JP6153362B2 - 撮像装置及びフォーカルプレーンシャッタ - Google Patents

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Description

本発明は、撮像装置及びフォーカルプレーンシャッタに関する。
フォーカルプレーンシャッタが知られている。フォーカルプレーンシャッタは、基板の開口を開閉する先幕及び後幕、先幕及び後幕を走行開始位置に位置づけるセット部材等を含む。特許文献1にはそのようなフォーカルプレーンシャッタが開示されている。
特開2001−222059号公報
ノーマリーオープンタイプのフォーカルプレーンシャッタの場合、露光動作開始前後で開口が全開状態に維持され、カメラの液晶モニタに撮像素子からの出力をリアルタイムに映し出すライブビュー表示が可能となる。
このようなフォーカルプレーンシャッタでは、連写撮影時には以下のように動作する。全開状態からセット部材により先幕が開口を閉鎖した位置に位置づけられる。その後、先幕及び後幕が走行して露出作動が行われる。露出作動終了後、セット部材が一方向に回転して後幕を開口から退避させて、開口を全開状態にする。その後に、更にセット部材が同一方向に回転して、先幕が開口を閉鎖した位置に位置づける。その後に再び露出動作が行われる。このように、ノーマリーオープンタイプのフォーカルプレーンシャッタの場合、連写撮影時においても、露出作動と露出作動との間で全開状態が形成される。このため、連写時の撮影間隔を短縮することが困難であった。
そこで本発明は、連写時に撮影間隔が短縮した撮像装置及びフォーカルプレーンシャッタを提供することを目的とする。
上記目的は、撮像素子と、前記撮像素子を露出する開口を有した基板、前記開口を閉じる閉位置及び前記開口を開く開位置間を走行自在な先幕及び後幕、前記先幕及び後幕をそれぞれ駆動する先幕アクチュエータ及び後幕アクチュエータ、を含むフォーカルプレーンシャッタと、前記先幕アクチュエータ及び後幕アクチュエータを駆動する駆動制御部と、前記撮像素子を制御する制御部と、を備え、撮影開始時及び終了時では、前記先幕及び後幕は前記開位置にあり、前記先幕が前記閉位置から前記開位置に走行し前記後幕が前記開位置から前記閉位置に走行することにより露出作動が行われ、連写撮影中は、1回目の前記露出作動終了後に前記先幕及び後幕が協働で前記開口を閉鎖状態に維持しつつ前記先幕が前記開位置から前記閉位置に走行し前記後幕は前記閉位置から前記開位置に走行するチャージ作動が実行され、前記チャージ作動終了後は2回目の前記露出作動が実行される、撮像装置によって達成できる。
上記目的は、撮像素子と、前記撮像素子を露出する開口を有した基板、前記開口を閉じる閉位置及び前記開口を開く開位置間を走行自在な先幕及び後幕、前記先幕及び後幕をそれぞれ駆動する先幕アクチュエータ及び後幕アクチュエータ、を含むフォーカルプレーンシャッタと、前記先幕アクチュエータ及び後幕アクチュエータを駆動する駆動制御部と、前記撮像素子を制御する制御部と、を備え、前記先幕が前記閉位置から前記開位置に走行し前記後幕が前記開位置から前記閉位置に走行することにより露出作動が行われ、前記露出作動後に、前記後幕が前記開口から退避して前記開位置に移動する第1シーケンスと、前記露出作動後に、前記後幕が前記開口を閉じた状態で前記先幕が前記閉位置に移動し、その後、前記後幕が前記開位置に移動する第2シーケンスと、を実行可能である撮像装置によっても達成できる。
上記目的は、開口を有した基板と、前記開口を閉じる閉位置及び前記開口を開く開位置間を走行自在な先幕及び後幕と、前記先幕及び後幕をそれぞれ駆動する先幕アクチュエータ及び後幕アクチュエータと、を備え、撮影開始時及び終了時では、前記先幕及び後幕は前記開位置にあり、前記先幕が前記閉位置から前記開位置に走行し前記後幕が前記開位置から前記閉位置に走行することにより露出作動が行われ、連写撮影中は、1回目の前記露出作動終了後に前記先幕及び後幕が協働で前記開口を閉鎖状態に維持しつつ前記先幕が前記開位置から前記閉位置に走行し前記後幕は前記閉位置から前記開位置に走行するチャージ作動が実行され、前記チャージ作動終了後は2回目の前記露出作動が実行される、フォーカルプレーンシャッタによっても達成できる。
