以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1に示す多気筒エンジン2(以下、単に「エンジン2」という。)は、第1気筒乃至第4気筒が順に図1の紙面に垂直な方向に直列に配置された直列4気筒ガソリンエンジンであって、自動車等の車両に搭載される。エンジン2では、カムカバー3、シリンダヘッド4、シリンダブロック5及びオイルパン6(図4参照)が上下に連結されている。シリンダブロック5の気筒(シリンダボア)7に設けられたピストン8とクランク軸9とがコネクティングロッド10によって連結され、シリンダブロック5の気筒7とピストン8とシリンダヘッド4とによって燃焼室11が形成されている。
シリンダヘッド4には、吸気ポート12及び排気ポート13を開閉する吸気弁14及び排気弁15が設けられている。吸気弁14及び排気弁15は、リターンスプリング16,17により閉方向(図1上方)に付勢されている。吸気弁14及び排気弁15の動弁装置は、ピボット式HLA(油圧によりバルブクリアランスを自動的にゼロに調整する周知の油圧ラッシュアジャスタ(Hydraulic Lash Adjuster))24でスイングアーム20,21を支持し、カム軸18,19のカム18a,19aでスイングアーム20,21を作動させる方式である。つまり、スイングアーム20,21の略中央部の回転自在なカムフォロア20a,21aがカム18a,19aによって下方に押され、スイングアーム20,21がその一端を支持するHLA24のピボット23を支点にして揺動し、スイングアーム20,21の他端がリターンスプリング16,17の付勢力に抗して吸気弁14及び排気弁15を下方に押して開弁させる。
エンジン2の気筒列方向両端部に位置する第1及び第4気筒(特定気筒)においては、HLA24の下動を阻止するロック機構を有する油圧作動式の弁停止装置25が設けられている。この弁停止装置25は、エンジンの減気筒運転時にHLA24のロックを解除してその下動を許容することにより、吸排気弁14,15を閉弁停止状態にする。これにより、当該第1及び第4気筒の作動(燃焼運転)が休止する。気筒列方向中央寄りの第2及び第3気筒は、弁停止装置を備えず、減気筒運転時においても作動する。エンジン2は、その運転状態に応じて、全気筒を作動させる全気筒運転と、第1及び第4気筒を休止させ第2及び第3気筒を作動させる減気筒運転とに切り替えられる。
シリンダヘッド4における第1及び第4気筒に対応する吸気側及び排気側の部分には、弁停止装置25の下端部を挿入して装着するための装着穴26,27が設けられている。装着穴26,27にはそれぞれ2つの油路61,63及び62,64が連通している。油路61,62は弁停止装置25に油圧(作動圧)を供給し、油路63,64はHLA24に油圧を供給する。シリンダヘッド4における第2及び第3気筒に対応する吸気側及び排気側の部分には、HLA24の下端部を挿入して装着するための装着穴が設けられている。この装着穴には油路63,64のみが連通している。
シリンダブロック5には、気筒7の排気側の側壁内を気筒列方向に延びるメインギャラリ54が設けられている。このメインギャラリ54の下側近傍には、このメインギャラリ54と連通するピストン冷却用のオイルジェット(オイル噴射弁)28が各ピストン8毎に設けられている。このオイルジェット28は、ピストン8の下側に配置されたノズル部28aを有しており、ピストン8の頂部の裏面に向けてオイルを噴射する。
各カム軸18,19の上方には、パイプで形成されたオイルシャワー29,30が設けられている。オイルシャワー29,30からカム軸18,19のカム18a,19aや、スイングアーム20,21とカムフォロア20a、21aとの接触部に潤滑用のオイルが滴下される。
次に、図2を参照しながら、油圧作動装置の一つである弁停止装置25について説明する。弁停止装置25は、HLA24を軸方向に摺動自在に収納する有底の外筒251と、HLA24の下側に設けられた一対の相対するロックピン252と、両ロックピン252の間に設けられたロックスプリング253と、外筒251の底とHLA24の間に設けられたロストモーションスプリング254とを備えている。
外筒251には該外筒251の直径方向に相対する2つの貫通孔251aが形成されている。一対のロックピン252は、外筒251の内側から2つの貫通孔251aに出入り可能に設けられている。図2(a)に示すように、一対のロックピン252が貫通孔251aに嵌合した状態が、該ロックピン252でHLA24の下動を阻止したロック状態である。図2(b),(c)に示すように、一対のロックピン252が貫通孔251aから外筒251の内側に抜けた状態が、ロックピン252と共にHLA24の下動を許容するロック解除状態である。外筒251の貫通孔251aとロックピン252によってロック機構が構成されている。
一対のロックピン252は、ロックスプリング253によって貫通孔251aに嵌合する方向(ロック方向)に付勢されている。一対のロックピン252は、油路61,62からロックスプリングの付勢力に抗する油圧を受けると、図2(b)に示すように、貫通孔251aから外筒251の内側へ抜ける(ロック解除)。ロストモーションスプリング254は、一対のロックピン252をHLA24と共に上動方向に付勢している。ロック解除状態において、HLA24がスイングアーム20,21によって押されると、図2(c)に示すように、ロストモーションスプリング254が圧縮されて、HLA24がロックピン252と共に外筒251内を下動する(弁停止状態)。
吸排気弁14,15を上方に付勢するリターンスプリング16,17の方が、ピボット機構25aを上方に付勢するロストモーションスプリング254よりも、付勢力が強くなるように構成されている。そのため、上記ロック解除状態でカム18a,19aがスイングアーム20,21を下方に押したときは、吸排気弁14,15の頂部がスイングアーム20,21の揺動の支点となって、HLA24がロストモーションスプリング254の付勢力に抗して下方に押され、吸排気弁14,15は開弁しない。
次に、図3を参照しながら、エンジン2の全気筒の吸排気弁14,15の少なくとも一方(本実施形態では、両方)の弁特性を油圧作動により変更する油圧作動装置としての可変バルブタイミング機構32,33(以下、単に「VVT」という。)について説明する。VVT32は吸気側のVVTであり、VVT33は排気側のVVTである。
VVT32,33は、略円環状のハウジング321,331と、ハウジング321,331の内部に収容されたロータ322,332とを有する。ハウジング321,331は、クランクシャフト9と同期して回転するカムプーリ323,333と一体回転可能に連結されている。ロータ322,332は、吸排気弁14,15を開閉させるカム軸18,19と一体回転可能に連結されている。ハウジング321,331の内部には、ハウジング321,331の内周面とロータ322,332に設けられたベーン324,334とで区画された遅角油圧室325,335と進角油圧室326,336とが複数形成されている。これら遅角油圧室325,335及び進角油圧室326,336には、第1方向切替弁34,35(図4参照)を介して、オイルを供給する後述の可変容量型オイルポンプ36(図4参照)が接続されている。この第1方向切替弁34,35の制御により遅角油圧室325,335にオイルを導くと、その油圧によりカム軸18,19がその回転方向(図3(a)の矢印の方向)とは逆向きに動くため、吸排気弁14,15の開時期が遅くなり、一方で、進角油圧室326,336にオイルを導くと、油圧によりカム軸18,19がその回転方向に動くため、吸排気弁14,15の開時期が早くなる。
