JP3911569B2 - 露光制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は露光制御装置に係り、特に、先幕と後幕との揺動走行を調節して露光を制御するフォーカルプレン方式の露光制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バイオ・イメージングアナライザーの分野においては、ラジオ・アイソトープ(RI)を標識物質として用いるRI方式が主流であったが、近年、化学発光を生じさせる標識物質を用い、標識された高分子を化学発光物質と接触させて化学発光を生じさせ、この化学発光を検出する化学発光法や、蛍光物質を標識物質として用い、励起光を照射して蛍光を生じさせ、この蛍光を検出する蛍光法などの非RI法が知られてきた。この非RI法においては、微弱な発光を検出する装置としてCCDカメラが使用される。
【0003】
CCDカメラは、暗所でも長時間露光により暗電流が増大することから、かかる暗電流を抑えるため、CCDは不活性ガスが封入されたチャンバーに収納され、−30°C程度に冷却されている。また、撮影レンズには可能な限り明るいレンズが用いられる。
一方、撮影準備は室内光での中で作業するため非常に明るく、CCDカメラに要求される露出時間は1/100秒から1時間程度という具合にその制御範囲は非常に広い。また、CCDの読出ノイズを低減すべく、CCDの駆動周波数を小さくする結果、電荷転送速度に時間がかかり、電荷転送中の多重露出による画質劣化が生じるという問題がある。かかる問題を解決するため、CCDの手前にシャッター機構(露光制御装置)が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のバイオ・イメージングアナライザーのCCD周辺にはチャンバーや大口径のレンズが配置されているため、シャッター羽根以外の駆動機構をCCD近傍に設けることは困難である。従来のカメラ用のシャッターを大型化したのでは、全体に重く、大きなトルクを必要とするため、耐久性が問題となり、また、高価であるという欠点がある。
【0005】
一方、従来のスライド式、又はギロチン式と呼ばれるシャッター機構は、小型で安価に製作することが可能であるが、シェーディング、露光ムラという性能上の欠点がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、簡単な機構で、全体的に軽量化を図るとともに、低トルク動作が可能で耐久性に優れる安価なフォーカルプレン方式の露光制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成する為に、共通の回転中心に回動自在に支持された先幕部材及び後幕部材をそれぞれ第1、第2のモータにより回転駆動される第1、第2のクランク部材とすべり連結し、揺動スライダクランク機構によって前記先幕部材及び後幕部材を揺動走行させ、露光開口の開閉を行うフォーカルプレン方式の露光制御装置において、前記先幕部材の揺動範囲における基準位置を検出する先幕基準位置検出手段と、前記後幕部材の揺動範囲における基準位置を検出する後幕基準位置検出手段と、前記先幕基準位置検出手段、及び前記後幕基準位置検出手段からの検出信号及びシャッター動作を指令するレリーズ信号入力に基づいて前記第1、第2のモータを駆動制御する制御手段であって、前記先幕部材が前記露光開口を完全に遮光する揺動範囲を先幕遮光範囲、前記後幕部材が前記露光開口を完全に開口する揺動範囲を後幕開口範囲とすると、前記先幕部材を前記先幕遮光範囲のうち最大揺動位置を示す第1の揺動折返位置よりも小さい揺動角の先幕待機位置に位置させるとともに、前記後幕部材を前記後幕開口範囲のうち最大揺動位置を示す第2の揺動折返位置よりも小さい揺動角の後幕待機位置に位置させるように前記第1、第2のモータを駆動制御するとともに、シャッター動作時、前記先幕部材が前記先幕待機位置から前記第1の揺動折返位置を経由する前記先幕遮光範囲内の往復揺動動作中に前記第1のモータを加速駆動制御し、前記後幕部材が前記後幕待機位置から前記第2の折返位置を経由する前記後幕開口範囲の往復揺動動作中に前記第2のモータを加速駆動制御する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
本発明によれば、先幕部材と後幕部材とを共通の回転中心に回動自在に支持し、それぞれの部材を揺動スライダクランク機構によってモータ駆動するようにしたので軽量化が可能で、かつ低トルク動作が可能である。従って、耐久性にも優れるという利点がある。
かかる揺動スライダクランク式の露光制御装置において、先幕部材が露光開口を完全に遮光し得る揺動範囲(先幕遮光範囲)のうち、最大揺動位置を示す第1の揺動折返位置よりも小さい揺動角の先幕待機位置に先幕部材をセットし、シャッター動作時には、この先幕待機位置から前記第1の揺動折返位置を経由する往復揺動動作中に遮光状態を維持したまま第1のモータを一定方向に加速駆動している。
【0008】
他方、後幕部材についても同様に、後幕部材が露光開口を完全に開口し得る揺動範囲(後幕開口範囲)のうち、最大揺動位置を示す第2の揺動折返位置よりも小さい揺動角の後幕待機位置に後幕部材をセットし、後幕始動時には、この後幕待機位置から前記第2の揺動折返位置を経由する往復揺動動作中に当該後幕部材による開口状態を維持したまま第2のモータを一定方向に加速駆動している。
