JP2007073590A - 発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電極が同一面側に形成された発光素子において、電流分布の均一化により、発光面での輝度むらの少ない発光素子を提供すること。
【解決手段】 発光素子は、第1導電型層12、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層13及び第2導電型層14を含むとともにこの順でこれらの層が積層されている半導体層を有し、第2導電型層14上に形成された第2導電型電極16と、第2導電型層14の一部を第1導電型層12まで除去してなる第1導電型層12の露出部に形成された第1導電型電極15とが設けられており、半導体層は、第1導電型層12の露出部に、第1導電型電極15の発光層13側の縁に沿って溝17が形成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及び第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層が積層されている半導体層を有し、半導体層の同じ主面側に第1及び第2導電型電極が設けられている発光素子に関する。
従来、青色光もしくは紫外光を発光する発光素子として、窒化ガリウム(GaN)系化合物半導体を用いた発光ダイオード(LED)等の発光素子が広く知られており、試験や検討が行われており、また一部実用化が成されている。窒化ガリウム系化合物半導体は、AlN,InN等の混晶であるAlGaN,InGaN,InGaAlN等からなり、それらの組成を選択することにより、可視光領域から紫外光領域までの発光が可能である。
一般に、窒化ガリウム系化合物半導体からなるLEDは、図1に示すように、例えばサファイアからなる絶縁性基板10上に、バッファ層11、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層(以下第1導電型層ともいう)12、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層13及び第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層(以下第2導電型層ともいう)14を積層した半導体層が積層されている。この半導体層は、第1導電型層12を露出させ、第1及び第2導電型層12,14上に、それぞれ第1及び第2導電型電極15,16が形成されている。従って、第1及び第2導電型電極15,16が、半導体層の同じ主面側に形成されることになる(特許文献1公報)。
また、特許文献2に開示されているように、絶縁性基板に代えて導電性を有する基板、例えばSiCやGaNからなる基板上に、バッファ層11、第1導電型層12、発光層13及び第2導電型層14を積層した半導体層を形成し、第2導電型層14と導電性基板にそれぞれ第1及び第2導電型電極15,16を形成したLED(図2)も知られている。
特開昭61−56474号公報 特表2002−527890号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるような第1及び第2導電型電極15,16が半導体層の同一主面側に形成された発光素子においては、第1導電型電極15と第2導電型電極16は平面視において対角位置に配置されており、また窒化ガリウム系化合物半導体の抵抗が高いため、第1及び第2導電型電極15,16に入力された電流は、半導体層中で横方向に広がって流れることができない。
即ち、図4(a)に示すように、第1導電型層12内部の露出部下方における第1導電型電極15の発光層13側の縁部分に電流が集中し、その縁部分で電流密度が高くなり、発熱による発光効率低下、電流集中が生じた部分の輝度が局所的に高くなるといった発光輝度むらが生じるといった問題があった。また、発光素子1個当りの発光量を増やすために、発光素子を大きくした場合、特に電流分布が不均一になり、このような面内輝度むら(発光素子を平面視した場合の輝度むら)が顕著になる問題があった。
更に、このような電流分布が生じている状態では、定格電流以上の電流が流れることになり、電流を流し続けると電流密度が高い部分での劣化が他の部分より早く進行することになる。そのため、電流集中部分の電流を基準として電流値を制限すると、他の部分では電流値が低くなり、発光素子全体としての発光量が低下することになる。
また、特許文献2に開示されているような導電性基板を用い、第2導電型層14上と導電性基板にそれぞれ第1及び第2導電型電極15,16を形成したLEDにおいては、半導体素子内を流れる電流の方向が縦方向になるため、上記のような電流分布の不均一は生じないが、発光素子を支持する基板はある程度厚くする必要があり、導電性基板であってもバルクであるため抵抗が高くなり、発光素子全体の抵抗が高くなるといった問題があった。
したがって、本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、電極が半導体層の同一主面側に形成された発光素子において、電流分布の均一化により発光面での輝度むらの少ない発光素子を提供することである。
