JP6150513B2 - セルロースを含む乳飲料 - Google Patents
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Description
(1)乳由来の成分を0.5質量%以上及びセルロースを0.05質量%以上含み、攪拌後に、ガラス製容器(直径5.5cm、高さ11.5cmの円筒容器)に200mLを充填し、5℃で5時間静置した後、上層(液面から2cm下の容器中央部)から採取した液体の貯蔵弾性率(G‘c)と、下層(底面から2cm上の容器中央部)から採取した液体の貯蔵弾性率(G‘d)の比(G‘c/G‘d)が、0.7以上である乳飲料。
(2)乳由来の成分を0.5質量%以上及びセルロースを0.05質量%以上含み、攪拌後に、ガラス製容器(直径5.5cm、高さ11.5cmの円筒容器)に200mLを充填し、5℃で5時間静置した後、上層(液面から2cm下の容器中央部)から採取した液体の損失正接(tanδa)と、下層(底面から2cm上の容器中央部)から採取した液体の損失正接(tanδb)の比(tanδa/tanδb)が、0.95以上である乳飲料。
(3)乳由来の成分を0.5質量%以上、セルロースを0.05質量%以上及び二価の塩を0.15mmol/L以上含む乳飲料。
(4)前記乳飲料が、脱脂粉乳及び/又はホエイを0.1質量%以上含む(1)〜(3)のいずれかに記載の乳飲料。
(5)前記乳飲料が、コーヒー由来の成分を0.1質量%以上含む(1)〜(4)のいずれかに記載の乳飲料。
(6)前記乳飲料が、カカオ由来の成分を0.1質量%以上含む(1)〜(5)のいずれかに記載の乳飲料。
(7)前記乳飲料が、120℃以上、60秒以内の加熱処理を施された後、容器に充填された乳飲料である、(1)〜(6)のいずれかに記載の乳飲料。
(8)接液部が樹脂又は紙である容器に充填された、(1)〜(7)のいずれかに記載の乳飲料。
本発明の乳飲料は、乳成分と、セルロースを含み、貯蔵弾性率、損失正接等のレオロジー特性を制御されたものである。
本発明の乳飲料は、乳由来の成分を0.5質量%以上含む必要がある。乳成分を含むことで、栄養成分が豊富で、味が優れたものが得られる。ここでいう配合量は、飲料全量に対する、乳由来の成分の乾燥質量の百分率のことである。乳由来の成分は、多いほど好ましく、0.8質量%以上が好ましく、より好ましくは1質量%以上であり、さらに好ましくは1.5質量%以上であり、特に好ましくは2質量%以上であり、最も好ましくは4質量%以上である。容器付着を抑制するには、上限は10質量%以下が好ましい。
本発明で用いる生乳とは、動物性、植物性の乳を、元々の成分比を代えずに用いるものであり、従って、殺菌を経たものも、本発明の生乳といい得る。但し、水分は適宜調整してもよい。生乳のみを用いる場合には、生乳の固形分が、本発明で定義された乳由来の成分量に該当する。生乳に加え、粉乳等の加工乳を組み合わせた場合には、生乳と粉乳等の固形分の全量が本発明の乳由来の成分量に該当する。
全粉乳とは、乳を殺菌した後、固形分を濃縮し、乾燥して水分を5%以下にしたものをいう。乳由来の成分量とする際の考え方は、前述のとおりである。
脱脂粉乳は、生乳の脂肪分と水分を除去し、粉末状にしたもののことである。脱粉、スキムミルク、ノンファットドライドミルクと呼ばれるものも、脱脂粉乳に該当する。本発明の乳飲料は、脱脂粉乳を0.1質量%以上含有することが好ましい。これを他の乳由来成分と併用する際には、脱脂粉乳と他の成分の合計が、本発明の乳由来成分の含有量となる。脱脂粉乳の含有量が多いほど、栄養成分が豊富になり、味が芳醇になるため好ましい。脱脂粉乳の含有量は、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上であり、特に好ましくは2質量%以上であり、一層好ましくは3質量%以上であり、最も好ましくは4質量%以上である。上限は特に設定されないが、好ましい範囲としては10質量%以下である。
ホエイは、生乳から乳脂肪分やカゼインなどを除いた水溶液であり、それを必要に応じて濃縮又は乾燥したものも含む。一般的に、乳清(にゅうせい)、乳漿(にゅうしょう)と言われる。本発明の乳飲料は、ホエイを0.1質量%以上含有することが好ましい。これを他の乳由来成分と併用する際には、ホエイと他の成分の合計が、本発明の乳由来成分の含有量となる。ホエイが多いほど、栄養成分が豊富になり、味が芳醇になり、コクがでるため好ましい。ホエイの含有量は、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上、一層好ましくは3質量%以上、最も好ましくは4質量%以上である。上限は特に設定されないが、好ましい範囲としては10質量%以下である。
クリームは、生乳から乳脂肪分以外が除去されたものであり、乳脂肪分を18質量%以上含むものである。クリームを加えると、乳飲料が芳醇になり、香りが優れたものになる。これを他の乳由来成分と併用する際には、クリームと他の成分の合計が本発明の乳由来成分の含有量となる。
