JP6168035B2 - 車両用電源制御装置 - Google Patents

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Description

ここに開示された技術は、車両用電源制御装置に関するものである。
近年、車両の燃費性能を改善する観点から、車両の減速時に集中的に発電を行うことによってエンジンの負担を軽減する、いわゆる減速回生システムを採用した車両が増えつつある。
減速回生システムを採用した車両では、減速時に発電される大容量の電力を短時間で充電するために、従来から広く使われてきた鉛蓄電池(第1蓄電部)とは別に、鉛蓄電池よりも急速な充放電が可能なニッケル水素蓄電池、リチウムイオン二次電池又は電気二重層キャパシタ(第2蓄電部)が搭載されることが多い(特許文献1参照)。このように、特性が異なる2種類の蓄電部を搭載することにより、減速時に発生する電力を無駄なく回収しつつ、十分に大きな充電容量を確保することが可能となる。
特許文献1に記載の装置では、第2蓄電部として、電気二重層キャパシタが採用されており、鉛蓄電池に低電圧電気負荷が接続され、電気二重層キャパシタに発電機が接続されている。電気二重層キャパシタは、減速時に発生する電力を多く回収するために、鉛蓄電池より高い電圧まで充電可能に構成されている。そこで、鉛蓄電池と電気二重層キャパシタとの間には、電圧変換器及びバイパススイッチ素子が並列に接続された回路が設けられている。
通常時には、バイパススイッチ素子はオフにされ、電気二重層キャパシタ又は発電機の電圧は、電圧変換器により降圧されて、鉛蓄電池又は低電圧電気負荷に印加される。一方、電圧変換器の出力電流が予め定められた電流閾値を超えた状態が所定時間継続すると、発電機の発電が停止される。そして、電気二重層キャパシタの電圧が低下して、鉛蓄電池との電位差が所定値以下になると、バイパススイッチ素子がオンにされ、発電機の発電が再開されて、発電機の発電電力が、直接、鉛蓄電池又は低電圧電気負荷に供給される。
特開2013−119331号公報
ここで、電気二重層キャパシタの容量を増大すると、減速時に発生する電力を、より多く回収することが可能となる。しかし、その場合、電圧変換器の出力電流が電流閾値を超えた状態が所定時間継続し、発電機の発電が停止されたときに、電気二重層キャパシタの電圧が低下する速度は、小容量の場合に比べて遅くなる。したがって、電気二重層キャパシタと鉛蓄電池との電位差が所定値以下になってバイパススイッチ素子がオンにされるまでに要する時間が長くなる。このため、電圧変換器の出力電流が電流閾値を超えた状態が、更に長い時間継続することになる。その結果、電圧変換器が故障する虞が高くなる。一方、設置スペース及びコストを考慮すると、むやみに高性能の電圧変換器を採用することは困難である。
ここに開示された技術は、2種類の蓄電部を備える車両用電源制御装置において、電圧変換器の出力電流が電流閾値を超えた状態になったときに、バイパススイッチ素子がオンにされるまでに要する時間が過度に長くなるのを防止することを目的とする。
上述の課題を解決するために、ここに開示された技術は、エンジンにより駆動されて発電する発電機と、所定電圧値以下の電圧で動作する低電圧電気負荷と、前記低電圧電気負荷に電気的に接続され、上限電圧が前記所定電圧値に設定された第1蓄電部と、前記発電機に電気的に接続され、上限電圧が前記所定電圧値より高い電圧に設定され、前記第1蓄電部より急速な充放電が可能な第2蓄電部と、前記第2蓄電部に電気的に接続され、前記所定電圧値を超える電圧で動作する高電圧電気負荷と、前記発電機及び前記第2蓄電部と、前記低電圧電気負荷及び前記第1蓄電部との間に設けられ、前記発電機又は前記第2蓄電部から出力される電圧を低下させて前記低電圧電気負荷又は前記第1蓄電部に出力する電圧変換器と、前記電圧変換器に並列に接続され、オンにされると前記電圧変換器の入力端及び出力端の間を短絡し、オフにされると前記電圧変換器の入力端及び出力端の間を開放するバイパススイッチ素子と、前記バイパススイッチ素子がオフの状態で、前記電圧変換器の出力電流が予め定められた電流閾値を超えると、バイパス移行モードの動作を予め定められた移行時間の間実行し、前記移行時間が経過すると、前記バイパス移行モードの動作を終了してバイパスモードの動作を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記バイパス移行モードでは、前記発電機の発電を停止させ、予め定められた作動条件が満たされるか否かを判定し、前記作動条件が満たされると判定すると前記高電圧電気負荷を強制的に作動させ、前記制御部は、前記バイパスモードでは、前記バイパススイッチ素子をオンにし、前記発電機の発電を再開させるものである。
この構成によれば、バイパススイッチ素子がオフの状態で、電圧変換器の出力電流が電流閾値を超えると、バイパス移行モードの動作が実行される。バイパス移行モードでは、発電機の発電が停止され、作動条件が満たされると判定されると高電圧電気負荷が強制的に作動される。高電圧電気負荷は、第2蓄電部に電気的に接続されている。このため、高電圧電気負荷が強制的に作動されると、第2蓄電部の電圧は、発電機の発電が停止されるだけの場合に比べて早く低下する。したがって、移行時間内に、第2蓄電部の電圧を所定電圧値に近い電圧まで低下させることができる。移行時間が経過すると、バイパススイッチ素子がオンにされる。その結果、第1蓄電部及び低電圧電気負荷に支障を来すことなく、電圧変換器の出力電流が電流閾値を超える状態が継続する時間を移行時間内に抑えることができる。これによって、電圧変換器が故障するのを防止できる。
上記構成において、前記制御部は、前記第1蓄電部が放電しているか否かと、前記第2蓄電部の電圧が予め定められた第1電圧閾値を超えているか否かと、を判定し、前記制御部は、前記第1蓄電部が放電しており、かつ、前記第2蓄電部の電圧が前記第1電圧閾値を超えていると判定すると、前記作動条件が満たされると判定してもよい。
