JP6152105B2 - 導電性繊維被覆粒子、並びに、硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

導電性繊維被覆粒子、並びに、硬化性組成物及びその硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、粒子状物質と繊維状の導電性物質からなる導電性繊維被覆粒子、並びに、該導電性繊維被覆粒子を含む硬化性組成物及びその硬化物に関する。
電気・電子機器における微細電極の接続等においては、導電性を有する微粒子(導電性微粒子)が使用されている。このような導電性微粒子としては、樹脂製の微粒子の表面に金属をコーティングして得られる導電性微粒子等を使用することが知られている(特許文献1参照)。そして、樹脂硬化物に導電性を付与する方法としては、上記導電性微粒子を絶縁性の硬化性化合物(例えば、熱硬化性化合物)に配合して硬化する方法が知られている(特許文献2、3、4参照)。
特許第3241276号 特開2000−251536号公報 特開昭62−188184号公報 特開平10−226773号公報
しかしながら、上記導電性微粒子は、樹脂製の微粒子の全面が金属でコーティングされているため、高価な金属材料が多く使用されており原材料コストが高いという問題を有していた。また、電解めっき法や交互吸着法等の特殊な方法により製造する必要があるため、特殊な装置を使用したり多くの工程を経る必要があり、製造コストが高いという問題も有していた。
更に、上記金属コーティング樹脂粒子は全面が金属でコーティングされているため着色しており、その上、樹脂硬化物に導電性を付与するためには樹脂硬化物中で導電性微粒子同士を接触させる必要があるため多量に配合する。このため、透明性と導電性を兼ね備えた硬化物を安価に得ることは困難であった。
その他、樹脂硬化物に導電性を付与する方法としては、金属ナノワイヤと樹脂を混合して得られる金属ナノワイヤ混合樹脂を使用し、これを薄膜状に塗布し、その後、硬化させるという工程を繰り返すことによって、金属ナノワイヤを配向させる方法も知られている。しかしながら、この方法では、金属ナノワイヤ混合樹脂(溶液)を塗布し、硬化させる作業を数十回〜数百回繰り返す必要があり、工程が煩雑かつ生産性に劣るという問題があった。また、導電性を確保するために多量の金属ナノワイヤを使用する必要があるため、やはり透明性を有する硬化物を安価に得ることは困難であった。
樹脂硬化物の透明性を維持しつつ導電性を付与する方法としては、樹脂硬化物の表面に導電性インクをコーティングする方法や金属配線等を形成する方法が考えられる。この方法によると、樹脂硬化物の透明性を確保しつつ導電性を付与することは可能であるが、樹脂硬化物の表面に面方向の導電性を付与できるのみであって、当該樹脂硬化物の厚み方向に導電性を発現させることは不可能であった。
従って、本発明の第一の目的は、簡便な方法によって製造することができ、硬化物に少量を含有させることで優れた導電性(特に、厚み方向への導電性)を付与することができ、透明性と導電性に優れた硬化物を形成できる導電性微粒子(導電性繊維被覆粒子)を提供することにある。
本発明の第二の目的は、透明性と導電性(特に、厚み方向への導電性)に優れた硬化物を安価に形成できる硬化性組成物を提供することにある。
本発明の第三の目的は、簡便な方法で製造することができ、加圧により微細な三次元形状に追従する柔軟性を有し、硬化物に含有させることにより、硬化物の透明性を損なうことなく優れた導電性(特に、厚み方向への導電性)を付与することができる導電性微粒子(導電性繊維被覆粒子)を提供することにある。
本発明の第四の目的は、透明性及び導電性(特に、厚み方向への導電性)に優れ、特に、微細な凹凸を有する形状であっても優れた導電性能を有する硬化物を安価に形成することができる硬化性組成物を提供することにある。
本発明の第五の目的は、簡便な方法によって製造することができ、透明性と導電性が両立された薄膜状の成形体を提供することにある。
尚、本明細書において「導電性能に優れる」とは、導電性が不良の部分がなく、全体的に優れた導電性を有することである。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記事項を見いだした。すなわち、
1.粒子状物質と繊維状の導電性物質を混合することにより導電性繊維被覆粒子が簡便且つ安価に得られること
2.上記導電性繊維被覆粒子は、硬化物に少量を含有させることで導電性を付与することができるため、硬化物の透明性を損なうことなく優れた導電性(特に、厚み方向の導電性)を付与することができること
3.上記導電性繊維被覆粒子と硬化性化合物を含む硬化性組成物より形成された薄膜状の成形体について、上記導電性繊維被覆粒子を構成する粒子状物質の平均粒子径と上記成形体の厚みを特定の範囲に制御すると、厚み方向に選択的に導電性を示す異方導電性を発現させることができること
4.上記導電性繊維被覆粒子に三次元形状に追従する柔軟性を付与すると、当該導電性繊維被覆粒子を含む硬化性組成物を微細な凹凸を有する形状に成形した場合、前記導電性繊維被覆粒子が前記凹凸構造に追従して変形し細部にまで行き渡るため、導電性が不良となる部分の発生を防止することができ、導電性能に優れた硬化物を得ることができること
本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、粒子状物質と、該粒子状物質を被覆する繊維状の導電性物質とを含む導電性繊維被覆粒子を提供する。
また、繊維状の導電性物質が導電性ナノワイヤである前記の導電性繊維被覆粒子を提供する。
また、導電性ナノワイヤが、金属ナノワイヤ、半導体ナノワイヤ、炭素繊維、カーボンナノチューブ、及び導電性高分子ナノワイヤからなる群より選択される少なくとも一種である前記の導電性繊維被覆粒子を提供する。
また、金属ナノワイヤが銀ナノワイヤである前記の導電性繊維被覆粒子を提供する。
また、導電性高分子ナノワイヤが、ポリアセチレン、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、並びにポリチオフェン及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種のポリマーと、該ポリマーのドーパントとにより構成されたナノワイヤである前記の導電性繊維被覆粒子を提供する。
また、繊維状の導電性物質の平均直径が1〜400nmであり、平均長さが1〜100μmである前記の導電性繊維被覆粒子を提供する。
また、粒子状物質が、球状又は棒状の粒子状物質である前記の導電性繊維被覆粒子を提供する。
また、粒子状物質の平均粒子径が0.1〜100μmである前記の導電性繊維被覆粒子を提供する。
また、粒子状物質の10%圧縮強度が3kgf/mm以下である前記の導電性繊維被覆粒子を提供する。
また、粒子状物質と繊維状の導電性物質とを溶媒中で混合することにより得られる前記の導電性繊維被覆粒子を提供する。
また、粒子状物質と、該粒子状物質を被覆する繊維状の導電性物質とを含む導電性繊維被覆粒子の製造方法であって、前記粒子状物質と前記繊維状の導電性物質とを溶媒中で混合する工程を含むことを特徴とする導電性繊維被覆粒子の製造方法を提供する。
また、前記の導電性繊維被覆粒子と、硬化性化合物とを含む硬化性組成物を提供する。
さらに、前記導電性繊維被覆粒子以外の導電性物質を含む前記の硬化性組成物を提供する。
また、前記導電性繊維被覆粒子以外の導電性物質が、繊維状の導電性物質である前記の硬化性組成物を提供する。
また、活性エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化して硬化物を形成する前記の硬化性組成物を提供する。
また、導電性繊維被覆粒子が、硬化性化合物の硬化温度以下の融点を有する熱可塑性樹脂からなる粒子状物質を含む導電性繊維被覆粒子であり、加熱により硬化して硬化物を形成する前記の硬化性組成物を提供する。
また、導電性繊維被覆粒子の含有量が、硬化性化合物100重量部に対して0.01〜30重量部である前記の硬化性組成物を提供する。
また、前記導電性繊維被覆粒子以外の導電性物質の含有量が、導電性繊維被覆粒子100重量部に対して0〜10重量部である前記の硬化性組成物を提供する。
また、粒子状物質の含有量が、硬化性化合物100重量部に対して0.09〜6重量部である前記の硬化性組成物を提供する。
また、繊維状の導電性物質の含有量が、硬化性化合物100重量部に対して0.01〜1重量部である前記の硬化性組成物を提供する。
また、粒子状物質と硬化性化合物の屈折率差が硬化性化合物の屈折率の10%以下である前記の硬化性組成物を提供する。
また、前記の硬化性組成物の製造方法であって、導電性繊維被覆粒子と硬化性化合物とを混合する工程を含む硬化性組成物の製造方法を提供する。
また、下記工程を経て得られた導電性繊維被覆粒子と硬化性化合物とを混合する前記の硬化性組成物の製造方法を提供する。
工程A:粒子状物質と繊維状の導電性物質とを溶媒中で混合することにより導電性繊維被覆粒子分散液を得る工程
工程B:工程Aを経て得られた導電性繊維被覆粒子分散液から溶媒を除去することにより導電性繊維被覆粒子を得る工程
また、前記の硬化性組成物を含む導電性接着剤を提供する。
また、前記の硬化性組成物を含む導電性封止剤を提供する。
また、前記の硬化性組成物を硬化させることにより得られる硬化物を提供する。
また、可視光波長領域における全光線透過率[厚み0.1mm換算]が80%以上である前記の硬化物を提供する。
また、前記の硬化物によって形成された薄膜状の成形体を提供する。
また、硬化性組成物に含まれる導電性繊維被覆粒子を構成する粒子状物質の平均粒子径D[μm]と、成形体の厚みT[μm]とが、下記式(I)の関係を満足することを特徴とする前記の薄膜状の成形体を提供する。
(0.865L+1)D−0.3D≦T≦(0.865L+1)D+0.3D (I)
[式(I)中、Lは0以上の整数を示す]
また、厚み方向の抵抗値が0.1Ω〜100kΩであり、面方向の抵抗値が1MΩ以上である前記の薄膜状の成形体を提供する。
また、前記の成形体を含む透明異方導電フィルムを提供する。
また、少なくとも一方の面に凹凸を有する導電性基板(1)の凹凸を有する面と他の導電性基板(2)の一方の面が前記の硬化物を介して接着されてなる導電性構造体を提供する。
また、前記の導電性接着剤、前記の導電性封止剤、及び前記の薄膜状の成形体からなる群より選択された少なくとも一種を用いて形成された電子デバイスを提供する。
本発明の導電性繊維被覆粒子は上記構成を有するため、少量の添加であっても硬化物に優れた導電性(特に、厚み方向への導電性)を付与することができる。そのため、透明な硬化物に含有させることにより、その透明性を維持しつつ、優れた導電性(特に、厚み方向への導電性)を付与することができる。また、本発明の導電性繊維被覆粒子は、特殊な装置を用いることなく、簡易な工程によって製造することができ、その上、原材料として高価な導電性材料(導電性を有する材料)を多量に使用する必要がないため、原材料コストを削減することができ安価に提供することができる。本発明の導電性繊維被覆粒子は上記効果を兼ね備えるため、本発明の導電性繊維被覆粒子を含む硬化性組成物を硬化することにより、透明性と導電性(特に、厚み方向への導電性)とを併せて有する硬化物を安価に製造することができる。
そして、本発明の導電性繊維被覆粒子の中でも特に柔軟性を有する導電性繊維被覆粒子は、それを含む硬化性組成物を微細な凹凸を有する形状に成形した場合、導電性繊維被覆粒子が前記凹凸構造に追従して変形し細部にまで行き渡ることができるため、導電性が不良となる部分の発生を防止することができ、導電性能に優れた硬化物を得ることができる。そのため、微細な凹凸を有する二つの部材の間に前記柔軟性を有する導電性繊維被覆粒子を含む硬化性組成物を配置して熱圧着すると、前記二つの部材を良好に電気的接続することができる。
また、本発明の導電性繊維被覆粒子を含む硬化性組成物によって形成される薄膜状の成形体について、導電性繊維被覆粒子を構成する粒子状物質の平均粒子径D[μm]と、成形体の厚みT[μm]を特定の範囲に調整することにより、厚み方向に選択的に導電性を示す異方導電性を発現させることが可能であり、前記薄膜状の成形体を使用して2つの部材を電気的に接続する場合は、これら部材の間に前記薄膜状の成形体を配置した後は、特に加熱して圧力を加える熱圧着工程を設けなくても部材間を電気的に接続することができ、該成形体を使用した製品の生産性を向上させることが可能である。
