JP6163483B2 - 有機el装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL(Electro Luminescence)装置に関するものである。また、有機EL装置の製造方法に関するものである。
近年、白熱灯や蛍光灯に代わる照明装置として有機EL装置が注目され、多くの研究がなされている。
ここで、有機EL装置は、ガラス基板や透明樹脂フィルム等の透明基板に、有機EL素子を積層したものである。
また、有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL装置は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。
有機EL装置は、自発光デバイスであり、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光することができる。また、白熱灯や蛍光灯に比べて厚さが極めて薄く、且つ面状に発光するので、設置場所の制約が少ない。
ところで、有機EL装置は、有機EL素子への水分や酸素(以下、水等ともいう)の進入を防止するために有機EL素子を外部の雰囲気から遮断する封止構造を備えている。しかしながら、有機EL素子の封止機能が不十分な場合には、有機EL装置を長期間使用すると、ダークスポットと呼ばれる非発光点が発生する。
このダークスポットについて詳説すると、有機EL素子の封止が不十分な場合、水等が封止構造内に進入し、有機EL素子が水等に曝された状態となる。この状態で使用(点灯)すると、有機EL素子を構成する電極の一部が酸化され、電極の表面に絶縁性の酸化被膜が形成される。この酸化被膜が形成されると、形成箇所は部分的に絶縁化される。そのため、点灯時に当該箇所が発光せず、非発光点(ダークスポット)が形成される。
すなわち、有機EL装置のダークスポットの形成を防止するためには、有機EL素子への水等の進入を確実に防止することが必要となる。
また、使用初期におけるダークスポットは、一般的に、使用初期に形成されたときには、肉眼では見えない程度の大きさであり、さらに使用を続けることで、使用初期に形成されたものを核として成長していくことが知られている。
このダークスポットは、成長し拡大化すると、有機EL装置の耐久性や品質に悪影響を及ぼす。そして、このダークスポットの成長は、一般的に点灯時に有機EL素子内で発生する熱によって加速度的に促進されることが知られている。
すなわち、形成したダークスポットの成長を抑制するためには、点灯時の熱を有機EL素子内部に留めず、外部に効率良く逃がすことが必要である。
そこで、有機EL素子への水等の進入及び点灯時の熱の滞留を防ぐ技術として、特許文献1が開示されている。
特許文献1の有機EL装置は、基材上に順次、第1電極(電極)と有機化合物層(発光層)と第2電極(電極)とを積層した構造を有する有機EL素子を有したものである。また、特許文献1の有機EL装置は、当該第2電極の上に、無機防湿層と、金属製の導電性封止部材を設けている。そして、特許文献1の有機EL装置は、当該無機防湿層と導電性封止部材との間に絶縁性接着材層を介在させている。さらに、特許文献1の有機EL装置は、導電性封止部材として、封止性能(バリア性)及び伝熱性能(伝熱性)に優れている導電性封止材料を用いている。
この特許文献1の有機EL装置は、この導電性封止材料の封止性能及び伝熱性能を活用して、有機EL素子への水等の進入を防止するとともに、点灯時における発光する面(発光面)内の熱の滞留を防止している。
特開2010−245026号公報
特許文献1の有機EL装置は、上記したように一定の封止性能と伝熱性能を有している。また、特許文献1の有機EL装置は、無機防湿層と導電性封止部材との間に絶縁性接着材層を介在させることによって、導電性封止材料を封止材料とすることに伴う電極との短絡の問題に対処している。
しかしながら、特許文献1の有機EL装置は、導電性封止材料を有機EL素子が実際に発光する領域(以下、発光領域ともいう)のみに載置している。そのため、結果的に点灯時に発生する熱の大部分は、当該発光領域内に留まっている。
また、特許文献1の有機EL装置は、発光領域内の有機EL素子の電極に電圧を印加させるために、封止構造の外部に第1電極及び第2電極を延伸させ、取出電極を形成している。これらの取出電極は、第1電極及び第2電極がともに基材上で直接接触されており、経時的な封止性や伝熱性に支障があり、信頼性に欠けるという問題があった。
このように、特許文献1の有機EL装置は、封止性能と伝熱性能を効果的に両立させる構造として不十分であり、未だ改善の余地が残っている。
そこで、本発明は、上記した問題点を解決するものであり、有機EL素子への水分や酸素の進入を防止するとともに使用時に有機EL素子内で発生する熱を効率的に均熱化することが可能な有機EL装置を提供するものである。
本発明者らは、特許文献1の構造を踏まえて、点灯時に実際に発光する有機EL素子が位置する発光領域に加えて、当該発光領域内の発光素子に給電するための給電領域の一部においても、有機EL素子の上に無機封止層を積層し、当該封止層上に均熱性能及び封止性能を有する金属箔を、熱伝導性を有する接着材で接着した。
このことによって、発光領域内の発光素子で発生した熱を、均熱できる面積を大きくするとともに封止面積を増やし、より確実に水等の進入を防止することを試みた。
この構造について実験を繰り返し模索した結果、発明者らは、給電領域において有機発光層の一部を除くことで封止性や伝熱性が各段に向上するということを見出した。
この知見に基づいて開発された本発明の一つの様相は、多角形状の透明基板上に、第1電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層された有機EL素子を有した有機EL装置であって、前記透明基板を平面視したときに、駆動時に発光する発光領域を有する有機EL装置において、少なくとも発光領域の有機EL素子に、無機封止層と、接着材層と、伝熱封止層が積層されており、さらに、前記透明基板を平面視したときに、発光領域の外側であって発光領域の外縁の一部又は全部に沿って配される通電領域を有し、通電領域において、発光領域から延伸した第1電極層と、第1電極層よりも熱伝導率の大きい導電層と、前記無機封止層と、前記接着材層と、前記伝熱封止層がこの順に互いに接触するように積層された伝熱封止積層構造が形成されており、当該伝熱封止積層構造は、線状又は面状であって、透明基板の各辺のいずれか又は全部の近傍に位置し、対応する各辺に沿って延伸していることを特徴とする。
本様相の有機EL装置は、駆動時に発光する発光領域に属する有機EL素子(以下、発光素子ともいう)は、第1電極層、有機発光層、及び第2電極層の重畳部位であり、第1電極層と第2電極層との間で電圧を印加することによって有機発光層が面状に発光する。
本様相によれば、少なくとも発光素子上に、無機封止層と、接着材層と、伝熱封止層が積層されている。すなわち、発光素子上を無機封止層と接着材層と伝熱封止層が覆うことによって、部材厚方向の発光素子への水等の進入を防いでいる。また、発光素子の部材厚方向の投影面上に伝熱性を有する伝熱封止層が位置することによって、使用時に発光素子から生じる熱の大部分を伝熱封止層で放熱及び均熱することに成功している。
さらに、本発明の様相によれば、発光領域の外側であって発光領域の外縁の一部又は全部に沿って配される通電領域を有し、通電領域において、発光領域から延伸した第1電極層と、第1電極層よりも熱伝導率の大きい導電層と、前記無機封止層と、前記接着材層と、前記伝熱封止層がこの順に互いに接触するように積層された伝熱封止積層構造が形成されている。すなわち、使用時に発光素子から発生する熱を、通電領域に属する第1電極層を経由して発光領域の外側の通電領域に逃がし、さらに通電領域内で導電層を介して伝熱封止層に伝えることによって、伝熱封止層全体で放熱及び均熱することに成功している。そのため、均熱面積及び放熱面積を大きく確保することができる。
そして、本発明の様相によれば、この伝熱封止積層構造は、線状又は面状であって、透明基板の各辺のいずれか又は全部の近傍に位置し、対応する各辺に沿って延伸している。そのため、通電領域において第1電極層から伝熱封止層に逃がすための最低限の伝熱面積を確保でき、効率的に熱を逃がすことに成功している。
このように本発明の様相によれば、使用時に発光素子内で発生する熱を発光素子の上方だけでなく発光素子のまわりの部位によっても熱を逃がす経路をして使用することができる。そのため、使用時に有機EL素子内で発生する熱を効率的に均熱化し、放熱することができる。それ故に、発光領域内の輝度むらを抑制することができる。
また、本様相の有機EL装置は、伝熱封止積層構造の封止機能によって、発光素子への水分の進入を防止することで、水等による経時的なダークスポットの発生や成長が抑えることもできる。さらに、本様相の有機EL装置は、伝熱封止積層構造の均熱機能によって、熱によるダークスポットの成長を抑制できるとともに輝度むらの発生も抑制できる、それ故に、本様相によれば、従来の有機EL装置に比べて信頼性及び外観に優れた有機EL装置となる。
好ましい様相は、前記伝熱封止積層構造の延伸長さは、少なくとも前記対応する各辺の長さの半分以上の長さであることである。
本様相によれば、前記伝熱封止積層構造の延伸長さは、少なくとも前記対応する各辺の長さの半分以上の長さであるため、第1電極層から伝熱封止層への熱の伝達においても均等に熱を伝達することができ、十分に均熱することができる。
