図1は、本開示に係る2又は3以上の流体ポンプを具える流体ポンプ装置の実施例の斜視図である。
図1Bは図1Aの流体ポンプ装置の斜視図であって、複数のバルク流体源に連繋された状態を示している。
図2は図1Aの流体ポンプ装置の分解斜視図であって、ベース部材を含むハウジングと流体ポンプ装置の流体ポンプを示している。
図3は、図1Aの流体ポンプ装置のハウジングのベース部材の平面図である。
図4は、図1Aの流体ポンプ装置のハウジングのベース部材の底面斜視図であって、ベース部材から分解した流体シール要素を示している。
図5は、図1Aの流体ポンプ装置のハウジングのベース部材の底面斜視図であって、ベース部材に組み立てられた流体シール要素を示している。
図6は、図1Aの流体ポンプ装置の流体ポンプの1つの分解斜視図である。
図7は、図6に示される流体ポンプの平面図である。
図8は、図6に示される流体ポンプの端面図である。
図9は、図8の9−9線に沿う断面図である。
図10は、図1Aの流体ポンプ装置の平面図である。
図11は、図10の11−11線に沿う断面図である。
図12は、図10の12−12線に沿った断面図である。
図13は、図1Aの流体ポンプ装置とこれに連繋された駆動システム(概略を示す)とを具える流体輸送システムを示す斜視図である。
図14は、図1Aの流体ポンプ装置の断面図であって、流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示している。
図15は、図1Aの流体ポンプ装置の断面図であって、流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示している。
図16は、図1Aの流体ポンプ装置の断面図であって、流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示している。
図17は、図1Aの流体ポンプ装置の断面図であって、流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示している。
図18は、図1Aの流体ポンプ装置の断面図であって、流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示している。
図19は、図1Aの流体ポンプ装置の断面図であって、流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示している。
図20は、図1Aの流体ポンプ装置の断面図であって、流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示している。
図21は、図1Aの流体ポンプ装置の中にある流体ポンプが、図1Bに示されるバルク流体源の任意の1つから流体を独立して引き出すことができるかを示す機能ブロック図である。
図22Aは、図1Aの流体ポンプ装置の流体ポンプの時間差動作(staggered operation)により、正味流体の連続的な流れ出力が行われることを示す図表である。
図22Bは、図1Aの流体ポンプ装置の流体ポンプの時間差動作により、正味流体の連続的な流れ出力が行われることを示す図表である。
図22Cは、図1Aの流体ポンプ装置の流体ポンプの時間差動作により、正味流体の連続的な流れ出力が行われることを示す図表である。
図22Dは、図1Aの流体ポンプ装置の流体ポンプの時間差動作により、正味流体の連続的な流れ出力が行われることを示す図表である。
図22Eは、図1Aの流体ポンプ装置において、流体ポンプの充填サイクルが流体ポンプの排出サイクルよりも若干速い速度で行われることを図式的に示している。
図23は、図1Aの流体ポンプ装置と該流体ポンプ装置を作動させる駆動システムの一実施例とを具える流体輸送システムの斜視図である。
図24は、図23に示された駆動システムに設けられた連結装置の斜視図である。
図25は、図1Aの流体ポンプ装置の他の実施例の上面斜視図である。
図26は、図25に示された流体ポンプ装置の実施例の底面斜視図である。
図27は、図25に示された流体ポンプ装置の実施例の流体ポンプに用いられる挿入ピストンの斜視図である。
図28は、図25−26の流体ポンプ装置を作動させることができるように構成された駆動システムの実施例の概略図である。
図29は、図28に概略的に示された駆動システムの斜視図である。
図30は、図29に示された駆動システムの流体ポンプアクチュエータの斜視図である。
図31は、図30に示された流体ポンプアクチュエータのピストン位置決め装置の斜視図である。
図32は、図31に示されたピストン位置決め装置のボールスクリュシャフトである。
図33は、図25−26の流体ポンプ装置と図31のピストン位置決め装置との接続を示す斜視図である。
図34Aは、図29の34A箇所の詳細図である。
図34Bは、図29の34B箇所の詳細図である。
図35Aは、図29に示された駆動システムのポンプ支持装置の斜視図である。
図35Bは、図35Aの35B−35B線に沿う断面図である。
図36は、本開示内容に係る2又は3以上の流体ポンプを具える流体ポンプ装置の他の実施例の上面斜視図である。
図37は、図36の流体ポンプ装置の底面斜視図である。
図38は、図36の流体ポンプ装置のベース部材の底面図であって、ベース部材のマニホールド開口部及び該開口部に連繋された流体シール要素を示している。
図39は、図36の39−39線に沿う断面図である。
図40は、図36の流体ポンプ装置の上面斜視図であって、図中、マニホールド部は隠れた細部が見えるように部分的に切り取られている。
図41Aは、図40に示される露出したマニホールド部に連繋されたマニホールドサイドキャップの斜視図である。
図41Bは、図40に示される露出したマニホールド部に連繋されたマニホールドサイドキャップの斜視図である。
図41Cは、図41A−41Bに示されたマニホールドサイドキャップの断面図である。
図42は、図36の42−42線に沿う断面図である。
図43は、図36の43−43線に沿う断面図である。
図44Aは、図36の流体ポンプ装置に連繋された流体ポンプのスリーブピストンの斜視図である。
図44Bは、図44Aに示されたスリーブピストンの底面斜視図である。
図45は、図44A−44Bに示されたスリーブピストンの縦断面図である。
図46は、図36の流体ポンプ装置に連繋された流体ポンプの挿入ピストンの斜視図である。
図47は、図43A−43Bに示されたスリーブピストンを示す斜視図であって、スリーブピストンは、図29の駆動システムの一部として選択的に設けられたピストン駆動クレードル(cradle)と接続されている。
図48は、図36の流体ポンプ装置のベース部材の空洞の底面図であって、図38に示されたマニホールド開口部と該開口部に連繋された流体シール要素の他の態様を示している。
図49は、図28−35に示された駆動システムに用いることができる他の流体ポンプアクチュエータの断面斜視図である。
図50は、図49に示された流体ポンプアクチュエータに接続するよう構成されたスリーブピストンの基部の斜視図である。
図51は、図50の51−51線に沿う断面図である。
図52は、図50−51に示されたスリーブピストンを、図49に示された流体ポンプアクチュエータのスリーブピストン位置決め装置と接続させる手順を示す斜視図である。
図53は、図52に示した手順図の断面図である。
図54は、図51−52に示された手順による接続後のスリーブピストンとスリーブピストン位置決め装置とを示す斜視図である。
図55は、図54に示す接続状態の断面図である。
図56は、図49に示された流体ポンプアクチュエータに接続するように構成された挿入ピストンの斜視図である。
図57は、図56に示された挿入ピストンを、図49に示された流体ポンプアクチュエータのピストン位置決め装置と接続させる手順を示す斜視図である。
図58は、図57に示した手順図の断面図である。
図59は、図57−58に示された手順による接続後の挿入ピストンとピストン位置決め装置とを示す斜視図である。
図60は、図59に示された接続状態の断面図である。
図61Aは、流体ポンプのピストンと図49に示された流体ポンプアクチュエータとの接続手順を示す断面図である。
図61Bは、流体ポンプのピストンと図49に示された流体ポンプアクチュエータとの接続手順を示す断面図である。
図61Cは、流体ポンプのピストンと図49に示された流体ポンプアクチュエータとの接続手順を示す断面図である。
図61Dは、流体ポンプのピストンと図49に示された流体ポンプアクチュエータとの接続手順を示す断面図である。
図61Eは、流体ポンプのピストンと図49に示された流体ポンプアクチュエータとの接続手順を示す断面図である。
図61Fは、流体ポンプのピストンと図49に示された流体ポンプアクチュエータとの接続手順を示す断面図である。
図61Gは、流体ポンプのピストンと図49に示された流体ポンプアクチュエータとの接続手順を示す断面図である。
図62Aは、挿入ピストンと図49に示す流体ポンプアクチュエータのピストン位置決め装置との接続手順を示す断面図である。
図62Bは、挿入ピストンと図49に示す流体ポンプアクチュエータのピストン位置決め装置との接続手順を示す断面図である。
図62Cは、挿入ピストンと図49に示す流体ポンプアクチュエータのピストン位置決め装置との接続手順を示す断面図である。
図63Aは、スリーブピストンと図49に示された流体ポンプアクチュエータのスリーブピストン位置決め装置との接続を固定する手順を示す斜視図である。
図63Bは、スリーブピストンと図49に示された流体ポンプアクチュエータのスリーブピストン位置決め装置との接続を固定する手順を示す斜視断面図である。
図64Aは、スリーブピストンと図49に示された流体ポンプアクチュエータのスリーブピストン位置決め装置との接続を固定する手順を示す斜視図である。
図64Bは、スリーブピストンと図49に示された流体ポンプアクチュエータのスリーブピストン位置決め装置との接続を固定する手順を示す斜視断面図である。
図65は、本開示に係る流体ポンプ装置の他の実施例の分解斜視図である。
図66は、図65の流体ポンプ装置が組み立てられた状態の上面斜視図である。
図67は、図65の流体ポンプ装置が組み立てられた状態の底面斜視図である。
図68は、図65の流体ポンプ装置のポンプハウジングのベース部材の部分断面斜視図である。
図69は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプのスリーブピストンの斜視図である。
図70は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプの挿入ピストンの斜視図である。
図71は、図69の71−71線に沿う断面図である。
図72は、図65の72−72線に沿う断面図である。
図73は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示す断面図である。
図74は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示す断面図である。
図75は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示す断面図である。
図76は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示す断面図である。
図77は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示す断面図である。
図78は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示す断面図である。
図79は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示す断面図である。
図80は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプの1つについて、流体の充填排出の完全な1サイクルを示す断面図である。
図81は、図65の流体ポンプ装置の断面図であって、流体ポンプの1つのポンプ室内における流体の混合を示す図である。
図82は、図65の流体ポンプ装置の断面図であって、流体ポンプの1つのポンプ室内における流体の混合を示す図である。
図83は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプのスリーブピストンの断面図であって、流体の充填排出サイクルが行われる間、ポンプハウジングのベース部材の流体ポートが遮断されることを示す図である。
図84は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプのスリーブピストンの断面図であって、流体の充填排出サイクルが行われる間、ポンプハウジングのベース部材の流体ポートが遮断されることを示す図である。
図85は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプのスリーブピストンの断面図であって、流体の充填排出サイクルが行われる間、ポンプハウジングのベース部材の流体ポートが遮断されることを示す図である。
図86は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプのスリーブピストンの断面図であって、流体の充填排出サイクルが行われる間、ポンプハウジングのベース部材の流体ポートが遮断されることを示す図である。
図87は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプのスリーブピストンの断面図であって、流体の充填排出サイクルが行われる間、ポンプハウジングのベース部材の流体ポートが遮断されることを示す図である。
図88は、図65の流体ポンプ装置の流体ポンプのスリーブピストンの断面図であって、流体の充填排出サイクルが行われる間、ポンプハウジングのベース部材の流体ポートが遮断されることを示す図である。
図89は、図65の流体ポンプ装置の断面図であって、前記流体ポンプ装置が、ベース部材の底部に配置されたポンプハウジングのベース部材にある一揃いの流体ポートに接近することを示す図である。
図90は、図65の流体ポンプ装置の断面図であって、前記流体ポンプ装置が、ベース部材の底部に配置されたポンプハウジングのベース部材にある一揃いの流体ポートに接近することを示す図である。
図91は、図65の流体ポンプ装置の断面図であって、前記流体ポンプ装置が、ベース部材の底部に配置されたポンプハウジングのベース部材にある一揃いの流体ポートに接近することを示す図である。
図92Aは、図65の流体ポンプ装置のポンプハウジングのベース部材の1つの円筒形部材の斜視図であって、ポンプハウジングのベース部材にある流体ポートの異なる態様を示す図である。
図92Bは、図65の流体ポンプ装置のポンプハウジングのベース部材の1つの円筒形部材の斜視図であって、ポンプハウジングのベース部材にある流体ポートの異なる態様を示す図である。
図92Cは、図65の流体ポンプ装置のポンプハウジングのベース部材の1つの円筒形部材の斜視図であって、ポンプハウジングのベース部材にある流体ポートの異なる態様を示す図である。
図92Dは、図65の流体ポンプ装置のポンプハウジングのベース部材の1つの円筒形部材の斜視図であって、ポンプハウジングのベース部材にある流体ポートの異なる態様を示す図である。
図92Eは、図65の流体ポンプ装置のポンプハウジングのベース部材の1つの円筒形部材の斜視図であって、ポンプハウジングのベース部材にある流体ポートの異なる態様を示す図である。
図92Fは、図65の流体ポンプ装置のポンプハウジングのベース部材の1つの円筒形部材の斜視図であって、ポンプハウジングのベース部材にある流体ポートの異なる態様を示す図である。
図92Gは、図65の流体ポンプ装置のポンプハウジングのベース部材の1つの円筒形部材の斜視図であって、ポンプハウジングのベース部材にある流体ポートの異なる態様を示す図である。
図92Hは、図65の流体ポンプ装置のポンプハウジングのベース部材の1つの円筒形部材の斜視図であって、ポンプハウジングのベース部材にある流体ポートの異なる態様を示す図である。
図92Iは、図65の流体ポンプ装置のポンプハウジングのベース部材の1つの円筒形部材の斜視図であって、ポンプハウジングのベース部材にある流体ポートの異なる態様を示す図である。
図92Jは、図65の流体ポンプ装置のポンプハウジングのベース部材の1つの円筒形部材の斜視図であって、ポンプハウジングのベース部材にある流体ポートの異なる態様を示す図である。
好ましい実施例の記載
以降の記載の目的から、用いられるように、空間的な向きの用語は、添付の図面又は他に以下の詳細な記載に記載された向きとして、参考実施例に関する。しかし、以降に記載された実施例は、多くの代替変更及び構成を想定していることが理解されるだろう。添付の図面に示され、ここに記載された特定の装置、構成及び要素は単なる説明であって、限定するものと考えるべきではないことも理解されるだろう。
流体ポンプ装置(100)の実施例は図1−図12に示される。流体ポンプ装置(100)は流体輸送システム又はプラットフォーム(10)の一部として使用されるのが望ましく、その概略図は図13に示される。そのような実施例では図13を簡潔に参照して、流体輸送システム(10)は、流体ポンプ装置(100)と、流体ポンプ装置(100)の移動可能な要素を作動させるのに用いられる動力を提供する駆動システム(600)を具える。流体ポンプ装置(100)の望ましい構成は、流体ポンプ装置(100)を例えば使い捨てカートリッジ又はユニットとして、使い捨て要素として提供することであり、1回使用又は離散的回数の使用の後に処分される再使用可能な駆動システム(600)に関する。流体ポンプ装置(100)の使い捨てのバージョンは、医療的な注入/注入手順を受ける患者に対して流体を輸送するような医療分野で特に用いられる。以前に記述されたそのような1つの手順は、X線画像を増強すべく、診断のコンピュータ断層撮影(CT)時に患者への造影剤流体の輸送を含む。この手順に関して以前に記載されたように、シリンジベースの注入装置は、患者へ造影剤流体を輸送するこの手順時に一般的に使用される。以前に記載されたように、シリンジベースの流体注入システムの1つの制限は、各患者への手順に先立って、使い捨てのシリンジを補充し交換する必要である。更に以前に記載したように、各患者へのシリンジを補充し交換する必要なくして、多数の患者に次々と(in succession)流体を輸送するのに適している流体輸送システムを付与する技術が、医療分野で開発されている(例として、米国特許第5,806,519号に記載されたように)。流体ポンプ装置(100)の使い捨て形式によって、1人の患者、又は好ましくは一般的には予め定められた患者数又は個別の患者数までの多数の患者、又は使用回数に、流体ポンプ装置(100)の使用ができる。
以下の記載は、流体ポンプ装置(100)の一般構造及び構成を最初に述べ、その後、駆動システム(600)の記載が流体ポンプ装置(100)と、流体ポンプ装置(100)の動作を達成する駆動システム(600)の相互作用の記載と共に提供される。流体ポンプ装置(100)は、ポンプハウジング(102)及び1又は2以上の流体ポンプ(160)を含む多数の構成要素の装置であり、流体ポンプ(160)は流体注入/注入手順を受ける患者へ流体を輸送する患者流路(12)のような、圧力下、所望の最終点に流体を輸送する流体ポンプ装置(100)の移動可能な要素を構成する。典型的な患者流路(12)は図1Bに示され、医療分野で公知のカテーテル及び患者インターフェイス装置等に接続される。ポンプハウジング(102)は、幾つかの目的に役立ち、目的は患者流路(12)を流体ポンプ装置(100)に接続する接続点と同様に、流体ポンプ装置(100)、即ち流体ポンプ(160)の移動可能な要素を支持する要素又は構造としての目的を含む。図1Bに更に示すように、流体ポンプ装置(100)は、多数のバルク流体源(14)に接続され得る。流体ポンプ装置(100)が多数の異なる流体を引き出すのが好ましい。各バルク流体源(14)は、流体コンテナ(16)、接続流体ライン(18)及び上記の如くポンプハウジング(102)に流体が接続されるように構成された適切なコネクタ(20)を具える。説明の目的のみのために、流体コンテナ(16)内の大量の流体は、2つの異なるタイプの造影流体を含み得る。図1Bにて、第1のタイプ、濃度、又はブランドの造影剤が「A1、A2」とラベル付けられ、第2のタイプ、濃度、又はブランドの造影剤が「B1、B2」とラベル付けられた。大量の生理食塩水の2つの異なる源は、図1Bにて「S1、S2」とラベル付けられた。更に図1Bに示すように、廃棄流体のライン(22)もまた配備され、一般に適切な医療用流体の廃棄容器(図示せず)に接続される。
ポンプハウジング(102)は一般的には、別個のマニホールドキャップ(132)が取り付けられるベース部材(104)を含む。マニホールドキャップ(132)は開示に従って、ポンプハウジング(102)の要素又は一部と考えられ、付随的にこの実施例及びここで記載された他の実施例内のベース部材(104)と一体的に形成される。本実施例に於いて、ポンプハウジング(102)は少なくともベース部材(104)及びマニホールドキャップ(132)を具える多数片の要素であると考えられる。ベース部材(104)及びマニホールドキャップ(132)は、射出成形されるプラスチック要素又は片であり、超音波溶接、レーザー溶接、接着剤、溶剤結合のような適切な組み立て方法、直の機械的取り付け、及び同様の方法で一緒に組み立てられて、ポンプハウジング(102)を形成又は完成する。マニホールドキャップ(132)はここで記載されるように、単一又は多数片の要素である。
ベース部材(104)は、あらゆる好ましい構成を有し、そのような構成の1つが、略板状の要素又は構成要素であり、1又は2以上の、望ましくは少なくとも2つの隣接し且つ略平行な空洞(106)である。空洞(106)は、以前に認識され且つここに詳細に記載するように、流体ポンプ装置(100)の移動可能な要素を形成する2つの同じ流体ポンプ(160)を受け入れるように構成される。ベース部材(104)の示された構成は、ベース部材(104)に形成されて、2つの近似した流体ポンプ(160)を受け入れる2つの隣接した空洞(106)を具えるが、この図示は、更なる又は幾つかの流体ポンプ(160)を夫々その中に受け入れる更なる又は幾つかの空洞(106)を形成するベース部材(104)の可能性を制限することを意図しない。記載の単純化と便宜上、以下の記載は2つの同様の流体ポンプ(160)を具える流体ポンプ装置(100)を記載するが、流体ポンプ装置(100)の実施例をこれに限定しない。空洞(106)はその中に流体ポンプ(160)を受け入れる略凹面形を形成し、示すように、そのような目的に一般的又は望ましい空洞(106)の形状は、その中に略円筒形の流体ポンプ(160)を受け入れる2つの略半円筒形の空洞である。流体ポンプ装置(100)の更なる特徴又は要素の空間的な向きを説明する目的から、ベース部材(104)は第1側即ち上側(108)、第2側即ち底側である下側(110)、及び両側(112)を有すると考えられる。
ベース部材(104)と流体ポンプ(160)との繋がりを維持するために、ベース部材(104)は、ベース部材(104)の底側又は下側(110)に繋がった(depending)複数の個々の取付け部材(114)を具える。取付け部材(114)は、対向して空間的に離れたペアセットとして配備され、取付け部材(114)は空洞(106)の両側に配備されて、個々の流体ポンプ(160)の両側を支持する。取付け部材(114)は、ベース部材(104)へ流体ポンプ(160)を支持するように構成されて、その一方、ベース部材(104)に対する流体ポンプ(160)の動きを許し、望ましくは、ベース部材(104)に対する流体ポンプ(160)のスライド往復移動を許す。各取付け部材(114)は、流体ポンプ(160)上にてリップ、リブ、フランジ等の協働構造を受け入れるスロット(116)を形成し、ベース部材(104)及びポンプハウジング(102)全体に対する流体ポンプ(160)のスライド往復移動を許す。取付け部材(114)は、下側(110)に繋がり又は延び、スロット(116)は互いに内向きに対向する。取付け部材(114)は、流体ポンプ(160)の側部上の対応する構造と共同するように構成された複数のぶら下がるタブ状の構造として一般に示されるが、これらはベース部材(104)の底側(110)からぶら下がり、流体ポンプ(160)を同軸に受け入れるように構成された一連のリング(図示せず)と置換され得る。例えば、2つのそのようなリングが、取付け部材(114)によって現在占有されている箇所の各空洞(106)より下方のベース部材(104)の下側(110)からぶら下がってもよく、空洞(106)を通って2つの流体ポンプ(160)が夫々延びる。各空洞(106)の両側上に連続した取付け部材(114)を配備し、又はぶら下がっている取付け部材(114)をベース部材(104)によって形成され、その中に夫々流体ポンプ(160)を受け入れるバレルを形成する2つの全く同じに形成された円筒形構成に置換することも本開示の範囲である。
特に図4−図5について、一対の長く延びた一直線状のスロット、又は一直線状のチャンネル(118)が各空洞(106)内に配備されて、空洞は再びリップ、リブ、フランジ等の流体ポンプ(160)上の協働構造を受け入れる。流体ポンプ(160)に繋がるこれらの協働構造を、一直線状のチャンネル(118)に係合させることは、夫々流体ポンプ(160)と空洞(160)を軸方向一直線に維持し、流体ポンプ装置(100)の動作中に、空洞(106)内の流体ポンプ(160)のスライド往復移動を案内することを含む幾つかの目的に役立ち、且つ流体ポンプ(160)がベース部材(104)に適切な方法で繋がることを確実にする重要な構成として役立ち、適切な方法は、ピストン(162)をベース部材(104)の端部(122)から挿入してベース部材(104)に係合させるのが望ましい。更に、流体シール要素(120)が各空洞(160)内に配備され、ベース部材(104)と各空洞(160)内に配備される流体ポンプ(160)間のシール関係を付与するのに用いられるのが好ましい。この方法に於いて、一般的な流体シール係合が、流体ポンプ装置(100)の作動中に、各空洞(106)の内の各流体ポンプ(160)とベース部材(104)の間に付与される。1つの望ましい構成では、流体シール要素(120)は、ベース部材(104)を構成するのに用いられる一般的な射出成形工程に続く重ねる成形工程(over-molding process)にて、各空洞(106)内にてベース部材(104)に重ねて成形される。ベース部材(104)及びマニホールドキャップ(132)は、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレン・テレフタレート(PET)あるいはサイクローオレフィンポリマー(COP)のような堅固か堅いプラスチック材料から一般に作られる。流体シール要素(120)は、熱可塑性エラストマー(TPE's)、熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU's)のようなエラストマー材料、或いはニトリルゴムかエチレン・プロピレン・ジエン・モノマー・ゴム(EPDM)のようなエラストマーゴムから一般的に作られる。ポリプロピレン、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン(UHMW)のような柔軟なプラスチック材料、あるいはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフッ素重合体も、流体シール要素(120)に使用されてもよい。更に、ニトリルゴム(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)かエチレン・プロピレン・ジエン・モノマー・ゴム(EPDM)のような熱硬化性のゴムも、流体シール要素(120)に使用されてもよい。
ベース部材(104)は一般に2つの対向する端部(122)(124)を含む。一般に取付け部材(114)は、ベース部材(104)の端部(122)(124)の直ぐ隣に位置するベース部材(104)の下側(110)からぶら下がる。しかし、所望ならば、取付け部材(114)は以前に記載した如く、ベース部材(104)の側部(112)に沿って連続してもよい。ベース部材(104)は更に、ベース部材(104)の対向する端部(122)(124)間の略中央にある上側(108)上にマニホールド部(126)を具える。マニホールド部(126)は上向きに延び又はベース部材(104)の上側(108)から略起立し、流体チャンネルの1又は2以上のバンク(128)及び関係するポートを形成する。示された実施例に於いて、流体チャンネルの2つの個々のバンク(128(1))(128(2))が配備される。各流体チャンネルバンク(128(1))(128(2))は、マニホールド部(126)の一部として形成された個々の起立した周縁壁(130(1))(130(2))によって形成される。分離領域Sは隣接するチャンネルバンク(128(1))(128(2))間に形成され、チャンネルバンク(128(1))(128(2))を分離する。2つの別個の周縁壁(130(1))(130(2))を付与して、別個の流体ポートバンク(128(1))(128(2))を形成することは、両流体チャンネルバンク(128(1))(128(2))の周縁を形成する1つの壁(130)に置換され得ることが判るだろう。図1−図2の検証から、更に理解されるように、マニホールドキャップ(132)は、流体チャンネルバンク(128(1))(128(2))を囲むのに用いられ、この目的から2つのキャップ半体(134a)(134b)に分岐してもよい。しかし、所望ならば、分岐されたマニホールドキャップ(132)は、両流体チャンネルバンク(128(1))(128(2))を同時に囲むべく一体であり得る。マニホールドキャップ(132)は更に、一連のコネクタポート(136)を含み、その構成及び機能は、ここに記載される。しかし、一般にコネクタポート(136)は各流体コンテナ(16)に繋がった流体ライン(18)の端部にてコネクタ(20)と接続するように構成されて、コネクタ(20)との耐漏れ性接続を構成する。所望ならば、マニホールド部(126)は別個の要素として形成され、該要素は超音波溶接、レーザー溶接、接着剤のような当該技術分野で慣習的な接合方法により、直の機械的取り付け、及び同等の方法によって、ベース部材(104)に結合される。
図3から、マニホールド部(126)に繋がった周縁壁(130(1))(130(2))は一連の流体ポート(138)を形成し、各々は繋がった又は接続された流体通路(140)を有する。添付の図面に於いて、各流体ポート(138)及び関連する流体通路(140)はアルファベットの識別子(a-h)を付与されて、1つの流体ポート(138)及び繋がった又は接続された流体通路(140)を、隣接する流体ポート(138)及び繋がった又は接続された流体通路(140)から区別することを容易にする。流体ポート(138)及び繋がった流体通路(140)は、各壁(130(1))(130(2))によって形成されるが、以前に記載したように、マニホールド部(126)上の1つのそのような壁(130)が同様に同じ構成を形成してもよい。更に、流体ポート(138)及び繋がった流体通路(140)は、各壁(130(1))(130(2))又は1つのそのような壁(130)によって各近隣の流体ポート(138)及び繋がった流体通路(140)から、流体が分離されるのが望ましい。しかし、各壁(130(1))(130(2))又は1つのそのような壁(130)に流体接続開口(図示せず)を付与することによって、隣接の流体ポート(138)と流体的に内部接続し、所望ならば隣接の流体通路(140)と流体接続することは、本開示の範囲内である。
一対のマニホールド口又は開口(142)が各流体通路(140)内のベース部材(104)に形成されて、各流体通路(140)と空洞(106)内に配備された流体ポンプ(160)間を流体が流通する。以前に記載したように、流体ポンプ装置(100)が示された実施例は、2つの流体ポンプ(160)を具え、従って、ここで更に記載するように、各流体ポンプ(160)を収容する(register)のに、2つのマニホールド開口(142)が各流体通路(140)に必要である。しかし、以前に記載したように、この構成は説明の目的のみであって、2つ以上の流体ポンプ(160)であってもよい。そのような構成に於いて、ベース部材(104)は更なる又は幾つかの更なる空洞(106)を形成し、マニホールド部(126)はこの更なる又は幾つかの更なる空洞(106)を囲むように増え、付随した又は関連する流体ポンプ(160)はその中に配備される。例えば、1つの更なる流体ポンプ(160)が第3の空洞(106)(図示せず)内にてベース部材(104)と繋がっていれば、マニホールド部(126)は、各流体通路(140)内に第3のマニホールド口又は開口(142)を具えて、更なる流体ポンプ(160)を収容する。マニホールド部(126)が、射出成形工程時のように、ベース部材(104)と一般的に一体に形成されるので、この変形例では、マニホールド部(126)は、ベース部材(104)上に形成されて、更なる流体ポンプ(160)を拡張し包含する。
