JP6167723B2 - 二次電池電極形成用合材インキ - Google Patents
二次電池電極形成用合材インキ Download PDFInfo
- Publication number
- JP6167723B2 JP6167723B2 JP2013153210A JP2013153210A JP6167723B2 JP 6167723 B2 JP6167723 B2 JP 6167723B2 JP 2013153210 A JP2013153210 A JP 2013153210A JP 2013153210 A JP2013153210 A JP 2013153210A JP 6167723 B2 JP6167723 B2 JP 6167723B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ethylenically unsaturated
- meth
- monomer
- acrylate
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Description
水分散性バインダー(C)が、エチレン性不飽和基を有する単量体合計に対し、
1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、多官能アルコキシシリル基とを有する単量体(c−1)、および、1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体(c−2)、からなる群より選ばれる少なくとも1つの、エチレン性不飽和基を有する単量体(C1)0.1〜5重量%と、
前記単量体(c−1)〜(c−2)以外の、エチレン性不飽和基を有する単量体(C2)95〜99.9重量%とを、水中にて界面活性剤の存在下、ラジカル重合開始剤によって乳化重合してなることを特徴とする二次電池電極形成用合材インキに関する。
<電極活物質(A)>
リチウムイオン二次電池用の正極活物質としては、特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピング又はインターカレーション可能な金属酸化物、金属硫化物等の金属化合物、及び導電性高分子等を使用することができる。例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属の酸化物、リチウムとの複合酸化物、遷移金属硫化物等の無機化合物等が挙げられる。具体的には、MnO、V2O5、V6O13、TiO2等の遷移金属酸化物粉末、層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、スピネル構造のマンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料、TiS2、FeSなどの遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。また、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子を使用することもできる。また、上記の無機化合物や有機化合物を混合して用いてもよい。この中でも層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、スピネル構造のマンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料が安全性、容量、コストの面で好ましい。
カルボキシメチルセルロースは、セルロースと水酸化ナトリウムなどの塩基を反応させた後、次いでモノクロル酢酸などを反応させ、セルロースの水酸基を部分的にカルボキシメチル基で置換(エーテル化)して得られるアニオン系水溶性高分子であり、下記一般式(1)の構造を有する。
本発明の合材インキは、水分散性バインダーを含有することを必須としている。水分散性バインダーは、活物質や導電助剤などの粒子を結着させるために使用される。溶媒である水に溶解しないことで、これら粒子の表面を完全に被覆せず、点結着することで、電池内部でのリチウムイオンの移動を阻害せず、密着性と電池性能の高い両立が達成できる。
この中でも水分散性バインダーとしては、エチレン性不飽和基を有する単量体合計に対し、1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、多官能アルコキシシリル基とを有する単量体(c−1)、および、1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体(c−2)、からなる群より選ばれる少なくとも1つの、エチレン性不飽和基を有する単量体(C1)0.1〜5重量%と、前記単量体(c−1)〜(c−2)以外の、エチレン性不飽和基を有する単量体(C2)95〜99.9重量%とを、水中にて界面活性剤の存在下、ラジカル重合開始剤によって乳化重合して得られるバインダーを使用することが好ましい。
1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、アルコキシシリル基とを有する単量体(c−1)としては、例えば、γ一メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ一メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ一メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ一メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ一メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ一アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ一アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ一アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ一メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ一アクリロキシメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