この構成によれば、第1蓄電部が放電しており、かつ、第2蓄電部の電圧が第1電圧閾値を超えていると判定されると、作動条件が満たされると判定されて、高電圧電気負荷が強制的に作動される。このため、第2蓄電部の電圧が第1電圧閾値を超えていても、移行時間内に、第2蓄電部の電圧を所定電圧値に近い電圧まで低下させることができる。なお、第1電圧閾値は、第2蓄電部の電圧が第1電圧閾値以下であれば、高電圧電気負荷を強制的に作動させなくても、移行時間内に、第2蓄電部の電圧が所定電圧値に近い電圧まで低下するような値に、予め設定されている。
上記構成において、発電機能及び電動機能を兼ね備え、前記エンジンに連結されたモータジェネレータを備え、前記発電機は、前記発電機能により動作する場合の前記モータジェネレータであり、前記高電圧電気負荷は、前記電動機能により動作する場合の前記モータジェネレータであり、前記制御部は、前記モータジェネレータを前記電動機能により強制的に動作させる場合であって、かつ、前記エンジンが動作中の場合には、前記モータジェネレータの前記電動機能による駆動力に対応して前記エンジンの駆動力を低下させてもよい。
エンジンの動作中に、モータジェネレータを電動機能により動作させると、車両の駆動力が、必要以上に増大してしまう。しかし、この構成によれば、モータジェネレータを電動機能により強制的に動作させる場合であって、かつ、エンジンが動作中の場合には、モータジェネレータの電動機能による駆動力に対応してエンジンの駆動力が低下される。このため、車両の駆動力が、必要以上に増大するのを防止することができる。また、エンジンの駆動力が低下するため、燃費を向上することができる。
上記構成において、前記高電圧電気負荷として、ヒータをさらに備え、前記制御部は、前記第2蓄電部の電圧が前記第1電圧閾値より高い第2電圧閾値を超えているか否かを判定し、前記制御部は、前記作動条件が満たされると判定し、かつ、前記第2蓄電部の電圧が前記第2電圧閾値を超えていると判定すると、前記モータジェネレータを前記電動機能により強制的に動作させるのに加えて、前記ヒータを強制的に動作させてもよい。
第2蓄電部の電圧が第2電圧閾値を超えている場合には、モータジェネレータを電動機能により動作させるだけでは、移行時間内に、第2蓄電部の電圧を所定電圧値に近い電圧まで低下させることができない可能性がある。しかし、この構成によれば、第2蓄電部の電圧が第2電圧閾値を超えている場合には、モータジェネレータが電動機能により強制的に動作されるのに加えて、ヒータが強制的に動作される、したがって、移行時間内に、第2蓄電部の電圧を所定電圧値に近い電圧まで低下させることができる。また、この構成では、第2蓄電部の電力をモータジェネレータで最大限消費し、モータジェネレータでは不足する分を、ヒータの動作で補うようにしてもよい。その場合には、燃費を最大限向上することができる。
上記構成において、前記制御部は、前記モータジェネレータを前記電動機能により強制的に動作させる場合であって、かつ、ブレーキが動作中の場合には、ブレーキアクチュエータを制御して、前記モータジェネレータの前記電動機能による駆動力に対応して、ブレーキ液の圧力を増大させてもよい。
ブレーキの動作中に、モータジェネレータを電動機能により強制的に動作させると、エンジンが駆動されることになるため、車両の制動力が低下し、ブレーキペダルを操作している運転者に違和感が生じる虞がある。しかし、この構成によれば、モータジェネレータを電動機能により強制的に動作させる場合であって、かつ、ブレーキが動作中の場合には、モータジェネレータの電動機能による駆動力に対応して、ブレーキ液の圧力が増大される。このため、モータジェネレータの電動機能による駆動力によって、車両の制動力が低下するのを抑制できる。その結果、ブレーキペダルを操作している運転者に違和感が生じるのを防止することができる。
この車両用電源制御装置によれば、高電圧電気負荷を強制的に作動させることにより、移行時間内に、第2蓄電部の電圧を所定電圧値に近い電圧まで低下することができ、その結果、電圧変換器の出力電流が電流閾値を超える状態が継続する時間を移行時間内に抑えることができる。
車両用電源制御装置が搭載された車両の構成を概略的に示す図である。 車両の制御系統の電気的構成を概略的に示すブロック図である。 制御部により行われる処理の一例を示すフローチャートである。 制御部により行われる処理の一例を示すフローチャートである。 制御部に保存されている移行時間設定テーブルを示す図である。 低下するキャパシタ電圧の推移の一例を概略的に示す図である。 低下するキャパシタ電圧の推移の別の例を概略的に示す図である。 ブレーキペダルが踏み込まれたときの制動力を概略的に表す図である。 制御部により行われる処理の図3と異なる例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態が説明される。なお、各図では、同様の要素には同様の符号が付され、適宜、説明が省略される。
(車両の全体構成)
図1は、車両用電源制御装置が搭載された車両の構成を概略的に示す図である。車両1は、図1に示されるように、エンジン11、ギヤ駆動式スタータ12、Integrated Starter Generator(ISG)13、正温度係数(PTC)ヒータ14、触媒ヒータ15、キャパシタ16、DC−DCコンバータ17、バイパススイッチ素子18、鉛蓄電池(以下、単に「バッテリ」と称される)19、低電圧電気負荷20を備える。
ギヤ駆動式スタータ12は、ギヤを介してエンジン11の出力軸9に連結されている。ギヤ駆動式スタータ12は、ユーザによりイグニッションスイッチ(図示省略)がオンにされると、バッテリ19から供給される電力を用いて、エンジン11を始動する。エンジン11の駆動力は、出力軸9から、トランスミッション2、終減速機3、駆動軸4を介して、車輪5に伝達される。
ISG13、PTCヒータ14、触媒ヒータ15は、高電圧ラインL1及び遮断スイッチ素子6を介して、キャパシタ16に電気的に接続されている。遮断スイッチ素子6は、オンにされると、キャパシタ16を高電圧ラインL1に接続し、オフにされると、キャパシタ16を高電圧ラインL1から遮断する。遮断スイッチ素子6は、イグニッションスイッチ(図示省略)がオンにされるとオンにされ、イグニッションスイッチがオフにされるとオフにされる。遮断スイッチ素子6は、本実施形態では、機械式リレーで構成されている。代替的に、遮断スイッチ素子6は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOS−FET)又は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)等の半導体スイッチで構成されてもよい。