実施例1で得られた導電性繊維被覆粒子(本発明の導電性繊維被覆粒子)の走査型電子顕微鏡像(SEM像)の一例である。 本発明の成形体における導電性繊維被覆粒子の平均粒子径(D)と堆積厚み(L)の関係を説明する概略図(成形体の拡大断面図)である。 柔軟性を有する導電性繊維被覆粒子を含む導電性構造体の一例を示す概略断面図(a)と、柔軟性に乏しい導電性繊維被覆粒子を含む導電性構造体の一例を示す概略断面図(b)(c)である。 実施例で得られた硬化物1のCCD観察像の一例であり、(a)は透過モード、(b)は反射モードで撮影したCCD観察像である。 実施例で得られた硬化物2のCCD観察像の一例であり、(a)は透過モード、(b)は反射モードで撮影したCCD観察像である。 実施例で得られた硬化物6のCCD観察像の一例である(倍率:500)。 実施例で得られた硬化物11のCCD観察像の一例である(倍率:500)。 実施例で得られた硬化物6〜9の体積抵抗率を示すグラフである。
[導電性繊維被覆粒子]
本発明の導電性繊維被覆粒子は、粒子状物質と、該粒子状物質を被覆する繊維状の導電性物質(本明細書では「導電性繊維」と称する場合がある)とを含む導電性繊維被覆粒子である。尚、本発明の導電性繊維被覆粒子において「被覆する」とは、導電性繊維が粒子状物質の表面の一部又は全部を覆った状態を意味する。本発明の導電性繊維被覆粒子においては、導電性繊維が粒子状物質の表面の少なくとも一部を被覆していればよく、例えば、被覆された部分よりも被覆されていない部分の方が多く存在していてもよい。尚、本発明の導電性繊維被覆粒子においては、必ずしも粒子状物質と導電性繊維とが接触している必要はないが、通常、導電性繊維の一部は粒子状物質の表面に接触している。
図1は、本発明の導電性繊維被覆粒子の走査型電子顕微鏡像の一例である。図1に示すように、本発明の導電性繊維被覆粒子は、粒子状物質(図1における真球状の物質)の少なくとも一部が導電性繊維(図1における繊維状の物質)により被覆された構成を有する。
(粒子状物質)
本発明の導電性繊維被覆粒子を構成する粒子状物質は、粒子状の構造体である。
上記粒子状物質を構成する材料(素材)は、特に限定されず、例えば、金属、プラスチック、ゴム、セラミック、ガラス、シリカなどの公知乃至慣用の材料が挙げられる。本発明においては、なかでも、透明プラスチック、ガラス、シリカなどの透明な材料を使用することが好ましく、特に、透明プラスチックを使用することが好ましい。
上記透明プラスチックには熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂等が含まれる。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリレート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;エポキシ樹脂;ポリスルホン樹脂;非晶性ポリオレフィン樹脂;ジビニルベンゼン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルカルビノール、アルキレンジアクリレート、オリゴ又はポリアルキレングリコールジアクリレート、オリゴ又はポリアルキレングリコールジメタクリレート、アルキレントリアクリレート、アルキレンテトラアクリレート、アルキレントリメタクリレート、アルキレンテトラメタクリレート、アルキレンビスアクリルアミド、アルキレンビスメタクリルアミド、両末端アクリル変性ポリブタジエンオリゴマーなどの多官能性モノマーを単独で又はその他のモノマーと重合させて得られる網目状ポリマー;フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/不飽和カルボン酸共重合体、エチレン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/メチルメタクリレート共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/無水マレイン酸共重合体、エチレン/アミノアルキルメタクリレート共重合体、エチレン/ビニルシラン共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体等を挙げることができる。
上記粒子状物質の形状は、特に限定されないが、例えば、球状(真球状、略真球状、楕円球状など)、多面体状、棒状(円柱状、角柱状など)、平板状、りん片状、不定形状等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、導電性繊維被覆粒子を高い生産性で製造でき、硬化性化合物と均一に分散しやすく、硬化物全体への容易に導電性を付与することができる点で、球状、棒状が好ましく、特に好ましくは球状(特に、真球状)である。
上記粒子状物質の平均アスペクト比は、特に限定されないが、20未満(例えば、1以上、20未満)が好ましく、特に好ましくは1〜10である。平均アスペクト比が上記範囲を上回ると、少量の導電性繊維被覆粒子の配合によって硬化性化合物に優れた導電性を発現させることが困難となる場合がある。尚、上記粒子状物質の平均アスペクト比は、例えば、電子顕微鏡(SEM、TEM)を用いて十分な数(例えば、100個以上、好ましくは300個以上;特に、100個、300個)の粒子状物質について電子顕微鏡像を撮影し、これらの粒子状物質のアスペクト比を計測し、算術平均することにより求められる。
また、上記粒子状物質の構成は特に限定されず、単層構成であってもよいし、多層(複層)構成であってもよい。また、上記粒子状物質は、中実粒子、中空粒子、多孔粒子などのいずれであってもよい。
上記粒子状物質の平均粒子径は、特に限定されないが、0.1〜100μmが好ましく、特に好ましくは1〜50μm、最も好ましくは5〜30μmである。平均粒子径が上記範囲を下回ると、少量の導電性繊維被覆粒子の配合によって優れた導電性を発現させることが困難となる場合がある。一方、平均粒子径が上記範囲を上回ると、得られる硬化物(導電性繊維被覆粒子を含む)の透明性が低下する場合がある。上記粒子状物質が異方形状の場合には、長軸(最も長軸の)方向の平均粒子径が上記範囲内に制御されることが好ましい。尚、上記粒子状物質の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によるメディアン径(d50)である。
上記粒子状物質は透明であることが好ましい。具体的には、上記粒子状物質の可視光波長領域における全光線透過率は、特に限定されないが、70%以上が好ましく、特に好ましくは75%以上である。全光線透過率が上記範囲を下回ると、硬化物(導電性繊維被覆粒子を含む)の透明性が低下する場合がある。尚、上記粒子状物質の可視光波長領域における全光線透過率は、該粒子状物質がプラスチック粒子の場合には、粒子状物質1gを型に注型して210℃、4MPaで圧縮成形し、厚さ1mmの平板を得、当該平板の可視光波長領域における全光線透過率をJIS K7361−1に準拠して測定することにより求められる。
少なくとも一方の面に凹凸を有する導電性基板(1)の凹凸を有する面と他の導電性基板(2)の一方の面を接着する用途に使用する場合は、上記粒子状物質は柔軟性を有することが好ましく、10%圧縮強度は例えば3kgf/mm以下、好ましくは2kgf/mm以下、特に好ましくは1kgf/mm以下である。10%圧縮強度が上記範囲である粒子状物質を含む導電性繊維被覆粒子は加圧することにより微細な凹凸構造に追従して変形することができる。そのため、該導電性繊維被覆粒子を含有する硬化性組成物を微細な凹凸構造を有する形状に硬化した場合、該粒子状物質を細部にまで行き渡らせることができ、導電性が不良となる部分の発生を防止することができる。
上記粒子状物質の屈折率は、特に限定されないが、1.4〜2.7が好ましく、特に好ましくは1.5〜1.8である。尚、上記粒子状物質の屈折率は、該粒子状物質がプラスチック粒子の場合には、粒子状物質1gを型に注型して210℃、4MPaで圧縮成形し、厚さ1mmの平板を得、得られた平板から、縦20mm×横6mmの試験片を切り出し、中間液としてモノブロモナフタレンを使用してプリズムと該試験片とを密着させた状態で、多波長アッベ屈折計(商品名「DR−M2」、(株)アタゴ製)を使用し、20℃、ナトリウムD線での屈折率を測定することにより求めることができる。
また、上記粒子状物質は、バインダー樹脂として使用する硬化性化合物との屈折率差が小さいこと(例えば、粒子状物質と硬化性化合物の屈折率差が硬化性化合物の屈折率の10%以下程度であること)が、より透明性に優れた硬化物を得ることができる点で好ましい。
すなわち、上記粒子状物質と硬化性化合物の屈折率差が下記関係を満たすことが、より透明性に優れた硬化物を得ることができる点好ましい。
|粒子状物質の屈折率−硬化性化合物の屈折率|/硬化性化合物の屈折率≦0.1
−0.1≦(粒子状物質の屈折率−硬化性化合物の屈折率)/硬化性化合物の屈折率≦0.1
上記粒子状物質は、公知乃至慣用の方法により製造でき、その製造方法は特に限定されない。例えば、金属粒子の場合には、CVD法や噴霧熱分解法等の気相法や、化学的還元反応による湿式法などにより製造できる。また、プラスチック粒子の場合には、例えば、上記で例示した樹脂(ポリマー)を構成するモノマーを懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法等の公知の重合方法により重合する方法などにより製造できる。
本発明においては市販品を使用することもできる。熱硬化性樹脂から成る粒子状物質としては、例えば、商品名「テクポリマー MBXシリーズ」、「テクポリマー BMXシリーズ」、「テクポリマー ABXシリーズ」、「テクポリマー ARXシリーズ」、「テクポリマー AFXシリーズ」(以上、積水化成品工業(株)製)、商品名「ミクロパールSP」、「ミクロパールSI」(以上、積水化学工業(株)製);熱可塑性樹脂から成る粒子状物質としては、例えば、商品名「ソフトビーズ」(住友精化(株)製)、商品名「デュオマスター」(積水化成品工業(株)製)等を使用することができる。
(繊維状の導電性物質(導電性繊維))
本発明の導電性繊維被覆粒子を構成する導電性繊維は、導電性を有する繊維状の構造体(線状構造体)である。上記導電性繊維の形状は繊維状(ファイバー状)であればよく、特に限定されないが、その平均アスペクト比は、10以上(例えば、20〜5000)が好ましく、特に好ましくは50〜3000、最も好ましくは100〜1000である。平均アスペクト比が上記範囲を下回ると、少量の導電性繊維被覆粒子の配合によって優れた導電性を発現させることが困難となる場合がある。上記導電性繊維の平均アスペクト比は、粒子状物質の平均アスペクト比と同様の手順で求められる。尚、上記導電性繊維における「繊維状」の概念には、「ワイヤー状」、「ロッド状」等の各種の線状構造体の形状も含まれる。また、本明細書においては、平均太さが1000nm以下の繊維を「ナノワイヤ」と称する場合がある。
上記導電性繊維の平均太さ(平均直径)は、特に限定されないが、1〜400nmが好ましく、特に好ましくは10〜200nm、最も好ましくは50〜100nmである。平均太さが上記範囲を下回ると、導電性繊維同士が凝集しやすく、導電性繊維被覆粒子の製造が困難となる場合がある。一方、平均太さが上記範囲を上回ると、粒子状物質を被覆することが困難となり、効率的に導電性繊維被覆粒子を得ることが困難となる場合がある。上記導電性繊維の平均太さは、電子顕微鏡(SEM、TEM)を用いて十分な数(例えば、100個以上、好ましくは300個以上;特に、100個、300個)の導電性繊維について電子顕微鏡像を撮影し、これらの導電性繊維の太さ(直径)を計測し、算術平均することにより求められる。
上記導電性繊維の平均長さは、特に限定されないが、1〜100μmが好ましく、特に好ましくは5〜80μm、最も好ましくは10〜50μmである。平均長さが上記範囲を下回ると、粒子状物質を被覆することが困難となり、効率的に導電性繊維被覆粒子を得ることができなくなる場合がある。一方、平均長さが上記範囲を上回ると、導電性繊維が複数の粒子に付着乃至吸着し、導電性繊維被覆粒子の凝集(分散性の悪化)を引き起こす場合がある。上記導電性繊維の平均長さは、電子顕微鏡(SEM、TEM)を用いて十分な数(例えば、100個以上、好ましくは300個以上;特に、100個、300個)の導電性繊維について電子顕微鏡像を撮影し、これらの導電性繊維の長さを計測し、算術平均することにより求められる。尚、導電性繊維の長さについては、直線状に伸ばした状態で計測すべきであるが、現実には屈曲しているものが多いため、電子顕微鏡像から画像解析装置を用いて導電性繊維の投影径及び投影面積を算出し、円柱体を仮定して下記式から算出するものとする。
長さ=投影面積/投影径
上記導電性繊維を構成する材料(素材)は、導電性を有する素材であればよく、例えば、金属、半導体、炭素材料、導電性高分子等を挙げることができる。
上記金属としては、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、コバルト、錫、及びこれらの合金等の公知乃至慣用の金属を挙げることができる。本発明においては、なかでも、導電性に優れる点で銀が好ましい。
