JP6165029B2 - ジェット燃料排出構造及びこれを用いるキャスク貯蔵建屋 - Google Patents

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Description

本発明は、ジェット燃料排出構造及びこれを用いるキャスク貯蔵建屋に関する。
原子力発電所等で用いられる核燃料集合体であって、原子炉に装荷され燃焼させた後に原子炉から取り出された使用済の核燃料集合体を、リサイクル燃料集合体という。このリサイクル燃料集合体は、放射性物質を大量に含むため、冷却プールで所定期間にわたって冷却される。その後、リサイクル燃料集合体が所定期間にわたって冷却されると、放射性物質収納容器であるキャスクに収納され、トラック等でキャスク貯蔵建屋へ搬送され、長期間にわたって冷却貯蔵される。このようなキャスク貯蔵建屋としては、例えば、下記の特許文献に記載されたものがある。
特公平04−44958号公報
近年、原子力施設に対するシビアアクシデントへの対応要求が明確になされ、意図的な航空機衝突への対策の必要性が高まっている。キャスク貯蔵建屋への航空機衝突が発生すると、航空機からジェット燃料が漏れ、建屋内に浸入し燃焼する可能性がある。
キャスク貯蔵建屋は、給気口及び排気口が複数設けられている。これらの給気口及び排気口は、一つ当たりの開口面積が約20mと大きいため、航空機衝突が発生して航空機から燃料が漏れた場合には、給気口及び排気口からキャスク貯蔵建屋の内部へジェット燃料が浸入し、燃焼する可能性がある。また、ジェット燃料が燃焼するとキャスクが火炎及び高温にさらされることとなり、この状態が長期間におよぶとキャスクの安全機能が低下する可能性がある。
本発明は、キャスク貯蔵建屋への航空機衝突によってキャスク貯蔵建屋内へ浸入したジェット燃料が燃焼する時間を短縮することを目的とする。
本発明に係るジェット燃料排出構造は、キャスクを貯蔵し、かつ前記キャスクが貯蔵される空間に外気を導入する給気口及び前記空間から外気を排出する排気口を有するキャスク貯蔵建屋に設けられる構造であり、一部の領域に前記キャスクが載置される床及び前記床の上方に設けられた放射線遮蔽体の少なくとも一方に設けられて、前記キャスク貯蔵建屋の内部に浸入したジェット燃料を前記床の上面及び前記放射線遮蔽体の上面の少なくとも一方から集める集液部と、前記集液部に集められた前記ジェット燃料を溜めるタンクと、前記集液部と前記タンクとを接続し、前記集液部に集められた前記ジェット燃料を前記タンクへ導く配管と、を含む。
このような構成により、本発明に係るジェット燃料排出構造は、キャスク貯蔵建屋の内部へジェット燃料が浸入しても、ジェット燃料をキャスク貯蔵建屋の外部へ排出することができる。このため、キャスク貯蔵建屋の内部へ浸入したジェット燃料が燃焼する時間を短縮することができる。
前記タンクは、前記床の下方に設置されることが好ましい。これにより、キャスク貯蔵建屋によって、タンクを航空機の衝突から保護することができる。このため、ジェット燃料排出構造が、ジェット燃料をキャスク貯蔵建屋の外部へ排出する機能を保護することができる。
前記集液部は、前記床の上面及び前記放射線遮蔽体の上面のうち少なくとも一方に開口部を有し、前記開口部に浸入した前記ジェット燃料を前記配管に導く集液管であることが好ましい。これにより、キャスク貯蔵建屋の内部に浸入したジェット燃料を集液管で集め、キャスク貯蔵建屋の外部へ排出することができる。
前記開口部は、前記キャスクを搬送する装置の通路とは異なる部分に設けられることが好ましい。これにより、集液管の開口部によってキャスクの搬送が阻害されることを抑制することができる。
前記集液部は、前記床の上面及び前記放射線遮蔽体の上面のうち少なくとも一方に設けられた溝であり、前記配管は前記溝の底面及び側面の少なくとも一方に開口部を有することが好ましい。これにより、キャスク貯蔵建屋の内部に浸入したジェット燃料を溝で集め、キャスク貯蔵建屋の外部へ排出することができる。
前記キャスク貯蔵建屋は、前記給気口から下方に向かって延在し、かつ前記給気口から前記キャスク貯蔵建屋の前記キャスクが貯蔵される空間に外気を導く給気ダクトを有し、前記溝は、前記給気ダクトの下方における前記床の上面を、前記キャスクが載置されている領域における前記床の上面よりも低くすることによって形成されていることが好ましい。これにより、給気口から浸入したジェット燃料を、給気ダクトの下方における床の上面を、キャスクが載置されている領域における床の上面よりも低くすることによって形成した溝で集め、キャスク貯蔵建屋の外部へ排出することができる。
前記溝は、前記キャスクを搬送する装置の通路とは異なる部分に設けられることが好ましい。これにより、溝によってキャスクの搬送が阻害されることを抑制することができる。
前記集液部の上方に滞留する前記ジェット燃料の液面の高さが前記集液管又は前記配管の前記開口部まで低下した場合、前記開口部を閉め切ることが好ましい。これにより、集液部へのジェット燃料の流入が停止し、集液部の上方に滞留するジェット燃料の液面の高さが集液管又は配管の開口部まで低下した際に、集液部の内部へ空気が浸入することを抑制し、集液部の内部が燃焼することを抑制することができる。
前記集液部の上方に滞留する前記ジェット燃料の液面の高さが前記集液管又は前記配管の前記開口部まで低下した場合、前記集液部の内部及び前記タンクの内部の少なくとも一方に不活性ガスを吹き込むことが好ましい。これにより、集液部の内部へ浸入した空気を不活性ガスで置換することができる。このため、集液部の内部で、ジェット燃料が燃焼することを抑制することができる。
