JP6162489B2 - 液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6162489B2
JP6162489B2 JP2013115662A JP2013115662A JP6162489B2 JP 6162489 B2 JP6162489 B2 JP 6162489B2 JP 2013115662 A JP2013115662 A JP 2013115662A JP 2013115662 A JP2013115662 A JP 2013115662A JP 6162489 B2 JP6162489 B2 JP 6162489B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid ejecting
ejecting head
actuator substrate
substrate
channel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013115662A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014233875A (ja
Inventor
大地 西川
大地 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SII Printek Inc
Original Assignee
SII Printek Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SII Printek Inc filed Critical SII Printek Inc
Priority to JP2013115662A priority Critical patent/JP6162489B2/ja
Publication of JP2014233875A publication Critical patent/JP2014233875A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6162489B2 publication Critical patent/JP6162489B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関するものである。
液体噴射ヘッドのヘッドチップとして、チャネルを区画する駆動壁に形成された駆動電極に所定の駆動電圧を印加することにより駆動壁を変形させ、この変形時に発生するチャネル内の圧力変動を利用して、チャネル内のインクを液滴状に吐出させるものが一般的に知られている。
より詳しくは、厚み方向に分極処理された圧電基板に、複数のチャネルが所定の間隔をあけて平行に形成されており、各チャネルの間に駆動壁が位置している。また、各チャネルの内側面には駆動電極が形成されており、圧電基板の主面上には駆動電極に導通する電極端子部が形成されている。
ところで、上記圧電基板としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等のセラミックス基板が一般的に用いられるが、機械的強度が低く脆弱な性質を有する。そのため、例えば製造時や流通時等の段階で落下等の外部衝撃が加わった場合には、圧電基板にクラックや欠け等が生じ、その影響により電極端子部に欠けやクラック等が同様に発生して導通不良が生じる可能性があった。
そこで、その対策として、電極端子部上にスクリーン印刷により導電性被膜を形成し、仮に電極端子部にクラックによる分断が生じたとしても、導電性被膜でカバーして、導通性の維持を図ったものが知られている(特許文献1参照)。
特許第3524940号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の導電性被膜は、あくまで、電極端子部に代わって導通性を維持するための補助的な役割を果たすことが目的である。そのため、そもそもの原因である圧電基板自体のクラックや欠け等が発生した場合に、導通不良が依然として生じる可能性が高く、ヘッドチップの歩留まりを低下させてしまうものであった。
さらに、各チャネルに対応した駆動電極に対して駆動電圧を別個に印加して、駆動壁を独立して変形させる独立駆動を行う場合、圧電基板の主面上に形成されている電極端子部をそれぞれ電気的に切り離した状態で形成しておく必要がある。ところが、このような場合において特許文献1に記載の導電性被膜を電極端子部上に形成してしまうと、複数の電極端子部が全て導通してしまうので、独立駆動を行うことができなくなってしまう。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、導通不良が低減して歩留まりが高く、駆動壁の独立駆動を行うことが可能なヘッドチップ、これを具備する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明における液体噴射ヘッドは、液体を吐出するノズル孔に連通する吐出チャネルと、前記液体を吐出不能な非吐出チャネルと、が複数形成されたアクチュエータ基板と、複数の前記吐出チャネルの側面にそれぞれ形成された共通電極と、複数の前記非吐出チャネルの側面にそれぞれ形成された個別電極と、を備えた液体噴射ヘッドであって、前記吐出チャネルおよび前記非吐出チャネルは、少なくとも前記アクチュエータ基板の第一主面側に開口するとともに、前記第一主面上において前記吐出チャネルおよび前記非吐出チャネルの長手方向と交差する幅方向に並んで配列され、前記アクチュエータ基板の前記第一主面における前記長手方向の一方側の端部には、前記個別電極に接続される個別電極用パッドが複数設けられ、前記アクチュエータ基板の前記第一主面における前記個別電極用パッドよりも前記長手方向の他方側には、前記共通電極に接続される共通電極用パッドが複数設けられ、前記個別電極用パッドより前記ノズル孔側に離間して、前記個別電極を接続するバイパス電極が形成されていることを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドは、前記アクチュエータ基板の第一主面における前記個別電極用パッドと前記共通電極用パッドとの間には、前記幅方向に沿って溝部が形成されており、前記溝部には前記個別電極を接続するバイパス電極が形成されていることを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドは、前記バイパス電極は、前記溝部の底部に形成した電極バイパス用溝に形成されていることを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドは、前記アクチュエータ基板に接続されるフレキシブル基板を備え、前記フレキシブル基板は、前記アクチュエータ基板の前記個別電極用パッドに対応する位置に形成され、前記個別電極用パッドに接続される個別電極用端子と、前記アクチュエータ基板の前記共通電極用パッドに対応する位置に形成され、前記共通電極用パッドに接続される共通電極用端子と、を複数備え、前記個別電極用端子と前記共通電極用端子との間であって、前記アクチュエータ基板の前記溝部に対応する位置には、複数の前記共通電極用端子を互いに接続する接続配線が形成されていることを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドは、前記アクチュエータ基板の前記第一主面における前記吐出チャネルよりも前記一方側には、前記吐出チャネルの前記一方側の端部から、前記アクチュエータ基板の前記一方側の端面に向かって、前記吐出チャネルの深さよりも浅い浅溝部が形成され、前記溝部は、前記浅溝部と交差するように形成されていることを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドは、前記アクチュエータ基板の前記第一主面における前記一方側の縁部には、一段下がった段部が形成されていることを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドは、前記アクチュエータ基板の前記第一主面と、前記アクチュエータ基板の前記一方側の端面とにより形成される角部は、面取りされていることを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドは、前記吐出チャネルと前記非吐出チャネルとが前記幅方向に交互に沿って並んで配列されていることを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドは、前記ノズル孔は、前記吐出チャネルの前記他方側の端部に位置することを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドは、前記ノズル孔は、前記アクチュエータ基板の第二主面側であって、前記吐出チャネルにおける前記長手方向の中間部に位置することを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドは、前記非吐出チャネルは、前記アクチュエータ基板の前記一方側の端面から前記他方側の端面にわたって形成され、前記個別電極用パッドは、隣り合う前記非吐出チャネルに跨るように形成されていることを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドは、前記共通電極用パッドおよび前記個別電極用パッドの幅は、それぞれ前記吐出チャネルの幅と同等であることを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドの製造方法であって、圧電体基板にマスク材料を成膜するマスク材料成膜工程と、前記マスク材料のパターニングを行い、少なくとも前記個別電極用パッドおよび前記共通電極用パッドの形成領域が開口したマスクを形成するマスク形成工程と、前記圧電体基板に前記吐出チャネル、前記非吐出チャネルおよび前記電極バイパス用溝を形成するチャネル形成工程と、電極材料を成膜する電極成膜工程と、前記マスク材料を除去するマスク材料除去工程と、前記溝部を形成する溝部形成工程と、を備えたことを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドの製造方法であって、圧電体基板にマスク材料を成膜するマスク材料成膜工程と、前記圧電体基板に前記吐出チャネル、前記非吐出チャネルおよび前記電極バイパス用溝を形成するチャネル形成工程と、電極材料を成膜する電極成膜工程と、前記マスク材料を除去するマスク材料除去工程と、前記溝部を形成する溝部形成工程と、を備え、前記チャネル形成工程では、前記吐出チャネルの前記一方側に、前記吐出チャネルの深さよりも浅い浅溝部を形成することを特徴とする。