本発明の乳飲料は、セルロースを0.05質量%以上含む必要がある。本発明では、セルロース含量が多いほど、乳飲料のレオロジー特性の制御が容易になる。その結果、容器内への付着が抑制され、飲用する際の吸引性が良好であり、飲み始めと飲み終わりの味の差が小さく、芳醇な乳飲料が得られるため好ましい。セルロースの配合量としては、0.1質量%以上が好ましく、0.15質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上がさらに好ましく、0.3質量%以上が特に好ましく、0.4質量%以上が最も好ましい。上限は5質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下であり、特に好ましくは1質量%以下であり、最も好ましくは0.5質量%以下である。
本発明で用いるセルロースは、微細な粒子状の形状であることが好ましい。セルロースの粒子形状は、本発明のセルロース(或いは後述のセルロース複合体中のセロルース成分)を1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させた水分散体を、0.1〜0.5質量%に純水で希釈し、マイカ上にキャストし風乾したものを、高分解能走査型顕微鏡(SEM)又は原子間力顕微鏡(AFM)で計測した際に得られる粒子像の長径(L)と短径(D)の比(L/D)で表され、100個〜150個の粒子のL/Dの平均値として算出される。
本発明で用いるセルロースとしては、セルロースの粒子表面に、多糖類等の物質が水素結合等で複合化されたセルロース複合体を使用することが好ましい。セルロース複合体を使用する際は、セルロース複合体の全量が、セルロース量を指すものとする。本発明のセルロース複合体は結晶セルロース複合体であることが好ましい。結晶セルロース複合体は上記セルロース成分が結晶セルロースからなるものである。
セルロース複合体に用いる多糖類は、グルコース、ガラクトース、マンノース、キシロース、N−アセチルグルコサミン、グルコン酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸等の糖類がα又はβ結合し、主鎖又は側鎖を構成する化合物を包含する。例えば、天然由来では、アーモンドガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、エレミ樹脂、カラヤガム、ガッティガム、ダンマル樹脂、トラガントガム、モモ樹脂等の樹脂由来の多糖類、アマシードガム、カシアガム、ローカストビーンガム、グアーガム、グアーガム酵素分解物、サイリウムシードガム、サバクヨモギシードガム、セスバニアガム、タマリンド種子ガム、タラガム、トリアカンソスガム等の豆類由来の多糖類、アルギン酸、カラギーナン、フクロノリ抽出物、ファーセルラン等の海草由来の多糖類、アロエベラ抽出物、オクラ抽出物、キダチアロエ抽出物、トロロアオイ、ペクチン等の果実類、葉、地下茎由来の多糖類、アエロモナスガム、アウレオバシジウム培養液、アゾトバクター・ビネランジーガム、ウェランガム、エルウィニア・ミツエンシスガム、エンテロバクター・シマナスガム、エンテロバクターガム、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、スクレロガム、デキストラン、納豆菌ガム、プルラン、マクロホモプシスガム、ラムザンガム、レバン等の微生物の発酵産物由来の多糖類、セルロース由来の多糖類としては、セルロース、微小繊維状セルロース、発酵セルロース、およびメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、及びそのナトリウム、カルシウム等のセルロース誘導体等が挙げられ、その他としては、酵母細胞壁、キチン、キトサン、グルコサミン、オリゴグルコサミン、ヘパリン、コンドロイチン硫酸等が挙げられる。
水中で陽イオンが遊離し、それ自身が陰イオンとなるものを陰イオン性多糖類と呼ぶ。本発明において陰イオン性多糖類を用いることで、セルロースとの複合化がより促進されるため好ましい。陰イオン性多糖類としては、以下のものが好適である。
上述の陰イオン性多糖類の中でも、カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下、CMC−Na)が、特に、セルロースと複合化しやすく、得られたセルロース複合体は、乳成分との相互作用が良好であり、乳飲料のレオロジー特性を制御しやすくなるため好ましい。
置換度=(162×A)/(10000−80A)
ここで、
A:試料1g中のアルカリに消費された0.05Mの硫酸の量(mL)
a:0.05M硫酸の使用量(mL)
f:0.05M硫酸の力価
b:0.1M水酸化カリウムの滴定量(mL)
f1:0.1M水酸化カリウムの力価
162:グルコースの分子量
80:CH2COONa−Hの分子量
アルカリ度=((B−S)×f)/試料無水物(g)
ここで、f:0.1M水酸化カリウムの力価である。(B−S)×xfの値が(−)の時には、酸度とする。
