JP6168985B2 - 接着剤 - Google Patents
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Description
〔1〕樹脂を含む接着剤であって、
該樹脂が、フラン環を有するジカルボン酸化合物を含むジカルボン酸成分とジオール及び/又はジアミンとを縮合して得られる樹脂であり、該ジカルボン酸成分中のフラン環を有するジカルボン酸化合物の量が90モル%を超える樹脂であり、該樹脂の融点が50℃以上、200℃以下である、接着剤;
〔2〕前記〔1〕に記載の接着剤と木質材料の粉砕物とを、前記接着剤中の樹脂の融点以上の温度で押出し成型して得られる、ペット用排泄物処理剤;並びに
〔3〕フラン環を有するジカルボン酸化合物を含むジカルボン酸成分とジオール及び/又はジアミンとを縮合して得られる、該ジカルボン酸成分中のフラン環を有するジカルボン酸化合物の量が90モル%を超える樹脂であって、該樹脂の融点が50℃以上、200℃以下である樹脂を用いて、接着する接着方法;に関する。
該樹脂が、フラン環を有するジカルボン酸化合物を含むジカルボン酸成分とジオール及び/又はジアミンとを縮合して得られる樹脂であり、該ジカルボン酸成分中のフラン環を有するジカルボン酸化合物の量が90モル%を超える樹脂であり、該樹脂の融点が50℃以上、200℃以下である、接着剤である。
樹脂の原料となるジカルボン酸成分中、フラン環を有するジカルボン酸化合物の量は、接着剤の耐久性の観点から、90モル%を超え、好ましくは93モル%以上、より好ましくは95モル%以上、更に好ましくは98モル%以上、よりさらに好ましくは99モル%以上、実質的に100%がよりさらに好ましい。
ジオールとしては、製造される接着剤の熱融着性に優れる観点から、脂肪族ジオールが好ましく、直鎖脂肪族ジオールがより好ましい。
本発明における樹脂の製造方法は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド等の熱可塑性樹脂の製造に関する公知の方法が採用できる。また、この際の重合反応は、従来から採用されている適切な条件を設定することができ、特に制限されない。
本発明に用いられる樹脂の数平均分子量としては、製造される接着剤の熱融着性及び耐久性の観点から、好ましくは5000以上、より好ましくは8000以上、さらに好ましくは1万以上、さらに好ましくは1.5万以上であり、樹脂の生産性の観点から、好ましくは15万以下、より好ましくは10万以下、さらに好ましくは8万以下、さらに好ましくは6万以下、さらに好ましくは5万以下である。
本発明に用いられる樹脂の数平均分子量、融点、ガラス転移点及びメルトフローレートは、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。
上記の樹脂は、接着剤を構成する成分の一つである。従って、上記の樹脂を接着剤用樹脂とすることができ、接着剤用樹脂は本発明の態様の一つである。本発明の接着剤用樹脂は、下記に示される木質材料用に好適に適用できる。
本発明の接着剤は、上記の樹脂を必須成分として含有するものであり、必要に応じて可塑剤、あるいは他の成分を含有するものである。本発明の接着剤は熱融着性及び耐久性に優れているため、好ましくは木質材料用に適用できる。木質材料としては、後述するものが好ましく挙げられる。
化合物(A)とは、分子中に2個以上のエステル基を有するエステル化合物であって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2〜3のアルキレンオキサイドを平均0.5〜5モル付加したアルコールであるエステル化合物である。
化合物(B)とは、式(I):
R1O−CO−R2−CO−〔(OR3)mO−CO−R2−CO−〕nOR1 (I)
(式中、R1は炭素数が1〜4のアルキル基、R2は炭素数が2〜4のアルキレン基、R3は炭素数が2〜6のアルキレン基であり、mは1〜6の数、nは1〜12の数を示す。全てのR1は同一でも異なっていてもよく、全てのR2は同一でも異なっていてもよく、全てのR3は同一でも異なっていてもよい。)で示されるエステル化合物である。
化合物(C)とは、:式(II):
化合物(A)に含まれるエステル化合物としては、分子中に2個以上のエステル基を有する多価アルコールエステル又は多価カルボン酸エーテルエステルであって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2〜3のアルキレンオキサイドを平均0.5〜5モル付加したアルコールであるエステル化合物が好ましい。
式(I)におけるR1は、炭素数が1〜4のアルキル基を示し、1分子中に2個存在して、分子の両末端に存在する。全てのR1は同一でも異なっていてもよい。R1は炭素数が1〜4であれば、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。アルキル基の炭素数としては、熱融着性と耐久性を向上させる観点から、1〜4が好ましく、1〜2がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基が挙げられ、なかでも、熱融着性と耐久性を向上させる観点から、メチル基及びエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