この中でも、アルコキシシリル基の反応性が高い点で、メトキシシラン、メチルジメトキシシラン基を持った単量体の使用が好ましく、また架橋密度が高くできるという点で更にトリメトキシ基を持った単量体の使用が好ましい。
1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体(c−2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸1一メチルアリル、(メタ)アクリル酸2一メチルアリル、(メタ)アクリル酸1一ブテニル、(メタ)アクリル酸2一ブテニル、(メタ)アクリル酸3一ブテニル、(メタ)アクリル酸1,3一メチルー3一ブテニル、(メタ)アクリル酸2一クロルアリル、(メタ)アクリル酸3一クロルアリル、(メタ)アクリル酸一アリルフェニル、(メタ)アクリル酸2一(アリルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸アリルラクチル、(メタ)アクリル酸シトロネリル、(メタ)アクリル酸ゲラニル、(メタ)アクリル酸ロジニル、(メタ)アクリル酸シンナミル、ジアリルマレエート、ジアリルイタコン酸、(メタ)アクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、オレイン酸ビニル,リノレン酸ビニル、(メタ)アクリル酸2一(2'一ビニロキシエトキシ)エチルなどのエチレン性不飽和基含有(メタ)アクリル酸エステル類。ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ノナンジオール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ジアクリル酸1,1,1一トリスヒドロキシメチルエタン、トリアクリル酸1,1,1一トリスヒドロキシメチルエタン、1,1,1一トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリル酸などの多官能(メタ)アクリル酸エステル類。ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニルなどのジビニル類。イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリルなどのジアリル類、N一メチロールアクリルアミド、N,N一ジ(メチロール)アクリルアミド、N一メチロールーN一メトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアルキロール(メタ)アタリルアミド類などがあげられる。
架橋構造は密になりすぎても柔軟性が失われ密着性が低下するため、適度な反応性と架橋点の長さという観点では、この中でも、(メタ)アクリル酸アリル、ジ(メタ)アクリル酸ノナンジオール、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリルを使用することが好ましい。
本発明の水分散性バインダーは単量体(C2)として、単量体(c−1)〜(c−2)以外の、エチレン性不飽和基を有する単量体を同時に乳化重合することで得ることができる。この単量体(C2)としては、単量体(c−1)〜(c−2)以外であって、エチレン性不飽和基を有する単量体であれば特に限定されないが、例えば、1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、炭素数8〜18のアルキル基とを有する単量体(c−3)、1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、環状構造とを有する単量体(c−4)などがあげられる。単量体(C2)として、該単量体(c−3)および/または単量体(c−4)を乳化重合に使用する場合には(単量体(C2)としてそれら以外の単量体を含んでいてもよい)、該単量体(c−3)および(c−4)が、エチレン性不飽和基を有する単量体全体中に合計で30〜95重量%含まれることが好ましい。単量体(c−3)や単量体(c−4)を使用することでバインダー合成時の粒子安定性や耐電解液性に優れるため好ましい。30重量%未満であると耐電解液性に悪影響をおよぼす場合があり、95重量%を超えると粒子合成時の安定性に悪影響をおよぼすか、合成できたとしても粒子の経時安定性が損なわれる場合がある。
1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、炭素数8〜18のアルキル基とを有する単量体(c−3)としては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセンなどのα−オレフィン系エチレン性不飽和単量体などがあげられる。
この中でも、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類が反応性やコストの観点から好ましい。
1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、環状構造とを有する単量体(c−4)としては、脂環式エチレン性不飽和単量体や芳香族エチレン性不飽和単量体などがあげられる。脂環式エチレン性不飽和単量体としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートなどがあげられ、芳香族エチレン性不飽和単量体としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、クロロスチレン、アリルベンゼン、エチニルベンゼンなどがあげられる。
この中でも、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、スチレンは不飽和基の反応性が高く、疎水性の骨格を持つため電解液に対して膨潤しにくくい点で好ましい。
上記単量体(c−3)、単量体(c−4)以外の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有エチレン性不飽和単量体;
パーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルアミル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルウンデシル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレンなどのパーフルオロアルキル、アルキレン類などのパーフルオロアルキル基含有エチレン性不飽和化合物;
ラクトン変性(メタ)アクリレートなどのポリエステル鎖を有するエチレン性不飽和化合物;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、およびトリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルエチル)アンモニウムクロライドなどの四級アンモニウム塩基含有エチレン性不飽和化合物;
ブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル系エチレン性不飽和単量体;
1−ヘキセンなどのα−オレフィン系エチレン性不飽和単量体;
酢酸アリル、シアン化アリルなどのアリル単量体;
シアン化ビニル、ビニルシクロヘキサン、ビニルメチルケトンなどのビニル単量体;
アセチレン、エチニルトルエンなどのエチニル単量体;
ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸ブチル-4-スルホン酸、(メタ)アクリロオキシベンゼンスルホン酸などのスルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体;
N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミドなどのモノアルコキシ(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミドなどのジアルコキシ(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドなどのジアルキル(メタ)アクリルアミド類;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等のジアルキルアミノ基含有エチレン性不飽和単量体;
アルカリ金属炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどが挙げられ、
また、アミン類としてはエチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミンなどのアルキルアミン類; モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミンなどのアルコールアミン類; アンモニア水などのアンモニア類; などが挙げられる。
本発明の水分散性バインダー(C)は、従来既知の乳化重合方法により合成される。
本発明において乳化重合の際に用いられる界面活性剤としては、エチレン性不飽和基を有する反応性乳化剤やエチレン性不飽和基を有しない非反応性乳化剤など、従来公知のものを任意に使用することができる。
エチレン性不飽和基を有するアニオン系反応性乳化剤の一例として、以下にその具体例を例示するが、本願発明において使用可能とする乳化剤は、以下に記載するもののみに限定されるものではない。
本発明で用いることのできるエチレン性不飽和基を有するノニオン系反応性乳化剤としては、例えばアルキルエーテル系(市販品としては、例えば、株式会社ADEKA製アデカリアソープER−10、ER−20、ER−30、ER−40、花王株式会社製ラテムルPD−420、PD−430、PD−450など);アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、株式会社ADEKA製アデカリアソープNE−10、NE−20、NE−30、NE−40など);(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製RMA−564、RMA−568、RMA−1114など)などがあげられる。
また、非反応性アニオン系乳化剤の例としては、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類;ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩およびその誘導体類;ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩類などを例示することができる。
非反応性ノニオン系乳化剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルなどを例示することができる。
本発明の水分散性バインダー(C)の乳化重合に際して用いられる水性媒体としては、水があげられ、親水性の有機溶剤も本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
本発明の架橋型樹脂微粒子を得るに際して用いられる重合開始剤としては、ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば特に制限はなく、公知の油溶性重合開始剤や水溶性重合開始剤を使用することができる。
なお、前記した重合開始剤によらずとも、光化学反応や、放射線照射などによっても重合を行うことができる。重合温度は各重合開始剤の重合開始温度以上とする。例えば、過酸化物系重合開始剤では、通常70℃程度とすればよい。重合時間は特に制限されないが、通常2〜24時間である。
さらに必要に応じて、緩衝剤として、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどが、また、連鎖移動剤としてのオクチルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、ステアリルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類が適量使用できる。
本発明の合材インキは、CMC(B)の含有量が少なく、活物質や導電助剤をより均一に分散させるため、分散剤を使用することができる。
芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(d1):5〜70重量%
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(d2):15〜60重量%
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体(d3):1〜80重量%
(但し、前記(d1)〜(d3)の合計を100重量%とする)
まず、芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(d1)について説明する。本発明で使用する芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(d1)としては、スチレン、α−メチルスチレンもしくはベンジル(メタ)アクリレートを例示することができる。この中でも、電解液との親和性が低い疎水骨格を持つことからスチレン、α−メチルスチレンの使用が好ましい。
次に、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(d2)について説明する。本発明で使用する単量体(d2)は、カルボキシル基含有不飽和化合物としてはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、又は、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等を例示することができる。特にメタクリル酸、アクリル酸が好ましい。
次に、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体(d3)について説明する。本発明で使用するアミノ基を有するエチレン性不飽和単量体(d3)は、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等が挙げられる。この中でも、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
次に、前記(d1)〜(d3)以外のその他の単量体について説明する。(メタ)アクリレート系化合物としては、アルキル系(メタ)アクリレート、アルキレングリコール系(メタ)アクリレートがある。
さらに具体的に例示すると、アルキル系(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜22のアルキル(メタ)アクリレートがあり、極性の調節を目的とする場合には好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルキル基を有するアルキル基含有アクリレート又は対応するメタクリレートが挙げられる。
芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(d1)が5〜70重量%、
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(d2)が15〜60重量%、
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体(d3)が1〜80重量%、であり、
好ましくは、
(d1):20〜70重量%、
(d2):15〜45重量%、
(d3):1〜50重量%、
(d1)〜(d3)以外のその他の単量体:10〜50重量%、であり、
より好ましくは、
(d1):30〜60重量%、
(d2):15〜35重量%、
(d3):1〜40重量%、
(d1)〜(d3)以外のその他の単量体:15〜40重量%、である。
両性樹脂型分散剤は、種々の製造方法で得ることができる。例えば、上記単量体(d1)〜(d3)とその他の単量体を、水と共沸し得る有機溶剤中で重合する。その後、水に代表される水性液状媒体と中和剤(塩基性化合物)とを加えてカルボキシル基の少なくとも一部を中和し、共沸可能な溶剤を留去し、両性樹脂型分散剤の水溶液ないし水性分散液を得ることができる。重合時の有機溶剤としては、水と共沸するものであれば良いが、コポリマーに対し溶解性の高いものが良く、好ましくはエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールがあり、さらに好ましくは1−ブタノールがある。
コポリマーの中和に使用される中和剤(塩基性化合物)としては、下記のものが挙げられる。例えば、アンモニア水、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤を使用することができる。上記したようなコポリマーは、水性液媒体中に、分散又は溶解される。
本発明の合材インキの溶媒としては水を使用することが好ましいが、必要に応じて、例えば、集電体への塗工性向上のために、水と相溶する液状媒体を使用しても良い。水と相溶する液状媒体としては、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類等が挙げられ、水と相溶する範囲で使用しても良い。
本発明の合材インキは、電極活物質(A)、カルボキシメチルセルロース(B)、水分散性バインダー(C)及び水を必須とし、活物質が水中に分散されたスラリー状の組成物であり、活物質の種類により正極合材インキ又は負極合材インキがある。また電極膜の導電性を上げるため導電助剤を添加することがある。
本発明における合材インキには必要に応じて導電助剤としては炭素材料を使用することができる。導電助剤を使用することにより、通常活物質のみを使用した場合と比べて、合材インキ層の抵抗を低くすることが出来、電池性能が向上するため好ましい。特に、リン酸鉄リチウムなどの導電性の乏しい活物質を使用する場合は使用することが好ましい。導電性を有する炭素材料としては、特に限定されないが、グラファイト、カーボンブラック、導電性炭素繊維(カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー)、フラーレン等を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、及びコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。