前記キャスク貯蔵建屋は、前記給気口から下方に向かって延在し、かつ前記給気口から前記キャスク貯蔵建屋の前記キャスクが貯蔵される空間に外気を導く給気ダクトを有し、前記給気ダクトの下方における前記床の上面と、前記キャスクが載置されている領域における前記床の上面との間に、前記床から突出する堰を有することが好ましい。これにより、給気口から浸入したジェット燃料が、キャスクが載置されている領域に到達することを抑制することができる。
前記タンクに溜められた前記ジェット燃料を、前記タンクから汲み出すポンプを有することが好ましい。これにより、タンクがジェット燃料で満杯になり、ジェット燃料の排出が滞ることを抑制することができる。
前記ポンプは、前記床の下方に設置されることが好ましい。これにより、キャスク貯蔵建屋によって、ポンプを航空機の衝突から保護することができる。このため、ジェット燃料排出構造が、ジェット燃料をキャスク貯蔵建屋の外部へ排出する機能を保護することができる。
前記ポンプは、前記キャスクが貯蔵される空間に設置されるセンサによって火災を感知したら自動で運転を開始することが好ましい。このようにすることで、タンクがジェット燃料で満杯になり、ジェット燃料の排出が滞ることを、より好適に抑制することができる。
前記ポンプは、前記タンクに溜められた前記ジェット燃料が所定の量に達したことを感知した場合、自動で運転を開始することが好ましい。このようにすることで、タンクがジェット燃料で満杯になり、ジェット燃料の排出が滞ることを、より好適に抑制することができる。
本発明に係るキャスク貯蔵建屋は、キャスクを貯蔵し、かつ前記キャスクが貯蔵される空間に外気を導入する給気口及び前記空間から外気を排出する排気口と、上述したジェット燃料排出構造のいずれか一つと、を含む。
このような構成により、本発明に係るキャスク貯蔵建屋は、キャスク貯蔵建屋の内部へジェット燃料が浸入しても、ジェット燃料排出構造によって、ジェット燃料をキャスク貯蔵建屋の外部へ排出することができる。このため、キャスク貯蔵建屋の内部へ浸入したジェット燃料が燃焼する時間を短縮することができる。したがって、キャスクの安全機能の低下並びにジェット燃料火災によるキャスク及びキャスク貯蔵建屋の耐久性低下を効果的に抑制することができる。
本発明は、キャスク貯蔵建屋への航空機衝突によってキャスク貯蔵建屋内へ浸入したジェット燃料が燃焼する時間を短縮することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋の内部構造を示す縦断面図である。 図2は、本発明の実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋の内部構造を示す水平断面図である。 図3は、本発明の実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋における冷却空気の流れを示す縦断面図である。 図4は、本発明の実施形態1に係るジェット燃料排出構造を示す断面図である。 図5は、本発明の実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋が有する放射線遮蔽体の上面に設けられる溝を示す平面図である。 図6は、本発明の実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋が有する放射線遮蔽体の上面に設けられる溝及び配管を示す斜視図である。 図7は、本発明の実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋が有する床の上面に設けられる溝及び配管を示す斜視図である。 図8は、本発明の実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋が有する床の上面に設けられる集液管及び配管を示す斜視図である。 図9は、本発明の実施形態2に係るジェット燃料排出構造を示す断面図である。 図10は、本発明の実施形態2に係るキャスク貯蔵建屋が有する放射線遮蔽体の上面に設けられる集液管及び配管を示す斜視図である。 図11は、本発明の実施形態2に係るキャスク貯蔵建屋が有する床の上面に設けられる堰及び集液管並びに配管を示す斜視図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋の内部構造を示す縦断面図である。図2は、実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋の内部構造を示す水平断面図である。本実施形態では、重力が作用する方向とは反対の方向を上方U、重力が作用する方向を下方Dとする。
実施形態1のキャスク貯蔵建屋11は、図1及び図2に示すように、床12、天井13、側壁14、柱15、給気口22、給気ダクト24、排気口26及び放射線遮蔽体27を有する。床12、天井13、側壁14、柱15、給気口22、給気ダクト24、排気口26及び放射線遮蔽体27は、コンクリートによって作製されている。また、床12、天井13、側壁14、柱15及び放射線遮蔽体27の少なくとも一つの内部に、コンクリートの内部に鉄筋や鉄骨を埋め込んでもよい。これにより、床12、天井13、側壁14、柱15及び放射線遮蔽体27の少なくとも一つの強度を向上させることができる。
床12は、本実施形態において、所定の方法で地面8側に設置された部材である。本実施形態において、床12は、板状の部材であるが、床12はこのようなものに限定されない。床12の上面12Sのうち、第1側壁14a側に設けられた第1載置領域A1及び第2側壁14b側に設けられた第2載置領域A2には、所定間隔をおいて複数のキャスク10が載置される。各キャスク10は、リサイクル燃料集合体を収納している。第1載置領域A1と第2載置領域A2との間には、キャスク10が載置されない非載置領域Bが設けられている。