本発明によれば、連写時に撮影間隔が短縮した撮像装置及びフォーカルプレーンシャッタを提供できる。
図1は、フォーカルプレーンシャッタを備えたカメラのブロック図である。 図2は、フォーカルプレーンシャッタの正面図である。 図3A、3Bは、センサの説明図である。 図4は、単写モードでのフォーカルプレーンシャッタのタイミングチャートである。 図5は、フォーカルプレーンシャッタの動作の説明図である。 図6は、フォーカルプレーンシャッタの動作の説明図である。 図7は、フォーカルプレーンシャッタの動作の説明図である。 図8は、フォーカルプレーンシャッタの動作の説明図である。 図9は、連写モードでのフォーカルプレーンシャッタのタイミングチャートである。 図10は、セット部材を用いた従来のノーマリーオープンタイプのフォーカルプレーンシャッタの連写撮影時でのタイミングチャートである。
図1は、フォーカルプレーンシャッタ1を備えたカメラ(撮像装置)Aのブロック図である。カメラAは、フォーカルプレーンシャッタ1、制御部110、撮像素子130、駆動制御部170を備えている。フォーカルプレーンシャッタ1は、詳しくは後述するが先幕アクチュエータ(以下、アクチュエータと称する)70a、後幕アクチュエータ(以下、アクチュエータと称する)70b、先幕センサ(以下、センサと称する)60a、後幕センサ(以下、センサと称する)60bを備えている。駆動制御部170は、制御部110からの指令に応じてアクチュエータ70a、70bの駆動を制御する。駆動制御部170は、CPU等を備えている。制御部110は、詳しくは後述するがセンサ60a、60bからの信号に応じて駆動制御部170に所定の指令を出す。駆動制御部170は、この指令を受けてアクチュエータ70a、70bの駆動を制御する。制御部110は、カメラ全体の動作を制御し、CPU、ROM、RAM等を備えている。撮像素子130は、CMOSである。撮像素子130は、被写体像を光電変換作用により電気的信号に変換する受光素子である。モニタ200は、撮像素子130により撮影された画像や撮像素子130からの動画出力を表示する。モニタ200は表示部の一例である。尚、カメラAは、図1には図示していないが、焦点距離を調整するためのレンズ等を備えている。
図2は、フォーカルプレーンシャッタ1の正面図である。図2では、アクチュエータ70a、70bについては省略してある。フォーカルプレーンシャッタ1は、基板10、先幕20A、後幕20B、アーム31a、32a、31b、32b、アクチュエータ70a、70b等を有している。基板10には、矩形状の開口11を有している。先幕20A、後幕20Bは、それぞれ第1及び第2幕の一例である。また、アクチュエータ70a、70bは、それぞれ第1及び第2アクチュエータの一例である。
先幕20Aは、3枚の羽根21a〜23aから構成され、後幕20Bは、3枚の羽根21b〜23bから構成される。図2は、先幕20A、後幕20Bが重畳状態である場合を示している。図2の場合には、先幕20A、後幕20Bは開口11から退避している。先幕20Aはアーム31a、32aに連結されている。後幕20Bは、アーム31b、32bに連結されている。これらアーム31a、32a、31b、32bは、それぞれ基板10に回転自在に支持されている。
