JP4832904B2 - 転写材料、液晶セル用基板、その製造方法、及び液晶表示装置 - Google Patents

転写材料、液晶セル用基板、その製造方法、及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、液晶セル用基板を簡易に作製するのに有用な転写材料に関する。また、本発明は、生産性と色視野角特性の優れた液晶表示装置の作製に有用な液晶表示装置に関する。
ワードプロセッサやノートパソコン、パソコン用モニターなどのOA機器、携帯端末、テレビなどに用いられる表示装置としては、CRT(Cathode Ray Tube)がこれまで主に使用されてきた。近年、液晶表示装置(LCD)が、薄型、軽量、且つ消費電力が小さいことからCRTの代わりに広く使用されてきている。液晶表示装置は、液晶セルおよび偏光板を有する。偏光板は保護フィルムと偏光膜とからなり、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護フィルムにて積層して得られる。例えば、透過型LCDでは、この偏光板を液晶セルの両側に取り付け、さらには一枚以上の光学補償シートを配置することもある。液晶セルは、液晶分子、それを封入するための二枚の基板および液晶分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、液晶分子の配向状態の違いで、ON、OFF表示を行い、透過型、反射型および半透過型のいずれにも適用でき、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、STN(Super Twisted Nematic)のような表示モードが提案されている。しかしながら、従来のLCDで表示し得る色やコントラストは、LCDを見る時の角度によって変化する。そのため、LCDの視野角特性は、CRTの性能を越えるまでには至っていない。
この視野角特性を改良するために、視野角補償用の光学異方性層(光学補償シート)が適用されてきた。これまでに上述の様々の表示モードに対して種々の光学特性を有する光学補償シートを用いることにより、優れたコントラスト視野角特性を有するLCDが提案されている。特にOCB、VA、IPSの3つのモードは広視野角モードとして全方位にわたり広いコントラスト視野角特性を有するようになり、テレビ用途として既に家庭に普及している。
これらの液晶セルにおいては、通常、光学補償シートは偏光板と貼り合わされて、接着剤で液晶セルの外側に設けられている。しかしながら、上記従来の技術では、次のような問題点を有している。
まず、位相差付偏光板を液晶セル外に貼り付けて設置する場合、要求される貼り付け精度が厳しく、特に大型のもので顕著であり、反りや位置ずれによって安定的に貼り付け工程を実施できない場合がある。その結果、高価な位相差板付偏光板が無駄になってコスト増加要因になっている。また、液晶パネルの動作中、バックライト等からの熱による偏光板支持体の膨張及び収縮で、貼り付けた位相差板が応力を受け光学特性が変化する。この場合は、変形箇所において位相差板の位相補償効果が不十分になり、黒状態で光抜けを引き起こすことになる。このような現象は、液晶パネルのサイズが大きくなるにつれて、より顕著に発生する。即ち、液晶パネルのサイズが大きくなれば、偏光板も大きくなり収縮量膨張量も大きくなるため、偏光板支持体の変形量も大きくなり、顕著に白抜け状態が発生する。
以上のように、従来技術は、液晶セルの外側に貼り付ける精度が充分でないことに伴う歩留まり問題や、偏光板支持体の膨張収縮に伴う光抜け問題を有していた。
これに対し、光学異方性層を偏光板と貼り合わせて液晶セルに貼り付けるのではなく、液晶セルの内側に光学異方性層を設ける技術が提案されている(特許文献1)。これは主に液晶セル内にカラーフィルタなどと一緒に光学異方性層をパターニングする方法により実現される。しかしながら、液晶セル内にパターニング可能な材料で、尚且つ光学的に均一な異方性特性を有する光学異方性層を形成することは困難であった。また、従来の方法では、光学異方性層をパターニングするために、製造工程が増えてしまい、コスト的に実現性に乏しいという問題点があった。
GB2394718
本発明は上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、光学補償能を有する液晶セル用基板を作製するのに有用な転写材料、及びかかる液晶セル用基板の簡易且つ安定的な作製方法を提供することを課題とする。また、本発明は光学異方性層をセル内に有する液晶セル及び液晶表示装置の生産性の改善に寄与する転写材料を提供することを課題とする。また、本発明は、安定的に製造可能な光学補償能付き液晶セル用基板を提供することを課題とする。また、本発明は、視野角特性が改善され、光漏れが軽減された液晶表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意研究を行い、一つの転写材料から、光学異方性層と透明電極層とを同時に基板上に転写する方法によれば、前記課題を解決しうるとの知見を得、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 仮支持体A上に、少なくとも一層の光学異方性層及び少なくとも一層の透明電極層をこの順に有する転写材料。
[2] 前記光学異方性層が、少なくとも一つの反応性基を有する液晶性化合物を含有する液晶層に、熱または電離放射線を照射して形成された層である[1]の転写材料。
[3] 前記液晶性化合物の反応性基が、エチレン性不飽和基である[2]の転写材料。
[4] 前記液晶性化合物が、棒状液晶である[2]又は[3]の転写材料。
[5] 前記液晶性化合物の示す液晶相が、ネマチック相またはスメクチック相である[2]〜[4]のいずれかの転写材料。
[6] 前記液晶性化合物の示す液晶相がコレステリック相である[2]〜[5]のいずれかの転写材料。
[7] 前記仮支持体Aと反対側の表面に仮支持体Bをさらに有する[1]〜[6]のいずれかの転写材料。
[8] 基板上に、[1]〜[7]のいずれかの転写材料から転写された光学異方性層及び透明電極層を有する液晶セル用基板。
[9] 前記基板が、カラーフィルタを備え、カラーフィルタ上に前記光学異方性層と透明電極層とを転写してなる[8]の液晶セル用基板。
[10] [1]〜[7]のいずれかの転写材料から、少なくともひとつの光学異方性層と少なくとも一つの透明電極層とを基板上に転写する工程を含む液晶セル用基板の製造方法。
[11] 一対の基板と、該一対の基板に挟持される液晶層とを有する液晶セルを備えた液晶表示装置であって、前記一対の基板の少なくとも一方が、[8]又は[9]の液晶セル用基板である液晶表示装置。
[12] 前記液晶セルの液晶モードがSTN、TN、VA、IPS、OCBのいずれかである[11]の液晶表示装置。
本発明の転写材料によれば、光学異方性層と透明電極膜とを同時に基板上に転写できるので、工程数を増やさずに、安定的且つ簡易に液晶セル用基板を作製することができる。その結果、液晶セル内に光学補償層を有する液晶表示装置の生産性を向上することができる。また、本発明によれば、良好な視野角特性を有する液晶表示装置を提供することができる。
発明の実施の形態
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、Reレターデーション値は、以下に基づき算出するものとする。Re(λ)は波長λにおける面内のレターデーションを表す。Re(λ)は平行ニコル法により、波長λnmの光を法線方向に入射させて測定される。本明細書におけるλは、R、G、Bに対してそれぞれ611±5nm、545±5nm、435±5nmを指し、特に色に関する記載がなければ545±5nmまたは590±5nmを指す。
本明細書において、角度について「実質的に」とは、厳密な角度との誤差が±5°未満の範囲内であることを意味する。さらに、厳密な角度との誤差は、4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。レターデーションについて「実質的に」とは、レターデーションが±5%以内の差であることを意味する。さらに、Reが実質的に0でないとは、Reが5nm以上であることを意味する。また、屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域の任意の波長を指す。なお、本明細書において、「可視光」とは、波長が400〜700nmの光のことをいう。
[転写材料]
本発明の転写材料は、仮支持体と、少なくとも一層の光学異方性層と、少なくとも一層の透明電極層とを有し、前記光学異方性層及び透明電極層を、他の基板上に転写するのに用いられる材料である。本発明の転写材料は、所望により、これら以外の構成層を有していてもよい。図1に本発明の転写材料のいくつかの例の概略断面図を示す。図1(a)に示す本発明の転写材料は、下側仮支持体(仮支持体A)10上に、光学異方性層12及び透明電極層14をこの順に有する。下側仮支持体は、基板等の被転写材に転写される際は剥離されて除去されるので、透明な材料であっても、不透明な材料であってもよい。図1(b)に示す転写材料は、(a)の転写材料の透明電極層14上に、上側仮支持体(仮支持体B)16を配置した構成である。上側仮支持体Bは、転写材料を保管・搬送する際に、透明電極層14が汚れたり、破損等するのを防止する機能を有する。仮支持体Aと同様、基板等に転写後は剥離されるので、透明な材料であっても、不透明な材料であってもよい。
