JP6148440B2 - センサ信号処理装置およびセンサ信号処理方法 - Google Patents

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本発明は、センサの出力信号を処理するセンサ信号処理装置などに関するものである。
従来、センサ素子は、ある1種類の物理量に対してのみ変化し、他の物理量に対しては変化しないようなセンサ素子が理想的なものとして捉えられている。例えば、湿度センサであれば、センサ検知部分の湿度に対してのみ変化し、他の物理量に対しては変化しないようなセンサ素子が理想的である。また、磁気センサであれば、ある方向(仮にX軸とする)の磁場に対してのみ変化し、他の直交する方向(Y軸及びZ軸)の磁場に対しては変化しないようなセンサ素子が理想的である。
一方、利用者の欲するアプリケーションを実現するために、2種類以上の物理量を必要とする場合がしばしばある。上記の例によれば、湿度センサにより絶対湿度と相対湿度の両方の値を知りたい場合には、湿度センサのみならず温度センサも必要となる。また、磁気センサの場合であって、例えば電子コンパスのように空間内の3次元磁気ベクトルの各成分が知りたいときには、X軸、Y軸、およびZ軸を含む計3種類(より具体的には、同じ磁気センサを互いに直交する3方向に向けた形状)の磁気センサが必要となる。
このような具体例のうち、特に、後者のようなベクトル物理量を測定する目的のセンサ素子に対しては、俗に他軸感度と呼ばれるセンサ素子に特有の量が定められていることが多い。この他軸感度は、一般には以下のように定義される。
すなわち、他軸感度とは、ある1種類の物理量(例えばX軸方向の磁場)変化に対するセンサ出力変化量を1と規格化したときの、ある1種類とは別種類の物理量(例えばY軸方向の磁場)のセンサ出力変化量、として定義される。あるいは、別種類の物理量のセンサ出力の変化量自身を、他軸感度と呼ぶこともある。いずれにしろ、冒頭で述べた理想的なセンサ素子の考え方からすれば、この他軸感度は小さければ小さいほど良い、というのが従来の考え方である。
しかし、現実のセンサ素子はそのような理想的なものばかりではない。むしろ、他軸感度を持つセンサが現実には一般的であり、他軸感度が厳密にゼロのセンサ素子は、基本的に製作するのが極めて困難である。
その事情は、例えば磁気センサにおいては、厳密に直交する(角度が厳密に90度)3方向に向けて配置することが不可能である、という事情からも容易に理解できる。磁気センサ以外のセンサ素子でもほぼ同様の事情があるため、上記した従来の考え方の延長線上にある現状では、如何に他軸感度を減らす(ゼロに近づける)かがセンサ素子設計の大きなキーポイントとなっている。
さらに、特許文献1に示すように、センサ素子の検出原理自体が他軸感度を持っているもの、正確に表現すれば2種類(または2種類以上)の物理量に対してセンサ出力が変化するような素子も存在する。
特許文献1に記載のセンサの検出原理は、本質的には垂直方向を検出する磁気センサであるホール素子を、水平方向に対しても検出できるように工夫したものである。具体的には、平らな形状を有する磁場コンセントレータの端部領域にホール素子を配置することにより、そのホール素子は垂直方向(Z軸方向)の磁場変化も検出でき、磁場コンセントレータによって磁力線が曲げられることによって水平方向(例えばX軸方向)の磁場変化も検出可能となる。
このとき、端部領域に存在するホール素子が1個だけではX軸磁場とZ軸磁場の混成された出力となってしまい、X軸とZ軸各々の磁場を独立に求めることはできない。しかし、特許文献1に記載のように、磁場コンセントレータの中心に対して対称にある位置に2個目のホール素子を配置すれば、これら2個のホール素子出力の和からZ軸方向の磁場成分を、これら2個の出力の差からX軸方向の磁場成分を、それぞれ独立に求めることができるようになる。
特開2002−71381号公報
上記の磁気センサ以外のセンサ素子では、他軸感度をできる限り減らすことが求められるが、センサ素子から後段においては(厳密にはゼロではない)他軸感度をゼロとみなして信号処理をするのがごく一般的な従来の手法である。
また、特許文献1に記載のセンサでは、Z軸磁場及びX軸磁場を求めるために2個のホール素子出力の和及び差を求める必要があるが、この和及び差を求める手法は汎用オペアンプ(Operating−Amplifier)の加算回路を利用することが従来の手法である。すなわち、和を求めるには2個のホール素子出力をそのまま加算すれば良いし、差を求めるには2個のホール素子のうちどちらか一方のホール素子出力を反転させた後に加算すれば求めることができるようになっている。この場合には、回路規模が大きくなる上に、消費電力が増加するという課題がある。
