JP6161021B2 - 車両重量計 - Google Patents

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Description

本発明は車両重量計に関する。特に、本発明は、車両のタイヤ接地長を測定できる車両重量計に関する。
車両が、タイヤ空気圧が低い状態で走行すると、車両のタイヤトラブル(例えば、走行中のタイヤバースト)の発生原因になる。また、空気圧が不足気味の状態で車両が走行すると、燃費が低下する等、環境への悪影響もある。よって、車両のタイヤ空気圧を把握することは、車両の運転にとって重要である。
そして、このようなタイヤ空気圧と密接に関係する物理量として、従来からタイヤ接地長が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の車輪タイヤの接地長検出装置は、車両のタイヤの接地によって変形する箇所に、圧電素子を埋設するとともに、圧電素子からの給電によって磁界を発生する導電線をタイヤの全周に亘って埋設している。また、本装置は、導電線の磁界を検出して電流を発生する磁気センサも備えている。
以上により、特許文献1では、タイヤ接地開始に伴うタイヤの変化が生じてから接地終了に伴う変化が生じるまでの間の時間を計測し、この時間と車両の速度とからタイヤ接地長を測定し得るので、タイヤ空気圧の異常な低下を判定できるとされている。
特開2003−65871号公報
本件発明者は、車両の総重量および軸重等の測定に用いる車両重量計(例えば、トラックスケール、軸重計や輪重計等)の開発に取り組んでいる。トラックスケールや軸重計等を用いて車両のタイヤ接地長を測定できると、特許文献1のような特別のタイヤ接地長検出装置が不要となり、有益であるが、一般的に、トラックスケールや軸重計を用いて測定できる量は、車両の総重量および軸重であると考えられている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車両のタイヤ接地長を簡易に測定できる車両重量計を提供することを目的とする。また、このタイヤ接地長に基づいてタイヤ空気圧の良否を判定できる車両重量計を提供することも目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のある形態(aspect)は、車両の車輪が乗ることができる一の載台と、前記載台を下方から支持し、且つ、前記車両の進行方向に沿って予め定められた間隔を設けて配された複数のロードセルと、前記車両の速度に依存せずに、少なくとも前記車両の車輪が前記載台に乗ったときの前記ロードセルの出力値と前記ロードセルの前記間隔とに基づいて前記車輪のタイヤ接地長を演算する演算手段と、を備える車両重量計を提供する。
かかる構成により、本発明の上述の形態の車両重量計において、従来の車両重量計に、車両の車輪のタイヤ接地長を測定する機能を付与することができる。
また、本発明の上述の形態の車両重量計では、前記演算手段は、前記タイヤ接地長に基づいて前記車輪のタイヤ空気圧の良否を判定してもよい。
かかる構成により、本発明の上述の形態の車両重量計において、車両の車輪のタイヤ接地長に基づいて、従来の車両重量計に、車両の車輪のタイヤ空気圧の良否を判定する機能を付与することができる。
ところで、本発明の上述の形態の車両重量計では、載台上に車両の片側の車輪のみの荷重がロードセルに作用する時間区間が生じ、この作用を有効に利用して、車両の車輪毎のタイヤ接地長を求めることに特徴がある。
よって、本発明のさらに別の形態は、車両の車輪が乗ることができる一の載台と、前記載台を下方から支持し、且つ、前記車両の進行方向に沿って予め定められた間隔を設けて配された複数のロードセルと、前記車両の速度に依存せずに、少なくとも、前記車両の左右いずれか一方の車輪のみが前記載台に乗ったときの前記ロードセルの出力値と前記車両の左右両方の車輪が前記載台に乗ったときの前記ロードセルの出力値と前記ロードセルの前記間隔とに基づいて、前記車両の左右それぞれの車輪毎に前記車輪のタイヤ接地長を演算する演算手段と、を備える車両重量計を提供する。

かかる構成により、本発明の上述の形態の車両重量計において、従来の車両重量計に、車両の左右それぞれの車輪毎のタイヤ接地長を測定する機能を付与することできる。
また、本発明の上述の形態の車両重量計において、前記演算手段は、前記車輪毎のタイヤ接地長に基づいて、前記車輪毎に前記車輪のタイヤ空気圧の良否を判定してもよい。
かかる構成により、本発明の上述の形態の車両重量計において、車両の左右それぞれの車輪毎のタイヤ接地長に基づいて、従来の車両重量計に、車両の左右それぞれの車輪毎のタイヤ空気圧の良否を判定する機能を付与することができる。
本発明の車両重量計によれば、従来の車両重量計に、車両の車輪のタイヤ接地長を測定する機能を付与することができる。また、本発明の車両重量計によれば、このタイヤ接地長に基づいてタイヤ空気圧の良否を判定する機能を付与することができる。
図1は、本発明の第1実施形態のトラックスケールの概略構造の一例を示す図である。同図(a)には、トラックスケールの平面図が示され、同図(b)には、トラックスケールの側面図が示されている。 図2は、図1のトラックスケールの制御系の構成の一例を示すブロック図である。 図3は、図2のトラックスケールの制御装置の機能ブロック図である。 図4は、車両のタイヤ接地面およびタイヤ接地長の説明に用いる図である。 図5は、図1の車両の第1軸の両車輪および第2軸の両車輪が載台に乗り込むときの、ロードセルの出力波形を表した図である。 図6は、本発明の第2実施形態のトラックスケールの概略構造の一例を示す図である。同図(a)には、トラックスケールの平面図が示され、同図(b)には、トラックスケールの側面図が示されている。 図7は、図6のトラックスケールの制御装置の機能ブロック図である。 図8は、図6の車両の第1軸の両車輪および第2軸の両車輪が載台に乗り込むときの、ロードセルの出力波形を表した図である。 図9は、第2実施形態の変形例によるトラックスケールの載台の概略構造の一例を示す図である。 図10は、本発明の第3実施形態による軸重計の概略構造の一例を示した図である。同図(a)には、軸重計を平面図が示されている。同図(b)には、軸重計の側面図が示されている。 図11は、図10の軸重計の制御装置の機能ブロック図である。 図12は、図10の車両の第1軸の両車輪が載台に乗り込むときの、ロードセルの出力波形を表した図である。 図13は、第3実施形態の変形例による軸重計の載台の概略構造の一例を示す図である。
以下、本発明の第1、第2および第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、重複する要素の説明を省略する場合がある。また、本発明は、以下の第1、第2および第3実施形態に限定されない。つまり、以下の第1、第2および第3実施形態の説明は、上記車両重量計の特徴を例示しているに過ぎない。
例えば、本発明は、以下の第1、第2および第3実施形態において例示するタイヤ接地長の定式化における具体的な演算式に限定されない。
更に、本発明の構成に対応する用語に適宜の参照符号を付して以下の具体例を説明する場合、本具体例は、これに対応する本発明の構成の一例である。
例えば、以下に述べる「トラックスケール100」、「トラックスケール100A」および「軸重計200」は、本発明の対象である「車両重量計」の一例に過ぎない。このため、「車両重量計」の具体例は、トラックスケールや軸重計に限らず、例えば、輪重計でもよい。
(第1実施形態)
[トラックスケールの構成]
図1は、本発明の第1実施形態のトラックスケールの概略構造の一例を示す図である。同図(a)には、トラックスケールの平面図が示されている。同図(b)には、トラックスケールの側面図が示されている。
なお、本実施形態では、便宜上、図1において車両10の全長方向を「前」および「後」の方向として図示し、車両10の幅方向を「左」および「右」の方向として図示している。そして、車両10が載台20の「後」から進入し、載台20の「前」から退出するものして、以下のトラックスケール100の構成を説明する。以下の説明では、車両10の進入方向を、前後方向と言い換え、車両10の幅方向を左右方向と言い換える場合がある。
図1に示すように、トラックスケール100は、トラックやトレーラ等の車両10が乗ることができる載台20と、第1ロードセルLC1、第2ロードセルLC2、第3ロードセルLC3および第4ロードセルLC4(以下、これらのロードセルLC1,LC2,LC3,LC4を総称して「ロードセルLC1〜LC4」と略す場合がある)と、を備える。
なお、ここでは、車両10として、車輪11a,11bが装着された前側の車軸13(以下、「第1軸13」と略す場合がある)が運転席の下方に1本、車輪12a,12bが装着された後側の車軸14(以下、「第2軸14」と略す場合がある)が荷台の下方に1本、合計2本の車軸13,14が配された4輪トラックが例示されている。また、図1に示すように、載台20は、車両10の全ての車輪11a,11b,12a,12bを積載でき、車両10の総重量測定に用いる総重量測定面20Sを備える。
トラックスケール100を平面視(図1(a))した場合、設置ベース25の表面には長方形のピット部27が形成されている。そして、図1に示すように、このピット部27に、載台20が配されている。
また、図1(a)に示すように、載台20は、前後方向に延びる右端部20Rおよび左端部20Lを長辺とし、左右方向に延びる前端部20Fおよび後端部20Bを短辺とし、全長Lおよび幅寸法Hの長方形の板部材によって構成されている。
また、図1に示すように、4個のロードセルLC1〜LC4はそれぞれ、載台20の四隅において載台20の下方の設置ベース25上に配されている。
詳しくは、第1ロードセルLC1と第3ロードセルLC3は、載台20の後端部20Bの近傍において後端部20Bと平行な直線上に一定間隔を隔てて並び、第2ロードセルLC2と第4ロードセルLC4は、載台20の前端部20Fの近傍において前端部20Fと平行な直線上に上記一定間隔と同じ間隔を隔てて並んでいる。
一方、第1ロードセルLC1と第2ロードセルLC2は、載台20の左端部20Lの近傍において左端部20Lと平行な直線上に一定間隔(寸法a;例えば、図5参照)を隔てて並び、第3ロードセルLC3と第4ロードセルLC4は、載台20の右端部20Rの近傍において右端部20Rと平行な直線上に上記一定間隔と同じ間隔(寸法a;例えば、図5参照)を隔てて並んでいる。
以上より、載台20が、設置ベース25上のロードセルLC1〜LC4によって下方から支持されている。
なお、本実施形態のトラックスケール100では、従来のトラックスケールの総重量演算機能および軸重演算機能の他、車両10の車軸13,14毎に車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地長を演算し、このタイヤ接地長に基づいてタイヤ空気圧を予測する機能(タイヤ空気圧の良否を判定する機能)を備えている。この詳細は後述する。
[トラックスケールの制御系の構成]
図2は、図1のトラックスケールの制御系の構成の一例を示すブロック図である。また、図3は、図2のトラックスケールの制御装置の機能ブロック図である。
図2に示すように、トラックスケール100は、制御装置40と、操作装置41と、表示装置42とを備える。
制御装置40は、例えば、ロードセルLC1〜LC4のそれぞれに対応する複数(ここでは、4個)の増幅器43および複数(ここでは、4個)のローパスフィルタ44と、マルチプレクサ45と、A/D変換器46と、I/O回路47と、メモリ48と、演算器49とを備える。
