JP6149297B2 - タバコ燃焼生成物中に見つかる毒物を除去するための多孔質触媒マトリクス - Google Patents

タバコ燃焼生成物中に見つかる毒物を除去するための多孔質触媒マトリクス Download PDF

Info

Publication number
JP6149297B2
JP6149297B2 JP2014524049A JP2014524049A JP6149297B2 JP 6149297 B2 JP6149297 B2 JP 6149297B2 JP 2014524049 A JP2014524049 A JP 2014524049A JP 2014524049 A JP2014524049 A JP 2014524049A JP 6149297 B2 JP6149297 B2 JP 6149297B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
dicarboxylic acid
mof
dicarboxylic
certain embodiments
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014524049A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014521351A5 (ja
JP2014521351A (ja
Inventor
イー ブロムバーグ,レヴ
イー ブロムバーグ,レヴ
アラン ハットン,トレヴァー
アラン ハットン,トレヴァー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Massachusetts Institute of Technology
Original Assignee
Massachusetts Institute of Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Massachusetts Institute of Technology filed Critical Massachusetts Institute of Technology
Publication of JP2014521351A publication Critical patent/JP2014521351A/ja
Publication of JP2014521351A5 publication Critical patent/JP2014521351A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6149297B2 publication Critical patent/JP6149297B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A24TOBACCO; CIGARS; CIGARETTES; SIMULATED SMOKING DEVICES; SMOKERS' REQUISITES
    • A24DCIGARS; CIGARETTES; TOBACCO SMOKE FILTERS; MOUTHPIECES FOR CIGARS OR CIGARETTES; MANUFACTURE OF TOBACCO SMOKE FILTERS OR MOUTHPIECES
    • A24D3/00Tobacco smoke filters, e.g. filter-tips, filtering inserts; Filters specially adapted for simulated smoking devices; Mouthpieces for cigars or cigarettes
    • A24D3/06Use of materials for tobacco smoke filters
    • A24D3/16Use of materials for tobacco smoke filters of inorganic materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
    • B01J20/22Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising organic material
    • B01J20/223Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising organic material containing metals, e.g. organo-metallic compounds, coordination complexes
    • B01J20/226Coordination polymers, e.g. metal-organic frameworks [MOF], zeolitic imidazolate frameworks [ZIF]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2200/00Function of food ingredients
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J31/00Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds
    • B01J31/16Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds containing coordination complexes
    • B01J31/1691Coordination polymers, e.g. metal-organic frameworks [MOF]

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Cigarettes, Filters, And Manufacturing Of Filters (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Manufacture Of Tobacco Products (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

