JP6165517B2 - 発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、発光ダイオード(LED)などの発光素子に関する。
発光ダイオードなどの半導体発光素子は、通常、成長用基板上に、n型半導体層、発光層及びp型半導体層からなる半導体構造層を形成し、半導体構造層上にn電極とp電極とを形成して作製される。
特許文献1には、p型半導体層上に形成されたp電極、p型半導体層側から半導体膜の一部を除去することによって露出したn型半導体層上に形成されたn電極及びn型半導体層に形成されたトレンチを有する半導体発光素子が開示されている。
特開2007-134700号公報
発光素子のn電極とp電極との間に電圧を印加すると、半導体構造層内を電流が流れ、その際に発光層から光が放出される。半導体構造層内を流れる電流の大きさは、電極間の電気抵抗の大きさによって変動する。また、電極間の電気抵抗の大きさは、電極間の電流路の長さすなわちn電極上の任意の点とp電極上の任意の点との間の電流路の長さに比例する。例えば、長い電流路を有するp電極の任意の点は、短い電流路を有するp電極上の任意の点よりも電流路の電気抵抗が高いため、p電極から半導体構造層内に流入する電流が相対的に少なくなる。従って、電極間の距離に応じて発光層を通過する電流の大きさにバラつきが発生し、これによって発光層における1の領域と他の領域との間で放出される光の強度にバラつきが発生する。例えば表示用途や照明用途にこのような発光素子を使用すると、輝度ムラが発生してしまう。
特に、半導体構造層の一方の主面側にn電極及びp電極の両方を形成する構成(以下、横型電極構成と称する場合がある)を有する発光素子においては、上記問題が露呈する。すなわち、横型電極構成の発光素子においては、その電極の配置に起因して、発光層の全体に亘って均一に電流を分配することが困難であった。
例えば、特許文献1に開示された半導体発光素子はn電極とp電極との間にトレンチを有している。当該トレンチは、n電極とp電極との間の短い電流路を遮断し、一定の電気抵抗を加えることで長い電流路と短い電流路の電気抵抗差を減じ、素子内の電流集中を防止する機能を有している。しかし、近年では発光素子の大型化や形状の複雑化に伴い、長い電流路と短い電流路の長さの差、すなわち電気抵抗のバラつきが大きくなり、従来のように一定深さのトレンチを加えるのみでは十分に発光層の全体に亘って均一に電流を分配することが困難になってきた。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、発光層すなわち各電流路に均一に電流を分配するトレンチを有し、輝度ムラのない高性能の発光素子を提供することを目的としている。
本発明による発光素子は、第1の導電型を有する第1の半導体層、第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する第2の半導体層並びに第1及び第2の半導体層間に形成された発光層を含み、第1の半導体層の表面を第1の主面とする半導体構造層と、半導体構造層の第1の半導体層の表面上に形成されかつ金属材料からなる第1の電極と、第1の半導体層の表面から第1の半導体層及び発光層を貫通して第2の半導体層に接続されかつ金属材料からなる第2の電極と、を有し、第1の主面を実装面とするフリップチップ型の発光素子であって、第1の主面における第1の電極と第2の電極との間の電極間領域から半導体構造層の電極間領域に対向する第2の主面に向かって、全体として第1の主面における第2の電極の形成領域を囲むように形成され、発光層を貫通する深さを有する第1トレンチ及び第2トレンチを有し、半導体構造層内における第1の電極及び第2の電極間の電流の方向は、半導体構造層の面内方向において相対的に低い電気抵抗を有する電流方向である低抵抗方向と、相対的に高い電気抵抗を有する電流方向である高抵抗方向との少なくとも2つに区別され、半導体構造層は、低抵抗方向に沿った領域である低抵抗方向領域と、高抵抗方向に沿った領域である高抵抗方向領域との少なくとも2つに区画され、第1トレンチは低抵抗方向領域に亘って形成され、第2トレンチは高抵抗方向領域に亘って形成され、第2トレンチは第1トレンチよりも深く形成されていることを特徴としている。
(a)〜(c)は、実施例1の半導体発光素子の構造を説明する図である。 実施例1の半導体発光素子の電極形成面を説明する図である。 (a)及び(b)は、実施例1の半導体発光素子内の電流路を説明する図である。 (a)及び(b)は、実施例1の変形例に係る半導体発光素子の変形例の構造を説明する図である。 (a)〜(c)は、実施例2の半導体発光素子の構造を説明する断面図である。 (a)及び(b)は、実施例2の変形例に係る半導体発光素子の構造を説明する図である。 (a)及び(b)は、実施例2の変形例に係る半導体発光素子の構造を説明する図である。 (a)〜(c)は、実施例3の半導体発光素子の構造を説明する図である。 (a)は実施例3の半導体発光素子におけるトレンチの位置関係を説明する図であり、(b)及び(c)は実施例3の半導体発光素子内の電流路を説明する図である。 (a)及び(b)は、電流路の方向及びその方向領域を区別する手法を説明する図である。