さらに本発明における液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させる移動機構と、 前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給管と、前記液体供給管に前記液体を供給する液体タンクと、を備える液体噴射装置を提供する。
本発明によれば、第一主面上に形成されている、隣り合う非吐出チャネルに形成された個別電極を接続する接続配線が、衝撃等の外力により一部が欠けて、第一主面を通して個別電極の電気的接続がとれなくなった場合でも、アクチュエータ基板の第一主面以外において、隣り合う非吐出チャネルに形成された個別電極を電気的に接続するバイパス配線があるために、断線不良とならない。
第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの模式的な分解斜視断面図である。 第一実施形態に係るアクチュエータ基板の斜視図である。 第一実施形態に係る液体噴射ヘッドのアクチュエータ基板にフレキシブル基板を装着した状態を表す平面図である。 第一実施形態に係るアクチュエータ基板とカバープレートとフレキシブル基板とを分解したときにおける図3のA−A線に沿った側面断面図である。 第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法における主な工程を表す工程図である。 第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法における各工程の前半の説明図である。 第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法における各工程の後半の説明図である。 第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法における溝部形成工程の説明図である。 第一実施形態の変形例に係るアクチュエータ基板の斜視図である。 第一実施形態に係る液体噴射ヘッド1を備えた液体噴射装置30の説明図である。 第二実施形態に係る液体噴射ヘッドのアクチュエータ基板にフレキシブル基板を装着した状態を表す平面図である。 第二実施形態に係るアクチュエータ基板とカバープレートとフレキシブル基板とを分解したときにおける図11のB−B線に沿った側面断面図である。 第二実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法における主な工程を表す工程図である。 第二実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法における各工程の説明図である。 第二実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法における溝部形成工程の説明図である。
(第一実施形態)
以下に、この発明の第一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの模式的な分解斜視断面図である。
図1に示すように、液体噴射ヘッド1は、アクチュエータ基板2と、カバープレート3と、ノズルプレート4と、フレキシブル基板25と、を備えている。なお、分かり易くするために、図1では、フレキシブル基板25の基板部25aを二点鎖線にて図示している。
アクチュエータ基板2は、壁部5により仕切られ、第一主面F1に開口する吐出チャネル8aおよび非吐出チャネル8bを含むチャネル6が複数配列する。
カバープレート3は、チャネル8の第一主面F1側の開口7を覆うようにアクチュエータ基板2に設置され、チャネル6の長手方向の一方側に吐出チャネル6aに液体を供給する液体供給室9を有する。
フレキシブル基板25は、アクチュエータ基板2の第一主面F1の表面におけるチャネル6の長手方向の一方側の端部21に接着される。
ノズルプレート4は、吐出チャネル6aに連通するノズル孔4aを備えており、アクチュエータ基板2の他方側の端部22において、アクチュエータ基板2の他方側の端面2bに接合される。ノズル孔4aは、吐出チャネル6aの長手方向における他方側の端部22に位置しており、液体を吐出可能とされている。なお、ノズル孔4aは、非吐出チャネル6bとは連通していない。したがって、非吐出チャネル6bは、液体を吐出不能とされる。
なお、以下の説明では、チャネル6が延在する長手方向をX方向とし、液体供給室9が配置される一方側を+X側とし、反対の他方側を−X側とする。また、第一主面F1上においてX方向と直交するチャネル6の幅方向をY方向とし、図1における紙面左側を−Y側とし、図1における紙面右側を+Y側とする。また、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向とし、第一主面F1側を+Z側とし、第一主面F1とは反対の第二主面F2側を−Z側とする。以下では、必要に応じてXYZの直交座標系を用いて、液体噴射ヘッド1の各構成部品の詳細について説明する。
(アクチュエータ基板)
以下に、液体噴射ヘッド1の各構成部品について、詳細に説明する。
図2は、アクチュエータ基板2の斜視図である。なお、分かり易くするために、図2では、フレキシブル基板25の基板部25aを二点鎖線にて図示している。
図2に示すように、アクチュエータ基板2は、Z方向に分極処理が施された圧電体材料、例えばPZTセラミックス等により、略矩形板状に形成されている。アクチュエータ基板2の第一主面F1における+X側の縁部21aには、−Z側に一段下がった段部24が形成されている。
アクチュエータ基板2のチャネル6は、吐出チャネル6aと非吐出チャネル6bとが、Y方向に交互に並列に配列することにより形成されている。
吐出チャネル6aは、アクチュエータ基板2の+X側端面2aの手前からアクチュエータ基板2の−X側端面2bにわたって延在している。吐出チャネル6aの+X側の端部は、アクチュエータ基板2の−Z側(第二主面F2側)から+Z側(第一主面F1側)に向かって切り上がるように傾斜して形成されている。
非吐出チャネル6bは、アクチュエータ基板2の+X側端面2aからアクチュエータ基板2の−X側端面2bにわたって延在している。
液体噴射ヘッド1のアクチュエータ基板2の壁部5の側面には、駆動電極12が形成されている。
駆動電極12は、壁部5の側面のうち吐出チャネル6aの側面5aに形成された共通電極12aと、壁部5の側面のうち非吐出チャネル6bの側面5bに設置される個別電極12bとを含む。
共通電極12aは、吐出チャネル6aに面する一対の壁部5,5の側面5a,5aにおける+X側の端部から−X側の端部にわたって、X方向に沿って延在して略帯状に形成されている。
個別電極12bは、非吐出チャネル6bに面する一対の壁部5,5の側面5b,5bにおける+X側の端部から−X側の端部にわたって、X方向に沿って延在して略帯状に形成されている。
共通電極12aおよび個別電極12bは、それぞれ吐出チャネル6aおよび非吐出チャネル6bのZ方向(すなわち吐出チャネル6aおよび非吐出チャネル6bの深さ方向)における中間部よりも+Z側の領域に形成されている。
アクチュエータ基板2の第一主面F1における+X側の端部21には、個別電極用パッド15が複数設けられている。個別電極用パッド15は、アクチュエータ基板2の+X側の端部21において、第一主面F1および段部24の表面に形成されている。本実施形態における個別電極用パッド15は、隣り合う非吐出チャネル6b,6bに跨るように形成されている。個別電極用パッド15は、アクチュエータ基板2の+X側の端部21において、隣り合う非吐出チャネル6b,6bの壁部5の側面5bに形成された個別電極12b,12bを電気的に接続している。
アクチュエータ基板2の第一主面F1における個別電極用パッド15よりも−X側には、共通電極用パッド16が複数設けられている。共通電極用パッド16は、第一主面F1上において吐出チャネル6aの+X側の端部に接続されて形成されている。本実施形態における共通電極用パッド16のY方向における幅は、吐出チャネル6aのY方向における幅よりも広く、かつ隣り合う非吐出チャネル6b,6bの離間距離よりも狭くなっている。共通電極用パッド16は、アクチュエータ基板2の第一主面F1上における吐出チャネル6aの+X側の端部において、吐出チャネル6aの対向する側面5a,5aに形成された共通電極12a,12aを電気的に接続している。
アクチュエータ基板2の第一主面F1における個別電極用パッド15と共通電極用パッド16との間には、非吐出チャネル6bと直交するように、Y方向に沿って一条の溝部20が形成されている。溝部20は、X方向に所定の幅を有するとともに、Z方向に所定の深さを有しており、アクチュエータ基板2の第一主面F1におけるY方向の全体にわたって形成されている。