関連出願の説明
本出願は、2011年8月1日に出願された米国特許出願第13/195378号に優先権の恩恵を主張するものである。
本発明は、タバコ燃焼生成物中に見つかる毒物の除去のための多孔質触媒マトリクスに関する。
紙巻きタバコの喫煙は、全ての癌による死亡の約30%に寄与するまたは約30%を生じさせると考えられている。紙巻きタバコの煙は3500種類を超える化学物質を含有し、その内の少なくとも50種類が発癌性物質である。アセトアルデヒド、アクロレイン(プロペナール)、ホルムアルデヒドなどを含むカルボニルは、タバコの熱分解によって形成される。したがって、これらの化合物は、紙巻きタバコの煙中に高レベルで存在する化合物に含まれる。実際に、アセトアルデヒドおよびアクロレインは、それぞれ、ニコチン1mg当たり860μgおよび83μgの濃度で国際的なブランドの紙巻きタバコに存在する。The Scientific Basis of Tobacco Product Regulation, WHO Technical Report Series 951, World Health Organization, Geneva, Switzerland, 2008。ホルムアルデヒド、アクロレイン、およびアセトアルデヒドへの長期の曝露により、喘息および癌のリスクが増加することが公知である。
紙巻きタバコの煙とタールも、癌の形成を開始させる、多環式芳香族アルコールなどの他の発癌性物質を含有している。フェノールなどの、紙巻きタバコの煙の中の発癌補助物質も特定されてきた;発癌補助物質は、他の開始剤による癌の発生を促進させる。多くのフェノール、ナフトールおよび他の発癌補助物質は刺激剤でもある。
世界保健機構(WHO)は、紙巻きタバコ中のこれらの毒物の許容レベルを低下させることを推奨し義務づけてきた。紙巻きタバコの煙中の毒物の量を減少させる現行の方法は、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、およびその酸化物と混合物のクラスターなどの、遷移金属酸化物クラスターを含有することを含む。金属酸化物のナノサイズのクラスターまたはナノ粒子は、一酸化炭素(CO)の二酸化炭素(CO2)への転化(酸化)を触媒する、または一酸化炭素自体を吸着することができる。これらのクラスターは、喫煙物品の構成部材中に含まれ、その構成部材は、タバコのフィルタ、紙巻きタバコの巻き紙および紙巻きタバコのフィルタ材からなる群より選択される。ここに全てを引用する特許文献1を参照のこと。しかしながら、この文献には、紙巻きタバコの煙中の、CO以外の毒物のレベルを減少させるどのような方法も開示されていない。
紙巻きタバコの煙中の毒物を除去する別の方法が、ここに全てを引用する特許文献2に開示されている。この特許には、アスコルビン酸またはクエン酸、ブチルパラベン、グルタチオン、メラトニン、レスベラトロール、セレン、ユビキノン、または緑茶などの酸化防止剤、および活性炭、クリノプチロライト、塩化第一銅、およびフェライトなどの吸着「鉱物」を含む、タバコの煙のフィルタ用相乗作用組成物が開示されている。この酸化防止剤は、紙巻きタバコの煙からのフリーラジカルを減少させる上で捕捉剤として効果的であるのに対し、活性炭または類似の吸着剤「鉱物」は、かなりのレベルの揮発性物質を吸着する。しかしながら、特許文献2には、揮発性カルボニル化合物またはフェノールの、揮発性が低い化学物質への触媒転化は開示されていない。紙巻きタバコの煙中の毒物として見つかるフェノールおよびアルデヒドの触媒縮合反応は全く開示されなかった。
それとは別に、二座または多座の有機配位子と配位する構造体の中心位置を占める金属イオンまたは金属イオンクラスターにより構成される金属有機構造体(MOF)が、有機反応における触媒として利用すべき結晶質材料の重要な一群としてちゃくちゃくと現れてきている。これらのMOFのいくつかは、今日知られている最低の構造体密度および最高の細孔容積を有する結晶質材料である。10,000を超えるMOF材料の中に、液相反応条件下で安定している遷移金属MOFがいくつかある。これらの例としては、メソ多孔質テレフタル酸クロム(III)(MIL−101)が挙げられ、これは、水、一般的な溶媒、および温度(320℃まで)に対して、満足な耐性を有している。MIL−101は、それぞれ、約1.2nmおよび約1.6nmの窓を通じてアクセスできる2.9nmおよび3.4nmの準球状ケージからなる、剛性ゼオタイプ結晶構造を有する。MIL−101は、その高い安定性のために、検出できるほどの溶液中へのクロムの浸出を示さず、様々な用途で安全に使用することができる。その上、MIL−101は、ルイス酸特性を有するクロムイオンを高密度で(基本セル内に3つ)有し、これは、反応条件下で安定であり得る。MIL−101の開放細孔構造は、PdまたはAuナノ粒子およびポリオキソメタレート(POM)陰イオンによってさらに官能化することができる。結果として得られた複合材料は、水素化反応および酸化反応のための効果的な触媒である。MIL−101構造体を官能化するために利用できる別のPOM材料は、リンタングステン酸(PTA)である。PTAは、最強の公知のヘテロポリ酸である。MIL−101/PTA複合材料(MIL101/PTA)は、(i)酸化剤として分子酸素および過酸化水素水を使用したアルケンの酸化、(ii)H22を使用したアルケンのエポキシ化、(iii)ベンズアルデヒドおよびシアノ酢酸エチルのクネーフェナーゲル縮合、(iv)液相と気相の酸触媒エステル化(酢酸のn−ブタノール、メタノールによる脱水)、および(v)炭水化物の脱水を触媒することが示されてきた。
米国特許第7712471号明細書 米国特許第6615843号明細書
特定の実施の形態において、本発明は、流体中の毒物の量を減少させる方法であって、
流体をMOFマトリクスと接触させる工程、
を有してなり、
そのMOFマトリクスが、多座有機配位子に配位した金属イオンまたはクラスターを含み、
流体は気体であり、
毒物はカルボニル化合物またはフェノール化合物である、
方法に関する。
特定の実施の形態において、本発明は、流体がタバコの煙である、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、カルボニル化合物またはフェノール化合物を吸着または吸収する方法であって、
カルボニル化合物またはフェノール化合物を、多座有機配位子に配位した金属イオンまたはクラスターを含むMOFマトリクスに接触させる工程、
を有してなる方法に関する。
特定の実施の形態において、本発明は、カルボニル化合物の非カルボニル生成物への転化を触媒する方法であって、
カルボニル化合物を、多座有機配位子に配位した金属イオンまたはクラスターを含むMOFマトリクスにある時間に亘り接触させ、それによって、非カルボニル生成物を形成する工程、
を有してなる方法に関する。
特定の実施の形態において、本発明は、フェノール化合物の非フェノール生成物または高分子生成物への転化を触媒する方法であって、
フェノール化合物を、多座有機配位子に配位した金属イオンまたはクラスターを含むMOFマトリクスにある時間に亘り接触させ、それによって、非フェノール生成物または高分子生成物を形成する工程、
を有してなる方法に関する。
図1は、77KでのMIL−101およびMIL101/PTAハイブリッド材料に関する典型的なBET窒素吸着等温線を示している。P/P0は、飽和圧力(P0)に対する気体の圧力(P)の比であり、P0=746トールである。 図2は、室温での、本発明の例示の多孔質マトリクスおよび例示の化合物によるアクロレインの平衡取込み量を示している。 図3は、本発明の例示のマトリクスの強塩基または強酸の存在下でのアクロレイン重合の説明図を示している。 図4は、室温での、本発明の例示の多孔質マトリクスおよびリンタングステン酸(PTA)によるアセトアルデヒドの平衡取込み量を示している。 図5は、室温での、アセトアルデヒド蒸気への2日間の曝露後のMIL101/PTAjaマトリクス上に凝縮した液体の典型的なMALDI−TOFスペクトルを示している。また、α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸(ACHCA)マトリクス(*により示されている)のスペクトルも示されている。測定について、1μLの液体を凍結乾燥し、1μLのACHCAマトリクス溶液で戻し、スポットし、分析した。 図6は、本発明の多孔質マトリクスにより触媒された、ベンズアルデヒドと2−ナフトールとの間の反応を示す説明図を示している。 図7は、pH2.6での脱イオン水中で合成されたMIL−101(Cr)粒子の特性を表に纏めたものである。収率aは、合成において設定された初期クロム含有量に対する精製粒子中のクロム含有量を使用して計算される。bは、メタノール中の粒子懸濁液中で測定された。cは、窒素吸着等温線から決定された。dは、バレット・ジョイナー・ハレンダ法(Barrett, Joyner & Halenda method)を使用した機器の内蔵ソフトウェアを使用して計算された。 図8は、脱イオン水中のMIL−101成分とPTAの共同オートクレーブ処理法により(MIL101/PTAja)、または水中のPTAによるMIL−101の含浸により、合成されたMIL101/PTAハイブリッド材料の特性を表に纏めたものである。aは、窒素吸着等温線から決定された。bは、ケギン構造(H3PW1240)に基づく元素分析および計算から得た。 図9は、MOF MIL−101とそのポリオキソメタレート複合体およびPTAにより触媒されたアルデヒドおよびβ−ナフトールのバイヤー縮合を表に纏めたものである。aリンタングステン酸(PTA)による触媒作用を除いた全ての場合、触媒添加量は質量%で表されている。添加量は、触媒の質量を初期反応混合物中の全成分の質量の合計で割ったものの100倍として計算される。PTA添加量bは質量%/モル%で与えられている。モル%の含有量は、触媒のモル数を初期反応混合物中の各成分のモル数の合計で割ったものの100倍として計算される。MWcは、マイクロ波処理の時間であり、指定の温度が反応管内で維持される。d三重に行った一連の独立した実験は、収率決定の標準偏差が±5質量%であることを示した。eオートクレーブ処理法を使用して調製したMIL−101サンプルを全てに使用した。 図10は、水中のPTAによるMIL−101の含浸により(MIL101/PTAimp)、または脱イオン水中のMIL−101成分とPTAの共同オートクレーブ処理法により(MIL101/PTAja)、合成されたMIL101/PTA複合材料、およびMIL−101金属有機構造体の特性を表に纏めたものである。aは、ケギン構造(H3PW1240)に基づく元素分析および計算から得た。bは、メタノールの粒子懸濁液中の動的光散乱により測定した。cは、窒素吸着等温線から決定された。 図11は、アセトアルデヒドの酸触媒アルドール縮合を示す説明図を示している。 図12は、25℃、Ca0/Cp0=2:1(モル/モル)での、THF−d8中のMIL101/PTAjaにより触媒されたアセトアルデヒドおよびフェノール縮合反応の反応速度を表す典型的な1H NMRスペクトルを示している。数字は、反応の開始からの分で表された時間を表す。文字AおよびPは、それぞれ、アセトアルデヒド(基質)信号および生成物信号を表す。 図13は、アセトアルデヒドおよびフェノールのバイヤー縮合を示している。 図14は、重水素化THF中のアセトアルデヒド−フェノール(A−P)縮合反応におけるアセトアルデヒド転化率(F)対時間を示している。アルデヒドおよびフェノールの初期濃度は、Ca0=Cp0=0.33Mであった。T=25℃。Fの定義については、式(1)を参照のこと。 図15は、P=(lnCa/(q+Ca0)−lnCa/(q+Ca))対 時間(数式(2))に関して表されたバイヤーのアセトアルデヒド−フェノール縮合におけるアセトアルデヒド転化率の初期反応速度のプロットを示している。 図16は、25℃およびCa0=Cp0=0.33Mでの、THF−d8中で行ったアセトアルデヒド−フェノール縮合の効果的触媒濃度(Ccat)、反応半減期(t1/2)、反応速度定数、および回転頻度(TOF)を表に纏めたものである。aは、溶液中のPTAの濃度である。bは、懸濁液1L当たりで計算したMIL101/PTA中のPTAの濃度である。cは、懸濁液1L当たりのブレンステッド酸部位とルイス酸部位の総濃度である。dは、式TON=Ca0×F/Ccatから計算した。ここで、F(数式(1))は、反応の開始から10時間後に測定される。 図17は、ベンズアルデヒドとメタノールとの間の反応を示す説明図を表している。 図18は、25℃でMIL101/PTAjaにより触媒されたメタノールによるベンズアルデヒドアセタール化の反応の反応速度を表す典型的な1H NMRスペクトルを示している。メタノールおよびベンズアルデヒドの初期濃度は、それぞれ、Cmi=23.5MおよびCb0=0.474Mである。示された時間点で描かれた反応混合物のサンプルは、触媒の分離後に2:5体積/体積比でCDCl3中に溶解された。数字は、反応の開始からの分で表された時間を表す。文字AおよびPは、それぞれ、アルデヒド(基質)信号および生成物信号を表す。 図19は、25℃でのMIL−101、MIL101/PTAja、MIL101/PTAimpおよびPTAにより触媒されたメタノールによるアセタール化におけるベンズアルデヒド転化率の反応速度のプロットを表している。直線は、初期反応速度を表しており、目を向けるためだけに示されている。 図20は、25℃およびCb0=0.474M、Cmi=23.5Mでの、メタノールによるベンズアルデヒドのアセタール化の効果的触媒濃度(Ccat)、観察された速度定数(κobs)、反応半減期(t1/2)、および回転頻度(TOF)を表に纏めたものである。aは、溶液中のPTAの濃度である。bは、懸濁液1L当たりで計算したMIL101/PTA中のPTAの濃度である。cは、懸濁液1L当たりのブレンステッド酸部位とルイス酸部位の総濃度である。dは、式t1/2=ln(2)/κobsから計算した。eは、式TON=Cb0×F/Ccatから計算した。ここで、F(数式(4))は、反応の開始から24時間後に測定される。 図21は、触媒の再利用の4サイクルにおいて測定された総触媒回収率、ケギン型イオン含有量、Cr含有量および反応速度定数を表に纏めたものである。各サイクルは、記載されるように、25℃での1日間の触媒反応、触媒の回収、精密検査および再利用からなった。aは、n回目のサイクルにおける触媒質量/初期の触媒質量×100として計算される。bは、各サイクルにおける元素分析により測定される。cの速度定数κおよびκobsは、それぞれ、アセトアルデヒド−フェノール反応およびベンズアルデヒド−メタノール反応において測定される。 図22は、より大きい球体細孔とより小さい球体細孔を示すNH2−MIL−101(Al)(左側)およびNH2−MIL−53(Al)(右側)の構造を示している。無機クラスターが灰色の八面体により表され、アミノ基が球体により表されている。 図23は、25℃でのアセトアルデヒド蒸気の取込み量およびMOFのBET表面積を表している。MOFの記号表示の本文を参照のこと。 図24は、PTAにより触媒されたアセトアルデヒドのアルドール縮合を示している。 図25は、25℃でのアセトアルデヒド蒸気により平衡にされたNH2MIL101(Al)/PTAimpからの吸収抽出物のMALDI−TOFスペクトルを示している。アスタリスクは、DHBマトリクスに属するピークを示すのに対し、数字は、アセトアルデヒド転化の特定された化合物を表す。その特定された化合物が挿入画に示されている。 図26は、24時間に亘る25℃でのアセトアルデヒド蒸気と反応したNH2MIL101(Al)/PTAimpの水溶液のMALDI−TOFスペクトルを示している。アスタリスクは、DHBマトリクスのピークを示すのに対し、数字は、特定された化合物を表す。 図27は、イミン基の形成をもたらすアセトアルデヒド−アミン/MOF縮合の機構を示している。 図28は、MOF粒子による酢酸セルロース繊維(PMI)の被覆を示すSEM画像を示している。 図29は、MOFの2−アミノテレフタル酸とTDIとの間の反応の説明図を示している。 図30は、酢酸セルロース(CA)繊維、アセトンから注型されたCAフイルム、およびMOF材料により修飾されたCA繊維のアセトアルデヒド蒸気取込み量およびBET表面積を示している。蒸気の取込み量は、25℃で24時間に亘り測定された。
概要
特定の実施の形態において、本発明は、タバコの煙を濾過するための材料および方法に関する。特定の実施の形態において、紙巻きタバコの煙を濾過するための材料および方法に関する。特定の実施の形態において、前記材料は、タバコの燃焼から生じる、毒物の蒸気と粒子、およびタールと他の健康を損なう物質を捕捉することができる。
特定の実施の形態において、本発明は、カルボニル化合物を捕捉し、それを揮発性が低い化合物に転化する方法に関する。特定の実施の形態において、その捕捉は、紙巻きタバコの煙および煙成分の毒物成分の物理的または化学的吸着、吸収、または取込みにより行われる。
特定の実施の形態において、本発明は、喫煙者が使用すべきフィルタであって、そのフィルタを(すなわち、ヒトの口内へと)通過する煙中の汚染物質の量を減少させることのできるフィルタに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、タバコの煙を濾過する方法に関する。特定の実施の形態において、この方法は、煙の有害成分の吸収と触媒還元を組み合わせる。
本発明の例示のマトリクス
概要
特定の実施の形態において、本発明は、金属有機構造物(MOF)マトリクスに関する。特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスが、有機配位子に配位した金属イオンまたはクラスター含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスが、多座有機配位子に配位した金属イオンまたはクラスター含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、少なくとも1つの金属イオンへの配位により結合した少なくとも1つの少なくとも二座の有機配位子を含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、その両方ともここに全てを引用する、米国特許第5648508号および同第7842827号の各明細書に記載されたMOFのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、MIL−101またはMIL101/PTAを含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。MIL−101は、今日までに報告されている最も多孔質の材料の内の1つである、テレフタル酸クロム系メソ多孔質金属有機構造物である。
特定の実施の形態において、本発明は、MIL−101、強酸性MIL−101、またはMIL101/PTAを含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、MIL−101、強酸性MIL−101、またはMIL101/PTAである、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、MOF−177、MOF−178、MOF−74、MOF−235、MOF−236、MOF−69から80、MOF−501、MOF−502、およびMOF−101からなる群より選択される、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、MOF−2から4、MOF−9、MOF−31から36、MOF−39、MOF−69から80、MOF103から106、MOF−122、MOF−125、MOF−150、MOF−177、MOF−178、MOF−235、MOF−236、MOF−500、MOF−501、MOF−502、MOF−505、IRMOF−1、IRMOF−61、IRMOP−13、IRMOP−51、MIL−17、MIL−45、MIL−47、MIL−53、MIL−59、MIL−60、MIL−61、MIL−63、MIL−68、MIL−79、MIL−80、MIL−83、MIL−85、CPL−1から2、およびSZL−1からなる群より選択される、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
本発明のマトリクスの例示の金属成分
特定の実施の形態において、本発明は、金属イオンまたはクラスターが、Ia族、IIa族、IIIa族、IVaからVIIIa族、またはIbからVIb族の金属原子を含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、金属イオンまたはクラスターが、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ro、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、またはBiを含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、金属イオンまたはクラスターが、Zn、Cu、Ni、Pd、Pt、Ru、Rh、またはCoを含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、金属イオンまたはクラスターが、Cr、Fe、Zn、Al、Ni、またはCuを含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、金属イオンまたはクラスターが、ここにその全てを引用する、米国特許第5648508号明細書に記載されている。
本発明の例示の有機配位子
特定の実施の形態において、本発明は、多座有機配位子が、2つ以上のドナー原子からの結合によって中央の金属イオンに結合した有機配位子である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、多座有機配位子は、二座、三座、または四座である。
特定の実施の形態において、本発明は、「少なくとも二座の有機化合物」という用語は、所定の金属イオンに対して、少なくとも2つの配位結合を、または2つ以上の金属原子に対して、それぞの場合に1つの配位結合を形成できる官能基を少なくとも1つ含む有機化合物を表す、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、その有機化合物は、1つの金属原子に対して3つの配位結合を形成できる。特定の実施の形態において、その有機化合物は、3つの金属原子の各々に1つの配位結合を形成できる。
特定の実施の形態において、本発明は、有機配位子が、−COOH、−NO2、−B(OH)2、−SO3H、−Si(OH)3、−Ge(OH)3、−Sn(OH)3、−Si(SH)3、−PO3H、−CH(RNH22、−C(RNH23、−CH(ROH)2、−R(OH)3、−CH(RCN)2、−C(RNC)3