【0009】
このように、幕の始動時に、先幕遮光範囲、後幕開口範囲内でそれぞれ露光開口の状態を変えずに幕部材を往復揺動させて加速するようにしたので、先幕遮光範囲、後幕開口範囲内の一方向動作期間中に限り加速駆動する場合に比べて、シャッター駆動の加速領域を広く確保するこができる。従って、シャッターの幕速度をより高速に設定することができるという利点がある。
【0010】
また、先幕遮光範囲及び後幕開口範囲が小さくても加速領域を広くできるので、シャッター幕の揺動範囲に対して露光開口が大きな割合を占めるよう構成することが可能で、露光制御装置全体を小型化することができる。
尚、上記加速領域と同様に減速領域を形成すると一層効果的である。即ち、先幕部材が露光開口を完全開口した状態で揺動可能な範囲(先幕開口範囲)を設け、先幕部材が露光開口上を走行し、露光開口が完全に開口した状態になった後、先幕開口範囲の最大揺動位置を示す第3の揺動折返位置を経由する往復揺動動作中に第1のモータを減速駆動制御する。
【0011】
他方、後幕部材についても、後幕部材が露光開口を完全遮光した状態で揺動可能な範囲(後幕遮光範囲)を設け、後幕部材が露光開口上を走行し、露光開口が完全に遮光された状態になった後、後幕遮光範囲の最大揺動位置を示す第4の揺動折返位置を経由する往復揺動動作中に第2のモータを減速駆動制御する。
このように、幕の制動時に、先幕開口範囲、後幕遮光範囲内でそれぞれ露光開口の状態を変えずに幕部材を往復揺動させて減速することにより、減速領域を広く確保するこができる。従って、シャッターの幕速度をより高速に設定することができ、幕速度の安定化を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る露光制御装置の実施の形態について詳説する。
図1は本発明の実施の形態に係る露光制御装置の構成を示す斜視図である。この露光制御装置10は、先幕及び後幕を構成する一対のシャッター羽根12、14と、前記シャッター羽根12、14を駆動するモータ16、18と、モータ16、18の回転力を前記シャッター羽根12、14に伝えるアーム部材20、22とを有している。
【0013】
先幕に相当するシャッター羽根12(以下、先幕部材12という)と、後幕に相当するシャッター羽根14(以下、後幕部材14という)とは、同一形状に形成され、同じ2つの部材どうしを表裏重ね合わせて一対の走行幕として用いられる。
前記先幕部材12及び後幕部材14には、それぞれ回転中心の孔12A、14Aを基端とする略扇状の遮光部12B、14Bとレバー部12C、14Cとが形成され、レバー部12C、14Cには直線状の長穴12D、14Dが形成されている。
【0014】
前記先幕部材12及び後幕部材14は、地板24と地板26との間の空間に配置され、前記孔12A、14Aを介して回転軸28を中心に回動自在に支持される。
前記地板24、26には露光開口30、30が形成され、前記先幕部材12及び後幕部材14が回転軸28を中心に回動走行することによって前記露光開口30が開閉され、露光量が制御される。
【0015】
図中手前側の地板24には、スペーサ部材36、36を介して電子回路基板(SHC基板)40が取り付けられている。SHC基板40については後述するが(図2)、このSHC基板40にはモータ駆動回路や中央演算処理装置(CPU)等のシャッター駆動制御に関する各種回路(シャッター回路)が形成されている。
【0016】
また、SHC基板40には、モータ16、18の軸が挿入される切欠溝40A、40Bが形成されている。
モータ16、18は、同じ仕様のステッピングモータが用いられ、各モータ16、18の軸にはアーム部材20、22が圧入されている。アーム部材20、22は、両者同一形状の部材が用いられ、各アーム部材20、22の先端にはピン42、44が形成されている。
【0017】
モータ16、18の軸は、前記SHC基板40の切欠溝40A、40Bに沿って図中下側から挿入され、アーム部材20、22のピン42、44は地板24に形成された丸孔32、34を介して先幕部材12の長穴12D、後幕部材14の長穴14Dにそれぞれ遊挿される。尚、モータ16、18は地板24上にビスで固定される。こうして、アーム部材20と先幕部材12とがピン42を介して長穴12Dの範囲で移動可能に連結され、アーム部材22と後幕部材14とがピン44を介して長穴14Dの範囲で移動可能に連結される。
【0018】
前記SHC基板40の上部両隅部には、アーム部材の回転位置を検出するフォトインタラプタ46、48が設けられる。アーム部材20、22のL字状の遮光片部20A、22Aがそれぞれフォトインタラプタ46、48の検出部を通過するときに、アーム部材20、22の基準位置(ホームポジション)が検出される。
【0019】
前記先幕部材12、モータ16、フォトインタラプタ46等から成る先幕の動作を構成する機構と、前記後幕部材14、モータ18、フォトインタラプタ48等から成る後幕の動作を構成する機構とは、対応する部材が全て同一のものが使用され、対応する各部材は露光開口30に対して対称に配置されている。
従って、同じ部材を2個使用することにより、先幕と後幕とを構成することができ、部品の統一化を図ることができ低コスト化を図ることができる。
【0020】
