JP4263607B2 - 四重極イオントラップ装置、四重極イオントラップ装置を動作させる方法、および四重極イオントラップ装置を含む質量分析装置 - Google Patents

四重極イオントラップ装置、四重極イオントラップ装置を動作させる方法、および四重極イオントラップ装置を含む質量分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、四重極質量分析装置に関するものである。更に詳しくは、本発明は、四重極イオントラップ装置および四重極イオントラップ装置を動作させる方法に関するものである。
四重極イオントラップは、数十年前の質量選択型不安定モードの発明によって開発され、以降、質量分析装置として実際に使用されている。この技法については、米国特許第4,540,884号明細書に記載されている。その後、第4,736,101号、第4,749,860号、第4,882,484号などの一連の米国特許明細書において、イオントラップからのイオンの共鳴排出を採用したMSおよびMS/MS法が開示され、これらの方法に基づいて、商用イオントラップ質量分析機器が製造され、広く使用されている。これらの機器の動作原理は、次のような動作段階に要約することができる。即ち、まず、イオントラップに対してトラップRF電圧を印加することにより、既定の質量範囲を有するイオンを同時にトラップし、2つのエンドキャップ電極間に補助AC電圧を印加して望ましくないイオンの共鳴排出を行った後に、再度、補助AC電圧を使用して残りの前駆イオンを活性化し、それらの衝突解離を引き起こして生成イオンを生成し、最後に、トラップRF電圧又は補助AC電圧の1つのパラメータを走査して、質量電荷比の順番で、イオンの共鳴排出を連続的に実行するものである。このようにして、排出されたイオン電流を計測することにより、質量スペクトルを取得することができる。
技術の発展に伴い、高次の多重極電界成分、特に、八重極成分、を四重極電界に追加することにより性能が向上した。これは、技術的には、イオントラップのエンドキャップ間の距離を延長することにより、或いは、双曲面形状の漸近線のテーパー角度を減少させることにより、実現されたものである。これらは、イオン運動の非線形共鳴をもたらす永久的な構造の変更であり、従って、これらのイオントラップは、非線形イオントラップとも呼ばれている。しかしながら、高次多重極成分によって発生する非線形共鳴は、高速走査における優れた質量分解能などの、性能上の特定の改善をもたらしはするものの、この結果、多くの問題が発生する。即ち、周知の(a−q)安定度図の頂点領域を通過する非線形共鳴ラインによってイオン損失が発生するため、通常、四重極質量フィルタの場合と同様に、非常に高次の多重極成分を有する四重極イオントラップは、質量選択型ストレージモードにおいて動作不能である。又、共鳴排出法を使用する場合には、非線形イオントラップは、前駆イオンの選択において高分解能を提供することができない。
フランツェンおよびワング(Franzen and Wang)による米国特許第5,468,958号明細書には、それぞれのエンドキャップ電極を複数のコンポーネント部分に分割し、フィールドの高次多重極部分の選択的なスイッチオン/オフを可能にする方法が開示されている。この種のイオントラップは、優れた分解能でイオンを選択的に保存すると共に、保存されたイオンを優れた分解能によって走査抽出可能であるとされているが、RFスイッチングと結合パラメータの正確なチューニングの実現が困難であるため、実際には、このような装置を容易に実現する方法は存在しない。又、エンドキャップアパーチャ近傍のフィールドの歪みの問題も考慮されていない。
「Analytical Chemistry」(第72巻、第13号、2667)に発表されたG.クックス(G. Cooks)の最近の研究は、イオンがイオントラップに出入りするために通過するエンドキャップアパーチャが、四重極フィールドにおける歪みの主要な原因であることを実証している。このような歪みにより、質量分析の分解能の低下に結び付く化学シフトと排出遅延が発生する。いくつかの市販の機器において行われているように、高次多重極フィールドを追加することにより、アパーチャの悪影響を回避し、分析性能を改善することは可能であるが、この場合には、同時に、高次多重極フィールドに関連する前述の問題が発生することになる。本発明者らは、エンドキャップ電極のアパーチャの近傍におけるフィールドの歪みを除去することにより、非常に高次の多重極フィールドなしに、高質量分解能を実現可能であることを発見した。アパーチャ近傍の調節可能な小さな高次フィールドにより、更に優れた結果を得ることも可能であろう。
少なくとも前述の問題を軽減することが本発明の目的である。