からなる群より選択される官能基を含み、Rは、1、2、3、4、または5の炭素原子を有するアルキレン基、もしくは1または2の芳香核を含むアリーレン基である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、Rが、メチレン、エチレン、n−プロピレン、i−プロピレン、n−ブチレン、i−ブチレン、tert−ブチレン、またはn−ペンチレンである、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、Rが2つのフェニレン環を含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、Rがヘテロアリーレン基を含み、ヘテロ原子がN、O、またはSである、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、Rが、それぞれの場合で、少なくとも1つの置換基により置換されている、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、Rは存在しない。特定の実施の形態において、本発明は、有機配位子が、−CH(SH)2、−C(SH)3、−CH(NH)2、−C(NH23、−CH(OH)2、−C(OH)3、−CH(CN)2、および−C(CN)3からなる群より選択される官能基を含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、有機配位子が、飽和または不飽和脂肪族化合物、芳香族化合物、または脂肪族でありかつ芳香族である化合物に由来する、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、有機配位子が、トランスムコン酸、フマル酸、またはフェニレンビスアクリル酸である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、有機配位子が、必要に応じて少なくとも一置換された、単環式、二環式、三環式、四環式、またはそれ以上の多環式芳香族、ジ、トリまたはテトラカルボン酸である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、芳香族核がヘテロ芳香族核である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、有機配位子が、単環式ジカルボン酸、単環式トリカルボン酸、単環式テトラカルボン酸、二環式ジカルボン酸、二環式トリカルボン酸、二環式テトラカルボン酸、三環式ジカルボン酸、三環式トリカルボン酸、三環式テトラカルボン酸、四環式ジカルボン酸、四環式トリカルボン酸、または四環式テトラカルボン酸である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、芳香族核のいずれかがヘテロ芳香族核である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、芳香族核のいずれかがヘテロ芳香族核であり、ヘテロ原子がN、O、S、B、P、Si、またはAlである、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、芳香族核のいずれかがヘテロ芳香族核であり、ヘテロ原子がN、SまたはOである、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、有機配位子が置換されており、置換基が、−OH、−NO2、アミノ、アルキル、またはアルコキシである、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、有機配位子が、以下に限られないが、アソキサル酸(asoxalic acid)、コハク酸、酒石酸、1,4−ブタンジカルボン酸、4−オキソピラン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、1,8−ヘプタデカンジカルボン酸、1,9−ヘプタデカンジカルボン酸、ヘプタデカンジカルボン酸、アセチレンジカルボン酸、1,2−ベンゼンジカルボン酸、2,3−ピリジンジカルボン酸、ピリジン−2,3−ジカルボン酸、1,3−ブタンジエン−1,4−ジカルボン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸、p−ベンゼンジカルボン酸、イミダゾール−2,4−ジカルボン酸、2−メチルキノリン−3,4−ジカルボン酸、キノリン−2,4−ジカルボン酸、キノキサリン−2,3−ジカルボン酸、6−クロロキノキサリン−2,3−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、キノリン−3,4−ジカルボン酸、7−クロロ−4−ヒドロキシキノリン−2,8−ジカルボン酸、ジイミドジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、2−メチルイミダゾール−4,5−ジカルボン酸、チオフェン−3,4−ジカルボン酸、2−イソプロピルイミダゾール−4,5−ジカルボン酸、テトラヒドロフラン−4,4−ジカルボン酸、ペリレン−3,9−ジカルボン酸、ペリレンジカルボン酸、Pluriol E 200−ジカルボン酸、3,6−ジオキサオクタンジカルボン酸、3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸、オクタジカルボン酸、ペンタン−3,3−カルボン酸、4,4’−ジアミノ−1,1’−ジフェニル−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニル−3,3’−ジカルボン酸、ベンジジン−3,3’−ジカルボン酸、1,4−ビス(フェニルアミノ)ベンゼン−2,5−ジカルボン酸、1,1’−ジナフチル−S,S’−ジカルボン酸、7−クロロ−8−メチルキノリン−2,3−ジカルボン酸、1−アニリノアントラキノン−2,4’−ジカルボン酸、ポリテトラヒドロフラン−250−ジカルボン酸、1,4−ビス(カルボキシメチル)ピペラジン−2,3−ジカルボン酸、7−クロロキノリン−3,8−ジカルボン酸、1−(4−カルボキシ)フェニル−3−(4−クロロ)フェニルピラゾリン−4,5−ジカルボン酸、1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、1,3−ジベンジル−2−オキソイミダゾリジン−4,5−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレン−1,8−ジカルボン酸、2−ベンゾイルベンゼン−1,3−ジカルボン酸、1,3−ジベンジル−2−オキソイミダゾリジン−4,5−シス−ジカルボン酸、2,2’−ビキノリン−4,4’−ジカルボン酸、ピリジン−3,4−ジカルボン酸、3,6,9−トリオキサウンデカンジカルボン酸、O−ヒドロキシベンゾフェノンジカルボン酸、Pluriol E 300−ジカルボン酸、Pluriol E400−ジカルボン酸、Pluriol E 600−ジカルボン酸、ピラゾール−3,4−ジカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、5,6−ジメチル−2,3−ピラジンジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルジイミドジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタンジイミドジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンジイミドジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、8−メトキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸、8−ニトロ−2,3−ナフタレンジカルボン酸、8−スルホ−2,3−ナフタレンジカルボン酸、アントラセン−2,3−ジカルボン酸、2’,3’−ジフェニル−p−ターフェニル−4,4”−ジカルボン酸、ジフェニル−エーテル−4,4’−ジカルボン酸、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸、4(1H)−オキソチオクロメン−2,8−ジカルボン酸、5−tert−ブチル−1,3−ベンゼンジカルボン酸、7,8−キノリンジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、ヘキサトリアコンタンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、1,7−ヘプタジカルボン酸、5−ヒドロキシ−1,3−ベンゼンジカルボン酸、ピラジン−2,3−ジカルボン酸、フラン−2,5−ジカルボン酸、1−ノネン−6,9−ジカルボン酸、エイコセンジカルボン酸、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、1−アミノ−4−メチル−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2,3−ジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、シクロヘキセン−2,3−ジカルボン酸、2,9−ジクロロフルオロルビン−4,11−ジカルボン酸、7−クロロ−3−メチルキノリン−6,8−ジカルボン酸、2,4−ジクロロベンゾフェノン−2’,5’−ジカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、1−メチルピロール−3,4−ジカルボン酸、1−ベンジル−1H−ピロール−3,4−ジカルボン酸、アントラキノン−1,5−ジカルボン酸、3,5−ピラゾールジカルボン酸、2−ニトロベンゼン−1,4−ジカルボン酸、ヘプタン−1,7−ジカルボン酸、シクロブタン−1,1−ジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、5,6−デヒドロノルボルナン−2,3−ジカルボン酸、および5−エチル−2,3−ピリジンジカルボン酸を含むジカルボン酸である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、有機配位子が、以下に限られないが、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、7−クロロ−2,3,8−キノリントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、4,5−ジヒドロ−4,5−ジオキソ−1H−ピロール[2,3−F]キノリン−2,7,9−トリカルボン酸、5−アセチル−3−アミノ−6−メチルベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、3−アミノ−5−ベンゾイル−6−メチルベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、およびアウリントリカルボン酸を含むトリカルボン酸である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、有機配位子が、以下に限られないが、1,1−ジオキシドペリロ[1,12−BCD]チオフェン−2,4,9,10−テトラカルボン酸、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸またはペリレン−1,12−スルホン−3,4,9,10−テトラカルボン酸などのペリレンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸またはメソ−1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸などのブタンテトラカルボン酸、デカン−2,4,6,8−テトラカルボン酸、1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン−2,3,11,12−テトラカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、1,2,11,12−ドデカンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ヘキサンテトラカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,9,10−デカンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、およびシクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸を含むテトラカルボン酸である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、有機配位子が、アセチレンジカルボン酸(ADC)、ベンゼンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸(例えば、4,4’−ビフェニルジカルボン酸(BPDC))、ビピリジンジカルボン酸(例えば、2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸のような2,2’−ビピリジンジカルボン酸)、ベンゼントリカルボン酸(例えば、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸または1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(BTC))、アダマンタンテトラカルボン酸(ATC)、アダマンタンジベンゾエート(ADB)、ベンゼントリベンゾエート(BTB)、メタンテトラベンゾエート(MTB)、アダマンタンテトラベンゾエート、またはジヒドロキシテレフタル酸(例えば、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸(DHBDC))である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、有機配位子が、テレフタル酸、イソフタル酸、2−アミノテレフタル酸、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、または2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、有機配位子が、多座有機配位子および単座有機配位子を含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、有機配位子は、ここに全てを引用する米国特許第5648508号明細書に記載されている。
例示のドーパント
特定の実施の形態において、本発明は、マトリクスがドーパントをさらに含み、それによって、ハイブリッドMOFマトリクスまたはMOF複合マトリクスを形成する、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、そのドーパントは機能材料である。特定の実施の形態において、そのドーパントは、MOFマトリクスの多孔質構造中に組み込まれるのに十分なサイズと形状のものである。特定の実施の形態において、ドーパントは酸性または塩基性である。特定の実施の形態において、ドーパントはポリオキソメタレート(POM)または求核性アミンである。
特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスがポリオキソメタレートを含み、このポリオキソメタレートがヘテロポリ酸またはイソポリ酸である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスがポリオキソメタレートを含み、このポリオキソメタレートがリンタングステン酸(PTA)、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンタングステンモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸、もしくはタングステンまたはモリブデンと2から7の正原子価を有する少なくとも1つの他の元素とを含むヘテロポリ酸である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスがポリオキソメタレートを含み、そのポリオキソメタレートがリンタングステン酸(PTA)または金属イオンの含有により修飾されたPTAである、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスがポリオキソメタレートを含み、そのポリオキソメタレートが、Ti、Cr、Co、またはCuの含有により修飾されたPTAである、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスが求核性アミンを含み、その求核性アミンが4−アミノピリジンである、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、求核性アミンが4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
本発明のマトリクスの例示の特性
特定の実施の形態において、本発明は、結晶質である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、一次元、二次元、または三次元である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、多孔質である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、複数の細孔を含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、ナノ細孔またはメソ細孔を含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、ナノ細孔は、約0.1nmから約2nmの直径を有する細孔と定義される。特定の実施の形態において、メソ細孔は、約2nmから約50nmの範囲の直径を有する細孔と定義される。特定の実施の形態において、ナノ細孔またはメソ細孔の存在は、収着測定を使用して調査することができ、これらの測定では、DIN66131および/またはDIN66134に規定された窒素のMOF取込み能力が決定される。
特定の実施の形態において、本発明は、約0.1nmから約30nmの直径に及ぶ細孔を含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、約0.1nmから約4nmの直径に及ぶ細孔を含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、約0.1nmから約30nmの平均直径を有する細孔を含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、約0.1nmから約4nmの平均直径を有する細孔を含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、約0.1nm、約0.2nm、約0.4nm、約0.5nm、約0.6nm、約0.7nm、約0.8nm、約0.9nm、約1.0nm、約1.5nm、約2.0nm、約2.5nm、約3.0nm、約3.5nm、約4nm、約4.5nm、約5.0nm、約6nm、約7nm、約8nm、約9nm、約10nm、約12nm、約14nm、約16nm、約18nm、約20nm、約22nm、約24nm、約26nm、約28nm、または約30nmの平均直径を有する細孔を含む、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスの比表面積が、粉末形態のMOFについてラングミュアモデル(DIN66131、66134)にしたがって計算して、約5m2/g超、約10m2/g超、約50m2/g超、約500m2/g超、約1000m2/g超、または約1500m2/g超である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスの比表面積が、粉末形態のMOFについてラングミュアモデル(DIN66131、66134)にしたがって計算して、約10,000m2/g未満である、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、周囲温度でアルデヒド−アルコール反応を触媒する、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、アルデヒドとフェノールのバイヤー縮合を触媒する、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、アルデヒドまたはケトンのアセタール化を触媒する、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、アルデヒドの自己縮合を触媒する、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスが、アセトアルデヒド、アクロレイン、ホルムアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンジルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、α−ナフトール、またはβ−ナフトールを捕捉し、その反応を触媒する、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスが、タバコの燃焼または熱分解の生成物を化学的または物理的に吸着する、吸収する、取り込む、触媒する、またはその生成物と化学反応する、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスが、タバコの燃焼または熱分解の少なくとも1種類の生成物を吸着する、吸収する、または転化する、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスが、(i)生成物の分子量を増加させて、初期のアルデヒドに対して揮発性を低くすること、および(ii)毒性アルデヒド基を消費することをもたらす、アルデヒドの重縮合反応などの縮合反応を触媒する、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスがアルデヒドとフェノールとの間の縮合反応(バイヤー反応)を触媒して、アルデヒドとフェノールの両方の毒物群の消費をもたらす、上述したMOFマトリクスのいずれか1つに関する。
本発明の例示のフィルタエレメント
特定の実施の形態において、本発明は、上述したMOFマトリクスのいずれか1つを含むフィルタエレメントに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、フィルタロッド構造を有する、上述したフィルタエレメントのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、フィルタロッド構造は、所定の数のモノフィラメント(例えば、約3,000から約100,000のモノフィラメント)を主流煙の流動方向に配列することによって形成された構造(フィルタ構造)を意味する。
特定の実施の形態において、本発明は、煙中の汚染物質の量を減少させられる、上述したフィルタエレメントのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、繊維を含む、上述したフィルタエレメントのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、繊維が酢酸セルロースを含む、上述したフィルタエレメントのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、酢酸セルロースが複数のイソシアネート部分を含む、上述したフィルタエレメントのいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、約0.5質量%から約20質量%の量でMOFマトリクスを含む、上述したフィルタエレメントのいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、約0.5質量%、約1.0質量%、約1.5質量%、約2.0質量%、約2.5質量%、約3.0質量%、約3.5質量%、約4.0質量%、約4.5質量%、約5.0質量%、約5.5質量%、約6.0質量%、約6.5質量%、約7.0質量%、約7.5質量%、約8.0質量%、約8.5質量%、約9.0質量%、約9.5質量%、約10質量%、約11質量%、約12質量%、約13質量%、約14質量%、約15質量%、約16質量%、約17質量%、約18質量%、約19質量%、または約20質量%の量でMOFマトリクスを含む、上述したフィルタエレメントのいずれか1つに関する。
本発明の例示の喫煙用具
特定の実施の形態において、本発明は、上述したフィルタエレメントのいずれか1つを備えた喫煙用具に関する。特定の実施の形態において、本発明はタバコロッドに取り付けられた上述したフィルタエレメントのいずれか1つを含む、上述した喫煙用具のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、紙巻きタバコ、葉巻、または煙管である、上述した喫煙用具のいずれか1つに関する。