床12の周囲には、側壁14、すなわち、互いに対向する第1側壁14a及び第2側壁14b並びに互いに対向する第3側壁14c及び第4側壁14dが設けられている。床12は、第1側壁14a、第2側壁14b、第3側壁14c及び第4側壁14dに囲まれている。また、床12には、複数の柱15が設けられる。複数の側壁14及び複数の柱15の上端部には、天井13が設けられている。天井13は、複数の側壁14及び複数の柱15の少なくとも一つによって支持される。
床12、天井13及び側壁14は、放射線遮蔽機能を有する。キャスク貯蔵建屋11は、床12、天井13及び側壁14によって形成される空間SPを有しており、この空間SPにキャスク10が貯蔵される。キャスク貯蔵建屋11は、航空機衝突に耐えられる強度又は航空機衝突により一部破損してもキャスク10の安全機能に影響を及ぼさない強度を有する。
キャスク貯蔵建屋11は、第1側壁14aの上部に第1給気口22aが、第2側壁14bの上部に第2給気口22bが設けられている。本実施形態において、第1給気口22a及び第2給気口22bは、天井13に隣接して設けられる。そして、キャスク貯蔵建屋11は、第1側壁14aの内面14Ia側に対向して第1仕切壁23aが、第2側壁14bの内面14Ib側に対向して第2仕切壁23bが設けられている。第1仕切壁23a及び第2仕切壁23bは、上端部が天井13に固定され、下端部が床12の上面12Sと所定隙間をあけて配置されている。第1仕切壁23a及び第2仕切壁23bは、コンクリートによって作製されている。また、第1仕切壁23a及び第2仕切壁23bの少なくとも一つの内部に、鉄筋や鉄骨を埋め込んでもよい。これにより、第1仕切壁23a及び第2仕切壁23bの少なくとも一つの強度を向上させることができる。
第1側壁14a、第3側壁14c、第4側壁14d及び第1仕切壁23aによって、第1給気ダクト24aが形成される。第2側壁14b、第3側壁14c、第4側壁14d及び第2仕切壁23bによって、第2給気ダクト24bが形成される。第1給気ダクト24aは第1給気口22aから下方Dに向かって延在し、第2給気ダクト24bは第2給気口22bから下方Dに向かって延在している。
第1給気ダクト24aは、第1給気口22aと、キャスク貯蔵建屋11の床12、天井13及び側壁14によって形成される空間SP、すなわち、キャスク10が貯蔵される空間SPとを接続している。第2給気ダクト24bは、第2給気口22bと、キャスク貯蔵建屋11の床12、天井13及び側壁14によって形成される空間SP、すなわち、キャスク10が貯蔵される空間SPとを接続している。
キャスク貯蔵建屋11は、本実施形態において、天井13の中央部、すなわち、天井13において、第1側壁14aと第2側壁14bとの両方から等距離、かつ、第3側壁14cと第4側壁14dとの両方から等距離となる位置に、換気塔25が上方Uに突出するように設けられている。換気塔25が設けられるのは、天井の中央部でなくてもよい。換気塔25には、第1排気口26a及び第2排気口26bが設けられている。
第1排気口26aは、キャスク貯蔵建屋11の外部と、キャスク貯蔵建屋11の床12、天井13及び側壁14によって形成される空間SP、すなわち、キャスク10が貯蔵される空間SPとつながっている。第2排気口26bは、キャスク貯蔵建屋11の外部と、キャスク貯蔵建屋11の床12、天井13及び側壁14によって形成される空間SP、すなわち、キャスク10が貯蔵される空間SPとつながっている。
キャスク貯蔵建屋11の内部には、床12の上面12Sに載置される複数のキャスク10と第1排気口26a及び第2排気口26bとを結ぶ領域に、放射線遮蔽体27が配置されている。具体的には、領域線La1と領域線La2とで囲まれる放射線領域Sa及び領域線Lb1と領域線Lb2とで囲まれる放射線領域Sbに放射線遮蔽体27が配置されている。放射線遮蔽体27は、第3側壁14c、第4側壁14d及び複数の柱15によって支持されており、各キャスク10から放出される放射線を遮蔽する。なお、キャスク貯蔵建屋11は、内部に放射線遮蔽体27が設置されなくてもよい。
領域線La1は、第1載置領域A1に載置されているキャスク10のうち、第1側壁14aに最も近い位置に載置されているキャスク10と、第2排気口26bとを結ぶ線分である。領域線La1の一端は、第1側壁14aに最も近い位置に載置されているキャスク10の上面の端部上で第1側壁14aに最も近い点であり、領域線La1の他端は、第2排気口26b上の点のうち、領域線La1の長さが最大となる点である。
領域線La2は、第1載置領域A1に載置される複数のキャスク10のうち、第2側壁14bに最も近い位置に載置されているキャスク10から、第2排気口26bへ延びる線分である。領域線La2の一端は、第2側壁14bに最も近い位置に載置されているキャスク10の下面の端部上で、第2側壁14bに最も近い点であり、領域線La2の他端は、第2排気口26b上の点のうち、領域線La2の長さが最大となる点である。
領域線Lb1は、第2載置領域A2に載置されているキャスク10のうち、第2側壁14bに最も近い位置に載置されているキャスク10と、第1排気口26aとを結ぶ線分である。領域線Lb1の一端は、第2側壁14bに最も近い位置に載置されているキャスク10の上面の端部上で第2側壁14bに最も近い点であり、領域線Lb1の他端は、第1排気口26a上の点のうち、領域線Lb1の長さが最大となる点である。
領域線Lb2は、第2載置領域A2に載置される複数のキャスク10のうち、第1側壁14aに最も近い位置に載置されているキャスク10から、第1排気口26aへ延びる線分である。領域線Lb2の一端は、第1側壁14aに最も近い位置に載置されているキャスク10の下面の端部上で、第1側壁14aに最も近い点であり、領域線Lb2の他端は、第1排気口26a上の点のうち、領域線Lb2の長さが最大となる点である。
