JP3656239B2 - イオントラップ質量分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、質量分析装置に関し、特にイオントラップ電極を備えた質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
質量分析装置は、質量対電荷比に従ってサンプル中の分子を質量毎に選択し分離する装置であり、サンプル中の分子は種々の手段によって、解離あるいは結合した状態でイオン化し、このイオン化した分子を質量対電荷比に従って磁界,電界あるいはその両者によって運動させることによって分離を行っている。
例えば、四重極質量分析装置では、特定形状の電極に高周波電圧と直流電圧とを重畳した電圧を印加して形成した高周波電場および直流電場内にイオンを電極の軸方向に入射し、イオンと電場の相互作用によってイオンを選択的に分離している。
【0003】
これに対して、イオントラップ質量分析装置はイオンに対して3方向に作用して、選択されたイオンを電極内部にトラップして閉じ込めておくことができる装置であり、通常、高周波電場によってイオンを電極内部に閉じ込め、高周波電圧の変化や補助高周波電界の印加によってイオンを検出器に向け放出させている。また、電極内部において、閉じ込めた親イオンを衝突させて分離し、放出された娘イオンの質量スペクトルを検出することも行なわれる。
【0004】
図6は従来より知られるイオントラップ電極の概略図である。図6において、イオントラップ電極21は、回転双曲面を持つリング電極22と第1,2エンドキャップ電極23,24を備え、該電極22〜24に交流電圧および直流電圧を印加してイオンを捕捉する。交流電圧の周波数は、ラジオ波(RF)領域が使用される。直流電圧Uと交流電圧Vcos ωtを電極に与えると、質量m,電荷eを持つ荷電粒子は(m/e,r0 ,U,V,ω)について一定の条件の下で安定に電極内にトラップされる。なお、r0 はリング電極22の最小半径である。従って、r0 とωが与えられるとき、m/eのイオン種が安定にトラップされるためには、UとVの大きさに制限が加わることになる。図7はトラップ可能電圧条件を表す図であり、m/eが78,51,39,26について示し、斜線部分はm/eが51の場合の安定にトラップされる領域を示している。
【0005】
電極内でトラップされたイオンは与えられた交流電場の角周波数ωで振動するとともに、rおよびz方向に対してωよりも遅い周期で調和振動し、電極のセルの中心付近をゆっくりと∞型に振動しながらωの周期で小振幅の振動をする。
【0006】
図8は、上記したイオントラップ電極を用いた従来のイオントラップ質量分析装置を説明するための図である。図8において、イオントラップ電極21は、回転双曲面を持つリング電極22と、該リング電極22の開放端に設けられた第1,2エンドキャップ電極23,24を備え、リング電極22には主RF電源25が接続され、また第1,2エンドキャップ電極23,24にはトランス28を介して補助RF電源26が接続され、両電源は制御回路27によって制御されている。
【0007】
第1,2エンドキャップ電極23,24の中央部分には貫通孔が形成される。第1エンドキャップ電極23側の貫通孔は、図示しない試料イオン化室で発生したイオンやイオン化用電子ビームのイオントラップ電極内への導入に使用し、また、第2エンドキャップ電極24側の貫通孔は、外側に設けた二次電子倍増管等の検出器29へのイオンの取り出しに使用する。測定装置39は、検出器29の検出信号を用いて質量スペクトルを求める。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のイオントラップ質量分析装置では、イオンの検出感度が低いという問題点がある。従来のイオントラップ質量分析装置に用いるイオントラップ電極では、電極内部のイオンは両側のエンドキャップ電極に形成された貫通孔から外部に放出されるが、イオン検出器は2つのエンドキャップ電極の一方の側にのみ設置する構成であるため、他方の貫通孔から放出されるイオンはイオン検出に寄与せず、放出されるイオンの検出が有効に行なわれていない。
【0009】