紙巻きタバコなどの普及した喫煙用具は、実質的に円柱状のロッド型構造を有し、巻紙により囲まれた刻みタバコ(例えば、カットフィラー形態にある)などの喫煙に適した材料の装填物、ロールまたはカラムを含み、それによって、いわゆる「喫煙用ロッド」または「タバコロッド」を形成する。通常、紙巻きタバコは、タバコロッドと端と端を接した関係で一列に並べられた円柱フィルタエレメントを有する。典型的に、フィルタエレメントは、トリアセチンを使用して可塑化された酢酸セルローストウを含み、このトウは、「プラグラップ(plug wrap)」として知られた紙材により囲まれる。紙巻きタバコは、多数のセグメントを有するフィルタエレメントを含むことがあり、それらのセグメントの1つは、活性炭粒子を含むことがある。典型的に、フィルタエレメントは、「チップペーパー」として知られる外接包装材を用いてタバコロッドの一端に取り付けられる。また、吸い込まれる主流煙を周囲の空気で希釈するために、チップ材およびプラグラップを穿孔することが望ましくなっている。紙巻きタバコは、喫煙者がその一端に点火し、タバコロッドを燃やすことにより使用される。喫煙者は、次いで紙巻きタバコの反対端(例えば、フィルタ端)を吸うことにより主流煙を口内に受け入れる。
特定の実施の形態において、本発明は、フィルタエレメントが喫煙用具に挿入される、上述した喫煙用具のいずれか1つに関する。
本発明の例示の方法
特定の実施の形態において、本発明は、カルボニル化合物を捕捉する、またはカルボニル化合物を揮発性が低い化合物に転化する方法に関する。特定の実施の形態において、捕捉は、紙巻きタバコの煙および煙成分の毒物成分の物理的または化学的吸着、吸収、または取込みにより行われる。
特定の実施の形態において、本発明は、カルボニル化合物またはフェノール化合物を吸着または吸収する方法であって、カルボニル化合物またはフェノール化合物を上述したMOFマトリクスのいずれか1つと接触させる工程を有してなる方法に関する。
特定の実施の形態において、本発明は、カルボニル化合物の非カルボニル生成物への転化を触媒する方法であって、カルボニル化合物を上述したMOFマトリクスのいずれか1つとある期間に亘り接触させ、それによって、非カルボニル生成物を形成する工程を有してなる方法に関する。
特定の実施の形態において、本発明は、非カルボニル生成物が、ケタール、アセタール、ポリケタール、ポリアセタール、または有機複素環である、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、フェノール化合物の非フェノール生成物または高分子生成物への転化を触媒する方法であって、フェノール化合物を上述したMOFマトリクスのいずれか1つにある期間に亘り接触させ、それによって、非フェノール生成物または高分子生成物を形成する工程を有してなる方法に関する。
特定の実施の形態において、本発明は、非フェノール生成物が有機複素環である、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、アルコール・アルデヒド縮合を触媒する方法であって、アルコールおよびアルデヒドを上述したMOFマトリクスのいずれか1つとある期間に亘り接触させる工程を有してなる方法に関する。特定の実施の形態において、本発明は、アルコールがフェノールである、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、アルコールが紙巻きタバコの煙からのフェノールである、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、アルコールがナフトールである、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、アルデヒドがホルムアルデヒドである、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、アルデヒドがアセトアルデヒドである、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、アルデヒドがベンズアルデヒドである、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、アルコールまたはアルデヒドがMOFマトリクス上に吸着される、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、アルデヒドをアルコールでアセタール化する方法であって、アルデヒドおよびアルコールを上述したMOFマトリクスのいずれか1つと接触させる工程を有してなる方法に関する。
特定の実施の形態において、本発明は、アルデヒドがベンズアルデヒドである、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、アルコールがメタノールである、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、カルボニル化合物またはフェノール化合物が、タバコの燃焼または熱分解の生成物である、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、流体中の毒物の量を実質的に減少させる方法であって、流体を上述したMOFマトリクスのいずれか1つと接触させる工程を有してなる方法に関する。
特定の実施の形態において、本発明は、流体中の毒物を実質的に除去する方法であって、流体を上述したMOFマトリクスのいずれか1つと接触させる工程を有してなる方法に関する。
特定の実施の形態において、本発明は、流体が気体である、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、流体がエアゾールである、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、流体がタバコの煙である、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、流体が紙巻きタバコの煙である、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、流体が紙巻きタバコの主流煙または副流煙である、上述した方法のいずれか1つに関する。紙巻きタバコまたは葉巻などの喫煙用具は、ふかす際に主流煙を、置きタバコ中に副流煙を生じる。
特定の実施の形態において、本発明は、毒物がカルボニル化合物またはフェノール化合物である、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、カルボニル化合物が、アセトアルデヒド、アクロレイン、ホルムアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンジルアルデヒド、またはプロピオンアルデヒドを含む、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、フェノール化合物が、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、α−ナフトール、またはβ−ナフトールを含む、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、流体中の毒物の量が減少する、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、毒物がMOFマトリクス上に吸着されるまたはその中に吸収される、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、毒物が、揮発性が低い物質に化学的に転化される、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、揮発性が低い物質が、ケタール、アセタール、ポリケタール、ポリアセタール、ポリマー、または有機複素環である。
特定の実施の形態において、本発明は、上述したMOFマトリクスのいずれか1つを製造する方法に関する。特定の実施の形態において、MOFマトリクスは、エタノール、ジメチルホルムアミド、トルエン、メタノール、クロロベンゼン、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水、過酸化水素、メチルアミン、水酸化ナトリウム溶液、N−メチルポリドンエーテル、アセトニトリル、塩化ベンジル、トリエチルアミン、エチレングリコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される溶媒中で製造してよい。特定の実施の形態において、上述したMOFマトリクスのいずれか1つを製造するための溶媒が、ここに全てを引用する、米国特許第5648508号明細書に記載されている。
特定の実施の形態において、本発明は、上述したMOFマトリクスのいずれか1つを製造する方法に関する。特定の実施の形態において、本発明は、PTA水溶液をMIL−101と接触させる工程を含む、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、硝酸Cr(III)およびテレフタル酸の水溶液をオートクレーブ処理する工程を含む、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、Cr(NO33、テレフタル酸、およびPTAを水中でオートクレーブ処理する工程を含む、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、溶媒を蒸発させる工程をさらに含む、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、結果として得られるMOFマトリクスの細孔径が制御される、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクスの細孔径が、有機配位子の選択によって制御される、上述した方法のいずれか1つに関する。どのような特定の理論によって拘束することを意図するものではないが、特定の実施の形態において、有機配位子が大きいほど、結果として得られるMOFマトリクスの細孔径が大きくなる。
特定の実施の形態において、本発明は、上述したフィルタエレメントのいずれか1つを製造する方法に関する。特定の実施の形態において、その方法は、上述したMOFマトリクスのいずれか1つを含む粒子を、フィルタエレメントの繊維と接触させ、それによって、被覆繊維を形成する工程を含む。特定の実施の形態において、本発明は、有機配位子上のペンダント基が繊維上の官能基と反応し、それによって、反応生成物を生じる、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、有機配位子上のペンダント基はアミノ基である。特定の実施の形態において、繊維上の官能基はイソシアネート部分である。特定の実施の形態において、反応生成物は尿素である。
特定の実施の形態において、本発明は、上述したMOFマトリクスのいずれか1つを含む複数の粒子を第2の溶媒に溶解させ、それによって、MOFマトリクス溶液を形成する工程をさらに含む、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、第2の溶媒はテトラヒドロフランまたはアセトンである。特定の実施の形態において、前記溶液が添加剤をさらに含む。特定の実施の形態において、添加剤はトルエンジイソシアネートである。特定の実施の形態において、第2の溶媒中の添加剤の濃度は、約0.5質量%から約10質量%である。特定の実施の形態において、第2の溶媒中の添加剤の濃度は、約0.5質量%、約1.0質量%、約1.5質量%、約2.0質量%、約2.5質量%、約3.0質量%、約3.5質量%、約4.0質量%、約4.5質量%、約5.0質量%、約5.5質量%、約6.0質量%、約6.5質量%、約7.0質量%、約7.5質量%、約8.0質量%、約8.5質量%、約9.0質量%、約9.5質量%、または約10質量%である。
特定の実施の形態において、本発明は、第2の溶媒中のMOFマトリクスの濃度が、約0.5質量%から約20質量%である、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、第2の溶媒中のMOFマトリクスの濃度が、約0.5質量%、約1.0質量%、約1.5質量%、約2.0質量%、約2.5質量%、約3.0質量%、約3.5質量%、約4.0質量%、約4.5質量%、約5.0質量%、約5.5質量%、約6.0質量%、約6.5質量%、約7.0質量%、約7.5質量%、約8.0質量%、約8.5質量%、約9.0質量%、約9.5質量%、約10質量%、約11質量%、約12質量%、約13質量%、約14質量%、約15質量%、約16質量%、約17質量%、約18質量%、約19質量%、または約20質量%である、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、MOFマトリクス溶液が繊維上に吹き付けられる、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、吹付けが連続気流中で行われ、それによって、実質的に同時に第2の溶媒を実質的に蒸発させる、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、被覆繊維を第2の期間に亘りある温度に維持する工程をさらに含む、上述した方法のいずれか1つに関する。
特定の実施の形態において、本発明は、その温度が約40℃から約100℃である、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、その温度は、約40℃、約45、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、または約100℃である。
特定の実施の形態において、本発明は、第2の期間が約30分から約90分である、上述した方法のいずれか1つに関する。特定の実施の形態において、本発明は、第2の期間が、約30分、約40分、約50分、約60分、約70分、約80分、または約90分である、上述した方法のいずれか1つに関する。
本発明をここまで一般的に記載してきたが、本発明の特定の態様および実施の形態の説明目的のためだけに含まれ、本発明を制限することを意図していない、以下を参照することによって、本発明はより容易に理解されるであろう。
実施例1. 多孔質触媒マトリクスの合成
材料
硝酸クロム(III)9水和物(99%)、テレフタル酸(≧99%)、塩化アルミニウム6水和物(AlCl3・6H2O、99%)、アセトアルデヒド(≧99.5%)、2−アミノテレフタル酸(99%)、N,N−ジメチルホルムアミド(>99.9%)、ベンズアルデヒド(再蒸留により精製、≧99.5%)、β−カリオフィレン(≧98.5%、エナンチオマーの合計、GC)、メタノール(無水、99.8%)、フェノール(≧99%)およびアセトアミド(≧99.0%)は、全てSigma-Aldrich Chemical Co.から得て、受け取ったまま使用した。水和12−タングストリン酸(H3PW1240・6H2O、PTA)(Sigma-Aldrich、>99%)を8時間に亘り70℃で乾燥させて、H3PW1240・6H2Oを得た。使用した全ての他の化学物質および溶媒は、市販源から得て、入手できる最高の純度のものであった。
多孔質MIL−101(Cr)マトリクスの合成
金属有機構造体(MOF)MIL−101の粒子を、マイクロ波(MW)またはオートクレーブオーブンいずれかの熱源を利用して、低温で合成した。オートクレーブ法において、Cr(NO33・9H2O(2.0g、5ミリモル)、テレフタル酸(0.83g、5ミリモル)および脱イオン水(20mL)をブレンドし、手短に音波処理して、pH2.58の紺青色の懸濁液が得られた。この懸濁液を、テフロン(登録商標)で裏打ちされたオートクレーブ容器(autoclave bomb)内に入れ、撹拌せずに、18時間に亘り218℃でオーブン内に保持した。合成と室温での平衡後、懸濁液において、pH0.5が記録された。
MW合成において、Cr(NO33・9水和物(1ミリモル、400mg)、テレフタル酸(166mg、1ミリモル)、および脱イオン水(4500mg、250ミリモル)をブレンドし、手短に音波処理し、初期pH2.60の懸濁液を得た。別の一連の実験において、1MのNaOH水溶液を使用して、pHを随時調節した。サンプル(1mL)を懸濁液から吸い取り、ガラス管内に入れ、一定の撹拌条件下で300mWの出力を使用して、15分間に亘り220℃でCEM Discover MWオーブン(ノースカロライナ州、マシューズ所在のCEM Corp.)を使用して、音波処理した。
いずれかの合成後、MOF固体を、遠心分離機(5,000g、10分間)を使用して、水から分離し、水、エタノール、およびアセトンで洗浄した。アセトン中の懸濁液を遠心分離機にかけ、分離し、固体をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中に入れ、この懸濁液を10分間に亘り音波処理し、次いで、一晩、70℃に維持した。結果として得られた固体を遠心分離により分離し、メタノールとアセトンで繰り返し洗浄し、一晩75℃で乾燥させ、次いで、2日間に亘り周囲温度で真空下(10-5トール)で乾燥させた。クロムに基づく乾燥MIL−101粒子の総収率は、54〜63質量%であった。典型的な元素分析、質量%:C、48.1;Cr、10.3。
MIL−101(Cr)−リンタングステン酸(PTA)ハイブリッド材料(MIL101/PTA)の合成
ハイブリッド材料を、水中で硝酸クロム、テレフタル酸およびリンタングステン酸をオートクレーブ処理することにより、または既に調製されたMIL−101をリンタングステン酸水溶液に含浸することにより、合成した。典型的な「共同オートクレーブ処理」合成(MIL101/PTAjaと称されるMOFを生じる)において、Cr(NO33・9H2O(2.0g、5ミリモル)、テレフタル酸(0.83g、5ミリモル)、リンタングステン酸(2g、0.7ミリモル)、および脱イオン水(20mL)をブレンドし、手短に音波処理して、pH2.58の紺青色の懸濁液が得られた。この懸濁液を、「テフロン」で裏打ちされたオートクレーブ容器内に入れ、撹拌せずに、18時間に亘り218℃でオーブン内に保持した。MIL101/PTAja固体を遠心分離により分離し、水、エタノール、アセトンで洗浄し、次いで、恒量となるまで真空下で乾燥させた。元素分析(質量%):C、33.1;Cr、7.58;W、21.8。
「含浸」法において、上述したようにオートクレーブ内で合成した1gの乾燥MIL−101をリンタングステン酸の水溶液(20mL中1.0g)中に懸濁させた。この懸濁液を音波処理し、2日間に亘り周囲温度で300rpmで振盪した。固体を遠心分離により分離し、真空下で乾燥させた。結果として得られたMOFをMIL101/PTAimpと称した。元素分析(質量%):C、33.5;Cr、9.23;W、19.9。
ケギン構造(H3PW1240、2880ダルトン)の元素分析および分子量に基づいて、本出願の発明者等は、MIL101/PTAjaおよびMIL101/PTAimp材料のPTA含有量は約31質量%であると推測した。
実施例2. NH2−MIL−101(Al)多孔質材料およびジメチルアミノピリジン(DMAP)を添加したNH2−MIL−101(Al)の合成および特性
30mLのDMF中の塩化アルミニウム6水和物(0.97g、4.0ミリモル)および2−アミノテレフタル酸(1.09g、6.0ミリモル)の溶液を「テフロン」で裏打ちされたオートクレーブ内に入れ、72時間に亘り130℃でそこに維持した。得られた黄色の粉末を遠心分離(10,000g、15分)により分離し、アセトンで洗浄し、分離し、200mLのメタノール中に24時間に亘り75℃で懸濁させた。得られた粉末を、遠心分離によりメタノールから回収し、真空下で乾燥させた。MOFの表面積および細孔パラメータを、MicromeriticsのASAP(登録商標)2020 Accelerated Surface Area and Prosimetry Analyzer(ジョージア州、ノークロス所在のMicromeritics Corp.)を使用して測定した。この化合物のBETおよびラングミュア表面積の値は、それぞれ、2080および2880m2/gと測定され、平均細孔径は2.2nmであった。
DMAPの添加について、30mLのメタノール中のDMAP(1g)の溶液を1gのNH2−MIL−101(Al)に加え、その懸濁液を手短に音波処理し、次いで、48時間に亘り室温で振盪した。次いで、固体粒子を遠心分離(10,000g、15分)により分離し、メタノールで洗浄し、室温で真空下において乾燥させた。
実施例3. MIL−89多孔質材料およびジメチルアミノピリジン(DMAP)を添加したMIL−89の合成および特性
最初に、μ3−オキソ−トリアクオヘキサキス(アセタート)三鉄(III)過塩素酸塩2水和物を以下のように調製した:電気分解鉄金属粉末(11.2g、0.2モル)を100mLの水および51.6mL(0.6モル)の70%HClO4と撹拌した。この混合物を、全ての鉄が反応するまで50℃に暖めた。遠心分離により、少量の不溶性物質を除去した。溶液を10℃に冷却した後、過剰(30mL)の15%のH22溶液を添加した。この溶液を5℃に冷却し、無水酢酸ナトリウム(32.8g、0.4モル)を撹拌しながらゆっくりと加えた。この反応混合物を気流中に置いた。5日後、溶液の大半は蒸発し、大きい赤茶色の結晶が残った;収量7.99g(30.0%)。結晶を収集し、25mLの冷水で二回洗浄し、濾紙で吸い取った。結晶を室温で真空下において24時間に亘りさらに乾燥させた。
次に、MOF Fe(III)酢酸−ムコン酸1:5(MIL−89)を以下のように合成した:オキソ−トリアクオヘキサキス(アセタート)三鉄(III)(400mg)を無水エタノール(20mL)中に溶解させ、ある程度の量が未溶解のまま残り、それを遠心分離により除去し、乾燥させ、秤量した。溶解分画は341mg(0.277ミリモル)であった。その溶液に、200mg(1.4ミリモル)のトランス,トランス−ムコン酸を加えた。この混合物を1週間に亘り75℃で密封バイアル内に保持し、オレンジ色の微粒子が得られた。このMOFをDMF、高温のメタノール(3回)により浄化し、24時間に亘り75℃で乾燥させ、次いで、1週間に亘り真空下(10-5トール)で乾燥させた。
MOFの表面積および細孔パラメータを、Micromeriticsの「ASAP」2020 Accelerated Surface Area and Prosimetry Analyzer(ジョージア州、ノークロス所在のMicromeritics Corp.)を使用して測定した。この化合物のBETおよびラングミュア表面積の値は、それぞれ、1880および2650m2/gと測定された。
DMAPの添加について、30mLのメタノール中のDMAP(1g)の溶液を1gのMIL−89に加え、その懸濁液を手短に音波処理し、次いで、48時間に亘り室温で振盪した。次いで、固体粒子を遠心分離(10,000g、15分)により分離し、メタノールで洗浄し、室温で真空下において乾燥させた。
実施例4. MIL−101(Cr)に基づく多孔質マトリクスの特性
MOFの表面積および細孔パラメータを、Micromeriticsの「ASAP」2020 Accelerated Surface Area and Prosimetry Analyzer(ジョージア州、ノークロス所在のMicromeritics Corp.)を使用して測定した。Q5000IR熱重量分析器(TA Instruments, Inc.)を使用して、熱重量分析(TGA)を行った。サンプルに、窒素雰囲気および温度昇降モードにおける加熱走査(20℃/分)を行った。1H、31Pおよび13C NMRスペクトルを、それぞれ、400.01、161.9および100MHzで作動するBruker Advance−400分光計を使用して、25±0.5℃で収集した。メタノール中のMOF懸濁液における粒径分布は、ZetaPALS機器(Brookhaven Instruments Corp.)を使用して測定した。融点は、Mel−Temp II装置(Laboratory Devices USA)により決定し、補正していない。ICP装置を使用して、商業用研究室で元素分析を行った。