式(II)で表される化合物は、ポリエーテル型リン酸トリエステルであり、対称構造でも非対称構造でも構わないが、製造上の簡便さからは、対称構造のリン酸トリエステルが好ましい。
本発明の接着方法は、前記フラン環を有するジカルボン酸化合物を含むジカルボン酸成分とジオール及び/又はジアミンとを縮合して得られる、該ジカルボン酸成分中のフラン環を有するジカルボン酸化合物の量が90モル%を超える樹脂であって、該樹脂の融点が50℃以上、200℃以下である樹脂を用いて、接着する接着方法である。
本発明の接着剤を用いて木質材料の粉砕物を接着することによって、本発明のペット用排泄物処理材を製造することができる。具体的には、本発明の接着剤と木質材料の粉砕物とを、前記接着剤中の樹脂の融点以上の温度で押出し成型することで、本発明のペット用排泄物処理材を製造することができる。
該樹脂が、フラン環を有するジカルボン酸化合物を含むジカルボン酸成分とジオール及び/又はジアミンとを縮合して得られる樹脂であり、該ジカルボン酸成分中のフラン環を有するジカルボン酸化合物の量が90モル%を超える樹脂であり、該樹脂の融点が50℃以上、200℃以下である、接着剤。
[3]フラン環を有するジカルボン酸化合物が、フラン-2,5-ジカルボン酸、フラン-2,4-ジカルボン酸、フラン-2,3-ジカルボン酸及びフラン-3,4-ジカルボン酸からなる群より選択されるフランジカルボン酸化合物の1種以上である、前記[1]又は[2]の接着剤。
[4]ジカルボン酸成分として、好ましくは炭素数2以上、より好ましくは6以上であり、好ましくは炭素数12以下、より好ましくは10以下である脂肪族ジカルボン酸化合物をさらに含有する、前記[1]〜[3]いずれか一つの接着剤。
[5]脂肪族ジカルボン酸化合物が、好ましくはシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、これらの酸の酸無水物及びこれらの酸の炭素数1〜3のアルキルエステルからなる群より選択される脂肪族ジカルボン酸化合物の1種以上である、前記[4]の接着剤。
[6]該脂肪族ジカルボン酸化合物のジカルボン酸成分中の量が、好ましくは10モル%未満、より好ましくは7モル%以下、更に好ましくは5モル%以下、より更に好ましくは2モル%以下、より更に好ましくは1モル%以下、より更に好ましくは0モル%である、前記[4]又は[5]の接着剤。
[8]ジオールが、好ましくは脂肪族ジオール、より好ましくは直鎖脂肪族ジオールである、前記[1]〜[7]いずれか一つの接着剤。
[9]ジオールが、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,4-ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、2,3-ブタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,3-ヘキサンジオール、3,4-ヘキサンジオール、2,4-ヘキサンジオール及び2,5-ヘキサンジオールからなる群より選択される脂肪族ジオールの1種以上が好ましく、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール及び1,18-オクタデカンジオールからなる群より選択される1種以上がより好ましく、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール及び1,12-ドデカンジオールからなる群より選択される1種以上が更に好ましく、1,10-デカンジオール及び/又は1,12-ドデカンジオールがより更に好ましい、前記[1]〜[8]いずれか一つの接着剤。
[11]ジアミンの炭素数が、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは8以上、より更に好ましくは10以上であり、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下である、前記[1]〜[10]いずれか一つの接着剤。
[13]ジアミンが、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン1,3-プロパンジアミン、1,2-ブタンジアミン、1,3-ブタンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,2-ペンタンジアミン、1,3-ペンタンジアミン、1,4-ペンタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、1,13-トリデカンジアミン、1,14-テトラデカンジアミン、1,16-ヘキサデカンジアミン、及び1,18-オクタデカンジアミンからなる群より選択される1種以上が好ましく、1,6-ヘキサンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、1,13-トリデカンジアミン、1,14-テトラデカンジアミン、1,16-ヘキサデカンジアミン及び1,18-オクタデカンジアミンからなる群より選択される1種以上がより好ましく、1,8-オクタンジアミン、1,10-デカンジアミン及び1,12-ドデカンジアミンからなる群より選択される1種以上が更に好ましく、1,10-デカンジアミン及び/又は1,12-ドデカンジアミンがより更に好ましい、前記[1]〜[12]いずれか一つの接着剤。