従来より、イオン検出感度を向上させるために、リング電極やエンドキャップ電極を特殊な形状としたり、両エンドキャップ電極にバイアスを加えて不均衡な電圧を印加する等の方法が提案されている。しかしながら、リング電極やエンドキャップ電極を特殊な形状に加工するには費用がかかり、該電極に印加する電圧には高精度の周波数制御が必要となるという問題が生じ、また、不均衡な電圧印加を行うと、イオントラップ電極内の電界が電極の機械的中心からずれたり、バイアスの大きさによる影響が生じるといった問題がある。
【0010】
そこで、本発明は前記した問題点を解決し、イオントラップ電極内の中心近傍の電界に非対称性を与えることなくイオンの検出感度を向上させて、イオントラップ質量分析装置の感度を向上させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、イオントラップ質量分析装置において、少なくとも片側のエンドキャップ電極から選択的にイオンを放出する構成とすることによって、イオントラップ電極内の中心近傍の電界に非対称性を与えることなくイオンの検出感度を向上させて、イオントラップ質量分析装置の感度を向上させるものである。
【0012】
本発明のイオントラップ質量分析装置は、リング電極と、リング電極の両開放端に設けた貫通孔を有する一対のエンドキャップ電極と、RF周波数ωで振幅Vの交流電圧をリング電極に印加する主RF電源と、エンドキャップ電極の少なくとも一方に高周波電圧を印加する補助RF電源と、前記電源を制御する制御回路と、一方のエンドキャップ電極の貫通孔から放出されるイオンを検出する検出器と、検出したイオンの数と振幅Vとに基づいて質量スペクトルを求める測定装置とを備えたイオントラップ質量分析装置において、少なくとも一方のエンドキャップ電極のリング電極と反対側に補助電極を設け、この補助電極にエンドキャップ電極との間で電圧を印加するものとする。
【0013】
本発明のイオントラップ質量分析装置によれば、イオントラップ電極の内部にはリング電極によるトラッピング電界とエンドキャップ電極による補助高周波電界が形成され、これらの電界によってイオンはイオントラップ電極内にトラップされる。このとき、少なくとも一方のエンドキャップ電極のリング電極と反対側に設けた補助電極に、エンドキャップ電極との間で直流または高周波電圧を印加すると、エンドキャップ電極に設けた貫通孔を通してイオントラップ電極の内部に、前記したトラッピング電界や補助高周波電界と異なる電界が形成される。この補助電極により形成される電界は、電界極性によりイオンをイオントラップ電極内部から外部に取り出す方向に作用するか抑制する方向に作用する。従って、検出器が検出するイオン量を増加させ、検出感度を向上させることができる。
【0014】
この補助電極により形成される電界はエンドキャップ電極の近傍にとどまるため、イオントラップ電極内の中心近傍の電界に非対称性を与えることはない。本発明に使用する補助電極が形成する電界はしみ出し電界であるため、エンドキャップ電極の近傍にのみ非対称な電界を形成する。そのため、イオントラップ電極内部で振動するイオンの内、エンドキャップ電極付近まで振動したイオンだけが、補助電極で形成される非対称電界の影響を受けて外部に取り出される。これに対して、イオントラップ電極の中心付近には補助電極による電界は到達しないため、イオントラップ電極の中心付近で振動するイオンは補助電極の影響を受けず、イオントラップ質量分析装置が備える本来の検出特性には影響を与えない。
【0015】
本発明の第1の実施態様は、補助電極に印加する電圧は直流電圧であり、これによって、補助電極を設置したエンドキャップ電極付近に非対称電界を形成することができる。また、本発明の第2の実施態様は、補助電極に印加する電圧は、エンドキャップ電極に印加する高周波電圧と同期した高周波電圧であり、これによって、補助電極を設置したエンドキャップ電極付近にイオントラップ電極内部に発生する電界変化と同期した非対称電界を形成して、内部電界で振動したイオンがこの非対称電界の影響を受けやすくし、外部へのイオンの取り出し効率を高めることができる。
【0016】