ISG13は、発電機能と電動機能とを兼ね備える。ISG13は、ベルト8を介してエンジン11の出力軸9に連結されている。ISG13は、発電機能により動作する際は、エンジン11の出力軸9と連動して回転するロータを磁界中で回転させることにより発電を行う。ISG13は、磁界を発生するフィールドコイルへの供給電流の増減に応じて、最大数十Vまでの範囲で発電電圧を調節することが可能になっている。また、ISG13には、発電された交流電力を直流電力に変換する整流器(図示省略)が内蔵されている。ISG13で発電された電力は、この整流器で直流に変換された後に、高電圧ラインL1に出力される。
車両1が停止すると、アイドルストップ制御によってエンジン11が自動停止する。車両1の発進時には、ISG13の電動機能により、ベルト8を介してエンジン11の出力軸9を駆動することにより、エンジン11が再始動される。
バッテリ19は、直列接続された6セルの鉛蓄電池を含む。この構成により、バッテリ19の公称電圧は、DC12Vになっている。鉛蓄電池は、化学反応によって電気エネルギーを蓄えるものであるため、急速な充放電には不向きである。しかし、鉛蓄電池は、充電容量を確保し易いため、比較的多量の電力を蓄えることができるという特性を有する。バッテリ19は、低電圧ラインL2を介して、ギヤ駆動式スタータ12及び低電圧電気負荷20に電気的に接続されている。
キャパシタ16は、複数個の電気二重層キャパシタ(EDLC)が連結されて構成され、大容量化されている。キャパシタ16は、最大でDC数十Vまで充電されることが可能に構成されている。電気二重層キャパシタは、鉛蓄電池とは異なり、電解質イオンの物理的な吸着によって電気を蓄えるものである。このため、電気二重層キャパシタは、比較的急速な充放電が可能で、内部抵抗も小さいという特性を有する。
DC−DCコンバータ17は、高電圧ラインL1と低電圧ラインL2との間に設けられている。DC−DCコンバータ17は、例えば、内蔵するスイッチング素子のオンオフスイッチングによって入力電圧を変化させて出力する。本実施形態では、DC−DCコンバータ17は、高電圧ラインL1から低電圧ラインL2に(つまり図1中、左側から右側に)供給される電力の電圧を降圧する機能を有している。なお、本実施形態では、DC−DCコンバータ17は、これ以外の機能、例えば上記とは反対方向(つまり図1中、右側から左側へ)の電力の供給を許容したり、電圧を昇圧したりする機能は有していない。
バイパススイッチ素子18は、DC−DCコンバータ17に並列に接続されている。バイパススイッチ素子18は、オンにされると、DC−DCコンバータ17の入力端(つまり高電圧ラインL1)及び出力端(つまり低電圧ラインL2)の間を短絡し、オフにされると、DC−DCコンバータ17の入力端及び出力端の間を開放する。バイパススイッチ素子18は、本実施形態では、機械式リレーで構成されている。代替的に、バイパススイッチ素子18は、MOS−FET又はIGBT等の半導体スイッチで構成されてもよい。
PTCヒータ14は、車室内を暖房するためのヒータである。触媒ヒータ15は、排ガスを浄化する触媒を加熱するためのヒータである。PTCヒータ14及び触媒ヒータ15は、DC数十Vでも安定して動作するため、高電圧ラインL1の側に配置されている。
低電圧電気負荷20は、本実施形態では、DC12V(所定電圧値の一例)以下の電圧で動作する電気負荷である。低電圧電気負荷20は、例えば、電動式パワーステアリング機構(EAPS)、エアコン、オーディオ機器などを含む。本実施形態において、バッテリ19は、第1蓄電部の一例に相当し、キャパシタ16は、第2蓄電部の一例に相当し、DC−DCコンバータ17は、電圧変換器の一例に相当し、ISG13は、モータジェネレータの一例に相当する。本実施形態において、発電機能により動作するISG13は、発電機の一例に相当し、電動機能により動作するISG13、PTCヒータ14及び触媒ヒータ15は、高電圧電気負荷の一例に相当する。
(制御系統)
図2は、図1に示される車両1の制御系統の電気的構成を概略的に示すブロック図である。図2に示されるように、上述のISG13、DC−DCコンバータ17、ギヤ駆動式スタータ12、遮断スイッチ素子6、バイパススイッチ素子18、低電圧電気負荷20等の部品は、配線を介して制御部10と接続されており、制御部10からの指令に基づき制御される。図2に示されるように、さらに、ブレーキアクチュエータ21及び燃料噴射弁22が、配線を介して制御部10と接続されており、制御部10からの指令に基づき制御される。制御部10は、例えば、従来周知のCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータで構成される。
制御部10は、車両1に設けられた各種センサ類と配線を介して接続されている。具体的には、車両1は、コンバータ出力電流センサ30、キャパシタ電流センサ31、キャパシタ電圧センサ32、バッテリ電流センサ33、バッテリ電圧センサ34、バッテリ温度センサ35、動作状態検出部36、運転状態検出部37を備える。これらのセンサ類により検出された情報は、制御部10に逐次入力されるように構成されている。
コンバータ出力電流センサ30は、DC−DCコンバータ17の出力電流Ioutを検出する。キャパシタ電流センサ31は、キャパシタ16に流れる電流Icapを検出する。キャパシタ電圧センサ32は、キャパシタ16の電圧Vcapを検出する。バッテリ電流センサ33は、バッテリ19に流れる電流Ibatを検出する。バッテリ電圧センサ34は、バッテリ19の端子電圧Vbatを検出する。バッテリ温度センサ35は、バッテリ19の端子温度Tbatを検出する。
動作状態検出部36は、例えば、イグニッションスイッチ、エアコン又はオーディオ機器等の操作スイッチの操作状態を検出するセンサを含む。また、動作状態検出部36は、例えば、エアコン又はオーディオ機器等の動作状態を検出するセンサを含む。