以前に説明したように、流体シール要素(120)は各空洞(106)内に配備されて、流体ポンプ(160)の作動時に、ベース部材(104)と流体ポンプ(160)との間に、略緊密な流体シールを付与する。流体シール要素(120)はベース部材(104)内のマニホールド開口(142)と略一致するように位置した一連の口又は開口(144)を形成し、流体シール要素(120)はベース部材(104)をシールし、それによって流体ポート(138)と繋がる流体通路(140)と流体ポンプ(160)間の流体が漏れない流通を許す。更に、添付の図面、特に図2から、マニホールドコネクタポート(136)は流体ポート(138)と略一致し且つ合わさることが明らかであり、マニホールドキャップ(132)がベース部材(104)のマニホールド部(126)に取り付けられたときに、マニホールドコネクタポート(136)と流体ポート(138)は一致し又は合わさって、ベース部材(104)のマニホールド部(126)上の一連のマニホールドポート(146)を形成し、それは流体通路(140)に1又は2以上の流体を付与する入口ポートとして適切であり、又は患者流路(12)或いはおそらくは適切な医療用廃棄流体コンテナに通じる廃棄流体ライン(22)に、1種の流体又は流体の混合物を輸送する1又は2以上の出口ポートとして適切である。マニホールドポート(146)は関連する流体通路(140)に割り当てられたのに対応するアルファベット識別子(a-h)を付与されている。
図4−図5に示すように、ベース部材(104)は更に、各空洞(106)内に凹部領域(148)を形成し、各流体シール要素(120)が夫々配備される。凹部領域(148)は軸方向に延びる溝(150)を含み、流体シール要素(120)は軸方向の溝(150)内に対応する軸方向の付属物(152)を含む。軸方向の付属物(152)は、流体シール要素(120)を凹部領域(148)内に配置するのに用いられる一般的な射出成形工程の産物(result)である。以前に記載したように、流体シール要素(120)はベース部材(104)に重ねて成形され、このようにして、流体シール要素(120)はこの開示に準じて、各空洞(106)で凹部領域(148)内に直接重ねて成形される。更に、ベース部材(104)はぶら下がりフランジ又はリムフランジ(154)を具え、該フランジは少なくとも一部は、各マニホールド開口(142)を形成し、例えばその周りに流体シール要素(120)が重ねて成形されるぶら下がり構造を付与する。リムフランジ(154)は流体シール口又は開口内に拡がり、これらの開口(144)の一部を形成する。図4−図5は更に、ベース部材(104)の補強構造として、ベース部材(104)の底側又は下側(110)に形成された中央ポートブリッジ(156)を示す。更に、図4−図5に示すように、ベース部材(104)の両端部(122)(124)は、半径方向のフランジ(158)とともに形成され、該フランジは隣接壁を付与し、又はここに記載するように、流体ポンプ装置(100)の作動時に、ベース部材(104)に対する流体ポンプ(160)の線形運動を制限する。
流体ポンプ(160)について見ると、流体ポンプ(160)は以前に略記載されたように、ベース部材(104)内に形成された各空洞(106)内に位置する。流体ポンプ(160)は夫々2つの対向するピストン(162)(164)を具え、ここでは識別の目的から、第1ピストン又はスリーブピストン(162)、及び第2ピストン又は挿入ピストン(164)と呼ぶ。各流体ポンプ(160)は、同じピストン(162)(164)を有して同一であるから、以下の記載は流体ポンプ装置(100)に用いられる1つのそのようなポンプ(160)の構造の概略を示す。流体ポンプ(160)のピストン(162)(164)についての適切な構成は、例えば図6−図12に示される。示された構成に於いて、対向するピストン(162)(164)は、挿入ピストン(164)が少なくとも一部がスリーブピストン(162)内に配備され又は挿入されるように構成される。この目的から、スリーブピストン(162)は、対向する第1及び第2の端部(166)(168)とともに、略円筒形の構成を有する。スリーブピストン(162)は、ピストン(164)が挿入され又は配備され、且つスリーブピストン(162)の第1端部(166)を形成し又は規定するスリーブ部(170)を具える。スリーブピストン(162)は更に、スリーブ部(170)から延びて、スリーブピストン(162)の第2端部(168)を形成する延長インターフェイス部(172)を具える。インターフェイス部(172)はここで記載したように、駆動システム(600)と接続するように構成されている。スリーブ部(170)はスリーブアクセス開口又はスリーブポート(176)を介してアクセス可能な内部空洞(174)を形成する。スリーブピストン(162)は更に、その両側部に側方フランジ又はリブ(178)を形成し、リブは流体ポンプ(160)の中央長軸Lに略平行に延びる。側方フランジ又はリブ(178)は、スロット(116)をベース部材(104)に繋がったぶら下がった取付け部材(114)に係合させる、以前に述べた協働構造を形成又は規定する。側方フランジ又はリブ(178)と取付け部材(114)との係合は、流体ポンプ(160)をベース部材(104)に支持する。特にこの係合は流体ポンプ(160)をその各空洞(106)内に取り付けるのに役立ち、その一方、スリーブピストン(164)とベース部材(104)のスライド往復移動を許す。スリーブピストン(162)にはまた、スリーブ部(170)の一部として形成された端部フランジ(180)が具わっている。端部フランジ(180)は、スリーブピストン(162)の第1端部(166)の近傍に干渉構造を形成し、ベース部材(104)の端部(122)に形成された半径方向の端部フランジ(158)に係合して、ベース部材(104)に対するスリーブピストン(162)の線形運動を制限する。ベース部材(104)の対向する端部(122)(124)の半径方向の端部フランジ(158)はまた、ベース部材(104)を構造的に補強するのにも役立つ。
スリーブピストン(162)の更なる特徴は、スリーブ部(170)上にタブ又はリブ(182)を一直線上に配備し、スリーブ部(170)と同様に略延びることである。一直線上のタブ又はリブ(182)は適切な位置及び構成に配備され、ベース部材(104)、特にベース部材(104)の各空洞(106)内の一対の長手方向に延びた一直線上のスロット又はチャンネル(118)に係合する。一直線上のタブ(182)は、一直線上のチャンネル(118)に係合する、以前に述べた協働構造を形成する。一直線上のタブ(182)が一直線上のチャンネル(118)に係合することは、流体ポンプ(160)を空洞(106)内に向けるように作動し、流体ポンプ(160)と空洞(106)の間、特に流体ポンプ(160)の作動時に、ベース部材(104)内の空洞(106)内のスリーブピストン(162)のスライド往復運動時に、スリーブピストン(162)とベース部材(104)間の軸方向一直線状態を維持し、以前に記載したように、重要な特徴として作動する。
スリーブピストン(162)上のインターフェイス部(172)は、駆動システム(600)(ここで記載した)のピストン駆動要素と係合するように構成されて、ベース部材(104)に対するスリーブピストン(162)の動きを達成する。インターフェイス部(172)は、例えば横断又は垂直断面が略半円の開いているか窪んでいるかの断面形状又は空間(186)に形成される。インターフェイス部(172)は、ピストン駆動要素又は構成要素に接続する箇所又は構成を付与するインターフェイス又は取付け開口(188)を形成する。特に、インターフェイス開口(188)は、スリーブピストン(162)が物理的に駆動システム(600)のピストン駆動要素又は構成要素に繋がり又は接続する箇所を付与するように構成され、駆動システム(600)はスリーブピストン(162)を作動させ、スリーブピストン(162)をベース部材(104)及び挿入ピストン(164)に対して動かすのに用いられる。インターフェイス部(172)は、インターフェイス部(172)からぶら下がり又は下向きに延び、インターフェイス部(172)の構造強度を高める1又は2以上のぶら下がりフランジ(190)を具え、本実施例及びここで記載した他の実施例にて更なる機能を有する。インターフェイス開口(188)は、フランジ(190)の近傍(例えば、背後)、且つフランジ(190)間で軸方向に位置する。
以前に記載したように、挿入ピストン(164)は、スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)によって形成される内部空洞(174)にアクセスするように構成されている。挿入ピストン(164)は、スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内で往復移動可能で、ピストン(164)がスリーブ部(170)内に配備された状態で、ピストン(162)(164)は協働して、各流体ポンプ(160)の流体ポンプ室(192)を規定又は形成する。ピストン(164)は、ピストンヘッド(194)と基端部に延びるピストンロッド(196)を具える。ピストンヘッド(194)とピストンロッド(196)は、示すように一体構造であるか、以前に概略が記載された結合方法によって一緒に結合される別個の構造である。ピストンロッド(196)は、略X字形の構成を具え、基端部にて止まり、駆動インターフェイス部(198)は、第2のインターフェイス開口又は取付け開口(200)を形成し、それは第1のインターフェイス開口又は取付け開口(188)に近似している。第1の駆動インターフェイス部(184)と第1のインターフェイス開口(188)と同様の方法で、第2の駆動インターフェイス部(198)と第2のインターフェイス開口(200)は、挿入ピストン(164)が物理的に駆動システム(600)のピストン駆動要素又は構成要素に繋がり又は接続する箇所を付与し、駆動システム(600)はピストン(164)を作動させ、ピストン(164)をスリーブピストン(162)及び更にベース部材(104)に対して動かすのに用いられる。
ピストンヘッド(194)は略曲がっているか、アーチ形に形作られた先端(202)を示すのが望ましい。アーチ形に形作られた先端部(202)を形成すべく、重合体のカバー又は層(204)が、ピストンヘッド(194)上に付与されるのが望ましい。重合体の層(204)は1又は2以上の周縁がシールされたリブ(205)を形成し、スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)の内壁に流体シールを形成するのが望ましい。ピストンヘッド(194)の先端部(202)の曲がった、円弧状の形は、ピストン(164)がスリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内に配備されたとき、スリーブ部(170)内で対応して曲がり又は円弧状に形作られ、ピストンヘッド(194)に対向した内側端部壁(206)と協働し又は係合するように形作られているのが望ましい。ピストンヘッド(194)の先端部(202)及び端部壁(206)の対応する形状は、幾つかの理由から望ましく、該理由は端部壁(206)の曲がった形状により、スリーブ部(170)がそのドーム状の形状故に著しく撓むことなく、高圧に耐えることが出来ることを含む。本実施例では、ピストンヘッド(194)上に1つだけのシーリングリブ(205)が示されるが、離れたリブが更に、重合体のカバー又は層(204)上に所望されるようにあり、且つ他の実施例についてここに配備されてもよい。
ピストンロッド(196)は、個々のフランジ要素(207)によって、略断面X字形を有し、示すように、第2の駆動インターフェイス部(198)の先端部前に位置した基端部のディスク要素(208)で補強されるのが望ましい。基端部のディスク要素(208)はディスク要素(208)の外側円周端上に重合体の層(209)を配備してもよい。重合体の層(209)は、ピストンヘッド(194)上の重合体の層(204)と同じ材料であるのが望ましい。基端部のディスク要素(208)は、スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内で作動する際に、ピストン(164)の安定性を強化する。重合体の層(204)及び特にシールするリブ(205)がピストンヘッド(194)とスリーブピストン(162)のスリーブ部(170)の内壁とに間に略緊密な流体シールを形成して、ピストン(162)(164)の静的で動かない状態、又はピストン(162)(164)の動的で作動的な動き時に、ポンプ室(192)が流体的に略緊密であることは理解されるだろう。重合体の層(204)及び重合体の層(209)は、流体シール要素(120)について以前に詳細に記載された材料の1つから形成されて、ポリウレタン等の層によって重ねて成形されるのが望ましい。基端部のディスク要素(208)及び付加される重合体の層(209)は、ピストン(164)がスリーブ部(170)内を作動する際に、流体のシールを更に手助けし、ポンプ室(192)をシールすること、及び外部の汚染源から開放することの維持を手助けする。ここに記載された他の実施例は、更なるシール及び安定との利点の為に、重合体の層はまた個々のフランジ要素(207)の外縁上に配備されてもよい。フランジ要素(207)の外縁上のあらゆる重合体の層は一般に、重合体のカバー(204)及び重合体のシール層(209)を形成する為に、重合体材料を加えるのに用いられる射出成形工程の結果であり、本発明の開示に従って、スリーブ部(170)の内壁に係合しても係合しなくてもよい。
以前に記載したように、流体ポンプ装置(100)の1つの好ましい実施例に於いて、流体ポンプ装置(100)は、1回又は多数回の個別の使用後に付随的に使い捨てであるカセット又はカートリッジの形式で配備され得る。そのような実施例に於いて、流体ポンプ装置(100)は図13に示すように、流体輸送システム(10)の一部であり、該システムは流体ポンプ装置(100)と駆動システム(600)を具える。駆動システム(600)は流体ポンプ装置(100)を受け入れるように構成された囲み又は仕切り(24)を形成するキャビネットのような仕切りを具えるのが望ましい。流体ポンプ装置(100)はポンプ仕切り(24)内に挿入され又は装填されて、駆動システム(600)と接続するのが望ましい。2つの流体ポンプ(160)を具える流体ポンプ装置(100)の前記実施例にて、駆動システム(600)は一般に2つの基本的に同一なアクチュエータ(602)を含み、各流体ポンプ(160)に1つずつある。各流体ポンプアクチュエータ(602)は、2つの基本的に同一なピストン位置決め又は移動装置(604)を含み、全部で4つの装置(604)がある。各ピストン位置決め又は移動装置(604)は、ピストンに係合し又は繋がるように構成されたピストン位置決め又は移動部材(606)を含む。以前に記載したように、ピストン(162)(164)は、各インターフェイス開口(188)(200)に対して、各ピストン駆動インターフェイス部(184)(198)を有する。インターフェイス開口(188)(200)は、同一であることが好ましく、4つの同じ装置(604)が流体ポンプ(160)に繋がった4つのピストン(162)(164)を作動させるのに用いられることが判るだろう。従って、各流体ポンプアクチュエータ(602)は、各流体ポンプ(160)内に、スリーブピストン(162)に繋がったピストン位置決め装置(604)と、挿入ピストン(164)に繋がった第2のピストン位置決め装置(604)を有する。流体ポンプアクチュエータ(602)の更なる態様は、個々のピストン位置決め装置(604)が個々に制御されて、各流体ポンプ(160)内にてピストン(162)(164)を個別に動作させ、動かし、位置決めすることである。換言すれば、各流体ポンプアクチュエータ(602)は、独立し、望ましくは線形の軸方向の動きを有し、流体ポンプ(160)の作動時に、一方のピストン位置決め装置(604)は、スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内でピストン(164)を軸方向に動かし、他方のピストン位置決め装置(604)はベース部材(104)に対してスリーブピストン(162)を動かす。
ピストン位置決め装置(604)は、流体ポンプ(160)内でピストン(162)(164)を動かし、一般的には往復移動させるべく、幾つかの形式で配備される。例えば、ピストン位置決め装置(604)は、モータで駆動されるボールスクリュシャフト、音声コイルアクチュエータ、ラック及びピニオンギア駆動等であり得る。ピストン位置決め装置(604)は、同じ装置であることがしばしば望ましいが、各流体ポンプ(160)内でピストン(162)(164)を動かすのに異なる構成が用いられる可能性を排除するものと考えるべきではない。例えば、ラック及びピニオンギア駆動を用いて、スリーブピストン(162)を動かす一方、線形モータを用いて各流体ポンプ(160)内の挿入ピストン(164)を動かすことも可能であり、またラック及びピニオンギア駆動を用いて、挿入ピストン(164)を動かす一方、線形モータを用いて各流体ポンプ(160)内のスリーブピストン(162)を動かすことも可能である。換言すれば、駆動システム(600)の流体ポンプアクチュエータ(602)内のピストン位置決め装置(604)に、種々のタイプの制御機構装置が混合され且つ調整され得る。
各流体ポンプ(160)内のピストン(162)(164)が、流体ポンプアクチュエータ(602)を形成する1つ又は共通のピストン位置決め装置(604)を共有することも可能である。例えば、そのような1つ又は共通のピストン位置決め装置(604)は、2つのボールナットが取り付けられた1つのボールスクリュシャフトの形式であり、ピストン(162)(164)が各流体ポンプ(160)内で1つのネジ上に独立して位置することができる。流体ポンプアクチュエータ(602)内のピストン位置決め又は移動装置(604)にはどんな形式が用いられようと、望ましい特徴は各ピストン位置決め又は移動装置(604)の位置、速度及び加速が、例えば各ピストン位置決め装置(604)に接続された制御装置によって独立して制御されることである。そのような制御装置(図示せず)は、流体ポンプアクチュエータ(602)に繋がった個々のピストン位置決め装置(604)を作動させることができるアルゴリズムを具えたコントローラ又はコンピュータであり得る。そのような制御装置は、ピストン位置決め装置(604)から、ピストン位置決め装置(604)に繋がったピストン位置決め部材(606)の位置に関する入力を受信し、この情報は各流体ポンプ(160)内のピストン(162)(164)の動きを制御するのに用いられる。
更に図14−図20に関して、流体ポンプ装置(100)の代表的な動作が記載される。以前に記載したように、流体ポンプ装置(100)は図示のように且つ添付の図面の非限定の実施例のように、2つの流体ポンプ(160)を具える。更に、マニホールド部(120)及びマニホールドキャップ(132)は一緒に、以前に詳細に記載した構成を有する8つの一連のマニホールドポート(146)を形成する。これらの8つのマニホールドポート(146)について、図3に表示されるように(また、図1Bも参照)、6つのマニホールドポート(146)が入口ポート(146a-146f)であり、残り2つのマニホールドポート(146)が出口ポート(146g、146h)である。例として、レントゲン画像手順時に、造影剤流体を輸送する流体ポンプ装置(100)の使用に関連して、6つの入口マニホールドポート(146)が以下の如く、分けられる:生理食塩水S1、S2用に2つのマニホールド入口ポート(146)(146a、146b):1つのタイプの濃度又はブランドの造影剤流体A1、A2用に2つのマニホールド入口ポート(146)(146b、146e):及び別の濃度の造影剤又は別のタイプ又はブランドの造影剤流体のような別のタイプの濃度又はブランドの造影剤流体B1、B2用に2つのマニホールド入口ポート(146)(146c、146f)。残り2つのマニホールドポート(146)は患者投与ポート(146g)及び廃棄物出口ポート(146h)に分けられる。マニホールドポート(146)は図1Bに示す種々のバルク流体コンテナ(16)に接続された流体ライン(18)に繋がったコネクタ(20)と適切に接続するように構成されている。前記例は8つのマニホールドポート(146)に以下の記載を限定したが、以前に付与された詳細な説明に基づき、所望されるなら、更なる入口ポート及び出口ポートについて、更なるマニホールドポート(146)を付加することは、本開示の範囲内であることは可能である。更に、あらゆる所望の方法で、種々のマニホールドポート(146)が、バルク流体源(14)に繋がれ、以前に記載した特定の構成は単に例示であることは明らかである。
以前に記載したように、流体ポンプ(160)は駆動システム(600)の動作の下、各流体ポンプ(160)内のピストン(162)(164)が別個に制御され、従って互いに別個に位置決めされるように構成される。述べた別の方法で、各挿入ピストン(164)は対向するスリーブピストン(162)に対して移動可能であり、スリーブピストン(162)も挿入ピストン(164)に対して移動可能である。ポンプハウジング(102)を形成するベース部材(104)は、静的支持構造を形成し、流体ポンプ装置(100)の作動時に、該構造からピストン(162)(164)が互いに動く。従って、挿入ピストン(164)を動かし、その一方、対向するスリーブピストン(162)を停止状態に維持することが可能であり、その逆である挿入ピストン(164)を停止状態に維持し、対向するスリーブピストン(162)を動かすことも可能である。流体ポンプ装置(100)内の流体ポンプ(160)の動作の説明を明瞭にすべく、以下の記載は、1つの、即ち、マニホールド入口ポート(146a)(146c)(146e)の直ぐ下に隣接した流体ポンプ(160)の動作を記載する。流体ポンプ装置(100)内の更なる、即ち「第2の」流体ポンプ(160(2))は「第1の」流体ポンプ(160(1))と同じ方法で、更には交互に作動され、ここで記載したように、患者投与マニホールド出口ポート(146g)にて連続した流体輸送が提供されることが判るだろう。
動力が付与された駆動システム(600)の下、ピストン(162)(164)が独立して動くことが出来ることにより、例えばスリーブピストン(162)がベース部材(104)内でマニホールド開口(142)の近傍に静止を維持することができ、スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)のスリーブ開口又はスリーブポート(176)は選択されたマニホールド開口(142)と繋がり、おそらくはスリーブポート(176)に適切にサイズ化された(長く延びた)2又は3以上の隣接するマニホールド開口(142)に繋がる、思い出されるように、マニホールド開口(142)は、流体シール要素(120)内の各開口(144)と一致する。更に思い出されるように、各マニホールド開口(142)は、関連する接続流体ポート(138)及び流体通路(140)を介して夫々1つのマニホールドポート(146)と流体が流通可能に繋がり又は接続されている。本例に於いて、スリーブピストン(162)は図14に示すように、スリーブ部(170)中のスリーブポート(176)が流体通路(140a)及び関連する流体ポート(138a)に接続されたマニホールド開口(143a)の近傍に位置することを仮定している。図14に特に示されなかったが、ピストンヘッド(194)上のシーリングリブ(205)はスリーブポート(176)の丁度近傍に位置して、ピストンヘッド(194)の先端部(202)周りに僅かな隙間があり、ここで記載したように、挿入ピストン(164)の排出又はポンピング行程時に、ポンプ室(192)から流体が排出されることができるのが好ましい。
以前に記載したように、流体ポート(138a)及びマニホールドコネクタポート(136a)は一緒にマニホールド入口ポート(146a)を形成し、本例にあっては、マニホールド入口ポートは図1Bに生理食塩水S1として識別される流体コンテナ(16)内に含まれるバルク「生理食塩水」源(14)に繋がり、これはこのマニホールド入口ポート(146a)が生理食塩水S1の外部源と繋がっていることを意味する。スリーブピストン(162)が、その関連するピストン位置決め装置(604)によって選択されたマニホールド開口(142a)に位置して保持されると、対向するピストン(164)は軸方向に動き、その関連するピストン位置決め装置(604)によってスリーブピストン(162)から略線形に離れる。この動きが図15に矢印A1で示すように生じると、ピストンヘッド(194)はスリーブポート(176)を通過し、略妨げのない入口流路がバルク「生理食塩水」コンテナ(16)とポンプ室(192)の間に確立される。特に、この入口流路はマニホールド入口ポート(146a)、接続流体通路(140a)、マニホールド開口(142a)及びポンプ室(192)に繋がるスリーブ部(170)のスリーブポート(176)によって略形成される。スリーブピストン(162)が、その関連するピストン位置決め装置(604)によって選択されたマニホールド開口(142a)に維持されると、更にピストン(164)が軸方向に動き、その関連するピストン位置決め装置(604)によってスリーブピストン(162)から略線形に離れ(図16に矢印A2で示すように)、この相対的な動きによって生じる負圧の下、ポンプ室(192)内へ矢印F1で示すように、流体(本例では生理食塩水S1)を引き込む。特に生理食塩水S1は、マニホールド入口ポート(146a)、関連する流体通路(140a)、マニホールド開口(142a)及びスリーブポート(176)を介して、バルク「生理食塩水」コンテナ(16)からポンプ室(192)内へ引き込まれる。スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)には、1つだけの開口、即ちスリーブポート(176)のみが配備されているから、マニホールド入口ポート(146a)と同一線上にある残りのマニホールド開口(142)は、ポンプ室(192)との流体の流通を阻止するスリーブ部(170)によって塞がれる。ピストン(164)の動き動作の下、所望量の生理食塩水S1がポンプ室(192)に引き込まれると、両ピストン(162)(164)は略同期して動かされて、マニホールド入口ポート(146b)に繋がった入り口流路のような他の入り口流路を確立し、或いはマニホールド出口ポート(146b)(患者)又はマニホールド出口ポート(146h)(廃棄物)に繋がったような出口流路を確立する。他の流路への動きの間、流路をマニホールド入口ポート(146b)又は他のマニホールド入口ポート(146)に確立するのであろうと、又は流路をマニホールド出口ポート(146g)(146h)に確立するのであろうと、ピストン(162)(164)は流体ポンプアクチュエータ(602)に繋がった各ピストン位置決め装置(604)によって互いに略同期して駆動され又は動き、ポンプ室(192)の不要な圧力又は真空を防ぐ。略同期した動きは、図17に矢印A3で示される。
一旦、次のマニホールドポート(146)が選択されると、マニホールド入口ポート(146b)、スリーブピストン(162)はスリーブピストン(170)とともにスリーブポート(176)がマニホールド開口(142b)と直線上になる位置に停止して、ポンプ室(192)とマニホールド入口ポート(146b)との流体の流通を許す。この位置に於いて、以前に記載したように、流体通路(140b)、マニホールド開口(142b)及びスリーブポート(176)によってポンプ室(192)とマニホールド入口ポート(146b)との流体の流通は存在する。スリーブピストン(162)が選択されたマニホールド開口(142b)に位置保持されていると、対向するピストン(164)は軸方向に再び動き、スリーブピストン(162)から線形に離れる。この動きが生じると、バルク「造影剤A1」コンテナ(16)から造影剤が、ピストン(164)の動きによって生じる負圧の下、ポンプ室(192)に引き込まれる。特に造影剤A1は、マニホールド入口ポート(146b)内に引き込まれ、接続流体通路(140b)を通り、直線上にあるスリーブポート(176)とマニホールド開口(142b)を介してポンプ室(192)内に入る。造影流体A1がポンプ室(192)に入ると、流体はポンプ室(192)にある生理食塩水S1と混合し、造影剤A1を希釈する。ポンプ室(192)に引き込まれる生理食塩水S1と造影流体A1の量は、前記の各「充填」手順にてスリーブピストン(162)に対して、ピストン(164)が引かれる距離によって制御されることが判るだろう。この引かれる距離は、ポンプ室(192)に引き込まれる流体の比体積を形成する。従って、ポンプ室(192)内の流体の比は、前記の各「充填」手順にてピストン(164)がスリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内に引き込まれる軸方向の距離によって制御される。
ピストン(164)の線形移動が流体ポンプアクチュエータ(602)によって漸増的に制御され、流体ポンプアクチュエータ(602)は一般的に制御装置によって制御されるので、そのような制御装置は、ポンプ室(192)内に存在する造影流体A1の量と、生理食塩水S1の量を正確に制御し、それによって患者に輸送されるべき造影剤流体の混合又は濃度を制御するのに用いられ得る。そのような制御装置は、タッチ・スクリーン、キーボード、ハンドコントローラ、又は例えばデータ入力を制御装置に入力するのに用いられるパーソナルデータアシスタントの形式であるワイヤレス装置を含み得る。制御装置はデータ入力を特定のピストン(162)(164)動作に変換するソフトプログラミングを含み、例えばポンプ室(192)内の特定の造影剤濃度又は混合に達する。ピストン(164)の動作の下、所望量の造影流体A1がポンプ室(192)内に引かれると、両ピストン(162)(164)は同期して動き、所望ならばマニホールド入口ポート(146b)に繋がった入口流路のような他の入口流路を確立し、更なる造影流体(この場合では「造影剤A1」流体)又は他の流体を一緒に受け入れ、或いはピストン(162)(164)は、本例では患者流路(12)に接続された患者流体投与ポートとして役立つマニホールド出口ポート(146g)のような選択されたマニホールド出口ポート(146)にまで動く(以前に記載した理由により略同期して)。
患者マニホールド出口ポート(146g)が選択されていると仮定した場合、ピストン(162)(164)は互いに略同期してマニホールド出口ポート(146g)に繋がったマニホールド開口(142g)にまで動き、スリーブピストン(162)はマニホールド開口(142g)の近傍に停止するのが好ましく、それによってポンプ室(192)から患者マニホールド出口ポート(146g)までの出口流路を確立する。特に、この位置にて、スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内のスリーブポート(176)は、選択された「出口」マニホールド開口(142g)と略一直線上にある。この一直線化が起きると、ポンプ室(192)と流体通路(140g)間に流体の流通が確立される。以前に記載したように、流体通路(140g)は、流体ポート(138g)とマニホールドコネクタポート(136g)と一緒に流体が行来可能に接続し、患者マニホールド出口ポート(146g)を形成する。患者マニホールド出口ポート(146g)と患者に繋がる患者流路(12)間に適切な流体が流通する接続が形成されるのが望ましい。一旦、前記の流体通信路が確立されると、スリーブピストン(162)に繋がったピストン位置決め装置(604)は、スリーブピストン(162)の位置を「固定」する。スリーブピストン(162)が略静止した状態で保持されると、ピストン(164)はその関係するピストン位置決め装置(604)によって動かされて、ポンピング又は排出ストローク又は動作を開始する。図18−図19に示すように、ポンピング又は排出ストロークに於いて、ピストン(164)は図18−図19に矢印A4−A5で示すように、スリーブピストン(162)内に動き、ポンプ室(192)内に含まれる比例した混合物(proportional mixture)を加圧して、この流体、本例では造影流体A1と、生理食塩水S1の混合物を、患者流路(12)を通って吐出し、加圧下、流体の混合物を患者に輸送する。図19にて、ポンプ室(192)からスリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内のスリーブポート(176)及び流体通路(140g)への流体の吐出又は排出は、矢印F0で示される。図20に於いて、排出ストロークの終わりにて、ピストンヘッド(194)の湾曲した又は円弧状の先端部(202)は、スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)の湾曲した又は円弧状の端部壁(206)と結合する。以前に記載したように、ピストンヘッド(194)上のシーリングリブ(205)については、スリーブポート(176)の丁度近傍に位置して、ピストンヘッド(194)の先端部(202)周りに僅かな隙間があるのが望ましく、挿入ピストン(164)の前記排出又はポンピングストローク中に、ポンプ室(192)から殆ど全ての流体が排出されることを可能にするのが望ましい。排出サイクルが終了すると、以前に記載したように、他の充填サイクルが再び開始する。図21は、機能ブロック図として記載し、各流体ポンプ(160(1))(160(2))は以前に記載した6つのバルク流体源(14)の任意の1つから独立して流体を引き出し、且つ流体を2つのマニホールド出口ポート(146g)(146h)の何れかに排出することができる。
