JP6162227B2 - 転写フィルムおよび光学フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、転写フィルムおよび光学フィルムに関する。
位相差板は、非常に多くの用途を有しており、既に反射型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、輝度向上膜、光ディスク用ピックアップやPS変換素子に使用されている。
このような位相差板としては、ディスコティック液晶化合物(円盤状液晶化合物)や棒状液晶化合物を所定の方向に配向させ固定化した光学異方性層をポリマーフィルム上に形成する位相差板が提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載されるように、通常、光学異方性層を形成する際には、セルローストリアセテートフィルムなどの透明支持体上に形成され、透明支持体と一体的に使用される。
それに対して、近年、表示装置などの電子機器の薄膜化が求められており、それに伴いこれらの機器に使用される部材の薄膜化が強く求められている。しかしながら、特許文献1に記載されるような透明支持体を使用する場合、透明支持体自体の薄膜化が難しく、昨今の要求に十分に応えることができなかった。
一方、光学異方性層の他の製造方法として、特許文献2に記載される転写法も開示されている。
特開2004−53841号公報 特開2013−7887号公報
本発明者らは、部材の薄膜化のために、特許文献1などで用いられる透明支持体を含まない位相差板の開発を目指して、特許文献2に記載される転写法について検討を行った。より具体的には、仮支持体上に薄膜の光学異方性層を形成して、その取扱い性について検討を行った。
上記検討を行ったところ、特許文献2の実施例で具体的に記載される光学異方性層と添加剤層とを備える積層膜では、膜自体がもろく破断してしまうため、それ自体を位相差板として使用することができないことを知見した。つまり、それ自体のみでは自立性の膜(フィルム)として使用できず、いわゆる自己支持性に劣る光学フィルムしか得られず、転写フィルムとしても使用できなかった。
本発明は、上記実情に鑑みて、薄く、自己支持性に優れる光学フィルムを付与できる転写フィルムを提供することを目的とする。
また、本発明は、薄く、自己支持性に優れる光学フィルムを提供することも目的とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、ポリオキシアルキレン鎖を所定量含む非熱可塑性アクリル樹脂層を用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 剥離性支持体と、剥離性支持体上に剥離可能に積層された光学フィルムとを備える、転写フィルムであって、
光学フィルムが、液晶化合物を含有する光学異方性層、および、光学異方性層に隣接する非熱可塑性アクリル樹脂層を備え、
非熱可塑性アクリル樹脂層中のアクリル樹脂が、ポリオキシアルキレン鎖を有し、
ポリオキシアルキレン鎖の含有量が、非熱可塑性アクリル樹脂層全質量に対して、8〜60質量%であり、
非熱可塑性アクリル樹脂層の厚みが5〜25μmであり、光学異方性層の厚みが0.1〜10μmであり、非熱可塑性アクリル樹脂層の厚みが、光学異方性層の厚みより厚い、転写フィルム。
(2) ポリオキシアルキレン鎖の含有量が、非熱可塑性アクリル樹脂層全質量に対して、12〜60質量%である、(1)に記載の転写フィルム。
(3) 剥離性支持体と、剥離性支持体上に剥離可能に積層された光学フィルムとを備える、転写フィルムであって、
光学フィルムが、液晶化合物を含有する光学異方性層、および、光学異方性層に隣接する非熱可塑性アクリル樹脂層を備え、
非熱可塑性アクリル樹脂層の厚みが5〜25μmであり、光学異方性層の厚みが0.1〜10μmであり、非熱可塑性アクリル樹脂層の厚みが、光学異方性層の厚みより厚く、
以下の曲げ試験Aから求められる光学フィルムの曲げ回数が10回以上である、転写フィルム。
(曲げ試験A:転写フィルムを10cm×10cmにカットし、水平な台上にカットされた転写フィルムを剥離性支持体が水平な台側を向くように配置し、転写フィルム中の光学フィルムを一辺側から他辺側までの長さの半分まで剥離性支持体から剥離して、光学フィルムの剥離部分を剥離性支持体に対して水平に戻した後、剥離部分の先端部を剥離部分が剥離性支持体に対して垂直となるまで持ち上げ、さらに剥離部分を元に位置に戻す処理を繰り返し、光学フィルムにクラックが入る曲げ処理の回数をNとして、(N−1)を曲げ回数とする。)
(4) 液晶化合物を含有する光学異方性層、および、光学異方性層に隣接する、非熱可塑性アクリル樹脂層を有し、
非熱可塑性アクリル樹脂層中のアクリル樹脂が、ポリオキシアルキレン鎖を有し、
ポリオキシアルキレン鎖の含有量が、非熱可塑性アクリル樹脂層全質量に対して、8〜60質量%であり、
非熱可塑性アクリル樹脂層の厚みが5〜25μmであり、光学異方性層の厚みが0.1〜10μmであり、非熱可塑性アクリル樹脂層の厚みが、光学異方性層の厚みより厚い、光学フィルム。
(5) ポリオキシアルキレン鎖の含有量が、非熱可塑性アクリル樹脂層全質量に対して、12〜60質量%である、(4)に記載の光学フィルム。
(6) 液晶化合物を含有する光学異方性層、および、光学異方性層に隣接する、非熱可塑性アクリル樹脂層を有し、
非熱可塑性アクリル樹脂層の厚みが5〜25μmであり、光学異方性層の厚みが0.1〜10μmであり、非熱可塑性アクリル樹脂層の厚みが、光学異方性層の厚みより厚く、
以下の曲げ試験Bから求められる曲げ回数が10回以上である、光学フィルム。
(曲げ試験B:光学フィルムを10cm×10cmにカットし、水平な台上にカットされた光学フィルムを配置した後、光学フィルムの一辺部側から他辺部側までの長さの半分までが台から離れるように、かつ、台から剥離した光学フィルム部分が台に対して垂直になるまで光学フィルムの一辺部を持ち上げ、その後元に戻す曲げ操作を繰り返し、光学フィルムにクラックが入る曲げ操作の回数をNとして、(N−1)を曲げ回数とする。)
本発明によれば、薄く、自己支持性に優れる光学フィルムを付与できる転写フィルムを提供することができる。
また、本発明によれば、薄く、自己支持性に優れる光学フィルムを提供することもできる。
本発明の転写フィルムの第1実施態様の断面図である。 本発明の転写フィルムの第1実施態様の他の態様の断面図である。 パターン光学異方性層の一例を示す平面図である。 本発明の転写フィルムから剥離性支持体を剥離する際の概略図である。 本発明の転写フィルムの第2実施態様の断面図である。 本発明の転写フィルムの第3実施態様の断面図である。 曲げ試験Aの実施方法を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。まず、本明細書で用いられる用語について説明する。
なお、本明細書では、「可視光」とは、380nm〜780nmのことをいう。また、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
また、本明細書において、角度(例えば「90°」等の角度)、およびその関係(例えば「垂直」、「直交」、「平行」、「同一方向」、および「45°で交差」等)については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。この時、許容される誤差としては、例えば、厳密な角度±10°以下の範囲内であることなどを意味し、具体的に厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
まず、本発明の転写フィルムの従来技術に対する特徴点について詳述する。
本発明の転写フィルムでは、剥離性支持体上に配置される光学フィルム中において、光学異方性層と隣接する非熱可塑性アクリル樹脂層を設けた点が挙げられる。上述したように、液晶化合物を含有する光学異方性層は、薄く、しかも、それ自体ではクラックが生じやすく、自己支持性に乏しい。そのため、従来は、厚さ80μm程度の透明支持体(例えば、タックフィルム)などで保護する事が一般的であった。一方、アクリル系モノマーを重合させて得られる非熱可塑性アクリル樹脂層は後述するように3次元架橋構造を有するため、高い硬度が得られ、塗布などにより厚さ10μm前後の膜を形成し、透明支持体などの表面を保護するハードコートとして使用されてきた。しかし、曲げるとクラックが入りやすく、かつ、透明支持体などから容易には剥離することができず、自己支持性のあるフィルムを作る観点では、その使用が適切でないと思われていた。
本発明者は、鋭意検討の結果、薄い光学異方性層に隣接する形で、所定量のポリオキシアルキレン鎖を含む所定の厚みの非熱可塑性アクリル樹脂層(ハードコート層)を設けることにより、上記課題を克服できることを見出している。より具体的には、上記光学異方性層と非熱可塑性アクリル樹脂層とはいずれもそれぞれ単独の層では比較的脆いにもかかわらず、両者を積層した光学フィルムでは柔軟性に富み、繰り返し曲げてもクラックなどが入りにくいことを見出している。このような光学フィルムであれば、仮支持体から容易に剥離することが可能となり、剥離後も反り(カール)の発生が抑制され平面性(平坦性)に優れたフィルムとして取り扱うことができる。