好ましい様相は、前記伝熱封止層は、少なくとも絶縁性樹脂膜と金属箔を有し、当該絶縁性樹脂膜は、前記接着材層と当該金属箔の間に介在していることである。
本様相によれば、伝熱封止層として絶縁性樹脂膜と金属箔を使用しているので、有機EL装置の薄いという特長が損なわれにくい。
この様相によれば、絶縁性樹脂膜は、接着材層と金属箔の間に介在しているため、接着材層の導電性の有無にかかわらず、接着することができる。
好ましい様相は、前記伝熱封止層は、2層の絶縁性樹脂膜と金属箔を有し、当該金属箔は、前記2層の絶縁性樹脂膜の間に介在していることである。
この様相によれば、金属箔が2層の絶縁性樹脂膜によってコーティングされているため、封止性能が高い。
より好ましい様相は、前記絶縁性樹脂膜は、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、及びポリテトラフルオロエチレンからなる群より選ばれた少なくとも1種によって形成されていることである。
好ましい様相は、前記通電領域は、外部電源と電気的に接続可能な給電領域を有し、前記給電領域は、少なくとも透明基板の一辺側にあって、発光領域の第1電極層と電気的に接続された第1電極連通部と、発光領域の第2電極層と電気的に接続された第2電極連通部が位置していることである。
この様相によれば、一辺側に発光領域の第1電極層及び第2電極層への給電可能部位が集中しているため、発光領域の有機EL素子に給電しやすい。すなわち、一辺側に外部電源に接続された電源端子を接続するだけで、給電ができる。
好ましい様相は、前記通電領域は、外部電源と電気的に接続可能な給電領域を有し、前記給電領域は、少なくとも透明基板の一辺側にあって、発光領域の第1電極層と電気的に接続された2つの第1電極連通部と、発光領域の第2電極層と電気的に接続された第2電極連通部が位置しており、さらに、前記透明基板の一辺に沿って、第1電極連通部、第2電極連通部、第1電極連通部の順に並列していることである。
この様相によれば、発光領域の第1電極層への給電電極たる第1電極連通部が2つ、発光領域の第2電極層への給電電極たる第2電極連通部が1つ存在し、前記透明基板の一辺側において、第2電極連通部の両側を第1電極連通部が挟む構造となっている。そのため、前記一辺方向において、均等に発光領域の有機EL素子に給電することができ、輝度むらを抑制することができる。
好ましい様相は、前記通電領域は、外部電源と電気的に接続可能な給電領域を有し、前記給電領域は、第1電極層の一部であって発光領域の第1電極層と物理的に分離された島状の孤立部が位置しており、前記給電領域において、前記孤立部と発光領域から延びた第2電極層が物理的に接続される電極固定部を備えることである。
この様相によれば、孤立部と発光領域から延びた第2電極層が有機発光層を介さずに直接接続されているため、透明基板から第2電極層が剥離しにくい。
好ましい様相は、前記通電領域は、外部電源と電気的に接続可能な給電領域を有し、当該給電領域は、透明基板の一辺側に位置する第1給電領域と、透明基板の一辺と対辺側に位置する第2給電領域からなり、前記第1給電領域は、発光領域の第1電極層と電気的に接続された第1電極連通部と、発光領域の第2電極層と電気的に接続された第2電極連通部が位置しており、さらに、前記第2給電領域にも、発光領域の第1電極層と電気的に接続された第1電極連通部と、発光領域の第2電極層と電気的に接続された第1電極連通部が位置していることである。
この様相によれば、一辺側及び対辺側のいずれからでも発光領域の有機EL素子に給電することができるため、設置環境に適応しやすい。
より好ましい様相は、前記通電領域は、第1電極層内の電気伝導を補助する補助電極領域を有し、前記補助電極領域は、前記第1給電領域と前記第2給電領域を結ぶように延伸しており、前記伝熱封止積層構造は、補助電極領域の延伸方向に延びていることである。
この様相によれば、第1電極層内の電気伝導を補助する補助電極領域内を伝熱封止積層構造が延びているため、電気・熱の観点からより輝度むらを抑制することができる。
好ましい様相は、前記通電領域は、外部電源と電気的に接続可能な給電領域と、第1電極層内の電気伝導を補助する補助電極領域から形成されており、前記給電領域は、透明基板の一辺側に、第1電極層と電気的に接続された第1電極連通部と、第2電極層と電気的に接続された第2電極連通部を有し、前記補助電極領域は、前記透明基板の一辺に対して直交する方向に延伸し、かつ、前記発光領域及び当該給電領域に隣接するものであり、発光領域から延びて補助電極領域に位置する第1電極層が、積層体の積層方向で導電層と直接接触することによって伝熱封止積層構造が形成されるものであることである。
この様相によれば、補助電極領域に位置する第1電極層が、積層体の積層方向で第1電極層よりも電気伝導性の優れた導電層と直接接触することによって伝熱封止積層構造が形成するものであるため、導電層によって給電領域の第1電極連通部から第1電極層への電気伝導、又は第2電極層から給電領域の第2電極連通部への電気伝導を補助することができる。
より好ましい様相は、前記無機封止層は、酸素、炭素、窒素の中から選ばれた1種類以上の元素と、ケイ素元素とからなるシリコン合金により形成される無機合金層を有していることである。
より好ましい様相は、前記無機封止層は、湿式法によって形成されてなる第1無機封止層と、乾式法によって形成されてなる第2無機封止層から形成されていることである。
この様相によれば、第1無機封止層と第2無機封止層が互いに補完して封止性の高い無機封止層となる。
好ましい様相は、前記接着材層は、エポキシ樹脂であることである。
好ましい様相は、透明基板の他方の主面に駆動時に発光する発光面を有し、当該発光面の面内の熱分布は、95パーセント以上に収まっていることである。
この様相によれば、輝度むらの少ない有機EL装置が実現できる。
本発明の一つの様相は、四角形状の透明絶縁基板の一方の主面上に、透明酸化物電極層と、有機発光層と、金属電極層が積層された有機EL素子を有した有機EL装置であって、前記透明絶縁基板を平面視したときに、駆動時に発光する発光領域を有する有機EL装置において、少なくとも発光領域の有機EL素子に、無機封止層と、接着材層と、伝熱封止層が積層されており、さらに、前記透明絶縁基板を平面視したときに、発光領域の外側であって発光領域の外縁の一部又は全部に沿って配される通電領域を有し、通電領域において、発光領域から延伸した前記透明酸化物電極層と、前記金属電極層と、前記無機封止層と、前記接着材層と、前記伝熱封止層がこの順に互いに接触するように積層された伝熱封止積層構造が形成されており、当該伝熱封止積層構造は、線状又は面状であって、透明絶縁基板の各辺のいずれか又は全部の近傍に位置し、対応する各辺に沿って延伸していることである。
この様相の有機EL装置は、透明基板側から光を取り出すいわゆるボトムエミッション型の有機EL装置である。すなわち、透明酸化物電極層の第1電極層は陽極電極となり、金属電極層は陰極電極となる。
この様相によれば、有機EL素子への水分の進入を防止するとともに使用時に有機EL素子内で発生する熱を効率的に均熱化することが可能である。
本様相の製造方法は、透明基板上に有機EL素子を形成する有機EL素子形成工程と、無機封止層を形成する無機封止層形成工程と、接着材層によって無機封止層に伝熱封止層を接着する伝熱封止層接着工程を含んでおり、前記有機EL素子形成工程は、第1電極層より上方の積層体を部分的に除去する第1除去工程と、当該除去部位上に第2電極層を積層する第2電極積層工程を含んでいることが望ましい。
この様相によれば、伝熱封止積層構造を容易に形成できる。
好ましい様相は、前記導電層は、第2電極層であり、前記除去部位上に積層した第2電極層は、伝熱封止積層構造の一部を形成することである。
この様相によれば、導電層が第2電極層であるため、新たに導電層を形成しなくても伝熱封止積層構造を形成できる。
より好ましい様相は、前記有機EL素子形成工程は、発光領域の第1電極層と物理的に分離された孤立部を形成する孤立部形成工程と、少なくとも孤立部上に有機発光層を積層する有機発光層積層工程と、有機発光層を部分的に除去する有機発光層除去工程と、当該除去部位上に第2電極層を積層する第2電極積層工程を含んでいることである。
本様相の製造方法は、透明基板上に有機EL素子を形成する有機EL素子形成工程と、無機封止層を形成する無機封止層形成工程と、接着材層によって無機封止層に伝熱封止層を接着する伝熱封止層接着工程を含んでおり、前記無機封止層形成工程は、CVD法によって第1無機封止層を形成する工程と、シリカ転化によって第2無機封止層を形成する工程を有することであることが望ましい。
本様相の製造方法によれば、封止性の高い無機封止層を形成できる。
さらに好ましい様相は、前記第2無機封止層は、ポリシラザンを原料とすることである。
本発明の様相の構成によれば、使用時に有機EL素子内で発生する熱を効率的に均熱化可能なので発光領域内の輝度分布を小さくすることができ、かつ、有機EL素子への水分の進入を効果的に防止可能なので発光欠陥の発生を抑制できる。