運転状態検出部37は、車両1の各部又はエンジン11の状態に関する物理量を検出するセンサ類を総称する。運転状態検出部37は、例えば、車両1の走行速度を検出する車速センサ、エンジン11の回転数を検出するエンジン回転数センサ、アクセルペダル(図示省略)の操作量または操作力を検出するアクセルセンサ、ブレーキペダル7の操作量または操作力を検出するブレーキセンサ等を含む。この運転状態検出部37からの検出情報を用いて、制御部10は、例えば、車両1が減速しているか加速しているか、減速又は加速の度合いはどの程度かを判定する。
制御部10は、上記各センサ30〜35及び各検出部36,37からの検出情報を用いて、ISG13による電力発電量、DC−DCコンバータ17による降圧動作、低電圧電気負荷20およびギヤ駆動式スタータ12の駆動及び停止、遮断スイッチ素子6及びバイパススイッチ素子18のオンオフ等を制御する。以下、この制御部10による制御動作の具体例が、詳しく説明される。
(制御動作)
本実施形態の制御部10は、車両1の減速時に集中的に発電を行ういわゆる減速回生制御を実行可能である。このため、車両1の走行中、制御部10は、車両1の各部を、次のように制御する。
車両1の減速時には、ISG13の発電機能による発電が積極的に行われて、最大でDC数十Vの電力が生成される。このISG13で発電された電力は、DC−DCコンバータ17によってDC12Vまで降圧された後に、低電圧電気負荷20に供給される。また、低電圧電気負荷20での消費電力を超える余剰の電力は、キャパシタ16に供給され、キャパシタ16が充電される。キャパシタ16は、既に説明したように急速な充電が可能である。このため、余剰電力は、キャパシタ16によって効率よく回収されることになる。ただし、キャパシタ16が既に満充電状態(DC数十V)にある場合には、キャパシタ16をそれ以上充電することができない。このため、余剰電力は、バッテリ19の充電に回される。
一方、車両1の減速時以外の走行シーンでは、ISG13からエンジン11に加わる抵抗を少なくするために、ISG13による発電が極力抑制される。例えば、ISG13による発電が行われないとき、低電圧電気負荷20における消費電力は、主に充電されたキャパシタ16の電力によって賄われる。つまり、充電されたキャパシタ16に貯蔵されている最大でDC数十Vの電力が、DC−DCコンバータ17によりDC12Vまで降圧された後に、低電圧電気負荷20に供給される。
ただし、キャパシタ16の電圧が十分に高くない場合、又は低電圧電気負荷20における消費電力が比較的多い場合には、キャパシタ16の貯蔵電力だけでは低電圧電気負荷20における消費電力を賄うことができない。そこで、このような場合には、ISG13において発電が必要最小限行われて、このISG13により発電された電力が利用されるとともに、必要に応じてバッテリ19から放電される電力も利用される。
このような制御により、車両1の走行中のキャパシタ16の貯蔵電力は、常に、ある一定のレベル以上に保たれる。本実施形態では、制御部10は、キャパシタ16の電圧がDC12V〜最大電圧の範囲に収まるように、キャパシタ16の充放電を制御する。
上記のように、本実施形態では、車両1の減速時には、主にISG13からDC−DCコンバータ17を通じて低電圧電気負荷20に電力が供給される。一方、車両1の減速時以外では、キャパシタ16からDC−DCコンバータ17を通じて低電圧電気負荷20に電力が供給される。このため、車両1が走行している間は、原則として、バイパススイッチ素子18は、オフに維持されている。なお、上述のように、遮断スイッチ素子6は、イグニッションスイッチがオンにされるとオンにされ、イグニッションスイッチがオフにされるとオフにされる。したがって、車両1が走行している間は、遮断スイッチ素子6は、常にオンに維持されている。
車両1の走行中に、低電圧電気負荷20の消費電力が増大することにより、DC−DCコンバータ17の出力電流Ioutは、電流閾値Ith1を超えて、電流閾値Ith2に達する場合がある。電流閾値Ith1は、DC−DCコンバータ17の仕様によって定められた値で、定常的に流すことができる電流値である。電流閾値Ith2は、DC−DCコンバータ17の仕様によって定められた値で、予め定められた移行時間Ttr内であれば過渡的に流すことができる電流値である。
したがって、出力電流Ioutが電流閾値Ith2に達した状態で、移行時間Ttrを経過すると、DC−DCコンバータ17が過度に発熱し、故障に至る虞がある。このため、移行時間Ttrが経過するまでに、DC−DCコンバータ17の使用を停止することが求められる。
この場合において、DC−DCコンバータ17の使用を停止し、バッテリ19が、電流閾値Ith2に達するような電流の放電を続けると、バッテリ19の電圧が低下し、十分な電圧を低電圧電気負荷20に印加できなくなり、動作中の低電圧電気負荷20が停止してしまう虞がある。このような事態を避けるために、バイパススイッチ素子18をオンにしてDC−DCコンバータ17の入力端と出力端とを短絡し、発電機能により動作するISG13から低電圧電気負荷20に電力を供給することが考えられる。
但し、キャパシタ16の電圧Vcapが、バッテリ19の電圧Vbatより過度に高い状態のままで、バイパススイッチ素子18がオンにされると、バッテリ19及び低電圧電気負荷20の故障につながる。そこで、本実施形態では、制御部10は、次のような制御を行う。
図3、図4は、制御部10により行われる処理の一例を示すフローチャートである。制御部10は、イグニッションスイッチがオンにされている間、一定間隔(例えば100msec)ごとに、図3、図4に示される処理を開始する。図3のステップS1において、制御部10は、キャパシタ電圧センサ32からキャパシタ電圧Vcapを取得し、バッテリ温度センサ35からバッテリ端子温度Tbatを取得し、コンバータ出力電流センサ30からDC−DCコンバータ17の出力電流Ioutを取得する。
ステップS2において、制御部10は、バッテリ端子温度Tbatから、公知の手法を用いて、バッテリ19の液温TPlqを推定する。制御部10は、バッテリ19の液温TPlqと、移行時間設定テーブル40(図5)とから、移行時間Ttrを設定する。