図2には、シャッター回路の構成を示すブロック図が示されている。
シャッター回路は、CPU50、モータ駆動回路52、54、ホームポジションセンサ56、58、EEPROM60等から成り、これらは図1に示したSHC基板40に設けられる。SHC基板40部は、制御コネクタ62を介して図示しないカメラの制御部(コントローラ)と接続されるとともに、コネクター64、66を介してモータ16、18と接続される。
【0021】
モータ駆動回路52は前記コネクター64を介して先幕駆動用のモータ16と電気的に接続され、CPU50から出力される信号に基づいて該モータ16を駆動する。同様に、モータ駆動回路54は前記コネクター66を介して後幕駆動用のモータ18と電気的に接続され、CPU50から出力される信号に基づいて該モータ18を駆動する。
【0022】
前述したフォトインタラプタ46、48に相当するホームポジションセンサ56、58は、アーム部材20、22のホームポジションを検出し、その検出信号をCPU50に通知する。CPU50は、前記検出信号を基準にモータ16、18の駆動パルス信号を制御することで先幕部材12及び後幕部材14の回動位置を把握する。
【0023】
EEPROM60には、モータ16、18の駆動を制御する制御プログラムや制御データ等が記録されている。CPU50は、このプログラムに従って、カメラ側から入力する制御信号やホームポジションセンサ56、68からの検出信号等に基づいてモータ駆動回路52、54を制御する。
尚、制御コネクタ62とCPU50の間にはリセット手段68が設けられ、制御コネクタ62からCPU50に供給される電源電圧が所定の電圧を下回った場合にCPU50にリセットがかかるようになっている。
【0024】
図1に示した露光制御装置の先幕及び後幕の駆動機構には、図3に示すように揺動スライダクランク機構が採用されている。即ち、モータ駆動により回転するアーム部材20、22をクランクAB、このアーム部材20、22とピン42、44を介してすべり連結されるシャッター羽根12、14のレバー部12C、14CをリンクCEとする揺動スライダクランク機構が採用されている。
【0025】
クランクABの回転角θとリンクCEの揺動角φとの間には、次式(1)、
【0026】
【数1】
φ=tan -1(λ/1+λcos θ) …(1)
但し、λ=AB/CE
に示す関係がある。従って、モータ駆動によって、アーム部材20が一回転すると、この回転動作に応じて先幕部材12は図4に示す揺動角の範囲Rで一往復揺動することになる。尚、図4において後幕部材14については図示されていないが、先幕部材12と同じ回転中心(回転軸28)に支持され、露光開口30に対して先幕部材12と対称に配置されており、アーム部材22の一回転に対する後幕部材14の往復揺動範囲は先幕部材12と同等である。
【0027】
このように、露光制御装置10は、揺動スライダクランク機構によってモータ16、18の回転力を先幕部材12、後幕部材14の揺動運動に変換し、先幕部材12と後幕部材14を露光開口30の上で揺動走行させている。
続いて、図5乃至図7を参照しながら、揺動スライダクランク機構が採用されたシャッターの動作を説明する。
【0028】
シャッター始動時、先幕部材12は露光開口30を完全に遮光し、後幕部材14は、露光開口30を完全に開口する位置に待機にある(図5参照)。
シャッターレリーズ信号が入力すると、先ず先幕駆動用のモータ16が駆動され、アーム部材20は図5中反時計方向に回転する。この回転により、先幕部材12は図中反時計方向に回動し、図6に示すように露光開口30を完全に開口する状態まで移動する。
【0029】
次いで、露出時間に相当する時間分遅れて後幕駆動用のモータ18が駆動され、アーム部材22は図6中反時計方向に回転する。この回転により後幕部材14は図6中反時計方向に回動し、図7に示すように露光開口30を遮光する位置に移動する。
先幕部材12の退避(開口)、及び後幕部材14の進出(遮光)という一連の動作によってシャッター動作が完了する。その後、後幕部材14で露光開口30を遮光した状態で、先幕駆動用のモータ16を同方向に駆動し、先幕部材12を図7中時計方向に回動させ、先幕部材12を先幕スタート位置(露光開口を完全に遮光する位置)に戻す。そして、先幕部材12で露光開口30の遮光状態を確保してから、後幕駆動用のモータ18を同方向に駆動し、後幕部材14を図7中時計方向に回動させ、後幕スタート位置(露光開口30から完全に退避した位置)にセットする。尚、先幕、後幕のスタート位置へのセット期間中、露光開口30の遮光状態が維持されるのであれば、両モータ16、18を同時に駆動して先幕、後幕をスタート位置に復帰させてもよい。
【0030】
図5乃至図7で示したように、シャッター動作時に先幕を露光開口30から退避させる際には、アーム部材20が先幕部材12の回転中心から遠い軌道(外回り)を描く回転動作によって先幕部材12を揺動させており、シャッター動作完了後のスタート位置へのセットの際には、アーム部材20が先幕部材12の回転中心に近い軌道(内回り)を描く回転動作によって先幕部材12を揺動させている。
【0031】
同様に、シャッター動作時に後幕を露光開口30上に進入させる際には、アーム部材22が先幕部材14の回転中心から遠い軌道(外回り)を描く回転動作によって後幕部材14を揺動させており、シャッター動作完了後のスタート位置へのセットの際には、アーム部材22が後幕部材14の回転中心に近い軌道(内回り)を描く回転動作によって先幕部材14を揺動させている。