本発明の実施形態に係る有機EL装置を裏面側から観察し、概念的に示した斜視図である。 図1の有機EL装置の伝熱封止層を取り外した分解斜視図であり、接着材層を除いた図である。 図2の有機EL装置からさらに無機封止層を取り除いた斜視図である。 図3の状態の有機EL装置の平面図である。 図3の状態の有機EL装置の各領域の説明図である。 図1の有機EL装置のA−A断面図であり、理解を容易にするため、ハッチングを省略している。 図1の有機EL装置のB−B断面図であり、理解を容易にするため、ハッチングを省略している。 図1の有機EL装置のC−C断面図であり、理解を容易にするため、ハッチングを省略している。 図3の透明基板から有機EL素子を形成する第2電極層と機能層をそれぞれ分解した斜視図である。 図1の有機EL装置に用いられる電流回路を表す説明図である。 図1の有機EL素子の電気の流れを表す説明図であり、電流の流れを矢印で示している。 図1の有機EL装置の各製造工程を表す説明図であり、(a)〜(h)は各工程の平面図を表す。 本発明の他の実施形態に係る有機EL装置を裏面側から観察し、概念的に示した分解斜視図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る有機EL装置の模式図であり、電流の流れを矢印で示している。 図1の有機EL装置の層構造を模式的に表す断面図であり、理解を容易にするため、ハッチングを省略している。 実施例及び比較例の有機EL装置において温度分布の測定点を表す説明図である。 実施例及び比較例の有機EL装置における経過時間に対するダークスポットの成長率を表すグラフである。
本発明は、有機EL装置に係るものである。図1は、本発明の第1実施形態に係る有機EL装置1を示している。以下、上下左右の位置関係は、特に断りのない限り、図1の姿勢を基準に説明する。すなわち、使用時における光取り出し側が下である。
また、下記に記載する物性は、特に断りの無い限り、標準状態での物性を表す。
本実施形態の有機EL装置1は、図1,図2,図6のように長方形状の透明基板2の主面上に有機EL素子10を積層し、その上から無機封止層7を積層して封止したものである。また、有機EL装置1では、無機封止層7上に、さらに伝熱封止層15を載置し、接着材層8を介して、接着している。
有機EL素子10は、図6のように透光性を有した透明基板2(透明絶縁基板)側から順に第1電極層3(透明酸化物電極層)と、機能層5(有機発光層)と、第2電極層6(金属電極層)が積層されたものである。
また、本実施形態の有機EL装置1では、図3のように透明基板2上の有機EL素子10を複数の溝によって、複数の領域に分けられている。
具体的には、有機EL装置1は、図3,図5のように、その面内において、使用時に実際に発光する発光領域30と、通電領域52とに分けられる。
さらに通電領域52は、使用時(駆動時)の給電に寄与する給電領域31,32と、電通を補助する補助電極領域33,35に分かれている。
通電領域52は、図5のように発光領域30の外側に位置しており、発光領域30の外縁の一部又は全部に沿って配されている。換言すると、通電領域52は、発光領域30の外側を囲むように配されている。本実施形態では、通電領域52は、発光領域30の外縁全体に沿って配されている。
説明の都合上、まず本実施形態の特徴的構成及びその位置関係について説明し、有機EL装置1の各層構成の詳細については、後述する。
発光領域30は、図5のように幅方向w及び長さ方向l(幅方向wに対して直交する方向であって、部材厚方向に対しても直交する方向)において、有機EL装置1の中央に位置している。給電領域31,32及び補助電極領域33,35は、発光領域30の周囲であって、発光領域30の縁に沿って隣接するように配されている。
発光領域30は、図3,図6のように、領域分離溝23,24によって分離された領域である。
発光領域30の有機EL素子10は、第1電極層3と、機能層5と、第2電極層6が重畳して形成されている。有機EL装置1を使用時(駆動時)には、発光領域30内の第1電極層3と第2電極層6の間で電圧が印加されて、機能層5が面状に広がりをもって発光する。
以下の説明においては、発光領域30に位置する有機EL素子10を発光素子25と称する。
発光領域30には、上記したように発光素子25が位置しており、透明基板2の有機EL素子10が積層された主面と反対側の主面(光取出面)に実際に発光する発光面34を有している。すなわち、この発光面34は、光を取り出す面であって、使用時に使用者が発光を視認できる面である。
給電領域31,32は、外部電源からの供給電力を受ける領域である。また、給電領域31,32は、図5のように領域分離溝23,24よりも長さ方向l(長手方向)外側に位置する領域である。言い換えると、給電領域31(第1給電領域)と給電領域32(第2給電領域)は、長さ方向lにおいて発光領域30を挟んで互いに対向する関係となっている。
また、給電領域31,32は、それぞれ透明基板2の対向する2辺(本実施形態では対向する短辺)近傍に位置している。言い換えると、給電領域31,32は、それぞれ長さ方向lの両端部近傍に位置している。
そして、給電領域31,32は、透明基板2の短辺から長手方向l中央側に向かって延びている。
図4に示される給電領域31,32の幅L1(長さ方向lの延伸長さ)は、ともに透明基板2の幅(長さ方向lの全体長さ)の1/4以下の幅となっている。
また、給電領域31,32は、図5のように、2本の領域分離溝23,24によって、それぞれ3つの領域に分割されている。
具体的には、給電領域31,32は、外部から電流が供給される陽極側給電領域16,18と、外部へ電流が流れる陰極側給電領域17に分割されている。
そして、陰極側給電領域17は、有機EL装置1の幅方向wの中央に位置しており、陽極側給電領域16,18は、陰極側給電領域17の幅方向wの両外側に位置している。
すなわち、給電領域31,32は、幅方向wにおいて、それぞれ陽極側給電領域16、陰極側給電領域17、陽極側給電領域18の順に交互に配されている。
陽極側給電領域16,16に位置する第2電極層6,6は、図5,図8から読み取れるように発光領域30の第1電極層3と電気的に接続されており、当該第1電極層3に給電可能な陽極給電部20,20(第1電極連通部)として機能する。
陰極側給電領域17,17に位置する第2電極層6は、発光領域30の第2電極層6と電気的に接続されており(本実施形態では、発光領域30の第2電極層6と連続しており)、当該発光領域30の第2電極層6に給電可能な陰極給電部21,21(第2電極連通部)として機能する。
陽極側給電領域18,18に位置する第2電極層6,6は、陽極側給電領域16の第2電極層6と同様、発光領域30の第1電極層3と電気的に接続されており、当該第1電極層3に給電可能な陽極給電部22,22(第1電極連通部)として機能する。
すなわち、給電領域31,32では、幅方向wに陽極給電部20,陰極給電部21,陽極給電部22の順に並列している。
以下の説明においては、陽極側給電領域16の第2電極層6を陽極給電部20(第1電極連通部)とも称し、陰極側給電領域17の第2電極層6を陰極給電部21(第2電極連通部)とも称し、陽極側給電領域18の第2電極層6を陽極給電部22(第1電極連通部)とも称する。
有機EL装置1は、図5のように、発光領域30の幅方向wの両側の縁に沿って補助電極領域33,35が設けられている。すなわち、補助電極領域33,35は、発光領域30を挟むように発光領域30の幅方向wの両外側に設けられている。
補助電極領域33,35は、それぞれ透明基板2の対向する2辺近傍であって、給電領域31,32に対応する辺以外の2辺の近傍に位置している。
本実施形態では、補助電極領域33,35は、透明基板2の長辺に沿って形成されており、短手方向w端部近傍に位置している。
補助電極領域33,35は、透明基板2の長辺から中央に向かって延びている。図4に示される補助電極領域33,35の幅W1(長手方向lの長さ)は、ともに透明基板2の幅の1/4以下の領域となっている。
補助電極領域33,35に位置する第2電極層6,6は、図6のように補助電極領域33,35内の第1電極層3,3と直接接触することによって電気的に接続されており、当該第1電極層3への給電を補助する補助電極層41,42として機能する。
なお、以下の説明においては、補助電極領域33の第2電極層6を補助電極層41とも称し、補助電極領域35の第2電極層6を補助電極層42とも称する。
以上のように、発光領域30は、幅方向wに延びる2つの給電領域31,32及び長手方向lに延びる2つの補助電極領域33,35によって囲まれている。
また、本実施形態の有機EL装置1は、上記したように深さの異なる複数の溝によって、複数の区画に分離されて区切られている。
具体的には、有機EL装置1は、図9のように部分的に第1電極層3を除去した取出電極分離溝26と、部分的に第2電極層6と機能層5の双方を除去した領域分離溝23,24と、部分的に機能層5を除去した電極接続溝27,28及び取出電極固定溝29と、を有しており、これらの溝によって複数の区画に分離されている。
これらの各溝について詳説すると、取出電極分離溝26は、図9のように透明基板2上に積層された第1電極層3を3つの領域に分離する溝である。取出電極分離溝26は、給電領域31,32の陰極側給電領域17,17をそれぞれ発光領域30から分離する溝である。
また、取出電極分離溝26内には、図7のように機能層5の一部が進入しており、機能層5は取出電極分離溝26の底部で透明基板2と直接接触している。すなわち、発光領域30の第1電極層3と陰極側給電領域17,17の第1電極層3,3(孤立部48,48)をそれぞれ機能層5によって電気的に切り離している。
領域分離溝23,24は、図9のように透明基板2の長手方向l全体に亘って延伸した溝であり、機能層5と第2電極層6の双方を複数の領域に分離する溝である。領域分離溝23,24は、図5のように有機EL装置内を発光領域30、給電領域31,32、補助電極領域33,35に区分けする溝である。
