JP2015063933A - エンジンの始動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バッテリからスタータモータに大電流を供給することによるエンジン始動の回数を低減する。
【解決手段】エンジンの始動制御装置は、エンジン10の初回始動を予測した場合に、バッテリ1の電力を用いてキャパシタ2を充電するために、バッテリ1とキャパシタ2との間を電気的に接続し、ドライバによるエンジン始動操作に応じてキャパシタ2の電力をスタータモータ4に供給することによって、エンジン10の始動を行う。
【選択図】図1
【解決手段】エンジンの始動制御装置は、エンジン10の初回始動を予測した場合に、バッテリ1の電力を用いてキャパシタ2を充電するために、バッテリ1とキャパシタ2との間を電気的に接続し、ドライバによるエンジン始動操作に応じてキャパシタ2の電力をスタータモータ4に供給することによって、エンジン10の始動を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンの始動制御装置に関する。
従来、蓄電手段としてバッテリとキャパシタを備え、エンジン始動時には、バッテリからスタータモータに電力を供給してスタータモータを作動させることによって、エンジン始動を行うシステムが知られている(非特許文献1参照)。
マツダ技報No.30(2012)、37−42頁、「減速エネルギ回生システム"i−ELOOP"の開発」
ここで、スタータモータを作動させるためには大電流が必要となるが、バッテリの放電電流が大きいほどバッテリの劣化度合いが大きくなる。従って、バッテリの耐久性を考慮すると、バッテリからスタータモータに大電流を供給することによるエンジン始動の回数は、少ない方が好ましい。
本発明は、バッテリからスタータモータに大電流を供給することによるエンジン始動の回数を低減することができる技術を提供することを目的とする。
本発明によるエンジンの始動制御装置は、エンジンの初回始動を予測した場合に、バッテリの電力を用いてキャパシタを充電し、ドライバによるエンジン始動操作に応じてキャパシタの電力をスタータモータに供給して、スタータモータを作動させてエンジンを始動することを特徴とする。
本発明によれば、エンジンの初回始動を予測すると、バッテリの電力を用いてキャパシタを充電し、キャパシタの充電電力をスタータモータに供給することによってエンジンを始動するので、バッテリからスタータモータに大電流を供給することによるエンジン始動の回数を低減することができる。
図1は、一実施の形態におけるエンジンの始動制御装置を含むエンジン始動系の構成を示す図である。本実施形態におけるエンジンの始動制御装置は、ガソリンエンジンを搭載するガソリン車、ディーゼルエンジンを搭載するディーゼル車、走行駆動源としてエンジンおよびモータを備えるハイブリッド車などの車両に搭載される。
一実施の形態におけるエンジンの始動制御装置は、バッテリ1と、キャパシタ2と、DC/DCコンバータ3と、スタータモータ4と、切替スイッチ5と、コントローラ7と、電圧センサ8とを備える。
バッテリ1は、例えば、鉛酸バッテリであり、スタータモータ4および/または電気負荷9に電力を供給する。
キャパシタ2は、例えば、電気二重層キャパシタである。キャパシタ2は、バッテリ1に比べて、充放電による劣化が少なく、短時間で充放電を行うことができるという特徴がある。車両の回生制動時等において、オルタネータ6の回生運転によって発電された電力は、キャパシタ2に充電される。ただし、この回生発電電力は、DC/DCコンバータ3を介して、バッテリ1に充電することも可能である。キャパシタ2の電力は、電気負荷9やスタータモータ4に供給可能である。なお、車両の回生制動時とは、ドライバによるブレーキ操作が行われた時や、車両の走行中に、ドライバがアクセルペダルを離して減速する時などが含まれる。
スタータモータ4は、供給された電力によって回転駆動して、クランクシャフトを回転させて、エンジン1を始動させる。なお、図1では、エンジン10とオルタネータ6を離れた位置に示しているが、オルタネータ4はエンジン10の回転力によって回生運転を行うため、実際には近くに配置されている。
バッテリ1とキャパシタ2との間には、DC/DCコンバータ3が設けられている。DC/DCコンバータ3は、キャパシタ2からスタータモータ4や電気負荷9、バッテリ1に電力を供給する際に、電圧を調整する。また、バッテリ1からキャパシタ2に電力を供給する際に、電圧を調整(電流値を制限)する。DC/DCコンバータ3の制御は、後述するコントローラ7によって行われる。