本発明は、上記の点に鑑み、センサ素子に特有の他軸感度を有効に利用してその他軸感度を抑制するようにし、測定精度の向上を図るようにしたセンサ信号処理装置などを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の一態様は、m個の物理量に基づいて構成される、n個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得する信号処理部と、前記取得したn個のセンサの各出力データから、所定の演算に基づいて前記m個の物理量を求める演算部と、前記m個の物理量と前記n個のセンサの各出力データとを相互に変換する変換情報を記憶する変換情報記憶部と、を備え、前記演算部は、前記n個のセンサの各出力データと前記変換情報とに基づいて前記m個の物理量を求め、さらに、前記変換情報記憶部に記憶される前記変換情報が、2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換情報を含む
た、本発明の他の態様は、前記演算部は、前記n個のセンサの各出力データと前記変換情報とから、所定の線形結合演算に基づいて前記m個の物理量を求める。
さらに、本発明の他の態様は、2個以上であるm個の物理量に基づいて構成される、m個以上の個数であるn個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量の線形結合に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、前記m個の物理量と前記n個のセンサの出力とを相互に線形変換する所定の変換情報を記憶する変換情報記憶部と、前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得する信号処理部と、前記取得したn個のセンサの各出力データと前記変換情報とから、所定の線形演算に基づいて前記m個の物理量を求める演算部と、を備え、前記変換情報記憶部に記憶される変換情報が、2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換情報を含む。
さらにまた、本発明の他の態様は、2個以上であるm個の物理量に基づいて構成される、m個以上の個数であるn個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量の線形結合に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、前記m個の物理量から前記n個のセンサの出力に変換するn行m列の変換行列を記憶する変換行列記憶部と、前記n個のセンサの出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの出力データを取得する信号処理部と、前記変換行列との積がm行m列の単位行列となるような行列で表される所定の係数および前記所定の係数の定数倍の係数のうちの一方の係数と、前記取得したn個のセンサの出力データとから、所定の線形結合演算に基づいて前記m個の物理量を求める演算部と、を備え、前記変換行列記憶部に記憶される変換行列が、2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換行列を含む
また、本発明の他の態様は、2個以上であるn個の物理量に基づいて構成される、n個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、前記n個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量の線形結合に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、前記n個の物理量から前記n個のセンサの出力に変換するn行n列の変換行列を記憶する線形変換行列記憶部と、前記n個のセンサの出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの出力データを取得する信号処理部と、前記変換行列の逆行列で表される所定の係数および前記所定の係数の定数倍の係数のうちの一方の係数と、前記取得したn個のセンサの出力データとの線形結合演算に基づいて前記n個の物理量を求める演算部と、を備え、前記線形変換行列記憶部に記憶される変換行列が、前記n行n列の変換行列または当該変換行列の逆行列であり、前記変換行列または前記逆行列の非対角成分の少なくとも1つが0を除く情報である。
また、本発明の他の態様は、m個(m≧2)の物理量を、m個以上の個数であるn個のセンサの出力に基づいて演算するセンサ信号処理方法であって、前記n個のセンサは、前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに独立な物理量を検知し、該2個以上の互いに独立な物理量の線形結合に応じた出力をするセンサを1個以上含み、前記m個の物理量と2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をするセンサを少なくとも1個含む前記n個のセンサの出力を相互に線形変換する所定の変換情報を変換情報記憶部に記憶しておき、前記n個のセンサの出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの出力データを取得し、当該取得したn個のセンサの出力データと前記変換情報とから所定の線形演算を行い、当該線形演算に基づいて前記m個の物理量を求める。