すなわち、領域分離溝23,24は、図5のように発光領域30の縁のほぼ全体に沿って形成されている。また、領域分離溝23,24は、発光領域30と給電領域31,32とのそれぞれの境界部位、発光領域30と補助電極領域33,35とのそれぞれの境界部位、給電領域31,32と補助電極領域33,35とのそれぞれの境界部位に跨がって形成されている。
また、領域分離溝23,24内には、図6,図8のように、絶縁性を有した無機封止層7の一部が進入しており、無機封止層7は領域分離溝23,24の底部で第1電極層3と接触している。すなわち、無機封止層7によって、発光領域30と給電領域31,32と補助電極領域33,35のそれぞれの機能層5及び第2電極層6を、互いに電気的に切り離している。
領域分離溝23,24の外側に位置する電極接続溝27,28は、図9のように長手方向l全体に亘って延伸した溝であり、機能層5のみを複数の領域に分離する溝である。
具体的には、電極接続溝27,28は、領域分離溝23,24を内側に挟むように形成されている。
電極接続溝27は、図5のように給電領域31,32の陽極側給電領域16,16及び補助電極領域33に跨がって、長手方向lに縦断するように形成されている。同様に、電極接続溝28は、給電領域31,32の陽極側給電領域18,18及び補助電極領域35に跨がって、長手方向lに縦断するように形成されている。
また、電極接続溝27,28は、領域分離溝23,24と略同一の形状をしており、領域分離溝23,24と平行に形成されている。
陽極側給電領域18に位置する電極接続溝28内には、図8のように陽極給電部22の一部が進入しており、電極接続溝28の底部で第1電極層3と接触して電極接続部37を形成している。すなわち、電極接続溝28を形成した直後には、電極接続溝28の底部は第1電極層3が露出した状態となっており、電極接続溝28の底部に露出する第1電極層3は陽極給電部20と接触している。
また、補助電極領域35に位置する電極接続溝28内には、図6のように補助電極層42の一部が進入しており、電極接続溝28の底部で第1電極層3と接触し、電極接続部39を形成している。
同様に、陽極側給電領域16に位置する電極接続溝27内には、陽極給電部20の一部が進入しており、電極接続溝27の底部で第1電極層3と接触して電極接続部36を形成している。すなわち、電極接続溝27を形成した直後には、電極接続溝27の底部は第1電極層3が露出した状態となっており、電極接続溝27の底部に露出する第1電極層3は陽極給電部20と接触している。
また、補助電極領域33に位置する電極接続溝27内には、図6のように補助電極層41の一部が進入しており、電極接続溝27の底部で第1電極層3と接触し、電極接続部38を形成している。
したがって、図5に示される陽極給電部20,22及び補助電極層41,42は、外部から給電された電力を、電極接続部36〜39を介して第1電極層3に伝達することで電通を補助する機能を有する。すなわち、陽極給電部20,22及び補助電極層41,42は、長手方向lに延伸する辺に沿って設けられており、第1電極層3の陽極給電部20,22及び補助電極層41,42との接触する部位を同電位にすることが可能となっている。
電極接続溝27,28の溝幅は、30μm以上80μm以下であり、40μm以上70μm以下であることが好ましく、45μm以上60μm以下であることが特に好ましい。
第1電極層3側からみると、第1電極層3は、図6のように電極接続溝27,28を経由して、熱伝導性の高い第2電極層6と直接接触している。言い換えると、熱伝導性が極めて低い機能層5を介さずに、第1電極層3と第2電極層6が直接接触している。そのため、使用時に発光素子25内で発生した熱を、第1電極層3を介して発光領域30の外側の領域に逃がし、第2電極層6を介して外部に逃がすことができる。
取出電極固定溝29は、図5,図7のように幅方向wに延伸した溝であり、孤立部48上の機能層5を除去する溝である。
取出電極固定溝29内には、陰極給電部21の一部が進入しており、取出電極固定溝29の底部で孤立部48と接触して電極固定部40を形成している。すなわち、取出電極固定溝29を形成した直後には、取出電極固定溝29の底部は孤立部48の一部が露出した状態となっており、取出電極固定溝29の底部に露出する孤立部48は陰極給電部21と接触している。
以上のように、有機EL装置1は、図5のように陽極側給電領域16,16及び補助電極領域33に電極接続溝27と領域分離溝23が配されており、陽極側給電領域18,18及び補助電極領域35に電極接続溝28が配されている。
さらに、陰極側給電領域17に取出電極分離溝26及び取出電極固定溝29が配されている。一方、発光領域30には、溝が形成されていない。
有機EL素子10を覆う無機封止層7に目を移すと、無機封止層7は、図1,図2,図5から読み取れるように、幅方向wにおいて、少なくとも発光領域30の発光素子25全面を覆っており、さらにその両側に位置する給電領域31,32の有機EL素子10の一部又は端部まで至っている。
また、無機封止層7は、長さ方向lにおいて、少なくとも発光領域30の発光素子25全面を覆っており、さらにその両外側に位置する給電領域31,32の有機EL素子10の一部まで至っている。
すなわち、有機EL装置1は、図2のように有機EL素子10上に無機封止層7が被覆した被覆領域45と、被覆領域45の長手方向l外側であって陽極給電部20,22及び陰極給電部21の一部が露出した露出領域46,47を有している。また、露出領域46と露出領域47は、長手方向lにおいて被覆領域45を挟んで対向する位置にある。また、無機封止層7は、領域分離溝23の内部で第1電極層3と直接接続されている。
そして、有機EL装置1は、図2に示される露出領域46,47において、外部電源と電気的に接続することで、露出領域46,47内の陽極給電部20,22及び陰極給電部21を介して被覆領域45内に位置する発光領域30の発光素子25に給電することが可能となっている。
続いて、有機EL装置1の各層構成について説明する。
有機EL装置1は、上記したように透明基板2上に有機EL素子10が積層し、その上に、無機封止層7、接着材層8、伝熱封止層15の順に積層したものである。
透明基板2は、透光性及び絶縁性を有した透明絶縁基板である。
透明基板2の材質については特に限定されるものではなく、例えば、フレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板などから適宜選択され用いられる。特にガラス基板や透明なフィルム基板は透明性や加工性の良さの点から好適である。
透明基板2は、面状に広がりを有しており、具体的には、多角形状となっている。本実施形態では、四角形状となっている。
第1電極層3の素材は、透明であって、導電性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物などが採用される。機能層5内の発光層から発生した光を効果的に取り出せる点では、透明性が高いITOあるいはIZOが特に好ましい。本実施形態では、ITOを採用している。
機能層5は、第1電極層3と第2電極層6との間に設けられ、少なくとも一つの発光層を有している層である。機能層5は、主に有機化合物からなる複数の層から構成されている。この機能層5は、一般な有機EL装置に用いられている低分子系色素材料や、共役系高分子材料などの公知のもので形成することができる。また、この機能層5は、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などの複数の層からなる積層多層構造であってもよい。
本実施形態では、機能層5は、図15に示すように、第2電極層6側から順に、電子注入層54、電子輸送層55、発光層56、正孔輸送層57、正孔注入層58がこの順番に積層された構造を有している。
電子注入層54、電子輸送層55、発光層56、正孔輸送層57、正孔注入層58は、いずれも公知の材料を採用している。
また、これらの機能層5の構成層は真空蒸着法やスパッタ法、CVD法、ディッピング法、ロールコート法(印刷法)、スピンコート法、バーコート法、スプレー法、ダイコート法、フローコート法など適宜公知の方法によって成膜できる。
第2電極層6の材料は、特に限定されるものではなく、例えば銀(Ag)やアルミニウム(Al)などの金属が挙げられる。本実施形態の第2電極層6は、Alで形成されている。また、これらの材料はスパッタ法又は真空蒸着法によって堆積されることが好ましい。
第2電極層6の電気伝導率及び熱伝導率は、第1電極層3よりも大きい。言い換えると、第2電極層6は、第1電極層3よりも電気伝導性及び熱伝導性が高い。
無機封止層7の材質は、絶縁性及び封止性を有していれば、特に限定されるものではないが、酸素、炭素、窒素の中から選ばれた1種類以上の元素と、ケイ素元素とからなるシリコン合金により形成されている無機合金層であることが好ましく、Si−O、Si−N、Si−H、N−H等の結合を含む窒化珪素や酸化珪素、および両者の中間固溶体である酸窒化珪素であることが特に好ましい。本実施形態では、これらの構造を有した多層構造の無機封止層を使用している。
具体的には、無機封止層7は、図6のように有機EL素子10側から乾式法によって形成される第1無機封止層50と、湿式法によって形成される第2無機封止層51がこの順に積層されて形成されている。
第1無機封止層50は、化学気相蒸着によって形成される層であり、さらに詳細にはシランガスやアンモニアガス等を原料としてプラズマCVD法で成膜される層である。