溝部20のX方向における幅は、フレキシブル基板25に形成された後述の接続配線26のX方向における幅よりも広くなるように形成されている。
また、溝部20のZ方向における深さは、壁部5の側面における駆動電極12のZ方向における形成深さよりも浅くなるように形成されている。これにより、壁部5の側面において駆動電極12を分断することなく溝部20を形成できる。
ここで、アクチュエータ基板2の第一主面F1における個別電極用パッド15と共通電極用パッド16との間に形成された溝部20の溝底部に、電極バイパス用溝81、バイパス電極80が形成されている。
電極バイパス用溝81は、溝部20の底部に形成されている。また、X方向に所定の幅を有するとともに、Z方向に所定の深さを有しており、ある非吐出チャネル6bから隣り合う非吐出チャネル6bに至るまでY方向に形成されている。
電極バイパス用溝81のX方向における幅は、溝部20の幅と同一か若しくは溝部20の幅より小さく、またZ方向における深さは、溝部20より深く壁部5の側面における駆動電極12のZ方向における形成深さよりも浅くなるように形成されている。なお、電極バイパス用溝81のX方向における幅は、溝部20のX方向の幅と同一でもよい。
バイパス電極80は、個別電極用パッド15よりノズル孔4a側に離間して形成されている。より好ましくは、バイパス電極80は個別電極用パッド15と共通電極用パッド16との間に形成されている。具体的に、バイパス電極80は、電極バイパス用溝81の底部に形成されている。なお、X方向におけるバイパス電極80の幅は、電極バイパス用溝81より短くても良いし同一でも良い。また、Z方向におけるバイパス電極80は、電極バイパス用溝81の深さと同一で構わない。ただし、Y方向における長さは、電極バイパス用溝81の長さを覆うように形成されているようにしなければならない。つまり、バイパス電極80は、個別電極パッド15と同じく、隣り合う非吐出チャネル6b,6bの壁部5の側面5bに形成された個別電極12b,12bを電気的に接続している。
カバープレート3は、例えばアクチュエータ基板2と同じ材料であるPZTセラミックス等により、略矩形板状に形成されている。なお、カバープレート3を形成する材料は、PZTセラミックスに限定されることはなく、例えば、マシナブルセラミックスや他のセラミックス、ガラス等の低誘電体材料を用いてもよい。ただし、カバープレート3とアクチュエータ基板2とを同じ材料により形成することにより、熱膨張を等しくすることができるので、温度変化に対する液体噴射ヘッド1の反りや変形を抑制することができる。カバープレート3の液体供給室9には、その底部に複数のスリット9aが形成されている。スリット9aは、吐出チャネル6aに対応する位置において、液体供給室9の底部がZ方向に貫通して形成されており、X方向に沿って延在するとともに、Y方向に並んで設けられている。液体供給室9は、スリット9aを介して、吐出チャネル6aの+X側の端部と連通している。なお、液体供給室9は、非吐出チャネル6bとは連通していない。
(フレキシブル基板)
図3は、液体噴射ヘッド1のアクチュエータ基板2にフレキシブル基板25を装着した状態を表す平面図である。なお、分かり易くするために、図3では、フレキシブル基板25の基板部25aを二点鎖線にて図示している。
図4は、アクチュエータ基板2とカバープレート3とフレキシブル基板25とを分解したときにおける図3のA−A線に沿った側面断面図である。
図3に示すように、フレキシブル基板25は、例えばポリイミド等を主成分とする樹脂材料により形成された基板部25aを備えたフィルム状の可撓性を有する部材である。
図4に示すように、フレキシブル基板25は、−Z側主面25bに、個別電極用端子27と、共通電極用端子28と、をそれぞれ複数備えている。
図3に示すように、個別電極用端子27は、フレキシブル基板25の+X側の端部から個別電極用パッド15に対応する位置にわたって、X方向に沿って略帯状に形成されている。隣り合う複数の個別電極用端子27のピッチは、隣り合う複数の吐出チャネル6aのピッチと略同一となっている。また、個別電極用端子27のY方向における幅は、個別電極用パッド15のY方向における幅よりも狭くなっている。
共通電極用端子28は、個別電極用端子27よりも−X側であって溝部20に対応する位置から共通電極用パッド16に対応する位置にわたって、X方向に沿って略帯状に形成されている。隣り合う複数の共通電極用端子28のピッチは、隣り合う複数の吐出チャネル6aおよび複数の個別電極用端子27のピッチと略同一となっている。
また、フレキシブル基板25の−Z側主面25b(図4参照)には、接続配線26が形成されている。接続配線26は、個別電極用端子27と共通電極用端子28との間であって、アクチュエータ基板2の溝部20に対応する位置において、Y方向に沿って略帯状に形成されている。接続配線26は、複数の共通電極用端子28の+X側の端部を互いに電気的に接続している。
接続配線26のX方向における幅は、溝部20のX方向における幅よりも十分狭くなるように形成されている。また、図4に示すように、接続配線26のZ方向の厚さは、溝部20のZ方向における深さよりも薄くなるように形成されている。これにより、接続配線26は、溝部20においてアクチュエータ基板2と接触することなく配置される。したがって、接続配線26は、アクチュエータ基板2の個別電極用パッド15および壁部5の側面に形成された駆動電極12と接触することなく、溝部20に対応する位置に配置される。
図3に示すように、接続配線26のY方向の両端には、X方向に沿ってフレキシブル基板25の+X側の端部に向かって延びる接続配線端子26aが形成されている(図3では、+Y側の接続配線端子26aのみ図示)。接続配線端子26aは、不図示のプリント配線等を介してGNDに接続される。
フレキシブル基板25は、例えば導電性接着剤等を用いて、個別電極用端子27とアクチュエータ基板2の個別電極用パッド15とを接着するとともに、共通電極用端子28とアクチュエータ基板2の共通電極用パッド16とを接着することで、アクチュエータ基板2の第一主面F1における+X側の端部21に電気的および機械的に接続される。ここで、図4に示すように、アクチュエータ基板2の第一主面F1における+X側の縁部21aには、−Z側に一段下がった段部24が形成されているので、アクチュエータ基板2の第一主面F1にフレキシブル基板25を接続したときに、フレキシブル基板25と、アクチュエータ基板2の第一主面F1における+X側の縁部21aとの接触が抑制される。
(液体噴射ヘッドの製造方法)
続いて、上述した第一実施形態に係る液体噴射ヘッド1の製造方法について説明する。
図5は、第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法における主な工程を表す工程図である。図6および図7は、液体噴射ヘッドの製造方法における各工程の説明図である。なお、図6および図7におけるXYZの直交座標系は、図1から図4におけるXYZの直交座標系と対応している。また、図6(a)〜(c)は、図3のA−A線に沿った側面断面図に対応しており、図7(d)〜(f)は、−X側から圧電体基板50(アクチュエータ基板2)を見たときのYZ平面に沿う断面図に対応している。また、以下の液体噴射ヘッドの製造方法の説明における各符号については、図6および図7に加えて、図1から図4の各図を参照されたい。
図5に示すように、第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法は、主に基板準備工程S10と、マスク材料成膜工程S12と、マスク形成工程S14と、チャネル形成工程(電極バイパス用溝形成工程含む)S16と、電極成膜工程S18と、マスク材料除去工程S20と、溝部形成工程S22と、カバープレート接合工程S24と、ノズルプレート接合工程S26と、フレキシブル基板接着工程S28と、を備えている。以下に、各工程S10〜S28について説明する。
基板準備工程S10では、図6(a)に示すように、のちのアクチュエータ基板2となる圧電体基板50を用意する。圧電体基板50の材料としては、Z方向に分極処理が施された圧電体材料、例えばPZTセラミックスが好適である。
次いで、マスク材料成膜工程S12では、図6(b)に示すように、圧電体基板50の第一主面F1上に、例えば感光性樹脂からなるマスク材料55を成膜する。
次いで、マスク形成工程S14では、図6(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術により、例えば個別電極用パッド15や共通電極用パッド16等の電極を形成する領域のマスク材料55を除去するとともに、電極を形成しない領域のマスク材料55を残すことで、マスク材料55のパターニングを行う。これにより、個別電極用パッド15および共通電極用パッド16の形成領域が開口したマスク55aを形成する。
次いで、チャネル形成工程S16では、図6(c)に示すように、例えばダイシングブレードDを用いて圧電体基板50を切削加工することにより、チャネル6を形成する。具体的には、圧電体基板50の+X側端面50aの手前からアクチュエータ基板2の−X側端面50bにわたって、圧電体基板50の第一主面F1をマスク材料55ごと切削加工することにより、吐出チャネル6aを形成する。また、圧電体基板50の+X側端面50aからアクチュエータ基板2の−X側端面50bにわたって、圧電体基板50の第一主面F1をマスク材料55ごと切削加工することにより、非吐出チャネル6bを形成する。なお、図6(c)では、吐出チャネル6aを形成している状態を図示している。そして、図6(d)に示すように、Y方向に交互に並ぶ複数の吐出チャネル6aおよび非吐出チャネル6bを形成する。