本発明の一態様によれば、リング電極と、トラッピング領域を取り囲む2つのエンドキャップ電極であって、前記エンドキャップ電極の1つは、イオンが前記トラッピング領域に進入可能な中央アパーチャを有する入口エンドキャップ電極であるものと、前記入口エンドキャップ電極の前記アパーチャに隣接し前記トラッピング領域の外に配置されたフィールド調節電極、を含む四重極イオントラップ装置を動作させる方法であって、前記トラッピング領域内にトラッピング電界を生成する段階と、前記トラッピング電界によってトラップされたイオンを共鳴励起する励起電界を前記トラッピング領域内に生成する段階と、DC電圧を前記フィールド調節電極に印加し、前記入口アパーチャ近傍のイオン運動に影響を与え、前記印加されたDC電圧を選択的に制御して前記入口アパーチャを通じてイオンが前記トラッピング領域内に進入する効率を改善すると共に、前記トラップされたイオンに対して実行される質量分離の分解能を向上させる段階と、前記印加されたDC電圧を選択的に制御し、前記トラップされたイオンに対して実行される質量選択的走査プロセスの分解能を向上させる段階、を含む方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、リング電極と、トラッピング領域を取り囲む2つのエンドキャップ電極であって、前記エンドキャップ電極の1つは、イオンが前記トラッピング領域内に進入可能な中央アパーチャを有する入口エンドキャップ電極であるもの、を有する電極構造と、前記入口エンドキャップ電極の前記アパーチャに隣接する前記トラッピング領域の外に配置されたフィールド調節電極と、前記電極構造にAC電圧を供給し、前記トラッピング領域内に、イオンをトラッピングするためのトラッピング電界と、前記トラッピング電界によってトラップされたイオンを共鳴励起するための励起電界とを生成するべく構成されたAC電源手段と、DC電圧を前記フィールド調節電極に供給し、該DC電圧を制御可能に変化させることにより、前記イオントラップ装置の動作モードに従って前記トラッピング領域内のイオン運動に選択的に影響を与えるべく構成されたDC電源手段、を備えた四重極イオントラップ装置を使用し、選択された質量電荷比を有する前駆イオンを分離する方法であって、2つの質量走査処理を実行する段階であって、前記質量走査処理の1つは、イオンを共鳴励起することにより、質量電荷比が前記選択された質量電荷比未満のイオンを質量電荷比の昇順に連続的に前記トラッピング領域から除去するものであり、もう1つの前記質量走査処理は、イオンを共鳴励起することにより質量電荷比が前記選択された質量電荷比を上回るイオンを質量電荷比の降順に連続的に前記トラッピング領域から除去するものであり、前記質量走査処理の1つが実行される際に、前記フィールド調節電極に供給される前記DC電圧は第1電圧レベルに設定され、前記もう1つの前記質量走査処理が実行される際には、前記第1電圧レベルよりも低い第2電圧レベルに前記DC電圧が設定される、2つの質量走査処理を実行する段階と、前記1つおよびもう1つの質量走査処理の実行の間において、前記トラッピング領域内に残っているイオンを冷却する段階、を有する方法が提供される
まず、図1を参照すると、四重極イオントラップ装置は、リング電極1、中央入口アパーチャを有する入口エンドキャップ電極2、および中央出口アパーチャを有する出口エンドキャップ電極3を有し、これらのコンポーネントは、イオントラップ装置のトラッピング領域Rを取り囲んでいる。
この装置には、トラッピング領域の外に配置された一対のフィールド調節電極4も含まれている。これらのフィールド調節電極4の一方は、入口エンドキャップ電極2の入口アパーチャに隣接して配置されており、他方のフィールド調節電極4は、出口エンドキャップ電極3の出口アパーチャに隣接して配置されているが、こちらのフィールド調節電極は、後述するように、任意選択によって省略可能である。
イオン源9内において生成されたイオンは、通常のイオン光学系によってガイドおよび集束され、フィールド調節電極4のアパーチャ、次いで、入口エンドキャップ電極2の入口アパーチャを通じて、トラッピング領域R内に導入される。そして、イオンは、出口エンドキャップ電極3の出口アパーチャ、次いで、(存在する場合には)関連するフィールド調節電極4のアパーチャを通じてトラッピング領域Rから排出された後に、検出器8によって検出される。
電圧源5は、ACトラッピング電圧をリング電極1に供給し、トラッピング領域R内にトラッピング電界を生成する。このトラッピング電圧は、任意選択のDC成分を有する正弦波RF電圧であってもよいが、矩形波形トラッピング電圧のほうが好ましい。好適な実装例においては、矩形波形トラッピング電圧は、ハイおよびロー電圧レベル間を制御可能にスイッチングして矩形波形電圧の周波数と電圧を制御することにより、デジタル的に生成される。このような制御により、トラッピング電圧のパラメータ(例:周波数や振幅)を変化させて、後述するように、前駆イオンの分離や質量走査などの特定の機能を円滑に実行することができる。尚、この種の制御の原理については、国際公開第01/29875号明細書に開示されている。
電圧源6は、AC励起電圧をエンドキャップ電極2、3に供給する。このAC励起電圧を使用し、トラッピング領域内に双極又は四重極励起電界を生成する。
DC電圧源7は、DC電圧をフィールド調節電極4に供給する。後述するように、このフィールド調節電極に供給される電圧は、装置の異なる動作モードを円滑に実行するべく制御可能に調節することができる。一実施例において、電圧源7の出力は、動作モードに応じて、いくつか(例:3つ)の異なる電圧レベルから制御可能に選択することができる。