上述の陰イオン性多糖類の中でも、特に、カラギーナンは、セルロースと複合化しやすく、得られたセルロース複合体は、乳成分との相互作用が良好であり、乳飲料のレオロジー特性を制御しやすくなるため好ましい。ここでいうカラギーナンとは、直鎖含硫黄多糖類の一種で、D−ガラクトース(もしくは 3,6−アンヒドロ−D−ガラクトース)と硫酸から構成される陰イオン性多糖類である。一般的に、カラギナン、カラゲナン、カラジーナン、カラゲニンとも呼ばれるものも、本発明で用いるカラギーナンに該当する。
上述の陰イオン性多糖類の中でも、特に、HMペクチンは、セルロースと複合化しやすく、得られたセルロース複合体は、乳成分との相互作用が良好であり、乳飲料のレオロジー特性を制御しやすくなるため好ましい。ここでいうペクチンとは、植物の細胞壁や中葉に含まれる複合多糖類で、ガラクツロン酸が、α−1,4−結合したポリガラクツロン酸が主成分であり、ガラクツロン酸のカルボキシル基がメチルエステル化されたものである。その中で、HMペクチンは、ペクチンの構造中の全ガラクツロン酸のうち、メチル化ガラクツロン酸の占める割合が50%以上(モル比)のもののことを指す。
上述の陰イオン性多糖類の中でも、特に、アルギン酸ナトリウムは、セルロースと複合化しやすく、得られたセルロース複合体は、乳成分との相互作用が良好であり、乳飲料のレオロジー特性を制御しやすくなるため好ましい。ここでいう、アルギン酸は、主に褐藻に含まれる多糖類の一種であり、α−L−グルロン酸、β−D−マンヌロン酸が、ピラノース型で1,4−グリコシド結合で結合した構造を持っている多糖類であり、アルギン酸ナトリウムは、それがナトリウム塩となったものである。
上述の陰イオン性多糖類の中でも、特に、アルギン酸プロピレングリコールエステルは、セルロースと複合化しやすく、得られたセルロース複合体は、乳成分との相互作用が良好であり、乳飲料のレオロジー特性を制御しやすくなるため好ましい。ここでいうアルギン酸プロピレングリコールエステルとは、上述のアルギン酸の構成糖であるウロン酸のカルボキシル基に、プロピレングリコールをエステル結合させた誘導体のことである。
本発明のセルロース複合体は、好ましくは、セルロースを50〜99質量%、及び多糖類を1〜50質量%含むことが好ましい。複合化によって、多糖類がセルロース粒子の表面を水素結合等の化学結合により被覆することで、中性の水溶液に分散した際に、セルロース複合体がもつ懸濁安定性が向上する。また、セルロースと多糖類を上記の組成とすることで、複合化が促進され、乳成分との相互作用を生じやすくなり、乳飲料のレオロジー特性を制御しやすくなる。本発明のセルロース複合体は、セルロースを70〜99質量%、多糖類を1〜30質量%を含むことがより好ましく、セルロースを80〜99質量%、多糖類を1〜20質量%を含むことがさらに好ましく、セルロースを85〜99質量%、多糖類を1〜15質量%を含むことが特に好ましい。
本発明で用いるセルロース複合体は、水中で、低剪断力で容易に分散するものを用いることが好ましい。セルロース複合体が容易に分散することで、乳飲料のレオロジー特性を制御しやすくなる。ここでいう分散性は、以下の方法で測定されるコロイド成分含量で定量することができる。まず、セルロース複合体を1.0質量%の濃度で純水懸濁液とし、その500mLを1L容のガラス製ビーカー(胴内径:100mm、高さ:150mmの円筒形)に仕込み、プロペラ式攪拌機(HEIDON新東科学(株)製、商品名「スリーワンモーターBL600型」、攪拌翼:かい十字R型(翼径φ70mm)、処理条件:回転数500rpm×30分間、処理温度:25℃)で分散させた後、分散液を、遠心分離(久保田商事(株)製、商品名「6800型遠心分離器」ロータータイプRA−400型、処理条件:遠心力5000G(Gは重力加速度)で10分間遠心した上澄みを採取し、さらに、この上澄みについて、12000G(Gは重力加速度)で45分間遠心処理する。)し、遠心後の上澄みに残存する固形分(セルロースと、多糖類を含む。また、本発明のセルロース複合体が水溶性ガムを含む場合は、さらに、水溶性ガムを含む)の質量百分率のことである。
本発明で用いるセルロース複合体は、水中で、低剪断力で容易に分散するものを用いることが好ましい。セルロース複合体が容易に分散することで、乳飲料のレオロジー特性を制御しやすくなる。ここでいう分散性は、以下の方法で測定される粗大成分含量で定量することができる。まず、セルロース複合体を1.0質量%の濃度で純水懸濁液とし、その500mLを1L容のガラス製ビーカー(胴内径:100mm、高さ:150mmの円筒形)に仕込み、プロペラ式攪拌機(HEIDON新東科学(株)製、商品名「スリーワンモーターBL600型」、攪拌翼:かい十字R型(翼径φ70mm)、処理条件:回転数500rpm×30分間、処理温度:25℃)で分散させた後、分散液を、遠心分離(久保田商事(株)製、商品名「6800型遠心分離器」ロータータイプRA−400型、処理条件:遠心力5000G(Gは重力加速度)で10分間遠心処理する。)し、遠心後の沈殿に残存する固形分(セルロースと、多糖類を含む。また、本発明のセルロース複合体が水溶性ガムを含む場合は、さらに、水溶性ガムを含む)の質量百分率のことである。