基板10には、アーム31a、31bをそれぞれ駆動するための先幕駆動レバー(以下、駆動レバーと称する)55a、後幕駆動レバー(以下、駆動レバーと称する)55bが設けられている。駆動レバー55a、55bは、それぞれ歯車50a、50bに連結されている。歯車50a、50bは、それぞれ歯車40a、40bと噛合している。歯車40a、40b、50a、50bは、それぞれ筒部41a、41b、51a、51bを有し、各筒部と嵌合する軸42a、42b、52a、52bを中心に基板10に回転可能に支持されている。尚、軸42a、42b、52a、52bは必ずしも開口11が形成された基板10に形成されていなくてもよく、開口11に対して定位置に設ければよい。歯車40a、40bは、それぞれアクチュエータ70a、70bのロータに連結されている。アクチュエータ70aが駆動することにより、歯車40a、50aが駆動し、これにより駆動レバー55aが駆動する。駆動レバー55aが駆動することにより、アーム31aが駆動する。これにより、先幕20Aが走行する。先幕20Aは、開口11から退避して開口11を開く開位置及び開口11を閉鎖する閉位置間を走行可能である。先幕20Aは、アクチュエータ70aにより開位置及び閉位置間を走行する。歯車40b、50b、駆動レバー55b、後幕20Bについても同様である。
歯車40a、40bには、それぞれ薄板45a、45bが設けられている。薄板45a、45bはそれぞれ歯車40a、40bと共に回転する。薄板45a、45bはそれぞれ扇状である。センサ60a、60bは、詳しくは後述するが、基板10上に配置されている。センサ60a、60bは、それぞれ第1、第2検出部の一例である。
また、アーム31a、31bにはそれぞれバネSa、Sbが連結されている。詳細には、バネSaの一端はアーム31aに連結され他端は基板10に連結されている。バネSbの一端はアーム31bに連結され他端は基板10に連結されている。バネSa、Sbは、それぞれ先幕20A、後幕20Bが開口11から退避するようにアーム31a、31bを付勢している。バネSa、Sbはそれぞれ第1、第2付勢部材の一例である。
図3A、3Bは、センサ60aの説明図である。センサ60aは、基板10上に配置されている。センサ60aは、互いに対向するように配置された発光素子62、受光素子63を有している。発光素子62から照射された光は、受光素子63で受光される。図3A、3Bに示すように、駆動レバー55aの回転に応じて、薄板45aは、発光素子62、受光素子63間に移動する。薄板45aが発光素子62、受光素子63間に位置すると、発光素子62から照射された光は遮断される。この際に受光素子63の出力信号に基づいて、薄板45aが発光素子62と受光素子63との間に位置しているか否かが検出され、これにより駆動レバー55aの位置を検出することができる。この結果、先幕20Aが所定の位置を通過したか否かを検出できる。尚、センサ60b、薄板45bについても同様である。
尚、センサ60aは上記のような構成に限定されない。例えば、センサ60aは、発光素子と、発光素子の光を反射するミラーと、ミラーにより反射された光を受光する受光素子と、を含む構成であってもよい。薄板45aが、発光素子とミラーとの間、または、受光素子とミラーとの間に位置することにより、薄板45aの位置を検出できる。
次に、フォーカルプレーンシャッタ1の単写モードについて説明する。図4は、単写モードでのフォーカルプレーンシャッタ1のタイミングチャートである。図5〜8は、フォーカルプレーンシャッタ1の動作の説明図である。尚、図5〜8においては、一部構成を省略してある。尚、本実施例のカメラAは、レリーズスイッチへの操作に応じて、1枚の画像を撮影する単写モードと、所定期間連続的に画像を撮影する連写モードとが切り替え可能である。図4では、単写モードでのタイミングチャートである。
待機状態においては、図2に示すように先幕20A、後幕20Bは、開位置に位置づけられ開口11は全開状態のままに維持される。この状態では、薄板45aは、センサ60aの発光素子62と受光素子63との間に位置している。同様に薄板45bもセンサ60bの発光素子と受光素子との間に位置している。尚、図4に示したセンサ60aの出力信号は、詳細には受光素子63の出力信号である。発光素子62からの光が薄板45aにより遮蔽された際には受光素子63はL信号を制御部110に出力し、発光素子62からの光を受けた場合には受光素子63はH信号を制御部110に出力する。センサ60bについても同様である。尚、図2に示す待機状態において、先幕20A、後幕20Bは、それぞれバネSa、Sbにより開口11から退避した位置で維持されている。
