JP6162655B2 - テーブル形式データによる運転を行う数値制御装置 - Google Patents
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Description
テーブル形式データによる運転機能においては、時間、軸位置、あるいは主軸位置を基準にした軸の位置、あるいはMコード等の補助機能を設定したテーブル形式データをメモリ、またはネットワークで接続された記憶装置に格納しておき、テーブル形式データを順次読み出しながら各軸、および補助機能を制御している。
また、基準位置に対するX軸、Z軸の指令位置を記憶するデータテーブルを設けておき、基準パルスをカウントするカウンタの値にオーバライド値をかけて基準位置を求めて、該基準位置に基づいて、データテーブルに記憶されたX軸、Z軸の指令位置を出力してX軸、Z軸を同期制御することにより、データテーブルに記憶されたデータによって駆動制御する場合でもオーバライドがかけられるようにし、さらには、指令位置間を直線的に接続するか、2次関数接続、3次関数接続等を指令できると共に、補助機能も指令できるようにした発明も知られている(例えば、特許文献2)。
特許文献1,2に記載の発明により、加工プログラムにとらわれない自由な工具の動作が可能になり、加工時間の短縮や、加工の高精度化を実現することができる。
従来技術における数値制御装置では、テーブル形式データによる運転における前処理、および補間の方法が、NCプログラムによる運転における前処理、および補間の方法と異なり、それぞれの補間結果をまとめる手段がなかったため、同一の系統内でテーブル形式データによる運転とNCプログラムによる運転を同時に実行することはできなかった。従来技術においてNCプログラムによる運転とテーブル形式データによる運転を行う場合には、図12に示すように、NCプログラムによる運転をしている最中に、系統内での加工状況や加工内容によって、Mコード等によりテーブル形式データによる運転へと切り換えて制御していた。
●[S1301]本処理が開始されると、最初に現在処理対象とするべきプログラムが、NCプログラムであるのか、またはテーブル形式データであるのかを判定する。現在処理対象とするべきプログラムがNCプログラムであると判定された場合にはS1302へ進み、テーブル形式データであると判定された場合にはS1305へと進む。
●[S1302]処理対象となるNCプログラムを読み出す。
●[S1303]NCプログラムから処理対象となるブロックを取り出して前処理を行う。
●[S1304]処理対象となるブロックの分配周期毎の各軸可動部へ指令する分配移動量を求め補間処理を実行する。
●[S1305]処理対象となるテーブル形式データを読み出す。なお、読み出すテーブル形式データは前処理済みのテーブル形式データとする。
●[S1306]読み出したテーブル形式データを用いて基準軸位置に基づいた制御対象軸の補間処理を実行し、補間結果を出力する。
また、Mコード等の補助機能を時間制御することが可能になるため、工作機械の固体差によりNCプログラムの進行状況に差が生じた場合でも、外部機器の制御などを指定の時間に実行できるようになる。
さらに、NCプログラムでメイン加工を行う基本軸の制御、テーブル形式データで周辺軸の制御といった形で、プログラムによる制御対象を区分することで、プログラムの作成が容易になり、保守性が向上する。
図1は、本発明の任意の軸を動作させるテーブル形式データを有する工作機械を駆動する一実施形態の数値制御装置10の要部ブロック図である。CPU11は数値制御装置10を全体的に制御するプロセッサである。CPU11は、ROM12に格納されたシステムプログラムを、バス21を介して読み出し、該システムプログラムに従って数値制御装置全体を制御する。RAM13には一時的な計算データや表示データ及びLDC/MDIユニット70を介してオペレータが入力した各種データが格納される。SRAMメモリ14は図示しないバッテリでバックアップされ、数値制御装置10の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。SRAMメモリ14中には、インタフェース15を介して読み込まれた加工プログラムやLCD/MDIユニット70を介して入力された加工プログラム等が記憶される。さらに、前述した、任意の軸を動作させるテーブル形式データが予め格納されている。また、ROM12には、加工プログラムの作成及び編集のために必要とされる編集モードの処理や自動運転のための処理を実施するための各種システムプログラムが予め書き込まれている。
インタフェース15は、数値制御装置10と外部機器72との接続を可能とするものである。PMC(プログラマブル・マシン・コントローラ)16は、数値制御装置10に内蔵されたシーケンスプログラムで工作機械の補助装置にI/Oユニット17を介して信号を出力し制御する。また、工作機械の本体に配備された操作盤の各種スイッチ等の信号を受け、必要な信号処理をした後、CPU11に渡す。
なお、図1に示される数値制御装置10は制御軸を2軸有しているが、制御軸としては、さらに増加してもよいことは勿論である。
図4は、本実施形態における数値制御装置10による、NCプログラムによる運転とテーブル形式データによる運転の同時実行を説明するフローチャートである。なお、本フローチャートは、テーブル形式データ200で指定されている基準軸がNCプログラムで制御されていない場合のフローを示している。
●[S402]NCプログラムから処理対象となるブロックを取り出して前処理を行う。
●[S403]処理対象となるブロックの分配周期毎の各軸可動部へ指令する分配移動量を求め補間処理を実行する。
●[S404]S403で求めた補間処理の結果を第1補間データとしてメモリに記憶する。
●[S405]処理対象となるテーブル形式データを読み出す。なお、読み出すテーブル形式データは前処理済みのテーブル形式データとする。
●[S406]読み出したテーブル形式データを用いて基準軸位置に基づいた制御対象軸の補間処理を実行する。