[14]ジアミン成分中の脂肪族ジアミンの含有量が、好ましくは40モル%以上、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、より更に好ましくは90モル%以上、より更に好ましくは95モル%以上であり、より更に好ましくは99モル%以上、より更に好ましくは実質的に100モル%である、前記[1]〜[13]いずれか一つの接着剤。
[16]樹脂が、下記一般式(1)又は(2):
[17]Aが、好ましくは炭素数2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは8以上、より更に好ましくは10以上であり、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下の、置換基を有していても良い2価の脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキレン基がより好ましく、直鎖のアルキレン基が更に好ましい、前記[16]の接着剤。
[18]樹脂が、ジカルボン酸成分並びにジオール及び/又はジアミンを含有する混合物を加熱することによって、ジカルボン酸成分とジオール及び/又はジアミンとの縮合反応を生じさせて製造されるものである、前記[1]〜[17]いずれか一つの接着剤。
[19]ジカルボン酸成分1モルに対して、ジオール及びジアミンの合計量が、好ましくは1モル以上、より好ましくは1.2モル以上、さらに好ましくは1.5モル以上であり、好ましくは10モル以下、より好ましくは8モル以下、さらに好ましくは5モル以下である、前記[1]〜[18]いずれか一つの接着剤。
[20]縮合反応時の加熱温度が、好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上、さらに好ましくは200℃以上、さらに好ましくは220℃以上であり、好ましくは270℃以下、より好ましくは250℃以下である、前記[1]〜[19]いずれか一つの接着剤。
[22]樹脂の数平均分子量が、好ましくは5000以上、より好ましくは8000以上、さらに好ましくは1万以上、さらに好ましくは1.5万以上であり、好ましくは15万以下、より好ましくは10万以下、さらに好ましくは8万以下、さらに好ましくは6万以下、さらに好ましくは5万以下である、前記[1]〜[21]いずれか一つの接着剤。
[23]樹脂のガラス転移点が、好ましくは−50℃以上、より好ましくは−30℃以上であり、好ましくは40℃以下、より好ましくは20℃以下、さらに好ましくは10℃以下、さらに好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−5℃以下である、前記[1]〜[22]いずれか一つの接着剤。
[24]樹脂の融点が、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは70℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、さらに好ましくは150℃以下、さらに好ましくは120℃以下である、前記[1]〜[23]いずれか一つの接着剤。
[26]接着剤が、さらに可塑剤を含む、前記[1]〜[25]いずれか一つの接着剤。
[27]接着剤中の可塑剤の含有量が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である、前記[26]の接着剤。
[28]接着剤中の可塑剤の量が、樹脂100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上であり、好ましくは200質量部以下、より好ましくは180質量部以下、さらに好ましくは150質量部以下、さらに好ましくは120質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下、さらに好ましくは80質量部以下である、前記[26]又は[27]の接着剤。
[30]可塑剤が、(ポリ)オキシアルキレン基又は炭素数2〜6(好ましくは2〜4)のアルキレン基を有するエステル化合物が好ましく、(ポリ)オキシアルキレン基又は炭素数2〜6(好ましくは2〜4)のアルキレン基を有するポリエステル系可塑剤、(ポリ)オキシアルキレン基又は炭素数2〜6(好ましくは2〜4)のアルキレン基を有する多価アルコールエステル系可塑剤、(ポリ)オキシアルキレン基又は炭素数2〜6(好ましくは2〜4)のアルキレン基を有する多価カルボン酸エステル系可塑剤、及び(ポリ)オキシアルキレン基又は炭素数2〜6(好ましくは2〜4)のアルキレン基を有するリン酸エステル系可塑剤からなる群より選ばれる1種以上が更に好ましい、前記[26]〜[29]いずれか一つの接着剤。