増幅器43は、ロードセルLC1〜LC4から送信される信号をA/D変換可能な大きさに増幅して送り出す機能を備える。
ローパスフィルタ44は、低域周波数のみを信号として通過させる機能を備える。
マルチプレクサ45は、ローパスフィルタ44のそれぞれから送信される複数の信号を、演算器49からの選択制御信号の指令に基づいて選択的に送り出す機能を備える。
A/D変換器46は、マルチプレクサ45からのアナログ信号をデジタル信号に変換する機能を備える。
I/O回路47は、A/D変換器46と、操作装置41と、表示装置42と、メモリ48と、演算器49との間で各種の信号やデータの受け渡しを行う機能を備える。
メモリ48は、例えば、PROMやRAM等で構成され、所定プログラムや基本データ等を長期的に記憶したり、種々のデータや演算用数値などを一時的に記憶したりする機能を備える。
演算器49は、例えば、マイクロプロセッサ(MPU)等の処理装置で構成され、メモリ48に格納されている所定プログラムの指示に従って、必要な信号をI/O回路47を介して受け取り、必要なデータをメモリ48から受け取り、受け取った信号やデータに基づいて演算を実行する機能を備える。
操作装置41は、操作スイッチや数値キー等を備え、測定開始・終了の動作や零点調整動作、使用モードの切り換え動作、数値設定動作などの種々の動作の際に用いられる。
表示装置42は、例えば、液晶ディスプレイパネル等で構成され、測定結果や各種データの入出力画面などが表示される。
[トラックスケールの制御系の処理動作]
トラックスケール100の制御系においては、各ロードセルLC1〜LC4の出力信号が、増幅器43、ローパスフィルタ44、マルチプレクサ45、A/D変換器46およびI/O回路47を経由して演算器49に送られる。演算器49は、メモリ48に格納されている所定プログラムに従って、I/O回路47からの信号を取り込み、メモリ48に記憶されている種々のデータを読み込む。
これにより、演算器49は、これらの信号やデータに基づいて車両10の運転を支援できる様々な有益な積載状態量の演算を行い、この演算結果は表示装置42に表示される。
そして、本実施形態のトラックスケール100では、制御装置40において、所定プログラムが演算器49で実行されることにより、図3に示すように、車両10の総重量を演算する総重量演算部53、車両10の車軸13、14の軸重を演算する軸重演算部54、車両10の車軸13,14毎に車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ空気圧を予測するタイヤ空気圧演算部56、表示信号生成部55のそれぞれの機能が実現される。
なお、制御装置40は、必ずしも、単独の演算器49で構成される必要はなく、複数の演算器が分散配置されていて、それらが協働してトラックスケール100の動作を制御するよう構成されていてもよい。例えば、総重量演算部53の機能、軸重演算部54の機能タイヤ空気圧演算部56の機能を、ここでは、単一の演算器49を用いて実現している例が示されているが、これらの機能を別個の演算器(MPU)を用いて実現してもよい。
以下、トラックスケール100の重量演算部53の機能、軸重演算部54の機能、およびタイヤ空気圧演算部56の機能をそれぞれ、順を追って説明する。なお、表示信号生成部55の機能は公知である。よって、この機能説明は、ここでは、省略する。
[記号の定義]
まず、以下の説明およびこれに関連する図面に用いる記号の意味を、まとめて定義する。
<車両関連>
:第1軸13の軸重
:第2軸14の軸重
W:車両10の総重量
:第1軸13の車輪11a,11bのタイヤ接地長
(但し、タイヤ接地長Sは、車輪11a,11bにおいて同一であると仮定する)
:第2軸14の車輪12a,12bのタイヤ接地長
(但し、タイヤ接地長Sは、車輪12a,12bにおいて同一であると仮定する)
12:第1軸13と第2軸14との間の距離(軸間距離)
<ロードセル関連>
:第1ロードセルLC1の出力
:第2ロードセルLC2の出力
:第3ロードセルLC3の出力
:第4ロードセルLC4の出力
13:第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3の出力の和
(P13=P+P
P:全てのロードセルLC1〜LC4の出力の総和
(P=P+P+P+P
:第2軸14が第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3を結ぶ直線の直上に到達したときのP13の値
:P13(x)の第1軸13の成分
:P13(x)の第2軸14の成分
a:第1ロードセルLC1(第3ロードセルLC3)と第2ロードセルLC2(第4ロードセルLC4)との中心間距離
なお、上記記号のうち、距離aは、既知の値(ロードセルLC1〜LC4の配置に依存する固定値)であり、これらの値は予めメモリ48に記憶されている。
<載台関連>
L:載台20の全長
なお、上記の距離Lは、既知の値(載台20の形状に依存する固定値)であり、これらの値は予めメモリ48に記憶されている。
<ロードセルの出力波形関連>
図4に示すように、車両10の第1軸13(第2軸14も同じ)の両車輪11a,11bのそれぞれのタイヤでは、設置ベース25および載台20との間でタイヤ接地面30が生じ、タイヤにはタイヤ接地長Sが存在する。よって、車両10が載台20に乗り込むとき、ロードセルLC1〜LC4の出力信号の波形には、図5に示すように、複数個の折点が表れ、これらの出力波形の折点に対応する時刻t,t,t,t,tは、以下のように定義できる。
:第1軸13の車輪11a,11bのタイヤが、載台20に乗り込み始める時
:第1軸13の車輪11a,11bのタイヤが、載台20に完全に乗った時
:第2軸14の車輪12a,12bのタイヤが、載台20に乗り込み始める時
:第2軸14の車輪12a,12bのタイヤが、載台20に完全に乗った時
:第1軸13の車輪11a,11bのタイヤが、載台20から降り始める時
[タイヤ空気圧演算部の機能]
以下、トラックスケール200のタイヤ空気圧演算部56の機能について説明する。
車両10の車軸13,14毎の車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地長S,Sは、様々な要因で変化する。具体的には、(1)車両10のタイヤサイズ、(2)車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ空気圧、(3)車輪11a,11b,12a,12bの輪重(タイヤにかかる荷重)に大きく依存する。詳しくは、タイヤ接地長S,Sは、車両10のタイヤサイズとの間で正の相関があり、車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ空気圧との間で負の相関があり、車輪11a,11b,12a,12bの輪重との間で正の相関があると考えられる。
よって、車両10のタイヤサイズ、車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地長S,Sおよび車輪11a,11b,12a,12bの輪重を特定できる場合、これらの値に基づいて、車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ空気圧を予測できる。
例えば、車両10のタイヤサイズが同一とする場合、タイヤ空気圧が低い場合または輪重が大きい場合、タイヤ接地長S,Sは長くなる。逆に、空気圧が高い場合、または、輪重が小さい場合、タイヤ接地長S,Sが短くなる。
なお、車輪11a,11b,12a,12bの輪重は、公知の輪重計で測定してもいいし、トラックスケール100の載台20の形状を変更することにより、トラックスケール単体で測定してもいい。後者のトラックスケールの詳細は、第2実施形態で述べる。
また、車両10のタイヤサイズは、適宜のセンサで測定してもいいし、車両10の仕様書等から取得してもいい。なお、乗用車では、様々なタイヤサイズが用いられているが、トラックでは、タイヤサイズに大きな違いがない。よって、車両10がトラックの場合、車軸13,14毎の車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ空気圧予測において、車両10のタイヤサイズを固有値として取り扱っても差し支えない。
そこで、以下、車両10の車軸13,14毎の車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地長S,Sを演算する方法について図面を参照しながら詳しく説明する。
<車両のタイヤ接地長導出法>
図5は、図1の車両の第1軸の両車輪および第2軸の両車輪が載台に乗り込むときの、ロードセルの出力波形を表した図である。
なお、図5では、車両10の車軸13,14毎の車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地長S,Sの導出法を理解することが目的なので、本導出法に直接関係しないトラックスケール100の構成の図示は、便宜上、省略ないし簡略化されている。例えば、図5では、設置ベース25(図1参照)の図示は省略されている。
上記のタイヤ接地長S,Sを導くには、車両10が載台20上を移動する場合のロードセルLC1〜LC4の出力波形の意味を知る必要がある。
そこで、ロードセルLC1〜LC4の出力波形について説明する。
図5(b)では、第1軸13の位置(タイヤ中心線位置)を横軸に取り、ロードセルLC1〜LC4の出力の総和であるP(x)(=P(x)+P(x)+P(x)+P(x))の出力波形を縦軸に取って、両者の関係が示されている。図5(c)では、第1軸13の位置(タイヤ中心線位置)を横軸に取り、第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3の出力の総和であるP13(x)(=P(x)+P(x))の出力波形を縦軸に取って、両者の関係が示されている。
なお、図5(a)では、上記出力波形の意味を理解容易にする趣旨で、x軸の位置に対応付けて、載台20およびロードセルLC1〜LC4の図示が併記されている。
図5(b)のP(x)の出力波形は、以下の如く理解できる。
図5(b)に示すように、第1軸13の車輪11a,11bのタイヤが、載台20に乗り込み始める時(時刻t)、P(x)の出力波形は立ち上がり始め、第1軸13の車輪11a,11bのタイヤが、載台20に完全に乗った時(時刻t)、上記出力波形の値は一定となる。この場合、P(x)の出力値が軸重Wに相当する。なお、このとき、車両10の第1軸13の車輪11a,11bのタイヤと載台20との間でタイヤ接地面30(図4参照)が生じるが、車輪11a,11bの荷重がタイヤ接地面30に等分布荷重として作用すると仮定する場合、上記出力波形の立ち上がりプロファイルは、図5(b)に示す如くほぼ折線状となる。また、時刻tに対応するx軸の位置と、時刻tに対応するx軸の位置との間の距離は、第1軸13の車輪11a,11bのタイヤ接地長Sに等しくなる。
また、図5(b)に示すように、第2軸14の車輪12a,12bのタイヤが、載台20に乗り込み始める時(時刻t)、P(x)の出力波形は、再び立ち上がり始め、第2軸14の車輪12a,12bのタイヤが、載台20に完全に乗った時(時刻t)、上記出力波形の値は一定となる。この場合、P(x)の出力値が総重量W(=W+W)に相当する。なお、このとき、車両10の第2軸14の車輪12a,12bのタイヤと載台20との間でタイヤ接地面が生じるが、車輪12a,12bの荷重がタイヤ接地面に等分布荷重として作用すると仮定する場合、上記出力波形の立ち上がりプロファイルは、図5(b)に示す如くほぼ折線状となる。また、時刻tに対応するx軸の位置と、時刻tに対応するx軸の位置との間の距離は、第2軸14の車輪12a,12bのタイヤ接地長Sに等しくなる。