なお、本明細書において、自己支持性に優れるフィルムとは、フィルム自体の機械的強度にも優れ、ひびや裂けなどの発生が抑制され、自立膜として使用できるフィルムを意図し、特に、反り(カール)の発生も抑制された平坦性に優れるフィルムが好ましい。
また、本発明においては、転写フィルムおよび光学フィルムを所定の曲げ試験に供した際に所定の曲げ回数を示す転写フィルムおよび光学フィルムは、上記効果を奏することも見出している。
なお、本発明の転写フィルムの好適態様としては、剥離性支持体の上にまず液晶化合物を含有する光学異方性層を形成し、この上に、アクリル系モノマーを含有する層を塗布などで形成後、露光などにより重合させた非熱可塑性アクリル樹脂層を形成することにより形成される光学フィルムを備える転写フィルムが挙げられる。
<第1実施態様>
本発明における転写フィルムの第1実施態様の断面図を図1に示す。
なお、本発明における図は模式図であり、各層の厚みの関係や位置関係などは必ずしも実際のものとは一致しない。以下の図も同様である。
図1に示す転写フィルム10は、剥離性支持体12と、光学異方性層14と、非熱可塑性アクリル樹脂層16(以後、単に樹脂層とも称する)とをこの順で有する。光学異方性層14と樹脂層16とは、光学フィルム18を構成する。剥離性支持体12と光学フィルム18との界面の剥離強度は、光学異方性層14と樹脂層16との剥離強度よりも小さい。
なお、図1においては、光学フィルム18において剥離性支持体12側に光学異方性層14が配置されているが積層順番はこの態様に限定されず、図2に示すように、剥離性支持体12と、樹脂層16と、光学異方性層14とをこの順で有する転写フィルム100であってもよい。
以下では、転写フィルム10を構成する各部材について詳述する。
[剥離性支持体]
剥離性支持体(仮支持体とも称する)は、後述する光学フィルムを支持する基材であり、光学フィルム表面と剥離可能に密着する。後述するように、転写フィルムが使用される際には、剥離性支持体と光学フィルムとに分離される。
なお、剥離性支持体の「剥離性」とは、転写フィルムに光学フィルムを剥離するための外力を加えた場合、光学異方性層と樹脂層との界面で剥離すること無く、剥離性支持体と光学フィルムとの界面で剥離する性質を意味し、剥離性支持体と接する光学フィルムとの関係で決まる性質である。
剥離性支持体と光学フィルムとの剥離強度の関係を制御する方法は、公知の方法が採用できる。
例えば、光学異方性層を形成する際に、ポリビニルアルコール系配向膜などを用いる場合、および、該配向膜を硬膜させない場合においては、配向膜と光学異方性層との間で容易に剥離が生じる。この態様は後述する第2実施態様に該当し、この場合、配向膜は剥離性支持体の一部として含まれる。
また、上記配向膜を硬膜させている場合は、該配向膜と支持体の間で容易に剥離が生じる。この態様は後述する第3実施態様に該当し、この場合、配向膜は光学フィルムの一部として含まれる。
なお、配向膜は、他の材料との接着の補助に使うこともできるため、配向膜を剥離性支持体および光学フィルムのどちらに含ませるかは、その後の使い方に応じて適宜選択できる。
また、ポリエチレンテレフタレートなどの基材は、配向膜を設けずに、直接ラビングを施した後、光学異方性層を形成することができる。この場合、基材と光学異方性層の間で容易に剥離が生じる。
剥離性支持体を構成する材料としては、例えば、セルロース系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ラクトン環含有重合体等のアクリル酸エステル重合体を有するアクリル系ポリマー;熱可塑性ノルボルネン系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ポリマー;塩化ビニル系ポリマー;ナイロン、芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー;ポリフェニレンスルフィド系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマー;またはこれらのポリマーを混合したポリマーが挙げられる。
なかでも、剥離性が優れると共に、直接ラビング処理を実施することが可能である点から、ポリエステル系ポリマーが好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
剥離性支持体の厚みは特に制限されないが、転写フィルムの取扱い性に優れる点から、10〜150μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
なお、剥離性支持体は1層で構成されていても、後述するように、2層以上の積層構造であってもよい。
[光学フィルム]
光学フィルムは、上記剥離性支持体上に剥離可能に積層され、位相差板として機能する。光学フィルムは、互いに隣接する光学異方性層と樹脂層とを少なくとも有する。後述するように、光学フィルムは剥離性支持体から剥離して使用され、表示装置などに貼り合わされて使用される。
以下、光学フィルムに含有される光学異方性層および樹脂層について詳述する。
(光学異方性層)
光学フィルムにおける光学異方性層は、液晶化合物を含む光学異方性層である。
光学フィルムを円偏光板に用いる場合、より正確な円偏光に近づけられるという理由から、光学異方性層は位相差がλ/4程度である位相差領域を有することが好ましく、具体的には、波長550nmで測定した面内レタデーション(Re(550))が、110〜165nmであることが好ましく、115〜150nmであることがより好ましく、120〜145nmであることが特に好ましい。
なお、本明細書において、Re(λ)およびRth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレタデーション、及び、厚さ方向のレタデーションを表す。Re(λ)およびRth(λ)はKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
光学異方性層は、右回りの円偏光と左回りの円偏光とをそれぞれ作り出せるという理由から、面内遅相軸方向および面内レタデーションの少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域および第2位相差領域を含み、かつ、第1位相差領域および第2位相差領域が、面内において交互に配置されているパターン光学異方性層であることも好ましい。より具体的には、図3に示すように、光学異方性層140における第1位相差領域140aおよび第2位相差領域140bの位相差がそれぞれλ/4程度であり、面内遅相軸142aおよび142bの方向が90°異なっている態様が挙げられる。
このような光学異方性層を有する光学フィルムは、3D画像表示装置の中でもいわゆるFPR方式(Film Patterned Retarder方式)に好適に用いられる。
光学異方性層に含まれる液晶化合物の種類は特に制限されないが、液晶化合物の形状から棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(ディスコティック液晶化合物(円盤状液晶化合物))に分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶性化合物を用いることもでき、2種以上の棒状液晶化合物、2種以上の円盤状液晶化合物、または棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。上述の液晶化合物の固定化のために、光学異方性層は重合性基を有する液晶化合物(棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物)を用いて形成されることがより好ましい。液晶化合物が重合性基を有する場合、1分子中に重合性基を2以上有することが好ましい。なお、重合性基の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基が好ましい。より具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などが好ましく挙げられ、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。なお、(メタ)アクリロイル基とは、メタアクリロイル基およびアクリロイル基を包含する概念である。
液晶化合物が2種類以上の混合物の場合には、少なくとも1種類の液晶化合物が1分子中に2以上の重合性基を有していることが好ましい。
棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報の請求項1や特開2005−289980号公報の段落[0026]〜[0098]に記載のものを好ましく用いることができ、ディスコティック液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報の段落[0020]〜[0067]や特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