pH2.6の脱イオン水中で合成されたMIL−101(Cr)粒子の特性が図7に纏められており、一方で、MIL101/PTAマトリクスの特性が、図1および図8に示されている。
実施例5. アクロレインの捕捉および転化
アクロレイン(2−プロペナールとしても知られている)は、紙巻きタバコの煙の中に見つかる難分解性毒物である。アクロレインは、肺癌患者に見られるDNA損傷と類似の損傷を生じ得る。煙は、他のDNA損傷化学物質より1,000倍まで多いアクロレインを含有するので、肺癌の主因であり得る。アクロレインは、ヒトの細胞がDNA損傷を修復するのも停止させる。そして、アクロレインは、シアン化水素のように、通常は我々の肺から他の毒素を取り除く毛を殺す。その反応性は、2つの反応性基、ビニルおよびアルデヒドの存在によるものであり、これは、個別にまたは一緒に反応し得る。アクロレインは揮発性であり、沸点は53℃、20℃での蒸気圧は286ミリバール(28.6kPa)である。この実施例において、発明者等は、アクロレインが、塩基性および酸性のMOFにより捕捉され、その存在下で容易に重合して、不溶性ポリマー(ポリアクロレイン)を生成することを観察した。
アクロレインの取込みについて、各々が、MIL−101、MIL101/PTAja、MIL101/PTAimp、PTA、NH2−MIL−101(Al)、DMAPを添加したNH2−MIL−101(Al)、およびMIL−89とDMAPを添加したMIL−89の秤量した量の乾燥粉末を収容しているガラス瓶を、デシケータ内の、10gの液体アクロレインを収容する開いたペトリ皿の隣りに入れた。開いたガラス瓶を室温で5日間に亘り密閉したデシケータ内に保持し、その間に、ガラス瓶を取り出し、それらを迅速に密封し、質量を測定することによって、取込み量を定期的に秤量した。3日後に、平衡取込み質量に到達し、その時点で、ガラス瓶のさらなる質量の増加は観察されなかった。これらのサンプルは、三重に調製し、測定した。取込み質量は、WU、%=100×(平衡後のサンプル質量−初期サンプル質量)/初期サンプル質量として計算した。
アクロレインの取込み質量の結果が図2に与えられている。図示されるように、最大の細孔容積および表面積を有するマトリクスである、MIL−101(Cr)による420質量%を超えるアクロレインの取込みが観察された。取込み量は、PTA自体により、蒸気の急激な重合が生じた(530%を超えるPTAの取込み量を参照)という事実にもかかわらず、MIL−101(Cr)マトリクスにリンタングステン酸(PTA)を添加することによって、著しく減少した。サンプルの全てにおいて、透明または黄色がかった高分子層の形成が観察されたが、PTAの場合に、最も優勢であった。リンタングステン酸は、アクロレインの重合を生じる、公知のヘテロポリ酸の最も有力な酸である。MIL−101の細孔中に埋め込まれたPTAの周りのアクロレインの急激な重合が、MIL−101(Cr)/PTAマトリクスの場合にアクロレイン蒸気のさらなる取込みを妨げ、これにより、全体的なアクロレインの取込みが減少したと仮定されるであろう。マトリクスのMIL−101(Al)およびMIL−89は、MIL−101(Cr)よりもずっと少ない表面積を有し、それゆえ、より少量しかアクロレインを取り込まなかった。これらのマトリクスのアクロレインを取り込む能力は、アクロレインの重合の効率的な触媒である、DMAPによる修飾によって、劇的に、4.5〜6.5倍に増加した。特定の実施の形態において、本発明のマトリクスは、マトリクスの質量の5倍までアクロレイン蒸気を取り込むことができる。取り込まれたアクロレインは、不揮発性高分子種に急激に転化される。理論により拘束するものではないが、本発明の例示の触媒マトリクスによるアクロレインの重合が、図3に示されている。
実施例6. アセトアルデヒドの取込みおよび転化
アセトアルデヒド(CH3CHO)は、鼻にツンとくる息の詰まるような臭いの飽和アルデヒドであり、その臭いは、刺激性で催涙性であるにもかかわらず、より低濃度では、フルーティーで心地よい。アセトアルデヒドは揮発性が強く、沸点は20.16℃、20℃での蒸気圧は0.97気圧(約98kPa)である。紙巻きタバコ中のアセトアルデヒド濃度は紙巻きタバコ当たり0.5〜1.2mgであり、その化合物の98%は蒸気/煙中に見つかる。発明者等は、気相中のアセトアルデヒドの取込みおよび揮発性が低い生成物への触媒転化を示す実験を以下のように行った。
アセトアルデヒドの取込みについて、各々が、MIL−101、MIL101/PTAja、MIL101/PTAimp、またはPTAの秤量した量の乾燥粉末を収容しているホウケイ酸ガラス瓶を、デシケータ内の、最初に−20℃で注がれた10gの液体アセトアルデヒドを収容する開いたペトリ皿の隣りに入れた。アセトアルデヒドは、室温でペトリ皿から急激に蒸発し、密閉したデシケータの内に蒸気が収容された。開いたガラス瓶を室温で7日間に亘り密閉したデシケータ内に保持し、その間に、ガラス瓶をデシケータから取り出し、それらを迅速に密封し、質量を測定することによって、取込み量を定期的に秤量した。サンプルの取出しのためにデシケータを開ける度毎に、デシケータ内のペトリ皿に液体のアセトアルデヒドを加えて、デシケータ内の飽和蒸気雰囲気を維持した。2日後に、平衡取込み質量に到達し、その時点で、ガラス瓶のさらなる質量の増加は観察されなかった。ガラス瓶内に形成された液体の少量のサンプル(0.1mL)を2日後に断続的に取り出した。ガラス瓶内に凝縮された液体に、白色から黄色、茶色、黒色への急激な変色が観察された。これらのサンプルは、三重に調製し、測定した。取込み質量は、WU、%=100×(平衡後のサンプル質量−初期サンプル質量)/初期サンプル質量として計算した。
アセトアルデヒドの取込み質量の結果が図4に与えられている。図示されるように、多孔質MIL−101(Cr)マトリクスにより、200質量%超のアセトアルデヒドの取込みが観察された。取込み量は、MIL−101(Cr)にリンタングステン酸(PTA)を添加することによって、劇的に、4から5倍超向上し、結果として、MIL101/PTAjaおよびMIL101/PTAimpマトリクスが黒色の液体により満たされた。固体のPTA粉末は、その周りに形成された黒色の凝縮液中に完全に溶解し、取込みは2780%を超えた。発明者等は、PTAおよびPTA装填マトリクスが、アセトアルデヒドの強力な凝縮剤であることを予期せずに発見したようであった。研究の(最初に)固体サンプル上に凝縮した液体を、マトリクスとしてα−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸(ACHCA)を使用し、Applied Biosystems Model Voyager DE−STR機器を使用して、マトリックス支援レーザ脱離イオン化飛行時間(MALDI−TOF)質量分析法によって、組成について分析した。ACHCAスペクトルと重複した典型的なMALDI−TOFスペクトルが図5に示されている。
図5に示されるように、初期のアセトアルデヒド(m/z=44、沸点=20℃)は、ほとんど完全に(97%超)、クロトンアルデヒド(m/z=70、沸点=104℃)(図11参照)、酢酸エチル(m/z=88、沸点=77.1℃)、2−メチル−2−ペンテナール(m/z=98、沸点=133〜134℃)、3−ヒドロキシ−2−メチルペンタナール(m/z=116、沸点=180.5℃)、メタアルデヒド(アルデヒド四量体)脱水の不飽和アルデヒド生成物(m/z=158、沸点>170℃)および高分子量の他の生成物に転化される。測定の時間の経過と共に、生成物の分子量はさらに増加した。とりわけ、アルドール縮合生成物の沸点およびそれらの脱水は、これらの生成物が、初期のアセトアルデヒドよりもずっと揮発性が低いことを示している。最終的に、マトリクスにより触媒されたアセトアルデヒドの重合は、粘性高分子液体を生成することが観察された。
実施例7. アルデヒドとナフトールとの間の反応の触媒作用
アルデヒドおよびナフトールなどのフェノールは両方とも、喫煙中に生じるタバコの熱分解の発癌性生成物であり、タールと煙に見つかる(蒸気および微粒子の両方で)。特定の実施の形態において、本発明は、不揮発性生成物を形成する、アルデヒドとナフトールとの間の反応を触媒するマトリクスを開示する。この実施例において、本発明の多孔質マトリクスにより触媒される、例示のベンズアルデヒドと、発癌性2−ナフトールとの間の反応が開示されている。理論により拘束するものではないが、その反応が図6に示されている。
この反応は以下のように行った:2−ナフトール(144mg、1.0ミリモル)の微粉状アリコートを53mg(0.5ミリモル)のベンズアルデヒドおよび測定量の触媒粉末と混合し、密閉された撹拌されるガラス瓶内のその混合物を、一定に撹拌しながら、300mWの出力を使用して、2から10分間に亘り60から90℃に及ぶ所定の温度でマイクロ波処理した。ベンズアルデヒド中の2−ナフトールの急激な溶解が、T≧60℃で観察された。所定の時間で、ガラス瓶の内容物をドライアイス上に置き、2mLの重水素化THFまたはメタノール中に溶解させ、1H NMRスペクトルが記録されるまで、ドライアイス上に保持した。分離した触媒をメタノールで3回濯ぎ、真空下で乾燥させ、秤量した。これらの条件下では、CD3ODとのヘミアセタールまたはヘミケタールの形成などの副反応は検出されなかった。反応収率の測定について、THF中の固体触媒から分離された生成物を真空下で乾燥させ、75℃でエタノール中に溶解させ、その溶液を0℃に冷やした。ジベンゾキサンテン生成物の結果として生じる結晶を真空下で乾燥させ、生成物の収率を得るために秤量した。この収率は、反応の化学量論に基づいて、計算収量に対する実際の生成物収量の比として計算した。
再結晶化後の生成物の特徴付け。1H NMR (400 MHz, THF-d8) δH: 5.0 (1H, -CH), 7.08 (2H, ナフタレン), 7.21-7.31 (5H, ベンゼン), 7.47 (4H, ナフタレン), 7.75 (2H, ナフタレン), 7.81 (2H, ナフタレン), 8.17 (2H, ナフタレン). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δC: 45.3, 115.5, 118.8, 123.2, 126.7, 127.2, 128.4, 129.7, 133.5, 138.6, 153.6. 溶融温度,181 ℃. C27H18Oについて計算した元素分析: C, 90.47; H, 5.06; 実測値: C, 90.35; H, 5.07。
触媒作用の結果が図9に示されている。
図9から分かるように、TPAを含有するMIL101の多孔質マトリクスは、ベンズアルデヒドおよび2−ナフトールを不揮発性(固体、融点183℃)生成物にほぼ完全に急激に転化した。
実施例8. アセトアルデヒドおよびフェノールの縮合
重水素化THF(THF−d8)中でのアセトアルデヒドとフェノールとの間の反応の後に、1H NMR分光法を行った。反応は25℃で三重に行った。フェノールとアセトアルデヒドの初期濃度は、それぞれ、Cpi=0.165または0.33MおよびCa0=0.33Mであった。典型的に実験において、フェノール(188mg、2ミリモル)および10mgの粉末状触媒をTHF−d8(2mL)中に溶解/懸濁させ、38μLのアセトアルデヒド(先に0℃に冷やした)を、シリンジを通じて反応混合物中に注入した。MIL101/PTA濃度を変えることによって、最適な触媒濃度を確立するために、一連の対照測定を行った。5mgのMIL101/PTAimpまたはMIL101/PTAjaを最初のアルデヒド/フェノール/THF−d8反応混合物に添加すると、30から60分間で、10mgの対応する触媒種よりも、1.1〜1.6倍低い転化が生じるのに対し、他は同じ条件下での20mgの添加では、反応速度は変わらなかった。したがって、安定性の研究を除いて、さらなる研究の全ては、10mgの触媒添加で行った。全ての触媒は、反応前に真空下(10-5トール)に保持した。反応混合物は、小さい撹拌子により800rpmで激しく撹拌された密封状態の7mLのガラス瓶内に25℃に保持した。リンタングステン酸はTHF中に完全に溶解し、それゆえ、均一系触媒反応が生じたのに対し、MIL−101およびMIL101/PTAの粒子では懸濁液が形成され、したがって、これらの場合、触媒作用は不均一であった。サンプル(350μL)をガラス瓶から時々取り出し、THF−d8で2倍に希釈し、14,000×gで30秒間に亘り遠心分離して、触媒を除去した。触媒はガラス瓶に戻した。次いで、透明な上清の1H NMRスペクトルを記録した。時点は測定期間の中央値としてとらえた。触媒の安定性/再利用の研究において、反応は、20mgの触媒により行った。触媒を遠心分離(14,000g、30秒間)により反応混合物から除去し、得られた小塊を手短な音波処理によって3mLのTHF中に分散させ、粒子を再び遠心分離により分離した。この手順を2回繰り返し、得られた粒子を分離し、真空下で乾燥させた。再利用した触媒を秤量し、元素分析によってWまたはCrの含有量について分析した。この分析は二重に行った。触媒の回収率(質量%)は、100×nサイクル目の再利用における触媒の質量/触媒の初期質量として測定した。各サイクルにおける触媒の性能は、上述したように測定した。
実施例9. ベンズアルデヒドとメタノールとの間の反応
ベンズアルデヒドとメタノールとの間の反応を、25から55℃に及ぶ温度で三重に行った。メタノールとベンズアルデヒドの初期濃度は、それぞれ、Cmi=23.5MおよびCb0=0.474Mであった。典型的な実験において、乾燥粉末状触媒(10mg)を、メタノール(6.7mL、166ミリモル)およびベンズアルデヒド(340μL、3.34ミリモル)の混合物中に懸濁させ、反応を開始させた。全ての触媒は、反応前に真空下(10-5トール)に保持した。反応混合物は、小さい撹拌子により800rpmで激しく撹拌された密封状態の7mLのガラス瓶内に25℃に保持した。リンタングステン酸はメタノール中に完全に溶解したのに対し、MIL−101およびMIL101/PTAの粒子は不溶性であり、テレフタル酸などの有機生成物が浸出したのは検出されなかった。サンプル(200μL)をガラス瓶から時々取り出し、14,000gで30秒間に亘り遠心分離して、触媒を除去した。触媒はガラス瓶に戻した。透明な上清にCDCl3を添加し、次いで、得られた溶液の1H NMRスペクトルを記録した。サンプルが、反応ガラス瓶から取り出された直後に測定できなかった場合には、それらサンプルは、触媒の分離とCDCl3により希釈の直後にNMR管に入れた;反応を完全に停止させるために、スペクトル測定の前に、それらの管をドライアイス上に保持した。対照実験において、そのような条件下に保持されたサンプルにおいて、2日間に亘りNMRスペクトルに測定できる変化は観察されなかった。アセトアルデヒド−フェノールの反応の場合におけるように、MIL101/PTA濃度を変えることによって、最適な触媒濃度を確立する試みを行った。5mgのMIL101/PTAimpまたはMIL101/PTAjaを最初のベンズアルデヒド/メタノール反応混合物に添加すると、30から60分間で、10mgの対応する触媒種よりも、1.5〜1.8倍低い転化が生じるのに対し、他は同じ条件下での20mgの添加では、反応速度は変わらなかった。したがって、20mgの触媒を使用した安定性の研究を除いて、さらなる研究の全ては、10mgの触媒添加で行った。再利用について、反応混合物から遠心分離により除去された触媒をTHFおよび冷やしたメタノールで2回洗浄し、真空下で乾燥させ、秤量した。他の安定性のパラメータは、アセトアルデヒド−フェノールの反応について上述したように測定した。
MIL101/PTAjaにより触媒された反応において得られ、その後、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによる生成物の精製が行われたベンズアルデヒドジメチルアセタールは、茶色がかったペースト材料であることが観察された。1H NMR (CDCl3): d = 3.37 (s, 6 H), 5.42 (s, 1 H), 7.34-7.42 (m, 3H), 7.47-7.49 (m, 2 H).13C NMR (CDCl3): d = 52.3, 102.7, 126.2, 127.8, 128.0, 137.6。
実施例10. 触媒の特徴付け
MOFの表面積および細孔パラメータを、Micromeriticsの「ASAP」2020 Accelerated Surface Area and Prosimetry Analyzer(ジョージア州、ノークロス所在のMicromeritics Corp.)を使用して測定した。Q5000IR熱重量分析器(TA Instruments, Inc.)を使用して、熱重量分析(TGA)を行った。サンプルに、窒素雰囲気および温度昇降モードにおける加熱走査(20℃/分)を行った。1Hおよび13C NMRスペクトルを、それぞれ、400.01および100MHzで作動するBruker Advance−400分光計を使用して、25±0.5℃で収集した。メタノール中のMOF懸濁液における粒径分布は、ZetaPALS機器(Brookhaven Instruments Corp.)を使用して測定した。商業用研究室で元素分析を行った。
この研究において、MIL−101構造体を、MIL−101中に典型的に存在する毒性で腐食性のフッ化水素酸を添加せずに、脱イオン水中で溶媒熱合成した。Ferey, G.等 Science 2005, 309, 2040-2042。HFが存在しないにもかかわらず、本研究におけるMIL−101の結晶構造は、以前に公表されたものに対応した。MIL−101多孔質構造にPTAイオンを添加すると、元のMOFよりも4から5倍小さい表面積を有する粗い粒子が得られる;細孔の大部分はPTAにより占められている。PTAのケギン陰イオンは比較的大きいサイズ(約1.3nmの直径および2.25nm3の体積)を有し、よって、MIL−101の大きいケージ(3.6nmの直径、図10)のみがそれを収容できる。Ferey, G.等は、各ケージが5つまでのケギンイオンを受け入れることができ、これはケージの体積の50%を表す。MIL−101成分およびPTAの共同オートクレーブ処理の結果として成長した結晶は、元のMIL−101またはMIL101/PTAの粒子よりも5から25倍大きいサイズの粒子を生じた。以下に示されるように、大きい粒径にもかかわらず、MIL101/PTAjaの触媒活性は、粒子がより小さいMIL101/PTAimpのものとほとんど同じであり、MOF細孔を通じての物質移動は活性を制限していなかったことを示した。
実施例11. アセトアルデヒドとフェノールとの間の反応
室温でのアセトアルデヒドとフェノールとの間の縮合反応の反応速度論を、1H NMRにより研究した。アセトアルデヒドは、周囲温度でほとんどの有機溶媒並びにフェノールと容易に混和する。しかしながら、触媒の存在下では、アルデヒドとフェノールの発熱縮合が極めて急激である。温度上昇により、反応速度がさらに上昇し、これにより温度がさらに上昇する。ノボラック樹脂製造の工業プロセスにおけるように、冷却手段として非反応性希釈液を利用する必要があった。NMRロックとしても働く、重水素化テトラヒドロフラン(THF−d8)は、選択された条件下での効率的な希釈液であるように思え、この条件では、アセトアルデヒドの反応混合物中への添加の際に温度の急上昇が検出されなかった。
25℃でのTHF−d8中でMIL101/PTAjaにより触媒されたアセトアルデヒドとフェノールとの縮合反応の反応速度を表す典型的な1H NMRスペクトルが図12に示されている。図12に示されるように、反応の過程で、9.7ppmでのアルデヒド基プロトン(−HC=O)の信号が消えたのに対し、縮合生成物のフェノール環の間のエチリデン結合(−CHCH3)に属するメチル基の強力な信号は1.34ppmで現れ、増大した。これらの信号は、アルデヒドの転化率(F)の計算のためのよい基準であった。この計算は、式:
から得られ、式中、I1.3およびI9.7は、それぞれ、時間tで測定された対応するメチルプロトンとアルデヒドプロトンの相対的な積分である。
7.2ppmで三重に中心となっている位置(フェノールおよび生成物における2つのメタ位置プロトン)および6.9ppmで多重に中心となっている位置(フェノール環における2つのオルト位置と1つのパラ位置のプロトン)は、この研究に使用した溶媒とは独立しており、反応が進行するにつれて、変化しなかった。7.9〜8.3ppmおよび5ppmの区域におけるフェノールのヒドロキシル基に相当する信号の位置は、反応の程度に応じて、不安定であったことを観察したことは興味深い。フェノール−アルデヒドオリゴマーのモデルの以前の研究では、フェノールヒドロキシルの化学シフトは、フェノールのヒドロキシルとメチロールのヒドロキシルが水素結合を形成する分子間錯体の形成に非常に敏感であり、3ppmまでの化学シフトの変化(δOH)を生じることが記録されていた。そのような錯体の形成と解離は、δOHにおいて観察された変化を説明している。
アセトアルデヒド−フェノール縮合の全体の反応が図13に示されている。
図13において、芳香族フェノール環のオルト位置とパラ位置の両方が、酸触媒反応において同じ反応性を有するので、フェノール環の間のメチレン架橋の位置を故意に特定しなかった。しかしながら、フェノールのアセトアルデヒド誘導体とのブロモマグネシウムイオン媒介反応などの他の触媒反応において、均一な構成を有する全てオルトのフェノール−アセトアルデヒドノボラック樹脂を得ることは可能である。
反応速度の公式の定義から、縮合(図13)の速度を
と定義でき、式中、CpおよびCaは、それぞれ、フェノールおよびアセトアルデヒドの濃度である。−OH基が反応しないと仮定すると、アルデヒド濃度の時間による変化は以下のようになる:
式中、CppおよびCpoは、反応に利用できる、それぞれ、パラ位置とオルト位置の総数である。
κ1=κ2=κと近似すると、
が得られる。所定の時間での反応したアルデヒドの濃度は、Ca0がアルデヒドの初期濃度とすると、Ca0−Caである。次に、フェノールの残りのオルト位置とパラ位置の総濃度は、式Cpp+Cpo=3Cpi−Ca0+Caから分かる。ここで、Cpiはフェノールの初期濃度である。
次に、速度の式は以下のように書くことができる:
と表すと、上の式は
となり、これは、積分後、以下の関係となる:
それゆえ、初期反応の結果を座標
で表すと、κqに比例する勾配を有する直線が得られ、それゆえ、反応速度定数κの推定値に到達する。
図14に示されるように、PTA、MIL101/PTAおよびMIL101により触媒される反応は、最初の30分間において著しい速度で進行し、その時点で、最初のアセトアルデヒドの50%超が反応した。触媒反応におけるアセトアルデヒドの完全な転化は、約5日以内に到達する。触媒を添加しない自然反応では、室温での5日後にたった約5%の転化率にしかならなかった。初期反応の速度定数は、図15に示されるように、時間依存性のアセトアルデヒド濃度関数(P)対時間(式(2))を表すことによって測定した。
直線近似の勾配(全ての場合でR2>0.96)で、アセトアルデヒド−フェノール縮合速度定数κが生じ、その値が、触媒回転数(TON)および回転頻度(TOF)の値と共に、図16に纏められている。TOFは、転化されたアルデヒドの時間依存性濃度Cc a/t=(Ca0−Ca0F)/tおよび有効触媒濃度(Ccat)の初期勾配から得た:
同様に、反応の半減期は、式t1/2=ln(2)/(ΔF/Δt)から計算した。
PTAを含まないMIL−101の場合、MIL−101における配位した不飽和部位の濃度(0.7ミリモル/g)ではなく、ブレンステッド酸とルイス酸の部位の総濃度(約2ミリモル/g)により、触媒部位濃度の適切な推定値が与えられると想定した。この値をCcatの計算に使用した。
実施例12. ベンズアルデヒドのメタノールによるアセタール化
ベンズアルデヒドジメチルアセタールの形成に過剰のメタノールを使用したベンズアルデヒドのアセタール化の反応(図17)は、1H NMRにより容易に理解され、これにより、反応速度の測定が可能になった(図18)。