図5(c)のP13(x)の出力波形は、第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線周りのモーメントのつりあい式に基づいて、以下の如く理解できる。
図5(c)に示すように、第1軸13の車輪11a,11bのタイヤが、載台20に乗り込み始める時(時刻t)、P13(x)の出力波形は立ち上がり始め、第1軸13の車輪11a,11bのタイヤが、載台20に完全に乗った時(時刻t)、上記出力波形の値は極大値となる。なお、図5(c)では、時刻tのP13(x)の出力波形の位置(折点)を座標300としている。そして、座標300におけるP13(x)の出力値を「W」としている。
その後、図5(c)に示すように、P13(x)の出力値は、線形減少に転じる。
ここで、P13(x)の出力値(P13(x)の第1軸13の成分K)は、第1軸13が第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3を結ぶ直線の直上に到達したときに、軸重Wと等しくなる。図5(c)では、このときのP13(x)の出力波形の位置を座標301としている。
なお、上記成分Kは、第1軸13が第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線の直上に到達したときに、ゼロとなる。図5(c)では、このときのP13(x)の出力波形の位置(つまり、このときのx軸の位置)を座標302としている。
また、図5(c)に示すように、第2軸14の車輪12a,12bのタイヤが、載台20に乗り込み始める時(時刻t)、P13(x)の出力波形は、再び立ち上がり始め、第2軸14の車輪12a,12bのタイヤが、載台20に完全に乗った時(時刻t)、上記出力波形の値は極大値となる。なお、図5(c)では、時刻tのP13(x)の出力波形の位置(折点)を座標303としている。そして、座標303におけるP13(x)の出力値を「W**」としている。
その後、図5(c)に示すように、P13(x)の出力値は再び、線形減少に転じる。
ここで、P13(x)の出力値は、第2軸14が第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3を結ぶ直線の直上に到達したときに、「W」を示すものとする。図5(c)では、このときのP13(x)の出力波形の位置を座標304としている。
なお、P13(x)の第2軸14の成分Kは、第2軸14が第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線上に到達したときに、ゼロとなる。
第1軸13の車輪11a,11bのタイヤ接地長S
車両10の第1軸13の車輪11a,11bのタイヤ接地長Sについては、以下の如く定式化できる。
図5(c)に示すように、座標300および座標301を通る直線は、車両10の第1軸13についてのP13(x)の出力波形を表している。よって、座標300と座標301とを結ぶ直線の傾きは、P13(x)の第1軸13の成分Kの傾きに等しい。
図5(c)に示すように、座標300のx軸の位置と座標301のx軸の位置との間の寸法は、「(L−a)/2−S/2」で表すことができるので、座標300と座標301とを結ぶ直線の傾きは、(W−W)/((L−a)/2−S/2)となる。
また、座標301のx軸の位置と座標302のx軸の位置との間の寸法は、「a」で表すことができるので、P13(x)の第1軸13の成分Kの傾きは、−W/aとなる。
すると、以下の関係式(1)が得られ、式(1)を変形すると、タイヤ接地長Sを式(2)ように表すことができる。
−W/a=(W−W)/((L−a)/2−S/2)・・・(1)
=L+a(1−2W/W)・・・(2)
式(2)において、寸法Lおよび寸法aは、既知の値である。また、演算器49は、軸重演算部54の機能に基づいて軸重Wを演算できる(詳細は後述)。また、演算器49は、P13(x)の出力波形の折点を検知することにより時刻tを把握できるので、P13(x)の出力値Wを知ることができる。
このようにして、本実施形態では、式(1)に基づいて車両10の第1軸13の車輪11a,11bのタイヤ接地長Sを演算できる。
第2軸14の車輪12a,12bのタイヤ接地長S
車両10の第2軸14の車輪12a,12bのタイヤ接地長Sについては、以下の如く定式化できる。
図5(c)に示すように、座標303および座標304を通る直線は、車両10の第1軸13および第2軸14の両方についてのP13(x)の出力波形を表している。よって、座標303と座標304とを結ぶ直線の傾きは、P13(x)の第1軸13の成分Kの傾きと、P13(x)の第2軸14の成分Kの傾きとの和に等しい。
図5(c)に示すように、座標303のx軸の位置と座標304のx軸の位置との間の寸法は、「(L−a)/2−S/2」で表すことができるので、座標303と座標304とを結ぶ直線の傾きは、(W**−W)/((L−a)/2−S/2)となる。
また、上記のとおり、P13(x)の第1軸13の成分Kの傾きは、−W/aとなる。同様に、P13(x)の第2軸14の成分Kの傾きは、−W/aとなる。
すると、以下の関係式(3)が得られ、式(3)を変形すると、タイヤ接地長Sを式(4)ように表すことができる。
−(W+W)/a=(W−W**)/((L−a)/2−S/2)
・・・(3)
=L−a+2a・(W−W**)/(W+W) ・・・(4)
式(4)において、寸法Lおよび寸法aは、既知の値である。また、演算器49は、軸重演算部54の機能に基づいて軸重W,Wを演算できる(詳細は後述)。また、演算器49は、P13(x)の出力波形の折点を検知することにより時刻tを把握できるので、P13(x)の出力値W**を知ることができる。
よって、P13(x)の出力値Wを求めることができると、式(4)に基づいて車両10の第2軸14の車輪12a,12bのタイヤ接地長Sを演算できる。
13 (x)の出力値W の求め方
以下、P13(x)の出力値Wの求め方について、図5を参照しながら説明する。
上記のとおり、P13(x)の出力値Wとは、第2軸14が第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3を結ぶ直線の直上に到達した場合のP13(x)の出力を意味するが、トラックスケール100単体では、第2軸14のタイヤの位置を把握する手段が存在しない。このため、P13(x)の出力値Wを特定するのに、以下の方法を取る必要がある。
第1に、第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3を結ぶ直線上に、適宜のセンサ(例えば、レーザ式の位置検出センサ)を設ける方法がある。これにより、演算器49は、このセンサを用いて、第2軸14が第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3を結ぶ直線の直上に到達した時刻を把握できるので、P13(x)の出力値Wを知ることができる。
第2に、第1軸13の成分KにおけるP13(x)の値とx軸の値との関係に着目する方法がある。
図5(c)に示すように、第1軸13の成分KにおけるP13(x)第1軸の値とx軸の値との関係は、以下の式(5)で表すことができる。
13(x)第1軸=−W・x/a+W/2(1+L/a)・・・(5)
ここで、第2軸14の車輪12a,12bのタイヤが載台20に乗り込み始めた時から第2軸14が第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3を結ぶ直線の直上に到達する時までの間に、P13(x)第1軸の値の変化量をΔPとすると、このΔPは、上記の式(5)に、x=L12+(L−a)/2を代入することにより計算することができる。よって、演算器49は、第1軸13の成分KがΔPだけ変化した時のP13(x)の出力値をグラフから読み取ることにより、P13(x)の出力値Wを知ることができる。なお、車両10の軸間距離L12は、適宜のセンサ(例えば、上記のレーザ式の位置検出センサ)を用いて測定してもいいし、車両10の仕様書等から取得してもいい。
このようにして、本実施形態では、式(4)に基づいて車両10の第2軸14の車輪12a,12bのタイヤ接地長Sを演算できる。
なお、本例では、2本の車軸13,14が配された4輪トラックを例示したが、3本以上の車軸を備えるトレーラ等の車両であっても、同様の方法で車両のタイヤ接地長を求めることができる。
以上により、本実施形態のトラックスケール100は、制御装置40のタイヤ空気圧演算部56が、ロードセルLC1〜LC4の出力波形(具体的には、全てのロードセルLC1〜LC4の出力の総和の波形と、第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3の出力の和の波形)を用いてタイヤ接地長S,Sを演算できる。
よって、タイヤ空気圧演算部56は、車両10の輪重およびタイヤサイズを別途、特定することにより、車両10の車軸13,14毎に車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ空気圧を予測できる。その結果、タイヤ空気圧演算部56は、車両10の車軸13,14毎に車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ空気圧の良否を判定できる。
例えば、このような判定では、車輪11a,11b,12a,12bの輪重に対するタイヤ接地長S,Sの閾値を予め設定しておき、輪重の演算値とタイヤ接地長S,Sの演算値に基づいてタイヤ空気圧の過不足(良否)を判定してもよい。
また、車両10の輪重の法定上限値が、例えば、5トンとすれば、車両10のタイヤにおけるタイヤ接地長S,Sの上限値S1max(5トン)を、自ずと決定できる場合がある。よって、このとき、タイヤ接地長S,Sのいずれかが、上限値S1max(5トン)を超える場合は、車両10の輪重の値に関わらず、タイヤ空気圧が異常(ここでは、タイヤ空気圧の不足)であると判定してもよい。
また、車両10のタイヤサイズに対応するタイヤ接地長S,Sの上限値S2max(Aインチ),S2max(Bインチ)・・・をテーブルデータとしてメモリ48に予め記憶させることにより、きめ細かなタイヤ空気圧の異常(ここでは、タイヤ空気圧の不足)を判定できる。例えば、タイヤ接地長S,Sのいずれかが、上限値S2max(Aインチ)を超える場合は、制御装置40Aは、適宜の報知手段(図示せず)を用いて、『搭載しているタイヤサイズがAインチなら、タイヤ空気圧不足と思われるので、タイヤ空気圧を調整してください』等の運転者への警告を報知することができる。
[総重量演算部の機能]
以下、トラックスケール100の総重量演算部53の機能について説明する。
図5に示すように、車両10の総重量Wは、次式(6)により導くことができる。
W=P(t)(=P(t)+P(t)+P(t)+P(t))・・・(6)
式(6)において、tは、時間区間[t,t]内の時刻である。
以上により、本実施形態のトラックスケール100では、総重量演算部53は、式(6)を用いて車両10の総重量Wを演算することができる。
[軸重演算部の機能]
以下、トラックスケール100の軸重演算部54の機能について説明する。
図5に示すように、車両10の第1軸13の軸重Wは、次式(7)により導くことができる。
=P(t)(=P(t)+P(t)+P(t)+P(t))
・・・(7)