図1(c)に示す転写材料は、光学異方性層12と下側仮支持体10との間に、配向層18を有する。配向層18は、例えば、光学異方性層12を液晶性組成物から作製する際に、液晶性組成物中の液晶分子の配向を制御するのに利用される。また、図1(d)に示す転写材料は、下側仮支持体10と光学異方性層12との間に、熱可塑性樹脂層20をさらに有する。層20は、転写時に被転写材である基板側の凹凸を吸収するための、クッション性等の力学特性をコントロール又は凹凸追従性を付与する機能を有する。
その他、本発明の転写材料は、光学異方性層と透明電極層との間に、オーバーコート層、透明電極層と上側仮支持体(仮支持体B)との間に配向層等を有していてもよい。
[仮支持体A]
本発明の転写材料が有する仮支持体Aは、光学異方性層等を転写後は除去されるので、透明でも不透明でもよく特に限定はない。仮支持体Aを構成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート)、ポリオレフィン(例、ノルボルネン系ポリマー)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリエステルおよびポリスルホン、ノルボルネン系ポリマーが含まれる。製造工程において光学特性を検査する目的には、仮支持体Aは透明で低複屈折の材料が好ましく、低複屈折性の観点からはセルロースエステルおよびノルボルネン系が好ましい。市販のノルボルネン系ポリマーとしては、アートン(JSR(株)製)、ゼオネックス、ゼオノア(以上、日本ゼオン(株)製)などを用いることができる。また安価なポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート等も好ましく用いられる。
[光学異方性層]
転写材料における光学異方性層は、異方性を測定したときにReが実質的に0でない入射方向が一つでもある、即ち等方性でない光学特性を有していれば特に限定はないが、液晶セル中に用いる、光学特性を制御しやすいなどの観点から、少なくとも一種の液晶性化合物を含有する組成物から形成されていることが好ましく、また、少なくとも一種の液晶性化合物を含有する液晶層に紫外線を照射することで硬化させて形成された層であることが望ましい。
[液晶性化合物を含有する組成物からなる光学異方性層]
光学異方性層は、上記の様に、液晶セル中に組み込まれることによって、液晶表示装置の視野角を補償する光学異方性層として機能する。光学異方性層単独で充分な光学補償能を有する態様はもちろん、他の層(例えば、液晶セル外に配置される光学異方性層等)との組み合わせで光学補償に必要とされる光学特性を満足する態様もであってもよい。また、転写材料が有する光学異方性層が、光学補償能に充分な光学特性を満足している必要はなく、例えば、液晶セル基板上に転写後に露光することにより、光学特性が発現又は変化して、最終的に光学補償に必要な光学特性を示すものであってもよい。
上述のように、前記光学異方性層は、少なくとも一種の液晶性化合物を含有する組成物から形成されることが好ましい。一般的に、液晶性化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本態様では、いずれの液晶性化合物を用いることもできるが、棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物を用いるのが好ましい。2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上の円盤状液晶性化合物、または棒状液晶性化合物と円盤状液晶性化合物との混合物を用いてもよい。温度変化や湿度変化を小さくできることから、反応性基を有する棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物を用いて形成するのがより好ましく、混合物の場合少なくとも1つは1液晶分子中の反応性基が2以上あることがさらに好ましい。液晶性化合物は二種類以上の混合物でもよく、その場合少なくとも1つが2以上の反応性基を有していることが好ましい。前記光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがさらに好ましい。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。上記高分子液晶性化合物は、低分子の反応性基を有する棒状液晶性化合物が重合した高分子化合物である。特に好ましく用いられる上記低分子の反応性基を有する棒状液晶性化合物としては、下記一般式(I)で表される棒状液晶性化合物が挙げられる。
一般式(I):Q1−L1−A1−L3−M−L4−A2−L2−Q2
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に、反応性基であり、L1、L2、L3およびL4はそれぞれ独立に、単結合または二価の連結基を表すが、L3およびL4の少なくとも一方は、−O−CO−O−が好ましい。A1およびA2はそれぞれ独立に、炭素原子数2〜20のスペーサ基を表す。Mはメソゲン基を表す。
以下に、上記一般式(I)で表される反応性基を有する棒状液晶性化合物についてさらに詳細に説明する。式中、Q1およびQ2は、それぞれ独立に、反応性基である。反応性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。換言すれば、反応性基は付加重合反応または縮合重合反応が可能な反応性基であることが好ましい。以下に反応性基の例を示す。
Figure 0004832904
1、L2、L3およびL4で表される二価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−NR2−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−NR2−、−NR2−CO−、−O−CO−、−O−CO−NR2−、−NR2−CO−O−、およびNR2−CO−NR2−からなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R2は炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子である。この場合、L3およびL4の少なくとも一方は、−O−CO−O−(カーボネート基)である。前記式(I)中、Q1−L1およびQ2−L2−は、CH2=CH−CO−O−、CH2=C(CH3)−CO−O−およびCH2=C(Cl)−CO−O−CO−O−が好ましく、CH2=CH−CO−O−が最も好ましい。
1およびA2は、炭素原子数2〜20を有するスペーサ基を表す。炭素原子数2〜12の脂肪族基が好ましく、特にアルキレン基が好ましい。スペーサ基は鎖状であることが好ましく、隣接していない酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい。また、前記スペーサ基は、置換基を有していてもよく、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素)、シアノ基、メチル基、エチル基が置換していてもよい。
Mで表されるメソゲン基としては、すべての公知のメソゲン基が挙げられる。特に下記一般式(II)で表される基が好ましい。
一般式(II):−(−W1−L5n−W2
式中、W1およびW2は各々独立して、二価の環状脂肪族基、二価の芳香族基または二価のヘテロ環基を表し、L5は単結合または連結基を表し、連結基の具体例としては、前記式(I)中、L1〜L4で表される基の具体例、−CH2−O−、および−O−CH2−が挙げられる。nは1、2または3を表す。
1およびW2としては、1,4−シクロヘキサンジイル、1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5ジイル、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル、1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイルが挙げられる。1,4−シクロヘキサンジイルの場合、トランス体およびシス体の構造異性体があるが、どちらの異性体であってもよく、任意の割合の混合物でもよい。トランス体であることがより好ましい。W1およびW2は、それぞれ置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基、炭素原子数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基など)、炭素原子数1〜10のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)、炭素原子数1〜10のアシル基(ホルミル基、アセチル基など)、炭素原子数1〜10のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基など)、炭素原子数1〜10のアシルオキシ基(アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基など)、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基などが挙げられる。
前記一般式(II)で表されるメソゲン基の基本骨格で好ましいものを、以下に例示する。これらに上記置換基が置換していてもよい。
Figure 0004832904
以下に、前記一般式(I)で表される化合物の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、一般式(I)で表される化合物は、特表平11−513019号公報に記載の方法で合成することができる。
Figure 0004832904