さらに、本発明の他の態様は、直交する3軸の磁場に基づいて構成される、3個以上の個数であるn個の磁気センサの信号を処理するセンサ信号処理装置であって、前記3軸の磁場のうち、直交する2軸を検知し、当該磁場の線形結合に応じた出力をする磁気センサを少なくとも1個含むn個のセンサと、前記3軸の磁場から前記n個のセンサの出力に変換するn行3列の変換行列を記憶する変換行列記憶部と、前記n個の磁気センサの出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個の磁気センサの出力データを取得する信号処理部と、前記変換行列との積が3行3列の単位行列となるような行列で表される所定の係数および前記所定の係数の定数倍の係数のうちの一方の係数と、前記取得したn個のセンサの出力データとから、所定の線形結合演算に基づいて前記直交する3軸の磁場を求める演算部と、を備え、前記変換行列記憶部に記憶される変換行列が、直交する2軸以上の変化に伴って出力をする少なくとも1個の磁気センサの出力変換行列を含む
さらにまた、本発明の他の態様は、直交する3軸の磁場に基づいて構成される、4個のホール素子の信号を処理するセンサ信号処理装置であって、前記3軸の磁場のうち、直交する2軸を検知し、当該磁場の線形結合に応じた出力をするホール素子を少なくとも1個含む4個のセンサと、前記3軸の磁場から前記4個のセンサの出力に変換する4行3列の変換行列を記憶する変換行列記憶部と、前記4個のホール素子の出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記4個のホール素子の出力データを取得する信号処理部と、前記変換行列との積が3行3列の単位行列となるような行列で表される所定の係数および前記所定の係数の定数倍の係数のうちの一方の係数と、前記取得した4個のセンサの出力データとから、所定の線形結合演算に基づいて前記直交する3軸の磁場を求める演算部と、を備え、前記変換行列記憶部に記憶される変換行列が、直交する2軸以上の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換行列を含む
このような構成の本発明によれば、他軸感度を持つ一般のセンサ素子に対し、その他軸感度に対しても本発明の信号処理を施すことにより誤差を抑えて測定精度の向上を図ることができる。
また、例えば、2種類以上の物理量に対してセンサ出力が変化するセンサ素子に対しては、センサ信号処理のための回路規模の縮小と消費電力の削減を図ることができる。
本発明に係るセンサ信号処理装置の実施形態の全体構成の一例を示すブロック図である。 図1に示す信号処理部の具体的な構成の一例を示すブロック図である。 具体例3に適用されるセンサの構成の一例を示す図である。 具体例4に適用されるセンサの構成の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(実施形態の構成)
図1は、本発明に係るセンサ信号処理装置の実施形態の全体構成を示すブロック図である。
この実施形態に係るセンサ信号処理装置は、図1に示すように、n個のセンサ1−1〜1−nと、そのセンサ1−1〜1−nの出力を順次取り込んで信号処理する信号処理部2と、信号処理部2で信号処理されたセンサデータに基づいて、もとの物理量1〜mを演算して出力する演算部3と、を備えている。
この実施形態では、n個のセンサ1−1〜1−nを用いてm個の物理量を求めることが条件となる。なお、一般的な慣例と同様に、同じ物理量(重複する物理量)は1個と数えることとする。また、この実施形態で測定対象となる物理量mは2個以上あって、m≧2とする。また、m個より少ない個数のセンサでm個の物理量を求めることは原理的に不可能であるので、センサの個数nはm個以上であって、n≧m(≧2)とする。
これらn個のセンサのうち少なくとも1個、たとえばj番目のセンサのセンサ出力をSjとしたときに、Sjがm個の物理量のうちの少なくとも2個、たとえばi1番目の物理量Pi1とi2番目の物理量Pi2によって変化するものと仮定する。
この仮定を数学的に書くと、f及びgを関数記号として、以下のように表わすことができる。
Sj=f(Pi1)+g(Pi2)+h ……(1)
ただし、関数fおよび関数gは、恒等的にゼロではないものとする(f≠0かつg≠0)。また、hはPi1及びPi2には依存しない任意の関数である。