本発明のセルロース複合体は、水中で、複合体粒子同士が経時的に、水素結合を形成し、結果として網目状のネットワークを形成するものである。このネットワークの強さは、セルロース複合体の水分散体の貯蔵弾性率(G‘)で測定される。この貯蔵弾性率(G‘)が高いほど、乳飲料のレオロジー特性の制御が容易になり、飲料保存時の付着防止性、飲用時の吸引性が優れるため好ましい。
本発明のセルロース複合体は、水中で、複合体粒子同士が経時的に水素結合を形成し、結果として網目状のネットワークを形成するものである。このネットワークの形成速度が速いほど、乳飲料のレオロジー特性の制御が容易になり、飲料保存時の付着防止性、飲用時の吸引性が優れるため好ましい。
本発明のセルロース複合体は、さらに多糖類以外の水溶性ガムを含むことが好ましい。水溶性ガムとしては、水膨潤性が高く、セルロースと複合化しやすいガムが好ましい。
多糖類と上記の水溶性ガムとの質量比は、30/70〜99/1であることが好ましい。本発明のセルロース複合体において、多糖類と上記の水溶性ガムが前記の範囲にあることで、セルロース複合体が高い分散性、安定性を示す。これら多糖類と水溶性ガムとの配合量比として、より好ましくは、40/60〜90/10であり、さらに好ましくは40/60〜80/20である。
本発明のセルロース複合体に、水への分散性を高める目的で、多糖類及び水溶性ガム以外に、さらに親水性物質を加えてもよい。親水性物質とは、冷水への溶解性が高く粘性を殆どもたらさない有機物質であり、澱粉加水分解物、デキストリン類、難消化性デキストリン、ポリデキストロース等の親水性多糖類、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳糖、マルトース、ショ糖、α−、β−、γ−シクロデキストリン等のオリゴ糖類、ブドウ糖、果糖、ソルボース等の単糖類、マルチトール、ソルビット、エリスリトール等の糖アルコール類等が適している。これらの親水性物質は、2種類以上組み合わせてもよい。上述の中でも、澱粉加水分解物、デキストリン類、難消化性デキストリン、ポリデキストロース等の親水性多糖類が分散性の点で好ましい。
次に、本発明のセルロース複合体の製造方法を説明する。本発明のセルロース複合体は、混練工程においてセルロースと多糖類に機械的せん断力を与え、セルロースを微細化させるとともに、セルロース表面に多糖類を複合化させることによって得られる。また、多糖類以外の水溶性ガムや親水性物質、及び、その他の添加剤などを添加しても良い。上述の処理を経たものは、必要に応じ、乾燥される。つまり、本発明のセルロース複合体としては、上述の機械的せん断を経て、未乾燥のもの及びその後乾燥されたもの等、いずれの形態でもよい。
上述のセルロース複合体の製造方法において、混練工程によりセルロースと多糖類に機械的せん断力を与え、セルロース表面に多糖類を複合化させる際に、二価のイオンを共存させることが好ましい。好ましいイオン種としては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、バリウムイオンである。これらは、水溶液中で陽イオンとした状態で添加してもよく、無機塩、有機塩の状態で、固体状で添加してもよい。より好ましくは、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオンであり、さらに好ましくは、カルシウムイオンである。
上述のセルロースの製造方法において、混練複合化処理されたセルロースと多糖類を含む組成物は、80℃以下の品温にて乾燥、粉砕されることが好ましい。この温度を80℃以下とすることで、得られるセルロース複合体の分散性、及びネットワークの形成速度が速くなる。
本発明の乳飲料は、少なくとも乳由来の成分を0.5質量%以上及びセルロースを0.05質量%以上含むものである。これらの成分は、まず、水中で攪拌混合(分散)され、必要に応じ、殺菌処理され、容器に充填される。
本発明の乳飲料を充填する容器としては、ガラス製容器包装、金属製容器包装(容器包装の開口部分に、密封のために金属以外の材質を用いたものを含む。)、合成樹脂製容器包装、合成樹脂加工紙製容器包装、合成樹脂加工アルミニウム箔製容器包装、組合せ容器包装(金属、合成樹脂、合成樹脂加工紙又は合成樹脂加工アルミニウム箔のうち二つ以上を用いる容器包装。)のいずれも使用することができる。
本発明の乳飲料には、上述の乳成分、セルロースに加え、油脂、カカオ由来の成分、二価の塩の1つ以上を添加することも好ましい。
本発明の乳飲料には、油脂を0.1質量%以上配合することが、芳醇な風味を得るうえで、好ましい。ここでいう油脂とは、脂肪酸とグリセリンとのエステル化合物で、トリグリセリド(トリ−O−アシルグリセリン)の形態を取るもののことである。一般に常温で液体のものが「脂肪油」、固体のものが「脂肪」と呼ばれ、脂肪油で酸化を受けて固まりやすい順に乾性油、半乾性油、不乾性油と分類されるが、本発明の油脂は、いずれの呼称のものも含まれる。
本発明の乳飲料は、風味の点で、カカオ由来の成分を0.1質量%以上含有することが好ましい。ここでいうカカオ由来の成分とは、カカオ豆から工業的に得られるもののことであり、カカオマス、ココアバター、ココア等が該当する。