正イオンの場合には、負(負イオンの場合には、正)の特定の値にフィールド調節電極4の電圧を設定することにより、バッファガスを用いて、特定の質量電荷比の範囲のイオンをトラッピング領域R内に同時にトラップすることができる。そして、検出器8によって検出するべく、周知の共鳴排出法により、イオンをトラッピング領域から走査抽出することができる。走査は、トラッピング電圧を上昇させること、或いは、RF電源又は矩形波ドライバの周波数を徐々に下げることのいずれかにより、実現することができる。イオン排出のための軸方向の励起は、双極励起および/又は四重極励起によって実現可能であり、これらはいずれも周知の従来技術である。
共鳴排出(前方走査プロセスの場合)の際には、所与の質量電荷比(m/z)のイオンの永年周波数(セキュラ−周波数)ωzが、q軸に沿って、βz=2ω0/Ω(ここで、Ωは、RFトラッピング電圧の角周波数である)で与えられる値βzを有する(a−q)安定度図内の共鳴ラインに対応する励起周波数ω0に接近する。イオン運動の振幅の増大に伴い、イオンは、エンドキャップ電極内のアパーチャによる負の高次多重極フィールドの影響を受け始める。そして、イオンの永年周波数が低下し、排出が想定されるイオンは、励起フィールドとの位相の整合を喪失し、この結果、振動の振幅が減少する。このため、排出プロセスが延長され、質量分解能が低下し、化学シフトが発生することになる。
しかしながら、このアパーチャ近傍における永年周波数の低下は、特定のDC電圧をフィールド調節電極4に印加することにより、回避することができる。又、追加のDC電圧を印加することにより、永年周波数を増大させ、励起フィールドと位相を整合させることにより、イオンの排出を高速に実行することも可能である。
図2を参照すれば、フィールド調節電極の2つの実施例が示されている。実施例(a)においては、それぞれのエンドキャップ電極2および3の背後に1つずつ、合計2つの調節電極4を採用しており、実施例(b)の場合には、入口アパーチャの背後にのみ、1つのフィールド調節電極4を採用し、精細なメッシュ10によって出口アパーチャを覆っている。いずれの実施例も、トラッピング領域内に純粋な四重極電界を生成する電極形状を使用している。
次に、共鳴排出プロセスを分析するべく、詳細な例を挙げることにする。まず、イオンは、正の電荷を有しており、駆動電圧は、+/−1kVであって、トラッピング周波数Ω=2πf(ここで、fは、波形の反復レートである)を変化させることにより、走査可能な矩形波形を有している。軸方向の励起は、AC励起源6によって生成された双極矩形波形電圧を2つのエンドキャップ電極2、3間に印加することにより、実現される。比較的大きなβz値(例:βz>0.4)の共鳴の場合には、イオンは、リング電極に−1kVが印加され、トラッピングフィールドが負の位相である場合にのみ、エンドキャップアパーチャに接近する。ここで、βzは、βz=2ω0/Ω(ω0は、励起電界の励起周波数であり、共鳴の際には、軸方向の永年周波数ωzと同一である)で与えられる(a−q)安定度図内の共鳴ラインの値である。図2において、フィールド調節電極に1.5kVのDCを供給した場合、等電位面11は、エンドキャップ電極2、3のアパーチャの近傍において大きなフィールドの歪みを示していない。この場合には、イオンは、エンドキャップ電極に衝突するか、或いは、アパーチャの1つを通じてトラッピング領域から排出される時点まで、その永年振動周波数を維持することができる。実際に、イオン運動のシミュレーションは、例えば、徐々にトラッピング周波数を低下させることによって実現される前方質量走査(即ち、イオンが、質量電荷比の昇順で、トラッピング領域から連続的に排出される走査)の際に、排出プロセスの緩やかな加速が発生することを示している。
これについては、図3を参照して説明可能であり、この図3は、前方質量走査の進行に伴い、所与の質量電荷比のイオンの(a−q)安定度図内の作用点Wが、ラインa=0に沿い、共鳴ライン(この場合には、βz=0.5)に向かって、どのように移動するかを示している。イオンは、エンドキャップ電極2、3に接近するに伴い、関連するフィールド調節電極4に印加された電圧によって生成された平均DCフィールドの作用を受けることになる。このDCオフセットにより、作用点が、共鳴ラインに近いパラメータaの有限な値に向かって上方向にシフトし、この結果、イオンが急激に共鳴状態に駆動され、排出速度が加速することになるのである。
図4aおよび図4bは、延長された形状のイオントラップ装置(図4a)と図2bに示されているイオントラップ装置(図4b)において、イオンに対して共鳴排出走査を適用した際のイオンの軸方向の偏位の振幅のシミュレーションを時間の関数として示している。それぞれの図は、バッファガスとの衝突によってランダム化された同一の質量電荷比(1750Th)を有する2つのイオンの軸方向の偏位振幅を示している。
図4aは、延長された形状のイオントラップ内に生成される軌道内に強力なビートが存在し、排出時間がこのビート(無論、これはランダムな要素である)の位相に依存することを示している。一方、図4bに示されている軌道の軸方向の偏位の増大は、相対的に安定しており、2つのイオンの排出時間は格段に近接しているが、共鳴状態に向かう加速については、それほど顕著ではない。
図2(b)に示されているイオントラップ装置の場合には、入口エンドキャップ電極2に隣接するフィールド調節電極に正のDC電圧を印加すると、出口エンドキャップ電極3内のメッシュで覆われたアパーチャを通じてすべての正のイオンが排出されて検出されるため、計測の感度が向上する。