ここで、センサ60a、60bの出力信号は、L信号を制御部110に出力しており、センサ60a、60bは、開口11の全開状態を検知するセンサとして機能している。この機能によりカメラAは、撮像素子130からの動画出力をモニタ200等にリアルタイムに映し出すライブビューモードに対応可能である。即ち、フォーカルプレーンシャッタ1では、撮影開始時及び終了時において開口11が全開状態に維持され、モニタ200にはリアルタイムに動画像が表示される(以下、ライブビュー表示と称する)。
カメラAのレリーズスイッチが押されると、チャージ作動が開始される。チャージ作動が開始されると、アクチュエータ70aのコイルに通電されて先幕20Aは開口11を閉じるように走行する。具体的には、歯車40aが反時計方向に回転して歯車50aが時計方向に回転して31aが駆動する。また、アクチュエータ70bのコイルには、後幕20Bが開口11から退避するように通電され、その状態が維持される。
その後、先幕20Aが開口11を閉鎖し後幕20Bが開口11から退避した状態でアクチュエータ70a、70bのコイルへの通電が遮断される。このようにしてチャージ作動が完了する。図5は、チャージ作動が完了した状態でのフォーカルプレーンシャッタ1の状態を示している。図5では、先幕20Aが閉位置にあり後幕20Bが開位置にある。尚、図5に示すように、先幕20Aが開口11を閉鎖する過程で薄板45aはセンサ60aから退避する。これにより、センサ60aからの出力信号はL信号からH信号に切り替わる。
チャージ作動完了後、所定の休止期間を経て、露出作動が開始される。制御部110は駆動制御部170に指令を出してアクチュエータ70aのコイルを通電して先幕20Aが開口11を開くように走行させる。具体的には、歯車40aが時計方向に駆動し歯車50aが反時計方向に駆動する。先幕20Aは、バネSaの付勢方向と同じ方向に走行する。先幕20Aが開口11から退避する過程で、薄板45aはセンサ60aに進行する。図6は、薄板45aがセンサ60aに進行する状態を示しており、センサ60aからの出力信号がH信号からL信号に切り替わるときを示している。センサ60aの出力信号が切り替わるタイミングは、先幕20Aの羽根21aが地点Daから退避したときに設定されている。換言すれば、先幕20Aの開口11からの退避により撮像素子130の露光が開始されるタイミングである。地点Daは、羽根21aが開口11から退避し始める地点である。地点Daは第1位置の一例である。このようにセンサ60aは、先幕20Aが閉位置にあり後幕20Bが開位置にある場合に、先幕20Aが開口11から退避するように走行して第1位置を通過したことを検出する出力信号を発生する。制御部110は、センサ60aからの出力信号の切り替わりを検出することにより、先幕20Aが地点Daを通過したことを検出することができる。尚、センサ60aの出力信号が切り替わるタイミングはこのタイミングに限定されない。
制御部110はセンサ60aの出力信号がH信号からL信号に切り替わったことを検出してから所定期間経過後にアクチュエータ70bのコイルに通電して後幕20Bの走行を開始する。後幕20Bは、バネSbの付勢方向とは反対方向に走行する。これにより、後幕20Bが開口11を閉じるように走行する。図7は、詳しくは後述するが後幕20Bの走行途中での状態を示している。先幕20Aが開口11から完全に退避し後幕20Bが開口11を完全に閉鎖するとアクチュエータ70a、70bのコイルへの通電は遮断される。図8は、先幕20Aが開位置にあり後幕20Bが閉位置にある状態を示している。このようにして、露出作動が終了する。先幕20Aが開口11を開き始めたときから後幕20Bが開口11を完全に閉じるまでの間の期間を露出期間と称する。露出作動時においては、撮像素子130には被写体光を電気信号に変換したデータが蓄積される。