DC/DCコンバータ3は、また、バッテリ1とキャパシタ2との間を電気的に断続可能であり、図示しないイグニッションスイッチのオフ後には、バッテリ1とキャパシタ2との間を電気的に切断する。これは、イグニッションスイッチのオフ後にバッテリ1とキャパシタ2との間を電気的に接続していると、バッテリ1からキャパシタ2に電力が供給され続けることになり、また、キャパシタ2の自己放電によって、キャパシタ2およびバッテリ1の双方の電力が失われるからである。
切替スイッチ5は、後述するコントローラ7によって制御され、コントローラ7からの指令信号に基づいて、スタータモータ4への電力供給ルートを、バッテリ1とキャパシタ2との間で切り替える。
電圧センサ8は、キャパシタ2の電圧を検出する。
コントローラ7は、車両全体の制御を行う。特に、コントローラ7は、後述するエンジン始動処理を行う。
図2は、一実施の形態におけるエンジンの始動制御装置によって行われるエンジン始動時の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS1から始まる処理は、コントローラ7によって行われる。
ステップS1では、エンジン10の初回始動があると予測したか否かを判定する。エンジン10の初回始動とは、イグニッションスイッチがオフの状態からのエンジン10の始動のことである。ここでは、乗員による車両のドアロック解除操作、ドアを開ける開操作、イグニッションスイッチのオン操作のうちの少なくとも一つの操作を検出すると、エンジン10の初回始動があると予測する。すなわち、車両に乗るために乗員が車両のドアロックを解除した場合、車両に乗るために乗員がドアを開ける開操作を行った場合、または、乗員がイグニッションスイッチをオンした場合には、その後に、エンジン10の始動操作が行われることが予測される。従って、上記3つの状況のうちの少なくとも一つの操作を検出すると、エンジン10の初回始動があると予測する。エンジン10の初回始動があると予測すると、ステップS2に進む。
ステップS2では、電圧センサ8によって検出されるキャパシタ2の電圧が所定電圧より低いか否かを判定する。所定電圧は、エンジン10を始動するために、スタータモータ4を作動させるために必要な電圧である。キャパシタ2の電圧が所定電圧より低いと判定すると、バッテリ1の電力を用いてキャパシタ2の充電を行うために、ステップS3に進む。一方、キャパシタ2の電圧が所定電圧以上であると判定すると、キャパシタ2の充電を行うことなく、キャパシタ2の電力を用いてエンジン10の始動を行うために、ステップS7に進む。
ステップS3では、ドライバによるエンジン始動操作が行われたか否かを判定する。エンジン始動操作が行われたと判定するとステップS10に進む。ステップS10では、ドライバによるエンジン始動操作に応じて即座にエンジン10の始動を行うために、バッテリ1からスタータモータ4へと電力を供給することによって、スタータモータ4の作動を開始する。すなわち、切替スイッチ5は、スタータモータ4とバッテリ1との間を接続する。
一方、ステップS3において、ドライバによるエンジン始動操作が行われていないと判定すると、ステップS4に進む。ステップS4では、バッテリ1からキャパシタ2に、所定電流以下に制限した状態で電流を供給することによって、キャパシタ2の充電を行う。キャパシタ2の充電を行う際の電流値の制限は、DC/DCコンバータ3の目標出力電圧を調整することによって行う。キャパシタ2の充電に応じて、キャパシタ2の電圧は高くなるので、キャパシタ2の電圧の上昇に応じてDC/DCコンバータ3の目標出力電圧を上昇させると、バッテリ1からキャパシタ2に流れる電流を一定に保つことができる。
キャパシタ2の充電を行う際に、バッテリ1の放電電流を所定電流以下に制限する理由について説明しておく。キャパシタ2の充電を行う際に、DC/DCコンバータ3によって、バッテリ1とキャパシタ2との間を電気的に接続すると、バッテリ1の電圧が一瞬大きく降下する瞬低という現象が起こる。従って、キャパシタ2の充電時の電流を所定電流以下に制限することによって、瞬低が生じるのを防いで、バッテリ1からコントローラ7への電力供給が途絶えるのを防ぐことができる。
ステップS5では、電圧センサ8によって検出されるキャパシタ2の電圧が所定電圧以上であるか否かを判定する。所定電圧は、エンジン10を始動するために、スタータモータ4を作動させるために必要な電圧である。キャパシタ2の電圧が所定電圧未満であると判定するとステップS3に戻る。一方、キャパシタ2の電圧が所定電圧以上であると判定すると、ステップS6に進む。
ステップS6では、DC/DCコンバータ3の出力を停止する。これにより、キャパシタ2の充電は終了する。
ステップS7では、スタータモータ4の電力供給源をキャパシタ2とするための制御信号を切替スイッチ5に送信する。切替スイッチ5は、この制御信号に基づいて、スタータモータ4とキャパシタ2との間を接続する。
ステップS8では、ドライバによるエンジン始動操作が行われたか否かを判定する。エンジン始動操作が行われていないと判定するとステップS8で待機し、エンジン始動操作が行われたと判定するとステップS9に進む。