以下においては、説明の便宜上、横型電極構成を有する半導体発光素子の半導体構造層におけるp電極及びn電極が形成された主面を電極形成面、その反対側の主面を対向面と称する。また、電極形成面におけるp電極とn電極との間の領域を電極間領域、電極間領域に対向する対向面上の領域を対向領域と称する。
以下の実施例においては、半導体発光素子が上面視において正方形の半導体構造層を有する場合、すなわち半導体構造層の電極形成面及び対向面が正方形の形状を有する場合について説明する。また、n電極が電極形成面における1つの端部領域に設けられ、p電極が電極形成面上の他の領域に設けられている場合について説明する。また、発光素子は電極形成面を実装基板等への設置面とする、いわゆるフリップチップ型の実装形態を適用した場合について説明する。しかし、半導体構造層の形状、電極の位置関係及び発光素子の実装形態は上記に限定されるものではない。例えば、n電極が電極形成面の複数の領域に形成され、p電極が他の領域に形成されていてもよい。
本発明は、n電極とp電極との間の半導体構造層内の電流路に対し、半導体構造層の面内方向(半導体構造層に平行な平面内の方向)において相対的に高い電気抵抗を有する高抵抗方向と低い電気抵抗を有する低抵抗方向とが存在することに着目してなされたものである。本発明による種々の実施例及びその変形例に係る半導体発光素子は、半導体構造層内に、当該高抵抗方向及び低抵抗方向に沿った電流路の長さに応じた異なる電流路の開口(aperture又はopening)を形成するトレンチを有している。当該トレンチは、電流路の開口を小さくすることで特定の電流拡散方向に沿った電流路に対して任意の電気抵抗を付加し、各電流路に分配する電流の量を制御する。
以下、図10(a)を用いて、高抵抗方向、低抵抗方向、高抵抗方向領域及び低抵抗方向領域について簡単に説明する。なお、図10(a)は、後述する実施例1に係る半導体発光素子10の上面視における半導体構造層11、p電極14及びn電極15を模式的に示している。
まず、半導体構造層11の上面視において、n電極15とp電極14上のn電極15からの最遠点との間の異なる2方向の直線を決定する。そして、当該2つの直線のうち、その直線距離が大きい方の方向を高抵抗方向HD、小さい方の方向を低抵抗方向LDと区別する。
具体的には、半導体構造層11が上面視において正方形の形状を有し、図10(a)に示すような電極構成の場合、電極間における半導体構造層11の面内方向における直線距離は、辺方向が最も短く、対角方向が最も長い。すなわち、対角方向におけるp電極14の最遠点とn電極との間の直線距離は、辺方向におけるp電極14の最遠点とn電極との間の直線距離よりも長い。従って、辺方向よりも対角方向の方が長い電流路を有し、辺方向よりも対角方向の電流路の方が高い電気抵抗を有することとなる。従って、電極間の電流の方向は、半導体構造層11の面内方向において、辺方向が低抵抗方向LD、対角方向が高抵抗方向HDと区別することができる。
また、図10(b)に示すように、半導体構造層11は、低抵抗方向LDに沿った相対的に低い電気抵抗を有する電流路の領域である低抵抗方向領域11L、高抵抗方向HDに沿った相対的に低い電気抵抗を有する電流路の領域である高抵抗方向領域11Hに区画することができる。すなわち、高抵抗方向領域11Hは、低抵抗方向領域11Lに比べて、領域内における電流路の長さの差、すなわち領域内における電流路の電気抵抗の差が大きい領域である。
以下において、図を参照しつつ本発明の実施例に係る半導体発光素子におけるトレンチについて具体的に説明する。
図1(a)は、本発明の実施例1に係る半導体発光素子10の斜視図である。半導体発光素子10は、半導体構造層11の同一主面側にp電極(第1の電極)14及びn電極(第2の電極)15の両方が形成された横型電極構成を有している。以下においては、説明の便宜上、p電極14及びn電極15が形成されている側の半導体構造層11の主面を電極形成面(第1の主面)12、電極形成面12の反対側の半導体構造層11の主面を対向面(第2の主面)13と称する。電極形成面12及び対向面13は、例えば一辺が350μm又は1mmの長さを有する正方形の形状を有する。
図1(a)を参照すると、半導体発光素子10は、電極形成面12のp電極14とn電極15との間の領域(電極間領域)12Aとその対向する対向面13の領域(対向領域)13Aとの間に設けられた半導体構造層11の電極間内部領域(以下、単に内部領域と称する)11Aに、第1トレンチ16及び第2トレンチ17を有している。
第1トレンチ16及び第2トレンチ17は、半導体構造層11内におけるp電極14とn電極15との間の電流に対し、半導体構造層11の面内方向において異なる電気抵抗を有する2方向のうち、相対的に高い電気抵抗を有する高抵抗方向HDと低い電気抵抗を有する低抵抗方向LDとの間で形成深さが異なるように構成されている。
第1トレンチ16は、低抵抗方向LDにおいて、電極形成面12の電極間領域12Aから対向面13の対向領域13Aに向かって形成されている。第2トレンチ17は、高抵抗方向HDにおいて、電極間領域12Aから対向領域13Aに向かって形成されている。第2トレンチ17は、第1トレンチ16よりも深く形成されている。
第1トレンチ16及び第2トレンチ17は、それぞれ半導体構造層11における電極形成面12の電極間領域12Aに形成された凹部からなる。第1トレンチ16及び第2トレンチ17、例えば、フォトリソグラフィによって電極形成面12上にパターニングが施されたマスクを成膜し、反応性イオンエッチングなどの既知の加工方法によって凹部を形成した後、マスクを除去することによって形成される。