第1載置領域A1及び第2載置領域A2に載置されている各キャスク10からは、全方位に向かって放射線が放出されている。キャスク10から第1排気口26a又は第2排気口26bに直線的に向かう放射線は、放射線遮蔽体27により遮蔽される。キャスク10から第1排気口26a及び第2排気口26b以外に直線的に向かう放射線は床12、天井13、側壁14、換気塔25、第1仕切壁23a及び第2仕切壁23bにより遮蔽される。このため、床12、天井13、側壁14、換気塔25、第1仕切壁23a及び第2仕切壁23bによって、各キャスク10から全方位に向けて放出されている放射線の漏洩が確実に防止される。
図3は、実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋における冷却空気の流れを示す縦断面図である。図3を参照しながら、本発明の実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋における冷却空気の流れについて説明する。
図3に示すように、外気ARは、第1給気口22a及び第2給気口22bから取り込まれ、第1給気ダクト24a及び第2給気ダクト24bによってキャスク10が貯蔵される空間SPに導かれ、床12の上面12Sに配置された複数のキャスク10を冷却する。複数のキャスク10を冷却した外気ARは、放射線遮蔽体27を迂回しながら上昇し、第1排気口26a及び第2排気口26bからキャスク貯蔵建屋11の外部に排出される。このように、各キャスク10は、外気ARによって冷却される。
この場合、キャスク10を冷却して加熱された空気が上昇するため、第1排気口26a及び第2排気口26bから外部に排出される流れが発生する。このため、キャスク貯蔵建屋11の内部、より具体的には、キャスク貯蔵建屋11の床12、天井13及び側壁14によって形成される空間SPの内部の圧力は、キャスク貯蔵建屋11の外部の圧力より小さくなる。このため、外気ARが第1給気口22a及び第2給気口22bから吸引され、第1給気ダクト24a及び第2給気ダクト24bを経由して、キャスク貯蔵建屋11の内部に取り込まれる。第1給気口22a及び第2給気口22bから吸引された外気ARは、第1給気ダクト24a及び第2給気ダクト24bによって、キャスク10が載置された領域に導かれる。このため、キャスク貯蔵建屋11は、キャスク10を確実に冷却することができる。
図4は、実施形態1に係るジェット燃料排出構造を示す断面図である。図5は、本発明の実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋が有する放射線遮蔽体の上面に設けられる溝を示す平面図である。図6は、本発明の実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋が有する放射線遮蔽体の上面に設けられる溝及び配管を示す斜視図である。図7は、本発明の実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋が有する床の上面に設けられる溝及び配管を示す斜視図である。図8は、本発明の実施形態1に係るキャスク貯蔵建屋が有する床の上面に設けられる集液管及び配管を示す斜視図である。図4、図5、図6、図7及び図8を参照しながら、本発明の実施形態1に係るジェット燃料排出構造について説明する。なお、第2排気口26b側の構造を例に挙げて説明するが、第1排気口26a側も同様の構造である。
図4に示すように、実施形態1に係るジェット燃料排出構造30aは、放射線遮蔽体27の上面27Sに設けられた集液部32d、床12の上面12Sに設けられた集液部32e及び集液部32fを有する。床12の下方Dには、タンク50及びポンプ60が設置されている。タンク50には、集液部32d、集液部32e及び集液部32fで集められたジェット燃料が溜められる。ポンプ60は、タンク50に溜められたジェット燃料を、タンク50から汲み出す。このため、タンク50がジェット燃料で満杯になり、ジェット燃料の排出が滞ることを抑制することができる。タンク50とポンプ60とは流体が通過する通路としての配管55を介して接続されている。
集液部32dとタンク50とは、配管36r、36s、36t、36u、36vを介して接続されている。集液部32eとタンク50とは、配管36z、36u、36vを介して接続されている。集液部32fとタンク50とは、配管36w、36x、36yを介して接続されている。それぞれの配管36sから配管36yを区別しない場合、適宜配管36というものとする。
タンク50及びポンプ60は、床12の下方Dに設置されている。このような構造により、配管36内のジェット燃料は、重力を利用してタンク50の内部へ導かれる。このため、ポンプ等を設置する必要が無くなり経済的である。また、タンク50及びポンプ60は、キャスク貯蔵建屋11の床12の下方Dに設置されているため、航空機が衝突した場合、キャスク貯蔵建屋11によって保護される。このため、ジェット燃料排出構造30aがジェット燃料をキャスク貯蔵建屋11の外部へ排出する機能が保護される。
図4、図5及び図6に示すように、集液部32dは、放射線遮蔽体27の上面27Sに設けられた溝38dを有する。図4及び図6に示すように、溝38dは、放射線遮蔽体27の上面27Sの一部の高さを他の部分より下げることで形成されている。ここで、放射線遮蔽体27の上面27Sは、放射線遮蔽体27の表面のうち上方Uを向いている面である。また、図5に示すように、溝38dは、複数の柱15を囲うように設けられている。図4及び図6に示すように、溝38dの底面38Bdには、配管36rが開口している。すなわち、配管36rは、開口部40dを有する。配管36rの開口部40dは、溝38dの側面38Ldに設けられてもよい。なお、配管36rは、溝38dの側面38Ldに開口してもよい。なお、溝38dは、放射線遮蔽体27の放射線遮蔽機能が確保されるように配置される。