Figure 0004832904
Figure 0004832904
本発明の他の態様として、前記光学異方性層にディスコティック液晶を使用した態様がある。前記光学異方性層は、モノマー等の低分子量の液晶性ディスコティック化合物を含有する層または重合性の液晶性ディスコティック化合物の重合(硬化)により得られるポリマーの層であるのが好ましい。前記ディスコティック(円盤状)化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physicslett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。上記ディスコティック(円盤状)化合物は、一般的にこれらを分子中心の円盤状の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等の基(L)が放射線状に置換された構造であり、液晶性を示し、一般的にディスコティック液晶とよばれるものが含まれる。ただし、このような分子の集合体が一様に配向した場合は負の一軸性を示すが、この記載に限定されるものではない。また、本発明において、円盤状化合物から形成したとは、最終的にできた物が前記化合物である必要はなく、例えば、前記低分子ディスコティック液晶が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれる。
本発明では、下記一般式(III)で表わされるディスコティック液晶性化合物を用いるのが好ましい。
一般式(III): D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
前記式(III)中、円盤状コア(D)、二価の連結基(L)および重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)が挙げられ、同公報に記載される円盤状コア(D)、二価の連結基(L)および重合性基(P)に関する内容をここに好ましく適用することができる。
上記ディスコティック化合物の好ましい例を下記に示す。
Figure 0004832904
Figure 0004832904
Figure 0004832904
Figure 0004832904
Figure 0004832904
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Figure 0004832904
Figure 0004832904
Figure 0004832904
Figure 0004832904
前記光学異方性層は、液晶性化合物を含有する組成物(例えば塗布液)を、後述する配向層の表面に塗布し、所望の液晶相を示す配向状態とした後、該配向状態を熱または電離放射線の照射により固定することで作製された層であるのが好ましい。前記光学異方性層が二軸性を示すと、液晶セル、特にVAモードの液晶セルを正確に光学補償できるので好ましい。液晶性化合物として、反応性基を有する棒状液晶性化合物を用いる場合、二軸性を発現させるためにはコレステリック配向もしくは傾斜角が厚み方向に徐々に変化しながらねじれたハイブリッドコレステリック配向を、偏光照射によって歪ませることが必要である。偏光照射によって配向を歪ませる方法としては、二色性液晶性重合開始剤を用いる方法(EP1389199 A1)や分子内にシンナモイル基等の光配向性官能基を有する棒状液晶性化合物を用いる方法(特開2002−6138号公報)が挙げられる。本発明においては、いずれも利用できる。
前記光学異方性層が一軸性の場合、上下いずれかの偏光板保護フィルムの光学異方性を最適化することにより、VAモードもしくはIPSモードの液晶セルを正確に光学補償できるので好ましい。VAモード、IPSモードいずれの場合においても、本発明の目的である色視野角特性改良に対しては、偏光板保護フィルムのレターデーション波長分散が一般的、即ち波長が長くなるにつれてレターデーションが小さくなることで、液晶セルに対して広い波長域で正確に光学補償できる。VAモードにおいては、偏光板保護フィルムとしての光学異方性層がc−plateであることが好ましく、IPSモードに対しては厚み方向の屈折率が最も小さい二軸性であることが好ましい。転写材料に用いる一軸性の光学異方性層は、一軸性である棒状もしくは円盤状の液晶性化合物を液晶のダイレクタが一方向に揃うように配向させることにより作製することができる。このような一軸性配向は、ラビング配向層もしくは光配向層上にカイラル性のない液晶層を配向させる方法、磁場もしくは電場で配向させる方法、延伸やせん断のような外力を与えて配向させる方法などによって実現できる。
液晶性化合物として、反応性基を有する円盤状液晶性化合物を用いる場合、水平配向、垂直配向、傾斜配向、およびねじれ配向のいずれの配向状態で固定されていてもよいが、水平配向、垂直配向、ねじれ配向が好ましく、水平配向が最も好ましい。なお、本明細書において「水平配向」とは、棒状液晶の場合、分子長軸と支持体の水平面が平行であることをいい、円盤状液晶の場合、円盤状液晶性化合物のコアの円盤面と透明支持体の水平面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が10度未満の配向を意味するものとする。本明細書において「水平配向」というときは、上記傾斜角は0〜5度が好ましく、0〜3度がより好ましく、0〜2度がさらに好ましく、0〜1度が最も好ましい。
液晶性化合物からなる光学異方性層を2層以上積層する場合、液晶性化合物の組み合わせについては特に限定されず、全て円盤状液晶性化合物からなる層の積層体、全て棒状性液晶性化合物からなる層の積層体、円盤状液晶性化合物からなる層と棒状性液晶性化合物からなる層の積層体であってもよい。また、各層の配向状態の組み合わせも特に限定されず、同じ配向状態の光学異方性層を積層してもよいし、異なる配向状態の光学異方性層を積層してもよい。
光学異方性層は、液晶性化合物、及び所望により、下記の重合開始剤や他の添加剤を含む塗布液を、後述する所定の配向層の上に塗布することで形成することが好ましい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
[液晶性化合物の配向状態の固定化]
配向させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定することが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した反応性基の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応がより好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、窒素雰囲気下あるいは加熱条件下で光照射を実施してもよい。
前記光学異方性層は、偏光照射による光配向によって面内のレターデーションが発生した層であってもよい。この偏光照射は、上記配向固定化における光重合プロセスと同時に行ってもよいし、先に偏光照射を行ってから非偏光照射でさらに固定化を行ってもよいし、非偏光照射で先に固定化してから偏光照射によって光配向を行ってもよい。なお、偏光照射による光配向によって発生した面内のレターデーションを示す光学異方性層は、特に、VAモードの液晶表示装置を光学補償するのに優れている。
[偏光照射による光配向]
前記光学異方性層は、偏光照射による光配向で面内のレターデーションが発現した層であってもよい。大きな面内レターデーションを得るために、偏光照射は液晶化合物層塗布、配向後に最初に行う必要がある。偏光照射は、酸素濃度0.5%以下の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は20〜1000mW/cm2であることが好ましく、50〜500mW/cm2であることがより好ましく、100〜350mW/cm2であることがさらに好ましい。偏光照射によって硬化する液晶性化合物の種類については特に制限はないが、反応性基としてエチレン不飽和基を有する液晶性化合物が好ましい。照射波長としては300〜450nmにピークを有することが好ましく、350〜400nmにピークを有することがさらに好ましい。
[偏光照射後の紫外線照射による後硬化]
前記光学異方性層は、最初の偏光照射(光配向のための照射)の後に、偏光もしくは非偏光紫外線をさらに照射することで反応性基の反応率を高め(後硬化)、密着性等を改良すると共に、大きな搬送速度で生産できるようになる。後硬化は偏光でも非偏光でも構わないが、偏光であることが好ましい。また、2回以上の後硬化をすることが好ましく、偏光のみでも、非偏光のみでも、偏光と非偏光を組み合わせてもよいが、組み合わせる場合は非偏光より先に偏光を照射することが好ましい。紫外線照射は、不活性ガス置換してもしなくてもよいが、酸素濃度0.5%以下の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は20〜1000mW/cm2であることが好ましく、50〜500mW/cm2であることがより好ましく、100〜350mW/cm2であることがさらに好ましい。照射波長としては偏光照射の場合は300〜450nmにピークを有することが好ましく、350〜400nmにピークを有することがさらに好ましい。非偏光照射の場合は200〜450nmにピークを有することが好ましく、250〜400nmにピークを有することがさらに好ましい。
前記光学異方性層の形成用組成物中に、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物の少なくとも一種を含有させることで、液晶性化合物の分子を実質的に水平配向させることができる。以下、下記一般式(1)〜(3)について、順に説明する。