化合物(A):分子中に2個以上のエステル基を有するエステル化合物であって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2〜3のアルキレンオキサイドを平均0.5〜5モル付加したアルコールであるエステル化合物
化合物(B):式(I)
R1O−CO−R2−CO−〔(OR3)mO−CO−R2−CO−〕nOR1 (I)
(式中、R1は炭素数が1〜4のアルキル基、R2は炭素数が2〜4のアルキレン基、R3は炭素数が2〜6のアルキレン基であり、mは1〜6の数、nは1〜12の数を示す。全てのR1は同一でも異なっていてもよく、全てのR2は同一でも異なっていてもよく、全てのR3は同一でも異なっていてもよい。)で示されるエステル化合物
化合物(C):式(II)
[32]エステル化合物(A)が、好ましくは分子中に2個以上のエステル基を有する多価アルコールエステル又は多価カルボン酸エーテルエステルであって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2〜3のアルキレンオキサイドを平均0.5〜5モル付加したアルコールであるエステル化合物であり、より好ましくは、酢酸とグリセリンのエチレンオキサイド平均3〜6モル付加物(水酸基1個あたりエチレンオキサイドを1〜2モル付加)とのエステル、酢酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が4〜6のポリエチレングリコールとのエステル、コハク酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜3のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(水酸基1個あたりエチレンオキサイドを2〜3モル付加)とのエステル、アジピン酸とジエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、及び1,3,6−ヘキサントリカルボン酸とジエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステルからなる群より選択されるエステルの1種以上である、前記[26]〜[31]いずれか一つの接着剤。
[34]エステル化合物(C)が、好ましくは式(II)中のR4、R5、R6がそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基及びイソブチル基からなる群より選択される1種以上であり、A1、A2、A3がそれぞれ独立して、エチレン基、n−プロピレン基及びイソプロピレン基からなる群より選択される1種以上であって、隣接する酸素原子とオキシアルキレン基を形成し、x、y、zがそれぞれ独立して正の数であって、かつ、x+y+zが3を超え、好ましくは4を超え、より好ましくは6以上であって、12以下、好ましくは12未満、より好ましくは9以下を満足する数である、前記[26]〜[33]いずれか一つの接着剤。
[35]エステル化合物(C)が、トリス(エトキシエトキシエチル)ホスフェート、トリス(メトキシエトキシエチル)ホスフェート、トリス(プロポキシエトキシエチル)ホスフェート、トリス(ブトキシエトキシエチル)ホスフェート、トリス(メトキシエトキシエトキシエチル)ホスフェート、トリス(エトキシエトキシエトキシエチル)ホスフェート、トリス(プロポキシエトキシエトキシエチル)ホスフェート、ビス(エトキシエトキシエチル)メトキシエトキシエトキシエチルホスフェート、ビス(メトキシエトキシエトキシエチル)エトキシエトキシエチルホスフェート、ビス(エトキシエトキシエチル){ブトキシエトキシエチル}ホスフェート、及び炭素数1〜4のアルコールのポリオキシエチレン付加物又はポリオキシプロピレン付加物の混合物を式(II)を満たすようにリン酸トリエステル化した非対称ポリエーテル型リン酸エステルからなる群より選択される1種以上である、前記[26]〜[34]いずれか一つの接着剤。
[37]接着剤中の樹脂の含有量が、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である、前記[1]〜[36]いずれか一つの接着剤。
[38]フラン環を有するジカルボン酸化合物を含むジカルボン酸成分とジオール及び/又はジアミンとを縮合して得られる、該ジカルボン酸成分中のフラン環を有するジカルボン酸化合物の量が90モル%を超え、好ましくは93モル%以上、より好ましくは95モル%以上、更に好ましくは98モル%以上、よりさらに好ましくは99モル%以上、よりさらに好ましくは実質的に100%である樹脂であって、該樹脂の融点が好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは70℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、さらに好ましくは150℃以下、さらに好ましくは120℃以下である、接着剤用樹脂。