図18に示されるように、反応の過程で、9.9ppmのベンズアルデヒドプロトン(−HC=O)の信号が消えたのに対し、−C−O−並びにベンジル基の両方に対してαに位置するメチン基の5.3ppmでの信号および3.3ppmでのジメチルアセタールのメチル基の6つのプロトン(−CH−O−CH3)が現れ、増大した。この反応におけるアルデヒドの転化率(F)は、式:
から得られ、式中、I5.3およびI9.9は、それぞれ、時間tで測定された対応するメチレンプロトンとアルデヒドプロトンの相対的な積分である。
メタノールのメチル基の信号の位置(3.38ppm)は、反応の過程中ずっと一定のままであったのに対し、ヒドロキシル基信号の位置は、3.7〜4.3ppmの範囲で変動した(図18)。メタノールのヒドロキシル基のδOHは、水素結合の形成の程度に強く依存することが知られており、その形成は溶媒に依存する。特に、メタノールとクロロホルムの混合物中の−OH信号の化学シフトは、メタノールと溶媒との間の水素結合のために、1.5〜4.6ppmの範囲で溶媒組成により変動する。反応の過程における、H−結合に関する強い傾向による、CDCl3中のメタノールの濃度のわずかな変動および水の発生は、メタノール−OH化学シフトの変化をもたらす。
ゼオライト、粘土およびイオン交換樹脂などの固体酸である不均一触媒上でのアルデヒドのアルカノールとの反応の反応速度および熱力学を研究した。3つの素過程からなる、不均一触媒作用を含むアルカノール−アルデヒド反応に反応機構が提案された:(i)吸着されたアルデヒドとアルコールからのヘミアセタールの形成、(ii)水の形成(制限工程)、および(iii)アセタールの形成。バッチ式反応器内での酸樹脂Amberlyst−15上でのアセトアルデヒドジメチルアセタールの合成における全ての反応体の時間依存性活性のモニタリングを含む詳細な研究により、反応の速度法則および速度定数が判明し、アセトアルデヒドの揮発性が説明された。しかしながら、我々の知る限りでは、試薬としてオルトギ酸トリメチルを使用し、触媒としてインジウム層を有するMOFを使用したジメチルアセタールの形成および触媒としてCu(II)、Fe(II)およびAlベンゼンジおよびトリカルボキシレートMOFを使用したベンズアルデヒドおよびメタノールからの報告にかかわらず、アリールアルデヒドアセタールの場合に、速度定数は報告されていない。
この研究において、MIL−101およびPTAとのMIL−101の複合体により触媒された全体的なベンズアルデヒドジメチルアセタールの形成反応の反応速度を評価し、これらの材料の性能を、以前に報告されたMOF触媒のものと比較することに着手した。(未知の)素過程の説明は避けた。
ベンズアルデヒドに対して50倍のモル濃度過剰のメタノールを考えると、時間によるベンズアルデヒド濃度(Cb)の変化は、擬似一次速度式:
により表すことができる。
である、上述した式の積分形態から、F対時間のデータなどの1H NMRの実験結果を使用して、κobsを得ることができ、ここで、Fは式(4)から得られる。図19に示された反応速度は、PTAおよびMIL−101とのその複合体の存在下での、ベンズアルデヒドのそのジメチルアセタールへの急激な転化を示している。最初の60分間以内に得られたデータ点は、式(5)の座標において直線(全ての場合において、R2>0.98)であるように見え、κobs、反応半減期t1/2=ln(2)/κobs、および回転頻度TOF=Cb0κobs/Ccatの推定が可能になった。これらのパラメータが図20に纏められている。重要なことには、触媒を含まない場合、非常に低い(<5モル%)のベンズアルデヒドの転化率が観察されたのに対し、全ての触媒の存在下で48時間以内に完全な転化が観察され、MIL101/PTA複合体並びにPTAにより触媒された反応においては、24時間以内で93〜95モル%の転化率が観察された。MIL−101について、転化率は24時間後に80モル%に到達した。触媒回転数(TON=Cb0×転化率/Ccat)を計算できる。24時間後の80%の転化率で、懸濁液1L当たりのブレンステッド酸とルイス酸の総濃度当たりで計算すると、MIL−101について、約140のTONが得られる(図16)。TONの先の推定値は、Cu3(BTC)2MOFと比べて、MIL−101が少なくとも10倍より効率的な触媒であることを示している。重要なことには、未修飾のMIL−101と比べてMIL101/PTA複合体では、反応速度は5倍速く、TON値は20倍大きく、これらの複合体における強力なヘテロポリ酸の存在により、触媒効率が劇的に向上したことを示した。
実施例13. 触媒の回収および再利用
実際的な観点から、最大の触媒生産性、すなわち、触媒1kg当たりで生成される生成物のkgは、触媒の性能の利点の尺度である。反応中に容易には失活しない極めて安定な触媒は、高い生産性を示し、触媒1kg当たりに、数kgの生成物を生成できる。プロセスの経済性およびMOF触媒に基づく工業プロセスを開発するための可能性を決定するのに必要な、触媒としてMOFを使用した生産性のデータは、わずかな報告にしか得られていない。この研究において、アルコール−アルデヒド反応の4サイクル以内でのMIL−101およびMIL101/PTAの安定性を評価した。安定性のパラメータは、(i)質量による全体の触媒回収、(ii)MIL101/PTA複合体におけるPTA(ケギンイオン)含有量またはMIL−101におけるCr含有量に関する構造安定性、および(iii)各サイクルにおける反応速度定数に関する性能であった。回収および再利用の研究の結果が図21に纏められている。図示されているように、4サイクルに亘る触媒の質量損失は、試験した触媒の全てについて約10質量%であった。この損失は、触媒の洗浄プロセスにおいてメタノール中に極微量が溶解したこと、および遠心分離管の壁上に少量の触媒が留まったことのために、遠心分離による分離後の触媒の回収が不完全なせいである。これらの損失は、3回目のサイクル後に実質的に止まり、MIL−101構造体からPTAが浸出する損失もそうであった。発明者等は、以前にXRD法により、MIL−101およびPTAを有するその複合体の、メタノール、THFおよびいくつかの他のものなどの有機溶媒への周囲温度から90℃までの温度範囲での長期間の繰り返しの曝露では、その構造体の結晶構造にはどのような変化も生じなかったことを示した。これらのデータは、実質的に不変の反応速度定数(図21)と共に、MOF触媒の優れた安定性を示す。4サイクルにおいて、20mgのMIL/PTA触媒が、約750mgのフェノールおよび140mgのアセトアルデヒド、または1.35gのベンズアルデヒドを転化した。この発見は、高い触媒性能の利点を示す。
実施例14. MOF合成
NH2−MIL−101(Al)。 DMF(99.9%、40mL)中の塩化アルミニウム6水和物(AlCl3・6H2O、0.51g、2ミリモル)および2−ATA(HOOC−C63NH2−COOH、0.56g、3ミリモル)の溶液を、「テフロン」で裏打ちされたオートクレーブ容器内で72時間に亘り130℃に保持した。次いで、固体を遠心分離(5000g、10分間)により溶液から分離し、20分間に亘り音波処理しながらDMFで洗浄した。この後、室温でメタノールにより洗浄し、5時間に亘り過剰な高温(70℃)のメタノールで洗浄し、恒量に到達するまで、80℃で真空下において乾燥させた。元素分析、計算値(単位セルについて、Al816652848968164352):Al、11.8;N、6.13%;測定値:Al、12.1;N、6.34%。得られたMOFをNH2MIL101(Al)autoと称した。
NH2−MIL−53(Al)。 この材料は、オートクレーブ処理法またはマイクロ波の適用のいずれかによるMOF成分の熱処理によって合成した。オートクレーブ処理法において、DMF(99.9%、40mL)中の塩化アルミニウム6水和物(AlCl3・6H2O、2.55g、10ミリモル)および2−ATA(2.8g、15.5ミリモル)の溶液を、「テフロン」で裏打ちされたオートクレーブ容器内で72時間に亘り130℃に保持した。固体を遠心分離(5000g、10分間)により溶液から分離し、20分間に亘り音波処理しながらDMFで洗浄した。この後、室温でメタノールにより洗浄し、5時間に亘り過剰な高温(70℃)のメタノールで洗浄し、恒量に到達するまで、80℃で真空下において乾燥させた。元素分析、計算値(単位セルについて、Al43224420):Al、12.1;N、6.27%;測定値:Al、12.7;N、6.75%。得られたMOFをNH2MIL53(Al)autoと称した。
マイクロ波法において、DMF(99.9%、40mL)中の塩化アルミニウム6水和物(AlCl3・6H2O、0.51g、2ミリモル)および2−ATA(0.56g、3ミリモル)の溶液を、マイクロ波加熱炉(Discover SP−D、CEM Corp.)内に入れ、300mWのマイクロ波出力を使用して1時間に亘り130℃に保持した。固体を遠心分離(5000g、10分間)により溶液から分離し、20分間に亘り音波処理しながらDMFで洗浄した。この後、室温でメタノールにより洗浄し、5時間に亘り過剰な高温(70℃)のメタノールで洗浄し、恒量に到達するまで、80℃で真空下において乾燥させた。元素分析、計算値(単位セルについて、Al43224420):Al、12.1;N、6.27%;測定値:Al、12.1;N、6.30%。得られたMOFをNH2MIL53(Al)MWと称した。
実施例15. MOF構造
XRDデータに基づいて、CrystalMaker(登録商標)(CrystalMaker Software Ltd.)およびSpartanModel(Wavefunction, Inc.)のソフトウェアを用い、図22に示されるように、NH2−MIL−101(Al)およびNH2−MIL−53(Al)MOFの3D構造の表示を作成した。
これらの機能性MOF材料を、高解像度TEM、77Kでの窒素吸着等温線、および1200℃までの温度による窒素雰囲気下でのTGA/DSCにより特徴付けた。
NH2−MIL−101(Al)およびNH2−MIL−53(Al)サンプルに関する比BET表面積は、それぞれ、1920および780m2/gであった。MOF中にリンタングステン酸(PTA)を含ませると、MOF細孔中に導入された場合、BET表面積が4から5倍減少した。窒素中でのNH2−MIL−101(Al)およびNH2−MIL−53(Al)の熱重量分析(TGA/DSC)は、100℃未満の温度で6質量%までの溶媒の放出を示した。MOF材料は450℃超の温度でしか分解せず、それゆえ、顕著な熱安定性を示した。
実施例16. PTAにより官能化されたアミノ含有MOF
以前の結果は、リンタングステン酸(PTA)がアルデヒドのアルドール縮合の強力な促進剤であるように思えることを示した。それゆえ、アミノ含有MOF中にPTAを含ませる効果を調査した。PTAをMOFに含ませる2つの方法を調べた:既に調製されたMOFの、PTAの水溶液による含浸およびMOF成分およびPTAの混合物の加熱(共同加熱)。後者の技法は、熱を供給する2つの方法により調べた:従来のオートクレーブオーブンおよびマイクロ波。
含浸
「含浸」法3において、上述したようにオートクレーブ内で合成した0.5gの乾燥NH2−MIL−101(Al)をリンタングステン酸のメタノール溶液(5mL中0.5g)中に懸濁させた。この懸濁液を音波処理し、8時間に亘り300rpmで振盪した。固体を遠心分離により分離し、メタノールと脱イオン水(pH6.2)で繰り返し洗浄し、真空下で乾燥させた。得られたMOFをNH2MIL101(Al)/PTAimpと称した。元素分析(質量%):C、29.1;Al、8.20;W、23.6。元素分析結果および水和PTAの分子量(H3PW1240・6H2O、W含有量、73.8%;MW、2988Da)に基づいて、NH2MIL101(Al)/PTAimpのPTA含有量が、約107μモル/gの乾燥粉末、または32質量%であると推測した。
上述したものと同じ含浸、洗浄および乾燥の手順を、オートクレーブ処理法から得られたMOF NH2MIL53(Al)autoに行った。元素分析(質量%):C、31.8;Al、8.92;W、21.4。元素分析結果および水和PTAの分子量(H3PW1240・6H2O、W含有量、73.8%;MW、2988Da)に基づいて、NH2MIL53(Al)/PTAimpのPTA含有量が、約97μモル/gの乾燥粉末、または29質量%であると推測した。
水和PTA、またはPの含有量は、式P(μモル/g)=1×106(ハイブリッド材料中のW含有量、%)/(2988×73.8%)にしたがって計算した。
共同加熱
オートクレーブオーブンを含む溶媒熱(solvothermal)法によりMOF/PTAハイブリッドを得るために、以下の手順にしたがった4。塩化アルミニウム6水和物(0.51g、2.1ミリモル)、2−アミノテレフタル酸(0.56g、3.1ミリモル)およびリンタングステン酸水和物(250mg、0.086ミリモル)をDMF(30mL)中に溶解させ、この混合物を、撹拌せずに、「テフロン」で裏打ちされたオートクレーブ容器内で72時間に亘り130℃に保持した。得られた固体を遠心分離により分離し、70℃で一晩、沸騰したメタノール中に保持し、分離し、アセトンで洗浄し、80℃で一晩、乾燥させた。得られたMOFをNH2MOF(Al)/PTAautoと称した。MOF成分およびPTAのオートクレーブ処理から得られた固体構造のXRDパターンは、NH2−MIL−101(Al)またはNH2−MIL−53(Al)のパターンにも似ておらず、それゆえ、上述した呼称を使用したことに留意しなければならない。
MOF成分およびPTAの混合物のマイクロ波処理を含む溶媒熱法によりMOF/PTAハイブリッドを得るために、1AlCl3・6H2O(507mg、2.1ミリモル)、2−アミノテレフタル酸(564mg、3.1ミリモル)およびPTA水和物(985mg、0.34ミリモル)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解させ、得られた溶液を、一定に撹拌しながら、5分以内で周囲温度から130℃にし、その後、300mWの電力供給により、1時間に亘り130℃で加熱した。得られた固体を遠心分離により分離し、70℃で一晩、沸騰したメタノール中に保持し、分離し、恒量となるまで70℃で乾燥させた。得られたMOFをNH2MIL53(Al)/PTAMWと称した。
実施例17. Al−i−Pro3により官能化されたアミノ含有MOF
NH2MIL101(Al)autoまたはNH2MIL101(Al)MWMOF(0.88g)を10mLのヘキサン中の0.88g(4.3ミリモル)のアルミニウムイソプロポキシド(Al−i−Pro3)の溶液と混合した。この懸濁液を手短に音波処理し、次いで、オーブン内において70℃で乾燥させた。得られた乾燥粉末を手短な音波処理により過剰のヘキサンで懸濁させ、遠心分離(5000rpm)により分離し、乾燥させた。
実施例18. アセトアルデヒド蒸気の捕捉および化学転化におけるMFO/PTAおよびMOF/Al−i−Pro3ハイブリッドの性能
MOF材料上でのアセトアルデヒド蒸気の捕捉および縮合
アルデヒドを捕捉するために、各々が、秤量した量の固体サンプルの乾燥粉末を収容しているホウケイ酸ガラス瓶を、最初に−20℃で注がれた2gの液体アセトアルデヒドを収容する開いた5mLの広口瓶の隣りに置いた。ガラス瓶と広口瓶の両方とも、小さなガラス製デシケータ内に位置し、このデシケータは、液体アセトアルデヒドを広口瓶に注いだ直後に密閉した。アセトアルデヒドは室温で広口瓶から急激に蒸発し、その蒸気は密封されたデシケータの内部に収容された。開いたガラス瓶は、室温で24時間から14日間に亘りデシケータ内に保持し、その間に、ガラス瓶をデシケータから取り出し、それらを迅速に密封し、質量を測定することによって、取込み量を定期的に秤量した。サンプルの取出しのためにデシケータを開ける度毎に、デシケータ内の広口瓶に液体のアセトアルデヒドを加えて、デシケータ内の飽和蒸気雰囲気を維持した。24時間後に、平衡取込み質量に到達し、その時点で、ガラス瓶のさらなる質量の増加は観察されなかった。ガラス瓶内に形成された液体の少量のサンプル(0.1mL)を断続的に取り出した。NH2MIL101(Al)/PTAimpおよびNH2MIL53(Al)/PTAimpサンプルを収容するガラス瓶内に凝縮された液体に、白色から黄色、茶色、黒色への急激な変色が観察された。これらのサンプルは、三重に調製し、取込み質量を測定した。取込み質量は、WU、%=100×(平衡後のサンプル質量−初期サンプル質量)/初期サンプル質量として計算した。
図23は、25℃での24時間後のMOFサンプルによるアセトアルデヒド蒸気の取込み量を示している。乾燥MOFサンプルのBET表面積も同様に示されている。図示されているように、BET表面積とサンプルによる蒸気の取込み量との間の相関関係は見られず、このことは、蒸気の取込み量がサンプルの化学的性質に依存したことを示す。MOFのBET表面積は、MOF細孔中にPTAまたはAl−i−Pro3を含ませることによって、4〜8倍も低下した。全てのサンプルは、気相からのアセトアルデヒドの著しい取込み量を示し、全ての場合で50質量%を超えた。NH2MIL101(Al)/PTAimpおよびNH2MIL53(Al)/PTAimpによる取込み量は特に目立ち、275質量%を超えた。加熱しない含浸によるMOF/PTAハイブリッドの合成により、PTAが超酸性特性を維持することができ、それゆえ、繰り返しのアルドール縮合(図24)の効率的な触媒として働き、最終的に高分子生成物を形成した。
液体縮合生成物の急激な生成により、MOF表面から吸着されたアセトアルデヒドがなくなり、それゆえ、吸着をさらに促進し、取込み質量を増加させた(図23参照)。
縮合生成物の分析
この研究のサンプル上に凝縮した蒸気を、マトリクスとして2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DBH)を使用し、Applied Biosystems Model Voyager DE−STR分光計を使用して、マトリックス支援レーザ脱離イオン化飛行時間(MALDI−TOF)質量分析法によって、組成について分析した。分析のために、固体マトリクス上に吸着されたアセトアルデヒド生成物をテトラヒドロフランにより抽出した。20〜30mgの固体材料を含有するサンプルを0.5mLのTHF中に懸濁させ、1〜2分間に亘りボルテックス処理した。次いで、卓上遠心分離器を使用して、固体を分離し、上清を脱イオン水で50倍に希釈した。このようにして、希釈した抽出生成物(1μL)を1μLのマトリクスに加え、スポットした。このマトリクスは、20mgのDHB、500μLのアセトニトリル、および500μLの0.1質量%のトリフルオロ酢酸からなった。
MALDI−TOFによる反応生成物の分析(図25)で、MOF/PTAimpサンプルによるアセトアルデヒドの化学転化を確認した。数日間の平衡後、抽出物中に未転化のアセトアルデヒドは見つからなかった。
MOFとアセトアルデヒドとの間の反応の分析
MOFマトリクスと、吸着され凝縮されたアセトアルデヒド蒸気との間の反応を、以下のように研究した。MOFを20%のNaOH/D2O溶媒中に溶解させて、5mg/mLのMOF濃度の透明な溶液を形成した。この溶液を脱イオン水により50倍に希釈し、1μLを1μLのDHBマトリクスに加えた。この混合物をスポットした。
その結果が、図26に示されており、この図は、MOFの2−アミノテレフタル酸に属するアミノ基とのアセトアルデヒドの反応のイミン生成物の形成を示す。アセトアルデヒドとMOFのアミノ基との間の酸触媒反応の機構が、図27に示されている。
図27は、高温の使用により合成されたMOF/PTAハイブリッドの減少した反応性の理論的根拠も示しており、結果として、ルイス酸(PTA)−アミン(MOF)錯化によるPTAの酸性官能性の低減がもたらされる。アミングラフト化メソ多孔質材料上のリンタングステン酸の固定化には文書の裏付けがある。ヘテロポリ酸の二次構造におけるプロトンは、ケギン陰イオン構造を劇的に変えずに、異なる陽イオンまたはプロトン化可能なアミンと容易に交換される。これらの材料は、擬似液相挙動を示し、ここで、水、アルコール、アミンなどの極性分子が結晶質ヘテロポリ酸の嵩に入り、結晶格子内のケギン陰イオンの間の距離を増加させたり減少させたりするのに対し、炭化水素などの非極性分子は、嵩に入らずに、表面上に吸着するだけである。しかしながら、PTAおよびMOF成分の混合物を加熱した際に、PTA結晶構造は、XRDパターンにより証拠付けられるように、劇的な変化をとげ、ヘテロポリ酸は、アセトアルデヒドのアルドール縮合の触媒活性の大部分を失う。
実施例19. 酢酸セルロース繊維上のMOF粒子の固定化
PMIからの二酢酸セルロース繊維を、噴霧乾燥によってMOF粒子で被覆した。この被覆は、THFまたはアセトン中いずれかのトルエンジイソシアネート(TDI)の5質量%溶液中のMOFの1〜10質量%の懸濁液を繊維に噴霧することによって行った。この噴霧は連続気流中で行い、この気流により、溶媒が急激に乾燥した。TDIを適用した場合、空気乾燥繊維/MOF材料を1時間に亘り70℃に維持して、TDIを酢酸セルロースの−OH基で部分的に硬化(反応)させた。溶媒と接触した際に、繊維は部分的に溶解したが、その溶解は、溶媒の急激な乾燥によって限られた。繊維へのMOFの装填は様々であったが、TGA/DSCにより測定して、10質量%までに到達した。図28は、被覆プロセスの結果を示すために、被覆繊維と未被覆繊維のSEM画像を示している。
イソシアネート基とMOFのアミノ基との間の反応(図29)およびイソシアネート基と繊維表面の−OH基との間の反応は、FTIRを使用して明らかにした。
実施例20. 未修飾繊維とMOF修飾繊維によるアセトアルデヒドの取込み量
CA繊維およびそれらのMOF修飾した対応物による平衡アセトアルデヒド蒸気の取込み量を、MOFによる取込み量(先を参照)と同じように研究した。取込み量の実験の前に、全ての材料に、BET表面積の窒素吸着測定を行った。その結果が図30に示されている。
図30は、これらの材料の表面積と蒸気の取込み量との間にプラスの相関関係を示しており、繊維の表面上に被覆されたMOFが、表面積と蒸気の取込み量の両方を向上させている。
引用
論文、特許、および特許出願、並びにここに述べられたか列挙された全ての他の文献および電子的に入手できる情報の内容は、各個別の公表が引用により具体的かつ個別に含まれることが示されているかのように同程度に全て引用により含まれる。出願人は、そのような論文、特許、特許出願、または他の物理的文書および電子的文書からの任意の全ての資料と情報を本出願に物理的に含める権利を留保する。
同等物
本発明をここに広くかつ一般的に説明してきた。当業者には、ここに記載された機能を果たすおよび/または結果および/または利点の1つ以上を得るための様々な他の手段および/または構造を容易に思い描くであろう。そのような変更および/または改変の各々は、本発明の範囲に含まれると考えられる。より一般的に、当業者には、ここに記載された全てのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示であると意味されること、および実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、本発明の教示が使用される特定の用途に依存することが容易に認識されるであろう。当業者は、日常的に過ぎない実験を使用して、ここに記載された本発明の特定の実施の形態の多くの同等物を認識する、または確認するであろう。したがって、先の実施の形態は、単なる例示として示され、付随の特許請求の範囲およびその同等物の範囲内で、本発明は、具体的に記載された請求項に記載された以外に実施してもよいことが認識されよう。本発明は、ここに記載された個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法に関する。それに加え、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の2つ以上の任意の組合せが、本発明の範囲に含まれる。さらに、一般的な開示に入るより狭い種および下位概念のグループ分けの各々も、本発明の一部を形成する。これは、削除された材料がここに具体的に列挙されているか否かにかかわらず、その属から任意の主題を除く但し書きまたは消極的な限定の本発明の一般的に記載も含む。

