JP6163710B2 - 防汚フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
防汚フィルムおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6163710B2 JP6163710B2 JP2012134783A JP2012134783A JP6163710B2 JP 6163710 B2 JP6163710 B2 JP 6163710B2 JP 2012134783 A JP2012134783 A JP 2012134783A JP 2012134783 A JP2012134783 A JP 2012134783A JP 6163710 B2 JP6163710 B2 JP 6163710B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antifouling
- water
- layer
- film
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
Description
撥水性を利用した防汚手段では、雨水が作った流路が乾燥した後に跡となる。また、そこに空気中の汚染物質が付着して汚れとなってしまう。特に親油性の汚れに対しては防汚性が低く、交通量の多い場所では排気ガスなどの煤煙により汚染され易く、長期間にわたって表面の清潔さを維持することは難しい。
また、この際に得られる微細セルロース繊維の数平均繊維径は0.003μm以上0.050μm以下、より好ましくは0.003μm以上0.030μm以下であることを特徴とするものであり、光線透過率が70%以上である。微細セルロース繊維の繊維径が細すぎると強度不足がおこり、太すぎると加工性が悪化する。
漂白クラフトパルプ10gを水500ml中で一晩静置し、パルプを膨潤させた。これを20℃に温度調整し、TEMPO0.1gと臭化ナトリウム1gを添加し、パルプの懸濁液とした。さらに、攪拌しながらセルロース重量当たり10mmol/gの次亜塩素酸ナトリウムを添加した。この際、約1Mの水酸化ナトリウム水溶液を添加してパルプ懸濁液のpHを約10.5に保持した。その後240分間酸化反応を行い、十分に水洗しパルプを得た。得られたパルプをイオン交換水で固形分濃度1%に調整し、高速回転ミキサーを用いて約60分間攪拌し、透明なセルロース繊維の分散液を得た。
ポリビニルアルコール(PVA−124、クラレ社製)5gをビーカーに量りとり、純水500gを加えた。これを100℃に加熱し、溶解させ1%溶液として用いた。
厚さ25μmポリエチレンテレフタラートフィルム(ポリエステルフィルム E5102、東洋紡社製)基材上に塗液を塗工した後にそれぞれの塗工フィルムの評価を行った。
ポリビニルアルコール(PVA424、クラレ社製)25gをビーカーに量りとり、純水500gを加えた。これを100℃に加熱し、溶解させ5%溶液として用いた。
(セルロース分散液の製造方法)で得られたセルロース分散液を塩酸でpH4.7とした。続いてエポクロス、WS500(日本触媒社製)を純水で10倍希釈した後、セルロースのカルボキシル基に対しオキサゾリン基が0.2、0.5、1.0等量となるようそれぞれ添加・混合した。膜厚0.5μmとなるようにバーコートにて塗工し、120℃、30分間乾燥させた。続いてこの防汚層上に、水溶性保護層用塗料を膜厚2μmとなるようにバーコート法にて塗工し、120℃、10分間乾燥させ水溶性保護層を形成した。
(セルロース分散液の製造方法)で得られたセルロース分散液を塩酸でpH4.7とした。続いてカルボジライトV−02−L2(日清紡ケミカル社製)を純水で10倍希釈した後、セルロースのカルボキシル基に対しカルボジイミド基が0.2、0.5、1.0等量となるようそれぞれ添加した。膜厚0.5μmとなるようにバーコートにて塗工し、120℃、30分間乾燥させた。続いてこの防汚層上に、水溶性保護層用塗料を膜厚2μmとなるようにバーコート法にて塗工し、120℃、10分間乾燥させ水溶性保護層を形成した。
(セルロース分散液の製造方法)で得られたセルロース分散液に[ポリビニルアルコール溶液の調製方法]で得られたPVA水溶液をセルロース/PVA=100:50となるよう添加し、塩酸でpH4.7とした。続いてエポクロス、WS500(日本触媒社製)を純水で10倍希釈した後、セルロースのカルボキシル基に対しオキサゾリン基が0.2、0.5、1.0等量となるようそれぞれ添加・混合した。膜厚0.5μmとなるようにバーコートにて塗工し、120℃、30分間乾燥させた。続いてこの防汚層上に、水溶性保護層用塗料を膜厚2μmとなるようにバーコート法にて塗工し、120℃、10分間乾燥させ水溶性保護層を形成した。
(セルロース分散液の製造方法)で得られたセルロース分散液を塩酸でpH4.7とした。膜厚0.5μmとなるようにバーコートにて塗工し、120℃、30分間乾燥させた。続いてこの防汚層上に、水溶性保護層用塗料を膜厚2μmとなるようにバーコート法にて塗工し、120℃、10分間乾燥させ水溶性保護層を形成した。
(セルロース分散液の製造方法)で得られたセルロース分散液に[ポリビニルアルコール溶液の調製方法]で得られたPVA水溶液をセルロース/PVA=100:50となるよう添加し、塩酸でpH4.7とした。膜厚0.5μmとなるようにバーコートにて塗工し、120℃、30分間乾燥させた。続いてこの防汚層上に、水溶性保護層用塗料を膜厚2μmとなるようにバーコート法にて塗工し、120℃、10分間乾燥させ水溶性保護層を形成した。
アクリル樹脂(ES−85、中央理化工業社製)を溶解し、固形分を3%としたものを膜厚0.5μmとなるようにバーコートにて塗工し、120℃、30分間乾燥させた。続いてこの防汚層上に、水溶性保護層用塗料を膜厚2μmとなるようにバーコート法にて塗工し、120℃、10分間乾燥させ水溶性保護層を形成した。
ウレタン樹脂(タケラックWPB341、三井化学社製)を固形分5%となるように純水で希釈したものを膜厚0.5μmとなるようにバーコートにて塗工し、120℃、30分間乾燥させた。続いてこの防汚層上に、水溶性保護層用塗料を膜厚2μmとなるようにバーコート法にて塗工し、120℃、10分間乾燥させ水溶性保護層を形成した。
a.接触角・防汚性能評価