式(7)において、tは、時間区間[t,t]内の時刻である。
また、図5に示すように、車両10の第2軸14の軸重Wは、次式(8)により導くことができる。
=P(t)(=P(t)+P(t)+P(t)+P(t))−W
・・・(8)
式(8)において、tは、時間区間[t,t]内の時刻である。
以上により、本実施形態のトラックスケール100では、軸重演算部54は、式(7)および式(8)を用いて車両10の第1軸13の軸重Wおよび第2軸14の軸重Wを演算することができる。
<変形例>
第1実施形態のトラックスケール100では、制御装置40のタイヤ空気圧演算部56が、タイヤ接地長S,Sに基づいて車両10の車軸13,14毎に車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ空気圧の良否を判定する例を述べた。
上記のとおり、車両10のタイヤ接地長は、車両10のタイヤサイズとの間で正の相関があり、車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ空気圧との間で負の相関があり、車輪11a,11b,12a,12bの輪重との間で正の相関があると考えられる。
ところで、車両のタイヤ空気圧を常時モニタリングできるTPMS(タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム)が一般的に知られている。よって、車両10がTPMSを装備する場合、制御装置は、TPMSのモニタリングのデータ、および、タイヤ接地長に基づいて、車両の10の車輪11a,11b,12a,12bの輪重(タイヤにかかる荷重)を予測できると考えられる。これにより、トラックスケール100において、車両の片荷の指標となる車両の偏荷重(左右のタイヤにかかる荷重の差)の大小を判定できるので、車両の運転にとって有益である。
(第2実施形態)
[トラックスケールの構成]
図6は、本発明の第2実施形態のトラックスケールの概略構造の一例を示す図である。同図(a)には、トラックスケールの平面図が示されている。同図(b)には、トラックスケールの側面図が示されている。
なお、本実施形態では、便宜上、図6において車両10の全長方向を「前」および「後」の方向として図示し、車両10の幅方向を「左」および「右」の方向として図示している。そして、車両10が、載台20’の「後」から進入し、載台20’の「前」から退出するものして、以下のトラックスケール100Aの構成を説明する。以下の説明では、車両10の進入方向を、前後方向と言い換え、車両10の幅方向を左右方向と言い換える場合がある。
図6に示すように、トラックスケール100Aは、トラックやトレーラ等の車両10が乗ることができる載台20’と、ロードセルLC1〜LC4と、を備える。
なお、ここでは、車両10として、車輪11a,11bが装着された前側の車軸13が運転席の下方に1本、車輪12a,12bが装着された後側の車軸14が荷台の下方に1本、合計2本の車軸13,14が配された4輪トラックが例示されている。
図6に示すように、載台20’は、載台本体21と、載台突出部22とを備える。
トラックスケール100Aを平面視(図6(a))した場合、設置ベース25の表面には長方形のピット部27が形成されている。そして、図6に示すように、このピット部27に、載台20’と、蓋部材26と、が配されている。
なお、蓋部材26は、載台20’と設置ベース25との間のピット空間を塞ぐ目的で設けられている部材である。このような蓋部材26を配する代わりに、平面視において、設置ベース25のピット部を載台20’の形状に沿って形成してもよい(つまり、載台20’の外形よりも若干大きめの載台20’と相似形のピット部を形成してもよい。)。但し、本実施形態の如く、蓋部材26を設ける方が、トラックスケール100Aのコスト面からは有利であると考えられる。
また、図6(a)に示すように、載台本体21は、前後方向に延びる右端部21Rおよび左端部21Lを長辺とし、左右方向に延びる前端部21Fおよび後端部21Bを短辺とし、全長Lおよび幅寸法Hの長方形の板部材によって構成されている。なお、トラックスケール100Aの載台本体21は、第1実施形態のトラックスケール100の載台20と同一の形態となっている。
一方、載台突出部22は、載台本体21の後端部21Bの右半分がそのまま、載台本体21の後端部21Bから後方に延びることによって形成されている。
つまり、本実施形態のトラックスケール100Aでは、載台20’は、長方形の載台本体21と長方形の載台突出部22とによって一体に構成されている。
但し、以上の載台本体21および載台突出部22の構成は一例であり、様々な構成に改変することができる。
例えば、載台本体21と載台突出部22とをそれぞれ、別体に構成し、両者を適宜の固定手段(溶接やボルト締結等)を用いて一体的に形成してもよい。
また、載台突出部22の幅寸法Hは、本実施形態の如く、車両10の左右いずれか一方の車輪のみ(ここでは、右車輪11a,12aのみ)が載台突出部22に乗ることができるよう、載台本体21の幅寸法Hの半分程度に設定することが好ましいが、必ずしも、これに限定されない。
例えば、載台突出部22の幅寸法Hを載台本体21の幅寸法Hの半分よりも若干、大きくしても、車両10の左右いずれか一方の車輪のみを載台突出部22に載せることができる場合がある。この場合、載台突出部を幅広に構成できるので、載台突出部の強度を向上できる。
また、載台突出部22の形状は必ずしも長方形でなくてもよい。例えば、載台突出部22の突出寸法L(前後方向の寸法)を、車両10のタイヤ接地長よりも充分に長く取ることが可能であれば、他の形状(例えば、載台突出部の角を面取りしたような形状等)であってもよい。
また、図6に示すように、4個のロードセルLC1〜LC4はそれぞれ、載台本体21の四隅において載台20’の下方の設置ベース25上に配されている。
詳しくは、第1ロードセルLC1と第3ロードセルLC3は、載台本体21の後端部21Bの近傍において後端部21Bと平行な直線上に一定間隔を隔てて並び、第2ロードセルLC2と第4ロードセルLC4は、載台本体21の前端部21Fの近傍において前端部21Fと平行な直線上に上記一定間隔と同じ間隔を隔てて並んでいる。
一方、第1ロードセルLC1と第2ロードセルLC2は、載台本体21の左端部21Lの近傍において左端部21Lと平行な直線上に一定間隔(寸法a;例えば、図8参照)を隔てて並び、第3ロードセルLC3と第4ロードセルLC4は、載台本体21の右端部21Rの近傍において右端部21Rと平行な直線上に上記一定間隔と同じ間隔(寸法a;例えば、図8参照)を隔てて並んでいる。
以上より、載台20’(ここでは載台本体21)が、設置ベース25上のロードセルLC1〜LC4によって下方から支持されている。
このように、本実施形態のトラックスケール100Aの特徴は、第1実施形態のトラックスケール100の載台20に上記載台突出部22を配したことにある。そして、本実施形態のトラックスケール100Aでは、上記特徴により、第1実施形態のトラックスケール100に、車両10の輪重を測定する機能、および、車両10の車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ空気圧を予測する機能(タイヤ空気圧の良否を判定する機能)を付与することができる。この詳細は後述する。
[トラックスケールの制御系の処理動作]
本実施形態のトラックスケール100Aでは、制御装置40Aにおいて、所定プログラムが演算器49(図2参照)で実行されることにより、図7に示すように、車両10の車輪11a,11b,12a,12bの輪重を演算する輪重演算部51、車両10の総重量を演算する総重量演算部53、車両10の車軸13、14の軸重を演算する軸重演算部54、車両10の車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ空気圧を予測するタイヤ空気圧演算部56、および表示信号生成部55のそれぞれの機能が実現される。
なお、制御装置40Aは、必ずしも、単独の演算器49で構成される必要はなく、複数の演算器が分散配置されていて、それらが協働してトラックスケール100Aの動作を制御するよう構成されていてもよい。例えば、輪重演算部51の機能、総重量演算部53の機能、タイヤ空気圧演算部56の機能および軸重演算部54の機能を、ここでは、単一の演算器49を用いて実現している例が示されているが、これらの機能を別個の演算器(MPU)を用いて実現してもよい。
以下、トラックスケール100Aの輪重演算部51およびタイヤ空気圧演算部56のそれぞれの機能について順を追って説明する。
なお、表示信号生成部55の機能は公知である。また、総重量演算部53の機能および軸重演算部54の機能は、第1実施形態の説明を参酌することにより容易に理解できる。よって、これらの機能説明は、ここでは、省略する。
[記号の定義]
まず、以下の説明およびこれに関連する図面に用いる記号の意味をまとめて定義する。
<車両関連>
R1:車両10の第1軸13の右車輪11aの輪重
L1:車両10の第1軸13の左車輪11bの輪重
R2:車両10の第2軸14の右車輪12aの輪重
L2:車両10の第2軸14の左車輪12bの輪重
:第1軸13の軸重
:第2軸14の軸重
W:車両10の総重量
12:第1軸13と第2軸14との間の距離(軸間距離)
R1:第1軸13の右車輪11aのタイヤ接地長
L1:第1軸13の左車輪11bのタイヤ接地長
R2:第2軸14の右車輪12aのタイヤ接地長
L2:第2軸14の左車輪12bのタイヤ接地長
<ロードセル関連>
:第1ロードセルLC1の出力
:第2ロードセルLC2の出力
:第3ロードセルLC3の出力
:第4ロードセルLC4の出力
13:第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3の出力の和
(P13=P+P
P:全てのロードセルLC1〜LC4の出力の総和
(P=P+P+P+P
R1:輪重WR1のP13(x)への寄与分
L1:輪重WL1のP13(x)への寄与分
R2:輪重WR2のP13(x)への寄与分
L2:輪重WL2のP13(x)への寄与分
a:第1ロードセルLC1(第3ロードセルLC3)と第2ロードセルLC2(第4ロードセルLC4)との中心間距離
なお、上記記号のうち、距離aは、既知の値(ロードセルLC1〜LC4の配置に依存する固定値)であり、これらの値は予めメモリ48に記憶されている。
<載台関連>
:載台突出部22の突出寸法
L:載台本体21の全長
なお、上記の距離L,Lは、既知の値(載台20’の形状に依存する固定値)であり、これらの値は予めメモリ48に記憶されている。
<ロードセルの出力波形関連>
車両10の第1軸13(第2軸14も同じ)の両車輪11a,11bのそれぞれのタイヤでは、設置ベース25および載台20’との間でタイヤ接地面が生じ、タイヤにはタイヤ接地長が存在する。よって、車両10が載台20’に乗り込むとき、ロードセルLC1〜LC4の出力信号の波形には、図8に示すように、複数個の折点が表れ、これらの出力波形の折点に対応する時刻t,t,t,t,t,t,t,t,tは、以下のように定義できる。
:第1軸13の右車輪11aのタイヤが、載台突出部22に乗り込み始める時
:第1軸13の右車輪11aのタイヤが、載台突出部22に完全に乗った時
:第1軸13の左車輪11bのタイヤが、載台本体21に乗り込み始める時
:第1軸13の左車輪11bのタイヤが、載台本体21に完全に乗った時
:第2軸14の右車輪12aのタイヤが、載台突出部22に乗り込み始める時
:第2軸14の右車輪12aのタイヤが、載台突出部22に完全に乗った時
:第2軸14の左車輪12bのタイヤが、載台本体21に乗り込み始める時