【0032】
このように、上記露光制御装置10は、揺動スライダクランク機構を利用したことにより、先幕、後幕を低トルクで走行させることができるという利点がある。これにより、モータ16、18の省力化を図ることができるとともに、耐久性を高めることができる。
続いて、先幕及び後幕の動作制御について図8乃至図10を参照しながら説明する。
【0033】
図8には、シャッター幕の待機位置(スタート位置)が示されている。シャッター動作を指令する信号(シャッターレリーズ信号)がCPU50に入力するまでの期間、先幕部材12は図中実線で示したように、露光開口30を完全に遮光する位置(A0 )で停止している。この先幕スタート位置A0 は、一点鎖線で示した最大揺動位置(第1の揺動折返位置に相当)A1 よりも小さい揺動角であって、先幕部材12の遮光部12Bの下側の縁が露光開口30の左下隅部の縁に接する位置である。
【0034】
他方、後幕部材14は、露光開口30から完全に退避した状態、即ち、完全開口の位置(B0 )で停止している。この後幕スタート位置B0 は、同図中一点鎖線で示した最大揺動位置(第2の揺動折返位置に相当)B1 よりも小さい揺動角であって、後幕部材14の遮光部14Bの上側の縁が露光開口30の左下隅部の縁に接するようになっている。
【0035】
シャッターレリーズ信号が入力すると、先幕駆動用のモータ16が一定の回転方向に駆動される。このモータ駆動により、先幕部材12は前記先幕スタート位置A0 から図中時計方向に回動され、最大揺動位置A1 に達した後、回動方向が反転し、図中反時計方向に回動する。
前記先幕部材12が露光開口30を完全に遮光した状態で揺動可能な範囲、即ち、先幕スタート位置A0 と最大揺動位置A1 とで規定される揺動範囲を先幕遮光範囲と呼ぶことにすると、この先幕遮光範囲内において先幕スタート位置A0 から始動して最大揺動位置A1 を経由する往復揺動の間にモータ16が加速駆動される。そして、先幕部材12が先幕遮光範囲を通過し、先幕部材12が露光開口30を開口し始める時点でモータ16は定速度駆動される。先幕部材12の遮光部12Bが露光開口30の開口領域を広げながら走行し、やがて図9に示すように露光開口30が完全に開口される。この期間、前記先幕部材12が露光開口30の一部を閉ざして揺動する範囲を先幕通過範囲と呼ぶ。
【0036】
先幕部材12の遮光部12Bの下側の縁が露光開口30の左上隅部の縁を通過した時点(A2 )でモータ16が減速駆動され、同図中一点鎖線で示した最大揺動位置A3 (第3の揺動折返位置に相当)に達した後、先幕部材12の回動方向が反転し、先幕部材12の遮光部12Bの下側の縁が露光開口30の左上隅部の縁に接する位置A2 で先幕部材12が停止される。この停止位置を先幕停止位置とよぶ。
【0037】
前記先幕部材12が露光開口30を完全に開口した状態で揺動可能な範囲、即ち、先幕停止位置A2 と最大揺動位置A3 とで規定される揺動範囲を先幕開口範囲と呼ぶことにすると、この先幕開口範囲内で、先幕部材12が露光開口30を完全に開口し始めた位置(A2 )から最大揺動位置A3 を経由して先幕停止位置A2 に至るまでの往復揺動の間にモータ16が減速駆動される。
【0038】
続いて、先幕の停止後、露光時間(シャッター秒時)に応じて後幕駆動用のモータ18の駆動が開始される。該モータ18が駆動されると、後幕部材14は後幕スタート位置B0 から図9中時計方向に回動し、同図中の最大揺動位置B1 に達した後、後幕部材14の回動方向が反転し、図中反時計方向に回動する。
前記後幕部材14が露光開口30を完全に開口した状態で揺動可能な範囲、即ち、後幕スタート位置B0 と最大揺動位置B1 とで規定される揺動範囲を後幕開口範囲と呼ぶことにすると、この後幕開口範囲内において後幕スタート位置B0 から始動して最大揺動位置B1 を経由する往復揺動の間にモータ18が加速駆動される。そして後幕部材14が後幕開口範囲を通過し、後幕部材14が露光開口30を遮光し始める時点でモータ18は定速度駆動される。
【0039】
後幕部材14の遮光部14Bが露光開口30の開口領域を徐々に狭めながら走行し、やがて図10に示すように露光開口10が完全に遮光される。この期間、即ち、前記後幕部材14が露光開口30の一部を閉ざして揺動する範囲を後幕通過範囲と呼ぶ。
後幕部材14の遮光部14Bの上側の縁が露光開口30の左上隅部の縁を通過した時点(B2 )でモータ18が減速駆動が行われ、同図の一点鎖線で示した最大揺動位置B3 (第4の揺動折返位置に相当)に達した後、後幕部材14の回動方向が反転し、後幕部材14の遮光部14Bの下側の縁が露光開口30の左上隅部の縁に接する位置B2 で後幕部材14が停止される。この停止位置を後幕停止位置B2 とよぶ。
【0040】
次に、上記の如く構成された露光制御装置の制御について説明する。
図11には、上記構成の露光制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
電源投入後、メインルーチンの処理が開始されると、先ず初期設定が行われる(ステップS10、以下ステップ番号のみを示す)。この初期設定ではシャッター状態フラグ(シャッター初期化フラグ)がセットされる他、各種のパラメータの初期設定が行われる。