また、チャネル形成工程S16では、図6(c)に示すように、チャネル6の形成に加えて、個別電極用パッド15と共通電極用パッド16との間において、Y方向の全体にわたってY方向に沿うようにダイシングブレードDを移動しながら、圧電体基板50の第一主面F1を切削加工し、電極バイパス用溝81を形成する。
また、チャネル形成工程S16では、図6(c)に示すように、チャネル6の形成に加えて、圧電体基板50の第一主面F1側における+X側の縁部51aに段部24を形成する。段部24は、チャネル6と同様に、例えばダイシングブレードDを用いて圧電体基板50を切削加工することにより形成される。
次いで、電極成膜工程S18では、図7(e)に示すように、Z方向に対して+Y側および−Y側にそれぞれ所定角度θ傾斜する方向から、圧電体基板50の第一主面F1に向かって、斜め蒸着法により電極材料56を蒸着する。これにより、壁部5の両側面5a,5bにおいて、吐出チャネル6aおよび非吐出チャネル6bのZ方向における中間部よりも+Z側の領域に電極材料56を成膜できる。また電極バイパス用溝81、段部24にも電極材料56を成膜できる。蒸着の方向は、図6(c)の紙面手前から紙面奥方向なので、チャネル6のように蒸着を遮る壁部5はない。よって、電極バイパス用溝81、段部24にも確実に電極材料56を成膜できる。
次いで、マスク材料除去工程S20では、マスク55a(マスク材料55)を例えばリフトオフ法により除去し、同時にマスク55a上の電極材料56を除去する。これにより、図7(f)に示すように、壁部5の両側面5a,5bに堆積した電極材料56(図7(e)参照)が分離して、共通電極12aおよび個別電極12bが形成される。また、電極バイパス用溝81の底部にはバイパス電極80が形成される。このバイパス電極80は、個別電極用パッドよりノズル孔側に離間して、個別電極を接続する。
図8は、溝部形成工程の説明図である。
次いで、溝部形成工程S22では、図8に示すように、例えばダイシングブレードDを用いて圧電体基板50を切削加工することにより、溝部20を形成する。具体的には、個別電極用パッド15と共通電極用パッド16との間で、先に形成してある電極バイパス用溝81のZ方向上を、Y方向の全体にわたってY方向に沿うようにダイシングブレードDを移動しながら、圧電体基板50の第一主面F1を切削加工する。この際、Z方向における溝深さは電極バイパス用溝81より浅く、X方向における溝幅は電極バイパス用溝81より広くする。これにより、圧電体基板50の第一主面F1における個別電極用パッド15と共通電極用パッド16との間には、非吐出チャネル6bと直交するように、Y方向に沿って一条の溝部20が形成される。溝部20が形成された時点で、アクチュエータ基板2が完成する。
次いで、カバープレート接合工程S24では、図4に示すように、アクチュエータ基板2の第一主面F1にカバープレート3を例えば接着剤等により接合する。カバープレート3の液体供給室9は、その底部に形成されたスリット9aを通じて吐出チャネル6aに連通する。これにより、吐出チャネル6aには、液体供給室9から液体を供給可能とされる。なお、図3に示すように、非吐出チャネル6bは、カバープレート3の底面により閉塞され、液体供給室9と連通しない。このため、非吐出チャネル6bには、液体供給室9から液体を供給不能とされる。
次いで、ノズルプレート接合工程S26では、図1に示すように、アクチュエータ基板2の−X側端面2bにノズルプレート4を例えば接着剤等により接合する。これにより、ノズル孔4aは、吐出チャネル6aの−X側の端部に位置するとともに、吐出チャネル6aと連通して、吐出チャネル6a内の液体を吐出可能とされる。
次いで、フレキシブル基板接着工程S28では、図4に示すように、フレキシブル基板25を、アクチュエータ基板2の第一主面F1における+X側の端部21に、例えば不図示の導電性接着剤等を介して接着する。このとき、フレキシブル基板25の個別電極用端子27とアクチュエータ基板2の個別電極用パッド15とを接着するとともに、フレキシブル基板25の共通電極用端子28とアクチュエータ基板2の共通電極用パッド16とを接着する。これにより、フレキシブル基板25の個別電極用端子27とアクチュエータ基板2の個別電極用パッド15とが電気的および機械的に接続され、フレキシブル基板25の共通電極用端子28とアクチュエータ基板2の共通電極用パッド16とが電気的および機械的に接続される。
このとき、フレキシブル基板25の接続配線26が、アクチュエータ基板2の溝部20に対応する位置に配置されるように、フレキシブル基板25をアクチュエータ基板2に接着する。これにより、接続配線26は、溝部20においてアクチュエータ基板2と接触することなく配置される。フレキシブル基板25をアクチュエータ基板2に接着した時点で、液体噴射ヘッド1の製造工程が終了する。
なお、本実施形態の製造工程では、斜め蒸着法によりバイパス電極を形成する製造工程を説明したが、製造工程はこれに限られるものではない。例えば、斜め蒸着法の代わりに、電極材料56を溝部20内に注入し、電極材料56をY方向に延在させることで、バイパス電極80を形成することも可能である。この場合は、電極バイパス用溝81なしでバイパス電極80を形成することができる。
(第一実施形態の効果)
第一実施形態によれば、アクチュエータ基板2の第一主面F1上に形成されている、隣り合う非吐出チャネル6b,6bの壁部5の側面5bに形成された個別電極12b,12bを電気的に接続する個別電極パッド15、段部24が、衝撃等の外力により一部が欠けて、第一主面F1を通して前記2本の個別電極12bの電気的接続がとれなくなった場合でも、前記2本の個別電極12bを電気的に接続するバイパス電極80があるために、断線不良とならない。これにより、高歩留まり低コストな液体噴射ヘッド1を得ることができる。
また第一実施形態によれば、アクチュエータ基板2の第一主面F1における個別電極用パッド15と共通電極用パッド16との間に、Y方向に沿って溝部20が形成されているので、フレキシブル基板25をアクチュエータ基板2に接続したとき、アクチュエータ基板2の溝部20に対応する位置に、フレキシブル基板25の接続配線26を配置することで、フレキシブル基板25の接続配線26とアクチュエータ基板2の個別電極用パッド15とが接触するのを防止できる。したがって、フレキシブル基板25の接続配線26と、アクチュエータ基板2の個別電極用パッド15および個別電極用パッド15に接続された個別電極12bとの電気的短絡を防止できる。また、溝部20を形成するだけで、フレキシブル基板25の接続配線26とアクチュエータ基板2の個別電極用パッド15および個別電極12bとの電気的短絡を防止できるので、低コストな液体噴射ヘッド1を得ることができる。
また、アクチュエータ基板2に接続されるフレキシブル基板25には、アクチュエータ基板2の溝部20に対応する位置に、複数の共通電極用端子28を互いに接続する接続配線26が形成されているので、フレキシブル基板25をアクチュエータ基板2に接続したときに、アクチュエータ基板2の溝部20に対応する位置に、フレキシブル基板25の接続配線26を確実に配置することができる。したがって、フレキシブル基板25の接続配線26とアクチュエータ基板2の個別電極用パッド15および個別電極12bとの電気的短絡を防止できる。また、溝部20を形成するだけで、フレキシブル基板25の接続配線26とアクチュエータ基板2の個別電極用パッド15および個別電極12bとの電気的短絡を防止できるので、低コストな液体噴射ヘッド1を得ることができる。
また、アクチュエータ基板2の第一主面F1における+X側の縁部21aには、一段下がった段部24が形成されているので、アクチュエータ基板2の第一主面F1にフレキシブル基板25を接続したときに、アクチュエータ基板2の第一主面F1における+X側の縁部21aとフレキシブル基板25とが接触するのを抑制できる。したがって、フレキシブル基板25の損傷を抑制できる。
また、フレキシブル基板25の接続配線26とアクチュエータ基板2の個別電極用パッド15との電気的短絡を防止できる低コストな液体噴射ヘッド1の構成を、吐出チャネル6aと非吐出チャネル6bとがY方向に交互に沿って並んで配列された液体噴射ヘッド1に好適に適用できる。
また、フレキシブル基板25の接続配線26とアクチュエータ基板2の個別電極用パッド15との電気的短絡を防止できる低コストな液体噴射ヘッド1の構成を、いわゆるエッジシュートタイプの液体噴射ヘッド1に好適に適用できる。
また、個別電極用パッド15は、隣り合う非吐出チャネル6b,6bに跨るように形成されているので、個別電極用パッド15の表面積を広く確保できる。これにより、フレキシブル基板25の精密な位置決めを行うことなく容易にフレキシブル基板25上の個別電極用端子27を個別電極用パッド15に接続できる。さらに、個別電極用パッド15の断面積を広く確保でき、個別電極用パッド15の電気抵抗を抑制できるので、電気的効率の良い液体噴射ヘッド1とすることができる。
また、マスク形成工程S14の後に、電極材料56を成膜する電極成膜工程S18を備えているので、所望の形状にマスク材料55のパターニングを行ってマスク55aを形成し、所望の形状に電極材料56を成膜することができる。また、溝部形成工程S22を備えているので、例えば切削加工するだけで溝部20を形成できる。これにより、アクチュエータ基板2にフレキシブル基板25を接続する際、アクチュエータ基板2の溝部20に対応する位置に、フレキシブル基板25の接続配線26を配置することができる。したがって、フレキシブル基板25の接続配線26と、アクチュエータ基板2の個別電極用パッド15および個別電極用パッド15に接続された個別電極12bとの電気的短絡を防止できる低コストな液体噴射ヘッド1を得ることができる。
(第一実施形態の変形例)
図9は、第一実施形態の変形例に係るアクチュエータ基板2の斜視図である。