具体的には、まず第1トレンチ16の深さに対応するトレンチを上記手法によって電極形成面12の電極間領域12Aに形成する。この際、第2トレンチ17を形成する位置にも第1トレンチ16と同じ深さを有するトレンチが形成される。その後、フォトリソグラフィによって第2トレンチ17を形成する位置に対応するマスクを形成し、エッチングによって第2トレンチ17の深さに至るまで半導体構造層11を加工し、マスクを除去する。第1トレンチ16及び第2トレンチ17は、例えばこのように2つのプロセスによって形成することができる。
なお、第1トレンチ16及び第2トレンチ17は、マスクの開口部の幅を変えることによって、1つのプロセスによって形成することができる。具体的には、半導体構造層11の電極形成面12に、第2トレンチ17に対応する開口部の幅が第1トレンチ16に対応する開口部の幅よりも小さくなるように構成されたマスクを成膜する。当該マスクの開口部の幅が小さい部分(第2トレンチ17を形成する部分)は、開口部の幅が大きい部分(第1トレンチ16を形成する部分)よりもエッチングが速く進む。従って、上記したようなマスクを用いてエッチングを行うと、第1トレンチ16及び第2トレンチ17(深さの異なるトレンチ)が1つのプロセスによって形成される。
なお、上記した開口部の幅が異なるマスクを使用して第1トレンチ16及び第2トレンチ17を形成する場合、形成される第1トレンチ16と第2トレンチ17との幅が異なる場合がある。すなわち、第1トレンチ16よりも第2トレンチの方が小さい幅を有する。しかし、半導体構造層11の電流路を当該トレンチによって部分的に遮断する機能を果たすことができれば、トレンチの幅は異なっていても良い。従って、上記した1つのプロセスに限らず、2つのプロセスによってトレンチを形成する場合においても、トレンチの幅は異なっていても良い。
図1(a)に示すように、第1トレンチ16は、その側面において第2トレンチ17の側面に接続されている。すなわち、第1トレンチ16及び第2トレンチ17は、電極間領域12Aに形成され、かつ低抵抗方向LDと高抵抗方向HDとで深さが異なる一連の電極側トレンチを形成している。
図1(b)は、図1(a)において、半導体発光素子10を面OPQRに沿って切断したときの断面図を示している。なお、面OPQRは、半導体構造層11の辺方向に沿った平面である。なお、後述する面STUVは、半導体構造層11の対角方向に沿った平面である。面OPQR及び面STUVは、図1(a)の一点鎖線によって囲まれた平面である。
まず、図1(b)を参照して、半導体構造層11、p電極14及びn電極15について説明する。半導体構造層11は、図1(b)の断面図に示されているように、発光層19がn型半導体層(第2の半導体層)18とp型半導体層(第1の半導体層)20との間に形成された構造を有している。半導体構造層11は、AlxInyGazN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)の組成を有している。例えば、n型半導体層18はn−GaN層、p型半導体層20はp−GaN層からなり、n型半導体層18及びp型半導体層20は、それぞれ5μm及び150nmの層厚を有している。以下においては、半導体構造層11の電極形成面12がp型半導体層20の表面からなり、対向面13がn型半導体層18の表面からなる場合について説明する。
p電極14は、半導体構造層11の電極形成面12上に形成されている。p電極14は、例えば、p型半導体層20上にフォトリソグラフィを用いてマスク材料のパターニングを行い、スパッタ法などにより電極材料を形成した後、マスクを除去することによって形成される。p電極15は、既知の電極材料、例えば、Al、Pt、Ag、Rh、Auなどを用いて形成される。
n電極15は、半導体構造層11の電極形成面12側に形成されており、電極形成面12からp型半導体層20及び発光層19を貫通し、n型半導体層18に接続されている。n電極15は、例えば、半導体構造層11のp型半導体層20上にp電極14が形成されない領域を設け、当該領域において、p型半導体層20の表面からp型半導体層20及び発光層19を貫通してn型半導体層18に至る凹部を形成した後、当該凹部に電極材料を形成することによって形成される。n電極15は、p電極14と同様の材料を用いて形成される。
図1(b)は、半導体発光素子10の低抵抗方向LDにおける断面図を示している。低抵抗方向LDにおいては、半導体構造層11における電極形成面12の電極間領域12Aから対向面13の対向領域13Aに向かって第1トレンチ16が形成されている。第1トレンチ16は、電極形成面12の電極間領域12Aからp型半導体層20及び発光層19を貫通してn型半導体層18の一部に至る深さで形成されている。低抵抗方向LDにおける電流路の開口AP1は、第1トレンチ16及び対向面13によって形成される。
図1(c)は、図1(a)において、半導体発光素子10を面STUVに沿って切断したときの断面図を示している。図1(c)は、半導体発光素子10の高抵抗方向HDにおける断面図を示している。高抵抗方向HDにおいては、電極間領域12Aから対向領域13Aに向かって第2トレンチ17が形成されている。第2トレンチ17は、第1トレンチ16よりも深く形成されている。第1トレンチ16及び第2トレンチ17は、その底部が半導体構造層11とn電極15との接触面15Bよりも対向面13側に形成されるように構成されている。高抵抗方向HDにおける電流路の開口AP2は、第2トレンチ17及び対向面13によって形成される。
