JP6152980B2 - 吊り天井構造 - Google Patents

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Description

本発明は、吊り天井の構造に関する。
従来、例えば学校、病院、生産施設、体育館、プール、空港ターミナルビル、オフィスビル、劇場、シネコン等の建物の天井として、吊り天井が多用されている。そして、吊り天井(吊り天井構造)Aは、例えば図4に示すように、水平の一方向T1に所定の間隔をあけて並設される複数の野縁1と、野縁1に直交し、水平の他方向T2に所定の間隔をあけて並設され、複数の野縁1に一体に接続して設けられる複数の野縁受け2と、下端を野縁受け2に接続し、上端を上階の床材等の上部構造3(建物躯体)に固着して配設される複数の吊りボルト(吊り部材)4と、野縁1の下面にビス留めなどによって一体に取り付けられ、下階の天井面(天井部5)を形成する天井パネル(天井材)6とを備えて構成されている。
一方、このように野縁1及び野縁受け2の天井下地7と天井パネル6を吊りボルト4で吊り下げ支持してなる吊り天井Aは、その構造上、地震時に作用する水平力によって横揺れしやすい。そして、地震時に横揺れして、天井部5の端部5aが壁や柱、梁などの建物構成部材(建物躯体)9に衝突し、天井パネル6に破損が生じたり、脱落が生じるおそれがあった。
このため、近年、この種の吊り天井Aを耐震改修することが求められ、天井部5の下方にネットを張って天井パネル6の落下を防止するようにしたり、天井下地7や天井下地7の接合部を補強したり、全面的に最新の耐震技術を備えた吊り天井に替えるなどの対策が提案、実施されている。
しかしながら、天井部5の下方にネットを張る耐震改修方法は、ネットによって吊り天井Aの意匠性が低下し、また、ネットが照明やスプリンクラー、エアコンなどの付帯設備のメンテナンスに支障をきたし、さらにネットの設置時に大掛かりな作業足場等が必要になって耐震改修コストが嵩むなどの問題がある。
また、天井下地7や接合部を補強する耐震改修方法においては、天井裏空間Hに配設された付帯設備などによって、補強できる範囲に制限が生じ、十分に対応できなかったり、野縁1や野縁受け2の天井下地7などにJIS材ではない一般材が使用され、低強度の場合があり、補強後の性能が不安定で十分な改修精度を確保できなかったり、点付け溶接部などがあって対応できない場合がある。
全面やり替えによる耐震改修方法では、最新の知見で耐震化することが可能であるが、天井下の室の使用禁止期間が長くなり、また、大量の廃棄物が発生するなどの不都合がある。
これに対し、本願の出願人は、天井材の下方に、端部が建物構成部材に固定されたワイヤーを緊張した状態で水平に伸張し、このワイヤーと天井下地とを連結してなる天井振動低減構造(吊り天井構造)についての出願を行なっている(特許文献1参照)。また、この吊り天井では、ワイヤーにクランプを外装して取り付け、クランプにボルトからなる連結部材を取り付けるとともに天井材を貫通させ、この連結部材をナットで野縁受けに連結することによって、ワイヤーと天井下地を連結固定するようにしている。
そして、このように構成した吊り天井においては、緊張したワイヤーを介して天井下地と建物構成部材とが繋げられることで、地震によって振動が生じたとき、天井部と建物構成部材とが一体に挙動することになり、振動発生時における天井部の揺れを抑制することができる。
一方で、上記の引張材のワイヤーと天井下地とを連結してなる吊り天井においては、ワイヤーに外装したクランプをボルトの連結部材とナットを用いて野縁受けに連結するようにしているため、天井部の下方と天井裏空間内の両側からの作業が必要になり、やはり、施工性の点で改善の余地が残されていた。
特に、既設の吊り天井にワイヤーを取り付けて耐震改修を行う場合には、天井裏空間内での危険作業が伴う上、天井裏空間内のエアコンや配管などの付帯設備や建物の上部構造などとのクリアランスがなく、ボルト、ナットによる連結作業ができないおそれもあり、このような場合には、施工できない範囲が生じることになる。