上記半導体としては、例えば、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等の公知乃至慣用の半導体を挙げることができる。
上記炭素材料としては、例えば、炭素繊維、カーボンナノチューブ等の公知乃至慣用の炭素材料を挙げることができる。
上記導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、及びこれらの誘導体(例えば、共通するポリマー骨格にアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エチレンジオキシ基等の置換基を有するもの;具体的には、ポリエチレンジオキシチオフェン等)等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、ポリアセチレン、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体が好ましい。尚、上記導電性高分子には、公知乃至慣用のドーパント(例えば、ハロゲン、ハロゲン化物、ルイス酸等のアクセプター;アルカリ金属、アルカリ土類金属等のドナー等)が含まれていてもよい。
本発明の導電性繊維としては導電性ナノワイヤが好ましく、特に、金属ナノワイヤ、半導体ナノワイヤ、炭素繊維、カーボンナノチューブ、及び導電性高分子ナノワイヤからなる群より選択される少なくとも一種の導電性ナノワイヤが好ましく、特に導電性に優れる点で銀ナノワイヤが最も好ましい。
上記導電性繊維は、公知乃至慣用の製造方法により製造することができる。例えば、上記金属ナノワイヤは、液相法や気相法等により製造することができる。より具体的には、銀ナノワイヤは、例えば、Mater.Chem.Phys.2009,114,333−338、Adv.Mater.2002,14,P833−837や、Chem.Mater.2002,14,P4736−4745、特表2009−505358号公報に記載の方法により製造することができる。また、金ナノワイヤは、例えば、特開2006−233252号公報に記載の方法により製造することができる。また、銅ナノワイヤは、例えば、特開2002−266007号公報に記載の方法により製造することができる。また、コバルトナノワイヤは、例えば、特開2004−149871号公報に記載の方法により製造することができる。更に、半導体ナノワイヤは、例えば、特開2010−208925号公報に記載の方法により製造することができる。上記炭素繊維は、例えば、特開平06−081223号公報に記載の方法により製造することができる。上記カーボンナノチューブは、例えば、特開平06−157016号公報に記載の方法により製造することができる。上記導電性高分子ナノワイヤは、例えば、特開2006−241334号公報、特開2010−76044号公報に記載の方法により製造することができる。上記導電性繊維としては、市販品を使用することも可能である。
[導電性繊維被覆粒子の製造方法]
本発明の導電性繊維被覆粒子は、上述の粒子状物質と導電性繊維とを溶媒中で混合することにより製造することができる。本発明の導電性繊維被覆粒子の製造方法として、具体的には、下記の(1)〜(4)の方法等を挙げることができる。
(1)上記粒子状物質を溶媒に分散させた分散液(「粒子分散液」と称する)と、上記導電性繊維を溶媒に分散させた分散液(「繊維分散液」と称する)とを混合し、必要に応じて溶媒を除去して、本発明の導電性繊維被覆粒子(又は該導電性繊維被覆粒子の分散液)を得る。
(2)上記粒子分散液に上記導電性繊維を配合し、混合した後、必要に応じて溶媒を除去して、本発明の導電性繊維被覆粒子(又は該導電性繊維被覆粒子の分散液)を得る。
(3)上記繊維分散液に上記粒子状物質を配合し、混合した後、必要に応じて溶媒を除去して、本発明の導電性繊維被覆粒子(又は該導電性繊維被覆粒子の分散液)を得る。
(4)溶媒に上記粒子状物質及び上記導電性繊維を配合し、混合した後、必要に応じて溶媒を除去して、本発明の導電性繊維被覆粒子(又は該導電性繊維被覆粒子の分散液)を得る。
本発明においては、なかでも、均質な導電性繊維被覆粒子が得られる点で、上記(1)の方法が好ましい。
本発明の導電性繊維被覆粒子を製造する際に使用される溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル等を挙げることができる。これらは一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて(即ち、混合溶媒として)使用することができる。本発明においては、なかでも、アルコール、ケトンが好ましい。
また、後述する硬化性化合物が液状のものであれば(例えば、エポキシ化合物)、これを上記溶媒として使用することも可能である。液状の硬化性化合物を溶媒として使用することにより、溶媒を除去する工程を経ることなく、硬化性化合物と本発明の導電性繊維被覆粒子とを含む硬化性組成物を得ることができる。
上記溶媒の粘度は、特に限定されないが、導電性繊維被覆粒子を効率的に製造することができる点で、25℃における粘度が10cP以下(例えば、0.1〜10cP)であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜5cPである。尚、溶媒の25℃における粘度は、例えば、E型粘度計(商品名「VISCONIC」、(株)トキメック製)を用いて測定することができる(ローター:1°34’×R24、回転数:0.5rpm、測定温度:25℃)。
上記溶媒の1気圧における沸点は、導電性繊維被覆粒子を効率的に製造することができる点で、200℃以下が好ましく、特に好ましくは150℃以下、最も好ましくは120℃以下である。
溶媒中で粒子状物質と導電性繊維とを混合する際の上記粒子状物質の含有量は、溶媒100重量部に対して、例えば0.1〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部である。粒子状物質の含有量を上記範囲に制御することにより、導電性繊維被覆粒子をより効率的に生成することができる。
溶媒中で粒子状物質と導電性繊維とを混合する際の上記導電性繊維の含有量は、溶媒100重量部に対して、例えば0.1〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部である。導電性繊維の含有量を上記範囲に制御することにより、導電性繊維被覆粒子をより効率的に生成することができる。
溶媒中で粒子状物質と導電性繊維とを混合する際の上記粒子状物質と上記導電性繊維の割合は、粒子状物質の表面積と導電性繊維の投影面積との比[表面積/投影面積]が、例えば100/1〜100/100程度、好ましくは100/10〜100/50となるような割合であることが好ましい。上記比を上記範囲に制御することにより、導電性繊維被覆粒子をより効率的に生成することができる。尚、上記粒子状物質の表面積は、BET法(JIS Z8830に準拠)により求めた比表面積に粒子状物質の質量(使用量)を乗ずる方法により求められる。また、上記導電性繊維の投影面積は、上述のように、電子顕微鏡(SEM、TEM)を用いて十分な数(例えば、100個以上、好ましくは300個以上;特に、100個、300個)の導電性繊維について電子顕微鏡像を撮影し、画像解析装置を用いてこれらの導電性繊維の投影面積を算出し、算術平均することにより求められる。
粒子状物質と導電性繊維とを混合後、溶媒を除去することによって、本発明の導電性繊維被覆粒子を固体として得ることができる。溶媒の除去は、特に限定されず、例えば、加熱、減圧留去等の公知乃至慣用の方法により実施できる。尚、溶媒は必ずしも除去する必要はなく、例えば、本発明の導電性繊維被覆粒子の分散液としてそのまま使用することもできる。
本発明の導電性繊維被覆粒子は、上述のように、原料(粒子状物質及び導電性繊維)を溶媒中で混合することによって製造することができ、複雑な工程を必要としないため、製造コストの面で有利である。このように、溶媒中での混合という簡便な方法により製造することができるのは、原材料として使用する繊維状の導電性物質(特に、平均アスペクト比が10以上の導電性繊維)の表面エネルギーが大きく、表面エネルギーを下げて安定化するために優先的に粒子表面へ付着乃至吸着することによるものと推測される。
特に、粒子状物質と導電性繊維の組み合わせとして、平均粒子径A[μm]の粒子状物質と平均長さA[μm]以上(好ましくはA×1.5[μm]以上、特に好ましくはA×2.0[μm]以上、最も好ましくはA×3.0[μm]以上)の導電性繊維を使用することによって、より効率的に本発明の導電性繊維被覆粒子を製造することができる。特に、真球状又は略真球状の粒子状物質の場合には、平均周長B[μm]の粒子状物質と平均長さ(B×2/3)[μm]以上(好ましくは、B[μm]以上)の導電性繊維を使用することが好ましい。尚、上記粒子状物質の平均周長は、電子顕微鏡(SEM、TEM)を用いて十分な数(例えば、100個以上、好ましくは300個以上;特に、100個、300個等)の粒子状物質について電子顕微鏡像を撮影し、これらの粒子状物質の周長を計測し、算術平均することにより求められる。
本発明の導電性繊維被覆粒子を構成する粒子状物質と導電性繊維の割合は、粒子状物質の表面積と導電性繊維の投影面積との比[表面積/投影面積]が、例えば100/1〜100/100程度(特に100/10〜100/50)となるような割合であることが、硬化物の透明性を確保しつつ、より効率的に導電性を付与することができる点で好ましい。尚、上記粒子状物質の表面積及び導電性繊維の投影面積は、それぞれ上述の方法により求められる。
本発明の導電性繊維被覆粒子は透明であることが好ましい。具体的には、本発明の導電性繊維被覆粒子の可視光波長領域における全光線透過率は、特に限定されないが、70%以上が好ましく、特に好ましくは75%以上である。全光線透過率が上記範囲を下回ると、硬化物(導電性繊維被覆粒子を含む)の透明性が低下する場合がある。尚、導電性繊維被覆粒子の可視光波長領域における全光線透過率は、該導電性繊維被覆粒子における粒子状物質がプラスチック粒子の場合には、導電性繊維被覆粒子1gを型に注型して210℃、4MPaで圧縮成形し、厚さ1mmの平板を得、当該平板の可視光波長領域における全光線透過率をJIS K7361−1に準拠して測定することにより求められる。
本発明の導電性繊維被覆粒子は上記構成を有するため、硬化物に少量を添加することで優れた導電性(特に、厚み方向への導電性)を付与することができ、透明性と導電性に優れた硬化物を形成することができる。
そして、本発明の導電性繊維被覆粒子が柔軟性を有する場合(例えば、10%圧縮強度が3kgf/mm以下の場合)は、当該導電性繊維被覆粒子を含む硬化性組成物を微細な凹凸を有する形状に成形した際、導電性繊維被覆粒子が前記凹凸構造に追従して変形し細部にまで行き渡るため、導電性が不良となる部分の発生を防止することができ、導電性能に優れた硬化物を形成することができる。
また、本発明の導電性繊維被覆粒子が熱可塑性樹脂から成る粒子状物質を含有し、且つ、当該熱可塑性樹脂の融点が硬化性化合物の硬化温度(加熱により硬化させる際の温度)以下である場合は、当該導電性繊維被覆粒子を含む硬化性組成物を加熱して硬化させる際に、前記導電性繊維被覆粒子に含まれる熱可塑性樹脂から成る粒子状物質が融解するため、光散乱の原因となる界面(硬化性組成物と導電性繊維被覆粒子との界面)がなくなり、極めて優れた透明性を有する硬化物を形成することができる。更に、前記熱可塑性樹脂から成る粒子状物質が融解することにより内部応力が低減されるので、得られる硬化物において変形やクラックの発生を防止することもできる。
[硬化性組成物]
本発明の硬化性組成物は、導電性繊維被覆粒子と硬化性化合物とを含む。尚、硬化性組成物において本発明の導電性繊維被覆粒子は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記硬化性化合物としては、例えば、熱可塑性樹脂や硬化性樹脂の原料となる化合物を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。尚、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等)、ビニル系重合体(例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン等)、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン61、ナイロン6T、ナイロン9T等)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等を挙げることができる。前記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、アリル樹脂(例えば、ジアリルフタレート樹脂等)、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。