図2は、半導体発光素子10の電極形成面12を電極形成面12に垂直な方向から見たとき、すなわち電極形成面12の上面視における平面図を示している。図2に示すように、半導体構造層11の電極間内部領域11Aは、低抵抗方向LDに沿った相対的に低い電気抵抗を有する領域である低抵抗方向領域11ALと、高抵抗方向HDに沿った相対的に高い電気抵抗を有する領域である高抵抗方向領域11AHと、に区画される。第1トレンチ16は、この低抵抗方向領域11ALに亘って形成され、第2トレンチ17は、高抵抗方向領域11AHに亘って形成されている。また、第1トレンチ16及び第2トレンチ17は、全体として電極形成面12におけるn電極15の形成領域15Aを囲むように形成されている。
図3(a)は、低抵抗方向LDにおける半導体構造層11内の電流路を説明する図である。図3(a)及び後述する図3(b)は、図1(b)及び図1(c)と同様の断面図であるが、電流路の説明のためにハッチングを省略してある。また、電流路の一例を破線で示している。実際の発光素子では電流路の始点はp電極14上に無数に、また連続して存在するが、説明の容易さのため、p電極14上に任意の間隔で存在する複数の電流路を取り上げて説明する。
図3(a)に図示した電流路C1及び図3(b)に図示した電流路C3は、それぞれ低抵抗方向LD及び高抵抗方向HDにおけるn電極15に最も近いp電極14上の点からn電極15に向かう電流路を模式的に示している。同様に、図3(a)に図示した電流路C2及び図3(b)に図示した電流路C4は、それぞれ低抵抗方向LD及び高抵抗方向HDにおけるn電極15から最も遠いp電極14上の点からn電極15に向かう電流路を模式的に示している。
低抵抗方向LDにおいては、第1トレンチ16が形成されている。このため、電流路C1は、図3(a)に示すように、半導体構造層11内を大きく迂回するような経路となる。従って、電流路C1は、第1トレンチ16が形成されていない場合に比べて、大幅に長い電流路となる。一方、電流路C2の長さは、第1トレンチ16の影響を受けにくく、第1トレンチ16によって長くなりにくい。従って、第1トレンチ16によって、電流路C1及びC2の長さ、すなわち、電流路C1及びC2を流れる電流の電気抵抗値がほぼ同じとなる。従って、低抵抗方向LD内においてほぼ同じ量の電流が分配される。
図3(b)は、高抵抗方向HDにおける半導体構造層11内の電流路を説明する図である。高抵抗方向HDにおいては、低抵抗方向LDに比べて、最も短い電流路と最も長い電流路との長さの差、すなわち、電流路C3及びC4間の長さの差が大きくなる。従って、高抵抗方向HDにおいては、低抵抗方向LDよりも電流路の電気抵抗値が大きくばらつく。
高抵抗方向HDには、第1トレンチ16よりも深い第2トレンチ17が形成されている。このため、電流路C3が低抵抗方向LDにおける電流路C1よりも大幅に長くなり、電流路C3及びC4の長さの差、すなわち電気抵抗値の差が低減される。低抵抗方向LDに形成された第1トレンチ16よりも広範囲に亘って電流供給を均一化することが可能になっている。従って、電流路の長さの差が大きい高抵抗方向HD内における電流供給も均一化される。
図3(a)及び図3(b)からわかるように、低抵抗方向LDの第1トレンチ16よりも高抵抗方向HDの第2トレンチ17を深く形成することによって、低抵抗方向LD及び高抵抗方向HDの各々について同一方向内の電流供給を均一化することができる。また、各方向の電気抵抗に応じて異なる深さのトレンチを形成しているため、単純に一定深さのトレンチを形成する場合に比べて付加する電気抵抗を小さく抑えることができる。
なお、本実施例においては、第1トレンチ16及び第2トレンチ17が凹部からなる場合について説明したが、第1トレンチ16又は第2トレンチ17の凹部には、絶縁材料、例えばSiO2及びSiNが充填されていてもよい。
本実施例の変形例として、半導体発光素子10Aの低抵抗方向LD及び高抵抗方向HDにおける断面図をそれぞれ図4(a)及び(b)に示す。半導体発光素子10Aは、それぞれ第1トレンチ及び第2トレンチの凹部に絶縁材料が充填された第1絶縁部22及び第2絶縁部23を有することを除いては実施例1の半導体発光素子10と同様の構成を有している。
本変形例においては、第1トレンチ16及び第2トレンチ17を構成する凹部に絶縁材料が充填(埋設)されている。従って、例えば、素子製造中の埃、水分、金属粉などが第1トレンチ及び第2トレンチに侵入することがない。従って、品質の高い半導体発光素子を提供することができる。なお、本変形例は、本実施例(実施例1)のみならず、後述する他の実施例及び変形例におけるトレンチにも適用することができる。
図5(a)は、本発明の実施例2に係る半導体発光素子30の斜視図である。半導体発光素子30は、トレンチの構成を除いては実施例1の半導体発光素子10と同様の構成を有している。半導体構造層31、p電極34及びn電極35は、半導体発光素子10における半導体構造層11、p電極14及びn電極15とそれぞれ同様の構成を有している。