[40]前記[1]〜[37]いずれか一つの接着剤と木質材料の粉砕物とを、好ましくは前記接着剤中の樹脂の融点以上の温度であり、また、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは100℃以上であり、より更に好ましくは130℃以上であり、好ましくは240℃以下、より好ましくは220℃以下、更に好ましくは200℃以下、より更に好ましくは190℃以下で、押出し成型して得られる、ペット用排泄物処理材。
[41]木質材料が、好ましくは、木本の粉砕物(木質又は樹皮の粉砕物)、種子油残査、穀物外皮粉砕物及び草本粉砕物からなる群より選択される1種以上であり、より好ましくは、スギ科、マツ科及びヒノキ科からなる群より選択される1種以上の木質又は樹皮の粉砕物である、前記[40]のペット用排泄物処理材。
[42]粉砕物の大きさが好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.02mm以上、さらに好ましくは0.05mm以上であり、好ましくは1cm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは2mm以下である、前記[40]又は[41]のペット用排泄物処理材。
[43]木質材料の粉砕物の含有量が、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下である、前記[40]〜[42]いずれか一つのペット用排泄物処理材。
[45]好ましくは円柱状に成型された成型物であって、成型物の直径が、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上、さらに好ましくは3mm以上、さらに好ましくは4mm以上であり、好ましくは7mm以下、より好ましくは6mm以下、さらに好ましくは5mm以下であって、成型物の長さが、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上、さらに好ましくは7mm以上であり、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下、さらに好ましくは20mm以下、さらに好ましくは15mm以下である、前記[40]〜[44]いずれか一つのペット用排泄物処理材。
[47]フラン環を有するジカルボン酸化合物を含むジカルボン酸成分とジオール及び/又はジアミンとを縮合して得られる、該ジカルボン酸成分中のフラン環を有するジカルボン酸化合物の量が90モル%を超え、好ましくは93モル%以上、より好ましくは95モル%以上、更に好ましくは98モル%以上、よりさらに好ましくは99モル%以上、よりさらに好ましくは実質的に100%である樹脂であって、該樹脂の融点が好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは70℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、さらに好ましくは150℃以下、さらに好ましくは120℃以下である樹脂を用いて、接着する接着方法。
[48]木質材料の粉砕物、不織布、織布、樹脂フィルム、編み物等を接着する、前記[47]の接着方法。
撹拌羽、窒素導入口及び冷却管を備えた2Lの反応容器に、2,5−フランジカルボン酸300g(1.92mol)、1,4−ブタンジオール520g(5.77mol)及びオクチル酸スズ0.3g(0.00074mol)を測りとって投入した。撹拌を開始し500mL/分で窒素を導入しながら、180℃に加熱した。この温度を維持しつつ、縮合反応に伴って生成する留分を3時間かけて回収した。次いで、さらに加熱して反応容器内を230℃まで昇温すると共に、徐々に1Paまで減圧し、留分を回収した。230℃に到達後にこの温度を維持し、6時間減圧留去(圧力50Pa)を続けて重合させることで、反応容器内に樹脂を得た。
製造例1の1,4−ブタンジオール520gを1,8−オクタンジオール844g(5.77mol)に変更したこと以外は製造例1と同じ操作を行い、樹脂を得た。
製造例1の1,4−ブタンジオール520gを1,10−デカンジオール1006g(5.77mol)に変更したこと以外は製造例1と同じ操作を行い、樹脂を得た。
製造例1の1,4−ブタンジオール520gを1,12−ドデカンジオール1167g(5.77mol)に変更したこと以外は製造例1と同じ操作を行い、樹脂を得た。
製造例1の1,4−ブタンジオール520gを1,12−ジアミノドデカン1156g(5.77mol)に変更したこと以外は製造例1と同じ操作を行い、樹脂を得た。
製造例1の1,4−ブタンジオール520gを546g(6.06mol)に変更したこと、及びセバシン酸20.4g(0.101mol)を2,5−フランジカルボン酸等と一緒に反応容器に加えたこと以外は製造例1と同じ操作を行い、樹脂を得た。なお、2,5−フランジカルボン酸とセバシン酸とのモル比(2,5−フランジカルボン酸/セバシン酸)は95/5であった。