上記硬化性化合物としては、なかでも、成形が容易であり、機械物性や透明性に優れた硬化物を得やすい点で、硬化性樹脂の原料となる化合物(すなわち、活性エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化して硬化物を形成する化合物、例えば、熱カチオン硬化性化合物、活性エネルギー線カチオン硬化性化合物、熱ラジカル硬化性化合物、活性エネルギー線ラジカル硬化性化合物等)が好ましく、特にエポキシ化合物が好ましい。
前記エポキシ化合物には、例えば、芳香族グリシジルエーテル系エポキシ化合物;脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ化合物;グリシジルエステル系エポキシ化合物;グリシジルアミン系エポキシ化合物;脂環式エポキシ化合物等の公知乃至慣用のエポキシ化合物が含まれる。
上記芳香族グリシジルエーテル系エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAのクレゾールノボラック型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、トリスフェノールメタン型エポキシ化合物等を挙げることができる。
上記脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、テトラメチレングリコール等の脂肪族多価アルコールのモノ又はポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
上記脂環式エポキシ化合物[分子内(一分子中)に脂環(脂肪族環)構造とエポキシ基とを少なくとも有する化合物]としては、例えば、(i)脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基(脂環エポキシ基)を有する化合物、(ii)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物、(iii)水素化グリシジルエーテル系エポキシ化合物等を挙げることができる。
上述の脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基(脂環エポキシ基)としては、シクロヘキセンオキシド基(シクロヘキサン環を構成する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基)が好ましい。即ち、(i)脂環エポキシ基を有する化合物としては、分子内に1以上のシクロヘキセンオキシド基を有する化合物が好ましく、特に、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
上記式(1)中、Xは1価の有機基を示す。上記1価の有機基としては、例えば、炭化水素基(1価の炭化水素基)、アルコキシ基(例えば、C1−6アルコキシ基)、アルケニルオキシ基(例えば、C2−6アルケニルオキシ基)、アリールオキシ基(例えば、C6−14アリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(例えば、C7−18アラルキルオキシ基)、アシルオキシ基(例えば、C1−12アシルオキシ基)、アルキルチオ基(例えば、C1−6アルキルチオ基)、アルケニルチオ基(例えば、C2−6アルケニルチオ基)、アリールチオ基(例えば、C6−14アリールチオ基)、アラルキルチオ基(例えば、C7−18アラルキルチオ基)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えば、C1−6アルコキシ−カルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、C6−14アリールオキシ−カルボニル基)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、C7−18アラルキルオキシ−カルボニル基)、グリシジル基、エポキシ基、シアノ基、イソシアナート基、カルバモイル基、イソチオシアナート基、及びこれらの基と後述の連結基(1以上の原子を有する2価の基)が結合した基等を挙げることができる。
上記炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらが2以上結合した基等を挙げることができる。
上記脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、デシル基、ドデシル基等のC1−20アルキル基;ビニル基、アリル基、メタリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基等のC2−20アルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のC2−20アルキニル基等を挙げることができる。
上記脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等のC3−12のシクロアルキル基;シクロヘキセニル基等のC3−12のシクロアルケニル基;ビシクロヘプタニル基、ビシクロヘプテニル基等のC4−15の架橋環式炭化水素基等を挙げることができる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のC6−14アリール基(特に、C6−10アリール基)等を挙げることができる。
また、上記脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した基としては、例えば、シクロヘキシルメチル基等のC3−12シクロアルキル−C1−20アルキル基;メチルシクロヘキシル基等のC1−20アルキル−C3−12シクロアルキル基等を挙げることができる。脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等のC7−18アラルキル基;シンナミル基等のC6−10アリール−C2−6アルケニル基;トリル基等のC1−4アルキル置換アリール基;スチリル基等のC2−4アルケニル置換アリール基等を挙げることができる。
上記炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基等のC1−6アルコキシ基;アリルオキシ基等のC2−6アルケニルオキシ基;芳香環にC1−4アルキル基、C2−4アルケニル基、ハロゲン原子、及びC1−4アルコキシ基から選択される置換基を有していてもよいC6−14アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基等);ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のC7−18アラルキルオキシ基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のC1−12アシルオキシ基;メルカプト基;メチルチオ基、エチルチオ基等のC1−6アルキルチオ基;アリルチオ基等のC2−6アルケニルチオ基;芳香環にC1−4アルキル基、C2−4アルケニル基、ハロゲン原子、及びC1−4アルコキシ基から選択される置換基を有していてもよいC6−14アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、トリルチオ基、ナフチルチオ基等);ベンジルチオ基、フェネチルチオ基等のC7−18アラルキルチオ基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等のC1−6アルコキシ−カルボニル基;フェノキシカルボニル基、トリルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等のC6−14アリールオキシ−カルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基等のC7−18アラルキルオキシ−カルボニル基;アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のモノ又はジ−C1−6アルキルアミノ基;アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のC1−11アシルアミノ基;エポキシ基、グリシジル基、グリシジルオキシ基、シクロヘキセンオキシド基等のエポキシ基含有基;エチルオキセタニルオキシ基等のオキセタニル基含有基;アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル基;オキソ基;及びこれらの2以上がC1−6アルキレン基を介して、又は介することなく結合した基等を挙げることができる。
上記式(1)で表される化合物のなかでも、特に、耐熱性、耐光性に優れる硬化物が得られる点で、下記式(2)で表される化合物が好ましい。
上記式(2)中、Yは単結合又は連結基(1以上の原子を有する2価の基)を示す。前記連結基としては、例えば、2価の炭化水素基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート基、アミド基、及びこれらが複数個連結した基等を挙げることができる。
式(2)中のYが単結合である脂環式エポキシ化合物としては、例えば、(3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル等を挙げることができる。
上記2価の炭化水素基としては、炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基等を挙げることができる。炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等を挙げることができる。2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等の2価のシクロアルキレン基、2価のシクロアルキリデン基等を挙げることができる。
上記連結基Yとしては、特に、酸素原子を含有する連結基が好ましく、具体的には、−CO−(カルボニル基)、−O−CO−O−(カーボネート基)、−COO−(エステル結合)、−O−(エーテル結合)、−CONH−(アミド結合);これらの基が複数個連結した基;これらの基の1又は2以上と2価の炭化水素基の1又は2以上とが連結した基等が好ましい。2価の炭化水素基としては上記で例示したもの等を挙げることができる。
上記式(2)で表される脂環式エポキシ化合物の代表的な例としては、下記式(2−1)〜(2−10)で表される化合物等を挙げることができる。尚、下記式(2−5)、(2−7)中のl、mは、それぞれ1〜30の整数を表す。下記式(2−5)中のRは炭素数1〜8のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、s−ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基等を挙げることができる。これらのなかでも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基等の炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。下記式(2−9)、(2−10)中のn1〜n6は、それぞれ1〜30の整数を示す。
(i)脂環エポキシ基を有する化合物としては、例えば、商品名「セロキサイド2021P」、「セロキサイド2081」(以上、(株)ダイセル製)等の市販品を使用することができる。
(ii)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している脂環式エポキシ化合物としては、例えば、下記式(3)で表される化合物等を挙げることができる。
式(3)中、R’はp価のアルコールからp個の−OHを除した基(残基)であり、p、nはそれぞれ自然数を表す。p価のアルコール[R’−(OH)]としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノール等の多価アルコール(好ましくは、炭素数1〜15の多価アルコール)等を挙げることができる。pは1〜6が好ましく、nは1〜30が好ましい。pが2以上の場合、それぞれの( )内(丸括弧内)の基におけるnは同一であってもよく、異なっていてもよい。上記化合物としては、具体的には、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等を挙げることができる。