前記例が2つの流体が如何にポンプ室(192)に受け入れられ且つ混合されるかを記載しているが、これは如何に流体ポンプ装置(100)が作動するかの代表例であることのみを意図している。以前に記載したように、上記の方法によって更なる流体がポンプ室(192)内に受け入れられ、少なくとも3つの流体からなる多数の流体の混合物が、ポンプ室(192)内に存在する。例として、前記の記載に従って、造影流体A1と生理食塩水S1の流体混合物が患者に注入された後、造影流体が残った患者に接続された流路(12)を綺麗にするのが望ましい。そのような環境に於いては、前記の方法に従って、マニホールド出口ポート(146a)のみを「選択」し、患者マニホールド出口ポート(146g)を介して患者流路(12)内にこのテストボーラスを注入することによって、生理食塩水S1だけがポンプ室(192)内に装填される。
実際の実践に於いて、図22A−図22Dに示す如く、流体ポンプ装置(100)は一般に、各流体ポンプ(160)が交互に動作するように作動する。換言すれば、任意に図22Bに流体ポンプ(160(2))として識別される1つの流体ポンプ(160)が、充填サイクルの任意の地点にて充填サイクルにあって、関連するピストン(162)(164)が以前に記載されたように、ポンプ室(192)内に選択された流体を装填するように作動するときには、任意に図22Aに流体ポンプ(160(1)として識別される他方の即ち「第2」の流体ポンプ(160)は、交互の排出サイクル中であって、その関連するピストン(162)(164)はマニホールド出口ポート(146g)(146h)の1つに繋がって、レントゲン画像化手順を受ける患者又は廃棄物容器のような下流の最終地点に流体を吐出する。流体ポンプ装置(100)内の流体ポンプ(160)の交互の動作は、図22Cの流体ポンプ(160(1))(160(2))の周期的な動作に重なることにより示される選択されたマニホールド出口ポート(146g)(146h)にて略一定の流体流れに帰し、生じた連続した正味の流体流れ出力結果は、図22Dに図示される。
従って、要するに、流体ポンプ(160)の交互の動作により、流体が連続的に供給され得る。1つの流体ポンプ(160(2))が、流体で充填されている(図22B)間、第2の流体ポンプ(160(1))は流体を排出する(図22A)。例えば、流体ポンプ(160)の交互の動作に於いて、流体ポンプ(160(1))の挿入ピストン(164)がポンピング又は排出ストロークの終端に達すると、流体ポンプ(160(1))に繋がった流体ポンプアクチュエータ(602)は、図22Aに示す如く、挿入ピストン(164)の線形速度をスムーズに減じて、充填サイクルを開始する。同時に、流体ポンプ(160(2))に繋がった流体ポンプアクチュエータ(602)は、流体ポンプ(160(2))に繋がった挿入ピストン(164)の動きを加速し、第2の流体ポンプ(160(2))の「充填された」ポンプ室(192)から流体を排出する。流体ポンプ(160(2))の挿入ピストン(164)は、流体ポンプ(160(1))の挿入ピストン(164)が流体の排出後、完全に停止したのと略同じ瞬間に、最大「排出」速度に達する。このようにして、両流体ポンプ(160)によって輸送される総流れ量は、略一定である(図22D)。一般に、図22Eに示すように、以前に記載された充填サイクルでは、排出サイクルよりも稍速い速度を生じるのが望ましく、これにより「充填」ピストン(162)(164)が停止し、方向を逆転するのに十分な時間が可能となり、「排出」ピストン(162)(164)が排出流体ポンプ(160)のポンプ室(192)を完全に空にする前に加速し始める。この稍速い充填速度は必要である、何故ならポンプ室(192)の充填、1つの流体ポンプ(160)、本例では流体ポンプ(160(2))に対する所望のマニホールドポート(146)の選択は、交互の流体ポンプ(160)、流体ポンプ(160(1))が流体を排出している間に、完了しなければならない、従って、充填工程は排出工程よりも速い速度で一般に生じなければならない。上記した順序により、拍動なしで流体ポンプ装置(100)から略均一で、一定の流速が得られる。
上記から流体ポンプ装置(100)により、以前に記載された従来技術に比して、幾つかの明確な利点が付与されることが判るだろう。第1に、流体ポンプ装置(100)は2又は3以上の流体を順次、又は混合物として輸送することができ、2つの流体ポンプ(160)を具えた流体ポンプ装置(100)を含む1つの流体輸送システム(10)を有して、順次に又は混合物としての何れでも、多くの異なるタイプの流体を再び輸送することが可能である。更に、制御された2又は3以上の比例した混合物が容易に輸送され得る。混合物は2、3又は一様な4種の異なる流体であり、限定事項は有用なマニホールド入口ポート(146)の数のみである。各タイプの流体の比は、略正確に制御され得る、何故なら該比は各流体ポンプ(160)内でのスリーブピストン(162)に対する挿入ピストン(164)の位置によって決定されるからである。更に、混合は流体ポンプ(160)の各ポンプ室(192)内で生じるから、結果物である混合物は従来技術のように混合がポンプの下流の出口チャンネル又は手段にて生じる流体輸送システムによって輸送されるよりも、いっそう均質になる。
更に、所望ならば、両方向(即ち、逆流れ)に流体を汲み出すことも可能である。これは流体ポンプ装置(100)に繋がった制御装置に適切にプログラミングすることで達成されて、流体ポンプ(160)内で「逆」作動工程によって、ピストン(162)(164)の連続動作を可能にする。この特徴により、流体ポンプ装置(100)が以前に記載した各マニホールドポート(142a)-(142f)に繋がった各流路、及び所望ならば廃棄物マニホールド出口ポート(146h)と同様に患者マニホールド出口ポート(146g)に繋がった患者流路(12)から空気をフラッシュし及び/又はパージすることができる。一般に、生理食塩水がフラッシング流体として用いられ、フラッシング及び/又はパージングは、図1Bに示す生理食塩水S1、S2コンテナ(16)のような生理食塩水流体源から生理食塩水を引き出し、且つ流体ポンプ(160)及び一般的には患者流路(12)の他の部分を通って生理食塩水を汲み出すことにより、何時でも達成され得る。ポンプ室(192)及び患者マニホールド出口ポート(146g)に繋がった患者流路(12)をフラッシュすべく、生理食塩水は以前に概略した原理に従って、「前に」噴出される。造影剤供給マニホールド入口ポート(146)をフラッシュすべく、生理食塩水は例えば図1Bに示す生理食塩水S1、S2コンテナ(16)の1つから引き出され、種々の造影剤供給マニホールド入口ポート(146)を通って「後方に」噴出される。流体ポンプ装置(100)を「逆に」作動させることができることにより、また実行されるべき解放性のチェックを自動化することが出来、少量の流体が患者マニホールド出口ポート(146g)からポンプ室(192)内へ引き出され(一時的に)、次に患者マニホールド出口ポート(146g)に戻されて、カテーテルの適切な取り付けを確実にする。患者から引き出される血液は、この工程中はポンプ室(192)に入らないが、患者流路(12)内にのみ引き込まれて、開放性を確実にし、患者マニホールド出口ポート(146g)に繋がった流体通路(140)内に、逆止弁が配備されて、ポンプ室(192)内に入ることを阻止することに注目すべきである。
動作に於いて、流体ポンプ装置(100)は流体のスムーズで略均一な流れを提供する、何故なら流体ポンプ(160)内の各ピストン(162)(164)は独立して制御されるからである。1つの流体ポンプ(160)が充填サイクル中に、他方の流体ポンプ(160)が排出サイクルであるように、2つの流体ポンプ(160)の動作を同期させることにより、2つの流体ポンプ(160)だけで略非パルス状の流れを連続を基準として(on a continuous basis)輸送することが可能である。以前に記載したように、1つの流体ポンプ(160)内の挿入ピストン(164)の減速の大きさは、第2の流体ポンプ(160)内の挿入ピストン(164)の加速の大きさと略適合し、選択されたマニホールド出口ポート(146g)(146h)にて均一な流体輸送を付与する。略一定で、均一な制御された流速で流体を輸送することが出来ることは、外圧に係わらず達成される、何故なら動的に制御されたマニホールドポートシステムが配備されるからである。結果として、流体ポンプ装置(100)の量的効果は、出口圧力及び/又は流速に関係せず変化しない。
その上、流体ポンプ装置(100)は動的に制御されたマニホールドポートシステムを具えているから、マニホールドポート(146)、接続通路(140)、及びマニホールド開口(142)の寸法は、圧力損失が最小となるように最適化され、殆どあらゆる形状又は寸法である。結果として、マニホールドポート(146)、接続通路(140)、及びマニホールド開口(142)によって形成される流路の寸法は、圧力低下を最小にし、各流体ポンプ(160)の全体性能を最大にし、更に入口ポートの制限によるポンプのキャビテーションの可能性を最小にするようにサイズが決定される。
以前に記載した他の特徴は、開口又はポート(176)のポンプ室(192)への1回のみのアクセスである。この構成は、ベース部材(104)の殆ど全てのマニホールド開口(142)を、高圧から孤立させる利点があり、マニホールド出口ポート(146g)(146h)のみが流体排出サイクルの高圧を受ける。前記の構成に付随した利点は、高圧マニホールド出口ポート(146g)(146h)から低圧マニホールド入口ポート(146a)-(146f)への漏れによる逆流れの可能性を最小にすることである。
更に、流体ポンプ装置(100)及び該装置を組み込んだ流体輸送システム(10)の他の利点は、1回の使用又は離散した回数の使用後に、流体ポンプ装置(100)を廃棄し又は処分することができることである。結果として、流体ポンプ装置(100)は比較的安価な材料及び周知の工程から形成されて、「恒久的な」駆動システム(600)が再使用される一方、使い捨て可能である。以前に記載した図13から明らかなように、流体ポンプ装置(100)と駆動システム(600)間の接続は、比較的簡素な接続であり、所望ならば、それによって「使い捨ての」要素と「恒久的な」要素間のインターフェイスの数と複雑さを減じる。
図13について略記載されるように、駆動システム(600)は流体ポンプ装置(100)の可動要素を作動させるのに用いられる動力を供給する。以前に記載したように、流体ポンプ装置(100)の望ましい特徴は、流体ポンプ装置(100)を、例えば使い捨て可能なカートリッジ、カセット、又はユニットである使い捨て要素として供給することであり、再使用可能な駆動システム(600)と関連して、1回の使用又は離散した回数の使用後に処分される。更に、以前に記載したように、駆動システム(600)は略2つの実質上同一の流体ポンプアクチュエータ(602)を含み、各1つにつき流体ポンプ(160)がある。各流体ポンプアクチュエータ(602)は、2つの実質上同一のピストン位置決め又は動作装置(604)を含み、全部で4つの装置(604)がある。各ピストン位置決め又は動作装置(604)は、ピストン(162)(164)に係合するように構成されたピストン位置決め又は動作部材(606)を含む。図23から明らかなように、各流体ポンプアクチュエータ(602)について、1つのピストン位置決め装置(604)が挿入ピストン(164)と繋がるように位置し、その一方、第2のピストン位置決め装置(604)がスリーブピストン(162)と繋がるようにポンプ室(24)の反対側に位置する。以前に記載したように、ピストン(162)(164)は、夫々インターフェイス開口(188)(200)を具えた各ピストン駆動インターフェイス部(184)(198)を有する。インターフェイス開口(188)(200)は同一であるのが望ましく、上記の実施例にて、4つの同一の装置(604)が2つの流体ポンプ(160)に繋がった4つのピストン(162)(164)を動作させるのに用いられる。従って、各流体ポンプアクチュエータ(602)は、各流体ポンプ(160)内で、スリーブピストン(162)と繋がった1のピストン位置決め装置(604)と、挿入ピストン(164)と繋がった第2のピストン位置決め装置(604)を具える。流体ポンプアクチュエータ(602)の更なる態様は、個々のピストン位置決め装置(604)が個別に制御されて、各流体ポンプ(160)内のピストン(162)(164)の個々の動作、動き又は位置決めを達成する。換言すれば、各流体ポンプアクチュエータ(602)は、独立した望ましくは線形の軸方向の動きを有し、流体ポンプ(160)の動作中は、1つのピストン位置決め装置(604)がスリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内を軸方向に動き、その一方、他のピストン位置決め装置(604)はベース部材(104)に対して、スリーブピストン(162)を動かす。
ピストン位置決め装置(604)は、以前に詳細に記載した特定例の各流体ポンプ(160)内にてピストン(162)(164)の動き、一般的には線形の動きを達成すべく、幾つかの異なる形式で配備される。更に、以前に記載したように、各流体ポンプ(160)内のピストン(162)(164)が流体ポンプアクチュエータ(602)を形成する1つの又は共通のピストン位置決め装置(604)を共有することも可能である。流体ポンプアクチュエータ(602)内のピストン位置決め又は動き装置(604)に如何なる形式が用いられようと、望ましい特徴は各ピストン位置決め又は動き装置(604)の位置、速度、及び加速度は、例えば各ピストン位置決め装置(604)に接続された制御装置によって制御される。以前に記載したようなそのような制御装置は、各流体ポンプアクチュエータ(602)に繋がった個々のピストン位置決め装置(604)を作動させることができるアルゴリズムを具えたコントローラ又はコンピュータであり得る。そのような制御装置は、ピストン位置決め装置(604)から、各ピストン位置決め装置(604)に繋がったピストン位置決め部材(606)に関する入力を受信し、この情報は各流体ポンプ(160)内のピストン(162)(164)の動きを生じさせるのに用いられる。
図23−図24について、駆動システム(600)が更に詳細に記載される。以前に記載したように、2つの各流体ポンプアクチュエータ(602)内の各ピストン位置決め装置(604)は略同一である。従って、以下の記載は、各4つのピストン位置決め装置(604)及びそれらの動作を説明する便宜のために、ピストン位置決め装置(604)の1つを具える要素を記載する。背景の目的の為、以前に記載したポンプ囲み又はポンプ室(24)が、ポンプ室(24)の支持ベース(608)及び両端部に2つのペアの対向する支持壁(610)を具え、該端部間にポンプ装置(100)が配備され、2つの対向する壁(612)が、対向する支持壁(610)(612)の2つの各セット間に駆動システム(600)を構成する種々の要素を囲むべく配備される。各ピストン位置決め装置(604)は、例えば対向する支持壁(610)(612)間に支持される駆動モータ(614)を具え、支持壁(612)の後部又は基端部を通って延び、各ピストン位置決め装置(604)に動力を与える駆動シャフト(616)を含む。以前に記載したように、各ピストン位置決め装置(604)は、ピストン(162)(164)と繋がるピストン位置決め部材(606)を具える。示された実施例に於いて、ピストン位置決め部材(606)は、ピストン駆動要素(618)を具え、該要素は1つのくぎ(622)にて基端部(620)に止まり、ピストン(162)(164)に形成されたインターフェイス開口(188)(200)と係合する。そのようなピストン位置決め装置(604)をピストン(162)(164)に繋げる1つの「くぎ付けられた」インターフェイスは、単に例示であり、取り外し可能な機械的なファスナによって付与される固定又は「ハード」インターフェイス接続、及び他の取り外し可能なインターフェイス接続のような数々の代替可能な取り外し可能なインターフェイス構成が置換可能である。
ピストン駆動要素(618)は中空で、関連装置(626)と繋がるべく、基端部(624)が開いており、関連装置は駆動モータ(614)及び駆動シャフト(616)によって付与される動力を、一般にピストン位置決め部材(606)、特にピストン駆動要素(618)に伝えるのに用いられる。関連装置(626)は、多くの既知の機械的形式を採り得て、駆動モータ(614)及び駆動シャフト(616)の回転駆動出力をピストン位置決め部材(606)の平進運動に変換し、ピストン(162)(164)は、この開示で以前に記載した線形運動を示し、以前の記載から明らかになったように、双方向の線形運動を意図している。代表的な実施例で示された関連装置(626)は、ボールスクリュナット(630)内に回転可能にジャーナル結合された、即ち、機械技術分野で公知の螺合係合によるボールスクリュシャフト(628)を具えている。ボールスクリュナット(630)は、ピストン位置決め部材(606)のピストン駆動要素(618)の基端部(624)に接続されている。例として、ボールスクリュナット(630)は例えば螺合係合によって、ピストン駆動要素(618)の開いた基端部(624)内部に固定されている。ボールスクリュシャフト(628)は、支持壁(612)の基端部又は後部の開口を通って延びる。スラストワッシャ(632)(及び該スラストワッシャ(632)の背後に位置するベアリング)が、支持壁(612)の基端又は後部の開口内に配備されて、開口内のスクリュシャフト(628)の回転運動を支持する。非回転カラー(634)がボールスクリュナット(630)に接続され、更に支持壁(610)(612)間を延びる固定ガイドレール(636)に接続されて、ボールスクリュシャフト(628)が回転するときに、ボールスクリュナット(630)の回転を防ぐ。4つのそのような固定ガイドレール(636)が配備されて、4つのピストン位置決め装置(604)の各々の動作を可能にすることに注目すべきである。示すように、非回転カラー(634)はガイドレール(636)に沿うように、ガイドレール(636)に接続され、ボールスクリュナット(630)は、ボールスクリュシャフト(628)が回転しているときに、ボールスクリュシャフト(628)との螺合接続の下、線形に平進する。ボールスクリュシャフト(628)の基端部(638)は、支持壁(612)の基端部の開口を通って延び、駆動モータ(614)及び駆動シャフト(616)と接続する。特に、プーリ(640)がボールスクリュシャフト(628)に取り付けられ、タイミングベルト(642)がプーリ(640)及び駆動シャフト(616)の基端部に取り付けられた第2プーリ(643)の周りに通されて、駆動シャフト(616)とボールスクリュシャフト(628)と回転可能に繋がるのに用いられる。プーリ(640)及びタイミングベルト(642)は、機械技術分野の当業者に明らかなように、駆動シャフト(616)の回転運動をボールスクリュシャフト(628)に伝える(impart)。センサピン(644)が、各ピストン位置決め装置(604)のピストン位置決め部材(606)のピストン駆動要素(618)から側方外向きに延びるのが好ましく、ピンは支持壁(610)の先端部のポンプ対向側又は前側に配備されたホームセンサ(646)と係合するように位置し、各流体ポンプ装置(160)内のピストン(162)(164)の「ゼロ」又は「ホーム」位置を示す。従って、4つのそのようなホームセンサ(646)は、駆動システム(600)について存在する。
動作に於いて、ピストン位置決め部材(606)の動作を達成すべく、モータ駆動シャフト(616)は駆動モータ(614)によって駆動され、この回転運動はタイミングベルト(642)を介してボールスクリュシャフト(628)に取り付けられたプーリ(640)に伝えられる。ボールスクリュシャフト(628)が回転すると、ボールスクリュナット(630)は、螺合係合によってボールスクリュシャフト(628)に沿って平進する(前又は後へ)。ボールスクリュナット(630)は非回転カラー(634)とガイドレール(636)との係合によって、回転を阻止される。以前に記載したように、ボールスクリュナット(630)は例えば、螺合接続によって、ピストン位置決め部材(606)のピストン駆動要素(618)に接続される。ボールスクリュナット(630)が平進すると、ピストン駆動要素(618)及びそれ故に、ピストン位置決め部材(606)は一般に、ボールスクリュナット(630)とともに動く。このボールスクリュシャフト(628)上のボールスクリュナット(630)の平進移動によって、ピストン(162)(164)の双方向の線形移動が達成される。以前に記載したように、各2つのポンプアクチュエータ(602)は一対のピストン位置決め装置(604)を具え、1つは各2つの流体ポンプ(160)のスリーブピストン(162)に繋がり、1つは挿入ピストン(164)に繋がる。流体ポンプ装置(100)の2つの流体ポンプ(160)の充填及び排出サイクルに関する以前の記載に於いて、1つの流体ポンプ(160)が流体で充填される間に、他方の流体ポンプは患者に輸送用に流体を患者流路(12)に排出し、その逆も可能であることに注目すべきである。一般に、以前に記載したように、充填サイクルが排出サイクルよりも稍速度が速いのが好ましい。この稍速度が速いことにより、「充填」ピストン(162)(164)が停止し、方向を逆にし、「排出」ピストン(162)(164)が排出する流体ポンプ(160)の為に、関連するポンプ室(192)を完全に空にする前に、加速し始めるのに十分な時間が可能となる。駆動システム(600)は各4つのピストン位置決め装置(604)が、制御装置によって独立して制御され、以前に記載したような動作を達成することを可能にする。
隣接する流体ポンプ(160)の基本的な作動順序が記載される。動作に於いて、1つの流体ポンプ(160)に繋がったポンプアクチュエータ(602)は、制御装置によって制御されて、対向するピストン位置決め装置(604)に繋がった駆動モータ(614)が略同期して駆動され(同じ速度で)、流体ポンプ(160)に繋がったピストン(162)(164)を同時に動かす。ピストン(162)(164)間に略相対的な動きがないから、ピストンが一緒に動くと、流体はポンプ室(192)内に引き出されない。ピストン(162)(164)は、スリーブ部(170)内のスリーブ開口又はポート(176)が、所望のマニホールド入口ポート(146)と一直線になるまで、動かされる。スリーブピストン(162)の位置は、関係するピストン位置決め装置(604)によって一定に保たれる一方、ピストン位置決め装置(604)に繋がった駆動モータ(614)が反対方向に作動することによって、関連するピストン位置決め装置(604)により引き込まれる。この動作により、ポンプ室(192)は選択されたマニホールド入口ポート(146)からの流体で充填される。所望ならば、ピストン(162)(164)は更なるマニホールド入口ポート(146)へ一緒に動き、駆動モータ(614)の略同期した動作によって、再び略同時に動き、ピストンが一緒に動くので、流体はポンプ室(192)内に引き込まれない。次のマニホールド入口ポート(146)に達すると、挿入ピストン(164)のみが、駆動モータ(614)の逆動作によって、関連するピストン位置決め装置(604)に動かされて、次の源から流体を引き込む。ピストン(162)(164)は次に、再び、各ピストン位置決め装置(604)に繋がった駆動モータ(614)の略同期した動作(同じ速度)によって、選択されたマニホールド出口ポート(146)へ略同期して動かされる。再び、この平進動作時はピストン(162)(164)間に相対的な動きがないから、流体はポンプ室(192)から吐出されない。スリーブピストン(162)内のスリーブポート(176)が一旦、選択されたマニホールド出口ポート(146)と一直線上に配備されると、例えば関連する制御装置が、スリーブピストン(162)を作動させるピストン位置決め装置(604)に繋がった駆動モータ(614)を停止させる動作によって、スリーブピストン(162)の動きが停止する。対向する挿入ピストン(164)は次にスリーブピストン(162)内へ動かされて、スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内のスリーブ開口ポート(176)を通って、且つ選択されたマニホールド出口ポート(146)を通って流体は排出される。この動作は例えば、挿入ピストン(164)を作動させるピストン位置決め装置(604)に繋がった駆動モータ(614)の動作によって、達成される。隣接した又は第2の流体ポンプ(160)は同様の方法で作動するが、第1の流体ポンプ(160)の動作から位相がずれ(out of phase)又は「交互に動き」、略一定流れが以前に記載したように、流体ポンプ装置(100)によって付与される。
流体ポンプ(160)の交互の動作を正確に制御する、関連する制御装置について、開始又はスタートアップモードでは、両ピストン(162)(164)は、スリーブピストン(162)を作動させるピストン位置決め装置(604)に繋がったセンサピン(644)が関係するホームセンサ(646)に係合し作動させるまで、一緒に動くように作動される。例えばホームセンサ(646)は、ピストン位置決め装置(604)のピストン位置決め部材(606)のピストン駆動要素(618)に取り付けられるセンサピン(644)の存在を検知する、赤外線LED及びフォトセンサを用いる。スリーブピストン(162)が静止状態に保持された状態で、対向するピストン(164)は、そのホームセンサ(646)が同じ方法で作動されるまで、関連するピストン位置決め装置(604)によって動かされる。この点上から、コンピュータベースの制御装置は、両ピストン(162)(164)の「ゼロ」又は「ホーム」位置が既知であるとして、ピストン(162)(164)の位置の軌跡を保持する。図24に示すように、ボールスクリュシャフト(628)の基端部(648)は、ボールスクリュナット(630)の螺合係合する先端部(650)よりも直径が小さい。基端部(648)は、プーリ(640)をボールスクリュシャフト(628)に取り付ける取付け箇所(649)を形成し、プーリ(640)とタイミングベルト(642)の組み合わせの回転がボールスクリュシャフト(628)を回転させ、それによって付与されたボールスクリュシャフト(628)の回転がボールスクリュナット(630)の平進移動を生じる。駆動システム(600)についての更なる特徴は、流体ポンプ(160)の作動中に下方から流体ポンプ装置(100)を支持するポンプ支持構造(652)を具える。示すように、そのようなポンプ支持構造(652)は単に、流体ポンプ装置(100)のポンプハウジング(102)のベース部材(104)の側方(112)を支持する一対の支持壁(654)(656)を具える。しかし、図28−図35についてここに記載されたような他の流体ポンプ支持構成又は装置も配備され得る。図23には示されていないが、ポンプ室(24)は、流体ポンプ装置(100)を囲むカバー板(図示しないが、適切なカバー板はここに記載された代替の駆動システム(700)についてここに記載される)、及びおそらくはポンプ室(24)内の駆動システム(600)の要素を含む。そのようなカバー板は付随的にマニホールドキャップ(132)の頂部に接し、流体シール要素(120)に圧力を加えて、各流体ポンプ(160)のポンプハウジング(102)のベース部材(104)内の受け入れ空洞(106)を流体的にシールするのを手助けする。
図25−図27について、流体ポンプ装置(100)の他の実施例が示され、同様の部分は、前記の実施例の記載で用いられた同様の符号で指定される。流体ポンプ装置(100)は以前に記載されたのと同じ基本構成を有し、如何にしてピストン(162)(164)が駆動されるかについて修正されている。流体ポンプ装置(100)の本実施例に於いて、流体ポンプ装置(100)は各流体ポンプ(160)のピストン(162)(164)が、流体ポンプ装置(100)の同じ側から駆動されるように構成されている。特に、各流体ポンプ(160)のピストン(162)(164)は図28−図35についてここに記載された、適切に修正された駆動システム(700)によって、流体ポンプ装置(100)のポンプハウジング(102)を形成するベース部材(104)の同じ端部(122)から駆動されるように構成される。ここに記載された駆動システム(700)は、上記された駆動システム(600)と共通する幾つかの特徴を具える。以前に記載された流体ポンプ装置(100)の実施例との特定の違いについて、本実施例では、スリーブピストン(162)のインターフェイス部(172)は、以前に記載した駆動システム(600)のピストン位置決め装置(604)に繋がるピストン位置決め部材(606)と接続するインターフェイス又は取付け開口(188)をもはや必要としない。本実施例に於いて、インターフェイス部(172)は略平坦な端部フランジ部(210)にて止まる。インターフェイス部(172)はなお、例えば横断面が略半円の内部空間(186)を具えた開口した又は中空の断面形状を形成するのが好ましい。更に、インターフェイス部(172)はなお、インターフェイス部(172)からぶら下がり(depend)又は下向きに延び、インターフェイス部(172)の構造強度を高める1又は2以上のぶら下がりフランジ(190)を具える。図26に示すように、フランジ(190)はスリーブピストン(162)の長さに近く延びる。
以前に記載したのとは対照的に、本実施例のスリーブピストン(162)は、スリーブ部(170)の一部として同様に形成される、二重又はダブルのリム端部フランジ(180)を具える。端部フランジ(180)は2つの離れたリムフランジ要素(212)を具え、該要素は駆動システム(700)に関するピストン付属具又は接続要素(ここで記載される)と接続される介入空間(214)を形成し、本実施例に従った流体ポンプ装置(100)の動作に特に適している。2つの離れたリムフランジ要素(212)の先端部又は「内部」はなお、スリーブピストン(162)の第1端部(166)にて干渉構造を形成し、ベース部材(104)の端部(122)にて半径端部(radial end)のフランジ(158)に係合し、この開示にて以前に記載したように、ベース部材(104)に対するスリーブピストン(162)の線形移動を制限する。
図27は、以前に記載した方法で、スリーブピストン(162)とともに作動する挿入ピストン(164)を示す。挿入ピストン(164)は、以前に記載したものと、全体の外観及び機能は略同一である。しかし、図27に示すように、1つの高分子層(204)がカバーピストンヘッド(194)上に配備され、更にディスク要素の基端部(208)及び略X字形のピストンロッド(196)の断面を形成するフランジ要素(207)上に配備される。高分子層(204)はピストンヘッド(194)上に重ねて成形される1つ又は単一の層であり、更にディスク要素の基端部(208)(高分子層(209)に代わって)の環状周縁及びピストンロッド(196)を形成する個々のフランジ要素(207)の外側縁に重ねて成形されるのが好ましい。以前に記載したように、そのような高分子層(204)の存在は、ピストンヘッド(194)とスリーブピストン(162)のスリーブ部(170)の内壁との間に、流体が略漏れないシールを形成するのが望ましく、それによってピストン(162)(164)が静止し、動かない状態時、又はピストン(162)(164)が動いており、作動状態時は、ポンプ室(192)は流体が漏れない室である。高分子層(204)が単一層で、流体シール要素(120)について以前に詳細に記載した材料の何れかから形成されるのが望ましく、重ねて成形されたポリウレタン等の層であるのが望ましい。ピストンロッド(196)は、以前に記載したのと同じ駆動インターフェイス部(198)を具えることに注目すべきであり、ピストンロッド(196)本体内にインターフェイス開口(200)を形成する。
図28−図35に示すように、直前に記載した他の流体ポンプ装置(100)を作動させるように構成された他の駆動システム(700)が示され、記載される。駆動システム(700)に於いて、各流体ポンプ(160)のピストン(162)(164)は、駆動システム(600)について以前に記載したのとほぼ同じ専用の流体ポンプアクチュエータ(702)によって駆動される。しかし、各流体ポンプアクチュエータ(702)は、流体ポンプ装置(100)のポンプハウジング(102)のベース部材(104)の一端部に隣接して位置している。従って、本駆動システム(700)に於いて、2つの流体ポンプアクチュエータ(702)の各々の2つのピストン位置決め装置(704)は、1つの作動可能な装置に結合され、ピストン(162)(164)の同じ端部から各流体ポンプ(160)のピストン(162)(164)を動かすように作動可能である。前記の記載を考慮して、以下の記載は、流体ポンプ(160)の1つを作動させるのに用いる流体ポンプアクチュエータ(702)の1つを具える要素を記載し、隣接した流体ポンプ(160)を作動させる隣接した流体ポンプ(160)は、ここで記載したものと同じ構成及び動作であることは明白である。本実施例に於けるポンプ囲み又は室(24)は、その間に流体ポンプ装置(100)が位置する支持ベース(708)及び2つの対向する一対の支持壁(710)(712)を具えることは略注目すべきである。基端側の壁(712)は、駆動システム(700)の種々の要素をポンプ室(24)から分離する。