前述のように、フィールド調節電極に正の高電圧を印加することにより、前方質量走査の性能が向上する(共鳴ラインに到達するまで、図3のイオンの作用点を左から右にシフトさせることにより、イオンの軸方向の永年周波数ωzが励起周波数ω0と整合する)。但し、格段に小さなDC電圧(例:120V)をフィールド調節電極4に印加することにより、逆方向質量走査(即ち、イオンが、質量電荷比の降順に、連続的に排出される走査)の際に、イオンの排出を加速させることができる(この場合には、共鳴ラインに到達するまで、図3の作用点を右から左にシフトさせることにより、イオンの軸方向の永年周波数ωzが励起電圧の励起周波数ω0と整合する)。
正の八重極フィールドを使用する市販のイオントラップ装置の場合には、前方質量走査の際に質量分解能を改善すると共に、逆方向走査の際に高質量分解能を実現することはできない。
しかしながら、本発明の場合には、トラッピング領域の大部分が、共鳴排出走査の際にイオン振動の軌跡を安定的に拡張可能な純粋な四重極フィールド内に位置している。逆方向質量走査の際には、イオンは、a−q安定度図の右側から共鳴ラインに接近することになる(即ち、換言すれば、イオンの永年周波数が、励起周波数ω0と整合するまで減少する)。フィールド調節電極4によって生成される正の補償フィールドは比較的小さいため、イオンは、アパーチャにおいて、負の高次多重極フィールドの作用を受ける。そして、この負の高次フィールドが永年周波数の減少をもたらして、イオンを急激に共鳴状態に駆動し、排出速度が加速されるのである。
以上、本発明者らは、フィールド調節電極に印加する電圧を制御することにより、優れた質量走査性能を実現可能であることを示した。次に、本発明者らは、所与の共鳴排出における排出確率を示すいくつかのシミュレーション結果を提示し、前駆イオンを分離する別の方法について説明する。
所与のトラッピングフィールドにおいて、理論的には、1つの励起周波数により、1つの質量電荷比を有するイオンの排出が行われるはずである。しかしながら、実際には、更に高い又は更に低い質量電荷比を有するイオンが排出される有限な確率が存在しており、共鳴排出プロセスの質量分解能が低下することになる。しかしながら、フィールド調節電極に高い又は低い電圧を印加することにより、このプロセスの質量分解能を大幅に改善することができる。
図5aおよび図5bは、1つの励起周波数と固定されたトラッピングパラメータを使用し、シミュレーションによって取得した質量排出帯域を示している。これらのシミュレーションにおいては、それぞれの質量電荷比ごとに、10個のイオンを使用し、すべてのイオンは、同一の双極励起フィールドを使用して励起されている。これらの図には、低いDC電圧(Vfa=120V)と高いDC電圧(Vfa=1.5kV)をフィールド調節電極に印加した場合の効果がそれぞれ示されている。
低いDC電圧をフィールド調節電極に印加した場合の効果は、その結果生成される排出帯域の低質量側に急峻なクリッピングエッジが生成されることであり、フィールド調節電極に高いDC電圧を印加した場合の効果は、その結果生成される排出帯域の高質量側に急峻なクリッピングエッジが生成されることである。
これらの急峻なクリッピングエッジを利用し、前駆イオン分離の分解能を改善することが可能であり、このシミュレーションは、後述するように、1つの質量電荷比(この例においては、3500)を有する前駆イオンを分離可能であることを示している。
この目的を達成するために、1つの(又は小さな範囲の)質量電荷比を有する前駆イオンを高分解能で分離するべく、前述の前方および逆方向質量走査を組み合わせることができる。このアプリケーションにおいては、まず、前方質量走査を実行し、選択された前駆イオンよりも小さな質量電荷比を有するイオンを排出し、次いで、逆方向質量走査を実行し、選択された前駆イオンよりも大きな質量電荷比を有するイオンを排出する。いずれの走査も、選択された前駆イオンの質量電荷比の直前で停止することになる。これら2つの走査の順番は相互に置換可能であるが、それぞれの走査ごとに、それらの個々の質量排出帯域のそれぞれ高質量側および低質量側に前述の急峻なクリッピングエッジを生成するべく、フィールド調節電極の電圧(Vfa)を適切な値(即ち、前方質量走査の場合には、高い値、逆方向質量走査の場合には、格段に小さな値)に設定する。このプロセスによれば、分離する前駆イオンの質量電荷比を高質量分解能によって規定することができる。
尚、これらの前方および逆方向質量走査間においては、トラッピング領域内に残っているイオンに対して、冷却プロセスを適用する。
又、エンドキャップ電極間に印加したノッチを有する広帯域励起信号を使用し、イオンを励起して前駆イオンの分離を実現することも非常に一般的に行われている。
固定されたトラッピングフィールドの場合には、広帯域励起フィールドの励起周波数に対応する質量電荷比を有するイオンは、共鳴励起され、この結果、トラッピング領域から排出される(一部は、エンドキャップ電極に衝突する)。
一方、励起周波数が存在しないノッチ内に対応した質量電荷比を有するイオンは、保持されることになる。