:第2軸14の左車輪12bのタイヤが、載台本体21に完全に乗った時
:第1軸13の車輪11a,11bのタイヤが、載台20から降り始める時
[輪重演算部の機能]
以下、トラックスケール100Aの輪重演算部51の機能について説明する。
<車両の第1軸の輪重導出法>
図8は、図6の車両の第1軸の両車輪および第2軸の両車輪が載台に乗り込むときの、ロードセルの出力波形を表した図である。
図8に示すように、時間区間[t,t]におけるP(t)は、車両10の第1軸13の右車輪11aのみが載台20’上(ここでは載台突出部22上)に乗ったときのロードセルLC1〜LC4からの出力信号(荷重信号)の総和に対応し、この値は、輪重WR1に相当する。
よって、輪重WR1は以下の式(9)によって求めることができる。
R1=P(t)(=P(t)+P(t)+P(t)+P(t))
・・・(9)
式(9)において、tは、時間区間[t,t]内の時刻である。
一方、時間区間[t,t]におけるP(t)は、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bが載台20’上(ここでは載台本体21上)に乗ったときのロードセルLC1〜LC4からの出力信号(荷重信号)の総和に対応し、この値は、軸重Wに相当する。
よって、輪重WL1は以下の式(10)によって求めることができる。
L1=P(t)−WR1=W−WR1・・・(10)
式(10)において、tは、時間区間[t,t]内の時刻である。
以上により、本実施形態のトラックスケール100Aでは、制御装置40Aの輪重演算部51が、上記式(9)および式(10)を用いて、車両10の第1軸13の輪重WR1、WL1を演算することができる。
<車両の第2軸の輪重導出法>
図8に示すように、時間区間[t,t]におけるP(t)は、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bおよび第2軸14の右車輪12aが載台20’上(ここでは第1軸13は載台本体21上、第2軸は載台突出部22上)に乗ったときのロードセルLC1〜LC4からの出力信号(荷重信号)の総和に対応し、この値は、軸重Wと輪重WR2との和に相当する。
よって、輪重WR2は以下の式(11)によって求めることができる。
R2=P(t)−W・・・(11)
式(11)において、tは、時間区間[t,t]内の時刻である。
一方、時間区間[t,t]におけるP(t)は、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bおよび第2軸14の両車輪12a,12bが載台20’上(ここでは載台本体21上)に乗ったときのロードセルLC1〜LC4からの出力信号(荷重信号)の総和に対応し、この値は、軸重Wと軸重Wとの和に相当する。
よって、輪重WL2は以下の式(12)によって求めることができる。
L2=P(t)−(W+WR2)・・・(12)
式(12)において、tは、時間区間[t,t]内の時刻である。
以上により、本実施形態のトラックスケール100Aでは、制御装置40Aの輪重演算部51が、上記式(11)および式(12)を用いて車両10の第2軸14の輪重WR2,WL2を演算することができる。
[タイヤ空気圧演算部の機能]
以下、車両10の左右のそれぞれの車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2を演算する方法を説明する。
<車両のタイヤ接地長導出法>
図8に示すように、車両10がトラックスケール100Aに乗り込むとき、車両の車輪11a,11b,12a,12bの乗り込み順は、第1軸13の右車輪11a,第1軸13の左車輪11b,第2軸14の右車輪12a,第2軸14の左車輪14bの順番になる。よって、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bおよび第2軸14の両車輪12a,12bが載台20’に乗り込むときの、ロードセルLC1〜LC4の出力波形が図8の如く表される。
第1軸13および第2軸14の車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2を導くには、車両10が載台20’上を移動する場合のロードセルLC1〜LC4の出力波形の意味を知る必要がある。
図8(b)のP(x)の出力波形は、以下の如く理解できる。
図8(b)に示すように、第1軸13の右車輪11aのタイヤが、載台突出部22に乗り込み始める時(時刻t)、P(x)の出力波形は立ち上がり始め、第1軸13の右車輪11aのタイヤが、載台突出部22に完全に載った時(時刻t)、上記出力波形の値は一定となる。この場合、P(x)の出力値が輪重WR1に相当する。なお、このとき、車両10の第1軸13の右車輪11aのタイヤと載台20との間でタイヤ接地面30が生じるが、右車輪11aの荷重がタイヤ接地面30に等分布荷重として作用すると仮定する場合、上記出力波形の立ち上がりプロファイルは、図8(b)に示す如くほぼ折線形となる。また、時刻tに対応するx軸の位置と、時刻tに対応するx軸の位置との間の距離は、図8に示す如く、タイヤ接地長SR1に等しくなる。
次いで、図8(b)に示すように、第1軸13の左車輪11bのタイヤが、載台本体21に乗り込み始める時(時刻t)、P(x)の出力波形は、再び立ち上がり始め、第1軸13の左車輪11bのタイヤが、載台本体21に完全に載った時(時刻t)、上記出力波形の値は一定となる。この場合、P(x)の出力値が軸重W(=WR1+WL1)に相当する。なお、このとき、車両10の第1軸13の左車輪11bのタイヤと載台20との間でタイヤ接地面30が生じるが、左車輪11bの荷重がタイヤ接地面30に等分布荷重として作用すると仮定する場合、上記出力波形の立ち上がりプロファイルは、図8(b)に示す如くほぼ折線形となる。また、時刻tに対応するx軸の位置と、時刻tに対応するx軸の位置との間の距離は、図8に示す如く、タイヤ接地長SL1に等しくなる。
図8(c)のP13(x)の出力波形は、第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線周りのモーメントのつりあい式に基づいて、以下の如く理解できる。
図8(c)に示すように、第1軸13の右車輪11aのタイヤが、載台突出部22に乗り込み始める時(時刻t)、P13(x)の出力波形は立ち上がり始め、第1軸13の右車輪11aのタイヤが、載台突出部22に完全に載った時(時刻t)、上記出力波形の値は極大値となる。なお、図8(c)では、時刻tのP13(x)の出力波形の位置を座標300としている。その後、P13(x)の出力値は、線形減少に転じる。
ここで、輪重WR1のP13(x)への寄与分KR1は、第1軸13が第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3を結ぶ直線の直上に到達したときに、輪重WR1と等しくなる。図8(c)では、このときの寄与分KR1の波形の位置を座標303とし、このときのx軸の位置を座標304としている。なお、この寄与分KR1は、第1軸13が第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線上に到達したときに、ゼロとなる。図8(c)では、このときの寄与分KR1の出力波形の位置(つまり、このときのx軸の位置)を座標305としている。
次いで、図8(c)に示すように、第1軸13の左車輪11bのタイヤが、載台本体21に乗り込み始める時(時刻t)、P(x)の出力波形は、再び立ち上がり始め、第1軸13の左車輪11aのタイヤが、載台本体21に完全に載った時(時刻t)、上記出力波形の値は極大値となる。なお、図8(c)では、時刻tのP13(x)の出力波形の位置を座標302とし、時刻tのP13(x)の出力波形の位置を座標306としている。その後、P13(x)の出力値は、線形減少に転じる。
ここで、輪重WL1のP13(x)への寄与分KL1は、第1軸13が第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3を結ぶ直線の直上に到達したときに、輪重WL1と等しくなる。なお、この寄与分KL1は、第1軸13が第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線上に到達したときに、ゼロとなる。一方、P13(x)の出力値は、第1軸13が第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3を結ぶ直線の直上に到達したときに、軸重Wと等しくなる。なお、この出力値は、第1軸13が第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線上に到達したときに、ゼロとなる。図8(c)では、このときの寄与分KL1およびP13(x)の出力波形の位置(つまり、このときのx軸の位置)を座標305としている。
なお、図8における第2軸14についてのP(x)およびP13(x)の出力波形のプロファイルは、上記の説明を参酌することにより容易に理解できる。よって、ここでは、これらの詳細な説明は省略する。
車両10の第1軸13について
車両10の第1軸13の両車輪11a,11bのタイヤ接地長SR1,SL1については、以下の如く定式化できる。
まず、時刻tが時間区間[t,t]内の場合(t<t<t)に特定される、図8上の座標位置300,301,302を頂点とする直角三角形は、図8上の座標位置303,304,305を頂点とする直角三角形と相似関係にある。
ここで、座標位置301に対応するx軸上の位置と、座標位置302に対応するx軸上の位置との間の距離は、載台突出部22の突出寸法(L)とタイヤ接地長SR1,SL1とを用いて載台20’の幾何学的関係により、寸法(L−(SR1+SL1)/2)と表すことができる。
すると、以上の直角三角形の間の相似関係を用いて、以下の関係式(13)が得られ、式(13)を変形すると、次式(14)のように表すことができる。
(P13(t)−P13(t))/((L−(SR1+SL1)/2))
=−WR1/a ・・・(13)
R1+SL1=2L+2(P13(t)−P13(t))・a/WR1
・・・(14)
次いで、時刻tが時間区間[t,t]内の場合(t<t<t)に特定される、図8上の座標位置306,307,308を頂点とする直角三角形は、図8上の座標位置308,304,305を頂点とする直角三角形と相似関係にある。
ここで、座標位置307に対応するx軸上の位置と、座標位置308に対応するx軸上の位置との間の距離は、載台本体21の全長(L)と、タイヤ接地長SL1と、第1ロードセルLC1(第3ロードセルLC3)と第2ロードセルLC2(第4ロードセルLC4)との中心間距離(a)と、を用いて、載台20’の幾何学的関係により、寸法((L−a)/2−SL1/2)と表すことができる。
すると、以上の直角三角形の間の相似関係を用いて、以下の関係式(15)が得られ、式(15)を変形すると、次式(16)のように表すことができる。
(W−P13(t))/((L−a)/2−SL1/2)
=−(WR1+WL1)/a ・・・(15)
L1=L+(1−2P13(t)/W)・a ・・・(16)
式(14)および式(16)において、寸法L、寸法Lおよび寸法aは、既知の値である。また、演算器49は、軸重演算部54の機能に基づいて軸重Wを演算でき、輪重演算部51の機能に基づいて輪重WR1を演算できる。また、演算器49は、P13(x)の出力波形の折点を検知することにより時刻t,t,tを把握できるので、P13(t),P13(t)およびP13(t)の出力値を知ることができる。