記載したように、駆動システム(700)内の各流体ポンプアクチュエータ(702)は再び、ここから便宜上、(704(1))及び(704(2))で指定される2つのピストン位置決め装置(704)を用いる。ここで記載したように、ピストン位置決め装置(704(1))及び(704(2))は、移動可能な支持装置によって同時に支持される。そのようなピストン位置決め装置(704(1))の1つは、駆動システム(600)について以前に記載したピストン位置決め装置(604)とほぼ同じである。このピストン位置決め装置(704(1))は、ピストン位置決め装置(604)と同様の方法で挿入ピストン(164)と接続するように構成される。ピストン位置決め装置(704(1))は、モータハウジング(715)を有する駆動モータ(714)及び動力をピストン位置決め装置(704(1))に付与する駆動シャフト(716)を具える。ピストン位置決め装置(704(1))は、挿入ピストン(164)と接続するピストン位置決め部材(706)を具える。ピストン位置決め部材(706)は、1つのペグ(722)の先端部(720)にて止まるピストン駆動要素(718)を具えて、ピストン(164)のピストンロッド(196)の駆動インターフェイス部(198)内のインターフェイス開口(200)に係合する。ピストン位置決め部材(706)をピストン(164)に繋ぐそのような1つの「ペグ付けられた」インターフェイスは再び、単に典型的なものであり、以前に示したように、多数の取り外し可能なインターフェイス構成が置き換えられる。
ピストン駆動要素(718)は中空で、基端部(724)が開口(図示せず)して、関連装置(726)と繋がって、該関連装置は一般にピストン位置決め部材(706)、特にピストン駆動要素(718)に、駆動モータ(714)及び駆動シャフト(716)によって付与される動力を伝えるのに用いられる。関連装置(726)は再び、多くの既知の機械的形式を採り得て、駆動モータ(714)及び駆動シャフト(716)の回転駆動出力をピストン位置決め部材(706)の平進運動に変換し、第2のピストン(164)がこの開示で以前に記載した双方向の線形運動を示す。代表的な実施例に示された関連装置(726)は再び、即ち以前に記載したように、螺合係合によって、ボールスクリュナット(730)に回転可能にジャーナル接続されたボールスクリュシャフト(728)を具える。図32は、ボールスクリュシャフト(728)が、図24について以前に記載したボールスクリュシャフト(628)と略近似していることを示している。ボールスクリュナット(730)は、ピストン位置決め部材(706)のピストン駆動要素(718)の基端部(724)に接続されている。例えば、ボールスクリュナット(730)は、例えば螺合係合によってピストン駆動要素(718)の基端部(724)内側に固定されている。このような接続は、以前に駆動システム(600)について詳細に記載され、この以前の記載を参照する。
以前に記載した駆動システム(600)と対照的に、ピストン駆動要素(718)は基端部又は後部の支持壁(712)の開口(732)を通って延び、支持壁はポンプ室(24)内の支持ベース(708)から上向きに延びる。非回転カラー(734)はボールスクリュナット(730)に接続され、且つ更に基端部の支持壁(712)の開口(737)を通るガイドレール(736)に接続される。駆動システム(600)に於いて、同様のガイドレールが支持壁(610)(612)間を延び、ボールスクリュシャフト(628)が回転時にボールスクリュナット(730)が回転することを妨げる。本実施例において、ここで記載したように、ガイドレール(736)は駆動モータ(714)のモータハウジング(715)に接続されたピストンインターフェイス構造に支持される。示すように、非回転カラー(734)はガイドレール(736)に接続されて、ガイドレール(736)に沿ってスライドし、ボールスクリュナット(730)は、ボールスクリュシャフト(728)が回転した際に、ボールスクリュシャフト(728)との螺合接続の下、線形に平進する。ボールスクリュシャフト(728)は基端部(738)を具え、ボールスクリュシャフト(728)は、プーリ(740)とタイミングベルト(742)の結合に作動可能に繋がる。特に、プーリ(740)はボールスクリュシャフト(728)の基端部(738)に取り付けられ、タイミングベルト(742)はプーリ(740)及び駆動シャフト(716)の端部に取り付けられた第2のプーリ(743)の周りを通り、駆動シャフト(716)とボールスクリュシャフト(728)に回転可能に接続するのに用いられる。この構成は以前に記載したボールスクリュシャフト(628)とプーリ(640)に近似しており、以前に記載した構成を参照されたい。機械技術分野の当業者に明らかなように、プーリ(740)とタイミングベルト(742)により、駆動シャフト(716)の回転がボールスクリュシャフト(728)に伝えられる(impart)。センサピン(744)が、ピストン位置決め装置(704(1))のピストン位置決め部材(706)のピストン駆動要素(718)の基端部(724)に配備されたカラー部(747)から上向きに延びるのが好ましい。センサピン(744)は支持壁(712)の基端部に取り付けられたホームセンサ(746)と係合するように位置して、流体ポンプ装置(100)の各流体ポンプ(160)内の挿入ピストン(164)の「ゼロ」又は「ホーム」位置の表示を付与する。従って、そのような2つのホームセンサ(746)が、駆動システム(700)について、各流体ポンプアクチュエータ(702)につき存在し、各流体ポンプ(160)内の挿入ピストン(164)の「ゼロ」又は「ホーム」位置のセンサ情報を得る。
以前に記載した駆動システム(600)とは対照的に、各流体ポンプアクチュエータ(702)は修正された又は第2のピストン位置決め装置(704(2))を具え、該第2のピストン位置決め装置(704(2))は、以前に記載されたピストン位置決め装置(604)、及び直前の開示に記載されたピストン位置決め装置(704(1))とは異なる。第2の又は修正されたピストン位置決め装置(704(2))は、流体ポンプ装置(100)の流体ポンプ(160)内のスリーブピストン(162)に繋がるように略構成される。ピストン位置決め装置(704(2))は、ピストンインターフェイス及びスリーブピストン(162)、特にスリーブピストン(162)に連繋した2重の又はダブルリム端部フランジ(180)と繋がる支持構造(748)を具える。以前に記載したように、端部フランジ(180)は、介在空間(214)を形成する2つの離れたリムフランジ要素(212)を具える。ピストンインターフェイス構造(748)は、リムフランジ要素(212)間の介在空間(214)に係合するように構成されたU字形のサドル要素(750)を具える。サドル要素(750)は、サドル要素(750)と後部支持板(752)間に延びるガイドレール(736)に接続され、ガイドレール(736)によって少なくとも片側が支持される。後部支持板(752)は駆動モータ(714)のモータハウジング(715)の後部又は基端側に取り付けられるのが望ましく、ピストンインターフェイス構造(748)の一部と考えられる。後部支持板(752)は凹んだ空洞(756)を形成する円筒状の支持部(754)を構成し、該空洞はピストン駆動要素(718)の基端部(724)を通り、又は基端部の制限された入口を通ることができるサイズである。後部支持板(752)は空洞(756)内に、ボールスクリュシャフト(728)の通過を許す開口(図示せず)を形成し、ボールスクリュシャフト(728)はプーリ(740)と作動可能に繋がる。ガイドレール(736)は先端部が、後部支持板(752)の円筒状の支持部(754)に取り付けられる(affixed)。駆動システム(600)について記載されたのと類似した方法で、スラストワッシャ(632)に近似したスラストワッシャ(757)、及びスラストワッシャ(757)の背後に位置する関係するベアリング(図示せず)が用いられて、後部支持板(752)の開口(図示せず)内にボールスクリュシャフト(728)を回転可能に支持する。ピストンインターフェイス構造(748)は更に、ガイドレール(736)と対向し、サドル要素(750)の両側間を延び、基端部に延びて後部支持板(752)に接続される(図示せず)のが望ましい支持レール(758)を具え、同様に駆動システム(700)のピストンインターフェイス構造(748)の一部と考えられる。
ピストン位置決め装置(704(1))(704(2))は、駆動モータ(714)及び駆動モータ(714)のモータハウジング(715)に取り付けられた要素、例えばピストンインターフェイス構造(748)を支持すべく配備されたスレッドキャリッジ(760)上に支持される。スレッドキャリッジ(760)は、先端部(762)と基端部(764)を具え、先端部(762)から基端部(764)を通る中央開口(766)を形成する。示すように、後部支持板(752)とスレッドキャリッジ(760)の基端部(764)間の機械的接続によって、駆動モータ(714)はスレッドキャリッジ(760)に取り付けられる。支持ブロック(765)がまた、駆動モータ(714)のモータハウジング(715)をスレッドキャリッジ(760)に機械的に取り付けるのに用いられる。スレッドキャリッジ(760)の対向する両側(768)は夫々、1又は2以上のレール要素(770)を具え、センサ板(772)がスレッドキャリッジ(760)の少なくとも一側部(768)上に配備される。センサ板(772)は、ここで記載したホームセンサと結合して作動可能であり、おそらくはスレッドキャリッジ(760)の位置及び動作を追跡し及び/又はその他の目的に使用され得る更なる位置センサと結合して作動可能である。更に、図示しないが、ボールスクリュナットが中央開口(766)に配備され、又は中央開口(766)の内側に配備され、またここで開示したスレッドボールスクリュシャフトと繋がって、本実施例内のスレッドキャリッジ(760)の平進運動を生じさせる。
スレッドキャリッジ(760)は、スレッド駆動システム(780)に結合され、且つスレッド駆動システム(780)によって駆動されて、スレッドキャリッジ(760)の平進運動、それ故に、スレッドキャリッジ(760)に支持される全ての要素の平進運動を達成する。スレッド駆動システム(780)は流体ポンプアクチュエータ(702)と同様の要素である。スレッド駆動システム(780)は、2つの直立する壁、即ち先端壁(784)と基端壁(786)を有するベース部(782)を具える。ベース部(782)はポンプ室(24)の支持ベース(708)にしっかりと取り付けられているのが望ましい。側壁(788)は先端部及び基端部の壁(784)(786)に接続され、端部壁(784)(786)及び側壁(788)は、スレッドキャリッジ(760)をその中に受け入れる受け入れ空洞(790)を形成する。各側壁(788)は、レール要素(770)を対応するスレッドキャリッジ(760)の側壁(768)上に係合させる結合トラック(792)を形成する。センサ支持チャンネル(794)は、1つの側壁(788)から外向き側方に延びるのが望ましい。センサ支持(794)は、スレッド駆動ホームセンサ(796)及び後部又は基端部位置センサ(798)を支持する。スレッドキャリッジ(760)が受け入れ空洞(790)内に受け入れられた状態で、センサ板(772)はホームセンサ(796)と基端部センサ(798)との間に形成された介在空間(800)に配備され、それ故、スレッドキャリッジ(760)の十分な前方及び後方の動きにより、センサ板(772)がホームセンサ(796)及び基端部センサ(772)を夫々作動させる。特に、センサ板(772)はホームセンサ(796)と繋がって、スレッドキャリッジ(760)の「ゼロ」又は「ホーム」位置を決定し、従ってスリーブピストン(162)の「ゼロ」又は「ホーム」位置を識別することは明らかであろう。更に、駆動システム(600)のセンサピン(644)及びホームセンサ(646)について記載されたのと同じ方法で、センサピン(744)はホームセンサ(746)に繋がって、挿入ピストン(164)の「ゼロ」又は「ホーム」位置を識別する。両ホームセンサ(746)(796)及びそれらのセンサピン(744)及びセンサ板(772)に対する相互作用は、更にここに記載される。
スレッド駆動ボールスクリュシャフト(802)は、基端壁(786)の前側に配備されたベアリング板(804)によって、ベース部(782)から上向きに延びた後部又は基端部の壁(786)の開口(図示せず)内の開口に支持される。スレッドボールスクリュシャフト(802)は、従来の方法で、モータ駆動シャフト(図示せず)を介して、スレッド駆動モータ(806)によって作動可能に係合し駆動される。スレッド駆動モータ(806)は、スレッドボールスクリュシャフト(802)を駆動すべく、後側又は基端部の壁(786)に取り付けられる。前開口(808)が前部又は先端部の壁(784)に配備されて、スレッドボールスクリュシャフト(802)の駆動時に、スレッドボールスクリュシャフト(802)の先端部(810)が通過することができる。スレッドキャリッジ(760)がスレッド駆動システム(780)に繋がっているとき、スレッドボールスクリュシャフト(802)は、スレッドキャリッジ(760)内の中央開口(766)内に延び、中央開口(766)内に配備され又は形成されたボールスクリュナット(図示せず)に回転可能に係合する。内部ボールスクリュナットを具えたスレッドキャリッジ(760)の概略図は、図28に示される。従って、スレッド駆動モータ(806)が作動中は、スレッドモータ駆動シャフト(図示せず)の回転により、スレッドボールスクリュシャフト(802)が回転する。示すように、スレッドモータ駆動シャフトは従来の方法によって、スレッドボールスクリュシャフト(802)に直接結合される。スレッドボールスクリュシャフト(802)が、スレッド駆動モータ(806)によって伝えられる駆動力を受けているときは、スレッドボールスクリュシャフト(802)とスレッドキャリッジ(760)の中央開口(766)に繋がったボールスクリュナットとの回転可能な螺合係合により、スレッドキャリッジ(760)は受け入れ空洞(790)内を平進する(先端部に前進又は基端部に後進)。スレッド駆動モータ(806)の動作によるスレッドボールスクリュシャフト(802)の回転は、図30の矢印Rにて示され、スレッドキャリッジ(760)に伝えられて生じる前方及び後方の動きは、図示の目的から、図30に矢印Tで示される。スレッドキャリッジ(760)の平進運動は、同時にピストン位置決め装置(704(1))(704(2))の種々の要素を動かすことは、これらの要素がスレッドキャリッジ(760)に取り付けられているから、明らかであろう。スレッドキャリッジ(760)の側部(768)上のレール要素(770)と側壁(788)の結合トラック(792)との係合は、スレッドボールスクリュシャフト(802)に伝えられる回転動作が、受け入れ空洞(790)内のスレッドキャリッジ(760)を回転させ又は持ち上げることを阻止する。従って、スレッドボールスクリュシャフト(802)とスレッドキャリッジ(760)内の内部ボールスクリュナットとの螺合係合により、スレッド駆動モータ(806)によって伝えられる回転動作は、受け入れ空洞(790)内のスレッドキャリッジ(760)の平進運動、受け入れ空洞(790)内の先端部への前進又は基端部への後進に変換される。
特に図35A−図35Bを参照して、流体ポンプ装置(100)が駆動システム(700)に繋がっているときは、夫々の隣接する流体ポンプアクチュエータ(702)は、流体ポンプ装置(100)内の夫々の隣接する流体ポンプ(160)に繋がる。この関連に於いて、各流体ポンプアクチュエータ(702)について、ピストン位置決め装置(704(1))は対応する挿入ピストン(164)に繋がる。このインターフェイス接続は、ピストン位置決め装置(704(1))内のピストン駆動要素(718)の先端部(720)にて、挿入ペグ(722)を対応する挿入ピストン(164)のピストンロッド(196)の駆動インターフェイス部(198)内のインターフェイス開口(200)に挿入することによりなされる。同様に、各流体ポンプアクチュエータ(702)内の第2のピストン位置決め装置(704(2))は、対応するスリーブピストン(162)に繋がる。このインターフェイス接続は、各スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)の端部フランジ(180)上のリムフランジ要素(212)を、各ピストン位置決め装置(704(2))内のピストンインターフェイス構造(748)と連繋させることによってなされる。特に、各ピストン位置決め装置(704(2))について、ピストンインターフェイス構造(748)のU字形のサドル要素(750)は、対応するスリーブピストン(162)の端部フランジ(180)上のリムフランジ要素(212)間に係合され、2つの離れたリムフランジ要素(212)間の介在空間(214)に係合する。この係合は、流体ポンプ装置(100)の流体ポンプ(160)に繋がった各スリーブピストン(162)に配備される。一旦、流体ポンプ装置(100)が駆動システム(700)に繋がると、隣接した流体ポンプアクチュエータ(702)は夫々、流体ポンプ装置(100)内の流体ポンプ(160)を作動させる。
作動時に流体ポンプ装置(100)を支持するため、更にベース部材(104)と流体ポンプ(160)間に流体が略漏れないシールが存在すべく、流体ポンプ(160)に繋がった流体シール要素(120)上の十分な圧力を維持する為に、ポンプ支持及びシール装置(820)は駆動システム(700)内に組み込まれる。ポンプ支持装置(820)は流体ポンプ装置(100)の略下側に位置して、下側から流体ポンプ装置(100)を支持する。一般に、ポンプ支持装置(820)は2つの階段状のプラットフォーム(822)を具え、プラットフォームはテーブル形状の支持部(824)と天板(826)を具える。支持部(824)は機械的な取付け方法等によって、ポンプ室(24)内の支持ベース(708)に取り付けられる。
複数のスプリングバックされたローラ(830)が、天板(826)に形成された各開口(832)に配備される。各スプリングバックされたローラ(830)は、ローラホルダ(834)、ローラ要素(836)、及び支持又は裏当てバネ(838)を具える。示すように、天板(826)は、テーブル支持部(824)の天面(840)から離れており、支持又は裏当てバネ(838)はこの開口領域(842)内に配備されている。個々のバネ支持ガイド(844)が支持部(824)の天面(840)に配備されて、個々のローラホルダ(834)を支持する個々の支持バネ(838)の圧縮と伸張を支持するのが望ましい。一般的に、スプリングバックされたローラ(830)は、流体ポンプ(160)内、特に図25−図26について記載された流体ポンプ装置(100)内の各スリーブピストン(162)のインターフェイス部(172)から、ぶら下がり又は下向きに延びる、ぶら下がりフランジ(190)と係合するように配備される。従って、スプリングバックされたローラ(830)は、各流体ポンプ(160)内のピストン(162)(164)の往復動作時に、各流体ポンプ(160)内のスリーブピストン(162)を支持する。前記記載したポンプ支持装置(820)は、図1−図20について記載した流体ポンプ装置(100)を支持する、駆動システム(600)について記載されたポンプ支持構造(652)の代わりに配備され得ることが判るだろう。そのような修正が、駆動システム(600)についてされたならば、流体ポンプ装置(100)の以前の実施例のスリーブピストン(162)に関するぶら下がりフランジ(190)は、図26に示すスリーブピストン(162)と同じ方法で、スリーブピストン(162)の長手に沿って延びる。
動作に於いて、スプリングバックされたローラ(830)が、ぶら下がりフランジ(190)との接触係合により、流体ポンプ(160)内の各スリーブピストン(162)の底面に直に力を加える。スプリングバックされた又はロードされたローラ(830)により、スリーブピストン(162)が低摩擦で軸方向に動くことが出来る。スプリングバックされた又はロードされたローラ(830)を用いるにより、流体ポンプ装置(100)内の製造公差の影響は最小となる。スプリングバックされた又はロードされたローラ(830)は、スリーブピストン(162)の実際の位置又はそれらの壁厚に関係なく、スリーブピストン(162)と接するまで、上向きに「押され」るように構成される。
更に、流体ポンプ(160)の動作時に、流体ポンプ(160)に繋がった流体シール要素(120)にポンプ支持装置(820)が十分な圧力を加えることを確実にすべく、カバー板(846)が流体ポンプ装置(100)のマニホールドキャップ(132)に係合して配置される。そのようなカバー板(846)は、ポンプ支持装置(820)及びスプリングバックされた又はロードされたローラ(830)によって加えられる上向きの力が流体シール要素(120)に直に加えられることを確実にする。カバー板(846)が存在しなければ、この上向きの力は、ピストン(162)(164)間の挿入係合をおそらくズレさせ、流体ポンプ(160)の動作を低下させる。カバー板(846)は、ポンプ室(24)内の対向する支持壁(710)(712)間を延びる2つの側方支持梁(850)(852)に取り付けられ、それによって、支持梁(850)(852)はポンプ室(24)の一部を構成する。示すように、支持梁(850)(852)は夫々内部出っ張り(854)を形成し、該出っ張りへ流体ポンプ装置(100)のポンプハウジング(102)のベース部材(104)の側部(112)が、機械的接続等によって取り付けられる。所望ならば、カバー板(846)は、ポンプ室(24)の囲みカバーの一部として一体化され、囲みカバーがポンプ室(24)を囲むカバー位置にあるとき、ポンプ室(24)はマニホールドキャップ(132)の天面に着座する。そのような囲みカバー、例えばヒンジ接続された囲みカバーは、ポンプ室(24)の対向する支持壁(710)(712)間に形成された開口領域を少なくとも覆うのが理想的である。カバー板(846)は更に、マニホールド部(126)がシステムの圧力下、撓まないようにする。
以前に記載したように、図25−図26に示す実施例に従った流体ポンプ装置(100)は、流体ポンプ(160)の動作に関し、駆動システム(700)によって同じ側又は端部からとの点のみが、図1−図20について記載され駆動システム(600)によって作動される流体ポンプ装置(100)とは異なる。従って、図25−図26に示す実施例に従った流体ポンプ装置(100)は、図14−図20について記載された動作手順と同じ方法で作動する。従って、動作に於いて、駆動システム(700)は、図25−図26の流体ポンプ装置(100)を以前に記載したのと同様の方法で作動させ、一方の流体ポンプ(160)が流体で充填されている一方、他方の流体ポンプ(160)が患者流路(12)内へ流体を排出している(逆も可能である)。駆動システム(700)は、各流体ポンプアクチュエータ(702)が以前に記載したのと同様の方法で制御装置によって独立して制御されることを許す。各流体ポンプアクチュエータ(702)がピストン位置決め装置(704(1))(704(2))を具えているので、これらの装置は制御装置によって独立して制御される。駆動システム(700)の基本的な動作手順に於いて、制御装置は1つの流体ポンプアクチュエータ(702)に繋がったスレッド駆動モータ(806)を作動させて、スレッドキャリッジ(760)の中央開口(766)内のスレッドボールスクリュシャフト(802)を回転させる。以前に記載したように、スレッドボールスクリュシャフト(802)と、中央開口(766)内に配備された対応するボールスクリュナットとの間の螺合係合により、スレッドキャリッジ(760)は平進運動を示す。この平進運動は、スレッドキャリッジ(760)上に取り付けられたピストンインターフェイス(748)を介して、スリーブピストン(162)に伝えられる。記載したように、U字形のサドル要素(750)は、スリーブピストン(162)の端部フランジ(180)上のリムフランジ要素(212)に係合して、ピストン位置決め装置(704(2))をスリーブピストン(162)に作動可能に接続する。後部支持板(752)、駆動モータ(714)のモータハウジング(715)、及び支持ブロック(765)を介して、ピストンインターフェイス構造(748)とスレッドキャリッジ(760)間に固定した接続が存在するので、スリーブピストン(162)の平進運動は、スレッド駆動モータ(806)が作動されると、同時に生じる。
ピストン位置決め装置(704(1))はまた、後部支持板(752)及び非回転カラーとガイドレール(736)の係合によって、スレッドキャリッジ(760)上に取り付けられるから、ピストン位置決め装置(704(1))の種々の要素はまた、ピストン位置決め装置(704(2))と同期して動き、ピストン(162)(164)は同様の平進運動を示す。ピストン(162)(164)間に相対的な動きがないから、ピストン(162)(164)が一緒に動くとき、流体はポンプ室(192)内に引き込まれない。スレッドキャリッジ(760)は、スレッド駆動モータ(806)の動作によって、スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内のスリーブ開口又はポート(176)が、所望のマニホールド入口ポート(146)と一直線になるまで、動かされる。スレッドキャリッジ(760)の位置は一定に保持される一方、挿入ピストン(164)はピストン位置決め装置(704(1))の作動によって引き込まれ、ポンプ室(192)が選択されたマニホールド入口ポート(146)からの流体で充填される。ピストン位置決め装置(704(1))が以前に記載したピストン位置決め装置(604)と同一であるので、ピストン位置決め装置(704(1))の動作はまた同じである。要するに、ピストン位置決め部材(706)の動きを達成すべく、駆動シャフト(716)は駆動モータ(714)によって駆動され、この回転運動はタイミングベルト(742)を介してボールスクリュシャフト(728)に取り付けられたプーリ(740)に伝えられる。ボールスクリュシャフト(728)が回転すると、ボールスクリュナット(730)は、ボールスクリュシャフト(728)に沿って平進し、ピストン(164)の平進線形運動を達成し、選択されたマニホールド入口ポート(146)からポンプ室(192)へ流体を引き込む。
更なるマニホールド入口ポート(146)を選択するのが望ましいならば、スレッドキャリッジ(760)は、スレッド駆動モータ(806)の動作によって、受け入れ空洞(790)内を先端部又は基端部に動き、それはスリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内のスリーブポート(176)が次の所望のマニホールド入口ポート(146)と一直線上になった状態にスリーブピストン(162)が位置するような制御装置の命令の下で行われる。次の所望のマニホールド入口ポート(146)に達すると、例えば制御装置によって、ピストン位置決め装置(704(1))のみが作動し、ピストン(164)はスリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内で引き込んで、第2の選択されたマニホールド入口ポート(146)を介して、ポンプ室(192)内に流体を引き込む。
一旦、同様の又は異なる流体の所望の流体量がポンプ室(192)内に存在すると、スレッドキャリッジ(760)は以前に記載した方法でスレッド駆動モータ(806)の動作によって移動し、スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内のスリーブポート(176)は所望のマニホールド入口ポート(146)、一般的には患者流路(12)に繋がったマニホールド出口ポート(146)と一直線上にある。記載したように、スレッドキャリッジ(760)が両ピストン位置決め装置(704(1))(704(2))の要素を取り付けるので、スレッドキャリッジ(760)の平進移動時に、ピストン(162)(164)間に相対的な動きはなく、流体はスレッドキャリッジ(760)の平進移動時に、スリーブピストン(162)のスリーブ部(170)から吐出されない。所望のマニホールド出口ポート(146)に達すると、ピストン位置決め装置(704(1))のみが制御装置によって駆動され、ピストン(164)がスリーブピストン(162)のスリーブ部(170)内に挿入し、ポンプ室(192)からスリーブポート(176)を介して、選択されたマニホールド出口ポート(146)に流体を吐出する。隣接した又は第2の流体ポンプ(160)は同様に作動するが、以前に記載したように、「第1の」流体ポンプ(160)の動作とは、相が一致せず又は「交互に作動し」、略一定流れが、流体ポンプ装置(100)によって略付与される。
流体ポンプ(160)を正確に制御する制御装置について、初期又は開始モード又は手順にて、両ピストン(162)(164)はセンサ板(772)がホームセンサ(796)を作動させるまで、空洞(790)内を先端部前へ一緒に動くように作動する。ホームセンサ(796)は例えば、赤外線LED及びフォトセンサを用いてセンサ板(772)の存在を検知する。このホームセンサ(796)の動作は、スレッドキャリッジ(760)の「ゼロ」又は「ホーム」位置を示し、それ故に制御装置についてスリーブピストン(162)の「ゼロ」又は「ホーム」位置を示す。制御装置によるスレッド駆動モータ(806)の動作により、スレッドキャリッジ(760)が固定状態を保持した状態で、それによって、スリーブピストン(120)が静止状態に保持された状態で、ピストン位置決め装置(704(1))は制御装置によって作動されて、センサピン(744)が関連するホームセンサ(746)に係合し作動させるまで、挿入ピストン(164)を動かす。ホームセンサ(746)は、再度赤外線LED及びフォトセンサを用いて、ピストン位置決め装置(704(1))のピストン位置決め部材(706)のピストン駆動要素(718)上のカラー部(747)に取り付けられたセンサピン(744)の存在を検知する。この点から、コンピュータに基づく制御装置は、両ピストン(162)(164)の「ゼロ」又は「ホーム」位置が既知であるので、ピストン(162)(164)の位置の軌跡を保持する。
駆動システム(700)は幾つかの利点を有し、それは各ピストン位置決め装置(704(1))に繋がる駆動モータ(714)及びプーリ(740)及びタイミングベルト(742)の組み合わせが、流体ポンプ(160)の作動時に直面する高い流体圧に対して、各流体ポンプ(160)内の挿入ピストン(164)を作動させるのに必要な大きな力について、最適化されることを含む。流体ポンプ(160)の動作時に、ピーク力は600lbsと同じ大きさである。挿入ピストン(164)が比較的遅く動くから、それらのピストン駆動(駆動モータ(714)及びプーリ(740)及びタイミングベルト(742)の組み合わせ)は、速度減速(プーリ及びベルトの適正化)を使用して、必要なモータトルクを減じる。更にスレッド駆動モータ(806)は、高速であるが小さな力でスレッドキャリッジ(760)を駆動するように最適化される。スレッド駆動モータ(806)は、駆動システム(700)の摩擦と慣性に打ち勝つ十分な力を生み出すことだけが必要とされ、流体ポンプ(160)内の挿入ピストン(164)を作動させるのに必要な大きな力を普通は被らない。必要なモータトルクが低いから、スレッド駆動モータ(806)は、速度減速なしに、スレッドボールスクリュシャフト(802)に直に結合される。従って、流体ポンプ(160)内の挿入ピストン(164)に繋がった駆動要素は一般に大きな力と低速で動き、流体ポンプ(160)内のスリーブピストン(162)に繋がった駆動要素は、低い力と高速で動く。更に駆動モータ(714)とスレッド駆動モータ(806)は、正確に同期する必要はない、何故なら両ピストン位置決め装置(704(1))(704(2))はスレッドキャリッジ(760)上に普通に取り付けられ、駆動モータ(714)に電圧が加えられなければ、ピストン(162)(164)間に相対的な動きが無く、この構成により、動作時の流体ポンプ装置(100)の流体量の正確さが向上する。
流体ポンプ装置(300)の他の実施例は、図36−図48に示され、ポンプ装置は流体輸送システム(10)の一部として用いられ得る。従って、流体輸送システム(10)は、流体ポンプ装置(300)と、該流体ポンプ装置(300)の移動可能な要素を作動させるのに用いられる動力を付与する前記の駆動システム(700)を具える。代替例として、流体ポンプ装置(300)はまた図49−図64についてここに記載された駆動システム(700)の修正されたバージョンと繋がり、駆動システム(900)として識別される。駆動システム(700)又は駆動システム(900)とともに作動する流体ポンプ装置(300)の適応例はここに記載される。再び、流体ポンプ装置(300)の望ましい特徴は、流体ポンプ装置(300)を使い捨て要素、例えば使い捨てのカートリッジ、カセット又はユニットとして付与して、流体ポンプ装置は再使用可能な駆動システム(700)(900)と繋がって、1回使用又は別個の回数使用後、処分される。
流体ポンプ装置(300)は再び、ポンプハウジング(302)と1又は2以上の流体ポンプ(360)を具えた多数の要素の装置であり、流体ポンプ(360)は流体ポンプ装置(300)の移動可能な要素を構成して、圧力下で流体を図1Bに示す患者流路(12)のような所望の最終地点まで輸送する。図1Bについて示され、種々のバルク流体源を流体ポンプ装置(100)に繋ぐのに用いられる流路要素は、流体ポンプ装置(300)について用いられるのに等しく適している。ポンプハウジング(302)は、図1Bについて記載した流路要素に接続する接続点と同様に、流体ポンプ装置(300)の移動可能な要素、即ち流体ポンプ(360)の支持要素又は構造として役立つ。ポンプハウジング(302)は、略板形状のベース部材(304)を具える。流体ポンプ装置(100)の以前の実施例に於いて、別個のマニホールドキャップ(132)がベース部材(104)に取り付けられ、従って、ベース部材(104)とマニホールドキャップ(132)は多数の要素のポンプハウジング(102)を構成した。この開示で以前に、これらの要素、即ちベース部材(104)及びマニホールドキャップ(132)が一体的に形成されて、ポンプハウジング(302)が一体構造であることが認識された。ポンプハウジング(302)は一実施例に於けるそのような一体構造の例である。ベース部材(304)は射出成形のプラスチック要素として形成されるのが望ましい。それにも係わらず、ポンプハウジング(302)を形成するベース部材(304)(及びここに記載されたように、それに加えて繋がるマニホールド要素)は或いは、個々の要素又は断片として形成され、それらは超音波溶着、レーザ溶着、粘着、溶剤結合のような適切な組み立て方法、機械的な直接取り付け及び同等の方法によって一緒に組み合わされて、ポンプハウジング(302)を形成する。