上記においては、関数f、g、hのそれぞれを任意として仮定した。しかし、一般的には、センサ出力が物理量に対して線形に(1次関数的に)変化するものが良いセンサとされる。この理由の一つとしては、非線形のセンサは物理量の測定範囲によって分解能が異なるから非常に扱いにくくなるためであり、線形のセンサにはそのような扱いにくさがないためである。
上記のような線形に変化するセンサに対しては、m個の物理量をP1〜Pm、n個のセンサ出力をS1〜Snとすると、これまでの仮定を以下(2)式のように行列表示することができる。
Figure 0006148440
ただし、これまでの仮定を適用すると、行列表示の係数kji(1≦j≦n、1≦i≦m)には、以下に示すような制限があることになる。
すなわち、j行の係数kj1、kj2、…、kjmのうち、少なくとも2個の係数は0(ゼロ)ではない。そのようなj行が少なくとも1行は存在する。
信号処理部2は、センサ1−1〜1−nの出力に対して所定の信号処理を行い、センサデータを取得する。この具体的な構成例を図2に示す。
すなわち、信号処理部2は、図2に示すように、スイッチ部(選択部)2−1と、増幅部2−2と、AD変換部2−3とを備えている。
スイッチ部2−1は、センサ1−1〜1−nの出力S1〜Snを順次選択して増幅部2−2に出力する。増幅部2−2は、スイッチ部2−1で選択されたセンサ1−1〜1−nの出力S1〜Snのそれぞれを増幅してAD変換部2−3に出力する。AD変換部2−3は、増幅部2−2で増幅されたセンサ出力S1〜Snをアナログ−デジタル変換し、デジタル信号を出力する。
このような構成の信号処理部2によれば、センサ1−1〜1−nの出力S1〜Snをスイッチ部2−1で順次切り替えて増幅部2−2で増幅し、AD変換部2−3でAD変換を行う、いわゆる時分割処理が実現できる。
この時分割処理は、n個のセンサ1−1〜1−nの各出力S1〜Snに対して同じ増幅動作やAD変換動作を行うため、信号処理部2でのばらつきが原則的に発生せず、そのために精度が良い。また、増幅器(Operating−Amplifier)及びAD(AnalogToDigital)変換器が1個ずつしかないため回路規模の小型化、消費電力の省力化も実現できる。
演算部3は、信号処理部2においてデジタル値として数値化されたセンサ1−1〜1−nのデータから所定の演算を行い、この演算に基づいてもとのm個の物理量1〜mを求める。
このため、演算部3は、その信号処理部2の出力データ、その演算(例えば線形演算)に必要な後述の各種のデータなどを記憶するメモリ(図示せず)を含むようにしても良い。また、演算部3がメモリを含まない場合には、演算部3とは別個にメモリを設ける。
ここで、仮に、n個のセンサ1−1〜1−nが、上記の式(1)、式(2)で表される行列、および前記(2)式で表される行列に対する制限として先に説明した係数kjiの条件から外れた場合(すなわち、どのセンサも1個の物理量によってのみ変化する場合)には、この演算部3は基本的に不要となる。
以下、この演算部3の動作の具体例について説明する。
(具体例1)
この具体例1は、所望の物理量の個数mとセンサの個数nとが等しい場合である(m=n)。
この場合がもっとも実用上合理的である。たとえば、従来の3軸磁気センサと呼ばれるセンサシステムのもっとも一般的な構成は、3個の磁気センサを互いに直交になるように配置し、空間(3次元、X軸とY軸とZ軸の3軸)の磁場成分を求めるセンサシステムである。
この具体例1では、上記と同様に物理量をP1、P2、…、Pn、センサ出力をS1、S2、…、Sn、とすると、以下の(3)式に示すような正方行列K(成分値はk11からknn)を含む線形演算式で表すことができる。
Figure 0006148440
ただし、正方行列Kの各成分kji(1≦j≦n、1≦i≦n)には、前記(2)式で表される行列に対する制限として先に説明した制限と同様の制限があり、この場合には以下のように表現できる。
すなわち、対角成分kiiはすべて0(ゼロ)ではない。かつ、非対角成分kji(i≠j)の少なくとも1つは0ではない。
この場合、センサ出力S1、S2、…、Snは、信号処理部2による処理によってセンサデータS1’、S2’、…、Sn’と変化するが、信号処理部2における増幅部2−2及びAD変換部2−3は、その大部分が線形(1次)の信号処理である。したがって、これらn個すべてに対して、以下の関係がある。
Si’=Ci・Si(1≦i≦n) ……(4)
上記のように信号処理部2が時分割処理の場合には、Ciはすべて同じ定数値(たとえばC、ただしC≠0)を取ると考えて構わない。
したがって、物理量の演算出力をP1’、P2’、…、Pn’とすると、演算部3においてこれらを求めるための内部演算は、正方行列K(及び定数C)によって変換されたセンサデータを元に戻す演算を施すことである。その元に戻す演算は、数学的には逆行列演算に他ならない。つまり、正方行列Kが逆行列K’を持つとき、その逆行列の各成分をk11’〜knn’等と書くことにすれば、以下の(5)式のように表すことができる。