一般式(1)
Figure 0004832904
式中、R1、R2およびR3は各々独立して、水素原子または置換基を表し、X1、X2およびX3は単結合または二価の連結基を表す。R1〜R3で各々表される置換基としては、好ましくは置換もしくは無置換の、アルキル基(中でも、無置換のアルキル基またはフッ素置換アルキル基がより好ましい)、アリール基(中でもフッ素置換アルキル基を有するアリール基が好ましい)、置換もしくは無置換のアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子である。X1、X2およびX3で各々表される二価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、二価の芳香族基、二価のヘテロ環残基、−CO−、―NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基または水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基は、アルキレン基、フェニレン基、−CO−、−NRa−、−O−、−S−および−SO2−からなる群より選ばれる二価の連結基または該群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがより好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。二価の芳香族基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい
一般式(2)
Figure 0004832904
式中、Rは置換基を表し、mは0〜5の整数を表す。mが2以上の整数を表す場合、複数個のRは同一でも異なっていてもよい。Rとして好ましい置換基は、R1、R2、およびR3で表される置換基の好ましい範囲として挙げてものと同じである。mは、好ましくは1〜3の整数を表し、特に好ましくは2または3である。
一般式(3)
Figure 0004832904
式中、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は各々独立して、水素原子または置換基を表す。R4、R5、R6、R7、R8およびR9でそれぞれ表される置換基は、好ましくは一般式(I)におけるR1、R2およびR3で表される置換基の好ましいものとして挙げたものである。本発明に用いられる水平配向剤については、特開2005−099248号公報に記載の化合物を用いることができ、それら化合物の合成法も該明細書に記載されている。
前記一般式(1)〜(3)で表される化合物の添加量としては、液晶性化合物の質量の0.01〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。なお、前記一般式(1)〜(3)にて表される化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
[配向層]
前記光学異方性層の形成には、配向層を利用してもよい。配向層は、一般に透明支持体上または該透明支持体に塗設された下塗層上に設けられる。配向層は、その上に設けられる液晶性化合物の配向方向を規定するように機能する。配向層は、光学異方性層に配向性を付与できるものであれば、どのような層でもよい。配向層の好ましい例としては、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理された層、無機化合物の斜方蒸着層、およびマイクログルーブを有する層、さらにω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライドおよびステアリル酸メチル等のラングミュア・ブロジェット法(LB膜)により形成される累積膜、あるいは電場あるいは磁場の付与により誘電体を配向させた層を挙げることができる。また、配向層は酸素遮断層としての機能を有してもよい。
配向層用の有機化合物の例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリカーボネート等のポリマーおよびシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリイミド、ポリスチレン、スチレン誘導体のポリマー、ゼラチン、ポリビルアルコールおよびアルキル基(炭素原子数6以上が好ましい)を有するアルキル変性ポリビルアルコールを挙げることができる。
配向層の形成には、ポリマーを使用するのが好ましい。利用可能なポリマーの種類は、液晶性化合物の配向(特に平均傾斜角)に応じて決定することができる。例えば、液晶性化合物を水平に配向させるためには配向層の表面エネルギーを低下させないポリマー(通常の配向用ポリマー)を用いる。具体的なポリマーの種類については液晶セルまたは光学補償シートについて種々の文献に記載がある。例えば、ポリビニルアルコールもしくは変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸もしくはポリアクリル酸エステルとの共重合体、ポリビニルピロリドン、セルロースもしくは変性セルロース等が好ましく用いられる。配向層用素材には液晶性化合物の反応性基と反応できる官能基を有してもよい。反応性基は、側鎖に反応性基を有する繰り返し単位を導入するか、あるいは、環状基の置換基として導入することができる。界面で液晶性化合物と化学結合を形成する配向層を用いることがより好ましく、かかる配向層としては特開平9−152509号公報に記載されており、酸クロライドやカレンズMOI(昭和電工(株)製)を用いて側鎖にアクリル基を導入した変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
また、LCDの配向層として広く用いられているポリイミド膜(好ましくはフッ素原子含有ポリイミド)も有機配向層として好ましい。これはポリアミック酸(例えば、日立化成(株)製のLQ/LXシリーズ、日産化学(株)製のSEシリーズ等)を支持体面に塗布し、100〜300℃で0.5〜1時間焼成した後、ラビングすることにより得られる。
また、前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができる。即ち、配向層の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さおよび太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
また、無機斜方蒸着膜の蒸着物質としては、SiO2を代表とし、TiO2、ZnO2等の金属酸化物、あるいやMgF2等のフッ化物、さらにAu、Al、等の金属が挙げられる。尚、金属酸化物は、高誘電率のものであれば斜方蒸着物質として用いることができ、上記に限定されるものではない。無機斜方蒸着膜は、蒸着装置を用いて形成することができる。フィルム(支持体)を固定して蒸着するか、あるいは長尺フィルムを移動させて連続的に蒸着することにより無機斜方蒸着膜を形成することができる。
光学異方性層は、液晶性化合物を仮配向層上で配向させ、その配向を固定化した後、透明支持体に粘着剤を用いるなどして転写することもできるが、生産性の観点からは転写なしに直接形成することが好ましい。
[透明電極層]
本発明の転写材料は、光学異方性層上に透明電極層を有する。透明電極層の作製には、光透過性の材料が用いられ、一般的には、ITO、ZnO:Al、ZnO:Si、SnO2、Sb等が用いられる。光学異方性層上(光学異方性層表面もしくは光学異方性層上に形成された他の層の表面)に前記透明電極層を形成する方法としては、スパッタリング、蒸着、CVD法等を用いることができるが、中でも、光学異方性層へのダメージが少なくという観点から、低温スパッタリング法が特に好ましい。低温スパッタリング時の温度は、25〜100℃程度が好ましく、25〜40℃程度がより好ましい。形成される透明電極層の厚さについては特に制限はないが、通常、数百〜数千Åの範囲である。形成した透明電極層には、パターニング処理を施してもよい。
[仮支持体B]
本発明の転写材料は、上記仮支持体Aとは反対側の表面に仮支持体Bを有していてもよい。例えば、透明電極層が最上層になる場合は、仮支持体Bは透明電極層の表面に配置される。仮支持体Bは、透明電極層等の最上層の表面を保護するためのものであり、保管・搬送等の際に、汚れたり損傷するのを防止するものである。前記仮支持体Bは、透明電極層に容易に貼付可能で、また、基板に転写後の透明電極層から容易に剥離可能なものの中から選択でき、前記仮支持体Aと同一又は類似の材料からなるものであってもよい。具体的には、シリコーン紙、ポリオレフィン又はポリテトラフルオロエチレンシート等が好ましく、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンフィルムがより好ましい。さらに、仮支持体Bが透明電極層と接する場合は、その面に1〜50μmの粘着層を有してもよい。粘着剤としては、例えば、エチレンビニルアセテート、ポリオレフィン、アクリル樹脂等が一般的に好ましい。
上記仮支持体Bの厚みとしては、約5〜100μmが好ましく、10〜60μmがより好ましい。
[その他の層]
本発明の転写材料は、仮支持体Aと光学異方性層との間などに、転写材料の力学特性や凹凸追従性をコントロールするための熱可塑性樹脂層が設けられていてもよい。熱可塑性樹脂層の作製に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルおよびそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