上述した光学異方性層における位相差をλ/4程度とするために、液晶化合物の配向状態を制御することがある。このとき、棒状液晶化合物を用いる場合には、棒状液晶化合物を水平配向した状態で固定化するのが好ましく、ディスコティック液晶化合物を用いる場合には、ディスコティック液晶化合物を垂直配向した状態で固定化するのが好ましい。なお、本発明において、「棒状液晶化合物が水平配向」とは、棒状液晶化合物のダイレクタと層面が平行であることを言い、「ディスコティック液晶化合物が垂直配向」とは、ディスコティック液晶化合物の円盤面と層面が垂直であることを言う。厳密に水平、垂直であることを要求するものではなく、それぞれ正確な角度から±20°の範囲であることを意味するものとする。±5°以内であることが好ましく、±3°以内であることがより好ましく、±2°以内であることがさらに好ましく、±1°以内であることが最も好ましい。
また、液晶化合物を水平配向、垂直配向状態とするために、水平配向、垂直配向を促進する添加剤(配向制御剤)を使用してもよい。添加剤としては各種公知のものを使用できる。
光学異方性層の厚みは、0.1〜10μmであり、薄膜化の点から、0.5〜5μmであるのが好ましい。
なお、光学異方性層は単層構造であっても、積層構造であってもよい。積層構造の場合、その合計厚みが上記範囲内である。
なお、本発明の光学フィルムを捩れ配向モード液晶表示装置の光学補償フィルムとして用いる場合は、ハイブリッド配向状態に固定された光学異方性層が好ましく、例えば、特開2012−3183号公報の段落[0123]〜[0126]に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
(非熱可塑性アクリル樹脂層)
非熱可塑性アクリル樹脂層(樹脂層)は、上記光学異方性層に隣接して配置される層であり、光学フィルムの自己支持性の機能を担保するための層である。非熱可塑性アクリル樹脂層は、架橋構造(いわゆる3次元網目構造)を有しているために、層厚が薄くとも優れた機械的強度を有する。
なお、本発明で非熱可塑性であるとは、融点測定器で融点を測定した場合に、200℃以下で融解挙動を示さないことをいう。つまり、融点が200℃超であることを意図する。なお、非熱可塑性アクリル樹脂層は、200℃超に加熱しても明確な融点がなく、軟化するものの融解には至らず、変色したり収縮したりすることがある。
融点測定は、毛細管と二重管温度計で測定する方法や、金属ヒートブロックを昇温し、目視や、光学的に変化を検出する方法などがある。
樹脂層には、アクリル樹脂が含有される。なお、アクリル樹脂は、3次元網目構造を形成するように、架橋されている。つまり、架橋点を有する架橋構造を有する。
アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル単量体((メタ)アクリルモノマー)の重合体である。ここで、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタアクリルを含む概念である。つまり、(メタ)アクリル単量体は、アクリル単量体とメタアクリル単量体とを含む概念である。なお、単量体は、低分子化合物(分子量2000以下の化合物を意図する)でも高分子化合物(分子量2000超の化合物を意図する。なかでも、2000超20000以下が好ましい)でもよく、塗布性など、取扱い性に優れる点で、低分子化合物(分子量2000以下)が好ましい。
使用される(メタ)アクリル単量体の種類は特に制限されないが、アクリロイルオキシ基およびメタアクリロイルオキシ基からなる群より選択される官能基を2個以上含む多官能(メタ)アクリル単量体が好ましく使用される。具体的な好適例としては、アルキレンジ(メタ)アクリレート(例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート)、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリイソプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールモノヒドロキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトール(モノヒドロキシ)ペンタ(メタ)アクリレート等のペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。なかでも、光学フィルムの自己支持性がより優れる点で、ポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン鎖を含むジ(メタ)アクリル単量体(ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート)が好ましい。
多官能(メタ)アクリル単量体は単独で使用しても、二種以上を混合して使用してもよい。
アクリル樹脂を製造する際には、上記多官能(メタ)アクリル単量体以外の単量体が使用されていてもよい。
例えば、アクリロイルオキシ基またはメタアクリロイルオキシ基を一つ有する(メタ)アクリル単量体を使用することもできる。
また、(メタ)アクリル単量体以外の他の単量体を使用してもよい。例えば、スチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、イソプロピルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどのスチレン系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニル系単量体等が挙げられる。
アクリル樹脂を製造する際には、重合開始剤を使用してもよい。使用される重合開始剤の種類は、重合様式に応じて適宜最適な化合物が選択される。例えば、熱重合開始剤および光重合開始剤などが挙げられる。重合開始剤は、樹脂層を形成する際の組成物に含まれていてもよい。
樹脂層には、上述したアクリル樹脂以外の他の成分(例えば、フィラー(微粒子など)、可塑剤、紫外線防止剤など)が含まれていてもよい。
樹脂層中のアクリル樹脂はポリオキシアルキレン鎖を有し、ポリオキシアルキレン鎖の含有量は、樹脂層全質量に対して、8〜60質量%である。なかでも、光学フィルムの自己支持性がより向上すると共に、光学フィルムの剥離性支持体からの剥離性がより優れる点で、12〜60質量%が好ましく、12〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
上記含有量が8質量%未満の場合、光学フィルムが脆く、自己支持性に劣る。上記含有量が60質量%超の場合、光学フィルムが反りやすくなり、平坦性が悪化し、結果として自己支持性に劣る。
なお、樹脂層中におけるポリオキシアルキレン鎖の含有量の測定方法は特に制限されず、例えば、仕込み量から計算できる。また、公知の方法・装置により測定できる。
ポリオキシアルキレン鎖(ポリオキシアルキレン基)とは、オキシアルキレン基(−O−R−、R:アルキレン基)を繰り返し単位として有する基である。
オキシアルキレン基としては、炭素原子数が2〜6のオキシアルキレン基が好ましく、オキシエチレン基およびオキシプロピレン基がより好ましい。一つのポリオキシアルキレン鎖中に、種類の異なるオキシアルキレン基を含まれていてもよい。
オキシアルキレン基の繰り返し数は特に制限されないが、光学フィルムの自己支持性がより優れる点で、2〜30が好ましく、4〜20がより好ましい。
なお、樹脂層中にポリオキシアルキレン鎖を導入する方法としては、例えば、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル単量体を用いて、樹脂層を形成する方法が挙げられる。
樹脂層の厚みは5〜25μmであり、光学フィルムの薄膜化および光学フィルムの自己支持性のバランスの点から、5〜15μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。
なお、樹脂層の厚みは、上述した光学異方性層の厚みより厚い。樹脂層の厚みが光学異方性層の厚み以下の場合、光学フィルムの自己支持性に劣る。
光学フィルムの好適態様の一つとしては、光学異方性層が、重合性基を有する液晶化合物を含有する組成物Aに硬化処理を施し形成された層であり、非熱可塑性アクリル樹脂層が、(メタ)アクリル単量体を含有する組成物Bに硬化処理を施し形成される層である態様が挙げられる。
また、転写フィルム中の光学フィルムの態様としては、後述する曲げ試験Aより求められる曲げ回数が10回以上である態様が挙げられ、曲げ回数が15回以上であることがより好ましい。上記態様であれば、光学フィルムの屈曲性がより優れ、結果として自己支持性がより優れる。
以下、曲げ試験Aに関して、図7を用いて詳述する。