ステップS9では、図示しないスタータリレーをオンして、キャパシタ2からスタータモータ4へと電力を供給することによって、スタータモータ4を作動させて、エンジンの始動を行う。
以上、一実施の形態におけるエンジンの始動制御装置によれば、エンジン10の初回始動を予測した場合に、バッテリ1の電力を用いてキャパシタ2を充電するために、バッテリ1とキャパシタ2との間を電気的に接続するようにDC/DCコンバータ3を制御し、ドライバによるエンジン始動操作に応じてキャパシタ2の電力をスタータモータ4に供給するように制御する。キャパシタ2の充電時にバッテリ1からキャパシタ2に流れる電流は、スタータモータ4を作動させる時にバッテリ1からスタータモータ4に流れる電流と比べて小さいので、バッテリ1の電力を用いてキャパシタ2を充電した後に、キャパシタ2の電力を用いてエンジン10の始動を行うことにより、エンジン10の始動時にバッテリ1から大電流を流す回数を低減させることができ、バッテリ1の耐久性を向上させることができる。
また、一実施の形態におけるエンジンの始動制御装置によれば、乗員によるドアロック解除操作、ドアの開操作、およびイグニッションスイッチのオン操作のうちの少なくとも一つの操作を検出すると、エンジン10の初回始動があると予測するので、ドライバによるエンジン始動操作の前からキャパシタ2の充電を開始することができ、ドライバによるエンジン始動操作が行われたときに、キャパシタ2の電力を用いて素早くエンジン10の始動を行うことができる。
さらに、エンジン10の初回始動が予測された場合に、キャパシタ2の電圧が所定電圧以上の場合には、キャパシタ2の充電を行わずに、キャパシタ2の電力をスタータモータ4に供給するように制御するので、キャパシタ2の電力を用いてエンジン10の始動を行える状態の場合には、バッテリ1からキャパシタ2への無駄な電力の持ち出しを防止することができる。
また、バッテリ1の電力を用いてキャパシタ2を充電する際に、バッテリ1の出力電流を所定電流以下に制限するので、キャパシタ2の充電時に、バッテリ1の電圧が瞬間的に大きく低下して、コントローラ7への電力供給が途絶えるのを防ぐことができる。
一実施の形態におけるエンジンの始動制御装置によれば、キャパシタ2の充電完了前にドライバがエンジン始動操作を行った場合には、バッテリ1の電力をスタータモータ4に供給するように制御する。これにより、ドライバのエンジン始動操作に応じて即座にエンジン10の始動を行うことができる。すなわち、キャパシタ2の充電完了前にドライバがエンジン始動操作を行った場合でもキャパシタ2の電力を用いてエンジン10の始動を行おうとすると、キャパシタ2の充電が完了するまでエンジン10の始動を行うことができなくなり、ドライバに違和感が生じるが、バッテリ1の電力をスタータモータ4に供給することにより、即座にエンジン10の始動を行うことができる。
キャパシタ2の充電では、キャパシタ2の電圧が所定電圧以上となるまで、バッテリ1とキャパシタ2との間を電気的に接続するようにDC/DCコンバータ3を制御するので、所定電圧以上となったキャパシタ2の電力を用いてスタータモータ4を作動させることにより、確実にエンジン10を始動させることができる。また、キャパシタ2の電圧が所定電圧以上になると、キャパシタ2の充電を終了するので、キャパシタ2の充電時間をできるだけ短くすることによって、エンジン始動までの時間を短くすることができる。
本発明は、上述した一実施の形態に限定されることはない。例えば、バッテリ1の一例として鉛酸バッテリを挙げたが、鉛酸バッテリに限定されることはない。同様に、キャパシタ2の一例として電気二重層キャパシタを挙げたが、電気二重層キャパシタに限定されることはない。
キャパシタ2の充電を行う際のバッテリ1の放電電流の制限は、DC/DCコンバータ3によって行ったが、バッテリ1の放電電流を所定電流以下に制限するための電流制限器を別途設けるようにしてもよい。
1…バッテリ
2…キャパシタ
3…DC/DCコンバータ(断続手段、電流制限手段)
4…スタータモータ
5…切替スイッチ(切替手段)
7…コントローラ(エンジン初回始動予測手段、制御手段)
10…エンジン
2…キャパシタ
3…DC/DCコンバータ(断続手段、電流制限手段)
4…スタータモータ
5…切替スイッチ(切替手段)
7…コントローラ(エンジン初回始動予測手段、制御手段)
10…エンジン
Claims (6)
- 充放電が可能なバッテリと、
充放電が可能なキャパシタと、
供給電力により回転駆動してエンジンを始動させるスタータモータと、
前記バッテリと前記キャパシタとの間を電気的に断続する断続手段と、
前記エンジンの初回始動を予測するエンジン初回始動予測手段と、