図6に示すように、配管36rの下端は、L字型の管継手37iの一端に取り付けられており、L字型の管継手37iの他端は、配管36sに接続されている。図6に示すように、配管36sは、放射線遮蔽体27の内部で柱15に向かって水平方向に延在している。配管36sは、柱15に接する位置に設けられたL字型の管継手37jを介して、配管36tに接続されている。本実施形態において、配管36tは、柱15に接して取り付けられており、放射線遮蔽体27から床12まで、鉛直方向に延在している。図8に示すように、配管36tの下端は、T字型の管継手37kを介して、配管36uに接続されている。配管36uは、床12の内部で水平方向に延在しており、図示しないL字型の管継手を介して、図4に示す配管36vに接続されている。配管36vは、例えば、床12の内部及び床12の下方Dで鉛直方向に延在しており、配管36vの下端は、タンク50に接続されている。
図4及び図7に示すように、集液部32eは、溝38eを有する。溝38eは、第2給気ダクト24bの下方Dにおける床12の上面12Sを、キャスクが載置されている領域、すなわち、第1載置領域A1及び第2載置領域A2における床12の上面12Sよりも低くすることによって形成されている。床12の上面とは、床12の表面のうち上方Uを向いている面である。第1載置領域A1及び第2載置領域A2における床12の上面12Sは、溝38eの底面38Beより、0.02m〜0.5m高くなっていることが好ましい。
本実施形態において、溝38eの底面38Beには、配管36wが開口している。すなわち、配管36wは、開口部40eを有する。配管36wの開口部40eは、溝38eの側面38Leに設けられてもよい。配管36wの下端は、L字型の管継手37pを介して、配管36xに接続されている。配管36xは、床12の内部で水平方向に延在しており、図示しないL字型の管継手を介して、図4に示す配管36yに接続されている。図4に示すように、配管36yは、床12の内部及び床12の下方Dに設置された図示しない基礎の内部で鉛直方向に延在しており、配管36yの下端は、タンク50に接続されている。
図4及び図8に示すように、集液部32fは、床12に埋め込まれた集液管34fを有する。集液管34fは鉛直方向に延在しており、床12の上面12Sに開口している。すなわち、集液管34fは、開口部40fを有する。集液管34fの下端は、L字型の管継手37qの一端に取り付けられており、L字型の管継手37qの他端は、配管36zに接続されている。配管36zは、床12の内部で水平に延在しており、T字型の管継手37kを介して、配管36uに接続されている。配管36uは、床12の内部で水平方向に延在しており、図示しないL字型の管継手を介して、配管36vに接続されている。配管36vは、床12の内部及び地下で鉛直方向に延在しており、配管36vの下端は、タンク50に接続されている。
集液部32eが備える溝38e及び集液部32fが備える集液管34fの開口部40fは、キャスク10を搬送する装置の通路とは異なる部分に設けられることが好ましい。このような構造により、集液部32eの溝38e又は集液管34fの開口部40fによってキャスク10の搬送が阻害されることを抑制することができる。
なお、本発明の実施形態1では、集液管34f、配管36(36s、36t、36z、36u、36v、36w、36x、36y、36r)及び管継手37(37i、37q、37k、37p、37j)の端部には、図示しない雄ねじ又は雌ねじが形成されており、一方に形成された雌ねじに、他方に形成された雄ねじをねじ込むことで、集液管34f又は配管36と、管継手37とが接続されるが、集液管34f又は配管36と管継手37とを接続する方法は、これに限定されるものではない。
第1排気口26a及び第2排気口26bの少なくとも一方から浸入したジェット燃料の一部は、放射線遮蔽体27の上面27Sへ落下する。放射線遮蔽体27の上面27Sに到達したジェット燃料の一部は、集液部32dの溝38dによって集められ、配管36r、36s、36t、36u、36vによって、タンク50の内部へ導かれる。タンク50に溜められたジェット燃料は、ポンプ60によって配管55を経由して汲み出され、ジェット燃料火災の影響を受けにくい場所に設置されたタンク等へ導かれる。
第1給気口22a又は第2給気口22bから浸入したジェット燃料の一部は、溝38eの内部へ集められる。溝38eの内部へ集められたジェット燃料は、配管36wの開口部40eへ流入し、配管36w、36x、36yによって、タンク50の内部へ導かれる。タンク50に溜められたジェット燃料は、ポンプ60によって配管55を経由して汲み出され、ジェット燃料火災の影響を受けにくい場所に設置されたタンク等へ導かれる。
第1排気口26a及び第2排気口26bの少なくとも一方から浸入したジェット燃料のうち、放射線遮蔽体27の上面27Sに設けられた集液部32dの溝38dへ集められなかったジェット燃料は、放射線遮蔽体27の端部や天井13等から落下し、床12の上面12Sへ到達する。また、第1給気口22a又は第2給気口22bから多量のジェット燃料が浸入すると、溝38eからジェット燃料が溢れる可能性がある。溝38eから溢れたジェット燃料は、第1載置領域A1及び第2載置領域A2における床12の上面12Sに到達する。
床12の上面12Sに到達したジェット燃料の少なくとも一部は、集液管34fの開口部40fによって集められ、集液管34f及び配管36z、36u、36vによって、タンク50の内部へ導かれる。タンク50に溜められたジェット燃料は、ポンプ60によって配管55を経由して汲み出され、ジェット燃料火災の影響を受けにくい場所に設置された図示しないタンク等へ導かれる。
