JP6148440B2 - センサ信号処理装置およびセンサ信号処理方法 - Google Patents
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すなわち、他軸感度とは、ある1種類の物理量(例えばX軸方向の磁場)変化に対するセンサ出力変化量を1と規格化したときの、ある1種類とは別種類の物理量(例えばY軸方向の磁場)のセンサ出力変化量、として定義される。あるいは、別種類の物理量のセンサ出力の変化量自身を、他軸感度と呼ぶこともある。いずれにしろ、冒頭で述べた理想的なセンサ素子の考え方からすれば、この他軸感度は小さければ小さいほど良い、というのが従来の考え方である。
その事情は、例えば磁気センサにおいては、厳密に直交する(角度が厳密に90度)3方向に向けて配置することが不可能である、という事情からも容易に理解できる。磁気センサ以外のセンサ素子でもほぼ同様の事情があるため、上記した従来の考え方の延長線上にある現状では、如何に他軸感度を減らす(ゼロに近づける)かがセンサ素子設計の大きなキーポイントとなっている。
特許文献1に記載のセンサの検出原理は、本質的には垂直方向を検出する磁気センサであるホール素子を、水平方向に対しても検出できるように工夫したものである。具体的には、平らな形状を有する磁場コンセントレータの端部領域にホール素子を配置することにより、そのホール素子は垂直方向(Z軸方向)の磁場変化も検出でき、磁場コンセントレータによって磁力線が曲げられることによって水平方向(例えばX軸方向)の磁場変化も検出可能となる。
また、特許文献1に記載のセンサでは、Z軸磁場及びX軸磁場を求めるために2個のホール素子出力の和及び差を求める必要があるが、この和及び差を求める手法は汎用オペアンプ(Operating−Amplifier)の加算回路を利用することが従来の手法である。すなわち、和を求めるには2個のホール素子出力をそのまま加算すれば良いし、差を求めるには2個のホール素子のうちどちらか一方のホール素子出力を反転させた後に加算すれば求めることができるようになっている。この場合には、回路規模が大きくなる上に、消費電力が増加するという課題がある。
本発明の一態様は、m個の物理量に基づいて構成される、n個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得する信号処理部と、前記取得したn個のセンサの各出力データから、所定の演算に基づいて前記m個の物理量を求める演算部と、前記m個の物理量と前記n個のセンサの各出力データとを相互に変換する変換情報を記憶する変換情報記憶部と、を備え、前記演算部は、前記n個のセンサの各出力データと前記変換情報とに基づいて前記m個の物理量を求め、さらに、前記変換情報記憶部に記憶される前記変換情報が、2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換情報を含む。
さらに、本発明の他の態様は、2個以上であるm個の物理量に基づいて構成される、m個以上の個数であるn個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量の線形結合に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、前記m個の物理量と前記n個のセンサの出力とを相互に線形変換する所定の変換情報を記憶する変換情報記憶部と、前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得する信号処理部と、前記取得したn個のセンサの各出力データと前記変換情報とから、所定の線形演算に基づいて前記m個の物理量を求める演算部と、を備え、前記変換情報記憶部に記憶される変換情報が、2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換情報を含む。
また、例えば、2種類以上の物理量に対してセンサ出力が変化するセンサ素子に対しては、センサ信号処理のための回路規模の縮小と消費電力の削減を図ることができる。
(実施形態の構成)
図1は、本発明に係るセンサ信号処理装置の実施形態の全体構成を示すブロック図である。
この実施形態に係るセンサ信号処理装置は、図1に示すように、n個のセンサ1−1〜1−nと、そのセンサ1−1〜1−nの出力を順次取り込んで信号処理する信号処理部2と、信号処理部2で信号処理されたセンサデータに基づいて、もとの物理量1〜mを演算して出力する演算部3と、を備えている。
この仮定を数学的に書くと、f及びgを関数記号として、以下のように表わすことができる。
ただし、関数fおよび関数gは、恒等的にゼロではないものとする(f≠0かつg≠0)。また、hはPi1及びPi2には依存しない任意の関数である。