製造例1の1,4−ブタンジオール520gを611g(6.78mol)に変更したこと、及びセバシン酸68.5g(0.339mol)を2,5−フランジカルボン酸等と一緒に反応容器に加えたこと以外は製造例1と同じ操作を行い、樹脂を得た。なお、2,5−フランジカルボン酸とセバシン酸とのモル比(2,5−フランジカルボン酸/セバシン酸)は85/15であった。
以下の条件で樹脂の分子量を測定した。
分析機器:東ソー(株)製、HLC−8320GPC
検出器:示差屈折検出器
溶離液:トリフルオロ酢酸ナトリウムの濃度が5mMであるヘキサフルオロイソプロパノール溶液
流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
分子量標準:ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の標準を使用し、数平均分子量を求めて樹脂の分子量とした。
以下の条件で樹脂の融点(Tm)とガラス転移温度(Tg)を測定した。
装置名:ティー・エイ・インスツルメント製示差走査熱量分析装置
パン:プラチナパン
試料質量:10mg
昇温速度:10℃/min
JIS K7210に記載の方法に従って、以下の条件で樹脂のメルトフローレート(MFR)を測定した。
温度:190℃
荷重:21.18N荷重
攪拌機、温度計、脱水管を備えた3Lフラスコに、無水コハク酸500g、トリエチレングリコールモノメチルエーテル2463g、パラトルエンスルホン酸一水和物9.5gを仕込み、空間部に窒素(500mL/分)を吹き込みながら、減圧下(4〜10.7kPa)、110℃で15時間反応させた。得られた反応液の酸価は1.6(KOHmg/g)であった。
4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、滴下漏斗、蒸留管、窒素吹き込み管付き)にジエチレングリコール999g(9.41モル)及び触媒として28質量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液23.6g(ナトリウムメトキシド0.122モル)を入れ、常圧(101.3kPa)、120℃で0.5時間攪拌しながらメタノールを留去した。その後、コハク酸ジメチル(和光純薬工業社製)4125g(28.2モル)を3時間かけて滴下し、常圧、120℃で、反応により生じるメタノールを留去した。次に、75℃に冷却し、圧力を2時間かけて常圧から6.7kPaまで徐々に下げてメタノールを留去した後、常圧にもどし、さらに、触媒として28質量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液4.4g(ナトリウムメトキシド0.023モル)を添加して、100℃で、圧力を2時間かけて常圧から2.9kPaまで徐々に下げてメタノールを留出させた。
1リットル四つ口フラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテル600g(4.47モル)を加え、乾燥窒素ガスを毎分50mLの流量で吹き込みながら、減圧下(20kPa)で攪拌した。次いで反応系内を室温(15℃)に保ちながらオキシ塩化リン114g(0.745モル)をゆっくりと滴下し、その後、40〜60℃で5時間熟成した。その後、16質量%の水酸化ナトリウム水溶液149gを添加して中和し、過剰の未反応ジエチレングリコールモノエチルエーテルを70〜120℃の温度条件で減圧留去し、さらに水蒸気と接触させて粗リン酸トリエステル367gを得た。
酸価:滴定溶媒としてトルエン/エタノール=2/1(体積比)を用いる他は、JIS K 0070の試験法に従って分析を行う。
水酸基価:アセチル化試薬として無水酢酸/ピリジン=1/4(体積比)を用い、添加量を3mLとする他は、JIS K 0070の試験法に従って分析を行う。
ケン化価:水浴の温度を95℃に、加熱時間を1時間にする他は、JIS K 0070の試験法に従って分析を行う。
分子量:本明細書において可塑剤の分子量とは数平均分子量を意味し、可塑剤の酸価、水酸基価及びケン化価から次式により算出する。
平均分子量 M=(M1+M2−M3×2)×n+M1−(M3−17.01)×2+(M3−17.01)×p+(M2−17.01)×q+1.01×(2−p−q)
q=水酸基価×M÷56110
2−p−q=酸価×M÷56110
平均重合度 n=ケン化価×M÷(2×56110)−1
末端アルキルエステル化率(%)=(p÷2)×100
ただし、M1:二塩基酸エステルの分子量
M2:二価アルコールの分子量
M3:一価アルコールの分子量
p:一分子中の末端アルキルエステル基の数
q:一分子中の末端水酸基の数
尚、ジカルボン酸、一価アルコール、二価アルコールを複数種用いる場合、分子量は、数平均値の分子量を用いる。
製造例1〜7で得られた樹脂、可塑剤の製造例1〜3で得られた可塑剤、市販の樹脂及び市販の可塑剤を、表2に示す配合比で、2軸混練機を用いて200℃にて混練を行い、接着剤としての樹脂・可塑剤混練物を得た。