本発明の乳飲料は、コーヒー濃度が高いリッチテイストのコーヒー飲料として好適である。ここでいう高濃度のコーヒー飲料としては、熱水で抽出されたコーヒー成分が0.1質量%以上のものが好ましい。このコーヒー成分は、飲料中のコーヒー濃度(Brix値)で測定される値であり、質量%はBrix値と同じである。当該濃度は、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上であり、特に好ましくは1.5質量%以上であり、最も好ましくは2質量%以上である。味の点で上限としては5質量%以下が好ましい。
本発明の乳飲料は、乳成分の凝集防止の点で、二価の塩を0.15mmol/L以上含むことが好ましい。好ましい塩類としては、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛イオン塩、バリウム塩であり、これらの塩化物、炭酸塩、硫酸塩、乳酸塩等が好ましい。これらは、水溶液中で、イオンとした状態で添加してもよく、無機塩、有機塩の状態で、固体状で添加してもよく、乳成分、結晶セルロース等から持ち込んだ状態で添加してもよい。
本発明の乳飲料は、攪拌直後の貯蔵弾性率(G‘a)と、5℃にて静置5時間後の貯蔵弾性率(G‘b)の比(G‘b/G‘a)が0.85以上である。この特性を満たすことで、容器内への付着が抑制される。
本発明の乳飲料は、攪拌後にガラス製容器に充填し、5℃で5時間静置した後、上層から採取した液体の貯蔵弾性率(G‘c)(単位はPa)と、下層から採取した液体の貯蔵弾性率(G‘d)(単位はPa)の比(G‘c/G‘d)が、0.7以上である。この特性を満たすことで、ストロー等で容易に吸引して飲用でき、飲み始めと飲み終わりの味の差が小さい乳飲料となる。
本発明の乳飲料は、攪拌後に、ガラス製容器(直径5.5cm、高さ11.5cmの円筒容器)に200mLを充填し、5℃で5時間静置した後、上層(液面から2cm下の容器中央部)から採取した液体の損失正接(tanδa)と、下層(底面から2cm上の容器中央部)から採取した液体の損失正接(tanδb)の比(tanδa/tanδb)が、0.90以上である。この特性を満たすことで、飲用時に吸引しやすく、芳醇な風味が達成される。0.95以上が好ましく、0.98以上がより好ましい。上限は、1.1以下が好ましく、1.05以下がより好ましい。
セルロースの平均重合度は、「第14改正日本薬局方」(廣川書店発行)の結晶セルロース確認試験(3)に規定される銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法により測定された。サンプルは、加水分解後のサンプルを使用し、複合体とする場合には、混練工程前(多糖類添加前)のもの、すなわち複合体化前のセルロースを測定に使用した。
セルロース又はセルロース複合体(多糖類添加前)を1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させた水分散体を、前記セルロース等の濃度が0.1質量%となるように純水で希釈し、スポイトを使用し、マイカ上に1滴キャストした。エアダスターにて余剰の水分を吹き飛ばし、風乾し、サンプルを調製した。原子間力顕微鏡(装置Digital Instruments社製 Nano ScopeIV MM、スキャナーEV、測定モードTapping、プローブNCH型シリコン単結晶プローブ)で計測された画像を基に、長径(L)が2μm以下の粒子の形状から、長径(L)と短径(D)のを求め、その比(L/D)をセルロース粒子の形状として、100〜150個の粒子の平均値として算出した。
(1)CMC−Naの粉末を、1質量%として、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)を用いて純水中に分散し、水溶液を調製した。
(2)得られたに水溶液ついて、分散3時間後(25℃保存)にB形粘度計(ローター回転数60rpm)にセットして、60秒静置後に30秒間回転させて測定した。但し、ローターは、粘度に応じて、その測定に最適なものに適宜変更してよい。
(1)CMC−Na(無水物)0.5gを精密にはかり、ろ紙に包んで磁性ルツボ中で灰化した。これを冷却した後、その全量を500mLビーカーに移し、水約250mLと、0.05M硫酸35mLを加えて30分間煮沸した。これを冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加えて、過剰の酸を0.1M水酸化カリウムで逆滴定して、次の式で算出した。
A=((af−bf1)/試料無水物(g))−アルカリ度(又は+酸度)
置換度=(162xA)/(10000−80A)
ここで、
A:試料1g中のアルカリに消費された0.05Mの硫酸の量(mL)
a:0.05M硫酸の使用量(mL)
f:0.05M硫酸の力価
b:0.1M水酸化カリウムの滴定量(mL)
f1:0.1M水酸化カリウムの力価
162:グルコースの分子量
80:CH2COONa−Hの分子量