Figure 0006148440
このとき、前記で示したように、信号処理部2における信号処理と演算部3における演算の過程において定数倍の任意性があるので、その任意性を含めると(5)式は正確には、以下の(6)式のように表現できる。
Figure 0006148440
ここで、C’は0(ゼロ)ではない任意の数である。
この(5)式または(6)式に示す行列を用いて、演算部3では、物理量の演算出力P1’、P2’、…、Pn’の演算をすることができ、その演算結果に基づいて元の物理量P1、P2、…、Pnを求めることができる。
実際の適用を鑑みると、物理量とセンサ出力とでは次元(Dimension)が異なる場合が一般的であるから、この定数倍の任意性はセンサ信号処理全般において必ず出現するものと考えてよい。したがって、公知文献等においては記載そのものが省略される場合も多々ある。この実施形態に係る演算部3は、このような定数倍の任意性のみを演算する手段は含んでいない。それは前述した演算部3が基本的に不要な場合、に相当するしている。
次に、具体例1と従来技術との比較を行う。
従来技術では、上記のようにセンサ素子の他軸感度をできる限り減らす必要があった。それは上記(3)式の正方行列の非対角成分kjiをできるだけ0(ゼロ)に近づけることと同義である。しかし、実際の製品ではこれらは厳密には0にはなり得ない。つまり、非対角成分に0ではない成分値が少なくとも1個存在する。どちらかと言えば、厳密にはどの非対角成分も(0に近いが)0ではない、と言ったほうが正しい。
上記のように(3)式の正方行列の非対角成分kjiのすべてが0ではない場合、線形代数学の理論に基づけば、その逆行列の非対角成分にも0ではない成分値が存在することが示される(簡単に証明するには、対角行列の逆行列は対角行列である、という定理の対偶を取れば良い。)。したがって、従来の手法は、厳密には0ではない逆行列の非対角成分すべてを0とみなした、という誤差を含むいわば近似計算を行っているに過ぎない。
これに対し、この具体例1では、逆行列の非対角成分の演算を実行することにより、誤差のない厳密な演算を行っていることになるため、すなわち精度が向上することが容易に示される。
(具体例2)
この具体例2は、所望の物理量の個数mよりもセンサの個数nが多い場合である(m<n)。
この場合の物理量P1〜Pmとセンサ出力S1〜Snとの関係は、すでに記述したように前記(2)式で表される行列のようになる。
そして、上記の具体例1と同様の考え方に基づき、演算部3は、以下の行列を用いて物理量の出力P1’、P2’、…、Pn’の演算をすることができ、その演算結果に基づいて元の物理量P1、P2、…、Pnを求めることができる。
Figure 0006148440
ただし、行列K’(各成分値kij’、1≦i≦m、1≦j≦n)は、以下の(8)式を満足する行列である。
Figure 0006148440
ここで、左辺はm行m列の単位行列である。仮にm=nであれば上記の具体例1に帰着し、この場合には逆行列が定義できることになる。
また、具体例1と同様に、定数倍の任意性を持つこともまったく同様である。前記(7)式および(8)式の行列では、この定数倍の任意性を省略している。または、この定数倍の任意性が各成分値に含まれているものとも解釈できる。
具体例2と従来技術の比較については、具体例1の場合と同様であるので省略する。
(具体例3)
この具体例3は、特開2002−71381号公報に記載のセンサを具体例2に適用した場合である。
この具体例3では、実際にセンサを特定することにより、特に本発明の具体的な効果を中心に説明する。
上記の特許公報に記載のセンサは、1個目のホール素子を強磁性材料からなる磁場コンセントレータの端部領域に配置し、2個目のホール素子をその磁場コンセントレータの中心に対して対称にある位置に配置するようにした。そして、その2個のホール素子の出力の和からZ軸方向の磁場成分を、その2個のホール素子の出力の差からX軸方向の磁場成分を、それぞれ独立に求めるようにした。
この構成を3軸磁気センサに適用するには、図3で示すように、X軸方向だけではなくY軸方向にも同じ構成を持つような2個のホール素子を付け加えればよい。ここで、図3におけるZ軸は、紙面に垂直な方向である。
そこで、これら4個のホール素子1−1〜1−4のそれぞれを、図3に示すように、強磁性材料からなる磁場コンセントレータ5の端部領域に配置する。そして、ホール素子1−1〜1−4の各出力をS1〜S4とし、3次元の磁気成分をHx、Hy、Hzとして記述すれば、センサ出力S1〜S4は具体例2のセンサ出力S1〜Snにおいてnを4とした場合に相当し、磁気成分Hx、Hy、Hzは3個の物理量P1、P2、P3に相当する。すなわち、m=3である。
上記の特許公報の説明を参照すると、これらの各量の間には以下のような関係式が成り立つことがわかる。
S1=Hx+Hz ……(9)
S2=−Hx+Hz ……(10)
S3=Hy+Hz ……(11)