Claims (18)

  1. 流体中の毒物の量を減少させる方法であって、
    前記流体を、ハイブリッド金属有機構造体(MOF)マトリクスと接触させる工程を有してなり、
    前記ハイブリッドMOFマトリクスが、
    (i)多座有機配位子に配位した金属イオンまたはクラスターを含むMOFマトリクスであって、前記金属イオンまたはクラスターがCr、Fe、Zn、Al、NiまたはCuを含む、MOFマトリクス;および
    (ii)求核性アミンであるドーパント;
    を含み、
    前記流体は気体であり、
    前記毒物はカルボニル化合物またはフェノール化合物である、
    方法。
  2. 前記流体がタバコの煙である、請求項1記載の方法。
  3. 前記流体が紙巻きタバコの主流煙または副流煙である、請求項1記載の方法。
  4. 前記毒物が、アセトアルデヒド、アクロレイン、ホルムアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンジルアルデヒド、およびプロピオンアルデヒドからなる群より選択されるカルボニル化合物である、請求項1から3いずれか1項記載の方法。
  5. 前記毒物が、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、α−ナフトール、およびβ−ナフトールからなる群より選択されるフェノール化合物である、請求項1から3いずれか1項記載の方法。
  6. 前記毒物が前記MOFマトリクス上に吸着されるか、またはその中に吸収される、請求項1から5いずれか1項記載の方法。
  7. 前記毒物が、揮発性が低い物質に化学的に転化される、請求項1から5いずれか1項記載の方法。
  8. 前記揮発性が低い物質が、ケタール、アセタール、ポリケタール、ポリアセタール、ポリマー、または有機複素環である、請求項7記載の方法。
  9. 前記多座有機配位子が、テレフタル酸、イソフタル酸、2−アミノテレフタル酸、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、または2,2’−ビピリジン−5,5’−ジカルボン酸である、請求項1から8いずれか1項記載の方法。
  10. 前記MOFマトリクスがMIL−101または強酸性MIL−101である、あるいは前記ハイブリッドMOFマトリクスがMIL101/PTAである、請求項1から8いずれか1項記載の方法。
  11. カルボニル化合物またはフェノール化合物を吸着または吸収する方法であって、
    前記カルボニル化合物または前記フェノール化合物を、ハイブリッド金属有機構造体(MOF)マトリクスに接触させる工程を有してなり、
    前記ハイブリッドMOFマトリクスが、
    (i)多座有機配位子に配位した金属イオンまたはクラスターを含むMOFマトリクスであって、前記金属イオンまたはクラスターがCr、Fe、Zn、Al、NiまたはCuを含む、MOFマトリクス;および
    (ii)求核性アミンであるドーパント;
    を含む、方法。
  12. カルボニル化合物の非カルボニル生成物への転化、あるいはフェノール化合物の非フェノール生成物または高分子生成物への転化を触媒する方法であって、
    前記カルボニル化合物またはフェノール化合物を、ハイブリッド金属有機構造体(MOF)マトリクスにある時間に亘り接触させ、それによって、前記非カルボニル生成物、非フェノール生成物または高分子生成物を形成する工程を有してなり、
    前記ハイブリッドMOFマトリクスが、
    (i)多座有機配位子に配位した金属イオンまたはクラスターを含むMOFマトリクスであって、前記金属イオンまたはクラスターがCr、Fe、Zn、Al、NiまたはCuを含む、MOFマトリクス;および
    (ii)求核性アミンであるドーパント;
    を含む、方法。
  13. 前記多座有機配位子が、アソキサル酸(asoxalic acid)、コハク酸、酒石酸、1,4−ブタンジカルボン酸、4−オキソピラン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、1,8−ヘプタデカンジカルボン酸、1,9−ヘプタデカンジカルボン酸、ヘプタデカンジカルボン酸、アセチレンジカルボン酸、1,2−ベンゼンジカルボン酸、2,3−ピリジンジカルボン酸、ピリジン−2,3−ジカルボン酸、1,3−ブタンジエン−1,4−ジカルボン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸、p−ベンゼンジカルボン酸、イミダゾール−2,4−ジカルボン酸、2−メチルキノリン−3,4−ジカルボン酸、キノリン−2,4−ジカルボン酸、キノキサリン−2,3−ジカルボン酸、6−クロロキノキサリン−2,3−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、キノリン−3,4−ジカルボン酸、7−クロロ−4−ヒドロキシキノリン−2,8−ジカルボン酸、ジイミドジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、2−メチルイミダゾール−4,5−ジカルボン酸、チオフェン−3,4−ジカルボン酸、2−イソプロピルイミダゾール−4,5−ジカルボン酸、テトラヒドロフラン−4,4−ジカルボン酸、ペリレン−3,9−ジカルボン酸、ペリレンジカルボン酸、Pluriol E 200−ジカルボン酸、3,6−ジオキサオクタンジカルボン酸、3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸、オクタジカルボン酸、ペンタン−3,3−カルボン酸、4,4’−ジアミノ−1,1’−ジフェニル−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニル−3,3’−ジカルボン酸、ベンジジン−3,3’−ジカルボン酸、1,4−ビス(フェニルアミノ)ベンゼン−2,5−ジカルボン酸、1,1’−ジナフチル−S,S’−ジカルボン酸、7−クロロ−8−メチルキノリン−2,3−ジカルボン酸、1−アニリノアントラキノン−2,4’−ジカルボン酸、ポリテトラヒドロフラン−250−ジカルボン酸、1,4−ビス(カルボキシメチル)ピペラジン−2,3−ジカルボン酸、7−クロロキノリン−3,8−ジカルボン酸、1−(4−カルボキシ)フェニル−3−(4−クロロ)フェニルピラゾリン−4,5−ジカルボン酸、1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、1,3−ジベンジル−2−オキソイミダゾリジン−4,5−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレン−1,8−ジカルボン酸、2−ベンゾイルベンゼン−1,3−ジカルボン酸、1,3−ジベンジル−2−オキソイミダゾリジン−4,5−シス−ジカルボン酸、2,2’−ビキノリン−4,4’−ジカルボン酸、ピリジン−3,4−ジカルボン酸、3,6,9−トリオキサウンデカンジカルボン酸、O−ヒドロキシベンゾフェノンジカルボン酸、Pluriol E 300−ジカルボン酸、Pluriol E400−ジカルボン酸、Pluriol E 600−ジカルボン酸、ピラゾール−3,4−ジカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、5,6−ジメチル−2,3−ピラジンジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルジイミドジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタンジイミドジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンジイミドジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、8−メトキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸、8−ニトロ−2,3−ナフタレンジカルボン酸、8−スルホ−2,3−ナフタレンジカルボン酸、アントラセン−2,3−ジカルボン酸、2’,3’−ジフェニル−p−ターフェニル−4,4”−ジカルボン酸、ジフェニル−エーテル−4,4’−ジカルボン酸、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸、4(1H)−オキソチオクロメン−2,8−ジカルボン酸、5−tert−ブチル−1,3−ベンゼンジカルボン酸、7,8−キノリンジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、ヘキサトリアコンタンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、1,7−ヘプタジカルボン酸、5−ヒドロキシ−1,3−ベンゼンジカルボン酸、ピラジン−2,3−ジカルボン酸、フラン−2,5−ジカルボン酸、1−ノネン−6,9−ジカルボン酸、エイコセンジカルボン酸、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、1−アミノ−4−メチル−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2,3−ジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、シクロヘキセン−2,3−ジカルボン酸、2,9−ジクロロフルオロルビン−4,11−ジカルボン酸、7−クロロ−3−メチルキノリン−6,8−ジカルボン酸、2,4−ジクロロベンゾフェノン−2’,5’−ジカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、1−メチルピロール−3,4−ジカルボン酸、1−ベンジル−1H−ピロール−3,4−ジカルボン酸、アントラキノン−1,5−ジカルボン酸、3,5−ピラゾールジカルボン酸、2−ニトロベンゼン−1,4−ジカルボン酸、ヘプタン−1,7−ジカルボン酸、シクロブタン−1,1−ジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、5,6−デヒドロノルボルナン−2,3−ジカルボン酸、および5−エチル−2,3−ピリジンジカルボン酸からなる群より選択されるジカルボン酸である、あるいは
    前記多座有機配位子が、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、7−クロロ−2,3,8−キノリントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、4,5−ジヒドロ−4,5−ジオキソ−1H−ピロール[2,3−F]キノリン−2,7,9−トリカルボン酸、5−アセチル−3−アミノ−6−メチルベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、3−アミノ−5−ベンゾイル−6−メチルベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、およびアウリントリカルボン酸からなる群より選択されるトリカルボン酸である、あるいは
    前記多座有機配位子が、1,1−ジオキシドペリロ[1,12−BCD]チオフェン−2,4,9,10−テトラカルボン酸、ペリレンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、デカン−2,4,6,8−テトラカルボン酸、1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン−2,3,11,12−テトラカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、1,2,11,12−ドデカンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ヘキサンテトラカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,9,10−デカンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、およびシクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸からなる群より選択されるテトラカルボン酸である、請求項1から8いずれか1項記載の方法。
  14. 前記多座有機配位子が、アセチレンジカルボン酸(ADC)、ベンゼンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビピリジンジカルボン酸、ベンゼントリカルボン酸、アダマンタンテトラカルボン酸(ATC)、アダマンタンジベンゾエート(ADB)、ベンゼントリベンゾエート(BTB)、メタンテトラベンゾエート(MTB)、アダマンタンテトラベンゾエート、またはジヒドロキシテレフタル酸である、請求項1から8いずれか1項記載の方法。
  15. 前記求核性アミンが4−アミノピリジンである、請求項1から9いずれか1項記載の方法。
  16. 前記求核性アミンが4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)である、請求項15記載の方法。
  17. ハイブリッド金属有機構造体(MOF)マトリクス、および繊維を含むフィルタエレメントであって、前記ハイブリッドMOFマトリクスが、
    (i)多座有機配位子に配位した金属イオンまたはクラスターを含むMOFマトリクスであって、前記金属イオンまたはクラスターがCr、Fe、Zn、Al、NiまたはCuを含む、MOFマトリクス;および
    (ii)求核性アミンであるドーパント;
    を含む、フィルタエレメント。
  18. タバコロッドに取り付けられた請求項17記載のフィルタエレメントを備えた喫煙用具。
JP2014524049A 2011-08-01 2012-08-01 タバコ燃焼生成物中に見つかる毒物を除去するための多孔質触媒マトリクス Active JP6149297B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13/195,378 2011-08-01
US13/195,378 US9307790B2 (en) 2011-08-01 2011-08-01 Porous catalytic matrices for elimination of toxicants found in tobacco combustion products
PCT/US2012/049170 WO2013019865A2 (en) 2011-08-01 2012-08-01 Porous catalytic matrices for elimination of toxicants found in tobacco combustion products