図5は、制御部10に保存されている移行時間設定テーブル40を示す図である。図5に示されるように、移行時間設定テーブル40では、バッテリ19の液温TPlqが温度閾値TP0以下の場合は、移行時間Ttrは時間Ttr1に設定され、バッテリ19の液温TPlqが温度閾値TP0を超える場合は、移行時間Ttrは時間Ttr2に設定されている。時間Ttr1は、例えば数十秒に設定されている。時間Ttr2は、例えばTtr2=3×Ttr1に設定されている。
図3に戻って、ステップS3において、制御部10は、キャパシタ電圧Vcapが最大電圧を超えているか否かを判断する。キャパシタ電圧Vcapが最大電圧以下であれば(ステップS3でNO)、処理はステップS5に進められる。キャパシタ電圧Vcapが最大電圧を超えていれば(ステップS3でYES)、処理はステップS4に進められる。
ステップS4において、制御部10は、ISG13の発電を停止する。ステップS5において、制御部10は、DC−DCコンバータ17の出力電流Ioutが、電流閾値Ith1を超えているか否かを判断する。出力電流Ioutが、電流閾値Ith1以下であれば(ステップS5でNO)、処理はステップS1に戻り、ステップS1〜S5が繰り返される。一方、出力電流Ioutが、電流閾値Ith1を超えていれば(ステップS5でYES)、処理はステップS6に進められる。
ステップS6において、制御部10は、バッテリ電流センサ33からバッテリ電流Ibatを取得し、バッテリ19から放電電流が流れているか否かを判断する。バッテリ19から放電電流が流れていれば(ステップS6でYES)、処理はステップS7に進められる。一方、バッテリ19から放電電流が流れていなければ(ステップS6でNO)、図3、図4の処理は終了する。
ステップS7において、制御部10は、ISG13の発電を停止し、経過時間Telのカウントを開始する。ステップS8において、制御部10は、低電圧電気負荷20の駆動のみで(つまり高電圧電気負荷を駆動せずに)、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlw1を算出する。バイパス可能電圧Vlwは、バイパススイッチ素子18をオンにしても、バッテリ19及び低電圧電気負荷20に支障を来さないキャパシタ16の電圧である。バイパス可能電圧Vlwは、本実施形態では例えば、DC12.5Vである。
ステップS9において、制御部10は、ステップS8で算出された時間Tlw1が、移行時間Ttrより長いか否かを判断する。時間Tlw1が、移行時間Ttrより長ければ(ステップS9でYES)、低電圧電気負荷20の駆動だけではキャパシタ電圧Vcapの低下速度が不十分であるので、処理はステップS10に進められる。一方、時間Tlw1が、移行時間Ttr以下であれば(ステップS9でNO)、低電圧電気負荷20の駆動だけでキャパシタ電圧Vcapが十分に早く低下するので、処理はステップS28(図4)に進められる。
図6は、低下するキャパシタ電圧の推移の一例を概略的に示す図である。制御部10は、キャパシタ電流センサ31からキャパシタ16に流れるキャパシタ電流Icapを取得する。図6では、キャパシタ電流Icapは、電流値Icap1とする。制御部10は、既知のキャパシタ16の容量と、電流値Icap1とから、図6の傾斜角を求める。
制御部10は、求めた傾斜角と、キャパシタ電圧Vcapと、バイパス可能電圧Vlwとから、時間Tlw1を算出する。図6の例では、キャパシタ16に電流値Icap1が流れ続けたときに、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlw1は、移行時間Ttrより長くなっている。したがって、図6の例では、ステップS9でYESとなる。
図3に戻って、ステップS10において、制御部10は、ISG13を駆動したときに、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlw2を算出する。ステップS11において、制御部10は、ステップS10で算出された時間Tlw2が、移行時間Ttrより長いか否かを判断する。時間Tlw2が、移行時間Ttrより長ければ(ステップS11でYES)、ISG13の駆動だけではキャパシタ電圧Vcapの低下速度が不十分であるので、処理はステップS21(図4)に進められる。一方、時間Tlw2が、移行時間Ttr以下であれば(ステップS11でNO)、ISG13の駆動によりキャパシタ電圧Vcapは十分に早く低下するので、処理はステップS22(図4)に進められる。
図7は、低下するキャパシタ電圧の推移の別の例を概略的に示す図である。ISG13の電動機能を最大限に駆動したときに、キャパシタ16からISG13に供給される電流の電流値Iisgは、既知である。ISG13を駆動すると、キャパシタ16に流れる電流の電流値は、電流値(Icap1+Iisg)になる。制御部10は、既知のキャパシタ16の容量と、電流値(Icap1+Iisg)とから、図7の傾斜角を求める。
制御部10は、求めた傾斜角と、キャパシタ電圧Vcapと、バイパス可能電圧Vlwとから、時間Tlw2を算出する。図7の例では、キャパシタ16に電流値(Icap1+Iisg)が流れたときに、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlw2は、移行時間Ttrより短くなっている。したがって、図7の例では、ステップS11でNOとなる。
図4のステップS21において、制御部10は、ISG13に最大限の電力を供給し、さらに他の高電圧電気負荷(本実施形態ではPTCヒータ14又は触媒ヒータ15)へも電力を供給する。この場合において、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwになるまでの時間Tlw2が移行時間Ttrに一致するように、制御部10は、PTCヒータ14又は触媒ヒータ15への通電時間を調整する。制御部10は、例えば、デューティ比を調整して、PWM制御によりPTCヒータ14又は触媒ヒータ15を駆動する。
例えば、PTCヒータ14及び触媒ヒータ15のうち一方への通電のみにより、時間Tlw2を移行時間Ttrに一致させられる場合であっても、車両1の外気温が所定値以上の場合には、制御部10は、PTCヒータ14及び触媒ヒータ15の両方を、PWM制御により駆動してもよい。