半導体発光素子30は、実施例1の第1トレンチ16及び第2トレンチ17と同様の第1トレンチ36及び第2のトレンチ37に加え、対向面33の対向領域33Aから電極形成面32の電極間領域32Aに向かって形成された第3トレンチ38及び第4トレンチ39を有している。第3トレンチ38は低抵抗方向LD(低抵抗方向領域)において電極形成面32におけるn電極35の形成領域35Aを囲むように形成されている。第4トレンチ39は高抵抗方向HD(高抵抗方向領域)において電極形成面32におけるn電極35の形成領域35Aを囲むように形成されている。第3トレンチ38及び第4トレンチ39は、第1トレンチ36及び第2トレンチ37と同様の手法を用いて対向領域33Aに形成された凹部からなる。
図5(a)に示すように、第3トレンチ38は、その側面において第4トレンチ39の側面に接続されている。すなわち、第3トレンチ38及び第4トレンチ39は、対向領域33Aに形成され、かつ低抵抗方向LDと高抵抗方向HDとで深さが異なる一連のトレンチを形成している。従って、本実施例の半導体発光素子30は、電極間領域32Aから対向領域33Aに向かって異なる深さで形成された一連の電極側トレンチ(第1トレンチ36及び第2トレンチ37)と、対向領域33Aから電極間領域32Aに向かって形成された一連の対向面側トレンチ(第3トレンチ38及び第4トレンチ39)と、を有している。
図5(b)は、半導体発光素子30の低抵抗方向LDにおける断面図である。半導体発光素子30は、低抵抗方向LDにおいては、第1トレンチ36及び第3トレンチ38を有している。第3トレンチ38は、半導体構造層31の面内方向において第1トレンチ36に重なるように形成されている。半導体構造層31の電極間内部領域31Aは、低抵抗方向LDにおいては、第1トレンチ36及び第3トレンチ38によって形成された相対的に小さな電流路の開口AP1、すなわち第1トレンチ36及び第3トレンチ38によって電流路が狭窄されて形成された相対的に小さな電流路狭窄部を有している。
図5(c)は、半導体発光素子30の高抵抗方向HDにおける断面図である。半導体発光素子30は、高抵抗方向HDにおいては、第2トレンチ37及び第4トレンチ39を有している。第2トレンチ37は第1トレンチ36よりも深く形成され、第4トレンチ39は第3トレンチ38よりも浅く形成されている。第4トレンチ39は、半導体構造層31の面内方向において第2トレンチ37に重なるように形成されている。半導体構造層31の電極間内部領域31Aは、高抵抗方向HDにおいては、第2トレンチ37及び第4トレンチ39によって形成された相対的に大きな電流路の開口AP2、すなわち第2トレンチ37及び第4トレンチ39によって電流路が狭窄されて形成された低抵抗方向LDよりも大きな電流路狭窄部を有している。
図5(b)及び図5(c)からわかるように、高抵抗方向HDにおける電流路の開口AP2は、低抵抗方向LDにおける電流路の開口AP1よりも大きい。従って、高抵抗方向HD(高抵抗方向領域)における電流路の開口AP2の電気抵抗値は低抵抗方向LD(低抵抗方向領域)における電流路の開口AP1の電気抵抗値よりも小さい。従って、低抵抗方向LDと高抵抗方向HDとの電気抵抗の差を小さくすることができる。
半導体発光素子30は、電極間領域32Aに形成され、互いに異なる深さを有する第1トレンチ36及び第2トレンチ37を有している。従って、第1トレンチ36及び第2トレンチ37によって同一方向(それぞれ低抵抗方向LD及び高抵抗方向HD)内の電流供給を均一化することができる。高抵抗方向HDには低抵抗方向LDよりも遠方まで電流路が配置されているため、発光素子内の各電流路に同量の電流を供給するには高抵抗方向HDにも多くの電流を分配する必要がある。半導体発光素子30は、対向領域33Aに形成され、互いに異なる深さを有する第3トレンチ38及び第4トレンチ39を有しており、それぞれ電流路の開口AP1及び開口AP2を形成している。開口AP1を開口AP2に対して小さくすることで低抵抗方向LDの電気抵抗を選択的に高くできる。従って、低抵抗方向LDよりも高抵抗方向HDの方に大きな電流を流すことも可能になる。
本実施例においては、第3トレンチ38及び第4トレンチ39が電極間内部領域31Aに形成される場合について説明したが、第3トレンチ及び第4トレンチは、電極間内部領域31Aに形成されていなくてもよい。第3トレンチ及び第4トレンチは、対向面33において半導体構造層31の上面視におけるp電極34に重ならないような位置に形成されていることが好ましい。例えば、第3トレンチ又は第4トレンチは、半導体構造層31の上面視においてn電極35に重なるように対向面33から電極形成面32に向かって形成されていてもよい。また、第3トレンチ又は第4トレンチは、第1トレンチ及び第2トレンチよりも面内方向においてp電極34側に形成されていてもよい。
また、本実施例においては、第3トレンチ及び第4トレンチが半導体構造層の上面視においてそれぞれ第1トレンチ及び第2トレンチに重なるように(各トレンチの直上に)形成される場合について説明したため、第3トレンチ及び第4トレンチはいずれも第1トレンチの底部を越えない形成深さを有している。しかし、第3トレンチ及び第4トレンチがそれぞれ第1トレンチ及び第2トレンチの直上以外の領域(位置)に形成される場合、第3トレンチ及び第4トレンチは、第1トレンチ又は第2トレンチの底部を越えて形成されていてもよい。例えば、第3トレンチ及び第4トレンチは、第1トレンチの底部を越えて形成されていてもよい。すなわち、第3トレンチ及び第4トレンチの底部が第1トレンチの底部よりも電極形成面側に形成されていてもよい。