本発明の転写材料は、複数の塗布層の塗布時、および塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層が設けられていてもよい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時の感度が上がり、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水またはアルカリ水溶液に分散または溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
前記熱可塑性樹脂層や前記中間層を、前記配向層と兼用することもできる。特に前記中間層に好ましく用いられるポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンは配向層としても有効であり、中間層と配向層を1層にすることが好ましい。
光学異方性層、および所望により形成されるオーバーコート層、配向層、熱可塑性樹脂層および中間層の各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、塗布により形成することができる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
[液晶セル用基板の製造方法]
本発明の転写材料を利用した液晶セル用基板の製造方法の一例について説明する。
まず、透明基板を用意する。透明基板としては、ガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板;及び、プラスチックフィルム等を挙げることができる。被転写材料である透明基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、光学異方性層との密着性が良好になるので好ましい。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。
尚、特に限定されるわけではないが、前記透明基板の膜厚としては、500〜1200μmが一般的に好ましい。
前記透明基板は、その表面に、酸化ケイ素又は窒化珪素等の絶縁膜を有していてもよい。また、上記転写材料を転写する側に、ブラックマトリックスやカラーフィルタを有していてもよい。ブラックマトリックスやカラーフィルタは、転写法やインクジェット法等の種々の方法で、透明基板上に形成することができる。カラーフィルタは、RGBからなるカラーフィルタであっても、最近よくみられる様に、RGBW(白)からなるカラーフィルタであってもよい。カラーフィルタの作製方法は特に限定されるものではなく、インクジェット法や印刷法、顔料分散法、フィルム転写法、染色法等を用いることができる。
透明基板の表面上には、前記転写材料からの転写を安定的に行うために、粘着層を形成し、転写材料との接着性を向上させるのが好ましい。前記粘着層は、種々の方法で、前記透明基板上に形成することができる。例えば、転写法により形成してもよく、具体的には、PETフィルム等のフィルム上に感光性樹脂層(粘着層)を塗布し、オーブンで乾燥させて作製した転写材料を、透明基板表面上に配置し、前記感光性樹脂層を熱転写して、透明基板上に粘着層を形成してもよい。粘着層は、透明基板上に必要な粘着性を与えるものであり、この転写以外の方法、例えば塗布等により、形成された層であってもよい。
次に、フィルム状に製造した本発明の転写材料を、前記透明基板上に貼り付ける。具体的には、転写材料から、前記仮支持体Aを剥離し、光学異方性層又は仮支持体Aと光学異方性層との間に形成された他の層を、透明基板表面側にして、ラミネータを用いて加熱および/または加圧したローラーまたは平板で圧着または加熱圧着して、貼り付けることができる。例えば、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネータおよびラミネート方法を利用することができるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。その後、仮支持体Bは剥離してもよく、剥離によって露出した透明電極層をエッチング等によりパターニングしてもよい。
上記方法により、一つの転写材料から一回の転写工程により、光学異方性層と透明電極層とを有する液晶セル用基板を製造することができる。なお、該基板が液晶セルの作製に用いられる場合は、透明電極層を内側、即ち、液晶層側にして配置されるので、前記透明電極層上に、液晶層中の液晶性分子の配向を制御するための配向層をさらに形成してもよい。また、その他、配向制御構造や、ギャップ制御柱が形成されていてもい。
[液晶セル用基板]
上記方法によって製造された液晶セル用基板の用途については特に限定されないが、液晶表示装置の構成部材として利用するのが好ましく、通常液晶表示装置の液晶層を挟持する一対の基板の一方又は双方に用いられる。図2に、上記方法によって製造された液晶セル用基板の一例の概略断面図を示す。図2に示す液晶セル用基板は、透明基板21上に、ブラックマトリックス22、RGBからなるカラーフィルタ23、粘着層24、及び転写材料から転写された光学異方性層12と透明電極層14を有する。図2に示す液晶表示用セルは、透明基板上にあらかじめブラックマトリックス及びカラーフィルタを形成し、その上に粘着層を形成して、例えば、図1(a)に示した本発明の転写材料から、光学異方性層及び透明電極層を転写することで製造することができる。
[液晶表示装置]
図3は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。図3中、図2中に示した部材と同一の部材には同一の番号を付し、詳細な説明は省略する。図3に示した液晶表示装置は、図2に示した液晶セル用基板の表面にさらに配向層15を形成した基板を、上側対向基板10Aとして用い、下側対向基板10BとしてTFTアレイ基板を用いた液晶セル30を有する。下側対向基板10Bは、透明基板21上に、TFT電極層25及び配向層26を有する。基板10A及び10Bの間には、液晶層28が挟持され、配向層15及び26によって配向が制御されているとともに、透明電極層14及びTFT電極層25によって電圧を供与可能に構成されている。液晶セル30の両側には、セルロースアセテート(TAC)フィルム等からなる保護フィルム34及び35に挟まれた偏光層33からなる偏光板32が配置されている。液晶セル側の保護フィルム35として、光学補償シートを用いてもよいし、光学的に等方性の保護フィルム34と同じでもよい。
図には示さないが、反射型液晶表示装置の態様では偏光板は観察側に1枚配置したのみでよく、液晶セルの背面あるいは液晶セルの下側基板の内面に反射膜を設置する。もちろんフロントライトを液晶セル観察側に設けることも可能である。さらに、表示装置の1画素内に、透過部と反射部を設けた半透過型も可能である。液晶表示装置の表示モードは特に制限がなく、全ての透過型および反射型液晶表示装置に用いることが可能である。中でも色視野角特性改良が望まれるVAモードに対して、本発明は効果を発揮する。
本発明の液晶セル用基板中の光学異方性層は、液晶表示装置の光学補償に寄与し、即ち、コントラスト視野角を拡大し、液晶表示装置の画像着色を解消するのに寄与する。本発明の転写材料を用いて液晶セル用基板を製造すると、光学異方性層と透明電極層とを同時に基板に転写することができ、その結果、液晶表示装置の製造工程をほとんど増やすことなく、液晶表示装置の視野角特性、特に色視野角特性と透過率を改良することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
(熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1の調製)
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、配向層用塗布液CU−1として用いた。
────────────────────────────────―――
熱可塑性樹脂層用塗布液組成(%)
────────────────────────────────―――
メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(共重合組成比(モル比)=55/30/10/5、重量平均分子量=10万、
Tg≒70℃)
5.89
スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=65/35、
重量平均分子量=1万、Tg≒100℃)
13.74
BPE−500(新中村化学工業(株)製) 9.20
メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業(株)社製) 0.55
メタノール 11.22
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.43
メチルエチルケトン 52.97
─────────────────────────────────―――
(中間層/配向層用塗布液AL−1の調製)
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、中間層/配向層用塗布液AL−1として用いた。
─────────────────────────────────――
中間層/配向層用塗布液組成(%)
─────────────────────────────────――
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ(株)製) 3.21