保護層を洗い流した後、防汚剤層表面に蒸留水を1滴滴下し、1分間後の接触角を測定した。また、JIS Z 9105に準拠してデューサイクル式促進耐候性試験を行い、前後の接触角の比較を行った。
b.光線透過率
U−4000分光光度計(日立製作所社製)を用いて、660nmにおける光線透過率を測定した。
c.接着力
保護層を洗い流した後、防汚層塗膜表面に接着部分の長さが3cmになるようにセロテープ(登録商標)を貼り付けた。テープを押し付けて完全に塗工面に密着させた後にテープの一方の端を塗膜面に対して直角方向に瞬時に引き剥がし、塗膜の剥離の程度を観察し剥離性を評価した。
(評価)
○:剥離なし
△:部分的に剥離
×:完全に剥離
d.耐擦傷性
耐擦傷性試験は耐擦傷性試験機(テスター産業製AB・301)を用い、スチールウール#0000で試料表面を荷重250gf/cm2にて10往復擦過した後に保護層を洗い流し、光学顕微鏡で観察される傷の本数で評価した。光学顕微鏡を用いたキズのカウント方法は、スチールウール擦過部分(10mm巾)の巾方向に沿って(キズに対して直角に)走査し、走査線が交わった数をキズの本数とした。なお、顕微鏡観察は倍率100倍で行った。
2 防汚層
3 水溶性保護層
4 接着層(加熱接着層)
5 離型紙
Claims (8)
- 少なくとも基材と防汚層を備える防汚フィルムであって、該防汚層はカルボジイミド基、オキサゾリン基、イソシアネート基のいずれか一種類以上の官能基を1分子あたり二つ以上有する高分子化合物とカルボキシル基を有する微細セルロース繊維が架橋した構造と水溶性高分子を有し、前記カルボキシル基に対し前記の官能基が0.2等量以上3等量以下となっており、前記防汚層の厚みが0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする防汚フィルム。
- 前記微細セルロース繊維の数平均繊維径が0.003μm以上0.050μm以下、数平均繊維長が0.1μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の防汚フィルム。
- 前記微細セルロース繊維の結晶化度が60%以上98%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載の防汚フィルム。
- フィルム表面の水との接触角が45°以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の防汚フィルム。
- 前記防汚層の上に水溶性の保護層を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の防汚フィルム。
- 前記基材の防汚層の反対側の面に接着層を有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の防汚フィルム。
- 請求項5乃至6のいずれか一項に記載の防汚フィルムを被着した後、保護層を水洗して洗い落としてなる防汚体。
- 微細セルロース繊維分散液を準備する工程と、
前記微細セルロース繊維分散液に調整した水溶性高分子を添加する工程と、
カルボジイミド基、オキサゾリン基、イソシアネート基のいずれか一種類以上の官能基を1分子あたり二つ以上有する高分子化合物を、前記微細セルロース繊維のカルボキシル基に対して前記官能基が0.2等量以上3等量以下となるように微細セルロース繊維分散液に添加し、調整する工程と、
前記調整された微細セルロース繊維分散液を、防汚層の厚みが0.1μm以上10μm以下となるように塗工し、乾燥する工程と、
を有することを特徴とする防汚フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012134783A JP6163710B2 (ja) | 2012-06-14 | 2012-06-14 | 防汚フィルムおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012134783A JP6163710B2 (ja) | 2012-06-14 | 2012-06-14 | 防汚フィルムおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013256090A JP2013256090A (ja) | 2013-12-26 |
JP6163710B2 true JP6163710B2 (ja) | 2017-07-19 |
Family
ID=49952953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012134783A Active JP6163710B2 (ja) | 2012-06-14 | 2012-06-14 | 防汚フィルムおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6163710B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6369044B2 (ja) * | 2014-02-19 | 2018-08-08 | 凸版印刷株式会社 | 培養装置およびその製造方法 |
JP2017190541A (ja) * | 2016-04-14 | 2017-10-19 | 凸版印刷株式会社 | バリア紙およびその製造方法、紙カップ |
KR102489614B1 (ko) * | 2016-05-27 | 2023-01-16 | 삼성전자주식회사 | 옥사졸린계 공중합체, 이를 포함하는 조성물, 및 상기 조성물로부터 제조되는 성형품 |
JP2018176583A (ja) * | 2017-04-14 | 2018-11-15 | スターライト工業株式会社 | 接着性補強層を有する積層体及び積層体の製造方法 |
JP7024217B2 (ja) * | 2017-06-16 | 2022-02-24 | 凸版印刷株式会社 | 樹脂成形体 |
JP7083651B2 (ja) * | 2018-01-29 | 2022-06-13 | リンテック株式会社 | 親水性シート |
JP7241403B2 (ja) * | 2019-10-25 | 2023-03-17 | 平岡織染株式会社 | 産業用シート材 |
