JP6167317B2 - 水中用ロボット - Google Patents

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Description

本開示は、水中で作業を行う水中用ロボットに関する。
特許文献1および特許文献2は、水中で検査対象を撮影する遠隔制御ロボットを開示する。これらは、浮力体、推進装置、カメラ、照明等からなる本体と、本体を制御する制御装置等から構成される。これにより、遠隔制御ロボットは、従来の潜水士に代わって、人が水中に潜らずとも遠隔制御でダム等の水中を移動して検査対象を撮影することができる。
特開昭61−200089号公報 特公平7−74030号公報
本開示は、位置および姿勢を任意の状態に制御することが可能な水中用ロボットを提供する。
本開示の一側面に係る水中用ロボットは、フレームと、推進器ユニットと、おもりと、浮力材と、駆動機構と、を備えている。推進器ユニットは、フレームに取り付けられており、推進力を生じさせる。おもりは、フレームに対して第1軸の方向に沿って移動可能な状態で取り付けられており、第1軸の方向における移動によって重心位置を移動させる。浮力材は、フレームに対して第1軸と交差する第2軸の方向に沿って移動可能な状態で取り付けられており、第2軸の方向における移動によって浮心位置を移動させる。駆動機構は、フレームに取り付けられており、おもりを第1軸の方向、浮力材を第2軸の方向において、互いに同期して移動させる。
本開示の別の一側面に係る水中用ロボットは、フレームと、推進器ユニットと、を備えている。推進器ユニットは、フレームにおける互いに直交する第1軸、第2軸および第3軸おいて、第1軸の方向に向けてフレームに固定され第1軸の方向に推進力を生じさせる複数の第1推進器と、第2軸の方向に向けてフレームに固定され第2軸の方向に推進力を生じさせる複数の第2推進器と、第3軸の方向に向けてフレームに固定され第3軸の方向に推進力を生じさせる複数の第3推進器と、を有する。第1推進器は、基本姿勢における重心位置に対して対称の位置に設けられている。第3推進器は、基本姿勢における重心位置に対して対称の位置に設けられている。
本開示に係る水中用ロボットによれば、位置および姿勢を任意の状態に制御することができる。
本開示の一実施形態に係る水中用ロボットの構成を示す全体斜視図。 図1の水中用ロボットの上面図。 図1の水中用ロボットの左側面図。 図1の水中用ロボットの正面図。 図1の水中用ロボットの右側面図。 図1の水中用ロボットの背面図。 図1の水中用ロボットの制御ブロック図。 図1の水中用ロボットに含まれる姿勢調整機構において、可動おもりと可動浮力材とがギアボックスの近傍にある状態を示す斜視図。 図1の水中用ロボットに含まれる姿勢調整機構において、可動おもりと可動浮力材とがギアボックスの近傍にある状態を示す側面図。 図1の水中用ロボットに含まれる姿勢調整機構において、可動おもりと可動浮力材とがギアボックスの近傍にある状態を示す正面図。 図1の水中用ロボットに含まれる姿勢調整機構において、可動おもりと可動浮力材とがギアボックスから離れた位置にある状態を示す斜視図。 図1の水中用ロボットに含まれる姿勢調整機構において、可動おもりと可動浮力材とがギアボックスから離れた位置にある状態を示す側面図。 図1の水中用ロボットに含まれる姿勢調整機構において、可動おもりと可動浮力材とがギアボックスから離れた位置にある状態を示す正面図。 図3等の姿勢調整機構に含まれる第1送りねじの構成を示す正面図。 図6AのD部分の拡大図。 水中用ロボットの直立姿勢を示す概略図。 図3等の姿勢調整機構によって水中用ロボットを直立姿勢から前傾姿勢へ移行させた状態を示す概略図。 図5AのA部分の拡大図。 図5BのB部分の拡大図。 図5CのC部分の拡大図。 可動浮力材ユニットが図8Aの位置から押圧機構の2本のバネを縮める方向に移動した状態を示す図。 可動浮力材ユニットが図8Bの位置から押圧機構の2本のバネを縮める方向に移動した状態を示す図。 可動浮力材ユニットが図8Cの位置から押圧機構の2本のバネを縮める方向に移動した状態を示す図。 可動浮力材ユニットが図9Aの位置から上方へ離間していく方向に移動した状態を示す図。 可動浮力材ユニットが図9Bの位置から上方へ離間していく方向に移動した状態を示す図。 可動浮力材ユニットが図9Cの位置から上方へ離間していく方向に移動した状態を示す図。 可動浮力材ユニットの係止具が第2送りねじの停止溝にある状態を示す斜視図。 可動浮力材ユニットの係止具が第2送りねじの停止溝にある状態を示す斜視図。 可動浮力材ユニットの係止具が第2送りねじの停止溝から送り溝へ移行する状態を示す斜視図。 可動浮力材ユニットの係止具が第2送りねじの停止溝から送り溝へ移行する状態を示す斜視図。 図1の水中用ロボットを用いてダムの壁面を検査する際の工程を示す模式図。 変形例に係る可動浮力材ユニットが第2送りねじの下端部に近づいた状態を示す斜視図。 変形例に係る可動浮力材ユニットが第2送りねじの下端部に到達した状態を示す斜視図。 図14Aに示す状態おける押圧機構の内部構成を説明する図。 図14Bに示す状態おける押圧機構の内部構成を説明する図。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、出願人は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
本開示の一実施形態に係る水中用ロボット10について、図1〜図15Bを用いて説明すれば以下の通りである。なお、本実施形態では、以下の説明において、上下・前後・左右の各方向を図1に示すように定義する。すなわち、水中用ロボット10が水中において潜行している際の基本姿勢において、水面側を上、水底側を下と定義する。そして、円筒状の本体ユニット12の中心軸に沿って上下方向に伸びる仮想的な軸を上下軸(第2軸)とする。この上下軸の方向に直交する平面において、後述する操作用カメラ12aおよび検査用カメラ13が撮影する方向を前と定義する。つまり、検査用カメラ13等の光軸に沿って被写体へ向かう方向を前とし、その反対方向を後とする。そして、検査用カメラ13の光軸と平行であって、前後方向に伸びる仮想的な軸を前後軸(第1軸)とする。さらに、上下軸と前後軸とにそれぞれ直交する仮想的な軸を左右軸(第3軸)とする。
従って、操縦者が操作用カメラ12aによって撮影された画面をコントローラ1のモニタ等で見ながら操作する場合には、浮上/潜航が上/下方向、前進/後進が前/後方向、左進(あるいは左旋回/反時計回り)/右進(あるいは右旋回/時計回り)が左/右方向に対応する。
また、以下の説明では、前後軸を中心とする回転の方向をロール方向、左右軸を中心とする回転の方向をピッチ方向、上下軸を中心とする回転の方向をヨー方向とする。
ここで、高速道路やダム等の社会インフラは、建設されて長い年月が経過したことによる老朽化が進んでいる。近年、これらの社会インフラにおける事故や災害等の発生を未然に防ぐために、点検・整備等が重要となっている。例えば、ダムの点検は、水深の深い位置まで潜水して点検作業を行う必要があり、ダイバーによる点検作業ではリスクを伴うとともに高額な費用がかかってしまう。このため、人の代わりとして水中の様子を把握できるように、水中用ロボットが開発されている。しかしながら、従来の水中用ロボットは、ダムの壁面に対して相対的な位置・姿勢を任意の状態に制御したり、一定に保持したりすることが難しく、鮮明な画像を得ることが困難であった。本開示の水中用ロボット10は、このような課題に鑑みて、以下のような構成を備えたものである。
<水中用ロボット10の説明>