このため、本願の出願人は、例えば図5に示すように、天井部5の下方に且つ天井部5に沿って横方向に、例えば溝形鋼などの断面略逆U字状で略棒状の引張材11を配設し、この引張材11の両端部をそれぞれ建物躯体3、9に接続し、中間部を天井部5の下方から天井材6及び/又は天井下地7にタッピングビス等の接続固定手段で接続固定してなる吊り天井構造Bを発明し、この発明について既に特許出願(特願2013−016019)を行っている。
このように溝形鋼などの断面略逆U字状で略棒状の引張材(補強用グリッド部材)11を天井部5の下方に且つ天井部5に沿って配設してなる吊り天井構造B(グリッドサポート工法)においては、地震時に、引張材11によって天井部5を建物躯体3、9と一体に挙動させることができ、天井部5の揺れを抑制することが可能になる。
また、引張材11の中間部をビスなどの接続固定手段を用い、天井部5の下方から天井材6及び/又は天井下地7に固定するようにしたことで、引張材11の設置時に天井裏空間H内での作業をほとんど不要にすることが可能で、施工性を大幅に向上させることができる。
これにより、既設の吊り天井構造Aに引張材11を取り付けて耐震性能の向上を図る耐震改修を行う場合であっても、天井裏空間H内での危険作業が不要で、天井裏空間H内に設けられている付帯設備、建物躯体3とのクリアランスの関係で施工できない範囲が生じるという不都合を解消することができ、必要工期の短縮、コストの低減を図ることが可能になる。
また、耐震改修後もエアコン、照明などの天井部付帯設備のメンテナンスを容易に行なうことができる。さらに、天井下地7の野縁1、野縁受け2、Tバー8などにJIS材と一般材のどちらが使用されていても、また、新設、既設の吊り天井構造であっても、さらに天井材6がいかなる材質であっても対応可能で、確実に耐震性能の向上を図ることが可能になる。
特開2008−121371号公報
ここで、上記のような吊りボルトで吊り下げ支持した天井下地7に天井材6を取り付けてなる吊り天井構造Aには、例えば図6に示すように、同一空間内の天井を形成する場合でも意匠性等の観点から段差部12(傾斜部を含む)を設け、一部の天井材6(天井面)を他の部分の天井材6(天井面)よりも上方に配してなる折り上げ式の吊り天井構造が存在する。
そして、このような折り上げ式の吊り天井構造Aに対し、溝形鋼などの断面略逆U字状で略棒状の引張材11を天井部5の下方に且つ天井部5に沿って配設して耐震改修を行う際には、従来、例えば図7に示すように、一部の天井部5(天井材)を解体し、他の部分と天井面が面一となるように天井部5を改築した後に、引張材11を天井部5の全面に設置するようにしていた。
これにより、一部の天井部5の解体作業等により、天井下の室の使用制限が生じたり、耐震改修の必要工期の長期化、コストの増大が生じてしまう。このため、折り上げ式の吊り天井構造Aであっても、一部の天井部5の解体作業を不要にしつつ引張材11を設置して耐震改修などを行う手法が強く求められていた。
本発明は、上記事情に鑑み、折り上げ式の吊り天井構造に対しても、施工性、経済性を確保しつつ、地震時に天井材(天井パネル)の破損や脱落が生じることを防止でき、優れた耐震性能を付与することを可能にする吊り天井構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の吊り天井構造は、吊り部材を介して建物躯体の上部構造に吊り下げ支持される天井下地に、天井面を形成する天井材を取り付けてなり、一部の前記天井下地及び前記天井材からなる天井部が他の部分の天井部よりも段差部を介して上方に配された折り上げ式の吊り天井構造において、前記天井材の下方に且つ前記天井面に沿って横方向に配設されるとともに、前記天井材の下方から前記天井材及び/又は前記天井下地に接続固定手段で接続固定して配設される略棒状の引張材を備えており、前記段差部を介して下方に配された前記天井部に設置される下方の引張材を前記上方に配された前記天井部と上下方向に重なるように延出して配設し、上方に配された前記天井部に設置される上方の引張材と、前記下方の引張材の延出部とにそれぞれ接続し、上下方向に延びる縦材と斜め方向に延びる斜材の補剛材とを設けて構成されていることを特徴とする。
また、本発明の吊り天井構造においては、前記上方の引張材と前記下方の引張材の延出部と前記縦材と前記斜材のうち、少なくとも前記上方の引張材と前記縦材と前記斜材が予め組み付けてユニット化されていることが望ましい。