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014521351A JP2014521351A (ja) 2014-08-28
JP2014521351A5 JP2014521351A5 (ja) 2015-09-17
JP6149297B2 true JP6149297B2 (ja) 2017-06-21

Family

ID=46650930

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014524049A Active JP6149297B2 (ja) 2011-08-01 2012-08-01 タバコ燃焼生成物中に見つかる毒物を除去するための多孔質触媒マトリクス

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9307790B2 (ja)
EP (1) EP2739169B1 (ja)
JP (1) JP6149297B2 (ja)
WO (1) WO2013019865A2 (ja)

Families Citing this family (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103896832B (zh) * 2013-04-02 2016-06-15 赣南师范学院 一种对苯专一吸附的有机孔状材料及其制备方法
CN103301813B (zh) * 2013-06-19 2016-08-10 中国科学院合肥物质科学研究院 一种基于金属有机骨架结构的除氟剂及其制备方法
CN103341347B (zh) * 2013-07-10 2015-07-01 江苏中烟工业有限责任公司 选择性降低卷烟烟气中挥发性羰基和酚类化合物释放量的吸附剂及其制备方法和应用
TWI496788B (zh) * 2013-08-07 2015-08-21 Ind Tech Res Inst 金屬有機骨架材料、其製備方法及其用途
JPWO2015046417A1 (ja) * 2013-09-27 2017-03-09 東洋紡株式会社 アルデヒド類除去材
JP6409264B2 (ja) * 2013-09-27 2018-10-24 東洋紡株式会社 アルデヒド類分解材
CN103769036A (zh) * 2014-02-26 2014-05-07 东北师范大学 多酸@mil-101复合材料的制备方法及其应用
JP2015213897A (ja) * 2014-04-24 2015-12-03 東洋紡株式会社 吸脱着を繰返すためのアルデヒド類除去材
US9190114B1 (en) 2015-02-09 2015-11-17 Western Digital Technologies, Inc. Disk drive filter including fluorinated and non-fluorinated nanopourous organic framework materials
US20180141023A1 (en) * 2015-06-30 2018-05-24 Koninklijke Philips N.V. A chemical formaldehyde filter
US20170036993A1 (en) * 2015-08-07 2017-02-09 Eastman Chemical Company Metal-organic framework for fluid stream filtration applications
CN105002784B (zh) * 2015-08-12 2017-03-08 湖南中烟工业有限责任公司 一种实时致孔卷烟纸及其制备方法和应用
CN105195096B (zh) * 2015-09-23 2018-10-16 沈阳药科大学 一种Fe3O4/MIL-101(Cr)的制备方法及应用
CN105344378B (zh) * 2015-10-13 2017-11-07 华南理工大学 一种用于催化纤维素水解的磷钨酸‑金属有机骨架及其制备方法与应用
CN106622139B (zh) * 2015-11-03 2019-05-21 中国石油化工股份有限公司 一种金属有机骨架材料及其制备方法与应用
CN105294739B (zh) * 2015-11-20 2017-03-22 哈尔滨理工大学 一种具有一维金属‑双配体纳米管结构的多酸基微孔晶态材料及其制备方法
CN105903493B (zh) * 2016-04-25 2019-07-26 西北民族大学 一种蛋壳膜负载催化剂在合成二氢嘧啶类化合物中的应用
CN107774329B (zh) * 2016-08-29 2020-03-17 中国石油化工股份有限公司 一种金属有机骨架材料及其制备方法
CN106622144A (zh) * 2016-10-01 2017-05-10 桂林理工大学 吸附钴、铜离子的β‑萘酚改性活性炭的制备方法
CN106905377B (zh) * 2017-02-27 2019-02-19 衡阳师范学院 一种茂基双核椅状钴氮配合物及其制备方法和应用
US10512286B2 (en) * 2017-10-19 2019-12-24 Rai Strategic Holdings, Inc. Colorimetric aerosol and gas detection for aerosol delivery device
CN109487370A (zh) * 2018-11-08 2019-03-19 河南科技学院 纺丝mof-235-500℃材料及其制备方法和应用
CN109701498A (zh) * 2019-01-29 2019-05-03 河南中烟工业有限责任公司 一种MOF-Cu@多孔淀粉复合材料及其制备方法和在卷烟中的应用
CN109621971B (zh) * 2019-01-29 2021-06-15 浙江工商大学 一种Fe基三元复合可见光催化剂及制备方法和应用
CN109942606A (zh) * 2019-04-28 2019-06-28 北京石油化工学院 一种3,3-联吡啶锌配合物及其制备方法与应用
CN109970772A (zh) * 2019-04-28 2019-07-05 北京石油化工学院 一种3,3-联吡啶配合物及其制备方法与应用
JP2022539859A (ja) * 2019-07-09 2022-09-13 エクソンモービル・テクノロジー・アンド・エンジニアリング・カンパニー ピラゾリルカルボキシラート配位子を含む金属有機構造体及びその製造方法
CN110496604B (zh) * 2019-07-18 2020-10-27 西安交通大学 一种钴镍双金属有机框架二氧化碳吸附材料及其制备方法与应用
CN110975819A (zh) * 2019-12-05 2020-04-10 湖北师范大学 H6P2W18O62/UiO-66复合材料和制备方法以及在吸附染料中的应用
CN110961088B (zh) * 2019-12-16 2022-06-28 浙江中烟工业有限责任公司 一种烘丝逸出物中醛酸类物质的在线捕集方法
CN111978557B (zh) * 2020-08-24 2022-03-04 江西省吉安市水文局(江西省吉安市水资源监测中心) 羟基修饰金属有机框架材料荧光探针的制备方法及其氟化物检测应用
WO2022081641A1 (en) * 2020-10-13 2022-04-21 Phillips 66 Company Metal organic framework
CN113402725B (zh) * 2021-06-15 2022-05-17 中国长江三峡集团有限公司 杂多酸改性金属有机框架复合物的制备方法及应用
CN113558291B (zh) * 2021-08-26 2023-10-20 上海烟草集团有限责任公司 一种降低卷烟烟气中异戊酸的方法
CN113558293B (zh) * 2021-08-27 2023-10-13 上海烟草集团有限责任公司 一种用于降低卷烟烟气中吡咯的复合滤棒及卷烟
CN116371374B (zh) * 2022-12-06 2024-07-30 宁波诺丁汉新材料研究院有限公司 一种铁基mof材料及其制备方法和用途
CN117903443A (zh) * 2023-11-27 2024-04-19 浙江大学衢州研究院 一种具有光活性结构的多酸基mof晶态材料及其制备方法和应用

Family Cites Families (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5648508A (en) 1995-11-22 1997-07-15 Nalco Chemical Company Crystalline metal-organic microporous materials
US6025295A (en) 1996-12-23 2000-02-15 Seton Hall University Supported catalysts
EP1078121B1 (en) 1998-04-13 2004-06-23 Emory University Methods for removing a contaminant by a polyoxometalate-modified fabric or a polyoxometalate-modified cellulosic fiber and fabrics thereof
US6713076B1 (en) * 1998-04-13 2004-03-30 Emory University Methods for removing a contaminant by a polyoxometalate-modified fabric or a polyoxometalate-modified cellulosic fiber and fabrics thereof
EP1439261A2 (en) 1998-04-13 2004-07-21 Emory University Methods for removing a contaminant by a polyoxometalate-modified fabric a polyoxometalate-modifed cellulosic fiber and fabrics thereof
ITPI20010014A1 (it) 2001-03-05 2002-09-05 Ivo Pera Composto per filtri per sigarette,o altri articoli da fumo,a base di sostanze antiossidanti ed il filtro cosi'ottenuto
KR100632280B1 (ko) 2001-05-16 2006-10-11 니뽄 다바코 산교 가부시키가이샤 담배 가시부류연 양을 저감시키는 끽연물품용 권지
PT1403431E (pt) 2001-05-16 2011-05-03 Japan Tobacco Inc Papel inv?lucro para artigos de fumar
US7712471B2 (en) 2003-10-27 2010-05-11 Philip Morris Usa Inc. Methods for forming transition metal oxide clusters and smoking articles comprising transition metal oxide clusters
ITBO20030769A1 (it) 2003-12-22 2005-06-23 Gd Spa Metodo e dispositivo per realizzare filtri per articoli da fumo
DE102005022844A1 (de) 2005-05-18 2006-11-23 Basf Ag Abtrennung von Geruchsstoffen aus Gasen
DE102005023857A1 (de) 2005-05-24 2006-11-30 Basf Ag Suspension zur Verminderung von Geruch
DE102005039654A1 (de) 2005-08-22 2007-03-01 Basf Ag Mesoporöses metallorganisches Gerüstmaterial
WO2007035596A2 (en) 2005-09-19 2007-03-29 Mastertaste Inc. Metal organic framework odor sequestration and fragrance delivery
EP2101912B1 (en) 2006-12-13 2017-06-28 Korea Research Institute Of Chemical Technology Porous organic-inorganic hybrid materials containing iron and an absorbent comprising the same
US20100108083A1 (en) 2007-04-17 2010-05-06 Laurent Schwartz Use of means for trapping co2 in a filter for preventing inflammation, cancer and cardiovascular diseases in a subject exposed to tobacco smoke
FR2915062B1 (fr) 2007-04-17 2011-04-08 Laurent Schwartz Utilisation de moyens d'absorption du co2 dans un filtre de cigarette pour reduire le taux de co2 inhale par un fumeur.
KR100864313B1 (ko) * 2007-05-21 2008-10-20 한국화학연구원 불포화 금속자리를 갖는 다공성 유-무기 혼성체 또는메조세공체의 표면 기능화 및 그의 응용
DE102008005218A1 (de) 2007-11-04 2009-05-07 BLüCHER GMBH Sorptionsfiltermaterial und seine Verwendung
JP5321209B2 (ja) * 2009-04-10 2013-10-23 東洋紡株式会社 アルデヒド除去薬剤
US10609955B2 (en) * 2011-04-08 2020-04-07 R.J. Reynolds Tobacco Company Filtered cigarette comprising a tubular element in filter

Also Published As

Publication number Publication date
EP2739169B1 (en) 2019-06-12
US9307790B2 (en) 2016-04-12
JP2014521351A (ja) 2014-08-28
WO2013019865A3 (en) 2013-05-10
WO2013019865A2 (en) 2013-02-07
EP2739169A2 (en) 2014-06-11
US20130032160A1 (en) 2013-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6149297B2 (ja) タバコ燃焼生成物中に見つかる毒物を除去するための多孔質触媒マトリクス
US10182593B2 (en) Porous catalytic matrices for elimination of toxicants found in tobacco combustion products
Müller et al. Loading of MOF-5 with Cu and ZnO nanoparticles by gas-phase infiltration with organometallic precursors: properties of Cu/ZnO@ MOF-5 as catalyst for methanol synthesis
EP3453450B1 (en) Use of metal organic frameworks for the capture of acetic acid
ES2322497T3 (es) Materiales de esqueleto metalorganicos dopados.
JP5150617B2 (ja) フマル酸アルミニウムから成る有機金属フレームワーク材料の使用方法
CN106029674B (zh) 耐酸性、耐溶剂性、以及耐热性金属有机骨架
Saha et al. Anchoring of palladium onto surface of porous metal–organic framework through post-synthesis modification and studies on Suzuki and Stille coupling reactions under heterogeneous condition
US7901619B2 (en) Suspension for reducing odors
US7847115B2 (en) Process for preparing porous organic framework materials
JP2018538284A (ja) 金属−有機骨格体の超高速高空時収量合成
JP5870191B2 (ja) 結晶性ハイブリッドナノ細孔体粉末を含む複合体およびその製造方法
US20080190289A1 (en) Gas Odorous Substance Separation
US20090198079A1 (en) Process for preparing metal organic frameworks comprising metals of transition group iv
Bromberg et al. Heteropolyacid-functionalized aluminum 2-aminoterephthalate metal-organic frameworks as reactive aldehyde sorbents and catalysts
US20090281341A1 (en) Metal-organic zirconium-based framework materials
WO2010000975A1 (fr) Solide hybride cristallin poreux reductible pour la separation de melanges de molecules ayant des degres et/ou un nombre d ' insaturations differents
JP2009519122A (ja) 酸官能化された金属有機骨格材料
WO2012028989A1 (en) Process for producing carbon-comprising composite
CN115003401A (zh) 具有改善的选择性和功效的可再生voc过滤介质
CN108786920B (zh) 一种Mn基催化剂和Mn基有机骨架与SBA-15复合材料
WO2013169705A1 (en) Porous polymer networks and ion-exchange media and metal-polymer composites made therefrom
Lam et al. Functionalized metal–organic frameworks for heavy metal ion removal from water
Kolotilov et al. Role of the chemical structure of metal–organic framework compounds in the adsorption of hydrogen
Qiao et al. Two transition complexes based on 1H-benzimidazole-5, 6-dicarboxylic acid: Synthesis, structure and photocatalytic degradation of dyes

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150731

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150731

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160607

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6149297

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250