本実施形態に係る水中用ロボット10は、例えば、ダムの壁面に生じた亀裂等の検査を実施するために、水中において潜行しながら検査対象となる壁面等の撮影を行う。そして、水中用ロボット10は、図1および図2A〜図2Eに示すように、バンパー(フレーム)11、本体ユニット12、検査用カメラ13、ソナー14、照明15、バッテリユニット16、固定浮力材17a,17b、推進器ユニット20、姿勢調整機構30、押圧機構40を備えている。
また、水中用ロボット10は、図3に示すように、ケーブル2を介して、コントローラ1に有線接続されており、地上の操作者からコントローラ1を介して入力された操作内容に応じて、動作・姿勢等が制御される。
水中用ロボット10を操作するコントローラ1は、例えば、水中用ロボット10から送信される各種情報を表示するモニタ、水中用ロボット10を操縦するための入力部等を有している。そして、コントローラ1は、ダムの壁面等の検査対象物との相対的な位置および姿勢を一定に保持するように、複数のスラスタを含む推進器ユニット20を制御しながら、検査用カメラ13等の撮影動作を制御する。
ここで、コントローラ1としては、キーボード、マウス、およびモニタを含むノートパソコン等を利用することができる。あるいは、コントローラ1としては、ラジコン機器の操縦等で使用されるプロポーショナル方式のコントローラを利用してもよい。なお、水中用ロボット10からコントローラ1へ送信される情報としては、例えば、水中用ロボット10において撮影された画像や、水中用ロボット10に搭載された各種センサから取得した値、推進器ユニット20に含まれる各スラスタの状態値等がある。また、コントローラ1は、水中用ロボット10から送信される情報を記録するための記録装置を備えていてもよい。さらに、コントローラ1は、水中用ロボット10において撮影された水中の画像を鮮明化する画像処理を行う画像処理部を備えていてもよい。
水中用ロボット10とコントローラ1との間を接続するケーブル2は、信号線と係留線とを含むように構成されている。信号線は、電気信号あるいは光信号によって、水中用ロボット10とコントローラ1との間の通信を可能とする。係留線は、水中用ロボット10とコントローラ1とを係留する。ここで、係留線は、少なくとも、金属および樹脂のいずれかの素材によって形成されているが、材質としてはこれらに限定されるものではない。
また、信号線と係留線とは、一体的に形成されていることが好ましい。例えば、係留線を中空としてその中空部に信号線を通したものや、信号線と係留線をねじり合わせて撚り線としたもの、線材や補強材を保護チューブ内に設けた構成とするいわゆるキャブタイヤケーブル等を用いることができる。これにより、水中で複数の線同士が絡まってしまうリスクが低減され、ケーブルの取り回しが容易になる。なお、信号線のみで係留に十分な強度が得られる場合には、信号線が係留線を兼ねる構成とし、係留線を含まない構成であってもよい。
また、水中用ロボット10とコントローラ1との間には、ケーブル2を巻き取るための巻き取り器(図示せず)が設けられていてもよい。この場合には、水中用ロボット10と巻き取り器との間は係留線によって接続し、巻き取り器とコントローラ1との間は通信線のみで接続してもよい。なお、巻き取り器としては、巻き芯にケーブル2を巻き取って収納可能とするものであって、いわゆるウインチやリール、ライン巻きと呼ばれるものを利用することができる。
<水中用ロボット10の構成>
水中用ロボット10は、上述したように、バンパー(フレーム)11、本体ユニット12、検査用カメラ13、ソナー14、照明15、バッテリユニット16、固定浮力材17a,17b、推進器ユニット20、姿勢調整機構30、押圧機構40を備えている(図1および図2A〜図2E参照)。
(バンパー11)
バンパー(フレーム)11は、図1等に示すように、上面と下面を構成する2つの八角形のパイプ状部材と、これらの八角形の部材の4隅から上下方向(第2軸の方向)に沿って立設された4本のパイプ状部材とを組み合わせた状態で、ボルト等を用いて固定して構成されている。そして、バンパー11には、上述した本体ユニット12、検査用カメラ13、ソナー14、照明15、バッテリユニット16等が固定される。また、バンパー11は、図1に示すように、前後方向(第1軸の方向)に沿って配置されたセンターフレーム11a、上下方向に沿って配置されたセンターフレーム11bを有している。
センターフレーム11aは、図1および図2Aに示すように、水中用ロボット10の上面における左右方向(第3軸の方向)の中央部分において、前後方向に沿って配置されている。そして、センターフレーム11aは、後述する姿勢調整機構30の可動おもりユニット31の移動方向を誘導するガイド軸として使用される。
センターフレーム11bは、図1および図2Eに示すように、水中用ロボット10の背面における左右方向の中央部分において、上下方向に沿って配置されている。そして、センターフレーム11bは、後述する姿勢調整機構30の可動浮力材ユニット35の移動方向を誘導するガイド軸として使用される。
(本体ユニット12)
本体ユニット12は、図1および図2B等に示すように、内部に操作用カメラ12aが設置された透明の円筒形容器である。そして、本体ユニット12は、その両端に設けられた蓋によって操作用カメラ12a等の内容物を密閉し、水中において内部に水が浸入しない防水構造を形成する。そして、本体ユニット12は、円筒形容器の軸が上下方向に沿って配置されるように、バンパー11の略中央部分に固定されている。
操作用カメラ12aは、水中用ロボット10を水中で操作する際に動画または静止画を撮影してコントローラ1へ送信する撮像装置である。そして、操作用カメラ12aは、図1および図2Cに示すように、水中用ロボット10の前後方向に沿ってカメラの光軸が配置されるように、バンパー11へ固定されている。そして、操作用カメラ12aは、水中用ロボット10の前方向が撮影領域となる向きで設置されている。また、操作用カメラ12aは、本体ユニット12を構成する円筒形容器に形成された透明な窓部分から動画や静止画の撮影を行う。
(検査用カメラ13)
検査用カメラ13は、検査対象となるダムの壁面等を撮影するための撮像装置であって、操作用カメラ12aと比較して、高解像度の動画や静止画の撮影が可能である。そして、検査用カメラ13は、図1および図2B〜図2Dに示すように、操作用カメラ12aと同様に、水中用ロボット10の前後方向に沿ってカメラの光軸が配置されるように、バンパー11の下部へ固定されている。そして、検査用カメラ13は、水中用ロボット10の前方向が撮影領域となる向きに設置されている。
(ソナー14)
ソナー14は、ダムの壁面等の検査対象物との間の距離を検出するために、音波発信器と音波検出器とを有している。そして、ソナー14は、水中用ロボット10の前方の物体との距離を検知可能とするために、図1および図2Cに示すように、正面視において、バンパー11の前面側における四隅に配置されている。なお、ダムの堤体壁面等のように、検査対象物が平面である場合には、本実施形態のように、バンパー11の前面における左上と右下、右上と左下のように、対角となる2箇所にそれぞれ設けることが好ましい。これにより、ダムの堤体壁面等の検査対象物との相対姿勢を安定した状態で維持しながら壁面撮影を実施することができるため、検査対象物を撮影した画像として、画像処理に適した画像データを容易に取得することができる。
(照明15)