ステップS22において、制御部10は、ISG13を駆動する。この場合において、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwになるまでの時間Tlw2が移行時間Ttrに一致するように、制御部10は、ISG13への供給電力を調整する。制御部10は、例えばISG13のフィールドコイル及び三相コイルに供給する電流の電流値を調整する。
ステップS23において、制御部10は、エンジン11が作動中である(つまりアクセルペダル(図示省略)が踏み込まれている)か否かを判断する。エンジン11が作動中であれば(ステップS23でYES)、処理はステップS24に進められる。一方、エンジン11が作動中でなければ(ステップS23でNO)、処理はステップS25に進められる。
ステップS24において、制御部10は、燃料噴射弁22を制御して、エンジン11の出力を低減する。ISG13に電力が供給されて、ISG13が電動機能により動作すると、ISG13の駆動力に対応して車両1の全体の駆動力が増大する。また、ISG13が電動機能により動作すると、ISG13の駆動力に対応してエンジンブレーキの制動力が減少する。そこで、制御部10は、増大するISG13の駆動力と、減少するエンジンブレーキの制動力とを合わせた力に対応して、エンジン11の出力を低減する。その後、処理はステップS28に進められる。
ステップS25において、制御部10は、ブレーキアクチュエータ21を制御して、ブレーキ液の圧力を増大する。ISG13が制御部10により駆動されて、ISG13が電動機能により動作すると、ISG13の駆動力に対応してエンジンブレーキの制動力が減少する。そこで、制御部10は、減少するエンジンブレーキの制動力に対応して、ブレーキ液の圧力を増大する。
ステップS26において、制御部10は、運転状態検出部37の検出信号からブレーキペダル7が操作中であるか否かを判断する。ブレーキペダル7が操作中であれば(ステップS26でYES)、処理はステップS27に進められる。一方、ブレーキペダル7が操作中でなければ(ステップS26でNO)、処理はステップS28に進められる。
ステップS27において、制御部10は、ブレーキアクチュエータ21を制御して、ブレーキ液の圧力を増大する。ISG13が制御部10により駆動されて、ISG13が電動機能により動作すると、ブレーキペダル7の踏み込み量に対する制動力が、ISG13の駆動力の分だけ減少する。そこで、制御部10は、減少する制動力に対応して、ブレーキ液の圧力を増大する。その後、処理はステップS28に進められる。
図8は、ブレーキペダル7が踏み込まれたときの制動力を概略的に表す図である。図8の縦軸は制動力Fbrを表し、横軸はエンジン回転数を表す。図8に示されるように、制動力Fbrは、エンジンブレーキの制動力Fegと、ブレーキ液圧の制動力Flqとからなる。なお、エンジンブレーキの制動力Fegは、アクセルペダル(図示省略)が踏み込まれていなければ、ブレーキペダル7が踏み込まれなくても発生する。
ISG13が電動機能により動作すると、エンジンブレーキの制動力Fegは、ISG13の駆動力Fisgの分だけ低下して、駆動力Fegrになる。したがって、ISG13の駆動力Fisgの分をブレーキ液圧の制動力により補う必要がある(図4のステップS25)。
また、ブレーキペダル7の操作中に、ISG13が電動機能により動作すると、ブレーキ液圧の制動力Flqは、ISG13の駆動力Fisgの分だけ低下して、駆動力Flqrになる。したがって、ISG13の駆動力Fisgの分、ブレーキ液圧を増大する必要がある(図4のステップS27)。
図4に戻って、ステップS28において、制御部10は、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlw以下であるか否かを判断する。キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlw以下でなければ(ステップS28でNO)、処理は再びステップS28に戻る。すなわち、制御部10は、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlw以下に低下するまで待機する。一方、ステップS28において、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlw以下であれば(ステップS28でYES)、処理はステップS29に進められる。
ステップS29において、制御部10は、カウントしている経過時間Telが移行時間Ttr以上になったか否かを判断する。経過時間Telが移行時間Ttr以上になっていなければ(ステップS29でNO)、処理は再びステップS29に戻る。すなわち、制御部10は、経過時間Telが移行時間Ttrに達するまで待機する。経過時間Telが移行時間Ttr以上になれば(ステップS29でYES)、処理はステップS30に進められる。
ステップS30において、制御部10は、バイパススイッチ素子18をオンにし、カウントしていた経過時間Telをリセットする。続くステップS31において、制御部10は、ISG13の発電を再開させる。その結果、ISG13により発電された電力が、バイパススイッチ素子18を介して、低電圧電気負荷20に供給される。
(作用)
以上説明したとおり、本実施形態では、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlw1を算出し、時間Tlw1が移行時間Ttrを超える場合には、ISG13、PTCヒータ14、触媒ヒータ15などの高電圧電気負荷を動作させている。したがって、移行時間Ttr内に、キャパシタ電圧Vcapをバイパス可能電圧Vlwに低下させることができる。このため、移行時間Ttrの経過時には、確実にバイパススイッチ素子18をオンにし、ISG13を発電機能により動作させることができる。その結果、バッテリ19の電圧が低下して低電圧電気負荷20が停止するような事態を避けることができる。
また、本実施形態では、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlw1が、移行時間Ttr以下の場合には、ISG13、PTCヒータ14、触媒ヒータ15などの高電圧電気負荷を動作させない。したがって、ISG13等を無駄に動作させるのを防止することができる。
