JP2016163526A - 電力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の起動時において好適にキャパシタの充電を行う。
【解決手段】電力制御装置(10)は、車両に搭載されるバッテリ(100)と、バッテリからの電圧を変換して出力するコンバータ(300)と、コンバータで変換された電圧により充電可能なキャパシタ(400)と、キャパシタに充電された電力で駆動する負荷装置(450)と、車両の起動時に、キャパシタを充電するためのコンバータの目標電圧を、キャパシタの内部抵抗、容量及び最大充電電流に基づいて設定する設定手段(600)と、コンバータの出力電圧が目標電圧となるように制御する制御手段(600)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばハイブリッド車両等の車両に搭載される電力制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、複数のバッテリ(例えば、メインバッテリ及びサブバッテリ)を備えるものが知られている。このような構成では、サブバッテリは、メインバッテリの出力電圧を降圧する電圧変換器(DCDCコンバータ)の出力電圧によって充電されることが一般的である。
例えば特許文献1では、電圧変換器の始動時において、サブバッテリを充電するための電圧指令値を適切な値に設定して充電を行うという技術が開示されている。また特許文献2では、サブバッテリの充電状態を監視し、必要に応じて電圧変換器を制御してサブバッテリの充電を行うという技術が開示されている。特許文献3では、補機で消費されている補機電力に基づいて調整電圧を設定し、電圧変換器を制御するという技術が開示されている。
特開2012−010503号公報 特開2010−284064号公報 特開2006−230102号公報
サブバッテリがキャパシタとして構成される場合の特徴として、自然放電による電圧降下が大きくなることに加えて、内部抵抗が小さいことが挙げられる。このため、キャパシタとして構成されるサブバッテリに充電を行う際には、充電電流が大きくなる傾向があり、結果として過電流が流れてしまうおそれがある。過電流はサブバッテリの寿命を低下させる原因となる。従って、過電流への対策が不十分である各特許文献に記載された技術では、充電時の過電流によりサブバッテリの寿命が低下するおそれがあるという技術的問題点が生ずる。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、車両の起動時において好適にキャパシタの充電を行うことが可能な電力制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、車両に搭載されるバッテリと、前記バッテリからの電圧を変換して出力するコンバータと、前記コンバータで変換された電圧により充電可能なキャパシタと、前記キャパシタに充電された電力で駆動する負荷装置と、前記車両の起動時に、前記キャパシタを充電するための前記コンバータの目標電圧を、前記キャパシタの内部抵抗、容量及び最大充電電流に基づいて設定する設定手段と、前記コンバータの出力電圧が前記目標電圧となるように制御する制御手段とを備える。
本発明に係る電力制御装置は、例えばハイブリッド車両等の車両に搭載されるものとして構成されている。バッテリは、例えば二次電池として構成される高圧系バッテリであり、車両走行時には動力源として機能することが可能である。コンバータは、例えばDCDCコンバータとして構成されており、バッテリの出力電圧を変換(例えば、降圧)して出力する。コンバータで変換された電圧はキャパシタに出力され、キャパシタの充電に利用される。即ち、コンバータは、バッテリの出力電圧をキャパシタの充電に適切な電圧に変換することが可能に構成されている。
キャパシタは、車両の各種補機等から構成される負荷装置に対して駆動電力を供給する電力供給源として機能する。なお、負荷装置は、車両の起動時において駆動していなくともよい補機(所謂、始動補機以外の補機)等により構成されている。負荷装置に含まれる補機としては、例えば電動パワーステアリング装置、エアコンディショナや空気清浄機、オーディオやカーナビゲーション装置、ヘッドライト、ウィンカ、ブレーキランプ、テールランプ、電動スライドドアや電動シート等が挙げられる。
本発明では特に、車両の起動時において、キャパシタを充電するためのコンバータの目標電圧が、設定手段により設定される。なお、ここでの「目標電圧」とは、キャパシタを適切に充電するためにコンバータから出力すべき電圧の目標値である。目標電圧は、1つの電圧値ではなく、電圧値の時間的な変動を示すようなものであってもよい。具体的には、目標電圧は、初期値と単位時間ごとの変動勾配とを含むものであってもよい。
設定手段は、目標電圧を、キャパシタの内部抵抗、容量及び最大充電電流に基づいて設定する。なお、キャパシタの内部抵抗、容量及び最大充電電流については、予め記憶しておいた値を利用すればよい。なお、これらのパラメータに加えて、キャパシタの電圧や電流等を考慮して目標電圧を設定してもよい。
目標電圧が設定されると、制御手段により、コンバータの出力電圧が目標電圧となるように制御される。よって、目標電圧に制御されたコンバータからの出力電圧により、キャパシタが充電されることになる。
ここで特に、キャパシタの特徴として、自然放電による電圧降下が大きくなることに加えて、内部抵抗が小さいことが挙げられる。このため、キャパシタに充電を行う際には、充電電流が大きくなる傾向があり、結果として過電流が流れてしまうおそれがある。過電流はキャパシタの寿命を低下させる原因となる。