まず、上述した剥離性支持体12と光学フィルム18とを含む転写フィルム10を縦:10cm×横:10cmにカット(裁断)し、カットされた転写フィルム10を水平な台上(図示しない)上に配置する(図7(A))。なお、その際、剥離性支持体12が台側を向くように、転写フィルム10を配置する。次に、光学フィルム18の一辺部18a側から他辺部18b側までの長さLの半分の位置(L/2)まで、光学フィルム18を剥離性支持体12から剥離する(図7(B))。その後、光学フィルム18の剥離部分18cを、剥離前の剥離性支持体12に対して水平の状態に戻す(図7(C))。次に、光学フィルム18の剥離部分18cの先端部を、剥離部分18cが剥離性支持体12に対して垂直となるまで持ち上げ(図7(D))、さらに剥離部分18cを元の位置に戻す(言い換えれば、剥離部分18cを剥離性支持体12に対して水平になるように戻す)(図7(E))曲げ処理を繰り返す。上記曲げ処理(図7(C)から(E)の処理)は、光学フィルム18上にクラックが目視にて確認されるまで繰り返す。なお、クラックは特に、光学フィルム18を一辺部18aと他辺部18bとの間の中央部に発生しやすい。所定回数N後の曲げ処理の際に光学フィルム18上にクラックが確認された場合、(N−1)回を上記曲げ回数とする。例えば、11回目の曲げ処理終了後にクラックが確認された場合は、10回目を上記曲げ回数とする。
また、上述した光学フィルムの他の態様としては、後述する曲げ試験Bより求められる曲げ回数が10回以上である態様が挙げられ、曲げ回数が15回以上であることがより好ましい。上記態様であれば、光学フィルムの屈曲性がより優れ、結果として自己支持性がより優れる。
曲げ試験Bは、光学フィルムを10cm×10cmにカットし、水平な台上にカットされた光学フィルムを配置した後、光学フィルムの一辺部側から他辺部側までの長さの半分までが台から離れるように、かつ、台から剥離した光学フィルム部分が台に対して垂直になるまで、光学フィルムの一辺部を持ち上げ、元に戻す曲げ操作を繰り返す。なお、曲げ試験Bの上記操作は、上記図7(C)〜(E)に示す態様のように、光学フィルムの一辺部を持ち上げ、元に戻す曲げ操作を繰り返す。所定回数N後の曲げ処理の際に光学フィルム上にクラックが確認された場合、(N−1)回を上記曲げ回数とする。例えば、11回目の曲げ処理終了後にクラックが確認された場合は、10回目を上記曲げ回数とする。
転写フィルム10において、上述したように、剥離性支持体12と光学フィルム18との界面の剥離強度は、光学異方性層14と樹脂層16との剥離強度よりも小さい。言い換えると、図1では、剥離性支持体12と光学異方性層14との界面の剥離強度は、光学異方性層14と樹脂層16との剥離強度よりも小さい。
より具体的には、剥離性支持体12と光学フィルム18の界面は剥離強度(x)を有し、剥離性支持体12と光学フィルム18の界面に剥離強度(x)を越える引き剥がし方向の応力が加えられると、剥離性支持体12と光学フィルム18の界面が剥離する。また、光学異方性層14と樹脂層16の界面は剥離強度(y)を有し、光学異方性層14と樹脂層16の界面に剥離強度(y)を越える引き剥がし方向の応力が加えられると、光学異方性層14と樹脂層16の界面が剥離する。
転写フィルム10においては、上記剥離強度(x)は上記剥離強度(y)よりも小さい。したがって、転写フィルム10に剥離性支持体12と光学フィルム18とを引き剥がす方向の応力が加えられると、剥離性支持体12と光学フィルム18の界面で剥離して、剥離性支持体12と光学フィルム18に分離する。
上記関係を満たす方法は特に制限されないが、後述する転写フィルムの製造方法で述べるように、剥離性支持体上で重合性基を有する液晶化合物を含有する組成物Aより光学異方性層を形成し、その後光学異方性層上で(メタ)アクリル単量体を含有する組成物Bより樹脂層を形成する方法が挙げられる。この方法によれば、光学異方性層上で(メタ)アクリル単量体の重合を行う際に、光学異方性層表面上に残存している重合性基と(メタ)アクリル単量体中に含まれる重合性基((メタ)アクリロイルオキシ基)とが反応し、光学異方性層と樹脂層との間で強固な結合が生じ、結果として上記剥離強度(x)は上記剥離強度(y)よりも小さくなる。
剥離強度の関係を調整する方法としては他の方法であってもよく、上記剥離性支持体の説明欄で述べた方法も使用できる。
[転写フィルムの製造方法]
上述した図1に示す転写フィルム10の製造方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。なかでも、剥離性支持体と光学フィルムとの剥離性がより優れる点で、以下の工程を備える方法が好ましい。
工程1:剥離性支持体表面にラビング処理を施す工程
工程2:剥離性支持体上に重合性基を有する液晶化合物を含有する組成物Aを塗布して塗膜を形成し、塗膜に対して硬化処理を施して、光学異方性層を形成する工程
工程3:光学異方性層上に(メタ)アクリル単量体を含有する組成物Bを塗布して塗膜を形成し、塗膜に対して硬化処理を施して、樹脂層を形成する工程
以下、上記工程の手順について詳述する。
(工程1)
工程1は、剥離性支持体表面にラビング処理を施す工程である。本工程を実施することにより、剥離性支持体上に形成される光学異方性層中の液晶化合物の配向方向を制御することができる。なお、剥離性支持体表面上がすでに所望の表面状態であれば、工程1は実施しなくてもよい。
ラビング処理の方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、剥離性支持体の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さおよび太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。なお、ラビング処理の一般的な方法については、例えば、「液晶便覧」(丸善社発行、平成12年10月30日)に記載されている。
また、ラビング処理の際の条件としては、特許4052558号の記載を参照することもできる。
(工程2)
工程2は、上記配向処理が施された剥離性支持体上に重合性基を有する液晶化合物を含有する組成物Aを塗布して塗膜を形成し、塗膜に対して硬化処理を施して、光学異方性層を形成する工程である。
組成物A中で使用される重合性基を有する液晶化合物の定義は、上述の通りである。
組成物Aには、必要に応じて、液晶化合物以外の成分(例えば、溶媒(水および/または有機溶媒)、重合開始剤、配向制御剤(例えば、垂直配向促進剤)など)が含まれていてもよい。
組成物Aを剥離性支持体上に塗布する方法は特に制限されず、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
剥離性支持体上に形成される塗膜(組成物A塗膜)の厚みは特に制限されず、上述した厚みの光学異方性層が形成されるように調整されることが好ましい。
塗膜に対して施される硬化処理としては、重合性基の重合を進行させることができれば、その手順は特に制限されないが、通常、加熱処理または光照射処理(紫外線照射、電子線照射など)が実施される。
加熱処理が実施される場合は、組成物Aに熱重合開始剤を適当量含有させて、90〜150℃で10〜120分時間加熱処理を実施することが好ましい。
また、光照射処理が実施される場合は、組成物Aに光重合開始剤を適当量含有させて、各種光照射を実施することが好ましい。
上記処理を施すことにより、液晶化合物を所定の配向状態で固定化することができる。
なお、光学異方性層として、パターン光学異方性層を形成してもよい。
パターン光学異方性層の形成方法としては、各種公知の方法を用いて形成できる。例えば、液晶化合物の配向を制御する複数の作用を利用し、その後、外部刺激(熱処理等)によりいずれかの作用を消失させて、所定の配向制御作用を支配的にする方法である。例えば、剥離性支持体による配向制御能と、液晶化合物中に添加される配向制御剤の配向制御能との複合作用により、液晶化合物を所定の配向状態とし、それを固定して一方の位相差領域を形成した後、外部刺激(熱処理等)により、いずれかの作用(例えば配向制御剤による作用)を消失させて、他の配向制御作用(剥離性支持体による作用)を支配的にし、それによって他の配向状態を実現し、それを固定して他方の位相差領域を形成する。この方法の詳細については、特開2012−008170号公報の段落[0017]〜[0029]に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
(工程3)
工程3は、上記工程2で形成された光学異方性層上に(メタ)アクリル単量体を含有する組成物Bを塗布して塗膜を形成し、塗膜に対して硬化処理を施して、樹脂層を形成する工程である。
組成物B中で使用される(メタ)アクリル単量体の定義は、上述の通りである。
組成物Bには、必要に応じて、(メタ)アクリル単量体以外の成分(例えば、溶媒(水および/または有機溶媒)、重合開始剤など)が含まれていてもよい。
組成物Bを光学異方性層上に塗布する方法は特に制限されず、公知の方法(例えば、上述した方法)により実施できる。
剥離性支持体上に形成される塗膜(組成物B塗膜)の厚みは特に制限されず、上述した厚みの樹脂層が形成されるように調整されることが好ましい。
塗膜に対して施される硬化処理としては、(メタ)アクリル単量体中のアクリロイルオキシ基またはメタアクリロイルオキシ基の重合を進行させることができれば、その手順は特に制限されないが、通常、加熱処理または光照射処理(紫外線照射、電子線照射など)が実施される。加熱処理および光照射処理の好適態様は、上記工程2と同様である。