【0041】
次いで、シャッター状態フラグの判別が行われる(S12)。シャッター状態フラグは、7種類存在し、詳しくは後述するが、シャッターレリーズフラグ、シャッター初期化フラグ、先幕ホームポジション(HP)サーチフラグ、後幕HPサーチフラグ、先幕位置送り駆動フラグ、後幕位置送り駆動フラグ、シャッター許可モードフラグがある。S12では、シャッター状態フラグが上記7種類の状態のうち何れのフラグがセットされているかを判別し、フラグのセット状態に応じて処理経路を選択する。
【0042】
メインルーチン処理の開始直後は、先の初期設定(S10)によってシャッター初期化フラグがセットされているので、シャッター初期化処理に移行し、処理はS14に進む。
S14においてシャッター動作が完了しているか否かが確認される。初期設定(S10)直後にはシャッター動作は行われていないので処理はS16に進み、先幕HPサーチフラグがセットされる。その後、先幕駆動用のモータ16が駆動され、先幕のホームポジション検出が開始され(S18)、処理はS12に戻る。
【0043】
S12においてシャッター動作フラグの状態が確認されるが、S16において先幕HPサーチフラグがセットされているので先幕HPサーチ処理に移行し、処理はS20に進む。S20において、先幕のホームポジション(HP1 )が検出されたか否が判別され、未だ検出されていない場合、処理はS12に戻り、HP1 が検出されるまで処理(S12、S20)がループする。
【0044】
S20において、アーム部材20の遮光片部がフォトインタラプタ46の検出部に進入しHP1 が検出されると、先幕スタート位置送りフラグがセットされ(S22)、先幕のスタート位置送り駆動が開始される(S24)。先幕スタート位置は、HP1 から所定のパルス数送った位置に定められており、HP1 位置から所定のパルス数分だけ先幕駆動用のモータ16が駆動される。そして、処理はS12に戻る。
【0045】
S22において先幕スタート位置送り駆動フラグがセットされているので、S12では、先幕位置送り駆動処理に移行し、処理はS26に進む。そして、S26において、先幕のスタート位置送りが完了したか否かが判別される。
先幕スタート位置送り未了の場合、処理はS12に戻り、先幕スタート位置送りの完了が確認されるまで処理(S12、S26)がループする。S26において先幕スタート位置送りが完了すると、先幕駆動用のモータ16の駆動が停止され(S28)、次いで後幕HPサーチフラグがセットされる(S30)。次いで、後幕動用のモータ18が駆動されるとともに後幕のホームポジション検出が開始され(S32)、処理はS12に戻る。
【0046】
S30において後幕HPサーチフラグがセットされているので、S12から後幕HPサーチ処理に移行し、処理はS34に進む。S34において後幕のホームポジションHP2 が検出されたか否が判別され、未だ検出されていなければ処理はS12に戻り、HP2 検出されるまで処理(S34、S12)がループする。S34においてアーム部材22の遮光片部がフォトインタラプタ48の検出部に進入しHP2 が検出されると、後幕スタート位置送りフラグがセットされる(S36)。そして、後幕駆動用のモータ18が駆動され、後幕のスタート位置送り駆動が開始される(S38)。そして、処理はS12に戻る。
【0047】
S12においてシャッター動作フラグの状態が確認されるが、後幕スタート位置送り駆動フラグがセットされているので、後幕位置送り駆動処理に移行し、処理はS40に進む。S40において、後幕のスタート位置送りが完了したか否かが判別される。
後幕スタート位置は、HP2 から所定のパルス数送った位置に定められており、後幕スタート位置送り未了の場合、処理はS12に戻り、後幕スタート位置送りの完了が検出されるまで処理(S40、S12)がループする。S40において後幕スタート位置送り完了が検出されると、レリーズ信号割り込みが許容され(S42)、後幕駆動用モータ18の駆動が停止される(S44)。次いでシャッター許可フラグがセットされ(S46)、処理はS12に戻る。
【0048】
S46においてシャッター許可モードフラグがセットされているので、S12では、シャッター許可モード処理に移行し、処理はS48に進む。S48においてシャッター駆動中であるか否かが判別される。レリーズ信号の入力がなく、シャッターが未動作の場合、処理はS12に戻り、シャッターレリーズ信号の割り込み(INT割り込み)があるまで、処理(S48、S12)はループする。レリーズ信号の割り込み(INT割り込み)があると、図12に示すINT割り込みサブルーチンに移行する。
【0049】
INT割り込み処理が開始されると(S50)、先ず露光時間を規定するシャッター秒時データの読み込みが行われ(S52)、次いで先幕のモータ駆動が開始される(S54)。そして、後幕駆動のタイミングを規定するシャッター秒時タイマーをスタートさせ(S56)、タイマー割り込みを許可する(S58)。
その後、図11に示したメインルーチンに戻る。
【0050】
INT割り込みがあると、S48においてシャッター駆動中であると判別され、レリーズ信号割り込みが禁止される(S60)。その後、シャッターレリーズフラグがセットされ(S62)、処理はS12に戻る。