本発明の第3の実施態様は、エンドキャップ電極は複数の貫通孔を備えるものであり、補助電極により形成した電界をこの貫通孔を介してイオントラップ電極内部にしみ込ませ、エンドキャップ電極の近傍に非対称電界の形成を行うことができる。また、本発明の第4の実施態様は、補助電極をエンドキャップ電極に形成した貫通孔に対応した複数の電極によって形成し、各電極に独立して電圧を印加可能とするものであり、これによって、エンドキャップ電極近傍に任意の非対称電界を形成することができる。さらに、本発明の第5の実施態様は、補助電極を形成する複数の各電極を抵抗を介して接続して分圧電圧を印加するものであり、これによって、各電極に任意の電圧を印加して、エンドキャップ電極近傍における任意の非対称電界の形成を容易とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施形態について、図1,2の本発明のイオントラップ質量分析装置の概略斜視図を用いて説明する。なお、図1はイオンの取り出し動作を説明するための図であり、図2はイオンのトラップ動作を説明するための図である。
【0018】
図1において、イオントラップ電極1は、回転双曲面を持つリング電極2と第リング電極2の両開放端に設けられる第1,2エンドキャップ電極3,4を備え、リング電極2には主RF電源5を接続し、第1,2エンドキャップ電極3,4にはトランス8を介して補助RF電源6を接続する。主RF電源5はRF周波数ωで振幅Vの交流電圧を発生して、リング電極2によってイオントラップ電極10内にトラッピング電界を形成し、補助RF電源6は高周波電圧を発生して、エンドキャップ電極3,4によってイオントラップ電極10内に補助高周波電界を形成する。主RF電源5および補助RF電源6が発生する電圧やタイミングは、制御回路7によって制御が行なわれる。
【0019】
エンドキャップ電極3,4には貫通孔が形成され、該貫通孔を通してイオントラップ電極10内にトラップされているイオンを取り出したり、あるいは該貫通孔を通して図示しない試料イオン化室で発生したイオンをイオントラップ内に導入したり、イオン化用電子ビームを導入したりする。イオンを取り出す側のエンドキャップ電極4の外側には二次電子倍増管等の検出器9を設け、これによって、イオントラップ電極10から選択的に取り出したイオンの検出を行う。測定装置19は、検出したイオンの数と主RF電源5の振幅Vとに基づいて質量スペクトルを求める。
【0020】
エンドキャップ電極3,4のイオントラップ電極2と反対側の近傍には、第1,2補助電極11,12が設けられる。なお、第1,2補助電極11,12は、エンドキャップ電極の両側あるいは、検出器9側の一方のみに設置することができる。以下、エンドキャップ電極3,4の両側に設けた場合について説明する。第1,2補助電極11,12には、それぞれ第1補助電源13および第2補助電源14が接続され、直流電圧あるいは高周波電圧,または両者を重畳した電圧が印加される。第1補助電源13,第2補助電源14は、図1中の制御回路7あるいは図示しない別の制御回路によって制御することができ、エンドキャップ電極に印加する高周波電圧と同期した高周波電圧を印加する構成とすることもできる。
【0021】
次に、イオントラップ電極によるイオンのトラップ動作を図2を用いて説明し、イオントラップ電極内部からイオンを取り出す動作について図1を用いて説明する。図1,2中の+符号を丸印で囲んだ記号は、正電荷のイオンを表している。なお、図2に示す構成は、前記した図1と同様であるため、図2の構成についての説明は省略する。
【0022】
イオンのトラップ動作は以下のようにして行なわれる。図2において、エンドキャップ電極3に形成された貫通孔を通して、図示しない試料イオン化室で発生したイオンをイオントラップ電極10内に導入するか、あるいはイオン化用電子ビームを導入することによって、イオントラップ電極10内部にイオンを生成させる。生成したイオンは、質量/電荷,リング電極の最小半径,直流電圧U,交流電圧の振幅V,周波数ωについて一定の条件の下でイオントラップ電極10内に安定にトラップされ、交流電場の角周波数ωで振動するとともに、イオントラップ電極10の半径方向および長軸方向に対してωよりも遅い周期で調和振動し、電極のセルの中心付近をゆっくりと∞型に振動しながらωの周期で小振幅の振動をする。これによって、所定のイオンのみを選択的にイオントラップ電極10内に閉じ込める、その他のイオンを除去することができる。