本発明の発光素子は、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及び第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層を含むとともにこの順でこれらの層が積層されている半導体層を有し、前記第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層上に形成された第2導電型電極と、前記第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層の一部を前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層まで除去してなる前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層の露出部に形成された第1導電型電極とが設けられている発光素子において、前記半導体層は、前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層の前記露出部に、前記第1導電型電極の前記発光層側の縁に沿って溝が形成されていることを特徴とする。
本発明の発光素子は好ましくは、前記溝は、深さが前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層の厚みの10%以上の深さであることを特徴とする。
また、本発明の発光素子は好ましくは、前記溝は、前記第1導電型電極を囲むように形成されていることを特徴とする。
また、本発明の発光素子は好ましくは、前記半導体層は、紫外光領域から可視光領域で透光性を有する基板上に形成されていることを特徴とする。
本発明の発光素子は、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及び第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層を含むとともにこの順でこれらの層が積層されている半導体層を有し、第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層上に形成された第2導電型電極と、第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層の一部を第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層まで除去してなる第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層の露出部に形成された第1導電型電極とが設けられている発光素子において、半導体層は、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層の露出部に、第1導電型電極の発光層側の縁に沿って溝が形成されていることから、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層内部の露出部下方における第1導電型電極の発光層側の縁部分に電流が集中することがなくなり、発光面での輝度むらの少ないものとなる。
本発明の発光素子は好ましくは、溝は、深さが第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層の厚みの10%以上の深さであることから、電流集中のより高い抑制効果を得ることができる。
また、本発明の発光素子は好ましくは、溝は、第1導電型電極を囲むように形成されていることから、電流集中のより高い抑制効果を得ることができる。
また、本発明の発光素子は好ましくは、半導体層は、紫外光領域から可視光領域で透光性を有する基板上に形成されていることから、基板側からの光の取り出しが可能となり、光取り出し効率の高い発光素子の製造が可能となる。
以下、本発明の発光素子について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図3(a)は、本発明の発光素子の実施の形態の一例を示す断面図である。また、図3(b)は、図3(a)の発光素子の平面図である。図3(a),(b)において、10は絶縁性基板、11はバッファ層、12は第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層(以下第1導電型層ともいう)、13は窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層、14は第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層(以下第2導電型層ともいう)である。15は第1導電型層表面に形成された第1導電型電極、16は第2導電型層14上に形成された第2導電型電極、17は溝である。