ベース部材(304)はあらゆる適切な望ましい構成を有し、そのような構成の1つは、略板形状の構成要素又は要素であり、1又は望ましくは少なくとも2つの隣接した略平行で幾分か平坦な空洞(306)を形成する。略平坦な空洞(306)は、2つの同等な流体ポンプ(360)を受け入れるように構成される。図示されたベース部材(304)の構成は、2つの近似した流体ポンプ(360)を受け入れるベース部材(304)の下側又は底側に形成された2つの隣接した平坦な空洞(306)を具えるが、再びこの図示は、ベース部材(304)が、その中に更なる又は幾つかの各流体ポンプ(360)を受け入れる更なる又は幾つかの平坦な空洞(306)を形成する可能性を制限することを意図していない。そのような代替構成は、流体ポンプ装置(100)の種々の実施例について以前に記載されており、この代替構成を実施するには以前の開示を参照されたい。簡潔化と便宜の為、以下の記載は、流体ポンプ装置(300)の限定されない実施例として、2つの同様の流体ポンプ(360)を具えた流体ポンプ装置(300)を記載する。流体ポンプ装置(100)の以前の実施例と対照的に、平坦な空洞(306)は、以前に記載した略凹んだ空洞(106)と繋がる流体ポンプ(160)と稍異なる構成を有する流体ポンプ(360)と繋がることを意図している。流体ポンプ装置(300)の更なる特徴又は要素の空間的な向きを説明する目的から、ベース部材(304)は再び第1又は上側(308)、第2又は底側又は下側(310)を有すると考えられる。各平坦な空洞(306)は、下側(310)からぶら下がる2つの略平行な側壁(312)間に形成される。
流体ポンプ(360)のベース部材(304)との連繋を維持すべく、ベース部材(304)は複数の個々の取付け部材(314)を具え、取付け部材(314)はベース部材(304)の底又は下側からぶら下がった側壁(312)からぶら下がっている。示された実施例にて、各側壁(312)は代表的な構成として、2つのぶら下がった取付け部材(314)を有し、従って、4つのそのような取付け部材(314)は各流体ポンプ(360)をベース部材(304)に支持するのに用いられ、その一方、流体ポンプ(360)の要素がベース部材(304)に対してスライド往復移動することを許す。各取付け部材(314)は、流体ポンプ(360)上のリップ、リブ、フランジ、縁等の協働構造に係合して、流体ポンプ(360)の要素がベース部材(304)に対してスライド往復移動することを許す先端タブ要素(316)を具えている。取付け部材(314)上のタブ要素(316)は互いに内側を向き、取付け部材(314)は個々の側壁(312)上で離れている。取付け部材(314)はぶら下がりのタブ状構造として略示されるが、これらは他の支持構成に置換され得る。例えば、所望ならば、取付け部材(314)は、平坦な空洞(306)を形成するベース部材(304)の対向する側壁(312)に沿って連続してもよい。
以前の実施例の如く、流体シール要素(320)が、各平坦な空洞(306)内の受け入れ凹部又は溝に配備されるのが望ましく、各平坦な空洞(306)内に配備されたベース部材(304)と流体ポンプ(360)間にシール関係を配備するのに用いられる。このように、略流体シール係合が流体ポンプ装置(300)の作動中に、各平坦な空洞(306)内の流体ポンプ(360)とベース部材(304)間に配備される。1つの望ましい構成に於いて、流体シール要素(320)は複数のOリングを具え、Oリングは例えば平坦な空洞(306)内のベース部材(304)に、ベース部材(304)を形成するのに用いられる一般的な射出成形工程に続いて重ねて成形される方法で、重ねて成形される。以前に記載されたのと同様の方法で、この開示内のベース部材(304)は、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はサイクロオレフィンポリマー(COP)のような堅い又は剛性のプラスチック材から形成される。流体シール要素(320)は一般的に、熱可塑性エラストマー(TPE's)、熱可塑性ポリウレタン(TPU's)のようなエラストマー材、又はニトリルゴム又はエチレンプロピレンモノマーゴム(EPDM)のような熱成形ゴムから形成される。ポリプロピレン、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン(UHMW)又はポリテトラフルオロエチエン(PTFE)のようなフルオロポリマーのような柔軟なプラスチック材が、シール要素(320)に用いられ得る。更に、ニトリルゴム(アクリロニトリルブタジエンゴム)又はエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)のような熱硬化性ゴムもシール要素(320)に用いられる。
ベース部材(304)は更に、上側(308)上でベース部材(304)の対向する端部(322)(324)間の略中央に、一体化したマニホールド部(326)を具える。マニホールド部(326)はベース部材(304)の上側(308)から上向きに延び又は略起立し、複数の個々の流体チャンネルを具える流体チャンネルバンク(328)を形成する。流体チャンネルバンク(328)の個々のチャンネルは、マニホールド部(326)を略形成する一連の個々の起立した壁(330)によって形成される。以前の実施例の如く、マニホールドキャップ(332)は流体チャンネルバンク(328)を囲むのに用いられるが、述べたように、本実施例では、マニホールドキャップ(332)はマニホールド部(326)及び、それ故に、ベース部材(304)と一体に形成される。しかし、所望ならば、マニホールドキャップ(332)は別個の要素として形成され、起立した壁(330)に結合されて、流体チャンネルバンク(328)を囲む。以前の実施例とは対照的に、マニホールドキャップ(332)は、一連の上向き開口又は「天面の」流体ポートを構成しない。本実施例に於いて、マニホールド部(326)は、起立した壁(330)及びマニホールドキャップ(332)によって形成される側部が開口した一連の流体ポート(336)を具え、側部の流体ポート(336)は更にここに記載される。
本実施例に於いて、ベース部材(304)のマニホールド部(326)の側部の流体ポート(336)は一対のマニホールド側部キャップ(338)に係合するように構成されている。そのようなマニホールド側部キャップ(338)は、起立した壁(330)によって形成されるマニホールド部(326)の略開口した側部及びマニホールド部(326)に係合するように構成される。マニホールド側部キャップ(338)は、以前に概略が示された結合技術の何れか、即ち、超音波溶着、レーザ溶着、粘着、溶剤結合の何れか、機械的な直接取り付け及び同等の方法によって、ベース部材(304)のマニホールド部(326)に結合され得る。添付の図面から、流体チャンネルバンク(328)は、起立する壁(330)によって形成され、マニホールドキャップ(332)によって囲まれる、複数の個々の流体通路又はチャンネル(340)を具えることは明らかであろう。側部流体ポート(336)は、各流体通路又はチャンネル(340)に側部開口を付与する。添付の図面に於いて、各流体通路(340)は再び本実施例に於いて、流体通路に関する流体のタイプに関する識別子、即ち第1のタイプの造影剤A1、A2の濃度又はブランド、別のタイプの造影剤B1、B2の濃度又はブランド、及びバルク生理食塩水S1、S2の2つの異なる源を付与し、隣の流体通路(340)から1の流体通路(340)を識別するのを容易にし、 従って、流体ポンプ装置(300)の基本的動作は、以前の実施例の流体ポンプ装置(100)から代わらないことは明らかであろう。一対のマニホールド開口又は開口(342)は、各流体通路(340)内のベース部材(304)に形成され、各流体通路(340)と平坦な空洞(306)に係合した各流体ポンプ(360)間で流体が流通する。以前に記載したように、示された実施例の流体ポンプ装置(300)は2つの流体ポンプ(360)を具え、従って、2つのマニホールド開口(342)が各流体通路(340)に配備されて、各流体ポンプ(360)と流体が流通可能となる。しかし、以前に示したように、この構成は説明の目的の為であり、2つを超える流体ポンプ(360)であってもよい。そのような構成に於いて、ベース部材(304)は、更なる又は幾つかの追加の平坦な空洞(306)を形成し、マニホールド部(326)は、この更なる又は幾つかの追加の平坦な空洞(306)、及び添付の又はここで配備された関係する流体ポンプ(360)を囲むように拡張され得る。
上記で説明したように、マニホールド側部キャップ(338)は、マニホールド部(326)の略開口した側部に係合するように構成されている。特に、マニホールド側部キャップ(338)はマニホールド部(326)の開口した側部を流体が漏れないようにシールするのに用いられる。マニホールド側部キャップ(338)は、交換可能であることを意図しておらず、従って、左右のマニホールド側部キャップ(338)が配備されるが、マニホールド部(326)は所望ならば、交換可能なマニホールド側部キャップを受け入れるように構成され得る。それにも係わらず、左右のマニホールド側部キャップ(338)は略同じ構成を有し、各々はマニホールド部(326)内の各側部流体ポート(336)を具えた一連のマニホールドポート(346)を形成又は規定する複数の外向きに対向する又は突出する円筒状要素(344)と、マニホールド部(326)の残りの側部流体ポート(336)と係合して、そのような残りの側部流体ポート(336)をブロック又は流体が漏れないようにシールする複数の内向きに対向する又は窪んだ突部(347)を具える。突部(347)はまた、各流体通路(340)内に存在する「デッド」量を減じる。マニホールドポート(346)には、関連する流体通路(340)に割り当てられたポートに対応する流体識別子(造影剤A1、A2、異なるタイプの造影剤B1、B2、バルク生理食塩水S1、S2)が与えられる。
添付の図面から理解されるように、示された実施例では、マニホールド側部キャップ(338)がマニホールド部(326)の左右側部に繋がって設置された状態で、3つのマニホールドポート(346)がマニホールド部(326)の各側部に配備され、その一方、各残りの側部流体ポート(336)は、マニホールド側部キャップ(338)上の各突起(347)に設置される。マニホールド側部キャップ(338)はベース部材(304)に取り付けられて、本開示の以前に記載した種々の結合方法によって、マニホールド部(326)の開口側部に流体が漏れないようにシールされる。
以前に記載したように、以前の実施例と対照的に、流体シール要素(320)はOリングを含む。本実施例に於いて、複数の流体シール要素(320)、即ちOリングは、ベース部材(304)の下側又は底側(310)に形成された凹部又は溝(348)内に位置するのが望ましい。特に各環状又は周縁の凹部又は溝(348)は、ベース部材(304)に形成された各マニホールド開口又は開口(342)の周りに形成されて、1つの流体シール要素(320)を受け入れ、これらの開口又は開口(342)を個別にシールする。ベース部材(304)は少なくとも一部が各マニホールド開口(342)を形成するぶら下がり内部リムフランジ(349)を具える。例えば1又は2以上のマニホールド開口(342)は各平坦な空洞(306)にて廃棄物ポート専用として傍らに置かれ、例えば適切な医療用廃棄流体コンテナ(図示せず)への廃棄流体ライン(22)によって自由に排出するように周縁シール構造を必要としないので、図38から1又は2以上のマニホールド開口(342)は、流体シール要素(320)を含む環状溝(348)は必要ではないことが明らかであろう。ベース部材(304)の下側(310)に更なる外側環状溝(350)が、各平坦な空洞(306)内にて一連の又は積み重なったマニホールド開口又は開口(342)の周りに配備され得て、空洞(306)はまたOリングタイプの流体シール要素(320)を受け入れて、マニホールド開口(342)の各「積み重なり」の周りの周囲をシールする。
また、以前の実施例とは対照的に、専用の廃棄物出口ポート(352)と圧力センサポート(354)が、ベース部材(304)に形成され、各平坦な空洞(306)を形成したベース部材(304)の側部半体を接続する中央支持ブリッジ(356)に形成されるのが望ましい。廃棄物出口ポート(352)は、ベース部材(304)の下側(310)から延び又は突出するように形成され、適切な医療用廃棄物流体コンテナ(図示せず)に繋がる廃棄物流体ライン(22)上のコネクタと接続し又は繋がる。圧力センサポート(354)は同様にベース部材(304)の下側(310)に形成され、圧力センサ(図示せず)に繋がる流体導管ライン上のコネクタに接続される。例えば図42に示すように、患者出口ポート(358)はベース部材(304)の上側(308)上のマニホールド部(326)内に形成され、圧力センサポート(354)と同じ大きさ又は一致するのが望ましく、これは患者出口ポート(358)と圧力センサポート(354)とがマニホールド部(326)の同じ流体通路(340)に繋がることを意味する。ラベル付けの目的から、添付の図面に於いて、廃棄物出口ポート(352)に接続される流体通路(340)は、識別子「W」で識別され(即ち、340(W))、患者出口ポート(358)と圧力センサポート(354)に接続される流体通路は、識別子「P」で識別される(即ち、340(P))。前記の記載に鑑みて、圧力センサが圧力センサポート(354)に接続されるのが望ましく、システムの流体圧力を読むことができ、又はおそらくは血流力学的圧力センサが圧力センサポート(354)に接続され、例えば流体ポンプ装置(300)が作動動作でないときに、患者から血圧を読むことができる。ベース部材(304)の上側(308)上のマニホールド部(326)に配備された患者出口ポート(358)は、適切な医療用コネクタを介して、患者流路(12)に接続され又は繋がる。所望ならば、各マニホールド側部キャップ(338)の一部として逆止弁(359)が配備され、特にマニホールド側部キャップ(338)上の突起(347)に繋がる。逆止弁(359)は例えば、突起(347)と接続するように、二重成形工程によって形成され得る。逆止弁(359)は、廃棄物出口ポート(352)に接続された流体通路(340)、及び圧力センサポート(354)と患者出口ポート(358)に接続された流体通路(340)に繋がるのが望ましく、示すように、圧力センサポート(354)と患者出口ポート(358)は同じ流体通路(340)を共有している。逆止弁(359)は、廃棄物出口ポート(352)と患者出口ポート(358)からの逆流が、流体ポンプ(360)のポンプ室に入ることを防ぐ。
流体ポンプ(360)に戻り、流体ポンプ(360)は以前に略記載したように、ベース部材(304)内に形成された各平坦な空洞(306)内に位置する。各流体ポンプ(360)は2つの対向するピストン(362)(364)を具え、ここでは第1のピストン又はスリーブピストン(362)、及び第2のピストン又は挿入ピストン(364)と言及し、識別の目的に限定しない。各流体ポンプ(360)は同じピストン(362)(364)を有して同一であるので、以下の記載は流体ポンプ装置(300)に用いられるそのような流体ポンプ(360)の構造の概略を再び示す。示された実施例に於いて、対向するピストン(362)(364)は、ピストン(364)の少なくとも一部がスリーブピストン(362)内に配備され又は挿入されるように構成される。この目的から、スリーブピストン(362)は対向する第1端部(366)と第2端部(368)を具えた略円筒状の構成を有する。スリーブピストン(362)は、ピストン(364)が挿入され又は配備され、スリーブピストン(362)の第1端部(366)を形成し又は規定するスリーブ部(370)を略具える。スリーブピストン(362)は更に、スリーブ部(370)から延びる幾分か三角形のインターフェイス部(372)を具える。スリーブ部(370)は、スリーブ頂部の開口又はポート(376)を介してアクセス可能な内側空洞(374)を形成する。
スリーブピストン(362)は更に、矩形状の頂部(378)を具え、該頂部からスリーブ部(370)がぶら下がる。例えば図44A−図44Bからスリーブ部(370)は頂部(378)と一体であるのが望ましく、インターフェイス部(372)はスリーブ部(370)から延びて、頂部(378)の下側又は底側(380)に接続する。頂部(378)は示すように、凹み(cored)又は抉られて、複数の個々の逆向きに延びた室(382)を形成し、頂部(378)の剛性及び硬さを強化している。頂部(378)の頂側又は上側(384)は、2つの対向し、且つ長手方向に延びた隆起領域(386)を形成し、該領域の間に凹んだ中央領域(388)を形成する。この凹んだ中央領域(388)は、ポンプハウジング(302)のベース部材(304)に繋がった流体シール要素(320)を着座させることを意図している。隆起した側方領域(386)は、ポンプハウジング(302)のベース部材(304)の下側(310)に接し、流体シール要素(320)を形成するOリング用に、凹んだ中央領域(388)とベース部材(304)の下側(310)間に均一なギャップが存在することを確実にする。ノッチNが頂部(378)の側部に形成されて、取付け部材(314)がスナップフィット係合する箇所を付与し、流体ポンプ装置(300)の蓄積と輸送中に、スリーブピストン(362)を固定位置に取り付ける。示すように、各流体ポンプ(360)はベース部材(304)の平坦な空洞(306)内に配備されたそのスリーブピストン(362)の頂部(378)を有する。平坦な空洞(306)内に頂部(378)が配備された状態で、ベース部材(304)の下側(310)からぶら下がった側壁(312)は、スリーブピストン(362)の頂部(378)の側部又は縁(390)に隣接して配備される。ベース部材(304)からぶら下がった側壁(304)上の取付け部材(314)に配備されたタブ要素(316)は、頂部(378)の下側(380)に係合し、スリーブピストン(362)をベース部材(304)に取り付ける。この係合は、各流体ポンプ(360)をその平坦な空洞(306)内に略固定し、その一方、ベース部材(304)に対する各スリーブピストン(362)のスライド往復移動を許す。
以前に記載したように、挿入ピストン(364)はスリーブピストン(362)のスリーブ部(370)によって規定される内部空洞(374)にアクセスするように構成される。挿入ピストン(364)はスリーブピストン(362)のスリーブ部(370)内を往復移動可能であり、ピストン(364)がスリーブ部(370)内に配備された状態で、ピストン(362)(364)は協働して、流体ポンプ(360)の流体ポンプ室(392)を形成又は規定する。ピストン(364)はピストンヘッド(394)と基端部に延びるピストンロッド(396)を具える。ピストンロッド(396)は略X字形の構成を具え、駆動インターフェイスフランジ(398)を具えた基端部で止まり、駆動インターフェイスフランジは、示された実施例では、図49−図64についてここに記載した駆動システム(900)と繋がる略U字形のスロット(400)を形成するフランジリップ(399)を具える。駆動インターフェイスフランジ(398)は、略U字形のスロット(400)を形成するフランジリップ(399)に対向する硬い端部壁(401)を具える。駆動インターフェイスフランジ(398)は、ピストン(364)が駆動システム(900)のピストン取り付け又は接続要素と物理的に繋がり又は接続する箇所を提供し、駆動システムはピストン(364)を作動させ、且つスリーブピストン(362)に対してピストン(364)を動かすのに用いられる。ピストン(364)は、ピストンロッド(396)がここで記載された駆動システム(900)とともに作動するように構成されると示されるが、ピストンロッド(396)は、その代わり、本開示で以前に記載されたように駆動インターフェイス部(198)を具え、インターフェイス開口又は取付け開口(200)が以前に記載されたピストンロッド(196)と以前に記載された駆動システム(700)を繋ぐのに用いられる。従って、駆動システム(700)が、本開示内で流体ポンプ装置(300)を作動させるのに用いられ得る。
ピストンロッド(396)は、ポリカーボネートのような略堅いプラスチック材で形成されるのが望ましく、ピストンヘッド(394)はポリウレタン及びピストンロッド(396)の先端部上に重ねて成形されるようなプラスチック材で形成されるのが望ましい。ピストンヘッド(394)は、略曲がった又は円弧状の形状を示す。ピストンヘッド(394)を形成する高分子材料は、1又は2以上の円周シールリブ(402)を形成し、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)の内壁を流体が漏れないようにシールする。ピストンヘッド(394)の曲がった形状は、ピストン(364)がスリーブピストン(362)のスリーブ部(370)内に配備されたときに、スリーブ部(370)及び対向するピストンヘッド(394)内で、対応して曲がり又は円弧形状の内部端部壁(404)に協働し又は係合するように形成されるのが望ましい。ピストンヘッド(394)と端部壁(404)の間の「整合した」形状が望ましい、何故なら端部壁(404)の曲がった形状により、スリーブ部(470)はそのドーム形状により大きく撓むことなく、高圧に耐えることができるからである。
ピストンロッド(396)の断面略X字形状は、個々のフランジ要素(406)によって形成され、示すように、駆動インターフェイスフランジ(398)の先端部前方に位置する基端部ディスク要素(408)で強化される。基端部ディスク要素(408)は、ピストンヘッド(394)を形成する高分子材料と略同様の方法で、重ねて成形された高分子層(409)を具える。高分子層で覆われた基端部ディスク要素(408)により、ピストン(364)がスリーブピストン(362)のスリーブ部(370)内で作動するとき、ピストン(364)が安定する。ピストンヘッド(394)上のシーリングリブ(402)は、ピストンヘッド(394)とスリーブピストン(362)のスリーブ部(370)との間に流体が略漏れないシールを形成し、ポンプ室(392)はピストン(362)(364)を含む静的で動かない状況、又はベース部材(304)に対するピストン(362)(364)の動的で差動的な動作時に、略流体が漏れない室であることが理解されるだろう。ピストンヘッド(394)及び高分子層(409)を形成する特定の材料は以前に識別されているが、流体シール要素(120)について以前に詳細に記載されたような他の適切な材料が用いられ得る。ピストンヘッド(394)と高分子層(409)は、同じ材料、例えばポリウレタンであるのが望ましい。望まれるならば、高分子層(409)はフランジ要素(406)の上に形成されて、高分子層(409)がディスク要素(408)の周縁、付随的にピストンロッド(396)を形成する個々のフランジ要素(406)の外側対向縁を囲み、本開示にて以前に略記載したように、封止及び汚染防止の目的から、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)の内壁に接する面は、高分子で覆われた要素によって当接する。再び、フランジ要素(406)の外縁上の任意の高分子層は一般には、ピストンヘッド(394)と高分子層(409)を形成すべく、高分子材を利用するのに用いられる射出成形の結果であり、本開示に従ってスリーブ部(370)の内壁に係合し、又は係合しない。
図36−図48に示されていないが、スリーブピストン(362)は図25−図26について、以前に記載された端部フランジ(180)に似た二重又はダブルリム端部フランジを具えている。以前に図25−図26について記載したように、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)上の端部フランジ(180)は、介在空間(214)を規定する2つのリムフランジ要素(212)を具え、介在空間はピストン取付け具と接続するため、または駆動システム(700)に繋がる要素、即ち以前に記載したピストンインターフェイス構造(748)に繋がるU字形のサドル要素(750)と接続する為である。この修正により、流体ポンプ装置(300)の流体ポンプ(360)内のスリーブピストン(362)が、以前に記載した駆動システム(700)にて作動することができる。
以前に述べたように、駆動システム(900)がここで記載されるべきであり、以前に詳細に記載した駆動システム(700)にある修正を具えている。スリーブピストン(362)が駆動システム(900)にて作動するために、図50−図51に略示すように、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)は、端部フランジ(410)を具える。図50−図51に簡単に言及すると、端部フランジ(410)は以前に記載したフランジ要素(212)に似た2つの離れたリムフランジ要素(412)を具え、駆動システム(900)に繋がったピストンインターフェイス要素と接続する介在空間(414)を画定する。スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)上の端部フランジ(410)が適切に且つしっかりと、駆動システム(900)の要素に係合することを確実にすべく、介在空間(414)内に側方に位置するリブ(416)が配備されて、介在空間(414)を駆動システム(900)に繋がったピストンインターフェイス要素に係合させるように構成された係合空間(418)に仕切る。更に、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)上の端部フランジ(410)と駆動システム(900)との係合を確実にするのは特定の方向であるのが望ましく、これは端部フランジ(410)は、駆動システム(900)と接続するのに1つだけの可能な又は「正しい」方向を有することを意味する。この目的から、更なる介在リブ(420)が介在空間(414)に配備されて、ここで更に記載するように、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)が駆動システム(900)に不正確に繋がるあらゆる可能性を阻止する。
以前に記載したように、ポンプ支持及びシール装置(820)が駆動システム(700)内に組み込まれて、作動時に流体ポンプ装置(100)を支持し、更に流体ポンプ(160)に繋がった流体シール要素(120)上の十分な圧力を維持して、ベース部材(104)と流体ポンプ(160)間に略流体が漏れないシールが存在するのが望ましい。ポンプ支持装置(820)が流体ポンプ装置(100)の略下側に位置して、流体ポンプ装置(100)を下側から支持する。図47は、ポンプ支持装置(820)に繋がる更なる要素を示す。図47は、ポンプ支持装置(820)に繋がり、駆動システム(700)又はここで記載されるべき駆動システム(900)内の、流体ポンプ装置(300)を支持するのに用いられるポンプ支持「クレードル」(422)を示す。ポンプ支持クレードル(422)は、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)を受け入れるように構成された受け入れ室(424)を具える。狭い溝又はスロット(424)がポンプ支持クレードル(422)内にて、受け入れ室(424)の基端部及び受け入れ室(424)への開口に形成され、スリーブ部(370)から後方に延びる略三角形のインターフェイス部(372)を受け入れ、スリーブピストン(362)の頂部(378)に接続する。受け入れ室(424)内にて、狭い溝(426)はスリーブピストン(362)のスリーブ部(370)と一直線になる。頂部(378)の下側(380)は、ポンプ支持クレードル(422)の天面又は上面(428)上に着座する。スリーブピストン(362)がポンプ支持クレードル(422)内に着座した状態で、十分な圧力が流体シール要素(320)(即ち、Oリング)に付加されて、ベース部材(304)と各流体ポンプ(360)間に略流体が漏れないシールが付与されるのが望ましい。前フランジ(430)は、受け入れ室(424)への前開口(432)を形成していることが判るだろう。スリーブピストン(362)が駆動システム(700)に繋がるように構成されているならば、前フランジ(430)は、端部フランジ(180)に干渉係合する構造を付与し、或いはスリーブピストン(362)がここで記載された駆動システム(900)に繋がるように構成されて、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)のポンプ支持クレードル(422)内への線形運動を制限するならば、前フランジ(430)は、端部フランジ(410)に干渉係合する構造を付与する。
ポンプ支持装置(820)について以前に記載されたスプリングバック付きローラ(830)は、ポンプ支持クレードル(422)の下側を推すのに使用されるのが望ましい。スプリングバック付きローラ(830)からの力(図47には示されないが、以前に記載された図35A−図35Bに示される)が、ポンプ支持クレードル(422)を通って、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)に加えられて、スリーブ部(370)を流体シール要素(320)に対して上に押す。ポンプ支持装置(820)の構成は稍変更されて、スプリングバック付きローラ(830)がポンプ支持クレードル(422)に付与する上向きの力は、スリーブピストン(362)の頂部(378)の側部領域(390)にこの上向きの力を加え、これらの側部領域(390)は平坦な空洞(306)内にベース部材(304)の下側(310)を収容し、頂部(378)の側部領域(390)とベース部材(304)の下側(310)との間に形成された中央領域(388)間の流体シール要素(320)を押す。この上向きの力を適切に向けるべく、スプリングバック付きローラ(830)が、ポンプ支持クレードル(422)の上面(428)の後部領域(434)内にて、ポンプ支持クレードル(422)の上側に着座し、例えば2つのスプリングバック付きローラ(830)が狭いスロット(426)の両側に配備されることが判るだろう。以前の記載から、例えばスプリングバック付きローラ(830)が示すように位置した状態で、ポンプ支持クレードル(422)が単にポンプ支持装置(820)のオーバートップを着座させるが、介在する狭い溝(426)の存在により、スプリングバック付きローラ(830)を支持するのに用いられる以前に記載した2段のプラットフォーム(822)の構成を稍修正する必要がある。ポンプ支持クレードル(422)は、スリーブ部(370)の底面上の、バネ付勢されたローラ(830)からの集中力を最小にする。従って、ポンプ支持クレードル(422)は、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)の広領域に亘って加えられる力を分散させることができる。更に、ポンプ支持クレードル(422)により、シール「プリロード」力が流体シール要素(320)に近いスリーブピストン(362)のスリーブ部(370)の頂部の近くに加えられ、それによって、スリーブ部(370)内で生じる撓みが最小となる。
図45について、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)に形成された内部空洞(374)は、スリーブピストン(362)の第2端部(368)よりも第1端部(366)の近くで、稍小さな直径を示す。この直径の僅かな差により、内部空洞(374)は第2部分(438)と、該第2部分(438)よりも稍大きな径の第1部分(436)に分けられる。この直径の僅かな差は、ピストン(364)がスリーブ内部空洞(374)内に格納される位置(第1の大きな直径(436))を付与し、及びピストン(364)がスリーブ内部空洞(374)内で作動するときに、ピストンヘッド(394)上の流体シール要素(402)を強く(enhanced)圧縮する。従って、大きな直径の第1部分(436)は、ピストン(364)が流体ポンプ装置(300)の使用前に格納されるピストン(364)の格納領域であると考えられ、その一方、小さな直径の第2部分(438)は、流体ポンプ装置(300)の作動時にピストン(364)が内部空洞(374)内で作動し又は働く領域であると考えられる。
一般に、流体ポンプ装置(300)は、以前に記載した流体ポンプ装置(100)の実施例に対して、或る構成のみが異なる。これらの構成上の差は、流体ポンプ装置(100)の以前の実施例に比較して、流体ポンプ装置(300)の実質的な全体動作を変更しない。以前の記載から明らかなように、構成上の差のリストは完全ではないが、(1)ポンプハウジング(302)のスリーブピストン(362)及びベース部材(304)の形状の変更 (2)マニホールド部(326)側部上のマニホールドポート(346)の位置及びマニホールドポート(346)をマニホールド側部キャップ(338)の一部として形成すること (3)流体ポンプ装置(300)の底に専用の廃棄物出口ポート(352)及び圧力感知ポート(354)を設け、流体ポンプ装置(300)の天面に専用の患者出口ポート(358)を設けることを含む。示すように、これらの変更は、流体ポンプ装置(100)の以前の実施例に比較して、流体ポンプ装置(300)の実質的な全体動作を変更しない。従って、流体ポンプ装置(100)の以前の実施例の動作に関する以前の記載は、流体ポンプ装置(300)に等しく適用可能である。