続いて、第一実施形態の変形例に係るアクチュエータ基板2について説明する。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。バイパス電極80については詳述しないが、溝部20にバイパス電極が形成されている点は第一実施形態と同様である。
第一実施形態のアクチュエータ基板2は、個別電極用パッド15が、アクチュエータ基板2の第一主面F1上において、隣り合う非吐出チャネル6b,6bに跨るように形成されていた(図2参照)。
これに対して、図9に示すように、第一実施形態の変形例に係るアクチュエータ基板2は、個別電極用パッド15が、アクチュエータ基板2の第一主面F1上において、隣り合う非吐出チャネル6b,6bの間に形成されている。このように、個別電極用パッド15の形成範囲は、第一実施形態に限定されない。
さらに、第一実施形態の変形例に係るアクチュエータ基板2は、アクチュエータ基板2の第一主面F1とアクチュエータ基板2の+X側端面2aとにより形成される角部が、曲面状にR面取りされた面取り部2cとなっている。このように、第一実施形態の変形例に係るアクチュエータ基板2によれば、アクチュエータ基板2の第一主面F1と、アクチュエータ基板2の+X側端面2aとにより形成される角部が面取りされているので、アクチュエータ基板2の第一主面F1にフレキシブル基板25を接続したときに、アクチュエータ基板2の面取り部2cとフレキシブル基板25とが接触した場合であっても、フレキシブル基板25の損傷を抑制できる。
(液体噴射装置)
図10は、第一実施形態に係る液体噴射ヘッド1を備えた液体噴射装置30の説明図である。
図10に示すように、液体噴射装置30は、複数(本実施形態では4個)の液体噴射ヘッド1と、液体噴射ヘッド1に液体を供給する液体供給管35と、液体供給管35に液体を供給する液体ポンプ33および複数(本実施形態では4個)の液体タンク34とを備えている。各液体噴射ヘッド1は複数のヘッドチップを備え、ノズル孔4a(図1参照)から液体を吐出する。液体ポンプ33として、液体供給管35に液体を供給する供給ポンプを設置する。また、図示しない圧力センサーや流量センサーを設置し、液体の流量を制御することもある。
また、液体噴射装置30は、紙等の被記録媒体44を主走査方向に搬送する一対の搬送手段41,42と、液体噴射ヘッド1を載置するキャリッジユニット43と、液体噴射ヘッド1を主走査方向と直交する副走査方向に走査する移動機構40とを備えている。図示しない制御部は、液体噴射ヘッド1、移動機構40および搬送手段41,42を制御して駆動する。
一対の搬送手段41,42は副走査方向に延び、ローラ面を接触しながら回転するグリッドローラとピンチローラを備えている。図示しないモータによりグリッドローラとピンチローラを軸周りに移転させてローラ間に挟み込んだ被記録媒体44を主走査方向に搬送する。移動機構40は、副走査方向に延びた一対のガイドレール36,37と、一対のガイドレール36,37に沿って摺動可能なキャリッジユニット43と、キャリッジユニット43を連結し副走査方向に移動させる無端ベルト38と、この無端ベルト38を図示しないプーリを介して周回させるモータ39とを備えている。
キャリッジユニット43は、複数の液体噴射ヘッド1を載置し、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類の液体を吐出する。液体タンク34は対応する色の液体を貯留し、液体ポンプ33および液体供給管35を介して液体噴射ヘッド1に供給する。各液体噴射ヘッド1は、駆動信号に応じて各色の液体を吐出する。液体噴射ヘッド1から液体を吐出させるタイミング、キャリッジユニット43を駆動するモータ39の回転および被記録媒体44の搬送速度を制御することにより、被記録媒体44上に任意のパターンを記録することできる。
なお、本実施形態は、移動機構40がキャリッジユニット43と被記録媒体44を移動させて記録する液体噴射装置30であるが、これに代えて、キャリッジユニット43を固定し、移動機構40が被記録媒体44を2次元的に移動させて記録する液体噴射装置であってもよい。つまり、移動機構は液体噴射ヘッド1と被記録媒体44とを相対的に移動させるものであればよい。
本実施形態の液体噴射装置30によれば、隣り合う非吐出チャネル6b,6bの壁部5の側面5bに形成された個別電極12b,12bが、第一主面F1上もしくは段部24及び、電極バイパス配線80によって、多重に電気的に接続しているため、断線不良が起こりにくく、信頼性の高い低コストな液体噴射装置30を得ることができる。
(第二実施形態)
図11は、第二実施形態に係る液体噴射ヘッド1のアクチュエータ基板2にフレキシブル基板25を装着した状態を表す平面図である。
続いて、第二実施形態に係る液体噴射ヘッド1および第二実施形態に係る液体噴射ヘッド1の製造方法について説明する。
第一実施形態に係る液体噴射ヘッド1は、共通電極用パッド16のY方向における幅が吐出チャネル6aのY方向における幅よりも広く、かつ隣り合う非吐出チャネル6b,6bの離間距離よりも狭くなっていた。また、個別電極用パッド15は、隣り合う非吐出チャネル6b,6bに跨るように形成されていた(図3参照)。
これに対して、図11に示すように、第二実施形態に係る液体噴射ヘッド1は、吐出チャネル6aの+X側の端部よりも+X側に浅溝部23が形成され、この浅溝部23内に形成された共通電極用パッド16および個別電極用パッド15のY方向における幅がそれぞれ吐出チャネル6aのY方向における幅と同等である点で、第一実施形態とは異なっている。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
なお、第一実施形態と同様に、バイパス電極80は、個別電極用パッド15よりノズル孔4a側に離間して形成されている。より好ましくは、バイパス電極80は個別電極用パッド15と共通電極用パッド16との間に形成されている。
図12は、第二実施形態に係るアクチュエータ基板2とカバープレート3とフレキシブル基板25とを分解したときにおける、図11のB−B線に沿った側面断面図である。
図12に示すように、第二実施形態に係るアクチュエータ基板2には、浅溝部23が形成されている。浅溝部23は、アクチュエータ基板2の第一主面F1における吐出チャネル6aよりも+X側において、吐出チャネル6aの+X側の端部から、アクチュエータ基板2の+X側端面2aに向かって形成されている。本実施形態の浅溝部23は、吐出チャネル6aの+X側の端部から段部24にわたって形成されている。浅溝部23の深さは、吐出チャネル6aの深さよりも浅くなっており、かつ溝部20および段部24の深さよりも浅くなっている。
図11に示すように、浅溝部23のY方向における幅は、吐出チャネル6aのY方向における幅と同等となっている。また、浅溝部23のY方向における幅は、フレキシブル基板25に形成された個別電極用端子27および共通電極用端子28のY方向における幅よりも広くなっている。
溝部20は、浅溝部23と交差するように形成されている。浅溝部23は、溝部20により、+X側浅溝部23aと−X側浅溝部23bとに分断されている。+X側浅溝部23a内には、個別電極用パッド15が形成されている。また、−X側浅溝部23b内には、共通電極用パッド16が形成されている。このため、共通電極用パッド16および個別電極用パッド15のY方向における幅は、それぞれ吐出チャネル6aのY方向における幅と同等となっている。
+X側浅溝部23a内の個別電極用パッド15には、フレキシブル基板25の個別電極用端子27が接続され、−X側浅溝部23b内の共通電極用パッド16には、フレキシブル基板25の共通電極用端子28が接続される。ここで、個別電極用パッド15および共通電極用パッド16は、それぞれ浅溝部23内に形成されていることから、Y方向に並ぶ複数の個別電極用端子27および共通電極用端子28をそれぞれ対応する複数の浅溝部23内に落とし込むことで、複数の個別電極用端子27および共通電極用端子28を浅溝部23内に容易に位置決めできる。したがって、複数の個別電極用パッド15および共通電極用パッド16と、複数の個別電極用端子27および共通電極用端子28とを、容易に位置決めしつつ確実に接続できる。
続いて、第二実施形態に係る液体噴射ヘッド1の製造方法について説明する。
図13は、第二実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法における主な工程を表す工程図である。図14は、第二実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法における各工程の説明図である。なお、図14におけるXYZの直交座標系は、図11および図12におけるXYZの直交座標系と対応している。また、図14(a)および(b)は、図11のB−B線に沿った側面断面図に対応している。また、液体噴射ヘッドの製造方法の説明における各符号については、図11および図12を参照されたい。
第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法では、マスク材料55のパターニングを行い、個別電極用パッドおよび共通電極用パッドの形成領域が開口したマスク55aを形成するマスク形成工程S14を備えていた(図5および図6(b)参照)。
これに対して、図13に示すように、第二実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法では、マスク形成工程S14(図5参照)を備えていない点で、第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法とは異なっている。なお、以下の説明では、第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法とは異なる工程についてのみ説明をし、同一の工程については説明を省略する。