照明15は、検査用カメラ13によって撮影可能な照度を確保するための光を検査対象物に対して照射する。また、照明15は、図1および図2Cに示すように、バンパー11における前面の上部中央に固定されている。これにより、操作用カメラ12aと検査用カメラ13の光軸方向前方を、撮影可能な照度になるように保つことができる。なお、本実施形態のように、照明15が1つの場合には、検査対象物を一様に照らすことが可能な照明を利用することが好ましい。また、照明15を複数設ける場合には、双方の照明の重なりによって画像処理に影響が及ばないように、画面内あるいは画像処理に使用する範囲の照度が一様になるように各照明を取り付ける位置と向きを調整することが好ましい。また、照明15は、コントローラ1から照度等を制御されるように構成されてもよい。
(バッテリユニット16)
バッテリユニット16は、図3に示すように、本体ユニット12(操作用カメラ12a)と接続されており、本体ユニット12内の電気回路を介して、検査用カメラ13、ソナー14、照明15、推進器ユニット20、姿勢調整機構30に対して電力を供給する。そして、バッテリユニット16は、図1および図2Cに示すように、バンパー11の下部、特に、下端面に、結束帯あるいはネジ等を用いて固定されている。これにより、水中用ロボット10の重心位置を低い位置に設定することができるため、水中用ロボット10の水中姿勢を安定化させることができる。
なお、バッテリユニット16のバンパー11に対する固定部分には、バッテリユニット16をバンパー11に対して傾けることが可能なチルト機構を設けることがより好ましい。これにより、バッテリユニット16内の電池あるいは充電池を取り出す作業をより容易に実施することができる。また、バッテリユニット16は、防水コネクタ等を用いて、密閉容器である本体ユニット12や照明15と着脱可能な状態で接続されていることがより好ましい。
(固定浮力材17a,17b)
固定浮力材17a,17bは、水中用ロボット10に浮力を付与するために設けられた浮力材であって、図1および図2Aに示すように、バンパー11の上面における後ろ寄りの位置に固定配置されている。また、固定浮力材17a,17bは、その下方に設けられた上下スラスタ22c,22dの推進力の障壁となることを回避するために、図2Aに示すように、平面視において上下スラスタ22c,22dと重なる部分が切り欠かれた形状を有している。
(推進器ユニット20)
推進器ユニット20は、水中用ロボット10の水中における移動時の推進力を生じさせる機構であって、スクリュー(プロペラとも呼ぶ)とスクリューを回転させるモータとを組み合わせて構成される複数のスラスタによって構成されている。推進器ユニット20は、コントローラ1からの指示入力や自動姿勢制御によって、各スラスタのモータの回転数が制御されることで、前後、左右、上下の各方向(第1〜第3軸の方向)における推進力が制御される。これにより、水中用ロボット10の水中における移動、姿勢等を制御することができる。
そして、推進器ユニット20は、図1および図2A〜図2Eに示すように、前後スラスタ(第1推進器)21a,21b、上下スラスタ(第2推進器)22a〜22d、左右スラスタ(第3推進器)23a,23bを有している。前後スラスタ21a,21b、上下スラスタ22a〜22d、左右スラスタ23a,23bは、互いに直交する3つの軸(第1〜第3軸)方向において、水中用ロボット10の各軸方向における並進と各軸回りの回転とが可能になるように、それぞれバンパー11に固定される。そして、前後スラスタ21a,21b、上下スラスタ22a〜22d、左右スラスタ23a,23bは、それぞれが独立して制御される。なお、以下の説明においてスラスタの方向とは、各スラスタが備えるスクリューの回転軸に平行な方向、すなわち、各スラスタによって生じる推進力の方向を指すものとする。
(前後スラスタ21a,21b)
2つの前後スラスタ(第1推進器)21a,21bは、前後方向における水中での推進力を生じさせるために、図1および図2A〜図2Eに示すように、バンパー11の右前と左後ろの位置に固定されている。また、前後スラスタ21a,21bは、上下方向における中央からやや下寄りの位置において、バンパー11に固定されている。そして、前後スラスタ21a,21bは、各スラスタの回転軸が前後方向において互いに平行になるように配置されている。
本実施形態の水中用ロボット10では、図1および図2A〜図2Eに示すように、前後スラスタ21a,21bが、平面視において水中用ロボット10の直立姿勢における重心位置g1(図2A参照)を中心として対称な位置に配置されている。なお、重心位置g1については後述する。これにより、前後スラスタ21a,21bのそれぞれの推進力の出力を変化させることで、水中用ロボット10を安定した状態で、前後方向に移動させたり、前後方向に沿う第1軸に対して傾けたりすることができる。すなわち、水中用ロボット10を、ピッチ方向およびヨー方向において回転させることが可能となる。なお、本実施形態では、2つの前後スラスタ21a,21bはバンパー11の右前と左後ろの位置に固定されているが、右後ろと左前の位置に配置することもでき、また、4つの前後スラスタが四隅付近に配置されてもよい。
(上下スラスタ22a〜22d)
4つの上下スラスタ(第2推進器)22a〜22dは、上下方向における水中での推進力を生じさせるために、図1および図2B〜図2Eに示すように、平面視におけるバンパー11の四隅付近に設けられている。また、上下スラスタ22a〜22dは、バンパー11の上下方向における中央よりやや上寄りの位置に設けられている。さらに、上下スラスタ22a〜22dは、水中用ロボット10が潜水する際に大きな推進力を必要とするため、他のスラスタ(前後スラスタ21a,21b、および左右スラスタ23a,23b)と比較して、大きな推進力を生じさせることが可能なスラスタが配置されている。具体的には、上下スラスタ22a〜22dのスクリューの羽根の大きさ、モータの馬力、回転数等が他のスラスタよりも大きくなるように調整すればよい。
また、4つの上下スラスタ22a〜22dは、上下方向を向くように、バンパー11に固定されている。すなわち、上下スラスタ22a〜22dは、各スラスタの回転軸が、上下方向に対して互いに平行になるように配置される。また、上下スラスタ22a〜22dは、それぞれの回転軸に直交する同一平面上に、平面視において水中用ロボット10の重心位置g1を中心とする長方形の四隅付近に配置されている。これにより、4つの上下スラスタ22a〜22dの推進力の出力を変化させることで、水中用ロボット10を上下方向に移動させたり、上下方向に対して傾けたりすることができる。すなわち、水中用ロボット10を、ロール方向に移動させたり、ピッチ方向において回転(前傾・後傾)させたりすることができる。
また、本実施形態の水中用ロボット10では、図2Bおよび図2Cに示すように、他の部品と比較して重量の大きいバッテリユニット16をバンパー11の下端面に配置している。このため、水中用ロボット10を水中で上下に移動させる際に、姿勢を安定化させることができる。
(左右スラスタ23a,23b)
2つの左右スラスタ(第3推進器)23a,23bは、左右方向における水中での推進力を生じさせるために、図1および図2A〜図2Eに示すように、バンパー11の左前と右後ろの位置に固定されている。また、左右スラスタ23a,23bは、上下方向における中央からやや下寄りの位置、つまり前後スラスタ21a,21bと略同じ高さ位置において、バンパー11に固定されている。そして、左右スラスタ23a,23bは、各スラスタの回転軸が左右方向において互いに平行になるように配置されている。