図3(b)は、吸気弁14及び排気弁15の開弁位相を示している。同図からわかるように、VVT32(及び/又は33)によって、吸気弁14の開弁位相を進角方向(図3(b)の矢印を参照)に変更する(及び/又は、排気弁15の開弁位相を遅角方向に変更する)と、排気弁15の開弁期間と吸気弁14の開弁期間(一点鎖線を参照)とがオーバーラップする。このように吸気弁14及び排気弁15の開弁期間をオーバーラップさせることで、エンジン燃焼時の内部EGR量を増加させることができ、ポンピングロスを低減して燃費性能を向上できる。また、燃焼温度を抑えることもできるため、NOxの発生を抑えて排気浄化を図れる。一方、VVT32(及び/又は33)によって、吸気弁14の開弁位相を遅角方向に変更する(及び/又は、排気弁15の開弁位相を進角方向に変更する)と、吸気弁14の開弁期間(実線を参照)と排気弁15の開弁期間とのバルブオーバーラップ量が減少するために、アイドリング時等のようにエンジン負荷が所定閾値以下の軽負荷時には、安定燃焼性を確保できる。本実施形態では、高負荷時にバルブオーバーラップ量を出来る限り大きくするために、上記軽負荷時にも、吸気弁14及び排気弁15の開弁期間をオーバーラップさせるようにしている。
次に、図4に基いてエンジン2にオイルを供給するオイル供給装置1について説明する。オイル供給装置1は、クランク軸9の回転によって駆動される可変容量型のオイルポンプ36と、オイルポンプ36により昇圧されたオイルをエンジン2の潤滑部及び油圧作動装置に導く油圧経路50とを備えている。オイルポンプ36は、エンジン2により駆動される補機であり、この補機としては、その他に、エンジン2により駆動されて発電する発電機としてのオルタネータ81等がある。
油圧経路50は、パイプや、シリンダヘッド4、シリンダブロック5等に穿設された通路からなる。油圧経路50は、オイルポンプ36の吐出口361bからシリンダブロック5内の分岐点54aまで延びる第1連通路51と、シリンダブロック5内で気筒列方向に延びる上記メインギャラリ54と、該メインギャラリ54上の分岐点54bからシリンダヘッド4まで延びる第2連通路52と、シリンダヘッド4内で吸気側と排気側との間を略水平方向に延びる第3連通路53と、シリンダヘッド4内で第3連通路53から分岐する複数の油路61〜69とを備えている。
オイルポンプ36は、ポンプ収容室を有するポンプボディと該ポンプボディの片側開口部を閉塞するカバー部材とからなるハウジング361と、該ハウジング361に回転自在に支持され、ポンプ収容室の略中心部を貫通しかつクランク軸9によって回転駆動される駆動軸362と、該駆動軸362に結合されたロータ363及び該ロータ363に形成された放射状に延びる複数のスリット各々に出没自在に収容されたべーン364からなるポンプ要素と、該ポンプ要素の外周側にロータ363の回転中心に対して偏心可能に配置され、ロータ363及び相隣接するべーン364と共に複数の作動油室であるポンプ室365を画成するカムリング366と、ポンプボディ内に収容され、ロータ363の回転中心に対するカムリング366の偏心量が増大する側へカムリング366を付勢するスプリング367と、ロータ363の内周側の両側部に摺動自在に配置された、ロータ363よりも小径の一対のリング部材368とを備えている。
ハウジング361は、ポンプ室365にオイルを供給する吸入口361aと、ポンプ室365からオイルを吐出する吐出口361bとを備えている。ハウジング361の内周面とカムリング366の外周面により圧力室369が形成されており、圧力室369に導入孔369aが開口している。導入孔369aから圧力室369にオイルが導入されることで、カムリング366が支点361cを中心に揺動し、その結果、ロータ363がカムリング366に対して相対的に偏心し、オイルポンプ36の吐出容量が変化する。
オイルポンプ36の吸入口361aには、オイルパン6に臨むオイルストレーナ39が接続されている。オイルポンプ36の吐出口361bに連通する第1連通路51には、上流側から下流側に順に、オイルフィルタ37及びオイルクーラ38が配置されている。オイルパン6内のオイルは、オイルストレーナ39を通してオイルポンプ36によってくみ上げられ、オイルフィルタ37で濾過されオイルクーラ38で冷却されて、シリンダブロック5内のメインギャラリ54に導入される。
メインギャラリ54は、4つのピストン8の背面側に冷却用オイルを噴射するための上記オイルジェット28と、クランク軸9を回動自在に支持する5つのメインジャーナルに配置されたメタルベアリングのオイル供給部41と、4つのコネクティングロッド10を回転自在に連結するクランク軸9のクランクピンに配置されたメタルベアリングのオイル供給部42とに接続されている。このメインギャラリ54にはオイルが常時供給される。
メインギャラリ54上の分岐点54cの下流側には、油圧式チェーンテンショナへオイルを供給するオイル供給部43と、リニアソレノイドバルブ49を介してオイルポンプ36の圧力室369へ導入孔369aからオイルを供給する油路40とが接続されている。
第3連通路53の分岐点53aから分岐する油路68は、排気側第1方向切替弁35を介して、排気弁15の開閉時期を変更するための排気側VVT33の進角油圧室336及び遅角油圧室335に接続されており、第1方向切替弁35を制御することでオイルが供給されるように構成されている。分岐点53aから分岐する油路64は、排気側のカム軸19のカムジャーナルに配置されたメタルベアリングのオイル供給部45(図4の白抜き三角△を参照)と、HLA24(図4の黒三角▲を参照)と、弁停止装置25(図4の白抜き楕円を参照)とに接続されている。油路64の分岐点64aから分岐する油路66は、排気側のスイングアーム21に潤滑用オイルを供給するオイルシャワー30に接続されている。油路64及び油路66にはオイルが常時供給される。
吸気側についても、排気側と同様であり、第3連通路53の分岐点53cから分岐する油路67は、吸気側第1方向切替弁34を介して、吸気弁14の開閉時期を変更するためのVVT32の進角油圧室326及び遅角油圧室325に接続されている。分岐点53dから分岐する油路63は、吸気側のカム軸18のカムジャーナルに配置されたメタルベアリングのオイル供給部44(図4の白抜き三角△を参照)と、HLA24(図4の黒三角▲を参照)と、弁停止装置25(図4の白抜き楕円を参照)とに接続されている。油路63の分岐点63aから分岐する油路65は、吸気側のスイングアーム20に潤滑用オイルを供給するオイルシャワー29に接続されている。