上記においては、関数f、g、hのそれぞれを任意として仮定した。しかし、一般的には、センサ出力が物理量に対して線形に(1次関数的に)変化するものが良いセンサとされる。この理由の一つとしては、非線形のセンサは物理量の測定範囲によって分解能が異なるから非常に扱いにくくなるためであり、線形のセンサにはそのような扱いにくさがないためである。
すなわち、j行の係数kj1、kj2、…、kjmのうち、少なくとも2個の係数は0(ゼロ)ではない。そのようなj行が少なくとも1行は存在する。
信号処理部2は、センサ1−1〜1−nの出力に対して所定の信号処理を行い、センサデータを取得する。この具体的な構成例を図2に示す。
すなわち、信号処理部2は、図2に示すように、スイッチ部(選択部)2−1と、増幅部2−2と、AD変換部2−3とを備えている。
この時分割処理は、n個のセンサ1−1〜1−nの各出力S1〜Snに対して同じ増幅動作やAD変換動作を行うため、信号処理部2でのばらつきが原則的に発生せず、そのために精度が良い。また、増幅器(Operating−Amplifier)及びAD(AnalogToDigital)変換器が1個ずつしかないため回路規模の小型化、消費電力の省力化も実現できる。
このため、演算部3は、その信号処理部2の出力データ、その演算(例えば線形演算)に必要な後述の各種のデータなどを記憶するメモリ(図示せず)を含むようにしても良い。また、演算部3がメモリを含まない場合には、演算部3とは別個にメモリを設ける。
(具体例1)
この具体例1は、所望の物理量の個数mとセンサの個数nとが等しい場合である(m=n)。
この場合がもっとも実用上合理的である。たとえば、従来の3軸磁気センサと呼ばれるセンサシステムのもっとも一般的な構成は、3個の磁気センサを互いに直交になるように配置し、空間(3次元、X軸とY軸とZ軸の3軸)の磁場成分を求めるセンサシステムである。
この具体例1では、上記と同様に物理量をP1、P2、…、Pn、センサ出力をS1、S2、…、Sn、とすると、以下の(3)式に示すような正方行列K(成分値はk11からknn)を含む線形演算式で表すことができる。
すなわち、対角成分kiiはすべて0(ゼロ)ではない。かつ、非対角成分kji(i≠j)の少なくとも1つは0ではない。
この場合、センサ出力S1、S2、…、Snは、信号処理部2による処理によってセンサデータS1’、S2’、…、Sn’と変化するが、信号処理部2における増幅部2−2及びAD変換部2−3は、その大部分が線形(1次)の信号処理である。したがって、これらn個すべてに対して、以下の関係がある。
Si’=Ci・Si(1≦i≦n) ……(4)
したがって、物理量の演算出力をP1’、P2’、…、Pn’とすると、演算部3においてこれらを求めるための内部演算は、正方行列K(及び定数C)によって変換されたセンサデータを元に戻す演算を施すことである。その元に戻す演算は、数学的には逆行列演算に他ならない。つまり、正方行列Kが逆行列K’を持つとき、その逆行列の各成分をk11’〜knn’等と書くことにすれば、以下の(5)式のように表すことができる。
この(5)式または(6)式に示す行列を用いて、演算部3では、物理量の演算出力P1’、P2’、…、Pn’の演算をすることができ、その演算結果に基づいて元の物理量P1、P2、…、Pnを求めることができる。
実際の適用を鑑みると、物理量とセンサ出力とでは次元(Dimension)が異なる場合が一般的であるから、この定数倍の任意性はセンサ信号処理全般において必ず出現するものと考えてよい。したがって、公知文献等においては記載そのものが省略される場合も多々ある。この実施形態に係る演算部3は、このような定数倍の任意性のみを演算する手段は含んでいない。それは前述した演算部3が基本的に不要な場合、に相当するしている。
従来技術では、上記のようにセンサ素子の他軸感度をできる限り減らす必要があった。それは上記(3)式の正方行列の非対角成分kjiをできるだけ0(ゼロ)に近づけることと同義である。しかし、実際の製品ではこれらは厳密には0にはなり得ない。つまり、非対角成分に0ではない成分値が少なくとも1個存在する。どちらかと言えば、厳密にはどの非対角成分も(0に近いが)0ではない、と言ったほうが正しい。
これに対し、この具体例1では、逆行列の非対角成分の演算を実行することにより、誤差のない厳密な演算を行っていることになるため、すなわち精度が向上することが容易に示される。
この具体例2は、所望の物理量の個数mよりもセンサの個数nが多い場合である(m<n)。