このようにして、本実施形態では、式(14)および式(16)に基づいて車両10の第1軸13の車輪11a,11b毎のタイヤ接地長SR1,SL1を演算できる。
車両10の第2軸14について
上記第1軸13におけるタイヤ接地長SR1,SL1の演算法と同様に、直角三角形の相似関係を用いて、以下の如く、車両10の第2軸14の両車輪12a,12bのタイヤ接地長SR2,SL2について定式化を行うことができる。但し、ここでは、式の導出の詳細は省略する。
まず、時刻tが時間区間[t,t]の場合(t<t<t)、直角三角形の相似関係を用いて、以下の関係式(17)が得られ、式(17)を変形すると、次式(18)のように表すことができる。
(P13(t)−P13(t))/(L−(SR2+SL2)/2)
=−(WR1+WR1+WR2)/a・・・(17)
R2+SL2=2L+2(P13(t)−P13(t))・a
/(WR1+WR1+WR2) ・・・(18)
次いで、時刻tが時間区間[t,t]の場合(t<t<t)、直角三角形の相似関係を用いて、以下の関係式(19)が得られ、式(19)を変形すると、次式(20)のように表すことができる。
(P13(t)−P13(t))/(L−L12+(SR2−SL2−SR1
/2−VA) =−(WR1+WR1+WR2+WL2)/a・・・(19)
R2−SL2=2(L12−L)−2(P13(t)−P13(t))・a
/(WR1+WR1+WR2+WL2)+SR1+2VA・・・(20)
式(19)および式(20)において、変数VAは、SR1/2およびSL1/2のうちの長い方に相当する。つまり、SR1/2>SL1/2の場合は、VA=SR1/2であり、SR1/2<SL1/2の場合は、VA=SL1/2である。また、仮にSR1/2とSL1/2と、が等しい場合は、変数VAに、SR1/2を用いてもSL1/2を用いてもよい。
なお、図8では、便宜上、上記変数VAを「SR1/2(orSL1/2)(=VA)」と略記している。
以下、式(19)および式(20)において、このような変数VAが規定されている理由について、図8を参酌しながら説明する。
図8に示すように、時刻tは、P(t)の出力が減少し始める時刻に対応する。よって、時刻tは、車両10の第1軸13の左右の車輪10a,10bのいずれか一方のタイヤが載台本体21の前端部21Fに差し掛かり、その結果、このタイヤが、トラックスケール100Aから外れる時刻に相当する。車輪10a,10bのタイヤのタイヤ接地長SR1,SL1が異なる場合、タイヤ接地長が長い方のタイヤが、最初に載台本体21の前端部21Fに差し掛かる。よって、時刻tに対応するx軸上の位置と、載台本体21の前端部21Fに対応するx軸上の位置との間の距離(変数VA)は、タイヤ接地長が長い方のタイヤに支配される。
かかる理由により、上記変数VAが、式(19)および式(20)において規定される必要がある。
式(18)および式(20)において、寸法L、寸法Lおよび寸法aは、既知の値である。また、車両10の軸間距離L12は、適宜のセンサ(例えば、レーザ式の位置検出センサ)を用いて測定してもいいし、車両10の仕様書等から取得してもいい。また、演算器49は、輪重演算部51の機能に基づいて輪重WR1,WL1,WR2,WL2を演算できる。また、演算器49は、P13(x)の出力波形の折点を検知することにより時刻t,t,t,tを把握できるので、P13(t),P13(t)、P13(t)およびP13(t)の出力値を知ることができる。
このようにして、本実施形態では、式(18)および式(20)に基づいて車両10の第2軸14の車輪12a,12b毎のタイヤ接地長SR2,SL2を演算できる。
なお、本例では、2本の車軸13,14が配された4輪トラックを例示したが、3本以上の車軸を備えるトレーラ等の車両であっても、同様の方法でタイヤ接地長を求めることができる。
以上により、本実施形態のトラックスケール100Aでは、制御装置40Aのタイヤ空気圧演算部56は、ロードセルLC1〜LC4の出力波形(具体的には、全てのロードセルLC1〜LC4の出力の総和の波形と、第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3の出力の和の波形)を用いてタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2を演算できる。
よって、タイヤ空気圧演算部56は、車両10のタイヤサイズを別途、特定することにより、各車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ空気圧を予測できる。その結果、タイヤ空気圧演算部56は、各車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ空気圧の良否を判定できる。
例えば、このような判定では、車輪11a,11b,12a,12bの輪重WR1,WL1,WR2,WL2に対するタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2の閾値を予め設定しておき、輪重WR1,WL1,WR2,WL2の演算値とタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2の演算値に基づいてタイヤ空気圧の過不足(良否)を判定してもよい。
また、車両10の輪重WR1,WL1,WR2,WL2の法定上限値が、例えば、5トンとすれば、車両10のタイヤにおけるタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2の上限値S1max(5トン)を、自ずと決定できる場合がある。よって、このとき、タイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2のいずれかが、上限値S1max(5トン)を超える場合は、輪重WR1,WL1,WR2,WL2の値に関わらず、タイヤ空気圧が異常(ここでは、タイヤ空気圧の不足)であると判定してもよい。
また、車両10のタイヤサイズに対応するタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2の上限値S2max(Aインチ),S2max(Bインチ)・・・をテーブルデータとしてメモリ48に予め記憶させることにより、きめ細かなタイヤ空気圧の異常(ここでは、タイヤ空気圧の不足)を判定できる。例えば、タイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2のいずれかが、上限値S2max(Aインチ)を超える場合は、制御装置40Aは、適宜の報知手段(図示せず)を用いて、『搭載しているタイヤサイズがAインチなら、タイヤ空気圧不足と思われるので、タイヤ空気圧を調整してください』等の運転者への警告を報知することができる。
<変形例>
第2実施形態のトラックスケール100Aでは、載台本体21の後端部21Bの右半分から突出する載台突出部22を設ける例(図6参照)を示したが、このようなトラックスケール100Aでは、載台突出部22の強度不足に陥る可能性がある。そして、このことが、トラックスケールの実用化(製品化)に向けた障害となる場合がある。
そこで、本変形例のトラックスケールの載台520’では、このような問題に対処できるよう、図9に示すように、直方板体の後部半分が、直方板体の厚みが約1/2になるように切り欠かれている。そして、この切り欠き領域のほぼ全域を覆うように、適宜の固定手段527を用いて設置ベース525に支持された蓋部材526が配置されている。つまり、蓋部材526は、載台520’との接続の縁切りが行われており、蓋部材526上に車両10の左車輪11b,12bが載っても、車両10の荷重は、載台520’に伝わらない。
かかる構成により、本変形例のトラックスケールでは、載台520’の強度不足を補うことができる。
(第3実施形態)
[軸重計の構成]
図10は、本発明の第3実施形態による軸重計の概略構造の一例を示した図である。同図(a)には、軸重計の平面図が示されている。同図(b)には、軸重計の側面図が示されている。
なお、本実施形態では、便宜上、図10において車両10の全長方向を「前」および「後」の方向として図示し、車両10の幅方向を「左」および「右」の方向として図示している。そして、車両10の載台20”の「後」から進入し、載台20”の「前」から退出するものして、以下の軸重計200の構成を説明する。以下の説明では、車両10の進入方向を、前後方向と言い換え、車両10の幅方向を左右方向と言い換える場合がある。
図10に示すように、軸重計200は、トラックやトレーラ等の車両10が乗ることができる載台20”と、ロードセルLC1〜LC4と、を備える。
なお、ここでは、車両10として、車輪11a,11bが装着された前側の車軸13が運転席の下方に1本、車輪12a,12bが装着された後側の車軸14が荷台の下方に1本、合計2本の車軸13,14が配された4輪トラックが例示されている。
図10に示すように、載台20”は、車両10の左右両方の車輪11a,11b,12a,12bを積載でき、車両10の第1軸13および第2軸14の軸重測定に用いる軸重測定面28と、車両10の左右いずれか一方の車輪のみ(ここでは、右車輪11a,12a)を積載でき、車両の左右いずれか一方の車輪のみ(ここでは、右車輪11a,12a)の輪重測定に用いる輪重測定面29と、を備える。
なお、本例では、設置ベース25のピット部27とほぼ同形(若干小さめ)の直方板体の左後方部全体を矩形状に削り取ることにより、輪重測定面29を構成する載台20”の車両積載部(以下、「載台車両積載部」と略す)が、軸重測定面28を構成する載台車両積載部よりも幅狭に形成されている。しかし、軸重測定面28および輪重測定面29を構成する載台車両積載部の形成は、これに限らない。
軸重計200を平面視(図10(a))した場合、設置ベース25の表面には長方形のピット部27が形成されている。そして、図10に示すように、このピット部27に、載台20”と、蓋部材26と、が配されている。
なお、蓋部材26は、載台20”と設置ベース25との間のピット空間を塞ぐ目的で設けられている部材である。このような蓋部材26を配する代わりに、平面視において、設置ベース25のピット部を載台20”の形状に沿って形成してもよい(つまり、載台20”の外形よりも若干大きめの載台20”と相似形のピット部を形成してもよい。)。但し、本実施形態の如く、蓋部材26を設ける方が、軸重計200のコスト面からは有利であると考えられる。
また、図10(a)に示すように、載台20”の軸重測定面28は、前後方向に延びる右端部および左端部を短辺とし、左右方向に延びる前端部および後端部を長辺とし、前後寸法Lおよび左右寸法Hの長方形の載台車両積載部の主面(おもて面)に相当する。
一方、載台20”の輪重測定面29は、前後方向に延びる右端部および左端部を長辺とし、左右方向に延びる前端部および後端部を短辺とし、前後寸法Lおよび左右寸法Hの長方形の載台車両積載部の主面(おもて面)に相当する。
なお、本例では、軸重測定面28を構成する載台車両積載部の前後寸法Lは、輪重測定面29を構成する載台車両積載部の前後寸法Lと、ほぼ等しく設定されている(L=L)。
一方、軸重測定面28を構成する載台車両積載部の左右寸法Hは、輪重測定面29を構成する載台車両積載部の左右寸法Hの約2倍に設定されている(H=2・H)。また、輪重測定面29を構成する載台車両積載部が、軸重測定面28を構成する載台車両積載部の端部から突出するようにして、両載台車両積載部が一体に形成されている。
しかし、以上の載台20”の構成は一例であり、様々な構成に変更できる。