第3連通路53の分岐点53cから分岐する油路69には、オイルの流れる方向を上流側から下流側への一方向のみに規制する逆止弁48と、逆止弁48と分岐点53cとの間に位置し油圧経路50(油路69における逆止弁48よりも上流側)における油圧を検出する油圧センサ70とが配設されている。油圧センサ70は、オイルポンプ36によりエンジン2の潤滑部及び油圧作動装置にオイルを供給するための油圧経路50の油圧を検出する油圧検出装置を構成する。
上記油路69は、逆止弁48の下流側の分岐点69aで、弁停止装置25用の装着穴26,27に連通する上記2つの油路61,62に分岐する。油路61,62は、吸気側及び排気側の第2方向切替弁46,47を介して、吸気側及び排気側の弁停止装置25にそれぞれ接続されている。第2方向切替弁46,47を制御することで各弁停止装置25にオイルが供給される。
クランク軸9及びカム軸18,19を回転自在に支持するメタルベアリングや、ピストン8、カム軸18,19等に供給された潤滑用及び冷却用のオイルは、冷却や潤滑を終えた後、図示しないドレイン油路を通ってオイルパン6内に戻る。
上記エンジン2の作動はコントローラ(制御手段)100によって制御される。コントローラ100には、エンジン2の運転状態を検出する各種センサ(油圧センサ70、クランク角センサ71、スロットルポジションセンサ72、油温センサ73、カム角センサ74、水温センサ75等)からの検出情報が入力される。クランク角センサ71によりクランク軸9の回転角度が検出され、この検出信号に基づいてエンジン回転数が検出される。スロットルポジションセンサ72により、エンジン2が搭載された車両の乗員によるアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)が検出され、これに基づいてエンジン負荷が検出される。油温センサ73及び油圧センサ70により油圧経路におけるオイルの温度及び圧力が検出される。油温センサ73は、油圧経路50の第3連通路53に配設されている。カム軸18,19の近傍に設けられたカム角センサ74により、カム軸18,19の回転位相が検出され、このカム角に基づいてVVT32,33の作動角が検出される。また、水温センサ75によってエンジン2の冷却水の温度(以下、水温という)が検出される。
コントローラ100は、周知のマイクロコンピュータをベースとする制御装置であって、上記各種センサからの検出信号を入力する信号入力部と、制御に係る演算処理を行なう演算部と、制御対象となる装置(第1方向切替弁34,35、第2方向切替弁46,47、リニアソレノイドバルブ49、オルタネータ81等)に制御信号を出力する信号出力部と、制御に必要なプログラムやデータ(後述する油圧制御マップやデューティ比マップ等)を記憶する記憶部とを備えている。
リニアソレノイドバルブ49は、エンジン2の運転状態に応じてオイルポンプ36からの吐出量を制御するための流量(吐出量)制御弁である。リニアソレノイドバルブ49の開弁時にオイルポンプ36の圧力室369にオイルが供給される。リニアソレノイドバルブ49自体の構成は周知であるため説明を省略する。尚、流量(吐出量)制御弁としては、リニアソレノイドバルブ49に限らず、例えば電磁制御弁を用いてもよい。
コントローラ100は、リニアソレノイドバルブ49に対し、エンジン2の運転状態に応じたデューティ比の制御信号を送信して、リニアソレノイドバルブ49を介して、オイルポンプ36の圧力室369へ供給する油圧を制御する。この圧力室369の油圧により、カムリング366の偏心量を制御してポンプ室365の内部容積の変化量を制御することで、オイルポンプ36の流量(吐出量)を制御する。つまり、上記デューティ比によってオイルポンプ36の容量が制御される。ここで、オイルポンプ36は、エンジン2のクランク軸9で駆動されるため、図5に示すように、オイルポンプ36の流量(吐出量)はエンジン回転数に比例する。デューティ比が、1サイクルの時間に対するリニアソレノイドバルブ49への通電時間の割合を表す場合、図示するように、デューティ比が大きいほどオイルポンプ36の圧力室369への油圧が増すため、エンジン回転数に対するオイルポンプ36の流量の傾きが小さくなる。オイルポンプ36の吐出量が増大するに連れて、エンジン2により駆動されるオイルポンプ36の駆動負荷が増大することになり、オイルポンプ36の吐出量の制御は、オイルポンプ36の駆動負荷の制御でもある。
このようにコントローラ100は、オイルポンプ36の容量を変更してオイルポンプ36の吐出量を制御するポンプ制御装置を構成するとともに、補機としてのオイルポンプ36の駆動負荷を制御する補機制御装置を構成することになる。また、コントローラ100は、補機としてのオルタネータ81の駆動負荷も制御する。
次に、図6を参照しながら、エンジン2の減気筒運転について説明する。エンジン2の減気筒運転又は全気筒運転は、エンジン2の運転状態に応じて切り替えられる。すなわち、エンジン回転数、エンジン負荷及びエンジン水温から把握されるエンジン2の運転状態が、図示の減気筒運転領域内にあるときは減気筒運転が実行される。減気筒運転領域に隣接して減気筒運転準備領域が設けられており、エンジンの運転状態がこの減気筒運転準備領域内にあるときは減気筒運転を実行するための準備として、油圧を弁停止装置25の要求油圧に向けて予め昇圧させておく。エンジン2の運転状態が減気筒運転領域及び減気筒運転準備領域の外にあるときは、全気筒運転を実行する。
図6(a)を参照すると、所定のエンジン負荷(L0以下)で加速して、エンジン回転数が上昇する場合、エンジン回転数が所定回転速度V1未満では、全気筒運転を行ない、エンジン回転数がV1以上かつV2(>V1)未満になると、減気筒運転の準備に入り、エンジン回転数がV2以上になると、減気筒運転を行なう。また、例えば、所定のエンジン負荷(L0以下)で減速して、エンジン回転数が下降する場合、エンジン回転数がV4以上では、全気筒運転を行ない、エンジン回転数がV3(<V4)以上かつV4未満になると、減気筒運転の準備を行ない、エンジン回転数がV3以下になると、減気筒運転を行なう。
図6(b)を参照すると、所定のエンジン回転数(V2以上V3以下)、所定のエンジン負荷(L0以下)で走行し、エンジン2が暖機して水温が上昇する場合、水温がT0未満では全気筒運転を行ない、水温がT0以上かつT1未満になると減気筒運転の準備を行ない、水温がT1以上になると減気筒運転を行なう。
仮に上記減気筒運転準備領域を設けなかった場合、全気筒運転から減気筒運転に切り替える際、エンジン2の運転状態が減気筒運転領域に入ってから油圧を弁停止装置25の要求油圧まで昇圧させることになるが、油圧が要求油圧に達するまでの時間分、減気筒運転を行なう時間が短くなるため、この減気筒運転を行なう時間が短くなる分、エンジン2の燃費効率が下がってしまう。
そこで、本実施形態では、エンジン2の燃費効率を最大限上げるため、減気筒運転領域に隣接して減気筒運転準備領域が設けて、この減気筒運転準備領域において油圧を予め昇圧させておき、油圧が要求油圧に達するまでの時間分のロスをなくすように目標油圧(図7(a)参照)を設定しておく。