本発明の吊り天井構造においては、一部の天井部が他の部分の天井部よりも段差部を介して上方に配された折り上げ式の吊り天井構造であっても、上方の天井部と下方の天井部にそれぞれ引張材を設置するとともに、下方の天井部の引張材を上方の天井部と上下方向に重なるように延出させ、この下方の引張材の延出部と上方の引張材を縦材と斜材の補剛材で繋げることにより、地震時に上方の天井部(下方の天井部)に作用する水平力を、上方の引張材(下方の引張材)から縦材と斜材の補剛材を通じて下方の天井部(上方の天井部)に設置した下方の引張材(上方の引張材)に伝達させることができる。
これにより、折り上げ式の吊り天井構造であっても、天井部に引張材を設置して耐震改修などを行う場合に、天井部を解体して天井面を面一にする作業を不要にしつつ、確実且つ効率的に、さらに経済的に耐震性能を向上させることが可能になる。
また、意匠性の観点から折り上げ式の吊り天井構造が採用されている場合であっても、天井部を解体して天井面を面一にする必要がないため、その意匠性を維持しながら耐震性能を向上させることが可能になる。
さらに、本発明の吊り天井構造においては、引張材の中間部をビスなどの接続固定手段を用い、天井部の下方から天井材及び/又は天井下地に固定するようにしているため、引張材の設置時に天井裏空間内での作業が不要になり、施工性を大幅に向上させることが可能になる。
これにより、既設の吊り天井構造に引張材を取り付けて耐震性能の向上を図る耐震改修を行う場合であっても、天井裏空間内での危険作業が不要で、天井裏空間内に設けられている付帯設備、建物躯体とのクリアランスの関係で施工できない範囲が生じるという不都合を解消することができ、必要工期の短縮、コストの低減を図ることが可能になる。
また、耐震改修後もエアコン、照明などの天井部付帯設備のメンテナンスを容易に行なうことができ、さらに棒状の引張材を天井部に配設するため、ネットなどと比較し、意匠性を損なうこともない。さらに、天井下地の野縁、野縁受けなどにJIS材と一般材のどちらが使用されていても、新設、既設の吊り天井構造であっても、さらに天井材がいかなる材質であっても対応可能で、耐震性能の向上を図ることが可能になる。
さらに、本発明の吊り天井構造においては、上方の引張材と下方の引張材の延出部と縦材と斜材のうち、少なくとも上方の引張材と縦材と斜材を予め組み付けてユニット化しておくことにより、このユニットを天井部に取り付けることで、効率的に、耐震補強、耐震改修の施工を行うことが可能になる。
本発明の一実施形態に係る折り上げ式の吊り天井構造を示す側面図(側断面図)である。 本発明の一実施形態に係る折り上げ式の吊り天井構造の引張材を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る折り上げ式の吊り天井構造の変更例を示す側面図(側断面図)である。 従来の吊り天井構造を示す斜視図である。 天井部に引張材を設置して耐震性能を向上させた吊り天井構造を示す斜視図である。 従来の折り上げ式の吊り天井構造を示す側面図(側断面図)である。 従来の折り上げ式の吊り天井構造に対し、天井部に引張材を設置して耐震性能を向上させた後の状態を示す斜視図である。
以下、図1及び図2、図5(図6、図7)を参照し、本発明の一実施形態に係る吊り天井構造について説明する。ここで、本実施形態は、例えば学校、病院、生産施設、体育館、プール、空港ターミナルビル、オフィスビル、劇場、シネコン等の建物の天井として用いられる吊り天井の構造に関するものである。
本実施形態の吊り天井(吊り天井構造)Cは、図1(及び図5)に示すように、野縁1と野縁受け2と吊り部材(吊りボルト)4と天井材6とを備えて構成されている。
野縁1は、例えば断面コ字状に形成された溝形鋼であり、水平に延設され、且つ水平の一方向の横方向T1に所定の間隔をあけ、平行に複数配設されている。
野縁受け2は、例えば断面コ字状に形成された溝形鋼であり、水平に延設され、且つ水平の他方向の横方向T2に所定の間隔をあけ、平行に複数配設されている。また、このとき、野縁受け2は、野縁1と交差するように配設されるとともに、複数の野縁1上に載置した状態で配設される。そして、各野縁受け2は、野縁1と交差する部分で、野縁接続用金具(クリップ)を使用することにより野縁1に接続されている。