また、本実施例においては、第4トレンチが形成される場合について説明したが、第4トレンチは、形成されなくてもよい。例えば、低抵抗方向LDと高抵抗方向HDとの間で所望の大きさ及びその差を有する電流路の開口を構成することができる場合、第4トレンチが形成されなくてもよい。すなわち、第4トレンチの深さはゼロであってもよい。
また、第3トレンチ及び第4トレンチが互いに異なる深さを有する場合について説明したが、第3トレンチ及び第4トレンチの深さ関係はこれに限らない。例えば、互いの形成位置によって高抵抗方向HDにおける電流路の開口AP2を低抵抗方向LDにおける電流路の開口AP1よりも大きくすることができる場合、第3トレンチ及び第4トレンチは同じ深さを有していても良い。
上記した第3トレンチ及び第4トレンチの変形例の一例(変形例1)として、半導体構造層31の上面視においてn電極に重なるように対向面33に形成され、かつ第1トレンチ16及び第2トレンチ17の底部を越えて形成された第3トレンチ38A及び第4トレンチ39Aを有する半導体発光素子30Aの斜視図を図6(a)に示す。半導体発光素子30Aは、第3トレンチ及び第4トレンチの位置及び深さを除いては半導体発光素子30と同様の構成を有している。第3トレンチ38Aは低抵抗方向LDにおける電流路の一部を貫通するように、第4トレンチ39Aは高抵抗方向HDにおける電流路の一部を貫通するように形成されている。第3トレンチ38Aは第4トレンチ39Aと同一の深さで形成されている。
半導体発光素子30Aの上面視における第1トレンチ36、第2トレンチ37、第3トレンチ38A及び第4トレンチ39Aの位置関係を図6(b)に示す。図6(b)は、半導体発光素子30Aの上面視における半導体構造層31及び各トレンチを示した図である。理解の容易さのため、n電極34及びp電極35を破線で示し、各トレンチにはハッチングを施してある。図6(b)に示すように、第3トレンチ38A及び第4トレンチ39Aは、半導体構造層31の面内方向においてn電極35に重なるような対向面33上の位置に形成されている。また、第1トレンチ36と第3トレンチ38Aとの間の面内方向における距離D1は、第2トレンチ37と第4トレンチ39Aとの間の面内方向における距離D2よりも小さい。
また、第3トレンチ及び第4トレンチの他の変形例(変形例2)による半導体発光素子30Bの斜視図を図7(a)に示す。半導体発光素子30Bは、第3トレンチ及び第4トレンチの構成を除いては半導体発光素子30と同様の構成を有している。半導体発光素子30Bは、半導体構造層31の面内方向において第1トレンチ36よりもp電極34に近い位置に形成された第3トレンチ38Bを有している。半導体発光素子30Bは第4トレンチを有していない。
図7(a)に示すように、第3トレンチ38Bは、半導体構造層31の面内方向において第1トレンチ36よりもp電極34に近い側の対向面33の領域から電極形成面32に向かって、第1トレンチ36の底部を越えて形成されている。
半導体発光素子30Bの上面視における第1トレンチ36、第2トレンチ37及び第3トレンチ38Bの位置関係を図7(b)に示す。図7(b)は、半導体発光素子30Bにおける図6(b)と同様の図である。各トレンチの領域にはハッチングが施してある。図7(b)に示すように、第3トレンチ38Bは、第1トレンチ36よりも面内方向においてp電極34に近い側に、かつ面内方向においてp電極34に重ならないように形成されている。
本実施例及び変形例においては、高抵抗方向HDにおける第2トレンチ及び第4トレンチによって形成される電流路の開口AP2が、低抵抗方向LDにおける第1トレンチ及び第3トレンチによって形成される電流路の開口AP1よりも大きく形成されている。換言すれば、第3トレンチ及び第4トレンチは、第1トレンチ及び第3トレンチによって形成される低抵抗方向領域の電流路の開口における電気抵抗値が、第2トレンチ及び第4トレンチによって形成される高抵抗方向領域の電流路の開口における電気抵抗値よりも大きくなるような位置及び深さで形成されている。低抵抗方向LDよりも高抵抗方向HDにおける電流路の開口における電気抵抗値が小さい。従って、高抵抗方向HDに大きな電流路を供給することができ、発光層の全体に均一に電流を分配することができる。さらに、実施例1と同様に、同一方向内の電流供給を均一化することができる。
また、本変形例においては、第1トレンチ及び第3トレンチ、並びに第2トレンチ及び第4トレンチの形成位置を面内方向でずらすことができる。これにより、第3トレンチ及び第4トレンチの深さ同一とすることができ、第1トレンチと第3トレンチとの距離D1、並びに第2トレンチと第4トレンチとの距離D2を連続的に変化させることもできる。従って、設計自由度と製造容易性が増すとともに、歩留りの低下を図ることができる。
なお、図示及び説明した第3トレンチ及び第4トレンチの形成位置及び形成深さは例示に過ぎず、他の構成及びその組合せも適用することが可能である。
図8(a)は、本発明の実施例3に係る半導体発光素子50の斜視図である。半導体発光素子50は、トレンチの構成を除いては実施例1の半導体発光素子10と同様の構成を有している。半導体構造層51、p電極54及びn電極55は、半導体発光素子10における半導体構造層11、p電極14及びn電極15とそれぞれ同様の構成を有している。