尚、図6(a)に示すように、減気筒運転領域の高エンジン負荷側に隣接する、一点鎖線で示された領域を減気筒運転準備領域としてもよい。これにより、例えば、所定のエンジン回転数(V2以上V3以下)においてエンジン負荷が下降する場合、エンジン負荷がL1(>L0)以上では、全気筒運転を行ない、エンジン負荷がL0以上かつL1未満になると、減気筒運転の準備に入り、エンジン負荷がL0以下になると、減気筒運転を行なうようにしてもよい。
次に、図7を参照しながら、各油圧作動装置(ここでは、弁停止装置25及びVVT32,33に加えて、オイルジェット28や、クランク軸9のジャーナル等のメタルベアリングも油圧作動装置に含まれるものとする)の要求油圧と、オイルポンプ36の目標油圧とについて説明する。本実施形態におけるオイル供給装置1は、1つのオイルポンプ36によって複数の油圧作動装置にオイルを供給しており、各油圧作動装置が必要とする要求油圧は、エンジン2の運転状態に応じて変化する。そのため、エンジン2の全ての運転状態において全ての油圧作動装置が必要な油圧を得るためには、当該オイルポンプ36は、エンジン2の運転状態ごとに各油圧作動装置の要求油圧のうちで最も高い要求油圧以上の油圧を当該エンジン2の運転状態に応じた目標油圧に設定する必要がある。そのためには、本実施形態においては、全ての油圧作動装置のうちで要求油圧が比較的高い弁停止装置25、オイルジェット28、クランク軸9のジャーナル等のメタルベアリング及びVVT32,33の要求油圧を満たすように目標油圧を設定すればよい。なぜなら、このように目標油圧を設定すれば、要求油圧が比較的低い他の油圧作動装置は当然に要求油圧が満たされるからである。
図7(a)を参照すると、エンジン2の低負荷運転時において、要求油圧が比較的高い油圧作動装置は、VVT32,33、メタルベアリング及び弁停止装置25である。これら各油圧作動装置の要求油圧は、エンジン2の運転状態に応じて変化する。例えば、VVT32,33の要求油圧(図7では、「VVT要求油圧」と記載)は、エンジン回転数がV0(<V1)以上で略一定である。メタルベアリングの要求油圧(図7では、「メタル要求油圧」と記載)は、エンジン回転数が大きくなるにつれて大きくなる。弁停止装置25の要求油圧(図7では、「弁停止要求油圧」と記載)は、所定範囲のエンジン回転数(V2〜V3)においてほぼ一定である。そして、これらの要求油圧をエンジン回転数ごとに大小を比較すると、エンジン回転数がV0よりも低いときにはメタル要求油圧しかなく、エンジン回転数がV0〜V2では、VVT要求油圧が最も高く、エンジン回転数がV2〜V3では、弁停止要求油圧が最も高く、エンジン回転数がV3〜V6では、VVT要求油圧が最も高く、エンジン回転数がV6以上では、メタル要求油圧が最も高い。したがって、エンジン回転数ごとに上述の最も高い要求油圧を基準目標油圧としてオイルポンプ36の目標油圧に設定する必要がある。
ここで、減気筒運転を行なうエンジン回転数(V2〜V3)の前後のエンジン回転数(V1〜V2、V3〜V4)においては、減気筒運転の準備のために目標油圧が弁停止要求油圧に向けて予め昇圧するように基準目標油圧から補正して設定されている。これによれば、図6において説明したように、エンジン回転数が減気筒運転を行なうエンジン回転数になる際に油圧が弁停止要求油圧に達するまでの時間分のロスをなくして、エンジンの燃費効率を向上できる。この補正により設定されたオイルポンプ36の目標油圧(図7では、「オイルポンプ目標油圧」と記載)の一例が、図7(a)の太線(V1〜V2、V3〜V4)で示されている。
さらに、オイルポンプ36の応答遅れやオイルポンプ36の過負荷等を考慮すると、前述の減気筒運転準備の補正を行なった後の基準目標油圧について、エンジン回転数に対して要求油圧が急激に変化するエンジン回転数(例えば、V0、V1、V4)における油圧の変化が小さくなるように、要求油圧以上の油圧でエンジン回転数に応じて漸次増加又は減少するように補正して目標油圧として設定するのがよい。この補正を行なって設定されたオイルポンプ36の目標油圧の一例が、図7(a)に太線(V0以下、V0〜V1、V4〜V5)で示されている。
図7(b)を参照すると、エンジン2の高負荷運転時において、要求油圧が比較的高い油圧作動装置は、VVT32,33、メタルベアリング及びオイルジェット28である。低負荷運転の場合と同様に、これら各油圧作動装置の要求油圧はエンジン2の運転状態に応じて変化し、例えば、VVT要求油圧は、エンジン回転数がV0′以上で略一定であり、メタル要求油圧は、エンジン回転数が大きくなるにつれて大きくなる。また、オイルジェット28の要求油圧は、エンジン回転数がV2′未満では0であり、そこから或る回転速度まではエンジン回転数に応じて高くなり、その回転速度以上では一定である。
高負荷運転の場合も低負荷運転の場合と同様に、エンジン回転数に対して要求油圧が急激に変化するエンジン回転数(例えば、V0′、V2′)において基準目標油圧を補正して目標油圧として設定するのがよく、適宜補正(特に、V0′以下、V1′〜V2′で補正)を行なって設定されたオイルポンプ36の目標油圧の一例が、図7(b)に太線で示されている。
尚、図示されているオイルポンプ36の目標油圧は、折れ線状に変化するものであるが、曲線状に滑らかに変化するものであってもよい。また、本実施形態においては、要求油圧が比較的高い弁停止装置25、オイルジェット28、メタルベアリング及びVVT32,33の要求油圧に基づいて目標油圧を設定したが、目標油圧を設定するのに考慮する油圧作動装置はこれらに限るものではない。要求油圧が比較的高い油圧作動装置があればどのようなものであっても、その要求油圧を考慮して目標油圧を設定すればよい。
次に、図8を参照しながら、油圧制御マップについて説明する。図7で示したオイルポンプ36の目標油圧は、エンジン回転数をパラメータとしたものであるが、さらに、エンジン負荷と油温もパラメータとして目標油圧を3次元グラフに表したのが、図8に示した油圧制御マップである。すなわち、この油圧制御マップは、エンジン2の運転状態(ここでは、エンジン回転数及びエンジン負荷に加えて、油温も含む)ごとに各油圧作動装置の要求油圧のうちで最も高い要求油圧に基づいて、当該運転状態に応じた目標油圧が予め設定されたものである。
図8(a)、図8(b)及び図8(c)は、エンジン2(油温)の高温時、温間時及び冷間時の油圧制御マップをそれぞれ示している。コントローラ100は、オイルの油温に応じてこれらの油圧制御マップを使い分ける。すなわち、エンジン2を始動してエンジン2が冷間状態(油温がT1未満)にあるときは、コントローラ100は、図8(c)に示す冷間時の油圧制御マップに基づいてエンジン2の運転状態(エンジン回転数、エンジン負荷)に応じた目標油圧を読み取る。エンジン2が暖機してオイルが所定の油温T1以上になると、図8(b)に示す温間時の油圧制御マップに基づいて目標油圧を読み取り、エンジン2が完全に暖機してオイルが所定の油温T2(>T1)以上になると、図8(a)に示す高温時の油圧制御マップに基づいて目標油圧を読み取る。