また、本実施形態では、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下した場合でも、移行時間Ttrが経過するまでは、ISG13の発電を再開せずに、待機している。このため、ISG13の非発電期間を可能な限り延ばすことができる。その結果、燃費の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、移行時間Ttr内に、キャパシタ電圧Vcapをバイパス可能電圧Vlwに低下させるために、PTCヒータ14、触媒ヒータ15ではなくて、まず、ISG13を動作させている。このため、ISG13の駆動力の分だけ、エンジン11の出力を低減できる。その結果、燃費を向上することができる。
また、本実施形態では、ISG13を動作させるだけでは、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlw2が、移行時間Ttr以下にならない場合には、ISG13を最大限動作させた上で、PTCヒータ14、触媒ヒータ15などの高電圧電気負荷を動作させている。このため、燃費を最大限向上することができる。
ブレーキの操作中にISG13を動作させると、ISG13の駆動力の分だけ制動力が低下するため、運転者に違和感が生じる虞がある。しかし、本実施形態では、ISG13を動作させたときに、ブレーキの操作中である場合には、ブレーキ液圧を増大させている。このため、ISG13の動作により制動力が変化するのを防止し、運転者に違和感が生じるのを抑制することができる。
(変形例1)
上記実施形態では、図3のステップS8,S10において、制御部10は、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlw1,Tlw2を算出しているが、これに限られない。
図9は、制御部10により行われる処理の図3と異なる例を示すフローチャートである。図9では、図3と同じステップには同じ符号が付されている。ステップS7に続くステップS41において、制御部10は、キャパシタ電圧Vcapが予め定められた第1電圧閾値Vth1を超えているか否かを判断する。
キャパシタ電圧Vcapが第1電圧閾値Vth1を超えていれば(ステップS41でYES)、処理はステップS42に進められる。一方、キャパシタ電圧Vcapが第1電圧閾値Vth1以下であれば(ステップS41でNO)、処理はステップS28(図4)に進められる。
ステップS42において、制御部10は、キャパシタ電圧Vcapが第2電圧閾値Vth2を超えているか否かを判断する。第2電圧閾値Vth2は、第1電圧閾値Vth1より高い値に定められている。
キャパシタ電圧Vcapが第2電圧閾値Vth2を超えていれば(ステップS42でYES)、処理はステップS21(図4)に進められる。一方、キャパシタ電圧Vcapが第2電圧閾値Vth2以下であれば(ステップS42でNO)、処理はステップS22(図4)に進められる。
図9の処理は、DC−DCコンバータ17の出力電流Ioutが電流閾値Ithを超えるような動作を行う低電圧電気負荷20が限られている場合に有効である。この場合、その低電圧電気負荷20が、DC−DCコンバータ17の出力電流Ioutが電流閾値Ithを超えるような動作を行っているときのキャパシタ電流Icapは、既知の一定値Icap0になる。そうすると、図6において、低下するキャパシタ電圧Vcapの傾斜角が一定値に決まる。
したがって、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlwが、移行時間Ttrに一致するような、キャパシタ電圧Vcapを算出することができる。図9の処理における第1電圧閾値Vth1は、キャパシタ電流Icapの電流値が一定値Icap0の場合に、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlwが、移行時間Ttrに一致するような電圧値である。
このため、キャパシタ電圧Vcapが第1電圧閾値Vth1以下の場合には(ステップS41でNO)、ステップS28(図4)に進んで、制御部10は、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまで待機すればよい。
キャパシタ16からISG13に最大限の電流を供給する場合には、電流値Iisgは既知の一定値Iisg0になる。そうすると、図7において、低下するキャパシタ電圧Vcapの傾斜角が一定値に決まる。
したがって、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlwが、移行時間Ttrに一致するような、キャパシタ電圧Vcapを算出することができる。図9の処理における第2電圧閾値Vth2は、キャパシタ電流Icapの電流値が一定値(Icap0+Iisg0)の場合に、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlwが、移行時間Ttrに一致するような電圧値である。
このため、キャパシタ電圧Vcapが第2電圧閾値Vth2以下の場合には(ステップS42でNO)、ISG13の駆動だけで、移行時間Ttr内に、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下する。そこで、ステップS22(図4)において、制御部10は、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlwが、移行時間Ttrに一致するように、ISG13への供給電力を調整すればよい。
一方、キャパシタ電圧Vcapが第2電圧閾値Vth2を超える場合には(ステップS42でYES)、ISG13の駆動だけでは、移行時間Ttr内に、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下することはできない。そこで、ステップS21(図4)において、制御部10は、ISG13に加えて、他の高電圧電気負荷(PTCヒータ14又は触媒ヒータ15)にも、電流を供給すればよい。
(変形例2)