S4=−Hy+Hz ……(12)
このような場合には、従来は上記のような4個のホール素子の構成及び関係式(9)〜(12)を、信号処理回路(図1の信号処理部2に相当)で処理するのが一般的である。
すなわち、信号処理部2には一般に増幅部2−2が存在し、この増幅部2−2は入力を1種類の信号とすれば単なる信号増幅機能を果たすに過ぎないが、2種類の信号を並列に増幅部2−2の入力端子に入力することにより加算回路となる。
また、減算回路とするには以下2つの方法がある。1つ目は、2種類の信号のいずれか一方の信号を反転させて加算することである。2つ目は、2種類の信号のいずれか一方の端子を増幅部(オペアンプ)の反転入力端子に入力し、他方の端子を増幅部の非反転入力端子に入力することである。これらの回路によって3軸磁場の各成分を独立に求めることができる。
これに対し、具体例3では、上記のような簡単な加減算を含め具体例1及び具体例2等で示したようなセンサデータを元の物理量に戻す演算を、演算部3において実行する。すなわち、演算部3では、式(9)〜(12)を逆に解くことにより以下のように演算して磁気成分Hx’、Hy’、Hz’をそれぞれ求める。
Hx’=1/2・(S1−S2) ……(13)
Hy’=1/2・(S3−S4) ……(14)
Hz’=1/4・(S1+S2+S3+S4)……(15)
式(9)〜(12)及び式(13)〜(15)の演算は、行列表示が可能である。これを行列表示すれば、式(9)〜(12)の係数行列と式(13)〜(15)の係数行列とで(8)式とまったく同様の表現が可能となる。その係数行列を以下の(16)式に示す。
この具体例3は、具体例2においてm=3とした場合であるから、左辺は3行3列の単位行列となっている。
Figure 0006148440
この具体例3の構成において考察を推し進めると、この実施形態の手法では、従来の加算回路と減算回路を使う手法に対して以下のような効果があることがわかる。
(1)演算部の演算は四則演算のみならず自由に行えるので、演算をする選択の幅が広がる。信号処理回路の演算はかなり制限を受ける上に、精度の問題を抱える演算回路(たとえば乗算回路等)を採用せねばならない場合もある。
(2)従来の時分割処理と比べて、加算や減算のために回路の追加をする必要がない。本実施形態ではすべての演算は演算部3で実行可能であるが、従来の信号処理は加算回路及び減算回路を持たなければならず、さらに一度製作してしまうと簡単には変えられない。
(3)回路追加が不要のため、本実施形態は時分割処理と比べて消費電力がまったく変わらない。従来の信号処理は、回路追加のため消費電力が増加する。
(4)ホール素子は、出力を取り出すために素子に電力を与える(電流を流す)必要がある。本実施形態では測定個数が常に1個であるので、1個分の駆動電流があれば足りる。しかし、従来は、加算回路を動作させるためには最低でも2個のホール素子に電流を流す必要があるので、消費電流が増えて、消費電力が増加する。
(具体例4)
この具体例4も実際にセンサを特定して説明する。そのセンサの概略の構造と検出出力を図4に示す。この具体例4も磁気センサの例であるが、具体例3がホール素子であったのに対し、具体例4は半導体磁気抵抗素子(MRセンサ)乃至は巨大磁気抵抗効果型磁気センサ(GMRセンサ)に対する例である。
図4に示すように、GMRセンサが6個配置されてセンサ110が構成されるものとする。それぞれ符号20、50、60、80、90、100が付与された6個のGMRセンサである。さらに、図4に記載の通り、各GMRセンサは、3軸磁気成分Hx、Hy、Hzに対し、a、c、dを任意に設定される定数として以下のような抵抗変化を検出出力する。
センサ20:抵抗変化Y1=c・Hx+a・Hy ……(17)
センサ50:抵抗変化X1=a・Hx+c・Hy ……(18)
センサ60:抵抗変化X2=−a・Hx+c・Hy ……(19)
センサ80:抵抗変化Y2=c・Hx−a・Hy ……(20)
センサ90:抵抗変化Z1=c・Hx+a・Hy−d・Hz ……(21)
センサ100:抵抗変化Z2=c・Hx+a・Hy+d・Hz ……(22)
したがって、本具体例4においては、物理量の個数m=3、センサの個数n=6であり、2≦m<nの関係を満たしているので、本発明の具体例2が適用可能である。
しかしながら、センサの個数nが多いことは、そのままセンサの製作コストの増加に直結する。特に本具体例の場合、図4から明らかなように、GMRセンサが1個増えるごとにセンサ110の大きさが、GMRセンサの数に比例して増大する。したがって、なるべくGMRセンサの個数は少ないほうが良い(一方で、具体例3の場合には、ホール素子を1個減らしてもさほど小さくなるわけではない。)。
その点を鑑みると、この具体例4には、本発明における具体例1を適用することが最適である。以下、詳細を説明する。
前記符号20、50、60、80、90、100が付与された6個のGMRセンサのうち、以下の3個のGMRセンサを選択する。