(iii)水素化グリシジルエーテル系エポキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]プロパン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]プロパン等のビスフェノールA型エポキシ化合物を水素化した化合物(水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物);ビス[o,o−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]メタン、ビス[o,p−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]メタン、ビス[p,p−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]メタン等のビスフェノールF型エポキシ化合物を水素化した化合物(水素化ビスフェノールF型エポキシ化合物);水添ビフェノール型エポキシ化合物;水添フェノールノボラック型エポキシ化合物;水添クレゾールノボラック型エポキシ化合物;ビスフェノールAの水添クレゾールノボラック型エポキシ化合物;水添ナフタレン型エポキシ化合物;トリスフェノールメタン型エポキシ化合物の水添物等を挙げることができる。
本発明の硬化性化合物としては、なかでも、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、(3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシルが好ましい。
硬化性組成物における導電性繊維被覆粒子の含有量(配合量)は、硬化性化合物100重量部に対して、例えば0.01〜30重量部程度、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜15重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。導電性繊維被覆粒子の含有量が上記範囲を下回ると、用途によっては、得られる硬化物の導電性が不十分となる場合がある。一方、導電性繊維被覆粒子の含有量が上記範囲を上回ると、用途によっては、得られる硬化物の透明性が不十分となる場合がある。
硬化性組成物における上記導電性繊維被覆粒子の含有量は、硬化性組成物の全量(100体積%)に対して、0.1〜60体積%が好ましく、より好ましくは0.2〜60体積%、特に好ましくは0.3〜50体積%、最も好ましくは0.3〜40体積%である。
特に、異方導電性(特定の方向に導電性を有するがそれ以外の方向には絶縁性であるような、電気的異方性)を発現させる場合、硬化性組成物における上記導電性繊維被覆粒子の含有量は、硬化性組成物の全量(100体積%)に対して、30体積%以下(例えば、0.1〜10体積%)が好ましく、特に好ましくは0.3〜5体積%である。導電性繊維被覆粒子の含有量を上記範囲に調整することにより、優れた導電性を発現させることができる。一方、導電性繊維被覆粒子の含有量が上記範囲を上回ると、異方導電性を発現させることが困難となる場合がある。なお、導電性繊維被覆粒子の含有量は、例えば、導電性繊維被覆粒子の総重量を粒子(導電性繊維被覆粒子)の密度で割ることで概算できる。
硬化性組成物における全光線透過率が90%以上(厚み0.1mm換算)の導電性繊維被覆粒子の含有量(配合量)は、硬化性化合物100重量部に対して、例えば0.01〜7重量部程度、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜3.7重量部、さらに好ましくは0.3〜3.7重量部、特に好ましくは0.3〜3.0重量部、最も好ましくは0.5〜2.0重量部である。光線透過率90%以上(厚み0.1mm換算)の導電性繊維被覆粒子の含有量が上記範囲を下回ると、用途によっては、得られる硬化物の導電性が不十分となる場合がある。一方、光線透過率90%以上(厚み0.1mm換算)の導電性繊維被覆粒子の含有量が上記範囲を上回ると、用途によっては、得られる硬化物の透明性が不十分となる場合がある。
硬化性組成物における全光線透過率が90%以上(厚み0.1mm換算)の導電性繊維被覆粒子の含有量は、硬化性組成物の全量(100体積%)に対して、例えば0.02〜8.0体積%程度、好ましくは0.1〜6.0体積%、特に好ましくは0.4〜3.5体積%、最も好ましくは0.6〜2.5体積%である。
硬化性組成物における粒子状物質(導電性繊維被覆微粒子に含まれる粒子状物質)の含有量(配合量)は、硬化性化合物100重量部に対して、例えば0.09〜6.0重量部程度、好ましくは0.1〜4.0重量部、より好ましくは0.3〜3.5重量部、さらに好ましくは0.3〜3.0重量部、特に好ましくは0.3〜2.5重量部、最も好ましくは0.5〜2.0重量部である。前記粒子状物質の含有量が上記範囲を下回ると、用途によっては、得られる硬化物の導電性が不十分となる場合がある。一方、前記粒子状物質の含有量が上記範囲を上回ると、用途によっては、得られる硬化物の透明性が不十分となる場合がある。
硬化性組成物における前記粒子状物質の含有量は、硬化性組成物の全量(100体積%)に対して、例えば0.02〜7体積%程度、好ましくは0.1〜5体積%、特に好ましくは0.3〜3体積%、最も好ましくは0.4〜2体積%である。
硬化性組成物における導電性繊維の含有量(配合量)は、硬化性化合物100重量部に対して、例えば0.01〜1.0重量部程度、好ましくは0.02〜0.8重量部、より好ましくは0.03〜0.6重量部、特に好ましくは0.03〜0.4重量部、特に好ましくは0.03〜0.2重量部である。前記導電性繊維の含有量が上記範囲を下回ると、用途によっては、得られる硬化物の導電性が不十分となる場合がある。一方、前記導電性繊維の含有量が上記範囲を上回ると、用途によっては、得られる硬化物の透明性が不十分となる場合がある。
硬化性組成物における前記前記導電性繊維の含有量は、硬化性組成物の全量(100体積%)に対して、0.01〜1.1体積%が好ましく、より好ましくは0.02〜0.9体積%、特に好ましくは0.03〜0.7体積%、最も好ましくは0.03〜0.4体積%である。
また、上記硬化性組成物全量(100重量%)における硬化性化合物(特に、エポキシ化合物)の含有量(配合量)は、例えば1〜99重量%程度、好ましくは10〜99重量%、特に好ましくは15〜99重量%である。硬化性化合物の含有量が上記範囲を下回ると、用途によっては、得られる硬化物の機械強度等が不十分となる場合がある。一方、硬化性化合物の含有量が上記範囲を上回ると、用途によっては、得られる硬化物の導電性が不十分となる場合がある。
本発明の硬化性組成物は、更に、硬化性化合物と反応して硬化する化合物(硬化剤)を含んでいてもよい。上記硬化剤としては、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等の25℃で液状の酸無水物等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等の常温(約25℃)で固体状の酸無水物は、常温(約25℃)で液状の酸無水物に溶解させて液状の混合物とすることで、本発明の硬化剤として使用することができる。本発明においては、耐熱性、耐光性、及び耐クラック性に優れた硬化物を得ることができる点で、飽和単環炭化水素ジカルボン酸の無水物(環にアルキル基等の置換基が結合したものも含む)が好ましい。
上記硬化剤としては、例えば、商品名「リカシッド MH−700」、「リカシッド MH−700F」(以上、新日本理化(株)製)、商品名「HN−5500」(日立化成工業(株)製)等の市販品を使用することができる。
本発明の硬化性組成物における硬化剤の含有量(配合量)は、硬化性化合物(例えば、エポキシ化合物)100重量部に対して、例えば50〜200重量部程度、好ましくは100〜145重量部である。より具体的には、本発明の硬化性組成物に含まれる全ての硬化性化合物が有する硬化性官能基(例えば、エポキシ基)1当量当たり、0.5〜1.5当量となる割合で使用することが好ましい。硬化剤を上記範囲内で使用することにより、耐熱性、耐光性、透明性に優れた硬化物を得ることができる。
本発明の硬化性組成物に上記硬化剤を使用する場合、硬化速度を促進する化合物(硬化促進剤)を共に使用することが好ましい。上記硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、及びその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩);1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、及びその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩);ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等の3級アミン;2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール;リン酸エステル、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラ(p−トリル)ボレート等のホスホニウム化合物;オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛等の有機金属塩;金属キレート等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記硬化促進剤としては、商品名「U−CAT SA 506」、「U−CAT SA 102」、「U−CAT 5003」、「U−CAT 18X」(以上、サンアプロ(株)製)、「TPP−K」、「TPP−MK」(以上、北興化学工業(株)製)、「PX−4ET」(日本化学工業(株)製)等の市販品を使用することができる。
本発明の硬化性組成物における硬化促進剤の含有量(配合量)は、硬化性組成物に含まれる硬化性化合物(例えば、エポキシ化合物)100重量部に対して、例えば0.05〜5重量部程度、好ましくは0.1〜3重量部、特に好ましくは0.2〜3重量部、最も好ましくは0.25〜2.5重量部である。硬化促進剤を上記範囲内で使用することにより、耐熱性、耐光性、透明性に優れた硬化物を得ることができる。
本発明の硬化性組成物は、上述の硬化剤及び硬化促進剤に代えて硬化触媒を含んでいてもよい。硬化触媒を用いることによって、硬化性化合物(例えば、エポキシ化合物)の硬化反応を進行させ、硬化物を形成することができる。上記硬化触媒としては、例えば、活性エネルギー線照射(特に、紫外線照射)又は加熱処理を施すことによりカチオン種を発生して、重合を開始させるカチオン触媒(カチオン重合開始剤)等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
活性エネルギー線照射(特に、紫外線照射)によりカチオン種を発生するカチオン触媒としては、例えば、ヘキサフルオロアンチモネート塩、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアルゼネート塩等を挙げることができ、例えば、商品名「UVACURE1590」(ダイセル・サイテック(株)製)、商品名「CD−1010」、「CD−1011」、「CD−1012」(以上、米国サートマー製)、商品名「イルガキュア264」(チバ・ジャパン(株)製)、商品名「CIT−1682」(日本曹達(株)製)等の市販品を使用することができる。
加熱処理を施すことによりカチオン種を発生するカチオン触媒としては、例えば、アリールジアゾニウム塩、アリールヨードニウム塩、アリールスルホニウム塩、アレン−イオン錯体、キレート化合物(例えば、アルミニウムやチタン等の金属とアセト酢酸若しくはジケトン類とのキレート化合物)とシラノール(例えば、トリフェニルシラノール等)との化合物、及び前記キレート化合物とフェノール類(例えば、ビスフェノールS等)との化合物等を挙げることができる。本発明においては、例えば、商品名「PP−33」、「CP−66」、「CP−77」(以上、(株)ADEKA製)、商品名「FC−509」(スリーエム製)、商品名「UVE1014」(G.E.製)、商品名「サンエイド SI−B3」、「サンエイド SI−60L」、「サンエイド SI−80L」、「サンエイド SI−100L」、「サンエイド SI−110L」、「サンエイド SI−150L」(以上、三新化学工業(株)製)、商品名「CG−24−61」(チバ・ジャパン製)等の市販品を使用することができる。
硬化触媒の含有量(配合量)は、硬化性組成物に含まれる硬化性化合物(例えば、エポキシ化合物)100重量部に対して、例えば0.01〜15重量部程度、好ましくは0.01〜12重量部、特に好ましくは0.05〜10重量部、最も好ましくは0.1〜10重量部である。硬化触媒を上記範囲内で使用することにより、耐熱性、耐光性、透明性に優れた硬化物を得ることができる。