上記工程1〜工程3を実施することにより、図1に示す転写フィルム10を製造することができる。上述したように、この製造方法を実施すると、工程3の際に、工程2の後に光学異方性層の表面上に残存する重合性基と、組成物B中の(メタ)アクリル単量体中のアクリロイルオキシ基またはメタアクリロイルオキシ基とが反応することが可能となり、光学異方性層と樹脂層との間で共有結合が形成され、両者の密着性がより向上する。結果として、光学フィルムの剥離性支持体からの剥離がより容易に実施できる。
なお、上記工程を実施する際、光学異方性層の樹脂層側の表層部に(メタ)アクリル単量体が浸透して、光学異方性層の表層に一部アクリル樹脂が含まれる領域が生じる場合もある。
上記では図1の態様の製造方法について詳述したが、図2の態様の光学フィルムの製造方法としては、上記工程2と3との順序を逆にすることにより、製造することができる。
[転写フィルムの使用方法]
上述した転写フィルムを使用する際には、図4に示すように、剥離性支持体12と光学フィルム18との間の界面を剥離面として、両者が分離される。分離の手順は特に制限されないが、剥離性支持体12と光学フィルム18との間につめを差し込んで剥離のきっかけを与え、その後剥離性支持体12を光学フィルム18から遠ざかるように湾曲変形させながら、両者を分離する方法が挙げられる。
分離された光学フィルムは、偏光膜と貼り合わされて円偏光板として使用することもできる。貼り合せの際には、必要に応じて、公知の粘着剤層を使用することができる。なお、粘着剤層としては、例えば、動的粘弾性測定装置で測定した貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比(tanδ=G”/G’)が0.001〜1.5である物質のことを表し、いわゆる、粘着剤やクリープしやすい物質等が含まれる。粘着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系粘着剤が挙げられるが、これに限定されない。
製造された円偏光板は、表示装置(例えば、LCDやOLED)の表示面側上に配置され、反射防止機能を付与することができる。
また、透過モードの液晶パネル等、画像表示パネルの視認側に画像表示のための偏光子を有する態様では、その偏光子上に直接上記光学フィルムを貼り合せて使用してもよい。
<第2実施態様>
次に、本発明の転写フィルムの第2実施態様について詳述する。
図5に示す転写フィルム200は、基材20と、配向膜22と、光学異方性層14と、樹脂層16とをこの順で有する。本態様においては、基材20と配向膜22とが剥離性支持体120を構成し、光学異方性層14と樹脂層16とが光学フィルム18を構成する。本態様においては、剥離性支持体120と光学フィルム18との界面の剥離強度は、光学異方性層14と樹脂層16との界面の剥離強度よりも小さい。つまり、配向膜22と光学異方性層14との界面の剥離強度は、光学異方性層14と樹脂層16との界面の剥離強度よりも小さい。
本態様においては、配向膜22を設けることにより、光学異方性層14中の液晶化合物の配向状態をより厳密に制御することができる。
図5に示すように、転写フィルム200は、基材20および配向膜22の点を除いて、転写フィルム10と同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略し、以下では基材20および配向膜22について詳述する。
[基材]
基材は、後述する配向膜を支持するためのものであり、その種類は特に制限されない。
基材を構成する材料としては、上述した剥離性支持体を構成する材料などが挙げられる。
基材の厚みは特に制限されないが、転写フィルムの取扱い性に優れる点から、20〜100μmが好ましく、40〜80μmがより好ましい。
なお、基材は1層で構成されていても、2層以上の積層構造であってもよい。
[配向膜]
配向膜は、上記基材上に配置される層であり、光学異方性層中の液晶化合物の配向方向を制御する層である。配向膜は、基材と共に光学フィルムから分離される。
使用される配向膜の種類は特に制限されず、上述した光学フィルムとの剥離関係を満たすものであればよい。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成等の手段で設けることができる。さらには、電場の付与、磁場の付与、或いは光照射により配向機能が生じる配向膜も知られている。配向膜のなかでも、ラビング処理によって、液晶化合物の配向規制能を有するように処理された層(以後、ラビング配向膜とも称する)が好ましい。特に、ラビング配向膜は、ポリマーの膜の表面に、ラビング処理により形成するのが好ましい。ラビング配向膜には、液晶化合物を配向規制する配向軸があり、当該配向軸に従って、液晶化合物は配向する。
なお、ラビング処理の方法は、上記第1実施態様で述べた方法が挙げられる。
配向膜用ポリマーとしては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。本発明において利用されるポリマーは、ポリビニルアルコールまたはポリイミド、および、その誘導体が好ましい。特に、変性または未変性のポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールは、種々の鹸化度のものが存在する。本発明では、鹸化度85〜99程度のものを用いるのが好ましい。市販品を用いてもよく、例えば、「PVA103」、「PVA203」(クラレ社製)等は、上記鹸化度のPVAである。ラビング配向膜については、WO01/88574A1号公報の43頁24行〜49頁8行、特許第3907735号公報の段落番号[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコールを参照することができる。
配向膜の厚さは、特に制限されないが、薄膜化の観点から、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがより好ましい。
上述したように、本態様においては、剥離性支持体と光学フィルムとの界面の剥離強度は、光学異方性層と樹脂層との界面の剥離強度よりも小さい。つまり、配向膜と光学異方性層との界面の剥離強度は、光学異方性層と樹脂層との界面の剥離強度よりも小さい。
このような剥離強度の関係を満たす方法は特に制限されず、例えば、配向膜の表面を剥離剤で処理する方法や、各層に使用する材料の種類を調整する方法などが挙げられる。また、上述した工程2〜3により光学異方性層および樹脂層を製造することにより、光学異方性層と樹脂層との剥離強度を、配向膜と光学異方性層との剥離強度よりも相対的に高めることもできる。
なお、本態様においては、剥離性支持体と光学フィルムとの界面の剥離強度は、配向膜と基材との剥離強度よりも小さいことが好ましい。上記関係を満たせば、配向膜と基材とを一体的に光学フィルムより分離することができ、作業効率が向上する。
上記態様において、基材と配向膜との組み合わせとしては、基材として鹸化処理が施されたセルロースアシレートフィルムを使用し、配向膜に含まれる材料として重合性基を有しないポリビニルアルコールを使用することが好ましい。基材として、上記セルロースアシレートフィルムを使用することにより、ポリビニルアルコールなどの親水性材料を含む配向膜との密着性がより向上し、基材と配向膜との界面での剥離がより生じにくくなる。結果として、配向膜と光学フィルムとの間の界面で剥離が進行しやすくなる。
本発明の転写フィルムの第2実施態様の製造方法は特に制限されず、公知の方法が採用できる。なかでも、光学フィルムの剥離性がより優れる点で、以下の工程を備える方法が好ましい。
工程10:基材上に配向膜を形成する工程
工程11:配向膜上にラビング処理を施す工程
工程12:ラビング処理が施された配向膜上に重合性基を有する液晶化合物を含有する組成物Aを塗布して塗膜を形成し、塗膜に対して硬化処理を施して、光学異方性層を形成する工程
工程13:光学異方性層上に(メタ)アクリル単量体を含有する組成物Bを塗布して塗膜を形成し、塗膜に対して硬化処理を施して、樹脂層を形成する工程
上記工程11〜13は、それぞれ上記工程1〜3の手順と同じであり、説明を省略する。以下に、工程10の手順について詳述する。
工程10は、基材上に配向膜を形成する工程である。
配向膜を形成する方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、基材上に配向膜を形成する材料を含む組成物(配向膜形成用組成物)を塗布して、必要に応じて、硬化処理を施す方法が挙げられる。
なお、第2実施態様において、光学異方性層としてパターン光学異方性層を形成する際には、配向膜としてパターン配向膜を利用する態様がある。この態様では、互いに異なる配向制御能を有するパターン配向膜を形成し、その上に、液晶化合物を配置し、液晶化合物を配向させる。液晶化合物は、パターン配向膜のそれぞれの配向制御能によって、互いに異なる配向状態を達成する。それぞれの配向状態を固定することで、配向膜のパターンに応じて第1および第2の位相差領域のパターンが形成される。パターン配向膜は、印刷法、ラビング配向膜に対するマスクラビング、光配向膜に対するマスク露光等を利用して形成することができる。大掛かりな設備が不要である点や製造容易な点で、印刷法を利用する方法が好ましい。この方法の詳細については、特開2012−032661号公報の段落[0166]〜[0181]に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