尚、本実施形態では、油温を高温時、温間時及び冷間時の3つの温度範囲に分けて各温度範囲ごとに予め設定された油圧制御マップを用いて目標油圧を読み取ったが、油温を考慮しないで1つの油圧制御マップのみを用いて目標油圧を読み取るようにしてもよい。また、逆に、より細かく温度範囲を分けてより多くの油圧制御マップを用意してよい。さらに、1つの油圧制御マップ(例えば、温間時の油圧制御マップ)が対象とする温度範囲内(T1≦t<T2)にある油温tはいずれも同じ値の目標油圧P1を読み取ったが、前後の温度範囲内(T2≦t)の目標油圧(P2)を考慮して、油温tに応じて目標油圧pを比例換算(p=(t−T1)×(P2−P1)/(T2−T1))により算出できるようにしてもよい。このように温度に応じた目標油圧をより高精度に読み取り、算出可能にすることで、より高精度なポンプ容量の制御が可能になる。
次に、図9を参照しながら、デューティ比マップについて説明する。ここでのデューティ比マップは、上述の油圧制御マップからエンジン2の運転状態(エンジン回転数、エンジン負荷及び油温)ごとの目標油圧を読み取り、該読み取った目標油圧に基づいて油路の流路抵抗等を考慮してオイルポンプ36から供給されるオイルの目標吐出量を設定し、該設定した目標吐出量に基づいてそのエンジン回転数(オイルポンプ回転数)等を考慮して算出した当該運転状態に応じた目標デューティ比が予め設定されたものである。
図9(a)、図9(b)及び図9(c)は、エンジン2(油温)の高温時、温間時及び冷間時のデューティ比マップをそれぞれ示している。コントローラ100は、オイルの油温に応じてこれらのデューティ比マップを使い分ける。すなわち、エンジン2の始動時は、エンジンが冷間状態であるため、コントローラ100は、図9(c)に示す冷間時のデューティ比マップに基づいて、エンジン2の運転状態(エンジン回転数、エンジン負荷)に応じたデューティ比を読み取る。エンジン2が暖機してオイルが所定の油温T1以上になると、図9(b)に示す温間時のデューティ比マップに基づいて目標デューティ比を読み取り、エンジン2が完全に暖機してエンジンが所定の油温T2(>T1)以上になると、図9(a)に示す高温時のデューティ比マップに基づいて目標デューティ比を読み取る。
尚、本実施形態では、油温を高温時、温間時及び冷間時の3つの温度範囲に分けて各温度範囲ごとに予め設定されたデューティ比マップを用いてデューティ比を読み取ったが、上述の油圧制御マップと同様に、1つのデューティ比マップのみを用意したり、より細かく温度範囲を分けてより多くのデューティ比マップを用意したり、油温に応じて目標デューティ比を比例換算により算出できるようにしてもよい。
次に、図10のフローチャートに従って、コントローラ100によるオイルポンプ36の流量(吐出量)制御動作について説明する。
まず、ステップS1で、始動後のエンジン2の運転状態を把握するために、各種センサより検出情報を読み込んで、エンジン負荷、エンジン回転数、油温等を検出する。
続いて、ステップS2で、コントローラ100に予め記憶されているデューティ比マップを読み出し、ステップS1で読み込まれたエンジン負荷、エンジン回転数及び油温に応じた目標デューティ比を読み取る。
次のステップS3で、現在のデューティ比が、ステップS2で読み取られた目標デューティ比に一致しているか否かを判定する。このステップS3の判定がYESであるときには、ステップS5に進む。一方、ステップS3の判定がNOであるときには、ステップS4に進んで、目標デューティ比をリニアソレノイドバルブ49(図10のフローチャートでは、「流量制御弁」と記載)へ信号を出力し、しかる後にステップS5に進む。
ステップS5では、油圧センサ70より現在の油圧を読み込み、次のステップS6で、予め記憶されている油圧制御マップを読み出し、この油圧制御マップから現在のエンジンの運転状態に応じた目標油圧を読み取る。
次のステップS7では、現在の油圧が、ステップS6で読み取られた目標油圧に一致しているか否かを判定する。このステップS7の判定がNOであるときには、ステップS8に進んで、リニアソレノイドバルブ49に対し目標デューティ比を所定割合変更した出力信号を出力し、しかる後にステップS5に戻る。すなわち、油圧センサ70により検出される油圧が、上記目標油圧になるように、オイルポンプ36の吐出量を制御する。
一方、ステップS7の判定がYESであるときには、ステップS9に進んで、エンジン負荷、エンジン回転数及び油温を検出し、次のステップS10で、エンジン負荷、エンジン回転数及び油温が変わったか否かを判定する。
ステップS10の判定がYESであるときには、ステップS2に戻る一方、ステップS10の判定がNOであるときには、ステップS5に戻る。尚、上述の流量制御は、エンジン2が停止するまで継続される。
上述のオイルポンプ36の流量制御は、デューティ比のフィードフォワード制御と油圧のフィードバック制御とを組み合わせたものであり、この流量制御によれば、フィードフォワード制御による応答性の向上とフィードバック制御による精度の向上とを実現している。
続いて、図11のフローチャートに従って、コントローラ100による気筒数制御の動作について説明する。
まず、ステップS11で、始動後のエンジン2の運転状態を把握するために、各種センサより検出情報を読み込んで、エンジン負荷、エンジン回転数、水温等を検出する。次のステップS12で、その読み込んだエンジン負荷、エンジン回転数及び水温に基づいて、現在のエンジンの運転状態が弁停止作動条件を満たしているか(減気筒運転領域内にあるか)否かを判定する。この判定がNOであるときには、ステップS13に進んで、4気筒運転(全気筒運転)を行なう。
一方、ステップS12の判定がYESであるときには、ステップS14に進んで、VVT32,33につながる第1方向切替弁34,35を作動させ、次のステップS15で、カム角センサ74から現在のカム角を読み込む。次のステップS16では、上記読み込んだ現在のカム角に対応するVVT32,33の現在の作動角が、目標の作動角となっているか否かを判定する。
ステップS16の判定がNOであるときには、ステップS15に戻る。すなわち、現在の作動角が目標の作動角になるまで第2方向切替弁46,47の作動を禁止する。ステップS16の判定がYESであるときには、ステップS17に進んで、第2方向切替弁46,47を作動させて、2気筒運転(減気筒運転)を行なう。
次に、図12を参照しながら、エンジン2の運転状態が減気筒運転領域内に入った直後の減気筒運転要求時においてVVT32が作動している場合(ここでは、VVT32,33のうちVVT32のみが作動するものとする)に、図11に示した気筒数制御動作を実行した具体例について説明する。
時刻t1において、VVT32用の第1方向切替弁34が作動される。これにより、VVT32の進角油圧室326へのオイルの供給が開始され、VVT32の作動角がθ2からθ1へ向かって変化する。これにより、油圧が弁停止要求油圧P1よりも低下する。
ここで、現在のエンジン2の運転状態が減気筒運転領域内に入り弁停止作動条件を満たした場合、VVT32の作動を継続させてVVT32の作動角が目標の作動角θ1に達するまで、すなわち、油圧が弁停止要求油圧P1よりも低下している間は、弁停止装置25を作動させない。