本実施形態の水中用ロボット10では、図1および図2A〜図2Eに示すように、左右スラスタ23a,23bが、平面視において、直立姿勢の水中用ロボット10の重心位置g1(図2A参照)を中心として対称な位置に配置されている。これにより、左右スラスタ23a,23bのそれぞれの推進力の出力を変化させることで、水中用ロボット10を安定した状態で、左右方向に移動させたり、左右方向に沿う第3軸に対して傾けたりすることができる。すなわち、水中用ロボット10を、ヨー方向およびロール方向において回転させることが可能となる。なお、本実施形態では、2つの左右スラスタ23a,23bはバンパー11の左前と右後ろの位置に固定されているが、左後ろと右前の位置に配置することもでき、また、4つの左右スラスタが四隅付近に配置されてもよい。
ただし、上記の各スラスタの配置や方向は、標準的な配置であって、水中用ロボット10の重心位置や水中推進時における水の抵抗による挙動等に鑑みて、位置や方向を調整すればよい。
(姿勢調整機構30)
姿勢調整機構30は、左右方向に沿った第3軸を中心として回転させて、水中用ロボット10を前傾姿勢(図7B参照)へ移行させる機構であって、水中用ロボット10の重心位置および浮心位置を移動させるために、以下のような構成を有している。すなわち、姿勢調整機構30は、図4A〜図4Cおよび図5A〜図5Cに示すように、可動おもりユニット31と、第1送りねじ(駆動機構)32と、可動浮力材ユニット35と、第2送りねじ(駆動機構)36と、ギアボックス(駆動機構)37と、を有している。
(可動おもりユニット31)
可動おもりユニット31は、水中用ロボット10の重心位置を前後方向)において移動させるために、前後方向に沿って配置された第1送りねじ32の回転に伴って、前後方向において前後に移動する。そして、可動おもりユニット31は、図4A〜図4Cに示すように、ケース31a、おもり31b、ガイド部31cを有している。
ケース31aは、おもり31bを内包する筐体部分であって、ケース31aに連結された係止具(図示せず)が第1送りねじ32の溝に係合された状態で第1送りねじ32が回転することで、おもり31bごと前後方向に移動する。おもり31bは、ケース31aによって保持された状態で前後方向に移動する部材であって、比重が大きい金属等で構成されている。ガイド部31cは、上述したバンパー11の一部であるセンターフレーム11aの外周を覆うように取り付けられており、センターフレーム11aによって前後方向に誘導される。
本実施形態の水中用ロボット10では、図4Aおよび図4Bに示すように、可動おもりユニット31が第1送りねじ32の後部側に位置する状態が、可動おもりユニット31の初期位置として設定されている。そして、水中用ロボット10を前傾姿勢に移行させる際には、図5Aおよび図5Bに示すように、第1送りねじ32の前部側の位置まで可動おもりユニット31が移動する。すなわち、水中用ロボット10が基本姿勢である直立姿勢(図7A参照)で水中を移動する際には、可動おもりユニット31は、図4Aおよび図4Bに示すように、前後方向における後端の初期位置にある。そして、水中用ロボット10が前傾姿勢(図7B参照)へ移行する際には、可動おもりユニット31は、図5Aおよび図5Bに示すように、可動浮力材ユニット35の上下方向における移動に連動して、前後方向における前端の位置まで移動する。
これにより、水中用ロボット10の重心位置を、直立姿勢における水中用ロボット10の重心位置g1から、前後方向における前寄りの重心位置g2へと移動させることにより、前傾姿勢に移行させることができる。なお、水中用ロボット10において可動おもりユニット31を移動させることによる重心位置の移動及び重心位置g2については、後述する。
(第1送りねじ32)
第1送りねじ32は、図1および図2A等に示すように、前後方向に沿って配置されている。そして、第1送りねじ32は、図6Aおよび図6Bに示すように、外周面に送り溝32aと停止溝32bとが形成されており、回転することによって可動おもりユニット31を前後方向に移動させる。なお、第1送りねじ32と後述する第2送りねじ36とは、長さおよび送り溝のピッチが異なるものの、ほぼ同じ構成を有している。よって、本実施形態では、説明の便宜上、共通の図面(図6Aおよび図6B)を用いて、第1送りねじ32と第2送りねじ36について説明する。
送り溝32aは、図6Aおよび図6Bに示すように、円柱状の第1送りねじ32の軸方向に対して斜めに、前後方向に沿って連続的に形成された1本の溝として形成されている。可動おもりユニット31は、その係止具がこの送り溝32a内に係合された状態で第1送りねじ32が回転することで、前後方向に移動可能となる。
停止溝32bは、図6Bに示すように、円柱状の第1送りねじ32の軸方向に対して垂直な平面に沿って形成された円環状の溝であって、送り溝32aの両端側に形成されている。可動おもりユニット31は、その係止具が停止溝32b内に係合された状態になると、第1送りねじ32を回転させても、それ以上に前方向又は後方向に移動しない。よって、停止溝32bは、可動おもりユニット31の前後方向の両端部におけるストッパとして機能する。
(可動浮力材ユニット35)
可動浮力材ユニット35は、水中用ロボット10の浮心位置を上下方向において移動させるために、上下方向に沿って配置された第2送りねじ36の回転に伴って、上下方向において上下に移動する。そして、可動浮力材ユニット35は、図4A〜図4Cに示すように、ケース35a、浮力材35b、係止具35c(図11A〜図12B参照)を有している。
ケース35aは、浮力材35bを内包する筐体部分であって、ケース35aに連結された係止具35cが第2送りねじ36の送り溝36aに係止された状態で第2送りねじ36が回転することで、浮力材35bごと上下方向に移動する。浮力材35bは、ケース35aによって保持された状態で上下方向において移動する部材であって、比重が小さい樹脂等で構成されている。係止具35cは、浮力材35bを保持するケース35aと連結されており、可動浮力材ユニット35を上下方向において移動させるために、第2送りねじ36の送り溝36a等に係合した状態で第2送りねじ36の外周面に沿って移動する。
本実施形態の水中用ロボット10では、可動おもりユニット31と同様に、図4Aおよび図4Bに示すように、可動浮力材ユニット35が第2送りねじ36の上部側に位置する状態が、可動浮力材ユニット35の初期位置として設定されている。そして、水中用ロボット10を前傾姿勢に移行させる際には、図5Aおよび図5Bに示すように、第2送りねじ36の下部側の位置まで可動浮力材ユニット35が移動する。すなわち、水中用ロボット10が直立姿勢(図7A参照)で水中を移動する際には、可動浮力材ユニット35は、図4Aおよび図4Bに示すように、上下方向における上端の初期位置にある。そして、水中用ロボット10が前傾姿勢(図7B参照)へ移行する際には、可動浮力材ユニット35は、図5Aおよび図5Bに示すように、可動おもりユニット31の前後方向における移動に連動して、上下方向における下端の位置まで移動する。
これにより、水中用ロボット10の浮心位置を、直立姿勢における水中用ロボット10の浮心位置f1から、上下方向における下寄りの浮心位置f2へと移動させることにより、前傾姿勢に移行させることができる。なお、水中用ロボット10において可動浮力材ユニット35を移動させることによる浮心位置の移動及び浮心位置f1,f2については、後述する。
(第2送りねじ36)
第2送りねじ36は、図1および図2B、図2D等に示すように、上下方向に沿って配置されている。そして、第2送りねじ36は、第1送りねじ32と同様に、図6Aおよび図6Bに示すように、外周面に送り溝36aと停止溝36bとが形成されており、回転することによって可動浮力材ユニット35を上下方向に移動させる。