第1無機封止層50は、後述するように有機EL装置1の製造工程において、水分含量が少ない雰囲気下で、有機EL素子10の形成工程に連続して成膜できるため、空気や水蒸気に晒さずに成膜でき、使用直後の初期ダークスポットの発生を低減することができる。
第2無機封止層51は、液体状又はゲル状の原料を塗布した後、化学反応を介して成膜される層である。第2無機封止層51は、より詳細には、緻密性を有したシリカを素材としている。また、第2無機封止層51はポリシラザン誘導体を原料とするのが好ましい。ポリシラザン誘導体を用いてシリカ転化によって第2無機封止層を成膜した場合、シリカ転化時に重量増加を生じ、体積収縮が小さい。また、シリカ膜転化時(固化時)に樹脂の耐え得る温度で十分にしかもクラックを生じ難くすることができるという利点を有する。
なお、ここでいうポリシラザン誘導体は、珪素−窒素結合を持つポリマーであり、Si−N、Si−H、N−H等からなるSiO2、Si34、および両者の中間固溶体SiOxNy等のセラミック前駆体ポリマーである。また、このポリシラザン誘導体は、Siと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換された誘導体も含む。
ポリシラザン誘導体の中でも特に側鎖が全て水素であるペルヒドロポリシラザンや、珪素と結合する水素部分が一部メチル基に置換された誘導体が好ましい。
また、このポリシラザン誘導体は、有機溶媒に溶解した溶液状態で塗布し使用することが好ましい。
この溶解する有機溶媒としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。
第2無機封止層51は、第1無機封止層50に比べて緻密な層で形成されているため、封止性が高く、経時的な新たなダークスポットの発生を防止したり、発生したダークスポットの拡大化を抑制したりすることができる。
また、無機封止層7の成膜位置は、上記したように透明基板2の幅方向wの少なくとも電極接続溝27,28の外側まで形成している。本実施形態の無機封止層7の成膜位置は、図2のようにさらに幅方向wの全体に亘って成膜されている。言い換えると、無機封止層7は、少なくとも発光領域30及び補助電極領域33,35の全面に成膜されている。
無機封止層7の平均厚みは、1μmから10μmであることが好ましく、2μmから5μmであることがより好ましい。
無機封止層7の一部を担う第1無機封止層50の厚みは、1μmから5μmであることが好ましく、1μmから2μmであることがより好ましい。
また、無機封止層7の一部を担う第2無機封止層51の厚みは、好ましくは1μmから5μmであることが好ましく、1μmから3μmであることがより好ましい。
伝熱封止層15と無機封止層7を接着する接着材層8に目を移すと、接着材層8は、絶縁性を有した樹脂を主成分とする接着材が硬化したものである。接着材の材質は、接着材層8形成後において、接着性及び熱伝導性を有していれば、特に限定されるものではないが、加工の容易さの観点から熱硬化性樹脂が好ましく、その中でもエポキシ樹脂であることが特に好ましい。なお本実施形態では、接着材層としてエポキシ樹脂を採用している。
無機封止層7の上方に載置される伝熱封止層15に目を移すと、伝熱封止層15は、伝熱性能および封止性能を有する層であり、伝熱封止層15を無機封止層7上に載置することによって、放熱及び均熱、並びに封止機能を充足させるものである。すなわち、伝熱封止層15は、使用時に発光素子25内で生じる熱を有機EL装置1全体に亘って均熱化し、さらに、外部に放熱する機能を有する。また、伝熱封止層15は、有機EL素子10への水等の進入を防止する封止手段としての機能も備えている。
伝熱封止層15についてさらに詳説すると、伝熱封止層15は、図6のように金属箔11と、金属箔11の少なくとも接着材層8側の片面全体をコーティングする絶縁性樹脂膜12から形成されている。本実施形態では、金属箔11の両面に絶縁性樹脂膜12,13がコーティングされている。
金属箔11の表面は、絶縁性樹脂膜12、13によってあらかじめラミネート加工されている。
金属箔11の平均厚みは6μmから200μmであり、40μmから100μmであることが好ましい。
金属箔11の材質は、均熱性又は放熱性と、水蒸気バリア性を有していれば特に限定されるものではなく、例えば、銅やアルミニウムなどが採用でき、その中でもアルミニウムで形成されていることが好ましい。また、アルミニウムは、耐腐食性があり、伝熱性が高いので伝熱機能が高く、かつ、水分の透過性が低いので封止機能も高い。そのため、本実施形態では金属箔11としてアルミニウムを採用している。
絶縁性樹脂膜12,13の材質は、絶縁性を有していれば特に限定されるものではないが、封止性が高い観点からポリエチレンテレフタレートとポリ塩化ビニリデンとポリテトラフルオロエチレンのうちいずれかであることが好ましい。本実施形態では、無機封止層側の絶縁性樹脂膜12にポリエチレンテレフタレートを採用し、反対側の絶縁性樹脂膜13にポリテトラフルオロエチレンを採用している。
絶縁性樹脂膜12,13の平均厚みは、5μmから100μmであり、10μmから50μmであることが好ましい。
伝熱封止層15の設置領域は、少なくとも発光領域30全体に設置されており、さらに、電極接続溝27,28の外側まで延在している。すなわち、伝熱封止層15は、少なくとも発光領域30及び補助電極領域33,35の一部を覆っている。
そのため、発光領域30全体の熱を均等にすることができ、発光素子25の輝度ムラを防止することができる。また、電極接続溝27,28の外側に延在しているため、外部と、発光素子25との距離を遠くすることができ、発光素子25内への水等の進入を効果的に防止することができる。
本実施形態では、伝熱封止層15の設置領域は、図6のように領域分離溝23,24のさらに外側に位置する電極接続溝27,28の外側にまで延在している。本実施形態の伝熱封止層15は、図2のように無機封止層7の全面を覆っている。すなわち、有機EL装置1の給電領域31,32の一部(露出領域46,47)を除いて全面を覆っている。具体的には、発光領域30及び補助電極領域33,35の全面、並びに給電領域31,32の一部(露出領域46,47)に跨がって覆っている。そのため、発光素子25内への水等の進入をさらに効果的に防止することができる。
以上のように、給電領域31,32及び補助電極領域33,35において、発光素子25の一部たる第1電極層3と、当該第1電極層3よりも熱伝導率の大きい第2電極層6と、無機封止層7と、接着材層8と、伝熱封止層15とが、この順で互いに直接接触する伝熱封止積層構造60(図6参照)が形成されている。具体的には、伝熱封止積層構造60は、電極接続溝27,28の部材厚方向(積層方向)の投影面上に存在している。すなわち、第1電極層3と電極接続部36〜39(導電層)と、無機封止層7と、接着材層8と、伝熱封止層15が積層することによって形成されている。
この伝熱封止積層構造60は、透明基板2の4辺の近傍に位置しており、透明基板2の4辺と対応する位置にある。そして、伝熱封止積層構造60の延伸長さは、この対応する各辺の長さの半分以上の長さまで延伸している。伝熱封止積層構造60の延伸長さは、この対応する各辺の長さの2/3以上9/10以下の長さまで延伸していることが好ましく、3/4以上9/10以下の長さまで延伸していることが特に好ましい。
続いて、一般的に想定される電流の流れについて説明する。
本実施形態で使用する電気回路は、図10のような回路を用いている。
ここで、上記した定義について再度説明すると、発光領域30に位置する有機EL素子10(第1電極層3と機能層5と第2電極層6の重畳部分)を発光素子25とも称している。また、陽極側給電領域16の第2電極層6を陽極給電部20、陽極側給電領域18の第2電極層6を陽極給電部22、陰極側給電領域17の第2電極層6を陰極給電部21とも称している。さらに補助電極領域33,35の第2電極層6を補助電極層41,42とも称している。
このことを踏まえて想定される電流の流れについて説明すると、まず、外部から供給される電流は、図11に示すように、露出領域47(図1参照)に位置する陽極給電部20,22から補助電極領域33,35内の補助電極層41,42に伝わる。また、陽極給電部20,22及び補助電極層41,42から電極接続溝27,28内の電極接続部36,37(図5参照)及び電極接続部38,39を介して、陽極側給電領域16,18及び補助電極領域33,35内の第1電極層3に伝わる。
これらの領域の第1電極層3に伝わった電流は、第1電極層3内で全体に拡散して、発光領域30の発光素子25の第1電極層3まで至る。発光素子25内で第1電極層3から機能層5を介して第2電極層6に至る。
このとき、発光素子25内の機能層5が発光し、発光領域30全体が発光する。
発光領域30の第2電極層6に伝わった電流は、第2電極層6内を拡散し、発光領域30の第2電極層6から陰極側給電領域17の第2電極層6(陰極給電部21)に伝わり、陰極側給電領域17の陰極給電部21から外部に至る。
このように、有機EL装置1では、外部から供給される電流が陽極側給電領域16,18から入り、補助電極領域33,35、発光領域30を介して、陰極側給電領域17に流れる構成とされており、発光素子25内で機能層5に電圧が印加され発光する。
また、領域分離溝23,24の内側には、絶縁性の無機封止層7が充填されているため、発光領域30側から補助電極領域33,35側に電流が流れることはない。同様の理由から、陰極側給電領域17側から陽極側給電領域16,18側に電流が流れることもない。