吊り部材4は、円柱棒状に形成されるとともに外周面に雄ネジの螺刻を有する吊りボルトであり、上端を上階の床材等の上部構造3(建物躯体)に固着、または鋼製の根太等に緊結して垂下され、下端側を、吊り部材接続用金具(ハンガー)を用いることにより野縁受け2に接続して複数配設されている。また、複数の吊り部材4は、所定の間隔をあけて分散配置されている。
天井材(天井パネル)6は、2枚のボードを貼り付けて一体に積層形成したものであり、例えば天井付帯設備等の重量と併せて、1mあたり20kg程度の重量で形成されている。そして、この天井材6は、複数の野縁1の下面にビス留めなどして設置されている。なお、天井材6は、1枚および3枚以上のボードで構成されていてもよい。
そして、この吊り天井Cでは、吊り部材4を介して建物の上部構造3に、野縁1と野縁受け2と天井材6とが吊り下げ支持されている。また、野縁1と野縁受け2によって天井下地7が形成され、この天井下地7と天井下地7に取り付けた天井材6によって天井部5、この天井部5によって下階の天井面が形成されている。
一方、本実施形態の吊り天井Cは、図1に示すように、意匠性等の観点から段差部12(傾斜部を含む)を設け、一部の天井材6を他の部分の天井材6よりも上方に配し、折り上げ式の吊り天井構造として構築されている。
そして、このような本実施形態の折り上げ式の吊り天井Cでは、図5に示すように、例えば、天井部5と建物の上部構造3の間の天井裏空間Hの天井部5の外周端部5a側、すなわち、天井裏空間Hの壁、柱、梁等の建物構成部材(建物躯体)9側に、上端を上部構造3に接続して、束材15が上下方向T3に延設(垂設)されている。また、この束材15は、天井部5の外周端部5aに沿う方向に所定の間隔をあけて複数設けられている。そして、これら複数の束材15の下端に横方向T1、T2に延びる連結材16が接続され、この連結材16を介して複数の束材15が一体に連結されている。なお、本実施形態では、これら束材15や連結材16として、例えばH形鋼、I形鋼、溝形鋼などの形鋼や角鋼管などの管材が使用されている。
また、本実施形態の折り上げ式の吊り天井Cでは、図1及び図5に示すように、段差部12を介して下方に配された天井部5と上方に配された天井部5のそれぞれにおいて、天井部5の下方に、且つ天井部5の下面(天井面)に沿って水平に、略棒状の引張材11が配設されている。さらに、この引張材11は、例えばアルミ押出形鋼、スチール部材などであり、一端部及び他端部を連結材16に接続し、連結材16を介して束材15に接続して設けられている。すなわち、本実施形態の引張材11は、束材15や連結材16の支持体を介して建物躯体3に接続されている。
さらに、引張材11は、その中間部を天井部5の下方からタッピングビスなどの接続固定手段で天井材6(天井部5)及び天井下地の野縁1に固定して設けられている。そして、本実施形態では、このような引張材11が天井部5の下方で例えば900〜2400mmピッチの格子状に配設されている。
なお、引張材11は、一端部及び/又は他端部を、取付具を用いて壁や柱、梁などの建物構成部材9に接続するようにしてもよい(建物躯体に直接的に接続するようにしてもよい)。
また、本実施形態の吊り天井Cでは、図2に示すように、各引張材11(11a、11b)が、帯状の平板状に形成され、板面を上下方向T3に向けて配設される固定板部21と、帯状の平板状に形成され、板面を横方向T1、T2に向け、固定板部21の延設方向に沿って配設されるとともに、その上端を固定板部21の下面に繋げて一体に形成された桁板部22とを備えて構成されている。また、この引張材11は、2つの桁板部22を備え、これら桁板部22が固定板部21の幅方向中央を境に幅方向両側にそれぞれ所定の間隔をあけて並設されて、断面略逆U字状で略棒状に形成されている。
さらに、天井部5の下方に格子状に配設した際に、横方向の一方向T1に配設される一方の引張材11aは、上端から下方に凹む上側切欠部23を備え、所定位置の固定板部21を部分的に除去した状態で形成されている。また、一方向T1に直交する他方向T2に配設される他方の引張材11bは、下端から上方に凹む下側切欠部24を備え、所定位置の2つの桁板部22を部分的に除去した状態で形成されている。