図3(a)は、本発明の発光素子について実施の形態を示すものであり、基板としての絶縁性基板上10に、バッファ層11を介して第1導電型層12、発光層13、第2導電型層14が積層されている。更に、第1導電型層12の一部を露出させるため、第2導電型層14及び発光層13の一部が除去されており、第1導電型層12の露出部の表面上に第1導電型層12とオーミック接触する第1導電型電極15が形成され、第2導電型層14の表面に第2導電型層14とオーミック接触する第2導電型電極16が形成されており、第1導電型層12の露出部に溝17が形成されている。なお、本実施の形態においては、第1導電型をn型、第2導電型をp型としている。
即ち、本発明の発光素子は、第1導電型層12、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層13及び第2導電型層14を含むとともにこの順でこれらの層が積層されている半導体層を有し、第2導電型層14上に形成された第2導電型電極16と、第2導電型層14の一部を第1導電型層12まで除去してなる第1導電型層12の露出部に形成された第1導電型電極15とが設けられている発光素子において、半導体層は、第1導電型層12の露出部に、第1導電型電極15の発光層13側の縁に沿って溝17が形成されている。
本発明において、絶縁性基板10はサファイアからなるものが好適であるが、窒化ガリウム系化合物半導体がエピタキシャル成長し得るものであればよい。また、バッファ層11は、AlN,GaN,これらの混晶であるAlGaN,硼化ジルコニウム(ZrB)等からなるものが好適であるが、絶縁性基板10を用いる際には導電性を有することが必要である。また、絶縁性基板10上に絶縁性のバッファ層11を介して半導体層及び電極を形成した後に、絶縁性基板10及びバッファ層11を除去し、導電層を半導体層に接着しても構わない。導電層としては、酸化インジウム錫(ITO),酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電膜を挙げることができるが、導電性を有し、更には可視光から紫外光の領域において透明であることが好ましい。さらに、導電層に透明樹脂層等が被覆されていても構わない。
また、基板として導電性基板を用いることもできる。導電性基板としては、炭化珪素(SiC),GaN,硼化ジルコニウム(ZrB)からなるものを挙げることができる。その場合、バッファ層11は必ずしも導電性を有する必要はなく、半絶縁性もしくは絶縁性を呈していても構わない。
また、第1導電型層12は、Si等が不純物元素として添加されたn型層であるが、さらにその上にAlGaN層やInGaN層が形成されていて、一層でなくても構わない。
また、発光層13は禁制帯幅の広い障壁層と禁制帯幅の狭い井戸層とから成る量子井戸構造が複数回繰り返し規則的に積層された多層量子井戸構造(MQW)としている(図示せず)。その組成は、InN,GaN,AlN,それらの混晶からなり、発光波長により適宜組み合わせて形成され、例えば井戸層にInGaN、障壁層にGaN、また、井戸層にInGa(1−x)N、障壁層にInGa(1−y)N(ただしx>y)を用いて、形成可能である。
さらに、発光層13上に形成される第2導電型層14はp型層であるが、AlGaN,GaN等の複数層からなる。p型不純物元素としては、マグネシウム(Mg),亜鉛(Zn)等が添加される。
また、第1導電型層12の露出部上に形成された第1導電型電極15は、第1導電型層12に良好なオーミック接触をとることができる材質から成る層状のものとしている。そのような材質のものとしては、例えば薄く成膜したアルミニウム(Al),チタン(Ti),ニッケル(Ni),クロム(Cr),インジウム(In),錫(Sn),モリブデン(Mo),銀(Ag),金(Au),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),バナジウム(V),白金(Pt)等の薄膜、または酸化錫(SnO),酸化インジウム(In),酸化インジウム錫(ITO),酸化亜鉛(ZnO)等の薄膜を挙げることができる。また、上記薄膜を複数積層したり、化合物としたものでも構わない。好適には、Ti層,Al層,Ni層,Au層を順次積層したものが用いられる。
また、第2導電型層14上に形成された第2導電型電極16は、第2導電型層14に良好なオーミック接触をとることができる材質からなるものとしている。そのような材質のものとしては、例えば薄く成膜したアルミニウム(Al),チタン(Ti),ニッケル(Ni),クロム(Cr),インジウム(In),錫(Sn),モリブデン(Mo),銀(Ag),金(Au),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),バナジウム(V),白金(Pt),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd)等の薄膜、または酸化錫(SnO),酸化インジウム(In),酸化インジウム錫(ITO),酸化亜鉛(ZnO)等の薄膜を挙げることができる。また、上記薄膜を複数積層したり、化合物としたものでも構わない。
さらに、第2導電型電極16の材料は、発光素子の発光層13で生じた光の取り出し方向によって、反射性の材質、透光性の材質を適宜選択することができる。例えば、光を第2導電型層14側に光を取り出す場合、Ni薄膜,Au薄膜を積層した透明電極とし、光を基板側に取り出す場合、反射性の材質、例えば銀(Ag),アルミニウム(Al),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd)の薄膜を好適に用いることができる。