そして、上記の具体例1と同様の考え方に基づき、演算部3は、以下の行列を用いて物理量の出力P1’、P2’、…、Pn’の演算をすることができ、その演算結果に基づいて元の物理量P1、P2、…、Pnを求めることができる。
また、具体例1と同様に、定数倍の任意性を持つこともまったく同様である。前記(7)式および(8)式の行列では、この定数倍の任意性を省略している。または、この定数倍の任意性が各成分値に含まれているものとも解釈できる。
具体例2と従来技術の比較については、具体例1の場合と同様であるので省略する。
この具体例3は、特開2002−71381号公報に記載のセンサを具体例2に適用した場合である。
この具体例3では、実際にセンサを特定することにより、特に本発明の具体的な効果を中心に説明する。
上記の特許公報に記載のセンサは、1個目のホール素子を強磁性材料からなる磁場コンセントレータの端部領域に配置し、2個目のホール素子をその磁場コンセントレータの中心に対して対称にある位置に配置するようにした。そして、その2個のホール素子の出力の和からZ軸方向の磁場成分を、その2個のホール素子の出力の差からX軸方向の磁場成分を、それぞれ独立に求めるようにした。
そこで、これら4個のホール素子1−1〜1−4のそれぞれを、図3に示すように、強磁性材料からなる磁場コンセントレータ5の端部領域に配置する。そして、ホール素子1−1〜1−4の各出力をS1〜S4とし、3次元の磁気成分をHx、Hy、Hzとして記述すれば、センサ出力S1〜S4は具体例2のセンサ出力S1〜Snにおいてnを4とした場合に相当し、磁気成分Hx、Hy、Hzは3個の物理量P1、P2、P3に相当する。すなわち、m=3である。
S1=Hx+Hz ……(9)
S2=−Hx+Hz ……(10)
S3=Hy+Hz ……(11)
S4=−Hy+Hz ……(12)
このような場合には、従来は上記のような4個のホール素子の構成及び関係式(9)〜(12)を、信号処理回路(図1の信号処理部2に相当)で処理するのが一般的である。
また、減算回路とするには以下2つの方法がある。1つ目は、2種類の信号のいずれか一方の信号を反転させて加算することである。2つ目は、2種類の信号のいずれか一方の端子を増幅部(オペアンプ)の反転入力端子に入力し、他方の端子を増幅部の非反転入力端子に入力することである。これらの回路によって3軸磁場の各成分を独立に求めることができる。
Hx’=1/2・(S1−S2) ……(13)
Hy’=1/2・(S3−S4) ……(14)
Hz’=1/4・(S1+S2+S3+S4)……(15)
式(9)〜(12)及び式(13)〜(15)の演算は、行列表示が可能である。これを行列表示すれば、式(9)〜(12)の係数行列と式(13)〜(15)の係数行列とで(8)式とまったく同様の表現が可能となる。その係数行列を以下の(16)式に示す。
(1)演算部の演算は四則演算のみならず自由に行えるので、演算をする選択の幅が広がる。信号処理回路の演算はかなり制限を受ける上に、精度の問題を抱える演算回路(たとえば乗算回路等)を採用せねばならない場合もある。
(2)従来の時分割処理と比べて、加算や減算のために回路の追加をする必要がない。本実施形態ではすべての演算は演算部3で実行可能であるが、従来の信号処理は加算回路及び減算回路を持たなければならず、さらに一度製作してしまうと簡単には変えられない。
(3)回路追加が不要のため、本実施形態は時分割処理と比べて消費電力がまったく変わらない。従来の信号処理は、回路追加のため消費電力が増加する。
(4)ホール素子は、出力を取り出すために素子に電力を与える(電流を流す)必要がある。本実施形態では測定個数が常に1個であるので、1個分の駆動電流があれば足りる。しかし、従来は、加算回路を動作させるためには最低でも2個のホール素子に電流を流す必要があるので、消費電流が増えて、消費電力が増加する。
この具体例4も実際にセンサを特定して説明する。そのセンサの概略の構造と検出出力を図4に示す。この具体例4も磁気センサの例であるが、具体例3がホール素子であったのに対し、具体例4は半導体磁気抵抗素子(MRセンサ)乃至は巨大磁気抵抗効果型磁気センサ(GMRセンサ)に対する例である。
センサ50:抵抗変化X1=a・Hx+c・Hy ……(18)
センサ60:抵抗変化X2=−a・Hx+c・Hy ……(19)
センサ80:抵抗変化Y2=c・Hx−a・Hy ……(20)
センサ90:抵抗変化Z1=c・Hx+a・Hy−d・Hz ……(21)
センサ100:抵抗変化Z2=c・Hx+a・Hy+d・Hz ……(22)
したがって、本具体例4においては、物理量の個数m=3、センサの個数n=6であり、2≦m<nの関係を満たしているので、本発明の具体例2が適用可能である。
前記符号20、50、60、80、90、100が付与された6個のGMRセンサのうち、以下の3個のGMRセンサを選択する。