さらに、合材インキには、成膜助剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、pH調整剤、粘性調整剤などを必要に応じて配合できる。
活物質(A)と導電助剤と分散剤(D)と水とを含有する活物質の水性分散体を得、該水性分散体にCMC(B)を加えた後、最後に水分散性バインダー(C)とを加え、合材インキを得ることができる。CMC(B)と水分散性バインダー(C)は、同時に加えることもできるし、水分散性バインダー(C)を加えた後、CMC(B)を加えてもよい。
合材インキを得る際に用いられる装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機、混合機が使用できる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機;又は、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
本発明の二次電池電極形成用組成物のうち合材インキを、集電体上に塗工・乾燥し、合材層を形成し、二次電池用電極を得ることができる。
電極に使用する集電体の材質や形状は特に限定されず、各種二次電池にあったものを適宜選択することができる。例えば、集電体の材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、又はステンレス等の金属や合金が挙げられる。リチウムイオン電池の場合、特に正極材料としてはアルミニウムが、負極材料としては銅が、それぞれ好ましい。また、形状としては、一般的には平板上の箔が用いられるが、表面を粗面化したものや、穴あき箔状のもの、及びメッシュ状の集電体も使用できる。
正極もしくは負極の少なくとも一方に上記の電極を用い、二次電池を得ることができる。二次電池としては、リチウムイオン二次電池の他、アルカリ二次電池、鉛蓄電池、ナトリウム硫黄二次電池、リチウム空気二次電池等が挙げられ、それぞれの二次電池で従来から知られている、電解液やセパレーター等を適宜用いることができる。
リチウムイオン二次電池の場合を例にとって説明する。電解液としては、リチウムを含んだ電解質を非水系の溶剤に溶解したものを用いる。電解質としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)3C、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、又はLiBPh4等が挙げられるがこれらに限定されない。
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリアミド不織布及びそれらに親水性処理を施したものが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明の組成物を用いたリチウムイオン二次電池の構造については特に限定されないが、通常、正極及び負極と、必要に応じて設けられるセパレータとから構成され、ペーパー型、円筒型、ボタン型、積層型等、使用する目的に応じた種々の形状とすることができる。
(合成例1)
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水40部と界面活性剤としてアクアロンKH−10(第一工業製薬(株)製)0.2部とを仕込み、別途、メチルメタクリレート47.5部、ブチルアクリレート50部、アクリルアミド1.5部、メタクリル酸1部、イオン交換水53部および界面活性剤としてアクアロンKH−10(第一工業製薬(株)製)1.8部をあらかじめ混合しておいたプレエマルジョンのうちの1%をさらに加えた。内温を70℃に昇温し十分に窒素置換した後、過硫酸カリウムの5%水溶液10部の10%を添加し重合を開始した。反応系内を70℃で5分間保持した後、内温を70℃に保ちながらプレエマルジョンの残りと過硫酸カリウムの5%水溶液の残りを3時間かけて滴下し、さらに2時間攪拌を継続した。固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却した。25%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを8.5とし、さらにイオン交換水で固形分を48%に調整して樹脂微粒子水分散体を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
表1に示す配合組成で、合成例1と同様の方法で合成し、合成例2〜6の水分散性バインダーを得た。
(合成例7)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブタノール100.0部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱して、スチレン30部、アクリル酸70部、及びV−601(和光純薬製)6.0部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬製)0.3部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、共重合体(1)溶液を得た。また、共重合体(1)の酸価は544.7(mgKOH/g)であった。さらに、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノール86.5部添加し中和した。これは、アクリル酸を100%中和する量である。さらに、水を200部添加して水性化した後、100℃まで加熱し、ブタノールを水と共沸させてブタノールを留去した。水で希釈し、不揮発分20%の分散剤の水溶液ないし水性分散体を得た。
表2に示す配合組成で、合成例7と同様の方法で合成し、合成例8〜12の分散剤を得た。
本明細書において、実施例1は参考例である。
<実施例1>
(正極の作製)
合成例1で得られた水分散性バインダーの固形分として3部、正極活物質であるリン酸鉄リチウム(LiFePO4)を90部、導電助剤としてアセチレンブラック5部、増粘
剤としてダイセルファインケム(株)製カルボキシメチルセルロース(CMC1240)0.25部を添加し、固形分50%になるようにイオン交換水を加えた後、混練して二次