しかし、流体ポンプ装置(100)の以前の実施例に比較して、流体ポンプ装置(300)のポンプハウジング(302)を形成するベース部材(304)のマニホールド開口(342)は、流体ポンプ装置(100)のベース部材(104)のマニホールド開口(142)に見出される均一な空間を示さない。図38に最も良く示されるように、ベース部材(304)の或るマニホールド開口(342)間に隔離領域(440)が配備されてもよい。そのような隔離領域又はギャップ(440)は、異なるタイプの流体、例えば、生理食塩水S1、S2対造影剤A1、A2、造影剤B1、B2を輸送するマニホールド開口(342)間に配備される。隔離ブランク又はギャップ(440)は、異なるタイプの流体を運ぶ隣接したマニホールドポート(342)が一瞬でさえ、一緒に接続されることを防ぎ、その一方、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)内のスリーブポート(376)は本実施例の近傍の又は隣接したOリング流体シール要素(320)に被る。そのような隣接したOリング流体シール要素(320)は、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)内のスリーブポート(376)が隣接したOリングに被さると、瞬間的に流路を切り換え又は「短絡」させる可能性があり、隔離ブランク(440)は、この可能性が生じることを阻止するのが好ましい。スリーブポート(376)が所望のマニホールド開口(342)と一直線になるとき、囲むOリング流体シール要素(320)はスリーブポート(376)を選択されたマニホールド開口(342)まで流体が漏れないようにシールする。スリーブピストン(362)が駆動されてこの箇所から離れると、このOリング流体シール要素(320)は、まだ選択されたマニホールド開口(342)をシールするが、スリーブピストン(362)のスリーブポート(376)は、次の選択されたマニホールドポート(342)及びそれを囲む流体シール要素(320)と略一直線になるまで、再びシールされない。スリーブピストン(362)が移行している間に、スリーブポート(376)を介してポンプ室(392)に入るスリーブピストン(362)周りからの流体の漏れ及び汚染物の進入の可能性を防ぐべく、ベース部材(304)の下側(310)の環状又は周縁溝(350)に配備された周縁を囲むOリング流体シール要素(320)は、夫々のマニホールド開口(342)と繋がる個々のOリング流体シール要素(320)の全てのセットを囲む。スリーブピストン(362)がマニホールド開口(342)間を移行中に、スリーブピストン(362)から流体が漏れることは可能であるから、環状又は周縁のOリング流体シール要素(320)によって囲まれるベース部材(104)の下側(310)の内側領域(442)は廃棄物出口ポート(352)に直に接続されて、流体は廃棄物流体ライン(22)を介して適切な医療用流体廃棄物コンテナへ排出される。
以前に記載された流体ポンプ装置(100)(300)の利点は、各流体ポンプ(160)(360)内のピストン(164)(364)の変位を適切に制御することによって、前記流体ポンプ装置(100)(300)の患者マニホールド出口ポート(146g)及び患者出口ポート(358)の夫々が遭遇する出口背圧に拘わらず、流体ポンプ装置(100)(300)は、各排出ストロークで正確に制御された量の流体(同じ量)を輸送することができることである。同様に輸送される流速も、各流体ポンプ(160)(360)のピストン(164)(364)の速度を適切に制御することによって遭遇する出口背圧に拘わらず、非常に繰り返し可能である。例えば、或る例に於いて、選択されたマニホールド開口(142)(342)が不意に絞られ又は遮蔽されると、スリーブピストン(162)(362)内のピストン(164)(364)の動作はポンプ室(192)(392)の不十分な充填に帰する、何故なら対向するスリーブピストン(164)(364)内のピストン(162)(362)の動作は、所望の流体量でポンプ室(192)(392)を十分に充填することができないからである。そのような閉塞状況は例えば、流体コンテナ(16)を選択されたマニホールド開口(142)(342)に繋がった選択されたマニホールド入口ポート(146)(346)に接続する流体ライン(18)内に絞り又は閉塞が存在するような、マニホールド開口(142)(342)の上向き流れを生じる。この状況に於いて、流体ポンプ装置(100)(300)の流体ポンプ(160)(360)は、「期待された」流体量を輸送しない。
以下の記載は、この不完全又は未充填の状況を検知するのに用いられ得る工程を記載し、図48はこの状況を識別し且つ対処するための、ベース部材(104)のマニホールド開口(342)の代替構成、及びベース部材(104)の下側(310)の流体シール要素(320)の代替構成を示す。図48は、マニホールド開口(342)及び流体シール要素(320)の代替構成を具えたベース部材(104)の代表的な平坦空洞(306)を示すことを意図している。図48に示す修正された平坦空洞(306)は、流体ポンプ装置(300)の各流体ポンプ(360)に用いられて、ここで記載された検知及び訂正工程を実行し、そのような修正は以前に記載した流体ポンプ装置(100)の実施例にも成されることは明らかであろう。
「正常な」動作モードに於いては、絞り又は閉塞状況に遭遇しないことを意味し、ピストン(364)が静止したスリーブピストン(362)に対して引き込まれると、既知で略正確な流体量がポンプ室(392)内に引き込まれ、この既知量は制御された速度でピストン(364)を逆作動させることにより排出され、所望の且つ既知の流速を生じる。絞り又は閉塞状況では、ピストン(364)の引き込みは、ポンプ室(392)の不完全又は未充填に帰する、何故ならポンプ室(392)は、例えば描かれた流体ライン(18)の絞り故に、素早くは十分に充填しないからである。不完全な充填故に、ポンプ室(392)内にはおそらく空気泡が存在し、ポンプ室(392)内の圧力は、システムの圧力未満であり又は真空下である。ピストン(364)が噴出又は排出ストローク時に動くと、空気泡が圧縮されるが、ポンプ室(392)から排出される流体量は、空気泡の存在により、予想され且つ所望される量未満である。真空状況の起こりうる1つの結果は、スリーブピストン(362)が、廃棄物出口ポート(352)及び患者出口ポート(358)と流体が流通するポンプ室(392)内に配置するように動くときは、汚染された流体は廃棄物出口ポート(352)及び/又は患者出口ポート(358)を通って、ポンプ室(392)内へ引き込まれる。更に、未充填の状況を識別し、自動的に訂正動作を取り、又は流体輸送システム(10)の随行作業者に警告するのが望ましい。
前記の絞り又は閉塞状況を識別すべく、図48は、この状況を識別し且つ対処するための、ベース部材(104)のマニホールド開口(342)の考えられる構成、及びベース部材(104)の下側(310)の流体シール要素(320)の代替構成を示す。図48に於いて、3つのマニホールド開口(342)は、造影剤A(342(A))、造影剤B(342(B))及び生理食塩水S(342(S))用の開口又はポートを具える。これらの3つの「入口」マニホールド開口(342)は夫々、前記の流体の各源に接続されたマニホールドポート(346)に接続された流体通路(340)に接続する。2つの出口マニホールド開口(342)は患者出口ポート(358)に繋がった流体通路(340)に繋がった患者出口マニホールド開口(342(P))と、廃棄物出口ポート(352)に繋がった流体通路(340)に繋がった廃棄物出口マニホールド開口(342(W))を具える。更に図48は、各マニホールド入口開口(342)と隣接するマニホールド入口開口(342)の間の3つの空の検知ポート(450)を示す。空の検知ポート(450)は、1又は2以上のシールされた領域を形成し、該領域で各流体ポンプ(360)のスリーブピストン(362)は「シャットオフ」位置に移動し、該「シャットオフ」位置でスリーブピストン(362)はどの入口又は出口マニホールド開口(342)にも接続せず、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)内のスリーブポート(376)は完全に封鎖される。示すように、Oリング流体シール要素(320)は、各マニホールド開口(342)の周りに形成された各溝(348)内に配備され、周縁Oリング流体シール要素(320)は、シールされたマニホールド開口(342)の全ての組の周りに配備される。また図48に示すように、第2の囲み溝(452)が患者マニホールド出口ポート(342(P))の周りのベース部材(104)の下側(310)に形成され、患者マニホールド出口ポート(342(P))を更に隔離すべく、更なるOリング流体シール要素(320)を輸送する。
図48の前記構成についての一般的な作動手順に於いて、スリーブピストン(362)及び挿入ピストン(364)は、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)内のスリーブポート(376)が選択されたマニホールド入口開口(342)と一直線になるまで、動かされる。ピストン(364)はスリーブピストン(362)に対して動かされて、選択されたマニホールド入口開口(342)に接続された対応する流体通路(340)から流体を引き込む。一旦、ピストン(364)が引き込まれてポンプ室(392)を所望の流体量で充填すると、ピストン(362)(364)は、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)内のスリーブポート(376)が選択された空の検知ポート(4502)と一直線になるまで一緒に動かされ、次にピストン(364)が前進する。ポンプ室(392)が空気泡を含めば、ピストン(364)は空気泡が圧縮されるまで前進する。所定量の量が加えられて、ピストン(364)がスリーブピストン(362)内に前進する距離は、ポンプ室(392)内に存在する空気泡の量を示す。ポンプ室(392)が空気泡を含んでいなければ、ピストン(364)の著しい動きは不可能であり、ポンプ室(392)は適切に充填され、排出サイクルが開始する。ピストン(362)(364)の如何なる動きも、以前に記載したように、駆動システム(700)のホームセンサ(746)(796)から知られる。
ポンプ室(392)の充填程度を評価することは可能である。第1の可能性は、ここで記載すべき駆動システム(900)内のロードセルのような力測定センサを使用することであり、ピストン(364)を設定された既知の距離前進させるのに必要な力を測定する。そのような力を測定するセンサは一般に、ピストン(364)に加えられる力を測定し、駆動システム(900)はこの目的からロードセルを組み込む。或いは、ピストン(364)は、力測定センサが合理的な高圧、例えば約200psiに対応した所定の力レベルを表す(register)まで、前進する。ピストン(364)が前進するのに対応する距離は、ホームセンサ(746)から得られる。ピストン(364)を、比較的低圧、例えば、50psi未満にて、可成りの距離、例えば、0.020又は0.030インチ前進させることが可能であれば、ポンプ室(392)は完全には流体で充填されていないと結論付けられる。ピストン(364)が僅かに、例えば0.020又は0.030インチ未満動き、例えば100-200psi以上の高圧に対応した大きな力で進められるならば、ポンプ室(392)は完全に流体で充填されていると結論付けられる。ポンプ室(392)が流体で完全に充填されたならば、ピストン(364)は、ピストン(364)を0.020又は0.030インチだけ引き込むことによって、又はピストン(364)が前進した如何なる距離を引き込むことによって、元の位置に戻る。ピストン(362)(364)は、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)内のスリーブポート(376)が、患者出口ポート(358)に繋がったマニホールド開口(342(P))と一直線上になるまで動かされ、排出サイクルが開始する。ポンプ室(392)が流体で充填されていないと結論付けられれば、排出サイクルは関連する制御装置によって自動的に中断され、エラー状態が示される。不足している量が比較的少ないと決定されれば、排出サイクルは継続され、付随的に流体の輸送中を示す制御装置によって発行される警告メッセージが伴う。他の訂正動作は、ポンプ室(392)の中身を廃棄物出口ポート(352)へ排出することを含む。
図49−図64に戻り、駆動システム(900)が記載される。以前に記載したように、流体ポンプ装置(300)は駆動システム(900)について作動するように構成されるが、流体ポンプ装置(300)を駆動システム(900)について作動させるインターフェイス要素が、以前に記載した図25−図26についての流体ポンプ装置(100)に付加されて、流体ポンプ装置(100)は同様に駆動システム(900)と互換性がある。一般に、流体ポンプ装置(100)(300)は可成りの圧力の下で、流体を患者流路(12)に輸送することを意図しているから、関連する駆動システムの要素と流体ポンプ装置(100)(300)の駆動される要素、即ちピストン(162)(164)とピストン(362)(364)の間に頑強な相互接続があるのが望ましい。以前に記載した駆動システム(700)に於いて、ピストンインターフェイス要素は、ピストン(162)(164)がそのように頑強に接続されるのを可能にすることを詳細に記載した。駆動システム(900)はまた、ピストンインターフェイス要素とピストン(162)(164)間が頑強に接続されることを可能にし、ピストンインターフェイス要素とピストン(162)(164)間に緊密又は隙間の狭い相互接続がある。駆動システム(900)の以下の記載は、ピストン位置決め装置(904)を具える代替の流体ポンプアクチュエータ(902)を記載し、ピストン位置決め装置(904)は駆動システム(700)について以前に記載されたピストン位置決め装置(704(1))(704(2))のピストンインターフェイス機能を1つの機械的インターフェイス装置内に結合する。一般に、本実施例に於ける流体ポンプアクチュエータ(902)は、以前に記載されたのと同じスレッドカートリッジ(760)とスレッド駆動システム(780)を具え、これらの要素の詳細な記載は、これ以降省略する。換言すれば、ピストン位置決め装置(904)は、ピストン位置決め装置(704(1))(704(2))と同様の方法で、スレッドカートリッジ(760)上に配備される。図49の概略図から、スレッド駆動システム(780)は以前に記載された流体ポンプアクチュエータ(702)、特に流体ポンプアクチュエータ(702)のピストン位置決め装置(704(1))(704(2))と同様の方法で、流体ポンプアクチュエータ(902)を支持するように用いられることは明らかである。
流体ポンプアクチュエータ(902)に於いて、ピストン位置決め装置(904)は、スリーブピストン位置決め装置(906)と挿入ピストン位置決め装置(950)を具える。スリーブピストン位置決め装置(906)は、第1端部又は先端部(910)と第2端部又は基端部(912)を有するスリーブアウタ駆動チューブ(908)を具える。先端部(910)は開口した先端領域(914)を形成し、ここで記載したようにスリーブピストン(362)に係合する半径方向内向きに延びるフランジ(916)を具える。スリーブピストン位置決め装置(906)の要素の理解を手助けすべく、スリーブピストン(362)は頂部(378)無しで図49−図64の種々の図面に示され、スリーブピストン(362)とスリーブピストン位置決め装置(906)の間のインターフェイスの説明を簡素化する。スリーブインナーチューブ(918)は、スリーブアウタ駆動チューブ(908)と同心に位置する。スリーブインナーチューブ(918)は、スリーブアウタ駆動チューブ(908)内に位置する第1端部又は先端部(920)と、スリーブアウタ駆動チューブ(908)内に配備されて第1バネ(924)と繋がる第2端部又は基端部(922)とを具える。第1バネ(924)は、スリーブインナーチューブ(918)の基端部(922)と、少なくとも一部がスリーブアウタ駆動チューブ(908)の基端部(912)内に延びるインターフェイス要素(926)間で作動する。
インターフェース要素(926)は、一般的に、スリーブ位置決め装置(906)及び挿入ピストン位置決め装置(950)と、駆動モータ(928)とを連繋するよう構成される。具体的には、インターフェース要素(926)は、先端部(930)がスリーブ外側駆動チューブ(908)内に延び、基端(932)がスリーブ外側駆動チューブ(908)の基端部(912)の内側に位置して駆動モータ(928)と係合している。インターフェース要素(926)の基端(932)は、駆動モータ(928)のモータハウジングに固定されていることが望ましい。インターフェース要素(926)は、先端(930)と基端(932)との中間位置に、第1スプリング(spring)(924)が係合する径方向フランジ(934)をさらに具えている。すなわち、第1スプリング(924)は、スリーブ内側駆動チューブ(918)の基端部(922)と径方向フランジ(934)との間で作動する。インターフェース要素(926)の基端(932)は、先端側に円筒部(936)を具え、該円筒部はスリーブ外側駆動チューブ(908)の開口基端(912)内に収容される。インターフェース要素(926)は中心をボア(bore)(938)が貫通しており、先端部に少し拡大した円筒部(940)をさらに具えている。
組み立てられた形態では、スリーブ内側駆動チューブ(918)はスリーブ外側駆動チューブ(908)の内側に配置され、第1スプリング(924)が、スリーブ内側駆動チューブ(918)の基端部(922)とインターフェース要素(926)の径方向フランジ(934)との間に延在する。径方向のセンサフランジ(942)は、好ましくは、スリーブ外側駆動チューブ(908)上に、スリーブ外側駆動チューブ(908)の周りを周方向に延在するように設けられる。径方向のセンサフランジ(942)はスリーブ外側駆動チューブ(908)と一体に形成されてもよいが、所望により、別個の要素として、スリーブ外側駆動チューブ(908)本体に固定されることもできる。径方向のセンサフランジ(942)は、スレッドキャリッジ(760)に配備された第1センサ(944)と連繋するよう構成されている。所望により、追加又は第2のセンサフランジ(946)を、スリーブ外側駆動チューブ(908)上でセンサフランジ(942)の前方の離れた位置に設けて、スレッドキャリッジ(760)に配備された追加又は第2のセンサ(948)と連繋することもできる。センサ(944)及び(948)は、スリーブ外側駆動チューブ(908)について、スレッドキャリッジ(760)に関する角度又は回転位置を位置決めする関連制御装置への入力を提供する。スレッドキャリッジ(760)の位置は、前述したセンサプレート(772)及びホームセンサ(794)から得られることができる。
挿入ピストン位置決め装置(950)は一般的に、スリーブ位置決め装置(906)のスリーブ内側駆動チューブ(918)の内部に同心円状に配置されている。挿入ピストン位置決め装置(950)は、ピストン外側駆動チューブ(952)を具えており、該ピストン外側駆動チューブ(952)は中央開口(955)を画定する先端部(954)と基端部(956)とを有している。先端部(954)は、駆動インターフェースフランジ(398)に係合あるいは当接するよう構成された先端側フランジ(958)と、特に、前述した挿入ピストン(364)のピストンロッド(396)の基端に形成された駆動インターフェースフランジ(398)のフランジリップ(399)によって画定された、U字状のスロット(400)とを有している。先端部(954)に環状凹部(959)が形成され、該凹部にて、先端側フランジ(958)と駆動インターフェースフランジ(398)が嵌合する。ピストン駆動シャフト(960)は、ピストン外側駆動チューブ(952)の内部に配置されており、中実の先端部又はチップ(962)、ほぼ中空の基端部(964)、及び中間部(966)とを具えている。中間部(966)は、好ましくはロードセルなどの力計測センサ(968)とし、既に図48に関して説明したとおり、連繋された制御装置により、例えば挿入ピストン(362)全体に加えられる力を計測することができる。中実の先端部又はチップ(962)は、ピストン外側駆動チューブ(952)の先端部(954)に形成された中央開口(955)に挿入されて係合するよう構成されている。ピストン外側駆動チューブ(952)の基端部(956)は、インターフェース要素(926)の先端側円筒部(940)と当接するよう構成されるのが望ましい。第2スプリング(970)は、ピストン駆動シャフト(960)の基端部(964)と係合するよう、ピストン外側駆動チューブ(952)の内部に配置される。望ましくは、第2スプリング(970)は、例えば、中空の基端部(956)に配置された支持構造内での係合により、ピストン駆動シャフト(960)の基端部(964)とピストン外側駆動チューブ(952)の基端部(956)との間で作用するよう、ピストン外側駆動チューブ(952)の内部に固定される。本実施例では、前記支持構造は簡易なスナップリングを具えており、これについては後述する。
スリーブ外側駆動チューブ(908)及びスリーブ内側駆動チューブ(918)は、それぞれ、一組の回転防止ピン(976)を収容する一組の上部スロット(972)及び底部スロット(974)を画定する。前記一組の回転防止ピン(976)は、スロット(972)及び(974)の中を通る。スロット(972)及び(974)はスリーブ外側駆動チューブ(908)及びスリーブ内側駆動チューブ(918)の上部及び底部位置に示されているが、これは単なる例示として示したものに過ぎず、回転防止ピン(976)を収容するこれらスロット(972)及び(974)は、他の位置として、スリーブ外側駆動チューブ(908)及びスリーブ内側駆動チューブ(918)の周囲に配置することもできる。回転防止ピン(976)は、径方向内向きにさらに延びて、ピストン外側駆動チューブ(952)内の上下に、対向する径方向開口(978)を貫通し、該開口(978)と位置が揃うようにピストン駆動シャフト(960)の中空基端部(964)に形成された径方向開口(980)の中に進入して係合する。ピストン外側駆動チューブ(952)の径方向開口(978)は、回転防止ピン(976)の直径よりも大きく作られることで、ピストン外側駆動チューブ(952)は、この明細書の中に記載するように、ピストン駆動シャフト(960)に対して並進運動することができる。回転防止ピン(976)は一般的に、スリーブ外側駆動チューブ(908)とスリーブ内側駆動チューブ(918)との間の相対回転、及びピストン外側駆動チューブ(952)とピストン駆動シャフト(960)との間の相対回転を防ぐ。さらに、ピストン外側駆動チューブ(952)とピストン駆動シャフト(960)との間で、スリーブ外側駆動チューブ(908)とスリーブ内側駆動チューブ(918)が相対回転することも同様に防ぐ。
ピストン外側駆動チューブ(952)の基端部(956)の外径は、先端部(954)(の外径)よりも若干大きくして、外側アバットメント肩部(982)及び内側アバットメント肩部(984)を形成している。これに対応して、スリーブ内側駆動チューブ(918)の内径は基端部(922)よりも先端部(920)の方を若干小さくして、ピストン外側駆動チューブ(952)に連繋された外側アバットメント肩部(982)に対向する内側アバットメント肩部(986)を形成している。前記とほぼ同じように、ピストン駆動シャフト(960)の基端部(964)の外径は、ピストン駆動シャフト(960)の先端部(962)よりも若干大きくして、ピストン外側駆動チューブ(952)に連繋された内側アバットメント肩部(984)とは反対側に凸状アバットメント肩部(988)を形成することができる。添付の図面から、ピストン駆動シャフト(960)の径方向開口(980)は、凸状アバットメント肩部(988)のすぐ近傍に形成されることは理解されるだろう。
駆動モータ(928)は、ピストン駆動シャフト(960)内で同心円状に、又は該ピストン駆動シャフトとほぼ同軸に配置されたボールスクリュシャフト(992)に係合された駆動シャフト(990)と、ピストン外側駆動チューブ(952)と、インターフェース要素(926)とを具えている。ボールスクリュシャフト(992)は従来のスラストベアリング(994)によって支持されており、該スラストベアリング(994)は、インターフェース要素(926)の先端側円筒部(940)のすぐ近傍にてインターフェース要素(926)内に形成されたベアリング空洞(996)の内部に配置されている。スラストベアリング(994)は、ボールスクリュシャフト(992)を公知の如く、インターフェース要素(926)の中央ボア(938)の中で、回転可能に軸方向に支持する。そのため、スラストベアリング(994)は機械的接続、圧入接続等の接続によってベアリング空洞(996)の内部に固定されるのが望ましい。ボールスクリュシャフト(992)は、ピストン駆動シャフト(960)の中空基端部(964)内へ遠ざかる方向に延びている。ボールスクリュシャフト(992)は、本開示の中で既に説明したボールスクリュシャフト(628)(728)と同様である。ボールスクリュシャフト(992)は、ピストン駆動シャフト(960)の中空基端部(964)に設けられたボールスクリュナット(998)に、回転可能に係合している。特に、基端部(964)は内側のリム(rim)(1000)を画定し、該リム内にボールスクリュナット(998)の前方又は先端が固定されている。ピストン外側駆動チューブ(952)の基端部(956)にある、ピストン外側駆動チューブ(952)の内壁で画定された環状溝(1004)内に、スナップリング(1002)が配置されている。例示されているように、ピストン外側駆動チューブ(952)の内部に第2スプリング(70)が固定され、ピストン駆動シャフト(960)の基端部(964)とスナップリング(1002)との間で作動する。先に説明したとおり、ボールスクリュシャフト(992)はボールスクリュナット(998)と回転可能に螺合されており、ボールスクリュシャフト(992)の“前方”回転運動により、ボールスクリュナット(998)が前進してピストン駆動シャフト(960)が前進する。
上記から明らかなように、流体ポンプアクチュエータ(902)において、スリーブピストン位置決め装置(906)は一般的に、スリーブピストン(362)に接続するスリーブ外側駆動チューブ(908)を具え、挿入ピストン位置決め装置(950)は一般的に、挿入ピストン(364)に接続するピストン外側駆動チューブ(952)を具えている。前述した駆動システム(900)の様々な要素に関して、本開示は、スリーブピストン(362)とスリーブピストン位置決め装置(906)との接続及び挿入ピストン(364)と挿入ピストン位置決め装置(950)との接続の手順を例示して説明する。この手順は、図61A−図61Gに概ね示されているが、これらは、ピストン(362)及び(364)が、どのようにスリーブピストン位置決め装置(906)及び挿入ピストン位置決め装置(950)にそれぞれ接続するかを示すための例示に過ぎない。これらの装置は共に、流体ポンプアクチュエータ(902)の中に、各流体ポンプ(360)用のピストン位置決め装置(904)を具えている。
図61A−図61Gについて説明する前に、図50−図55を参照して説明する。図50−図55には、スリーブピストン(362)をスリーブ外側駆動チューブ(908)に接続する接続手順が示されている。先に説明したとおり、スリーブピストン(362)は端部フランジ(410)を有し、離間した2つのリムフランジ要素(412)が介在スペース(414)を画定している。端部フランジ(410)は側部リブ(416)を含み、該側部リブ(416)はリムフランジ要素(412)の間の介在スペース(414)の中を延びており、介在スペース(414)は、スリーブ外側駆動チューブ(908)の先端部(910)にある径方向フランジ(916)を収容する、係合又は収容スペース(418)に区切られる。更に、上述したように、端部フランジ(410)と径方向フランジ(916)との係合は必ず特定の方向となるようにすることが望ましく、これは、端部フランジ(410)と径方向フランジ(916)とを接続する際、“正しい”向きがただ一つしかないということを意味する。前述したように、追加の介在リブ(420)が介在スペース(414)に設けられるのはこの目的のためであり、収容スペース(418)のみが径方向フランジ(916)と完全に係合されるので、スリーブピストン(362)とスリーブ外側駆動チューブ(908)とのあらゆる不正確な連繋又は接続は防止される。すなわち、介在リブ(420)があるために、係合可能な向きは一つしかないのである。径方向フランジ(916)上の対向する端部(1006)は端部フランジ(410)上の側部リブ(416)と接触及び当接することで、径方向フランジ(916)と収容スペース(418)とは固定される。この接触による係合は、スリーブピストン(362)がスリーブ外側駆動チューブ(908)に対して回転するのを防ぐという利点がある。
同様に、図56−図60を参照すると、挿入ピストン(364)をピストン外側駆動チューブ(952)に係合又は接続する手順の例が示されている。図56−図60において、図示された挿入ピストン(364)は、ピストンロッド(396)の基端部に、駆動インターフェースフランジ(398)を具えており、フランジリップ(399)がU字状スロット(400)を画定する。挿入ピストン(364)とピストン外側駆動チューブ(952)との接続において、ピストン外側駆動チューブ(952)の先端部(954)の先端側フランジ(958)は、駆動インターフェースフランジ(398)のU字状スロット(400)に係合又は収容される形状である略U字状部(1008)を具えている。先端側フランジ(958)の弓状部(1010)は、好ましくは、前記U字状部(1008)と一体化され、U字状スロット(400)を画定又は形成する駆動インターフェースフランジ(398)のフランジリップ(399)の側方エッジ又は端部(1014)に係合するよう構成された対向するタブ端部(1012)を画定している。タブ端部(1012)と側方エッジ(1014)との当接係合により、挿入ピストン(364)がピストン外側駆動チューブ(952)に対して回転するのが防止される。従って、該当接係合が成立すると、挿入ピストン(364)とピストン外側駆動チューブ(952)との係合方向は特定されるため、駆動インターフェースフランジ(398)と先端側フランジ(958)は、挿入ピストン(364)のピストン外側駆動チューブ(952)に対する向きが適切なときにだけ協同作用して接続されるので、ピストン(364)と挿入ピストン位置決め装置(950)との接続間違いが起こることはない。係合が成立すると、駆動インターフェースフランジ(398)のフランジリップ(399)は、ピストン外側駆動チューブ(952)の先端部(954)に形成された中間凹部(959)にほぼ収容されるため、先端側フランジ(958)のU字状部(1008)も対応して、駆動インターフェースフランジ(398)のフランジリップ(399)によって形成されたU字状スロット(400)の中で係合し収容されることができる。これをより明瞭に示すために、図56は、駆動インターフェースフランジ(398)と連繋した先端側フランジ(958)のみを示している。
図61−図64をさらに参照すると、図61Aには、ピストン位置決め装置(904)の様々な要素の初期位置又は原位置が示されている。この位置では、第1スプリング(924)がスリーブ内側駆動チューブ(918)の基端部(922)に作用して、スリーブ内側駆動チューブ(918)の先端部(920)がスリーブ内側駆動チューブ(918)を前方に押しやるため、スリーブ外側駆動チューブ(908)の先端部(910)で径方向フランジ(916)に係合することがわかるであろう。同様に、第2スプリング(970)はピストン駆動シャフト(960)の基端部(964)に作用する結果、本発明の実施例におけるロードセル(968)は、ピストン外側駆動チューブ(952)の内側先端壁(1016)と接触する。また、ピストン外側駆動チューブ(952)の先端部(954)内に中間凹部(959)を形成することにより、内側端部壁(1016)は、全体が画定される。ピストン外側駆動チューブ(952)とピストン駆動シャフト(960)の初期“分離”状態を明瞭に示すために、図62Aでは、ピストン外側駆動チューブ(952)、ピストン駆動シャフト(960)及び第2スプリング(970)のみを示しており、第2スプリング(970)が、ピストン駆動シャフト(960)の基端部(964)に作用して、本発明実施例におけるロードセル(968)は、ピストン外側駆動チューブ(952)の内側先端壁(1016)に当接する。この位置又は状態では、ピストン駆動シャフト(960)上のアバットメント肩部(988)は、好ましくは、ピストン外側駆動チューブ(952)上の内側アバットメント肩部(984)に当たって着座する。