時刻t2において、VVT32の作動角が目標の作動角θ1になり、VVT32の作動が完了すると、VVT32の進角油圧室326へのオイルの供給が終了するため、油圧が弁停止要求油圧P1まで戻る。
油圧が弁停止要求油圧P1に戻った時刻t2以降の時刻t3において、第2方向切替弁46,47が作動されて弁停止装置25に油圧が供給され、エンジンは4気筒運転から2気筒運転に切り替わる。上記のように、VVT32を進角制御した後に、減気筒(2気筒)運転に移行するため、吸排気弁14,15の進角制御により吸気充填量を高めて2気筒で負荷を受け持つこととなりエンジン2の回転変動を抑制することができる。
逆止弁48は、第3連通路53における油圧が、弁停止装置25の要求油圧以上になると開弁するようにスプリングで付勢され、上流側から下流側への一方向のみにオイル流れを規制する。また、この逆止弁48は、VVT32,33の要求油圧よりも大きい油圧で開弁するものである。
弁停止装置25を作動させる減気筒運転中にVVT32,33が作動すると、第3連通路53の油圧が低下するが、弁停止装置25から逆止弁48の上流にある第3連通路53へのオイルの流れが逆止弁48によって阻止されるため、逆止弁48の下流側にある弁停止装置25での要求油圧が確保される。したがって、第3連通路53の油圧の低下による弁停止装置25の誤作動を防止することができる。
上記したように、アイドリング時等のようにエンジン負荷が所定閾値以下の軽負荷時には、高負荷時と同様に、吸気弁14及び排気弁15の開弁期間をオーバーラップさせるようにしている。また、上記軽負荷時(本実施形態では、エンジン回転数が所定回転速度V1未満であるときの上記軽負荷時)には、全気筒運転とされる。尚、エンジン回転数に関係なく、上記軽負荷時であれば、全気筒運転とするようにしてもよい。
上記軽負荷時のバルブオーバーラップ量が大きくなると、エンジン2の各気筒内において新気の量に比べて内部EGR量が相対的に多くなって燃焼安定性が低下するので、上記軽負荷時のバルブオーバーラップ量は、燃焼安定性を確保できる範囲で出来る限り大きい値に設定しており、上記軽負荷時のバルブオーバーラップ量がその設定された値よりも大きくなると、燃焼安定性が悪化する可能性がある。
<ランプ高さ設計の考え方>
本実施形態では、第1及び第4気筒の吸排気弁14,15をエンジン2の運転状態に応じて作動停止させる弁停止装置25が設けられている。この弁停止装置25においては、ロック機構の作動を円滑にするために、外筒251の貫通孔251aの内周面とロックピン252の外周面の間に所定のクリアランスが必要になる。このロック機構のクリアランスは、製造誤差によってばらつき、また、外筒251の貫通孔251aの内周面とロックピン252の外周面はロックピン252の作動に伴って摩耗していく。
従って、吸排気弁14,15に係るカムプロフィールのランプ高さについては、上記クリアランスのばらつき及び摩耗を考慮して設計する必要がある。このランプ高さの設計の考え方について以下説明する。
(一般論)
図13(a)に示すカムプロフィールにおいて、開弁側必要ランプ高さHoは、想定最高油温(例えば145℃)での開弁時のリフトロスによって決まる。このリフトロスは、図2に示すHLA24のプランジャ24aがカムで押され、チェックバルブ24bの下側の高圧室のオイルが実質的に剛体となるまで弾性的に圧縮されることで生ずる。閉弁側必要ランプ高さHcは、アイドル運転時における想定最高油温(例えば145℃)での開弁期間中のプランジャ24aのシンクダウン(沈み込み)量と上記リフトロスを合わせた高さである。シンクダウンは、高圧室のオイルがプランジャ24aを介して加圧され、プランジャ24aとHLAボディとの摺動面から漏出することによって生ずる。
図13(b)に示すように、通常油温(例えば90℃)のときは開弁時のリフトロス及び開弁期間中のシンクダウンが最高油温時よりも小さくなる。その結果、開弁側の残ランプ高さはHorとなり、閉弁側の残ランプ高さはHcrとなる。従って、通常油温時の実バルブリフト特性は図14(a)に示すようになり、吸排気弁14,15の開弁オーバラップは図14(b)に示すようになる。
(スイングアームのレバー比とリフトロス及びシンクダウン)
図15に示すように、スイングアーム20,21のレバー比は一般に1.5〜1.7にされている。仮にレバー比が1.6であれば、吸排気弁14,15のリフト量が10mmであるときは、カム18a,19aによるカムフォロア20a,21aの下動量は(10/1.6)mmとなる。そして、弁停止のためには、弁停止装置25によるHLA24のロストモーション量を(10/0.6)mm以上にする必要がある。ロストモーション量が大きいと弁停止装置25の全高が高くなりそれだけエンジン2が大きくなるから、ロストモーションを小さくするために、上記レバー比は大きくすること、例えば2.2にすることが好ましい。
そこで、レバー比を大きくしたときのHLA24に加わる荷重Lを計算する。吸排気弁14,15のリターンスプリング荷重をFvsとすると、レバー比が1.6のときは、「荷重L=(1.6−1)×Fvs=0.6Fvs」となる。ロストモーションを小さくするべく、例えば、レバー比を2.2にすると、リターンスプリング荷重Fvsが同じであれば、「荷重L=(2.2−1)×Fvs=1.2Fvs」となる。すなわち、HLA24に加わる荷重Lは、レバー比が2.2になると、レバー比が1.6のときの2倍になる。従って、HLA24の沈み込み量(リフトロス量及びシンクダウン量)が上記荷重Lに比例するとすれば、その沈み込みの増大変化量ΔHは、レバー比が2.2になると、レバー比が1.6のときの2倍になる。
図16はHLA24の沈み込みの増大変化量ΔHと吸排気弁14,15のリフト減少変化量ΔLの関係を示す説明図である。この関係は、レバー比が1.6のとき「ΔL=(1.6−1)×ΔH=0.6ΔH」、レバー比が2.2のとき「ΔL=(2.2−1)×ΔH=1.2ΔH」となる。つまり、HLA24の沈み込み量の増大に対してリフト量は2倍の感度で減少変化する。
以上のとおり、ロストモーションを小さくするべく、レバー比を1.6から2.2にすると、HLA24の沈み込み量が2倍になり、この沈み込みに対するリフト量の変化の感度が2倍であるから、結局、吸排気弁14,15のリフト減少変化量ΔLが4倍になる。
(ロック機構のクリアランス等の考慮)
図17は弁停止装置がないときのランプ高さ設定の説明図である。この場合、開弁側必要ランプ高さHoはHLA24のリフトロス量に基いて設定し、閉弁側必要ランプ高さHcはHLA24のリフトロス量とシンクダウン量の合算値となる。
図18は弁停止装置付きHLA(実施形態の第1及び第4気筒)でのランプ高さ設定の説明図である。この場合、開弁側必要ランプ高さHoは、ロック機構の設計上のクリアランス、製作誤差によるクリアランスのばらつき量(プラス側)及びロック機構の想定摩耗量を、HLA24のリフトロス量に加えて設定することになる。閉弁側必要ランプ高さHcに関しても、同じくロック機構の設計上のクリアランス、製作誤差によるクリアランスのばらつき量(プラス側)及びロック機構の想定摩耗量を、HLA24のリフトロス量とシンクダウン量の合算値に加えて設定することになる。