第1導電型層12の露出部に形成された溝17は、第1導電型層12の露出部に、第1導電型電極15の発光層13側の縁に沿って形成される。溝17の深さは一義的には決めることはできず、第1導電型層の抵抗、バッファ層の抵抗、導電性基板の抵抗の関係に依存し、第1導電型層12への横方向の電流の流れより、第1導電型層中の縦方向の電流の流れが支配的になるような深さに形成する必要がある。
第1導電型層12の露出部に溝17を形成すると、電流は溝17の下を流れるが、溝17の深さが深くなるほど、第1導電型層12の電流の横方向の流れに対する抵抗は大きくなり、横方向への電流の流れは抑制される。遂には、図4(b)に示すように、電流は第1導電型層12中を縦方向に流れるようになり、バッファ層11もしくは導電性基板、または導電層があれば、電流はその部分を低抵抗で横方向に流れる。
第1導電型層12の厚みは2μm程度であり、縦方向に電流が流れても、数100μmの厚さからなる炭化珪素(SiC)を用いた図2の従来例の場合よりも十分に薄いので、抵抗は小さい。
上記の構成により、第1導電型層12内部の露出部下方における第1導電型電極15の発光層13側の縁部分に電流が集中することがなくなる。
また、溝17の幅については、横方向の電流の集中が発生しないような溝17の深さがあればよいため、特に限定されるものではない。
さらに、溝17は、第1導電型電極15の全周にわたって形成されていてもよい。この場合、より確実に横方向の電流の集中が発生しないようにすることができる。
また溝17は、複数のものが、互いに平行に、あるは平面視で格子状に形成されたものであってもよい。また溝17は、深さ方向に向かうに従って先細りとなった形状(テーパー状、楔状)であってもよい。
第1導電型層12の抵抗はSi等のドーピング濃度により異なるが、通常使用される1×1017/cm以上のドーピング濃度の範囲においては、溝17の深さが第1導電型層12の厚みの10%以上の深さである場合には電流の集中が起こらず、電流分布の改善効果が顕著に認められている。
基板として絶縁性基板10でなく、導電性基板を、バッファ層11に絶縁性のものを使用した場合、溝17は基板に達する深さで形成することが好ましい。また、バッファ層11をトンネル電流が流れる程度に極力薄くした場合、溝17は基板に達する必要はなく、第1導電型層12の途中またはバッファ層11の途中まで形成されていれば良い。
同様に、絶縁性基板10やバッファ層11を除去した後に、導電層、例えば酸化インジウム錫(ITO)層を半導体層に積層した場合も、溝17は導電層に達していても、達していなくてもよい。
次に、図3(a),図3(b)に基いて、本発明の発光素子の製造方法を説明する。基板上に、バッファ層11、第1導電型層12、発光層13及び第2導電型層14を含む半導体層をエピタキシャル成長させる工程と、第2導電型層14と発光層13の一部を第1導電型層12の一部が露出するまで除去する工程と、半導体層上に第1導電型電極15,16を形成する工程と、第1導電型層12に溝17を形成する工程とを具備する構成である。
具体的には、図3(a)に断面図で示すように、第1導電型層12、発光層13、第2導電型層14からなる半導体層は、基板上に有機金属化学気相成長(MOCVD)法によってエピタキシャル成長される。
即ち、基板10上に、窒化アルミニウム(AlN)または窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)から成るバッファ層11を介して、第1導電型層12である第1n型クラッド層と第2n型クラッド層とを順次積層し、次にその上に発光層13として障壁層で挟まれた井戸層から成る量子井戸層が複数回繰り返し積層された超格子である多層量子井戸層(MQW)を形成し、次にその上に第2導電型層14である第1p型クラッド層と第2p型クラッド層とp型コンタクト層とを順次積層する。
さらに具体的には、バッファ層11は、基板温度が400〜950℃で基板10上に窒化アルミニウム(AlN)または窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)を20〜300nm程度の厚さで形成すればよい。この際、導電性を高めるためにSi等の不純物元素を添加すればよい。
また、第1n型クラッド層は、基板温度が950〜1150℃でバッファ層11上に窒化ガリウム(GaN)を数μm程度(例えば1〜5μm)の厚さで形成すればよい。また、第2n型クラッド層は、基板温度が700℃程度で第1n型クラッド層上に窒化インジウムガリウム(In0.02Ga0.98N)を0.01〜1μm程度の厚さで形成すればよい。
また、多層量子井戸層は、基板温度700℃程度で、厚さ5〜50nm程度の窒化インジウム・アルミニウム(In0.01Ga0.99N)から成る障壁層と、厚さ1〜20nm程度の窒化インジウム・アルミニウム(In0.11Ga0.89N)から成る井戸層とを順次形成し、そらにその上にそれらと同じ厚さ及び同じ組成の障壁層と井戸層とを、例えば3回繰り返して形成して、最後に同じ厚さ及び同じ組成の井戸層が形成されるようにすればよい。