半導体発光素子50は、実施例1の第1トレンチ17及び第2トレンチ18と同様の第1トレンチ57及び第2トレンチ58と、実施例2の第3トレンチ38及び第4トレンチ39と同様の第3トレンチ58及び第4トレンチ59と、を有している。さらに、半導体発光素子50は、半導体構造層51の上面視において第3トレンチ58とp電極54との間の電極間領域52A内の領域(領域52B)から、対向面53(対向領域53A)に向かって形成された第5トレンチ60を有している。第5トレンチ60は低抵抗方向LD上に(低抵抗方向領域に亘って)形成されている。第5トレンチ60は、発光層19を貫通して第3トレンチ58の底部を越える深さを有している。
なお、本実施例においては、第3トレンチ58及び第4トレンチ59が、半導体構造層51の上面視においてそれぞれ第1トレンチ56及び第2トレンチ57に重なるように形成されている場合について説明する。
図8(b)及び図8(c)に示されているように、第5トレンチ60は、第3トレンチ58の底部を越えて形成されている。すなわち、第5トレンチ60の底部は、第3トレンチ58の底部よりも対向面53側に形成されている。半導体構造層51を側部から見たとき、第5トレンチ60は、第3トレンチ58に交差する。
第5トレンチ60は、p電極54からn電極55に向かう電流路のうち、n電極55に近い電流路の抵抗を上昇させてn電極55から遠方の電流路との抵抗差を減ずる機能を有している。従って、比較的短い電流路、すなわちn電極55に近いp電極54の領域に電流が集中することを防止する。
図9(a)は、半導体発光素子50の上面視における各トレンチの位置関係を模式的に示す図である。図9(a)においては、理解の容易さのため、p電極54及びn電極55を破線で示し、各トレンチにハッチングを施してある。図9(a)に示すように、第5トレンチ60は、半導体構造層51の上面視において第3トレンチ58とp電極54との間の位置に形成されている。
図9(b)は、半導体発光素子50の半導体構造層51内における低抵抗方向LDの電流路を説明する図である。図9(b)及び後述する図9(c)は、それぞれ図8(b)及び図8(c)と同様の断面図であるが、理解の容易さのため、ハッチングを省略してある。また、電流路の一例を破線で示している。低抵抗方向LDにおいては、第5トレンチ60がp電極54からの比較的短い電流路を遮断する。従って、低抵抗方向LD内における電流供給を均一化することができる。電流(電子)は、図の破線で示すように、p電極54から第5トレンチ60を越えた後、第3トレンチ58及び第1トレンチ56によって形成された開口を通ってn電極55に向かって進む。従って、第5トレンチ60があることで電流路が屈曲して長くなり、第5トレンチ60がない場合に比べて低抵抗方向HDの電流路における電気抵抗が上昇する。
図9(c)は、半導体発光素子50の半導体構造層51内における高抵抗方向HDの電流路を説明する図である。高抵抗方向HDにおいては、第2トレンチ57及び第4トレンチ59が形成されている。従って、電流は、実施例2の場合と同様に、p電極54から、第4トレンチ59及び第2トレンチ57によって形成された開口を通って、n電極55に向かって進む。
上記したように、本実施例においては、低抵抗方向LDと高抵抗方向HDとの間の均一な電流供給を図るのみならず、第1トレンチ56より深い第5トレンチ60が形成されているので低抵抗方向LD内での均一な電流供給も図ることができる。従って、発光素子の発光層の全体に均一に電流を分配及び供給する高性能の発光素子を提供することができる。
また、本実施例においては、第3トレンチ及び第4トレンチが半導体構造層の上面視においてそれぞれ第1トレンチ及び第2トレンチに重なるように形成される場合について説明したが、第3トレンチ及び第4トレンチは、面内方向においてそれぞれ第1トレンチ及び第2トレンチよりもp電極に近い位置に形成されていてもよい。この場合、第3トレンチ及び第4トレンチは、それぞれ第1トレンチ及び第2トレンチの底部を越えて形成されていてもよい。
上記の実施例においては、正方形の形状の主面を有する半導体構造層を有する場合について説明したが、半導体構造層の主面の形状は正方形に限定されるものではない。例えば、半導体構造層の主面は、長方形、多角形状及び円形状を有していてもよい。いずれの形状の半導体構造層を有する場合であっても、高抵抗方向と低抵抗方向との間で電流路の開口が異なるトレンチを形成することによって、発光層に均一に電流を分配することができる。従って、輝度ムラのない高発光効率の発光素子を提供することができる。
また、上記の実施例においては、半導体構造層を高抵抗方向及び低抵抗方向の2つの方向の領域に区別し、それぞれの方向領域における電流路の開口の大きさが異なるようにトレンチを形成する場合について説明したが、半導体構造層を流れる電極間の電流の方向は高抵抗方向及び低抵抗方向の2つの方向に区別することに限定されない。例えば、半導体構造層を高抵抗方向、中抵抗方向及び低抵抗方向の3つの方向の領域に区画し、それぞれの方向領域において電流路の開口の大きさが異なるトレンチを形成してもよい。さらに、半導体構造層を4つ以上の方向の領域に区画した上で、より詳細に電流路の開口を制御するトレンチを形成することも可能である。方向領域の区別及び電流路の開口の大きさの制御をより厳密に行うことにより、発光層へ分配する電流の大きさをより均一化することが可能となる。