●[S407]S406で求めた補間処理の結果を第2補間データとしてメモリに記憶する。
●[S408]S404,S407でそれぞれ記憶された各補間データを取得して、系統内の軸をどちらのプログラムで制御するかの選択や、両プログラムの補間データの重畳などを行い、第3補間データとして出力する。
●[S502]NCプログラムから処理対象となるブロックを取り出して前処理を行う。
●[S503]処理対象となるブロックの分配周期毎の各軸可動部へ指令する分配移動量を求め補間処理を実行する。
●[S504]S503で求めた補間処理の結果を第1補間データとしてメモリに記憶する。
●[S505]処理対象となるテーブル形式データを読み出す。なお、読み出すテーブル形式データは前処理済みのテーブル形式データとする。
●[S506]S504でメモリに記録した第1補間データを取得する。
●[S507]S506で取得した第1補間データをテーブル形式データで用いる基準軸の基準値へと変換する。
●[S508]S507で変換した基準値とS505で読み出したテーブル形式データを用いて基準軸位置に基づいた制御対象軸の補間処理を実行する。
●[S509]S508で求めた補間処理の結果を第2補間データとしてメモリに記憶する。
●[S510]S504,S509でそれぞれ記憶された各補間データを取得して、系統内の軸をどちらのプログラムで制御するかの選択や、両プログラムの補間データの重畳などを行い、第3補間データとして出力する。
NCプログラムによる従来の運転方法では、早送りオーバラップや、インポジションチェックの設定などによって、ブロックエンドで軸が減速、または停止する。そのため、従来の運転方法において、図6に示すNCプログラムO0201を作成した場合、図7に示すグラフのように、NCプログラムO0201ではY50.0、X200.0(2)の指令ブロックの完了時、Y軸、X軸が一旦減速、または停止した後、Y100.0、X150.0(3)への移動を開始する。なお、図7グラフ中の括弧付き各符号は、図6のNCプログラムの各指令によって指示された軸位置を示している。
図9は、図8に示すNCプログラムO0202と、テーブル形式データ<AXIS_TABLE_0202_X>を本実施の形態の数値制御装置により同時に運転し、テーブル形式データで制御するX軸の動作をNCプログラムで制御するY軸の動作に同期させている場合の各軸の動作を示すグラフである。なお、図9グラフ中の括弧付き各符号は、図8のNCプログラム、テーブル形式データの各指令によって指示された軸位置を示している。
同様にして、本発明はコーナ部分の加工などに適用することで、特定の軸を先回りさせることにより、加工時間の短縮、およびより複雑な形状加工を実現できる。
NCプログラムによる従来の運転方法では、工作機械の個体差、またはワークの重量などによる加工状況の変化により、指令ブロックの実行状況に時間差が生じる。そのため、加工開始から決まった時間に補助機能を出力する必要があっても、指令ブロックの実行状況により、実際に補助機能が出力されるタイミングにはばらつきがあった。
しかしながら、工作機械の個体差などが原因で、例えば、工作機械Aでは図(b)に示すようにY100.0(2)のブロックが完了するまでの所用時間が980msecとなり、別の工作機械Bでは図(c)に示すようにY100.0(2)のブロックが完了するまでの所要時間が1025msecとなることがあり、実時間で1000msec後に正確に補助機能を出力することはできない。
本実施の形態の数値制御装置の制御方法により、NCプログラムO0302、テーブル形式データ<TIME_TABLE_0302_M>を同時に運転する例を以下に示す。ここで、NCプログラム内のM1234はテーブル形式データの実行を開始するMコード、Q0302は実行するテーブル形式データの番号、テーブル形式データ内のR98、R99はそれぞれテーブル形式データのヘッダ、およびフッタ、Lは基準とする時間(単位:msec)を示す。
そのため、Y100.0(2)のブロックが完了するまでの所要時間が1025msecの場合であっても、テーブル形式データの開始Mコード(1)を実行後、つまり、G00Y0.0(1)の指令ブロックの実行を開始した後、実時間で1000msec後に確実に補助機能M567の出力が可能になる。
11 プロセッサ(CPU)
12 ROM
13 RAM
14 SRAM
15,18,19,20 インタフェース
16 PMC
17 I/Oユニット
21 バス
30〜31 サーボ制御回路
40〜41 サーボアンプ
50〜51 サーボモータ
60 スピンドル制御回路
61 スピンドルアンプ
62 スピンドルモータ
63 ポジションコーダ
65 時計回路
70 LCD/MDIユニット
71 手動パルス発生器
72 外部機器
100 NCプログラム
110 NCプログラム解析手段
120 第1補間手段
130 基準値変換手段
140 第2補間手段
150 補間データ選択・重畳手段
200 テーブル形式データ
Claims (2)
- NCプログラムと、時間あるいは基準となる軸の位置を基準にして各軸位置を指令するテーブル形式データとを用いて工作機械の各軸モータを駆動する数値制御装置において、前記NCプログラムにより指令される移動指令に基づいて、前記移動指令により制御される軸に対する補間データである第1の補間データを生成する第1補間手段と、
前記テーブル形式データに基づいて、前記テーブル形式データにより制御される軸に対する補間データである第2の補間データを生成する第2補間手段と、
前記第1の補間データと、前記第2の補間データとを重畳した第3補間データを生成する補間データ選択・重畳手段と、
を備えたことを特徴とする数値制御装置。 - 前記第1補間手段が生成した前記第1の補間データを、前記テーブル形式データで用いる基準軸の基準値へと変換する基準値変換手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
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