露出作動終了後、制御部110のRAMや又はカメラ側のメモリにデータが読み込まれる。次に、アクチュエータ70bのコイルが通電されて後幕20Bが開口11から退避し、開口11は全開状態が維持されて、図2に示した初期状態に戻る。尚、露出作動により撮影された静止画像がモニタ200に所定期間表示された後に、モニタ200はライブビュー表示となる。
以上のように、制御部110は、走行している先幕20Aが所定位置を通過したことを検出してから所定期間経過後に、アクチュエータ70bのコイルに通電を開始して後幕20Bの走行を開始する。
例えば、先幕20Aの走行を開始してから所定期間経過した後に後幕20Bの走行を開始する場合、部品の成型精度や組み付け精度等によっては、先幕20Aの走行特性にバラつきが生じるおそれがある。先幕20Aの走行特性にバラつきがあると、露出期間にバラつきが生じるおそれがある。先幕20Aが走行を開始してから予め定められた一定期間を経過後に後幕20Bの走行が開始されるからである。また、露光動作時においては、先幕20AはバネSaの付勢方向と同じ方向に走行するが、後幕20BはバネSbの付勢方向と反対方向に走行する。このため、アクチュエータ70a、70bの負荷がそれぞれ異なり、フォーカルプレーンシャッタ1の継続的な使用によりアクチュエータ70a、70bのコイルの温度差が大きくなるおそれがある。これにより、一方のコイルの抵抗値が他方のコイルの抵抗値よりも小さくなり、一方のコイルに流れる電流量が変化し、アクチュエータ70a、70bの回転速度の差が大きくなるおそれがある。このような原因によっても先幕20Aの走行特性と後幕20Bの走行特性との差が大きくなるおそれがある。
本実施例の場合、センサ60aの出力の変化に基づいて先幕20Aが所定位置を実際に通過したことを検出し、先幕20Aが所定位置を実際に通過した検出してから所定期間経過後に後幕20Bの走行が開始する。このため、先幕20Aの走行特性のバラつきがある場合であっても、先幕20Aの走行特性に応じて後幕20Bの走行開始のタイミングが設定される。これにより、露出期間のバラつきを抑制される。
尚、先幕20Aの通過が検出される地点は、先幕20Aが閉位置にある場合での羽根21aの位置から開口11の中心位置までの間であればよい。先幕20Aの走行が開始されてからできる限り早い時期に後幕20Bの走行を開始するためである。尚、羽根21aは、先幕20Aの羽根21a〜23aのうち最も走行範囲の大きい第1羽根である。
次に、フォーカルプレーンシャッタ1の連写モードについて説明する。図9は、連写モードでのフォーカルプレーンシャッタ1のタイミングチャートである。レリーズスイッチが押されると、前述したようにチャージ作動が開始され、図5に示したように先幕20Aが開口11を閉じ後幕20Bは開口11から退避した状態になる。チャージ作動完了後、所定の休止期間を経て、1フレーム分の露出作動が開始される。1フレーム分の露出作動は1回目の露出作動である。制御部110はアクチュエータ70aのコイルに通電を開始し、先幕20Aの羽根21aが地点Daから退避したことを検出してから後幕20Bの走行を開始する。これにより、図8に示すように後幕20Bが開口11を閉鎖する。このようにこの場合においても、先幕20Aが所定位置を通過してから所定期間経過後に後幕20Bの走行が開始される。
先幕20Aが開口11から退避した開位置で停止し、後幕20Bが閉位置で停止することにより、1フレーム分の露出作動が終了する。1フレーム分の露出作動終了後、2回目のチャージ作動が開始される。制御部110は、後幕20Bが開口11を閉じた状態で、アクチュエータ70aを通電して先幕20Aを閉位置へ走行させる。先幕20Aの羽根21aが地点Daを通過したことを検出してから、制御部110はアクチュエータ70bを通電して後幕20Bを開位置へ走行させる。従って、2回目のチャージ作動では、先幕20A、後幕20Bが協働で開口11を閉じた状態に維持しつつ先幕20Aが閉位置に走行し後幕20Bが開位置に走行する。また、1回目の露出作動により撮影された第1静止画像がモニタ200に所定期間表示される。