例えば、軸重測定面28を構成する載台車両積載部と、輪重測定面29を構成する載台車両積載部とをそれぞれ、別々の板部材で構成し、両板部材を適宜の固定手段(溶接やボルト締結等)を用いて一体的に形成してもよい。
また、輪重測定面29を構成する載台車両積載部の左右寸法Hを、軸重測定面28を構成する載台車両積載部の左右寸法Hの半分よりも若干、大きくしても、車両10の左右いずれか一方の車輪のみを輪重測定面29に載せることができる場合がある。この場合、輪重測定面29を構成する載台車両積載部を幅広に構成できるので、本載台車両積載部の強度を向上できる。
更に、輪重測定面29を構成する載台車両積載部の形状は必ずしも長方形でなくてもよい。例えば、輪重測定面29の寸法L(前後方向の寸法)を、車両10のタイヤ接地長よりも充分に長く取ることが可能であれば、他の形状(例えば、載台車両積載部の角を面取りしたような多角形状等)であってもよい。
図10に示すように、4個のロードセルLC1〜LC4はそれぞれ、載台20”の適宜の角部において載台20”の下方の設置ベース25上に配されている。
詳しくは、第1ロードセルLC1と第3ロードセルLC3は、載台20”の後端部20Bの近傍において後端部20Bと平行な直線上に一定間隔を隔てて並び、第2ロードセルLC2と第4ロードセルLC4は、載台20”の前端部20Fの近傍において前端部20Fと平行な直線上に一定間隔を隔てて並んでいる。
一方、第1ロードセルLC1と第1ロードセルLC2は、前後方向おいて一定間隔(寸法a;例えば、図12参照)を隔てて並び、第3ロードセルLC3と第4ロードセルLC4は、載台20”の右端部20Rの近傍において右端部20Rと平行な直線上に上記一定間隔と同じ間隔(寸法a;例えば、図12参照)を隔てて並んでいる。
以上より、載台20”が、設置ベース25上のロードセルLC1〜LC4によって下方から支持されている。
このように、本実施形態の軸重計200は、載台20”が、軸重測定面28と、輪重測定面29と、を備えることを特徴とする。そして、本実施形態の軸重計200では、上記特徴により、従来の軸重計に、車両10の輪重を測定する機能、および、車両10の車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ空気圧を予測する機能(タイヤ空気圧の良否を判定する機能)を付与することができる。この詳細は後述する。
[軸重計の制御系の処理動作]
本実施形態の軸重計200では、制御装置40Bにおいて、所定プログラムが演算器49(図2参照)で実行されることにより、図11に示すように、車両10の車輪11a,11b,12a,12bの輪重を演算する輪重演算部51、車両10の総重量を演算する総重量演算部53、車両10の車軸13、14の軸重を演算する軸重演算部54、車両10の車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ空気圧を予測するタイヤ空気圧演算部56、および表示信号生成部55のそれぞれの機能が実現される。
なお、制御装置40Bは、必ずしも、単独の演算器49で構成される必要はなく、複数の演算器が分散配置されていて、それらが協働して軸重計200の動作を制御するよう構成されていてもよい。例えば、輪重演算部51の機能、総重量演算部53の機能、タイヤ空気圧演算部56の機能、および軸重演算部54の機能を、ここでは、単一の演算器49を用いて実現している例が示されているが、これらの機能を別個の演算器(MPU)を用いて実現してもよい。
以下、軸重計200のタイヤ空気圧演算部56の機能について説明する。
なお、表示信号生成部55の機能は公知である。また、総重量演算部53の機能、輪重演算部54の機能および軸重演算部54の機能は、第1実施形態および第2実施形態の説明を参酌することにより容易に理解できる。よって、これらの機能説明は、ここでは、省略する。
[記号の定義]
まず、以下の説明およびこれに関連する図面に用いる記号の意味をまとめて定義する。
<車両関連>
R1:車両10の第1軸13の右車輪11aの輪重
L1:車両10の第1軸13の左車輪11bの輪重
R2:車両10の第2軸14の右車輪12aの輪重
L2:車両10の第2軸14の左車輪12bの輪重
:第1軸13の軸重
:第2軸14の軸重
W:車両10の総重量
R1:第1軸13の右車輪11aのタイヤ接地長
L1:第1軸13の左車輪11bのタイヤ接地長
R2:第2軸14の右車輪12aのタイヤ接地長
L2:第2軸14の左車輪12bのタイヤ接地長
<ロードセルの出力および配置関連>
:第1ロードセルLC1の出力
:第2ロードセルLC2の出力
:第3ロードセルLC3の出力
:第4ロードセルLC4の出力
P:全てのロードセルLC1〜LC4の出力の総和
(P=P+P+P+P
R1:輪重WR1のP13(x)への寄与分
L1:輪重WL1のP13(x)への寄与分
R2:輪重WR2のP13(x)への寄与分
L2:輪重WL2のP13(x)への寄与分
a:第3ロードセルLC3と第4ロードセルLC4との中心間距離
なお、上記記号のうち、距離aは、既知の値(ロードセルLC1〜LC4の配置に依存する固定値)であり、これらの値は予めメモリ48に記憶されている。
<載台関連>
Δa:載台20”の後端部20Bと第1ロードセルLC1(第3ロードセルLC3)の中心との距離、および、載台20”の前端部20Fと第2ロードセルLC2(第4ロードセルLC4)の中心との距離
なお、上記距離Δaは、既知の値(載台20”の形状およびロードセルLC1〜LC4の配置に依存する固定値)であり、これらの値は予めメモリ48に記憶されている。
<ロードセルの出力波形関連>
車両10の第1軸13(第2軸14も同じ)の右車輪11a(左車輪11b)のタイヤでは、設置ベース25(蓋部材26)および輪重測定面29(軸重測定面28)との間でタイヤ接地面が生じ、タイヤにはタイヤ接地長が存在する。よって、車両10が載台20”に乗り込むとき、ロードセルLC1〜LC4の出力信号の波形には、複数個の折点が表れ(例えば、図12参照)、これらの出力波形の折点に対応する時刻t,t,t,t,t,tは、以下のように定義できる。
:第1軸13の右車輪11aのタイヤが輪重測定面29に乗り込み始める時
:第1軸13の右車輪11aのタイヤが輪重測定面29に完全に乗った時
:第1軸13の左車輪11bのタイヤが軸重測定面28に乗り込み始める時
:第1軸13の左車輪11bのタイヤが軸重測定面28に完全に乗った時
:第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが軸重測定面28から降り始める時
[タイヤ空気圧演算部の機能]
以下、車両10の左右のそれぞれの車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2を演算する方法を説明する。
<車両のタイヤ接地長導出法>
図12は、図10の車両の第1軸の両車輪が突出形載台に乗り込むときの、ロードセルLC1〜LC4の出力波形を表した図である。
なお、ここでは、車両10の左右のそれぞれの車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2の導出法を理解することが目的なので、本導出法に直接関係しない軸重計200の構成の図示は、便宜上、省略ないし簡略化されている。例えば、図12では、設置ベース25(図10参照)の図示は省略されている。
また、車両10の構成の図示は、第1軸13をそのタイヤ中心線で略記し、第1軸13の両車輪11a,11bのタイヤを太い点線で略記する等、適宜、簡略化されている。
また、本例では、軸重測定面28を構成する載台車両積載部の前後寸法Lは、輪重測定面29を構成する載台車両積載部の前後寸法Lと、等しく設定されている(L=L)。よって、これらの寸法L,Lはそれぞれ、図12に示すように、「Δa+a/2」と表すことができる。
第1軸13の車輪11a,11b毎のタイヤ接地長SR1,SL1を導くには、車両10が載台20”上を移動する場合のロードセルLC1〜LC4の出力波形の意味を知る必要がある。
そこで、ロードセルLC1〜LC4の出力波形について、以下に説明する。
図12(b)には、第1軸13の位置(タイヤ中心線位置)を横軸に取り、全てのロードセルLC1〜LC4の出力の総和であるP(x)(=P(x)+P(x)+P(x)+P(x))の出力波形を縦軸に取って、両者の関係が示されている。
図12(c)には、第1軸13の位置(タイヤ中心線位置)を横軸に取り、第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3の出力の和であるP13(x)(=P(x)+P(x))の出力波形を縦軸に取って、両者の関係が図示されている。
なお、図12(b)および図12(c)の直交座標系では、車両10の第1軸13の右車輪11aのタイヤが輪重測定面29に乗り込み始める時(時刻t)に対応する第1軸13の位置を、x軸の原点としている。また、図12(a)では、上記出力波形の意味を理解容易にする趣旨で、上記x軸の位置に対応付けて、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bのそれぞれが、載台20”に差し掛かっている様子が併記されている。
図12から容易に理解できるとおり、車両10が軸重計200に乗り込むとき、車両10の第1軸13の車輪11a,11bの乗り込み順は、第1軸13の右車輪11a,第1軸13の左車輪11bの順番になる。よって、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bが載台20”に乗り込むときの、ロードセルLC1〜LC4の出力波形が図12(b)の如く表される。
なお、図12(b)でのP(x)(=P(x)+P(x)+P(x)+P(x))の出力波形のプロファイルは、第1実施形態でのP(x)の出力波形のプロファイルについての説明を参酌することにより容易に理解できる。よって、ここでは、図12(b)でのP(x)(=P(x)+P(x)+P(x)+P(x))の出力波形のプロファイルの詳細な説明は省略する。
一方、図12(c)のP13(x)(=P(x)+P(x))の出力波形は、第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線周りのモーメントのつりあい式に基づいて、以下の如く理解できる。
図12(c)に示すように、第1軸13の右車輪11aのタイヤが、輪重測定面29に乗り込み始める時(時刻t)、P13(x)の出力波形は立ち上がり始め、第1軸13の右車輪11aのタイヤが、輪重測定面29に完全に乗った時(時刻t)、上記出力波形の値は極大値となる。なお、図12(c)では、時刻tのP13(x)の出力波形の位置(折点)を座標300とし、座標300におけるP13(x)の出力値を「W」としている。また、時刻tに対応するx軸の位置を座標301としている。
その後、図12(c)に示すように、P13(x)の出力値は、線形減少に転じる。
ここで、P13(x)の出力値(輪重WR1のP13(x)への寄与分KR1)は、第1軸13が第1ロードセルおよび第3ロードセルLC3を結ぶ直線の直上に到達したときに、輪重WR1と等しくなる。図12(c)では、このときのP13(x)の出力波形の位置を座標302として、このときのx軸の位置を座標303としている。
また、上記寄与分KR1は、第1軸13が第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線の直上に到達したときに、ゼロとなる。なお、図12(c)では、このときのP13(x)の出力波形の位置(つまり、このときのx軸の位置)を座標304としている。