S62において、シャッターレリーズフラグがセットされているので、S12ではシャッターレリーズ処理に移行し、処理はS64に進む。S64において先幕が所定の位置(図9で示した先幕停止位置A2 )に位置したか否かが判別され、未だ、先幕停止位置A2 に到達しない場合には、処理はS68に進む。S68では後幕がシャッター動作によって所定の位置(図10で示した後幕停止位置B2 )に達したか否かが判別されるが、先幕動作が未了の場合、S68においても後幕が後幕停止位置B2 に位置していることは無く、処理はS14に進む。
【0051】
S14においてシャッター動作は完了していないので、処理はS12に戻り、先幕のシャッター動作が完了して先幕停止位置A2 に位置することが確認されるまで、処理(S64、S68、S14、S12)はループする。
S64において先幕シャッターが先幕停止位置A2 に位置したことが確認されたのち、先幕駆動用のモータ16が停止される(S66)。
【0052】
一方、後幕は、前述したタイマー割り込みを契機として動作が開始されるので、タイマー割り込みが無い間、後幕部材14は後幕スタート位置B0 で待機している。従って、この待機期間中は、S68において後幕が後幕停止位置B2 に位置することはなく、S14においてシャッター動作も完了しないので処理はS12に戻り、タイマー割り込みがあるまで処理(S68、S14、S12)はループする。
【0053】
タイマー割り込みがあると、図13に示すサブルーチンに移行する。タイマー割り込み処理が開始されると(S70)、後幕駆動が行われるとともに(S72)、秒時タイマーを停止してタイマー割り込みを禁止する(S74)。そして図11に示したメインルーチンに戻る。
S68において後幕が後幕停止位置B2 に達したことが確認されると、後幕駆動用のモータ18が停止される(S76)。
【0054】
次いで、S14においてシャッター動作が完了したか否かが確認された後、先幕HPサーチフラグがセットされ(S16)、先幕サーチ駆動が開始される(S18)。以後、処理はS12に戻り、上述した処理が繰り返される。
図14には、シャッター動作タイミングのダイアグラムが示されている。図中(A)は先幕駆動モータの回転角、(B)は後幕駆動モータの回転角、(C)は、ホームポジションセンサの信号、(D)はシャッター幕の動作、(E)は、入出力(I/O)ポートの出力ポートの信号、(F)は入力ポートの信号を示している。
【0055】
図11で説明したメインルーチンの処理が開始され、先幕HPサーチ駆動が開始されると(S18)、先幕駆動用のモータ16は一定の回転方向に駆動される((A)参照)。モータ16の回転角が180度になった時に、フォトインタラプタ46が先幕のホームポジション(HP1 )を検出し、その検出信号を出力する((C)参照)。先幕のホームポジション(HP1 )検出後、所定パルス数分だけモータ16を回転させ、例えば、回転角153度で停止させる。この位置が図8で示した先幕スタート位置(A0 )に相当する。
【0056】
先幕スタート位置のセットが完了した後、後幕のHPサーチ駆動が開始され(S32)、後幕駆動用のモータ18が一定の方向に駆動される((B)参照)。モータ18の回転角が180度に達した時に、フォトインタラプタ48が後幕のホームポジション(HP2 )を検出し、その検出信号を出力する((C)参照)。後幕のホームポジション(HP2 )検出後、所定パルス数分モータ18を回転させ、例えば、回転角153度で停止させる。この位置が図8で示した後幕スタート位置(B0 )に対応している。
【0057】
両幕がスタート位置にセットされると、シャッターレーリーズ信号の入力待機状態となる。
その後、(F)に示したように入力ポート(SSS)からシャッター割込信号が加わると、その立ち上がりに同期してデータバス(Data-BUS)からシャッタースピード等のデータ読み込みが行われ、シャッター割込信号の立ち下がり後にシャッター動作、即ち、先幕駆動用のモータ16の駆動が開始される。
【0058】
モータ16は所定の回転角(例えば−45度)まで加速駆動される。この加速領域が、図8で説明した先幕遮光範囲の往復揺動に相当する。
加速領域(回転角:−153度〜−45度)を過ぎ、−45度から+45度までの間は定速度駆動される。この定速度領域が図8で説明した先幕通過範囲の走行に相当する。
【0059】
そして、先幕が露光開口30を完全に開口した状態(回転角+45度)に達すると減速駆動に転じ、+153度の回転角でモータ16が停止される。この減速領域が図9で説明した先幕開口範囲の往復揺動に相当する。
他方、後幕部材14は、先幕が動作を開始した後、露光時間を規定するシャッター秒時データに応じて駆動が開始される((B)参照)。
【0060】
後幕駆動用のモータ18は、上述の先幕駆動用のモータ16と同様に、所定の回転角(例えば−45度)まで加速駆動される。この加速領域が、図10に示した後幕遮光範囲の往復揺動に相当する。
その後+45度までの間一定速度駆動され、後幕が露光開口30を完全に遮光した状態(回転角+45度)に達すると減速駆動に転じ、+153度の位置で停止する。
【0061】
両幕のシャッター動作が完了すると、所定の待ち時間後にシャッターセット動作に移行する。即ち、先幕駆動用のモータ16が駆動され、先幕のホームポジションサーチが行われる。モータ16の回転角180度の時に先幕ホームポジション(HP1 )が検出され、HP1 検出後、更に所定のパルス数分だけモータ16が駆動され、先幕部材12は図8に示した先幕スタート位置A0 (回転角153度)で停止する。