次に所定の休止期間の経過後、2フレーム目の露出作動が開始される。2フレーム目の露出作動は2回目の露出作動である。2フレーム目の露出作動においても、先幕20Aは閉位置から開位置に走行し、後幕20Bは開位置から閉位置に走行する。2回目の露出作動により撮影された第2静止画像がモニタ200に所定期間表示される。2回目の露出作動終了後のチャージ作動では、開口11を閉じた状態に維持しつつ先幕20Aが閉位置に走行し後幕20Bが開位置に走行する。2フレーム目以降から、連写撮影が終了する最終フレームの直前のフレーム目までは、2フレーム目の露出作動が繰り返される。
最終フレームでは、露出作動後に、後幕20Bのみ開位置に走行させて開口11を全開にする。このようにして、連写撮影が終了する。尚、最終の露出作動により撮影された最終静止画像がモニタ200に所定期間表示された後に、モニタ200はライブビュー表示となる。
このように、制御部110は、連続して行われる露出作動により撮影された静止画像を連続的にモニタ200に表示させる。これにより、撮影者は連写撮影により撮影された画像を確認しながら撮影を行うことができる。尚、第1静止画像は、少なくとも1回目の露出作動後であり2回目の露出作動前の間にモニタ200に表示されればよい。また、2回目の露出作動中に第1静止画像をモニタ200に表示していてもよい。
尚、連写撮影時でのチャージ作動において、先に走行する先幕20Aが地点Daを通過したことが検出されてから後幕20Bが開口11から退避するが、先幕20Aの通過が検出される地点は地点Daに限定されない。例えば、先幕20Aが地点Dbの通過が検出された時点で後幕20Bを開口11から退避を開始してもよい。また、先幕20Aの閉位置への走行開始から一定期間経過後に後幕20Bを開位置へ走行させてもよい。
上述したように、1フレーム目の露出作動と2フレーム目の露出作動との間に実行されるチャージ作動では、開口11を閉状態に維持しつつ、先幕20Aが開位置から閉位置に走行し後幕20Bが閉位置から開位置に走行する。これにより、撮影間隔を短縮できる。詳しくは後述する。
図10は、従来のセット部材により先幕及び後幕をセットするノーマリーオープンタイプのフォーカルプレーンシャッタのタイミングチャートである。従来のノーマリーオープンタイプのフォーカルプレーンシャッタは、先幕を閉位置に位置づけるように先幕駆動レバーを吸着保持する先幕電磁石と、後幕を開位置に位置づけるように後幕駆動レバーを吸着保持する後幕電磁石と、先幕駆動レバー及び後幕駆動レバーをそれぞれ先幕電磁石及び後幕電磁石から引き離すように付勢する先幕付勢部材及び後幕付勢部材とが設けられている。先幕駆動レバー及び後幕駆動レバーがそれぞれ先幕電磁石及び後幕電磁石に吸着保持された状態で、先幕電磁石及び後幕電磁石の吸着力が低下するように通電が切り替えられる。これにより、先幕付勢部材及び後幕付勢部材の付勢力に従って先幕駆動レバー及び後幕駆動レバーはそれぞれ先幕電磁石及び後幕電磁石から退避して、先幕及び後幕が走行する。このようにして露出作動が行われる。
このようなフォーカルプレーンシャッタの場合、以下のようにチャージ作動が行われる。セット部材が一方向に回転することにより、後幕駆動レバーを後幕付勢部材の付勢力に抗して移動させて後幕電磁石に吸着保持させる。これにより、後幕は開位置に位置づけられて開口が全開になる。開口が全開状態のまま、セット部材は更に同一方向に回転を継続して、先幕駆動レバーを先幕付勢部材の付勢力に抗して移動させて先幕電磁石に吸着保持させる。これにより、先幕は閉位置へと位置づけられる。このように、チャージ作動において開口11は一旦全開になる。