このように形成した一方の引張材11aと他方の引張材11bは、これら一方の引張材11aと他方の引張材11bの交差部25で、上側切欠部23に他方の引張材11bを、下側切欠部24に一方の引張材11aをそれぞれ嵌め合わせるようにして格子状に配設されている。また、このとき、各引張材11は、天井部5の下方からビスなどの接続固定手段で固定板部21を天井材6に、あるいは天井材6及び野縁1に固定して配設されている。
さらに、本実施形態の吊り天井Cは、折り上げ式の吊り天井構造であるため、図1に示すように、段差部12を介して下方に配された天井部5に設置される下方の引張材11を上方に配された天井部5と上下方向T3に重なるように延出して配設する。また、上方に配された天井部5に設置される上方の引張材11と、下方の引張材11の延出部11cとにそれぞれ接続し、上下方向T3に延びる縦材26と斜め方向に延びる斜材27の補剛材28とを設けて構成されている。
すなわち、本実施形態の吊り天井Cにおいては、段差部12を介して上下に位置する天井部5にそれぞれ配された上方の引張材11と下方の引張材11とを、縦材26と斜材27の補剛材28を用いて接続し、これら縦材26と斜材27のラチス(トラス構造)を備えることで、上下の引張材11を含む一体化した耐震補強構造を構成するようにしている。
そして、上記構成からなる本実施形態の吊り天井Cにおいては、天井部5の下方に配設された引張材11が、一端部及び他端部を束材15(取付具)を介して建物躯体の上部構造3や建物構成部材9に接続し、中間部を天井材6や野縁1に接続して配設されているため、地震時に、この引張材11によって天井部5が建物躯体3、9と一体に挙動し、天井部5の揺れが抑制される。
また、一部の天井部5が他の部分の天井部5よりも段差部12を介して上方に配された折り上げ式の吊り天井構造Cであっても、上方の天井部5と下方の天井部5にそれぞれ引張材11を設置するとともに、下方の天井部5の引張材11を上方の天井部5と上下方向T3に重なるように延出させ、この下方の引張材11の延出部11cと上方の引張材11を縦材26と斜材27の補剛材28で繋げることにより、地震時に上方の天井部5(下方の天井部5)に作用する水平力が、上方の引張材11(下方の引張材11)から縦材26と斜材27の補剛材28を通じて下方の天井部5(上方の天井部5)に設置した下方の引張材11(上方の引張材11)に確実に伝達される。
したがって、本実施形態の吊り天井構造(吊り天井)Cにおいては、上記のように、折り上げ式の吊り天井構造であっても、下方の引張材11の延出部11cと上方の引張材11を縦材26と斜材27の補剛材28で繋げることにより、地震時に上方の天井部5(下方の天井部5)に作用する水平力を、上方の引張材11(下方の引張材11)から縦材26と斜材27の補剛材28を通じて下方の天井部5(上方の天井部5)に設置した下方の引張材11(上方の引張材11)に伝達させることができる。
これにより、折り上げ式の吊り天井構造であっても、天井部5に引張材11を設置して耐震改修を行う場合に、天井部5を解体して天井面を面一にする作業を不要にし、確実且つ効率的に、さらに経済的に耐震性能を向上させることが可能になる。
また、意匠性の観点から折り上げ式の吊り天井構造が採用されている場合であっても、天井部5を解体して天井面を面一にする必要がないため、その意匠性を維持しながら耐震性能を向上させることが可能になる。
さらに、本実施形態の吊り天井構造Cにおいては、引張材11の中間部をビスなどの接続固定手段を用い、天井部5の下方から天井材6及び/又は天井下地7に固定するようにしているため、引張材11の設置時に天井裏空間H内での作業が不要になり、施工性を大幅に向上させることが可能になる。
これにより、既設の吊り天井構造に引張材11を取り付けて耐震性能の向上を図る耐震改修を行う場合であっても、天井裏空間H内での危険作業が不要で、天井裏空間H内に設けられている付帯設備、建物躯体とのクリアランスの関係で施工できない範囲が生じるという不都合を解消することができ、必要工期の短縮、コストの低減を図ることが可能になる。
また、耐震改修後もエアコン、照明などの天井部付帯設備のメンテナンスを容易に行なうことができ、さらに棒状の引張材11を天井部5に配設するため、ネットなどと比較し、意匠性を損なうこともない。さらに、天井下地7の野縁1、野縁受け2にJIS材と一般材のどちらが使用されていても、新設、既設の吊り天井構造であっても、さらに天井材6がいかなる材質であっても対応可能で、耐震性能の向上を図ることが可能になる。