アルカリ度(又は酸度)の測定法:試料(無水物)1gを300mLフラスコに精密に測りとり、水約200mLを加えて溶した。これに0.05M硫酸5mLを加え、10分間煮沸した後、冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加え、0.1M水酸化カリウムで滴定した(SmL)。同時に空試験を行い(BmL)、次の式で算出した。
アルカリ度=((B−S)xf)/試料無水物(g)
ここで、
f:0.1M水酸化カリウムの力価、(B−S)xfの値が(−)の時には、酸度とした。
(1)セルロース複合体を、1.0質量%の濃度で純水懸濁液とし、その500mLを1L容のガラス製ビーカー(胴内径:100mm、高さ:150mmの円筒形)に仕込んだ。
(2)次に、プロペラ式攪拌機(HEIDON新東科学(株)製、商品名「スリーワンモーターBL600型」、攪拌翼:かい十字R型(翼径φ70mm)、処理条件:回転数500rpm×30分間、処理温度:25℃)で分散させた。
(3)分散液を、遠心分離(久保田商事(株)製、商品名「6800型遠心分離器」ロータータイプRA−400型、処理条件:遠心力5000G(Gは重力加速度)で10分間遠心した上澄みを採取した。
(4)さらに、この上澄みについて、12000G(上記(3)と同じ遠心分離機を使用。Gは重力加速度)で45分間遠心処理し、遠心後の上澄みに残存する固形分を測定した。
(5)この固形分から、仕込んだセルロース複合体の総量に占める浮遊成分の割合を算出し、コロイド成分量(質量%)とした。
(1)セルロース複合体を、1.0質量%の濃度で純水懸濁液とし、その500mLを1L容のガラス製ビーカー(胴内径:100mm、高さ:150mmの円筒形)に仕込んだ。
(2)プロペラ式攪拌機(HEIDON新東科学(株)製、商品名「スリーワンモーターBL600型」、攪拌翼:かい十字R型(翼径φ70mm)、処理条件:回転数500rpm×30分間、処理温度:25℃)で分散させた。
(3)この分散液を、遠心分離(久保田商事(株)製、商品名「6800型遠心分離器」ロータータイプRA−400型、処理条件:遠心力5000G(Gは重力加速度)で10分間遠心処理した。
(4)遠心後の沈殿に残存する固形分から、仕込んだセルロース複合体の総量に占める沈降成分の割合を算出し、粗大成分含量(質量%)とした。
(1)セルロース複合体を、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)を用いて純水中に分散させ、1.0質量%の純水分散体を調製した。
(2)得られた水分散体を、25℃の水浴中で3日間静置した後、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARES100FRTN1型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25.0℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引、水分散体は微細構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりと仕込み、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始する)により測定した。ここで貯蔵弾性率(G‘1)は、上述の測定で得られた歪み−応力曲線上の、歪み20%の値として導いた。
(1)セルロース複合体を、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)を用いて純水中に分散させ、1.0質量%の純水分散体を調製した。
(2)得られた水分散体の一部について、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARES100FRTN1型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25.0℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引、水分散体は微細構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりと仕込み、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始する)により測定した。ここで貯蔵弾性率(G‘1)は、上述の測定で得られた歪み−応力曲線上の、歪み20%の値として導いた。
(3)次に、上述の純水分散体の別の一部につき、200mL容のガラス製ビーカー(直径5.5cm、高さ11.5cmの円筒容器)に200mL仕込み、25℃の水浴中で5時間静置した。この静置後の純水分散体を、上記と同様に粘弾性測定装置で測定した値(前記の、歪み20%の値)を、貯蔵弾性率(G‘2)とした。得られた各貯蔵弾性率から、式(G‘2/G‘1)に当てはめて求めた比を、ネットワークの形成速度とした。