チャージ作動において開口11が一旦全開になる理由は次による。従来のノーマリーオープンタイプのフォーカルプレーンシャッタの場合、撮影開始前及び終了後では、後幕駆動レバーが後幕電磁石に吸着保持されて後幕が開位置に位置づけられた全開状態が維持する必要がある。このため、セット部材は、回転に応じて、後幕を開位置に移動させて開口を全開にしてから、先幕を閉位置に移動させる必要がある。このようにセット部材が設計されているため、セット部材は閉鎖状態を維持しつつ先幕及び後幕をそれぞれ閉位置及び開位置に位置づけることはできないからである。このため、先幕及び後幕の双方を直ちに走行させて早期にチャージ作動を終了することができない。従って、直ちに2フレーム目の露出作動を行うことができない。このため、連写時の撮影間隔が増大する。
また、チャージ作動によって開口が全開になる前に、制御部は1フレーム目の画像データを撮像素子から読み出す必要がある。開口が開いた状態で撮像素子から画像データが読み出されると、スミアなどが発生して画質に影響を与えるおそれがあるからである。そのため、1フレーム目の露出作動が終了して撮像素子から画像データを読み出されるまで、開口を開くことはできない。従って、撮像素子から画像データが読み出された後に、チャージ作動を開始しなければならない。以上のように、従来のノーマリーオープンタイプのフォーカルプレーンシャッタでは、連写時の撮影間隔が増大していた。
本実施例のフォーカルプレーンシャッタ1では、上述したように開口11を一旦全開にすることなくチャージ作動可能である。このため、1フレーム目の露出作動終了後、開口11を全開にすることなく直ちにチャージ作動を行うことができる。これにより、直ちに2フレーム目の露出作動を行うことできる。このように、連写撮影時の撮影間隔を短縮できる。これにより、高フレームレートで連写撮影可能である。
また、本実施例ではチャージ作動中で開口11が全閉に維持されるので、チャージ作動中で画像の読み出しが可能である。このため、チャージ作動と画像の読み出しを同時に行うことができ、撮影間隔を更に短縮できる。
以上、説明したように、フォーカルプレーンシャッタ1を備えたカメラAは、連写モードにおいては、露出作動終了後に制御部110は、後幕20Bが開口11を閉じた状態で、アクチュエータ70aのコイルを通電して先幕20Aを閉位置へ走行させる。また、単写モードにおいては、露出作動終了後に制御部110は、アクチュエータ70bのコイルを通電して後幕20Bを開口11から退避させ、開口11を全開状態とする。すなわち、カメラAは、このような異なる2つの撮影シーケンスを有している。また、フォーカルプレーンシャッタ1は、これらのシーケンスに対応可能となっている。これにより、モニタで静止画を確認しながら連写モードで高速で撮影する場合と、モニタで動画を確認しながら撮影をする場合とを、必要に応じて使い分けできるカメラを提供することができる。すなわち、連写撮影時の撮影間隔を短縮できるカメラを提供することができる。
次に、本実施例の単写モードと連写モードとの切替方法について説明する。例えば、レリーズスイッチを短押しした場合は単写モードとなり、レリーズスイッチを長押しした場合は連写モードとなるようにしてもよい。また、所定期間内にレリーズスイッチが連続的に短押しされた場合には、単写モードから連写モードに切り替わるようにしてもよい。所定期間内でレリーズスイッチが連続的に押されたか否かの判定は、先幕センサ60a又は後幕センサ60bに基づいて先幕20A又は後幕20Bが所定位置を所定期間内に通過した回数をカウントすることにより判定してもよい。また、その他、単写モード、連写モードを切り替えるスイッチを設けて、連写モードが採用されている間はレリーズスイッチを押している間は連続的に撮影が行われるようにしてもよい。
本実施例のカメラAにおいては、周知の技術により、撮像素子130から得られる画像情報により被写体までの距離や撮影時の露光量を検出することが考えられる。上述した、連写モードの2フレーム以降においては、露出作動直前には撮像素子130から被写体画像は得られない。したがって、このような構成の場合、2フレーム以降の撮影においては、直前の1フレーム目の距離情報及び露光量を用いて撮影が行われるようにしてもよい。