本発明の硬化性組成物は、更に、本発明の導電性繊維被覆粒子以外の導電性物質(「その他の導電性物質」と称する場合がある)を含有していてもよい。その他の導電性物質としては、公知乃至慣用の導電性物質を使用することができ、特に限定されない。例えば、上述の導電性繊維を使用してもよい。
本発明の硬化性組成物における上記その他の導電性物質(例えば、導電性繊維)の含有量(配合量)は、導電性繊維被覆粒子100重量部に対して、例えば0〜10重量部程度、好ましくは0〜5重量部、特に好ましくは0〜1重量部である。
本発明の硬化性組成物は、上記以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で各種添加剤を含有していてもよい。上記添加剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の水酸基を有する化合物;シリコーン系やフッ素系消泡剤;レベリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;界面活性剤;シリカ、アルミナ等の無機充填剤;難燃剤;着色剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;イオン吸着体;顔料;蛍光体;離型剤等の慣用の添加剤を挙げることができる。
本発明の硬化性組成物は、上記導電性繊維被覆粒子(又は導電性繊維被覆粒子の分散液)と硬化性化合物と、必要に応じて使用するその他の添加剤の全てを予め混合してもよく(1液型)、上記導電性繊維被覆粒子と硬化性化合物と、必要に応じて使用するその他の添加剤の一部を別に保管し[多液型(例えば、2液型)]、使用直前に所定の割合で混合してもよい。
本発明の硬化性組成物は上記特性を有するため、透明性と導電性(特に、厚み方向への導電性)に優れた硬化物を安価に形成できる。そして、本発明の硬化性組成物が柔軟性を有する導電性繊維被覆粒子を含有する場合、微細な凹凸を有する形状に成形しても、導電性繊維被覆粒子が前記凹凸構造に追従して変形し細部にまで行き渡るため、導電性が不良となる部分の発生を防止することができ、導電性能に優れた硬化物を形成することができる。また、特に、導電性繊維被覆粒子として、熱可塑性樹脂から成る粒子状物質が繊維状の導電性物質で被覆された構成を有し、柔軟性を有する導電性繊維被覆粒子を使用する場合は、加熱して硬化させる際に、導電性繊維被覆粒子が前記凹凸構造に追従して変形し細部にまで行き渡り、その後、前記導電性繊維被覆粒子に含まれる熱可塑性樹脂から成る粒子状物質が溶解するため、光散乱の原因となる界面(硬化性組成物と導電性繊維被覆粒子との界面)がなくなり、極めて優れた透明性を有する硬化物を形成することができる。更に、前記熱可塑性樹脂から成る粒子状物質が溶解することにより内部応力が低減されるので、クラックの発生が極めて低い硬化物を形成することができる。
[硬化性組成物の製造方法]
本発明の硬化性組成物は、上記導電性繊維被覆粒子(又は導電性繊維被覆粒子の分散液)と硬化性化合物と、必要に応じてその他の添加剤を混合することにより製造することができ、例えば、
(1)粒子状物質と繊維状の導電性物質とを溶媒中で混合して得られる導電性繊維被覆粒子の分散液と、硬化性化合物と必要に応じてその他の添加剤とを、所定の割合で撹拌及び混合し、次いで、溶媒を留去することにより製造する方法や、
(2)下記工程A及び工程Bを経て得られた導電性繊維被覆粒子と硬化性化合物と必要に応じてその他の添加剤とを、所定の割合で撹拌及び混合することにより製造する方法等を挙げることができる。
工程A:粒子状物質と繊維状の導電性物質とを溶媒中で混合することにより導電性繊維被覆粒子分散液を得る工程
工程B:工程Aを経て得られた導電性繊維被覆粒子分散液から溶媒を除去(例えば、加熱により留去及び/又は減圧濾過等)することにより導電性繊維被覆粒子を固体として得る工程
尚、硬化性化合物として熱可塑性樹脂の原料となる化合物を使用する場合は、上記(1)、又は(2)の製造方法における撹拌及び混合を、必要に応じて加熱しながら行うことが好ましい。
本発明の硬化性組成物の製造方法としては、特に上記(2)の方法を採用することが、硬化性化合物の分散性に優れた硬化性組成物を得ることができる点で好ましい。上記(1)の方法を採用すると、反応をスケールアップした場合(例えば、1L以上の高容量で製造する場合)に、溶媒の留去に長時間の加熱を要するため、硬化性化合物の硬化が進行して凝集物を形成し、硬化性化合物の分散性が低下する場合がある。
[硬化物]
本発明の硬化物は、上記硬化性組成物を硬化させることにより得られる。硬化性化合物として硬化性樹脂の原料となる化合物を含む硬化性組成物の場合は、該硬化性組成物を加熱及び/又は活性エネルギー線照射に付すことにより硬化物が得られる。
加熱により硬化させる際の温度(硬化温度)は、例えば45〜200℃程度、好ましくは70〜190℃、特に好ましくは90〜180℃である。また、加熱により硬化させる際の加熱時間(硬化時間)は、例えば10〜600分程度、好ましくは30〜540分、特に好ましくは60〜480分である。硬化温度と硬化時間が上記範囲を下回ると、硬化が不十分となる場合がある。一方、硬化温度と硬化時間が上記範囲を上回ると、硬化物の分解が起きる場合がある。硬化条件は種々の条件に依存するが、例えば、硬化温度を高くした場合は硬化時間を短く、硬化温度を低くした場合は硬化時間を長くする等により、適宜調整することができる。
活性エネルギー線照射により硬化させる際の照射条件は、例えば、紫外線照射により硬化させる場合、積算光量が例えば500〜5000mJ/cm程度、特に好ましくは1000〜3000mJ/cmとなる条件を採用することが好ましい。
また、硬化性化合物として熱可塑性樹脂の原料となる化合物を含有する硬化性組成物の場合は、硬化性化合物と導電性繊維被覆粒子と、必要に応じてその他の添加剤とを、所定の割合で、必要に応じて加熱しながら撹拌及び混合することにより硬化物を製造することができる。
本発明の硬化物は透明であることが好ましく、硬化物の厚みを10μmに調整した場合の可視光波長領域における全光線透過率は、例えば80%以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上である。尚、本発明の硬化物の可視光波長領域における全光線透過率は、JIS K7361−1に準拠して測定することができる。
また、本発明の硬化物は導電性に優れ、その体積抵抗率は、例えば0.1Ω・cm〜10MΩ・cm程度、好ましくは0.1Ω・cm〜1MΩ・cmである。尚、本発明の硬化物の体積抵抗率は、JIS K6911に準拠して測定することができる。
[成形体]
本発明の成形体は、上記硬化性組成物より形成された薄膜状の成形体である。尚、「薄膜状」とは薄手の形状を意味し、「シート状」、「フィルム状」、「平板状」、「薄板状」等の各種の薄膜状の構造体が含まれる。
本発明の成形体は、例えば、上記製造方法で得られた硬化性組成物を成形、又は成形して硬化することにより製造することができる。硬化性組成物を硬化させる方法としては、上記硬化物の製造方法と同様の方法を採用することができる。
本発明の成形体の厚み(T[μm])は、特に限定されないが、0.5〜500μmが好ましく、特に好ましくは1〜200μm、最も好ましくは10〜100μmである。厚みが0.5μm未満であると、成形体の製造が困難となる場合がある。一方、厚みが500μmを超えると、厚み方向に導電性を発現することが難しく、透明性と導電性の両立が困難となる場合がある。
本発明の成形体においては、該成形体の厚みT[μm]と、上記導電性繊維被覆粒子を構成する粒子状物質の平均粒子径D[μm]とが、下記式(I)の関係を満足することが、2つの部材を電気的に接続する場合に、熱圧着工程等の煩雑な工程を経ることなく、厚み方向に優れた導電性を発現し、なおかつ面方向には導電性をほとんど発現させないような設計(異方導電性の設計)が可能となる点で好ましい。
(0.865L+1)D−0.3D≦T≦(0.865L+1)D+0.3D (I)
なお、上記式(I)中、Lは0以上の整数を示す。
なかでも、本発明の成形体においては、該成形体の厚みT[μm]と、上記導電性繊維被覆粒子を構成する粒子状物質の平均粒子径D[μm]とが、下記式(I’)の関係を満足することが好ましく、下記式(I”)の関係を満足することが特に好ましい。
(0.865L+1)D−0.2D≦T≦(0.865L+1)D+0.2D (I’)
(0.865L+1)D−0.1D≦T≦(0.865L+1)D+0.1D (I”)
本発明の成形体が均一な厚みを有しない場合には、本発明の成形体の平均厚みをT[μm]とした場合に、上記式(I)を満足すればよい。なお、成形体の平均厚みは、例えば、本発明の成形体における異なる10箇所以上(例えば、10箇所、20箇所、30箇所など)の厚みの平均値(算術平均値)を算出することにより求めることができる。
上記式(I)は、本発明の成形体の厚みT[μm]が導電性繊維被覆粒子を構成する粒子状物質の平均粒子径D[μm]に近い値をとった場合(即ち、L=0の場合)、又は、本発明の成形体の厚みT[μm]が導電性繊維被覆粒子を構成する粒子状物質を真球状として当該粒子状物質が最密充填構造の態様で積み重なった場合の堆積厚み[μm]に近い値を取った場合(即ち、Lが1以上の場合)に、特異的に厚み方向の導電性を発現しやすいことを意味する。上記堆積厚み[μm]は、図2に示されるように、[(√3/2)×L(積層数)+1]D[μm]、即ち、(0.865L+1)D[μm]で表される。なお、図2中の1は基板を示し、2は粒子状物質を示す。なお、本発明者らは、成形体中に導電繊維被覆粒子が多量に存在しない場合であっても、式(I)を満たす場合に厚み方向の導電性が発現されやすい傾向にあることを見出した。このことは、成形体中に導電性繊維被覆粒子が多量に存在しない場合であっても、導電性繊維被覆粒子における粒子状物質が最密充填構造によって厚み方向に積層しやすいことを示していることになるが、現時点でこのような現象が生ずる理由は不明である。
本発明の成形体は異方導電性を有することが好ましい。具体的には、本発明の成形体の厚み方向の抵抗値は、0.1Ω〜100kΩが好ましく、特に好ましくは0.1Ω〜10kΩである。一方、本発明の成形体の面方向の抵抗値は、1MΩ以上(例えば、1MΩ〜100TΩ)が好ましく、特に好ましくは10MΩ以上である。なお、本発明の成形体の厚み方向の抵抗値及び面方向の抵抗値は、例えば、例えば、JIS K6911に準拠して測定することができる。
本発明の成形体は、透明であることが好ましい。具体的には、本発明の成形体の可視光波長領域における全光線透過率は、特に限定されないが、厚み0.1mm換算で、80%以上が好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。なお、本発明の成形体の可視光波長領域における全光線透過率は、例えば、JIS K7361−1に準拠して測定することができる。
本発明の成形体は、透明性及び導電性(特に、異方導電性)が両立されているため、透明な基材フィルムの少なくとも一方の表面に本発明の成形体を形成することにより、又は、本発明の成形体をそのまま又はさらに成形することにより、透明異方導電フィルム(透明異方導電性フィルム;本発明の成形体を含む透明異方導電フィルム)として使用することができる。上記透明異方導電フィルムは、上述のように、透明性及び異方導電性が両立されているため、各種の電子デバイスの構成材料として好ましく使用することができる。
また、本発明の成形体を含む透明異方導電フィルムを二つの部材を電気的に接続する用途に使用する場合であって前記二つの部材の少なくとも一方が微細な凹凸を有する部材である場合は、本発明の成形体を含む透明異方導電フィルムのなかでも特に柔軟性に優れた導電性繊維被覆粒子を含有する透明異方導電フィルムを使用することが好ましい。例えば、該柔軟性に優れた導電性繊維被覆粒子を含有する透明異方導電フィルムを微細な凹凸を有する二つの部材の間に配置して熱圧着することにより、前記二つの部材を良好に電気的接続することができる。
[導電性接着剤、導電性封止剤]
本発明の導電性接着剤及び導電性封止剤は、本発明の硬化性組成物を含む。そのため、本発明の導電性接着剤を用いて透明な部材同士を接着すると、これら部材の透明性を損なうことなく、両部材間を導通させることができる。更に、本発明の導電性封止剤を用いて部材の特定部位を封止すると、当該部位の透明性を損なうことなく、目的の箇所を導通させることができる。
本発明の導電性接着剤及び導電性封止剤が、特に柔軟性を有する導電性繊維被覆粒子を含有する場合は、微細な凹凸を有する部材、若しくは微細な凹凸を有する部位に適用することにより、これらを導通させることができる。
[導電性構造体]