前記エンジンの初回始動が予測された場合に、前記バッテリの電力を用いて前記キャパシタを充電するために、前記バッテリと前記キャパシタとの間を電気的に接続するように前記断続手段を制御し、ドライバによるエンジン始動操作に応じて前記キャパシタの電力を前記スタータモータに供給するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするエンジンの始動制御装置。 - 請求項1に記載のエンジンの始動制御装置において、
前記エンジン初回始動予測手段は、乗員によるドアロック解除操作、ドアの開操作、およびイグニッションスイッチのオン操作のうちの少なくとも一つの操作を検出すると、前記エンジンの初回始動があると予測することを特徴とするエンジンの始動制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載のエンジンの始動制御装置において、
前記制御手段は、前記エンジンの初回始動が予測された場合に、前記キャパシタの電圧が所定電圧以上の場合には、前記キャパシタの充電を行わずに、前記キャパシタの電力を前記スタータモータに供給するように制御することを特徴とするエンジンの始動制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエンジンの始動制御装置において、
前記バッテリの電力を用いて前記キャパシタを充電する際の前記バッテリの出力電流を所定電流以下に制限する電流制限手段をさらに備えることを特徴とするエンジンの始動制御装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のエンジンの始動制御装置において、
前記スタータモータの電力供給源を前記バッテリと前記キャパシタとの間で切り替える切替手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記キャパシタの充電完了前にドライバがエンジン始動操作を行った場合には、前記バッテリの電力を前記スタータモータに供給するように前記切替手段を制御することを特徴とするエンジンの始動制御装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエンジンの始動制御装置において、
前記制御手段は、前記キャパシタの充電では、前記キャパシタの電圧が所定電圧以上となるまで、前記バッテリと前記キャパシタとの間を電気的に接続するように前記断続手段を制御することを特徴とするエンジンの始動制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2013198065A JP2015063933A (ja) | 2013-09-25 | 2013-09-25 | エンジンの始動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013198065A JP2015063933A (ja) | 2013-09-25 | 2013-09-25 | エンジンの始動制御装置 |
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JP2013198065A Pending JP2015063933A (ja) | 2013-09-25 | 2013-09-25 | エンジンの始動制御装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2015063933A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020056385A (ja) * | 2018-10-04 | 2020-04-09 | トヨタ自動車株式会社 | エンジンの始動装置およびエンジンの始動方法 |
DE102019126449A1 (de) * | 2019-10-01 | 2021-04-01 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Maschinenanlasser und Maschinenanlassverfahren |
JP7456640B2 (ja) | 2018-11-08 | 2024-03-27 | ▲黄▼ 永昇 | 自動車のバッテリーユニットとスーパーキャパシタとの間の電気的接続及び切断を制御する装置 |
-
2013
- 2013-09-25 JP JP2013198065A patent/JP2015063933A/ja active Pending
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Legal Events
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