【0062】
先幕スタート位置セット完了後、後幕駆動用のモータ18が駆動され、後幕のホームポジションサーチが行われる。モータ18の回転角180度の時に後幕ホームポジション(HP2 )が検出され、HP2 検出後、更に所定のパルス数分だけモータ18が駆動され、後幕部材14は図8に示した後幕スタート位置B0 (回転角153度)で停止する。先幕及び後幕が共にスタート位置にセットされた状態で、次なるシャッターレリーズ信号の入力を待機する。
【0063】
図15は、モータ16、18の駆動パルスレートの設定を示すグラフである。同図に示すように、モータの全回転領域は、低速、加速、高速、減速の4つの領域に分けられる。図14で説明した通り、回転角が−180度から−153度までの間及び153度から180度までの間は、シャッター初期化、シャッターセットに利用される回転領域であり、特に高速走行を要しないので、例えば200パルス/秒(pps)のパルスレートで定速度駆動する。
【0064】
回転角−153度から−45度までの間、即ち、先幕においては先幕遮光範囲での往復揺動の間、後幕にあっては後幕開口範囲での往復揺動の間に、パルスレートを200pps から400pps までリニアに増加させ加速駆動する。
回転角−45度から+45度の間はパルスレートを400pps とし、先幕通過範囲の先幕の走行速度、及び後幕走行範囲の後幕の走行速度を高速度で一定に保つようにしている。
【0065】
回転角+45度を過ぎてから+153度までの間、即ち、先幕においては先幕遮光範囲での往復揺動の間、後幕にあっては後幕開口範囲での往復揺動の間に400pps から200pps までリニアに減速させる。
幕の始動時に、先幕遮光範囲、後幕開口範囲内でそれぞれ幕部材を往復揺動させて加速するようにしたので、シャッター駆動の加速領域を比較的広く確保することができる。従って、シャッターの幕速度をより高速に設定することができるという利点がある。
【0066】
図1に示した露光制御装置装置10は、例えば図16に示すようにバイオ・イメージングアナライザーの撮像部に適用される。
バイオ・イメージングアナライザーのCCD70は、窒素ガス等の不活性ガスが封入されたチャンバー72内に収納されている。CCD70の背面には冷却用のペルチエ素子74が設けられ、約−30°C程度に冷却されている。CCD70とペルチエ素子74の各電極はシャンバー72の外部の回路基板78に接続されている。
【0067】
CCD70の受光面が面するチャンバー72の底面にはガラス板76が設けられ、ガラス板76の下方に上述した露光制御装置装置10のシャッター羽根12、14が揺動走行するように配置される。尚、図中シャッター羽根12、14の下側に図示しない撮影レンズが組み付けられれる。
このように、上述した露光制御装置によれば、モータ16、18を含むシャッターの駆動部80をCCD70の光軸から離れた場所に配置することが可能であり、しかも揺動スライダクランク機構によって低トルクの動作が可能で、耐久性にも優れるという効果を奏する。
【0068】
本発明に係る露光制御装置は図16に示したバイオ・イメージングアナライザーに好適であるが、これに限らず、一般的なカメラ等、フォーカルプレンシャッターが適用される種々の機器に広く適用が可能である。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る露光制御装置によれば、先幕部材と後幕部材とを共通の回転中心に回動自在に支持し、それぞれの部材を揺動スライダクランク機構によってモータ駆動するようにしたので、軽量化が可能で、かつ低トルク動作が可能である。従って、耐久性に優れるという利点がある。
【0070】
かかる揺動スライダクランク式の露光制御装置において、幕の始動時に先幕部材及び後幕部材をそれぞれ先幕遮光範囲、後幕開口範囲内で往復揺動させて加速するようにしたので、先幕遮光範囲、後幕開口範囲内の一方向動作期間中に限り加速駆動する場合に比べて、シャッター駆動の加速領域を広く確保するこができるという利点がある。これにより、シャッターの幕速度をより高速に設定することができるという効果を奏する。
【0071】
また、先幕遮光範囲及び後幕開口範囲が小さくても加速領域を広くできるので、シャッター幕の揺動範囲に対して露光開口が大きな割合を占めるよう構成することが可能で、露光制御装置全体を小型化するとができる。
更に、幕の制動時に、先幕部材及び後幕部材をそれぞれ先幕開口範囲、後幕遮光範囲内で往復揺動させて減速することにより、減速領域を広く確保するこができる。これにより、シャッターの幕速度をより高速に設定することができ、幕速度の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係る露光制御装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、シャッター回路の構成を示すブロック図である。
【図3】揺動スライダクランク機構を説明するために用いた説明図である。
【図4】先幕の揺動範囲を説明する為に用いた平面図である。
【図5】図1に示した露光制御装置の動作を示す平面図であり、先幕による遮光状態を示す図である。
【図6】図1に示した露光制御装置の動作を示す平面図であり、全開状態を示す図である。