また、他の方法としては、例えば、配向膜中に光酸発生剤を添加する態様である。この例では、配向膜中に光酸発生剤を添加し、パターン露光により、光酸発生剤が分解して酸性化合物が発生した領域と、発生していない領域とを形成する。光未照射部分では光酸発生剤はほぼ未分解のままであり、配向膜材料、液晶化合物、および必要に応じて添加される配向制御剤の相互作用が配向状態を支配し、液晶化合物を、その遅相軸がラビング方向と直交する方向に配向させる。配向膜へ光照射し、酸性化合物が発生すると、その相互作用はもはや支配的ではなくなり、ラビング配向膜のラビング方向が配向状態を支配し、液晶化合物は、その遅相軸をラビング方向と平行にして平行配向する。配向膜に用いられる光酸発生剤としては、水溶性の化合物が好ましく用いられる。使用可能な光酸発生剤の例には、Prog. Polym. Sci., 23巻、1485頁(1998年)に記載の化合物が含まれる。光酸発生剤としては、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩およびスルホニウム塩が特に好ましく用いられる。この方法の詳細については、特願2010−289360号明細書に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
<第3実施態様>
次に、本発明の転写フィルムの第3実施態様について詳述する。
図6に示す転写フィルム300は、剥離性支持体12と、配向膜22と、光学異方性層14と、樹脂層16とをこの順で有する。本態様においては、配向膜22と、光学異方性層14と、樹脂層16とが光学フィルム180を構成する。本態様においても、剥離性支持体12と光学フィルム180との界面の剥離強度は、光学異方性層14と樹脂層16との界面の剥離強度、および、配向膜22と光学異方性層14との界面の剥離強度よりも小さい。言い換えれば、剥離性支持体12と配向膜22との界面の剥離強度は、光学異方性層14と樹脂層16との界面の剥離強度、および、配向膜22と光学異方性層14との界面の剥離強度よりも小さい。
本態様においては、配向膜22を設けることにより、光学異方性層14中の液晶化合物の配向状態をより厳密に制御することができる。
転写フィルム300中で使用される各部材は、上述の通りである。
本実施態様において、上述した剥離強度の関係を満たす方法は、特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、後述するように配向膜を形成する際に、重合性基を有する配向剤を用いて配向膜を形成し、その後上述した工程2〜3を実施する方法が挙げられる。この方法によれば、配向膜上に光学異方性層を形成する際に、配向膜表面上に残存する配向剤の重合性基と、液晶化合物の重合性基とが反応して化学結合が形成され、配向膜と光学異方性層との密着性がより向上する。つまり、配向膜と光学異方性層との界面の剥離強度と、光学異方性層と樹脂層との界面の剥離強度を、剥離性支持体と配向膜との剥離強度に対して相対的に高めることができる。
また、上述したように、剥離性支持体表面を公知の剥離剤で処理して、剥離性支持体と配向膜との剥離強度を低下させる方法もある。
本態様における配向膜は、配向膜と光学異方性層との間の密着性を確保するために、分子内に重合性基を有するポリビニルアルコール(以下、「重合性PVA」とも称する)を含有する組成物から形成されるのが好ましい。重合性PVAを含有する配向膜上で、重合性基を有する液晶化合物を配向させ、重合によりその配向状態を固定して、光学異方性層等を形成すると、光学異方性層と配向膜との界面に化学結合が形成され、密着性が向上する。重合性PVAとしては、重合性基を有する繰り返し単位を含むPVA、および重合性基を有する化合物をPVAまたは変性PVAと反応させて得られるPVAが含まれる。
重合性PVAが有する重合性基は、液晶化合物に含まれる重合性基の種類に応じて選択するのが好ましい。液晶化合物に含まれる重合性基が不飽和二重結合基である場合、重合性PVAに含まれる重合性基も不飽和二重結合基であることが好ましい。
重合性PVAは、平均鹸化度が95%以下であることが好ましく、90モル%以下であることがより好ましい。重合性PVAの平均鹸化度は、70%程度以上であるのが好ましい。
重合性PVAの平均重合度は800以下が好ましく、600以下がより好ましく、400以下が特に好ましい。
配向膜が重合性PVAを含有する組成物から形成される場合、剥離性支持体としては鹸化処理が施されていないセルロースアシレートフィルム(未鹸化セルロースアシレートフィルム)を使用することが好ましい。このセルロールアシレートフィルムを使用することにより、剥離性支持体と配向膜との界面での剥離強度がより低下し、剥離性支持体の分離がより容易となる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
(剥離性支持体の製造)
富士フイルム製PET(ポリエチレンテレフタレートフイルム、厚さ75μm)にラビング処理を施して、剥離性支持体1を作製した。
(光学異方性層の製造)
上記剥離性支持体1のラビング処理面上に後述する光学異方性層用塗布液(組成物A1)を、バーコーターを用いて塗布した。次いで、膜面温度60℃で60秒間加熱熟成し、空気下にて20mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射して、その配向状態を固定化することにより光学異方性層A1を形成した。形成された光学異方性層A1は、ラビング方向に対し遅相軸方向が平行に棒状液晶化合物が水平配向していた。波長450nm、550nmおよび650nmで測定した際の光学異方性層A1の面内レタデーション(それぞれ、ReA1(450)、ReA1(550)、ReA1(650)と称する)は、以下の通りであった。なお、光学異方性層A1の厚みは0.98μmであった。
ReA1(450):155.4nm
ReA1(550):137.5nm
ReA1(650):132nm
ReA1(450)/ReA1(650):1.18
──────────────────────────────────
光学異方性層用塗布液の組成(組成物A1)
──────────────────────────────────
棒状液晶性化合物1 80質量部
棒状液晶性化合物2 20質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
含フッ素化合物 0.8質量部
メチルエチルケトン 400質量部
──────────────────────────────────
(樹脂層の製造(その1))
後述する組成物B1を、上記光学異方性層A1上にワイヤーバーを用いて塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させて、厚さ5μmの樹脂層(非熱可塑性アクリル樹脂層)を形成し、転写フィルムを得た。
------------------------------------------------------------------
(組成物B1)
------------------------------------------------------------------
・DPHA(新中村化学工業社製 A-DPH) 50質量部
・A−600(新中村化学工業社製) 50質量部
・IRGACURE819 (BASF社製) 2質量部
・フッ素系化合物 0.03質量部
・メチルエチルケトン 159.6質量部
-----------------------------------------------------------------
<実施例2>
組成物B1中のDPHAの使用量を50質量部から70質量部に変更し、A−600の使用量を50質量部から30質量部に変更し、樹脂層の厚みを5μmから10μmに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って転写フィルムを製造した。
<実施例3>
組成物B1中のDPHA(50質量部)の代わりにA−DCP(新中村化学工業製、66質量部)を使用し、A−600の使用量を50質量部から34質量部に変更し、樹脂層の厚みを5μmから10μmに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って転写フィルムを製造した。
<実施例4>
組成物B1中のDPHA(50質量部)の代わりにA−DCP(84質量部)を使用し、A−600の使用量を50質量部から16質量部に変更し、樹脂層の厚みを5μmから10μmに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って転写フィルムを製造した。
<実施例5>
組成物B1中のDPHA(50質量部)の代わりにA−DCP(88質量部)を使用し、A−600の使用量を50質量部から12質量部に変更し、樹脂層の厚みを5μmから15μmに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って転写フィルムを製造した。
<実施例6>