市販の樹脂は、表2中ではPLA、PBS及びPHBHで示されるものであり、市販の可塑剤は、表2中では可塑剤4で示されるものである。これらの市販品の詳細は次の通りである。
PBS(ポリブチレンサクシネート):昭和電工(株)製、ビオノーレ1001(融点:110℃)
PHBH(3-ヒドロキシ酪酸とR-3-ヒドロキシヘキサン酸の共重合ポリエステル):(株)カネカ、アオニレックス(融点:145℃)
可塑剤1:コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル
可塑剤2:コハク酸ジメチル及びジエチレングリコールとのオリゴエステル
可塑剤3:トリス(エトキシエトキシエチル)ホスフェート
可塑剤4:アジピン酸とジエチレングリコールモノメチルエーテル/ベンジルアルコール=1/1混合物(モル比)とのジエステル、大八化学工業社製、DAIFATTY-101(平均分子量338)
(1)熱融着性
上記の各実施例及び比較例のペット用排泄物処理材を25℃の水中に10秒間浸漬した後、取り出した。浸せき後のペット用排泄物処理材の外観の目視観察から、接着剤の熱融着性を評価した。
形状が若干崩れている。・・・B(良好である。)
処理材の半分が崩れている。・・・C(普通である。)
処理材が崩壊し元の形状を留めていない。・・・D(劣っている。)
上記の各実施例及び比較例のペット用排泄物処理材を40℃、湿度70%RHで、3ヶ月保存した。次いで、上記の熱融着性と同じ方法、同じ評価基準で各処理材を評価した。
実施例1〜4の比較から、炭素数が10〜12の脂肪族ジオールを用いることで、得られた接着剤の熱融着性と耐久性がより優れたものになることが分かった。実施例4と5との比較から、脂肪族ジオールを用いた場合の方が、脂肪族ジアミンを用いた場合より、得られた接着剤の熱融着性と耐久性に、より優れることが分かった。実施例1及び6と比較例5との比較から、ジカルボン酸成分中の脂肪族ジカルボン酸が15モル%以上では耐久性に劣ることが分かった。
Claims (11)
- 樹脂を含む接着剤であって、
該樹脂が、フラン環を有するジカルボン酸化合物を含むジカルボン酸成分とジオール及び/又はジアミンとを縮合して得られる樹脂であり、該ジカルボン酸成分中のフラン環を有するジカルボン酸化合物の量が90モル%を超える樹脂であり、該樹脂の融点が50℃以上、200℃以下である、接着剤。 - 前記Aが炭素数2以上、18以下のアルキレン基である、請求項2に記載の接着剤。
- 樹脂100質量部に対して20質量部以上、200質量部以下の可塑剤をさらに含む、請求項1〜3いずれか1項に記載の接着剤。
- 可塑剤が(ポリ)オキシアルキレン基又は炭素数2〜6のアルキレン基を有するエステル化合物である、請求項4に記載の接着剤。
- 可塑剤が、下記のエステル化合物(A)、エステル化合物(B)及びエステル化合物(C)からなる群より選択される1種以上である、請求項4又は5に記載の接着剤:
化合物(A):分子中に2個以上のエステル基を有するエステル化合物であって、該エステル化合物を構成するアルコール成分の少なくとも1種が水酸基1個当たり炭素数2〜3のアルキレンオキサイドを平均0.5〜5モル付加したアルコールであるエステル化合物、
化合物(B):式(I):
R1O−CO−R2−CO−〔(OR3)mO−CO−R2−CO−〕nOR1 (I)
(式中、R1は炭素数が1〜4のアルキル基、R2は炭素数が2〜4のアルキレン基、R3は炭素数が2〜6のアルキレン基であり、mは1〜6の数、nは1〜12の数を示す。全てのR1は同一でも異なっていてもよく、全てのR2は同一でも異なっていてもよく、全てのR3は同一でも異なっていてもよい。)で示されるエステル化合物、
化合物(C):式(II):
(式中、R4、R5及びR6はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を示し、A1、A2及びA3はそれぞれ独立して炭素数2又は3のアルキレン基を示し、x、y及びzはそれぞれ独立してオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す正の数であって、x+y+zが3を超え12以下を満足する数である。)で示されるエステル化合物。 - 樹脂のメルトフローレートが0.1g/min以上、80g/min以下である、請求項1〜6いずれか1項に記載の接着剤。
- 木質材料用である、請求項1〜7いずれか1項に記載の接着剤。
- 請求項1〜8いずれか1項に記載の接着剤と木質材料の粉砕物とを、前記接着剤中の樹脂の融点以上の温度で押出し成型して得られる、ペット用排泄物処理剤。
- フラン環を有するジカルボン酸化合物を含むジカルボン酸成分とジオール及び/又はジアミンとを縮合して得られる、該ジカルボン酸成分中のフラン環を有するジカルボン酸化合物の量が90モル%を超える樹脂であって、該樹脂の融点が50℃以上、200℃以下である樹脂を用いて、接着する接着方法。
- 木質材料の粉砕物を接着する、請求項10に記載の接着方法。
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