【図7】図1に示した露光制御装置の動作を示す平面図であり、後幕による遮光状態を示す図である。
【図8】先幕部材及び後幕部材の待機位置(スタート位置)を示す平面図である。
【図9】先幕部材の動作停止位置及び後幕部材の始動時の様子を示す平面図である。
【図10】先幕部材の動作停止位置及び後幕部材の動作停止位置を示す平面図である。
【図11】露光制御装置が適用されたCCDカメラの処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】レリーズ信号割り込み(INT割り込み)サブルーチン処理を示すフローチャートである。
【図13】タイマー割り込みサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【図14】シャッター動作タイミングのダイアグラムである。
【図15】モータの駆動パルスレートの設定を示すグラフである。
【図16】図1に示した露光制御装置をバイオ・イメージングアナライザーに適用した様子を示す要部側面断面図である。
【符号の説明】
10…露光制御装置
12…シャッター羽根(先幕部材)
14…シャッター羽根(後幕部材)
12C、14C…レバー部
16…先幕駆動用のモータ
18…後幕駆動用のモータ
20…アーム部材(第1のクランク部材)
22…アーム部材(第2のクランク部材)
24、26…地板
30…露光開口
42、44…ピン
46…フォトインタラプタ(先幕基準位置検出手段)
48…フォトインタラプタ(後幕基準位置検出手段)
50…中央演算処理装置(CPU)
Claims (6)
- 共通の回転中心に回動自在に支持された先幕部材及び後幕部材をそれぞれ第1、第2のモータにより回転駆動される第1、第2のクランク部材とすべり連結し、揺動スライダクランク機構によって前記先幕部材及び後幕部材を揺動走行させ、露光開口の開閉を行うフォーカルプレン方式の露光制御装置において、
前記先幕部材の揺動範囲における基準位置を検出する先幕基準位置検出手段と、
前記後幕部材の揺動範囲における基準位置を検出する後幕基準位置検出手段と、
前記先幕基準位置検出手段、及び前記後幕基準位置検出手段からの検出信号及びシャッター動作を指令するレリーズ信号入力に基づいて前記第1、第2のモータを駆動制御する制御手段であって、前記先幕部材が前記露光開口を完全に遮光する揺動範囲を先幕遮光範囲、前記後幕部材が前記露光開口を完全に開口する揺動範囲を後幕開口範囲とすると、前記先幕部材を前記先幕遮光範囲のうち最大揺動位置を示す第1の揺動折返位置よりも小さい揺動角の先幕待機位置に位置させるとともに、前記後幕部材を前記後幕開口範囲のうち最大揺動位置を示す第2の揺動折返位置よりも小さい揺動角の後幕待機位置に位置させるように前記第1、第2のモータを駆動制御するとともに、
シャッター動作時、前記先幕部材が前記先幕待機位置から前記第1の揺動折返位置を経由する前記先幕遮光範囲内の往復揺動動作中に前記第1のモータを加速駆動制御し、前記後幕部材が前記後幕待機位置から前記第2の折返位置を経由する前記後幕開口範囲の往復揺動動作中に前記第2のモータを加速駆動制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする露光制御装置。 - 前記先幕部材が前記露光開口の一部分を遮光しながら揺動する範囲を先幕通過範囲、前記後幕部材が前記露光開口の一部分を遮光しながら揺動する範囲を後幕通過範囲とすると、前記制御手段は、シャッター動作時に前記先幕部材が前記先幕通過範囲を走行する間、前記第1のモータを定速度駆動制御し、前記後幕部材が前記後幕通過範囲を走行する間、前記第2のモータを定速度駆動制御することを特徴とする請求項1の露光制御装置。
- 前記先幕部材が前記露光開口を完全開口した状態で揺動可能な範囲を先幕開口範囲、前記後幕部材が露光開口を完全遮光した状態で揺動可能な範囲を後幕遮光範囲とすると、前記制御手段は、前記先幕部材が前記先幕開口範囲に入り、該先幕開口範囲の最大揺動位置を示す第3の揺動折返位置を経由する往復揺動動作中に前記第1のモータを減速駆動制御し、前記後幕部材が前記後幕遮光範囲に入り、該後幕遮光範囲の最大揺動位置を示す第4の揺動折返位置を経由する往復揺動動作中に前記第2のモータを減速駆動制御することを特徴とする請求項1の露光制御装置。
- 前記制御手段は、シャッター動作完了後、前記先幕部材及び後幕部材を前記先幕待機位置及び後幕待機位置にそれぞれ復帰させるように前記第1、2のモータを同時に駆動制御することを特徴とする請求項1の露光制御装置。
- 前記制御手段は、シャッター動作完了後、前記先幕部材を前記先幕待機位置に復帰させるように前記第1のモータを駆動制御し、前記先幕部材が前記先幕待機位置に位置した後、前記後幕部材を前記後幕待機位置に復帰させるように前記2のモータを駆動制御することを特徴とする請求項1の露光制御装置。
- 前記先幕基準位置検出手段及び後幕基準位置検出手段は、シャッター動作開始前又はシャッター動作完了後の前記先幕部材及び後幕部材をそれぞれ先幕待機位置及び後幕待機位置にセットするセット動作途中に前記先幕部材及び後幕部材の各基準位置を検出するように配置されていることを特徴とする請求項1の露光制御装置。
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