この励起信号内のノッチは、それぞれ、質量電荷比の範囲の質量の下限および上限に対応する上限および下限周波数によって規定されている。本発明によれば、この質量範囲の下部および上部質量側の両方から、望ましくないイオンを鋭く切除することができる。このためには、イオンが電極のアパーチャに接近した際に発生する永年周波数のシフトが極小化されるように、Vfaの値を設定する必要がある。この例の場合には、Vfa=1.3kVであり、これにより、分離対象の前駆イオンの質量範囲の両側の望ましくないイオンを排出するのに適した状態が実現する。しかしながら、2段階クリッピング法によれば、更に優れた分解能が実現されることが予想される。
このノッチを有する広帯域励起信号の周波数スペクトル内の周波数ノッチは、質量電荷比の範囲に対応している。
まず、2段階クリッピング法の第1段階において、Vfaを120Vに設定し、質量範囲の高質量側に鋭いクリッピングエッジを生成する(即ち、質量の上限を規定する)。選択された質量電荷比よりも大きな質量電荷比を有するイオンをトラッピング領域から実質的にすべて排出するように、選択された質量電荷比を質量の上限のすぐ下に設定する。これは、周波数ノッチの下限周波数のすぐ上に、前駆イオンの永年周波数を設定することと等価である。
そして、クリッピング法の第2段階において、Vfaを1.5kVに設定し、質量範囲の低質量側に鋭いクリッピングエッジを生成する(即ち、質量の下限を規定する)。選択された質量電荷比よりも小さな質量電荷比を有するイオンをトラッピング領域から実質的にすべて排出するように、選択された質量電荷比を質量の下限のすぐ上に設定する。これは、周波数ノッチの上限周波数のすぐ下に、前駆イオンの永年周波数を設定することと等価である。
この2段階クリッピングプロセスの結果、トラッピング領域内に残るイオンの質量範囲は、ノッチの幅によってではなく、2つのクリッピング段階における質量の上限および下限に対する選択された質量電荷比の近接性によって決定されることになる。この方法によれば、1つの質量電荷比を有する前駆イオンを分離することができる。
図6aおよび図6bは、このクリッピング法のそれぞれの段階で取得された排出確率を質量電荷比m/zの関数として示している。
質量の上限および下限の位置は、トラッピング電界を(駆動電圧の周波数および/又は振幅を調節することによって)制御可能に調節することにより、又は、広帯域励起信号の周波数スペクトル内の周波数ノッチの位置を制御可能にシフトさせることにより、選択された質量電荷比に対して設定することができる。
この2段階クリッピングプロセスの第1および第2段階の順序を反転させ、分離対象の質量範囲の高質量側よりも先に低質量側をクリッピングするようにすることもできる。
尚、これら2つの段階間においては、トラッピング領域内に残っているイオンに対して冷却プロセスを適用する。
図7は、この2段階からなるノッチを有する広帯域周波数クリッピングプロセスを使用する前駆イオン分離の一例を示している。又、この図には、イオンの導入と質量走査についても示されている。
電圧制御可能なフィールド調節電極を使用するもう1つの態様は、外部イオン源を採用したイオントラップ内にイオンを導入する効率の改善である。基本的に、固定され周期的に変化するAC電圧によってイオンを駆動する場合には、四重極イオントラップの外で生成されたイオンをトラップすることはできない。これは、トラッピング領域に進入可能なイオンのエネルギーは、擬似ポテンシャル井戸の深さよりも高くなければならないということを指摘することによって説明可能であり、従って、イオンは、高運動エネルギー、即ち、イオントラップから逃れる、或いは、イオントラップの内部表面に衝突するのに十分なエネルギーを有していなければならない。これら注入されたイオンの運動エネルギーは、ダンピングガス、通常は、ヘリウム又は窒素を使用し、衝突によって除去される。この結果、イオンをトラップするチャンスが増大する。しかしながら、イオンが電極表面と衝突しないように、1つの永年スイング内において十分にエネルギーを除去できる可能性は低い。従って、通常、トラッピング効率は非常に低い。
入口アパーチャに位置するフィールド調節電極を使用し、これに負の電圧を印加することにより、トラッピングフィールドの特定の位相においてポテンシャル井戸を変更し、エッジ上に狭いノッチを有する井戸のような外観にすることができる。井戸に進入するイオンは、実質的に井戸の深さ以下のエネルギーを有することができ、イオンが再度ノッチを検出し逃れるのに比較的長時間を要するため、イオンの運動エネルギーが低下し、イオンが永久にトラップされる確率が大きくなる。Vfaは調節可能であるため、導入期間における質量電荷比やエネルギーなどの様々な初期パラメータによってこれをチューニングし、イオンをトラップすることができる。
図8は、シミュレーションによって取得したイオン導入の際のトラッピング効率を示している。このシミュレーションにおいて、イオンの質量は、6000Daであり、イオンの初期運動エネルギーは、−20Vの電位に保持されたレンズシステムから15eVで始まっている。イオンビームは、σ=0.1mmの半径方向のガウス分布を有している。これらのイオンは、Heバッファガスとランダムな衝突を経験し、平均自由行程は5mmであると仮定した。トラッピングの質量範囲が優先事項でない場合には、トラッピングフィールド内において、特定のDC成分を使用することを提案する(a≠0)。この場合には、半径方向の永年周波数が、軸方向の永年振動の半分の周波数とは異なるため、イオンが入口アパーチャに戻ることが困難になる。