このため、ジェット燃料排出構造30aは、キャスク貯蔵建屋11の内部へ浸入したジェット燃料を、キャスク貯蔵建屋11の外部へ排出することができる。したがって、ジェット燃料排出構造30aは、ジェット燃料が燃焼する時間を短縮することができる。また、第1排気口26a及び第2排気口26bの少なくとも一方から浸入したジェット燃料は集液部32dに、第2給気口22bから浸入したジェット燃料は集液部32eによって集められるため、床12の上面12Sのうちキャスク10が載置される領域にジェット燃料が到達することを抑制することができる。したがって、キャスク貯蔵建屋11の内部でジェット燃料が燃焼した場合でも、キャスク10の周辺におけるジェット燃料の燃焼時間が短縮され、キャスク10の放熱効率の低下及びキャスク10の耐久性低下が抑制される。
実施形態1に係るジェット燃料排出構造30aは、放射線遮蔽体27の上面27Sに、複数の柱15を囲うように溝38dが設けられているため、第1排気口26a及び第2排気口26bの少なくとも一方から浸入したジェット燃料が、放射線遮蔽体27の端部から落下し、第1載置領域A1及び第2載置領域A2へ到達することを抑制できる。
ポンプ60は、キャスク10が貯蔵される空間SPに設置されているセンサ80により火災が感知されたら自動で運転を開始することが好ましい。例えば、センサ80として火災報知器等が挙げられる。このようにすることで、タンク50がジェット燃料で満杯になった結果、集液部32d等からのジェット燃料の排出が滞ることを、より好適に抑制することができる。また、タンク50内のジェット燃料が所定の量に達したら、ポンプ60は自動で運転を開始することが好ましい。このようにすることで、タンク50がジェット燃料で満杯になった結果、集液部32d等からのジェット燃料の排出が滞ることを、より好適に抑制することができる。所定の量は、タンク50が満杯となる量よりも少ない量である。所定の量は、例えば、タンク50が満杯になったときの7割から8割程度の量とすることができるが、これらに限定されない。
キャスク貯蔵建屋11の内部へのジェット燃料の浸入が停止した場合、一定の時間が経過すると、集液部32d、集液部32e又は集液部32fへのジェット燃料の流入が停止する。このため、集液部32d、集液部32e又は集液部32fの内部に空気が入り込み、ジェット燃料排出構造30aの内部が燃焼する可能性がある。これを抑制するための対策として、集液部32d、集液部32e又は集液部32fを閉め切ること及び集液部32d、集液部32e又は集液部32fの内部に不活性ガスを吹き込むことが挙げられる。特に、配管36rが溝38dの側面38Ldに開口する場合又は配管36wが溝38eの側面38Leに開口する場合は、集液部32d又は集液部32eに空気が入り込みやすいため、上記2つの対策は特に効果的である。
例えば、放射線遮蔽体27の上面27Sに設けられた集液部32dが有する溝38dの底面38Bdの上方Uに滞留するジェット燃料の液面の高さが、溝38dの配管36rの開口部40dまで低下した場合、溝38dの底面38Bdに開口する配管36rの開口部40dが、ジェット燃料の燃焼熱により動作するシャッター等の部材によって閉め切られたり、配管36rの開口部40dがバルブ等によって閉め切られたりするようにしてもよい。このようにすることで、溝38dの底面38Bdの上方Uに滞留するジェット燃料がなくなった場合には、空気が溝38dの底面38Bdの開口部40dから配管36r、36s、36t、36u、36vを通ってタンク50内へ浸入することを抑制できる。その結果、タンク50内のジェット燃料が燃焼する可能性を低減できる。床12の上面12Sに設けられた集液部32e及び床12の上面12Sに設けられた集液部32fについても同様である。
集液部32d、集液部32e又は集液部32fの内部及びタンク50の内部の少なくとも一方に、不活性ガスが吹き込まれてもよい。不活性ガスを吹き込むことによって、集液部32d、集液部32e又は集液部32fの内部へ入り込んだ空気を不活性ガスで置換し、結果として酸素を遮断することができる。このため、集液部32d、集液部32e又は集液部32fの内部で、ジェット燃料が燃焼することを抑制することができる。不活性ガスの代わりに、集液部32d、集液部32e又は集液部32fの内部及びタンク50の内部の少なくとも一方に、消火剤が注入されてもよい。なお、前述した対策は、適宜併用してもよい。
ジェット燃料火災が起きていない平常時は、実施形態1に係るジェット燃料排出構造30aを、キャスク貯蔵建屋11の内部に浸入した湧水、雨水、結露水等を集め、キャスク貯蔵建屋11の外部へ排水する設備と兼用することができる。このようにすることで、設備が合理化され、建設費や維持費の上昇を抑制することができる。新たに非常設備を追加する必要がなく合理的である。なお、実施形態1に係るジェット燃料排出構造30aは、ジェット燃料に腐食されない材料で作製されていることが好ましい。例えば、ジェット燃料に腐食されない材料としてSUS、チタン、フッ素樹脂等が挙げられる。
(実施形態2)
図9は、本発明の実施形態2に係るジェット燃料排出構造を示す断面図である。図10は、本発明の実施形態2に係るキャスク貯蔵建屋が有する放射線遮蔽体の上面に設けられる集液管及び配管を示す斜視図である。図11は、実施形態2に係るキャスク貯蔵建屋が有する床の上面に設けられる堰、集液管及び配管を示す斜視図である。図9、図10及び図11を参照しながら、本発明の実施形態2に係るジェット燃料排出構造について説明する。前述した実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。なお、第2排気口26b側の構造を例に挙げて説明するが、第1排気口26a側も同様の構造である。
図9に示すように、実施形態2に係るジェット燃料排出構造30bは、放射線遮蔽体27の上面27Sに設けられた集液部32g、床12の上面12Sに設けられた集液部32f及び集液部32hを有する。集液部32fは、実施形態1と同じものである。集液部32gとタンク50とは、集液管34g及び配管36s、36t、36u、36vを介して接続されている。集液部32hとタンク50とは、集液管34h及び配管36x、36yを介して接続されている。