また、第1p型クラッド層は、基板温度が700℃程度で、多層量子井戸層の障壁層上に窒化アルミニウム・ガリウム(Al0.15Ga0.85N)を、10〜100nm程度の厚さで形成すればよい。また、第2p型クラッド層は、基板温度が820℃程度で、第1p型クラッド層上に窒化アルミニウム・ガリウム(Al0.2Ga0.8N)を、50〜300nm程度の厚さで形成すればよい。また、p型コンタクト層は、基板温度が820〜1050℃程度で、第2p型クラッド層上に、窒化ガリウム(GaN)を、5〜50nm程度の厚さで形成すればよい。
その後、フォトリソグラフィ法や蒸着法を用いて、第1導電型層12を露出させるためのエッチングを行う。このエッチングは、例えば反応性イオンエッチング(RIE)で行うことができる。
再度フォトリソグラフィ法、蒸着法、リフトオフ法により、Ti層,Al層,Ni層,Au層を積層して成る第1導電型電極15を、Ni層,Au層を積層して成る第2導電型電極16を形成し、発光素子(LED)を作製した。
次に、第1導電型層12に溝17を形成するために、例えばSiO層をマスクとして堆積し、このSiO層にフォトリソグラフィ法を用いて所望の位置に孔を設ける。このSiO層は、スパッタリング法や熱CVD法等の方法で容易に形成できる。
このマスクを用いて再度反応性イオンエッチング(RIE)等によりエッチングを行うことにより、第1導電型層12表面から基板側に向けて溝17を形成する。溝17形成後のSiO層には、さらにフォトリソグラフィ法により、第1導電型電極15となる部位、第2導電型電極16となる部位等となる所望の位置に孔を開け、パッド電極等を接続し、残部はパッシベーション膜として利用することができる。
また、上記工程において、第1導電型層12の表面を露出させ、次に溝17を形成した後に、第1導電型電極15、第2導電型電極16を形成することも可能である。この場合、溝17を形成するためにSiO層を堆積しマスクとした後に、レジスト等を用いて再度フォトリソグラフィ法により電極形成部に孔を開け、引き続き電極材料を蒸着法等により積層し、リフトオフ法により電極を形成すればよい。
さらに、ボンディングやプローバ測定を行うために各電極上にパッド電極を設ける。パッド電極としては、Ti層,Au層を積層したもの等を使用することができる。
そして、ダイシングまたはスクライブ等によりチップごとに切断分離することにより、図3に示す発光素子が得られる。
本発明の実施例により作製された発光素子の構成を図5に示す。サファイア基板50上に、低温(400〜950℃程度)成長させたGaNバッファ層51、Siドープのn型GaN層52、InGaN中間層53、InGaN層とGaN層によるMQW(多重量子井戸)層54、Mgドープのp型AlGaNキャップ層55、Mgドープのp型AlGaNクラッド層56、Mgドープのp型GaNコンタクト層57を形成し、p型電極58、n型電極59を形成した後、n型GaN層からサファイア基板50側に向かって溝510を形成し、発光素子を作製した。
なお、第1導電型(n型)層はn型GaN層52、InGaN中間層53であり、発光層はMQW層54であり、第2導電型(p型)層はAlGaNキャップ層55、AlGaNクラッド層56、GaNコンタクト層57である。
まず、サファイア基板50をMOCVD装置内に設置し、1100℃に昇温することでサーマルエッチングを行った。次に、400℃に下げ、トリメチルガリウム(TMG)原料によりGaNバッファ層51を形成する。GaNバッファ層51の厚みは20nmである。
次に、1050℃に昇温後、TMG,アンモニア,ケイ素の原料ガスであるシラン(SiH)により、Siドープのn型GaN層52を厚み2μm、その後温度を750℃に降温し、トリメチルインジウム(TMI)とTMGにより、InGaN中間層43を厚み50nm形成した。
引き続きTMIを断続的に流しつつ発光層となるIn0.01Ga0.99N層,In0.11Ga0.89N層を交互に5回積層してなる多重量子井戸層を形成した。なお、この際の基板温度は750℃であった。
次に、p型AlGaNキャップ層55を、トリメチルアルミニウム(TMA),TMG,アンモニア及びp型不純物元素原料としてのCP2Mg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)を用いて形成した。p型AlGaN層56の厚みは20nmであり、成長温度は750℃である。また、p型AlGaN層56のAlGaNにおけるAl組成比は、0.15であった。即ち、Al0.15Ga0.85Nとした。
さらに、p型AlGaNクラッド層56を、TMA,TMG,アンモニア及びp型不純物元素原料としてのCP2Mgを用い形成した。p型AlGaNクラッド層56の厚みは150nmであり、成長温度は820℃である。また、p型AlGaNクラッド層56のAlGaNにおけるAl組成比は、0.2であった。即ち、Al0.2Ga0.8Nとした。
最後に、p型GaNコンタクト層57をTMG,アンモニア,CP2Mgにより形成した。p型GaNコンタクト層57の厚みは20nmであり、この際の成長温度は850℃とした。