ここに、開弁側必要ランプ高さHo及び閉弁側必要ランプ高さHc各々におけるロック機構の設計上のクリアランス分は、HLA24が必ず沈む高さであるから、吸排気弁14,15のリフトには現れない。
弁停止装置無しHLA(第2及び第3気筒)の方でも、弁停止装置付きHLA(第1及び第4気筒)にランプ高さを合わせる必要がある。そのために必要となる追加のランプ高さは、製作誤差によるクリアランスのばらつき量(プラス側)とロック機構の想定摩耗量の合算分である。
(まとめ)
結局、ピボット式HLA24にロック機構を有する弁停止装置25を設けた場合、上述のレバー比の増大に伴う吸排気弁14,15のリフト減少変化量ΔLの増大と、ロック機構のクリアランスのばらつき及び想定摩耗量とを考慮してカムプロフィールを設計する必要があり、ランプ高さが大幅に増大する。
図19は弁停止装置25の有無による吸排気弁14,15のバルブオーバーラップ量の違いを模式的に示す。弁停止装置有りでは、ランプ高さの増大に伴って吸排気弁14,15の開弁期間も増大し、その結果、弁停止装置無しに比べてバルブオーバーラップ量が大きくなる。これは、エンジンのアイドル運転において、内部EGRの増大を招き、燃焼安定性が悪化することを意味する。
<ランプ高さ増大の対策(アイドル運転制御)>
コントローラ100は、第1及び第4気筒の弁停止装置25がHLA24の下動を阻止した全気筒運転の軽負荷運転時(アイドル運転時)において、油温(オイルの温度)が所定閾値以下であるときはアイドル回転数を例えば500〜600rpm範囲内の所定値に設定する。そうして、油温が所定閾値を超えたときに、該油温が所定閾値を超える前よりも、その油温に応じてアイドル回転数を上昇させるとともに、アイドル回転数に応じてエンジンの目標トルク(目標図示トルク)を低下させる。
図20に油温とエンジン回転数とシンクダウン量の関係を示す。油温が高くなるに従って、オイルの粘性が低下してHLA24のオイルリーク量が増大することにより、シンクダウン量が増大する。一方、エンジン回転数が上昇するに従って、HLA24のプランジャ24aがカムで押されて高圧室のオイルが高圧になっている時間が短くなるから、オイルリーク量が少なくなり、シンクダウン量が減少する。
そこで、例えば、油温の閾値を100〜120℃範囲内の所定値に設定し、油温が当該所定閾値を超えたときは、その油温に応じてアイドル回転数を上昇させてオイルリーク量を減らし、シンクダウン量の増大を防止するものである。例えば、アイドル回転数の上記所定値を550rpmとし、油温の上記所定閾値を110℃とし、油温が110℃を超えたときは、シンクダウン量がアイドル回転数550rpm且つ油温110℃でのシンクダウン量より大きくならないように、油温が高くなるほどアイドル回転数の上昇度合を大きくする。
図21は油温が140℃であるときのアイドル回転数を550rpm及び850rpmとしたときの各々のカムプロフィールを示す(破線が550rpm,実線が850rpm)。アイドル回転数の上昇に伴ってリフトロス量及びシンクダウン量が減少することにより、開弁側必要ランプ高さをΔHoだけ低くすることができ、閉弁側必要ランプ高さをΔHcだけ低くすることができる。
また、コントローラ100は、全気筒運転の軽負荷運転時において、クランク軸9の角速度変動量(クランク軸9の角速度の最大値−最小値)が所定閾値(角速度変動によるエンジン振動によって車両乗員が不快に感じる値)よりも大きいときには、上記角速度変動量が上記所定閾値以下になるように、エンジン2により駆動される補機の駆動負荷を、上記角速度変動量が上記所定閾値よりも大きくなっている現時点の該駆動負荷に対して所定量だけ増大させる。
本実施形態では、エンジン運転状態(エンジン負荷、エンジン回転数及びエンジン水温)に基いて全気筒運転か否かが判定され、アクセル開度に基いてアイドル運転(アクセル開度が略全閉)か否かが判定される。クランク角センサ71及びコントローラ100は、クランク軸9の角速度変動量を検出する角速度変動量検出装置を構成する。尚、各気筒内の圧力(燃焼室11内の圧力)を検出する圧力センサを各気筒毎に設けておき、その各圧力センサによる各気筒内の燃焼圧力から、コントローラ100が、クランク軸9の角速度変動量を検出するようにすることも可能である。この場合、上記圧力センサ及びコントローラ100が、上記角速度変動量検出装置を構成することになる。
上記補機駆動負荷増大制御において、上記補機の駆動負荷の増大量(つまり上記所定量)は、上記角速度変動量を上記所定閾値以下に抑制可能なエンジン負荷が得られる量であって、上記角速度変動量に応じた量である。尚、上記角速度変動量に関係なく一定量とすることも可能である。
すなわち、補機の駆動負荷が増大すると、エンジン負荷が増大し、これにより、吸入空気量が増大して、各気筒内で内部EGR量に対する新気の量が増大するとともに、燃料噴射量も増大するので、第1及び第4気筒を含めて全気筒で燃焼安定性が向上する。この結果、エンジントルクの変動(上記角速度変動量)が抑制される。
上記補機駆動負荷の増大制御において、オイルポンプ36の駆動負荷を増大させる場合には、オイルポンプ36の吐出量を増大させる。すなわち、上記全気筒運転のアイドル運転時において、上記角速度変動量が上記所定閾値よりも大きいときには、上記目標油圧を現時点の目標油圧に対して増大させることで、オイルポンプ36の吐出量を現時点の吐出量に対して増大させる。角速度変動量が上記所定閾値以下であるときには、上記油圧制御マップによる目標油圧となるが、角速度変動量が上記所定閾値よりも大きいときには、その油圧制御マップによる目標油圧よりも大きい目標油圧となる。
上記目標油圧の増大量は、油温に基づいて設定される。すなわち、油温が低くなるに連れて、オイルの粘性が高くなってオイルポンプ36の駆動負荷が増大するので、その分だけ吐出量の増大量は少なくて済み、この結果、目標油圧の増大量は少なくなる。
本実施形態では、コントローラ100は、補機の駆動負荷を現時点の該駆動負荷に対して増大させる際、オルタネータ81の駆動負荷を増大可能なときには、オルタネータ81の駆動負荷を増大させて、該オルタネータ81の駆動負荷の増大量の分だけ、オイルポンプ36の吐出量の増大量(目標油圧の増大量)を調整する。すなわち、オルタネータ81の駆動負荷を増大可能なときには、オルタネータ81の駆動負荷を優先的に増大させ(オルタネータ81が発電状態にないときには、発電状態にして、その発電電力を0から増大させ、オルタネータ81が発電状態にあるときには、その発電電力を増大させる)、そのオルタネータ81の駆動負荷の増大量でもって、上記所定量を賄うことができる場合には、オイルポンプ36の吐出量を増大させない(吐出量の増大量を0にする)。
また、オルタネータ81の駆動負荷の増大量が、上記所定量に対して不足する場合には、オイルポンプ36の吐出量を増大させ、その吐出量の増大に伴う駆動負荷の増大量を、上記所定量からオルタネータ81の駆動負荷の増大量を引いた量にする(該量に対応した、目標油圧の増大量にする)。オルタネータ81の駆動負荷を増大可能なときとは、その駆動負荷の増大に伴って、発生電力を増大可能なときであって、その増大する発生電力を、上記車両に搭載されたバッテリに充電したり、上記車両に搭載された電装品で使用したりすることができるときである。上記バッテリの充電状態(SOC)が満充電状態ないしそれに近い状態にあり、上記電装品でも使用できないときには、オルタネータ81の駆動負荷を増大することができない。このときには、オルタネータ81の駆動負荷を増大させないで(オルタネータ81の駆動負荷の増大量を0にし)、オイルポンプ36の吐出量(オイルポンプ36の駆動負荷)を増大させる。