【0023】
イオントラップ電極10内へのイオンの導入やイオン化用電子ビームの導入時には、図2中の第2補助電極12に、第2エンドキャップ電極4に対して正の電圧を印加する。これによって、第2補助電極12が生成する電界は貫通孔を通してしみ込み、第2エンドキャップ電極4の近傍に正の電界を発生させ、第2エンドキャップ電極4の近傍に局部的な非対称電界を形成する。この非対称電界は、イオントラップ電極10内のイオンが検出器9側に放出することを防止し、イオントラップ電極10内でイオンのトラップを補助する。
【0024】
次に、イオンの取り出し動作は以下のようにして行なわれる。図1において、第2補助電極12に、第2エンドキャップ電極4に対して負の電圧を印加する。これによって、第2補助電極12が生成する電界は貫通孔を通してしみ込みに、第2エンドキャップ電極4の近傍に負の電界を発生させ、第2エンドキャップ電極4の近傍に局部的な非対称電界を形成する。この非対称電界は、イオントラップ電極10内のイオンが検出器9への放出を促す作用となり、検出器9によるイオンの検出効率が向上する。なお、このとき、第2補助電極12が検出する非対称電界は、第2エンドキャップ電極4の近傍のみであって、イオントラップ電極10の中心付近の電界には影響を与えない。また、第2補助電極12には、エンドキャップ電極4に印加する高周波電圧と同期した高周波電圧を印加する構成とすることもできる。
【0025】
また、第1補助電極11に、第1エンドキャップ電極3に対して正の電圧を印加する。これによって、第1補助電極11が生成する電界は貫通孔を通してしみ込み、第1エンドキャップ3電極の近傍に正の電界を発生させ、第1エンドキャップ電極3の近傍に局部的な非対称電界を形成する。この非対称電界は、イオントラップ電極10内のイオンが第1エンドキャップ電極3の貫通孔を通して外部に放出することを防止し、検出器9によるイオンの検出効率が向上させる。
【0026】
次に、図3,4,5を用いてイオントラップ電極の構成例について説明する。
【0027】
図3はイオントラップ電極の第1の構成例を説明するため一部を切り欠いた斜視図である。図3において、イオントラップ電極10は、リング電極2と第1,2エンドキャップ電極3,4を備え、エンドキャップ電極および補助電極を同心円状に形成する構成である。
【0028】
第1,2エンドキャップ電極3,4の中心部分には、軸方向に貫通孔が形成され、軸方向に貫通した絶縁体15,16を介して第1,2補助電極11,12が取り付けられる。この第1,2補助電極11,12にも軸方向に貫通孔が形成され、該貫通孔を通してイオンや電子ビームの導入あるいはイオンの取り出しが行なわれる。第1補助電極11には第1補助電源13が接続され、第2補助電極12には第1補助電源14が接続される。
上記構成により、第1,2補助電極11,12により発生した電界は、中心の貫通孔を通ってイオントラップ電極10内部にしみ込み、非対称電界を形成する。
【0029】
図4はイオントラップ電極の第2の構成例を説明するため一部を切り欠いた斜視図である。図4において、イオントラップ電極10は、リング電極2と第1,2エンドキャップ電極3,4を備え、エンドキャップ電極に複数個の貫通孔を形成する構成である。
【0030】
第1,2エンドキャップ電極3,4には、中心部分と周囲部分の複数箇所に貫通孔18が形成され、絶縁体17を挟んで第1,2補助電極11,12が取り付けられる。この第1,2補助電極11,12には中心部分に貫通孔が形成される。イオンや電子ビームの導入あるいはイオンの取り出しは、エンドキャップ電極および補助電極の中心部分に形成した貫通孔を通して行われる。第1補助電極11には第1補助電源13が接続され、第2補助電極12には第1補助電源14が接続される。
【0031】
上記構成により、第1,2補助電極11,12により発生した電界は、エンドキャップ3,4の中心部分に形成した貫通孔および周囲部分に形成した複数個の貫通孔を通ってイオントラップ電極10内部にしみ込み、非対称電界を形成する。