送り溝36aは、図6Aおよび図6Bに示すように、円柱状の第2送りねじ36の軸方向に対して斜めに、前後方向に沿って連続的に形成された1本の溝として形成されている。可動浮力材ユニット35は、係止具35cがこの送り溝36a内に係合された状態で第2送りねじ36が回転することで、上下方向において移動可能となる。なお、第2送りねじ36の送り溝36aのピッチは、第1送りねじ32の送り溝32aのピッチよりも大きい。これは、可動浮力材ユニット35の上下方向における移動距離が、可動おもりユニット31の前後方向における移動距離よりも長く、かつ可動おもりユニット31と可動浮力材ユニット35とが、それぞれ第1・第2送りねじ32,36における両端へ到達するタイミングを一致させるためである。また、本実施形態では、送り溝32aと送り溝36aのピッチは、それぞれ一定であるが、例えば、中央部のピッチを両端側のピッチより小さく形成することもできる。これにより、可動おもりユニット31、可動浮力材ユニット35がそれぞれ第1送りねじ32、第2送りねじ36の中央付近に位置するときの水中用ロボット10の姿勢をより細かく制御することができる。
停止溝36bは、図6Bに示すように、円柱状の第2送りねじ36の軸方向に対して垂直な平面に沿って形成された円環状の溝であって、送り溝36aの両端側に形成されている。可動浮力材ユニット35は、係止具35cが停止溝36b内に係合された状態になると、第2送りねじ36を回転させても、それ以上、上方向又は下方向に移動しない。よって、停止溝36bは、可動浮力材ユニット35の上下方向の両端部におけるストッパとして機能する。
なお、姿勢調整機構30では、可動おもりユニット31が前後方向において移動した場合には、それ自体に体積があるため、可動おもりユニット31の移動に伴って浮心位置も若干移動する。また、可動浮力材ユニット35が上下方向において移動した場合には、それ自体に質量があるため、浮心位置だけでなく重心位置も若干移動する。しかしながら、本実施形態では、説明の便宜上、可動おもりユニット31の移動に伴う浮心位置の移動量、および可動浮力材ユニット35の移動に伴う重心位置の移動量は無視できるものとし、これらを考慮せずに説明する。
(ギアボックス37)
ギアボックス37は、可動おもりユニット31および可動浮力材ユニット35を、それぞれ前後方向および上下方向において駆動するために、バンパー11における上面の後端に設けられている。そして、ギアボックス37は、内部に設けられた単一の駆動源(モータ)(図示せず)と、複数のギアとを組み合わせて構成されている。ギアボックス37内の単一の駆動源は、複数のギアを介して、前後方向に沿って配置された第1送りねじ32の後端、上下方向に沿って配置された第2送りねじ36の上端にそれぞれ連結されている。そして、ギアボックス37は、第1送りねじ32と第2送りねじ36とに対して、それぞれ回転駆動力を付与する。
具体的には、ギアボックス37から付与される回転駆動力は、図4Aおよび図5B等に示すように、可動おもりユニット31が前方向へ移動する際には、これに連動して可動浮力材ユニット35が下方向へ移動するように、第1送りねじ32、第2送りねじ36に対して伝達される。なお、第1送りねじ32と第2送りねじ36とを回転させる方向は、それぞれの送り溝32a,36aが形成された向きに応じて設定されていればよい。例えば、ギアボックス37から見て、第1送りねじ32と第2送りねじ36とを同じ方向に回転させてもよいし、逆方向に回転させてもよい。
また、本実施形態では、ギアボックス37による第1送りねじ32と第2送りねじ36との回転数は一致している。そして、第1送りねじ32の送り溝32aと第2送りねじ36の送り溝36aとのピッチを異ならせることにより、長さの異なる第1送りねじ32と第2送りねじ36との両端側への可動おもりユニット31と可動浮力材ユニット35との到達タイミングを一致させている。なお、第1送りねじ32の送り溝32aと第2送りねじ36の送り溝36aとのピッチを合わせて、ギアボックス37による第1送りねじ32と第2送りねじ36との回転数を異ならせることにより、可動おもりユニット31および可動浮力材ユニット35の両端側への到達タイミングを一致させてもよい。
また、可動おもりユニット31と可動浮力材ユニット35を駆動する駆動機構としては、上述した第1送りねじ32、第2送りねじ36の代わりに、ベルトを用いて駆動してもよい。すなわち、2本のベルトの各々に可動おもりユニット31および可動浮力材ユニット35を取り付け、ギアボックス37がこれらのベルトを駆動することにより、可動おもりユニット31および可動浮力材ユニット35をそれぞれ前後方向および上下方向において駆動させるようにしてもよい。
<水中用ロボット10の前傾姿勢への切替制御>
本実施形態の水中用ロボット10は、上述した姿勢調整機構30によって、水中用ロボット10の重心位置と浮心位置とを移動させることで、水中用ロボット10を直立姿勢(図7A参照)から前傾姿勢(図7B参照)へと切り替える。具体的には、水中用ロボット10が直立姿勢にある状態では、図7Aに示すように、可動おもりユニット31は第1送りねじ32の後端に位置しており、可動浮力材ユニット35は第2送りねじ36の上端に位置している(初期位置)。水中用ロボット10は、浮心位置f1が、重心位置g1を通る鉛直線上における上方に位置するような姿勢である直立姿勢を取る。
水中用ロボット10は、前傾姿勢で検査対象物の検査を実施する場合を除き、通常はこの直立姿勢において水中を移動する。そして、検査対象となるダムの壁面がほぼ鉛直方向に沿って配置されている場合には、この直立姿勢を維持した状態で、壁面との距離を一定に保ちながら壁面に沿って移動して検査画像を撮影する。
ここで、水中用ロボット10が直立姿勢にある状態では、重心位置は、図7Aに示すように、水中用ロボット10の中心軸上における下部である重心位置g1に位置している。重心位置g1は、水中用ロボット10に含まれる重量の大きい構成物(特に、バッテリユニット16等)の配置を調整することで、図7Aに示す位置に設定される。そして、水中用ロボット10が直立姿勢にある状態では、浮心位置は、図7Aに示すように、水中用ロボット10の中心軸上におけるほぼ中央である浮心位置f1に位置している。浮心位置f1は、水中用ロボット10に含まれる固定浮力材17a,17bの配置を調整することで、図7Aに示す位置に設定される。
次に、水中用ロボット10を前傾姿勢に切り替える際には、図7Bに示すように、可動おもりユニット31が第1送りねじ32の前端に移動するのに連動して、可動浮力材ユニット35が第2送りねじ36の下端に移動する(前傾位置)。水中用ロボット10は、検査対象となるダムの壁面が傾斜している場合には、この前傾姿勢を維持した状態で、壁面との距離を一定に保ちながら壁面に沿って移動して検査画像を撮影する。
ここで、水中用ロボット10が前傾姿勢に移行した状態では、図7Bに示すように、可動おもりユニット31が前後方向において前端へ移動したことにより、重心位置も直立姿勢の重心位置g1から前傾姿勢の重心位置g2へと移動する。つまり、重心位置は、中心軸上から水中用ロボット10の前後方向における前へ移動する。重心位置g1は、水中用ロボット10が直立姿勢にある状態、つまり可動おもりユニット31が後端にある状態における水中用ロボット10の重心位置である。また、重心位置g2は、水中用ロボット10が前傾姿勢にある状態、つまり可動おもりユニット31が前端にある状態における水中用ロボット10の重心位置である。
一方、水中用ロボット10が前傾姿勢へ移行すると、浮心位置f2は、図7Bに示すように、可動浮力材ユニット35が上下方向における下端へ移動したことにより、浮心位置も直立姿勢の浮心位置f1から前傾姿勢の浮心位置f2へと移動する。つまり、浮心位置は、上下方向に平行な中心軸上に沿って、上下方向における下向きに移動する。浮心位置f1は、水中用ロボット10が直立姿勢にある状態、つまり可動浮力材ユニット35が上端にある状態における水中用ロボット10の浮心位置である。また、浮心位置f2は、水中用ロボット10が前傾姿勢にある状態、つまり可動浮力材ユニット35が下端にある状態における水中用ロボット10の浮心位置である。