上記実施形態では、バッテリ19よりも急速な充放電が可能な、複数の電気二重層キャパシタ(EDLC)を含むキャパシタ16を用いたが、このようなキャパシタ16に限られない。例えば、リチウムイオンキャパシタを用いてもよい。リチウムイオンキャパシタは、電気二重層キャパシタとは異なり、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵可能な炭素系材料を負極として用いることによってエネルギー密度をさらに向上させたものである。リチウムイオンキャパシタは、正極と負極とで充放電の原理が異なる(化学反応を併用する)ことから、ハイブリッドキャパシタとも呼ばれる。
(変形例3)
上記実施形態では、車両1は、高電圧電気負荷として、ISG13、PTCヒータ14、触媒ヒータ15を備えているが、高電圧電気負荷は、これらに限られない。車両1は、高電圧電気負荷として、さらに、例えば座席を加熱するシートヒータを備えてもよい。
(変形例4)
上記実施形態では、図3のステップS8,S10において、制御部10は、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlwを算出している。代替的に、制御部10は、種々のキャパシタ電流Icapと、種々のキャパシタ電圧Vcapとの組合せに対して、キャパシタ電圧Vcapがバイパス可能電圧Vlwに低下するまでの時間Tlwを予め算出して、テーブル形式で保持しておいてもよい。この場合には、図3のステップS8,S10において、制御部10は、キャパシタ電流Icapと、キャパシタ電圧Vcapとに対応する時間Tlwを、保持しているテーブルから抽出すればよい。
(変形例5)
上記実施形態では、制御部10は、ISG13を発電機能により動作させるときは、フィールドコイルに電流を供給し、ISG13を電動機能により動作させるときは、フィールドコイル及び三相コイルに電流を供給しているが、これに限られない。例えば、ISGの筐体内に、ISGの動作を制御するマイクロコンピュータが設けられていてもよい。この場合には、制御部10は、ISGのマイクロコンピュータに対して、例えば、発電機能または電動機能の動作モードと、発電機能であれば発電する電力の電圧、電動機能であれば駆動力などを指示してもよい。ISGのマイクロコンピュータは、制御部10の指示にしたがって、ISGの動作を制御してもよい。
10 制御部
11 エンジン
13 ISG
14 PTCヒータ
15 触媒ヒータ
16 キャパシタ
17 DC−DCコンバータ
18 バイパススイッチ素子
19 バッテリ
20 低電圧電気負荷
21 ブレーキアクチュエータ
22 燃料噴射弁

Claims (4)

  1. エンジンにより駆動されて発電する発電機と、
    所定電圧値以下の電圧で動作する低電圧電気負荷と、
    前記低電圧電気負荷に電気的に接続され、上限電圧が前記所定電圧値に設定された第1蓄電部と、
    前記発電機に電気的に接続され、上限電圧が前記所定電圧値より高い電圧に設定され、前記第1蓄電部より急速な充放電が可能な第2蓄電部と、
    前記第2蓄電部に電気的に接続され、前記所定電圧値を超える電圧で動作する高電圧電気負荷と、
    前記発電機及び前記第2蓄電部と、前記低電圧電気負荷及び前記第1蓄電部との間に設けられ、前記発電機又は前記第2蓄電部から出力される電圧を低下させて前記低電圧電気負荷又は前記第1蓄電部に出力する電圧変換器と、
    前記電圧変換器に並列に接続され、オンにされると前記電圧変換器の入力端及び出力端の間を短絡し、オフにされると前記電圧変換器の入力端及び出力端の間を開放するバイパススイッチ素子と、
    前記バイパススイッチ素子がオフの状態で、前記電圧変換器の出力電流が予め定められた電流閾値を超えると、バイパス移行モードの動作を予め定められた移行時間の間実行し、前記移行時間が経過すると、前記バイパス移行モードの動作を終了してバイパスモードの動作を実行する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記バイパス移行モードでは、前記発電機の発電を停止させ、予め定められた作動条件が満たされるか否かを判定し、前記作動条件が満たされると判定すると前記高電圧電気負荷を強制的に作動させ、
    前記制御部は、前記第1蓄電部が放電しているか否かと、前記第2蓄電部の電圧が予め定められた第1電圧閾値を超えているか否かと、を判定し、
    前記制御部は、前記第1蓄電部が放電しており、かつ、前記第2蓄電部の電圧が前記第1電圧閾値を超えていると判定すると、前記作動条件が満たされると判定し、
    前記制御部は、前記バイパスモードでは、前記バイパススイッチ素子をオンにし、前記発電機の発電を再開させる、車両用電源制御装置。
  2. 発電機能及び電動機能を兼ね備え、前記エンジンに連結されたモータジェネレータを備え、
    前記発電機は、前記発電機能により動作する場合の前記モータジェネレータであり、
    前記高電圧電気負荷は、前記電動機能により動作する場合の前記モータジェネレータであり、
    前記制御部は、前記モータジェネレータを前記電動機能により強制的に動作させる場合であって、かつ、前記エンジンが動作中の場合には、前記モータジェネレータの前記電動機能による駆動力に対応して前記エンジンの駆動力を低下させる、請求項1に記載の車両用電源制御装置。
  3. 前記高電圧電気負荷として、ヒータをさらに備え、
    前記制御部は、前記第2蓄電部の電圧が前記第1電圧閾値より高い第2電圧閾値を超えているか否かを判定し、
    前記制御部は、前記作動条件が満たされると判定し、かつ、前記第2蓄電部の電圧が前記第2電圧閾値を超えていると判定すると、前記モータジェネレータを前記電動機能により強制的に動作させるのに加えて、前記ヒータを強制的に動作させる、請求項に記載の車両用電源制御装置。
  4. 前記制御部は、前記モータジェネレータを前記電動機能により強制的に動作させる場合であって、かつ、ブレーキが動作中の場合には、ブレーキアクチュエータを制御して、前記モータジェネレータの前記電動機能による駆動力に対応して、ブレーキ液の圧力を増大させる、請求項又はに記載の車両用電源制御装置。
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