センサ60:X2=−a・Hx+c・Hy ……(19)
センサ90:Z1=c・Hx+a・Hy−d・Hz ……(21)
センサ100:Z2=c・Hx+a・Hy+d・Hz ……(22)
つまり、センサ20、センサ50、センサ80は製作する必要がない。前記(19)、(21)、(22)式を行列表示すると以下のようになる。
したがって、本発明の具体例1の手法が適用でき、センサ出力X2、Z1、Z2から、3軸の磁場Hx、Hy、Hzを求めることができる。
本具体例に対する効果を記すと以下のようになる。
(1)具体例3に示したように、演算部の演算が自由に行える。本具体例では、a、c、dの各係数は任意に設定される値であるので、四則演算の実行が必須となるから、事実上本手法以外の手段では実行不可能と言える。
(2)従来の時分割処理と比べて、加算や減算のために回路の追加をする必要がないことは、具体例3とまったく同様である。
(3)回路追加が不要のため、本具体例は時分割処理と比べて消費電力がまったく変わらないことも具体例3と同様である。
2 信号処理部
2−1 スイッチ部
2−2 増幅部
2−3 AD変換部
3 演算部
20、50、60、80、90、100 GMRセンサ
Claims (8)
- m個の物理量に基づいて構成される、n個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、
前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、
前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得する信号処理部と、
前記取得したn個のセンサの各出力データから、所定の演算に基づいて前記m個の物理量を求める演算部と、
前記m個の物理量と前記n個のセンサの各出力データとを相互に変換する変換情報を記憶する変換情報記憶部と、
を備え、
前記演算部は、前記n個のセンサの各出力データと前記変換情報とに基づいて前記m個の物理量を求め、
さらに、
前記変換情報記憶部に記憶される前記変換情報が、2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換情報を含むことを特徴とするセンサ信号処理装置。 - 前記演算部は、前記n個のセンサの各出力データと前記変換情報とから、所定の線形結合演算に基づいて前記m個の物理量を求めることを特徴とする請求項1に記載のセンサ信号処理装置。
- 2個以上であるm個の物理量に基づいて構成される、m個以上の個数であるn個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、
前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量の線形結合に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、
前記m個の物理量と前記n個のセンサの出力とを相互に線形変換する所定の変換情報を記憶する変換情報記憶部と、
前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得する信号処理部と、
前記取得したn個のセンサの各出力データと前記変換情報とから、所定の線形演算に基づいて前記m個の物理量を求める演算部と、
を備え、
前記変換情報記憶部に記憶される変換情報が、2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換情報を含むことを特徴とするセンサ信号処理装置。 - 2個以上であるm個の物理量に基づいて構成される、m個以上の個数であるn個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、
前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量の線形結合に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、
前記m個の物理量から前記n個のセンサの出力に変換するn行m列の変換行列を記憶する変換行列記憶部と、
前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得する信号処理部と、
前記変換行列との積がm行m列の単位行列となるような行列で表される所定の係数および前記所定の係数の定数倍の係数のうちの一方の係数と、前記取得したn個のセンサの各出力データとから、所定の線形結合演算に基づいて前記m個の物理量を求める演算部と、
を備え、