図61Bにおいて、ボールスクリュシャフト(992)は駆動モータ(928)により逆方向に駆動される。ピストン外側駆動チューブ(952)の基端部(956)にあるピストン外側駆動チューブ(952)の内壁で画定された環状溝(1004)の中で第2スプリング(970)とスナップリング(1002)とが当接係合することにより、ピストン外側駆動チューブ(952)は後方へつまり接近する方向に移動する。ピストン外側駆動チューブ(952)のこの後方移動は、ピストン外側駆動チューブ(952)の基端部(956)がインターフェース要素(926)の先端部(930)に当接して、インターフェース要素(926)の先端側円筒部(940)に着座するまで継続する。ボールスクリュシャフト(992)が更に逆回転すると、ピストン駆動シャフト(960)は後退して、ピストン駆動シャフト(960)の中実先端部(962)はピストン外側駆動チューブ(952)の先端部(954)の先端側開口部(955)の中へ格納される。好ましくは、中実先端部(962)は、ピストン外側駆動チューブ(952)の先端部(954)上の先端側フランジ(958)と少なくともほぼ同一面になるまで後退し、これにより、挿入ピストン(364)がピストン外側駆動チューブ(952)と接続するのに十分なクリアランスがもたらされる。この接続については、前述したように、駆動インターフェースフランジ(398)のフランジリップ(399)によって画定されたU字状スロット(400)がピストン外側駆動チューブ(952)の先端部(954)にある先端側フランジ(958)と係合するように、挿入ピストン(364)を位置決めすることを含んでいる。ボールスクリュシャフト(992)がこのように更に回転されると、第2スプリング(970)は、ピストン駆動シャフト(960)の基端部(964)とスナップリング(1002)との間に押し込まれる。図62Bは、ピストン駆動シャフト(960)がピストン外側駆動チューブ(952)へ引き込まれたときの前記“ローディング”状態を示す。なお、図は、これらの要素と第2スプリング(970)だけを示している。図61B及び62Bの中の矢印B1は、ピストン外側駆動チューブ(952)に対するピストン駆動シャフト(960)の引込み方向を示している。図61Bの矢印B2は、ピストン駆動シャフト(960)の中実先端部(962)が、ピストン外側駆動チューブ(952)の先端部(954)の先端側開口部(955)の中へ引き込まれる方向を示している。
図61Cに示されるように、ピストン駆動シャフト(960)が引き込むと、それ同時に、回転防止ピン(976)はスリーブ内側駆動チューブ(918)の対向するスロット(974)の中の終端位置に達し、ボールスクリュシャフト(992)が更に回転することにより、スリーブ内側駆動チューブ(918)は、スリーブ内側駆動チューブ(918)の基端部(922)とインターフェース要素(926)の径方向フランジ(934)との間で第1スプリング(924)を押圧する。この作用により、スリーブ内側駆動チューブ(918)は、矢印B3で示すように、スリーブ外側駆動チューブ(908)に引き込まれて、スリーブ外側駆動チューブ(908)の先端部の径方向フランジ(916)が十分に露出するので、スリーブピストン(362)はスリーブ外側駆動チューブ(908)に接続される。この接続は、前述したように、スリーブピストン(362)の端部フランジ(410)の係合スペース(418)に、スリーブ外側駆動チューブ(908)の先端部(910)の径方向フランジ(916)を係合させることを含んでいる。
図61Dは、前記プロセスにより、ピストン(362)及び(364)と、スリーブ外側駆動チューブ(908)及びスリーブ外側駆動チューブ(952)とが連繋された初期状態を示している。スリーブピストン(362)の端部フランジ(410)の後部リムフランジ要素(412)と、スリーブ内側駆動チューブ(918)の先端部(920)との間に、ギャップ又はクリアランスが設けられることは理解されるだろう。同様に、ピストン外側駆動チューブ(952)の先端部(954)の先端側フランジ(958)と、端部壁(401)との間に、第2のギャップ又はクリアランス(1020)が設けられ、その結果先端側フランジ(958)と、駆動インターフェースフランジ(398)のフランジリップ(399)によって画定されるU字状スロット(400)とは、挿入ピストン(364)のピストンロッド(396)の基端部で係合する。より具体的には、先端側フランジ(958)のU字状部(1008)と、駆動インターフェースフランジ(398)のフランジリップ(399)で画定されるU字状スロット(400)とは、挿入ピストン(364)のピストンロッド(396)の基端部で係合する。図61Eを参照すると、ボールスクリュシャフト(992)が回転すると、矢印B4で示されるように、ボールスクリュナット(998)は前方つまり離れる方向に移動するので、ピストン駆動シャフト(960)の中実先端部(962)は、矢印B5で示されるように、ピストン(364)のピストンロッド(396)の基端部で駆動インターフェースフランジ(398)の端部壁(401)と係合する。第2スプリング(970)は、ピストン駆動シャフト(960)の基端部(964)とスナップリング(1002)との間で作用して、ピストン外側駆動チューブ(952)をほぼ所定位置に維持する。同様に、ボールスクリュナット(998)が前方つまり離れる方向に移動すると、第1スプリング(924)は、スリーブ内側駆動チューブ(918)の基端部(922)と、インターフェース要素(926)上の径方向フランジ(934)との間で連続的に作用して、ほぼ同時に、スリーブ内側駆動チューブ(918)が前方つまり離れる方向に移動し、スリーブピストン(362)の端部フランジ(410)上の後部リムフランジ要素(412)と接触する。また、同じように、図61Eの矢印B5で示されるように、スリーブ内側駆動チューブ(918)とピストン駆動シャフト(960)は、ほぼ同時に前方つまり離間する方向へ移動する。
ボールスクリュナット(998)が前方へ移動すると、ピストン駆動シャフト(960)の中実先端部(962)は、ピストン(364)のピストンロッド(396)の基端部で駆動インターフェースフランジ(398)の端部壁(401)に係合する。第1スプリング(924)の力により、スリーブ内側駆動チューブ(918)は前方に移動して、スリーブピストン(362)の端部フランジ(410)の二つのフランジ要素(412)の後部フランジ要素(412)に当接し、この後部フランジ要素(412)は、スリーブ内側駆動チューブ(918)の先端部と、スリーブ外側駆動チューブ(908)の先端部(910)の径方向フランジ(916)との間でクランプされる。この二重係合により、スリーブピストン(362)と、スリーブピストン位置決め装置(906)のスリーブ外側駆動チューブ(908)及びスリーブ内側駆動チューブ(918)とは、強固に接続される。また、同じように、挿入ピストン(364)と、挿入ピストン位置決め装置(950)のピストン外側駆動チューブ(952)及びピストン駆動シャフト(960)との間も、強固に接続される。図62Cは、ピストン外側駆動チューブ(952)に対するピストン駆動シャフト(960)の前記前方“クランピング”位置において、ピストン外側駆動チューブ(952)、ピストン駆動シャフト(960)及び第2スプリング(970)のみを示している。上述したように、この位置では、ピストン駆動シャフト(960)の中実先端部(962)は、ピストン(364)のピストンロッド(396)の基端部で駆動インターフェースフランジ(398)の端部壁(401)に接触する。また、この位置又は状態では、ピストン駆動シャフト(960)上のアバットメント肩部(988)は、ピストン外側駆動チューブ(952)上の内側アバットメント肩部(984)に着座しない。さらに、図63A−63Bは、スリーブピストン(362)と、スリーブ外側駆動チューブ(908)及びスリーブ内側駆動チューブ(918)との“クランピング”接続のみを示しており、ここで、矢印B5は、スリーブ内側駆動チューブ(918)がスリーブ外側駆動チューブ(908)に関して前方移動することを示しており、スリーブピストン(362)の端部フランジ(410)上の二つのフランジ要素(412)の後部フランジ要素(412)が捕獲され、この後部フランジ要素(412)は、スリーブ内側駆動チューブ(918)の先端部(920)と、スリーブ外側駆動チューブ(908)の先端(910)にある径方向フランジ(916)との間でクランプされる。同様に、図64A−64Bは、挿入ピストン(364)と、ピストン外側駆動チューブ(952)及びピストン駆動シャフト(960)との間の“クランピング”接続のみを示している。なお、矢印B5は、ピストン外側駆動チューブ(952)に対するピストン駆動シャフト(960)の前方移動を示しており、ピストン駆動シャフト(960)の中実先端部(962)は、ピストン(364)のピストンロッド(396)の基端部で駆動インターフェースフランジ(398)の端部壁(401)に係合して該端部壁(401)に前方への圧力を及ぼす。この圧力により、先端側フランジ(958)は駆動インターフェースフランジ(398)のフランジリップ(399)に強固に当接する。このように、ピストン駆動シャフト(960)の中実先端部(962)が前方に移動して端部壁(401)に係合し、端部壁(401)に圧力が作用すると、これに対応して、スリーブ外側駆動チューブ(908)による後方への圧力が、スリーブピストン(362)の端部フランジ(410)の後部フランジ要素(412)の前面に作用する。これにより、スリーブ内側駆動チューブ(918)の先端部(920)と、スリーブ外側駆動チューブ(908)の先端部(910)の径方向フランジ(916)との間で、この後部フランジ要素(412)に作用する“クランピング”圧力は高められる。
図61Fを参照すると、ボールスクリュシャフト(992)が更に回転して、ボールスクリュナット(998)が前方移動し、これに対応して、スリーブピストン(362)内の挿入ピストン(364)も前方へ移動する。次に、図61Gに示されるように、ピストン(364)のピストンヘッド(394)がスリーブピストン(362)のスリーブ部(370)の端部壁(404)に接触して、挿入ピストン(364)はスリーブピストン(362)内の最終移動位置に達する。ボールスクリュシャフト(992)の回転による挿入ピストン(364)の前方移動は、図61Fの矢印B6で示されている。挿入ピストン(364)のスリーブピストン(362)内でのストロークが終わると、ピストン外側駆動チューブ(952)上の外側アバットメント肩部(982)が、スリーブ内側駆動チューブ(918)上の内側アバットメント肩部(986)に接触して係合することが好ましく、これにより、スリーブピストン(362)のスリーブ部(370)内での端部壁(404)に対するあらゆる損傷が防止される。
上記は、ピストン(362)及び(364)と駆動システム(900)のインターフェース部品との係合に重点をおいて説明したが、駆動システム(900)の前記部品は、シリンジ本体内でシリンジプランジャー作動に用いられる動力インジェクター装置に用いることができる。この考え方を利用して、そのようなシリンジプランジャー及びシリンジ本体を、駆動システム(900)の前記部品を具える動力インジェクター装置に固定することができることは理解されるであろう。それゆえ、駆動システム(900)の前記部品は、動力シリンジインジェクタープラットホームに用いられることができ、その場合、かかるシリンジは先述の端部フランジ(410)の構造を有し、対応するシリンジプランジャーは先述した挿入ピストン(364)と略同じ構成を有するだろう。
図65−図72は、流体ポンプ装置(500)の他の実施例を示している。流体ポンプ装置(500)は、先に述べた流体ポンプ装置(100)及び(300)と略同様である。流体ポンプ装置(500)はまた、流体輸送システム(10)の一部として用いることができ、該流体輸送システム(10)は、前述の実施例と同様、流体ポンプ装置(500)と、該流体ポンプ装置に連繋された駆動システム、典型的には、前記駆動システム(700)(900)のうちの一つとを具えている。図1Bは、前述したように、流体ポンプ装置(100)と様々なバルク流体源(14)との接続を示しており、流体ポンプ装置(500)を同じように流体ポンプ装置(100)に用いて、前記流体経路要素を通してバルク流体源(14)に連繋し、バルク流体源(14)は流体ポンプ装置(100)と連繋される。前記実施例とは異なり、流体ポンプ装置(500)は、少なくとも一つのピストンが動作し、後述するように往復と回転の両方で移動可能な流体ポンプ(560)を具えている。このような操作の変更があると、連繋される駆動システム(700)(900)の操作についもて幾つかの変更が必要であり、これについては明細書中で説明する。
前述の実施例と同じように、流体ポンプ装置(500)は、ポンプハウジング(502)と、1又は2以上の流体ポンプ(560)とを具えるマルチコンポーネント装置であって、該マルチコンポーネント装置は、流体ポンプ装置(500)において所望の終点位置(例えば、患者の流体経路(12))へ流体を圧力下で輸送する可動部品を構成する。ポンプハウジング(502)は、流体ポンプ装置(500)の可動部品、すなわち流体ポンプ(560)の支持部品又は支持構造として供されるほか、図1Bに示される流体経路要素を、流体ポンプ装置(500)のポンプハウジング(502)に接続する接続地点としても供される。ポンプハウジング(502)は、前述の実施例とは異なり、好ましくは、上部マニホールドキャップ(532)及び下部マニホールドキャップ(533)が取り付けられた複数のバレルベース部材(504)を具えている。マニホールドキャップ(532)(533)は、本開示に係るポンプハウジング(502)の部品又は一部分とみなすことができ、所望により、ベース部材(504)と一体化して形成されることもできる。つまり、ポンプハウジング(502)は、少なくとも、ベース部材(504)、上部マニホールドキャップ(532)及び下部マニホールドキャップ(533)を具えるマルチピース部品と考えることができる。ベース部材(504)及びマニホールドキャップ(532)(533)は、例えば、射出成形のプラスチック部品又は断片であり、これらを集めて、超音波溶接、レーザー溶接、接着、溶剤接合などの適当な構築方法、機械的に直接取り付ける方法、その他方法により、ポンプハウジング(502)が形成又は完成される。
ベース部材(504)は、所望のあらゆる形態が可能であるが、本実施例においては一対の円筒形部材(505)(506)を具えており、好ましくは夫々の円筒形部材の長手方向軸に沿って互いに一体に結合され、これにより、隣接して略平行な少なくとも2つの収容バレル(507)を画定することができる。複数のバレル部品としてのベース部材(504)の形態は、この開示の中の前記説明と同じであり、ベース部材(104)は2つの円筒型流体ポンプ(160)を収容する円筒状構造を含むことができる。バレル(507)は、前述した流体ポンプ装置(500)の可動部品を形成する2つの同一流体ポンプ(560)を収容できるように構成され、この明細書の中で詳細に記載する。ベース部材(504)の例示形態では、ベース部材(504)によって画定される2つの隣接したバレル(570)が2つの同じ流体ポンプ(560)を収容するが、この例示は、追加の又は幾つかの流体ポンプ(560)を収容する追加の又は幾つかのバレル(507)を形成するベース部材(504)の可能性を制限することを企図するものではない。簡略化のために、以下の説明では、限定されない流体ポンプ装置(500)の実施例として、2つの同じ流体ポンプ(560)を有する流体ポンプ装置(500)について行なう。図示のように、バレル(507)は、略円筒形の形状であり、その中に略円筒形の流体ポンプ(560)が収容される。流体ポンプ装置(500)の特徴又は要素の空間配向(spatial orientation)を説明するために、ベース部材(504)は、第1面つまり上面(508)と、第2面つまり下面又は底面(510)と、対向する側面(512)と、を有するものとする。ベース部材(504)は、一般的に、2つの対向する端部(520)(522)を有している。ベース部材(504)の第1端部(520)はバレル(507)への進入を許容する2つのバレル開口部(524)を画定する。なお、バレル(507)は、2つの小さな排出開口(525)を画定する端部壁(548)により、第2端部(522)でほぼ閉じられている。排出開口(525)の目的については、後でより詳細に説明する。
具体的には、図68を参照すると、ベース部材(504)は、上面(508)に第1マニホールド部(526)、底面(510)に第2マニホールド部(528)をさらに具えている。第1マニホールド部(526)がベース部材(504)の上面(508)に配置されていること及び第2マニホールド部(528)がベース部材(504)の底面(510)に配置されていること以外は、第1マニホールド部(526)と第2マニホールド部(528)は同一である。第1マニホールド部(526)と第2マニホールド部(528)は、ベース部材(504)の対向する端部(520)と(522)の間のほぼ中央にある。第1マニホールド部(526)は、ベース部材(504)の上面(508)からほぼ垂直に上方に延びており、第2マニホールド部(528)はベース部材(504)の底面(510)から下方に延びている。例示した実施例では、第1マニホールド部(526)と第2マニホールド部(528)は、ベース部材(504)と一体に形成されている。或いは、マニホールド部(526)(528)は、分離した要素として形成し、これらは、当該技術分野で一般的に行われている超音波溶接、レーザー溶接、接着などの接合方法、機械的に直接取り付ける方法、その他の方法により、ベース部材(504)に接合される。
マニホールドキャップ(532)(533)はそれぞれ、一連の流体コネクタポート(536)を画定する。コネクタポート(536)は、前述したコネクタポート(136)と同様であり、一般的には、図1Bに示される各流体容器(16)に連繋された流体ライン(18)の端部でコネクタ(20)に当接するように構成され、コネクタ(20)とはほぼ漏れがないように接続される。マニホールド部(526)(528)は各々がベース部材(504)に形成された一連の流体ポート(538)を具えており、各流体ポートには流体通路(540)が連繋又は接続されている。流体ポート(538)と、それぞれの流体ポンプ(560)とは、流体が通じるように接続される。一般的に、マニホールド部(526)(528)によって夫々画定されるマニホールドキャップ(532)(533)上のコネクタポート(536)は、流体ポート(538)のうちの一つと流体接続される。これにより、マニホールド部(526)(528)の中に形成された夫々の流体経路(540)は、コネクタポート(536)の夫々の一つと流体接続される。添付図面では、コネクタポート(536)、流体ポート(538)及び流体通路(540)の接続について、一の接続と他の接続との区別をわかり易くするために、同じ引用符号の中に区別番号を付して示している。マニホールドキャップ(532)(533)がベース部材(504)のマニホールド部(526)(528)に取り付けられると、夫々の流体ポート(538)と該流体ポートに接続された流体通路(540)はその中に収容される。このように、コネクタポート(536)は一又は複数種の流体を流体ポンプ(560)に連繋する入口ポートとして、或いは、単一種の流体又は流体混合物を下流のプロセス(例えば患者の流体経路(12)や、適当な医療用流体廃棄物容器(図示せず)に連結された廃棄用流体ライン(22))に輸送する1又は2以上の出口ポートとして適用される。ベース部材(504)はまた、第1端部(520)に径方向端部フランジ(558)を具えている。
流体ポンプ(560)は、先に概略を説明したように、ベース部材(504)に形成されたそれぞれのバレル(507)の内部に配置される。流体ポンプ(560)は各々が、2つの対向するピストン(562)(564)を具えている。この明細書中では、これらのピストンを区別するために、ピストン(562)を第1ピストン又はスリーブピストンと称し、ピストン(564)を第2ピストン又は挿入ピストンと称するものとする。それぞれの流体ポンプ(560)は、同じもので、同じ作動ピストン(562)(564)を有しているので、以下の説明では、流体ポンプ装置(500)に用いられるこのような流体ポンプ(560)の構造について概説する。流体ポンプ(560)のピストン(562)(564)の好適な形態は、前述の実施例と同じように、挿入ピストン(564)を具え、該挿入ピストン(564)はスリーブピストン(562)の中に配置されるか又は少なくとも部分的に挿入される。この目的のために、スリーブピストン(562)は、円筒形スリーブ本体(565)の第1端部(566)及び第2端部(568)が対向する円筒形スリーブ本体(565)を具える略円筒状の形態であってよい。スリーブ本体(565)は、内側空洞又は室(570)を画定し、挿入ピストン(564)が挿入又は配置される。スリーブ本体(565)の第2端部(568)は、弓状または又は屈曲した端部壁(572)を構成する。スリーブのアクセス用開口部又はスリーブポート(574)がスリーブ本体(565)の中に形成され、内側空洞(570)への進入が可能となる。スリーブ本体(565)の先端側円筒部(575)は、端部壁(572)を取り囲んで、流体ポンプ(560)の作動中、円筒形部材(505)(506)の閉じた端部壁又は端部面(548)と接触可能な構造として供される。
スリーブ形状のエラストマーシール又はスリーブ(576)は、望ましくはスリーブ本体(565)の周辺に配置され、スリーブ本体(565)の可成りの部分を、閉じた第2端部(568)から、スリーブ本体(565)の開口した第1端部(566)の前方に向けて取り囲む。エラストマースリーブ(576)は、複数の交差リブ(578)を含んでいる。エラストマースリーブ(576)は、ポンプハウジング(502)のベース部材(504)の中の収容バレル(507)の中に、スリーブ本体(565)を流体封入する。エラストマースリーブ(576)は、スリーブピストン(562)とは分離して形成され、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)に組み合わされることができる。或いは、その後の重ね成形技術及びそれと同様なプロセスが行われる際に、スリーブ本体(565)と一体に形成されることもできる。エラストマースリーブ(576)は、一般的には、本開示の中で既に記載した流体シール要素(120)(320)に代わるものであるが、このようなシールは、所望により、マニホールド部(526)(528)と共に配備されることもできる。
流体ポンプ装置(500)は、各流体ポンプ(560)のピストン(562)(564)が以前に記載した駆動システム(700)を用いて流体ポンプ装置(500)の同じ側から「駆動」されるように略構成されている。特に各流体ポンプ(560)のピストン(562)(564)は、駆動システム(700)によって、流体ポンプ装置(500)のベース部材(504)の同じ端部(520)から駆動されるように構成される。以前の実施例と同様の方法で、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)は二重又はダブルのリム端部フランジ(580)を具え、該リム端部フランジはスリーブ本体(565)の一部として形成され、スリーブ本体(565)の第1端部(566)を形成する。端部フランジ(580)は、2つの間隔を開けて離れたリムフランジ要素(582)を具え、該リムフランジ要素は、駆動システム(700)について以前に記載したピストンインターフェイス構造(748)に繋がるU字形のサドル要素(750)に繋がる介在空間(584)を形成し、本実施例に従った流体ポンプ装置(500)の動作にも適している。2つの互いに離れたリムフランジ要素(582)の先端部又は「内側」の1つは、尚スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)の第1端部(566)にて干渉構造を形成して、ベース部材(504)の端部(522)にて半径方向の端部フランジ(558)と係合して、本開示で以前に記載されたのと同じ方法で、スリーブピストン(562)のベース部材(504)内への線形運動を制限する。駆動システム(700)は、ピストンインターフェイス構造(748)への適切な修正によって、スリーブピストン(562)の往復線形動作及び望ましくはベース部材(504)のバレル(507)内にて少なくとも制限された回転動作の両方を達成すべく変更され得ることが理解されるだろう。そのような修正の1つは、ピストンインターフェイス構造(748)に繋がった別個の作動装置を配備して、少なくともU字形のサドル要素(750)の制限された回転動作が出来ることである。U字形のサドル要素(750)の回転動作を制限することができることは同様に、ベース部材(504)のバレル(507)内にて、スリーブピストン(562)の回転動作の制限が達成される。この目的から、介在リブ(585)が介在空間(584)に配備されて、U字形のサドル要素(750)上の構造に係合し、U字形のサドル要素(750)の如何なる制限された回転動作も、リブ(585)との係合を介して、スリーブピストン(562)に伝えられる。駆動システム(900)に関して、スリーブピストン位置決め装置(906)及び特にスリーブピストン(562)を繋ぐスリーブ外側駆動チューブ(908)は、少なくとも制限された回転動作ができる。
以前に記載したように、挿入ピストン(564)はスリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)によって形成される内部空洞(570)にアクセスするように構成されている。挿入ピストン(564)はスリーブ本体(565)内で往復移動可能であり、挿入ピストン(164)に関する駆動システム(700)について以前に記載された方法で作動される。ここで記載したように、挿入ピストン(564)は挿入ピストン(164)と同様に構成されるのが望ましく、以前に記載した方法で駆動システム(700)と繋がる。挿入ピストン(164)がスリーブ部(570)内に配備されたスリーブピストン(562)に係合した状態で、ピストン(562)(564)は協働して、流体ポンプ装置(500)のポンプ室(586)を形成又は規定する。
ピストン(564)はピストンヘッド(588)と基端部に延びるピストンロッド(590)を具える。ピストンロッド(590)は、略X字形の構成を有して、ディスク要素を具えた基端部で止まり、ディスク要素はそこから延びる駆動インターフェイス部(592)を有する。駆動インターフェイス部(592)は、取付け開口(594)を形成する。駆動インターフェイス部(592)及び取付け開口(594)は、本開示で以前に記載した駆動インターフェイス部(198)と同一であるのが好ましく、インターフェイス開口又は取付け開口(200)は以前に記載したピストンロッド(196)を以前に記載した駆動システム(700)に繋ぐのに用いられる。従って、駆動システム(700)は、本開示内で以前に詳細に記載した方法で流体ポンプ装置(500)の流体ポンプ(560)内のピストン(564)を作動させるのにも用いられる。
ピストンロッド(590)はポリカーボネートのような略堅いプラスチック材から形成されるのは好ましく、ピストンヘッド(588)はポリウレタン等のピストンロッド(590)の先端部に重ねて成形される高分子材で形成されるのが好ましい。ピストンヘッド(588)の略X字形の断面は、個々のフランジ要素(597)によって形成される。ピストンヘッド(588)は、略湾曲した又は円弧状の構成を示して、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)の端部壁(572)に係合し、本開示で以前に詳述したように、端部壁は強度の目的から対応する円弧状又は「ドーム状」の形状を有するのが望ましい。ピストンヘッド(588)を形成する高分子材は、1又は2以上の環状の封止リブ(596)を形成して、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)の内壁に流体シールを形成するのが望ましい。一対の封止リブ(596)がピストンヘッド(588)上に示されるが、更なる離れたリブ又は1つのそのようなリブが所望されれば配備される。
示すように、ピストンロッド(396)の略X字形の断面が、個々のフランジ要素(597)に形成されて、示すように駆動インターフェイス部(592)の先端前端部に位置する更なるディスク要素(598)によって補強されるのが望ましい。更なるディスク要素(598)は、ピストンヘッド(588)を形成する高分子材料と略同じ方法で重ねて成形された高分子層(599)を具える。高分子材料で覆われた更なるディスク要素(598)は、ピストン(564)がスリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)内を動く際に、ピストン(564)を安定させる。ピストンヘッド(588)上の封止リブ(596)は、ピストンヘッド(588)とスリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)間に流体が漏れないシールを形成し、ピストン(562)(564)に関する静止、動かない状況、又はピストン(562)(564)の動作、作動時に、ポンプ室(586)は流体が略漏れない室であることが判るだろう。ピストンヘッド(588)及び高分子層(599)を形成する特定の材料は、ピストンヘッド(194)について前記で認識したものの何れかであり、流体シール要素(120)について以前に詳細に記載したような他の適切な材料も用いられ得る。ピストンヘッド(588)及び高分子層(599)を形成するのは同じ材料であるのが望ましく、例えばポリウレタンである。所望ならば、高分子層(599)はフランジ要素(597)上に形成されて、高分子層(599)は、ディスク要素(598)の周縁及び本開示で以前に記載した方法でピストンロッド(590)を形成する個々のフランジ要素(597)を囲む。以前の実施例のように、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)上の端部フランジ(580)は、以前に記載した端部フランジ(410)と同様の方法で構成され、挿入ピストン(564)のピストンロッド(590)の駆動インターフェイス部(592)は、以前に記載した駆動インターフランジ(398)と同様の方法で構成されて、ピストン(562)(564)は、駆動システム(900)によって作動されるのに適している。
更に図73−図80について、流体ポンプ装置(500)の基本動作が記載される。以前に記載したように、流体ポンプ装置(500)は添付の図面に示される2つの流体ポンプ(560)を具えるが、実施例は限定されない。更に、第1のマニホールド部(526)及び第1のマニホールドキャップ(532)は、第2のマニホールド部(528)及び第2のマニホールドキャップ(533)と一緒に上記した構成を有する一連の8つのコネクタポート(536)を具える。これらの8つのコネクタポート(536)の内、これらのコネクタポート(536)の6つが入口コネクタポート(536(1))-(536(6))であり、残り2つの流体ポート(536)が出口コネクタポート(536(7))(536(8))である。例えば、レントゲン写真の画像手順時に、患者に造影剤流体を輸送するのに流体ポンプ装置(500)を使用する状況にて、6つの入口コネクタポート(536)は以下の如く分割される。生理食塩水用の2つのコネクタ入口ポート(536(1))(536(4));1つのタイプ、濃度、ブランドの造影剤流体用の2つのコネクタ入口ポート(536(2))(536(5));別のタイプ、濃度、ブランドの造影剤流体用の2つのコネクタ入口ポート(536(3))(536(6))である。2つの残りのコネクタポート(536)は、患者コネクタポート(536(7))及び廃棄物コネクタポート(536(8))に分割される。前記の例は、記載を8つの流体コネクタポート(536)に限定しているが、上記に付与された詳細な記載に基づき、所望ならば、更なる入口及び出口ポート用のポートを加えることも本開示の範囲内で可能である。
以前に記載したように、流体ポンプ(560)は駆動システム(700)の動作の下、各流体ポンプ(560)内のピストン(562)(564)が別個に制御され、従って互いに別個に位置決め可能であるように構成される。別の方法で述べると、各スリーブピストン(562)は対向する挿入ピストン(564)に対して移動可能であり、スリーブピストン(562)に対して挿入ピストン(564)も移動可能である。従って、挿入ピストン(564)が動作中に、対向するスリーブピストン(562)が停止状態を維持することは可能であり、スリーブピストン(562)が動作中に挿入ピストン(564)が停止状態を維持することも可能である。更に本実施例に於いて、各スリーブピストン(562)は線形往復及び少なくとも制限された回転方法の両方で動くことが可能である。流体ポンプ装置(500)の流体ポンプ(560)の動作説明を明瞭にすべく、以下の記載は1つの流体ポンプ(560)の動作を記載する。流体ポンプ装置(500)内の更なる又は「第2の」流体ポンプ(560)は同じ方法で作動し、更に「第1の」流体ポンプ(560)からの交互動作モードでは、連続した流体輸送が患者コネクタポート(536(7))にて付与されことが理解されるだろう。流体ポンプ(160)の交互動作はここで詳細に記載されてきており、そのような動作は流体ポンプ(560)に適用可能である。添付の図面から理解され明白なように、両流体ポンプ(560)は、流体通路(540)及びベース部材(504)の関係する流体ポート(538)の構成故に、入口コネクタ入口ポート(536(1))-(536(6))及び出口コネクタポート(536(7))(536(8))を共有することができる。