一方、使用時に発生する熱の想定される流れについて説明する。
発光素子25内で発生した熱の大半は、発光素子25内の第2電極層6に伝わる。また、第2電極層6に伝わった熱は、無機封止層7及び接着材層8を介して伝熱封止層15に至る。そして、伝熱封止層15内部で、均熱され、外部に放熱される。
発光素子25内で発生した熱の一部は、発光領域30の第1電極層3に伝わり、第1電極層3を介して、補助電極領域33,35に伝わる。補助電極領域33,35に伝わった熱は、電極接続溝27,28内で、電極接続部36〜39を経由して補助電極層41,42、陽極給電部20,22及び陰極給電部21に伝わる。補助電極層41,42、陽極給電部20,22及び陰極給電部21に伝わった熱は、無機封止層7及び接着材層8を介して伝熱封止層15に至る。そして、伝熱封止層15内部で、均熱され、外部に放熱される。
このように、熱の発生源たる発光領域30からの直接的な伝熱封止層15への熱伝導だけではなく、伝熱封止積層構造60によっても伝熱封止層15に熱伝導させることができる。すなわち、伝熱封止層15が設置された部位全体で均熱化できるため、局所的に高温となることを防止することができるとともに、発光する面(発光面)全体の温度を下げることができる。また、放熱面積が大きいため、従来に比べて放熱効率がよい。
次に、本実施形態に係る有機EL装置1の製造方法について説明する。
有機EL装置1は、図示しない真空蒸着装置及びCVD装置によって成膜し、図示しないパターニング装置、本実施形態では、レーザースクライブ装置を使用してパターニングを行い、製造される。
まず、透明基板2上に有機EL素子10を積層する有機EL素子形成工程を行う。具体的には、スパッタ法やCVD法によって透明基板2の一部又は全部に第1電極層3を成膜する(図12(a)から図12(b))(第1電極形成工程)。
このとき、形成される第1電極層3の平均厚さは、50nmから800nmであることが好ましく、100nmから400nmであることがより好ましい。
その後、第1電極層3が成膜された基板(以下、透明基板2及び透明基板2上に積層した層を含めて基板ともいう)に対して、レーザースクライブ装置によって取出電極分離溝26を形成する(図12(b)から図12(c))(第1電極除去工程,孤立部形成工程)。
このとき、取出電極分離溝26は、平面視して「コ」の字状に形成されており、基板の短辺と取出電極分離溝26によって島状の取出領域59が形成されている。すなわち、取出領域59に位置する第1電極層(孤立部48)と、その他の第1電極層は、取出電極分離溝26によって物理的に分離されている。
また、この基板上には取出電極分離溝26を除いて第1電極層3が存在している。そのため、レーザースクライブによって取出電極分離溝26を形成することが可能であり、前記第1電極層3を成膜する際に、成膜を行わない被成膜面を隠すマスクプロセスを省略できる。
次に、真空蒸着装置によって、この基板にホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などの機能層5を順次成膜する(図12(c)から図12(d))(機能層積層工程,有機発光層積層工程)。
このとき、取出電極分離溝26内に機能層5が積層され、取出電極分離溝26内に機能層5が満たされるとともに、この基板全面に機能層5が積層される。
その後、機能層5が成膜された基板に対して、レーザースクライブ装置によって、本発明の特徴たる電極接続溝27,28及び取出電極固定溝29をそれぞれ形成する。本実施形態では、2本の電極接続溝27,28と取出電極固定溝29を形成する(図12(d)から図12(e))(機能層除去工程,有機発光層除去工程,第1除去工程)。
このとき、電極接続溝27,28の大部分は、基板の各辺に平行になるように配されており、電極接続溝27,28の残りの部分は、短辺に対して直交する方向に延びている。すなわち、電極接続溝27,28は基板の長手方向全体に亘って形成されており、機能層5を少なくとも3つの領域に分離している。具体的には、電極接続溝27,28は、有機EL装置1が完成したときにおいて、補助電極領域33,35の中央を通り、補助電極領域33,35を均等に2分割するように設けられている。取出電極固定溝29は、陰極側給電領域17を長手方向に均等に2分割するように設けられている。具体的には、取出領域59内を長手方向に均等に2分割するように設けられている。
この基板上には、電極接続溝27,28及び取出電極固定溝29を除いて機能層5が存在している。そのため、レーザースクライブによって電極接続溝27,28及び取出電極固定溝29を形成することが可能であり、前記機能層5を成膜する際に、成膜を行わない被成膜面を隠すマスクプロセスを省略できる。
次に、真空蒸着装置によって、この基板に第2電極層6を成膜する(図12(e)から図12(f))(第2電極積層工程)。
このとき、電極接続溝27,28及び取出電極固定溝29内に第2電極層6が積層され、電極接続溝27,28及び取出電極固定溝29内に第2電極層6が満たされるとともに、この基板全面に第2電極層6が積層され電極接続部37,38が形成される。すなわち、電極接続溝27,28及び取出電極固定溝29の底部で第1電極層3と第2電極層6が接触した状態で固着し、第1電極層3と第2電極層6が電気的に接続される。
そのため、第1電極層3と第2電極層6の間に機能層5が介在する場合に比べて、剥離強度を向上させることができる。
その後、第2電極層6が成膜された基板に対して、レーザースクライブ装置によって、機能層5及び第2電極層6に亘って延伸した領域分離溝23,24を形成する(図12(f)から図12(g))。
このとき、領域分離溝23,24は、電極接続溝27,28と平行に形成されており、第2電極層6が積層された領域の長手方向全体に亘って形成されている。領域分離溝23,24は、有機EL装置1が形成された際に給電領域31,32と発光領域30との境界部位に形成されている。すなわち、領域分離溝23,24は、幅方向において、機能層5及び第2電極層6を3つの領域に分割している。
具体的には、領域分離溝23,24は、第2電極層6を、発光素子25の一部を形成する第2電極層6と、補助電極層41,42とに分割している。また、領域分離溝23,24は、基板の長手方向両端では、第2電極層6を、中央の陰極給電部21と、両端の2つの陽極給電部20,22とに分割している。
また、この基板上には領域分離溝23,24を除いて第2電極層6が存在している。そのため、レーザースクライブによって領域分離溝23,24を形成することが可能であり、前記第2電極層6を成膜する際に、成膜を行わない被成膜面を隠すマスクプロセスを省略できる。
続いて、無機封止層7を形成する無機封止層形成工程を行う。具体的には、まず、この基板の一部をマスクで覆い、CVD装置によって、第1無機封止層50を成膜する。
このとき、第1無機封止層50は、少なくとも発光領域30内の第2電極層6を覆っており、さらに領域分離溝23,24も覆っている。すなわち、領域分離溝23,24内に第1無機封止層50が積層され、領域分離溝23,24内に第1無機封止層50が満たされる。そのため、封止機能を十分に確保することができる。
さらに、本実施形態の第1無機封止層50は、電極接続溝27,28の部材厚方向の投影面上を含んでおり、幅方向においては、基板の長辺まで至っている。そして本実施形態の第1無機封止層50は、有機EL装置1の完成時において、露出領域46,47を除く透明基板2の全面を覆っている。そのため、伝熱性及び封止性をさらに向上させることができる。
その後、第1無機封止層50を成膜した基板をCVD装置から取り出して、第2無機封止層51の原料を塗布し、第2無機封止層51を形成し、無機封止層7が形成される(図12(g)から図12(h))。
このとき、第1無機封止層50上の全面を第2無機封止層51が覆っている。
その後、無機封止層7に伝熱封止層を接着する伝熱封止層接着工程を行う。具体的には、伝熱封止層15を無機封止層7上に接着材によって接着する。
このとき、接着材が塗布され接着材層8が形成された伝熱封止層15を、無機封止層7上に載置した後、真空ラミネーターで接着している。
また、接着材が塗布される領域は、電極接続溝27,28の部材厚方向の投影面上を含み、さらに幅方向においては透明基板2の端部まで至っている。言い換えると、露出領域46,47を除く透明基板2の全面を接着材層8が覆っている。
接着材の塗布量は、固化後に形成される接着材層8の厚みが500nm以上50μm以下となっており、1μm以上30μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下であることが特に好ましい。
このようにして有機EL装置1が完成する。
有機EL装置1の物性について説明する。
有機EL装置1は、後述する発光面34の輝度の面内分布の値(面内輝度分布)が、90パーセント以上98パーセント以内に収まっており、94パーセント以上96パーセント以内に収まっていることが好ましい。
有機EL装置1は、後述する発光面34の均熱性評価の面内分布の値(発光面34の面内の熱分布)が、90パーセント以上98パーセント以内に収まっており、95パーセント以上97パーセント以内に収まっていることが好ましい。
有機EL装置1は、後述する成長率の値が、1以上2以内に収まっており、1以上1.8以内に収まっていることが好ましい。
有機EL装置1によれば、その4辺の概ね全長に亘って発光素子25を取り囲むように、透明基板2と第1電極層3と電極接続部36〜39と無機封止層7と接着材層8と伝熱封止層15からなる伝熱封止積層構造60を有する。そのため、その機械的耐久性や伝熱性、封止性により伝熱封止層15の機能を効果的に発揮させることができる。