前記変換行列記憶部に記憶される変換行列が、2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換行列を含むことを特徴とするセンサ信号処理装置。 - 2個以上であるn個の物理量に基づいて構成される、n個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、
前記n個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量の線形結合に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、
前記n個の物理量から前記n個のセンサの出力に変換するn行n列の変換行列を記憶する線形変換行列記憶部と、
前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得する信号処理部と、
前記変換行列の逆行列で表される所定の係数および前記所定の係数の定数倍の係数のうちの一方の係数と、前記取得したn個のセンサの各出力データとの線形結合演算に基づいて前記n個の物理量を求める演算部と、
を備え、
前記線形変換行列記憶部に記憶される変換行列が、前記n行n列の変換行列または当該変換行列の逆行列であり、前記変換行列または前記逆行列の非対角成分の少なくとも1つが0を除く情報であることを特徴とするセンサ信号処理装置。 - m個(m≧2)の物理量を、m個以上の個数であるn個のセンサの出力に基づいて演算するセンサ信号処理方法であって、
前記n個のセンサは、前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに独立な物理量を検知し、該2個以上の互いに独立な物理量の線形結合に応じた出力をするセンサを1個以上含み、
前記m個の物理量と2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をするセンサを少なくとも1個含む前記n個のセンサの出力とを相互に線形変換する所定の変換情報を変換情報記憶部に記憶しておき、
前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得し、
当該取得したn個のセンサの各出力データと前記変換情報とから所定の線形演算を行い、当該線形演算に基づいて前記m個の物理量を求めることを特徴とするセンサ信号処理方法。 - 直交する3軸の磁場に基づいて構成される、3個以上の個数であるn個の磁気センサの信号を処理するセンサ信号処理装置であって、
前記3軸の磁場のうち、直交する2軸を検知し、当該磁場の線形結合に応じた出力をする磁気センサを少なくとも1個含むn個のセンサと、
前記3軸の磁場から前記n個のセンサの出力に変換するn行3列の変換行列を記憶する変換行列記憶部と、
前記n個の磁気センサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個の磁気センサの各出力データを取得する信号処理部と、
前記変換行列との積が3行3列の単位行列となるような行列で表される所定の係数および前記所定の係数の定数倍の係数のうちの一方の係数と、前記取得したn個のセンサの出力データとから、所定の線形結合演算に基づいて前記直交する3軸の磁場を求める演算部と、
を備え、
前記変換行列記憶部に記憶される変換行列が、直交する2軸以上の変化に伴って出力をする少なくとも1個の磁気センサの出力変換行列を含むことを特徴とするセンサ信号処理装置。 - 直交する3軸の磁場に基づいて構成される、4個のホール素子の信号を処理するセンサ信号処理装置であって、
前記3軸の磁場のうち、直交する2軸を検知し、当該磁場の線形結合に応じた出力をするホール素子を少なくとも1個含む4個のセンサと、
前記3軸の磁場から前記4個のセンサの出力に変換する4行3列の変換行列を記憶する変換行列記憶部と、
前記4個のホール素子の各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記4個のホール素子の各出力データを取得する信号処理部と、
前記変換行列との積が3行3列の単位行列となるような行列で表される所定の係数および前記所定の係数の定数倍の係数のうちの一方の係数と、前記取得した4個のセンサの各出力データとから、所定の線形結合演算に基づいて前記直交する3軸の磁場を求める演算部と、
を備え、
前記変換行列記憶部に記憶される変換行列が、直交する2軸以上の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換行列を含むことを特徴とするセンサ信号処理装置。
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