しかるに本発明では、上述したように、キャパシタに充電する際のコンバータの目標電圧が、キャパシタの内部抵抗、容量及び最大充電電流に基づいて設定される。このため、充電中のキャパシタに過電流が流れてしまうことを確実に防止することができる。従って、過電流によるキャパシタの寿命低下を防止できる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
実施形態に係る電力制御装置の全体構成を示す概略構成図である。 実施形態に係る電力制御装置の動作を示すフローチャートである。 実施形態及び比較例に係る電力制御装置の動作時の各パラメータの変動を示すタイムチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下では、本発明の電力制御装置が、ハイブリッド車両に適用された場合を例にとり説明する。
<装置構成>
始めに、図1を参照し、本実施形態に係る電力制御装置の構成について説明する。ここに図1は、本実施形態に係る電力制御装置の全体構成を示す概略構成図である。
図1において、本実施形態に係る電力制御装置10は、バッテリ100、システムメインリレー150、PCU(Power Control Unit)200、DCDCコンバータ300、キャパシタ400、補機群450、照合ECU(Electronic Control Unit)500、PM(Power Management)ECU600、スタートボタン710、IGCT(Integrated Gate-Commutated Thyristor)リレー720を備えて構成されている。
バッテリ100は、充電可能な二次電池ユニットであり、例えばリチウムイオンバッテリセル等の単位電池セルが複数直列に接続された構成を有している。バッテリ100は、システムメインリレー150を介して、PCU200に電気的に接続されている。またバッテリ100は、DCDCコンバータ300を介して、キャパシタ400、照合ECU500及びPMECU600等に電力を供給可能に構成されている。
PCU200は、例えば昇圧コンバータやインバータ等を含んで構成されており、ハイブリッド車両の動力源であるモータジェネレータ(図示せず)に、バッテリ100からの電力を供給する。よって、バッテリ100は、ハイブリッド車両のモータジェネレータを力行するための電力を供給する電力供給源として機能すると共に、モータジェネレータによる回生で得られた電力を充電する蓄電手段としても機能する。
DCDCコンバータ300は、バッテリ100とシステムメインリレー150との間に電気的に接続されており、バッテリ100から出力された電圧を降圧して出力する。DCDCコンバータ300から出力された電圧は、キャパシタ400、照合ECU500及びPMECU600に印加される構成となっている。DCDCコンバータ300は、本発明の「コンバータ」の一具体例である。
キャパシタ400は、ハイブリッド車両に搭載されている各種補機の駆動電量を供給する電力供給源として機能する。具体的には、キャパシタ400は、補機群450、照合ECU500及びPMECU600に電力を供給可能に構成されている。キャパシタ400は、バッテリ100からDCDCコンバータ300を介して出力される電圧により充電可能とされている。また、キャパシタ400は、例えば図示せぬ電圧センサ等によって電圧値が検出可能とされている。
補機群450は、ハイブリッド車両の各種補機や各種ECU(具体的には、照合ECU500及びPMECU600以外のECU)等を含んで構成されている。補機群を構成する補機の具体例としては、電動パワーステアリング装置、VGRS(Variable Gear Ratio Steering:操舵伝達比可変装置)等の舵角制御装置、エアコンディショナや空気清浄機、オーディオやカーナビゲーション装置、ヘッドライト、ウィンカ、ブレーキランプ、テールランプ、カムバイワイヤ等の動弁装置、電動スライドドアや電動シート、パワーウィンドウや電動格納ミラー、ABS(Anti-lock Braking System)やVSC(Vehicle Stability Control)等の各種PCS(Pre-Crash safety System)等が挙げられる。
照合ECU500は、ワイヤレスキー等を照合し、ハイブリッド車両の起動許可を出力するECUとして構成されている。照合ECU500は、その機能上、ハイブリッド車両の停車中にも駆動していることが要求される。
PMECU600は、DCDCコンバータ300に対して起動指令を出力可能とされている。また、PMECU600は、DCDCコンバータ300の目標電圧(即ち、出力電圧の目標値)の設定及び制御を実行可能に構成されている。即ち、PMECU600は、本発明の「設定手段」及び「制御手段」の一例としても機能する。更に、PMECU600は、IGCTリレー720のオンオフを制御して、キャパシタ400から補機群450等への電力供給を制御する。PMECU600は、照合ECU500において起動許可が出力されている状態でスタートボタン710が押下されると起動する。
<動作説明>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る電力制御装置10の動作について説明する。ここに図2は、本実施形態に係る電力制御装置の動作を示すフローチャートである。なお、以下では、電力制御装置10が実行する各種処理のうち、本実施形態に特有の処理について詳細に説明するものとし、その他の一般的な処理については適宜説明を省略する。