図13に示すように、第二実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法は、主に基板準備工程S10と、マスク材料成膜工程S12と、チャネル形成工程(電極バイパス用溝形成工程含む)S16と、電極成膜工程S18と、マスク材料除去工程S20と、溝部形成工程S22と、カバープレート接合工程S24と、ノズルプレート接合工程S26と、フレキシブル基板接着工程S28と、を備えている。以下に、各工程S10〜S28について説明する。
マスク材料成膜工程S12では、図14(a)に示すように、圧電体基板50の第一主面F1上の全面に、例えば感光性樹脂からなるマスク材料55を成膜する。
次いで、チャネル形成工程S16では、図14(b)に示すように、例えばダイシングブレードDを用いて圧電体基板50を切削加工することにより、チャネル6を形成する。さらに、チャネル形成工程S16において吐出チャネル6aを形成する際、吐出チャネル6aの+X側に、吐出チャネル6aの深さよりも浅い浅溝部23を形成する。具体的には、回転するダイシングブレードDを第一主面F1に当接させつつ、ダイシングブレードDを圧電体基板50の+X側端面50aから圧電体基板50の−X側端面50bにわたって移動させることにより、マスク材料55ごと圧電体基板50を切削して、浅溝部23および吐出チャネル6aを形成する。なお、図14(b)において、浅溝部23を形成している際のダイシングブレードDを実線で図示し、吐出チャネル6aを形成している際のダイシングブレードDを二点鎖線で図示している。
チャネル形成工程S16では、まず、圧電体基板50の+X側端面50aから−X側に向かって移動させつつ、Z方向における浅溝部23の深さに対応する位置において、ダイシングブレードDを圧電体基板50に当接させ、圧電体基板50を切削する。続いて、X方向における吐出チャネル6aの形成位置において、ダイシングブレードDを−Z側に移動させ、圧電体基板50を切削する。続いて、圧電体基板50の−X側端面50bに向かって移動させつつ、Z方向における吐出チャネル6aの深さに対応する位置において、ダイシングブレードDを圧電体基板50に当接させ、圧電体基板50をさらに切削する。そして、ダイシングブレードDが圧電体基板50の−X側端面50bに達した時点で、圧電体基板50の第一主面F1側に、浅溝部23および吐出チャネル6aが形成される。
また、チャネル形成工程S16では、吐出チャネル6aおよび浅溝部23を形成した後、圧電体基板50の第一主面F1側における+X側の縁部51aに段部24を、個別電極用パッド15と共通電極用パッド16との間に電極バイパス用溝81を形成する。
ここで、チャネル形成工程S16では、マスク材料55ごと圧電体基板50を切削している。したがって、チャネル形成工程S16の終了後は、吐出チャネル6a、非吐出チャネル6b、浅溝部23および段部24、電極用バイパス用溝81の形成領域は、マスク材料55から圧電体基板50が露出した状態となる。
次いで、電極成膜工程S18では、圧電体基板50の第一主面F1に向かって、斜め蒸着法により電極材料を蒸着する。
次いで、マスク材料除去工程S20では、マスク材料55を例えばリフトオフ法により除去し、同時にマスク材料55上の電極材料を除去する。これにより、マスク材料55から露出していた吐出チャネル6a、非吐出チャネル6b、浅溝部23、段部24および、電極バイパス用溝81の形成領域に電極材料が成膜される。なお、吐出チャネル6a内に成膜された電極材料は、共通電極12aに相当し、非吐出チャネル6b内に成膜された電極材料は、個別電極12bに相当する。
図15は、溝部形成工程の説明図である。
次いで、溝部形成工程S22では、図15に示すように、例えばダイシングブレードDを用いて圧電体基板50を切削加工することにより、溝部20を形成する。具体的には、X方向における段部24と吐出チャネル6aとの間の位置において、先に形成してある電極バイパス用溝81のZ方向上を、Y方向の全体にわたってY方向に沿うようにダイシングブレードDを移動しながら、圧電体基板50の第一主面F1を切削加工する。この際、Z方向における溝深さは電極バイパス用溝81より浅く、X方向における溝幅は電極バイパス用溝81より広くする。これにより、浅溝部23が+X側浅溝部23aと−X側浅溝部23bとに分断されるとともに、浅溝部23内の電極材料56が分断される。そして、+X側浅溝部23a内に個別電極用パッド15が形成され、−X側浅溝部23b内に共通電極用パッド16が形成される。溝部20が形成された時点で、アクチュエータ基板2が完成する。
(第二実施形態の効果)
第二実施形態によれば、アクチュエータ基板2の第一主面F1上に形成されている、隣り合う非吐出チャネル6b,6bの壁部5の側面5bに形成された個別電極12b,12bを電気的に接続する個別電極パッド15が、衝撃等の外力により一部が欠けて、第一主面F1を通して前記2本の個別電極12bの電気的接続がとれなくなった場合でも、前記2本の個別電極12bを電気的に接続するバイパス電極80があるために、断線不良とならない。これにより、高歩留まり低コストな液体噴射ヘッド1を得ることができる。
また、浅溝部23は、吐出チャネル6aの+X側の端部から、アクチュエータ基板2の+X側端面2aに向かって形成されているので、例えば切削加工により吐出チャネル6aを形成する際に、切削深さを変えるだけで浅溝部23を形成できる。したがって、チャネル形成工程S16と同工程で浅溝部23を簡単に形成できる。また、溝部20は、浅溝部23と交差するように形成されているので、浅溝部23内に電極材料56を成膜した後に、例えば切削加工により溝部20を浅溝部23と交差するように形成することで、浅溝部23内に成膜された電極材料56を溝部20により分断して、共通電極用パッド16と個別電極用パッド15とを簡単に形成できる。このように、マスクを使用することなく共通電極用パッド16と個別電極用パッド15とを形成できるので、フレキシブル基板25の接続配線26とアクチュエータ基板2の個別電極用パッド15および個別電極12bとの電気的短絡を防止できる液体噴射ヘッド1を低コストに形成できる。
また、共通電極用パッド16および個別電極用パッド15の幅が、それぞれ吐出チャネル6aの幅と同等であるので、共通電極用パッド16および個別電極用パッド15の幅を極力狭くすることができる。これにより、液体噴射ヘッド1の幅狭化ができる。
また、マスク材料成膜工程S12の後、圧電体基板50に吐出チャネル6aと非吐出チャネル6bとを形成するチャネル形成工程S16を備えているので、例えば切削加工により吐出チャネル6aと非吐出チャネル6bとを形成する際に、各チャネル6(6a,6b)に対応するマスク材料55を切削加工で除去できる。これにより、その後の電極成膜工程S18では、マスク材料55から露出した各チャネル6(6a,6b)に対応する領域に電極材料56を成膜できるので、例えばフォトリソグラフィ技術等によりパターニングされたマスクを用いることなく電極材料56を成膜して、共通電極12aおよび個別電極12bを形成できる。さらに、チャネル形成工程S16では、吐出チャネル6aの深さよりも浅い浅溝部23を形成しているので、その後の電極成膜工程S18では、マスク材料55から露出した浅溝部23に対応する領域にも電極材料56を成膜できる。そして、溝部20を形成する溝部形成工程S22を備えているので、例えば切削加工により溝部20を浅溝部23と交差するように形成することで、浅溝部23内に成膜された電極材料56を溝部20により分断して、共通電極用パッド16と個別電極用パッド15とを簡単に形成できる。このように、マスク材料55をパターニングすることなく共通電極用パッド16と個別電極用パッド15とを形成できるので、液体噴射ヘッド1の製造方法を簡素化できる。したがって、フレキシブル基板25の接続配線26と、アクチュエータ基板2の個別電極用パッド15および個別電極用パッド15に接続された個別電極12bとの電気的短絡を防止できる液体噴射ヘッド1を低コストに形成できる。
なお、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
各実施形態では、ノズル孔4aがアクチュエータ基板2(吐出チャネル6a)の−X側の端部22に位置する、いわゆるエッジシュートタイプの液体噴射ヘッド1を例に説明をしたが、本発明の適用はエッジシュートタイプの液体噴射ヘッド1に限定されない。例えば、ノズル孔4aがアクチュエータ基板2の第二主面F2側であって、吐出チャネル6aのX方向の中間部近傍に位置する、いわゆるサイドシュートタイプの液体噴射ヘッドにも、本発明を適用できる。さらに、サイドシュートタイプの液体噴射ヘッドであって、カバープレートに液体供給室と液体排出室とを備えた、いわゆるスルーフロータイプの液体噴射ヘッドにも、本発明を適用できる。
各実施形態では、駆動電極12がアクチュエータ基板2の壁部5の側面において、Z方向における中間部よりも+Z側に形成されていたが、駆動電極12の設置範囲は各実施形態に限定されない。例えば、駆動電極12は、チャネル6の底部に近接するように設置されていてもよい。
例えば、本発明に関し、チャネル6の深さ方向において分極方向が上下方向に互いに反対向きの圧電体材料を積層したシェブロンタイプを用いることが可能である。この場合、壁部5の側面5a,5b全面にわたって駆動電極12を形成することで、圧電滑り効果により壁部5の高さ方向中間位置を中心にして、V字状に壁部5が屈曲変形することになる。これにより、低電圧で壁部5を変形させることができる。
各実施形態では、チャネル6は、吐出チャネル6aと非吐出チャネル6bとが交互に配列されていたが、チャネル6の形態はこれに限定されない。例えば、吐出チャネル6aと非吐出チャネル6bとが交互に配列されていなくてもよい。