(1)5℃に調温した乳飲料を、50mL容のポリプロピレン製遠沈管に30mL仕込み、その遠沈管をシェーカー(東京理化機器製、商品名「MMS−4010型」、スプリング万能振とう台)にセットし、往復振とうモードで、20rpmで1分間処理(この操作を、レオロジー特性測定についての「攪拌」と呼ぶ。以下、同じ。)した。
(2)攪拌後の乳飲料を粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARES100FRTN1型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:5℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→500%の範囲で掃引、乳飲料は微細構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりと仕込み、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始する)により測定した。本発明における貯蔵弾性率(G‘a)は、上述の測定で得られた歪み−応力曲線上の、歪み20%の値として測定された(単位はPa)。
(3)次に、静置5時間後の貯蔵弾性率(G‘b)は、上述の方法で攪拌した乳飲料を5℃にて5時間静置し、上記と同様の条件で貯蔵弾性率を測定した(上記と同じく、歪み20%の値。単位はPa)。貯蔵弾性率の比は、ここで導かれた各貯蔵弾性率から、式(G‘b/G‘a)により算出した。
(1)上述(レオロジー特性1)と同様の操作で、乳飲料を攪拌した。攪拌後に、ガラス製容器(直径5.5cm、高さ11.5cmの円筒容器)に200mLを充填し、5℃で5時間静置した後、上層(液面から2cm下の容器中央部)から採取した液体の貯蔵弾性率(G‘c)(上記と同じく、歪み20%の値。単位はPa)と、下層(底面から2cm上の容器中央部)から採取した液体の貯蔵弾性率(G‘d)(上記と同じく、歪み20%の値。単位はPa)を、上述の粘弾性測定と同じ方法で測定して導いた。貯蔵弾性率の比は、ここで導かれた各貯蔵弾性率から、式(G‘c/G‘d)により算出した。
(1)上述(レオロジー特性2)と同様の操作により上層と下層から採取した各液体の粘弾性を測定しつつ、その液体の損失正接(tanδ)としては、当該測定で得られた歪み−応力曲線上の、歪み400%の値を求めることで導いた。損失正接の比は、ここで得られた各液体の損失正接から、式(tanδa/tanδb)により算出した。
市販DPパルプを裁断後、2.5mol/L塩酸中で105℃、15分間加水分解した後、水洗・濾過を行い、固形分が50質量%のウェットケーキ状のセルロース(結晶セルロースとして)を作製した(平均重合度は220、平均L/Dは1.6であった)。
実施例1と同様の操作で得られたウェットケーキ状のMCC(平均重合度220、平均粒子L/D1.6)と、A成分は加えずに、B成分として市販CMC−Na(1%溶解液の粘度10mPa・s、置換度0.7〜0.8)を用意し、MCC/CMC−Na(B成分)の質量比が90/10(CMC−Naの構成:A成分/B成分=0/100)となるように投入し、固形分45質量%となるように加水し、実施例1と同様に混練した。
市販DPパルプを裁断後、2.5mol/L塩酸中で105℃、15分間加水分解した後、水洗・濾過を行い、固形分が50質量%のウェットケーキ状の結晶セルロースを作製した(平均重合度は220、平均L/Dは1.6であった)。
プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)に、実施例1で調製したウェットケーキ状の結晶セルロース(MCC)、市販イオータカラギーナン粉末及び30質量%濃度の塩化カルシウム水溶液を、MCC/イオータカラギーナン/塩化カルシウムの質量比が90/10/4となるように投入し、さらに純水を加えて固形分42質量%となるように調整した。
プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)に、実施例1で調製したウェットケーキ状の結晶セルロース(MCC)、市販カッパーカラギーナン粉末及び30質量%濃度の塩化カルシウム水溶液を、MCC/カッパーカラギーナン/塩化カルシウムの質量比が82/18/3となるように投入し、さらに純水を加えて固形分42質量%となるように調整した。
プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)に、実施例1で調製したウェットケーキ状の結晶セルロース(MCC)、市販HMペクチン粉末及び30質量%濃度の塩化カルシウム水溶液を、MCC/HMペクチン/塩化カルシウムの質量比が60/40/2となるように投入し、さらに純水を加えて固形分54質量%となるように調整した。
旭化成ケミカルズ株式会社製、結晶セルロース複合体、商品名「セオラスSC−900」(MCC/CMC−Na/キサンタンガム/デキストリン/ナタネ油=73/5/2.8/19/0.2(質量比)、平均重合度200、平均粒子L/D 1.7)を、結晶セルロース複合体Gとした。結晶セルロース複合体Gの基礎物性を、表1に記した。