ポリビニルピロリドン(Luvitec K30、BASF社製) 1.48
蒸留水 52.1
メタノール 43.21
─────────────────────────────────――
(光学異方性層用塗布液LC−1の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−1として用いた。
LC−1−1はTetrahedron Lett.誌、第43巻、6793頁(2002)に記載の方法準じて合成した。LC−1−2はEP1388538A1,page 21に記載の方法により合成した。
──────────────────────────────────――
光学異方性層用塗布液組成(%)
──────────────────────────────────――
棒状液晶(Paliocolor LC242,BASFジャパン)22.0
カイラル剤(Paliocolor LC756,BASFジャパン)3.40
CH2=CH-COO(CH2)4COO-Ph-COO-Ph-COOH 3.30
CH2=CH-COO(CH2)4COO-Ph-COOH 3.30
(但し、Phはフェニレン基を表す)
4,4’−アゾキシジアニソール 0.52
水平配向剤(LC−1−1) 0.10
光重合開始剤(LC−1−2) 1.36
メチルエチルケトン 66.2
──────────────────────────────────――
Figure 0004832904
以下に感光性樹脂層用塗布液の調製方法を説明する。表1にそれぞれの感光性樹脂層用塗布液の組成を示す。
Figure 0004832904
表1中の組成物は以下の通り。
[K顔料分散物組成]
──────────────────────────────────――
K顔料分散物組成(%)
──────────────────────────────────――
カーボンブラック(デグッサ社製、Special Black 250)
13.1
5−[3−オキソ−2−[4−[3,5-ビス(3−ジエチルアミノプロピル
アミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]
−ブチロイルアミノベンズイミダゾロン
0.65
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物
(重量平均分子量3.7万) 6.72
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53
──────────────────────────────────――
[R顔料分散物−1組成]
──────────────────────────────────――
R顔料分散物−1組成(%)
──────────────────────────────────――
C.I.ピグメント・レッド254 8.0
5−[3−オキソ−2−[4−[3,5-ビス(3−ジエチルアミノプロピル
アミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]
−ブチロイルアミノベンズイミダゾロン 0.8
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、
(重量平均分子量3.7万) 8.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83.2
──────────────────────────────────――
[R顔料分散物−2組成]
──────────────────────────────────――
R顔料分散物−2組成(%)
──────────────────────────────────――
C.I.ピグメント・レッド177 18.0
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、
(重量平均分子量3.7万) 12.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70.0
──────────────────────────────────――
[G顔料分散物組成]
──────────────────────────────────――
G顔料分散物組成(%)
──────────────────────────────────――
C.I.ピグメント・グリーン36 18.0
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、
(重量平均分子量3.7万) 12.0
シクロヘキサノン 35.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 35.0
──────────────────────────────────――
[バインダ1組成]
──────────────────────────────────――
バインダ1組成(%)
──────────────────────────────────――
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物
(重量平均分子量4万) 27.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73.0
──────────────────────────────────――
[バインダ2組成]
──────────────────────────────────――
バインダ2組成(%)
──────────────────────────────────――
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=
38/25/37モル比のランダム共重合物(重量平均分子量3万)27.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73.0
──────────────────────────────────――
[バインダ3組成]
──────────────────────────────────――
バインダ3組成(%)
──────────────────────────────────――
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=
36/22/42モル比のランダム共重合物(重量平均分子量3万)27.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73.0
──────────────────────────────────――
[DPHA組成]
──────────────────────────────────――
DPHA溶液組成(%)
──────────────────────────────────――
KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製) 76.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24.0
──────────────────────────────────――
(遮光性隔壁層用塗布液PP−K1の調製)
遮光性隔壁層用塗布液PP−K1は、まず表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダ1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA溶液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、メガファックF−176PF界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpm30分間攪拌することによって得られた。
(感光性樹脂層用塗布液PP−R1の調製)
感光性樹脂層用塗布液PP−R1は、まず表1に記載の量のR顔料分散物1、R顔料分散物2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダ2、DPHA溶液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpm10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のED152をはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm20分間攪拌し、更に、表31に記載の量のメガファックF−176PF界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm30分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
(感光性樹脂層用塗布液PP−G1の調製)
感光性樹脂層用塗布液PP−G1は、まず表1に記載の量のG顔料分散物、CFエローEX3393、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダ1、DPHA溶液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpm30分間攪拌し、更に、表1に記載の量のメガファックF−176PF界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
(感光性樹脂層用塗布液PP−B1の調製)
