整されている、ことを特徴とするイオントラップ装置。
  5. 請求項1乃至4に記載のイオントラップ装置において、
    排出されたイオンは、飛行時間質量分析器に導入される、ことを特徴とするイオントラップ装置。
JP2003424970A 2003-12-22 2003-12-22 イオントラップ装置 Expired - Lifetime JP3960306B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003424970A JP3960306B2 (ja) 2003-12-22 2003-12-22 イオントラップ装置
US11/014,792 US6977374B2 (en) 2003-12-22 2004-12-20 Ion trap device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003424970A JP3960306B2 (ja) 2003-12-22 2003-12-22 イオントラップ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005183280A JP2005183280A (ja) 2005-07-07
JP3960306B2 true JP3960306B2 (ja) 2007-08-15

Family

ID=34675412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003424970A Expired - Lifetime JP3960306B2 (ja) 2003-12-22 2003-12-22 イオントラップ装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6977374B2 (ja)
JP (1) JP3960306B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0404285D0 (en) * 2004-02-26 2004-03-31 Shimadzu Res Lab Europe Ltd A tandem ion-trap time-of flight mass spectrometer
JP4653972B2 (ja) * 2004-06-11 2011-03-16 株式会社日立ハイテクノロジーズ イオントラップ/飛行時間型質量分析装置および質量分析方法
US8013290B2 (en) * 2006-07-31 2011-09-06 Bruker Daltonik Gmbh Method and apparatus for avoiding undesirable mass dispersion of ions in flight
US8334506B2 (en) * 2007-12-10 2012-12-18 1St Detect Corporation End cap voltage control of ion traps
US7973277B2 (en) 2008-05-27 2011-07-05 1St Detect Corporation Driving a mass spectrometer ion trap or mass filter
CN108155084B (zh) * 2017-11-20 2020-05-15 上海裕达实业有限公司 一种线性离子阱组件

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US638066A (en) * 1899-06-24 1899-11-28 Clark R Godfrey Acetylene-gas generator.
GB9802111D0 (en) 1998-01-30 1998-04-01 Shimadzu Res Lab Europe Ltd Time-of-flight mass spectrometer
JP3785042B2 (ja) 1998-12-21 2006-06-14 シマヅ リサーチ ラボラトリー(ヨーロッパ)リミティド 無線周波共振器の高速起動及び/高速終了の方法
JP3741097B2 (ja) * 2002-10-31 2006-02-01 株式会社島津製作所 イオントラップ装置及び該装置の調整方法
JP3800178B2 (ja) * 2003-01-07 2006-07-26 株式会社島津製作所 質量分析装置及び質量分析方法
JP2005166369A (ja) * 2003-12-01 2005-06-23 Shimadzu Corp イオン蓄積装置

Also Published As

Publication number Publication date
US6977374B2 (en) 2005-12-20
US20050133711A1 (en) 2005-06-23
JP2005183280A (ja) 2005-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2249275C2 (ru) Способы управления установкой с квадрупольной ионной ловушкой и устройство для их осуществления
JP4263607B2 (ja) 四重極イオントラップ装置、四重極イオントラップ装置を動作させる方法、および四重極イオントラップ装置を含む質量分析装置
EP1789990B1 (en) High-q pulsed fragmentation in ion traps
US7897916B2 (en) Tandem ion-trap time-of-flight mass spectrometer
JP5158196B2 (ja) 質量分析装置
US8247763B2 (en) Ion trap time-of-flight mass spectrometer
EP1399946B1 (en) Quadrupole ion trap with electronic shims
JP2007188882A (ja) 線形イオン処理装置の軸に沿ったイオン運動エネルギーの増加
US7501622B2 (en) Ion storage device
US7256397B2 (en) Mass analyzer and mass analyzing method
JP3960306B2 (ja) イオントラップ装置
US12040174B2 (en) Systems and methods of operation of linear ion traps in dual balanced AC/unbalanced RF mode for 2D mass spectrometry
JP4844633B2 (ja) イオントラップ飛行時間型質量分析装置
JP2011003481A (ja) イオントラップ質量分析装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070424

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3960306

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140525

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term