センサ60:X2=−a・Hx+c・Hy ……(19)
センサ90:Z1=c・Hx+a・Hy−d・Hz ……(21)
センサ100:Z2=c・Hx+a・Hy+d・Hz ……(22)
つまり、センサ20、センサ50、センサ80は製作する必要がない。前記(19)、(21)、(22)式を行列表示すると以下のようになる。
Figure 0006148440
この(23)式における3行3列の行列は、d≠0かつ(a≠0またはc≠0)のときには逆行列を持つ。さらに、逆行列を持つときには、非対角成分に0でない係数がある。
したがって、本発明の具体例1の手法が適用でき、センサ出力X2、Z1、Z2から、3軸の磁場Hx、Hy、Hzを求めることができる。
本具体例に対する効果を記すと以下のようになる。
(1)具体例3に示したように、演算部の演算が自由に行える。本具体例では、a、c、dの各係数は任意に設定される値であるので、四則演算の実行が必須となるから、事実上本手法以外の手段では実行不可能と言える。
(2)従来の時分割処理と比べて、加算や減算のために回路の追加をする必要がないことは、具体例3とまったく同様である。
(3)回路追加が不要のため、本具体例は時分割処理と比べて消費電力がまったく変わらないことも具体例3と同様である。
本発明は、各種のセンサで構成され、それらセンサの信号処理を行う各種の装置に適用することができる。
1−1〜1−n センサ
2 信号処理部
2−1 スイッチ部
2−2 増幅部
2−3 AD変換部
3 演算部
20、50、60、80、90、100 GMRセンサ

Claims (8)

  1. m個の物理量に基づいて構成される、n個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、
    前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、
    前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得する信号処理部と、
    前記取得したn個のセンサの各出力データから、所定の演算に基づいて前記m個の物理量を求める演算部と、
    前記m個の物理量と前記n個のセンサの各出力データとを相互に変換する変換情報を記憶する変換情報記憶部と、
    を備え、
    前記演算部は、前記n個のセンサの各出力データと前記変換情報とに基づいて前記m個の物理量を求め、
    さらに、
    前記変換情報記憶部に記憶される前記変換情報が、2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換情報を含むことを特徴とするセンサ信号処理装置。
  2. 前記演算部は、前記n個のセンサの各出力データと前記変換情報とから、所定の線形結合演算に基づいて前記m個の物理量を求めることを特徴とする請求項1に記載のセンサ信号処理装置。
  3. 2個以上であるm個の物理量に基づいて構成される、m個以上の個数であるn個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、
    前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量の線形結合に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、
    前記m個の物理量と前記n個のセンサの出力とを相互に線形変換する所定の変換情報を記憶する変換情報記憶部と、
    前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得する信号処理部と、
    前記取得したn個のセンサの各出力データと前記変換情報とから、所定の線形演算に基づいて前記m個の物理量を求める演算部と、
    を備え、
    前記変換情報記憶部に記憶される変換情報が、2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換情報を含むことを特徴とするセンサ信号処理装置。
  4. 2個以上であるm個の物理量に基づいて構成される、m個以上の個数であるn個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、
    前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量の線形結合に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、
    前記m個の物理量から前記n個のセンサの出力に変換するn行m列の変換行列を記憶する変換行列記憶部と、
    前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得する信号処理部と、