図9及び図10に示すように、集液部32gは、放射線遮蔽体27に埋め込まれた集液管34gを有する。集液管34gは鉛直方向に延在しており、放射線遮蔽体27の上面27Sに開口している。すなわち、集液管34gは、開口部40gを有する。図10に示すように、集液管34gの下端には、L字型の管継手37iの一端が取り付けられており、L字型の管継手37iの他端は、配管36sに接続されている。配管36sは、放射線遮蔽体27の内部で柱15に向かって水平方向に延在している。配管36sは、柱15に接する位置に設けられたL字型の管継手37jを介して、配管36tに接続されている。
本実施形態において、配管36tは、柱15に接して取り付けられており、放射線遮蔽体27から床12まで、鉛直方向に延在している。図8に示すように、配管36tの下端は、T字型の管継手37kを介して、配管36uに接続されている。配管36uは、床12の内部で水平方向に延在しており、図示しないL字型の管継手を介して、図9に示す配管36vに接続されている。配管36vは、床12の内部及び床12の下方Dで鉛直方向に延在しており、配管36vの下端は、タンク50に接続されている。
図9及び図11に示すように、集液部32hは、床12に埋め込まれた集液管34hを有する。集液管34hは鉛直方向に延在しており、床12の上面12Sに開口している。すなわち、集液管34hは、開口部40hを有する。集液管34hの下端には、L字型の管継手37pの一端が取り付けられており、L字型の管継手37pの他端は、配管36xに接続されている。配管36xは、図示しない管継手によって、配管36yに接続されている。図9に示すように、配管36yはタンク50に接続されている。
図9及び図11に示すように、ジェット燃料排出構造30bは、第2給気ダクト24bの下方Dにおける床12の上面12Sと、キャスクが載置されている領域、すなわち、第1載置領域A1及び第2載置領域A2における床12の上面12Sとの間に、床12から突出する堰70を有する。第2給気ダクト24bの下方Dにおける床12の上面12Sから測った堰70の高さは、0.02〜0.5m程度が好ましい。また、堰70の高さは第2給気ダクト24bにより導かれる外気の流れを阻害し、キャスク10の除熱に影響しないように設定される。
第1排気口26a及び第2排気口26bの少なくとも一方から浸入したジェット燃料の一部は、放射線遮蔽体27の上面27Sへ落下する。放射線遮蔽体27の上面27Sに到達したジェット燃料の一部は、集液部32gによって集められ、配管36s、36t、36u、36vによって、タンク50の内部へ導かれる。
第1給気口22a又は第2給気口22bから浸入したジェット燃料の一部は、集液管34hの開口部40hによって集められ、集液管34h及び配管36x、36yによって、タンク50の内部へ導かれる。また、集液管34hの開口部40hの周辺に滞留するジェット燃料は、堰70が設けられているため、第1載置領域A1及び第2載置領域A2へ到達しにくくなる。
実施形態2に係るジェット燃料排出構造30bは、第2給気ダクト24bの下方Dにおける床12の上面12Sと、第1載置領域A1及び第2載置領域A2における床12の上面12Sとの間に、床12から突出する堰70が設けられているため、第1給気口22a又は第2給気口22bから浸入したジェット燃料が、第1載置領域A1及び第2載置領域A2に到達することを抑制することができる。したがって、キャスク10の周辺におけるジェット燃料の燃焼時間が短縮され、キャスク10の放熱効率の低下及びキャスク10の耐久性低下が抑制される。
以上、実施形態1及び実施形態2について説明したが、前述した内容により実施形態1及び実施形態2が限定されるものではない。また、上述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、実施形態1及び実施形態2の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更を行うことができる。
8 地面
10 キャスク
11 キャスク貯蔵建屋
12 床
12S 上面
13 天井
14 側壁
14a 第1側壁
14Ia 内面
14b 第2側壁
14Ib 内面
14c 第3側壁
14d 第4側壁
SP 空間
15 柱
22 給気口
22a 第1給気口
22b 第2給気口
23a 第1仕切壁
23b 第2仕切壁
24 給気ダクト
24a 第1給気ダクト
24b 第2給気ダクト
25 換気塔
26 排気口
26a 第1排気口
26b 第2排気口
27 放射線遮蔽体
27S 上面
A1 第1載置領域
A2 第2載置領域
B 非載置領域
La1、La2、Lb1、Lb2 領域線
Sa、Sb 放射線領域
AR 外気
30a、30b ジェット燃料排出構造
32d、32e、32f、32g 集液部
34f、34g、34h 集液管
36、36r、36s、36t、36z、36u、36v、36w、36x、36y、55 配管
37、37i、37q、37k、37p、37j 管継手
38d、38e 溝
38Bd、38Be 底面
38Ld、38Le 側面
40d、40e、40f、40g、40h 開口部
50 タンク
60 ポンプ
70 堰
80 センサ

Claims (17)

  1. キャスクを貯蔵し、かつ前記キャスクが貯蔵される空間に外気を導入する給気口及び前記空間から外気を排出する排気口を有するキャスク貯蔵建屋に設けられる構造であり、
    一部の領域に前記キャスクが載置される床及び前記床の上方に設けられた放射線遮蔽体に設けられて、前記キャスク貯蔵建屋の内部に浸入したジェット燃料を前記床の上面及び前記放射線遮蔽体の上面から集める集液部と、
    前記集液部に集められた前記ジェット燃料を溜めるタンクと、