組成物B1中のDPHA(50質量部)の代わりにA−DCP(90質量部)を使用し、A−600の使用量を50質量部から10質量部に変更し、樹脂層の厚みを5μmから20μmに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って転写フィルムを製造した。
<実施例7>
富士フイルム製PET(ポリエチレンテレフタレートフイルム、厚さ75μm)を用いた剥離性支持体の代わりに後述する手順で得られた剥離性支持体2を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って、転写フィルムを製造した。
(剥離性支持体2の製造)
<透明支持体Aの作製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Aを調製した。
──────────────────────────────────
セルロースアシレート溶液Aの組成
──────────────────────────────────
置換度2.86のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール 11質量部
──────────────────────────────────
別のミキシングタンクに、下記の組成物を投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液Bを調製した。
──────────────────────────────────
添加剤溶液Bの組成
──────────────────────────────────
下記化合物B1(Re低下剤) 40質量部
下記化合物B2(波長分散制御剤) 4質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 80質量部
メタノール(第2溶媒) 20質量部
──────────────────────────────────
<セルロースアセテート透明支持体の作製>
セルロースアシレート溶液Aを477質量部に、添加剤溶液Bの40質量部を添加し、充分に攪拌して、ドープを調製した。ドープを流延口から0℃に冷却したドラム上に流延した。溶媒含有率70質量%の場外で剥ぎ取り、フィルムの巾方向の両端をピンテンター(特開平4−1009号の図3に記載のピンテンター)で固定し、溶媒含有率が3〜5質量%の状態で、横方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が3%となる間隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚み60μmのセルロースアセテート透明支持体Aを作製した。透明支持体Aは紫外線吸収剤を含有しておらず、Re(550)は0nmであり、Rth(550)は12.3nmであった。なお、Rth(550)は、波長550nmで測定した透明支持体Aの厚み方向のレタデーションである。
<<アルカリ鹸化処理>>
上記透明支持体Aを、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/m2で塗布し、110℃に加熱し、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m2塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアセテート透明支持体Aを作製した。
──────────────────────────────────
アルカリ溶液の組成(質量部)
──────────────────────────────────
水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
界面活性剤
SF−1:C1429O(CH2CH2O)20H 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
──────────────────────────────────
<配向膜の作製>
上記透明支持体Aの鹸化処理を施した面に、下記の組成の配向膜形成用塗布液1を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、配向膜を形成した。作製した配向膜表面に、透明支持体Aの長手方向に連続的にラビング処理を施し、剥離性支持体2とした。
──────────────────────────────────
配向膜形成用塗布液1の組成
──────────────────────────────────
配向膜用ポリマー材料 4.0質量部
(PVA103、クラレ(株)製ポリビニルアルコール)
メタノール 36質量部
水 60質量部
──────────────────────────────────
<実施例8>
剥離性支持体2の代わりに、後述する手順で得られた剥離性支持体3を使用した以外は、実施例7と同様の手順に従って、転写フィルムを製造した。
(剥離性支持体3の製造)
透明支持体Aにアルカリ鹸化処理することなく、配向膜の作製を以下のように実施した以外は、剥離性支持体2の製造と同様の手順に従って、剥離性支持体3を製造した。
<<配向膜の作製>>
上記透明支持体Aに、下記の組成の配向膜形成用塗布液2を#16のワイヤーバーコータで28mL/m2塗布した。その後、60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
[配向膜形成用塗布液2]
・下記一般式(VI)に示す変性ポリビニルアルコール 10質量部
・水 371質量部
・メタノール 119質量部
・グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
・クエン酸エステル(三協化学(株)製 AS3) 0.175質量部
・光重合開始剤(Irgacure2959、BASF製) 2.0質量部
<実施例9>
光学異方性層の製造手順を以下の(光学異方性層の製造(その2))に変更し、樹脂層の厚みを5μmから10μmに変更した以外は、実施例7と同様の手順に従って、転写フィルムを製造した。
(光学異方性層の製造(その2))
実施例7の配向膜表面に、透明支持体Aの長手方向に連続的にラビング処理を施した。ラビング処理面上に下記の光学異方性層用塗布液(組成物A2)を、バーコーターを用いて塗布した。次いで、膜面温度115℃で90秒間加熱熟成した後、80℃まで冷却し空気下にて20mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射量200mJ/cm2となるよう照射して、その配向状態を固定化することにより光学異方性層A2を形成した。波長450nm、550nmおよび650nmで測定した際の光学異方性層A2の面内レタデーション(それぞれ、ReA2(450)、ReA2(550)、ReA2(650)と称する)は、以下の通りであった。なお、光学異方性層A2の厚みは0.85μmであった。
ReA2(450):149.8nm
ReA2(550):137.5nm
ReA2(650):132nm
ReA2(450)/ReA2(650):1.14
──────────────────────────────────
光学異方性層用塗布液の組成(組成物A2)
──────────────────────────────────
ディスコティック液晶E−1 80質量部
ディスコティック液晶2 20質量部
配向膜界面配向剤1 0.55質量部
配向膜界面配向剤2 0.05質量部
含フッ素化合物 0.1質量部
変性トリメチロールプロパントリアクリレート 10質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
メチルエチルケトン 200質量部
──────────────────────────────────
<実施例10>
光学異方性層の製造手順を以下の(光学異方性層の製造(その3))に変更し、樹脂層の厚みを5μmから10μmに変更した以外は、実施例7と同様の手順に従って、転写フィルムを製造した。
(光学異方性層の製造(その3))
実施例7の配向膜表面に、透明支持体Aの長手方向に対し左手45°の方向に連続的にラビング処理を施した。ラビング処理面上に下記の光学異方性層用塗布液(組成物A3)を、バーコーターを用いて塗布した。次いで、膜面温度115℃で90秒間加熱熟成した後、80℃まで冷却し空気下にて20mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射量200mJ/cm2となるよう照射して、その配向状態を固定化することにより光学異方性層A3を形成した。形成された光学異方性層A3は、ラビング方向に対し遅相軸方向が直交にディスコティック液晶が垂直配向していた。波長450nm、550nmおよび650nmで測定した際の光学異方性層A3の面内レタデーション(それぞれ、ReA3(450)、ReA3(550)、ReA3(650)と称する)は、以下の通りであった。なお、光学異方性層A3の厚みは2.5μmであった。
ReA3(450):273nm
ReA3(550):250nm
ReA3(650):240nm
ReA3(450)/ReA3(650):1.14
──────────────────────────────────