以下、コントローラ100によるアイドル運転制御の流れを図22のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS50で、各種センサより検出情報を読み込んで、エンジン負荷(アクセル開度)、エンジン回転数、クランク軸9の角速度変動量、水温、油温等を検出する。次のステップS51で、エンジン2が全気筒運転且つアイドル運転の状態であるか否かを判定する。全気筒・アイドル運転であるときは、ステップS52に進み、油温が所定閾値を超えているか否かを判定する。
油温が所定閾値以下であるときはステップS53に進み、アイドル回転数を所定値に設定する。油温が所定閾値を超えているときはステップS54に進み、油温に応じてアイドル回転数を所定値よりも増大させる。そして、ステップS53,S54に続くステップS55では、アイドル回転数に応じてエンジンの目標トルク(目標図示トルク)を算出する。つまり、油温に応じてアイドル回転数を所定値よりも増大させたときは、その増大量に応じてエンジンの目標トルクを低下させる。
次のステップS56で、上記目標トルクに対応して、スロットル弁やVVT32,33による空気量制御及び燃料噴射弁による燃料噴射量制御を行ない、次のステップS57で、点火プラグによる点火時期制御を行なう。
次のステップS58では、クランク軸9の角速度変動量が所定閾値以下であるか否かを判定する。このステップS58の判定がYESであるときには、上記ステップS52に戻る一方、ステップS58の判定がNOであるときには、ステップS59に進む。
ステップS59では、目標トルクを修正する。すなわち、目標トルクを、現時点の目標トルクよりも増大させる。具体的には、上記角速度変動量に応じて、目標トルクを、上記角速度変動量が上記所定閾値以下に抑制可能なトルクに増大する。尚、上記角速度変動量に関係なく、現時点の目標トルクに一定のトルクを加えて目標トルクを増大するようにしてもよい。
次のステップS60では、その修正した目標トルクにするために必要な負荷増大量(上記所定量に相当)を算出し、次のステップS61では、オルタネータ81の駆動負荷を増大可能か否かを判定する。このステップS61の判定がYESであるときには、ステップS62に進む一方、ステップS61の判定がNOであるときには、ステップS64に進む。
上記ステップS62では、オルタネータ81の駆動負荷を増大する。このとき、上記バッテリのSOCや上記電装品の使用状態等の観点からオルタネータ81による発生電力の増大量に制限がある場合、該制限された発生電力増大量に対応する駆動負荷増大量が上記必要負荷増大量よりも小さいときには、上記制限された発生電力増大量に対応する駆動負荷増大量とし、上記制限がないか、又は、制限があっても上記制限された発生電力増大量に対応する駆動負荷増大量が上記必要負荷増大量以上であるときには、上記必要負荷増大量に対応する駆動負荷増大量とする。
次のステップS63で、上記オルタネータ81の駆動負荷の増大量が、上記必要負荷増大量に対して十分であるか否か(上記必要負荷増大量以上であるか否か)を判定する。このステップS63の判定がYESであるときには、オイルポンプ36の駆動負荷を増大しないで、リターンする。ステップS63の判定がNOであるときには、ステップS64に進む。
上記ステップS62の判定がNOであるとき、又は、ステップS63の判定がNOであるときに進むステップS64では、オイルポンプ36の駆動負荷(吐出量)を増大する。すなわち、オルタネータ81の駆動負荷を増大することができないとき(ステップS61の判定がNOであるとき)には、オイルポンプ36の駆動負荷の増大量を上記必要負荷増大量にし、オルタネータ81の駆動負荷を増大したが、オルタネータ81の駆動負荷の増大量が上記必要負荷増大量に足りないとき(ステップS63の判定がNOであるとき)には、オルタネータ81の駆動負荷の増大量を、上記必要負荷増大量からオルタネータ81の駆動負荷の増大量を引いた値にする。
次のステップS65で、オイルポンプ36の駆動負荷の増大量が、上記必要負荷増大量からオルタネータ81の駆動負荷の増大量を引いた値に対して十分であるか否か(該値以上であるか否か)を判定する。このステップS65の判定がYESであるときには、リターンする。ステップS65の判定がNOであるときには、上記ステップS64に戻る。尚、上述の補機駆動負荷増大制御は、エンジン2の運転状態が減気筒運転領域に入ったとき、又は、エンジン負荷が上記所定閾値よりも大きくなったときに終了する。
上述の如く、ピボット式HLA24にロック機構を有する弁停止装置25を設けた場合、レバー比の増大に伴う吸排気弁14,15のリフト減少変化量ΔLの増大と、ロック機構のクリアランスのばらつき及び想定摩耗量とを考慮してカムプロフィールを設計する必要があり、ランプ高さが大幅に増大する。
これに対して、上記アイドル運転制御によれば、全気筒運転のアイドル運転時に油温が所定閾値を超えたときにアイドル回転数を上昇させるから、HLA24のオイルリーク量が少なくなる。このオイルリーク量の減少によってHLA24の沈み込みが小さくなる分、上記ランプ高さを低く設計することができる。よって、アイドル運転時のバルブオーバーラップ量の増大を抑え、燃焼安定性を確保することが容易になる。そうして、上記油温が所定閾値を超えたときに、アイドル回転数を上昇させるとともに、エンジンの目標トルクを低下させるから、燃費の悪化を抑制することができる。
また、クランク軸9の角速度変動量が所定閾値よりも大きいときには、角速度変動量が所定閾値以下になるように、補機(オルタネータ,オイルポンプ)の駆動負荷を現時点の該駆動負荷に対して増大させるから、弁停止装置25を設けることによりアイドル運転時のバルブオーバーラップ量が大きくなったとしても、特定気筒を含む全気筒で燃焼安定性を向上させることができ、よって、上記全気筒運転時でかつ上記アイドル運転時において、エンジントルクの変動を抑制することができて、その変動によるエンジン振動を低減することができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、上記補機駆動負荷増大制御において、オルタネータ81の駆動負荷を増大可能なときには、オルタネータ81の駆動負荷を増大させるようにしたが、常にオイルポンプ36の駆動負荷のみを増大させるようにしてもよい。或いは、オイルポンプ36及びオルタネータ81以外の補機の駆動負荷を単独で、又はこれらと併せて増大させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、エンジン2を直列4気筒ガソリンエンジンとしたが、多気筒エンジンであれば、どのようなエンジンであってもよく、例えばディーゼルエンジンであってもよい。