フィールド調節電極の電圧は、電圧制御可能なDC電源から供給可能である。電圧を制御する手段は、スイッチング手段又はフィードバックループなどの線形制御手段であってよい。出力は、導入、イオン分離(これは、2つのレベルを必要とする)、および質量走査に対応するべく、少なくとも3つの選択的にスイッチング可能な電圧レベルを有する必要がある。
フィールド調節電極4は、トラップ内部のアパーチャ領域内に十分な影響を与えることができるように、エンドキャップアパーチャの十分近く(アパーチャからの距離がアパーチャの直径以下)に配置する必要がある。尚、図示の実施例においては、電極は、アパーチャがエンドキャップ電極の入口アパーチャとアライメントした非中空の構造を有しているが、これは、金属グリッドとして形成したり、或いは、非中空の金属で製造し、そのアパーチャをメッシュで覆うことも可能である。
図2aに示されているように、2つのフィールド調節電極を使用し、両方のエンドキャップ電極のアパーチャに起因するフィールドの歪みを補償すれば、メッシュ構造の複雑さを伴うことなしに、前駆イオン選択の質量分解能を改善することができる。しかしながら、多重極フィールドの補正に必要とされるフィールド調節電極の電圧により、常にイオンが減速するため、エンドキャップアパーチャを通じてイオンがうまく排出されない可能性がある。従って、この図2aの構造は、共鳴排出走査モードの質量分析には適していないが、イオントラップToFタンデムMSアプリケーションなどの技術において、イオントラップをイオン選択手段として使用する場合には好適である。又、これは、イオンの永年運動によって誘起されるイメージ電流を検出することにより、質量分析にも使用することができる。
以上は、正に帯電したイオンを対象として実施例について説明したものである。負に帯電したイオンの場合には、反対の極性を有するDC電圧をフィールド調節電極に供給することになる。
又、本発明は、必要な高圧/真空インターフェイスを有するエレクトロスプレーイオン源などのイオン源と、前述の実施例のいずれかにおいて説明した本発明によるイオントラップ装置と、イオン源からのイオンをイオントラップ装置内にガイドし合焦するイオン光学系と、の組み合わせを有する質量分析装置にも関連するものである。イオントラップ装置から排出されたイオンを検出するには、変換ダイノードを有する従来の電子増倍器の形態の検出器を使用することができる。或いは、この代わりに、非常に質量の大きなイオン用にMCP(Multi−Channel Plate)や極低温検出器を使用することも可能であろう。
質量分析装置は、このフィールド調節可能なイオントラップ装置を貯蔵庫および前駆イオン選択ツールとして使用可能であり、高速で正確な質量分析を実現するためにToFを含むことができる。この場合には、まず、イオンをイオントラップ装置に高効率で導入し、高分解能の前駆イオン選択を実行する。そして、分離された前駆イオンを励起し、自然ガス分子又はイオントラップ電極と衝突させて前駆イオンの解離(CIDおよびSID)を行う。そして、この結果生成された生成イオンを、2つのエンドキャップ電極間にパルス化電圧を印加することにより、最終的にToF分析器内に排出する。尚、ToFを使用して最終的な質量検証を実行可能であるため、質量走査の高分解能を維持するためのフィールド調節電極の電圧制御は使用しない。この代わりに、パルス化排出を使用する場合には、出口エンドキャップ電極近傍のフィールド調節電極の電圧を、排出を容易にすると共に、ToF内への導入のために良好なイオンビームを形成可能な電位に設定する必要がある。尚、この場合には、正イオンの排出には負の電圧を、負イオンの排出には正の電圧を使用することが好ましい。
本発明による四重極イオントラップ装置を示すブロックダイアグラム。 一方は入口アパーチャに隣接して配置され、他方は出口アパーチャに隣接して配置された2つのフィールド調節電極を有する本発明による四重極イオントラップ装置の実施例を示す図。 入口アパーチャに隣接して配置された1つのフィールド調節電極と、出口アパーチャを覆う金属メッシュと、を有する本発明による四重極イオントラップ装置の別の実施例を示す図。 方形波形駆動電圧によって生成された四重極電界におけるイオン運動について取得された(a−q)安定度図を示しており、イオンの共鳴ラインへの接近に伴うイオンの永年周波数に対するフィールド調節電極の効果を示す図。 市販の「延長」されたイオントラップ装置と、入口アパーチャに隣接したフィールド調節電極を有する本発明によるイオントラップ装置を使用して取得した(共鳴ラインβz=0.5における)走査共鳴排出の際のイオン振動の振幅変動を時間の関数としてそれぞれ示す図。 市販の「延長」されたイオントラップ装置と、入口アパーチャに隣接したフィールド調節電極を有する本発明によるイオントラップ装置を使用して取得した(共鳴ラインβz=0.5における)走査共鳴排出の際のイオン振動の振幅変動を時間の関数としてそれぞれ示す図。 フィールド調節電極に印加されるDC電圧が、それぞれ120Vおよび1.5kVの場合の単一の周波数励起フィールドを使用するトラッピング領域から排出されるイオンの質量電荷比の範囲を示す図。 フィールド調節電極に印加されるDC電圧が、それぞれ120Vおよび1.5kVの場合の単一の周波数励起フィールドを使用するトラッピング領域から排出されるイオンの質量電荷比の範囲を示す図。 本発明の一態様によるノッチを有する広帯域前駆イオン分離法の個々のクリッピングプロセスを使用して取得されるイオン排出確率の変動を質量電荷比m/zの関数として示す図。 本発明の一態様によるノッチを有する広帯域前駆イオン分離法の個々のクリッピングプロセスを使用して取得されるイオン排出確率の変動を質量電荷比m/zの関数として示す図。 イオンの導入、前駆イオンの分離、および質量走査プロセスにおいて、矩形波形周波数、フィールド調節電圧、および励起電圧がどのように変化するかを時間の関数として示すタンデムMSの動作プログラムの一例を示す図。 イオン導入の効率がどのように変化するかをフィールド調節電極に印加される電圧Vfaの関数として示すシミュレーションを示す図。