    前記変換行列との積がm行m列の単位行列となるような行列で表される所定の係数および前記所定の係数の定数倍の係数のうちの一方の係数と、前記取得したn個のセンサの各出力データとから、所定の線形結合演算に基づいて前記m個の物理量を求める演算部と、
    を備え、
    前記変換行列記憶部に記憶される変換行列が、2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換行列を含むことを特徴とするセンサ信号処理装置。
  5. 2個以上であるn個の物理量に基づいて構成される、n個のセンサ信号を処理するセンサ信号処理装置であって、
    前記n個の物理量のうち、2個以上の互いに異なる物理量を検知し、当該2個以上の互いに異なる物理量の線形結合に応じた出力をするセンサを少なくとも1個含むn個のセンサと、
    前記n個の物理量から前記n個のセンサの出力に変換するn行n列の変換行列を記憶する線形変換行列記憶部と、
    前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得する信号処理部と、
    前記変換行列の逆行列で表される所定の係数および前記所定の係数の定数倍の係数のうちの一方の係数と、前記取得したn個のセンサの各出力データとの線形結合演算に基づいて前記n個の物理量を求める演算部と、
    を備え、
    前記線形変換行列記憶部に記憶される変換行列が、前記n行n列の変換行列または当該変換行列の逆行列であり、前記変換行列または前記逆行列の非対角成分の少なくとも1つが0を除く情報であることを特徴とするセンサ信号処理装置。
  6. m個(m≧2)の物理量を、m個以上の個数であるn個のセンサの出力に基づいて演算するセンサ信号処理方法であって、
    前記n個のセンサは、前記m個の物理量のうち、2個以上の互いに独立な物理量を検知し、該2個以上の互いに独立な物理量の線形結合に応じた出力をするセンサを1個以上含み、
    前記m個の物理量と2個以上の互いに異なる物理量の変化に伴って出力をするセンサを少なくとも1個含む前記n個のセンサの出力とを相互に線形変換する所定の変換情報を変換情報記憶部に記憶しておき、
    前記n個のセンサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個のセンサの各出力データを取得し、
    当該取得したn個のセンサの各出力データと前記変換情報とから所定の線形演算を行い、当該線形演算に基づいて前記m個の物理量を求めることを特徴とするセンサ信号処理方法。
  7. 直交する3軸の磁場に基づいて構成される、3個以上の個数であるn個の磁気センサの信号を処理するセンサ信号処理装置であって、
    前記3軸の磁場のうち、直交する2軸を検知し、当該磁場の線形結合に応じた出力をする磁気センサを少なくとも1個含むn個のセンサと、
    前記3軸の磁場から前記n個のセンサの出力に変換するn行3列の変換行列を記憶する変換行列記憶部と、
    前記n個の磁気センサの各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記n個の磁気センサの各出力データを取得する信号処理部と、
    前記変換行列との積が3行3列の単位行列となるような行列で表される所定の係数および前記所定の係数の定数倍の係数のうちの一方の係数と、前記取得したn個のセンサの出力データとから、所定の線形結合演算に基づいて前記直交する3軸の磁場を求める演算部と、
    を備え、
    前記変換行列記憶部に記憶される変換行列が、直交する2軸以上の変化に伴って出力をする少なくとも1個の磁気センサの出力変換行列を含むことを特徴とするセンサ信号処理装置。
  8. 直交する3軸の磁場に基づいて構成される、4個のホール素子の信号を処理するセンサ信号処理装置であって、
    前記3軸の磁場のうち、直交する2軸を検知し、当該磁場の線形結合に応じた出力をするホール素子を少なくとも1個含む4個のセンサと、
    前記3軸の磁場から前記4個のセンサの出力に変換する4行3列の変換行列を記憶する変換行列記憶部と、
    前記4個のホール素子の各出力を1個ずつ選択して順次個別に数値化し、当該数値化された前記4個のホール素子の各出力データを取得する信号処理部と、
    前記変換行列との積が3行3列の単位行列となるような行列で表される所定の係数および前記所定の係数の定数倍の係数のうちの一方の係数と、前記取得した4個のセンサの各出力データとから、所定の線形結合演算に基づいて前記直交する3軸の磁場を求める演算部と、
    を備え、
    前記変換行列記憶部に記憶される変換行列が、直交する2軸以上の変化に伴って出力をする少なくとも1個のセンサの出力変換行列を含むことを特徴とするセンサ信号処理装置。
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