電池電極形成用合材インキを調整した。この合材インキを集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥し、ロールプレスによる圧延処理を行い、厚さ50μmの正極合材層を有する正極を作製した。
合成例1で得られた水分散性バインダー樹脂の固形分として2.7部、負極活物質として人造黒鉛96部、増粘剤としてダイセルファインケム(株)製カルボキシメチルセルロース(品番1380)0.3部を添加し、固形分50%になるようにイオン交換水を加えた後、混練して二次電池電極形成用合材インキを調整した。合材インキを集電体となる厚さ20μmの銅箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥し、ロールプレスによる圧延処理を行い、厚さ50μmの負極合剤層を有する負極を作製した。
(正極の作製)
合成例1で得られた水分散性バインダーの固形分として3.75部、正極活物質であるリン酸鉄リチウム(LiFePO4)を90部、導電性材料としてアセチレンブラック5部、合成例7の分散剤を固形分で1部、増粘剤としてダイセルファインケム(株)製カルボキシメチルセルロース(品番1240)0.25部を添加し、固形分50%になるようにイオン交換水を加えた後、混練して二次電池電極形成用合材インキを調整した。この合材インキを集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥し、ロールプレスによる圧延処理を行い、厚さ50μmの正極合材層を有する正極を作製した。
合成例1で得られた水分散性バインダー樹脂の固形分として2.55部、負極活物質として人造黒鉛96部、合成例7の分散剤を固形分で0.25部、増粘剤としてダイセルファインケム(株)製カルボキシメチルセルロース(CMC1380)0.2部を添加し、固形分50%になるようにイオン交換水を加えた後、混練して二次電池電極形成用合材インキを調整した。合材インキを集電体となる厚さ20μmの銅箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥し、ロールプレスによる圧延処理を行い、厚さ50μmの負極合材層を有する負極を作製した。
表3に示す配合組成で、実施例1、3と同様にして実施例2、4〜13、比較例1〜3の正極、負極を作成した
人造黒鉛:昭和電工(株)製 SCMG−ARH
HS−100:電気化学工業(株)製 デンカブラックHS−100、アセチレンブラック
CMC1240:ダイセルファインケム(株)製 CMCダイセル#1240、カルボキシメチルセルロース、エーテル化度0.8〜1.0、1%水溶液粘度(25℃ 60回転)30〜40mPa・s
CMC1380:ダイセルファインケム(株)製 CMCダイセル#1380、カルボキシメチルセルロース、エーテル化度1.0〜1.5、1%水溶液粘度(25℃ 60回転)1000〜2000mPa・s
先に作製した正極を、直径16mmに打ち抜き作用極とし、金属リチウム箔を対極として、作用極及び対極の間に多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレーターを挿入積層し、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1(体積比)の割合で混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を満たしてコインセルを組み立てた。コインセルの組み立てはアルゴンガス置換したグロ−ブボックス内で行い、セル組み立て後、所定の電池特性評価を行った。
先に作製した負極を、直径16mmに打ち抜き作用極とし、金属リチウム箔を対極として、作用極及び対極の間に多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレーターを挿入積層し、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1(体積比)の割合で混合した混合溶媒にLiPF6 を1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を満たしてコインセルを組み立てた。コインセルの組み立てはアルゴンガス置換したグロ−ブボックス内で行い、セル組み立て後、所定の電池特性評価を行った。
上記の方法で得られた二次電池電極形成用合材インキの分散度及び二次電池電極、二次電池電極評価用セルを用いて、密着性、耐電解液性、電池特性を評価した。評価結果を表4に示す。
二次電池電極形成用合材インキの分散度は、グラインドゲージによる判定(JISK5600−2−5に準ず)より求めた。表中の数字は粗大粒子の大きさを示し、数値が小さいほど分散性に優れ、均一な二次電池電極形成用合材インキであることを示している。
電極表面にナイフを用いて、合剤層から集電体に達する深さまでの切込みを2mm間隔で縦横それぞれ6本入れて碁盤目の切込みを入れた。この切り込みに粘着テープを貼り付けて直ちに引き剥がし、活物質の脱落の程度を目視判定で判定した。評価基準を下記に示す。
◎:「剥離なし」
○:「わずかに剥離(実用上問題のないレベル)」
△:「ほとんどの部分で剥離」
×:「完全に剥離」
作成した電極をエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1(体積比)の割合で混合した混合溶媒に70℃、24時間浸漬し、浸漬前後での膜の膨潤状態、樹脂の溶出状態を下記の通り算出し、比較評価した。
膨潤率 (%)=〔(浸漬後重量)/(浸漬前重量)〕×100
溶出率 (%)=〔1−(浸漬乾燥後重量)/(浸漬前重量)〕×100
膨潤率はその値が100%に近いほど、溶出率は0%に近いほど耐電解液性が高いことを示す。
◎:「膨潤率が180%未満。特に優れている。」
○:「膨潤率が180%以上、210%未満。全く問題なし。」
△:「膨潤率が210%以上、300%未満。実用上使用可。」
×:「膨潤率が300%以上。実用上問題あり。」
○:「溶出率が4.0%以上、5.0%未満。全く問題なし。」
△:「溶出率が5.0%以上、10%未満。実用上使用可。」
×:「溶出率が10%以上。実用上問題あり。」