本発明の導電性構造体は、少なくとも一方の面に凹凸を有する導電性基板(1)の凹凸を有する面と他の導電性基板(2)の一方の面が本発明の硬化物を介して接着されてなる。導電性基板(2)はその表面に凹凸を有していてもよく、有していなくてもよい。
導電性基板(1)、(2)としては、例えば、金属基板や導電性ガラス基板が挙げられ、例えば、ダイオード、トランジスタ、IC、CPU、メモリー等の半導体素子;光半導体装置;液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELパネル等の表示デバイス;光磁気ディスク等の高密度記録媒体;光導波路等の光配線;太陽電池等の電子デバイスを構成する導電性基板を用いることができる。
本発明の導電性構造体は、例えば下記工程を経て製造することができる。
工程1:導電性基板(1)の凹凸を有する面と導電性基板(2)の間に本発明の硬化性組成物若しくは薄膜状の成形体を挟み、導電性基板(1)/硬化性組成物(若しくは薄膜状の成形体)/導電性基板(2)積層体を形成する。
工程2:導電性基板(1)/硬化性組成物(若しくは薄膜状の成形体)/導電性基板(2)積層体に加熱及び/又は活性エネルギー線照射を行い硬化性組成物を硬化させる
上記工程1で使用する硬化性組成物若しくは薄膜状の成形体としては、柔軟性に優れた導電性繊維被覆粒子を含有することが好ましい。柔軟性に優れた導電性繊維被覆粒子を含有すると、導電性基板(1)及び導電性基板(2)の間で、柔軟性に優れた導電性繊維被覆粒子が導電性基板の表面の凹凸形状に追従して変形し、細部にまで行き渡った状態で硬化することができるからである。そうして得られる導電性構造体は、導電性が不良となる部分の発生を防止することでき、優れた導電性能を有する(図3(a))。一方、柔軟性に乏しい導電性繊維被覆粒子を含有する硬化性組成物を使用して得られる導電性構造体は、導電性基板(1)がその表面に微細な凹凸を有する場合には、細部に導電性繊維被覆粒子を行き渡らせることができず、部分的に導電性不良が発生し、導電性能が低下する場合がある(図3(b)及び(c))。
上記工程2においては、導電性基板(1)/硬化性組成物(若しくは薄膜状の成形体)/導電性基板(2)積層体を外側から内側に向けて加圧しながら硬化させることが、より一層優れた導電性能を有する導電性構造体を得ることができる点で好ましい。加圧方法としては、例えばプレス機を使用して加圧する方法や、基板の自重により加圧する方法等を挙げることができる。加重の程度としては、例えば10g/cm以上、好ましくは10〜100000g/cmである。
[電子デバイス]
本発明の電子デバイスは、本発明の硬化性組成物(具体的には、上記導電性接着剤、上記導電性封止剤、及び上記薄膜状の成形体からなる群より選択された少なくとも一種)を用いて形成される。上記電子デバイスとしては、例えば、ダイオード、トランジスタ、IC、CPU、メモリー等の半導体素子;光半導体装置;液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELパネル等の表示デバイス;光磁気ディスク等の高密度記録媒体;光導波路等の光配線;太陽電池等を挙げることができる。上記電子デバイスにおいて、本発明の硬化物は優れた透明性と導電性を発現することができる。更に、本発明の硬化物は安価に製造可能な導電性繊維被覆粒子を含有する。そのため、本発明の電子デバイスは高い品質及び生産性を有し、且つ安価に提供される。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
製造例1
(銀ナノワイヤの製造)
銀ナノワイヤを、「Materials Chemistry and Physics,vol.114,p333−338,“Preparation of Ag nanorods with high yield by polyol process”」に記載された方法に準じて製造した。具体的な手順を以下に示す。
FeClのエチレングリコール溶液(6×10−4M)0.5mLを、エチレングリコール6mLを入れたフラスコ内に加え、150℃に加熱した。その後、0.052MのAgNO及び0.067Mのポリビニルピロリドンを含むエチレングリコール混合溶液6mLを、上記加熱溶液に滴下した。このようにして得られた反応溶液を150℃で1.5時間保持した。その後、得られた懸濁液10mLを800mLのエタノールとアセトンの混合溶媒(エタノール:アセトン=1:1(重量比))で希釈し、遠心分離(2000rpm、10分間)を2回行い、銀ナノワイヤの分散液を得た。得られた分散液を一部抜き取り、熱乾燥させて分散液中の銀ナノワイヤの重量%を確認したところ、2.9重量%であった。
得られた銀ナノワイヤの平均直径(平均太さ)及び平均長さを走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて100個の銀ナノワイヤの直径(太さ)及び長さを計測し、それぞれ算術平均することにより測定したところ、平均直径は80nmであり、平均長さは30μmであった。
実施例1
(導電性繊維被覆粒子の製造)
プラスチック微粒子(積水化学工業(株)製、「ミクロパールSP」、平均粒子径8.5μm)0.3重量部をエタノール29.7重量部に混合し、分散させ、プラスチック微粒子の分散液を調製した。そして、上記プラスチック微粒子の分散液と、製造例1で得られた銀ナノワイヤの分散液17.4重量部(銀ナノワイヤ0.5重量部)とを混合し、その後、70℃で30分間加熱しながら撹拌することによって溶媒を除去して、導電性繊維被覆粒子Aを得た。
尚、上記プラスチック微粒子1個あたりの表面積は226.9μmであり、銀ナノワイヤの1本当たりの投影面積は2.4μmである。上記で仕込んだプラスチック微粒子(0.3重量部)と銀ナノワイヤ(0.5重量部)から、プラスチック微粒子1個に対して20本の銀ナノワイヤが吸着していると考えられ、これよりプラスチック微粒子の表面積(総表面積)/銀ナノワイヤの投影面積(総投影面積)を算出すると、約100/21となる。
(導電性繊維被覆粒子のSEM観察)
得られた導電性繊維被覆粒子Aを走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した(倍率:100,000)。その結果、図1に示すように、プラスチック微粒子の表面に銀ナノワイヤが吸着している(プラスチック微粒子の表面が銀ナノワイヤにより被覆されている)ことが確認された。
(導電性繊維被覆粒子の導電性評価)
得られた導電性繊維被覆粒子Aを2枚の導電性ガラス基板(Luminescence Technology社製、サイズ:25mm×25mm、ITO厚み:0.14μm)の間に挟み、デジタルテスターを用いて電気抵抗値を測定した。その結果、測定値は150Ωであった。当該測定値からITOの抵抗値を差し引いて上記導電性繊維被覆粒子の抵抗値を見積もったところ、50Ω程度であった。
実施例2
(硬化性組成物の調製)
プラスチック微粒子(積水化学工業(株)製、商品名「ミクロパールSP」、平均粒子径:8.5μm)0.3重量部をエタノール29.7重量部に混合し、分散させ、プラスチック微粒子の分散液を調製した。そして、上記プラスチック微粒子の分散液と、製造例1で得られた銀ナノワイヤの分散液17.4重量部(銀ナノワイヤ0.5重量部)とを混合して混合液を調製した。
次に、上記で得られた混合液47.4重量部と、(3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル40重量部と、商品名「セロキサイド2021P」(熱硬化性エポキシ化合物、(株)ダイセル製)60重量部とを混合した。続いて、70℃で30分間加熱撹拌して溶媒(エタノール及びアセトン)を除去した後、商品名「サンエイド SI−B3」(熱重合開始剤、三新化学工業(株))0.5重量部を添加し、硬化性組成物(A−1)を得た。
実施例3
(硬化物の調製)
実施例2で得られた硬化性組成物(A−1)を、2枚の導電性ガラス基板(Luminescence Technology社製、サイズ:25mm×25mm、ITO厚み:0.14μm)の間に挟み、窒素雰囲気下、100℃で1時間熱処理を行うことにより、膜厚8.5μmの硬化物1を得た。これを厚み方向の導電性を測定するための試料として用いた。
得られた硬化物1のCCD観察を行った(倍率:1000)。硬化物1のCCD観察像を図4(図4の(a)は透過モードでの観察像、(b)は反射モードでの観察像)に示す。
また、導電性ガラス基板の代わりに、石英ガラスの両端にアルミ電極を有する石英ガラス基板を使用した以外は上記と同様にして、膜厚8.5μmの硬化物1を得た。これを面方向の導電性を測定するための試料として用いた。
実施例3で得られた硬化物1は、上記式(I)の関係を満足するものであった。
実施例3で得られた厚み方向の導電性評価用試料を用いて、2端子テスターにより上記硬化物の厚み方向の電気抵抗値を測定した。同様に、実施例3で得られた面方向の導電性評価用試料を用いて、2端子テスターにより上記硬化物の面方向の電気抵抗値を測定した。結果を表1に示す。
実施例4
(硬化性組成物の調製)
プラスチック微粒子(積水化学工業(株)製、商品名「ミクロパールSP」、平均粒子径:8.5μm)の使用量を0.3重量部から0.5重量部に変更した以外は実施例2と同様にして、硬化性組成物(A−2)を得た。
実施例5
(硬化物の調製)
硬化性組成物として実施例4で得られた硬化性組成物(A−2)を使用した以外は実施例3と同様にして、膜厚8.5μmの硬化物2を得た。
得られた硬化物2のCCD観察を行った(倍率:1000)。硬化物2のCCD観察像を図5(図5の(a)は透過モードでの観察像、(b)は反射モードでの観察像)に示す。
実施例6
(硬化物の調製)
実施例4で得られた硬化性組成物(A−2)を2枚の導電性ガラス基板に挟む際に、厚み22μmのポリ塩化ビニリデンスペーサーを使用して導電性ガラス基板間の厚みを22μmに調整した以外は実施例3と同様にして、膜厚22μmの硬化物3を得た。
実施例7
(硬化性組成物の調製)
プラスチック微粒子(積水化学工業(株)製、商品名「ミクロパールSP」、平均粒子径:8.5μm)の使用量を0.3重量部から50重量部に変更し、銀ナノワイヤの使用量を0.5重量部から5重量部に変更した以外は実施例2と同様にして、硬化性組成物(A−3)(導電性繊維被覆粒子を1体積%含有)を得た。
実施例8
(硬化物の調製)
硬化性組成物として実施例7で得られた硬化性組成物(A−3)を使用した以外は実施例3と同様にして、膜厚8.5μmの硬化物4を得た。これを厚み方向の導電性を測定するための試料として用いた。
また、導電性ガラス基板の代わりに、石英ガラスの両端にアルミ電極を有する石英ガラス基板を使用した以外は上記と同様にして、膜厚8.5μmの硬化物4を得た。これを面方向の導電性を測定するための試料として用いた。
実施例9
(硬化性組成物の調整)
プラスチック微粒子をシリカ微粒子(積水化学工業(株)製、商品名「ミクロパールSI」、平均粒子径:8.5μm)に変更し、シリカ微粒子の分散液及び銀ナノワイヤの分散液の重量を90倍に変更した以外は実施例2と同様にして混合液を調製した。
次に、上記で得られた混合液を減圧濾過することにより溶媒(エタノール及びアセトン)を除去した後、80℃で5分間加熱乾燥を行なって導電性繊維被覆粒子Bを得た。
続いて、上記で得られた導電性繊維被覆粒子B0.8重量部と、(3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル40重量部と、「セロキサイド2021P」60重量部とを混合して30分間撹拌した後に「サンエイド SI−B3」0.5重量部を添加して、硬化性組成物(B−1)を得た。
実施例10
硬化性組成物として実施例9で得られた硬化性組成物(B−1)を使用した以外は実施例3と同様にして、膜厚8.5μmの硬化物5を得た。
得られた硬化物5のCCD観察を行なったところ、硬化物5には凝集は見られなかった。
実施例11
(導電性繊維被覆粒子の製造)
架橋アクリル酸アルキル共重合体微粒子(積水化成品工業(株)製、商品名「テクポリマー AFXシリーズ」、10%圧縮強度:0.55kgf/mm、平均粒子径7.7μm、屈折率:1.49)0.15重量部をエタノール(14.85重量部に混合し、分散させ、微粒子の分散液を調製した。そして、上記微粒子の分散液と、製造例1で得られた銀ナノワイヤの分散液5.22重量部(銀ナノワイヤ0.15重量部)とを混合し、その後、濾過することによって溶媒を除去して、導電性繊維被覆粒子Cを得た。得られた導電性繊維被覆粒子Cを走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。その結果、プラスチック微粒子の表面に銀ナノワイヤが吸着している(プラスチック微粒子の表面が銀ナノワイヤにより被覆されている)ことが確認された。
実施例12
(硬化性組成物の調製)