上記したように、発光層を含む半導体構造層と、半導体構造層の第1の主面側に第1の電極及び第2の電極の両方が形成されている構成を有し、半導体構造層内に第1トレンチ及び第2トレンチを有し、第1トレンチ及び第2トレンチは、第1の電極から第1の電極に向かう面内方向の電流路の方向のうち、相対的に高い電気抵抗を有する高抵抗方向と低い電気抵抗を有する低抵抗方向との間で電流路の開口の大きさが異なるように形成されている。従って、半導体構造層内の電流密度の分布を均一化することができ、発光層から均一な発光強度を有する光を放出させることができる。
10、30、50 半導体発光素子
11、31、51 半導体構造層
19 発光層
14、34、54 p電極
15、35、55 n電極
16、36、56 第1トレンチ
17、37、57 第2トレンチ
38、58 第3トレンチ
39、59 第4トレンチ
60 第5トレンチ
HD 高抵抗方向
LD 低抵抗方向
11H、11AH 高抵抗方向領域
11L、11AL 低抵抗方向領域

Claims (6)

  1. 第1の導電型を有する第1の半導体層、前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する第2の半導体層並びに前記第1及び第2の半導体層間に形成された発光層を含み、前記第1の半導体層の表面を第1の主面とする半導体構造層と、前記半導体構造層の前記第1の半導体層の前記表面上に形成されかつ金属材料からなる第1の電極と、前記第1の半導体層の前記表面から前記第1の半導体層及び前記発光層を貫通して前記第2の半導体層に接続されかつ金属材料からなる第2の電極と、を有し、前記第1の主面を実装面とするフリップチップ型の発光素子であって、
    前記第1の主面における前記第1の電極と前記第2の電極との間の電極間領域から前記半導体構造層の前記電極間領域に対向する第2の主面に向かって、全体として前記第1の主面における前記第2の電極の形成領域を囲むように形成され、前記発光層を貫通する深さを有する第1トレンチ及び第2トレンチを有し、
    前記半導体構造層内における前記第1の電極及び前記第2の電極間の電流の方向は、前記半導体構造層の面内方向において相対的に低い電気抵抗を有する電流方向である低抵抗方向と、相対的に高い電気抵抗を有する電流方向である高抵抗方向との少なくとも2つに区別され、
    前記半導体構造層は、前記低抵抗方向に沿った領域である低抵抗方向領域と、前記高抵抗方向に沿った領域である高抵抗方向領域との少なくとも2つに区画され、
    前記第1トレンチは前記低抵抗方向領域に亘って形成され、前記第2トレンチは前記高抵抗方向領域に亘って形成され、
    前記第2トレンチは前記第1トレンチよりも深く形成されていることを特徴とする発光素子。
  2. 前記半導体構造層の上面視において前記第1の電極に重ならないように前記第2の主面から前記第1の主面に向かって形成された第3トレンチ及び第4トレンチを有し、
    前記第3トレンチは前記低抵抗方向領域に亘って形成され、前記第4トレンチは前記高抵抗方向領域に亘って形成され、
    前記第3トレンチ及び前記第4トレンチは、前記第1トレンチ及び前記第3トレンチによって形成される前記低抵抗方向領域の電流路の開口における電気抵抗値が、前記第2トレンチ及び前記第4トレンチによって形成される前記高抵抗方向領域の電流路の開口における電気抵抗値よりも大きくなるような位置及び深さで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記第3トレンチは、前記半導体構造層の上面視において前記第1トレンチに重なるように、又は前記第1トレンチよりも第1の電極に近い位置に形成され、
    前記第4トレンチは、前記半導体構造層の上面視において前記第2トレンチに重なるように、又は前記第2トレンチよりも第1の電極に近い位置に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記半導体構造層の上面視において前記第3トレンチと前記第1の電極との間の前記電極間領域内の領域から前記第2の主面に向かって、かつ前記低抵抗方向領域に亘って形成され、前記発光層を貫通して前記第3トレンチの底部を越える深さを有する第5トレンチを有することを特徴とする請求項3に記載の発光素子。
  5. 前記第1の主面及び前記第2の主面は、矩形形状を有し、
    前記第2の電極は、前記第1の主面の角部の領域に形成され、
    前記第1の電極は、前記第1の主面の他の領域上に形成され、
    前記低抵抗方向は、前記第1の主面内における辺方向に沿った方向であり、
    前記高抵抗方向は、前記第1の主面内における対角方向に沿った方向であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の発光素子。
  6. 前記第1トレンチ、前記第2トレンチ、前記第3トレンチ、前記第4トレンチ及び前記第5トレンチには絶縁材料が充填されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の発光素子。
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