図2において、本実施形態に係る電力制御装置10の動作時には、スタートボタン710の押下が検出されると(ステップS101:YES)、キャパシタ400の電圧Vcapが検出される(ステップS102)。
続いて、検出されたキャパシタ電圧Vcapに加えて、キャパシタ内部抵抗Rcap、キャパシタ上限電流Icapmax、キャパシタ静電容量Ccapを利用して、キャパシタ400の目標電圧Vtagが決定される(S103)。なお、キャパシタ目標電圧Vtagは、初期目標電圧Vtaginiと、上昇勾配ΔVocvとによって決まる。
ここで初期目標電圧Vtaginiは、以下の式(1)によって算出できる。
Vtagini=Vcap+Icapmax×Rcap ・・・(1)
また上昇勾配ΔVocvは、以下の式(2)によって算出できる。
ΔVocv=Icapmax/Ccap ・・・(2)
そしてVtag(i)は、以下の式(3)によって算出できる。
Vtag(i)=Vtag(i−1)+ΔVocv ・・・(3)
なお、本実施形態ではキャパシタ400の電流は検出されない構成となっている。このため、キャパシタ400の電流を検出する電流センサを設けることは要求されず、コストの低減を図ることができる。ただし、電流センサを設けることによるコスト増が許容される場合には、検出された電流値を利用してフィードバックを行ってもよい。
以上のようにキャパシタ目標電圧Vtagが算出されると、DCDCコンバータ300の出力電圧が目標電圧Vtagとなるように制御される(ステップS104)。これにより、目標電圧VtagとされたDCDCコンバータ300からの出力電圧により、キャパシタ400が充電されることになる。
そして最後に、補機群450が起動される(ステップS105)。言い換えれば、補機群450は、DCDCコンバータ300の制御が開始されるまで起動されない。
<効果説明>
以下では、図3を参照して、上述した本実施形態に係る電力制御装置10の動作によって得られる有益な効果について具体的に説明する。ここに図3は、実施形態及び比較例に係る電力制御装置の動作時の各パラメータの変動を示すタイムチャートである。なお、図3中の実線は、本実施形態に係る電力制御装置の動作時の各種パラメータの変動を示しており、破線は、比較例に係る電力制御装置の動作時の各種パラメータの変動を示している。
図3に示すように、比較例に係る電力制御装置では、DCDCコンバータが起動する前に補機群450が起動されているため、そこでの電力消費により補機電圧が一時的に低下している。このため、OCV(Open Circuit Voltage)を正確に検出することができないおそれがある。
これに対し、本実施形態では、補機群450がDCDCコンバータの制御後に起動される。このため、電力消費による補機電圧の変動はなく、結果としてOCVを正確に検出することが可能となる。
また比較例に係る電力制御装置では、DCDCコンバータ300の目標電圧Vtagが、キャパシタ上限電流Icapmax等に基づいて設定されていない。このため、充電中のキャパシタ400にキャパシタ上限電流Icapmaxを超える電流(即ち、過電流)が流れている。過電流は、キャパシタ300の寿命を低下させる原因となる。
これに対し、本実施形態では、既に説明したように、DCDCコンバータ300の目標電圧Vtagが、キャパシタ400における各種パラメータ(具体的には、キャパシタ電圧Vcap、キャパシタ内部抵抗Rcap、キャパシタ上限電流Icapmax、キャパシタ静電容量Ccap)に基づいて設定されている。このため、充電中のキャパシタ400に過電流が流れてしまうことを防止できる。従って、過電流に起因するキャパシタ400の寿命低下を防止できる。
本実施形態では更に、キャパシタに流れる最大電流が抑制されることで、ヒューズ切れが抑制され、ケーブルの線径変更も要求されなくなる。この結果、更なるコスト低減を実現することが可能である。
以上説明したように、本実施形態に係る電力制御装置10によれば、車両の起動時において好適にキャパシタ400を充電することが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電力制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10 電力制御装置
100 バッテリ
150 システムメインリレー
200 PCU
300 DCDCコンバータ
400 キャパシタ
450 補機群
500 照合ECU
600 PMECU
710 スタートボタン
720 IGCTリレー

Claims (1)

  1. 車両に搭載されるバッテリと、
    前記バッテリからの電圧を変換して出力するコンバータと、
    前記コンバータで変換された電圧により充電可能なキャパシタと、
    前記キャパシタに充電された電力で駆動する負荷装置と、
    前記車両の起動時に、前記キャパシタを充電するための前記コンバータの目標電圧を、前記キャパシタの内部抵抗、容量及び最大充電電流に基づいて設定する設定手段と、
    前記コンバータの出力電圧が前記目標電圧となるように制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする電力制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018159463A1 (ja) * 2017-02-28 2018-09-07 株式会社デンソー 制御装置、制御装置を備える制御システム
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