また、有機EL装置1によれば、伝熱封止層15によって発光領域30に位置する発光素子25内で発生した熱が効果的に均熱化されるため、温度分布にバラツキが生じず、均等でかつ高温とならない。
それ故に、発光領域30に位置する発光素子25の輝度分布が良好となり、たとえ2175W/m2以上といった大きな電力印加時の使用であっても、熱の発生を抑制され、かつ、水等の進入が効果的に防止されるので、外観に優れ、かつ、耐久性の高い有機EL装置となる。
また、有機EL装置1によれば、給電領域31,32及び補助電極領域33,35において、機能層5を介さずに第1電極層3と第2電極層6が直接接続された伝熱封止積層構造60が形成されるため、第1電極層3と第2電極層6との間に機能層5が介在する場合に比べて剥離強度が高い。そのため、層間に隙間が形成されにくく、水等が層間を介して進入することを防止できる。
また、有機EL装置1によれば、伝熱封止積層構造60の一部を形成する電極接続部36〜39が補助電極として機能するため、内部抵抗による電圧降下を小さくすることができ、発電効率を向上させることができる。
有機EL装置1によれば、陰極側給電領域17内に取出電極分離溝26によって島状に隔離された取出領域59が形成されているため、使用時に取出領域59の外部から第1電極層3を介して電気が流れ込むことがない。それ故に、電気的に安定して発光させることができる。
上記した実施形態では、一度に第2電極層6を全面に形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電極接続溝27,28及び取り出し溝を含む領域に導電性材料を別途成膜して第2電極層6の一部を形成したり、発光領域30内の第2電極層6と、発光領域30以外の領域の第2電極層6とを、マスクを用いて別々に成膜すること電極接続溝27,28を幅広の第2電極層6の分離帯として形成したりしてもよい。
上記した実施形態では、主にレーザースクライブ処理によって、溝を形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、エッチングによって溝を形成してもよいし、成膜時にマスクを設けて溝を形成してもよい。
上記した実施形態では、対向する2辺に給電領域31,32を有するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、図13のような、給電領域が一辺のみにあるものであってもよい。
上記した実施形態では、印加電圧が直接発光領域の有機EL素子に加わる構造であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、図14のような、印加電圧が有機EL素子内で集積される構造に加わる構造のものであってもよい。すなわち、いわゆる集積型の有機EL装置であってもよい。
上記した実施形態では、伝熱封止積層構造は、線状の電極接続溝を形成することによって線状に形成されたが、本発明はこれに限定されるものではなく、面状の電極接続溝を形成することによって、伝熱封止積層構造を面状に形成してもよい。
上記した実施形態では、長方形状の基板を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、基板の形状は問わない。例えば、正方形状であってもよいし、円形状であってもよい。
以下に、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の具体的な実施例及び実施例に対する比較例の有機EL装置の作製手順と、これらの評価結果を説明する。
〔実施例1〕
有機EL装置を形成するための透明基板としては、縦80mm×横80mmの透明絶縁基板を用い、片面である一方の面の全面に第1電極層3としてITO(インジウム・錫酸化物、膜厚150nm)が積層されている無アルカリガラス(厚さ0.7mm)を用いた。
この基板に第1電極層3側からYAGレーザーの基本波(1064nm)のレーザー光を照射して溝幅40μmで取出電極分離溝26を形成した。
次に、この基板を界面括性剤によりブラシを用いて洗浄し、純水にて超音波洗浄した後、基板をオーブン中で乾燥した。この基板を真空蒸着装置に移動させ、真空中で以下のように材料を成膜した。
第1電極層3上に、一方の面の全面に亘って、正孔注入層として4,4’−ビス[N−(2−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(以下、NPBと略す)と三酸化モリブデンの混合層を用い、真空蒸着法にて10nmの膜厚で成膜した。正孔注入層のNPBと三酸化モリブデンは共蒸着法にて膜厚比率で9:1となるように成膜した。
次いで、正孔輸送層としてNPBを、真空蒸着法により50nm(蒸着速度0.08nm/sec.〜0.12nm/sec.)の膜厚で成膜した。
次いで、発光層兼電子輸送層としてトリス(8−キノリノラート)アルミニウム(以下、Alq3と略す)を、真空蒸着法により、70nm(蒸着速度0.24nm/sec.〜0.28nm/sec.)の膜厚で成膜した。
次いで、電子注入層としてLiFを用い、真空蒸着法にて1nm(蒸着速度0.03nm/sec.〜0.05nm/sec.)の膜厚で成膜した。
この電子注入層上に機能層5の一部としてアルミニウム(Al)を真空蒸着法にて300nm(蒸着速度0.3nm/sec.〜0.5nm/sec.)の膜厚で成膜した。
このように機能層5を形成した。
この基板にレーザースクライブ装置を用いて、電極接続溝27,28を形成した。具体的には、基板の他方の面側からYAGレーザーの第2高調波(532nm)のレーザー光を照射して溝幅60μmで電極接続溝27,28を形成した。また同時に溝幅60μmで取出電極固定溝29も形成した。
続いて、第2電極層6としてAlを真空蒸着法にて150nm(蒸着速度0.3nm/sec.〜0.5nm/sec.)の膜厚で成膜した。
この基板にレーザースクライブ装置を用いて、領域分離溝23,24を形成した。具体的には、基板の他方の面側からYAGレーザーの第2高調波(532nm)のレーザー光を照射して溝幅40μmで領域分離溝23,24を形成した。
その後、基板をプラズマCVD装置に移動させて、第1無機封止層50として2μmの窒化珪素膜を形成し、そして、この基板を真空雰囲気から窒素雰囲気で満たされたグローブボックスに移動させて、ポリシラザン誘導体であるクラリアント社製アクアミカNL120A−05を固化時の膜厚が1μmとなるように塗布して固化して第2無機封止層51を形成し、合計厚み3μmの無機封止層7を形成することで1次封止を行った。
その後、接着材として熱硬化型エポキシ樹脂が塗布され、厚み20μmの接着材層8が形成された伝熱封止層15を、無機封止層7上に載置した後、真空ラミネーターで接着した。ここで用いた伝熱封止層15は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂膜(厚み16μm)とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂膜(厚み16μm)とに挟まれた圧延アルミニウム箔(厚み50μm)であり、また、ポリエチレンテレフタレート樹脂膜を接着材層8に隣接させた。こうして2次封止を行い、伝熱封止積層構造60を有した有機EL装置を作製し実施例1とした。
〔実施例2〕
実施例1において、第2無機封止層51の形成を実施せず、また、伝熱封止層15を、2枚のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂膜(厚み16μm)で挟んだ圧延アルミニウム箔(厚み50μm)としたこと以外は同様にして有機EL装置を作製した。こうして2次封止を行い、伝熱封止積層構造を有した有機EL装置を作製し実施例2とした。
〔比較例1〕
実施例1において、接着材としてアクリル系接着剤を使用し、伝熱封止層15の代わりに、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂シート(厚み50μm)を貼り付けて有機EL装置を作製した。言い換えると、無機封止層7上に接着材が塗布された絶縁性樹脂膜12を貼り付けただけの有機EL装置を作製した。こうして2次封止を行い、伝熱封止積層構造を有さない有機EL装置を作製し比較例1とした。
〔比較例2〕
実施例1において、第2無機封止層51の形成を実施せず、また、伝熱封止層15の代わりに、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂膜(厚み12μm)とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂膜(厚み40μm)とに挟まれた蒸着シリカアルミナ(SiAlON)層(厚み9μm)からなるシートを用い、ポリエチレンテレフタレート樹脂膜を接着材層8に隣接させたこと以外は同様にして有機EL装置を作製した。こうして2次封止を行い、伝熱封止積層構造を有さない有機EL装置を作製し比較例2とした。
このようにして作製した4水準(実施例1,2、並びに比較例1,2)について、ダークスポットの個数およびサイズを観察し、さらに、60℃、相対湿度85%、通電有りの加速試験時の経時変化と、均熱性と、発光領域(発光面)の輝度分布とを評価した。
なお、ダークスポットの個数及びサイズの評価方法、加速試験の方法、均熱性の評価方法、並びに、発光領域(発光面)の輝度分布の評価方法、は以下の通りである。