感光性樹脂層用塗布液PP−B1は、まず表1に記載の量のCFブルーEX3357、CFブルーEX3383、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダ3、DPHA溶液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、フェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpm30分間攪拌し、更に、表1に記載の量のメガファックF−176PF界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
(粘着層用塗布液PP−X1の調製)
感光性樹脂層用塗布液PP−X1は、表1に記載のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとメチルエチルケトン、バインダ3、DPHA溶液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、フェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpm30分間攪拌し、更に、表1に記載の量のメガファックF−176PF界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
(粘着層用転写材料の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、塗布液PP−X1を塗布、110℃で10分間間乾燥させ、粘着層X−1を作製した。乾燥した層の膜厚は1.2μmであった。
(偏光UV照射装置POLUV−1)
UV光源として350〜400nmに強い発光スペクトルを有するD−Bulbを搭載したマイクロウェーブ発光方式の紫外線照射装置(Light Hammer 10、240W/cm、Fusion UV Systems社製)を用い、照射面から3cm離れた位置に、ワイヤグリッド偏光フィルタ(ProFlux PPL02(高透過率タイプ)、Moxtek社製)を設置して偏光UV照射装置を作製した。この装置の最大照度は400mW/cm2であった。
(透明電極層付き光学位相差層転写材料の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを仮支持体Aとして用い、その上に、スリット状ノズルを用いて、熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1を塗布、乾燥させて、熱可塑性樹脂層を形成した。次に、塗布液AL−1を塗布、乾燥させて、配向層を形成した。熱可塑性樹脂層の膜厚は6.0μm、配向層は1.6μmであった。続いて、形成した配向層をラビング処理した後、その上に光学異方性層用塗布液LC−1を#6のワイヤーバーコータで塗布し、膜面温度が95℃2分間加熱乾燥熟成して均一な液晶相を有する層を形成した。さらに熟成後直ちにこの層に対して、酸素濃度0.3%以下の窒素雰囲気下において、POLUV−1を用いて偏光板の透過軸が仮支持体のTD方向となるようにして偏光UVを照射(照度200mW/cm2、照射量200mJ/cm2)して光学異方層を固定化し、厚さ2.8μmの光学異方性層を形成した。次に、ITOを加熱温度30℃でスパッタリングし透明電極層を形成した。その上にパナック社製 Pac2フィルムをラミネートして仮支持体Bとし、本発明の実施例1である、透明電極層及び光学位相差層を有する転写材料T−1を作製した。
(位相差測定)
転写材料T−1が有する光学異方性層の波長λにおける正面レターデーションRe(0)および遅相軸を回転軸として±40度サンプルを傾斜させたときのレターデーションRe(40)、Re(−40)を、ファイバ型分光計を用いた平行ニコル法により測定した。位相差測定結果を表2に示す。
Figure 0004832904
(KRGB用感光性樹脂転写材料の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1を塗布、乾燥させた。次に、塗布液AL−1を塗布、乾燥させた。熱可塑性樹脂層の膜厚は14.6μm、配向層は1.6μmであった。続いて、その上に感光性樹脂組成物PP−K1を塗布、乾燥させ、感光性樹脂転写材料K−1を作製した。
R、G、Bについても、PP−K1の代わりにPP−K1、PP−G1、PP−B1を塗布した以外は同様にして、それぞれR用、G用、B用感光性樹脂転写材料R−1、G−1、B−1を作製した。
(突起用感光性転写材料の作製)
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体上に熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が15μmの熱可塑性樹脂層を設けた。
次に、前記熱可塑性樹脂層上に中間層/配向層用塗布液AL−1を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が1.6μmの中間層を設けた。
前記中間層上に、下記の処方からなる塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が2.0μmの液晶配向制御用の突起形成用感光性樹脂層を設けた。
──────────────────────────────────――
突起用塗布液組成(%)
──────────────────────────────────――
FH−2413F(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)
53.3
メチルエチルケトン 46.7
メガファックF−176PF 0.04
──────────────────────────────────――
更に、前記感光性樹脂層表面に厚さ12μmのポリプロピレン製のフィルムをカバーフィルムとして貼り付け、仮支持体上に、熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層、カバーフィルムをこの順に有する突起形成用転写材料を作製した。
(液晶セル用基板の作製)
次の方法により液晶セル用基板(カラーフィルタ)を作製した。
―洗浄及び表面処理―
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液、商品名:KBM603、信越化学)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
(カラーフィルタの作製)
−ブラック(K)画像の形成−
前記感光性樹脂転写材料K−1の保護フィルムを剥離後、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いて、前記100℃で2分間加熱した前記基板上に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体Bを剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング株式会社製)で、基板と所望の画像パターンを有す石英露光マスクで、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量90mJ/cm2でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム(株)製)にて30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と酸素遮断膜を除去した。
引き続き炭酸Na系現像液(0.06mol/Lの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム(株)製)を用い、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し感光性樹脂層を現像しパターニング画像を得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム(株)製)」を用い、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い、ブラック(K)の画像を得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で1000mJ/cm2の光でポスト露光後、220℃、15分熱処理した。
このKの画像を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃2分加熱し、ブラックマトリックス(BM)パターンを形成した基板を得た。
−レッド(R)画素の形成−
前記感光性樹脂転写材料R−1を用い、前記ブラックマトリクスを形成した基板上に、前記感光性樹脂転写材料K−1と同様の工程で、レッド(R)の画素を得た。
−グリーン(G)画素の形成−
前記感光性樹脂転写材料G−1を用い、前記レッド(R)画素を形成した基板上に、前記感光性樹脂転写材料K−1と同様の工程で、グリーン(G)の画素を得た。
−ブルー(B)画素の形成−
前記感光性樹脂転写材料B−1を用い、前記レッド(R)画素とグリーン(G)画素を形成した基板上に、同様の工程で、ブルー(B)の画素を得た。
このR、G及びBの画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、基板加熱装置により240℃50分加熱し、目的のカラーフィルタを作製した。この様にして、カラーフィルタ付き基板を作製した。
―粘着層の形成―