Claims (13)

  1. リング電極と、トラッピング領域を取り囲む2つのエンドキャップ電極であって、前記エンドキャップ電極の1つは、イオンが前記トラッピング領域に進入可能な中央アパーチャを有する入口エンドキャップ電極であるものと、前記入口エンドキャップ電極の前記アパーチャに隣接し前記トラッピング領域の外に配置されたフィールド調節電極、を含む四重極イオントラップ装置を動作させる方法であって、
    前記トラッピング領域内にトラッピング電界を生成する段階と、
    前記トラッピング電界によってトラップされたイオンを共鳴励起する励起電界を前記トラッピング領域内に生成する段階と、
    DC電圧を前記フィールド調節電極に印加し、前記入口アパーチャ近傍のイオン運動に影響を与え、前記印加されたDC電圧を選択的に制御して前記入口アパーチャを通じてイオンが前記トラッピング領域内に進入する効率を改善すると共に、前記トラップされたイオンに対して実行される質量分離の分解能を向上させる段階、
    前記印加されたDC電圧を選択的に制御し、前記トラップされたイオンに対して実行される質量選択的走査プロセスの分解能を向上させる段階を含むことを特徴とする、方法。
  2. 請求項に記載の方法において、前記質量選択的走査プロセスは、前駆イオンの選択および/又は前記トラッピング領域からの、質量電荷比の順番による分析のための連続的なイオンの排出を含むことを特徴とする、方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、前記印加されたDC電圧は、前記入口エンドキャップ電極近傍の高次多重極電界成分によって発生するイオンの永年周波数の低下を補償するものであることを特徴とする、方法。
  4. 請求項1または2に記載の方法において、前記イオンの軌跡の軸方向の偏位が前記トラッピング領域内で前記入口アパーチャに接近するに伴い、前記印加されたDC電圧により、イオンの永年周波数が増大することを特徴とする、方法。
  5. リング電極と、トラッピング領域を取り囲む2つのエンドキャップ電極であって、前記エンドキャップ電極の1つは、イオンが前記トラッピング領域内に進入可能な中央アパーチャを有する入口エンドキャップ電極であるもの、を有する電極構造と、前記入口エンドキャップ電極の前記アパーチャに隣接する前記トラッピング領域の外に配置されたフィールド調節電極と、前記電極構造にAC電圧を供給し、前記トラッピング領域内に、イオンをトラッピングするためのトラッピング電界と、前記トラッピング電界によってトラップされたイオンを共鳴励起するための励起電界とを生成するべく構成されたAC電源手段と、DC電圧を前記フィールド調節電極に供給し、該DC電圧を制御可能に変化させることにより、前記イオントラップ装置の動作モードに従って前記トラッピング領域内のイオン運動に選択的に影響を与えるべく構成されたDC電源手段、を備えた四重極イオントラップ装置を使用し、選択された質量電荷比を有する前駆イオンを分離する方法であって、
    2つの質量走査処理を実行する段階であって、前記質量走査処理の1つは、イオンを共鳴励起することにより、質量電荷比が前記選択された質量電荷比未満のイオンを質量電荷比の昇順に連続的に前記トラッピング領域から除去するものであり、もう1つの前記質量走査処理は、イオンを共鳴励起することにより質量電荷比が前記選択された質量電荷比を上回るイオンを質量電荷比の降順に連続的に前記トラッピング領域から除去するものであり、前記質量走査処理の1つが実行される際に、前記フィールド調節電極に供給される前記DC電圧は第1電圧レベルに設定され、前記もう1つの前記質量走査処理が実行される際には、前記第1電圧レベルよりも低い第2電圧レベルに前記DC電圧が設定される、2つの質量走査処理を実行する段階と、
    前記1つおよびもう1つの質量走査処理の実行の間において、前記トラッピング領域内に残っているイオンを冷却する段階、
    を有する、方法。
  6. 請求項に記載の方法において、前記AC電源手段は、矩形波形駆動電圧を前記リング電極に供給して前記トラッピング電界を生成し、前記1つ又はもう1つの質量走査処理は、異なる個々の範囲において前記矩形波形駆動電圧のパラメータを走査することにより、実行されることを特徴とする、方法。
  7. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法において、前記フィールド調節電極に印加される前記DC電圧は、トラップ対象のイオンと反対の極性を有すると共に、前記イオンが前記入口エンドキャップの前記アパーチャを通じて前記トラッピング領域内に進入することを支援するレベルに設定されることを特徴とする、方法。