実施例11で得られた導電性繊維被覆粒子C1.0重量部と、(3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル60重量部と、商品名「セロキサイド2021P」(熱硬化性エポキシ化合物、(株)ダイセル製)40重量部とを混合した後、商品名「サンエイド SI−B3」(熱重合開始剤、三新化学工業(株))0.5重量部を添加し、硬化性組成物(C−1)を得た。
実施例13
(硬化物の調製)
実施例12で得られた硬化性組成物(C−1)を、2枚の導電性ガラス基板(Luminescence Technology社製、サイズ:25mm×25mm、ITO厚み:0.14μm)の間に挟み、加重をかけながら、100℃で1時間熱処理を行うことにより、4種類の膜厚(14μm、10μm、9μm、7μm)の硬化物6〜9を得た。尚、膜厚14μmの場合は24g/cm、膜厚10μmの場合は38g/cmの加重、膜厚9μmの場合は48g/cmの加重、膜厚7μmの場合は57g/cmの加重を行った。
得られた硬化物6のCCD観察を行った(倍率:1000)。硬化物6のCCD観察像を図6に示す。導電性繊維被覆粒子Cが硬化時の加重によって変形していることが確認された。
実施例14
(硬化物の調製)
実施例12で得られた硬化性組成物(C−1)を、導電性ガラス基板(Luminescence Technology社製、サイズ:25mm×25mm、ITO厚み:0.14μm)と導電性ガラス基板(深さ5μmの段差あり、サイズ:25mm×25mm、ITO厚み:0.14μm)の間に挟み、28g/cmの加重をかけながら、100℃で1時間熱処理を行うことにより、膜厚13μmの硬化物10を得た。
実施例15
(導電性繊維被覆粒子の製造)
架橋アクリル酸アルキル共重合体微粒子に代えて、エチレン・メチルメタクリラート共重合体微粒子(住友精化(株)製、商品名「ソフトビーズ」、融解温度:100℃、10%圧縮強度:0.3kgf/mm、平均粒子径11μm)を使用した以外は実施例11と同様にして導電性繊維被覆粒子Dを得た。
実施例16
(硬化性組成物の調製)
実施例11で得られた導電性繊維被覆粒子C1.0重量部に代えて、実施例15で得られた導電性繊維被覆粒子D1.0重量部を使用した以外は実施例12と同様にして硬化性組成物(D−1)を得た。
実施例17
(硬化物の調製)
実施例16で得られた硬化性組成物(D−1)を、2枚の導電性ガラス基板(Luminescence Technology社製、サイズ:25mm×25mm、ITO厚み:0.14μm)の間に挟み、30g/cmの加重をかけながら、100℃で1時間熱処理を行うことにより、膜厚10μmの硬化物11を得た。
得られた硬化物11のCCD観察を行った(倍率:500)。硬化物11のCCD観察像(透過モード)を図7に示す。導電性繊維被覆粒子の輪郭が不定形となっていることから、熱処理時に導電性繊維被覆粒子が融解したことは確認された。
実施例18
(硬化性組成物の調製)
プラスチック微粒子(積水化学工業(株)製、商品名「ミクロパールSP」、平均粒子径:8.5μm)の使用量を0.3重量部から0.85重量部に変更し、銀ナノワイヤの分散液17.4重量部(銀ナノワイヤ0.15重量部)とを混合した以外は実施例2と同様にして、硬化性組成物(A−4)(導電性繊維被覆粒子を1.2重量%含有)を得た。
実施例19
(硬化物の調製)
硬化性組成物として実施例18で得られた硬化性組成物(A−4)を使用した以外は実施例3と同様にして、膜厚8.5μmの硬化物12を得た。
(硬化物の導電性評価1)
実施例で得られた硬化物の体積抵抗率(=厚み方向の電気抵抗値)を、デジタルテスター又はエレクトロメーター(ケースレー社製)を使用して測定した。尚、実施例8で得られた硬化物4については、面方向の電気抵抗値も測定した。結果を表2に示す。
(硬化物の透明性評価)
実施例で得られた硬化物の可視光波長領域における全光線透過率(2枚の導電性ガラス基板込みの値)を、紫外・可視分光光度計(商品名「V−650DS」、日本分光(株)製)を使用して測定した。尚、実施例8で得られた硬化物4については、導電性ガラス基板を有する方の試料を用いて全光線透過率を測定した。結果を表2及び図8に示す。図8より、本発明の硬化物は、膜厚の変化が体積抵抗率にほとんど影響しないことがわかった。
表2に示すように、本発明の硬化物は透明性が高く、厚み方向に優れた導電性を有していた。また、硬化物4は、面方向にも優れた導電性を有していた。更に、柔軟性を有する導電性繊維被覆粒子を含有する場合、微細な凹凸を有する形状であっても、導電性が不良となる部分が発生することなく、優れた導電性能を発揮した。
本発明の導電性繊維被覆粒子は特殊な装置を用いることなく、簡易な工程によって製造することができ、少量の添加であっても硬化物に優れた導電性(特に、厚み方向への導電性)を付与することができる。そのため、透明な硬化物に含有させることにより、その透明性を維持しつつ、優れた導電性(特に、厚み方向への導電性)を付与することができる。
1 基板
1−1 導電性基板(1)
1−2 導電性基板(2)
2 粒子状物質
3 導電性繊維被覆粒子
4 硬化物
5 導電性良好
6 導電性不良

Claims (33)

  1. 粒子状物質と、該粒子状物質を被覆する繊維状の導電性物質とを含む導電性繊維被覆粒子であって、
    前記繊維状の導電性物質が導電性ナノワイヤであり、
    前記導電性ナノワイヤが、金属ナノワイヤ、半導体ナノワイヤ、及び導電性高分子ナノワイヤからなる群より選択される少なくとも一種であり、
    前記繊維状の導電性物質の平均長さが5〜100μmである導電性繊維被覆粒子
  2. 金属ナノワイヤが銀ナノワイヤである請求項1に記載の導電性繊維被覆粒子。
  3. 導電性高分子ナノワイヤが、ポリアセチレン、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、並びにポリチオフェン及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種のポリマーと、該ポリマーのドーパントとにより構成されたナノワイヤである請求項1又は2に記載の導電性繊維被覆粒子。
  4. 繊維状の導電性物質の平均直径が1〜400nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性繊維被覆粒子。
  5. 粒子状物質が、球状又は棒状の粒子状物質である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性繊維被覆粒子。
  6. 粒子状物質の平均粒子径が0.1〜100μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性繊維被覆粒子。
  7. 粒子状物質の10%圧縮強度が3kgf/mm2以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性繊維被覆粒子。
  8. 粒子状物質と繊維状の導電性物質とを溶媒中で混合することにより得られる請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性繊維被覆粒子。
  9. 粒子状物質と、該粒子状物質を被覆する繊維状の導電性物質とを含む導電性繊維被覆粒子の製造方法であって
    記粒子状物質と前記繊維状の導電性物質とを溶媒中で混合する工程を含み、
    前記繊維状の導電性物質が導電性ナノワイヤであり、
    前記導電性ナノワイヤが、金属ナノワイヤ、半導体ナノワイヤ、及び導電性高分子ナノワイヤからなる群より選択される少なくとも一種であり、
    前記繊維状の導電性物質の平均長さが5〜100μmであることを特徴とする導電性繊維被覆粒子の製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性繊維被覆粒子と、硬化性化合物とを含む硬化性組成物。
  11. さらに、前記導電性繊維被覆粒子以外の導電性物質を含む請求項10に記載の硬化性組成物。
  12. 前記導電性繊維被覆粒子以外の導電性物質が、繊維状の導電性物質である請求項11に記載の硬化性組成物。
  13. 活性エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化して硬化物を形成する請求項10〜12のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  14. 導電性繊維被覆粒子が、硬化性化合物の硬化温度以下の融点を有する熱可塑性樹脂からなる粒子状物質を含む導電性繊維被覆粒子であり、加熱により硬化して硬化物を形成する請求項13に記載の硬化性組成物。
  15. 導電性繊維被覆粒子の含有量が、硬化性化合物100重量部に対して0.01〜30重量部である請求項10〜14のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  16. 前記導電性繊維被覆粒子以外の導電性物質の含有量が、導電性繊維被覆粒子100重量部に対して0〜10重量部である請求項11〜15のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  17. 粒子状物質の含有量が、硬化性化合物100重量部に対して0.09〜6重量部である請求項10〜16のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  18. 繊維状の導電性物質の含有量が、硬化性化合物100重量部に対して0.01〜1.0重量部である請求項10〜17のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  19. 粒子状物質と硬化性化合物の屈折率差が硬化性化合物の屈折率の10%以下である請求項10〜18のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  20. 請求項10〜19のいずれか1項に記載の硬化性組成物の製造方法であって、導電性繊維被覆粒子と硬化性化合物とを混合する工程を含む硬化性組成物の製造方法。
  21. 下記工程を経て得られた導電性繊維被覆粒子と硬化性化合物とを混合する請求項20に記載の硬化性組成物の製造方法。
    工程A:粒子状物質と繊維状の導電性物質とを溶媒中で混合することにより導電性繊維被覆粒子分散液を得る工程
    工程B:工程Aを経て得られた導電性繊維被覆粒子分散液から溶媒を除去することにより導電性繊維被覆粒子を得る工程
  22. 請求項10〜19の何れか1項に記載の硬化性組成物を含む導電性接着剤。
  23. 請求項10〜19の何れか1項に記載の硬化性組成物を含む導電性封止剤。
  24. 請求項10〜19の何れか1項に記載の硬化性組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
  25. 可視光波長領域における全光線透過率[厚み0.1mm換算]が80%以上である請求項24に記載の硬化物。
  26. 請求項24又は25に記載の硬化物によって形成された薄膜状の成形体。
  27. 硬化性組成物に含まれる導電性繊維被覆粒子を構成する粒子状物質の平均粒子径D[μm]と、成形体の厚みT[μm]とが、下記式(I)の関係を満足することを特徴とする請求項26に記載の薄膜状の成形体。
    (0.865L+1)D−0.3D ≦ T ≦ (0.865L+1)D+0.3D (I)
    [式(I)中、Lは0以上の整数を示す]
  28. 厚み方向の抵抗値が0.1Ω〜100kΩであり、面方向の抵抗値が1MΩ以上である請求項27に記載の薄膜状の成形体。
  29. 請求項26〜28の何れか1項に記載の成形体を含む透明異方導電フィルム。
  30. 少なくとも一方の面に凹凸を有する導電性基板(1)の凹凸を有する面と他の導電性基板(2)の一方の面が請求項24又は25に記載の硬化物を介して接着されてなる導電性構造体。
  31. 請求項22に記載の導電性接着剤、請求項23に記載の導電性封止剤、及び請求項26〜28の何れか1項に記載の薄膜状の成形体からなる群より選択された少なくとも一種を用いて形成された電子デバイス。
  32. 硬化させることによって透明な硬化物が得られる硬化性組成物に用いられる導電性繊維被覆粒子であって、粒子状物質と、該粒子状物質を被覆する繊維状の導電性物質とを含む導電性繊維被覆粒子。
  33. 硬化させることによって透明な硬化物が得られる硬化性組成物に用いられる導電性繊維被覆粒子であって、粒子状物質と、該粒子状物質を被覆する繊維状の導電性物質とを含む前記導電性繊維被覆粒子の製造方法において、前記粒子状物質と前記繊維状の導電性物質とを溶媒中で混合する工程を含むことを特徴とする導電性繊維被覆粒子の製造方法。
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