(ダークスポットの個数およびサイズの評価方法)
作製した有機EL装置を、下記(加速試験の方法)により1、15、100、200、300、500時間加速試験した後のダークスポットの個数及びサイズをNikon顕微鏡Eclipse L300にて測定した。
(加速試験の方法)
作製した有機EL装置を、恒温恒湿槽にて60℃、相対湿度85%に維持しつつ、YOKOGAWA製ソースメジャーユニットGS610にて250mA(1000cd/m2相当)の電流を流した。
(均熱性評価方法)
作製した有機EL装置に、YOKOGAWA製ソースメジャーユニットGS610にて250mA(1000cd/m2相当)の電流を流し、10分点灯後の発光面について、NECAvio製サーモカメラTH9100PMVにて熱画像を得ることで、図16に示すa〜eの5点につき温度を測定した。
また、その5点の内の最高温度:MAX、及び最低温度:MINの値を用いて、以下に示す数式(1)により面内分布(%)を計算した。
Figure 0006163483
(発光領域(発光面)の評価方法)
作製した有機EL装置に、YOKOGAWA製ソースメジャーユニットGS610にて250mA(1000cd/m2相当)の電流を流して10分点灯後の発光面について、コニカミノルタ製色彩輝度計CS−200にて、図16に示すa〜eの5点につき輝度を測定し、また、上記(均熱性評価方法)の面内分布(%)と同様の方法により、輝度の面内分布(%)を計算した。
表1に実施例1,2及び比較例1,2で作製した有機EL装置の封止構造をまとめる。
Figure 0006163483
表2に実施例1,2及び比較例1,2の50μm以上のダークスポットの個数の加速試験時の経時変化をまとめる。
Figure 0006163483
図17に実施例1,2及び比較例1,2において生じたダークスポットの直径サイズの加速試験時の経時変化を表す。なお、図17の値は、実施例1,2及び比較例1,2の経過時間毎のダークスポットを1時間経過後のダークスポットの大きさで規格化したグラフを表す。すなわち、図17のグラフの横軸は、加速試験の経過時間〔時間〕を表し、縦軸は、疑似的なダークスポットの成長率〔倍〕を表す
表3に実施例1,2及び比較例1,2の均熱性の評価結果をまとめる。
Figure 0006163483
表4に実施例1,2及び比較例1,2の輝度分布の評価結果をまとめる。
Figure 0006163483
以上の実験結果について考察する。
実施例1の有機EL装置は、表2のように加速試験の開始初期の段階でダークスポットが形成されたが、その後、形成されたダークスポットは、図17のようにほとんど成長しなかった。具体的な数値を挙げていうと、1時間後のダークスポットの直径サイズに対する500時間後のダークスポットの変化率(成長率)は、1(成長なし)〜1.05の範囲に収まっていた。また、表2に示されるように本加速試験内では、時間が経過してもダークスポットは新たに発生しなかった。さらに、表3の結果からも明らかなように、比較例1,2に比べて面内分布が大きく均熱性が良いため、表4のように輝度分布が小さいという結果につながった。
実施例2の有機EL装置は、表2のように加速試験の開始初期の段階での形成されるダークスポットの数は、比較例1に比べて少なかった。また、時間の経過に伴い、ダークスポットが新たに発生したものの、比較例1,2に比べて、図17のようにダークスポットの成長率が小さく、急激には成長しないことがわかった。具体的な数値を挙げていうと、1時間後のダークスポットの直径サイズに対する500時間後のダークスポットの変化率(成長率)は、1.32〜1.77の範囲に収まっていた。
また、表3のように比較例1,2に比べて面内分布が大きく、均熱性が良いため、表4のように輝度分布が小さいという結果につながった。
比較例1,2の有機EL装置はともに、表2のように加速試験の開始初期の段階で実施例1,2に比べてダークスポットの数が多く、図17のようにそのサイズも経時的に大きくなった。また、表3のように実施例1,2に比べて面内分布が小さく、均熱性が悪いため、表4のように輝度分布が大きいという結果につながった。すなわち、比較例1,2の有機EL装置は、いずれも、封止性が低く均熱性が悪いため、ダークスポットが成長し、また新たにダークスポットの個数もそれに応じて増えるという結果になった。
1 有機EL装置
2 透明基板(透明絶縁基板)
3 第1電極層(透明酸化物電極層)
5 機能層(有機発光層)
6 第2電極層(金属電極層)
7 無機封止層
8 接着材層
10 有機EL素子
11 金属箔
12,13 絶縁性樹脂膜
15 伝熱封止層
20,22 陽極給電部(導電層,第1電極連通部)
21 陰極給電部(導電層,第2電極連通部)
25 発光素子
30 発光領域
31 給電領域(第1給電領域)
32 給電領域(第2給電領域)
33,35 補助電極領域
34 発光面
40 電極固定部
41,42 補助電極層(導電層)
48 孤立部
50 第1無機封止層
51 第2無機封止層
52 通電領域
60 伝熱封止積層構造

Claims (7)

  1. 多角形状の透明基板の一方の主面上に、第1電極層と、有機発光層と、第2電極層が積層された有機EL素子を有した有機EL装置であって、
    前記透明基板を平面視したときに、駆動時に発光する発光領域を備えた有機EL装置において、
    少なくとも発光領域の有機EL素子に、無機封止層と、接着材層と、伝熱封止層が積層されており、
    さらに、前記透明基板を平面視したときに、発光領域の外側であって発光領域の外縁の一部又は全部に沿って配される通電領域を有し、
    通電領域において、発光領域から延伸した第1電極層と、第1電極層よりも熱伝導率の大きい導電層と、前記無機封止層と、前記接着材層と、前記伝熱封止層がこの順に互いに接触するように積層された伝熱封止積層構造が形成されており、
    当該伝熱封止積層構造は、線状又は面状であって、透明基板の各辺のいずれか又は全部の近傍に位置し、対応する各辺に沿って延伸しており、
    前記伝熱封止積層構造は、断面視したときに、前記有機EL素子の積層方向において、第1電極層と、前記導電層と、前記無機封止層と、前記接着材層と、前記伝熱封止層が重なった部分であることを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記通電領域は、前記有機発光層を複数の領域に分離する電極接続溝を有し、
    前記導電層は、前記第2電極層の一部で構成されており、
    前記伝熱封止積層構造は、前記導電層が前記電極接続層に進入して前記発光領域から延伸した第1電極層と接することで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 前記伝熱封止積層構造の延伸長さは、少なくとも前記対応する各辺の長さの半分以上の長さであることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL装置。
  4. 前記通電領域は、外部電源と電気的に接続可能な給電領域を有し、
    前記給電領域は、少なくとも透明基板の一辺側にあって、発光領域の第1電極層と電気的に接続された第1電極連通部と、発光領域の第2電極層と電気的に接続された第2電極連通部が位置していることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の有機EL装置。
  5. 前記通電領域は、外部電源と電気的に接続可能な給電領域と、第1電極層内の電気伝導を補助する補助電極領域から形成されており、
    前記給電領域は、透明基板の一辺側に、第1電極層と電気的に接続された第1電極連通部と、第2電極層と電気的に接続された第2電極連通部を有し、
    前記補助電極領域は、前記透明基板の一辺に対して直交する方向に延伸し、かつ、前記発光領域及び当該給電領域に隣接するものであり、
    発光領域から延びて補助電極領域に位置する第1電極層が、積層体の積層方向で導電層と直接接触することによって伝熱封止積層構造が形成されるものであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の有機EL装置。
  6. 前記無機封止層は、酸素、炭素、窒素の中から選ばれた1種類以上の元素と、ケイ素元素とからなるシリコン合金により形成される無機合金層を有しており、
    前記無機封止層は、湿式法によって形成されてなる第1無機封止層と、乾式法によって形成されてなる第2無機封止層から形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の有機EL装置。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の有機EL装置の製造方法であって、
    透明基板上に有機EL素子を形成する有機EL素子形成工程と、
    無機封止層を形成する無機封止層形成工程と、
    接着材層によって無機封止層に伝熱封止層を接着する伝熱封止層接着工程を含んでおり、
    前記有機EL素子形成工程は、第1電極層より上方の積層体を部分的に除去する第1除去工程と、
    当該除去部位上に第2電極層を積層する第2電極積層工程を含んでいることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
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