本実施形態の水中用ロボット10では、以上のように、図7Bに示す前傾姿勢では、可動おもりユニット31が前後方向における前側へ移動することで重心位置を前側へ移動させる。さらに、可動浮力材ユニット35が上下方向における下側へ移動することで、浮心位置を上下方向における下向きに移動させる。これにより、水中用ロボット10は、固定浮力材17a,17bおよび可動浮力材ユニット35によって、その背面側下部を持ち上げるように浮力が生じるとともに、可動おもりユニット31によって、その前面側上部を沈み込ませる方向に重力が掛かる。より詳細には、水中用ロボット10は、浮心位置f2が、重心位置g2を通る鉛直線上における上方に位置するような姿勢である前傾姿勢を取ることになる。この結果、水中用ロボット10を安定した状態で、前傾姿勢に移行させることができる。
なお、水中用ロボット10の前傾角度は、例えば、最大で90度になるように設定されていればよい。そして、それ以下(例えば、30度)の前傾角度の姿勢を維持した状態で検査を実施する場合には、可動おもりユニット31および可動浮力材ユニット35の初期位置からの移動を端部の手前で停止させればよい。これにより、水中用ロボット10の重心位置および浮心位置の移動を調整することができるため、前傾角度も任意の角度で調整することができる。
また、水中用ロボット10の最大の前傾角度は、直立姿勢での重心位置と浮心位置、可動おもりユニット31と可動浮力材ユニット35の重量、体積、移動位置を調整することにより、設定することができる。そして、前傾角度を90度にすることより、例えば、水平方向に配置された管内に水中用ロボット10が進入することが可能となる。そして、90度の前傾姿勢で、水中用ロボット10が管内を移動しヨー方向に回転することにより、管内の全周面を撮影し検査することができる。
上述の実施形態では、姿勢調整機構30により、水中用ロボット10は直立姿勢から前傾姿勢に移行する場合について説明したが、水中用ロボット10は直立姿勢から後傾姿勢に移行するように、構成することもできる。この場合、直立姿勢における可動おもりユニット31、可動浮力材ユニット35の位置を、それぞれ第1送りねじ32、第2送りねじ36の中央部に設定し、可動おもりユニット31、可動浮力材ユニット35をそれぞれ第1送りねじ32の後部側、第2送りねじ36の上部側に移動させることにより、後傾姿勢に移行する。
(押圧機構40)
押圧機構40は、図4A〜図5Cに示すように、上述した可動おもりユニット31および可動浮力材ユニット35が第1送りねじ32および第2送りねじ36の両端に移動した際に、逆方向へ押し戻すために、第1送りねじ32および第2送りねじ36の両端にそれぞれ設けられている。なお、ここでは、第1送りねじ32および第2送りねじ36のそれぞれの両端、計4箇所に設けられた押圧機構40のうち、第2送りねじ36の下端に設けられた押圧機構40を例として挙げてその構成について説明する。そして、その他の場所に設けられた押圧機構40についても、同様の構成を有しているため、その説明を省略する。
そして、押圧機構40は、図8A〜図8Cに示すように、押圧部材41、2本のバネ42、ベース部43を有している。押圧部材41は、板状部材によって構成されており、2本のバネ42によって上向き(即ち、第2送りねじ36の下部側に形成された停止溝36bから送り溝36aへの向き)に押圧されている。そして、押圧部材41は、可動浮力材ユニット35が下端位置付近まで移動してきた際に、可動浮力材ユニット35の下端から突出するように設けられた被押圧部材35dを上向きに押圧する。2本のバネ42は、押圧部材41とベース部43との間に挟まれるように配置されており、可動浮力材ユニット35が下端位置付近まで移動してきた際に、可動浮力材ユニット35の被押圧部材35dが押圧部材41を下向きに押し込むことで、縮んで上向きに弾性力を生じさせる。ベース部43は、バンパー11に対して固定配置されており、2本のバネ42を下方から支持している。
ここで、本実施形態の水中用ロボット10では、可動浮力材ユニット35の第2送りねじ36の両端における移動を規制するストッパとしての機能を、第2送りねじ36の両端に形成された停止溝36bに持たせている。このため、可動浮力材ユニット35が、第2送りねじ36の端部側に移動して、係止具35cが停止溝36bに係止された状態になると、係止具35cを反対方向に押圧しなければ、第2送りねじ36を逆回転させても可動浮力材ユニット35を反対方向へ移動させることができない。そこで、本実施形態の水中用ロボット10では、可動浮力材ユニット35が、第2送りねじ36の端部に移動して、係止具35cが停止溝36bに係止された状態から、再び、送り溝36a側に係止された状態へ戻すために、押圧機構40が設けられている。可動おもりユニット31と第1送りねじ32との関係についても同様である。
具体的には、押圧機構40は、可動浮力材ユニット35が第2送りねじ36によって下端付近まで移動してくると、図8A〜図8Cに示すように、可動浮力材ユニット35の被押圧部材35dが押圧機構40の押圧部材41の上面に当接する。そして、さらに可動浮力材ユニット35が下方へ移動すると、図9A〜図9Cに示すように、可動浮力材ユニット35の被押圧部材35dが押圧機構40の押圧部材41の上面を下方へ押し込んだ状態となる。このとき、押圧部材41が下方へ移動することで、2本のバネ42は縮んだ状態となる。
なお、図9A〜図9Cに示す2本のバネ42が縮んだ際には、可動浮力材ユニット35が第2送りねじ36の下端部まで移動した状態となる。すなわち、この状態では、係止具35cが停止溝36b内へ係止された状態となる(図11A、11B参照)。そして、可動浮力材ユニット35を上向きに移動させる際には、押圧機構40の2本のバネ42によって押圧部材41が上向きに付勢された状態で、第2送りねじ36を逆回転させる。これにより、押圧部材41によって押し上げられた被押圧部材35dは、2本のバネ42の弾性力によって可動浮力材ユニット35を上方へと押し上げることで、係止具35cを再び第2送りねじ36の送り溝36a内へと移動させることができる(図12A、図12B参照)。
この結果、図10A〜図10Cに示すように、第2送りねじ36の下端まで移動してきた可動浮力材ユニット35を、再び、送り溝36aにおいて上昇させることができる。
ここで、第2送りねじ36の下端まで移動してきた可動浮力材ユニット35を、上昇させる際における押圧機構40の押圧部材41と係止具35cの位置関係について、図11A〜図12Bを用いて以下で説明する。
すなわち、第2送りねじ36を回転させて、下端まで移動してきた可動浮力材ユニット35は、被押圧部材35dによって、押圧機構40の押圧部材41を下向きに押し込む。このとき、第2送りねじ36は、図11Aおよび図11Bに示すように、係止具35cが停止溝36b内へ係止された状態で、ギアボックス37から見て反時計回りに回転している。
次に、第2送りねじ36の下端まで移動してきた可動浮力材ユニット35を、再び、送り溝36aにおいて上昇させる際には、まず、第2送りねじ36を、ギアボックス37から見て時計回りに回転させる。このとき、可動浮力材ユニット35の被押圧部材35dは、押圧機構40の押圧部材41によって上向きに押圧された状態となっている。このため、係止具35cは、図12Aに示すように、第2送りねじ36の停止溝36bと送り溝36aとが接続された部分に移動すると、上向きの押圧力を受けて、図12Bに示すように、停止溝36bから送り溝36aへと移動する。これにより、係止具35cを送り溝36a内へ移動させることができるため、そのまま第2送りねじ36を時計回りに回転させることで、可動浮力材ユニット35を上昇させることができる。