JP7445319B2 (ja) | 2022-03-24 | 2024-03-07 | 平岡織染株式会社 | 複合体シート |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4787479B2 (ja) * | 2004-06-14 | 2011-10-05 | 大日精化工業株式会社 | 汚染防止塗料、汚染防止シートおよびその製造方法 |
JP2008239830A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Toppan Printing Co Ltd | 水系コーティング組成物、複合シート、化粧シート、化粧材 |
WO2010001813A1 (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-07 | 富士フイルム株式会社 | 親水性部材 |
JP5515312B2 (ja) * | 2009-02-12 | 2014-06-11 | 凸版印刷株式会社 | コーティング剤および成形体 |
JP5617289B2 (ja) * | 2010-03-18 | 2014-11-05 | 凸版印刷株式会社 | セルロース膜およびそれを用いた積層材料 |
JP2011245477A (ja) * | 2010-04-27 | 2011-12-08 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | アルミニウム塗装材及びその製造方法 |
EP2615128B1 (en) * | 2010-09-06 | 2017-03-01 | Toppan Printing Co., Ltd. | Transparent base and method for producing same |
-
2012
- 2012-06-14 JP JP2012134783A patent/JP6163710B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013256090A (ja) | 2013-12-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6163710B2 (ja) | 防汚フィルムおよびその製造方法 | |
JP5928339B2 (ja) | 積層体およびその製造方法 | |
JP4457322B2 (ja) | 光学用易接着性ポリエステルフィルム | |
EP2281019B1 (en) | Silica coating for enhanced hydrophilicity/transmittivity | |
JP6175753B2 (ja) | 積層体およびその製造方法 | |
US8993093B2 (en) | Coated sheet-like plastic material with reduced tendency to colonization by algae, process for the in-line production thereof and use | |
JP5645672B2 (ja) | シリケートを含有する防曇コーティング | |
JP6597598B2 (ja) | 太陽光耐久性高透明フィルム、太陽光制御フィルム、赤外線反射フィルム及びフィルムミラー | |
JPWO2013111735A1 (ja) | 光学フィルム | |
JP2011029397A (ja) | 太陽電池用バックシート及びその製造方法 | |
JP2005314495A (ja) | 防曇塗料、防曇性フィルムおよびその製造方法 | |
JP5630012B2 (ja) | 易接着性熱可塑性樹脂フィルム | |
JP2011207042A (ja) | ガスバリア性積層体の製造方法 | |
EP3272526B1 (en) | Transparent resin laminate | |
JP2018119067A (ja) | 親水性コーティング剤、及びその塗布膜 | |
JP2011126067A (ja) | 易接着性ポリエステルフィルム | |
JP4787479B2 (ja) | 汚染防止塗料、汚染防止シートおよびその製造方法 | |
JP2017044807A (ja) | 熱線反射材料及び窓 | |
JP6204863B2 (ja) | 太陽電池用裏面保護シート及び太陽電池モジュール | |
JP2698550B2 (ja) | 結露防止性積層フィルムあるいはシート | |
JP2008222974A (ja) | 親水性樹脂組成物およびインクジェット記録材 | |
CN108885288B (zh) | 光学反射膜 | |
JP2006028469A (ja) | 帯電防止塗料、帯電防止シートおよびその製造方法 | |
JP5092921B2 (ja) | 光学用易接着性熱可塑性樹脂フィルム | |
JP2017096990A (ja) | 光反射フィルムの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150521 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160229 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160329 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160525 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161018 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161219 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170523 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170605 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6163710 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |