JP5879288B2 - インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法に関する。
インクジェットプリンタに用いられるインクジェットヘッドは、例えばベース基板に接着された圧電部材を備える。当該圧電部材は溝状の圧力室を有し、シェアモード変形することで当該圧力室に供給されたインクを加圧する。加圧されたインクは、前記圧力室に開口するノズルから吐出される。
前記圧電部材が前記ベース基板に貼り付けられた後、当該圧電部材の端面は、例えば研削によって加工される。そして、前記圧電部材に前記圧力室が形成され、当該圧力室の内面を覆う電極と、当該電極に接続された配線とが形成される。当該配線は、加工された前記圧電部材の端面を通り、前記ベース基板上に形成される。
特開2008−296572号公報
上述のように前記圧電部材の端面が研削される際、例えば、砥粒によって当該端面に凹凸が形成される場合がある。当該凹凸は、前記端面を通る前記配線に不具合を生じさせる可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、配線の信頼性を向上できるインクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法を提供することである。
一つの実施の形態に係るインクジェットヘッドは、基材と、圧電部材と、配線と、被覆部とを備える。前記基材は第1の面を有する。前記圧電部材は、前記第1の面に隣接する第2の面を有して前記基材に付けられる。前記配線は、前記基材および前記圧電部材にあって、前記第1および第2の面を通る。前記被覆部は、前記配線と前記第1および第2の面との間に介在し、平坦化性および密着性が良い材料によって形成され、前記基材の一部と前記圧電部材の一部とを露出させ、かつ前記第1および第2の面よりも表面粗さが小さい。前記被覆部は、前記圧電部材の前記第2の面に形成された加工痕を覆うとともに、前記圧電部材の前記第2の面と前記基材との接触面との間の陵部に生じる欠けであるチッピング、または前記圧電部材の前記第2の面から凹むオーバーハング部のいずれかを覆う。
一つの実施の形態に係るインクジェットヘッドを分解して示す斜視図。 実施形態のインクジェットヘッドを示す断面図。 実施形態のインクジェットヘッドの一部を拡大して示す断面図。 実施形態の圧電部材が貼り付けられたベース基板を示す斜視図。 実施形態の加工された圧電部材およびベース基板を示す断面図。 実施形態のコーティング剤が塗布された圧電部材およびベース基板を示す断面図。 実施形態の溝が形成された圧電部材とベース基板とを示す断面図。 実施形態の電極および配線パターンが形成されたベース基板および圧電部材を示す断面図。
以下に、一つの実施の形態について、図1から図8を参照して説明する。なお、複数の表現が可能な各要素に、一つ以上の他の表現の例を付すことがある。しかし、これは、他の表現が付されていない要素について異なる表現がされることを否定するものではないし、例示されていない他の表現がされることを制限するものでもない。また、各図面は実施形態を概略的に示すものであり、図面に示される各要素の寸法は、実施形態の説明と異なることがある。
図1は、一つの実施の形態に係るインクジェットヘッド1を分解して示す斜視図である。図2は、インクジェットヘッド1を図1のF2−F2線に沿って示す断面図である。図1に示すように、インクジェットヘッド1は、いわゆるサイドシュータ型のシェアモード型インクジェットヘッドである。インクジェットヘッド1は、例えば、インクジェットプリンタのような、インクジェット記録装置の内部に搭載される。
インクジェットヘッド1は、ベース基板10と、一対の圧電部材11と、ノズルプレート12と、フレーム13と、一対の駆動部14とを備える。ベース基板10は、基材の一例である。インクジェットヘッド1は、前記インクジェットプリンタのインクケース16に取り付けられる。インクケース16は、前記インクジェットプリンタのインクタンクに接続される。
図2に示すように、インクジェットヘッド1の内部に、インク室18が設けられる。インク室18は、ベース基板10と、ノズルプレート12と、フレーム13とに囲まれる。インク室18に、インクケース16を介して、前記インクタンクから印字用のインクが供給される。
ベース基板10は、例えばアルミナのようなセラミックスによって形成された板材である。ベース基板10は、実装面21を有する。実装面21は、第1の面の一例である。
図1および図2に示すように、ベース基板10は、複数の供給口25と、複数の排出口26とを有する。供給口25および排出口26は、ベース基板10を貫通し、実装面21に開口する。
複数の供給口25は、ベース基板10の中央部において、ベース基板10の長手方向に沿って並ぶ。供給口25は、インク室18に開口するとともに、インクケース16を介して前記インクタンクに接続される。前記インクタンクのインクは、供給口25からインク室18に供給される。
複数の排出口26は、一列に並んだ供給口25を挟むように、ベース基板10の長手方向に沿って二列に並ぶ。排出口26は、インク室18に開口するとともに、インクケース16を介して前記インクタンクに接続される。インク室18のインクは、排出口26から前記インクタンクに回収される。このように、インクはインクジェットヘッド1と前記インクタンクとの間で循環する。
図1に示すように、ベース基板10は、実装面21に開口する基準孔27をさらに有する。基準孔27は、例えば、ベース基板10に圧電部材11、ノズルプレート12、フレーム13、および駆動部14のような他の部品を取り付ける際の目印である。ベース基板10に当該他の部品を取り付ける装置は、基準孔27を、例えば光学センサで検知する。当該装置は、基準孔27を基準として、前記他の部品と、ベース基板10とのアライメントを取る。
一対の圧電部材11は、例えば、貼り合わされたチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)製の二枚の圧電板である。当該二枚の圧電板の分極方向は、互いに反対方向を向く。圧電部材11は、台形状の断面を有する棒状に形成される。なお、圧電部材11の断面形状はこれに限らない。一対の圧電部材11は、インク室18の中で平行に並ぶ。
図3は、インクジェットヘッド1の一部を拡大して示す断面図である。図3に示すように、圧電部材11は、接着剤28によってベース基板10の実装面21に接着される。言い換えると、接着剤28は、圧電部材11と実装面21との間に介在する。
圧電部材11は、複数の溝(圧力室、インク流路)31を有する。溝31は、ベース基板10の長手方向と交差する方向にそれぞれ延びる。複数の溝31は、ベース基板10の長手方向に並ぶ。インク室18に供給されたインクは、供給口25から複数の溝31に供給される。当該インクは溝31を通過して、排出口26から排出される。
複数の溝31の内面は、電極33によってそれぞれ覆われる。すなわち、電極33は、溝31の底面および両側面に形成される。複数の溝31の間にそれぞれ形成された圧電部材11の壁部は、隣り合う溝31にそれぞれ形成された電極33によって挟まれる。これにより、圧電部材11の当該壁部が、圧電素子として機能する。
図2に示すように、圧電部材11は、頂面41と、斜面42と、底面43とを有する。斜面42は、第2の面の一例である。頂面41、斜面42、および底面43は、それぞれ平坦に形成されるが、曲面であっても良い。
頂面41は、ベース基板10に接着された圧電部材11の先端に位置する。言い換えると、頂面41は、圧電部材11において、ベース基板10の実装面21から最も離れる。斜面42は、頂面41と隣り合うとともに、実装面21に対して傾斜する。斜面42と実装面21との間の角度は、例えば45°である。底面43は、頂面41の反対側に位置し、実装面21に対向する。
圧電部材11の斜面42は、ベース基板10の実装面21に隣接する。言い換えると、斜面42は、斜面42と実装面21との間の境界部分を挟んで、実装面21に接する。図3に示すように、当該境界部分に、接着剤28によって形成される隙間があっても良い。また、当該境界部分は、例えば、密接した斜面42および実装面21の接触部分であっても良い。
ベース基板10の実装面21に、複数の窪み44が形成される。窪み44は、対応する圧電部材11の斜面42に隣接する、実装面21の一部である。すなわち、窪み44も第1の面の一例である。窪み44は、圧電部材11に沿って、ベース基板10の長手方向に延びる。なお、実装面21は窪み44を有さずとも良い。
圧電部材11の斜面42と、ベース基板10の窪み44とに、コーティング剤46が設けられる。コーティング剤46は、被覆部の一例である。コーティング剤46は、斜面42と、窪み44と、斜面42および窪み44の間で露出された接着剤28と、を覆う。斜面42および窪み44の間で露出された接着剤28は、第1の面と第2の面との境界部分の一例である。コーティング剤46は、斜面42および窪み44を覆うことで、表面46aを形成する。コーティング剤46の厚みは、例えば、約10μmである。
なお、コーティング剤46は、斜面42および窪み44の一部を覆い、斜面42および窪み44の他の部分を露出させても良い。反対に、コーティング剤46は、圧電部材11の斜面42以外の場所や、ベース基板10の窪み44以外の場所をさらに覆っても良い。例えば、コーティング剤46が、窪み44以外の実装面21の一部を覆っても良い。
コーティング剤46は、圧電部材11の斜面42以外の部分と、ベース基板10の窪み44以外の部分とを、覆わずに露出させる。言い換えると、コーティング剤46は、ベース基板10の一部と、圧電部材11の一部とを露出させる。例えば、圧電部材11の頂面41は、コーティング剤46に覆われず、剥き出しである。このため、頂面41が研磨される際に、コーティング剤46の粒子が生じることが抑制される。さらに、ベース基板10の供給口25、排出口26、および基準孔27も、コーティング剤46に覆われず、剥き出しである。
コーティング剤46は、例えばプライマー(下塗り剤、下地接着剤、下地密着剤)である。コーティング剤46は、プライマーに限らず、例えばエポキシ系接着剤、有機コーティング剤、または無機絶縁膜のような、他の材料であっても良い。
ベース基板10の実装面21と圧電部材11の斜面42とに、複数の配線パターン51が設けられる。配線パターン51は、配線の一例である。配線パターン51は、例えば無電解メッキによって形成されたニッケル(Ni)および金(Au)の薄膜である。
配線パターン51の一方の端部は、それぞれ圧電部材11の溝31に形成された電極33に接続される。図2に示すように、配線パターン51の他方の端部は、ベース基板10の実装面21の側端部に位置する。
図3に示すように、配線パターン51は、コーティング剤46に覆われた、圧電部材11の斜面42と、ベース基板10の窪み44とを通る。すなわち、配線パターン51の一部は、斜面42および窪み44に形成されたコーティング剤46の表面46aに形成される。言い換えると、コーティング剤46は、斜面42および窪み44と、当該斜面42および窪み44を通る配線パターン51と、の間に介在する。なお、窪み44と実装面21の側端部との間においては、配線パターン51は、実装面21に直接的に形成される。
コーティング剤46は、例えば、いわゆる平坦化性および密着性が良い材料によって形成される。このため、コーティング剤46の表面46aは、斜面42および窪み44よりも滑らかである。言い換えると、コーティング剤46の表面46aは、斜面42および窪み44よりも表面粗さが小さい。
さらに、コーティング剤46に形成された配線パターン51は、圧電部材11の斜面42およびベース基板10の窪み44に直接的に形成された配線パターンよりも剥がれ難い。言い換えると、配線パターンに下地から剥離させるような力が作用するとき、斜面42および窪み44に直接的に形成された配線パターンは、コーティング剤46に形成された配線パターン51よりも小さな力で剥がれる。また、コーティング剤46は、配線パターンよりも、斜面42および窪み44から剥がれにくい。
なお、コーティング剤46は、上記の特性を有するものに限らない。例えば、コーティング剤46は、斜面42および窪み44よりも表面粗さが大きくても良い。また、コーティング剤46は、斜面42および窪み44よりも配線パターン51が剥がれ易くとも良い。
図2に示すように、駆動部14は、実装面21の側端部において配線パターン51に電気的に接続される。駆動部14は、例えば異方性導電性フィルム(ACF)によって、配線パターン51に熱圧着接続される。
図1に示すように、駆動部14は、回路基板55と、一対のフィルムキャリアパッケージ(以下、FCPと称する)56とを有する。なお、FCP56は、テープキャリアパッケージ(TCP)とも称される。
回路基板55は、例えばコネクタのような複数の部品が実装されたプリント配線板である。FCP56は、柔軟性を有する樹脂製のフィルム57と、前記フィルム57に接続されたIC58とをそれぞれ有する。フィルム57は、テープオートメーテッドボンディング(TAB)である。IC58は、圧電部材11の電極33に駆動信号(電圧)を印加するための部品である。フィルム57は、回路基板55に接続されるとともに、上記ACFによって配線パターン51に接続される。
駆動部14は、前記インクジェットプリンタの制御部から入力される信号に基いて、配線パターン51を介して電極33に電圧を印加する。これにより、圧電部材11が溝31の容積を変動させるようにシェアモード変形する。当該容積変動によって、溝31に供給されたインクが加圧される。
ノズルプレート12は、例えばポリイミド製のフィルムである。なお、ノズルプレート12はこれに限らず、他の材料によって形成されても良い。ノズルプレート12は、フレーム13を介してベース基板10に取り付けられ、ベース基板10と対向する。さらに、ノズルプレート12は、圧電部材11の頂面41にも接着される。
ノズルプレート12に、複数のノズル(オリフィス、インク吐出口)61が設けられる。ノズル61は、ノズルプレート12に形成された孔である。図2に示すように、複数のノズル61は、複数の溝31にそれぞれ開口する。溝31で加圧されたインクは、対応するノズル61から吐出される。
図1に示すように、フレーム13は、枠状に形成される。フレーム13は、例えばニッケル合金によって形成される。フレーム13は、ノズルプレート12と、ベース基板10の実装面21とに、例えば絶縁性の接着剤によって接着される。フレーム13は、ノズルプレート12とベース基板10との間に介在する。
以下に、インクジェットヘッド1の製造工程の一部について例示する。まず、焼成前のセラミックスシート(セラミックスグリーンシート)で構成されるベース基板10に、プレス成形によって供給口25、排出口26、および基準孔27を形成する。続いて、このベース基板10を焼成する。
図4は、圧電部材11が貼り付けられたベース基板10を示す斜視図である。図4に示すように、加工前の圧電部材11である前記圧電板を、接着剤28によってベース基板10に接着する。当該圧電板の断面は、例えば矩形状である。一対の圧電部材11は、治具によって互いの距離が一定に維持される。また、一対の圧電部材11は、当該治具を介して位置決めされる。例えば前記圧電板が接着された後、接着剤28は熱硬化される。
次に、ベース基板10に接着された前記圧電板に研削加工を行う。なお、加工方法は研削に限らず、例えば切削であっても良い。例えば、研削砥粒を有した研削盤が、圧電板の角部分を研削する。前記研削盤は、図4の矢印で示すように、前記圧電板の長手方向(辺方向)に沿って進む。
図5は、加工された圧電部材11およびベース基板10を示す断面図である。図5において、加工前の圧電部材11およびベース基板10の外形が二点鎖線によって示される。前記研削盤は、圧電部材11の端部と、ベース基板10の実装面21と、を削り、圧電部材11の斜面42と、ベース基板10の窪み44とを形成する。これにより、圧電部材11の断面が台形状になる。
前記研削盤が圧電部材11を削る際、圧電部材11の斜面42や、ベース基板10の窪み44に、凹凸が形成される場合がある。例えば、図3に示すように、斜面42に加工痕D1や、チッピングD2が生ずる。さらに、斜面42と窪み44との境界部分に、オーバーハング部D3が生ずる。
加工痕D1は、例えば、前記研削盤の砥粒がある程度の粗さを有するために生じる。加工痕D1は、例えば、前記研削盤の加工方向である圧電部材11の長手方向に沿って延びる、筋状の溝である。なお、加工痕D1は溝に限らず、凸部でもあり得る。
チッピングD2は、例えば、圧電部材11の斜面42と底面43との間の陵部に生じる欠けである。チッピングD2は、斜面42と底面43との間の角度が鋭角である場合に生じる可能性がある。
オーバーハング部D3は、例えば、気泡を含む接着剤28が硬化された後、圧電部材11とともに削られることによって形成される凹部である。オーバーハング部D3は、圧電部材11の斜面42から凹む。
図6は、コーティング剤46が塗布された圧電部材11およびベース基板10を示す断面図である。図6に示すように、圧電部材11の斜面42と、ベース基板10の窪み44とにコーティング剤46を塗布する。
コーティング剤46は、例えば転写によって、圧電部材11の斜面42と、ベース基板10の窪み44とに塗布される。すなわち、斜面42および窪み44に対応した形状の部材(スタンプ)にコーティング剤46を塗布し、当該スタンプを斜面42および窪み44に貼り付ける。このような簡便な方法により、コーティング剤46が斜面42および窪み44を覆う。
なお、コーティング剤46の塗布方法は、転写に限らない。例えば、コーティング剤46を、例えば、噴射またはインクジェット印刷することで、コーティング剤46を塗布しても良い。さらに、ベース基板10および圧電部材11をコーティング剤46に浸漬するディップコーティングによって、コーティング剤46を塗布しても良い。圧電部材11の斜面42およびベース基板10の窪み44以外の部分は、例えばマスキングされることで、コーティング剤46に覆われず露出される。
上記のように、コーティング剤46は、圧電部材11の斜面42と、ベース基板10の窪み44とに、選択的に塗布される。このため、ベース基板10の供給口25、排出口26、および基準孔27は、コーティング剤46によって塞がれずに露出される。
図3に示すように、塗布されたコーティング剤46は、加工痕D1、チッピングD2、およびオーバーハング部D3を埋める。加工痕D1が凸部である場合でも、コーティング剤46が当該加工痕D1を覆う。コーティング剤46は、例えば熱硬化させられ、表面46aを形成する。
図7は、溝31が形成された圧電部材11と、ベース基板10とを示す断面図である。図7に示すように、圧電部材11に、複数の溝31を形成する。例えば、スライサのような切削加工機が、圧電部材11を切削し、溝31を形成する。
当該切削加工機は、圧電部材11の斜面42を覆うコーティング剤46をも切削する。このため、溝31は、頂面41と、コーティング剤46に覆われた斜面42とに開口する。
図8は、電極33および配線パターン51が形成されたベース基板10および圧電部材11を示す断面図である。図8に示すように、複数の電極33および複数の配線パターン51を形成する。例えば、圧電部材11およびベース基板10の表面に、スパッタリングによってニッケルを成膜する。当該ニッケルの上に、無電解メッキによってニッケルをさらに析出させる。これらのニッケルの上に、電解または無電解メッキによって金を析出させる。なお、例えば、コーティング剤46がニッケルメッキに対して十分な密着性が得られるようなプライマーであるとき、上記スパッタリング工程は省略できる。
圧電部材11およびベース基板10に上記ニッケルおよび金の金属膜を形成した後、当該金属膜の不要な部分を除去し、複数の電極33および複数の配線パターン51を形成する。例えば、レーザ照射によるパターニングにより、金属膜の不要な部分を除去する。また、フォトリソグラフィを利用するエッチングのような他の方法によって、金属膜の不要な部分を除去しても良い。
続いて、フレーム13をベース基板10に接着する。次に、フレーム13にノズルプレート12を接着する。ノズルプレート12は、フレーム13に接着されるとともに、圧電部材11の頂面41に接着される。
次に、フレーム13およびノズルプレート12を接着する接着剤を熱硬化させる。当該接着剤が硬化した後、ノズルプレート12にレーザを照射して複数のノズル61を形成する。なお、ノズル61が予め形成されたノズルプレート12を、フレーム13に接着しても良い。
次に、フレーム13の外に位置する配線パターン51に、駆動部14を取り付ける。さらに、ベース基板10にインクケース16を取り付ける。以上により、図1に示すインクジェットヘッド1が形成される。
上記実施形態のインクジェットヘッド1によれば、圧電部材11の斜面42およびベース基板10の窪み44と、当該斜面42および窪み44を通る配線パターン51と、の間に、コーティング剤46が介在する。これにより、斜面42および窪み44に凹凸が存在する場合であっても、コーティング剤46が当該凹凸を埋める。配線パターン51は、コーティング剤46の滑らかな表面46aに形成される。言い換えると、コーティング剤46は、配線パターン51の下地を平滑化する。
本実施形態の理解のため、コーティング剤46が存在せず、圧電部材11の斜面42およびベース基板10の窪み44に直接的に配線パターン51が形成される場合について説明する。なお、この場合の説明において、便宜上本実施形態のインクジェットヘッド1と同じ符号を用いるが、下記の説明は、本実施形態のインクジェットヘッド1についてなんら規定するものではない。
上述のように、電極33および配線パターン51となる金属膜が、例えばスパッタリングおよび無電解メッキによって、斜面42および窪み44に直接的に形成される。この際、当該金属膜は、加工痕D1、チッピングD2、およびオーバーハング部D3にも形成される。加工痕D1、チッピングD2、およびオーバーハング部D3のような凹部では、十分に金属膜が析出しない可能性がある。この場合、配線パターン51に断線が生じるおそれがある。
さらに、上記金属膜が形成された後、圧電部材11の陵部にチッピングD2が生じる可能性がある。この場合、圧電部材11の一部とともに金属膜の一部が剥落するため、配線パターン51の断線が生じるおそれがある。
また、例えばレーザーパターニングによって金属膜を除去する場合、レーザは、例えばベース基板10の実装面21に対して垂直に照射される。加工痕D1、チッピングD2、およびオーバーハング部D3に形成された金属膜は、照射されるレーザから隠れる位置に存在することがある。このため、当該金属膜がレーザによって除去されず、複数の配線パターン51の間で短絡が生じるおそれがある。
また、フォトリソグラフィを用いるエッチングによって前記金属膜を除去する場合、露光処理は、例えばベース基板10の実装面21に対して垂直に行われる。加工痕D1、チッピングD2、およびオーバーハング部D3に形成された金属膜は、照射光から隠れる位置に存在することがある。このため、露光パターン不良が生じ、複数の配線パターン51の間で短絡または断線が生じるおそれがある。
上記のような場合に対し、本実施形態のように、コーティング剤46の滑らかな表面46aに配線パターン51が設けられる場合、金属膜が表面46aに十分に析出し得る。また、圧電部材11の陵部はコーティング剤46によって覆われるため、当該陵部にチッピングD2が生じることが抑制される。さらに、コーティング剤46の表面46aが滑らかであるため、レーザや光が十分に照射され得る。したがって、配線パターン51に断線および短絡が生じることが抑制され、配線パターン51の信頼性を向上できる。
また、コーティング剤46は、ベース基板10の一部と、圧電部材11の一部とを露出させる。例えば、ベース基板10の供給口25、排出口26、および基準孔27や、圧電部材11の頂面41が露出される。このため、配線パターン51の信頼性を向上しつつ、例えば基準孔27によって、ベース基板10に他の部品を取り付ける際のアライメントを取ることができる。
コーティング剤46は、圧電部材11の斜面42とベース基板10の窪み44との境界部分を覆う。このため、圧電部材11の端部とベース基板10の実装面21とを研削盤で削る際に、当該境界部分に、例えば、チッピングD2や、オーバーハング部D3などが生じた場合であっても、コーティング剤46がチッピングD2およびオーバーハング部D3を埋め、平滑な表面46aを形成する。したがって、配線パターン51の断線および短絡を抑制できる。
コーティング剤46は、プライマーによって形成される。プライマーは、その上層である配線パターン51と、その下地であるベース基板10および圧電部材11との密着性を向上させる。これにより、配線パターン51の信頼性を向上できるとともに、例えばスパッタリングのような配線パターン51の形成工程を低減することができる。
複数の溝31は、コーティング剤46が塗布された後に形成される。溝31が形成された圧電部材11は、溝31が形成される前の圧電部材11よりも破損しやすくなるおそれがある。このため、コーティング剤46の塗布工程を溝31の形成工程の前に行うことで、圧電部材11が破損することを抑制できる。
以上述べた少なくとも一つのインクジェットヘッドによれば、配線と、基材の第1の面および圧電部材の第2の面と、の間に被覆部が介在する。これにより、配線の断線および短絡を防ぎ、配線の信頼性を向上できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態のインクジェットヘッド1はサイドシュータ型であったが、これに限らず、いわゆるエッジシュータ型のような他のインクジェットヘッドであっても良い。また、第2の面である斜面42は、第1の面である実装面21および窪み44に対して傾斜していたが、第2の面はこれに限らない。例えば、第2の面と第1の面とが同一平面を形成しても良い。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]第1の面を有した基材と、前記第1の面に隣接する第2の面を有して前記基材に付けられた圧電部材と、前記基材および前記圧電部材にあって、前記第1および第2の面を通る配線と、前記配線と前記第1および第2の面との間に介在し、前記基材の一部と前記圧電部材の一部とを露出させた被覆部と、を具備することを特徴とするインクジェットヘッド。
[2]前記被覆部が前記第1の面と前記第2の面との境界部分を覆うことを特徴とする[1]に記載のインクジェットヘッド。
[3]前記被覆部がエポキシ系樹脂または有機もしくは無機系プライマーであることを特徴とする[1]または[2]に記載のインクジェットヘッド。
[4]第1の面を有した基材に圧電部材を取り付け、前記基材の前記第1の面と、前記圧電部材と、を削り、前記圧電部材に前記第1の面に隣接する第2の面を形成し、前記第1および第2の面の隣接部分を含む少なくとも一部を覆い、前記基材の一部と前記圧電部材の一部とを露出させる被覆部を形成し、前記被覆部を含む前記第1および第2の面に配線を形成する、ことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
[5]前記被覆部が形成されてから、前記圧電部材に溝を形成することを特徴とする[4]に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
1…インクジェットヘッド、10…ベース基板、11…圧電部材、21…実装面、42…斜面、44…窪み、46…コーティング剤、51配線パターン。

Claims (5)

  1. 第1の面を有した基材と、
    前記第1の面に隣接する第2の面を有して前記基材に付けられた圧電部材と、
    前記基材および前記圧電部材にあって、前記第1および第2の面を通る配線と、
    前記配線と前記第1および第2の面との間に介在し、平坦化性および密着性が良い材料によって形成され、前記基材の一部と前記圧電部材の一部とを露出させ、かつ前記第1および第2の面よりも表面粗さが小さい被覆部と、
    を具備し、
    前記被覆部は、前記圧電部材の前記第2の面に形成された加工痕を覆うとともに、前記圧電部材の前記第2の面と前記基材との接触面との間の陵部に生じる欠けであるチッピング、または前記圧電部材の前記第2の面から凹むオーバーハング部のいずれかを覆うことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記被覆部が前記第1の面と前記第2の面との境界部分を覆うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記被覆部がエポキシ系樹脂または有機もしくは無機系プライマーであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 第1の面を有した基材に圧電部材を取り付け、
    前記基材の前記第1の面と、前記圧電部材と、を削り、前記圧電部材に前記第1の面に隣接する第2の面を形成し、
    平坦化性および密着性が良い材料によって形成され、前記第1および第2の面の隣接部分を含む少なくとも一部を覆い、前記基材の一部と前記圧電部材の一部とを露出させ、かつ前記第1および第2の面よりも表面粗さが小さい被覆部を形成し、
    前記被覆部によって前記圧電部材の前記第2の面に形成された加工痕を覆うとともに、前記圧電部材の前記第2の面と前記基材との接触面との間の陵部に生じる欠けであるチッピング、または前記圧電部材の前記第2の面から凹むオーバーハング部のいずれかを覆ったのち、
    前記被覆部を含む前記第1および第2の面に配線を形成する、
    ことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 前記被覆部が形成されてから、前記圧電部材に溝を形成することを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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