以上、本発明に係る吊り天井構造の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上方の引張材11と下方の引張材11の延出部11cと縦材26と斜材27のうち、少なくとも上方の引張材11と縦材26と斜材27が予め組み付けてユニット化してもよい。この場合には、少なくとも上方の引張材11と縦材26と斜材27を予め組み付けてユニット化したもの(ユニット)を上方の天井部5に取り付け、下方の天井部5に設置した引張材11とユニットを接続することで、効率的に、耐震補強、耐震改修の施工を行うことが可能になる。
また、例えば図3に示すように、下方の天井部5の引張材11を上方の天井部5と上下方向T3に重なるように延出させ、縦材26と斜材27のラチス(トラス構造、補剛材28)を部分的に形成するようにしてもよい。この場合においても、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
さらに、本実施形態では、引張材11が帯状で平板状の固定板部21と固定板部21の下面に一体形成した桁板部22とを備えて略棒状に形成され、このように形成した一方の引張材11と他方の引張材11を格子状に配設して吊り天井構造Cが構成されているものとした。
これに対し、鋼板、炭素繊維シートなどの板状部材(棒状部材)、帯状部材、テープ状部材(シート状部材)を引張材11として用いて吊り天井構造Cを構成するようにしてもよい。また、棒状(板状)の引張材11と帯状(テープ状)の引張材を組み合わせるなどして吊り天井構造Cを構成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、天井下地7が野縁1と野縁受け2を備えて構成されているものとしたが、本発明に係る天井下地は、必ずしも本実施形態のように限定しなくてもよく、例えば、吊りボルト(吊り部材)4に吊り下げ支持されて水平の一方向T1に所定の間隔をあけて並設されるとともに一方向T1に直交する他方向T2に延びる複数のTバー(断面逆T型の支持部材)を備えて構成した天井下地7であってもよい。すなわち、本発明は、特に天井下地の構成を限定する必要はない。
1 野縁
2 野縁受け
3 上部構造(建物躯体)
4 吊り部材(吊りボルト)
5 天井部
5a 端部
6 天井材(天井パネル)
7 天井下地
9 建物構成部材(建物躯体)
11 引張材
11a 一方の引張材
11b 他方の引張材
11c 延出部
12 段差部
15 束材
16 連結材
21 固定板部
22 桁板部
23 上側切欠部
24 下側切欠部
25 交差部
26 縦材
27 斜材
28 補剛材
A 従来の吊り天井構造
B 従来の吊り天井構造
C 吊り天井構造
H 天井裏空間
T1 横方向(一方向)
T2 横方向(他方向)
T3 上下方向

Claims (2)

  1. 吊り部材を介して建物躯体の上部構造に吊り下げ支持される天井下地に、天井面を形成する天井材を取り付けてなり、一部の前記天井下地及び前記天井材からなる天井部が他の部分の天井部よりも段差部を介して上方に配された折り上げ式の吊り天井構造において、
    前記天井材の下方に且つ前記天井面に沿って横方向に配設されるとともに、前記天井材の下方から前記天井材及び/又は前記天井下地に接続固定手段で接続固定して配設される略棒状の引張材を備えており、
    前記段差部を介して下方に配された前記天井部に設置される下方の引張材を前記上方に配された前記天井部と上下方向に重なるように延出して配設し、
    上方に配された前記天井部に設置される上方の引張材と、前記下方の引張材の延出部とにそれぞれ接続し、上下方向に延びる縦材と斜め方向に延びる斜材の補剛材とを設けて構成されていることを特徴とする吊り天井構造。
  2. 請求項1記載の吊り天井構造において、
    前記上方の引張材と前記下方の引張材の延出部と前記縦材と前記斜材のうち、少なくとも前記上方の引張材と前記縦材と前記斜材が予め組み付けてユニット化されていることを特徴とする吊り天井構造。
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