以上本考案の好ましい実施形態について詳述したが、本考案は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本考案の要旨の範囲内において、変形・変更が可能である。
制御部110と駆動制御部170は、単一のICチップにより実現されていてもよい。
上記実施例において、先幕及び後幕は、それぞれ3枚の羽根から構成されるが、これに限定されない。
1 フォーカルプレーンシャッタ
10 基板
11 開口
20A 先幕
20B 後幕
21a〜23a、21b〜23b 羽根
31a、32a、31b、32b アーム
40a、40b、50a、50b 歯車
45a、45b 薄板
55a 先幕駆動レバー
55b 後幕駆動レバー
60a 先幕センサ
60b 後幕センサ
62 発光素子
63 受光素子
70a 先幕アクチュエータ
70b 後幕アクチュエータ
110 制御部
130 撮像素子
170 駆動制御部
200 モニタ(表示部)

Claims (6)

  1. 撮像素子と、
    前記撮像素子を露出する開口を有した基板、前記開口を閉じる閉位置及び前記開口を開く開位置間を走行自在な先幕及び後幕、前記閉位置から前記開位置へ走行し前記開位置から前記閉位置へ走行するように前記先幕及び後幕をそれぞれ駆動可能な先幕アクチュエータ及び後幕アクチュエータ、を含むフォーカルプレーンシャッタと、
    前記先幕アクチュエータ及び後幕アクチュエータを駆動する駆動制御部と、
    前記撮像素子を制御する制御部と、を備え、
    撮影開始時及び終了時では、前記先幕及び後幕は前記開位置にあり、
    前記先幕が前記閉位置から前記開位置に走行し前記後幕が前記開位置から前記閉位置に走行することにより露出作動が行われ、
    前記露出作動後に、前記後幕が前記開位置に移動し、前記開口を開状態に維持する第1シーケンスと、前記露出作動後に、前記後幕が前記開口を閉じた状態で前記先幕が前記閉位置に移動し、前記開口を閉状態に維持しつつ、前記後幕が前記開位置に移動する第2シーケンスとを、実行可能である、撮像装置。
  2. 連写撮影中は、前記第2シーケンスが実行され、1回目の前記露出作動終了後に前記先幕及び後幕が協働で前記開口を閉鎖状態に維持しつつ前記先幕が前記開位置から前記閉位置に走行し前記後幕は前記閉位置から前記開位置に走行するチャージ作動が実行され、前記チャージ作動終了後は2回目の前記露出作動が実行される、請求項1の撮像装置。
  3. 前記制御部は、少なくとも前記チャージ作動中に前記撮像素子から画像データを読み出す、請求項2の撮像装置。
  4. 前記フォーカルプレーンシャッタは、所定位置の前記先幕の通過を検出する検出部を備え、
    前記チャージ作動において、前記先幕が前記所定位置を通過した後に前記後幕の前記閉位置から前記開位置への走行を開始させる、請求項2又は3の撮像装置。
  5. 前記制御部は、少なくとも前記1回目の露出作動終了後で前記2回目の露出作動終了前の間に、前記1回目の露出作動により撮影された画像を表示部に表示させる、請求項2乃至4の何れかの撮像装置。
  6. 開口を有した基板と、
    前記開口を閉じる閉位置及び前記開口を開く開位置間を走行自在な先幕及び後幕と、
    前記閉位置から前記開位置へ走行し前記開位置から前記閉位置へ走行するように前記先幕及び後幕をそれぞれ駆動可能な先幕アクチュエータ及び後幕アクチュエータと、を備え、
    撮影開始時及び終了時では、前記先幕及び後幕は前記開位置にあり、
    前記先幕が前記閉位置から前記開位置に走行し前記後幕が前記開位置から前記閉位置に走行することにより露出作動が行われ、
    前記露出作動後に、前記後幕が前記開位置に移動し、前記開口を開状態に維持する第1シーケンスと、前記露出作動後に、前記後幕が前記開口を閉じた状態で前記先幕が前記閉位置に移動し、前記開口を閉状態に維持しつつ、前記後幕が前記開位置に移動する第2シーケンスとが実行される、フォーカルプレーンシャッタ。
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