光学異方性層用塗布液の組成(組成物A3)
──────────────────────────────────
ディスコティック液晶E−1 80質量部
ディスコティック液晶2 20質量部
配向膜界面配向剤1 0.55質量部
配向膜界面配向剤2 0.05質量部
含フッ素化合物 0.1質量部
変性トリメチロールプロパントリアクリレート 10質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
層間配向剤 0.6質量部
メチルエチルケトン 180質量部
シクロヘキサノン 20質量部
──────────────────────────────────
上記光学異方性層A3の表面を、光学異方性層A3の遅相軸と直交する方向に連続的にラビング処理を施した。ラビング処理面上に下記光学異方性層用塗布液(組成物A4)を、バーコーターを用いて塗布した。次いで、膜面温度60℃で60秒間加熱熟成し、空気下にて20mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射して、その配向状態を固定化することにより光学異方性層A4を形成した。形成された光学異方性層A4は、ラビング方向に対し遅相軸方向が平行に棒状液晶が水平配向していた。波長450nm、550nmおよび650nmで測定した際の光学異方性層A4の面内レタデーション(それぞれ、ReA4(450)、ReA4(550)、ReA4(650)と称する)は、以下の通りであった。なお、光学異方性層A4の厚みは1.0μmであった。
ReA4(450):141nm
ReA4(550):125nm
ReA4(650):120nm
ReA4(450)/ReA4(650):1.18
なお、上記光学異方性層A3のReA3(550)および光学異方性層A4のReA4(550)は、ReA3(550)>ReA4(550)の関係であった。
──────────────────────────────────
光学異方性層用塗布液の組成(組成物A4)
──────────────────────────────────
棒状液晶性化合物1 90質量部
棒状液晶性化合物2 10質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.0質量部
含フッ素化合物 0.5質量部
メチルエチルケトン 400質量部
──────────────────────────────────
<比較例1>
配向膜形成用塗布液1を用いて配向膜を作製する代わりに、特許文献2(特開2013−7887号公報)の段落0157に記載の配向膜用塗布液AL−1を用いて、特許文献2の段落0163に記載の方法に従って配向膜(厚さ0.6μm)を作製し、光学異方性層用塗布液(組成物A1)を用いて光学異方性層を作製する代わりに、特許文献2の段落0158〜0159に記載の光学異方性層用塗布液LC−1を用いて、特許文献2の段落0163に記載の方法に従って光学異方性層(厚さ4.5μm)を作製し、非熱可塑性アクリル樹脂層を作製する代わりに、特許文献2の段落0160〜0161に記載の添加剤層用塗布液を用いて、特許文献2の段落0163に記載の方法に従って、添加剤層(厚さ0.9μm)を形成した以外は、実施例7と同様の手順に従って、転写フィルムを製造した。
なお、上記添加剤層は、本発明の非熱可塑性アクリル樹脂層には該当せず、かつ、添加剤層と光学異方性層との厚みの関係は、本発明の関係を満たしていない。
<比較例2>
組成物B1中のDPHAの使用量を50質量部から95質量部に変更し、A−600の使用量を50質量部から5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って転写フィルムを製造した。
なお、比較例2で得られる樹脂層中のポリオキシアルキレン鎖の含有量は、4質量%であった。
<比較例3>
組成物B1中のDPHAの使用量を50質量部から10質量部に変更し、A−600の使用量を50質量部から90質量部に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って転写フィルムを製造した。
なお、比較例3で得られる樹脂層中のポリオキシアルキレン鎖の含有量は、72質量%であった。
<剥離性評価>
上記実施例で得られた転写フィルムに関して、以下の手順に従って、光学フィルムの剥離性について評価した。
転写フィルム(縦:20cm×横:10cm)中の剥離性支持体の端部を把持し、光学フィルムから遠ざかるように引っ張り、剥離性支持体と光学フィルムとの分離を行った。
剥離性支持体をきれいに剥離できた場合は「OK」、剥離性支持体を剥離できない、または、剥離性支持体の一部が剥がれなかった場合を「NG」とする。
後述するように、上記実施例で得られた転写フィルムはすべて「OK」であった。この結果より、剥離性支持体と光学フィルムとの界面の剥離強度が、光学異方性層と非熱可塑性アクリル樹脂層との剥離強度よりも小さいことが確認された。
<自己支持性評価>
上記実施例で得られた転写フィルムに関して、以下の手順に従って、光学フィルムの自己支持性について評価した。
転写フィルム(縦:20cm×横:10cm)中の剥離性支持体の端部を固定し、セロハンテープを用いて光学フィルムの端部角付近を剥離性支持体より持ち上げ、ここをきっかけとして光学フィルム全体を、剥離性支持体から剥離し、分離した。その後、光学フィルムを平らな台の上に置き、形状を以下の評価基準に従って評価した。実用上、1でないことが好ましい。
1.剥離時に光学フィルムが破断した
2.光学フィルムは破断しないが、カールが大きく、筒状になった
3.光学フィルムは破断しないが、カールが中程度であった(水平な台からの光学フィルムの端部のせりあがりが1cm超)
4.光学フィルムは破断しないが、カールがやや認められたが、小さかった(水平な台からの光学フィルムの端部のせりあがりが1cm以下)
5.光学フィルムは破断せず、カールもしなかった
<曲げ試験AおよびB>
上記実施例および比較例にて得られた転写フィルムを用いて、上述した曲げ試験Aを行った。結果を表1にまとめて示す。
また、上記実施例および比較例にて得られた転写フィルムから光学フィルムを引き剥がして、上述した曲げ試験Bを行った。結果を表1にまとめて示す。
なお、表1中の「ポリオキシアルキレン鎖含有量(質量%)」は、非熱可塑性アクリル樹脂層中のポリオキシアルキレン鎖の含有量を示し、使用したモノマーの仕込み量から含有量を計算した。
また、実施例にて得られた樹脂層は、融点が200℃超であり、非熱可塑性を示した。
表1に示すように、本発明の転写フィルム中の光学フィルムは、優れた自己支持性を示した。
特に、実施例5と他の実施例との比較から分かるように、ポリオキシアルキレン鎖の含有量が12〜60質量%の場合、自己支持性がより優れることが確認された。
一方、特許文献2に記載される態様に該当する比較例1では、光学フィルムの自己支持性が劣っており、転写フィルムとして使用できなかった。また、比較例2および3に示すように、ポリオキシアルキレン鎖の含有量が所定範囲でない場合も、光学フィルムの自己支持性が劣っており、転写フィルムとして使用できなかった。
10,100,200,300 転写フィルム
12,120 剥離性支持体
14,140 光学異方性層
16 非熱可塑性アクリル樹脂層
18,180 光学フィルム
20 基材
22 配向膜
140a 第1位相差領域
140b 第2位相差領域
142a,142b 面内遅相軸

Claims (4)

  1. 剥離性支持体と、前記剥離性支持体上に剥離可能に積層された光学フィルムとを備える、転写フィルムであって、
    前記光学フィルムが、液晶化合物を含有する光学異方性層、および、前記光学異方性層に隣接する非熱可塑性アクリル樹脂層を備え、
    前記非熱可塑性アクリル樹脂層中のアクリル樹脂が、ポリオキシアルキレン鎖を有し、
    前記ポリオキシアルキレン鎖の含有量が、非熱可塑性アクリル樹脂層全質量に対して、8〜60質量%であり、
    前記非熱可塑性アクリル樹脂層の厚みが5〜25μmであり、前記光学異方性層の厚みが0.1〜10μmであり、前記非熱可塑性アクリル樹脂層の厚みが、前記光学異方性層の厚みより厚い、転写フィルム。
  2. 前記ポリオキシアルキレン鎖の含有量が、非熱可塑性アクリル樹脂層全質量に対して、12〜60質量%である、請求項1に記載の転写フィルム。
  3. 液晶化合物を含有する光学異方性層、および、前記光学異方性層に隣接する、非熱可塑性アクリル樹脂層を有し、
    前記非熱可塑性アクリル樹脂層中のアクリル樹脂が、ポリオキシアルキレン鎖を有し、
    前記ポリオキシアルキレン鎖の含有量が、非熱可塑性アクリル樹脂層全質量に対して、8〜60質量%であり、
    前記非熱可塑性アクリル樹脂層の厚みが5〜25μmであり、前記光学異方性層の厚みが0.1〜10μmであり、前記非熱可塑性アクリル樹脂層の厚みが、前記光学異方性層の厚みより厚い、光学フィルム。
  4. 前記ポリオキシアルキレン鎖の含有量が、非熱可塑性アクリル樹脂層全質量に対して、12〜60質量%である、請求項に記載の光学フィルム。
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