<ダムの壁面の検査時の動作>
本実施形態の水中用ロボット10では、上述した構成によって、例えば、図13に示すダムの堤体50の壁面51a,51bの検査を実施する。具体的には、水中用ロボット10は、コントローラ1から操作入力された内容に基づいて、図13に示すように、水面に近い位置L1で潜行しながら検査対象であるダムの堤体50の壁面51aへと近づいていく。このとき、水中用ロボット10は、推進器ユニット20の各スラスタによって、3軸方向における推進力を制御して、直立姿勢を維持した状態で壁面51aへと近づいていく。水中用ロボット10は、このような水平移動時には、上下スラスタ22a〜22dおよび左右スラスタ23a,23bによる推進力を使って基本姿勢を維持しつつ、前後スラスタ21a,21bによる推進力を使って前進する。また、操作者は、コントローラ1で、操作用カメラ12aによって取得された映像をモニタ画面で確認しながら目標とする方向へ水中用ロボット10を移動させる。
次に、水中用ロボット10は、その正面(例えば、検査用カメラ13)と壁面51aとの距離が距離dsになる位置L2まで移動する。この位置L2において、水中用ロボット10は、検査用カメラ13を起動して、壁面51aの撮影を開始する。
次に、水中用ロボット10は、直立姿勢を維持した状態で、壁面51aまでの距離dsを維持したまま、水平(左右方向)移動と下降とを繰り返して壁面51aを撮影しながら移動して行く。
このとき、水中用ロボット10は、上下方向における移動時には、前後スラスタ21a,21b、上下スラスタ22a〜22dおよび左右スラスタ23a,23bによる推進力を使って直立姿勢を維持しつつ、上下スラスタ22a〜22dによる推進力を使って上下に移動する。また、水中用ロボット10は、左右方向における移動時には、前後スラスタ21a,21b、上下スラスタ22a〜22dおよび左右スラスタ23a,23bによる推進力を使って直立姿勢を維持しつつ、左右スラスタ23a,23bによる推進力を使って左右方向に移動する。
これにより、略鉛直方向に沿うように配置された壁面51aの検査用の画像を、検査用カメラ13によって取得することができる。なお、検査用カメラ13によって取得される画像は、動画であってもよいし、静止画であってもよい。検査用カメラ13によって動画を撮影する場合には、検査対象となる壁面51aから距離dsとなった位置L2に移動した後、所望のタイミングで撮影を開始して、壁面51aと壁面51bとの境界部分の位置L3に到達するまで連続的に撮影を行えばよい。一方、検査用カメラ13によって静止画を撮影する場合には、検査対象となる壁面51aから距離dsとなった位置L2に移動した後、操作用カメラ12aによって壁面51aの状態を確認しながら移動し、クラック等の異常が見られる位置において、所望のタイミングで静止画を撮影すればよい。
次に、水中用ロボット10が壁面51aと壁面51bとの境界部分の位置L3に到達すると、水中用ロボット10は、次に検査対象となる傾斜した壁面51bの角度に合わせて前傾姿勢へと切り替えられる。具体的には、水中用ロボット10では、図13に示す位置L3において、上述した姿勢調整機構30によって可動おもりユニット31と可動浮力材ユニット35とが、同期して所定の方向へ移動する。そして、図7Bに示すように、重心位置が重心位置g1から重心位置g2へと移動し、かつ浮心位置が浮心位置f1から浮心位置f2へと移動することで、水中用ロボット10をピッチ方向において傾ける(前傾させる)ことができる(位置L4)。
ここで、可動おもりユニット31と可動浮力材ユニット35の移動距離は、位置L4における前傾角度が検査対象である壁面51bの角度に平行になるように設定される。壁面51bの傾斜角度は、ダム等の設計データ等を予め入力しておいてもよい。あるいは、水中用ロボット10において、操作用カメラ12a、検査用カメラ13、ソナー14等を用いて直立姿勢時における壁面51bまでの距離を計測して、壁面51bの傾斜角度を求めてもよい。
次に、水中用ロボット10は、前傾姿勢を維持した状態で、壁面51bまでの距離dsを維持したまま、左右方向における移動と斜め下向きへの移動とを繰り返しながら位置L5に移動して行く。このとき、水中用ロボット10は、斜め下向きへの移動時には、前後スラスタ21a,21b、上下スラスタ22a〜22dおよび左右スラスタ23a,23bによる推進力を使って前傾姿勢を維持しつつ、上下スラスタ22a〜22dによる推進力を使って斜め下向きに移動する。また、水中用ロボット10は、左右方向における移動時には、前後スラスタ21a,21b、上下スラスタ22a〜22dおよび左右スラスタ23a,23bによる推進力を使って前傾姿勢を維持しつつ、左右スラスタ23a,23bによる推進力を使って左右方向に移動する。これにより、傾斜面として形成された壁面51bの検査用の画像を、検査用カメラ13によって取得することができる。
(変形例)
次に、変形例に係る水中用ロボット10について、図14A〜図15Bを用いて説明する。変形例に係る水中用ロボット10は、押圧機構の構成が異なる。即ち、上述の押圧機構40はバンパー11に固定されているが、変形例に係る押圧機構80は、可動おもりユニットおよび可動浮力材ユニット75に固定され、可動おもりユニットおよび可動浮力材ユニット75とともに移動する。
押圧機構80は、可動おもりユニットおよび可動浮力材ユニット75が第1送りねじ32および第2送りねじ36の両端に移動した際に、逆方向へ押し戻すために設けられる。なお、上述の押圧機構40は第1送りねじ32および第2送りねじ36の両端に計4箇所設けられるが、押圧機構80は可動おもりユニットおよび可動浮力材ユニット75にそれぞれ固定されるので計2つである。なお、ここでは、第2送りねじ36に沿って移動する可動浮力材ユニット75に設けられた押圧機構80について説明する。可動おもりユニットに設けられた押圧機構80は、可動浮力材ユニット75に設けられた押圧機構80と同様の構成を有しているため、その説明を省略する。
図14Aは、可動浮力材ユニット75が第2送りねじ36の下端部に近づいた状態を示す斜視図、図14Bは、可動浮力材ユニット75が第2送りねじ36の下端部に到達した状態を示す斜視図である。また、図15Aは図14Aに示す状態おける押圧機構80の内部構成を説明する図、図15Bは、図14Bに示す状態おける押圧機構80の内部構成を説明する図である。
押圧機構80は、図15A、図15Bに示すように、ケース81、第1バネ82a、第2バネ82b、第1ベース部材83a、第2ベース部材83b、係止具85c、被押圧部材85dを有する。また、第2送りねじ36の下端側には、図14A、図14B、図15Bに示すように、突起91が形成されている。同様に、突起91は、第2送りねじ36の上端側にも、形成されている。
ケース81は、可動浮力材ユニット75に固定されるとともに、第1バネ82a、第2バネ82b、第1ベース部材83a、第2ベース部材83b、係止具85c、被押圧部材85dを保持する。
第1バネ82aの一端は、第1ベース部材83aに挿入され、他端は、被押圧部材85dに固定されている。第1バネ82aは、可動浮力材ユニット35が第2送りねじ36の下端付近まで移動してきた際に、突起91が第1ベース部材83aを押し込むことにより、縮むとともに、被押圧部材85dを上向きに付勢する。第2バネ82bの一端は、第2ベース部材83bに挿入され、他端は、被押圧部材85dに固定されている。第2バネ82bは、可動浮力材ユニット35が第2送りねじ36の上端付近まで移動してきた際に、第2送りねじ36の上端側に設けられた突起91が第2ベース部材83bを押し込むことにより、縮むとともに、被押圧部材85dを下向きに付勢する。