【0032】
図5に示す断面図は第3の構成例であり、図4に示す第2の構成例において、第1,2補助電極11,12を、第1,2エンドキャップ電極3,4に形成した複数の貫通孔に対応して分割した複数個の電極により構成した例である。なお、図5では第2補助電極12および第2エンドキャップ電極4のみを示している。分割した電極は、エンドキャップ4に形成した貫通孔に対応した位置に配置され、電極で発生した電界が貫通孔を通してイオントラップ電極内部にしみ込むよう構成する。
【0033】
各分割電極には、電圧を独立して印加することができるよう構成し、これによって、電界のパターンを任意とすることができる。また図5に示す例では、各分割した電極間を抵抗を介して接続する構成とすることよって、各電極に分圧電圧を印加している。
【0034】
上記実施の形態によれば、補助電極に直流電圧を印加することによって、補助電極を設置したエンドキャップ電極付近に非対称電界を形成することができ、また、補助電極にエンドキャップ電極に印加する高周波電圧と同期した高周波電圧を印加することによって、内部電界で振動したイオンの非対称電界による影響を受けやすくし、外部へのイオンの取り出し効率を高めることができる。
【0035】
本発明の形態によれば、複数の貫通孔を備えたエンドキャップ電極を用いることによって、エンドキャップ電極の近傍に非対称電界の形成を行うことができる。また、補助電極を該貫通孔に対応した複数の電極によって形成し、各電極に独立して電圧を印加することによって、エンドキャップ電極近傍に任意の非対称電界を形成することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のイオントラップ質量分析装置によれば、イオントラップ電極内の中心近傍の電界に非対称性を与えることなくイオンの検出感度を向上させて、イオントラップ質量分析装置の感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオントラップ質量分析装置の概略斜視図であり、イオン取り出しを説明するための図である。
【図2】本発明のイオントラップ質量分析装置の概略斜視図であり、イオントラップを説明するための図である。
【図3】イオントラップ電極の第1の構成例を説明するため一部を切り欠いた斜視図である。
【図4】イオントラップ電極の第2の構成例を説明するため一部を切り欠いた斜視図である。
【図5】イオントラップ電極の第3の構成例を説明するため一部を切り欠いた斜視図である。
【図6】従来より知られるイオントラップ電極の概略図である。
【図7】トラップ可能電圧条件を表す図である。
【図8】イオントラップ電極を用いた従来のイオントラップ質量分析装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1…イオントラップ質量分析装置、2…リング電極、3,4…エンドキャップ電極、5…主RF電源、6…補助RF電源、7…制御回路、8…トランス、9…検出器、10…イオントラップ電極、11,12…補助電極、13,14…補助電源、15,16,17…絶縁体、18…貫通孔、19…測定装置。

Claims (1)

  1. リング電極と、リング電極の両開放端に設けた貫通孔を有する一対のエンドキャップ電極と、RF周波数ωで振幅Vの交流電圧をリング電極に印加する主RF電源と、エンドキャップ電極の少なくとも一方に高周波電圧を印加する補助電源と、前記電源を制御する制御回路と、一方のエンドキャップ電極の貫通孔から放出されるイオンを検出する検出器と、検出したイオンの数と振幅Vとに基づいて質量スペクトルを求める測定装置とを備えたイオントラップ質量分析装置において、
    少なくとも一方のエンドキャップ電極のリング電極と反対側に、エンドキャップ電極との間で電圧が印加される補助電極を設け、
    前記補助電極に、前記エンドキャップ電極に印加する高周波電圧と同期した高周波電圧を印加することを特徴とするイオントラップ質量分析装置。
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