各実施形態のアクチュエータ基板2は、第一主面F1における+X側の縁部21aに、一段下がった段部24が形成されていたが、段部24が形成されていなくてもよい。
また、第一実施形態の変形例に係るアクチュエータ基板2は、第一主面F1における+X側の端部21において、曲面状にR面取りされた面取り部2cを備えていたが、面取り部2cの面取り形状は、R面取りに限定されることは無く、例えばC面取りであってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
例えば、バイパス電極80は、その機能は個別電極12b、12bをバイパスすることができれば、上述した実施形態に限られるものではない。例えば、ノズルプレート4を接着するアクチュエータ基板2の−X側端面2bにバイパス電極80を形成することも可能である。この場合は、上述した電極材料56の注入または電極パターンの転写により、実施可能である。さらには、X方向において吐出チャネル6aが形成されていない+X側の領域において、アクチュエータ基板2を貫通する貫通電極を形成し、貫通電極が個別電極12b、12bをバイパスする構成とすることも可能である。
1・・・液体噴射ヘッド 2・・・アクチュエータ基板 2a・・・端面 4a・・・ノズル孔 5a・・・側面 5b・・・側面 6a・・・吐出チャネル 6b・・・非吐出チャネル 12a・・・共通電極 12b・・・個別電極 15・・・個別電極用パッド 16・・・共通電極用パッド 20・・・溝部 21・・・端部 23・・・浅溝部 24・・・段部 25・・・フレキシブル基板(外部基板) 26・・・接続配線 27・・・個別電極用端子 28・・・共通電極用端子 30・・・液体噴射装置 34・・・液体タンク 35・・・液体供給管 40・・・移動機構 44・・・被記録媒体 50・・・圧電体基板 55・・・マスク材料 55a・・・マスク 56・・・電極材料 80・・・バイパス電極 81・・・電極バイパス用溝 F1・・・第一主面 F2・・・第二主面 S12・・・マスク材料成膜工程 S14・・・マスク形成工程 S16・・・チャネル形成工程(電極バイパス用溝形成工程含む) S18・・・電極成膜工程 S20・・・マスク材料除去工程 S22・・・溝部形成工程

Claims (15)

  1. 液体を吐出するノズル孔に連通する吐出チャネルと、前記液体を吐出不能な非吐出チャネルと、が複数形成されたアクチュエータ基板と、複数の前記吐出チャネルの側面にそれぞれ形成された共通電極と、複数の前記非吐出チャネルの側面にそれぞれ形成された個別電極と、を備えた液体噴射ヘッドであって、
    前記吐出チャネルおよび前記非吐出チャネルは、少なくとも前記アクチュエータ基板の第一主面側に開口するとともに、前記第一主面上において前記吐出チャネルおよび前記非吐出チャネルの長手方向と交差する幅方向に並んで配列され、
    前記アクチュエータ基板の前記第一主面における前記長手方向の一方側の端部には、それぞれが前記吐出チャネルを挟むように設けられた隣接する2つの前記個別電極に接続される個別電極用パッドが複数設けられ、
    前記アクチュエータ基板の前記第一主面における前記個別電極用パッドよりも前記長手方向の他方側には、前記共通電極に接続される共通電極用パッドが複数設けられ、
    前記個別電極用パッドより前記ノズル孔側に離間して、前記個別電極用パッドとは別に前記隣接する2つの個別電極を互いに接続するバイパス電極が形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記アクチュエータ基板の第一主面における前記個別電極用パッドと前記共通電極用パッドとの間には、前記幅方向に沿って溝部が形成されており、
    前記溝部には前記個別電極を接続するバイパス電極が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記バイパス電極は、前記溝部の底部に形成した電極バイパス用溝に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドであって、
    前記アクチュエータ基板に接続されるフレキシブル基板を備え、
    前記フレキシブル基板は、
    前記アクチュエータ基板の前記個別電極用パッドに対応する位置に形成され、前記個
    別電極用パッドに接続される個別電極用端子と、
    前記アクチュエータ基板の前記共通電極用パッドに対応する位置に形成され、前記共
    通電極用パッドに接続される共通電極用端子と、
    を複数備え、
    前記個別電極用端子と前記共通電極用端子との間であって、前記アクチュエータ基板の前記溝部に対応する位置には、複数の前記共通電極用端子を互いに接続する接続配線が形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  5. 請求項4に記載の液体噴射ヘッドであって、
    前記アクチュエータ基板の前記第一主面における前記吐出チャネルよりも前記一方側には、前記吐出チャネルの前記一方側の端部から、前記アクチュエータ基板の前記一方側の端面に向かって、前記吐出チャネルの深さよりも浅い浅溝部が形成され、
    前記溝部は、前記浅溝部と交差するように形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドであって、
    前記アクチュエータ基板の前記第一主面における前記一方側の縁部には、一段下がった段部が形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドであって、
    前記アクチュエータ基板の前記第一主面と、前記アクチュエータ基板の前記一方側の端面とにより形成される角部は、面取りされていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドであって、
    前記吐出チャネルと前記非吐出チャネルとが前記幅方向に交互に沿って並んで配列されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドであって、
    前記ノズル孔は、前記吐出チャネルの前記他方側の端部に位置することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドであって、
    前記ノズル孔は、前記アクチュエータ基板の第二主面側であって、前記吐出チャネルにおける前記長手方向の中間部に位置することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドであって、
    前記非吐出チャネルは、前記アクチュエータ基板の前記一方側の端面から前記他方側の端面にわたって形成され、
    前記個別電極用パッドは、隣り合う前記非吐出チャネルに跨るように形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  12. 請求項1から10のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドであって、
    前記共通電極用パッドおよび前記個別電極用パッドの幅は、それぞれ前記吐出チャネルの幅と同等であることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  13. 請求項3に記載の液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    圧電体基板にマスク材料を成膜するマスク材料成膜工程と、
    前記マスク材料のパターニングを行い、少なくとも前記個別電極用パッドおよび前記共通電極用パッドの形成領域が開口したマスクを形成するマスク形成工程と、
    前記圧電体基板に前記吐出チャネル、前記非吐出チャネルおよび前記電極バイパス用溝を形成するチャネル形成工程と、
    電極材料を成膜する電極成膜工程と、
    前記マスク材料を除去するマスク材料除去工程と、
    前記溝部を形成する溝部形成工程と、
    を備えたことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  14. 請求項3に記載の液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    圧電体基板にマスク材料を成膜するマスク材料成膜工程と、
    前記圧電体基板に前記吐出チャネル、前記非吐出チャネルおよび前記電極バイパス用溝を形成するチャネル形成工程と、
    電極材料を成膜する電極成膜工程と、
    前記マスク材料を除去するマスク材料除去工程と、
    前記溝部を形成する溝部形成工程と、
    を備え、
    前記チャネル形成工程では、前記吐出チャネルの前記一方側に、前記吐出チャネルの深さよりも浅い浅溝部を形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  15. 請求項1に記載の液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させる移動機構と、
    前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給管と、
    前記液体供給管に前記液体を供給する液体タンクと、
    を備える液体噴射装置。
JP2013115662A 2013-05-31 2013-05-31 液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置 Active JP6162489B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013115662A JP6162489B2 (ja) 2013-05-31 2013-05-31 液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013115662A JP6162489B2 (ja) 2013-05-31 2013-05-31 液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014233875A JP2014233875A (ja) 2014-12-15
JP6162489B2 true JP6162489B2 (ja) 2017-07-12

Family

ID=52136945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013115662A Active JP6162489B2 (ja) 2013-05-31 2013-05-31 液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6162489B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016137589A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 株式会社東芝 インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ
JP6909605B2 (ja) * 2017-03-22 2021-07-28 エスアイアイ・プリンテック株式会社 液体噴射ヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射装置および液体噴射ヘッドチップの製造方法
JP6909606B2 (ja) * 2017-03-22 2021-07-28 エスアイアイ・プリンテック株式会社 液体噴射ヘッドチップの製造方法
JP7005156B2 (ja) * 2017-03-22 2022-01-21 エスアイアイ・プリンテック株式会社 液体噴射ヘッドチップの製造方法
JP7048296B2 (ja) * 2017-12-15 2022-04-05 エスアイアイ・プリンテック株式会社 液体噴射ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置
JP7288750B2 (ja) 2018-11-09 2023-06-08 エスアイアイ・プリンテック株式会社 ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2981499B2 (ja) * 1993-06-18 1999-11-22 セイコーエプソン株式会社 インクジェットヘッド
JP3163878B2 (ja) * 1993-11-11 2001-05-08 ブラザー工業株式会社 インク噴射装置
JP2002210989A (ja) * 2001-01-23 2002-07-31 Sharp Corp インクジェットヘッド及びその製造方法
JP4662519B2 (ja) * 2001-06-01 2011-03-30 エスアイアイ・プリンテック株式会社 ヘッドチップ、ヘッドチップユニット、インクジェット式記録装置、及びヘッドチップの製造方法。
JP2003094654A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Sii Printek Inc ヘッドチップ及びその製造方法
JP2004001274A (ja) * 2002-05-31 2004-01-08 Sii Printek Inc インクジェットヘッド
JP2007229976A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Sii Printek Inc インクジェットヘッドチップ、インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドチップの製造方法
JP2008207354A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Sii Printek Inc インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置
JP5432064B2 (ja) * 2010-05-31 2014-03-05 エスアイアイ・プリンテック株式会社 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP5689652B2 (ja) * 2010-11-10 2015-03-25 エスアイアイ・プリンテック株式会社 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014233875A (ja) 2014-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6004960B2 (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置
JP6162489B2 (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置
US9021700B2 (en) Method of manufacturing liquid jet head, liquid jet head, and liquid jet apparatus
JP5689652B2 (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP6139319B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2009292009A (ja) ヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置およびヘッドチップの製造方法
US9487005B2 (en) Liquid jet head and liquid jet apparatus
JP6209383B2 (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの製造方法
US9283758B2 (en) Method of manufacturing liquid jet head, liquid jet head, and liquid jet apparatus
JP2014087949A (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP6073660B2 (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの製造方法
US20140184678A1 (en) Head chip, method of manufacturing head chip, liquid jet head, and liquid jet apparatus
US9010908B2 (en) Liquid jet head, liquid jet apparatus, and method of manufacturing liquid jet head
JP5939966B2 (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP6322369B2 (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP2016159441A (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置および液体噴射ヘッドの製造方法
JPH09207331A (ja) インクジェット記録ヘッド
JP6473288B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP5936986B2 (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッド製造方法
JP5879288B2 (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法
JP2012025089A (ja) 液体吐出ヘッド及びその製造方法
JP2014046581A (ja) インクジェットヘッド
JP2017087533A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2005193602A (ja) インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ
JP2014097641A (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160302

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20161026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170615

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6162489

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250