その後、フォトリソグラフィ法により、所定のマスクを用いて半導体層上にレジストを塗布、所定のパターンにパターニングした後、塩素系ガスを用いたRIE法により、n型GaN層52の一部が露出するまでエッチングを行った。
エッチング後、再度フォトリソグラフィ法、蒸着法、リフトオフ法により、n型電極59、p型電極58を形成した。n型電極59としては、Ti層,Al層,Ni層,Au層を、それぞれ30nm,200nm,20nm,30nmの厚みで積層したものを形成した。p型電極としては、Ni層,Au層を、それぞれ5nm,5nmの厚みで積層したものを形成した。
さらに、半導体層および電極部の全面にSiO層を熱CVD法により0.5μmの厚みで形成した後、フォトリソグラフィー法によって溝510を設ける位置のレジストに開口部を形成し、王水でSiO層のエッチングを行った。引き続き、塩素系ガスによるRIE法によりエッチングを行うことにより、n型GaN層52の露出部表面からサファイア基板50側に向けて溝510を形成した。溝510の深さは約2μmとし、ほぼGaNバッファ層51まで達するように形成した。
次に、レジストを除去した後、再度フォトリソグラフィ法によりn型電極59、p型電極58の部分に孔を開け、王水にてその部分のSiO層を除去し、金属表面を露出させた。
次に、各電極上にパッド電極としてTi層,Au層を50nm,300nmの厚みで形成した。
その後、サファイア基板50の裏面を研磨して100μm程度の厚みにまで薄くし、スクライブにより300μm□(スクエア)のチップ状に切断し分割した。
これらの発光素子のチップに、20mA程度の順方向電流(順方向電圧3.3V)を流したところ、溝510を設けていない以外全く同様の構成である従来の発光素子と比較して、同等の順方向電圧であり、抵抗は変わらなかった。
さらに、上面側から見たときの発光輝度のむらを比較すると、溝510を設けていない発光素子では、n型電極59の周囲が明るく、n型電極59から離れると暗くなるといった輝度むらが観察された。一方、本発明の溝510を設けた発光素子については、そのような上面内での輝度むらが生じなかった。このことは、発光素子のチップ形状が1mm□である場合に、同様にして比較した場合、その違いはより顕著であった。
なお、本発明は上記の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。
従来の発光素子の一例を示す断面図である。 従来の発光素子の他例を示す断面図である。 (a),(b)は、本発明の発光素子について実施の形態の一例を示す断面図及び平面図である。 (a),(b)は、従来の発光素子及び本発明の発光素子について電流集中の様子を説明するための断面図である。 本発明の発光素子の実施例を示す断面図である。
符号の説明
12:第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層
13:発光層
14:第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層
15:第1導電型電極
16:第2導電型電極
17:溝

Claims (4)

  1. 第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及び第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層を含むとともにこの順でこれらの層が積層されている半導体層を有し、前記第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層上に形成された第2導電型電極と、前記第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層の一部を前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層まで除去してなる前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層の露出部に形成された第1導電型電極とが設けられている発光素子において、前記半導体層は、前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層の前記露出部に、前記第1導電型電極の前記発光層側の縁に沿って溝が形成されていることを特徴とする発光素子。
  2. 前記溝は、深さが前記第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層の厚みの10%以上の深さであることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 前記溝は、前記第1導電型電極を囲むように形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の発光素子。
  4. 前記半導体層は、紫外光領域から可視光領域で透光性を有する基板上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の発光素子。

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