次いで、図12(c)に示すように、第1軸13の左車輪11bのタイヤが、軸重測定面28に乗り込み始める時(時刻t)、P13(x)の出力波形は、再び立ち上がり始め、第1軸13の右車輪11aのタイヤが、軸重測定面28に完全に乗った時(時刻t)、上記出力波形の値は極大値となる。
なお、図12(c)では、時刻tのP13(x)の出力波形の位置(折点)を座標305とし、座標305におけるP13(x)の出力値を「W**」としている。また、時刻tに対応するx軸の位置を座標306としている。
その後、図12(c)に示すように、P13(x)の出力値は再び、線形減少に転じる。
ここで、輪重WL1のP13(x)への寄与分KL1は、第1軸13が第ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線の直上に到達したときに、ゼロとなる。また、P13(x)の出力値も、第1軸13が第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線の直上に到達したときに、ゼロとなる。なお、図12(c)では、このときの寄与分KL1およびP13(x)の出力波形の位置(つまり、このときのx軸の位置)を座標304としている。
以上のP13(x)の出力波形を用いることにより、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bのタイヤ接地長SR1,SL1は、図12(c)の幾何学的関係に基づいて以下の如く導くことができる。
まず、図12(c)上の座標300,301,304を頂点とする直角三角形が、同図上の座標302,303,304を頂点とする直角三角形と相似関係にあることを利用すると、タイヤ接地長SR1を定式化できる。
図12の座標系によれば、時刻tにおけるx軸の位置をSR1とし、第2ロードセルLC2(第4ロードセルLC4)におけるx軸の位置をSR1/2+Δa+aとすることができる。よって、座標300,301に対応するx軸上の位置と、座標304に対応するx軸上の位置との間の距離は、寸法(Δa+a−SR1/2)と表すことができる。また、座標302,303に対応するx軸上の位置と、座標304に対応するx軸上の位置との間の距離は、寸法aで表すことができる。
すると、以上の直角三角形の間の相似関係を用いて、以下の関係式(21)が得られ、式(21)を変形すると、タイヤ接地長SR1を次式(22)のように表すことができる。
/(Δa+a−SR1/2)=WR1/a・・・(21)
R1=(2−W/WR1)・a+2Δa・・・(22)
次いで、図12(c)上の座標302,303,304を頂点とする直角三角形が、同図上の座標305,306,304を頂点とする直角三角形と相似関係にあることを利用すると、タイヤ接地長SL1を以下の如く定式化できる。
図12の座標系によれば、時刻tにおけるx軸の位置をΔa+a/2+(SR1−SL1)/2とし、第2ロードセルLC2(第4ロードセルLC4)におけるx軸の位置をSR1/2+Δa+aとすることができる。よって、座標305,306に対応するx軸上の位置と、座標304に対応するx軸上の位置との間の距離は、寸法(a/2+SL1/2)と表すことができる。また、座標302,303に対応するx軸上の位置と、座標304に対応するx軸上の位置との間の距離は、寸法aで表すことができる。
すると、以上の直角三角形の間の相似関係を用いて、以下の関係式(23)が得られ、式(23)を変形すると、タイヤ接地長SL1を次式(24)のように表すことができる。
R1/a=W**/(a/2+SL1/2)・・・(23)
L1=(2W**/WR1−1)・a・・・(24)
なお、第2軸14の車輪12a,12b毎のタイヤ接地長SR2,SL2の導出法については、上記タイヤ接地長SR1,SL1の導出法を参酌することにより容易に理解できる。よって、ここでは、タイヤ接地長SR2,SL2の導出法の説明は省略する。
式(22)および式(24)において、寸法Δaおよび寸法aは、既知の値である。また、演算器49は、輪重演算部51の機能に基づいて輪重WR1を演算できる。また、演算器49は、P13(x)の出力波形の折点を検知することにより時刻t,tを把握できるので、WおよびW**の値を知ることができる。
このようにして、車両10の左右のそれぞれの車輪11a,11b毎のタイヤ接地長SR1,SL1をそれぞれ、上記式(22)、式(24)を用いて求めることができる。また、車両10の左右のそれぞれの車輪12a,12b毎のタイヤ接地長SR2,SL2も、タイヤ接地長SR1,SL1と同様にして求めることができる。
なお、本例では、2本の車軸13,14が配された4輪トラックを例示したが、3本以上の車軸を備えるトレーラ等の車両であっても、同様の方法で車両の輪重およびタイヤ接地長を求めることができる。
以上により、本実施形態の軸重計200では、制御装置40Bのタイヤ空気圧演算部56が、ロードセルLC1〜LC4の出力波形(具体的には、全てのロードセルLC1〜LC4の出力の総和の波形と、第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3の出力の和の波形)を用いてタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2を演算できる。
よって、タイヤ空気圧演算部56は、車両10のタイヤサイズを別途、特定することにより、各車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ空気圧を予測できる。その結果、タイヤ空気圧演算部56は、各車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ空気圧の良否を判定できる。
例えば、このような判定では、車輪11a,11b,12a,12bの輪重WR1,WL1,WR2,WL2に対するタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2の閾値を予め設定しておき、輪重WR1,WL1,WR2,WL2の演算値とタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2の演算値に基づいてタイヤ空気圧の過不足(良否)を判定してもよい。
また、車両10の輪重WR1,WL1,WR2,WL2の法定上限値が、例えば、5トンとすれば、車両10のタイヤにおけるタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2の上限値S1max(5トン)を、自ずと決定できる場合がある。よって、このとき、タイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2のいずれかが、上限値S1max(5トン)を超える場合は、輪重WR1,WL1,WR2,WL2の値に関わらず、タイヤ空気圧が異常(ここでは、タイヤ空気圧の不足)であると判定してもよい。
また、車両10のタイヤサイズに対応するタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2の上限値S2max(Aインチ),S2max(Bインチ)・・・をテーブルデータとしてメモリ48に予め記憶させることにより、きめ細かなタイヤ空気圧の異常(ここでは、タイヤ空気圧の不足)を判定できる。例えば、タイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2のいずれかが、上限値S2max(Aインチ)を超える場合は、制御装置40Bは、適宜の報知手段(図示せず)を用いて、『搭載しているタイヤサイズがAインチなら、タイヤ空気圧不足と思われるので、タイヤ空気圧を調整してください』等の運転者への警告を報知することができる。
<変形例>
第3実施形態の軸重計200では、直方板体の左後方部全体を矩形状に削り取ることにより、輪重測定面29を構成する載台車両積載部が、軸重測定面28を構成する載台車両積載部よりも幅狭に形成されている例(図10参照)を示した。しかし、このような軸重計200では、載台20”の強度不足に陥る可能性がある。そして、このことが、軸重計の実用化(製品化)に向けた障害となる場合がある。
そこで、本変形例の軸重計の載台520”では、このような問題に対処できるよう、図13に示すように、直方板体を、その厚み方向に部分的に削ることによって、軸重測定面528および輪重測定面529を構成する載台車両積載部(つまり、直方板体520”の薄肉部を除く部分)を形成することができる。なお、この場合、上記削り領域のほぼ全域を覆うように、適宜の固定手段527を用いて設置ベース525に固定された蓋部材526が配置されている。この蓋部材526は、直方板体520”との間の接続の縁切りが行われており、蓋部材526上に車両10の左車輪11b,12bが載っても、車両10の荷重は、直方板体520”に伝わらない。
かかる構成により、本変形例の軸重計では、載台520”の強度不足を補うことができる。
本発明の車両重量計は、従来の車両重量計に、車両のタイヤ空気圧の良否を判定する機能を付与することができる。よって、本発明は、タイヤ空気圧の良否判定に用いることができる車両重量計に利用できる。
10 車両
11a 前側の車軸(第1軸)の右車輪
11b 前側の車軸(第1軸)の左車輪
12a 後側の車軸(第2軸)の右車輪
12b 後側の車軸(第2軸)の左車輪
13 前側の車軸(第1軸)
14 後側の車軸(第2軸)
20 載台
21 載台本体
22 載台突出部
25 設置ベース
26 蓋部材
27 ピット部
28 軸重測定面
29 輪重測定面
30 タイヤ接地面
40,40A,40B 制御装置
41 操作装置
42 表示装置
43 増幅器
44 ローパスフィルタ
45 マルチプレクサ
46 A/D変換器
47 I/O回路
48 メモリ
49 演算器
51 輪重演算部
53 総重量演算部
54 軸重演算部
55 表示信号生成部
56 タイヤ空気圧演算部
LC1 第1ロードセル
LC2 第2ロードセル
LC3 第3ロードセル
LC4 第4ロードセル
100,100A トラックスケール(車両重量計)
200 軸重計(車両重量計)

Claims (4)

  1. 車両の車輪が乗ることができる一の載台と、
    前記載台を下方から支持し、且つ、前記車両の進行方向に沿って予め定められた間隔を設けて配された複数のロードセルと、
    前記車両の速度に依存せずに、少なくとも前記車両の車輪が前記載台に乗ったときの前記ロードセルの出力値と前記ロードセルの前記間隔とに基づいて前記車輪のタイヤ接地長を演算する演算手段と、
    を備える車両重量計。
  2. 前記演算手段は、前記タイヤ接地長に基づいて、前記車輪のタイヤ空気圧の良否を判定する請求項1に記載の車両重量計。
  3. 車両の車輪が乗ることができる一の載台と、
    前記載台を下方から支持し、且つ、前記車両の進行方向に沿って予め定められた間隔を設けて配された複数のロードセルと、
    前記車両の速度に依存せずに、少なくとも、前記車両の左右いずれか一方の車輪のみが前記載台に乗ったときの前記ロードセルの出力値と前記車両の左右両方の車輪が前記載台に乗ったときの前記ロードセルの出力値と前記ロードセルの前記間隔とに基づいて、前記車両の左右それぞれの車輪毎に前記車輪のタイヤ接地長を演算する演算手段と、
    を備える車両重量計。
  4. 前記演算手段は、前記車輪毎のタイヤ接地長に基づいて、前記車輪毎に前記車輪のタイヤ空気圧の良否を判定する、請求項3に記載の車両重量計。
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