駆動システム(700)によって付与される動力の下、ピストン(562)(564)を独立して動かすことが出来ることにより、例えばスリーブピストン(562)が入口流体ポート(538(1))-(538(6))の1つの近傍に停止した状態を維持することができ、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)内のスリーブポート(574)は、入口流体ポート(538(1))-(538(6))の選択された1つに繋がる。例えば、図73に示すように、流体ポンプ(560)は、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)内のスリーブポート(574)が入口流体ポート(538(1))と一直線上となった位置から開始する。駆動システム(700)によって、スリーブピストン(562)が入口流体ポート(538(1))に停止した状態を維持されると、対向するピストン(564)は軸方向に移動して、以前に記載したように、駆動システム(700)によってスリーブピストン(562)から略線形に離れる。この移動が生じると、図74に矢印C7で示すように、ピストンヘッド(588)はスリーブポート(574)を通り、例えば造影剤流体の源とポンプ室(586)との間に、略妨害のない(unimpeded)入口流路が確立される。この流路は図74に矢印C2で示される。ピストン(564)が矢印C1方向に動き続けると、流体は、この相対移動によって生成される負圧の下、例えばコネクタポート(536(1))を通って、生理食塩水の源からポンプ室(586)内へ引き込まれる。残りの流体ポート(538(2))-(538(8))は、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)によって封鎖されて、ポンプ室(586)との流体の流通を防ぐ。ピストン(564)の引き込み動作の下、所望量の流体がポンプ室(586)に引き込まれると、ピストン(564)の動きは、駆動システム(700)によって停止される。両ピストン(562)(564)は他の入口流体ポート(538(2))-(538(6))に動かされ、所望ならば、又はこれに代えて、患者出口ポート(538(7))又は廃棄物出口ポート(538(8))へ動かされる。他の入口流体ポートへの移動中、ピストン(562)(564)は駆動システム(700)によって互いに略同期して駆動され又は動かされて、ポンプ室(586)内の不要な圧力又は真空を阻止する。バレル(507)内のスリーブピストン(562)の移動中、バレル(507)内の空気は通風開口(525)を通って吐出される。ピストン(562)(564)の同期動作の例は、図76に矢印C3で示される。
流路(12)内へ排出されるのが望ましいならば、患者出口ポート(538(7))が選択され、スリーブポート(574)が患者出口ポート(538(7))と一直線上になった状態で、図77に示すように、ポンプ室(586)からコネクタポート(536(7))への出口流路が確立される。一旦、前記の流路が確立されると、駆動システム(700)はスリーブピストン(562)の位置を「固定」する。スリーブピストン(562)が停止状態を維持していると、挿入ピストン(564)は駆動システム(700)によって作動されて、汲み出し又は排出ストローク又は移動を開始する。図78及び図79に示すように、汲み出し又は排出ストロークでは、ピストン(564)は図78に矢印C4で示すように、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)内に移動して、ポンプ室(586)に含まれる流体を加圧し、この流体をスリーブポート(574)、患者出口ポート(538(7))、流体通路(540(7))と患者コネクタポート(536(7))との接続を介して、患者流路(12)内に吐出する。図78に於いて、この方法でポンプ室(586)から吐出され又は排出される流体は、矢印C5で示される。図79に於いて、排出ストロークの終端にて、ピストンヘッド(594)の曲がった又は円弧状の形状は、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)の内側端部壁の曲がった又は円弧状の形状と結合する。以前の実施例のように、ピストンヘッド(588)上の封止リブ(596)がスリーブポート(574)の丁度基端部に位置するのが好ましく、ピストンヘッド(588)の先端部とスリーブ部(574)の内壁の周りに僅かな隙間があって、前記の挿入ピストン(564)の排出又は汲み出しストローク時に、ポンプ室(586)から略全ての流体が排出されるのが好ましい。排出サイクルが完了すると、図80に矢印C6で示すように、ピストン(562)(564)を略同期させて所望の入口流体ポート(538)へ動かすことにより、以前に記載した充填サイクルが再び開始する。
図81及び図82を参照して、流体ポンプ装置(500)はまた、造影剤と生理食塩水のような2つの流体の制御された混合物を輸送するように構成される。この工程は、略以下の如く実行される。最初に、駆動システム(700)によって入口流体ポート(538(3))のような選択された入口流体ポート(538)にて、スリーブピストン(562)が停止状態を維持し、対向するピストン(564)は軸方向に移動して、以前に記載したように、駆動システム(700)によってスリーブピストン(562)から略線形に離れる。この移動が生じると、図74に矢印C7で示すように、ピストンヘッド(588)は再びスリーブポート(574)を通り、例えば造影剤流体の源とポンプ室(586)との間に、略妨害のない(unimpeded)入口流路が確立される。この流路は、図81に矢印C8で示される。以前に記載したように、僅かな隙間が、ピストンヘッド(588)の先端部とスリーブ部(574)の内壁の周りに常に存在する。ピストン(564)が矢印C7方向に動き続けると、流体は、入口コネクタポート(536(3))に接続された造影剤流体の源からポンプ室(586)内へ引き込まれ、この動きによって生成される負圧の下、入口流体ポート(538(3))を通って、流体通路(540(3))内に引き込まれる。
ピストン(562)(564)は次に略同期して、線形に動いて、他のポートを選択する。一旦、次のポート例えば、図82に示す入口流体ポート(538(1))が選択されると、スリーブピストン(562)は停止して、スリーブ本体(565)はスリーブポート(574)が入口流体ポート(538(1))と一直線上となるように位置して、ポンプ室(586)と入口流体ポート(538(1))との流体の流通を許す。スリーブピストン(562)が停止状態を維持していると、対向するピストン(564)は再び軸方向に動いて、図82に矢印C9で示すように、スリーブピストン(562)から略線形に離れる。この移動が生じると、流体、ここでは入口コネクタポート(536(1))に接続された源からの生理食塩水が、ピストン(564)の動きによって引き起こされた負圧の下、矢印C10で示すように、ポンプ室(586)内に引き込まれる。生理食塩水がポンプ室(586)に入ると、生理食塩水はポンプ室(586)に既に存在した造影剤流体と混合して、造影剤流体を希釈する。ポンプ室(586)に引き込まれた生理食塩水及び造影剤流体の量は、本開示で以前に詳細に記載した前記の各「充填」手順にて、スリーブピストン(562)に対して、ピストン(564)が引き込まれる量又は距離によって制御され得ることが判るだろう。
所望量の生理食塩水が、ピストン(564)の動作の下、ポンプ室(586)内に引き込まれると、両ピストン(562)(564)は他の入口ポート(538(2))に動き、以前に記載した手順によって別の造影剤流体又は他の流体を一緒に受け入れる。ピストン(562)(564)は次に、流体通路(540(7))を介して患者コネクタポート(536(7))に接続される患者出口ポート(538(7))のような出口流体ポート(538)に動かされて(望ましくは以前に記載した理由の為、略同期して)、患者コネクタポートは本例では患者流体投与ポートとして役立つ。
図83−図88について、スリーブピストン(562)が軸方向及び回転方向に駆動される能力及びそのような動作の利点が記載される。流体ポンプ装置(500)の前記した動作の可能性のある制限は、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)内のスリーブポート(574)は、スリーブピストン(562)が軸方向に動くと、大部分又は全ての流体ポート(538)を通らなければならないことである。ポンプ室(586)が軽い負圧下にあれば、流体、本例に於ける造影剤流体又は生理食塩水の何れかは、スリーブポート(574)が流体ポート(538)を通ると、スリーブポート(574)を通って流体ポート(538)の1つを介して、ポンプ室(586)内に引き込まれる。この問題に対する解決策は、スリーブピストン(562)を中間「シャットオフ」位置にまで回転移動させ、スリーブピストン(562)を他の箇所に移動させる前に、スリーブポート(574)は、ベース部材(504)のバレル(507)内側によって封止される。これは駆動システム(700)を用いてスリーブピストン(562)を回転させることによりなされ、スリーブポート(574)は如何なる流体ポート(538)とも一直線上にならず、スリーブピストン(562)を所望の流体ポート(538)に移動させ、次にスリーブピストン(562)を回転させて、図83ー図88に更に詳細に記載するように、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)内のスリーブポート(574)は選択された流体ポート(538)と一直線上になる。
図83に示すように、流体ポンプ(50)はスリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)のスリーブポート(574)が入口流体ポート(538(3))と一直線上となった位置から開始する。駆動システム(700)によって、スリーブピストン(562)が固定状態を保持されると、対向するピストン(564)は軸方向に動いて、駆動システム(700)によって、スリーブピストン(562)から略線形に離れる。図84に矢印C11で示すように、この移動が生じると、以前に記載した手順に従って、造影剤流体の源とポンプ室(586)の間の入口流路が確立される。この流路は、図84に矢印C12で示される。ピストン(564)が矢印C11方向に動き続けると、流体はこの動きによって生じる負圧の下、コネクタポート(536(3))、流体通路(540(3))及び入口流体ポート(538(3))を介してポンプ室(586)内に引き込まれる。ピストン(564)の引き込み動作の下、所望量の流体がポンプ室(586)に引き込まれたとき、ピストン(564)の動きは駆動システム(700)によって、停止させられる。その後、図85に示すように、スリーブピストン(562)は矢印C13方向に回転して、スリーブポート(574)は最早如何なる流体ポート(538)とも一直線上になく、それによって、スリーブポート(574)を「シャットオフ」位置に置く。この位置に於いて、各流体ポート(538)はスリーブ本体(565)によって覆われて、これらのポートからの流体がポンプ室(586)内に不用意に引き込まれることを防ぐ。ピストン(562)(564)は次に略同期して他の入口流体ポート(538)、或いは出口流体ポート(538(7))(患者)(538(8))(廃棄物容器)に動く。この略同期して動く例は、図86の矢印C14に示される。スリーブピストン(562)内のスリーブポート(574)が「シャットオフ」位置に残ることは注目すべきである。
図87に示す如く、一旦、次の流体ポート(538)、例えば入口流体ポート(538(1))が選択されれば、スリーブピストン(562)を矢印C15方向に回転させることにより、ポンプ室(586)から「生理食塩水」コネクタ入口ポート(538(1))への入口流路が確立され、スリーブピストン(574)は入口ポート(538(1))と一直線上になる。一旦前記の流路が確立されると、駆動システム(700)はスリーブピストン(562)の位置を固定する。スリーブピストン(562)が選択された入口ポート(538(1))に固定された状態を保持されると、対向するピストン(564)は再び軸方向に動かされ、図88の矢印C16に示すように、スリーブピストン(562)から線形に略離間する。この移動が生じると、コネクタ入口ポート(536(1))に接続されたバルク生理食塩水流体源(14)からの流体、今般は生理食塩水は、矢印C17に示すように、ピストン(564)の移動によって生じる負圧の下、ポンプ室(586)に引き込まれる。生理食塩水がポンプ室(586)に入ると、生理食塩水はポンプ室(586)に既に存在した造影剤流体と混合して、造影剤流体を希釈する。所望量の生理食塩水がポンプ室(586)に引き込まれたなら、ピストン(562)(564)が移動して、所望ならば本例の他のタイプの造影剤流体又は他の流体と一緒に接続された入口流体ポート(538(2))に繋がった入口流路のような他の入口流路を確立して、ピストン(562)(564)が患者出口ポート(538(7))に動かされて、ポンプ室(586)の中身を患者流路(12)に排出する。
患者ポート(538(7))が選択されていると仮定した場合、スリーブピストン(562)は回転して、スリーブポート(574)を「シャットオフ」位置に置き、ピストン(562)(564)は略同期して患者出口ポート(538(7))に動かされる。ピストン(562)(564)が患者出口ポート(538(7))に達すると、スリーブピストン(562)は回転して、スリーブポート(574)を患者出口ポート(538(7))と一直線上にし、それによって、患者出口ポート(538(7))を介してポンプ室(586)から患者コネクタポート(536(7))への出口流路を確立し、流体通路(540(7))に接続する。適切な流体接続が、患者コネクタポート(536(7))と患者への患者流路(12)に存在するのが好ましい。一旦前記の流体流通路が確立されると、駆動システム(700)はスリーブピストン(562)の位置を「固定」し、挿入ピストン(564)の汲み出し又は排出ストローク又は動作を開始させ、ポンプ室(586)の混合流体を患者流路(12)に吐出する。
前記の作動例は「頂部」のマニホールド部(526)上のコネクタポート(536(1))-(536(3))に繋がった各バルク流体源、及び頂部のマニホールド部(526)にも繋がった患者コネクタポート(536(7))を選択する記載に限定されているが、スリーブピストン(562)は、駆動システム(700)によって底部流体ポート(538(4))-(538(6))(538(8))にアクセスすべく、回転動作を示し、この回転方法でスリーブピストン(562)を作動させるように修正されることは理解されるだろう。例えば、図89−図91について、図89に示すように、挿入ピストン(564)が軸方向に動いて、流体ポート(538(1))を通ってポンプ室(586)内に流体を引き込んだ後に、スリーブピストン(562)は、駆動システム(700)によって付随的に矢印C18方向に回転され、及び/又は矢印C19方向に軸方向に並進して、図90に示すように、流体ポート(538(4))-(538(6))(538(8))の1つを選択する。図91は、スリーブピストン(562)が並進運動することなく、流体ポート(538(4))へ180°回転した状態を示す。
流体ポンプ装置(500)がベース部材(504)の円筒状部材(505)(506)内の直線状に配置された流体ポート(538)に限定することを意図していないことは注目されるべきである。様々な他の配置が、ベース部材(504)の円筒状部材(505)(506)に配備されてもよい。典型的なオプションの幾つかが、図92A−92Iに示される。説明の目的から、これらの図の各々は、ベース部材(504)の円筒状部材(505)(506)の1つのみを示し、円筒状部材(505)(506)のバレル(507)内に配備されたピストン(562)(564)を省く。他に述べられなければ、ピストン(562)(564)の構成及び動作は、これらの要素の前記記載と同等である。ここに記載された流体ポート(538)の各構成へのアクセスを達成するために、マニホールド部(526)(528)に修正が必要であることは注目され、そのような変更は当業者の技術の範囲内にある。
図92Aについて、円筒状部材(505)は、軸方向の列内に配置された複数の流体ポート(538)を含む。示された実施例に於いて、5つの流体ポート(538)が配備される。説明及びこれに限定しない目的から、流体ポート(538)は、入口又は出口ポートとして形成される。各流体ポート(538(1))(538(2))(538(5))は、入口ポートとして形成される。入口流体ポート(538(1))は、第1のタイプの造影剤流体用であり、入口流体ポート(538(2))は、生理食塩水用であり、入口流体ポート(538(5))は第2のタイプの造影剤流体用である。各流体ポート(538(3))(538(4))は、出口ポートとして形成される。出口流体ポート(538(3))は患者用出口ポートであり、出口流体ポート(538(4))は廃棄物出口ポートである。スリーブピストン(562)の軸方向であって双方向の動きは、矢印C20で示され、この軸方向であって双方向の動きは、流体ポート(538)の1つを選択するのに用いられる。スリーブピストン(562)が回転方向に移動する前に、スリーブピストン(562)は、流体ポート(538)間を動くときに、スリーブポート(574)の「シャットオフ」位置(544)へ矢印C21方向に回転する。この回転動作により、軸方向の動作中に(回転することなく)、スリーブポート(574)が各流体ポート(538)を通過するとき、流体がポンプ室(586)内に不用意に引き込まれることが最小化され又は防止される。
図92Bについて、円筒状部材(505)は、1つの環状列内に配置された複数の流体ポート(538)を含む。示された実施例に於いて、7つの流体ポート(538)が配備される。説明及びこれに限定しない目的から、流体ポート(538)は、以下の如く、入口又は出口ポートとして形成される。各流体ポート(538(1))(538(2))(538(6))(538(7))は、入口ポートとして形成される。流体ポート(538(1))は、第1のタイプの造影剤流体用の入口ポートであり、流体ポート(538(2))(538(6))は、生理食塩水用の入口ポートであり、流体ポート(538(7))は第2のタイプの造影剤流体用の入口ポートである。流体ポート(538(3))-(538(5))は、出口ポートとして形成される。特に、流体ポート(538(4))は患者用出口ポートであり、流体ポート(538(3))(538(5))は廃棄物出口ポートである。スリーブピストン(562)の回転方向のみの動きは、矢印C22で示され、この動きにより所望の流体ポート(538)が選択され得る。本実施例に於いて、スリーブピストン(562)は回転方向にのみ移動する、何故なら各流体ポート(538)は同じ環状列内に配備されているからである。しかし、この構成は、多数の生理食塩水流体ポート(538(2))(538(6))及び多数の廃棄物流体ポート(538(3))(538(5))を含んで、第1のピストン(562)の回転時に、流体ポート(538)間の交差汚染を防ぐのが好ましい。
図92Cについて、円筒状部材(505)は、1つの環状列内に配置された複数の流体ポート(538)を含む。示された実施例に於いて、5つの流体ポート(538)が配備される。説明及びこれに限定しない目的から、流体ポート(538)は、入口又は出口ポートとして形成される。各流体ポート(538(1))-(538(3))は、入口ポートとして形成される。流体ポート(538(1))は、第1のタイプの造影剤流体用の入口ポートであり、流体ポート(538(3))は、生理食塩水用の入口ポートであり、流体ポート(538(2))は第2のタイプの造影剤流体用の入口ポートである。流体ポート(538(4))(538(8))は、出口ポートとして形成される。特に、流体ポート(538(5))は患者用出口ポートであり、流体ポート(538(4))は廃棄物出口ポートである。スリーブピストン(562)の回転方向の動きは、矢印C23で示され、この動きは流体ポート(538)の1つを選択するのに用いられる。スリーブピストン(562)が回転方向に移動する前に、スリーブピストン(562)は流体ポート(538)間を移動するときに、スリーブポート(574)の「シャットオフ」位置(544)へ矢印C24方向に軸方向に移動し、「シャットオフ」位置は、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)内に形成される。この軸方向の動きにより、回転動作中にスリーブポート(574)が各流体ポート(538)を通過するとき、流体がポンプ室(586)内に不用意に引き込まれることが最小化され又は防止される。
図92Dについて、円筒状部材(505)は、一対の隣接した環状列内に配置された複数の流体ポート(538)を含む。示された実施例に於いて、8つの流体ポート(538)が配備されて、各々が4つの流体ポート(538)を有する2つの環状方向の列に分割される。説明及びこれに限定しない目的から、流体ポート(538)は以下の如く、入口又は出口ポートとして形成される。各流体ポート(538(1))-(538(4))は、入口ポートとして形成される。流体ポート(538(1))は、第1のタイプの造影剤流体用の入口ポートであり、流体ポート(538(3))及び(538(4))は、生理食塩水用の入口ポートであり、流体ポート(538(2))は第2のタイプの造影剤流体用の入口ポートである。各流体ポート(538(5))-(538(8))は、出口ポートとして形成される。特に、流体ポート(538(7))(538(8))は、患者用出口ポートであり、各流体ポート(538(5))(538(6))は、廃棄物出口ポートである。スリーブピストン(562)の回転方向の動きは、矢印C25で示され、流体ポート(538)の1つを選択するのに用いられる。スリーブピストン(562)が軸方向に移動する前に、スリーブピストン(562)は流体ポート(538)間を移動するときに、スリーブポート(574)の「シャットオフ」位置(544)へ矢印C26方向に軸方向に移動し、「シャットオフ」位置は、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)内に形成される。この軸方向の動きにより、回転動作中にスリーブポート(574)が各流体ポート(538)を通過するとき、流体がポンプ室(586)内に不用意に引き込まれることが最小化され又は防止される。スリーブピストン(562)は軸方向にも動かされて、流体ポート(538(1))(538(3))(538(5))(538(7))を含む流体ポート(538)の第1列、又は流体ポート(538(2))(538(4))(538(6))(538(8))を含む流体ポート(538)の第2列の何れかを選択する。
図92Eについて、円筒状部材(505)は、図92Dに示すものと同等であるが、複数の流体ポート(538)が1対の環状列ではなく、一対の軸方向の列に配備されている点が異なる。示された実施例に於いて、8つの流体ポート(538)が配備されて、各々が4つの流体ポート(538)を有する2つの軸方向の列に分割される。説明及びこれに限定しない目的から、流体ポート(538)は以下の如く、入口又は出口ポートとして形成される。各流体ポート(538(1))-(538(4))は、入口ポートとして形成される。流体ポート(538(1))は、第1のタイプの造影剤流体用の入口ポートであり、流体ポート(538(3))及び(538(4))は、生理食塩水用の入口ポートであり、流体ポート(538(2))は第2のタイプの造影剤流体用の入口ポートである。各流体ポート(538(4))-(538(8))は、出口ポートとして形成される。特に、流体ポート(538(7))(538(8))は、患者用出口ポートであり、各流体ポート(538(5))(538(6))は、廃棄物出口ポートである。スリーブピストン(562)の軸方向の動きは、矢印C27で示され、流体ポート(538)の1つを選択するのに用いられる。スリーブピストン(562)が軸方向に移動する前に、スリーブピストン(562)は流体ポート(538)間を移動するときに、スリーブポート(574)の「シャットオフ」位置(544)へ矢印C28方向に回転移動し、「シャットオフ」位置は、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)内に形成される。この軸方向の動きにより、回転動作中にスリーブポート(574)が各流体ポート(538)を通過するとき、流体がポンプ室(586)内に不用意に引き込まれることが最小化され又は防止される。スリーブピストン(562)は回転方向にも動かされて、流体ポート(538(1))(538(3))(538(5))(538(7))を含む流体ポート(538)の第1列、又は流体ポート(538(2))(538(4))(538(6))(538(8))を含む流体ポート(538)の第2列の何れかを選択する。
図92Fについて、円筒状部材(505)は、一対の環状列内に配置された複数の流体ポート(538)を含む。示された実施例に於いて、5つの流体ポート(538)が配備され、流体ポート(538)の2つの環状方向の列に分割されて、流体入口として作動する流体ポート(538)は第1の環状方向の列に配備され、出口として作動する流体ポート(538)は第2の環状方向の列に配備される。説明及びこれに限定しない目的から、流体ポート(538)は以下の如く、入口又は出口ポートとして形成される。各流体ポート(538(1))-(538(3))は、入口ポートとして形成される。流体ポート(538(1))は、第1のタイプの造影剤流体用の入口ポートであり、流体ポート(538(3))は、生理食塩水用の入口ポートであり、流体ポート(538(2))は第2のタイプの造影剤流体用の入口ポートである。マニホールド部入口ポート(538(1))-(538(3))とは別の環状方向の列に配備された流体ポート(538(4))及び(538(5))は、各々出口流体ポートとして形成される。特に、流体ポート(538(5))は、患者用出口ポートであり、流体ポート(538(4))は、廃棄物出口ポートである。スリーブピストン(562)の回転方向の動きは、矢印C29で示され、所定の列内で流体ポート(538)の1つを選択するのに用いられる。スリーブピストン(562)の軸方向の動きは、矢印C30で示され、流体ポート(538)の出口列又は入口列の何れかを選択することができる。出口列及び入口列の「デッド」空間(546)は、流体ポート(538)間を移動するときに、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)内に形成されたスリーブポート(574)の「シャットオフ」位置を許す。
図92Gに示す円筒状部材(505)の実施例は、図92Fに示すものと同等であるが、複数の流体ポート(538)が1対の環状列ではなく、一対の軸方向の列に配備されている点が異なる。示された実施例に於いて、5つの流体ポート(538)が配備されて、流体ポート(538)の2つの軸方向の列に分割されて、入口ポートとして作動する流体ポートは第1の軸方向の列に配備され、出口ポートとして作動する流体ポートは第2の軸方向の列に配備される。説明及びこれに限定しない目的から、流体ポート(538)は以下の如く、入口又は出口ポートとして形成される。各流体ポート(538(1))-(538(3))は、入口ポートとして形成される。流体ポート(538(1))は、第1のタイプの造影剤流体用の入口ポートであり、流体ポート(538(3))は、生理食塩水用の入口ポートであり、流体ポート(538(2))は第2のタイプの造影剤流体用の入口ポートである。入口流体ポート(538(1))-(538(3))とは別の軸方向の列に配備された流体ポート(538(4))及び(538(5))は各々出口ポートとして形成される。特に、流体ポート(538(5))は、患者用出口ポートであり、流体ポート(538(4))は、廃棄物出口ポートである。スリーブピストン(562)の軸方向の動きは、矢印C31で示され、所定の列内で流体ポート(538)の1つを選択するのに用いられる。スリーブピストン(562)の軸方向の動きは、矢印C32で示され、流体ポート(538)の出口列又は入口列の何れかを選択することができる。出口列及び入口列の「デッド」空間(546)は、流体ポート(538)間を移動するときに、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)内のスリーブポート(574)の「シャットオフ」位置を許す。
図92Hについて、円筒状部材(505)は、1つの螺旋状の列内に位置する複数の流体ポート(538)を含む。示された実施例に於いて、7つの流体ポート(538)が配備される。説明及びこれに限定しない目的から、流体ポート(538)は以下の如く、入口又は出口ポートとして形成される。各流体ポート(538(1))(538(2))(538(6))(538(7))は入口ポートとして形成される。流体ポート(538(1))は、第1のタイプの造影剤流体用の入口ポートであり、流体ポート(538(2))及び(538(6))は、生理食塩水用の入口ポートであり、流体ポート(538(7))は第2のタイプの造影剤流体用の入口ポートである。各流体ポート(538(3))-(538(5))は、出口ポートとして形成される。特に、流体ポート(538(4))は、患者用出口ポートであり、流体ポート(538(3))及び(538(5))は、廃棄物出口ポートである。スリーブピストン(562)が回転及び軸方向に同時に移動すれば、所望の流体ポート(538)が選択され得る。或いは、本実施例のスリーブピストン(562)は、最初に「デッド」空間(546)へ回転方向に動かされ、次に所望の流体ポート(538)へ軸方向に動き、流体ポート(538)間を移動するときに、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)のスリーブポート(574)の「シャットオフ」位置を許す。
図92I及び図92Jに示す円筒状部材(505)の各々は、以前の実施例に示したスリーブ本体(565)の長く延びた側壁ではなく、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)の平坦な端部壁(572)に形成された少なくとも1つのスリーブポート(574)(図示せず)を有するスリーブピストン(562)を要求する。図92Iを参照して、円筒状部材(505)の他の実施例は、円筒状部材(505)の端面(548)の1つの円形列内に位置する複数の流体ポート(538)を含む。示された実施例に於いて、7つの流体ポート(538)が配備される。説明及びこれに限定しない目的から、流体ポート(538)は以下の如く、入口又は出口ポートとして形成される。各流体ポート(538(1))(538(2))(538(6))(538(7))は入口ポートとして形成される。流体ポート(538(1))は、第1のタイプの造影剤流体用の入口ポートであり、流体ポート(538(2))及び(538(6))は、生理食塩水用の入口ポートであり、流体ポート(538(7))は第2のタイプの造影剤流体用の入口ポートである。各流体ポート(538(3))-(538(5))は、出口ポートとして形成される。特に、流体ポート(538(4))は、患者用出口ポートであり、流体ポート(538(3))及び(538(5))は、廃棄物出口ポートである。スリーブピストン(562)の回転方向の動きは、図92I及び図92J内の矢印C33で示され、所望の流体ポート(538)が、スリーブピストン(562)のスリーブ本体(565)の端部壁(572)に形成されたスリーブポート(574)と一直線上になることができる。本実施例に於けるスリーブピストン(562)は回転方向にのみ動く、何故なら各流体ポート(538)は同じ円形列内に配備されるからである。
図92Jについて、円筒状部材(505)の本実施例は、円筒状部材(505)の端面(548)の1つの螺旋状の列内に位置する複数の流体ポート(538)を含む。示された実施例に於いて、7つの流体ポート(538)が配備される。説明及びこれに限定しない目的から、流体ポート(538)は以下の如く、入口又は出口ポートとして形成される。各流体ポート(538(1))(538(2))(538(6))(538(7))は入口ポートとして形成される。流体ポート(538(1))は、第1のタイプの造影剤流体用の入口ポートであり、流体ポート(538(2))及び(538(6))は、生理食塩水用の入口ポートであり、流体ポート(538(7))は第2のタイプの造影剤流体用の入口ポートである。各流体ポート(538(3))-(538(5))は、出口ポートとして形成される。特に、流体ポート(538(4))は、患者用出口ポートであり、流体ポート(538(3))及び(538(5))は、廃棄物出口ポートである。本実施例について、スリーブピストン(562)は、スリーブピストン(562)の端部壁(572)の半径方向に沿って等間隔に離れた4つのスリーブポート(574)(図示せず)を有する。そのように構成されたスリーブピストン(562)の回転方向の動きは、4つのスリーブポート(574)の1つが所望の流体ポート(538)と一直線上となることにより、所望の流体ポート(538)が選択されることができる。
流体ポンプ装置と、流体ポンプ装置に協働する流体輸送システム及び関連する駆動システムが前記の記載にて提供されてきたが、当業者は、本発明の範囲及び精神から離れることなく、これらの実施例に修正及び変更することができる。従って、前記の記載は、限定的ではなく説明することを意図している。上記発明は添付の請求の範囲によって規定され、請求の範囲の意味内に含まれ、且つ均等範囲に含まれる本発明への全ての変更は、請求の範囲内に包含される。