  8. 請求項に記載の方法において、前記トラッピング領域内に導入されたイオンが前記入口アパーチャに即座に戻ることを妨げるために、前記トラッピング電界内にDC成分を供給する段階を含むことを特徴とする、方法。
  9. リング電極と、トラッピング領域を取り囲む2つのエンドキャップ電極であって、前記エンドキャップ電極の1つは、イオンが前記トラッピング領域内に進入可能な中央アパーチャを有する入口エンドキャップ電極であるもの、を有する電極構造と、前記入口エンドキャップ電極の前記アパーチャに隣接する前記トラッピング領域の外に配置されたフィールド調節電極と、前記電極構造にAC電圧を供給し、前記トラッピング領域内に、イオンをトラッピングするためのトラッピング電界と、前記トラッピング電界によってトラップされたイオンを共鳴励起するための励起電界とを生成するべく構成されたAC電源手段と、DC電圧を前記フィールド調節電極に供給し、該DC電圧を制御可能に変化させることにより、前記イオントラップ装置の動作モードに従って前記トラッピング領域内のイオン運動に選択的に影響を与えるべく構成されたDC電源手段、を備えた四重極イオントラップ装置を使用し、選択された質量電荷比を有する前駆イオンを分離する方法であって、
    質量電荷比の範囲に対応する周波数ノッチを具備するノッチを有する広帯域励起電界を生成する段階と、
    2段階クリッピング法を実行する段階であって、前記クリッピング法の前記段階の1つは、前記フィールド調節電極に印加された前記電圧を、質量の下限を規定する前記質量範囲の低質量側にクリッピングエッジを生成する第1の電圧レベルに設定する段階と、前記選択された質量電荷比を前記質量の下限の近くに設定する段階、を含み、前記クリッピング法のもう1つの前記段階は、前記フィールド調節電極に印加される電圧を、質量の上限を規定する前記質量範囲の高質量側にクリッピングエッジを生成する前記第1電圧レベルより低い第2電圧レベルに設定する段階と、前記選択された質量電荷比を前記質量の上限の近くに設定する段階、を含む段階と、
    前記2段階クリッピング法の実行の間において、前記トラッピング領域内に残っているイオンを冷却する段階、
    を含む方法。
  10. 請求項に記載の方法において、前記クリッピング法の前記段階の1つは、前記選択された質量電荷比よりも質量電荷比が小さい実質的にすべてのイオンを排出するものであり、前記クリッピング方法の前記もう1つの段階は、前記選択された質量電荷比より質量電荷比が大きな実質的にすべてのイオンを排出するものであり、それによって、前記1つおよびもう1つのクリッピング法の結果において、前記トラッピング領域内に残るイオンが、前記選択した質量電荷比を有するイオンのみとなることを特徴とする、方法。
  11. 請求項に記載の方法において、前記選択された質量電荷比の前記質量の上限および下限に対する位置は、前記トラッピング電界を制御可能に調節することにより設定されることを特徴とする、方法。
  12. 請求項に記載の方法において、前記選択された質量電荷比の前記質量の上限および下限に対する位置は、前記周波数ノッチの位置を制御可能にシフトさせ、前記質量電荷比の範囲を前記選択された質量電荷比に対してシフトさせることにより設定されることを特徴とする、方法。
  13. リング電極と、トラッピング領域を取り囲む2つのエンドキャップ電極 であって、前記エンドキャップ電極の1つは、イオンが前記トラッピング領域内に進入可能な中央アパーチャを有する入口エンドキャップ電極であるもの、を有する電極構造と、前記入口エンドキャップ電極の前記アパーチャに隣接する前記トラッピング領域の外に配置されたフィールド調節電極と、前記電極構造にAC電圧を供給し、前記トラッピング領域内に、イオンをトラッピングするためのトラッピング電界と、前記トラッピング電界によってトラップされたイオンを共鳴励起するための励起電界とを生成するべく構成されたAC電源手段と、DC電圧を前記フィールド調節電極に供給し、該DC電圧を制御可能に変化させることにより、前記イオントラップ装置の動作モードに従って前記トラッピング領域内のイオン運動に選択的に影響を与えるべく構成されたDC電源手段、を備えた四重極イオントラッピング装置を使用し、選択された質量電荷比を有する前駆イオンを分離する方法であって、
    上限および下限周波数によって規定される周波数ノッチを具備するノッチを有する広帯域励起電界を生成し、2つの質量クリッピング処理であって、前記質量クリッピング処理の1つは、前記フィールド調節電極に印加された前記DC電圧を第1電圧レベルに設定する段階と、前記前駆イオンの永年周波数を前記下限周波数よりも前記上限周波数の近くに設定する段階、を含んでおり、もう1つの前記質量クリッピング処理は、前記フィールド調節電極に印加された前記DC電圧を前記第1電圧レベルよりも低い第2電圧レベルに設定する段階と、前記前駆イオンの永年周波数を前記上限周波数よりも前記下限周波数の近くに設定する段階を含んでいる、2つの質量クリッピング処理を実行する段階と、
    前記2つの質量クリッピング処理の実行の間において、前記トラッピング領域内に残っている前記イオンを冷却する段階、
    を含む方法。
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