    前記集液部と前記タンクとを接続し、前記集液部に集められた前記ジェット燃料を前記タンクへ導く配管と、
    を含む、ジェット燃料排出構造。
  2. 前記タンクは、前記床の下方に設置される、請求項1に記載のジェット燃料排出構造。
  3. 前記集液部は、前記床の上面及び前記放射線遮蔽体の上面のうち少なくとも一方に開口部を有し、前記開口部に浸入した前記ジェット燃料を前記配管に導く集液管である、請求項1又は請求項2に記載のジェット燃料排出構造。
  4. 前記開口部は、前記キャスクを搬送する装置の通路とは異なる部分に設けられる、請求項3に記載のジェット燃料排出構造。
  5. 前記集液部は、前記床の上面及び前記放射線遮蔽体の上面のうち少なくとも一方に設けられた溝であり、前記配管は前記溝の底面及び側面の少なくとも一方に開口部を有する、請求項1又は請求項2に記載のジェット燃料排出構造。
  6. 前記キャスク貯蔵建屋は、前記給気口から下方に向かって延在し、かつ前記給気口から前記キャスク貯蔵建屋の前記キャスクが貯蔵される空間に外気を導く給気ダクトを有し、
    前記溝は、前記給気ダクトの下方における前記床の上面を、前記キャスクが載置されている領域における前記床の上面よりも低くすることによって形成されている、請求項5に記載のジェット燃料排出構造。
  7. 前記溝は、前記キャスクを搬送する装置の通路とは異なる部分に設けられる、請求項5又は請求項6に記載のジェット燃料排出構造。
  8. 前記集液部の上方に滞留する前記ジェット燃料の液面の高さが前記集液管又は前記配管の前記開口部まで低下した場合、前記開口部を閉め切る、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のジェット燃料排出構造。
  9. 前記集液部の上方に滞留する前記ジェット燃料の液面の高さが前記集液管又は前記配管の前記開口部まで低下した場合、前記集液部の内部及び前記タンクの内部の少なくとも一方に不活性ガスを吹き込む、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のジェット燃料排出構造。
  10. 前記キャスク貯蔵建屋は、前記給気口から下方に向かって延在し、かつ前記給気口から前記キャスク貯蔵建屋の前記キャスクが貯蔵される空間に外気を導く給気ダクトを有し、
    前記給気ダクトの下方における前記床の上面と、前記キャスクが載置されている領域における前記床の上面との間に、前記床から突出する堰を有する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のジェット燃料排出構造。
  11. 前記タンクに溜められた前記ジェット燃料を、前記タンクから汲み出すポンプを有する、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のジェット燃料排出構造。
  12. 前記ポンプは、前記床の下方に設置される、請求項11に記載のジェット燃料排出構造。
  13. キャスクを貯蔵し、かつ前記キャスクが貯蔵される空間に外気を導入する給気口及び前記空間から外気を排出する排気口を有するキャスク貯蔵建屋に設けられる構造であり、
    一部の領域に前記キャスクが載置される床及び前記床の上方に設けられた放射線遮蔽体の少なくとも一方に設けられて、前記キャスク貯蔵建屋の内部に浸入したジェット燃料を前記床の上面及び前記放射線遮蔽体の上面の少なくとも一方から集める集液部と、
    前記集液部に集められた前記ジェット燃料を溜めるタンクと、
    前記集液部と前記タンクとを接続し、前記集液部に集められた前記ジェット燃料を前記タンクへ導く配管と、
    前記タンクに溜められた前記ジェット燃料を、前記タンクから前記キャスク貯蔵建屋の外部に汲み出すポンプと、
    を含み、
    前記タンクは、前記床の下方に設置される、ジェット燃料排出構造。
  14. 前記ポンプは、前記キャスクが貯蔵される空間に設置されるセンサによって火災を感知したら自動で運転を開始する、請求項11から請求項13のいずれか一項に記載のジェット燃料排出構造。
  15. キャスクを貯蔵し、かつ前記キャスクが貯蔵される空間に外気を導入する給気口及び前記空間から外気を排出する排気口を有するキャスク貯蔵建屋に設けられる構造であり、
    一部の領域に前記キャスクが載置される床及び前記床の上方に設けられた放射線遮蔽体の少なくとも一方に設けられて、前記キャスク貯蔵建屋の内部に浸入したジェット燃料を前記床の上面及び前記放射線遮蔽体の上面の少なくとも一方から集める集液部と、
    前記集液部に集められた前記ジェット燃料を溜めるタンクと、
    前記集液部と前記タンクとを接続し、前記集液部に集められた前記ジェット燃料を前記タンクへ導く配管と、
    前記タンクに溜められた前記ジェット燃料を、前記タンクから前記キャスク貯蔵建屋の外部に汲み出すポンプと、
    を含み、
    前記ポンプは、前記キャスクが貯蔵される空間に設置されるセンサによって火災を感知したら自動で運転を開始する、ジェット燃料排出構造。
  16. 前記ポンプは、前記タンクに溜められた前記ジェット燃料が所定の量に達したことが感知された場合、自動で運転を開始する、請求項11から請求項15に記載のジェット燃料排出構造。
  17. キャスクを貯蔵し、かつ前記キャスクが貯蔵される空間に外気を導入する給気口及び前記空間から外気を排出する排気口と、
    請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のジェット燃料排出構造と、
    を含む、キャスク貯蔵建屋。
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