旭化成ケミカルズ株式会社製、結晶セルロース複合体、商品名「セオラスDX−2」(MCC/カラヤガム/デキストリン=36/4.5/59.5(質量比)平均重合度190、平均粒子L/D1.6)を結晶セルロース複合体Hとした。結晶セルロース複合体Hの基礎物性を、表1に記した。
上記の実施例、比較例により得られたセルロース複合体A〜Hを使用し、以下の操作によりコーヒー成分入り乳飲料を作製し、評価を行った。コーヒー粉末(キーコーヒー(株)製 商品名「プレミアムブレンド」)の250gを、ネル製のろ布に計りとり、沸騰させた熱水2000gをまわしかけて、ろ布を通過したコーヒー抽出液を作成した。この抽出液のBrixを、糖度計(アタゴ製 商品名「PAL−1」)を用いて測定した結果、Brixは、3.3であった。
上記の5℃における静置2週間後の飲料を、30〜55歳のパネラー16名で、内径2mm、長さ15cmのプラスチック製ストローを用い、200mLを飲用した。
前半の100mL(下部)と、後半の100mL(中央部)に分けて飲用した。
いずれも容易に吸引できたものを3点、前半もしくは後半に吸引しにくく感じたものを2点、いずれも吸引しにくく感じたものを1点として、平均点を算出した。
◎:2.5点以上
○:2.0点以上、2.5点未満
△:1.5点以上、2.0点未満
×:1.0点以上、1.5点未満
上記の官能試験において、前半の100mLと、後半の100mLの飲用において、味の差を官能評価した。いずれも味に差がなかったものを3点、前半もしくは後半に若干味の差を感じたものを2点、明らかに味の差を感じたものを1点として、平均点を算出した。
◎:2.5点以上
○:2.0点以上、2.5点未満
△:1.5点以上、2.0点未満
×:1.0点以上、1.5点未満
上記の官能試験において、風味の芳醇さを官能評価した。製造直後のココアと比較して、風味が同等であったものを3点、若干劣るものを2点、明らかに劣るものを1点として、平均点を算出した。
◎:2.5点以上
○:2.0点以上、2.5点未満
△:1.5点以上、2.0点未満
×:1.0点以上、1.5点未満
上記官能評価試験用と別途に仕込んだ各種飲料(製造法は、以下の実施例、比較例を参照)において、5℃で、2週間、密封静置保存した後に、開封し、内容物を10秒以内で廃棄し、液滴を切った後、内部の付着状態を確認した。付着物は、液層中央から底部に掛けて多く発生。ベージュ色であり、乳成分と、コーヒー成分、油脂が凝集したものであった。
◎:付着なし
○:極僅かに付着あり。
△:全体的に薄く付着あり。
×:全体的に濃く付着あり。
Claims (8)
- 乳由来の成分を0.5質量%以上及び結晶セルロースと多糖類と二価の塩を含み、結晶セルロースと多糖類と二価の塩の質量比が60〜90/10〜40/2〜5であり、1.0質量%で純水中で分散して3日間放置後の分散液の25℃における貯蔵弾性率が0.5Pa以上であるセルロース複合体を0.05質量%以上含み、攪拌後に、ガラス製容器(直径5.5cm、高さ11.5cmの円筒容器)に200mLを充填し、5℃で5時間静置した後、上層(液面から2cm下の容器中央部)から採取した液体の貯蔵弾性率(G’c)と、下層(底面から2cm上の容器中央部)から採取した液体の貯蔵弾性率(G’d)の比(G’c/G’d)が、0.7以上である乳飲料。
- 乳由来の成分を0.5質量%以上及び結晶セルロースと多糖類と二価の塩を含み、結晶セルロースと多糖類と二価の塩の質量比が60〜90/10〜40/2〜5であり、1.0質量%で純水中で分散して3日間放置後の分散液の25℃における貯蔵弾性率が0.5Pa以上であるセルロース複合体を0.05質量%以上含み、攪拌後に、ガラス製容器(直径5.5cm、高さ11.5cmの円筒容器)に200mLを充填し、5℃で5時間静置した後、上層(液面から2cm下の容器中央部)から採取した液体の損失正接(tanδa)と、下層(底面から2cm上の容器中央部)から採取した液体の損失正接(tanδb)の比(tanδa/tanδb)が、0.95以上である乳飲料。
- 乳飲料中に含まれる二価の塩の量が0.15mmol/L以上である請求項1又は2に記載の乳飲料。
- 前記乳飲料が、脱脂粉乳及び/又はホエイを0.1質量%以上含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の乳飲料。
- 前記乳飲料が、コーヒー由来の成分を0.1質量%以上含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の乳飲料。
- 前記乳飲料が、カカオ由来の成分を0.1質量%以上含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の乳飲料。
- 前記乳飲料が、120℃以上、60秒以内の加熱処理を施された後、容器に充填された乳飲料である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の乳飲料。
- 接液部が樹脂又は紙である容器に充填された、請求項1〜7のいずれか一項に記載の乳飲料。
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