第1ベース部材83aおよび第2ベース部材83bは、有底筒状の形状を有し、その内部にそれぞれ第1バネ82a、第2バネ82bの一部が挿入される。第1ベース部材83aは第1バネ82aによって上向きに、第2ベース部材83bは第2バネ82bによって下向きに、それぞれ付勢されている。そして、第1ベース部材83aは、図15Bに示すように、可動浮力材ユニット75が第2送りねじ36の下端付近まで移動してきた際に、突起91によって、上向きに押圧される。可動浮力材ユニット75が第2送りねじ36の上端付近まで移動する際には、第2ベース部材83bが、第2送りねじ36の上端側に設けられた突起91によって、下向きに押圧される。
係止具85cは、被押圧部材85dと連結し、可動浮力材ユニット75を上下方向に移動させるために、第2送りねじ36の送り溝36a等に係合した状態で第2送りねじ36の外周面に沿って移動する。被押圧部材85dは、係止具85cを支持し、ケース81に固定されている。
水中用ロボットの姿勢が傾斜するように、第2送りねじ36がギアボックス37から見て反時計回りに回転すると、可動浮力材ユニット75は下降し、第2送りねじ36の下端側に到達する。このとき、可動浮力材ユニット75に固定された押圧機構80の係止具85cは、第2送りねじ36の送り溝36aから停止溝36bに到達するため、第2送りねじ36が順回転を続けても、可動浮力材ユニット75はそれ以上、下降しない。そして、このとき、図15Bに示すように、突起91が押圧機構80の第1ベース部材83aを上方向に押し込み、第1バネ82aは縮んだ状態となって、被押圧部材85dを介して係止具85cを上向きに付勢する状態となる。
この状態で、第2送りねじ36をギアボックス37から見て時計回りに逆回転させると、係止具85cは、上向きに付勢されているので、図15Bに示すように、第2送りねじ36の送り溝36a内へと移動する。そして、逆回転を継続することにより、可動浮力材ユニット75を上昇させることができる。
水中用ロボットが基本姿勢になるように、第2送りねじ36の逆回転を継続すると、可動浮力材ユニット75は上昇し、第2送りねじ36の上端側に到達する。このとき、可動浮力材ユニット75に固定された押圧機構80の係止具85cは、第2送りねじ36の送り溝36aから上端側の停止溝36bに到達するため、第2送りねじ36が逆回転を続けても、可動浮力材ユニット75はそれ以上、上昇しない。そして、このとき、第2送りねじ36の上端側に設けられた突起91が押圧機構80の第2ベース部材83bを下方向に押し込み、第2バネ82bは縮んだ状態となって、被押圧部材85dを介して係止具85cを下向きに付勢する状態となる。
この状態で、再度、水中用ロボットの姿勢が傾斜するように、第2送りねじ36を順回転させると、係止具85cは、下向きに付勢されているので、第2送りねじ36の送り溝36a内へと移動する。そして、順回転を継続することにより、可動浮力材ユニット75を下降させることができる。
本開示の水中用ロボットは、位置および姿勢を任意の状態に制御することができるという効果を奏することから、水中で移動しながら各種作業を行う装置に対して広く適用可能である。
1 コントローラ
2 ケーブル
10 水中用ロボット
11 バンパー(フレーム)
11a センターフレーム
11b センターフレーム
12 本体ユニット
12a 操作用カメラ
13 検査用カメラ
14 ソナー
15 照明
16 バッテリユニット
17a,17b 固定浮力材
20 推進器ユニット
21a,21b 前後スラスタ(第1推進器)
22a〜22d 上下スラスタ(第2推進器)
23a,23b 左右スラスタ(第3推進器)
30 姿勢調整機構
31 可動おもりユニット
31a ケース
31b おもり
31c ガイド部
32 第1送りねじ(駆動機構)
32a 送り溝
32b 停止溝
35 可動浮力材ユニット
35a ケース
35b 浮力材
35c 係止具
35d 被押圧部材
36 第2送りねじ(駆動機構)
36a 送り溝
36b 停止溝
37 ギアボックス(駆動機構)
40 押圧機構
41 押圧部材
42 バネ
43 ベース部
75 可動浮力材ユニット
80 押圧機構
81 ケース
82a 第1バネ
82b 第2バネ
83a 第1ベース部材
83b 第2ベース部材
85c 係止具
85d 被押圧部材
91 突起
50 堤体
51a,51b 壁面(検査対象物)
ds 距離
f1,f2 浮心位置
g1,g2 重心位置
L1〜L5 位置

Claims (10)

  1. フレームと、
    前記フレームに取り付けられており、推進力を生じさせる推進器ユニットと、
    前記フレームに対して第1軸の方向に沿って移動可能な状態で取り付けられており、前記第1軸の方向における移動によって重心位置を移動させるおもりと、
    前記フレームに対して前記第1軸と交差する第2軸の方向に沿って移動可能な状態で取り付けられており、前記第2軸の方向における移動によって浮心位置を移動させる浮力材と、
    前記フレームに取り付けられており、前記おもりを前記第1軸の方向、前記浮力材を前記第2軸の方向において、互いに同期して移動させる駆動機構と、
    を備えている、水中用ロボット。
  2. 前記推進器ユニットは、互いに直交する前記第1軸、前記第2軸および第3軸のそれぞれの方向において推進力を生じさせる複数の推進器を有する、
    請求項1に記載の水中用ロボット。
  3. 前記第1軸の方向における被写体の撮像を行うカメラを、さらに備えている、
    請求項1に記載の水中用ロボット。
  4. 前記第1軸は、基本姿勢における前後方向に沿って配置されており、
    前記カメラは、前記第1軸における前方向を撮像するとともに、
    前記駆動機構は、前記おもりおよび前記浮力材を駆動することで、前記カメラによる撮像角度を前傾あるいは後傾させる、
    請求項3に記載の水中用ロボット。
  5. 前記駆動機構は、前記第1軸に沿って配置され前記おもりを前記第1軸の方向に沿って移動させる第1送りねじと、前記第2軸に沿って配置され前記浮力材を前記第2軸の方向に沿って移動させる第2送りねじと、前記第1送りねじおよび前記第2送りねじに対して回転駆動力を付与する回転駆動源と、を有している、
    請求項1に記載の水中用ロボット。
  6. 前記第1送りねじおよび前記第2送りねじは、それぞれの両端側において長手方向に直交する向きに形成された停止溝と、前記停止溝の間において長手方向に対して傾斜する向きに形成された送り溝と、を有している、
    請求項5に記載の水中用ロボット。
  7. 前記第1送りねじの前記停止溝に前記おもりが移動した際および前記第2送りねじの前記停止溝に前記浮力材が移動した際に、前記送り溝の方向へ前記おもりまたは前記浮力材を押圧する押圧機構を、さらに備えている、
    請求項6に記載の水中用ロボット。
  8. 前記押圧機構は、前記おもりまたは前記浮力材とともに移動する、
    請求項7に記載の水中用ロボット。
  9. 前記回転駆動源は、前記第1送りねじおよび前記第2送りねじを単一の駆動源によって回転駆動する、
    請求項5に記載の水中用ロボット。
  10. 前記第2軸の方向における前記フレームの上部に固定配置された固定浮力材を、さらに備えている、
    請求項1に記載の水中用ロボット。
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