前記粘着層転写材料X−1を、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記100℃で2分間加熱した、上記カラーフィルタ付き基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートし、粘着層をカラーフィルタ付き基板の表面に転写した。
−光学異方性層および透明電極層の形成−
粘着層を転写したカラーフィルタ付き基板を100℃で2分間加熱した。この基板の粘着層の表面に、前記転写材料T−1の仮支持体Aを剥離しつつ、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いて、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートし、光学異方性層と透明電極層とを基板上に転写し、仮支持体Bを剥離した。
−突起の形成−
上で作製した突起形成用転写材料からカバーフィルムを剥がし、その感光性樹脂層の表面と前記基板のITO透明電極層の表面とを重ね合わせ、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いて、線圧100N/cm、温度130℃、搬送速度2.2m/分の条件下で貼り合わせた。その後、突起形成用転写材料の仮支持体のみを熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、除去した。この状態では、基板のITO透明電極層上に、感光性樹脂層、中間層、熱可塑性樹脂層がこの順に積層されていた。
次に、最外層である熱可塑性樹脂層の上方に、フォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティー露光機を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー70mJ/cm2でプロキシミティー露光した。その後、1%トリエタノールアミン水溶液を、シャワー式現像装置にて30℃で30秒間基板に噴霧して、熱可塑性樹脂層及び中間層を溶解除去した。この段階では、感光性樹脂層は実質的に現像されていなかった。
続いて、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を、シャワー式現像装置にて23℃50秒間基板に噴霧しながら現像し、感光性樹脂層の不要部(未硬化部)を現像除去した。すると、前記レッド(R)とグリーン(G)パターンを積層して形成したスペーサの土台上と、カラーフィルタ側基板上に、所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる突起が形成された。次いで、該突起が形成されたカラーフィルタ側基板を230℃下で50分ベークすることにより、前記レッド(R)とグリーン(G)を積層して形成したスペーサの土台上に、グリーン(G)画素からの高さが3.7μmのスペーサと、カラーフィルタ側基板上に、高さ1.5μm、縦断面形状が蒲鉾様の液晶配向制御用突起を形成することができた。
−配向層の形成−
更にその上に配向層を設けた。配向材はJSR製ポリイミドJALS204を使用し、ロールコート法で画素電極が配置されている領域に選択的に塗布した。塗布後、80℃の雰囲気で15分プリベークを行い、さらに200℃で60分焼成を行った。その結果、膜厚で約0.5μmの配向層を得た。
この様にして、ガラス基板上に、カラーフィルタ(BM及びRGB層を含む)、光学異方性層層、ITO透明電極層、配向制御用突起パターン及び配向層をこの順で有する液晶セル用基板(以下、「カラーフィルタ基板」という)を作製した。
(対向側基板の準備)
上記で作製したカラーフィルタ基板の対向基板として、ガラス基板上に、透明導電層を形成した基板を用いた。次に、透明導電層の上にはポリイミド配向層を形成した。配向材はJSR製ポリイミドJALS204を使用し、ロールコート法で画素電極が配置されている領域に選択的に塗布した。塗布後、80℃の雰囲気で15分プリベークを行い、さらに200℃で60分焼成を行った。その結果、膜厚で約0.5μmの配向層を得た。
(シールパターンの形成)
基板の周囲にシールパターンを形成した。スペーサ粒子を1質量%含有したエポキシ樹脂(日産化学製ストラクトボンドXN−21S)をシールディスペンサ装置で表示領域を囲む所定の領域に液晶の注入口に相当する部分を開いた形で印刷した。これを80℃で30分仮焼きした。
(重ね合わせ)
上記で作製したカラーフィルタ基板と、対向基板とが正しい位置で重なるように、アライメントしながら重ねあわせ装置で合わせた。その状態で0.03Mpaの圧力をかけながら、貼り合わされたガラス基板を180℃、90分で熱処理し、シール剤を硬化させ、2枚のガラス基板の積層体を得た。焼成にはバルーンタイプの焼成装置を使用した。
(液晶注入)
この基板積層体に液晶注入装置を使って液晶材を注入した。液晶材はメルク社製MLC−6608で、これを液晶皿に入れ、基板積層体とともに真空チャンバー内で10-1Paの真空下で60分保持して脱気した。十分真空に引いた後、シールに設けた注入口の部分を液晶に浸すようにした上で大気圧に戻して180分保持して、ガラス基板の間隙に液晶を満たした。その後、注入装置から基板積層体を取り出し、注入口の部分をUV硬化性のエポキシ接着剤を塗布・硬化して液晶セルを得た。
(偏光版貼り付け)
この液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を吸収軸を直交する配置に貼り付けて液晶パネルを得た。
(実施例1のVA−LCDの作製)
カラー液晶表示装置用冷陰極管をバックライトとして使用した。このバックライト上に上記偏光板を付与した液晶セルを設置し、実施例のVA−LCDを作製した。
(比較例のVA−LCDの作製)
カラーフィルタ作製後、転写材料T−1から透明電極層及び光学位相差層を転写する代わりに、スパッタによりITOを形成し、さらに下側偏光板の液晶セル側の保護フィルム上に、AL−1とLC−1を用いてT−1の光学異方性層を作製したのと同様の方法によって2.75μmの光学異方性層を形成した以外は実施例と同様にして、比較例1のVA−LCDを作製した。
(VA−LCDの光漏れの比較)
作製した実施例と比較例の液晶表示装置を、駆動状態で60℃95%の恒温層に24時間入れた後取り出し、25℃50%の状態1時間放置した後に、黒表示画面での光漏れを目視観察した。結果を表3に示す。
Figure 0004832904
本発明の転写材料のいくつかの例の断面概略図である。 本発明の転写材料を用いて作製された液晶セル用基板の一例の断面概略図である。 本発明の転写材料を用いて作製された液晶セル用基板を有する液晶表示装置の一例の断面概略図である。
符号の説明
10 仮支持体A
12 光学異方性層
14 透明電極層
15 配向層
16 仮支持体B
18 配向層
20 凹凸吸収層
21 透明基板
22 ブラックマトリック層
23 カラーフィルタ層
24 粘着層
25 TFT電極層
26 配向層
28 液晶
30 液晶セル
32 偏光板
33 偏光層
34 保護フィルム
35 保護フィルム又は光学補償シート
10A、10B 液晶セル用基板

Claims (13)

  1. 仮支持体A上に、少なくとも一層の光学異方性層及び少なくとも一層の透明電極層をこの順に有し、前記光学異方性層と前記透明電極層とを同時に転写し、
    前記仮支持体Aが、セルロースエステル、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、又はノルボルネン系ポリマーから構成される転写材料。
  2. 仮支持体A上に、少なくとも一層の光学異方性層及び少なくとも一層の透明電極層をこの順に有し、さらに、前記仮支持体Aと前記光学異方性層との間に熱可塑性樹脂層を有し、
    前記光学異方性層と前記透明電極層とを同時に転写する転写材料。
  3. 前記光学異方性層が、少なくとも一つの反応性基を有する液晶性化合物を含有する液晶層に、熱または電離放射線を照射して形成された層である請求項1又は2に記載の転写材料。
  4. 前記液晶性化合物の反応性基が、エチレン性不飽和基である請求項に記載の転写材料。
  5. 前記液晶性化合物が、棒状液晶である請求項又はに記載の転写材料。
  6. 前記液晶性化合物の示す液晶相が、ネマチック相またはスメクチック相である請求項のいずれか一項に記載の転写材料。
  7. 前記液晶性化合物の示す液晶相がコレステリック相である請求項のいずれか一項に記載の転写材料。
  8. 前記仮支持体Aと反対側の表面に仮支持体Bをさらに有する請求項1〜のいずれか一項に記載の転写材料。
  9. 基板と、請求項1〜のいずれか一項に記載の転写材料から転写された光学異方性層及び透明電極層有する液晶セル用基板であって、
    前記基板と前記透明電極層との間に、粘着層を有する液晶セル用基板。
  10. 前記基板が、カラーフィルタを備え、カラーフィルタ上に前記光学異方性層と透明電極層とを転写してなる請求項に記載の液晶セル用基板。
  11. 請求項1〜のいずれか一項に記載の転写材料から、少なくともひとつの光学異方性層と少なくとも一つの透明電極層とを基板上に転写する工程を含む液晶セル用基板の製造方法。
  12. 一対の基板と、該一対の基板に挟持される液晶層とを有する液晶セルを備えた液晶表示装置であって、前記一対の基板の少なくとも一方が、請求項9又は10に記載の液晶セル用基板である液晶表示装置。
  13. 前記液晶セルの液晶モードがSTN、TN、VA、IPS、OCBのいずれかである請求項1に記載の液晶表示装置。
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