得られたリチウム二次電池評価用セルについて、充放電装置(北斗電工社製SM−8)を用い、充放電測定を行った。充電電流1.2mAにて充電終止電圧4.2Vまで定電流充電を続けた。電池の電圧が4.2Vに達した後、放電電流1.2mAで放電終止電圧2.0Vに達するまで定電流放電を行った。これらの充電・放電サイクルを1サイクルとして5サイクルの充電・放電を繰り返し、5サイクル目の放電容量を初回放電容量とした。(初回放電容量を維持率100%とする)。
○ :「変化率が95%以上。特に優れている。」
○△:「変化率が90%以上、95%未満。全く問題なし。」
△ :「変化率が85%以上、90%未満。問題はあるが使用可能なレベル。」
× :「変化率が85%未満。実用上問題あり、使用不可。」
Claims (6)
- 電極活物質(A)、カルボキシメチルセルロース(B)、水分散性バインダー(C)及び水を含む二次電池電極形成用合材インキであり、合材インキの固形分総量に対するカルボキシメチルセルロースの割合が、0.05〜0.25質量%であり、
水分散性バインダー(C)が、エチレン性不飽和基を有する単量体合計に対し、
1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、多官能アルコキシシリル基とを有する単量体(c−1)、および、1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体(c−2)、からなる群より選ばれる少なくとも1つの、エチレン性不飽和基を有する単量体(C1)0.1〜5重量%と、
前記単量体(c−1)〜(c−2)以外の、エチレン性不飽和基を有する単量体(C2)95〜99.9重量%とを、水中にて界面活性剤の存在下、ラジカル重合開始剤によって乳化重合してなることを特徴とする二次電池電極形成用合材インキ。 - さらに分散剤(D)を含有することを特徴とする請求項1記載の二次電池電極形成用合材インキ。
- 分散剤(D)が、下記単量体を共重合してなる共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和してなる両性樹脂型分散剤である請求項2記載の二次電池電極形成用合材インキ。
芳香環を有するエチレン性不飽和単量体(d1):5〜70重量%
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(d2):15〜60重量%
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体(d3):1〜80重量%
(但し、前記(d1)〜(d3)の合計を100重量%とする) - エチレン性不飽和基を有する単量体(C2)が、1分子中に1つのエチレン性不飽和基と炭素数8〜18のアルキル基とを有する単量体(c−3)、および/または、1分子中に1つのエチレン性不飽和基と環状構造とを有する単量体(c−4)を含み、該単量体(c−3)および(c−4)が、エチレン性不飽和基を有する単量体合計に対し、30〜95重量%含まれることを特徴とする、請求項1〜3いずれか記載の二次電池電極形成用合材インキ。
- 請求項1〜4いずれか記載の二次電池電極形成用合材インキを用いてなることを特徴とする非水系二次電池電極。
- 正極と負極と電解液とを具備する二次電池であって、前記正極もしくは前記負極の少なくとも一方が、請求項5記載の非水系二次電池電極であることを特徴とする二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013153210A JP6167723B2 (ja) | 2013-07-24 | 2013-07-24 | 二次電池電極形成用合材インキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013153210A JP6167723B2 (ja) | 2013-07-24 | 2013-07-24 | 二次電池電極形成用合材インキ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015023015A JP2015023015A (ja) | 2015-02-02 |
JP6167723B2 true JP6167723B2 (ja) | 2017-07-26 |
Family
ID=52487269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013153210A Active JP6167723B2 (ja) | 2013-07-24 | 2013-07-24 | 二次電池電極形成用合材インキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6167723B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6388145B2 (ja) * | 2015-03-30 | 2018-09-12 | 東亞合成株式会社 | 非水電解質二次電池電極合剤層用組成物及びその製造方法、並びに、その用途 |
JP6665857B2 (ja) * | 2015-03-30 | 2020-03-13 | 東亞合成株式会社 | 非水電解質二次電池電極合剤層用組成物及びその製造方法、並びに、その用途 |
WO2018168657A1 (ja) * | 2017-03-13 | 2018-09-20 | 日本ゼオン株式会社 | 非水系二次電池機能層用スラリー組成物、非水系二次電池用機能層および非水系二次電池 |
CN112094372B (zh) | 2019-06-17 | 2023-07-14 | 荒川化学工业株式会社 | 锂离子电池用粘合剂水溶液、负极用浆料、负极、负极用材料以及锂离子电池及其制造方法 |
KR102306499B1 (ko) | 2019-12-24 | 2021-09-28 | 쇼와 덴코 가부시키가이샤 | 비수계 이차 전지 전극, 전극 슬러리 및 비수계 이차 전지 |
US20230357469A1 (en) | 2019-12-24 | 2023-11-09 | Showa Denko | Electrode binder for a nonaqueous secondary battery and nonaqueous secondary battery electrode |
JP7236039B2 (ja) * | 2020-01-31 | 2023-03-09 | トヨタ自動車株式会社 | 非水電解液蓄電デバイスおよび非水電解液蓄電デバイスの製造方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4727021B2 (ja) * | 2000-05-22 | 2011-07-20 | 株式会社クレハ | 電極及びそれを用いた非水系電池 |
JP2002304986A (ja) * | 2001-04-03 | 2002-10-18 | Japan Storage Battery Co Ltd | 非水電解質二次電池 |
JP2009064564A (ja) * | 2007-09-04 | 2009-03-26 | Sanyo Electric Co Ltd | 非水電解質電池用正極の製造方法、それに用いられるスラリー及び非水電解質電池 |
JP2012119078A (ja) * | 2010-11-29 | 2012-06-21 | Asahi Glass Co Ltd | 蓄電デバイス用電極合剤の製造方法 |
JP2013077526A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-04-25 | Tosoh Corp | 電池電極用バインダー、電池電極用スラリー及び電池用電極 |
JP5760945B2 (ja) * | 2011-10-24 | 2015-08-12 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 二次電池電極形成用組成物、二次電池電極、及び二次電池 |
-
2013
- 2013-07-24 JP JP2013153210A patent/JP6167723B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015023015A (ja) | 2015-02-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5252134B2 (ja) | 二次電池電極形成用水性組成物、二次電池用電極、及び二次電池 | |
JP5880544B2 (ja) | 二次電池電極形成用水性組成物、二次電池用電極、及び二次電池 | |
JP5760945B2 (ja) | 二次電池電極形成用組成物、二次電池電極、及び二次電池 | |
JP5935820B2 (ja) | 導電性組成物、蓄電デバイス用下地層付き集電体、蓄電デバイス用電極、及び蓄電デバイス | |
JP6167723B2 (ja) | 二次電池電極形成用合材インキ | |
JP2013206759A (ja) | 二次電池電極形成用水性組成物、二次電池用電極、及び二次電池 | |
JP5954322B2 (ja) | 二次電池電極形成用組成物、二次電池電極、及び二次電池 | |
JP6079386B2 (ja) | 二次電池電極形成用組成物、その製造方法、二次電池電極、及び二次電池 | |
JP5707605B2 (ja) | 導電性組成物、蓄電デバイス用下地層付き集電体、蓄電デバイス用電極、及び蓄電デバイス | |
JP5891974B2 (ja) | 二次電池電極形成用組成物、二次電池電極、及び二次電池 | |
JP6539978B2 (ja) | 導電性組成物、蓄電デバイス用電極、及び蓄電デバイス | |
JP6476882B2 (ja) | 導電性組成物、蓄電デバイス用下地層付き集電体、蓄電デバイス用電極、及び蓄電デバイス | |
JP5900111B2 (ja) | 二次電池電極形成用組成物、二次電池電極、及び二次電池 | |
JP6365011B2 (ja) | 蓄電デバイス下地層用樹脂微粒子、下地層形成用インキ、下地層付き集電体、蓄電デバイス用電極、蓄電デバイス。 | |
JP6269013B2 (ja) | 蓄電デバイス電極形成用組成物、蓄電デバイス電極、及び蓄電デバイス | |
JP6275307B1 (ja) | 水系電極用塗工液およびその利用 | |
JP6036261B2 (ja) | 二次電池電極形成用組成物、二次電池電極、及び二次電池 | |
JP6036260B2 (ja) | 二次電池電極形成用組成物、二次電池電極、及び二次電池 | |
JP6044300B2 (ja) | 非水系二次電池電極形成用導電性プライマー組成物、それを用いた非水系二次電池電極、及び非水系二次電池 | |
JP2022183694A (ja) | 非水二次電池セパレータ用バインダー分散液、スラリー組成物、非水二次電池セパレータ、および非水二次電池 | |
JP6244783B2 (ja) | キャパシタ電極形成用組成物、キャパシタ電極、及びキャパシタ | |
JP2017168213A (ja) | 蓄電デバイス用樹脂微粒子、蓄電デバイス電極、蓄電デバイス。 | |
JP2014216432A (ja) | キャパシタ用電極形成用組成物、キャパシタ用電極、及びキャパシタ | |
JP2016177910A (ja) | 蓄電デバイス電極形成用組成物、蓄電デバイス電極、及び蓄電デバイス | |
WO2022254898A1 (ja) | 非水二次電池セパレータ用バインダー分散液、スラリー組成物、非水二次電池セパレータ、および非水二次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160509 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170315 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170321 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170516 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170530 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170612 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6167723 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |